JP2004216497A - 両面研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的小径で自重が小さい200mmウエーハについても、上定盤側へのウエーハ貼り付きを防止する。ウエーハ表面の乾燥を防止する。下定盤側でのウエーハの浮き上がりを防止する。
【解決手段】研磨すべきワーク10を保持する複数のキャリア23を、回転する上下の定盤21,22間で自転させて、ワーク10の両面を同時に研磨する。上定盤21に、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するようにノズル部を設ける。研磨終了後、上下の定盤21,22を分離する際に、前記ノズル部から液体及び気体を同時に噴出する。
【選択図】 図1
【解決手段】研磨すべきワーク10を保持する複数のキャリア23を、回転する上下の定盤21,22間で自転させて、ワーク10の両面を同時に研磨する。上定盤21に、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するようにノズル部を設ける。研磨終了後、上下の定盤21,22を分離する際に、前記ノズル部から液体及び気体を同時に噴出する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウエーハの両面ポリッシングなどに使用される両面研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの素材であるシリコンウエーハは、シリコン単結晶から切り出された後にラッピングを受け、その後さらにポリッシングを受けることにより、鑑面状態に仕上げられる。最近の傾向として、この鑑面仕上げはウエーハ両面に施されるようになってきており、12インチウエーハは全てが両面研削装置による両面ラッピングと、両面研磨装置による両面ポリッシングとを受けている。
【0003】
シリコンウエーハの両面ポリッシングに使用される両面研磨装置としては遊星歯車方式のものが多用されている。この両面研磨装置は、対向配置されて各対向面に研磨パッドが装着された上下の回転定盤と、回転定盤間の回転中心回りに遊星歯車として配置されて、それぞれが1又は複数のウエーハを偏心位置に保持する複数のキャリアと、キャリアに内側から噛み合うように回転定盤間の回転中心部に設けられたサンギヤと、キャリアに外側から噛み合うように回転定盤間の外周部に設けられた環状のインターナルギヤとを備えている。
【0004】
ポリッシング作業では、上側の回転定盤を上昇させた状態で、下側の回転定盤上に複数のキャリアをセットし、各キャリアのホール内にウエーハをセットする。ウエーハのセットが終わると、上側の回転定盤を降下させ、上下定盤の対向面に装着された研磨パッド間にウエーハを挟む。この状態で上下の回転定盤間にスラリーを供給しつつ回転定盤、サンギヤ及びインターナルギヤを回転駆動する。この回転駆動により、複数のキャリアは、逆方向に回転する回転定盤の間で自転しつつサンギヤの回りを公転する。これにより、キャリアのホール内に偏心保持されたウエーハが両面研磨される。両面研磨が終了すると、上側の回転定盤を上昇させ、下側の回転定盤上のキャリアのホール内からウエーハを取り出す。
【0005】
サンギヤの回りに配置された複数のキャリアを公転させず、定位置で自転させる両面研磨装置も開発されている。
【0006】
このようなシリコンウエーハの両面ポリッシング作業においては、両面研磨終了時のウエーハはスラリーの表面張力などにより上下の研磨パッドに強く貼り付いた状態になる。このため、両面研磨終了後に上側の回転定盤を上昇させたときに、幾つかのウエーハは上側の回転定盤側に貼り付いてこの回転定盤と共に上昇し、下側の回転定盤上に残るウエーハと離別してしまう。このようなウエーハの離別現象は、下側の回転定盤上からウエーハを自動回収する場合には致命的な問題となる。
【0007】
この問題を解決するために、研磨終了後の回転定盤分離の際に、上側の回転定盤からワーク剥離用の液体を各ウエーハに噴出することは、特許文献1に記載されている。また、剥離対象物は異なるが、研磨終了後の回転定盤分離の際に、上側の回転定盤からキャリア剥離用の液体又は気体を噴出することにより、キャリアの貼り付き持ち上がりを防止する技術は、特許文献2に記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−326213号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平09−066448号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
