以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
[駐車場管理システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車場の構成例を示す概略図である。図2は、図1に示す駐車場を管理する駐車場管理システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、駐車場1は、車両Cを駐車することが可能な施設であり、外部の道路Rに隣接する位置に構成される。以下、便宜的に、駐車場1と隣接する側の2車線を下り車線R1と記載し、反対側の2車線を上り車線R2と記載する。
駐車場1は、入口2と、入場レーン3と、入場口4と、入場ゲート5と、出口6と、出場レーン7と、出場口8と、出場ゲート9と、複数の駐車スペース10とを有する。
入口2及び出口6は、駐車場1が設けられる敷地内への入口、及び敷地外への出口である。入口2及び出口6は、下り車線R1に隣接する位置に、下り車線R1の延在方向に沿って並んで配置される。道路Rから見ると、入口2は左側に位置し、出口6は右側に位置する。
入場レーン3は、入口2から直線状に延在し、突き当たりで右側に略直角に曲がり、駐車場1の構内に向けて延在する。入場レーン3は、駐車場1に入場する車両Cを、入口2から駐車場1の構内に導くレーンである。入場レーン3の終端は明確に規定される必要はなく、入場ゲート5の端部付近や、駐車場1の構内の所定の位置までを、入場レーン3と見なすことができる。すなわち駐車場1の構成によっては、駐車場1の構内に設けられる構内レーン20の一部が、入場レーン3として機能する場合もあり得る。
出場レーン7は、出口6から直線状に延在し、突き当たりで右側に略直角に曲がり、駐車場1の構内に向けて延在する。出場レーン7は、駐車場1から出場する車両Cを出口6に導くレーンである。出場レーン7の始端は明確に規定される必要はなく、出場ゲート9の端部付近や、駐車場1の構内の所定の位置までを、出場レーン7の始端と見なすことができる。すなわち駐車場1の構成によっては、駐車場1の構内に設けられる構内レーン20の一部が、出場レーン7として機能する場合もあり得る。
入場口4は、入場レーン3上の、駐車場1の構内と外部との境界に設けられる。出場口8は、出場レーン7上の、駐車場1の構内と外部との境界に設けられる。図1に示すように本実施形態では、道路Rから見ると、入場口4は奥側に設けられ、出場口8は手前側に設けられる。
従って、入場レーン3の入口2から入場口4までのアプローチの距離は、出場レーン7の出場口8から出口6までの距離よりも大きくなっている。これにより、例えば駐車場1が満車のときに入場待ちの車両が並んでしまい、外部の道路Rの通行の妨げとなることが防止されている。
入場ゲート5は、入場レーン3上の入場口4の付近に設けられる。入場ゲート5は、アイランド12a及び12bと、入場ゲート装置13と、駐車券発行機14と、入場レーンカメラ15とを有する。アイランド12a及び12bは、入場レーン3を挟むように、互いに対向して設けられる。
入場ゲート装置13、駐車券発行機14、及び入場レーンカメラ15は、車両Cの進行方向に対して右側に位置するアイランド12aに設けられる。車両Cから見て入場ゲート装置13の手前側に駐車券発行機14が設けられ、入場ゲート装置13の奥側の上方に入場レーンカメラ15が設けられる。
出場ゲート9は、出場レーン7上の出場口8の付近に設けられる。出場ゲート9は、アイランド16a及び16bと、出場ゲート装置17と、出口精算機18と、出場レーンカメラ19とを有する。アイランド16a及び16bは、出場レーン7を挟むように、互いに対向して設けられる。
出場ゲート装置17、出口精算機18、及び出場レーンカメラ19は、車両Cの進行方向に対して右側に位置するアイランド16aに設けられる。車両Cから見て出場ゲート装置17の手前側に出口精算機18が設けられ、出場ゲート装置17の奥側の上方に出場レーンカメラ19が設けられる。
複数の駐車スペース10は、駐車場1の構内に設けられる。入口2から出口6までの構内に、入場レーン3、出場レーン7、及び構内レーン20に沿って、複数の駐車スペース10が設けられる。駐車スペース10の数や位置は限定されない。
図2に示すように、駐車場管理システム30は、駐車場管理装置31と、記憶装置35とを有する。また駐車場管理システム30は、入場ゲート装置13と、駐車券発行機14と、入場レーンカメラ15と、出場ゲート装置17と、出口精算機18と、出場レーンカメラ19とを有する。
さらに、駐車場管理システム30は、事前精算機36及び37と、各階の管制装置38〜40と、複数の駐車スペース監視カメラ(以下、単に監視カメラと記載する)41とを有する。なお複数の監視カメラ41については、全て同じ符号番号「41」を用いる。
図1に示すように、事前精算機36は、入場ゲート5付近の、アイランド12bの裏側に設けられる。事前精算機37は、出場ゲート9付近の、アイランド16bの裏側に設けられる。
管制装置38〜40は、駐車場1の各階のフロアー毎に設置される。管制装置38〜40の各々は、各階のフロアーに設置される複数の監視カメラ41の動作を制御し、監視カメラ41により生成された画像信号を受信する。なお図1には、駐車場1の1階のフロアーが図示されており、2階以上へ移動するための経路等の図示は省略されている。
監視カメラ41は、各階のフロアーに設けられた複数の駐車スペース10の全てを撮影可能な位置に設けられる。図1に示す例では、複数の駐車スペース10の位置に合わせて、複数の監視カメラ41が、天井に設置される。監視カメラ41により撮影された撮像画像に基づいて、駐車スペース10に対する入庫/出庫を検出することが可能である。
なお本開示では、駐車場1の構内へ車両Cを進入させること、及び駐車場1の構内から外部へ車両Cを出すことを、駐車場1に対する入場/出場と記載する。また駐車スペース10内へ車両Cを進入させること、及び駐車スペース10から車両Cを出すことを、駐車スペース10対する入庫/出庫と記載する。
