JP2019025575A - ワーク研磨装置およびワーク研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定盤の研磨面上全体へのスラリーの拡散性がよく、したがって少ない量のスラリーでも均一性よくワークの研磨が行え、コストの低減化が図れるワーク研磨装置を提供する。【解決手段】ワーク研磨装置は、回転する定盤上にスラリー供給部から研磨用のスラリー90を供給し、ワークを定盤との間で研磨するワーク研磨装置において、スラリー供給部は、気体をスラリー90中にミリメートル(mm)サイズ以上の大きさのバブル98を取り込むスラリー供給部であることを特徴とする。【選択図】図15

Description

本発明は、シリコンウェーハ等のワークを研磨するワーク研磨装置およびワーク 研磨方法に関する。
シリコンウェーハ等のワークの研磨を行うラッピング加工やポリッシング加工においては、通常、定盤上にスラリー供給部から研磨用のスラリーを供給し、定盤と共にワークを回転させて、ワークを定盤との間で研磨するようにしている。
特許文献1(特開2009−111094号公報)や特許文献2(特開2009−111095号公報)には、マイクロナノバブルと砥粒を混入したスラリーを用いることにより、ウェーハの面内均一性および研磨レートが向上する他、ラッピングにおいては、定盤の摩耗量低減効果が得られるウェーハの鏡面研磨(ポリッシング)方法およびラッピング方法が提案されている。
特開2009−111094号公報 特開2009−111095号公報
特許文献1および特許文献2に示されるスラリーは、前記のようにマイクロナノバブルと砥粒を含むものである。このマイクロナノバブルは、大きさが、1nm以上100μm未満の気泡とされている。そして、このマイクロナノバブルは、大きなゼータ電位を有することから、スラリー中の研磨粒子の分散性が向上し、均一な研磨加工を行うことができるとされている。
しかしながら、これら特許文献1および2に示されるスラリーでは、マイクロナノバブルが混入することによって、スラリー中での研磨粒子の分散性は向上するが、定盤の研磨面上でのスラリー自体の拡散性(スラリーの定盤上での広がり)は必ずしも良好ではない。
したがって、特許文献1および2のものでは、定盤の研磨面上全体に、必要量のスラリーを供給するために、多量のスラリーを供給する必要が生じ、コスト高となる課題があった。
本発明は、上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、定盤の研磨面上全体へのスラリーの拡散性がよく、したがって少ない量のスラリーでも均一性よくワークの研磨が行え、コストの低減化が図れるワーク研磨装置およびワーク研磨方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係るワーク研磨装置は、研磨面でワークを研磨する定盤と、前記定盤上にスラリーを供給するスラリー供給部を有するワーク研磨装置において、前記スラリー供給部は、気体をスラリー中にミリメートル(mm)サイズ以上の大きさのバブル状に取り込むスラリー供給部であることを特徴とする。
また、前記スラリー供給部は、気体をスラリー中にミリメートル(mm)サイズ以上の大きさのバブル状に取り込む取込部を有し、該ミリバブルが混入したスラリーを前記定盤上に供給するスラリー供給部とすることができる。
前記気体は空気であってもよいし、他の気体であってもよい。
前記取込部は、大気に開口する取込口を有し、該取込口から空気を取り入れるようにすることができる。
前記取込部を、前記スラリー供給部におけるスラリー貯留部からスラリーが流入する小径のパイプと、該小径のパイプよりも大径で、前記小径のパイプの下部側が進入する大径のパイプと、前記小径のパイプよりも大径で、前記大径のパイプよりも小径の中間径のパイプであって、前記大径のパイプの下部に、上端が前記小径のパイプの下端と所要の間隔で離間した状態で上部側が接続し、下部側から前記定盤上へスラリーを供給する中間径のパイプとで構成し、前記大径のパイプの上端開口部を前記取込口とすることができる。
前記小径のパイプの下部側を前記大径のパイプの内壁に沿うようにして該大径のパイプ内に進入させるようにすることができる。
あるいは前記小径のパイプの下部側を前記大径のパイプに対して傾斜した状態で該大径のパイプ内に進入させるようにしてもよい。
