以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
[駐車場管理システム]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る駐車場の構成例を示す模式図である。
本実施形態に係る駐車場100は、管理人等が常駐していない無人の駐車場である。また駐車場100は、車両の入場/出場を規制するゲート装置や、未精算での出庫を規制するフラップ装置(ロック装置)等が設けられない所謂フラップレス式駐車場である。これにより管理コストや設備コストが十分に抑えられている。
図1に示すように、駐車場100は、道路Rに隣接する位置に設けられ、入場/出場口10と、複数の駐車スペース(車室)15とを有する。入場/出場口10は、道路Rとの境界に設けられる。駐車場100への車両5の入場、及び駐車場100からの車両5の出場は、同じ入場/出場口10を介して行われる。
以下、入場/出場口10を介して駐車場100の構内に入場する車両5を、同じ符号を用いて入場車両5と記載する場合がある。また駐車場100に入場して駐車スペース15に駐車した入場車両5を、駐車車両5aと記載する場合がある。また駐車場100の構内から入場/出場口10を向かって移動し、駐車場100から出場する車両を出場車両5b(図1では破線で図示)と記載する場合がある。もちろん、出場車両5bは、入場車両5に含まれる。また本実施形態において、入場/出場口10は、入場口及び出場口の両方に相当する。
複数の駐車スペース15は、駐車場100の構内に設けられる。本実施形態では、入場/出場口10から駐車場100の構内を見た場合に、右手側に構内の奥側に向かって並ぶように、6つの駐車スペース15が設けられる。なお、本実施形態では、各駐車スペース15を識別するための駐車スペースナンバー等の表記が不要である。この点においても、設備コストを低減することが可能である。
駐車場100を管理するために、本実施形態に係る駐車場管理システム20が構築される。本実施形態では、駐車場管理システム20は、カメラ25と、事前精算機30と、案内装置60とを有する。
図1に示すように、カメラ25は、入場/出場口10の付近に配置される。カメラ25は、一方向に並ぶ6つの駐車スペース15を含む領域を、上方側から撮影可能なように配置される。すなわちカメラ25は、撮影領域(画角)26が、6つの駐車スペース15を含むように設定されている。
図2は、カメラ25により撮影される撮影画像IM1の一例を示す模式図である。図2に示すように、手前側(入場/出場口10側)から奥側に向かって、6つの駐車スペース15の全てを撮影することが可能である。従って、6つの駐車スペース15に車両5が駐車された場合には、それらの駐車車両5aも撮影することが可能である。
なお本開示において、駐車スペース15を含む領域とは、必ずしも駐車スペース15の全体を含む領域に限定されず、駐車スペース15の一部を含む領域も含まれる。例えば駐車スペース15に物体が進入して停止する状態を検出可能であるのならば、駐車スペース15の一部が撮影領域26に含まれなくても、本技術は適用可能である。
以下、カメラ25により撮影される、6つの駐車スペース15を含む駐車場100内の領域を、駐車場領域90と記載する。
本実施形態では、カメラ25により、駐車場領域90の動画像(ライブ画像)が撮影される。動画像のフレームレートは限定されず、任意に設定されてよい。例えば通常は1秒間30枚のフレームレートで撮像し、夜間等では、フレームレートを下げて撮影するといったことも可能である。また、移動している物体である移動体を検出するまでは低フレームレートで撮影し、移動体が検出された後に移動体が停止するまでは高フレームレートで撮影するといったことも可能である。
なお本開示において、画像は、静止画像及び動画像の両方を含む。所定の間隔で撮影される複数の静止画像を用いて、本技術を実施することも可能である。
カメラ25としては、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)センサやCCD(Charge Coupled Device)センサ等のイメージセンサを備えるデジタルカメラが用いられる。その他の種類のカメラが用いられてもよい。本実施形態において、カメラ25は、撮像部として機能する。
事前精算機30は、入場/出場口10の付近に配置される。事前精算機30の駐車スペース15に対向する面が、操作面31として構成されており、タッチパネルや紙幣・硬貨の投入口(図示せず)等が設けられている。駐車場100の利用者は、タッチパネル等を介して事前精算機30を操作することで、事前精算を行うことが可能である。
