JP2009255753A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】中周波ロードノイズの低減を図ると共に、耐転覆性能の低下を抑制すること。
【解決手段】ベルト層5の外周側に、ストリップ材の巻き着けによるベルト補強層6が設けられた空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層6は、トレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲に、ストリップ材が重ね巻きされた重巻部61を有する。このため、トレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の領域のベルト剛性がトレッド部2の中央域より高くなる。この結果、タイヤ断面2次固有振動数が増加するので、250Hz〜315Hzの中周波ロードノイズの音圧レベルを低減できる。しかも、ショルダー部3には、重巻部61を配置していないことから、重巻部61を配置した部位よりもショルダー部3の剛性が低くなる。このため、高速・高負荷での限界走行時における耐転覆性能の低下を抑制できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ベルト層5の外周側に、ストリップ材の巻き着けによるベルト補強層6が設けられた空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層6は、トレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲に、ストリップ材が重ね巻きされた重巻部61を有する。このため、トレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の領域のベルト剛性がトレッド部2の中央域より高くなる。この結果、タイヤ断面2次固有振動数が増加するので、250Hz〜315Hzの中周波ロードノイズの音圧レベルを低減できる。しかも、ショルダー部3には、重巻部61を配置していないことから、重巻部61を配置した部位よりもショルダー部3の剛性が低くなる。このため、高速・高負荷での限界走行時における耐転覆性能の低下を抑制できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、中周波ロードノイズの低減を図ると共に、耐転覆性能の低下を抑制する空気入りタイヤに関するものである。
近年、自動車の快適性能の向上が強く求められており、その一つとして騒音性能がある。この騒音性能向上の手法としては、空気入りタイヤが音源となって発する騒音を低減させるものがある。空気入りタイヤからの騒音は、路面の凹凸に起因するロードノイズがある。このロードノイズの中でも、特に250Hz〜315Hzの中周波帯域については、ショルダー部のベルト剛性をセンター部よりも向上させることにより、タイヤ断面2次固有振動数を増加させて音圧レベルを低減できることが知られている。
従来、例えば、特許文献1に記載の空気入りタイヤ(空気入りラジアルタイヤ)では、ベルト層を補強する少なくとも1枚のベルトカバー層(ベルト補強層)が設けられている。このベルトカバー層は、ショルダー部に帯材(ストリップ材)を重ねて巻き着けた重巻部を有すると共に、センター部に前記帯材を所定間隔空けて巻き着けた間隔巻部を有している。そして、重巻部により、ショルダー部のベルト剛性をセンター部よりも高くして中周波ロードノイズを低減し、さらに間隔巻部の間隔の設定によりセンター部とショルダー部との間のベルト剛性差の最適化を図って、ショルダー部の耐偏摩耗性能の悪化を抑制している。
しかし、中周波ロードノイズを低減するためにショルダー部のベルト剛性をセンター部よりも高くすると、コーナリングフォースが増加する。このため、高速・高負荷での限界走行時における耐転覆性能が低下するおそれがある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、中周波ロードノイズの低減を図ると共に、耐転覆性能の低下を抑制することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる空気入りタイヤでは、ベルト層の外周側に、帯状のストリップ材の巻き着けによるベルト補強層が設けられた空気入りタイヤにおいて、前記ベルト補強層は、トレッド部の接地端からタイヤ幅方向内側の所定範囲で、前記ストリップ材が重ね巻きされた重巻部を有していることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、トレッド部の接地端からタイヤ幅方向内側の所定範囲の領域でのベルト剛性がトレッド部の中央域より高くなる。