JP2019026019A - タイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
この構成の本発明のタイヤによれば、空洞共鳴音を低減しつつも、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性を向上させることができる。
また、本明細書において、「サイドウォール部」とは、タイヤに組み付けるリムの離反点からトレッド接地端に至る領域をいう。より詳細には、リムの離反点において引いたタイヤ外表面の法線と、トレッド接地端において引いたタイヤ外表面の法線と、の間に延在する領域をいう。なお、「トレッド接地端」とは、トレッド踏面(リムに組み付けるとともに所定の内圧を充填したタイヤを、最大負荷荷重を負荷した状態で転動させた際に、路面と接触することになる、タイヤの全周に亘る外周面)のタイヤ幅方向両端をいう。
また、本明細書において、「トレッド部」とは、トレッド接地端間の領域をいう。より詳細には、一方のトレッド接地端において引いたタイヤ外表面の法線と、他方のトレッド接地端において引いたタイヤ外表面の法線と、の間に延在する領域をいう。
また、「所定の内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「所定の内圧」は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。さらに、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
この構成によれば、空洞共鳴音をより確実に低減することができる。
この構成によれば、空洞共鳴音を十分に低減しつつも、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
この構成によれば、空洞共鳴音をより十分に低減しつつも、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ10の半部のタイヤ幅方向断面を示す、部分断面図である。なお、本実施形態では、図示しないタイヤ10の半部においても、図示するタイヤ10の半部と同一の構成を有している。
本実施形態に係るタイヤ10は、一対のビード部1と、該ビード部1の径方向外側に配置された一対のサイドウォール部2と、該サイドウォール部2間に配置されたトレッド部3と、を有し、該サイドウォール部2のそれぞれに、本実施形態では断面三日月状の補強ゴム層4を備えている。より詳細に、タイヤ10は、一対のビード部1のそれぞれに配置されたビードコア5間にトロイダル状に跨る、カーカス6と、該カーカス6よりもタイヤの内周側にて該ビードコア5間にトロイダル状に跨り、タイヤ10の内周面をなす、インナーライナー7と、を備え、補強ゴム層4が、該カーカス6と該インナーライナー7との間に配置されている。
なお、補強ゴム層4は、タイヤ周方向に亘って連続し、円環状に延在している。
このように、本実施形態に係るタイヤ10では、制音層8が、補強ゴム層4上に積層しないように配置されている。
また、該制音層8が、補強ゴム層4上に積層されていないため、当該制音層8によって補強ゴム層4における放熱が抑制されず、該補強ゴム層4に蓄熱され難い。従って、サイド補強型のランフラットタイヤにおいて特に顕著となる、補強ゴム層4における温度上昇が抑制されるため、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性を向上させることができる。
すなわち、補強ゴム層4のタイヤ径方向外側端4Eと、制音層8のタイヤ幅方向外側端8Eと、がタイヤの内周面に沿って3.0mm以上15.0mm以下離間していることが好ましい。
離間距離Dが15.0mm以下であれば、制音層8の体積及び表面積を十分に確保して、空洞共鳴音をより十分に低減することができる。
制音層8を、タイヤの赤道面CLを含む領域に配置すれば、該制音層8を比較的広幅に配置することができ、該吸音層8の体積を増すことができる。さらには、上記のタイヤ周方向断面視で、制音層8のタイヤの内周面に沿う長さを、該タイヤの内周面の周長の、0.7倍以上とすれば、制音層8の体積をさらに増すことができるため、空洞共鳴音をより確実に低減することができる。
0.9以下であれば、トレッド部3のタイヤ内表面における放熱を妨げ難いため、車両走行中におけるタイヤ全体の温度上昇が抑制される。従って、ランフラット走行時においても、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
また、吸音層8の内周側の面を、例えば、波状、ジグザグ状、若しくは、階段状等の凹凸形状、又は、複数の突起を有する凹凸形状等とすれば、該吸音層8の表面積が増すため、空洞共鳴音を効果的に低減することができる。
しかしながら、本発明に係るタイヤにおいて、ベルトの構成はこれに限定されない。
