JP2019024378A - 食肉塊の加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マッサージ工程を省くことができると共に食肉塊に含まれる水分量の調整が容易にすることが可能な食肉塊の加工方法を提供する。【解決手段】食肉塊Mの加工方法において、食肉塊Mに、調味液を注入する調味液注入工程と、食肉塊Mの肉組織の中にガスGを注入するガス注入工程と、食肉塊Mを減圧下に置き、ガスGを膨張させる真空吸引工程と、を含み、該ガス注入工程の後に、該調味液注入工程及び該真空吸引工程を行う、第1の処理工程の後に、食肉塊Mを、粘稠層Vで直接的又は間接的に覆う粘稠層形成工程と、食肉塊Mを、略全周面に通気孔Caが設けられているケーシングC内に充填する充填工程と、を含む第2の処理工程を行う。【選択図】図8

Description

本発明は、食肉塊の加工方法に関し、より詳細には、マッサージ工程を不要とした食肉塊の加工方法に関する。
従来、食肉塊を加工して、ハムやベーコン等の肉加工品を製造する工程として、以下に示す工程が用いられている(特許文献1及び2を参照)。
(1)複数の注入針を備えた注入ヘッドを有するインジェクターを用いて、注入針を食肉塊に突き刺さした後に、注入針からピックル液等の調味液を食肉塊に注入し(調味液注入工程)、
(2)回転式のドラムを備えたマッサージ機を用いて、調味液は注入された食肉塊を揉み解すことで、注入された調味液を食肉塊全体に亘って、略均等に分散させ(マッサージ工程)、
(3)揉み解された食肉塊を、全周面に通気孔が設けられ薄膜のケーシング所定量ずつに充填し、ケーシングの両端を封止して、該食肉塊の形状を整え(充填工程)、
(4)その後に、食肉塊をケーシングごと燻煙や加熱処理をし、当該肉製品を完成させる(加熱・燻煙工程)。
特開2004−113033号公報 特開2008−167702号公報
上記(2)のマッサージ工程は、通常、数時間乃至は十数時間掛るため、もし、この工程を省くことができれば、より効率良く食肉塊を加工することが可能となることは確かである。又、マッサージ機は、比較的広いスペースを必要とするため、マッサージ工程を省くことで、マッサージ機が不要となれば、よりスペースを有効活用することが可能となる。
一方、調味液が注入された食肉塊は、水分量が過多な状態であり、そのままであると肉加工品となった際に食感等が悪くなるため、上記(4)の加熱・燻煙工程において、食肉塊から適量の水分を抜く必要がある。この食肉塊の水分量の調整は、食肉塊をケーシングに充填した後に、ケーシングの両端を封止されることで、食肉塊にケーシングを介して圧縮力を掛け、当該圧縮力によって、加熱・燻煙工程の間、食肉塊から水分を染み出させ、当該水分をケーシングの通気孔からケーシング外に排出するより行われている。
他方、マッサージ工程を終えた食肉塊の表面には、マッサージ工程中に食肉塊からでた体液やピックル液等の水分と脂質等の油分が混合されてできた粘稠物によって覆われている。この粘稠物は、上記(1)の工程の際に食肉塊に形成された針跡やケーシングの通気孔を適宜閉塞し、食肉塊からの水分の染み出しやケーシングの通気孔からの当該水分の排出を調整し、食肉塊中の水分量を適量とする役割を担っている。
このため、マッサージ工程を省くことは、この粘稠物によって食肉塊を覆う工程も省かれることとなり、加熱・燻煙工程にかかる時間次第では、食肉塊に含まれる水分量の調整が困難となるという別の問題が生じる可能性がある。
そこで、本発明は、マッサージ工程を省くことができると共に食肉塊に含まれる水分量の調整が容易にすることが可能な食肉塊の加工方法を提供することを目的とする。
