JP3684983B2 - 両面研磨装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は両面研磨装置、詳しくはサンギヤが組み込まれていない両面研磨装置を用いて半導体ウェーハを研磨することで、半導体ウェーハの研磨時の外周部のダレを防いで平坦度を高める両面研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の両面研磨ウェーハの製造では、単結晶シリコンインゴットをスライスしてシリコンウェーハを作製した後、このシリコンウェーハに対して面取り、ラッピング、酸エッチングの各工程が順次なされ、次いでウェーハ表裏両面を鏡面化する両面研磨が施される。この両面研磨には、通常、中心部にサンギヤが配置される一方、外周部にインターナルギヤが配置された遊星歯車構造を有する両面研磨装置が用いられている。この両面研磨装置は、キャリアプレートに複数形成されたウェーハ保持孔の内部にシリコンウェーハを挿入・保持し、その上方から研磨砥粒を含むスラリーをシリコンウェーハに供給しながら、それぞれの対向面に研磨布が展張された上定盤および下定盤を各ウェーハの表裏両面に押し付けて、キャリアプレートをサンギヤとインターナルギヤとの間で自転公転させることで、各シリコンウェーハの両面を同時に研磨する。
【0003】
ところで、この遊星歯車式の両面研磨装置では、その装置中央部にサンギヤが設けられている。これにより、例えば次世代のシリコンウェーハとして注目を集めている300mmウェーハなどの大口径ウェーハを両面研磨する装置を製作する場合、このサンギヤが設けられている分だけキャリアプレート、ひいては両面研磨装置の全体が、例えばこの装置の直径が3m以上にもなってしまうといった問題点があった。
【0004】
そこで、これを解消する従来技術として、例えば、特開平11−254302号公報に記載の「両面研磨装置」が知られている。
この両面研磨装置は、シリコンウェーハが保持される複数個のウェーハ保持孔を有するキャリアプレートと、このキャリアプレートの上下方向に配置されて、それぞれの対向面に、各ウェーハ保持孔内のシリコンウェーハの表裏両面を同じ光沢度に研磨する研磨布が展張された上定盤および下定盤と、これらの上定盤および下定盤の間に保持されたキャリアプレートを、このキャリアプレートの表面と平行な面内で運動させるキャリア運動手段とを備えている。
ここでいうキャリアプレートの運動とは、上定盤および下定盤の間に保持されたシリコンウェーハが、その対応するウェーハ保持孔内で旋回させられるような、キャリアプレートの自転をともなわない円運動を意味する。また、ウェーハ両面研磨中、上定盤および下定盤は、垂直な各回転軸を中心にして互いに反対方向へ回転させられる。
【0005】
したがって、ウェーハ両面研磨時には、キャリアプレートの各ウェーハ保持孔にシリコンウェーハを挿入・保持し、研磨砥粒を含むスラリーをシリコンウェーハに供給しながら、しかも上定盤および下定盤を回転させつつ、キャリアプレートに自転をともなわない円運動を行わせることで、各シリコンウェーハが同時に両面研磨される。
この両面研磨装置にはサンギヤが組み込まれていないので、その分だけ、キャリアプレート上における各ウェーハ保持孔の形成スペースが拡大される。その結果、同じ大きさの両面研磨装置(以下、無サンギヤ式両面研磨装置という場合がある)であっても、取り扱い可能なシリコンウェーハの寸法を大きくすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の無サンギヤ式両面研磨装置を用いたシリコンウェーハの両面研磨では、以下の課題があった。
すなわち、従来の両面研磨装置によるウェーハの両面研磨では、キャリアプレートは、プレート中心部付近を中心にして自転をともなわない円運動を行う。したがって、各キャリアプレートは、中心部付近に比べて、プレート外周部の回転速度がはやい。その結果、キャリアプレートの外周側に配置された各ウェーハの部分の研磨量が、ウェーハ中央部分の研磨量に比べて増加する。これにより、研磨されたシリコンウェーハWの外周部にダレが発生するという問題点があった。これにより、GBIR,SBIR,SFQRなどで示されるウェーハ平坦度が低下していた。
【0007】
【発明の目的】