前記中間径のパイプ下端のノズル口、もしくは前記中間径のパイプに接続されるノズルのノズル口を、前記定盤の回転方向に長い開口部とすることができる。
また、下定盤と上定盤を有する両面研磨装置であって、前記スラリー供給部として、前記上定盤に設けられ、前記下定盤にスラリーを供給するためのノズルと、前記上定盤の、前記ノズルよりもスラリーの流れる方向の下流側に位置して設けられ、スラリーに向けて気体を噴出する気体供給部とを含むようにすることができる。
また本発明に係るワーク研磨方法は、上記いずれか記載のワーク研磨装置を用いるワーク研磨方法であって、前記スラリー供給部から、ミリバブルが混入したスラリーを前記定盤上に供給し、前記定盤上でミリバブルが広がることにより、スラリーを定盤上に拡散させることを特徴とする。
また、前記定盤上でミリバブルが広がることにより、スラリーが、ワーク外周縁を取り囲むように広がると共に、ワークと前記定盤との間に進入することを特徴とする。
本発明に係るワーク研磨装置およびワーク研磨方法は次のような作用効果を奏する。
すなわち、スラリー中に混入しているミリバブルは、スラリーを定盤の幅方向(半径方向)に広げる作用を有する。したがって、スラリー供給部から定盤上に供給されるスラリーは、定盤上に均一に広げられることから、スラリーの供給量をそれ程多くしなくても、スラリーを定盤上に均一に拡散でき、ワークの良好な研磨が行えることになる。またスラリーの使用量を低く抑えられるからコストの低減が行える。
両面研磨装置の説明図である。 キャリアの説明図である。 リング状樋の説明図である。 上定盤に設けた流下孔配列を示す説明図である。 取込部の構造の一例を示す説明斜視図である。 バブル生成の原理を示す説明断面図である。 中間径のパイプ内に生じたバブルの写真である。 小径のパイプを大径のパイプに対して傾斜して配置した状態の説明図である。 定盤上でのスラリーの広がり状況を観察する装置の説明図である。 バブルが混入したスラリーの定盤上での広がり状況を示す写真である。 ワーク周辺におけるスラリーの広がり状況を示す写真である。 ワークに設けた溝内でのバブルの広がり状態を示す写真である。 ノズル口の形状を示す説明図である。 種々のノズル口を用いた場合の、スラリーの定盤上での広がり状況を示す写真である。 大径のパイプに有底状のパイプを用いた場合のスラリー供給部の説明図である。 図15のスラリー供給部を用いた場合の、定盤上でのスラリーの広がりを示す写真である。 供給パイプにパイプを介して外部空気をポンプにより送り込む例を示す説明図である。 上定盤に設けた気体供給部から、下定盤上に供給されているスラリーに気体を噴出する例を示す説明図である。
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は両面研磨装置(ラッピング装置)30の正面説明図である。両面研磨装置30の基本的な構造は公知のものを採用しうるので、以下簡単に説明する。
両面研磨装置30は、上面が研磨面とされた下定盤32と、下定盤32の上方に上下動自在に支持され、下面が研磨面とされた上定盤36を具備する。
上下定盤32、36は駆動装置により軸線を中心として互いに反対方向に回転される。すなわち、上定盤36は、基台38に配設された駆動装置40によって、軸線を中心に回転自在、かつ上下動自在に設けられている。駆動装置40は、上下動機構として例えばシリンダ装置(図示せず)を有し、また回転機構としてモータ(図示せず)を有している。
42は下定盤32を回転駆動するモータである。
下定盤32と上定盤36との間に、ワークを保持する透孔を有するキャリア44が配置される。キャリア44は、下定盤32の中心孔に配置されたサンギア(内側ピン歯車)46とインターナルギア(外側ピン歯車)48とにより、自転、かつ公転するように回転駆動される(図2)。サンギア46、インターナルギア48も公知の機構により回転される。
上定盤36上には、複数本の支持ロッド50を介して上定盤36に取付けられ、上定盤36とともに回転する回転円板52が配設されている。
回転円板52上には、複数(図示の場合2個)のリング状樋(スラリー貯留部)54、56が同心状に固定されている。
リング状樋54、56の底面には、スラリーの流下孔60が設けられている。
リング状樋54、56には、配管62を介してスラリー供給源64からスラリーが供給される。配管62中には流量調整弁66が配設されている。
