JP5309892B2 - 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法 - Google Patents

両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5309892B2
JP5309892B2 JP2008276099A JP2008276099A JP5309892B2 JP 5309892 B2 JP5309892 B2 JP 5309892B2 JP 2008276099 A JP2008276099 A JP 2008276099A JP 2008276099 A JP2008276099 A JP 2008276099A JP 5309892 B2 JP5309892 B2 JP 5309892B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
silicon wafer
double
wafer
carrier plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008276099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010103449A (ja
Inventor
友紀 三浦
和成 高石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumco Corp
Original Assignee
Sumco Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumco Corp filed Critical Sumco Corp
Priority to JP2008276099A priority Critical patent/JP5309892B2/ja
Publication of JP2010103449A publication Critical patent/JP2010103449A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5309892B2 publication Critical patent/JP5309892B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

この発明は両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法、詳しくはシリコンウェーハの表面形状の高品質化が図れる両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法に関する。
シリコンウェーハの製造に際しては、シリコン単結晶インゴットにブロック切断、外径研削、スライス、面取り、エッチングまたは表面研削を順次施し、その後、エッチング時のウェーハ面の微細な凹凸または表面研削時のウェーハのダメージを除く研磨が行われる。これにより、表面が鏡面仕上げされたシリコンウェーハが作製される。
研磨工程では、一般に1次研磨、2次研磨、3次研磨、仕上げ研磨などからなる2〜4段階の多段研磨が実施されている。多段研磨では、研磨の段階が進むにつれて、平坦度、ナノトポロジー、表面粗さ、Hazeなどのシリコンウェーハの表面形状についての品質の改善が図られる。
また、ウェーハの表面形状のさらなる高品質化を図るため、従来、1次研磨のみに遊星歯車式(サンギヤ式)の両面研磨装置を用いた両面研磨が採用され、2次研磨以後ではシリコンウェーハの表面を研磨する片面研磨が行われている(例えば、特許文献1,2)。遊星歯車式の両面研磨装置とは、中心部にサンギヤが配置され、外周部にインターナルギヤが配置された遊星歯車構造を有している。使用時には、キャリアプレートの複数のウェーハ保持孔にシリコンウェーハを保持し、研磨砥粒を含むスラリーを供給しながら、研磨布が展張された上定盤および下定盤を各ウェーハの表裏両面に押し付け、キャリアプレートをサンギヤとインターナルギヤとの間で自転、公転させる。これにより、各シリコンウェーハの表裏面が同時に研磨される。
2次研磨以降に片面研磨が採用されている理由は、以下の通りである。
すなわち、(1)デバイス形成プロセスで、実際にデバイスが形成されるのはシリコンウェーハの表面のみである。
(2)一般に、シリコンウェーハの表面粗さやHazeなどを改善するために必要な研磨量は、数μm〜数10μmとわずかである。そのため、片面研磨(裏面基準の表面研磨)のみを採用した場合でも、1次研磨後のウェーハ平坦度、ナノトポロジーはそれほど変化しない。
(3)両面研磨では、シリコンウェーハを保持する保持孔付きのキャリアプレートが使用される。そのため、研磨時にシリコンウェーハが保持孔の形成壁に衝突し、スクラッチ不良が発生するなどして、シリコンウェーハの品質が低下する場合が多い。