本発明は、食肉塊の加工方法であって、該食肉塊に、調味液を注入する調味液注入工程と、該食肉塊の肉組織の中にガスを注入するガス注入工程と、該食肉塊を減圧下に置き、該ガスを膨張させる真空吸引工程と、を含み、該ガス注入工程の後に、該調味液注入工程及び該真空吸引工程を行う、第1の処理工程と、該食肉塊を、粘稠層で直接的又は間接的に覆う粘稠層形成工程と、該食肉塊を、略全周面に通気孔が設けられているケーシング内に充填する充填工程と、を含む第2の処理工程と、を有しており(但し、該第1の処理工程と該充填工程との間にマッサージ工程を含むものを除く)、該第2の処理工程は、該第1の処理工程の後に行われることを特徴とする食肉塊の加工方法である。
更に、本発明は、前記粘稠層形成工程を、前記充填工程の後において、前記粘稠層が前記ケーシングと該食肉塊との間に位置する様に、前記食肉塊を、該粘稠層で直接的に覆う工程とすることが可能である。又、本発明は、前記粘稠層形成工程を、前記粘稠層を前記ケーシングの外面に形成し、前記食肉塊を、該ケーシングを介して該粘稠層で間接的に覆う工程とすることが可能である。又、本発明は、前記粘稠層を、粘稠層原液によって、前記食肉塊の表面又は前記ケーシングの内面を覆うことで形成されるものとすることが可能である。又、本発明は、前記粘稠層を、粘稠層原液によって、前記ケーシングの外面を覆うことで形成されるものとすることが可能である。又、本発明は、前記粘稠層原液を、粘稠剤を含む前記調味液とすることが可能である。
本発明において、「第1の処理工程」及び「第2の処理工程」という表現を用いているが、各々の処理工程を区別するために用いているに過ぎず、数字や順番には、特に意味がないものである。
本発明は、調味液注入工程並びにガス注入工程及び真空吸引工程を含む第1の処理工程をした後に、粘稠層形成工程を行うことにより、粘稠層によって直接的又は間接的に食肉塊を覆うことで、粘稠層がケーシングの通気孔や食肉塊の針跡等を適宜閉塞し、加熱や燻煙等の工程の際に、食肉塊から流出する水分量をより容易に調整可能であるので、マッサージ工程を省いたとしても食肉塊に含まれる水分量の調整が容易にすることが可能となっている。
本発明の第1及び第2実施形態に用いられるインジェクターの一例を示す図であり、インジェクターの正面図である。 本発明の第1及び第2実施形態に用いられる充填成形前処理機の一例を示す図であり、充填成形前処理機の側面図である。 本発明の第1及び第2実施形態に用いられる充填成形前処理機の一例を示す図であり、食肉塊成形室側からみた充填装置室の内部を示す図である。 本発明の第1実施形態における第1の処理工程を示す図であり、処理の開始直後の様子を示す略図である。 本発明の第1実施形態における第1の処理工程を示す図であり、ガス注入工程時の様子を示す略図である。 本発明の第1実施形態における第1の処理工程を示す図であり、真空吸引工程時の様子を示す略図である。 本発明の第1実施形態における第1の処理工程を示す図であり、調味液注入工程時の様子を示す略図である。 本発明の第1実施形態における真空吸引工程時のブース内の様子を示す略図である。 本発明の第1実施形態における粘稠層形成工程を示す略図である。 本発明の第1及び第2実施形態における充填工程を示す略図であり、(A)は、開始直前の様子を、(B)は、開始直後の様子を、(C)は、完了直前の様子を、各々示す略図である。 本発明の第1実施形態における充填工程を完了した食肉塊及びケーシングの長尺方向における断面を示す略図である。 本発明の第2実施形態における充填工程を完了した食肉塊及びケーシングの長尺方向における断面を示す略図である。
本発明の第1実施形態を、図1乃至図8に基づき説明する。本実施形態の食肉塊Mの加工方法は、ガス注入工程、真空吸引工程及び調味液注入工程を含む第1の処理工程と、粘稠層形成工程及び充填工程を含む第2の処理工程と、を有している。
≪第1の処理工程≫
