JP7064858B2 - 駐車場管理装置、駐車場管理方法、及びプログラム - Google Patents

駐車場管理装置、駐車場管理方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、駐車場管理装置、駐車場管理方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、駐車場で入出場口が混雑することなく円滑に入出場でき、事前精算の際の利用者の負担もなく簡単に精算ができ、しかも不正利用を防止することを目的とした駐車場管理方法が開示されている。この駐車場管理方法では、車両のナンバープレートの情報、入場後猶予時間、及び精算後猶予時間を適宜利用して、車両の入出場が管理されている(特許文献1の明細書段落[0038][0052]図5等)。
特許文献2には、駐車場管制方法として、複数存在する料金精算所の各々の混雑状況と、外部カメラで撮影した外部の道路状況とを、案内スクリーンを通じて車両の運転手に通知する技術が開示されている(特許文献2の明細書段落[0048][0062]図6等)。
特開2004-295511号公報 特表2009-517767号公報
駐車場から車両を出場させる際に駐車料金を事前に精算可能とするシステムは、出口での精算処理等が不要となり有効である。よって当該駐車料金の事前精算に関する有効性・利便性を向上させることは重要である。
従来、特許文献1あるいは特許文献2では、事前精算時間と出口精算機到来時間との差により、不正出場の判定をおこなっている。しかし、出口精算待ち渋滞や出場先の道路の混雑等で、予め設定した出場猶予時間(グレースタイム)をオーバーすることがあり、それを回避するために長時間の出場猶予時間に設定すると、今度は事前精算後も駐車場に長時間滞在する不正の防止ができないという問題があった。そこで、駐車場の混雑状況に応じて出場猶予時間を変更する技術が考えられるが、変更設定の妥当性を証明することは難しかった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、事前精算後の出庫猶予時間を、出口の混雑度等に応じて変更させる場合の、変更設定の妥当性を証明できるようにすることを可能とする駐車場管理装置、駐車場管理方法、及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る駐車場管理装置は、取得部と、制御部と、通知部とを具備する。
上記取得部は、駐車場内外の混雑状況に関する混雑情報を取得する。
上記制御部は、取得された上記混雑情報に基づいて、駐車場の課金条件を制御する。
上記通知部は、上記混雑情報および上記課金条件に関する情報を通知する。
上記取得部は、上記混雑情報として、上記駐車場から出場する車両の渋滞状況に関する渋滞情報を取得し、上記制御部は、取得された上記渋滞情報に基づいて、駐車料金の事前精算の完了から車両を出場させるまでの猶予時間を制御してもよい。
上記制御部は、取得された上記渋滞情報に基づいて、上記駐車場から出場する車両の渋滞度を測定し、判定された上記渋滞度に応じて上記猶予時間を設定してもよい。
上記渋滞情報は、上記駐車場の出場口に接続する道路の渋滞状況の情報を含んでもよい。
上記渋滞情報は、外部の地図情報サイトの提供するリアルタイム渋滞情報を含んでもよい。
上記通知部は、上記渋滞情報の画像または、リンクされるアドレス情報を通知してもよい。
上記通知部は、予め作成した地図画像に、上記渋滞情報の画像の渋滞状況を示す画像から読み取った渋滞状況のレベルを、上記予め作成した地図画像に重畳させた画像情報として通知してもよい。
上記制御部は、取得された上記渋滞情報に基づいて上記駐車場から出場する車両の渋滞度を判定し、判定された上記渋滞度が所定の状態となる場合に上記猶予時間を無制限に設定してもよい。
上記制御部は、判定された上記渋滞度が所定の閾値を超えた場合に、上記猶予時間を無制限に設定してもよい。
上記制御部は、上記通知部による通知に応答して、許可を受信した場合に、上記課金条件を変更してもよい。
本発明の一形態に係る駐車場管理方法は、コンピュータにより実行される駐車場管理方法であって、駐車場内外の混雑状況に関する混雑情報を取得し、取得された上記混雑情報に基づいて、駐車場の課金条件を制御し、上記混雑情報および上記課金条件に関する情報を通知する。
本発明の一形態に係るプログラムは、コンピュータに以下のステップを実行させる。
駐車場内外の混雑状況に関する混雑情報を取得するステップ。
取得された上記混雑情報に基づいて、駐車場の課金条件を制御するステップ。
上記混雑情報および上記課金条件に関する情報を通知するステップ
以上述べたように、本発明によれば、例えば、駐車料金の事前精算に関する猶予時間の変更設定の妥当性を証明することが可能となる。
一実施形態に係る駐車場の構成例を示す概略図である。 駐車場管理システムの構成例を示すブロック図である。 出口精算機の機能的な構成例を示すブロック図である。 入場時における駐車場管理システムの処理例を示すフローチャートである。 在車DBに格納される在車情報の一例を示す図である。 入場ゲートに車両が進入した状態を示す模式図である。 駐車場の構内に設置される監視カメラの撮影画像の一例を示す模式図である。 事前精算後の駐車場からの出場時における駐車場管理システムの処理例を示すフローチャートである。 出場猶予時間の設定例を示すフローチャートである。 渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの一例を示す図である。 渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの他の例を示す図である。 ライブ渋滞情報のサイトを示す図である。 出場猶予時間の設定の他の例を示すフローチャートである。 出場猶予時間の設定の他の例を示すフローチャートである。 図14に示す処理で用いられる渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの一例を示す図である。 駐車場オーナの携帯端末等に表示されるメール画面の一例を示す模式図である。 駐車場オーナに提示されるレポートの地図画像を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[駐車場管理システム]