(4)両面研磨では複雑な構造の両面研磨装置が使用される。そのため、設備コストが高まるとともに、ウェーハの表裏面を研磨することから、片面研磨の場合より、研磨布などの消耗品に対するランニングコストが増大する。
特開平9−97775号公報 特許第4038429号公報
しかしながら、このように従来の研磨方法では、1次研磨のみでしかシリコンウェーハの両面研磨は行われていなかった。そのため、ウェーハ裏面のナノトポロジー、引いてはシリコンウェーハの表面粗さを十分に高められなかった。ナノトポロジーとは、nmレベルの面粗さ(変化量の絶対値)である。
近年、デバイス形成部門からは、シリコンウェーハに対して、裏面の微小パーティクルの管理が要求されている。これは、ウェーハ表面に形成される電子回路のさらなる微細化に伴い、ウェーハ裏面の微小パーティクルも制御しなければ、ウェーハ表面に対する電子回路の微細化の実現が不可能な状況にまで達しているためである。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、両面鏡面シリコンウェーハの研磨として、毎回(各段)の研磨条件を変更して行われる多段研磨を採用し、かつ全ての回の研磨を両面研磨とすれば、上述した問題は解消することを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、シリコンウェーハの表面形状の高品質化が図れ、これによりウェーハ表面に形成される電子回路のさらなる微細化を可能とした両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、シリコンウェーハの露出面に研磨布を押し付け、研磨剤を供給しながら、前記シリコンウェーハと前記研磨布とを相対的に摺動させ、前記露出面を研磨する両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法であって、前記シリコンウェーハの露出面の研磨は、研磨条件を変更して1次研磨、2次研磨、仕上げ研磨と連続して行われる3段研磨で、前記1次研磨が、複数のキャリアプレートにそれぞれ形成された複数のウェーハ保持孔内に複数の前記シリコンウェーハを保持し、研磨砥粒を含まない前記研磨剤を供給しながら、各対向面に研磨布が貼着された上定盤および下定盤を前記複数のシリコンウェーハの表裏両面に押し付け、前記キャリアプレートをサンギヤとインターナルギヤとの間で自転公転させることで、前記複数のシリコンウェーハの表裏両面を同時に研磨するサンギヤ式両面研磨で、前記2次研磨および仕上げ研磨が、キャリアプレートに形成されたウェーハ保持孔内に前記シリコンウェーハを保持し、研磨砥粒を含まない前記研磨剤を供給しながら、前記研磨布が貼着された上定盤と前記研磨布が貼着された下定盤との間で、前記キャリアプレートの表面と平行な面内でこのキャリアプレートに自転を伴わない円運動を行わせる無サンギヤ式の両面研磨である両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法である。
請求項1に記載の発明によれば、両面研磨シリコンウェーハの研磨として、毎回の研磨条件を変更して連続的に行われる3段研磨を採用し、しかもこの多段研磨は、全ての回の研磨を、研磨砥粒を含まない研磨剤を供給しながらシリコンウェーハの表裏両面を同時に研磨する両面研磨とする。これにより、シリコンウェーハの表面形状の高品質化が図れ、ウェーハ表面に形成される電子回路のさらなる微細化が可能になる。
また、2次研磨および仕上げ研磨では、上定盤および下定盤の間でシリコンウェーハを保持し、この状態を維持したまま、キャリアプレートに自転をともなわない円運動をさせて両面研磨する。自転しない円運動によれば、キャリアプレート上のすべての点がまったく同じ小円運動をする。これは、一種の揺動運動ともいえる。すなわち、揺動運動の軌跡が円になると考えることもできる。このようなキャリアプレートの運動により、研磨中、シリコンウェーハはウェーハ保持孔内で旋回しながら研磨される。これにより、ウェーハ研磨面の略全域にわたって均一に研磨することができる。例えば、ウェーハ外周部の研磨ダレなども低減可能となる。
シリコンウェーハとしては、単結晶シリコンウェーハなどを採用することができる。
シリコンウェーハの露出面とは、ウェーハの表面、裏面、表裏面の何れかである。
研磨剤は、研磨砥粒を含まない。このように、研磨剤として研磨砥粒を含まないものを採用した場合には、研磨砥粒による表面粗さ、Hazeなどのシリコンウェーハの表面形状の低下を防止することができる。
また、研磨としては、例えば、pH濃度が9〜11のアルカリ性エッチング液(KOH溶液など)に、平均粒径0.1〜0.02μm程度のシリカ粒子(研磨砥粒)を分散させたコロイド状のものを採用することができる。ただし、研磨砥粒はウェーハの表面粗さなどを低下させるため、その研磨への混入は好ましくない。