この発明は、半導体ウェーハの外周部の研磨ダレを抑制し、ウェーハの平坦度を高めることができる両面研磨装置を提供することを、その目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、キャリアプレートに形成されたウェーハ保持孔内に半導体ウェーハを挿入・保持し、研磨砥粒を含むスラリーを半導体ウェーハに供給しながら、それぞれ研磨布が展張された上定盤および下定盤の間で、前記キャリアプレートの表面と平行な面内でこのキャリアプレートを自転をともなわない円運動させて、前記半導体ウェーハの表裏両面を同時に研磨することができる両面研磨装置であって、前記半導体ウェーハの外周部の一部であって、その両面を上記研磨布の外部に3〜15mmだけはみ出させて、この状態で半導体ウェーハを研磨する両面研磨装置である。
【0009】
この両面研磨装置は、サンギヤが組み込まれておらず、上定盤および下定盤の間でキャリアプレートを運動させることで半導体ウェーハの表裏両面を同時に研磨する無サンギヤ式両面研磨装置であれば、限定されない。
ここでいう半導体ウェーハには、例えばシリコンウェーハ、ガリヒ素ウェーハなどを挙げることができる。この半導体ウェーハの大きさも限定されない。例えば、300mmウェーハなどの大口径ウェーハでもよい。また、半導体ウェーハは、片面が酸化膜によって被覆されているものでもよい。この場合の研磨として、半導体ウェーハの酸化膜とは反対側のベアウェーハ面を選択的に研磨するようにしてもよい。
キャリアプレートに形成されるウェーハ保持孔の個数は、1個(枚葉式)でも複数個でもよい。ウェーハ保持孔の大きさは、研磨される半導体ウェーハの大きさにより、任意に変更される。
【0010】
キャリアプレートの運動は、キャリアプレートの表面(または裏面)と平行な面内での運動であれば良く、運動の方向などは限定されない。例えば、上定盤および下定盤の間で保持された半導体ウェーハがウェーハ保持孔の内部で旋回するキャリアプレートの自転をともなわない円運動でもよい。その他、キャリアプレートの中心線を中心とした円運動、偏心位置での円運動、直線運動などでもよい。なお、この直線運動の場合には、上定盤および下定盤をそれぞれの軸線を中心に回転させる方が、ウェーハ表裏両面を均一に研磨することができる。
好ましいウェーハ外周部のはみ出し量は、3〜15mmである。3mm未満では研磨ダレが大きくなるという不都合が生じる。15mmを超えるとウェーハ表面にリング状の段差が生じるという不都合が生じる。
また、キャリアプレートの厚さを、このプレートの研磨布側の端面が半導体ウェーハの研磨面と略高さが揃う厚さに設計してもよい。これにより、研磨時において、研磨布のリバウンド量が低減し、半導体ウェーハの外周部がウェーハ中心部に比べて単位面積当たりの圧力が相対的に小さくなる。その結果、半導体ウェーハの外周部の研磨ダレを抑えることができる。
【0011】
使用するスラリーの種類は限定されない。例えば、pH濃度が9〜11のアルカリ性エッチング液に、平均粒径0.1〜0.02μm程度のコロイダルシリカ粒子(研磨砥粒)を分散させたものを採用することができる。また、酸性エッチング液中に研磨砥粒を分散させたものでもよい。スラリーの供給量はキャリアプレートの大きさにより異なり、限定されない。通常は、1.0〜3.0リットル/分である。スラリーの半導体ウェーハへの供給は、半導体ウェーハの鏡面の反対側(非研磨面側)に行うことができる。この場合、研磨面は下定盤により研磨される。また、スラリー供給孔はウェーハの運動範囲に配設することが好ましい。
【0012】
上定盤および下定盤の回転速度は限定されない。例えば、同じ速度で回転させてもよいし、異なる速度で回転させてもよい。また、各回転方向も限定されない。すなわち、同じ方向に回転させてもよいし、互いに反対方向へ回転させてもよい。ただし、必ずしも上定盤および下定盤を同時に回転させなくてもよい。それは、この発明が、半導体ウェーハの表裏両面に上定盤および下定盤の各研磨布を押し付けた状態でキャリアプレートを運動させる構成を採用しているためである。
上定盤および下定盤の半導体ウェーハに対しての押圧力は限定されない。ただし、通常は150〜250g/cm である。
また、ウェーハ表裏両面の研磨量および研磨速度も限定されない。なお、このウェーハ表面とウェーハ裏面との研磨速度のちがいは、ウェーハ表裏両面の光沢度に大きな影響を及ぼす。光沢度の測定は公知の測定器(例えば日本電色社製測定器)を用いて行うことができる。
【0013】