配管62から、まず、アーム68上に立設された受けパイプ70、70内にスラリーが供給される。この受けパイプ70、70からは図示しない分配チューブを介して、図3に示されるように、放射状に配設された4本の支持アーム72に設けた流下孔73、74から、スラリーがそれぞれリング状樋54、56に流下される。
これらアーム68、支持アーム72は、図示しない支持部により基台38に支持されている。
図4に示すように、上定盤36には、放射状にスラリーの流下孔76が形成され、この上定盤36の流下孔76と、リング状樋54、56に設けられた流下孔60とが供給パイプ78により連絡されている。この供給パイプ78を通じて、下定盤32の研磨面上にスラリーが供給される。
そして、同心状のリング状樋のうち、内側のリング状樋54からは、上定盤36に設けた流下孔76のうち、内周側の3つの流下孔76にスラリーを供給するようにして、下定盤32の研磨面の内周側のゾーンにスラリーを供給するようにする。
外側のリング状樋56からは、上定盤36に設けた流下孔76のうち、外周側の3つの流下孔76にスラリーを供給するようにして、下定盤32の研磨面の外周側のゾーンにスラリーを供給するようにする。
下定盤32から流下したスラリーは回収樋80、戻しパイプ81によりスラリー供給源64に戻され、循環して用いられる。
スラリー供給源64、配管62、受けパイプ70、リング状樋(スラリー貯留部)54、56、供給パイプ78、流下孔76等によってスラリー供給部を構成する。
したがって、スラリーを供給パイプ78を通じて下定盤32上に供給しつつ、上下定盤32、36を回転させ、かつキャリア44を回転させることにより、上下定盤32、36間に挟まれたワークの両面を研磨することができる。
その際、下定盤32の内周側ゾーンには、内側のリング状樋54から供給パイプ78を通じてスラリーが供給され、外周側ゾーンには、外側のリング状樋56から供給パイプ78を通じてスラリーを供給される。
なお、リング状樋は、1つでも、あるいは3つ以上の複数のリング状樋を同心状に配設するようにしてもよい。
図5は、供給パイプ78における空気の取込部82の一例を示す説明図である。
取込部82は、スラリー供給部におけるリング状樋(スラリー貯留部)54、56に直接もしくは適宜な中継パイプ(図示せず)を介して接続する小径のパイプ84と、該小径のパイプ84よりも大径で、小径のパイプ84の下部側が進入する大径のパイプ86と、小径のパイプ84よりも大径で、大径のパイプ86よりも小径の中間径のパイプであって、大径のパイプ86の下部に、上端が小径のパイプ84の下端と所要の間隔で離間した状態で上部側が接続し、下部側が流下孔76に通じて、下定盤32上へスラリーを供給する中間径のパイプ88を有している。
大径のパイプ86の上端開口部が大気に開口する取込口となっている。
流下孔76が、スラリーを吐出するノズルとなっている。流下孔76下端がノズル口である。
なお、中間径のパイプ88の下部側が流下孔76内に進入することにより、中間径の下部側がそのままノズルとなっていてもよい。この場合、中間径のパイプ88の下端がノズル口となる。
すなわち、中間径のパイプ88の下端に適宜なノズル(本実施の形態では流下孔76となる)を装着してノズルとしてもよいし、中間径のパイプ88の下部側をそのままノズルとしてもよい。
各パイプの径は特に限定されるものではないが、本実施の形態では、小径のパイプ84は、外径が8mm、内径が3mm、大径のパイプ86は、内径が12mm、中間径のパイプ88は、外径が12mm、内径が7mmとした。
小径のパイプ84の下端と中間径のパイプ88の上端との間隔は約20mmとしている。
また、中間径のパイプ88の長さは約10cmとした。
取込部82を、上記のように構成することによって、小径のパイプ84内にスラリーを流下させたとき、スラリーの粘度やスラリーの供給量にもよるが、図7に示すように、中間径のパイプ88を流下するスラリー中に、直径が1mm以上の大きさのバブル(ミリメートル(mm)サイズのバブル:ミリバブル)が適当な間隔をおいて連続して取り込まれる。
図6はスラリー中にミリバブルが取り込まれる状態の説明図である。