研磨布としては、不織布にウレタン樹脂を含浸・硬化させた不織布パッド、発泡したウレタンのブロックをスライスした発泡性ウレタンパッドなどを採用することができる。その他、ポリエステルフェルトにポリウレタンが含浸された基材の表面に発泡ポリウレタンを積層し、ポリウレタンの表層部分を除去して発泡層に開口部を形成したスエードパッドでもよい。
シリコンウェーハと両研磨布との相対的な摺動とは、シリコンウェーハだけの回転によるシリコンウェーハと両研磨布との摺動でも、両研磨布だけの回転による摺動でもよい。その他、シリコンウェーハと両研磨布との両方の回転による摺動でもよい。
変更される研磨条件としては、例えば、研磨布の種類、研磨の種類、研磨量、研磨レート、研磨圧、研磨時間、シリコンウェーハの回転速度、研磨布の回転速度、シリコンウェーハの回転方向、研磨布の回転方向などが挙げられる。
両面研磨としては、例えば、サンギヤを有する遊星歯車式の両面研磨を採用することができる。その他、サンギヤが存在しない無サンギヤ式の両面研磨でもよい。
3回連続して行われる3段研磨(両面研磨)は、1台の両面研磨装置のみで行っても、複数台の研磨装置により行ってもよい。
ここでいう「3回連続して」とは、シリコンウェーハに対する例えば機械的、化学的、熱的などの実質的な加工が施される場合をいう。したがって、連続する先の研磨と後の研磨との間に、シリコンウェーハの洗浄工程、検査工程などが介在される場合も含む。
変更される研磨条件は、ウェーハ表面の研磨条件だけでもよい。また、ウェーハ裏面の研磨条件だけでもよい。さらに、ウェーハ表面の研磨条件とウェーハ裏面の研磨条件との両方でもよい。
両面研磨の回数は3回である。全ての回においてシリコンウェーハに両面研磨が施される。
自転をともなわない円運動とは、キャリアプレートが上定盤および下定盤の回転軸から所定距離だけ偏心した状態を、常時、維持して旋回する円運動(回転揺動)をいう。キャリアプレートに形成されたウェーハ保持孔の形成数は、1つ(枚葉式)でも複数(バッチ)でもよい。保持孔の大きさは、研磨されるシリコンウェーハの大きさに応じて、任意に変更される。
無サンギヤ式の両面研磨の場合、必ずしも上定盤および下定盤を同時に回転させなくてもよい。これは、無サンギヤ式の両面研磨が、シリコンウェーハの表裏両面に上定盤および下定盤の各研磨布を押し付け、キャリアプレートを運動させるためである。
請求項1に記載の発明によれば、両面鏡面シリコンウェーハの研磨として、毎回の研磨条件を変更して連続して行われる3段研磨を採用し、しかも全ての回の研磨を、研磨砥粒を含まない研磨剤を供給しながらの両面研磨とする。これにより、両面鏡面シリコンウェーハの表面形状の高品質化が図れ、ウェーハ表面に形成される電子回路のさらなる微細化が可能になる。
また、2次研磨および仕上げ研磨として、サンギヤが組み込まれておらず、上定盤および下定盤の間でキャリアプレートを運動させてウェーハ表裏両面を同時に研磨する無サンギヤ式両面研磨を採用したので、ウェーハ研磨面の略全域にわたって均一に研磨することができる。これにより、ウェーハ外周部の研磨ダレなども低減可能となる。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。
この発明の実施例1に係るシリコンウェーハの研磨方法を説明する。
使用されるシリコンウェーハは、以下の工程により作製される。チョクラルスキー法により直径300mm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm、比抵抗が10mΩ・cmのシリコン単結晶インゴットを引き上げる。得られたシリコン単結晶インゴットには、図1のフローシートに示すように、ブロック切断、外径研削、スライス、面取り、エッチング、1次研磨(サンギヤ式両面研磨)、2次研磨(無サンギヤ式両面研磨)、仕上げ研磨(無サンギヤ式両面研磨)が順次施される。
次に、図2および図3を参照して、シリコンウェーハWの1次研磨工程を説明する。
エッチング後のシリコンウェーハWには、サンギヤ式の両面研磨装置を用いた1次両面研磨が施される。
図2および図3において、40はサンギヤ式両面研磨装置で、このサンギヤ式両面研磨装置40は、互いに平行に設けられ、各対向面に研磨布41,41がそれぞれ貼着された上定盤42および下定盤43と、これらの上定盤42、下定盤43間に介在されて、軸線回りに回転自在に設けられた小径なサンギヤ44と、この軸線と同じ軸線を中心に回転自在に設けられた大径なインターナルギヤ45と、それぞれ4枚のシリコンウェーハWを保持するウェーハ保持孔46aを有し、かつ各外縁部に、サンギヤ44およびインターナルギヤ45に噛合される外ギヤ46bが形成された計4枚の円盤形状のキャリアプレート46とを備えている。
サンギヤ式両面研磨装置40には、スピードファム社製の28B両面研磨装置が採用されている。両研磨布41,41には、ロデール・ニッタ社製Suba800が採用されている。シリコンウェーハWの厚さは730μm、キャリアプレート46の厚さは600μmである。