これらの上定盤および下定盤に展張される研磨布の種類および材質は限定されない。例えば、硬質発泡ウレタンフォームパッド、不織布にウレタン樹脂を含浸・硬化させた不織布パッドが挙げられる。その他、不織布からなる基布の上にウレタン樹脂を発泡させたパッドなども挙げられる。なお、上定盤の研磨布および下定盤の研磨布のうちの一方に、残りの他方とは研磨時における半導体ウェーハの沈み込み量が異なる研磨布を用いて、半導体ウェーハの表裏面の光沢度を異ならせるようにしてもよい。
【0014】
ここでいう自転をともなわない円運動とは、キャリアプレートが上定盤および下定盤の軸線から所定距離だけ偏心した状態を常に保持して旋回するような円運動のことをいう。この自転をともなわない円運動によって、キャリアプレート上の全ての点は、同じ大きさの小円の軌跡を描くことになる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、前記半導体ウェーハは片面だけが鏡面で、前記スラリーは、この半導体ウェーハの鏡面とは反対の面側から供給される請求項1に記載の両面研磨装置である。すなわち、ここでの半導体ウェーハは、裏面が梨地面の片面梨地ウェーハである。
半導体ウェーハの鏡面とは反対側の面からスラリーを供給する方法は限定されない。例えば、このスラリー供給側の面が半導体ウェーハの上面である場合には、スラリー供給ノズルによる自然落下でもよい。この場合、キャリアプレートにスラリーが下定盤側へ落下する孔部を形成してもよい。
【0016】
請求項3に記載の発明は、前記スラリーは、キャリアプレートに保持された半導体ウェーハの運動軌跡上に位置するスラリー供給孔より供給される請求項1または請求項2に記載の両面研磨装置である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記半導体ウェーハは、その片面が酸化膜によって被覆されている請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の両面研磨装置である。
酸化膜の種類は限定されない。例えば、シリコンウェーハの場合におけるシリコン酸化膜などが挙げられる。酸化膜の厚さも限定されない。この酸化膜側のウェーハ面を、梨地面として研磨してもよいし、研磨しないで非研磨面としてもよい。
【0018】
【作用】
この発明によれば、スラリーを半導体ウェーハに供給しながら、上定盤および下定盤の間で、キャリアプレートをそのプレートの表面と平行な面内で運動させる。これにより、半導体ウェーハの両面(場合によっては片面)が研磨布により研磨される。
この際、ウェーハ外周部の一部を研磨布の外部にはみ出しながら、半導体ウェーハを回転して、その研磨面を研磨する。研磨中、ウェーハ外周部は、半導体ウェーハが所定角度回転するごとに、その非研磨領域を通過しながら研磨される。よって、ウェーハ外周部はウェーハ中心部に比べて、研磨布に対する単位時間当たりの接触面積が低減する。その結果、ウェーハ外周部の研磨ダレが抑えられて、ウェーハ平坦度が高まる。
【0019】
特に、上定盤および下定盤の間で半導体ウェーハを保持し、この状態を維持したまま、キャリアプレートをこのプレートの自転をともなわない円運動をさせてウェーハ面を研磨する。自転しない円運動によれば、キャリアプレート上のすべての点がまったく同じ運動をする。これは、一種の揺動運動ともいえる。すなわち、揺動運動の軌跡が円になると考えることもできる。このようなキャリアプレートの運動により、研磨中、半導体ウェーハはウェーハ保持孔内で旋回しながら研磨される。これにより、ウェーハ研磨面の略全域にわたって均一に研磨を行うことができ、ウェーハ外周部の研磨ダレをさらに低減させることができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明によれば、ウェーハ研磨に際して、スラリーを半導体ウェーハの鏡面とは反対の面側から供給しながら研磨する。なお、請求項3のように、これらのスラリー供給孔を半導体ウェーハの運動軌跡上に位置して形成すれば、確実に半導体ウェーハにスラリーを供給することができる。
【0021】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、半導体ウェーハの片面が酸化膜によって被覆された面である。この酸化膜と反対側の面を所定の度合いで研磨することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施例に係る両面研磨装置の全体斜視図である。図2は、この発明の一実施例に係る両面研磨装置の両面研磨中の縦断面図である。図3は、この発明の一実施例に係る両面研磨装置の概略平面図である。図4は、この発明の一実施例に係るキャリアプレートに運動力を伝達する運動力伝達系の要部拡大断面図である。図5は、この発明の一実施例に係る研磨中の半導体ウェーハの運動軌跡およびスラリー供給孔の位置を示す平面図である。