第1の処理工程は、例えば、インジェクター1を用いて行うことができる。インジェクター1は、ガス注入手段10、真空吸引手段11、調味液注入手段12を備えており、ガス注入手段10、真空吸引手段11及び調味液注入手段12は、ベルトコンベア13の上方に所定間隔において直列状に配設されている。ベルトコンベア13は、図示されない制御盤によって制御されている。又、ベルトコンベア13の近傍には、食肉塊Mの位置を検出する検知センサ(図示せず)が、配設されている。
<ガス注入工程>
ガス注入工程は、インジェクター1のガス注入手段10を用いて行われる。ガス注入手段10は、ガス注入ヘッド10a及び載置部10bを有している。載置部10bは、ベルトコンベア13上に設けられており、ガス注入ヘッド10aは、載置部10bと対向するベルトコンベア13の上方に設けられている。ガス注入ヘッド10aは、ホルダープレート10cを介してガイドロッド10dに固定されており、ガイドロッド10dは、軸受筒10eに挿着されている。
ホルダープレート10cの上部には、コイルスプリング10f収容するスプリングカバー10gが立設されており、その下部には、食肉塊押え板(本実施形態においては、カストリブロックを兼ねている)10hと複数のガス注入針10iとが設けられている。食肉塊押え板10hは、支持棒10kを介して保持されている。ガス注入針10iは、接続パイプ10mを介してガス注入ヘッド10aに連通しており、ガス注入針10iの先端部は、食肉塊押え板10hの挿通孔に挿入されている。尚、ガス注入針10iの本数や形状等は必要に応じて適宜選択可能である。
ガス注入ヘッド10aは、連結パイプ10nを介して、ガス供給手段(図示せず)に接続されている。該ガス供給手段から供給されるガスGの種類は、食品に対して使用可能なものであれば特に限定はされないが、例えば、空気が選択される。この場合、ガス供給手段として、空気圧送ポンプを採用することが可能である。
ガイドロッド10dの下端部は、上下動アーム10pに固定されており、上下動アーム10pの中央部には、コネクティングロッド10qが連結されている。コネクティングロッド10qの下端部には、取付円板10rと連結されている。更に、ガス注入手段10は、コネクティングロッド10q(上下動アーム10p)を上下動させるためのモータ、例えば、二相誘導電動機10s、減速機10t及び位置検出センサ10uを更に備えている。
ベルトコンベア13に食肉塊Mが載置されると、食肉塊Mは、前記制御盤による制御によってガス注入ヘッド12側に搬送される。前記検知センサが、食肉塊Mがガス注入ヘッド10aの真下に到達したことを検知した時に、前記制御盤は、ベルトコンベア13を停止させると共に二相誘導電動機10sを駆動させ、上下動アーム10pを急降下させる。それによって、ガス注入ヘッド12が食肉塊Mに向けて急降下し、ガス注入針10iが食肉塊Mに刺しこまれる。
ガス注入針10iより、食肉塊MにガスGが注入され、食肉塊Mは、ガスGによって膨張され、繊維組織は伸張される(以下、該ガスが注入された食肉塊Mを食肉塊Mと表記する)。この時、食肉塊Mは、食肉塊押え板10hを押し上げる様にしながら膨張する。
ガス注入針10iが所定の深さ刺しこまれると、ガスGの供給は停止され、二相誘導電動機10sによって、上下動アーム10pは、逆に急上昇させる。これによって、ガス注入ヘッド12もまた急上昇し、ガス注入針10iは、食肉塊Mから抜けると共に元の位置に戻り、ガス注入工程が完了する。そして、食肉塊Mは、ベルトコンベア13によって、次の工程へと搬送される。
<真空吸引工程>
真空吸引工程は、ガス注入工程をした後に、インジェクター1の真空吸引手段11を用いて行われる。真空吸引手段11は、密閉空間を形成するためのブース11aを有しており、ブース11aは、可撓性ホース11bを介して図示しない減圧(真空)ポンプに接続されている。又、ブース11aは、断面略U字状に形成され食肉塊Mを収容可能な大きさに形成されており、その下面の縁部には、シール部材11cが設けられている。ブース11aの形状、シール部材11cの材質等は適宜選択可能である。
