JP6895089B2 - 炭素材料製造用前駆体材料、それを含有する炭素材料製造用前駆体組成物材料、及びそれらを用いた炭素材料の製造方法 - Google Patents
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Description
先ず、本発明の炭素材料前駆体について説明する。本発明の炭素材料前駆体は、重量平均分子量が1万〜200万であり、かつ、分子量の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であるアクリルアミド系ポリマーからなるものである。
本発明に用いられるアクリルアミド系ポリマーの重量平均分子量は1万〜200万である。アクリルアミド系ポリマーの重量平均分子量が前記上限を超えると、フィルム化、シート化、紡糸等における成形加工性(紡糸性)が低下する。他方、アクリルアミド系ポリマーの重量平均分子量が前記下限未満になると、アクリルアミド系ポリマーからなる炭素材料前駆体の強度が低下する。さらに、前記アクリルアミド系ポリマーの重量平均分子量の上限としては、成形加工性(紡糸性)が更に向上するという観点から、150万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、80万以下が更に好ましく、50万以下がまた更に好ましく、30万以下が特に好ましく、20万以下が最も好ましい。また、アクリルアミド系ポリマーの重量平均分子量の下限としては、アクリルアミド系ポリマーからなる炭素材料前駆体の強度が更に向上するという観点から、2万以上が好ましく、3万以上がより好ましい。
次に、本発明の炭素材料前駆体組成物について説明する。本発明の炭素材料前駆体組成物は、前記本発明の炭素材料前駆体と、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分とを含有するものである。本発明の炭素材料前駆体に、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分を添加することによって、耐炎化収率及び炭化収率が更に向上する。
次に、本発明の炭素材料の製造方法について説明する。本発明の炭素材料の製造方法としては、前記本発明の炭素材料前駆体又は本発明の炭素材料前駆体組成物に、直接炭化処理を施すことも可能であるが、高収率で炭素材料が得られるという観点から、耐炎化処理を施し、次いで、炭化処理を施すことが好ましい。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)12.8g(0.18mol)をイオン交換水180mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン1.35ml(0.009mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら40℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム0.252g(0.0011mol)を添加した後、60℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のポリアクリルアミド(PAAm)を得た。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)12.8g(0.18mol)をイオン交換水180mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン1.35ml(0.009mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム0.152g(0.00067mol)を添加した後、80℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のポリアクリルアミド(PAAm)を得た。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン6.75ml(0.045mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら50℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム1.52g(0.0067mol)を添加した後、50℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン6.75ml(0.045mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら40℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム4.11g(0.018mol)を添加した後、60℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン6.75ml(0.045mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら45℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム2.52g(0.011mol)を添加した後、78℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
過硫酸アンモニウムの量を6.17g(0.027mol)に変更した以外は合成例4と同様にして、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン6.75ml(0.045mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム2.52g(0.011mol)を添加した後、78℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン6.75ml(0.045mol)及び過硫酸アンモニウム4.11g(0.018mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら室温(23℃)から60℃まで10分間かけて昇温した後、60℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)12.8g(0.18mol)をイオン交換水180mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン1.35ml(0.009mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら30℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム0.252g(0.0011mol)を添加し、撹拌しながら30℃から50℃まで10分間かけて昇温した後、50℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のポリアクリルアミド(PAAm)を得た。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)96.0g(1.35mol)及びアクリロニトリル(AN)23.9g(0.45mol)をイオン交換水480mlに溶解し、得られた水溶液にテトラメチルエチレンジアミン3.75ml(0.025mol)を添加して、窒素雰囲気下、撹拌しながら30℃まで昇温した。次いで、過硫酸アンモニウム1.03g(0.0045mol)を添加し、撹拌しながら30℃から50℃まで10分間かけて昇温した後、50℃で3時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