案内装置60は、入場/出場口10の付近に配置される。案内装置60の道路Rとは反対側の面(駐車場100の構内側の面)が、通知情報の案内面61として構成されている。
事前精算機30及びカメラ25は、互いに通信可能に接続されており、カメラ25により撮影された動画像(動画像データ)は、事前精算機30に送信される。また事前精算機30及び案内装置60も、互いに通信可能に接続されており、事前精算機30により案内装置60の動作が制御される。もちろんカメラ25と案内装置60とが、互いに通信可能に接続されてもよい。
各装置の接続方法は限定されない。例えばケーブル等を用いて各装置が接続される。あるいは、WiFi等の無線LAN通信や、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信が利用されてもよい。また、駐車場100に構築された構内LANを介して、各装置が互いに接続されてもよい。
また事前精算機30の内部にカメラ25が内蔵されてもよい。すなわち事前精算機30とカメラ25とが一体的に構成されてもよい。本実施形態において、事前精算機30は、駐車場管理装置として機能する。
図3は、事前精算機30の構成例を示すブロック図である。事前精算機30は、CPU32と、メモリ33と、これらとバス34を介して接続されるインターフェイス35とを有する。メモリ33は、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成され、種々のプログラム、種々の駐車データ、及びカメラ25により撮影された撮影画像(動画像)や出口カメラ64(図5、6参照)により撮影された撮影画像(動画像)等が記憶される。また、HDD等の大規模データストレージ機器を撮影画像の記憶に用いてもよい。
本実施形態において、メモリ33は、駐車場100に入場する入場車両5を識別可能な識別情報であるIDと、入場車両5についての駐車料金の精算に関する精算情報77(図16参照)とを関連付て記憶する記憶部として機能する。
インターフェイス35には、カードリーダライタ36、紙幣・硬貨管理部37、領収証プリンタ38、タッチパネル39、スピーカ40、インターフォン41、通信部42、画像取得部43、及び入出力部44が接続される。各ブロックの動作は、本技術に係るプログラムに従って動作するCPU32により制御される。
カードリーダライタ36は、操作面31に形成されたカード挿入口(図示せず)に挿入される種々のカードに対して、情報の読取り/書込みを実行する。本実施形態では、カードリーダライタ36は、クレジットカードによる駐車料金の精算や、サービス券の読取り等に用いられる。
なお本実施形態では、駐車券の発行は行われない。これにより、駐車券の管理コストを抑えることが可能となる。また利用者にとっては、駐車券の紛失や破損等を心配することなく、駐車場を利用することが可能となり、高い利便性が発揮される。
紙幣・硬貨管理部37は、紙幣・硬貨投入口に投入された紙幣等を受け取り、計数して投入金額を算出する。また精算により必要となった釣り銭等を計数し、紙幣・硬貨返却口(図示せず)に払い出す。なお、電子マネーによる決済に限定した運用の場合、紙幣・硬貨管理部37に換えて、電子マネーリーダが搭載される。もちろん、これらが併用されてもよい。
領収証プリンタ38は、領収証として精算額や日時等をレシート紙にプリントして発行する。
通信部42は、ネットワーク1を介して、外部の装置等と通信するための通信モジュールであり、例えばWiFi等の無線LANモジュールや、所謂3Gや4Gといった移動通信システム対応モジュールが用いられる。
なお、ネットワーク1は、例えばインターネットや広域通信回線網等により構築される。その他、任意のWAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)等が用いられてよく、ネットワーク1を構築するためのプロトコルは限定されない。
本実施形態では、通信部42を介して、駐車場の管理サービスを提供する管理会社のオペレータが使用する端末と、事前精算機30とが通信可能に接続される。例えば利用者は、インターフォン41を用いることで、管理会社のオペレータと通話することが可能である。
画像取得部43は、カメラ25により撮影された駐車場領域90の動画像を取得する。例えば、カメラ25に接続されたケーブル等が接続されるI/F(インタフェース)や、カメラ25との間の無線通信に用いられる無線通信モジュール等が、画像取得部43として機能し得る。なお、ネットワークカメラ(IPカメラ)を用いる場合には、通信部42の機能により、画像取得部43が実現される場合もあり得る。