図1は、本発明の一実施形態に係る駐車場の構成例を示す概略図である。図2は、図1に示す駐車場を管理する駐車場管理システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、駐車場1は、車両Cを駐車することが可能な施設であり、外部の道路Rに隣接する位置に構成される。以下、便宜的に、駐車場1と隣接する側の2車線を下り車線R1と記載し、反対側の2車線を上り車線R2と記載する。
駐車場1は、入口2と、入場レーン3と、入場口4と、入場ゲート5と、出口6と、出場レーン7と、出場口8と、出場ゲート9と、複数の駐車スペース10とを有する。
入口2及び出口6は、駐車場1が設けられる敷地内への入口、及び敷地外への出口である。入口2及び出口6は、下り車線R1に隣接する位置に、下り車線R1の延在方向に沿って並んで配置される。道路Rから見ると、入口2は左側に位置し、出口6は右側に位置する。
入場レーン3は、入口2から直線状に延在し、突き当たりで右側に略直角に曲がり、駐車場1の構内に向けて延在する。入場レーン3は、駐車場1に入場する車両Cを、入口2から駐車場1の構内に導くレーンである。入場レーン3の終端は明確に規定される必要はなく、入場ゲート5の端部付近や、駐車場1の構内の所定の位置までを、入場レーン3と見なすことができる。すなわち駐車場1の構成によっては、駐車場1の構内に設けられる構内レーン20の一部が、入場レーン3として機能する場合もあり得る。
出場レーン7は、出口6から直線状に延在し、突き当たりで右側に略直角に曲がり、駐車場1の構内に向けて延在する。出場レーン7は、駐車場1から出場する車両Cを出口6に導くレーンである。出場レーン7の始端は明確に規定される必要はなく、出場ゲート9の端部付近や、駐車場1の構内の所定の位置までを、出場レーン7の始端と見なすことができる。すなわち駐車場1の構成によっては、駐車場1の構内に設けられる構内レーン20の一部が、出場レーン7として機能する場合もあり得る。
入場口4は、入場レーン3上の、駐車場1の構内と外部との境界に設けられる。出場口8は、出場レーン7上の、駐車場1の構内と外部との境界に設けられる。図1に示すように本実施形態では、道路Rから見ると、入場口4は奥側に設けられ、出場口8は手前側に設けられる。
従って、入場レーン3の入口2から入場口4までのアプローチの距離は、出場レーン7の出場口8から出口6までの距離よりも大きくなっている。これにより、例えば駐車場1が満車のときに入場待ちの車両が並んでしまい、外部の道路Rの通行の妨げとなることが防止されている。
入場ゲート5は、入場レーン3上の入場口4の付近に設けられる。入場ゲート5は、アイランド12a及び12bと、入場ゲート装置13と、駐車券発行機14と、入場レーンカメラ15とを有する。アイランド12a及び12bは、入場レーン3を挟むように、互いに対向して設けられる。
入場ゲート装置13、駐車券発行機14、及び入場レーンカメラ15は、車両Cの進行方向に対して右側に位置するアイランド12aに設けられる。車両Cから見て入場ゲート装置13の手前側に駐車券発行機14が設けられ、入場ゲート装置13の奥側の上方に入場レーンカメラ15が設けられる。
出場ゲート9は、出場レーン7上の出場口8の付近に設けられる。出場ゲート9は、アイランド16a及び16bと、出場ゲート装置17と、出口精算機18と、出場レーンカメラ19とを有する。アイランド16a及び16bは、出場レーン7を挟むように、互いに対向して設けられる。
出場ゲート装置17、出口精算機18、及び出場レーンカメラ19は、車両Cの進行方向に対して右側に位置するアイランド16aに設けられる。車両Cから見て出場ゲート装置17の手前側に出口精算機18が設けられ、出場ゲート装置17の奥側の上方に出場レーンカメラ19が設けられる。
複数の駐車スペース10は、駐車場1の構内に設けられる。入口2から出口6までの構内に、入場レーン3、出場レーン7、及び構内レーン20に沿って、複数の駐車スペース10が設けられる。駐車スペース10の数や位置は限定されない。
図2に示すように、駐車場管理システム30は、駐車場管理装置31と、記憶装置35とを有する。また駐車場管理システム30は、入場ゲート装置13と、駐車券発行機14と、入場レーンカメラ15と、出場ゲート装置17と、出口精算機18と、出場レーンカメラ19とを有する。
さらに、駐車場管理システム30は、事前精算機36及び37と、各階の管制装置38~40と、複数の駐車スペース監視カメラ(以下、単に監視カメラと記載する)41とを有する。なお複数の監視カメラ41については、全て同じ符号番号「41」を用いる。
図1に示すように、事前精算機36は、入場ゲート5付近の、アイランド12bの裏側に設けられる。事前精算機37は、出場ゲート9付近の、アイランド16bの裏側に設けられる。
管制装置38~40は、駐車場1の各階のフロアー毎に設置される。管制装置38~40の各々は、各階のフロアーに設置される複数の監視カメラ41の動作を制御し、監視カメラ41により生成された画像信号を受信する。なお図1には、駐車場1の1階のフロアーが図示されており、2階以上へ移動するための経路等の図示は省略されている。
監視カメラ41は、各階のフロアーに設けられた複数の駐車スペース10の全てを撮影可能な位置に設けられる。図1に示す例では、複数の駐車スペース10の位置に合わせて、複数の監視カメラ41が、天井に設置される。監視カメラ41により撮影された撮像画像に基づいて、駐車スペース10に対する入庫/出庫を検出することが可能である。
なお本開示では、駐車場1の構内へ車両Cを進入させること、及び駐車場1の構内から外部へ車両Cを出すことを、駐車場1に対する入場/出場と記載する。また駐車スペース10内へ車両Cを進入させること、及び駐車スペース10から車両Cを出すことを、駐車スペース10対する入庫/出庫と記載する。
図1に示すように、道路Rに隣接する出口6付近には、出場後通過センサ21が設置される(図2には図示は省略)。出場後通過センサ21により、出場ゲート9(出場口8)から出場した車両Cが、出口6を通過したか否かを判定することが可能である。また図1及び図2には図示を省略しているが、入場ゲート5及び出場ゲート9の地面には、車両Cの進入を検出するセンサとして機能する、ループコイル22(図6参照)が埋設される。