図1に示すように、道路Rに隣接する出口6付近には、出場後通過センサ21が設置される(図2には図示は省略)。出場後通過センサ21により、出場ゲート9(出場口8)から出場した車両Cが、出口6を通過したか否かを判定することが可能である。また図1及び図2には図示を省略しているが、入場ゲート5及び出場ゲート9の地面には、車両Cの進入を検出するセンサとして機能する、ループコイル22(図6参照)が埋設される。
駐車場管理装置31は、駐車場1の全体を管理するために設けられた管制室(図示は省略)等に配置され、駐車場1に設置される各装置の動作を制御することが可能である。駐車場管理装置31は、駐車場1の構内に構築された構内LAN24を介して、各装置と通信可能に接続される。例えば各装置により生成された精算情報や画像情報等が駐車場管理装置31に送信される。駐車場管理装置31からは、各装置の動作を制御するための制御情報や、記憶装置35に記憶された種々の情報等が送信される。
駐車場管理装置31は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また駐車場管理装置31は、構内LAN24やインターネット25を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。駐車場管理装置31として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
本実施形態では、駐車場管理装置31のCPUが、ROM等に記憶された本技術に係るプログラムを実行することで、本技術に係る駐車場管理方法が実行される。具体的には、駐車場管理装置31のCPUが所定のプログラムを実行することで、図2に示す機能ブロックであるナンバー読取部32、取得部33、時間制御部34が実現される。もちろん各ブロックを実現するためにIC(集積回路)等の専用のハードウェアが用いられてもよい。
プログラムは、例えば記録媒体を介して駐車場管理装置31にインストールされる。あるいは、インターネット25等を介してプログラムが駐車場管理装置31にインストールされてもよい。
記憶装置35は、駐車場管理システム30に関する種々の情報を記憶する。例えば記憶装置35には、会員登録DB、在車DB(図5参照)、割引DB、出場情報DB、オーナー情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB等の、種々のDBが記憶される。また記憶装置35には、渋滞度判定及び猶予時間設定テーブル(図10、11、14参照)等の、種々のテーブル情報(TB)が記憶される。図2に示す例では、駐車場管理装置31と記憶装置35とが別個に構成されるが、両方の装置が一体的に構成されてもよい。
図3は、出口精算機の機能的な構成例を示すブロック図である。出口精算機18は、CPU45と、メモリ46と、これらとバス47を介して接続されるインターフェイス48とを有する。メモリ46は、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成され、種々のプログラムや種々の駐車データ等が記憶される。
インターフェイス48には、カードリーダライタ49、紙幣・硬貨管理部50、タッチパネル51、スピーカ52、領収証プリンタ53、インターフォン54、通信部55、車両検出部56、ゲート制御部57、及び画像取得部58が接続される。
各ブロックの動作は、プログラムに従って動作するCPU45により制御され、例えばタッチパネル51やスピーカ52による表示画面及び音声ガイドに基づいて、利用者は円滑に操作を行うことが可能である。またインターフォン54を利用することで、オペレーターと会話をすることが可能である。
カードリーダライタ49は、利用者に供給される駐車券の磁気ストライプに所定の情報を書き込み、また駐車券の表面に所定の情報を印字する。またカードリーダライタ49は、挿入口に挿入された駐車券から駐車券情報を読み込み、駐車時間及び割引情報をもとに、精算金額を算出する。
紙幣・硬貨管理部50は、紙幣・硬貨投入口に投入された紙幣等を受け取り、計数して投入金額を算出する。また精算により必要となった釣り銭等を計数し、紙幣・硬貨返却口(図示は省略)に払い出す。領収証プリンタ53は、領収証に精算額や日時等をプリントして発行する。
通信部55は、構内LAN24を介して、駐車場管理装置31等の他の装置と通信するための、モデム、ルータ、その他の通信機器である。通信部55は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。
車両検出部56は、出場ゲート9に埋設されたループコイル22に接続される。車両検出部56は、ループコイルと協働することで車両検出センサとして機能し、検出結果を出力する。なお車両を検出する車両検出センサとして、例えば赤外線等を利用した光学式センサ等の他のセンサが用いられてもよい。
ゲート制御部57は、出場ゲート装置17に接続され、出場ゲート装置17の開閉動作を制御する。画像取得部58は、出場レーンカメラ19に接続され、出場レーンカメラ19により生成された撮影画像を取得する。
図1及び図2に示す事前精算機36及び37は、例えば図3に示す出口精算機18の車両検出部56、ゲート制御部57、及び画像取得部58以外のブロックを備えた構成により実現される。また駐車券発行機14は、例えば図3の示す出口精算機18の、紙幣・硬貨管理部50及び領収証プリンタ53の代わりに、ブランクの駐車券を発行するカードフィーダを備えた構成により実現される。もちろんこれに限定される訳ではない。
なお駐車券発行機14に備えられる車両検出部56は、入場ゲート5に埋設されるループコイル22に接続される。駐車券発行機14に備えられるゲート制御部57は、入場ゲート装置13に接続される。駐車券発行機14に備えられる画像取得部58は、入場レーンカメラ15に接続される。
[駐車場への入場時の動作]