研磨終了後に上下の回転定盤を分離する際に、上側の回転定盤からワーク剥離用の液体を噴出することにより、大径で自重が大きい300mmウエーハについては、ウエーハの貼り付き持ち上がりが阻止され、下側の回転定盤上の全てのウエーハがその定盤上に残る。ところが、比較的小径で自重が小さい200mmウエーハなどについては、上側の回転定盤側へのウエーハ貼り付き現象を十分に防止できないのが現状である。
【0011】
なぜなら、200mmウエーハの貼り付きを阻止できる程度に液体の噴出を行うと、下側の回転定盤上に多量の液体が溜まり、キャリアのホール内に収まっているウエーハが浮き上がってその後の自動回収に支障をきたすようになるからである。
【0012】
液体に代えて空気のような気体をワーク剥離に用いれば、比較的小径で自重が小さい200mmウエーハについても、上定盤側へのウエーハの貼り付き現象を防止でき、ウエーハの浮き上がりも防止できる。しかしながら、その一方では、ウエーハ表面の乾燥が促進され、ウエーハの表面品質を劣化させるおそれが生じる。
【0013】
本発明の目的は、比較的小径で自重が小さい200mmウエーハについても、表面の乾燥を阻止しつつ、上側の回転定盤側への貼り付きを確実に防止できる両面研磨装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の両面研磨装置は、研磨すべきワークを保持する複数のキャリアを回転する上下の定盤間で自転させて、前記ワークの両面を同時に研磨する研磨装置本体と、該研磨装置本体の上定盤に、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するように設けられたノズル部を有しており、研磨終了後、上下の定盤を分離する際に前記ノズル部から液体及び気体を噴出するように構成された2流体噴出手段とを具備している。
【0015】
本発明の両面研磨装置においては、上下の定盤が分離する瞬間に気体を短時間噴出することで、上定盤側へのワークの貼り付きを防止する。同時に液体を噴出することで、ワーク表面の乾燥を防止する。貼り付き防止に関しては、主に気体を使用する。その気体は液体と異なり下定盤上のワークを浮上させる危険がなく、この点からの使用上の制約がないため、確実な貼り付き防止効果を得ることができる。乾燥防止については、ワークを剥離させる瞬間にだけ気体噴出を行えばよく、長い噴出時間を必要としない上に、その気体の噴出と同時並行的に液体でワーク表面を覆うことができるので、確実な乾燥防止効果を得ることができる。また、液体については、ワーク表面を覆う程度の使用量でよいため、下定盤上のワークが浮上する危険性を排除できる。
【0016】
気体としては加圧空気が取り扱いが簡便で望ましい。液体としは水、スラリーなどを使用することができる。
【0017】
液体の流量は下定盤の側におけるワークの浮き上がりを防止するために2L/mim以下に制限することが好ましい。このような制限を行っても気体を使用しているためにワークの貼り付きを防止できることは前述のとおりである。この流量の下限については、ワークの乾燥を防止する観点から0.1L/mim以上が好ましい。
【0018】
気体の圧力は上定盤の側におけるワークの貼り付きを防止できるように適宜設定される。液体を併用するためワークの乾燥による品質劣化が防止可能なことも前述のとおりである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す両面研磨装置の構成図、図2は同両面研磨装置の主要部を示す上定盤の底面図である。
【0020】
本実施形態の両面研磨装置は、上下の定盤間で複数枚のワーク10を同時に両面研磨する研磨装置本体20と、研磨装置本体20の上定盤側に装備された2流体噴出手段30とを具備している。
【0021】
ワーク10は300mm或いは200mmのシリコンウエーハである。研磨装置本体20は、上下一組の回転定盤21,22と、回転定盤21,22間に挟まれる複数のキャリア23・・とを備えている。回転定盤21,22の各対向面には研磨パッド26,26がそれぞれ装着されている。
【0022】
上側の回転定盤21は中心軸方向に昇降可能である。下側の回転定盤22の中心部上にはサンギヤ24が配置されている。回転定盤22の外周側には、2つの平歯車を一組とする自転手段25が、複数のキャリア23・・に各対応するように配置されている。複数のキャリア23・・は、回転定盤22上にサンギヤ24を包囲するように等間隔で載置され、この状態で内側のサンギヤ24及び外側の自転手段25に噛み合う。各キャリア23には、ワーク10が収容される複数のホールが周方向に等間隔で形成されている。
【0023】