入出力部44は、案内装置60との間で、制御信号や動画像等を入力/出力するためのブロックである。例えば、ケーブル等が接続されるI/Fや、無線通信に用いられる無線通信モジュール等が、入出力部44として機能し得る。また通信部42の機能により、入出力部44が実現される場合もあり得る。
タッチパネル39は、表示と入力の機能を備えており、種々の画像や種々のGUI(Graphical User Interface)等を表示することが可能である。本実施形態では、カメラ25により撮影された駐車場領域90の動画像に基づいて、駐車場領域90の画像(動画像及び静止画像の両方を含む)を表示することが可能である。例えば駐車場領域90の現在の画像がリアルタイムで、タッチパネル39に表示される。あるいは、駐車場領域90の過去の画像を表示することも可能である。
利用者は、タッチパネル39に対して、種々のタッチ操作を入力することが可能である。タッチパネル39は、利用者により入力されるタッチ操作を受付け、タッチ操作に応じた操作信号をCPU32に送信する。本実施形態において、タッチパネル39は、表示部及び受付部として機能する。
スピーカ40は、精算操作などをガイダンスする際の音声出力部として機能する。またスピーカ40によりアラーム音等が出力されてもよい。
図4は、事前精算機30のソフトウェア構成例を示すブロック図である。事前精算機30は、移動体検出部45、移動体追跡部46、移動体ID制御部47、選択用画像生成部48、表示制御部49、精算対象決定部50、駐車料金算出部51、案内装置制御部52、出場車両検出部53、精算情報取得部54、及び不正車両判定部55を有する。
これらのブロックは、事前精算機30のCPU32が、本技術に係るプログラムを実行することで構成され、本技術に係る駐車場管理方法が実行される。なお各ブロックを実現するためにIC(集積回路)等の専用のハードウェアが用いられてもよい。
移動体検出部45は、カメラ25により撮影された駐車場領域90の動画像に基づいて、移動する物体である移動体を検出することが可能である。また移動体検出部45は、検出された移動体の外形を検出することも可能である。
移動体の外形の検出精度は限定されず、正確な外形の形状が検出可能であってもよいし、ある程度の外形の形状が検出可能であってもよい。検出された移動体のおおよその中心点(重心点)と、それを囲むおおよその外形の形状が検出可能であれば、本技術を適用することが可能である。
移動体追跡部46は、移動体検出部45により検出された移動体を追跡することが可能である。移動体検出部45及び移動体追跡部46により、例えば駐車場領域90に進入する移動体を検出し、その移動体がその後どのように移動したかを追跡することが可能である。当然のことながら、移動している移動体の停止や、停止している物体の移動の開始等も検出することが可能である。
本実施形態では、移動体検出部45及び移動体追跡部46により、駐車場領域90に入場した移動体を入場車両5として検出することが可能である。また駐車スペース15に進入して停止する移動体を、駐車スペース15に駐車した駐車車両5aとして検出することが可能である。駐車スペース15に進入して停止する移動体を進入移動体と言うことも可能である。本実施形態では、進入移動体が、駐車車両5aとして検出される。
なお、6つの駐車スペース15のうちどの駐車スペース15に進入して停止したかが判別可能であってもよいし、判別可能でなくてもよい。例えば、6つの駐車スペース15の全体領域を1つの駐車スペースとして見做すことも可能である。6つの駐車スペース15の全体領域内に進入して停止した移動体は、進入移動体(駐車車両5a)として検出される。
移動体を検出する方法、移動体の外形を検出する方法、移動体を追跡する方法は限定されず、任意のアルゴリズム等が用いられてもよい。例えば動画像に対して、特徴量検出、エッジ検出、マッチング等の任意の画像解析技術を実行することで、移動体の検出、外形の検出、移動体の追跡を実行することが可能である。
移動体ID制御部47は、検出された移動体に対して、識別情報であるIDの付与や削除等を実行可能である。例えば移動体ID制御部47により、駐車スペース15に進入して停止する進入移動体(駐車車両5a)に対してIDが付与される。もちろんこれに限定されず、移動体検出部45及び移動体追跡部46により検出される任意の移動体(入場車両5)にIDを付与することも可能である。
IDとしては、例えば多数桁の番号が用いられる。例えば駐車場100を利用する車両の数の1ヵ月分といった数字を、順次繰り返して付与するようにすればよい。一例として00001から99999までの数字とし、最初に付与されるのはID00001とする。IDの番号は月単位で管理され、例えば月が替われば、またID00001から用いられる。もちろんこれに限定されず、入場車両5を識別可能な識別情報として任意の情報が用いられてよい。