この結果、タイヤ断面2次固有振動数が増加するので、250Hz〜315Hzの中周波ロードノイズの音圧レベルを低減できる。しかも、トレッド部の接地端からタイヤ幅方向外側であるショルダー部には、重巻部を配置していないことから、重巻部を配置した部位よりもショルダー部の剛性が低くなる。このため、高速・高負荷での限界走行時における耐転覆性能の低下を抑制できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記ベルト補強層は、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝のタイヤ径方向内側位置に前記重巻部を有していることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、タイヤ径方向内側位置における周方向主溝の溝底におけるベルト剛性が増す。中周波ロードノイズは、タイヤ幅方向最外側における周方向主溝の溝底のゴム材が薄くなっていることにより、この溝底を腹にして溝壁がタイヤ幅方向に接近または離隔するように変形することで生じるが、この溝底におけるベルト剛性が増すことで、周方向主溝の変形が抑えられる。この結果、タイヤ断面2次固有振動数が顕著に増加するので、中周波ロードノイズを好適に低減できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記重巻部は、前記ストリップ材の幅W1に対し、該ストリップ材同士が重なる重なり幅W2が、0.20≦W2/W1≦0.70の範囲に設定されていることを特徴とする。
W2/W1が0.20未満であると、ベルト剛性の上昇が少なくなり、望ましい効果が得られ難い。一方、W2/W1が0.70を超えると、質量の増加を招くことになる。このため、ストリップ材の幅W1に対して重なり幅W2が0.20≦W2/W1≦0.70の範囲に設定されていることが好ましい。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記ベルト補強層は、そのタイヤ幅方向外側端が、前記ベルト層のタイヤ幅方向外側端よりもタイヤ幅方向外側に配置されていることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、ベルト補強層が、ベルト層のタイヤ幅方向外側端よりタイヤ幅方向外側を拘束するので、より効果的に中周波ロードノイズを低減できる。
また、本発明にかかる空気入りタイヤでは、前記ベルト補強層は、前記重巻部以外の部位で前記ストリップ材が間隔を開けて巻き着けられた間隔巻部を有していることを特徴とする。
この空気入りタイヤによれば、間隔巻部により、ストリップ材が存在する部位と存在しない部位とを設けてベルト補強層によるベルト剛性の調整を行える。
本発明にかかる空気入りタイヤは、中周波ロードノイズの低減を図ると共に、耐転覆性能の低下を抑制できる。
以下に、本発明にかかる空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的同一のものが含まれる。また、この実施の形態に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの子午断面図、図2は、図1に示す空気入りタイヤに設けられたベルト補強層の概略図であり、図3は、本発明の別の実施の形態にかかる空気入りタイヤの子午断面図、図4は、図3に示す空気入りタイヤに設けられたベルト補強層の概略図であり、図5は、本発明の別の実施の形態にかかる空気入りタイヤの子午断面図、図6は、図5に示す空気入りタイヤに設けられたベルト補強層の概略図であり、図7は、本発明の別の実施の形態にかかる空気入りタイヤの子午断面図、図8は、図7に示す空気入りタイヤに設けられたベルト補強層の概略図であり、図9は、本発明の実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。