駐車場管理装置31は、駐車場1の全体を管理するために設けられた管制室(図示は省略)等に配置され、駐車場1に設置される各装置の動作を制御することが可能である。駐車場管理装置31は、駐車場1の構内に構築された構内LAN24を介して、各装置と通信可能に接続される。例えば各装置により生成された精算情報や画像情報等が駐車場管理装置31に送信される。駐車場管理装置31からは、各装置の動作を制御するための制御情報や、記憶装置35に記憶された種々の情報等が送信される。
駐車場管理装置31は、CPU、ROM、RAM、HDD等のコンピュータの構成に必要なハードウェアを有する。また駐車場管理装置31は、構内LAN24やインターネット25を介して他の装置と通信するための通信部を有する。通信部としては、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、モデムやルータ等の通信機器が用いられる。駐車場管理装置31として、例えばPC(Personal Computer)等の任意のコンピュータが用いられる。
本実施形態では、駐車場管理装置31のCPUが、ROM等に記憶された本技術に係るプログラムを実行することで、本技術に係る駐車場管理方法が実行される。具体的には、駐車場管理装置31のCPUが所定のプログラムを実行することで、図2に示す機能ブロックであるナンバー読取部32、取得部33、時間制御部34、通知部43が実現される。もちろん各ブロックを実現するためにIC(集積回路)等の専用のハードウェアが用いられてもよい。
ナンバー読取部32は、車両Cの撮影画像に基づいて、車両ナンバー(陸運支局名、分類番号、平仮名、4桁の一連番号等)を読み取ることが可能に構成される。
取得部33は、駐車場1内の混雑状況あるいは駐車場1から出場する車両Cの出庫時の渋滞状況に関する渋滞情報(混雑情報)を取得することが可能に構成される。
時間制御部34は、取得部33で取得された渋滞情報に基づいて駐車場1から出場する車両Cの出庫時の渋滞度を判定し、判定された渋滞度に基づいて、出場猶予時間を設定することが可能に構成される。時間制御部34は、駐車場内外の混雑状況に基づいて駐車場1の課金条件を制御する制御部として構成される。
通知部43は、上記渋滞情報および課金条件に関する情報を駐車場オーナ81等に通知し、あるいは当該通知に対する駐車場オーナ81等からの応答を受信することが可能に構成される。
プログラムは、例えば記録媒体を介して駐車場管理装置31にインストールされる。あるいは、インターネット25等を介してプログラムが駐車場管理装置31にインストールされてもよい。
記憶装置35は、駐車場管理システム30に関する種々の情報を記憶する。例えば記憶装置35には、会員登録DB、在車DB(図5参照)、割引DB、出場情報DB、オーナ情報DB、種々の履歴DB、管理情報DB等の、種々のDBが記憶される。また記憶装置35には、渋滞度判定及び猶予時間設定テーブル(図10、11、14参照)等の、種々のテーブル情報(TB)が記憶される。図2に示す例では、駐車場管理装置31と記憶装置35とが別個に構成されるが、両方の装置が一体的に構成されてもよい。
また、駐車場管理システム30はインターネット25を介して、駐車場管理機関70に通信可能に接続され、駐車場オーナ81、駐車場係員82の保有する携帯端末装置等とも、接続されている。駐車場管理機関70は、Web・APIサーバ71とメールサーバ72を有している。駐車場管理機関70は、他のDB及びDBサーバを有してもよい。
図3は、出口精算機の機能的な構成例を示すブロック図である。出口精算機18は、CPU45と、メモリ46と、これらとバス47を介して接続されるインターフェイス48とを有する。メモリ46は、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成され、種々のプログラムや種々の駐車データ等が記憶される。
インターフェイス48には、カードリーダライタ49、紙幣・硬貨管理部50、タッチパネル51、スピーカ52、領収証プリンタ53、インターフォン54、通信部55、車両検出部56、ゲート制御部57、及び画像取得部58が接続される。
各ブロックの動作は、プログラムに従って動作するCPU45により制御され、例えばタッチパネル51やスピーカ52による表示画面及び音声ガイドに基づいて、利用者は円滑に操作を行うことが可能である。またインターフォン54を利用することで、オペレーターと会話をすることが可能である。
カードリーダライタ49は、利用者に供給される駐車券の磁気ストライプに所定の情報を書き込み、また駐車券の表面に所定の情報を印字する。またカードリーダライタ49は、挿入口に挿入された駐車券から駐車券情報を読み込み、駐車時間及び割引情報をもとに、精算金額を算出する。
紙幣・硬貨管理部50は、紙幣・硬貨投入口に投入された紙幣等を受け取り、計数して投入金額を算出する。また精算により必要となった釣り銭等を計数し、紙幣・硬貨返却口(図示は省略)に払い出す。領収証プリンタ53は、領収証に精算額や日時等をプリントして発行する。
通信部55は、構内LAN24を介して、駐車場管理装置31等の他の装置と通信するための、モデム、ルータ、その他の通信機器である。通信部55は、有線及び無線のどちらを利用して通信するものであってもよい。
車両検出部56は、出場ゲート9に埋設されたループコイル22に接続される。車両検出部56は、ループコイルと協働することで車両検出センサとして機能し、検出結果を出力する。なお車両を検出する車両検出センサとして、例えば赤外線等を利用した光学式センサ等の他のセンサが用いられてもよい。
ゲート制御部57は、出場ゲート装置17に接続され、出場ゲート装置17の開閉動作を制御する。画像取得部58は、出場レーンカメラ19に接続され、出場レーンカメラ19により生成された撮影画像を取得する。
図1及び図2に示す事前精算機36及び37は、例えば図3に示す出口精算機18の車両検出部56、ゲート制御部57、及び画像取得部58以外のブロックを備えた構成により実現される。また駐車券発行機14は、例えば図3の示す出口精算機18の、紙幣・硬貨管理部50及び領収証プリンタ53の代わりに、ブランクの駐車券を発行するカードフィーダを備えた構成により実現される。もちろんこれに限定される訳ではない。
なお駐車券発行機14に備えられる車両検出部56は、入場ゲート5に埋設されるループコイル22に接続される。駐車券発行機14に備えられるゲート制御部57は、入場ゲート装置13に接続される。駐車券発行機14に備えられる画像取得部58は、入場レーンカメラ15に接続される。