選択用画像生成部48は、移動体検出部45及び移動体追跡部46により検出された駐車車両5aを選択するための選択用画像IM4(図13参照)を生成する。選択用画像は、タッチパネル39に表示される駐車場領域90の現在の画像に含まれる駐車車両5aを選択するための画像である。生成された選択用画像は、駐車車両5aに付与されているIDに関連付けられて記憶される。すなわち選択用画像は、選択対象となる駐車車両5aと関連付けられて記憶される。
表示制御部49は、タッチパネル39による画像表示を制御することが可能である。例えば表示制御部49により、カメラ25により撮影された駐車場領域90の現在の画像が表示される。その際に、表示制御部49は、選択用画像生成部48により生成された選択用画像を、現在の画像に重畳させて表示させることが可能である。その他、任意の画像表示が実現されてもよい。
精算対象決定部50は、精算処理を実行する対象を決定する。本実施形態では、入場車両5を検出しIDを付与することで、駐車スペース15に駐車する駐車車両5aの駐車料金が算出される。すなわち、移動体が入場車両5であるとして、精算処理が進められる。
駐車料金算出部51は、精算対象決定部50により決定された駐車車両5aの駐車料金を算出する。本実施形態では、駐車車両5a(進入移動体)が検出された動画像の撮影時刻、及び駐車車両5aに付与されるIDに基づいて、駐車車両5aの駐車料金が算出される。
案内装置制御部52は、案内装置60の動作を制御するための制御信号を生成する。生成された制御信号は、入出力部44を介して、案内装置60に出力される。制御信号の具体的なフォーマット等は限定されず、任意に設定されてよい。
出場車両検出部53は、出場車両5bを検出する。不正車両判定部55は、車両5が不正車両であるか否かを判定する。精算情報取得部54は、メモリ33に構築される精算情報DBから、精算情報77(図16参照)を取得する。これらのブロックの動作については、後に詳しく説明する。
本実施形態において、移動体ID制御部47により、入場車両5の画像に基づいて識別情報を付与する付与部が実現される。駐車料金算出部51により、選択された駐車車両5aの駐車料金を算出する算出部が実現される。案内装置制御部52により、案内装置60による通知情報の出力を制御する出力制御部が実現される。出場車両検出部53及び精算情報取得部54により、出場車両5bの精算情報77(図16参照)を、出場車両5bのIDに基づいて取得する取得部が実現される。不正車両判定部55により、出場車両5bが不正車両であるか否かを判定する判定部が実現される。
図5は、本実施形態に係る案内装置60の外観例を示す模式図である。図5に示すように、案内装置60は、筐体62、ディスプレイ63、出口カメラ64、及びスピーカ65を有する。
筐体62は、全体的に直方体の柱形状からなり、駐車場100の入場/出場口10の付近に設置される。また筐体62は、駐車場100から出場する出場車両5bから見て、右側に設置される。筐体62の駐車場100の構内側の面が、案内面61となる。筐体62の形状や高さ等は限定されず、適宜設計されてよい。
ディスプレイ63は、案内面61の上部側の領域に設置される。ディスプレイ63は、テキスト画像やGUI等の種々の画像を表示することで、種々の通知情報を出力することが可能である。本実施形態では、出場車両5bについての駐車料金に関する種々の通知情報が出力される。
出口カメラ64は、案内面61のディスプレイ63の下方に設置される。出口カメラ64は、筐体62の位置から構内の駐車場領域90の動画像を撮影することが可能である。出口カメラ64は、駐車場100の構内から入場/出場口10に移動する出場車両5bを撮影可能である。出口カメラ64としては、例えばCMOSセンサ等のイメージセンサを備えるデジタルカメラが用いられる。その他の種類のカメラが用いられてもよい。本実施形態において、出口カメラ64は、撮像装置として機能する。
なお図1に示すカメラ25と、案内装置60の出口カメラ64が連動することで、駐車場領域90が撮影されてもよい。またカメラ25により撮影された動画像、及び出口カメラ64により撮影された動画像に基づいて、移動体(入場車両5)の検出や追跡が実行されてもよい。この場合、出口カメラ64は、本技術に係る撮像部としても機能することになる。以下、カメラ25及び/又は出口カメラ64により撮影された動画像を、カメラ25等により撮影された動画像と記載する場合がある。
スピーカ65は、案内面61の出口カメラ64の下方に設置される。スピーカ65は、音声出力により、種々の通知情報を出力することが可能である。本実施形態では、出場車両5bについての駐車料金に関する種々の通知情報が出力される。