ポリアクリルアミド10%水溶液(東京化成工業株式会社製、製品品番:A0140)を真空乾燥させることにより前記水溶液から水を除去して、水溶性のポリアクリルアミド(PAAm)を得た。
アクリルアミド(AAm、和光純薬工業株式会社製)48.0g(0.675mol)及びアクリロニトリル(AN)11.95g(0.225mol)をイオン交換水1140mlに溶解し、得られた水溶液に、窒素雰囲気下、過硫酸アンモニウム6.17g(0.027mol)を添加した後、60℃で6時間重合反応を行なった。得られた水溶液をメタノール中に投入して共重合物を析出させ、これを回収して真空乾燥させることにより、水溶性のアクリルアミド/アクリロニトリル共重合体(AAm/AN共重合体)を得た。このAAm/AN共重合体中のアクリルアミド(AAm)単位とアクリロニトリル(AN)単位との比を合成例3と同様にして算出したところ、AAm/AN=75mol%/25mol%であった。
合成例1〜2、9及び比較調製例1で得られたPAAm並びに合成例3〜8、10及び比較合成例1で得られたAAm/ANの重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnを、ゲル浸透クロマトグラフィー(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)を用いて下記の条件で測定し、分子量の多分散度(Mw/Mn)を算出した。これらの結果を表1に示す。
〔測定条件〕
カラム:TSKgel GMPWXL×2本+TSKgel G2500PWXL×1本
溶離液:100mM硝酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル=80/20
溶離液流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
分子量標準物質:標準ポリエチレンオキシド/標準ポリエチレングリコール
検出器:示差屈折率検出器
炭素材料前駆体として合成例1で得られたPAAm(Mw=13万、Mw/Mn=3.0)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例1で得られたPAAm(Mw=13万、Mw/Mn=3.0)を、炭素材料前駆体濃度が20質量%となるようにイオン交換水に溶解した。得られた水溶液に、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部のリン酸水素二アンモニウムを添加し、撹拌して完全に溶解させた。得られた水溶液から水を減圧留去した後、得られた固体成分を真空乾燥して、PAAm及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例2で得られたPAAm(Mw=13万、Mw/Mn=2.6)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例2で得られたPAAm(Mw=13万、Mw/Mn=2.6)を用いた以外は実施例2と同様にして、PAAm及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
リン酸水素二アンモニウムの代わりにリン酸を、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部添加した以外は実施例4と同様にして、PAAm及びリン酸を含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例3で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=13万、Mw/Mn=2.7)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例3で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=13万、Mw/Mn=2.7)を用いた以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例4で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=6.2万、Mw/Mn=2.6)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例4で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=6.2万、Mw/Mn=2.6)を用いた以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例5で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=6.0万、Mw/Mn=2.2)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例5で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=6.0万、Mw/Mn=2.2)を用いた以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
リン酸水素二アンモニウムの代わりにリン酸を、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部添加した以外は実施例11と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸を含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例6で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=5.4万、Mw/Mn=3.0)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例6で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=5.4万、Mw/Mn=3.0)を用い、リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して5質量部に変更した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例7で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=5.4万、Mw/Mn=2.1)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例7で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=5.4万、Mw/Mn=2.1)を用いた以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して5質量部に変更した以外は実施例16と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例8で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