【0023】
図1,図2において、10は一実施例に係る両面研磨装置(以下、無サンギヤ式両面研磨装置という場合がある)である。この両面研磨装置10は、5個のウェーハ保持孔11aがプレート軸線回りに(円周方向に)72度ごとに穿設された平面視して円板形状のガラスエポキシ製のキャリアプレート11と、それぞれのウェーハ保持孔11aに旋回自在に挿入・保持された直径300mmのシリコンウェーハWを、上下から挟み込むとともに、シリコンウェーハWに対して相対的に移動させることでウェーハ面を研磨する上定盤12および下定盤13とを備えている。
【0024】
シリコンウェーハWは、その片面がシリコン酸化膜により覆われたものを採用してもよい。また、キャリアプレート11の厚さ(600μm)は、シリコンウェーハWの厚さ(730μm)よりも若干薄くなっている。ただし、このシリコンウェーハWの厚さと略同じものを採用して、ウェーハ外周部の研磨ダレをより抑えるようにしてもよい。
上定盤12の下面および下定盤13の上面には、ウェーハ表裏両面を鏡面化させる不織布にウレタン樹脂を含浸・硬化させた軟質の不織布パッド14,15が展張されている。軟質不織布パッド14,15(ロデール社製Suba600)の硬度は80゜(Asker)、圧縮率は3.5%、圧縮弾性率は75.0%であって、厚さは1270μmとなっている。
【0025】
図1および図2に示すように、上定盤12は、上方に延びた回転軸12aを介して、上側回転モータ16により水平面内で回転される。また、この上定盤12は軸線方向へ進退させる昇降装置18により垂直方向に昇降させられる。この昇降装置18は、シリコンウェーハWをキャリアプレート11に給排する際などに使用される。なお、上定盤12および下定盤13のシリコンウェーハWの表裏両面に対する押圧は、上定盤12および下定盤13に組み込まれた図示しないエアバック方式などの加圧手段により行われる。
下定盤13は、その出力軸17aを介して、下側回転モータ17により水平面内で回転させられる。このキャリアプレート11は、そのプレート11自体が自転しないように、キャリア円運動機構19によって、そのプレート11の面と平行な面(水平面)内で円運動する。次に、図1〜図5を参照して、このキャリア円運動機構19を詳細に説明する。
【0026】
これらの図に示すように、このキャリア円運動機構19は、キャリアプレート11を外方から保持する環状のキャリアホルダ20を有している。これらの部材11,20は、連結構造21を介して連結されている。ここでいう連結構造体21とは、キャリアプレート11を、そのキャリアプレート11が自転せず、しかもこのプレート11の熱膨張時の伸びを吸収できるようにキャリアホルダ20に連結させる手段である。
すなわち、この連結構造21は、キャリアホルダ20の内周フランジ20aに、ホルダ周方向へ所定角度ごとに突設された多数本のピン23と、各対応するピン23を、キャリアプレート11の外周部に各ピン23と対応する位置に対応する数だけ穿設された長孔形状のピン孔11bとを有している。
【0027】
これらのピン孔11bの長さ方向は、ピン23を介してキャリアホルダ20に連結されたキャリアプレート11が、その半径方向へ若干移動できるように、プレート半径方向と合致させている。それぞれのピン孔11bにピン23を遊挿させてキャリアプレート11をキャリアホルダ20に装着することで、両面研磨時のキャリアプレート11の熱膨張による伸びが吸収される。なお、各ピン23の元部は、この部分の外周面に刻設された外ねじを介して、前記内周フランジ20aに形成されたねじ孔にねじ込まれている。また、各ピン23の元部の外ねじの直上部には、キャリアプレート11が載置されるフランジ23aが周設されている。したがって、ピン23のねじ込み量を調整することで、フランジ23に載置されたキャリアプレート11の高さ位置が調整可能となる。
【0028】