図6は、案内装置60の構成例を示すブロック図である。案内装置60は、CPU66と、メモリ67と、これらとバス68を介して接続されるインターフェイス69とを有する。メモリ67は、例えばROM、RAM、フラッシュメモリ等から構成され、種々のプログラム等が記憶される。
インターフェイス69には、ディスプレイ63、出口カメラ64、スピーカ65、及び入出力部70が接続される。入出力部70は、事前精算機30との間で、制御信号や動画像等を入力/出力するためのブロックである。入出力部70として任意の構成が採用されてよい。各ブロックの動作は、事前精算機30から出力される制御信号に基づいて、CPU66により適宜制御される。
ディスプレイ63を、案内表示用ディスプレイと言うことも可能である。テキスト、静止画像、動画像(映像)等の任意の画像表示により、種々の通知情報を出力することが可能である。またスピーカ65を、案内音声出力用スピーカと言うことも可能である。警報音、音声メッセージ等、任意の音声出力により、種々の通知情報を出力することが可能である。
画像表示及び音声出力の複数の形態にて通知情報を出力可能であるので、利用者へ情報を確実に通知することが可能である。もちろん画像表示及び音声出力のいずれか1つのみが実行可能な構成でもよい。
本実施形態では、案内装置60により、出場車両5bについての駐車料金の精算に関する通知情報を出力する出力部が実現される。案内装置60を、情報出力装置と言うことも可能である。
図7~図9は、事前精算機30及び案内装置60の処理例を示すフローチャートである。まず駐車場100に車両5が入場する際の処理例を説明する。
移動体検出部45により、移動体(入場車両5)が検出されるか否か監視される(ステップ101)。移動体が検出された場合は(ステップ101のYES)、新規の移動体であるか否かが判定される(ステップ102)。
ステップ102の判定は、検出された移動体に既にIDが付与されているか否かにより実行される。検出された移動体に既にIDが付与されている場合には、新規の移動体ではないと判定される。検出された移動体にIDが付与されていない場合には、新規の移動体であると判定される。
例えば既に駐車場100の駐車スペース15に駐車している駐車車両5aが移動したとする。この場合、ステップ101にて、当該車両が移動体として検出される。その車両5については、すでに駐車スペース15に駐車する際にIDが付与されているので、新規の移動体には該当しない。
一方、入場/出場口10から新たに車両5が入場した場合には、カメラ25等により撮影された動画像に基づいて、入場車両5が移動体として検出される。当該車両にはIDは付与されていないので、新規の移動体として判定される。
駐車場100に車両5が入場する際には、ステップ102はYESとなり、移動体ID制御部47により、検出された移動体にIDが付与される(ステップ103)。そして、移動体追跡部46により、IDが付与された新規の移動体が追跡される(ステップ104)。すなわち駐車場100に入場した入場車両5が追跡される。
追跡している移動体(入場車両5)が出場車両5bとして検出されたか否かが判定される(ステップ105)。本実施形態では、カメラ25等により撮影された動画像に基づいて、出場車両検出部53により、入場/出場口10に向かって移動する移動体が、出場車両5bとして検出される。例えば、入場/出場口10に十分に近づいた場合に、その移動体を出場車両5bとして検出してもよい。出口カメラ64により撮影された移動体のサイズ等に基づいて、入場/出場口10に十分に近づいたか否かを判定することができる。
移動体が出場車両5bとして検出されない場合は(ステップ105のNO)、移動体が停止するか否かが判定される(ステップ106)。移動体が停止していない場合は(ステップ106のNO)、ステップ105に戻る。移動体が停止した場合には、停止情報が生成されて記憶される(ステップ107)。
図10は、停止情報の一例を示す模式図である。例えば停止情報72は、メモリ33に構築される停止情報DBに格納される。
本実施形態では、移動体が停止した場合には、駐車スペース15に車両5が駐車したと見做して、停止情報72が生成される。すなわち移動体が駐車場領域90が停止した場合には、当該移動体が、駐車スペース15に進入して停止する駐車車両5a(進入移動体)として検出される。
図10Aに示すように、停止情報72は、ステップ103で付与された「ID」と、移動体が停止した「停止時刻」とを含む。なお本実施形態では、新規の移動体が検出された場合に、その新規の移動体を入場車両5としてIDが付与される。これに代えて、駐車スペース15に停止したタイミング、すなわち駐車車両5a(進入移動体)として検出されたタイミングで、IDが付与されてもい。