本実施の形態にかかる空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面Cを中心としてほぼ対称になるように構成されている。タイヤ赤道面Cとは、空気入りタイヤ1の回転軸(図示せず)に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面である。また、タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面C上にあって空気入りタイヤ1の周方向に沿う線をいう。そして、以下に説明する空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道面Cを中心としてほぼ対称になるように構成されていることから、子午断面図においては、タイヤ赤道面Cを中心とした一側のみを図示して当該一側のみを説明し、他側の説明は省略する。
また、以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤの回転軸(図示せず)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、前記回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、前記回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面Cから離れる側をいう。
図1に示すように、本実施の形態に係る空気入りタイヤ1は、トレッド部2と、その両側のショルダー部3と、図には明示しないが各ショルダー部3から順次連続するサイドウォール部およびビード部とを有している。この空気入りタイヤ1は、カーカス4と、ベルト層5と、ベルト補強層6とを含み構成されている。
トレッド部2は、空気入りタイヤ1の外部に露出したものであり、その表面が空気入りタイヤ1の外郭となる。トレッド部2の外周表面、つまり、走行時に路面と接触する踏面(図1および図2における接地幅W0の範囲)には、トレッド面21が形成されている。このトレッド面21には、タイヤ周方向に延在して形成された複数(本実施の形態では4つ)の周方向主溝22と、これら周方向主溝22により区画形成された複数の陸部をなすリブ23とが設けられている。また、ショルダー部3は、トレッド部2におけるトレッド面21(接地幅W0の範囲)よりタイヤ幅方向両外側の部位である。なお、周方向主溝22は、溝の残り1.6mmをあらわす目安となるウェアインジケータが設けられるものである。また、本実施の形態において周方向主溝22は、主にタイヤ周方向に直線状に形成されているものが好適であるが、タイヤ周方向に沿ってジクザグ(蛇行を含む)に形成されているものであってもよい。また、接地幅W0とは、JATMA規定のリムに装着し、最高空気圧(例えば180kPa)を付与し、かつ最大荷重を加えた状態の空気入りタイヤ1を接地させたときのタイヤ幅方向の接地域とする。
カーカス4は、一対のビード部(図示省略)に対してトロイド状に架け渡され、かつタイヤ周方向に掛け回されてタイヤの骨格を構成するものである。このカーカス4は、有機繊維やスチールなどのコードがゴム材で被覆されたもので、該コードが空気入りタイヤ1のタイヤ赤道線に直交するように配置されている。
ベルト層5は、少なくとも2つのベルト51,52を積層した多層構造をなし、カーカス4のタイヤ径方向外側に配置されてカーカス4をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト51,52は、有機繊維やスチールなどのコードがゴム材で被覆されたもので、該コードがタイヤ周方向、つまりタイヤ赤道線に対して、所定の角度をつけて配置されている。また、ベルト51,52は、タイヤ赤道線に対して、相互にコードを反対方向に傾けて配置されている。
ベルト補強層6は、ベルト層5のタイヤ径方向外側に配置されてベルト層5をタイヤ周方向に覆うものである。ベルト補強層6は、ナイロンやポリエステルなどの有機繊維のコードがゴム材で被覆されたもので、該コードが帯状の長手方向に沿って配置された、例えば10mm幅のストリップ材から構成されている。そして、ベルト補強層6は、ストリップ材をベルト層5のタイヤ径方向外側にてタイヤ周方向に巻き着けて設けられている。このベルト補強層6は、重巻部61と、一巻部62とを有している。
重巻部61は、隣接するストリップ材の相互の側縁が重ねて巻かれたもので、接地幅W0の範囲のタイヤ幅方向両端である接地端Pよりタイヤ幅方向内側に配置されている。なお、ベルト補強層6における接地端Pの位置は、接地幅W0のタイヤ幅方向両端におけるトレッド面21の法線により規定されるものとする。