1次研磨工程では、サンギヤ式両面研磨装置40を使用し、シリコンウェーハWの両面が同時に研磨される。すなわち、キャリアプレート46の各ウェーハ保持孔46aにそれぞれ旋回自在にシリコンウェーハWを挿入する。このとき、各ウェーハ裏面は上向きとする。次いで、この状態のまま、各ウェーハ表裏両面に研磨布41,41をそれぞれ200g/cmで押し付ける。また、上定盤42と下定盤43との間で、研磨液(ユーズポイントで0.3重量%のKOH溶液をベースとし、平均粒径約40μm(動的散乱法)のシリカ粒子が混入されたコロイダルシリカ)を2リットル/分で供給しながらキャリアプレート46を自転および公転させ、各ウェーハ保持孔46aに保持された4枚のシリコンウェーハWの表裏両面を、上下1対の研磨布41,41に押圧しながら一括して両面研磨する。コロイダルシリカからなる研磨液に代えて、研磨砥粒を含まないKOH溶液のみからなるものに変更してもよい。この場合、研磨砥粒による表面粗さ、Hazeなどのシリコンウェーハの表面形状の低下を防止することができる。ウェーハ表裏面の研磨レートは1μm/分、研磨量は30μmである。
次に、図4および図5を参照して、1次研磨されたシリコンウェーハWの2次研磨工程を説明する。1次研磨後のシリコンウェーハWには、無サンギヤ式の両面研磨装置を用いた2次両面研磨が連続して施される。ただし、1次研磨と2次研磨との間に、シリコンウェーハWを洗浄する工程を施してもよい。
図4および図5において、10は無サンギヤ式両面研磨装置である。具体的には、不二越株式会社製の両面研磨装置(LPD300)が採用されている。
無サンギヤ式両面研磨装置10は、5個のウェーハ保持孔11aがプレート軸線回りに(円周方向に)72度ごとに穿設された平面視して円板形状のガラスエポキシ製のキャリアプレート11と、それぞれのウェーハ保持孔11aに旋回自在に挿入されて保持された直径300mmのシリコンウェーハWを、上下から挟み込むとともに、シリコンウェーハWに対して相対的に移動させることでウェーハ面を研磨する上定盤12および下定盤13とを備えている。キャリアプレート11の厚さ(600μm)は、シリコンウェーハWの厚さ(730μm)よりも若干薄くなっている。
上定盤12の下面および下定盤13の上面には、シリコンウェーハWの表裏面を個別に研磨する研磨布14,15として、ロデール・ニッタ社製Suba800が採用されている(図5)。上定盤12は、上方に延びた回転軸12aを介して、上側回転モータ16により水平面内で回転駆動される。また、上定盤12は軸線方向へ進退させる昇降装置18により垂直方向に昇降させられる。昇降装置18は、シリコンウェーハWをキャリアプレート11に給排する際などに使用される。なお、上定盤12および下定盤13のシリコンウェーハWの表裏両面に対する押圧は、上定盤12および下定盤13に組み込まれた図示しないエアバック方式などの加圧手段により行われる。
下定盤13は、その出力軸17aを介して、下側回転モータ17により水平面内で回転させられる。このキャリアプレート11は、そのプレート11自体が自転しないように、キャリア円運動機構19によって、そのプレート11の面と平行な面(水平面)内で円運動する。次に、このキャリア円運動機構19を詳細に説明する。
キャリア円運動機構19は、キャリアプレート11を外方から保持する環状のキャリアホルダ20を有している。キャリア円運動機構19とキャリアホルダ20とは、連結構造21を介して連結されている。連結構造21とは、キャリアプレート11を、キャリアプレート11が自転せず、しかもキャリアプレート11の熱膨張時の伸びを吸収できるようにキャリアホルダ20に連結させる手段である。
すなわち、連結構造21は、キャリアホルダ20の内周フランジ20aに、ホルダ周方向へ所定角度ごとに突設された多数本のピン23と、キャリアプレート11の外周部のうち、各ピン23と対応する位置に対応する数だけ穿設された長孔形状のピン孔11bとを有している(図6)。
これらのピン孔11bは、ピン23を介してキャリアホルダ20に連結されたキャリアプレート11が、その半径方向へ若干移動できるように、その孔長さ方向をプレート半径方向と合致させている。それぞれのピン孔11bにピン23を遊挿させてキャリアプレート11をキャリアホルダ20に装着することで、両面研磨時のキャリアプレート11の熱膨張による伸びが吸収される。なお、各ピン23の元部は、この部分の外周面に刻設された外ねじを介して、前記内周フランジ20aに形成されたねじ孔にねじ込まれている。また、各ピン23の元部の外ねじの直上部には、キャリアプレート11が載置されるフランジ23aが周設されている。したがって、ピン23のねじ込み量を調整することで、フランジ23に載置されたキャリアプレート11の高さ位置が調整可能となる。
キャリアホルダ20の外周部には、90度ごとに外方へ突出した4個の軸受部20bが配設されている。各軸受部20bには、小径円板形状の偏心アーム24の上面の偏心位置に突設された偏心軸24aが挿着されている。また、これら4個の偏心アーム24の各下面の中心部には、回転軸24bが垂設されている(図4,図5)。これらの回転軸24bは、環状の装置基体25に90度ごとに合計4個配設された軸受部25aに、それぞれ先端部を下方へ突出させた状態で挿着されている。各回転軸24bの下方に突出した先端部には、それぞれスプロケット26が固着されている。