このキャリアホルダ20の外周部には、90度ごとに外方へ突出した4個の軸受部20bが配設されている。各軸受部20bには、小径円板形状の偏心アーム24の上面の偏心位置に突設された偏心軸24aが挿着されている。また、これら4個の偏心アーム24の各下面の中心部には、回転軸24bが垂設されている。これらの回転軸24bは、環状の装置基体25に90度ごとに合計4個配設された軸受部25aに、それぞれ先端部を下方へ突出させた状態で挿着されている。各回転軸24bの下方に突出した先端部には、それぞれスプロケット26が固着されている。そして、各スプロケット26には、一連にタイミングチェーン27が水平状態で架け渡されている。なお、このタイミングチェーン27をギヤ構造の動力伝達系に変更してもよい。これらの4個のスプロケット26とタイミングチェーン27とは、4個の偏心アーム24が同期して円運動を行うように、4本の回転軸24bを同時に回転させる同期手段を構成している。
【0029】
また、これらの4本の回転軸24bのうち、1本の回転軸24bはさらに長尺に形成されており、その先端部がスプロケット26より下方に突出されている。この部分に動力伝達用のギヤ28が固着されている。このギヤ28は、例えばギヤードモータなどの円運動用モータ29の上方へ延びる出力軸に固着された大径な駆動用のギヤ30に噛合されている。なお、このようにタイミングチェーン27により同期させなくても、例えば4個の偏心アーム24のそれぞれに円運動用モータ29を配設させて、各偏心アーム24を個別に回転させてもよい。ただし、各モータ29の回転は同期させる必要がある。
【0030】
したがって、円運動用モータ29の出力軸を回転させると、その回転力は、ギヤ30,28および長尺な回転軸24bに固着されたスプロケット26を介してタイミングチェーン27に伝達され、このタイミングチェーン27が周転することで、他の3個のスプロケット26を介して、4個の偏心アーム24が同期して回転軸24bを中心に水平面内で回転する。これにより、それぞれの偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20、ひいてはこのホルダ20に保持されたキャリアプレート11が、このプレート11に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を行う。すなわち、キャリアプレート11は上定盤12および下定盤13の軸線aから距離Lだけ偏心した状態を保って旋回する。この距離Lは、偏心軸24aと回転軸24bとの距離と同じである。この自転をともなわない円運動により、キャリアプレート11上の全ての点は、同じ大きさの小円の軌跡を描く。
しかも、このキャリアプレート11の円運動時において、シリコンウェーハWの外周部の一部が、軟質不織布パッド14,15の外部に変移量Qだけはみ出しながら、ウェーハ表裏両面が研磨される。
【0031】
図5にはこの装置にあってそのスラリー供給孔の位置を示す。例えば上定盤12に形成される複数のスラリー供給孔はシリコンウェーハWが常に存在する所定幅の円環状の領域Xに配置されている。ウェーハWが揺動してもその裏面に常にスラリーが供給されるよう構成されている。この結果、研磨中においてウェーハW裏面のスラリーによる薄膜が保持されることとなる。
【0032】
次に、この両面研磨装置10を用いたシリコンウェーハWの両面研磨方法を説明する。
まず、キャリアプレート11の各ウェーハ保持孔11aにそれぞれ旋回自在にシリコンウェーハWを挿入する。このとき、各ウェーハ裏面は上向きとする。次いで、この状態のまま、各ウェーハ裏面に軟質不織布パッド14を200g/cm で押し付けるとともに、各ウェーハ表面に軟質不織布パッド15を200g/cm で押し付ける。
その後、これらの両パッド14,15をウェーハ表裏両面に押し付けたまま、上定盤12側からスラリーを供給しながら、円運動用モータ29によりタイミングチェーン27を周転させる。これにより、各偏心アーム24が水平面内で同期回転し、各偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20およびキャリアプレート11が、このプレート11表面に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を24rpmで行う。その結果、各シリコンウェーハWは、対応するウェーハ保持孔11a内で水平面内で旋回しながら、それぞれのウェーハ表裏両面が両面研磨される。なお、ここで使用するスラリーは、pH10.6のアルカリ性エッチング液中に、粒度0.05μmのコロイダルシリカからなる研磨砥粒が分散されたものである。
【0033】