一巻部62は、上記重巻部61以外のベルト補強層6の部位で一巻きに巻き着けられたもので、隣接巻部62aまたは間隔巻部62bを含む。隣接巻部62aは、隣接するストリップ材の相互の側縁が重ねられず接触して巻かれたものである。また、間隔巻部62bは、隣接するストリップ材の相互の側縁の間に間隔をおいて巻かれたものである。すなわち、ベルト補強層6は、重巻部61以外の部位に一巻部62としての隣接巻部62aまたは間隔巻部62bを有している。
図1および図2に示す空気入りタイヤ1のベルト補強層6は、重巻部61が接地端Pよりタイヤ幅方向内側の所定範囲に配置され、一巻部62がショルダー部3と、重巻部61よりタイヤ幅方向内側であるトレッド部2の中央域とに配置されている。この場合、ベルト補強層6は、タイヤ幅方向の一側端からストリップ材を巻き着けて、接地端Pまでのショルダー部3を一巻部62とし、接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲までを重巻部61とし、トレッド部2の中央域を一巻部62とし、タイヤ赤道面Cを境にタイヤ幅方向の他側を対称にして設けられる。
図3および図4に示す別の実施の形態における空気入りタイヤ1のベルト補強層6は、重巻部61が接地端Pよりタイヤ幅方向内側の所定範囲に配置され、一巻部62がショルダー部3にて少なくとも2重に配置されると共に、重巻部61よりタイヤ幅方向内側であるトレッド部2の中央域に配置されている。この場合、ベルト補強層6は、接地端Pからタイヤ幅方向外側からストリップ材を巻き着けて、接地端Pまでのショルダー部3を一巻部62として、タイヤ幅方向外側端で一巻部62を折り返し、接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲までを重巻部61とし、トレッド部2の中央域を一巻部62とし、タイヤ赤道面Cを境にタイヤ幅方向の他側を対称にして設けられる。
図5および図6に示す別の実施の形態における空気入りタイヤ1のベルト補強層6は、重巻部61が接地端Pよりタイヤ幅方向内側の所定範囲に配置され、一巻部62がショルダー部3のみに配置されている。すなわち、重巻部61よりタイヤ幅方向内側であるトレッド部2の中央域にはベルト補強層6が配置されていない。この場合、ベルト補強層6は、タイヤ幅方向の一側端からストリップ材を巻き着けて、接地端Pまでのショルダー部3を一巻部62とし、接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲までを重巻部61とし、タイヤ赤道面Cを境にタイヤ幅方向の他側を対称にして設けられる。
図7および図8に示す別の実施の形態における空気入りタイヤ1のベルト補強層6は、重巻部61が接地端Pよりタイヤ幅方向内側の所定範囲に配置され、一巻部62がショルダー部3のみにて少なくとも2重に配置されている。すなわち、重巻部61よりタイヤ幅方向内側であるトレッド部2の中央域にはベルト補強層6が配置されていない。この場合、ベルト補強層6は、接地端Pからタイヤ幅方向外側からストリップ材を巻き着けて、接地端Pまでのショルダー部3を一巻部62として、タイヤ幅方向外側端で一巻部62を折り返し、接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲までを重巻部61とし、タイヤ赤道面Cを境にタイヤ幅方向の他側を対称にして設けられる。
この空気入りタイヤ1では、ストリップ材の巻き着けによりなるベルト補強層6が、トレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲で、ストリップ材が重ね巻きされた重巻部61を有している。このため、トレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の領域のベルト剛性がトレッド部2の中央域より高くなる。この結果、タイヤ断面2次固有振動数が増加するので、250Hz〜315Hzの中周波ロードノイズの音圧レベルを低減できる。しかも、ショルダー部3には、重巻部61を配置していないことから、重巻部61を配置した部位よりもショルダー部3の剛性が低くなる。このため、高速・高負荷での限界走行時における耐転覆性能の低下を抑制できる。