[駐車場への入場時の動作]
図4は、駐車場への入場時における駐車場管理システムの処理例を示すフローチャートである。図5は、在車DBに格納される在車情報の一例を示す図である。
図6は、入場ゲート5に車両Cが進入した状態を示す模式図である。なお出場ゲート9に車両Cが進入した状態も、図6に示す状態と略同様となる。後に、出場ゲート9に車両Cが進入する状態について説明するために、図5では括弧書きで、出口精算機18等の出場ゲート9に含まれる構成要素の符号が記載されている。
まずループコイル22に接続された車両検出部56により、入場ゲート5への車両Cの進入が監視される(ステップ101)。車両Cが検出されると(ステップ101のYes)、入場ゲート5に進入した車両Cが、入場レーンカメラ15により撮影される(ステップ102)。図6に示すように、入場レーンカメラ15は、撮影範囲SRに車両Cのナンバープレート26が含まれる位置に設置される。
駐車券発行機14により、駐車券が発行される(ステップ103)。この際、発券ボタンを押す旨のガイダンスが出力され、利用者の発券ボタンを押す操作に応じて駐車券が発行されてもよい。
駐車券発行機14により、車両Cの撮影画像、駐車券番号、及び入場日時を含む入場情報が送信され、駐車場管理装置31により受信される(ステップ103、104)。図3に示すナンバー読取部32により、車両Cの撮影画像に基づいて、車両ナンバーが読取られる(ステップ105)。車両ナンバーの読取りのために、例えばナンバープレート26の部分を拡大する画像処理や、OCR(Optical Character Recognition)処理等の任意の技術が用いられてよい。
図5に示すように、読み取られた車両ナンバー、駐車券番号、及び入場日時が、在車情報27として、在車DBに記録される(ステップ106)。
図7は、駐車場の構内に設置される監視カメラの撮影画像の一例を示す模式図である。例えば図7Aに示すような複数の駐車スペース10(車両C)が、各々の駐車スペース番号が認識可能なように、同時に撮影される。
撮影された画像は、撮影日時と関連付けられて、各階の管制装置38~40を介して、駐車場管理装置31に送信される。なお動画像が撮影され、複数のフレーム画像の各々が駐車場管理装置31に送信されてもよい。あるいは。所定の間隔を空けて撮影された静止画像が、順次送信されてもよい。
図7Bに示すように、撮影画像を受信した駐車場管理装置31は、車両Cが入庫した駐車スペース10の前方部分、すなわち車両Cの前方部分を拡大して、ナンバープレート26の画像から車両ナンバーを読取る。読取られた車両ナンバーが、ステップ105にて登記録した車両ナンバーと一致する場合には、その車両Cが入庫した駐車スペース10の番号が在車DBに格納される。また撮影画像の撮影日時が、入庫日時として在車DBに格納される。
[駐車場からの退場時の動作]
利用者により事前精算機36(37)が操作され、事前精算が行われる場合を説明する。事前精算機36(37)に駐車券が挿入されると、駐車券番号に基づいて、入場日時等を含む在車情報27が、駐車場管理装置31に要求される。駐車場管理装置31から在車情報27を受信すると、入場日時及び現在日時に基づいて駐車料金が算出され、事前精算機36(37)のタッチパネル51に表示される。
駐車料金の精算が完了すると、精算日時と精算料金とを含む精算情報が、駐車場管理装置31に送信される。図5に示すように、駐車場管理装置31は、これらの情報を、在車DBに格納する。なお精算情報は、事前精算機36(37)に挿入される駐車券に、駐車券情報として格納される。
監視カメラ41から送信された撮影画像に基づき、事前精算が行われた車両Cの出庫が監視され、出庫した場合は出庫日時が算出される。算出された出庫日時は、在車DBに格納される。
図8は、事前精算後の駐車場からの出場時における駐車場管理システムの処理例を示すフローチャートである。出口精算機18の車両検出部56により、出場ゲート9への車両Cの進入が監視される(ステップ201)。
図6に示すように、車両Cが検出されると(ステップ201のYes)、出場ゲート9に進入した車両Cが、出場レーンカメラ19により撮影される。撮影された撮影画像は、駐車場管理装置31へ送信される(ステップ202)。
駐車場管理装置31により、出場ゲート9に進入した車両Cの撮影画像が受信され、車両ナンバーが読み取られる(ステップ203、204)。駐車場管理装置31は、読取った車両ナンバーを含む在車情報27から、駐車スペース番号、精算日時、及び精算料金を含む精算情報を取得する(ステップ205)。
駐車場管理装置31により、事前精算の猶予時間が設定される(ステップ206)。事前精算の猶予時間とは、駐車料金の事前精算の完了から、車両Cを駐車場1から出場させるまでの出場猶予時間のことである。この出場猶予時間が経過する前に車両Cを出場させない場合には、超過時間に応じた駐車料金が課金される。すなわち事前精算の猶予時間は、事前精算後に駐車料金の再徴収の必要のない猶予時間とも言える。出場猶予時間の設定処理については、後に詳しく説明する。
駐車場管理装置31により、精算情報及び出場猶予時間を含む事前精算情報が、出口精算機18に送信される(ステップ207)。出口精算機18は事前精算情報を受信し、超過時間を算出する(ステップ208、209)。例えば精算日時から猶予時間を加えた出場猶予日時と、現在日時とを比較する。現在日時が出場猶予日時を経過していない場合は、超過時間はゼロとなる。現在日時が出場猶予日時を経過している場合は、現在日時と出場猶予日時との差が、超過時間として算出される。
駐車料金の精算が済んでいるか否か判定される(ステップ210)。本実施形態では、出口精算機18に駐車券が挿入され、駐車券に格納された精算情報が読取られる。事前精算が済んでおり超過時間がゼロの場合には、精算済みと判定され(ステップ210のYES)、図3に示すゲート制御部57により、出場ゲート装置17が開けられる(ステップ211)。
超過時間が存在する場合には、超過時間に応じた駐車料金の精算が実行される(ステップ212)。なお事前精算が行われていない場合にも、ステップ210でNOとなり、ステップ212にて精算処理が実行される。出口精算機18での精算処理が完了すると、出場ゲート装置17が開けられる(ステップ211)。
車両Cの通過が監視され、車両Cの通過が検出されると出場ゲート装置17が閉じられる(ステップ213、214)。車両Cの通過を検出する方法は限定されず、例えば出場ゲート装置17の外側にループコイル等の車両検出機構が構成されてもよい。