そして、各スプロケット26には、一連にタイミングチェーン27が水平状態で架け渡されている。なお、このタイミングチェーン27をギヤ構造の動力伝達系に変更してもよい。これらの4個のスプロケット26とタイミングチェーン27とは、4個の偏心アーム24が同期して円運動を行うように、4本の回転軸24bを同時に回転させる同期手段を構成している。
また、これらの4本の回転軸24bのうち、1本の回転軸24bはさらに長尺に形成されており、その先端部がスプロケット26より下方に突出している。この部分に動力伝達用のギヤ28が固着されている。ギヤ28は、例えばギヤドモータなどの円運動用モータ29の上方へ延びる出力軸に固着された大径な駆動用のギヤ30と噛合している。
したがって、円運動用モータ29の出力軸を回転させれば、その回転力は、ギヤ30,28および長尺な回転軸24bに固着されたスプロケット26を介してタイミングチェーン27に伝達され、タイミングチェーン27が周転することで、他の3個のスプロケット26を介して、4個の偏心アーム24が同期して回転軸24bを中心に水平面内で回転する。これにより、それぞれの偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20、ひいてはこのホルダ20に保持されたキャリアプレート11が、このプレート11に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を行う。すなわち、キャリアプレート11は上定盤12および下定盤13の軸線eから距離Lだけ偏心した状態を保って旋回する。この距離Lは、偏心軸24aと回転軸24bとの距離と同じである。この自転をともなわない円運動により、キャリアプレート11上の全ての点は、同じ大きさの小円の軌跡を描く。
次に、無サンギヤ式両面研磨装置10を用いてのシリコンウェーハWの2次両面研磨方法を説明する。
図4〜図6に示すように、まず、キャリアプレート11の各ウェーハ保持孔11aにそれぞれ旋回自在にシリコンウェーハWを挿入する。このとき、各ウェーハ裏面は上向きとする。次いで、この状態のまま、上定盤12とともに5rpmで回転中の裏面側の研磨布14を、各ウェーハ裏面に150g/cmで押し付けるとともに、下定盤13とともに25rpmで回転中の表面側の研磨布15を各ウェーハ表面に150g/cmで押し付ける。
その後、両研磨布14,15をウェーハ表裏両面に押し付けたまま、上定盤12から研磨液(ユーズポイントで0.1重量%のKOH溶液をベースとし、平均粒径約20μm(動的散乱法)のシリカ粒子が混入されたコロイダルシリカ)を2リットル/分で供給しながら、円運動用モータ29によりタイミングチェーン27を周転させる。これにより、各偏心アーム24が水平面内で同期回転し、各偏心軸24aに一括して連結されたキャリアホルダ20およびキャリアプレート11が、このプレート11の表面に平行な水平面内で、自転をともなわない円運動を24rpmで行う。その結果、各シリコンウェーハWは、対応するウェーハ保持孔11a内で水平旋回しながら、それぞれのウェーハ表裏両面が研磨される。ここで使用する研磨剤は、無砥粒タイプのものである。2次研磨工程での研磨時間は15分間である。
次に、図4〜図6を参照して、2次研磨されたシリコンウェーハWの仕上げ研磨(3次研磨)工程を説明する。2次研磨後のシリコンウェーハWには、同じ無サンギヤ式両面研磨装置10を用いた3次両面研磨が連続して施される。ただし、2次研磨と3次研磨との間に、シリコンウェーハWの洗浄工程を施してもよい。
3次研磨では、2次研磨工程で使用された無サンギヤ式両面研磨装置10が使用される。ただし、両研磨布14,15としては、東レコーテックス社製シーガル7355を使用し、2次研磨と同じ研磨条件でシリコンウェーハWに対して両面研磨が行われる。
このように、シリコンウェーハWの研磨として、毎回の研磨条件を変更して行われる3段階の連続的な研磨を採用し、かつ全ての回の研磨をサンギヤ式両面研磨装置40または無サンギヤ式両面研磨装置10を使用する両面同時研磨としたので、シリコンウェーハWの表面形状の高品質化が図れ、電子回路のさらなる微細化が可能になる。
また、2次研磨工程および3次研磨工程では、両面研磨として無サンギヤ両面研磨を採用したので、ウェーハ研磨面の略全域にわたって均一に研磨することができる。これにより、ウェーハ外周部の研磨ダレなども低減可能となる。
以下、図7および図8を参照して、この発明のシリコンウェーハの研磨方法を、試験例および比較例に基づき、具体的に説明する。
実施例1の条件で得られた直径300mm、初期酸素濃度1.0×1018atoms/cm、比抵抗が10mΩ・cmのシリコン単結晶インゴットをウェーハ加工し、最終的に表面が鏡面研磨された多数枚のシリコンウェーハ(厚さ730μm)のうち、選出された2枚を、比較例1および試験例1の実験で使用した。