また、本実施の形態にかかる空気入りタイヤ1では、ベルト補強層6は、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝22のタイヤ径方向内側位置に至り重巻部61を有している。かかる構成によれば、タイヤ径方向内側位置における周方向主溝22の溝底におけるベルト剛性が増す。中周波ロードノイズは、タイヤ幅方向最外側における周方向主溝22の溝底のゴム材が薄くなっていることにより、この溝底を腹にして溝壁がタイヤ幅方向に接近または離隔するように変形することで生じるが、この溝底におけるベルト剛性が増すことで、周方向主溝22の変形が抑えられる。このため、タイヤ断面2次固有振動数が顕著に増加するので、中周波ロードノイズを好適に低減できる。なお、重巻部61が至るタイヤ幅方向最外側の周方向主溝22のタイヤ径方向内側位置とは、重巻部61が周方向主溝22の開口を跨ぐ形態であることが好ましく、その他、重巻部61の一部が周方向主溝22の溝底のタイヤ径方向内側位置にある形態も含む。この場合、車両への装着時に車両の外側に配置される周方向主溝22に対して少なくとも上記構成とすることが、旋回時での周方向主溝22の変形を抑える上で効果的である。
また、本実施の形態にかかる空気入りタイヤ1では、重巻部61は、図1,図3,図5および図7に示すように、ストリップ材の幅W1に対し、該ストリップ材同士が重なる重なり幅W2が、0.20≦W2/W1≦0.70の範囲に設定されている。すなわち、ストリップ材の幅W1に対し、重なり合う幅W2の比が20[%]以上70[%]以下の範囲に設定されている。ストリップ材の幅W1に対する重なり幅W2の比が20[%]未満であると、ベルト剛性の上昇が少なくなり、望ましい効果が得られ難い。一方、ストリップ材の幅W1に対する重なり幅W2の比が70[%]を超えると、質量の増加を招くことになる。このため、ストリップ材の幅W1に対する重なり幅W2の比が20[%]以上70[%]以下の範囲に設定されていることが好ましい。
また、本実施の形態にかかる空気入りタイヤ1では、ベルト補強層6は、図1,図3,図5および図7に示すように、そのタイヤ幅方向外側端6Eが、ベルト層5のベルト51,52におけるタイヤ幅方向外側端5Eよりもタイヤ幅方向外側に配置されている。かかる構成によれば、ベルト補強層6が、ベルト層5のタイヤ幅方向外側端5Eよりタイヤ幅方向外側を拘束するので、より効果的に中周波ロードノイズを低減できる。なお、ストリップ材の幅W1に対し、ベルト層5のベルト51,52におけるタイヤ幅方向外側端5Eよりもタイヤ幅方向外側にスリップ材がはみ出す幅W3が、0.30≦W3/W1≦0.50の範囲に設定されている。すなわち、ストリップ材の幅W1に対し、タイヤ幅方向外側端5Eからタイヤ幅方向外側にスリップ材がはみ出す幅W3の比が30[%]以上50[%]以下の範囲に設定されている。ストリップ材の幅W1に対するはみ出し幅W3の比が30[%]未満であると、ベルト層5の拘束力が低くなり、望ましい効果が得られ難い。一方、ストリップ材の幅W1に対するはみ出し幅W3の比が50[%]を超えると、ベルト層5の拘束力が強すぎて、望ましい効果が得られ難い。このため、ストリップ材の幅W1に対するはみ出し幅W3の比が30[%]以上50[%]以下の範囲に設定されていることが好ましい。
また、本実施の形態にかかる空気入りタイヤ1では、ベルト補強層6は、重巻部61以外の部位でストリップ材が間隔を開けて巻き着けられた間隔巻部62bを有している。この間隔巻部62bは、上述したようにショルダー部3やトレッド部2の中央域に配置される。かかる構成によれば、間隔巻部62bにより、ストリップ材が存在する部位と存在しない部位とを設けてベルト補強層6によるベルト剛性の調整を行える。なお、間隔巻部62bは、ベルト剛性を下げてコーナリングフォースの増加を防ぐために、ショルダー部3の位置、すなわち接地端Pのタイヤ幅方向外側に配置することが好ましい。
なお、ベルト補強層6は、図2,図4,図6,図8に示すように、重巻部61がタイヤ幅方向の両側に設けられている構成に限らない。具体的に、重巻部61は、少なくともタイヤ幅方向の一側であって、空気入りタイヤ1が車両に装着された場合の外側となるトレッド部2の接地端Pからタイヤ幅方向内側の所定範囲に設けられていればよい。かかる構成であっても上記効果を得ることができる。
本実施の形態では、条件が異なる複数種類の空気入りタイヤについて、中周波ロードノイズおよび耐転覆性能(コーナリングフォースおよび走行試験)に関する性能試験が行われた(図9参照)。
この性能試験では、タイヤサイズ195/65R15の空気入りタイヤが2000[cc]のセダン車両に装着されて用いられる。そして、この空気入りタイヤを、JATMA規定の正規リムに組み付け、JATMA規定の最高空気圧である180[kPa]を付与し、JATMA規定の最大荷重を加えた。