出場ゲート装置17が閉じられると、出場日時や超過時間分の再精算の情報等を含む出場情報が、駐車場管理装置31へ送信される(ステップ214)。駐車場管理装置31は、出場情報に基づいて、別個の履歴DBに在車情報27や出場情報等を含む履歴情報を格納する(ステップ215)。同時に、在車DBからは出場した車両Cの在車情報27は削除される。
なお出口精算機18への駐車券の挿入を省略して、駐車場管理装置31から送信される事前精算情報に基づいて、ステップ208以降の処理が実行されてもよい。これにより利用者の操作が省略され、利便性が向上する。
[出場猶予時間の設定]
図9は、出場猶予時間の設定例を示すフローチャートである。本実施形態では、図2に示す取得部33により、駐車場1から出場する車両Cの出庫時の渋滞状況に関する渋滞情報が取得される(ステップ301)。図2に示す時間制御部34により、取得された渋滞情報に基づいて駐車場1から出場する車両Cの出庫時の渋滞度が判定される(ステップ302)。また時間制御部34により、判定された渋滞度に基づいて、出場猶予時間が設定される(ステップ303)。
なお時間制御部34により、渋滞度を判定することなく、取得された渋滞情報に基づいて出場猶予時間が適宜制御されてもよい。いずれにせよ、渋滞状況に応じてリアルタイムに出場猶予時間を設定することが可能である。
駐車場1から出場する車両Cの(出庫時の)渋滞状況に関する渋滞情報は、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関連する任意の情報を含む。例えば駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に影響を与え得る任意の情報が含まれる。以下、様々な渋滞情報を利用した猶予時間の設定方法の例をいくつか挙げる。
図10は、渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの一例を示す図である。渋滞度判定及び猶予時間設定テーブル(以下、単にテーブルと記載する)60aは、時間帯と、予想される渋滞度と、出場猶予時間とが関連付けられたテーブル情報である。
例えば過去における様々な時間帯に応じた渋滞度と、適正な出場猶予時間とをモニタリングすることで、予めテーブル60aを作成することが可能である。作成されたテーブル60aは、図2に示す記憶装置35に格納される。なおモニタリングを継続して、テーブル60aが逐次最新の状態に更新可能であってもよい。これにより高い精度での出場猶予時間の設定が可能となる。
図10に示す例では、「平日の16時~19時」に対して、渋滞度「中」が関連付けられ、猶予時間「10分」が設定される。「休日の15時~20時」に対して、渋滞度「混」が関連付けられ、猶予時間「15分」が設定される。
「特別時間帯」とは、駐車場1から出場する車両Cが非常に渋滞すると予想される時間帯である。例えば駐車場1の付近で、非常に多くの人が参加するイベントが定期的に開催される場合では、当該イベントの開催時間に応じた時間が、「特別時間帯」に設定される。もちろんこれに限定される訳ではない。「特別時間帯」に対しては渋滞度「特」が関連付けられ、猶予時間は「無制限」が設定される。
猶予時間「無制限」とは、事前精算の出場猶予時間が無制限に設定されることであり、事前精算の完了後、任意の時間が経過した場合でも、無料で駐車場1から車両Cを出場させることが可能となる。すなわち事前精算後に駐車料金の再徴収の必要のない時間が、無制限に続くことになる。
このように本実施形態では、判定された渋滞度が所定の状態となる場合に、出場猶予時間が無制限に設定される。渋滞度が所定の状態となる場合とは、例えば図10に示すように予め定められた状態になることを含む。また渋滞度が、増減するパラメータとして算出される場合には、渋滞度が所定の閾値(所定のレベル)を超える場合に、出場猶予時間が無制限に設定される。この渋滞度が所定の閾値を超えることは、渋滞度が所定の状態となる場合に含まれる。所定の状態や、所定の閾値は限定されず、任意設定されてよい。
渋滞度が「中」「混」「無制限」となる時間帯以外の時間帯に対しては、渋滞度「空」が関連付けられ、猶予時間「5分」が設定される。典型的には、通常の出場猶予時間が、渋滞度「空」に対して割り当てられる。
駐車場管理装置31の時間制御部34は、現在日時に基づいてテーブル60aを参照することで、出場猶予時間を設定することが可能である。現在日時、及びテーブル60aは、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。
またテーブル60aは、日時と予想される渋滞状況とが関連付けられた関連情報に相当する。時間制御部34は、日時と予想される渋滞状況とが関連付けられた関連情報に基づいて、出場猶予時間を設定することになる。
このようにテーブル60aを用いることで、出場する車両Cの渋滞状況を検出するための特別な検出装置等が不要となり、安価で容易に出場する車両Cの混雑度に応じた出場猶予時間の制御を実行することが可能となる。なおテーブル60aに含まれる時間帯、渋滞度、及び出場猶予時間等は一例であり、任意に設定されてよい。また他のパラメータが適宜採用されてもよい。
図11は、渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの他の例を示す図である。このテーブル60bでは、図1に示す外部道路Rの、主に下り車線R1の渋滞情報と、渋滞度と、出場猶予時間とが関連付けられる。
例えば図2に示すように、駐車場管理装置31は、インターネット25等を介して、VICS(登録商標)センタ等の交通情報を提供する機関やグーグル(登録商標)社から提供されているグーグルマップ等のライブ交通渋滞情報を提供しているウェブサイト等の交通情報提供機関90から、下り車線R1の渋滞情報やライブ交通情報に関する地図データを取得する。取得した渋滞情報に基づいてテーブル60bを参照することで、出場猶予時間を設定することが可能である。
図12は、交通情報提供機関90から提供される駐車場1近辺のライブ交通渋滞情報のマップ画像を概略的に示す図である。道路上に描かれる直線の種類(典型的には、線の色)が当該道路の渋滞度を示しており、例えば、実線(赤)が「混」、二点鎖線(橙)が「中」、破線(緑)が「空」に相当する。