前記検知センサが、食肉塊Mが、ブース11aの真下に到達したことを検知すると、前記制御盤は、ベルトコンベア13を停止させると共にブース11aを食肉塊Mに向けて急降下させて食肉塊Mを、ブース11a内に密封する。
そして、前記制御盤は、前記減圧ポンプによって、ブース11a内のガス(空気)Aを、可撓性ホース11bを介して排出し、ブース11a内を、真空吸引工程を行うに適切な気圧、例えば、80 kPa(0.08 MPa)程度、になる迄、ブース11a内を減圧する。該減圧に伴い、食肉塊M内のガスGは膨張し、食肉塊Mは、更に膨張され、繊維組織が更に伸張されて柔らかくなる(以下、この真空吸引工程により膨張した食肉塊Mを食肉塊Mと表記する)。
その後、ブース11a内の気圧を大気圧まで戻し、ブース11aを、元の位置へと急上昇させることで真空吸引工程は完了する。前記制御盤は、ベルトコンベア13によって、食肉塊Mを次の工程へと搬送する。
<調味液注入工程>
調味液注入工程は、ガス注入工程をした後に、インジェクター1の調味液注入手段12を用いて行われる。尚、調味液注入工程を真空吸引工程の前に行うか、後に行うかについては、適宜選択可能である。本実施形態においては、調味液注入工程を真空吸引工程の後に行っている。
調味液注入手段12は、ガス注入手段10と略同様の構造を有しており、食肉塊Mに、調味液、例えば、ピックル液、を注入できる様にガス注入ヘッド10aの代わりに調味液注入ヘッド12aを有している。調味液注入ヘッド12aは、複数の調味液注入針12bを有しており、調味液注入ヘッド12aに供給された調味液は、調味液注入針12bを介して食肉塊Mへと注入される。
前記検知センサが、食肉塊Mが、調味液注入ヘッド12aの真下に到達したことを検知すると、前記制御盤は、ベルトコンベア13を停止させると共に調味液注入ヘッド12aを食肉塊Mに向けて急降下させ、調味液注入針12bを食肉塊Mに刺しこむ。そして、食肉塊Mには、調味液注入針12bを介して調味液が注入される(以下、調味液が注入された食肉塊Mを食肉塊Mと表記する)。
調味液注入針12bが所定の深さまで刺しこまれると、前記制御盤は、調味液注入ヘッド12aへの調味液の供給を停止させると共に調味液注入ヘッド12aを元の位置へと急上昇させ、調味液注入針12bを食肉塊Mより引き抜くことで、調味液注入工程が完了する。前記制御盤は、ベルトコンベア13によって、食肉塊Mを次の工程へと搬送する。
食肉塊Mにガス注入工程を行った後に、真空吸引工程及び調味液注入工程(どちらを先に行うかは問われない)を行うことで、食肉塊Mの肉組織内に速やかに浸透し、それによって、食肉塊Mの全体に略均一に調味液を浸透させることができるので、従来技術が必要とした前記マッサージ工程を省略することが可能である。
≪第2の処理工程≫
<粘稠層形成工程>
第1の処理工程を終えた食肉塊Mには、続いて、第2の処理工程が行われる。粘稠層形成工程は、例えば、スプレー装置3aを備えた粘稠層形成手段3を用いて行うことが可能である。本実施形態においては、粘稠層形成手段3は、インジェクター1の延長上に設けられているが、インジェクター1とは別の装置として設けることも可能である。
スプレー装置3aは、粘稠層原液Sが入った原液タンク(図示せず)及び粘稠層原液Sをスプレー装置3aに送るためのポンプ(図示せず)に接続されており、前記検知センサが、食肉塊Mがスプレー装置3aの真下に到達したことを検知すると粘稠層原液Sを食肉塊Mに向けて吹付け、食肉塊Mの表面Maに粘稠層Vを形成する(以下、粘稠層Vに覆われた食肉塊Mを食肉塊Mと表記する)。