図4は、駐車場への入場時における駐車場管理システムの処理例を示すフローチャートである。図5は、在車DBに格納される在車情報の一例を示す図である。
図6は、入場ゲート5に車両Cが進入した状態を示す模式図である。なお出場ゲート9に車両Cが進入した状態も、図6に示す状態と略同様となる。後に、出場ゲート9に車両Cが進入する状態について説明するために、図5では括弧書きで、出口精算機18等の出場ゲート9に含まれる構成要素の符号が記載されている。
まずループコイル22に接続された車両検出部56により、入場ゲート5への車両Cの進入が監視される(ステップ101)。車両Cが検出されると(ステップ101のYes)、入場ゲート5に進入した車両Cが、入場レーンカメラ15により撮影される(ステップ102)。図6に示すように、入場レーンカメラ15は、撮影範囲SRに車両Cのナンバープレート26が含まれる位置に設置される。
駐車券発行機14により、駐車券が発行される(ステップ103)。この際、発券ボタンを押す旨のガイダンスが出力され、利用者の発券ボタンを押す操作に応じて駐車券が発行されてもよい。
駐車券発行機14により、車両Cの撮影画像、駐車券番号、及び入場日時を含む入場情報が送信され、駐車場管理装置31により受信される(ステップ103、104)。図3に示すナンバー読取部32により、車両Cの撮影画像に基づいて、車両ナンバー(陸運支局名、分類番号、平仮名、4桁の一連番号等)が読取られる(ステップ105)。車両ナンバーの読取りのために、例えばナンバープレート26の部分を拡大する画像処理や、OCR(Optical Character Recognition)処理等の任意の技術が用いられてよい。
図5に示すように、読み取られた車両ナンバー、駐車券番号、及び入場日時が、在車情報27として、在車DBに記録される(ステップ106)。
図7は、駐車場の構内に設置される監視カメラの撮影画像の一例を示す模式図である。例えば図7Aに示すような複数の駐車スペース10(車両C)が、各々の駐車スペース番号が認識可能なように、同時に撮影される。
撮影された画像は、撮影日時と関連付けられて、各階の管制装置38〜40を介して、駐車場管理装置31に送信される。なお動画像が撮影され、複数のフレーム画像の各々が駐車場管理装置31に送信されてもよい。あるいは。所定の間隔を空けて撮影された静止画像が、順次送信されてもよい。
図7Bに示すように、撮影画像を受信した駐車場管理装置31は、車両Cが入庫した駐車スペース10の前方部分、すなわち車両Cの前方部分を拡大して、ナンバープレート26の画像から車両ナンバーを読取る。読取られた車両ナンバーが、ステップ105にて登記録した車両ナンバーと一致する場合には、その車両Cが入庫した駐車スペース10の番号が在車DBに格納される。また撮影画像の撮影日時が、入庫日時として在車DBに格納される。
[駐車場からの退場時の動作]
利用者により事前精算機36(37)が操作され、事前精算が行われる場合を説明する。事前精算機36(37)に駐車券が挿入されると、駐車券番号に基づいて、入場日時等を含む在車情報27が、駐車場管理装置31に要求される。駐車場管理装置31から在車情報27を受信すると、入場日時及び現在日時に基づいて駐車料金が算出され、事前精算機36(37)のタッチパネル51に表示される。
駐車料金の精算が完了すると、精算日時と精算料金とを含む精算情報が、駐車場管理装置31に送信される。図5に示すように、駐車場管理装置31は、これらの情報を、在車DBに格納する。なお精算情報は、事前精算機36(37)に挿入される駐車券に、駐車券情報として格納される。
監視カメラ41から送信された撮影画像に基づき、事前精算が行われた車両Cの出庫が監視され、出庫した場合は出庫日時が算出される。算出された出庫日時は、在車DBに格納される。
図8は、事前精算後の駐車場からの出場時における駐車場管理システムの処理例を示すフローチャートである。出口精算機18の車両検出部56により、出場ゲート9への車両Cの進入が監視される(ステップ201)。
図6に示すように、車両Cが検出されると(ステップ201のYes)、出場ゲート9に進入した車両Cが、出場レーンカメラ19により撮影される。撮影された撮影画像は、駐車場管理装置31へ送信される(ステップ202)。
駐車場管理装置31により、出場ゲート9に進入した車両Cの撮影画像が受信され、車両ナンバーが読み取られる(ステップ203、204)。駐車場管理装置31は、読取った車両ナンバーを含む在車情報27から、駐車スペース番号、精算日時、及び精算料金を含む精算情報を取得する(ステップ205)。
駐車場管理装置31により、事前精算の猶予時間が設定される(ステップ206)。事前精算の猶予時間とは、駐車料金の事前精算の完了から、車両Cを駐車場1から出場させるまでの出場猶予時間のことである。この出場猶予時間が経過する前に車両Cを出場させない場合には、超過時間に応じた駐車料金が課金される。すなわち事前精算の猶予時間は、事前精算後に駐車料金の再徴収の必要のない猶予時間とも言える。出場猶予時間の設定処理については、後に詳しく説明する。
駐車場管理装置31により、精算情報及び出場猶予時間を含む事前精算情報が、出口精算機18に送信される(ステップ207)。出口精算機18は事前精算情報を受信し、超過時間を算出する(ステップ208、209)。例えば精算日時から猶予時間を加えた出場猶予日時と、現在日時とを比較する。現在日時が出場猶予日時を経過していない場合は、超過時間はゼロとなる。現在日時が出場猶予日時を経過している場合は、現在日時と出場猶予日時との差が、超過時間として算出される。
駐車料金の精算が済んでいるか否か判定される(ステップ210)。本実施形態では、出口精算機18に駐車券が挿入され、駐車券に格納された精算情報が読取られる。事前精算が済んでおり超過時間がゼロの場合には、精算済みと判定され(ステップ210のYES)、図3に示すゲート制御部57により、出場ゲート装置17が開けられる(ステップ211)。