2流体噴出手段30は、上側の回転定盤21の下面に開口する複数のノズル部31,31・・を備えている。複数のノズル部31,31・・は、研磨終了位置で回転定盤21,22の間の各ワーク上面に対向するように配置されている。具体的に説明すると、回転定盤21,22及び回転定盤21,22間のキャリア23・・は、ワーク10の自動回収のために研磨終了時に研磨開始前のワーク搬入時と同じ初期位置に停止する。ノズル部31,31・・は、1度に研磨できるワーク10の枚数と同数とされており、研磨終了後に回転定盤21,22及びキャリア23・・が初期位置に停止したときに各キャリア23のホール内に収められた複数枚のワーク10の各中心部にそれぞれ1個のノズル部31が上方から対向するように構成されている。
【0024】
複数のノズル部31,31・・には、上側の回転定盤21の上面側に設けられた配管32,32・・から水が供給されると共に、同じ配管32,32・・を通って空気が供給される。水及び空気の供給タイミング及び供給量は、図示されない加圧部により任意に制御される。これにより、複数のノズル部31,31・・からは、研磨終了後の定盤分離時に水と空気が混合して噴出される。
【0025】
次に、本実施形態の両面研磨装置を用いて複数枚のワーク10を同時に両面研磨する方法について説明する。
【0026】
研磨装置本体20の回転定盤21,22が初期位置に停止した状態で上側の回転定盤21が上昇し、下側の回転定盤22上に所定数のキャリア23・・が自動搬入され、各キャリア23に設けられた複数のホールにワーク10が自動搬入される。ワーク搬入が終わると、上側の回転定盤21が降下し、回転定盤21,22の各対向面に装着された研磨パッド間に所定枚数のワーク10が挟まれる。この状態で回転定盤21,22間にスラリーが供給されつつ、回転定盤21,22、サンギヤ24及び自転手段25が駆動される。
【0027】
この駆動により、逆回転する回転定盤21,22の間で複数のキャリア23・・が定位置で自転する。これにより、各キャリア23のホール内に収容された複数のワーク10が両面研磨される。
【0028】
ワーク10の両面研磨が終了すると、回転定盤21,22及びキャリア23・・は初期位置に停止する。次いで上側の回転定盤21が上昇するが、このとき複数のノズル部31,31・・から空気と水が混合して噴出し、研磨を終えた複数枚のワーク10の中心部上面に衝突する。空気の噴出圧は上側の回転定盤21の側にワーク10が貼り付くのを防止できる程度に設定されており、水の流量はワーク10の乾燥を防止できる範囲内で出来るだけ制限するように2L/min以下に設定されている。
【0029】
回転定盤21が上昇する瞬間に複数のノズル部31,31・・から対応する各ワーク10の中心部上面に空気が吹き付けられることにより、上側の回転定盤21の側からのワーク剥離が促進され、ワーク10が200mmウエーハの場合も上側の回転定盤21の側へのワーク10の貼り付きが防止される。これにより、全てのワーク10が下側の回転定盤22の側、即ち回転定盤22上のキャリア23のホール内に残り、結果、回転定盤21,22が分離開放した後のワーク10の自動回収操作が確実に行われることになる。
【0030】
空気のみによる剥離の場合はワーク10の表面が乾燥するおそれがあるが、本実施形態では、空気と共に水がワーク10の上面に供給されるので、乾燥の問題は生じない。反対に、水のみによる剥離の場合は多量の水が必要になり、下側の回転定盤22上に水が溜まってキャリア23のホールからワーク10が浮上する危険性があるが、本実施形態では、水はワーク10の乾燥を防止できる程度に使用すればよいので、その使用量を節減でき、下側の回転定盤22の側でのワーク10の浮上を防止できる。また、水の使用量を節減しても空気が使用されているのでワーク10の剥離に支障を生じることはない。
【0031】
3ウエーハ収容のキャリアを5枚使用して200mmウエーハ15枚を同時に両面研磨する場合、研磨終了後の上定盤上昇時に各ウエーハに対応するノズル部から水を約1L/minの流量で噴出した。30バッチ中3バッチで1枚ないし2枚のウエーハ貼り付きが発生し、自動回収が不可能であった。
【0032】
水の流量を約3L/minに増加したことろ、貼り付きは防止されたが、30バッチ中6バッチでウエーハの浮き上がりが発生し、やはり自動回収が不可能であった。
【0033】
水の流量を約1L/minに戻し、これに空気(圧力3kgf)を混合して噴出した。30バッチ中の全バッチでウエーハの貼り付きも浮き上がりも発生せず、自動回収が円滑に実施できた。
【0034】
空気(圧力3kgf)のみを噴出した場合は、ウエーハの貼り付きも浮き上がりも発生しない反面、ウエーハの乾燥による品質劣化が生じた。
【0035】