図6Aに示すように、小径のパイプ84から大径のパイプ86内に流入したスラリーは、一旦中間径のパイプ88の上端縁で受け止められ、該上端縁に沿って周方向に広がると共に、次第に膨らみ、図6Bに示すように、中央部が接続して閉じられ、これによりスラリー中に空洞部(バブル)が形成される。この空洞部が下方に下がり、図6Cに示すように空洞部の上方に次の空洞部が形成される。
図7は、中間径のパイプ88内に形成されたミリバブルの状態を示す写真である。図7から、ミリバブルの大きさは、実際1mmよりも十分に大きなサイズのバブルであることがわかる。
なお、図7以下における観察では、スラリー中のバブルを観察しやすくするため、スラリーとして水を代替して用いた。
なお、小径のパイプ84の下部側を大径のパイプ86の内壁に単に沿わせるのではなく、図8に示すように、小径のパイプ84の下部側を大径のパイプ86の内壁に沿って、且つ大径のパイプ86に対して傾斜した状態で大径のパイプ86内に進入させるようにしてもよい。これにより、スラリーは大径のパイプ86の内壁に沿って渦巻き状に旋回し、中間径のパイプ88の上端縁に沿って周方向に広がり、安定した流れになるので、より確実にスラリー中にミリバブルを形成することができる。スラリーの流量、粘度等に応じて、小径のパイプ84の傾斜角を調整することにより、バブルの大きさや生じる頻度等を調整することもできる。
大径のパイプ86中により確実にスラリーの渦巻流を生じさせるために、大径のパイプ86内壁に斜めもしくは螺旋状の溝(図示せず)を形成するようにしてもよい。また、スラリーの渦巻流をより確実に形成するため、中間径のパイプ88の上端縁をパイプ内方に向けて低くなるすり鉢状に形成してもよい(図示せず)。
また、上記実施の形態では、スラリーは、小径のパイプ84に自然流下させるようにしたが、場合によっては、スラリーをポンプ(図示せず)により、強制的に小径のパイプ84中に送り込むようにしてもよい。
図9は、中間径のパイプ88から下定盤32上に供給されるミリバブルが混入したスラリー90の挙動を観察する装置を示す概略図である。
スラリー90は、上定盤に見立てた透明なアクリル板92に設けた孔にパイプ88の下部側を挿通し、パイプ88の下端のノズル口から下定盤32上に供給するようにした。また、下定盤32とアクリル板92との間には透明なガラス製のワーク94を配置した。
アクリル板92およびワーク94を透明とすることで、下定盤32に供給されるスラリー90(水で代替)の挙動を観察できる。96は観察用のビデオカメラである。
図10は、下定盤32を所要回転速度で回転しつつ、下定盤32上にパイプ88からスラリー90を供給したときのスラリー90の挙動をビデオカメラ96で観察した写真である。
図10に示すように、スラリー90は、バブル98が下定盤32上で広がることから、スラリー90も、幅方向(下定盤32の回転方向に直交する方向)に広がり、下定盤32上で太い幅状に広がることがわかる。
図11A、図11Bは、ワーク94の回りのスラリー90の状況を示す写真である。図11A、図11Bからわかるように、バブル98はワーク94から離れた位置でワーク94外周に沿って広がり、ワーク94の直近の外周部にはスラリー90が広がることがわかる。
すなわち、ワーク94の下面側にスラリー90が入り込み、バブル(空気)98はワーク94の下面側に入り込まない。
したがって、ワーク94を囲むように広がったスラリー90は、ワーク94下面側に均一に広がって入り込み、ワーク94の均一な研磨が可能となる。バブル98は、ワーク94下面側には入り込まないから、バブル98によってワーク94の研磨が妨げられることはない。バブル98は、スラリー90を下定盤32の幅方向(半径方向)に広げる作用を有する。したがって、各供給パイプ78から下定盤32上に供給されるスラリー90は、下定盤32上に均一に広げられることから、スラリー90の供給量をそれ程多くしなくても、スラリー90を下定盤32上に均一に拡散でき、ワーク94の良好な研磨が行えることになる。
図11A、図11Bは、溝無し定盤32での観察結果である。
しかし、実際のラッピング加工に用いる定盤は溝付き定盤が一般的である。そこで、観察しやすくするために、透明ガラス板からなるワーク94の下面側に溝を形成したモデルを用いて溝中のバブルの挙動を観察した。ワーク94の下面側に幅1mmの溝を形成し、溝が定盤の半径方向を向いた場合について観察を行った。その結果を図12A、図12Bに示す。同図より、溝内部のバブルの大きさは時間の経過によらず一定であり、加工部(ワーク94と下定盤32の間)へのバブルの侵入はないことがわかる。このことから、溝を形成した定盤であっても、ミリバブルが溝内に留まり、ワークの研磨に支障が生じないことがわかる。