(比較例1)
次に、このシリコンウェーハに対して、1次研磨、2次研磨および仕上げ研磨からなる3段研磨を行った。
このうち、1次研磨工程では、実施例1の1次研磨と同じサンギヤ式両面研磨装置40を使用し、実施例1と同じ研磨条件でシリコンウェーハWの両面研磨を行った。
また、2次研磨工程では、研磨装置としてラップマスター社製の片面研磨装置LG704を使用した点を除いては、実施例1の2次研磨工程と同じ条件でシリコンウェーハWの表面のみを研磨した。
さらに、3次研磨工程では、比較例1の2次研磨工程と同じ片面研磨装置を使用した点を除いては、実施例1の3次研磨工程と同じ条件でシリコンウェーハWの表面のみを研磨した。
(試験例1)
試験例1では、1次〜仕上げ研磨において、実施例1と同じ装置、同じ条件でシリコンウェーハWの両面研磨を行った。結果を比較例1のものとともに、図7のグラフおよび図8a,図8bに示す。図7のグラフはシリコンウェーハの平坦度(フラットネス)を表し、図8a,図8bはKLA−TENCOR社製SP2で測定したシリコンウェーハの裏面側のLPD(Light Point Defect;最小測定値130nm)の分布を表す。
図7のグラフから明らかなように、比較例1のシリコンウェーハに比べて試験例1のシリコンウェーハの方が、SFQR(Site Front Least−Squares Site Range)が小さかった。また、比較例1では1枚のシリコンウェーハの裏面に130nm以上のLPDが2300個存在していた(図8a)。これに対して、試験例1では1枚のシリコンウェーハの裏面にLPDは1個だけしかないことが判明した(図8b)。
この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法を含むウェーハ製造方法のフローシートである。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法で使用されるサンギヤ式両面研磨装置の一部に切欠図を含む斜視図である。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法で使用されるサンギヤ式両面研磨装置の要部縦断面図である。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法で使用される無サンギヤ式両面研磨装置の斜視図である。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法で使用される無サンギヤ式両面研磨装置の要部縦断面図である。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法で使用される無サンギヤ式両面研磨装置に組み込まれたキャリアプレートに運動力を伝達する運動力伝達構造を示す要部拡大断面図である。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法により得られたシリコンウェーハと、従来法により作製されたシリコンウェーハとの平坦度を比較したグラフである。 この発明の従来手段に係るシリコンウェーハの研磨方法により得られたシリコンウェーハの裏面上におけるLPD検出点を示す平面図である。 この発明の実施例1に係る両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法により得られた両面鏡面シリコンウェーハの裏面上におけるLPD検出点を示す平面図である。
10 無サンギヤ式両面研磨装置、
11,46 キャリアプレート、
11a,46a ウェーハ保持孔、
12,42 上定盤、
13,43 下定盤、
14,15,41 研磨布、
40 サンギヤ式両面研磨装置、
W シリコンウェーハ。

Claims (1)

  1. シリコンウェーハの露出面に研磨布を押し付け、研磨剤を供給しながら、前記シリコンウェーハと前記研磨布とを相対的に摺動させ、前記露出面を研磨する両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法であって、
    前記シリコンウェーハの露出面の研磨は、研磨条件を変更して1次研磨、2次研磨、仕上げ研磨と連続して行われる3段研磨で、
    前記1次研磨が、複数のキャリアプレートにそれぞれ形成された複数のウェーハ保持孔内に複数の前記シリコンウェーハを保持し、研磨砥粒を含まない前記研磨剤を供給しながら、各対向面に研磨布が貼着された上定盤および下定盤を前記複数のシリコンウェーハの表裏両面に押し付け、前記キャリアプレートをサンギヤとインターナルギヤとの間で自転公転させることで、前記複数のシリコンウェーハの表裏両面を同時に研磨するサンギヤ式両面研磨で、