なお上記実施形態では、1枚のワーク10に1つのノズル部31を設け、液体と気体を混合状態で噴出したが、複数のノズル部を設けて、液体と気体を別々に噴出するようにしてもよい。また、液体と気体を混合状態で噴出するノズル部を1枚のワーク10に対して複数設けることも可能である。
【0036】
液体と気体の噴出タイミングについては、液体の噴出期間より気体の噴出期間が長いのは問題である(気体のみが噴出する時期にワークの乾燥が問題になる)が、両者が同じである必要はなく、液体の噴出期間の一部に気体噴出を行うことは問題ない。即ち、気体の噴出期間は液体の噴出期間に一致しているか、液体の噴出期間の一部であればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の両面研磨装置は、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するように上定盤に設けられたノズル部から、研磨終了後、上下の定盤を分離する際に液体及び気体を噴出する構成を採用することより、大径で自重が大きい300mmウエーハは勿論のこと、小径で自重が小さい200mmウエーハについても、表面の乾燥を阻止しつつ、上定盤側への貼り付きを確実に防止でき、合わせて下定盤側での浮き上がりも確実に防止でき、研磨終了後の自動回収の確実な実行に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す両面研磨装置の構成図である。
【図2】同両面研磨装置の主要部を示す上定盤の底面図である。
【符号の説明】
10 ワーク(ウエーハ)
20 研磨装置本体
21,22 回転定盤
23 キャリア
24 サンギヤ
25 自転手段
26 研磨パッド
30 2流体噴出手段
31 ノズル部
32 流体配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウエーハの両面ポリッシングなどに使用される両面研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの素材であるシリコンウエーハは、シリコン単結晶から切り出された後にラッピングを受け、その後さらにポリッシングを受けることにより、鑑面状態に仕上げられる。最近の傾向として、この鑑面仕上げはウエーハ両面に施されるようになってきており、12インチウエーハは全てが両面研削装置による両面ラッピングと、両面研磨装置による両面ポリッシングとを受けている。
【0003】
シリコンウエーハの両面ポリッシングに使用される両面研磨装置としては遊星歯車方式のものが多用されている。この両面研磨装置は、対向配置されて各対向面に研磨パッドが装着された上下の回転定盤と、回転定盤間の回転中心回りに遊星歯車として配置されて、それぞれが1又は複数のウエーハを偏心位置に保持する複数のキャリアと、キャリアに内側から噛み合うように回転定盤間の回転中心部に設けられたサンギヤと、キャリアに外側から噛み合うように回転定盤間の外周部に設けられた環状のインターナルギヤとを備えている。
【0004】
ポリッシング作業では、上側の回転定盤を上昇させた状態で、下側の回転定盤上に複数のキャリアをセットし、各キャリアのホール内にウエーハをセットする。ウエーハのセットが終わると、上側の回転定盤を降下させ、上下定盤の対向面に装着された研磨パッド間にウエーハを挟む。この状態で上下の回転定盤間にスラリーを供給しつつ回転定盤、サンギヤ及びインターナルギヤを回転駆動する。この回転駆動により、複数のキャリアは、逆方向に回転する回転定盤の間で自転しつつサンギヤの回りを公転する。これにより、キャリアのホール内に偏心保持されたウエーハが両面研磨される。両面研磨が終了すると、上側の回転定盤を上昇させ、下側の回転定盤上のキャリアのホール内からウエーハを取り出す。
【0005】
サンギヤの回りに配置された複数のキャリアを公転させず、定位置で自転させる両面研磨装置も開発されている。
【0006】
このようなシリコンウエーハの両面ポリッシング作業においては、両面研磨終了時のウエーハはスラリーの表面張力などにより上下の研磨パッドに強く貼り付いた状態になる。このため、両面研磨終了後に上側の回転定盤を上昇させたときに、幾つかのウエーハは上側の回転定盤側に貼り付いてこの回転定盤と共に上昇し、下側の回転定盤上に残るウエーハと離別してしまう。このようなウエーハの離別現象は、下側の回転定盤上からウエーハを自動回収する場合には致命的な問題となる。
【0007】