次に、ノズル口の形状とスラリー90の下定盤32上での広がりとの関係を調べた。
図13Aは、円形のノズル口を、図13Bは、定盤32の半径方向に長いノズル口を、13Cは定盤32の回転方向(接線方向)に長いノズル口を示す模式図である。
図14Aは、図13Bのノズル口を用いた場合のスラリー(バブル混入なし)の広がり状態を示す写真である。図14Bは、図13Cのノズル口を用いた場合のスラリー(バブル混入なし)の広がり状態を示す写真である。図14Cは、図13Aのノズル口を用いた場合のスラリー(バブル混入なし)の広がり状態を示す写真である。
図14から、ノズル口の形状は、図13Cに示す、定盤32の回転方向に長い形状のノズル口である場合が、スラリー90の定盤32の半径方向への広がりが大きいことがわかる(図14B)。
また、図14Dは、ノズル口の形状が図13Aに示す円形のものであって、スラリー90をバブルが混入したスラリー90を用いた場合のスラリー90の広がり状態を示す写真である。図14A〜Dからわかるように、図14Dの場合、すなわち、バブルが混入したスラリー90の場合が、定盤32の半径方向への広がりが最も大きいことがわかる。
したがって、ノズル口の形状が図13Cの定盤32の回転方向に長いノズル口であって、スラリー90にバブルが混入したスラリーを用いた場合が、スラリー90の定盤32の半径方向への広がりがさらに大きくなることが期待される。
上記実施の形態では、小径のパイプ84、大径のパイプ86、中間径のパイプ88のいずれも断面円形のパイプで説明したが、必ずしも断面円形のパイプでなくてもよく、例えば断面多角形のパイプであってもよい。また、大径のパイプ86は、図15A〜図15Cに示すように、有底のパイプにしてもよい。
図15Aは、大径のパイプ86を断面円形の有底のパイプ状とし、中間径のパイプ(断面円形)88の上部を大径のパイプ86の底部に設けた孔に接続した例を示す。図15Bは、大径のパイプ86を断面正方形の有底のパイプ状とし、中間径のパイプ(断面円形)88の上部を大径のパイプ86の底部に設けた孔に接続した例を示す。図15Cは、大径のパイプ86を断面長方形の有底のパイプ状とし、中間径のパイプ(断面円形)88の上部を大径のパイプ86の底部に設けた孔に接続した例を示す。
図16Aは、大径のパイプ86を図15Aに示すパイプとした場合の定盤上でのスラリーの広がり状態を示す写真である。図16Bは、大径のパイプ86を図15Bに示すパイプとした場合の定盤上でのスラリーの広がり状態を示す写真である。図16Cは、大径のパイプ86を図15Cに示すパイプとした場合の定盤上でのスラリーの広がり状態を示す写真である。
図16A〜図16Cからわかるように、大径のパイプ86を、断面円形よりも断面正方形のパイプとした方が生じるバブルが小さく、また断面長方形のパイプとした方がさらに生じるバブルが小さくなっている。
生じるバブルの大きさは、大径のパイプ86の断面の形状だけでなく、大径のパイプ86の底部の面積の大きさにも関係していると考えられる。
上記実施の形態では、空気の取込部82として、小径のパイプ84、大径のパイプ86、中間径のパイプ88を用いた場合で説明したが、必ずしもこの取込部でなくともよい。例えば、供給パイプ78の屈曲部に単に大気に開口する取込口を設けて外部空気の取込部としてもよい(図示せず)。
あるいは、図17に示すように、取込部82として、単に供給パイプ78に、ポンプPによりパイプ100を通じて直接外部空気を送り込むようにしてもよい。この場合、パイプ100の先端に、連続気泡を有する発泡体102を取り付け、この発泡体102から泡状の気体を供給パイプ78中のスラリーに噴出させるようにするとよい。これによっても、スラリー中にミリバブルを生成することができる。なおこの場合は、バブル用の気体は空気でなく、酸素や窒素等であってもよい。
また、上記実施の形態では、スラリー90中にミリバブル98を形成するために、供給パイプ78に空気の取込部82を設けたが、図18に示すように、上定盤36の、スラリーの供給パイプ78の下流側の部位に、気体供給部104を別途設けてもよい。供給パイプ78から下定盤32上に供給されるスラリー90に向けて気体供給部104から発泡体102を介して気体(空気など)を噴出することにより、スラリー90中にミリバブル98を混入させることができる。気体供給部104には、ロータリーバルブ(図示せす)を介して気体を供給するようにする。なお、この場合には、上定盤36自体も、スラリー中にミリバブルを取り込むためのスラリー供給部の一構成部位となる。