停止時刻は、移動体の停止が検出された動画像(フレーム画像)の撮影時刻に基づいて、算出される。例えば、停止した状態が撮影されたフレーム画像の撮影時刻が、停止時刻として算出される。移動体の停止時刻は、駐車車両5a(進入移動体)が検出された時刻に相当する。すなわち、移動体の停止時刻は、駐車車両5a(進入移動体)が検出された動画像(フレーム画像)の撮影時刻に基づいて算出された時刻とも言える。もちろん、駐車車両5a(進入移動体)の停止が検出された動画像の撮影時刻が停止時刻として用いられてもよい。
図10Bに示すように、停止情報として、「入場時刻」や「停止位置」等が記憶されてもよい。入場時刻は、例えばカメラ25等により撮影された駐車場領域90の動画像内に、車両5が出現したタイミング(そのときの撮影時刻)に基づいて算出される。
停止位置は、動画像(フレーム画像)内の、駐車車両5aの位置に基づいて、判定可能である。例えば、6つの駐車スペース15を識別する識別情報が、停止位置として記憶されてもよい。あるいは、駐車スペース15とは異なる領域に停止している旨の情報が記憶されてもよい。この場合、不正利用の可能性があるので、警戒フラグ等も合わせて記憶されてもよい。
ステップ105にて、入場車両5が停止することなく、出場車両5bとして検出されるとする。例えば駐車場100に入場したが、満車等の理由により、車両5を駐車することなく駐車場100から出場する場合等が考えられる。あるいは、駐車スペース15を探している間に、入場/出場口10に近づいた場合等も考えられる。
この場合、ステップ105のYESから図8のフローチャートに進む。そして、案内装置制御部52により、案内装置60が制御される。
図11は、案内装置60のディスプレイ63に表示される通知情報の例を示す模式図である。ステップ201では、出場車両5bの検出に応じて、図11に示す、一旦停止画像74aが表示される。本実施形態では、「一旦停止して下さい」のテキスト画像を含む一旦停止画像74aが表示される。またスピーカ65により、同様の内容の音声が出力される。
利用者に一旦停止を促す一旦停止画像74aや同様の内容の音声は、出場車両5bを誘導するための誘導情報に相当し、通知情報に含まれる。なお具体的な文言(文章)等は限定されず、任意の文言が採用され画像表示及び音声出力が実行されてよい。この点は、他の通知情報の出力についても同様である。
次に出場車両5bについて、停止情報72が記憶されているか否かが判定される(ステップ202)。入場車両5が停止することなく出場車両5bとして検出された場合には停止情報72は生成されていないので、ステップ202のNOから図9に示すフローチャートに進む。
図9に示すように、出場車両5bが入場/出場口10を通過して、駐車場100から出場したか否かが監視される(ステップ301)。本実施形態では、出口カメラ64の画像から出場車両5bが完全に消失した場合には、出場車両5bが通過したと判定される。これに限定されず、別途通過センサを配置して、その出力により判定されてもよい。
出場車両5bが通過した場合は(ステップ301のYES)、図7のステップ103にて付与されたIDがリセットされる(ステップ302)。リセットされたIDは、次に新規の移動体(入場車両5)が検出された場合に使用される。
出場車両5bが通過していない場合(ステップ301のNO)、出場車両5bが駐車場100の構内に向かって後退したか否かが監視される(ステップ303)。すなわち本実施形態では、検出された出場車両5bが、そのまま入場/出場口10を通過するか、それとも構内に向かって後退するか否かが監視される。出場車両5bの後退は、カメラ25等の画像に基づいて判定可能である。
出場車両5bが構内に向かって後退した場合は、ステップ303のYESから図7のステップ104に戻り、出場車両5bが再度入場車両5として追跡される。そして入場車両5が停止した場合には、停止情報72が生成されて記憶される。
図12は、タッチパネル39に表示される精算開始画面P1の一例を示す模式図である。例えば、利用者が事前精算機30に近づくと、自動的にタッチパネル39に精算開始画面P1が表示される。
精算開始画面P1は、「画像から選択」キーと、「出場後」キーとを含む。「画像から選択」キーは、事前精算を実行する際に選択されるキーである。「画像から選択」キーが選択されると、精算対象となる駐車車両5aを決定するための車両決定画面に切替えられる。「出場後」キーは、駐車場100から車両5を出場させた後に、駐車料金の精算を行う際に選択されるキーである。