超過時間が存在する場合には、超過時間に応じた駐車料金の精算が実行される(ステップ212)。なお事前精算が行われていない場合にも、ステップ210でNOとなり、ステップ212にて精算処理が実行される。出口精算機18での精算処理が完了すると、出場ゲート装置17が開けられる(ステップ211)。
車両Cの通過が監視され、車両Cの通過が検出されると出場ゲート装置17が閉じられる(ステップ213、214)。車両Cの通過を検出する方法は限定されず、例えば出場ゲート装置17の外側にループコイル等の車両検出機構が構成されてもよい。
出場ゲート装置17が閉じられると、出場日時や超過時間分の再精算の情報等を含む出場情報が、駐車場管理装置31へ送信される(ステップ214)。駐車場管理装置31は、出場情報に基づいて、別個の履歴DBに在車情報27や出場情報等を含む履歴情報を格納する(ステップ215)。同時に、在車DBからは出場した車両Cの在車情報27は削除される。
なお出口精算機18への駐車券の挿入を省略して、駐車場管理装置31から送信される事前精算情報に基づいて、ステップ208以降の処理が実行されてもよい。これにより利用者の操作が省略され、利便性が向上する。
[出場猶予時間の設定]
図9は、出場猶予時間の設定例を示すフローチャートである。本実施形態では、図2に示す取得部33により、駐車場1から出場する車両Cの出庫時の渋滞状況に関する渋滞情報が取得される(ステップ301)。図2に示す時間制御部34により、取得された渋滞情報に基づいて駐車場1から出場する車両Cの出庫時の渋滞度が判定される(ステップ302)。また時間制御部34により、判定された渋滞度に基づいて、出場猶予時間が設定される(ステップ303)。
なお時間制御部34により、渋滞度を判定することなく、取得された渋滞情報に基づいて出場猶予時間が適宜制御されてもよい。いずれにせよ、渋滞状況に応じてリアルタイムに出場猶予時間を設定することが可能である。
駐車場1から出場する車両Cの(出庫時の)渋滞状況に関する渋滞情報は、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関連する任意の情報を含む。例えば駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に影響を与え得る任意の情報が含まれる。以下、様々な渋滞情報を利用した猶予時間の設定方法の例をいくつか挙げる。
図10は、渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの一例を示す図である。渋滞度判定及び猶予時間設定テーブル(以下、単にテーブルと記載する)60aは、時間帯と、予想される渋滞度と、出場猶予時間とが関連付けられたテーブル情報である。
例えば過去における様々な時間帯に応じた渋滞度と、適正な出場猶予時間とをモニタリングすることで、予めテーブル60aを作成することが可能である。作成されたテーブル60aは、図2に示す記憶装置35に格納される。なおモニタリングを継続して、テーブル60aが逐次最新の状態に更新可能であってもよい。こにれより高い精度での出場猶予時間の設定が可能となる。
図10に示す例では、「平日の16時〜19時」に対して、渋滞度「中」が関連付けられ、猶予時間「10分」が設定される。「休日の15時〜20時」に対して、渋滞度「混」が関連付けられ、猶予時間「15分」が設定される。
「特別時間帯」とは、駐車場1から出場する車両Cが非常に渋滞すると予想される時間帯である。例えば駐車場1の付近で、非常に多くの人が参加するイベントが定期的に開催される場合では、当該イベントの開催時間に応じた時間が、「特別時間帯」に設定される。もちろこれに限定される訳ではない。「特別時間帯」に対しては渋滞度「特」が関連付けられ、猶予時間は「無制限」が設定される。
猶予時間「無制限」とは、事前精算の出場猶予時間が無制限に設定されることであり、事前精算の完了後、任意の時間が経過した場合でも、無料で駐車場1から車両Cを出場させることが可能となる。すなわち事前精算後に駐車料金の再徴収の必要のない時間が、無制限に続くことになる。
このように本実施形態では、判定された渋滞度が所定の状態となる場合に、出場猶予時間が無制限に設定される。渋滞度が所定の状態となる場合とは、例えば図10に示すように予め定められた状態になることを含む。また渋滞度が、増減するパラメータとして算出される場合には、渋滞度が所定の閾値(所定のレベル)を超える場合に、出場猶予時間が無制限に設定される。この渋滞度が所定の閾値を超えることは、渋滞度が所定の状態となる場合に含まれる。所定の状態や、所定の閾値は限定されず、任意設定されてよい。
渋滞度が「中」「混」「無制限」となる時間帯以外の時間帯に対しては、渋滞度「空」が関連付けられ、猶予時間「5分」が設定される。典型的には、通常の出場猶予時間が、渋滞度「空」に対して割り当てられる。
駐車場管理装置31の時間制御部34は、現在日時に基づいてテーブル60aを参照することで、出場猶予時間を設定することが可能である。現在日時、及びテーブル60aは、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。
またテーブル60aは、日時と予想される渋滞状況とが関連付けられた関連情報に相当する。時間制御部34は、日時と予想される渋滞状況とが関連付けられた関連情報に基づいて、出場猶予時間を設定することになる。
このようにテーブル60aを用いることで、出場する車両Cの渋滞状況を検出するための特別な検出装置等が不要となり、安価で容易に出場する車両Cの混雑度に応じた出場猶予時間の制御を実行することが可能となる。なおテーブル60aに含まれる時間帯、渋滞度、及び出場猶予時間等は一例であり、任意に設定されてよい。また他のパラメータが適宜採用されてもよい。
図11は、渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの他の例を示す図である。このテーブル60bでは、図1に示す外部道路Rの、主に下り車線R1の渋滞情報と、渋滞度と、出場猶予時間とが関連付けられる。