    前記2次研磨および仕上げ研磨が、キャリアプレートに形成されたウェーハ保持孔内に前記シリコンウェーハを保持し、研磨砥粒を含まない前記研磨剤を供給しながら、前記研磨布が貼着された上定盤と前記研磨布が貼着された下定盤との間で、前記キャリアプレートの表面と平行な面内でこのキャリアプレートに自転を伴わない円運動を行わせる無サンギヤ式の両面研磨である両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法。
JP2008276099A 2008-10-27 2008-10-27 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法 Active JP5309892B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008276099A JP5309892B2 (ja) 2008-10-27 2008-10-27 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008276099A JP5309892B2 (ja) 2008-10-27 2008-10-27 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013124060A Division JP5549763B2 (ja) 2013-06-12 2013-06-12 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010103449A JP2010103449A (ja) 2010-05-06
JP5309892B2 true JP5309892B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=42293808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008276099A Active JP5309892B2 (ja) 2008-10-27 2008-10-27 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5309892B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004087521A (ja) * 2002-08-22 2004-03-18 Sumitomo Mitsubishi Silicon Corp 片面鏡面ウェーハおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010103449A (ja) 2010-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3791302B2 (ja) 両面研磨装置を用いた半導体ウェーハの研磨方法
KR101947614B1 (ko) 반도체 웨이퍼의 제조 방법
US7589023B2 (en) Method of manufacturing semiconductor wafer
WO2011105255A1 (ja) 半導体ウェーハの製造方法
KR100797734B1 (ko) 편면 경면 웨이퍼의 제조 방법
WO2004082890A1 (ja) ウエーハ保持用キャリア並びにそれを用いた両面研磨装置及びウエーハの両面研磨方法
JP2004071833A (ja) 半導体ウェーハの両面研磨方法
JP5177290B2 (ja) 固定砥粒加工装置及び固定砥粒加工方法、並びに、半導体ウェーハ製造方法
JP2010131683A (ja) シリコンウェーハの研磨方法
JP2013258227A (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP2004098264A (ja) 研磨布のドレッシング方法及びワークの研磨方法
JP2004087521A (ja) 片面鏡面ウェーハおよびその製造方法
JP3797065B2 (ja) 片面鏡面ウェーハの製造方法
JP2004356336A (ja) 半導体ウェーハの両面研磨方法
JP3684983B2 (ja) 両面研磨装置
JP5309892B2 (ja) 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法
JP5549763B2 (ja) 両面鏡面シリコンウェーハの研磨方法
JP3494119B2 (ja) 両面研磨装置を用いた半導体ウェーハの研磨方法
JP3874233B2 (ja) 片面鏡面ウェーハ
JP2006150507A (ja) 平行平面研磨盤
JP2001232561A (ja) 両面研磨装置を用いた半導体ウェーハの研磨方法
JP2009135180A (ja) 半導体ウェーハの製造方法
JP2010010621A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5309892

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250