粘稠層原液Sは、食品に用いることが可能なものであれば、必要に応じて様々粘度のものを適宜採用することが可能であるが、例えば、従来技術で行われていたマッサージ工程によって食肉塊が覆われる前記粘稠物と同程度の粘度(80乃至90 cps、場合によってはそれ以上)を有しているものを採用することが可能である。又、粘稠層原液Sは、例えば、食品用の粘稠剤を添加することで粘度が調整された前記調味液を採用することが可能である。該調味液を採用することで、食肉塊Mに注入されずに余った調味液を有効に活用することができ経済的である。又、他にも、加熱・燻煙工程で使用される勳液等も採用することができる。
前記検知センサが、食肉塊Mがスプレー装置3aを完全に通過したことを検知すると、スプレー装置3aによる粘稠層原液Sの吹付は停止される。そして、食肉塊Mは、充填工程へと送られる。
<充填工程>
充填工程は、例えば、充填成形前処理機2を用いて行うことができる。充填成形前処理機2は、公知のものを適宜採用することが可能であるが、その一例としては、食肉塊Mを供給する食肉塊供給室20、食肉塊供給室20に連通するシュート21及びシュート21から供送された食肉塊MをケーシングCに充填するための充填装置室22が連通管23を介して連通されており、更に、充填装置室22の前方延長上の位置に、ケーシングCに充填された食肉塊Mを丸く成形する食肉塊成形室24が設けられている。
食肉塊供給室20には、略断面U字状のケーシング受皿部(図示せず)、該ケーシング受皿部の上面を密閉する上蓋20aが形成されており、食肉塊押圧シリンダ20b及び減圧(真空)ポンプ20cが取付けられている。又。食肉塊成形室24には、略断面U字状のケーシング受皿部(図示せず)及び該ケーシング受皿部の上面を密閉する上蓋24aが形成されており、減圧(真空)ポンプ24bが取付けられている。
充填装置室22には、食肉塊充填室22aが設けけられている。食肉塊充填室22aの食肉塊供給装置20側の一端が連通管23に接続されており、その逆側の他端は、花弁形状の羽根22bを有する充填ノズル22cが設けられている。充填ノズル22cは、シリンダ装置(図示せず)によって、食肉塊Mの流路方向に沿って進退可能に設けられており、羽根22bは、羽根開閉装置部材22dのよって、充填ノズル22cの進退と連動して開閉する様になっており、充填ノズル22cが、食肉塊成形室24側に突出して際に閉じる様に設けられている。
食肉塊Mが充填されるケーシングCは、略円筒形状をしており、略全周面に亘って通気孔Caが設けられている。ケーシングCは、一方の端が閉じられた状態で、他方の端に充填ノズル22cが挿着される。この挿着は、充填ノズル22cを食肉塊成形室24側に突出させ、羽根22bを閉じた状態で行われる。通気孔Caの大きさは、適宜選択することができるが、例えば、0.2乃至0.3 mm程度のものを採用することが可能である。
食肉塊Mを食肉塊充填室22a内に押し込めると共に充填ノズル22cを後退させて、羽根22bを開いた状態で減圧ポンプ20dを起動させ、食肉塊成形室24内の空気を吸引し、排出すると、ケーシングCが膨らむと同時に食肉塊Mが充填ノズル22cからケーシングCに瞬時に吸い込まれる。この際、粘稠層Vは、ケーシングCの内面Cbと食肉塊Mの表面Maとの間に位置していることとなる。その後、食肉塊Mが充填されたケーシングCを、充填ノズル22cから取り外し、ケーシングCの他方の端を閉じることで充填工程は完了する。
食肉塊Mが充填されたケーシングCは、食肉塊Mの加熱や燻煙等をする工程へと送られる。この際に、粘稠層Vは、食肉塊Mの針跡やケーシングCの通気孔Caを適宜閉塞し、食肉塊からの水分の染み出しやケーシングの通気孔からの当該水分の排出を調整し、食肉塊中の水分量を適量とする役割を担う。これによって、食肉塊Mから流出する水分量をより容易に調整可能となる。