例えば図2に示すように、駐車場管理装置31は、インターネット25等を介して、VICS(登録商標)センタ等の交通情報を提供する機関90から、下り車線R1の渋滞情報を取得する。取得した渋滞情報に基づいてテーブル60bを参照することで、出場猶予時間を設定することが可能である。
なおテーブル60bに含まれる渋滞情報、渋滞度、及び出場猶予時間等は一例であり、任意に設定されてよい。また渋滞なし、混雑、所定の距離以上/以下の渋滞等とは異なる、
他のパラメータが適宜採用されてもよい。また上り車線R2の渋滞情報も考慮したテーブル60bが作成されてもよい。
テーブル60b及び外部道路Rの渋滞情報は、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。また外部道路Rの渋滞情報は、駐車場1の出場口8に接続する道路の渋滞状況の情報に相当する。
出場口8に接続する道路とは、出場口8直接的に接続する道路に限定される訳ではなく、出場口8に間接的に接続される場合も含む。例えば出口6に接続される道路Rも、出場口8に接続される道路に含まれる。
また、例えば出場口8から最も近い交差点の渋滞情報等に基づいて渋滞度が判定され猶予時間が設定されてもよい。当該交差点に含まれる道路も、出場口8に接続される道路に含まれる。その他、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に大きく影響する道路や場所の渋滞情報が適宜用いられてよい。
図12は、出場猶予時間の設定の他の例を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートでは、図10に示すテーブル60aと、図11に示すテーブル60bとが併用されて、出場猶予時間が設定される。
まず現在日時が取得され、テーブル60aを参照することで、出場猶予時間が抽出される(ステップ401、402)。この場合の出場猶予時間は、仮の出場猶予時間とも言える。周囲の交通情報が取得され、渋滞の有無が判定される。本実施形態では、外部道路Rの下り車線R1の渋滞情報が取得され、渋滞の有無が判定される(ステップ403、404)。
外部道路Rに渋滞がある場合には(ステップ404のYES)、テーブル60bが参照され出場猶予時間(仮の出場猶予時間)が抽出される(ステップ406)。
図11に示すテーブル60bでは、渋滞なしの項目が設定されているので、ステップ404にて渋滞の有無を判定することなく、テーブル60bが参照されてもよい。逆に言えば、外部道路Rの渋滞情報を含むテーブル60bの作成について、渋滞有りの場合を前提としたテーブル情報が作成されてもよい。そして図12に示すように、渋滞の有無の判定とテーブル60bの参照とが段階的に実行されてもよい。
ステップ402で抽出された出場猶予時間と、ステップ406で抽出された出場猶予時間とが比較され、長い方の出場猶予時間が、最終的な出場猶予時間として設定される(ステップ405)。なおステップ404にて渋滞がないと判定された場合は(ステップ404のNO)、ステップ402にて抽出された出場猶予時間が最終的な出場猶予時間として設定される。
このように複数の出場猶予時間の設定方法が組み合わされて実行されてもよい。こにれより高い精度での出場猶予時間の設定が可能となる。
図13は、出場猶予時間の設定の他の例を示すフローチャートである。図14は、図13に示す処理で用いられる渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの一例を示す図である。図13及び図14に示す例では、単位時間当たりの車両Cの出庫数と、単位時間当たりの車両Cの出場数とが、駐車場1から出場する車両のC渋滞状況に関する渋滞情報として用いられる。
図13に示すように、現在日時が取得され、単位時間が設定される(ステップ501、502)。単位時間としては、例えば10分や15分といった時間が設定される。もちろんこれらの時間に限定される訳ではない。現在日時及び単位時間は、渋滞度を判定するための基準時間となり、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。
単位時間当たりの出庫数が算出される(ステップ503)。本実施形態では、在車DB及び履歴DBが参照され、現在日時から単位時間までの間に出庫日時が含まれる車両Cの数が、単位時間当たりの出庫数として算出される。もちろん他の方法が用いられてもよい。
単位時間当たりの出場数が算出される(ステップ504)。本実施形態では、履歴DBが参照され、現在日時から単位時間までの間に出場日時が含まれる車両Cの数が、単位時間当たりの出場数として算出される。もちろん他の方法が用いられてもよい。
単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数との差が算出される(ステップ505)。ここでは、台数の差の絶対値ではなく、マイナスの符号も含めて差が算出される。すなわち単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数とのいずれが多いかも含めて、台数の差が算出される。もちろん差がゼロの場合は、単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数とが互いに同じ値であることを意味する。
図14に示すテーブル60cを参照して、出場猶予時間が設定される(ステップ506)。図14に示す例では、単位時間当たりの出庫数が少ない場合に対して、渋滞度「空」が関連付けられ、猶予時間「5分」が設定される。単位時間当たりの出庫数が中間の値であり、かつ単位時間当たりの出庫数が単位時間当たりの出場数よりも多い場合に対して、渋滞度「中」が関連付けられ、猶予時間「10分」が設定される。
単位時間当たりの出庫数が多く、かつ単位時間当たりの出庫数が単位時間当たりの出場数よりも多い場合に対して、渋滞度「混」が関連付けられ、猶予時間「15分」が設定される。なお出庫数の「少」「中」「多」の判定は、例えば複数の閾値を設定することで実行可能である。