図13及び図14は、車両決定画面P2の一例を示す模式図である。車両決定画面P2は、図12に示す「画像から選択」キーが選択されることで表示される。
車両決定画面P2は、車両決定画像IM2を含む。車両決定画像IM2は、カメラ25により撮影された駐車場領域90の現在の画像IM3に、選択用画像IM4が重畳された画像である。本実施形態では、表示制御部49により、駐車車両5aを選択するための選択用画像IM4が、現在の画像IM3に重畳されて表示される。
図13Aに示すように、本実施形態では、選択用画像IM4として、駐車車両5aを囲む外枠画像75が表示される。外枠画像75は、移動体検出部45により検出された駐車車両5a(進入移動体)の外形に基づいて生成される。表示制御部49は、駐車車両5aに付与されたIDに基づいて、選択用画像IM4をメモリ33から読み出す。そして、駐車車両5aを囲むように、外枠画像75を現在の画像IM3に重畳させて表示させる。
また車両決定画面P2は、「次へ」のキーと、「精算する車の枠をタッチしてください。」の文字を含む。別途、スピーカ40から音声で出力してもよい。
利用者は、外枠画像75の枠部分及び枠内のいずれかに対してタッチ操作を行うことで、外枠画像75により囲まれている駐車車両5aを選択することが可能となる。このように選択用画像IM4を重畳させることで、利用者は自分の車両5を容易に選択することが可能となり、高い利便性が発揮される。
なお図13Aに示すように、複数の外枠画像75が互いに重なるように表示される場合もあり得る。この場合は、例えば、枠内の重複している領域へのタッチ操作は無効として、重なっていない部分へのタッチ操作が促される。あるいは、枠内の重複している領域のタッチ位置に基づいて、近い方の駐車車両5aが選択されてもよい。その他、任意の設定が採用されてよい。
図13Bに示すように、現在の画像IM3に複数の駐車車両5aが含まれる場合には、複数の駐車車両5aの各々を選択するための選択用画像IM4(外枠画像75)が、互いに異なる色で表示されてもよい。これにより、複数の外枠画像75が重なって表示される場合でも、各々の外枠画像75を識別することが容易となり、自分の車両5を容易に特定することが可能となる。これにより利便性が向上する。
このように、現在の画像IM3に複数の駐車車両5aが含まれる場合に、複数の駐車車両5aの各々を選択するための、互いに異なる形態の複数の選択用画像IM4が表示されてもよい。互いに異なる形態として、色、形状、サイズ、表示態様(点滅等)等が異なるような構成が挙げられる。もちろんこれに限定されず、任意の構成が採用されてよい。
その他、選択用画像IM4の具体的な構成は限定されず、任意に設定されてよい。例えば選択用画像IM4として、数字やアルファベット等の文字を含む画像が外枠画像75の近傍に吹き出し状に表示される。そして、タッチ操作に代えて、テンキー等の釦が押されることで、駐車車両5aが選択されてもよい。
図14に示すように、本実施形態では、外枠画像75へのタッチ操作が行われると、その外枠画像75が強調表示される。これにより、利用者は、どの車両5を選択したかを容易に把握することが可能となり、利便性が向上する。
なお、外枠画像75を強調表示する方法は限定されない。予め決められた色で表示する、点滅させる、選択された外枠画像75のみを表示して他の外枠画像を消す、等、任意の強調表示が実行されてよい。
また外枠画像75へのタッチ操作が行われると、車両決定画面P2の下方に、「この車を精算する」キーと、「戻る」キーが表示される。「この車を精算する」キーが選択されると、車両5の選択が完了する。
本実施形態において、外枠画像75へのタッチ操作は、外枠画像75に関連付けられた駐車車両5aへのタッチ操作に相当する。そして、駐車車両5aへのタッチ操作に基づいて、現在の画像IM3に含まれる車両5を選択する操作が受付けられる。もちろん「この車を精算する」キーの選択等の、最終確認用の操作が省かれてもよい。
タッチパネル39に表示された現在の画像IM3に含まれる駐車車両5aを選択する操作が受付けられると、精算対象決定部50により、精算対象となる駐車車両5aが決定される。そして、駐車料金算出部51により、駐車料金が算出される。
本実施形態では、図10に例示する停止情報72に含まれる停止時刻と、現在時刻との差分に応じて駐車料金が算出される。上記したように、停止時刻は、駐車車両5aが検出された動画像(フレーム画像)の撮影時刻に基づいて算出された時刻とも言える。停止時刻として、駐車車両5aが検出された動画像の撮影時刻がそのまま用いられてもよい。また、現在時刻としては、車両5の選択操作を受付けた際の現在の画像IM3の撮影時刻を用いることも可能である。