この問題を解決するために、研磨終了後の回転定盤分離の際に、上側の回転定盤からワーク剥離用の液体を各ウエーハに噴出することは、特許文献1に記載されている。また、剥離対象物は異なるが、研磨終了後の回転定盤分離の際に、上側の回転定盤からキャリア剥離用の液体又は気体を噴出することにより、キャリアの貼り付き持ち上がりを防止する技術は、特許文献2に記載されている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−326213号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平09−066448号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
研磨終了後に上下の回転定盤を分離する際に、上側の回転定盤からワーク剥離用の液体を噴出することにより、大径で自重が大きい300mmウエーハについては、ウエーハの貼り付き持ち上がりが阻止され、下側の回転定盤上の全てのウエーハがその定盤上に残る。ところが、比較的小径で自重が小さい200mmウエーハなどについては、上側の回転定盤側へのウエーハ貼り付き現象を十分に防止できないのが現状である。
【0011】
なぜなら、200mmウエーハの貼り付きを阻止できる程度に液体の噴出を行うと、下側の回転定盤上に多量の液体が溜まり、キャリアのホール内に収まっているウエーハが浮き上がってその後の自動回収に支障をきたすようになるからである。
【0012】
液体に代えて空気のような気体をワーク剥離に用いれば、比較的小径で自重が小さい200mmウエーハについても、上定盤側へのウエーハの貼り付き現象を防止でき、ウエーハの浮き上がりも防止できる。しかしながら、その一方では、ウエーハ表面の乾燥が促進され、ウエーハの表面品質を劣化させるおそれが生じる。
【0013】
本発明の目的は、比較的小径で自重が小さい200mmウエーハについても、表面の乾燥を阻止しつつ、上側の回転定盤側への貼り付きを確実に防止できる両面研磨装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の両面研磨装置は、研磨すべきワークを保持する複数のキャリアを回転する上下の定盤間で自転させて、前記ワークの両面を同時に研磨する研磨装置本体と、該研磨装置本体の上定盤に、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するように設けられたノズル部を有しており、研磨終了後、上下の定盤を分離する際に前記ノズル部から液体及び気体を噴出するように構成された2流体噴出手段とを具備している。
【0015】
本発明の両面研磨装置においては、上下の定盤が分離する瞬間に気体を短時間噴出することで、上定盤側へのワークの貼り付きを防止する。同時に液体を噴出することで、ワーク表面の乾燥を防止する。貼り付き防止に関しては、主に気体を使用する。その気体は液体と異なり下定盤上のワークを浮上させる危険がなく、この点からの使用上の制約がないため、確実な貼り付き防止効果を得ることができる。乾燥防止については、ワークを剥離させる瞬間にだけ気体噴出を行えばよく、長い噴出時間を必要としない上に、その気体の噴出と同時並行的に液体でワーク表面を覆うことができるので、確実な乾燥防止効果を得ることができる。また、液体については、ワーク表面を覆う程度の使用量でよいため、下定盤上のワークが浮上する危険性を排除できる。
【0016】
気体としては加圧空気が取り扱いが簡便で望ましい。液体としは水、スラリーなどを使用することができる。
【0017】
液体の流量は下定盤の側におけるワークの浮き上がりを防止するために2L/mim以下に制限することが好ましい。このような制限を行っても気体を使用しているためにワークの貼り付きを防止できることは前述のとおりである。この流量の下限については、ワークの乾燥を防止する観点から0.1L/mim以上が好ましい。
【0018】
気体の圧力は上定盤の側におけるワークの貼り付きを防止できるように適宜設定される。液体を併用するためワークの乾燥による品質劣化が防止可能なことも前述のとおりである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す両面研磨装置の構成図、図2は同両面研磨装置の主要部を示す上定盤の底面図である。
【0020】
本実施形態の両面研磨装置は、上下の定盤間で複数枚のワーク10を同時に両面研磨する研磨装置本体20と、研磨装置本体20の上定盤側に装備された2流体噴出手段30とを具備している。
【0021】
ワーク10は300mm或いは200mmのシリコンウエーハである。研磨装置本体20は、上下一組の回転定盤21,22と、回転定盤21,22間に挟まれる複数のキャリア23・・とを備えている。回転定盤21,22の各対向面には研磨パッド26,26がそれぞれ装着されている。
【0022】