しかしながら、空洞共鳴音の低減効果、及び、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性向上効果をより確実に得る観点から言えば、タイヤの一方の半部及び他方の半部の双方において、吸音層8が、補強ゴム層4上に積層されていないことが好ましい。
タイヤ20は、基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、インナーライナー72のタイヤ幅方向端72Eがサイドウォール部2にて終端していること以外は、図1に示す先の実施形態に係るタイヤ10と同一の構成を有している。従って、タイヤ10と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
このように、タイヤ20では、吸音層8が、補強ゴム層4上に積層されていないことに加えて、インナーライナー72が、補強ゴム層4上にタイヤ径方向に亘って積層されていない。すなわち、インナーライナー72が、補強ゴム層4の一部にのみ積層されている。
また、一般に、インナーライナーには、タイヤの他の部分に比し発熱性が高い(tanδが大きい)ゴムが使用されるので、該インナーライナーの配設領域を縮小することにより、ランフラット走行時は勿論のこと、通常の車両走行におけるタイヤの発熱量を低減できる観点からも、タイヤの耐久性をさらに向上させることができる。
また、インナーライナー72のタイヤの内周面に沿う長さW72が、ベルト幅W9に20mmを加えた長さ以下であれば、インナーライナー72に起因する不要な発熱を抑制することができる。
なお、比較例タイヤ3における、吸音層と補強ゴム層とのタイヤの内周面に沿う重複長さは、10mmであり、比較例タイヤ4における同重複長さは、1mmである。なお、表1中に記載される、比較例タイヤ3,4の「重複長さ」は、制音層のタイヤ幅方向一方端における補強ゴム層との重複長さであり、該制音層のタイヤ幅方向他方端もまた同様に補強ゴム層上に重複している。
各供試タイヤをリム(16×6.5J)に装着し、内圧250kPa(相当圧)を充填し、鉄板表面を有する直径1.7mの鉄製ドラムを備えるドラム試験機に取り付け、タイヤ負荷質量5.0kN、速度60km/hの条件のもと定速で転動させた。その際に、ホイール分力計を用いて上下方向タイヤ軸力(Fz)を測定することにより得られる周波数スペクトルから、空洞共鳴音に対応する周波数のピーク値を測定することにより、各供試タイヤの空洞共鳴音を測定した。
その結果を、表1に、比較例タイヤ1で発生した空洞共鳴音のピーク値からの低減量を、空洞共鳴音の低減量(dB)として示す。数値が大きいほど、空洞共鳴音の低減量が大きいことを意味している。
ドラム試験機にてLI(Load Index)に応じた最大負荷荷重の65%となる荷重を加え、速度80km/hで走行させ、160km(2時間)を完走条件として、タイヤが故障して走行できなくなるまでの距離を計測した。比較例タイヤ1におけるランフラット耐久性(ランフラット走行時の耐久性)を100として、指数評価した結果を表1に示す。数値が大きいほど、タイヤのランフラット耐久性が良好であることを示す。
Claims (4)
- 一対のビード部と、該ビード部のタイヤ径方向外側に配置された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部間に配置されたトレッド部と、を有し、前記サイドウォール部に補強ゴム層を備えるタイヤであって、
前記補強ゴム層が、前記サイドウォール部から前記トレッド部の少なくとも一部に亘って延在するとともに、
前記タイヤの内周面の少なくとも一部を覆う、制音層を備え、
該制音層が、前記補強ゴム層上に積層されていないこと、を特徴とするタイヤ。 - 前記制音層が、前記トレッド部の内周面のタイヤ赤道面を含む領域に延在しており、
前記タイヤをリムに組み付け、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態における、タイヤ赤道面に沿うタイヤ周方向断面視で、前記制音層の前記タイヤの内周面に沿う長さが、該タイヤの内周面の周長の、0.7倍以上である、請求項1に記載のタイヤ。 - 前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記補強ゴム層と前記制音層とが、前記タイヤの内周面に沿って3.0mm以上15.0mm以下離間している、請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 前記基準状態におけるタイヤ幅方向断面視で、前記制音層の前記タイヤの内周面に沿う長さが、前記トレッド部の前記タイヤの内周面に沿う長さの、0.6以上0.9以下である、請求項2又は3に記載のタイヤ。
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