なおテーブル60bに含まれる渋滞情報、渋滞度、及び出場猶予時間等は一例であり、任意に設定されてよい。また渋滞なし、混雑、所定の距離以上/以下の渋滞等とは異なる、
他のパラメータが適宜採用されてもよい。また上り車線R2の渋滞情報も考慮したテーブル60bが作成されてもよい。
テーブル60b及び外部道路Rの渋滞情報は、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。また外部道路Rの渋滞情報は、駐車場1の出場口8に接続する道路の渋滞状況の情報に相当する。
出場口8に接続する道路とは、出場口8に直接的に接続する道路に限定される訳ではなく、出場口8に間接的に接続される場合も含む。例えば出口6に接続される道路Rも、出場口8に接続される道路に含まれる。
また、例えば出場口8から最も近い交差点の渋滞情報等に基づいて渋滞度が判定され猶予時間が設定されてもよい。当該交差点に含まれる道路も、出場口8に接続される道路に含まれる。その他、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に大きく影響する道路や場所の渋滞情報が適宜用いられてよい。
図13は、出場猶予時間の設定の他の例を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートでは、図10に示すテーブル60aと、図11に示すテーブル60bとが併用されて、出場猶予時間が設定される。
まず現在日時が取得され、テーブル60aを参照することで、出場猶予時間が抽出される(ステップ401、402)。この場合の出場猶予時間は、仮の出場猶予時間とも言える。次に、周囲の交通情報の照会のため、駐車場管理機関70に対して通信がなされる(ステップ403)。駐車場管理機関70はWeb・APIサーバ71により、外部の渋滞情報サイト(交通情報提供機関90)にアクセスして、ライブ渋滞情報を取得する。
駐車場管理装置31(取得部33)は、駐車場管理機関70からライブ渋滞情報を取得し(ステップ404)、例えばライブ渋滞情報のマップの画像より、画像解析をおこない、対象道路R1の渋滞度を判定する(ステップ405)。
本実施形態では、猶予時間設定の動作は一定時間毎に繰り返されており、以前の渋滞度の判定に対して、渋滞度が変化したかどうかが判定される(ステップ406)。渋滞度が変化していればYESとなって、その変化が渋滞度増加かどうかを判定し(ステップ407)、増加であればYESとなって、駐車場オーナ81へその旨を通知する(ステップ408)。駐車場管理装置31は、その後、駐車場オーナ81の許可の受信を監視し(ステップ409)、許可を受信したらその旨の渋滞情報を送信する(ステップ410)。外部道路Rに渋滞がある場合で、且つ、渋滞度が増加した際には、駐車場オーナの許可を得たうえで、テーブル60bが参照され出場猶予時間(仮の出場猶予時間)が設定される(ステップ411)。
なお、外部道路の渋滞情報取得(ステップ404)、渋滞度増加の通知(ステップ408)及び渋滞情報の送信(ステップ410)は、駐車場管理機関70におけるWeb・AIPサーバ71及びメールサーバ72を介して行われるが、これらWeb・AIPサーバ及びメールサーバを駐車場管理装置31に設置することで、駐車場管理機関70を経由せずに、駐車場管理装置31単独で上記各ステップを実行することもできる。
あるいは、駐車場管理装置31が駐車場管理機関70として機能するように構成されてもよい。この場合、外部道路の渋滞情報取得(ステップ404)から渋滞情報の送信(ステップ410)までの各処理を駐車場管理機関70で実行してもよい。
図11に示すテーブル60bでは、渋滞なしの項目が設定されているので、ステップ406にて渋滞度の変化の有無を判定することなく、テーブル60bが参照されてもよい。逆に言えば、外部道路Rの渋滞情報を含むテーブル60bの作成について、渋滞有りの場合を前提としたテーブル情報が作成されてもよい。そして図13に示すように、渋滞の有無の判定とテーブル60bの参照とが段階的に実行されてもよい。
ステップ402で抽出された出場猶予時間と、ステップ411で抽出された出場猶予時間とが比較され、長い方の出場猶予時間が、最終的な出場猶予時間として設定されてもよい。なおステップ406にて渋滞度の変化がないと判定された場合は(ステップ406のNO)、ステップ402にて抽出された出場猶予時間が最終的な出場猶予時間として設定される。
このように複数の出場猶予時間の設定方法が組み合わされて実行されてもよい。これにより高い精度での出場猶予時間の設定が可能となる。
図14は、出場猶予時間の設定の他の例を示すフローチャートである。図15は、図14に示す処理で用いられる渋滞度判定及び猶予時間設定テーブルの一例を示す図である。図14及び図15に示す例では、単位時間当たりの車両Cの出庫数と、単位時間当たりの車両Cの出場数とが、駐車場1から出場する車両のC渋滞状況に関する渋滞情報として用いられる。
図14に示すように、現在日時が取得され、単位時間が設定される(ステップ501、502)。単位時間としては、例えば10分や15分といった時間が設定される。もちろんこれらの時間に限定される訳ではない。現在日時及び単位時間は、渋滞度を判定するための基準時間となり、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。
単位時間当たりの出庫数が算出される(ステップ503)。本実施形態では、在車DB及び履歴DBが参照され、現在日時から単位時間までの間に出庫日時が含まれる車両Cの数が、単位時間当たりの出庫数として算出される。もちろん他の方法が用いられてもよい。
単位時間当たりの出場数が算出される(ステップ504)。本実施形態では、履歴DBが参照され、現在日時から単位時間までの間に出場日時が含まれる車両Cの数が、単位時間当たりの出場数として算出される。もちろん他の方法が用いられてもよい。
単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数との差が算出される(ステップ505)。ここでは、台数の差の絶対値ではなく、マイナスの符号も含めて差が算出される。すなわち単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数とのいずれが多いかも含めて、台数の差が算出される。もちろん差がゼロの場合は、単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数とが互いに同じ値であることを意味する。