上側の回転定盤21は中心軸方向に昇降可能である。下側の回転定盤22の中心部上にはサンギヤ24が配置されている。回転定盤22の外周側には、2つの平歯車を一組とする自転手段25が、複数のキャリア23・・に各対応するように配置されている。複数のキャリア23・・は、回転定盤22上にサンギヤ24を包囲するように等間隔で載置され、この状態で内側のサンギヤ24及び外側の自転手段25に噛み合う。各キャリア23には、ワーク10が収容される複数のホールが周方向に等間隔で形成されている。
【0023】
2流体噴出手段30は、上側の回転定盤21の下面に開口する複数のノズル部31,31・・を備えている。複数のノズル部31,31・・は、研磨終了位置で回転定盤21,22の間の各ワーク上面に対向するように配置されている。具体的に説明すると、回転定盤21,22及び回転定盤21,22間のキャリア23・・は、ワーク10の自動回収のために研磨終了時に研磨開始前のワーク搬入時と同じ初期位置に停止する。ノズル部31,31・・は、1度に研磨できるワーク10の枚数と同数とされており、研磨終了後に回転定盤21,22及びキャリア23・・が初期位置に停止したときに各キャリア23のホール内に収められた複数枚のワーク10の各中心部にそれぞれ1個のノズル部31が上方から対向するように構成されている。
【0024】
複数のノズル部31,31・・には、上側の回転定盤21の上面側に設けられた配管32,32・・から水が供給されると共に、同じ配管32,32・・を通って空気が供給される。水及び空気の供給タイミング及び供給量は、図示されない加圧部により任意に制御される。これにより、複数のノズル部31,31・・からは、研磨終了後の定盤分離時に水と空気が混合して噴出される。
【0025】
次に、本実施形態の両面研磨装置を用いて複数枚のワーク10を同時に両面研磨する方法について説明する。
【0026】
研磨装置本体20の回転定盤21,22が初期位置に停止した状態で上側の回転定盤21が上昇し、下側の回転定盤22上に所定数のキャリア23・・が自動搬入され、各キャリア23に設けられた複数のホールにワーク10が自動搬入される。ワーク搬入が終わると、上側の回転定盤21が降下し、回転定盤21,22の各対向面に装着された研磨パッド間に所定枚数のワーク10が挟まれる。この状態で回転定盤21,22間にスラリーが供給されつつ、回転定盤21,22、サンギヤ24及び自転手段25が駆動される。
【0027】
この駆動により、逆回転する回転定盤21,22の間で複数のキャリア23・・が定位置で自転する。これにより、各キャリア23のホール内に収容された複数のワーク10が両面研磨される。
【0028】
ワーク10の両面研磨が終了すると、回転定盤21,22及びキャリア23・・は初期位置に停止する。次いで上側の回転定盤21が上昇するが、このとき複数のノズル部31,31・・から空気と水が混合して噴出し、研磨を終えた複数枚のワーク10の中心部上面に衝突する。空気の噴出圧は上側の回転定盤21の側にワーク10が貼り付くのを防止できる程度に設定されており、水の流量はワーク10の乾燥を防止できる範囲内で出来るだけ制限するように2L/min以下に設定されている。
【0029】
回転定盤21が上昇する瞬間に複数のノズル部31,31・・から対応する各ワーク10の中心部上面に空気が吹き付けられることにより、上側の回転定盤21の側からのワーク剥離が促進され、ワーク10が200mmウエーハの場合も上側の回転定盤21の側へのワーク10の貼り付きが防止される。これにより、全てのワーク10が下側の回転定盤22の側、即ち回転定盤22上のキャリア23のホール内に残り、結果、回転定盤21,22が分離開放した後のワーク10の自動回収操作が確実に行われることになる。
【0030】
空気のみによる剥離の場合はワーク10の表面が乾燥するおそれがあるが、本実施形態では、空気と共に水がワーク10の上面に供給されるので、乾燥の問題は生じない。反対に、水のみによる剥離の場合は多量の水が必要になり、下側の回転定盤22上に水が溜まってキャリア23のホールからワーク10が浮上する危険性があるが、本実施形態では、水はワーク10の乾燥を防止できる程度に使用すればよいので、その使用量を節減でき、下側の回転定盤22の側でのワーク10の浮上を防止できる。また、水の使用量を節減しても空気が使用されているのでワーク10の剥離に支障を生じることはない。
【0031】
3ウエーハ収容のキャリアを5枚使用して200mmウエーハ15枚を同時に両面研磨する場合、研磨終了後の上定盤上昇時に各ウエーハに対応するノズル部から水を約1L/minの流量で噴出した。30バッチ中3バッチで1枚ないし2枚のウエーハ貼り付きが発生し、自動回収が不可能であった。
【0032】
水の流量を約3L/minに増加したことろ、貼り付きは防止されたが、30バッチ中6バッチでウエーハの浮き上がりが発生し、やはり自動回収が不可能であった。
【0033】