例えば単位時間を15分として、出庫数が15台/15分よりも少ない場合には、出庫数が少ないと判定される。出庫数が15台/15分よりも多く、25台/15分よりも少ない場合には、出庫数は中間の値として判定される。出庫数が25台/15分よりも多い場合には、出庫数が多いと判定される。もちろん他の判定方法が用いられてもよい。
また単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数との差について、単位時間当たりの出庫数が単位時間当たりの出場数よりも所定の台数(例えば5台)以上多い場合等を、判定条件として採用することも可能である。その他、任意の方法が用いられてよい。
出庫数に対して出場数が異常に少ない場合に対して、渋滞度「特」が関連付けられ、猶予時間は「無制限」に設定される。もちろん図14に示すテーブル60cは一例であり、単位時間当たりの出庫数/出場数やその差を用いた任意のテーブル60cが作成されてよい。
このようにして、単位時間当たりの出庫数/出場数やその差を用いることで、駐車場1内の渋滞状況をリアルタイムに反映した精度の高い出場猶予時間の設定が可能となる。すなわち渋滞度に応じて出場猶予時間を正確に細かく設定することが可能となる。この結果、例えば偶発的な事故等を原因とした渋滞が発生する場合にも、高い精度で適正に出場猶予時間を設定することが可能となる。
なお図13及び14に示す例では、単位時間当たりの出庫数/出場数やその差を用いることで、これらか出場するであろう台数と、実際に出場している台数とを比較することが可能となり、精度の高い出場猶予時間の設定が実現されている。他のパラメータを用いて、これらか出場するであろう台数と、実際に出場している台数とが算出、あるいは推定されてもよい。これらか出場するであろう台数と、実際に出場している台数に関する情報も、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。
また単位時間当たりの入場数や入庫数を用いて、テーブル60cが作成されてもよい。例えば入場の方が出場よりも多い傾向にあるといった状況や、入庫の方が出庫よりも多い傾向にあるといった状況に応じて、適宜出場猶予時間が設定されてもよい。
また、単位時間ではなく、基準時間からの累積時間における出庫数/出場数の変化等に基づいて、渋滞度の判定や猶予時間の設定が実行されてもよい。
以上、本実施形態に係る駐車場管理システム30では、出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報が取得され、当該渋滞情報に基づいて出場猶予時間の長さが制御される。これにより例えば事前精算後の車両Cの不正滞在や、渋滞等に起因して出場までに時間がかかってしまった車両Cから超過料金を徴収してしまうことを防止することが可能となる。この結果、駐車料金の事前精算に関する有効性・利便性を向上させることが可能となる。
従来、有料駐車場において、出口精算機での精算処理にかかる時間を短縮化し、出口渋滞が起きないようにするために、駐車場内に事前精算機を配置し、利用者が事前に駐車料金を精算しておき、出口精算機での精算処理を不要としたシステムが運用されている。
ところが、事前精算した時刻から、実際に駐車場から出場するまでには若干猶予時間を設けねばならず、この猶予時間が長いと、早めに事前精算した後も駐車場内に留まる不正な利用が防止できない。一方で、猶予時間が短いと、事前精算していない他の車両Cによる出口渋滞などがあると、折角事前精算した車両Cが、出口で再度超過料金を支払う必要が生じることがあり、利用者にとって甚だ不便なものとなる。
例えば上記した特許文献1に記載の駐車場管理方法では、事前精算時間と出口精算機到来時間との差により、不正出場の判定が行われる。この場合、出口精算待ち渋滞や出場先の道路の混雑等で、予め設定した出場猶予時間(グレースタイム)をオーバーすることがあり、それを回避するために長時間の出場猶予時間に設定すると、今度は精算後に長時間滞在する不正の防止ができないという問題があった。
また特許文献3に記載の駐車場管理方法では、駐車場出口や外部の道路の混雑状況をディスプレーし、運転車に空いている出口を選択しやすくしているが、出口が1箇所の駐車場では採用できず、複数出口があったとしても、それによって事前精算後の不正な長時間滞在を防止することはできない。
本発明は、事前精算した車両Cが駐車場1から出場するまでの出場猶予時間を適正に管理することで、事前精算後の車両Cの不正な長時間の滞在を防止しつつ、出口の混雑・渋滞に起因して出場までに時間がかかってしまった車両Cから超過料金を徴収することのないよう、事前精算後の猶予時間を適正に変化させることが可能である。
出場する車両Cの出庫時の渋滞度に応じて、出場猶予時間を適宜変化させることが可能であるので、不正に長時間滞在した利用者に対しては、適性に超過料金を徴収することが可能となる。一方で、出口渋滞等により出場までに時間がかかってしまった利用者に対しては、超過料金の徴収は行われない。従って正当な利用者にとっては好適なシステムを構築することが可能となり、また不正な長時間滞在も効果的に防止することが可能となる。
また出口渋滞等が発生している場合において、利用者が超過料金の徴収を心配して、慌てて車両Cを出場ゲート9まで進ませようとする、といったことを防止することが可能である。すなわち出場猶予時間が十分にある旨等を報知することで、利用者を落ち着かせることが可能となり、駐車場1内の事故等の発生を十分に防止することが可能である。また出場ゲート9までの誘導を効率的に行うことも可能となる。
出場猶予時間が十分にある旨等を報知する方法は限定されず、構内の案内板への表示や、音声での報知等、任意の方法が用いられてよい。
図15及び図16は、利用者の携帯端末等に表示される操作画面(GUI)の一例を示す模式図である。例えば駐車場管理装置31がWeb/APIサーバとして機能し、インターネット25等を介して、駐車場1の利用者の携帯端末等に種々のWebページを提供可能であってもよい。