上記実施の形態では研磨装置として両面研磨装置(ラッピング装置)で説明したが、定盤に研磨パッドを貼付した両面研磨型のポリッシング装置、あるいは片面研磨型のポリッシング装置にも本発明を適用できることはもちろんである。
30 両面研磨装置、32 下定盤、36 上定盤、38 基台、40 駆動装置、42 モータ、44 キャリア、46 サンギア、48 インターナルギア、52 回転円板、54 リング状樋、56 リング状樋、60 流下孔、62 配管、64 スラリー供給源、66 流量調整弁、76 流下孔、78 供給パイプ、82 取込部、84 小径のパイプ、86 大径のパイプ、88 中間径のパイプ、90 スラリー、92 アクリル板、94 ワーク、96 ビデオカメラ、98 バブル、100 パイプ、102 発泡体、104 気体供給部

Claims (12)

  1. 研磨面でワークを研磨する定盤と、
    前記定盤上にスラリーを供給するスラリー供給部を有するワーク研磨装置において、
    前記スラリー供給部は、気体をスラリー中にミリメートル(mm)サイズ以上の大きさのバブル状に取り込むスラリー供給部であることを特徴とするワーク研磨装置。
  2. 前記スラリー供給部は、気体をスラリー中にミリメートル(mm)サイズ以上の大きさのバブル状に取り込む取込部を有し、該ミリバブルが混入したスラリーを前記定盤上に供給するスラリー供給部であることを特徴とする請求項1記載のワーク研磨装置。
  3. 前記気体が空気であることを特徴とする請求項1または2記載のワーク研磨装置。
  4. 前記取込部は、大気に開口する取込口を有することを特徴とする請求項2または3記載のワーク研磨装置。
  5. 前記取込部は、
    前記スラリー供給部におけるスラリー貯留部からスラリーが流入する小径のパイプと、
    該小径のパイプよりも大径で、前記小径のパイプの下部側が進入する大径のパイプと、
    前記小径のパイプよりも大径で、前記大径のパイプよりも小径の中間径のパイプであって、前記大径のパイプの下部に、上端が前記小径のパイプの下端と所要の間隔で離間した状態で上部側が接続し、下部側から前記定盤上へスラリーを供給する中間径のパイプとを有し、
    前記大径のパイプの上端開口部が前記取込口となっていることを特徴とする請求項4記載のワーク研磨装置。
  6. 前記小径のパイプの下部側が前記大径のパイプの内壁に沿うように該大径のパイプ内に進入していることを特徴とする請求項5記載のワーク研磨装置。
  7. 前記小径のパイプの下部側が前記大径のパイプに対して傾斜した状態で該大径のパイプ内に進入していることを特徴とする請求項6記載のワーク研磨装置。
  8. 前記中間径のパイプ下端のノズル口、もしくは前記中間径のパイプに接続されるノズルのノズル口が、前記定盤の回転方向に長い開口部となっていることを特徴とする請求項5〜7いずれか1項記載のワーク研磨装置。
  9. 下定盤と上定盤を有する両面研磨装置であって、
    前記スラリー供給部は、
    前記上定盤に設けられ、前記下定盤にスラリーを供給するためのノズルと、前記上定盤の、前記ノズルよりもスラリーの流れる方向の下流側に位置して設けられ、スラリーに向けて気体を噴出する気体供給部とを含むことを特徴とする請求項1記載のワーク研磨装置。
  10. 前記定盤の研磨面に溝を有するラッピング装置であることを特徴とする請求項1〜9いずれか1項記載のワーク研磨装置。
  11. 請求項1〜10いずれか1項記載のワーク研磨装置を用いるワーク研磨方法であって、
    前記スラリー供給部から、ミリバブルが混入したスラリーを前記定盤上に供給し、前記定盤上でミリバブルが広がることにより、スラリーを定盤上に拡散させることを特徴とするワーク研磨方法。
  12. 前記定盤上でミリバブルが広がることにより、スラリーが、ワーク外周縁を取り囲むように広がると共に、ワークと前記定盤との間に進入することを特徴とする請求項11記載のワーク研磨方法。
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