本発明の第2実施形態を図7及び図9に基づき説明する。本実施形態と第1実施形態との相違は、第2の処理工程において、充填工程の後に粘稠層形成工程を行うことである。第1の処理工程及び使用する装置1,2については、第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
充填工程は、基本的に第1実施形態と同様の手順で行われるが、ケーシングCに充填される食肉塊Mが、食肉塊Mでなく、第1の処理工程が施された直後の食肉塊M(本実施形態においては、食肉塊M)であることのみが相違している。
食肉塊Mが充填されたケーシングCは、粘稠層形成工程へと送られる。粘稠層形成工程も基本的に第1実施形態と同様の手順で行われるが、粘稠層形成手段3によって、粘稠層原液Sを直接食肉塊Mに吹き付けるのではなく、ケーシングCに充填された状態で粘稠層原液Sを吹き付けることのみが相違している。
従って、本実施形態においては、粘稠層Vは、ケーシングCの外面Cdを覆う様に形成されており、食肉塊Mは、ケーシングCを介して間接的に粘稠層Vによって覆われていることとなる。これによって、食肉塊Mの加熱や燻煙等を行う工程において、粘稠層Vは、ケーシングCの通気孔Caを適宜閉塞する。これによって、通気孔CaからケーシングCの外に排出される食肉塊Mから染み出した水分量が調整され、結果として、食肉塊Mから染み出た水分が針跡を適宜閉塞し、食肉塊Mから染み出る水分量を調整することが可能となっている。これによって、食肉塊Mから流出する水分量をより容易に調整可能となる。
以上、本発明を上記実施形態に基づき説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)上記第1実施形態においては、粘稠層Vを、食肉塊Mに粘稠層原液Sを直接吹き付けることで形成したが、予め、ケーシングCを該粘稠層原液に浸しておいたり、ケーシングCの内面Cbに粘稠層原液Sを塗っておいたりしておき、食肉塊MがケーシングC内に充填された際に、食肉塊Mが粘稠層Vで直接的に覆われる様にしてもよい。
(2)上記実施形態においては、スプレー装置3aによって、粘稠層原液Sを食肉塊M及び/又はケーシングCに吹き付けることで粘稠層Vを形成したが、粘稠層Vを形成する方法は、適宜選択可能であり、例えば、粘稠層原液Sを食肉塊M及び/又はケーシングCに刷毛等で塗ったり、食肉塊M及び/又はケーシングCを粘稠層原液Sに浸けたりして、形成する様にしてもよい
(3)インジェクター1は、通常、食肉塊Mに注入されずに溢れた調味液を回収し、再度、調味液注入ヘッド12aへと送出する機構を備えているので、同機構に粘稠剤を供給する装置を接続し、回収された調味液を利用して、粘稠層原液Sを作成する様にしてもよい。
(4)インジェクター1によって、連続的に食肉塊Mを処理する場合、第1の処理工程の各工程におけるベルトコンベア13が停止するタイミングを前記制御盤によって制御し、同時に各工程を行う様にすることも可能である。
1 インジェクター 10 ガス注入手段
10a ガス注入ヘッド 10b 載置部
10c ホルダープレート 10d ガイドロッド
10e 軸受筒 10f コイルスプリング
10g スプリングカバー 10h 食肉塊押え板
10i ガス注入針 10k 支持棒
10m 接続パイプ 10n 連結パイプ
10p 上下動アーム 10q コネクティングロッド
10r 取付円板 10s 二相誘導電動機
10t 減速機 10u 位置検出センサ
11 真空吸引手段 11a ブース
11b 可撓性ホース 11c シール部材
12 調味液注入手段 12a 調味液注入ヘッド
12b 調味液注入針 13 ベルトコンベア
2 充填成形前処理機 20 食肉塊供給室
20a 上蓋 20b 食肉塊押圧シリンダ
20c 減圧ポンプ 21 シュート
22 充填装置室 22a 食肉塊充填室
22b 羽根 22c 充填ノズル