このとき、前述したようにキャリアプレート11の回転時において、シリコンウェーハWの外周部の一部が、軟質不織布パッド14,15の外部に変移量Qだけはみ出しながら、ウェーハ表裏両面が研磨される(図5(B)参照)。このような研磨を行うと、研磨中のウェーハ外周部は、シリコンウェーハWが所定角度だけ回転するごとに、非研磨領域を通過しながら研磨される。なお、従来のはみ出しのない研磨装置では、ウェーハ中央部よりもウェーハ外周部の研磨量が大きくなっていた。これに対して、この両面研磨装置10では、ウェーハ中心部に比べて、ウェーハ外周部と研磨布11との単位時間当たりの接触面積が減少する。その結果、ウェーハ平坦度を高めることができる。
また、ここでは、両面研磨時に、キャリアプレート11を、このプレート11の自転をともなわない円運動をさせてウェーハ表裏両面を研磨させている。このようなキャリアプレート11の特殊な運動によりシリコンウェーハWを両面研磨したので、ウェーハ表裏両面の略全域において均一に研磨を行うことができる。
【0034】
ここで、実際に、一実施例の両面研磨装置10を用いて、シリコンウェーハWの研磨布からのはみ出し量を適宜変更して両面研磨を行った場合の外周ダレの変量を報告する。図6は、この発明の一実施例に係る両面研磨装置を用いた半導体ウェーハの研磨時におけるウェーハ外周部のはみ出し量と外周ダレとの関係を示すグラフである。
図6のグラフから明らかなように、ウェーハ外周部のはみ出し量が3mm未満ん場合には外周ダレが大きくなった。一方、このはみ出し量が3mm以上の場合には、研磨ダレは低い数値で安定し、良好な結果が得られた。
【0035】
【発明の効果】
この発明によれば、半導体ウェーハの研磨時、ウェーハ外周部の一部を研磨布の外部にはみ出しながら研磨するので、ウェーハ外周部はウェーハ中心部に比べて、研磨布に対する単位時間当たりの接触面積が低減し、ウェーハ外周部の研磨ダレが抑えられ、ウェーハ平坦度を高めることができる。
【0036】
特に、キャリアプレートを、このプレートの自転をともなわない円運動をさせて半導体ウェーハを研磨するようにしたので、ウェーハ表裏両面の略全域にわたって均一に研磨することができ、外周ダレをさらに低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る両面研磨装置の全体斜視図である。
【図2】 この発明の一実施例に係る両面研磨装置の両面研磨中の縦断面図である。
【図3】 この発明の一実施例に係る両面研磨装置の概略平面図である。
【図4】 この発明の一実施例に係るキャリアプレートに運動力を伝達する運動力伝達系の要部拡大断面図である。
【図5】 この発明の一実施例に係る研磨中の半導体ウェーハの運動軌跡およびスラリー供給孔の位置を示す平面図である。
【図6】 この発明の一実施例に係る両面研磨装置を用いた半導体ウェーハの研磨時におけるウェーハ外周部のはみ出し量と外周ダレとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 無サンギヤ式両面研磨装置、
11 キャリアプレート、
11a ウェーハ保持孔、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。

Claims (4)

  1. キャリアプレートに形成されたウェーハ保持孔内に半導体ウェーハを挿入・保持し、研磨砥粒を含むスラリーを半導体ウェーハに供給しながら、それぞれ研磨布が展張された上定盤および下定盤の間で、前記キャリアプレートの表面と平行な面内でこのキャリアプレートを自転をともなわない円運動させて、前記半導体ウェーハの表裏両面を同時に研磨することができる両面研磨装置であって、
    前記半導体ウェーハの外周部の一部であって、その両面を上記研磨布の外部に3〜15mmだけはみ出させて、この状態で半導体ウェーハを研磨する両面研磨装置。
  2. 前記半導体ウェーハは片面だけが鏡面で、前記スラリーは、この半導体ウェーハの鏡面とは反対の面側から供給される請求項1に記載の両面研磨装置。
  3. 前記スラリーは、キャリアプレートに保持された半導体ウェーハの運動軌跡上に位置するスラリー供給孔より供給される請求項1または請求項2に記載の両面研磨装置。
  4. 前記半導体ウェーハは、その片面が酸化膜によって被覆されている請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の両面研磨装置。
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