水の流量を約1L/minに戻し、これに空気(圧力3kgf)を混合して噴出した。30バッチ中の全バッチでウエーハの貼り付きも浮き上がりも発生せず、自動回収が円滑に実施できた。
【0034】
空気(圧力3kgf)のみを噴出した場合は、ウエーハの貼り付きも浮き上がりも発生しない反面、ウエーハの乾燥による品質劣化が生じた。
【0035】
なお上記実施形態では、1枚のワーク10に1つのノズル部31を設け、液体と気体を混合状態で噴出したが、複数のノズル部を設けて、液体と気体を別々に噴出するようにしてもよい。また、液体と気体を混合状態で噴出するノズル部を1枚のワーク10に対して複数設けることも可能である。
【0036】
液体と気体の噴出タイミングについては、液体の噴出期間より気体の噴出期間が長いのは問題である(気体のみが噴出する時期にワークの乾燥が問題になる)が、両者が同じである必要はなく、液体の噴出期間の一部に気体噴出を行うことは問題ない。即ち、気体の噴出期間は液体の噴出期間に一致しているか、液体の噴出期間の一部であればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明の両面研磨装置は、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するように上定盤に設けられたノズル部から、研磨終了後、上下の定盤を分離する際に液体及び気体を噴出する構成を採用することより、大径で自重が大きい300mmウエーハは勿論のこと、小径で自重が小さい200mmウエーハについても、表面の乾燥を阻止しつつ、上定盤側への貼り付きを確実に防止でき、合わせて下定盤側での浮き上がりも確実に防止でき、研磨終了後の自動回収の確実な実行に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す両面研磨装置の構成図である。
【図2】同両面研磨装置の主要部を示す上定盤の底面図である。
【符号の説明】
10 ワーク(ウエーハ)
20 研磨装置本体
21,22 回転定盤
23 キャリア
24 サンギヤ
25 自転手段
26 研磨パッド
30 2流体噴出手段
31 ノズル部
32 流体配管
Claims (2)
- 研磨すべきワークを保持する複数のキャリアを回転する上下の定盤間で自転させて、前記ワークの両面を同時に研磨する研磨装置本体と、
該研磨装置本体の上定盤に、研磨終了位置で定盤間の各ワーク上面に対向するように設けられたノズル部を有しており、研磨終了後、上下の定盤を分離する際に前記ノズル部から液体及び気体を噴出するように構成された2流体噴出手段とを具備することを特徴とする両面研磨装置。 - 前記液体の流量が2L/minである請求項1に記載の両面研磨装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003005944A JP2004216497A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 両面研磨装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003005944A JP2004216497A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 両面研磨装置 |
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JP2004216497A true JP2004216497A (ja) | 2004-08-05 |
Family
ID=32896476
Family Applications (1)
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JP2003005944A Pending JP2004216497A (ja) | 2003-01-14 | 2003-01-14 | 両面研磨装置 |
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JP (1) | JP2004216497A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019025575A (ja) * | 2017-07-28 | 2019-02-21 | 不二越機械工業株式会社 | ワーク研磨装置およびワーク研磨方法 |
-
2003
- 2003-01-14 JP JP2003005944A patent/JP2004216497A/ja active Pending
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