=6.8万、Mw/Mn=3.8)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例8で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=6.8万、Mw/Mn=3.8)を用い、リン酸水素二アンモニウムの代わりにホウ酸を、前記炭素材料前駆体100質量部に対して5質量部添加した以外は実施例2と同様にして、AAm/AN共重合体及びホウ酸を含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例9で得られたPAAm(Mw=50万、Mw/Mn=4.6)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として合成例9で得られたPAAm(Mw=50万、Mw/Mn=4.6)を用い、リン酸水素二アンモニウムの代わりにリン酸を、前記炭素材料前駆体100質量部に対して2質量部添加した以外は実施例2と同様にして、PAAm及びリン酸を含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
リン酸水素二アンモニウムの添加量を前記炭素材料前駆体100質量部に対して8質量部に変更した以外は実施例21と同様にして、AAm/AN共重合体及びリン酸水素二アンモニウムを含有する炭素材料前駆体組成物を得た。
炭素材料前駆体として合成例10で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=52万、Mw/Mn=4.5)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として比較調製例1で得られたPAAm(Mw=58万、Mw/Mn=6.8)をそのまま使用した。
炭素材料前駆体として比較合成例1で得られたAAm/AN共重合体(AAm/AN=75mol%/25mol%、Mw=14万、Mw/Mn=5.8)をそのまま使用した。
実施例及び比較例で得られた炭素材料前駆体(実施例1、3、6、8、10、13、15、18、20、23、比較例1、2)又は炭素材料前駆体組成物(実施例2、4、5、7、9、11、12、14、16、17、19、21、22)を80℃で12時間真空乾燥した後、3mg秤量し、示差熱天秤(株式会社リガク製「TG8120」)を用いて、空気流量500ml/minの空気雰囲気下、昇温速度10℃/minで室温から350℃まで加熱し、350℃で10分間保持(耐炎化処理)して炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物の耐炎化物を得た。耐炎化処理前後の炭素材料前駆体の質量保持率(炭素材料前駆体の耐炎化収率)を、前記真空乾燥後に炭素材料前駆体に吸着した水の影響を考慮し、150℃における炭素材料前駆体の質量を基準として、下記式:
炭素材料前駆体の耐炎化収率[%]=M350/M150×100
〔M350:空気雰囲気下、350℃で10分間加熱した後の炭素材料前駆体(耐炎化物)の質量、M150:150℃における炭素材料前駆体の質量〕
により求めた。その結果を表2に示す。
前記炭素材料前駆体の耐炎化物(実施例1、3、6、8、10、13、15、18、20、23、比較例1、2)又は前記炭素材料前駆体組成物の耐炎化物(実施例2、4、5、7、9、11、12、14、16、17、19、21、22)2mgを示差熱天秤(株式会社リガク製「TG8120」)を用いて、窒素流量500ml/minの窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで室温から1100℃まで加熱(炭化処理)して炭素材料を得た。この炭化処理前後の耐炎化物の質量保持率(1100℃における耐炎化物の炭化収率)を、耐炎化物に吸着した水の影響を考慮し、150℃における耐炎化物の質量を基準として、下記式:
耐炎化物の炭化収率[%]=M1100/M150×100
〔M1100:窒素雰囲気下、1100℃まで加熱した後の耐炎化物(炭素材料)の質量、M150:150℃における耐炎化物の質量〕
により求めた。その結果を表2に示す。
実施例及び比較例で得られた炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物の耐炎化・炭化の総収率を、下記式:
耐炎化・炭化の総収率[%]=(耐炎化収率/100)×(炭化収率/100)×100
により求めた。その結果を表2に示す。
実施例で得られた炭素材料について元素分析を行なった結果、いずれの炭素材料も炭素含有率は90%以上であった。
<耐炎化収率の測定>
実施例3で得られた炭素材料前駆体、実施例17で得られた炭素材料前駆体組成物、比較例1で得られた炭素材料前駆体を80℃で12時間真空乾燥した後、3mg秤量し、示差熱天秤(株式会社リガク製「TG8120」)を用いて、空気流量500ml/minの空気雰囲気下、昇温速度10℃/minで室温から所定温度まで加熱し、所定温度で所定時間保持(耐炎化処理)して炭素材料前駆体又は炭素材料前駆体組成物の耐炎化物を得た。耐炎化処理前後の炭素材料前駆体の質量保持率(炭素材料前駆体の耐炎化収率)を、前記真空乾燥後に炭素材料前駆体に吸着した水の影響を考慮し、150℃における炭素材料前駆体の質量を基準として、下記式:
炭素材料前駆体の耐炎化収率[%]=MT/M150×100
〔MT:空気雰囲気下、所定温度T[℃]で所定時間加熱した後の炭素材料前駆体(耐炎化物)の質量、M150:150℃における炭素材料前駆体の質量〕
により求めた。その結果を表3に示す。
前記炭素材料前駆体の耐炎化物(実施例3、比較例1)又は前記炭素材料前駆体組成物の耐炎化物(実施例17)2mgを示差熱天秤(株式会社リガク製「TG8120」)を用いて、窒素流量500ml/minの窒素雰囲気下、昇温速度20℃/minで室温から1100℃まで加熱(炭化処理)して炭素材料を得た。この炭化処理前後の耐炎化物の質量保持率(1100℃における耐炎化物の炭化収率)を、耐炎化物に吸着した水の影響を考慮し、150℃における耐炎化物の質量を基準として、下記式:
耐炎化物の炭化収率[%]=M1100/M150×100
〔M1100:窒素雰囲気下、1100℃まで加熱した後の耐炎化物(炭素材料)の質量、M150:150℃における耐炎化物の質量〕
により求めた。その結果を表3に示す。
実施例3で得られた炭素材料前駆体、実施例17で得られた炭素材料前駆体組成物、比較例1で得られた炭素材料前駆体の耐炎化・炭化の総収率を、下記式:
耐炎化・炭化の総収率[%]=(耐炎化収率/100)×(炭化収率/100)×100
により求めた。その結果を表3に示す。
Claims (3)
- 重量平均分子量が1万〜200万であり、かつ、分子量の多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が5.0以下であるアクリルアミド系ポリマーからなることを特徴とする炭素材料製造用前駆体材料。
- 請求項1に記載の炭素材料製造用前駆体材料と、酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の添加成分とを含有することを特徴とする炭素材料製造用前駆体組成物材料。
- 請求項1に記載の炭素材料製造用前駆体材料又は請求項2に記載の炭素材料製造用前駆体組成物材料に耐炎化処理を施し、次いで、炭化処理を施すことを特徴とする炭素材料の製造方法。
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