22d 羽根開閉装置部材 23 連通管
24 食肉塊成形室 24a 上蓋
24b 減圧ポンプ 3 粘稠層形成手段
3a スプレー装置 A 空気
C ケーシング Ca 通気孔
Cb 内面 Cd 外面
M 食肉塊 Ma 表面
S 粘稠層原液 V 粘稠層
一方、調味液が注入された食肉塊は、水分量が過多な状態であり、そのままであると肉加工品となった際に食感等が悪くなるため、上記(4)の加熱・燻煙工程において、食肉塊から適量の水分を抜く必要がある。この食肉塊の水分量の調整は、食肉塊をケーシングに充填した後に、ケーシングの両端を封止されることで、食肉塊にケーシングを介して圧縮力を掛け、当該圧縮力によって、加熱・燻煙工程の間、食肉塊から水分を染み出させ、当該水分をケーシングの通気孔からケーシング外に排出することにより行われている。
本発明は、食肉塊の加工方法であって、該食肉塊に、調味液を注入する調味液注入工程と、該食肉塊の肉組織の中にガスを注入するガス注入工程と、該食肉塊を減圧下に置き、該ガスを膨張させる真空吸引工程と、を含み、該ガス注入工程の後に、該調味液注入工程及び該真空吸引工程を行う、第1の処理工程と、該第1の処理工程の後に行われ、該食肉塊を、粘稠層で直接的又は間接的に覆う粘稠層形成工程と、該食肉塊を、略全周面に通気孔が設けられているケーシング内に充填する充填工程と、を含む第2の処理工程と、該第2の処理工程の後に行われ、該食肉塊に燻煙や加熱処理を行う加熱・燻煙工程と、を有しており(但し、該第1の処理工程と該充填工程との間にマッサージ工程を含むものを除く)、該加熱・燻煙工程の間に、該食肉塊から水分を染み出させると共に該水分の該通気孔から該ケーシング外への排出が行われ、その際に、該粘稠層によって、該通気孔を適宜閉塞することで、該通気孔から排出される該水分量を調整可能であることを特徴とする食肉塊の加工方法である。

Claims (6)

  1. 食肉塊の加工方法であって、
    該食肉塊に、調味液を注入する調味液注入工程と、
    該食肉塊の肉組織の中にガスを注入するガス注入工程と、
    該食肉塊を減圧下に置き、該ガスを膨張させる真空吸引工程と、を含み、
    該ガス注入工程の後に、該調味液注入工程及び該真空吸引工程を行う、第1の処理工程と、
    該食肉塊を、粘稠層で直接的又は間接的に覆う粘稠層形成工程と、
    該食肉塊を、略全周面に通気孔が設けられているケーシング内に充填する充填工程と、を含む第2の処理工程と、を有しており(但し、該第1の処理工程と該充填工程との間にマッサージ工程を含むものを除く)、
    該第2の処理工程は、該第1の処理工程の後に行われることを特徴とする食肉塊の加工方法。
  2. 前記粘稠層形成工程は、前記充填工程の後において、前記粘稠層が前記ケーシングと該食肉塊との間に位置する様に、前記食肉塊を、該粘稠層で直接的に覆う工程であることを特徴とする請求項1に記載の食肉塊の加工方法。
  3. 前記粘稠層形成工程は、前記粘稠層を前記ケーシングの外面に形成し、前記食肉塊を、該ケーシングを介して該粘稠層で間接的に覆う工程であることを特徴とする請求項1に記載の食肉塊の加工方法。
  4. 前記粘稠層は、粘稠層原液によって、前記食肉塊の表面又は前記ケーシングの内面を覆うことで形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の食肉塊の加工方法。
  5. 前記粘稠層は、粘稠層原液によって、前記ケーシングの外面を覆うことで形成されることを特徴とする請求項1又は3に記載の食肉塊の加工方法。
  6. 前記粘稠層原液は、粘稠剤を含む前記調味液であることを特徴とする請求項4又は5に記載の食肉塊の加工方法。
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