図15に示すテーブル60cを参照して、出場猶予時間が設定される(ステップ506)。図15に示す例では、単位時間当たりの出庫数が少ない場合に対して、渋滞度「空」が関連付けられ、猶予時間「5分」が設定される。単位時間当たりの出庫数が中間の値であり、かつ単位時間当たりの出庫数が単位時間当たりの出場数よりも多い場合に対して、渋滞度「中」が関連付けられ、猶予時間「10分」が設定される。
単位時間当たりの出庫数が多く、かつ単位時間当たりの出庫数が単位時間当たりの出場数よりも多い場合に対して、渋滞度「混」が関連付けられ、猶予時間「15分」が設定される。なお出庫数の「少」「中」「多」の判定は、例えば複数の閾値を設定することで実行可能である。
例えば単位時間を15分として、出庫数が15台/15分よりも少ない場合には、出庫数が少ないと判定される。出庫数が15台/15分よりも多く、25台/15分よりも少ない場合には、出庫数は中間の値として判定される。出庫数が25台/15分よりも多い場合には、出庫数が多いと判定される。もちろん他の判定方法が用いられてもよい。
また単位時間当たりの出庫数と、単位時間当たりの出場数との差について、単位時間当たりの出庫数が単位時間当たりの出場数よりも所定の台数(例えば5台)以上多い場合等を、判定条件として採用することも可能である。その他、任意の方法が用いられてよい。
出庫数に対して出場数が異常に少ない場合に対して、渋滞度「特」が関連付けられ、猶予時間は「無制限」に設定される。もちろん図15に示すテーブル60cは一例であり、単位時間当たりの出庫数/出場数やその差を用いた任意のテーブル60cが作成されてよい。
このようにして、単位時間当たりの出庫数/出場数やその差を用いることで、駐車場1内の渋滞状況をリアルタイムに反映した精度の高い出場猶予時間の設定が可能となる。すなわち渋滞度に応じて出場猶予時間を正確に細かく設定することが可能となる。この結果、例えば偶発的な事故等を原因とした渋滞が発生する場合にも、高い精度で適正に出場猶予時間を設定することが可能となる。
なお図14及び図15に示す例では、単位時間当たりの出庫数/出場数やその差を用いることで、これらか出場するであろう台数と、実際に出場している台数とを比較することが可能となり、精度の高い出場猶予時間の設定が実現されている。他のパラメータを用いて、これらか出場するであろう台数と、実際に出場している台数とが算出、あるいは推定されてもよい。これらか出場するであろう台数と、実際に出場している台数に関する情報も、駐車場1から出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報に含まれる。
また単位時間当たりの入場数や入庫数を用いて、テーブル60cが作成されてもよい。例えば入場の方が出場よりも多い傾向にあるといった状況や、入庫の方が出庫よりも多い傾向にあるといった状況に応じて、適宜出場猶予時間が設定されてもよい。
また、単位時間ではなく、基準時間からの累積時間における出庫数/出場数の変化等に基づいて、渋滞度の判定や猶予時間の設定が実行されてもよい。
以上、本実施形態に係る駐車場管理システム30では、出場する車両Cの渋滞状況に関する渋滞情報が取得され、当該渋滞情報に基づいて出場猶予時間の長さが制御される。これにより例えば事前精算後の車両Cの不正滞在や、渋滞等に起因して出場までに時間がかかってしまった車両Cから超過料金を徴収してしまうことを防止することが可能となる。この結果、駐車料金の事前精算に関する有効性・利便性を向上させることが可能となる。
また、いずれの場合でも、猶予時間の設定の変更に際して、駐車場オーナ81の許可を得たうえで、設定の変更、特に設定を初期設定から増加させる場合は、許可を得ることが有効である。
すなわち本実施形態の主旨は、猶予時間の設定が、広義には駐車場料金体系の算定方法(課金条件)の一部であり、これが自動で変更されることには、駐車場オーナ81が全面的には許可しない場合があるからである。駐車場オーナ81にとって、猶予時間の設定を変更したことで、本来徴収できるはずの追加料金を、取り損なってしまうとも考えられるからである。そこで、本実施形態では、設定の増加(猶予時間を延ばす、即ち料金的に安くすることに繋がる)する場合のみ、駐車場オーナ81に許可を得る動作としている。猶予時間を元に戻す、または段階的に短く変更する場合には、レポートの記載はあるとしても、駐車場オーナ81の許可の下に実行する必要はない。
図16は、駐車場オーナ81の携帯端末110に表示されるメール画面の一例である。メール画面には、外部道路の渋滞による混雑度の変化を説明するテキスト111と、猶予時間変更を許可するボタン112が表示され、駐車場オーナがボタン112を押下すると、図13のステップ409の許可受信がなされる。また、駐車場オーナ81は、メールテキストの内容を詳細に確認するために、ライブ交通情報リンクのボタン113を押下することで、図12に示すマップ情報にアクセスすることができる。このアクセス情報は、https://www・・・といったURL情報で、駐車場の緯度・経度情報と渋滞情報の有無を示すデータで構成されているので、このURLにアクセスすれば、図12の情報を携帯端末110より確認することができる。
<他の実施例>
駐車場オーナ91の許可を得る手順を、毎回発生時点で行うのは煩雑であり、駐車場オーナの了解の下であれば、外部道路Rの渋滞発生による、猶予時間の設定変更の履歴を、通知部43によりレポートとして作成して、提示する手段も有効である。また、その際には、渋滞発生の証拠として、図12の画像をキャプチャーして画像データとして記録し、レポートに添付しておくのも有効である。
なお、渋滞情報提供サイトの画像をキャプチャーして記録することで、当該サイトの地図の著作権を侵すことになるという懸念がある場合には、画像から渋滞情報を示す部分(該当する道路R1の線の色)を認識し、駐車場周辺の道路のみを予め作図した地図上に、別の表現方法、例えば図17に示すように、ハッチングの間隔(疎から密まで複数段階)で分けて渋滞状況を表現してもよい。特に、レポートに添付して提示する場合には、白黒画像データで作図するのが望ましい。