評価方法は、中周波ロードノイズの性能試験では、車内にマイクロホンを設置し、実走試験にて、車内騒音315[Hz]の音圧レベルを測定して評価される。そして、音圧レベル[dB]が低い程好ましい。また、耐転覆性能では、コーナリングフォースは、フラットベルト試験機において、走行速度10[km/h]、スリップ角±1[度]におけるコーナリングフォース[N]を測定して評価される。そして、コーナリングフォース[N]が小さい程好ましい。実走試験は、平坦な周回路を有するテストコースにおいて60〜100[km/h]で車両を走行させ、耐転覆性能について官能評価を実施した。そして、この結果に基づいて従来例を基準(100)とした指数評価が行われる。この評価は、数値が大きいほど好ましい。
従来例1の空気入りタイヤは、ベルト補強層に重巻部が無く、ショルダー部でストリップ材が二重に重ね合わされ、二重ベルトが周方向主溝のタイヤ径方向内側から外れたショルダー部に配置されている。従来例2の空気入りタイヤは、ベルト補強層に重巻部があるが、この重巻部がショルダー部に配置され、かつ周方向主溝のタイヤ径方向内側から外れたショルダー部に配置されている。実施例1および実施例2の空気入りタイヤは、接地端よりタイヤ幅方向内側にベルト補強層の重巻部があり、W2/W1およびタイヤ幅方向外側端の位置が適正化されている。実施例1の空気入りタイヤは、実施例2の空気入りタイヤに対して重巻部が周方向主溝のタイヤ径方向内側から外れて配置されている。実施例2の空気入りタイヤは、重巻部が周方向主溝のタイヤ径方向内側に配置されている(図1〜図8参照)。
図9の試験結果に示すように、実施例1および実施例2の空気入りタイヤでは、それぞれ中周波ロードノイズが低減され、かつ耐転覆性能の低下が抑制されていることが分かる。
以上のように、本発明にかかる空気入りタイヤは、中周波ロードノイズの低減を図ると共に、耐転覆性能の低下を抑制することに適している。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
21 トレッド面
22 周方向主溝
23 リブ
3 ショルダー部
4 カーカス
5 ベルト層
51,52 ベルト
5E ベルト層のタイヤ幅方向外側端
6 ベルト補強層
61 重巻部
62 一巻部
62a 隣接巻部
62b 間隔巻部
6E ベルト補強層のタイヤ幅方向外側端
C タイヤ赤道面
P 接地端
W0 接地幅
W1 ストリップ材の幅
W2 重巻部のストリップ材同士が重なる重なり幅
W3 ベルト層のタイヤ幅方向外側端からベルト補強層のタイヤ幅方向外側端のはみ出し幅
2 トレッド部
21 トレッド面
22 周方向主溝
23 リブ
3 ショルダー部
4 カーカス
5 ベルト層
51,52 ベルト
5E ベルト層のタイヤ幅方向外側端
6 ベルト補強層
61 重巻部
62 一巻部
62a 隣接巻部
62b 間隔巻部
6E ベルト補強層のタイヤ幅方向外側端
C タイヤ赤道面
P 接地端
W0 接地幅
W1 ストリップ材の幅
W2 重巻部のストリップ材同士が重なる重なり幅
W3 ベルト層のタイヤ幅方向外側端からベルト補強層のタイヤ幅方向外側端のはみ出し幅
Claims (5)
- ベルト層の外周側に、帯状のストリップ材の巻き着けによるベルト補強層が設けられた空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト補強層は、トレッド部の接地端からタイヤ幅方向内側の所定範囲で、前記ストリップ材が重ね巻きされた重巻部を有していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ベルト補強層は、タイヤ幅方向最外側の周方向主溝のタイヤ径方向内側位置に前記重巻部を有していることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記重巻部は、前記ストリップ材の幅W1に対し、該ストリップ材同士が重なる重なり幅W2が、0.20≦W2/W1≦0.70の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト補強層は、そのタイヤ幅方向外側端が、前記ベルト層のタイヤ幅方向外側端よりもタイヤ幅方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記ベルト補強層は、前記重巻部以外の部位で前記ストリップ材が間隔を開けて巻き着けられた間隔巻部を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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