例えば駐車場1の利用者は、インターネット25等を介して、本駐車場管理システム30が運営するWebページ(ホームページ)にアクセスし、会員登録を行う。これにより図15及び図16等に示すようなGUIを介して、種々の情報を閲覧したり、種々の操作を入力することが可能となる。会員登録を行った利用者の情報は、記憶装置35内の会員登録DBに格納される。
図15Aに示すように、携帯端末には、まずプッシュ通知画面101が表示される。プッシュ通知画面101には、精算処理を実行するためのアプリの起動ボタン102が表示される。
プッシュ通知画面101を介してアプリケーションが起動されると、図15Bに示すように、現状表示画面103が表示される。現状表示画面103には、入場日時を含む駐車ステータス情報104と、現在までの駐車料金に関する情報105と、駐車場及び車両Cの情報106と、精算操作ボタン107と、利用者情報・設定ボタン108と、利用履歴ボタン109とが表示される。
利用者情報・設定ボタン108は、利用者情報の変更等を行う場合に選択され、所定の設定画面に遷移される。利用履歴ボタン109が選択されると、本駐車場管理システム30の現在までの利用履歴が表示される。
現状表示画面103の精算操作ボタン107が選択されると、図16Aに示すように、精算操作初期画面110が表示される。精算操作初期画面110には、精算ボタン111と、精算対象となる駐車料金に関する情報112と、利用状況明細ボタン113と、ポイント残高の情報114とが表示される。利用状況明細ボタン113が選択されると、利用状況の詳細が表示される。
精算操作初期画面110の精算ボタン111が選択されると、図16Bに示すように、精算操作確認画面115が表示される。精算操作確認画面115は、精算対象となる駐車料金、入場日時、車両Cの情報等を含む精算情報116と、支払い方法の選択用のラジオボタン117と、クレジットカード情報118と、他のカードへの切り替えボタン119と、精算の実行ボタン120とが表示される。
所望する支払い方法を変更する場合にはラジオボタン117を選択し、精算の実行ボタン120が選択されると、精算要求が駐車場管理装置31に送信される。そして精算処理が完了すると、その旨が利用者の携帯端末に返され、図16Cに示す精算完了画面121が表示される。
精算完了画面121には、精算内容の情報122が表示される。なお常時クレジット精算を実行する旨の登録がされている場合には、支払い方法は、カード支払いに固定される。また常時クレジット精算を実行する旨の登録がされている場合には、例えば図15Aに示すプッシュ通知画面101、あるいは図15Bに示す現状表示画面103において、その旨が表示されてもよい。そして精算操作を促すことなく、図16Cに示す精算完了画面に進んでもよい。
このように駐車場管理装置31が提供するWebページを介して、事前精算が可能であってもよい。これにより事前精算機36(37)まで移動する必要もなく、簡単に事前精算を行うことが可能となる。この結果、事前精算に関する有効性・利便性を向上させることが可能となる。
また図16Cに示すように、精算完了画面121には、出場口8の混雑状況、及び出場猶予時間(本例では15分)が表示される。これにより利用者は、何分以内で出場する必要があるかを容易に把握することが可能となり、超過料金の発生を心配することなく、車両Cを出場させることが可能となる。上記したように出場猶予時間は、渋滞状況に応じて適正に制御されているので、利用者は慌てることなく落ち着いて、車両Cを出場させることが可能となる。
図16Dは、出場猶予時間として「無制限」が設定された場合の、精算完了画面121の一例である。図16Dに示すように、「時間を気にせず落ち着いて出場してください」といった「無制限」の設定を反映した表示を実行することで、利用者の利便性を向上させることも可能である。
もちろん出場口8の渋滞状況や出場猶予時間の変化(「無制限」も含めて)は、精算完了画面121にリアルタイムで表示される。これにより利用者に、正確な情報を通知すること可能となる。また出場猶予時間の残りがカウントダウンされるような表示が実行されてもよい。その他、出場猶予時間が十分にある旨等の任意の表示が採用されてよい。
また駐車場1を利用するためのWebサービスを提供することで、利用者の携帯端末を利用したバーチャルな駐車券による運営も可能となる。すなわち紙の駐車券を用いることなく、仮想的な駐車券を用いて駐車場1を利用することが可能となる。これにより高い利便性が発揮される。なおバーチャルな駐車券が用いられる場合には、例えば携帯端末のメモリ等に、駐車券情報等が記憶される。
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態で実現することができる。
駐車場から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報の種類、及びその取得方法として、任意の情報及び取得方法が採用されてよい。例えば出場レーン7(構内レーン20を含む場合もあり得る)の渋滞状況の情報に基づいて、渋滞度の判定及び出場猶予時間の設定が実行されてもよい。
例えば駐車場1の構内に設定された監視カメラ41により撮影された撮影画像に基づいて、出場レーン7の渋滞状況の情報を取得することが可能である。もちろん所定の位置に配置された車両検出センサの検出結果が用いられてもよい。この場合、監視カメラ41の撮影画像や車両検出センサの検出結果も、渋滞情報に含まれる。
渋滞情報として、駐車場1の付近で開催されるイベントの情報が取得され、当該イベント情報に基づいて、渋滞度の判定及び出場猶予時間の設定が実行されてもよい。例えば付近で開催される花火大会や大きなスポーツの大会等の情報が、インターネット25等を介して取得され、出場猶予時間の設定等に用いられてもよい。
上記では、事前精算を行った精算日時から出場ゲート9に到達するまでの時間が、出場猶予時間を超えているかが判定された。これに代えて、駐車スペース10から出庫した出庫日時から出場ゲート9に到達するまでの時間が、出場猶予時間を超えているか否かが判定されてもよい。