さらに、他の実施例として、駐車場1には駐車場管理機関70から派遣される係員82が従事することがある。特に、繁忙時間帯や休日など、車両の入退場をスムーズにおこなうために、駐車場1の出入口付近で利用者を補佐する業務を行うことが多い。この係員82に対しても、外部道路Rの渋滞情報の提供を行うことで、利用者からなぜ混んでいるか、等の問い合わせに応対する事も可能であり、有効な手段である。
加えて、渋滞情報にも表れない突発的な事象については、係員82から駐車場オーナ81に通知して許可を得る場面も想定される。その際に、図13で示した通知ルートを用いて、駐車場オーナ81の許可を得ることもできる。突発的な事象とは、例えば駐車場内あるいは駐車場出口での車両同士の接触事故や、外部道路での事故などが想定される。
通知部43において生成された渋滞情報の通知先は、駐車場オーナ81だけに限られず、場内や他の駐車場、あるいは駐車場を利用する一般ユーザであってもよい。
例えば、駐車場1が、異なる道路に接続される複数の出口を有する場合、取得された渋滞情報を場内に表示し、比較的空いている出口を案内するようにしてもよい。あるいは、これから駐車場1を利用するユーザへ当該駐車場の混雑状況を通知し、あるいは他の駐車場の利用を推奨するサービスを提供することも可能である。
また本技術に係る駐車場管理方法、及びプログラムは、単体のコンピュータにより実行されてもよいし、複数のコンピュータが連動することで実行されてもよい。すなわち渋滞情報の取得、出場猶予時間の設定等が、単体のコンピュータにより実行される場合と、各処理が異なるコンピュータにより実行される場合とのいずれもが有り得る。また所定のコンピュータによる各処理の実行は、当該処理の一部または全部を他のコンピュータに実行させその結果を取得することを含む。例えば本技術に係る駐車場管理方法及びプログラムは、クラウドコンピューティングの構成にも適用することが可能である。
本開示では、車両は、自動車に限定されず、自転車や二輪車(バイク)等も含む。また駐車場は、自転車や二輪車(バイク)等を駐車するための駐輪場を含む概念である。すなわち本技術は、自動車を駐車可能な駐車場に限定されず、駐輪場等にも適用可能である。
以上説明した本発明に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う駐車場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。
本発明の技術は、有料駐車場の駐車場管理システムとして利用できる。
C…車両
R…外部の道路
1…駐車場
3…入場レーン
4…入場口
5…入場ゲート
7…出場レーン
8…出場口
9…出場ゲート
10…駐車スペース
13…入場ゲート装置
14…駐車券発行機
15…入場レーンカメラ
17…出場ゲート装置
18…出口精算機
19…出場レーンカメラ
30…駐車場管理システム
31…駐車場管理装置
32…ナンバー読取部
33…取得部
34…時間制御部
35…記憶装置
36、37…事前精算機
43…通知部
60a~60c…渋滞度判定及び猶予時間設定テーブル
70…駐車場管理機関
81…駐車場オーナ

Claims (12)

  1. 駐車場内外の混雑状況に関する混雑情報を取得する取得部と、
    取得された前記混雑情報に基づいて、前記駐車場の課金条件を制御する制御部と、
    前記混雑情報および前記課金条件に関する情報を前記駐車場のオーナに通知する通知部と
    を具備する駐車場管理装置。
  2. 請求項1に記載の駐車場管理装置であって、
    前記取得部は、前記混雑情報として、前記駐車場から出場する車両の渋滞状況に関する渋滞情報を取得し、
    前記制御部は、取得された前記渋滞情報に基づいて、駐車料金の事前精算の完了から車両を出場させるまでの猶予時間を制御する
    駐車場管理装置。
  3. 請求項2に記載の駐車場管理装置であって、
    前記制御部は、取得された前記渋滞情報に基づいて、前記駐車場から出場する車両の渋滞度を測定し、判定された前記渋滞度に応じて前記猶予時間を設定する
    駐車場管理装置。
  4. 請求項2又は3に記載の駐車場管理装置であって、
    前記渋滞情報は、前記駐車場の出場口に接続する道路の渋滞状況の情報を含む
    駐車場管理装置。
  5. 請求項2~4のいずれか1つに記載の駐車場管理装置であって、
    前記渋滞情報は、外部の地図情報サイトの提供するリアルタイム渋滞情報を含む
    駐車場管理装置。
  6. 請求項5に記載の駐車場管理装置であって、
    前記通知部は、前記渋滞情報の画像または、リンクされるアドレス情報を通知する
    駐車場管理装置。
  7. 請求項2~6のいずれか1つに記載の駐車場管理装置であって、
    前記通知部は、予め作成した地図画像に、前記渋滞情報の画像の渋滞状況を示す画像から読み取った渋滞状況のレベルを、前記予め作成した地図画像に重畳させた画像情報として通知する
    駐車場管理装置。
  8. 請求項2~7のいずれか1つに記載の駐車場管理装置であって、
    前記制御部は、取得された前記渋滞情報に基づいて前記駐車場から出場する車両の渋滞度を判定し、判定された前記渋滞度が所定の状態となる場合に前記猶予時間を無制限に設定する
    駐車場管理装置。
  9. 請求項8に記載の駐車場管理装置であって、
    前記制御部は、判定された前記渋滞度が所定の閾値を超えた場合に、前記猶予時間を無制限に設定する
    駐車場管理装置。
  10. 請求項1~9のいずれか1つに記載の駐車場管理装置であって、
    前記制御部は、前記通知部による通知に応答して、許可を受信した場合に、前記課金条件を変更する
    駐車場管理装置。
  11. 駐車場内外の混雑状況に関する混雑情報を取得し、
    取得された前記混雑情報に基づいて、前記駐車場の課金条件を制御し、
    前記混雑情報および前記課金条件に関する情報を前記駐車場のオーナに通知する
    ことをコンピュータが実行する駐車場管理方法。
  12. 駐車場内外の混雑状況に関する混雑情報を取得するステップと、
    取得された前記混雑情報に基づいて、前記駐車場の課金条件を制御するステップと、
    前記混雑情報および前記課金条件に関する情報を前記駐車場のオーナに通知するステップと
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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