JP2010018124A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この空気入りタイヤ1は、トレッド部センター領域にてタイヤ幅方向に分割されて分離された第一カーカスプライ41、42と、左右一対のビードコア2、2間に架け渡された単一構造を有する第二カーカスプライ43とが積層されて、カーカス層が構成されている。また、第一カーカスプライ41、42の分割幅Dとベルト幅Wbとが0.60≦D/Wb≦0.90の関係を有している。また、第二カーカスプライ43の両端部431、432がビード部に位置している。
【選択図】図1
Description
この空気入りタイヤ1は、ビードコア2と、ビードフィラー3と、カーカス層4と、ベルト層5とを含んで構成される(図1参照)。ビードコア2は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。ビードフィラー3は、ビードコア2のタイヤ径方向外周に配置されて空気入りタイヤ1のビード部を補強する。カーカス層4は、有機繊維製あるいはスチール繊維製のカーカスコードがすだれ状に配列されて成る複数のカーカスプライ41〜43により構成される。また、カーカス層4は、左右のビードコア2、2間にトロイド状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。ベルト層5は、積層された複数のベルトプライ51、52から成り、カーカス層4のタイヤ径方向外周に配置される。例えば、この実施例では、ベルト層5が積層された一対のベルトプライ51、52から成る。また、各ベルトプライ51、52がベルトコードの傾斜方向を相互に交差させることにより、クロスプライ構造が構成されている。また、タイヤ径方向外側にあるベルトプライ52のベルト幅(ペリフェリ長さ)がタイヤ径方向内側にあるベルトプライ51のベルト幅よりも狭い。この実施例では、この狭い方のベルトプライ52のベルト幅をWbとする(図1参照)。
また、この空気入りタイヤ1では、分割構造を有するカーカスプライ41、42と単一構造を有するカーカスプライ43とが積層されてカーカス層4が構成される(図1参照)。例えば、この実施例では、トレッド部センター領域にてタイヤ幅方向に二分割されて分離された第一カーカスプライ41、42と、単一構造を有すると共に左右一対のビードコア2、2間に架け渡されて配置される第二カーカスプライ43とが積層されて、カーカス層4が構成されている。したがって、カーカス層4は、サイドウォール部にて二層構造を有しており、また、トレッド部センター領域にて単層構造を有している。
以上説明したように、この空気入りタイヤ1では、(1)第一カーカスプライ41、42が分割構造を有するので、第一カーカスプライが単一構造を有する構成と比較して、タイヤの軽量化が図られる。また、(2)単一構造を有する第二カーカスプライ43が配置されることにより、分割構造を有する第一カーカスプライのみが配置される構成と比較して、サイドウォール部の剛性が確保される。また、(3)第一カーカスプライ41、42の分割幅Dとベルト幅Wbとの比D/Wbが適正化されることにより、タイヤの軽量化とサイドウォール部の剛性確保とのバランスが良好となる。例えば、D/Wb<0.60では、タイヤの軽量化に関する効果が小さいという問題がある。また、0.90<D/Wbでは、カーカス層に対するベルト層の拘束力が弱いためサイドウォール部の剛性が十分に確保されないという問題がある。また、(4)第二カーカスプライ43の両端部がビード部に位置するので、第二カーカスプライがビード部にて巻き返されている構成と比較して、ビード部が軽量化される。これらにより、分割カーカス構造を有する構成において、タイヤの操安性能を確保しつつタイヤを軽量化できる利点がある。
なお、この空気入りタイヤ1では、第一カーカスプライ41、42がビードコア2およびビードフィラー3を包み込みつつ巻き返されることが好ましい(図1参照)。かかる構成では、第一カーカスプライ41、42の巻き上げ部分414、424によりサイドウォール部が補強されるので、タイヤの操安性能が向上する利点がある。
強度係数[N/mm・kPa]=コード打ち込み本数[本/mm]×補強コード強力[N]/最大空気圧[kPa] (1)
この実施例では、条件が異なる複数の空気入りタイヤについて、(1)操安性能に関する性能試験および(2)タイヤ質量の測定が行われる(図3参照)。なお、図3に示すカーカス幅は、カーカス層のペリフェリ長さである。
2 ビードコア
3 ビードフィラー
4 カーカス層
5 ベルト層
41、42 第一カーカスプライ
43 第二カーカスプライ
51、52 ベルトプライ
411、421分割端部
412、422巻き上げ端部
Claims (5)
- 左右一対のビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向外側にそれぞれ配置されるビードフィラーと、左右一対の前記ビードコア間に配置されるカーカス層と、積層されてクロスプライ構造を構成する少なくとも一対のベルトプライを有すると共に前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置されるベルト層とを備え、且つ、トレッド部センター領域にてタイヤ幅方向に分割されて分離された第一カーカスプライと左右一対の前記ビードコア間に架け渡された単一構造を有する第二カーカスプライとが積層されて前記カーカス層が構成されている空気入りタイヤであって、
複数の前記ベルトプライの幅うち最も狭いものをベルト幅Wbと呼ぶときに、前記第一カーカスプライの分割幅Dとベルト幅Wbとが0.60≦D/Wb≦0.90の関係を有し、且つ、前記第二カーカスプライの両端部がビード部に位置することを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記第一カーカスプライが前記ビードコアおよび前記ビードフィラーを包み込みつつ巻き返される請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ビードフィラーよりもタイヤ径方向外側における前記第一カーカスプライの巻き上げ部分の長さtがt≧10[mm]の範囲にある請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一カーカスプライが配列された複数のカーカスコードから成るときに、前記カーカスコードのタイヤ周方向に対する傾斜角度が70[deg]以上88[deg]以下の範囲内にある請求項1〜3のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
- 前記第一カーカスプライの強度係数が前記第二カーカスプライの強度係数よりも大きい請求項1〜4のいずれか一つに記載の空気入りタイヤ。
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