例えば事前精算を行った精算日時から所定の時間(例えば5分)が、車両Cへの移動にかかる移動猶予時間として設定される。駐車スペース10からの車両Cの出庫日時が、精算日時から移動猶予時間までの間に含まれるには、出庫日時から出場ゲート9に到達するまでの時間が、出場猶予時間を超えているか否か判定される。出庫日時が、精算日時から移動猶予時間までの間に含まれない場合には、精算日時から移動猶予時間を加えた時間から出場ゲート9に到達するまでの時間が、出場猶予時間を超えているか否か判定される。
このように移動猶予時間を設定することで、事前精算機36(37)から駐車スペース10までの距離の違いによる不公平を解消することが可能となり、事前精算に関する有効性・利便性を向上させることが可能となる。
出場車両の渋滞状況に応じて、駐車スペース10から車両Cを出庫させた出庫日時が、駐車場1から車両Cを出場させた出場日時として取り扱われてもよい。例えば非常に車両Cが混雑して渋滞が発生している場合に出場猶予時間が長く設定されるとする。当該出場時間は適正に制御されているが、駐車スペース10の位置が出場ゲート9から離れていて、出場猶予時間をどうしても超えてしまうという場合もあり得る。このような状況を考慮して、出庫日時を出場日時として見做す処理を実行する。これにより出場猶予時間を超える前に出庫さえすれば超過料金の徴収が発生することは無いので、駐車スペース10の位置の違いによる不公平を解消することが可能となる。また出庫日時を出場日時と見做すことで、履歴DBに格納される出場情報の管理が容易となる。
駐車スペース10の位置に応じて、出場猶予時間がさらに制御されてもよい。例えば出場ゲート9から遠い駐車スペース10に対しては、出場ゲート9に近い駐車スペース10に対して設定される出場猶予時間よりも長い出場猶予時間が設定されてもよい。これにより駐車スペース10の位置の違いによる不公平を解消することが可能となる。
また入場ゲート5を通過してから駐車スペース10に入庫するまでの時間を、駐車料金の課金の対象から除外し、入庫してからの時間に基づいて駐車料金が課金されてもよい。これにより入場時の混雑の状況に応じた利用者に不公平の無い課金が可能となる。
駐車場1の具体的な構成は、図1に例示するもの限定されず、任意に設計されてよい。例えば事前精算をすることが必須の運用の駐車場1であれば、出場ゲート9の出口精算機能を省略して、駐車券の読取り機を代わりに設置することも可能である。あるいは複数の出場口が設けられ、出口精算機及び読取り機を別々に設置することも可能である。
なお複数の出場口が設けられる場合も、本技術は適用可能である。複数の出場口から出場する車両Cの渋滞状況を包括的に判断することで、出場猶予時間を適宜制御することが可能である。例えば複数の出場口の全てが渋滞している場合には、最も長い出場猶予時間が設定され、一部の出場口が渋滞している場合には、それよりも短い出場猶予時間が設定されるといった処理も可能である。なお一部の出場口が渋滞している場合には、他の出場口が空いている旨の情報が、案内板やWebページを介して、利用者に通知されてもよい。
駐車場1の構成によっては、入口2と入場口4とが同義となり、出口6と出場口8とが同義となる場合もあり得る。
上記では、車両Cを識別するために、車両ナンバーが読取られた。これに限定されず、車両識別情報として、他の情報が用いられてもよい。例えば駐車場1の入場ゲート5、構内20、出場ゲート9にBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコンを送受信可能な装置を設定する。これらの装置から送信されるビーコン信号の、利用者の携帯端末による受信状況等により、車両Cが識別されてもよい。すなわちビーコン信号の受信状態に基づいて、利用者の車両Cの入場/出場、入庫/出庫が判定されてもよい。
上記では、車両ナンバーを読取る機能が、駐車場管理装置31に備えられた。これに限定されず、駐車券発行機14、出口精算機18、監視カメラ41、管制装置38〜40等の、他の装置に車両ナンバーを読取る機能が備えられてもよい。そして他の装置により読取られた車両ナンバーが駐車場管理装置31に送信されてもよい。これにより駐車場管理システム30全体の処理速度を向上させることが可能である。もちろん昨今の高速通信ネットワーク技術と高速な演算処理技術を用いれば、駐車場管理装置31に集中的に読取り機能を処理させても、高い処理速度を発揮させることが可能である。
上記では、駐車場管理装置31が駐車場1に配置される場合を説明した。これに限定されず。駐車場管理装置31が、他の位置に配置され、インターネット25等を介して、駐車場1に配置された各装置と通信可能に接続されてもよい。すなわち本技術に係る駐車場管理システム30が、インターネット25等を介して接続された複数の装置により実現されてもよい。また駐車場管理装置31が有する機能の全部や一部が、駐車場1に配置された各装置に備えられる、あるいは分担されてもよい。
また本技術に係る駐車場管理方法、及びプログラムは、単体のコンピュータにより実行されてもよいし、複数のコンピュータが連動することで実行されてもよい。すなわち渋滞情報の取得、出場猶予時間の設定等が、単体のコンピュータにより実行される場合と、各処理が異なるコンピュータにより実行される場合とのいずれもが有り得る。また所定のコンピュータによる各処理の実行は、当該処理の一部または全部を他のコンピュータに実行させその結果を取得することを含む。例えば本技術に係る駐車場管理方法及びプログラムは、クラウドコンピューティングの構成にも適用することが可能である。
本開示では、車両は、自動車に限定されず、自転車や二輪車(バイク)等も含む。また駐車場は、自転車や二輪車(バイク)等を駐車するための駐輪場を含む概念である。すなわち本技術は、自動車を駐車可能な駐車場に限定されず、駐輪場等にも適用可能である。
以上説明した本発明に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。