すなわち本実施形態では、選択された駐車車両5aに付与されているIDに基づいて、当該駐車車両5aが検出された動画像の撮影時刻と、現在の画像IM3の撮影時刻との差分に応じて、駐車料金を算出することが可能である。
なお、図10Bに示す入場時刻に基づいて駐車料金が算出されてもよい。この場合、入場時刻と、現在時刻との差分に応じて駐車料金が算出される。入場時刻は、入場車両5が検出された動画像(フレーム画像)の撮影時刻に基づいて算出された時刻とも言える。入場時刻として、入場車両5が検出された動画像の撮影時刻がそのまま用いられてもよい。
選択された駐車車両5aに付与されているIDに基づいて、当該駐車車両5aが入場車両5として検出された動画像の撮影時刻と、現在の画像IM3の撮影時刻との差分に応じて、駐車料金を算出することが可能である。
図15は、タッチパネル39に表示される精算操作画面P3の一例を示す模式図である。図14に示す車両決定画面P2内の「この車を精算する」キーが選択され、精算対象となる車両5の選択が完了すると、精算操作画面P3に切替えられる。利用者が精算操作画面P3を見ながら支払い完了させると、事前精算処理は終了する。
図16は、精算情報の一例を示す模式図である。例えば精算情報77は、メモリ33に構築される精算情報DBに格納される。
本実施形態では、精算情報77は、「ID」「入場時刻」「入庫時刻」「精算完了フラグ」「精算金額」「精算時刻」「未精算フラグ」「不正フラグ」「追徴料金」「未精算料金」「出場時刻」を含む。精算情報77は、例えば駐車スペース15に入場車両5が駐車したタイミング、すなわち駐車車両5aが検出され図6に示す停止情報72が生成されたタイミングで生成される。もちろん、そのタイミングで確定していない情報はブランクとなる。
通常は「入庫時刻」は、図6に示す「停止時刻」と同じ時刻となる。利用者により事前精算処理が行われると、「精算完了フラグ」が付与され、「精算金額」及び「精算時刻」が記憶される。なお、精算情報として記憶される情報は限定されず、支払種別(現金、クレジットカード、電子マネー)等の情報が記憶されてもよい。
なお、図6に示す停止情報72と、図10に示す精算情報77とを包括的に含む情報が、IDと関連付けられて生成されてもよい。
なお、駐車料金の算出について、車場100への車両5の入場に応じて入場情報が生成され、入場情報に基づいて駐車料金が算出される。このように表現することも可能である。例えば図10に例示する停止情報72や図16に例示する精算情報77は、入場情報の一例と言える。入場情報として記憶される具体的な情報は限定されず、駐車料金を算出するための任意の情報が適宜記憶されてよい。例えば、「ID」「停止時刻」「未精算フラグ」が記憶された入場情報、「ID」「入場時刻」「未精算フラグ」が記憶された入場情報、あるいは「ID」「停止時刻」「入場時刻」「未精算フラグ」が記憶された入場情報等が生成されてもよい。
図7に戻り、駐車場100から車両5が出場する際の処理例を説明する。
駐車車両5aが駐車スペース15から移動すると、図7のステップ101にて移動体が検出される。駐車スペース15から移動する移動体は、既にIDが付与されている。従って新規な移動体ではないので、ステップ102はNOとなり、駐車料金が精算済みか否か判定される(ステップ108)。すなわち駐車料金の精算が完了しているか否かが判定される。
本実施形態では、精算情報取得部54により、車両5に付与されているIDに基づいて、図16に示す精算情報77が取得される。取得され精算情報77が参照され、精算完了フラグが付与されているか否かに基づいて、駐車料金の精算が完了しているか否かが判定される。
事前精算が完了している場合は(ステップ108のYES)、動画像に基づいて、車両5が追跡される(ステップ104)。そして、出場車両5bとして検出された場合、図8に示すフローチャートに進む。
なお駐車車両5aの駐車スペース15からの移動が検出された動画像(フレーム画像)の撮影時刻が、精算情報77に含まれる精算時刻から所定の時間経過している場合には、追徴料金を発生させてもよい。精算時刻から、駐車スペース15からの移動が検出された時刻に対応する駐車料金が、追徴料金として算出される。そして、未精算フラグとともに、追徴料金が精算情報77に記憶される。
また車両5が、駐車場領域90内にて再び停止した場合には、停止情報72が更新される(ステップ107)。例えば図10Aに示す停止情報72の場合には、とくに新たな情報を記憶させることなく、停止情報72が継続して記憶される。もちろん、再度停止した旨の情報(フラグ等)が記憶されてもよい。図10Bに示す停止情報72の場合には、停止位置の変更に応じて、変更後の停止位置が記憶される。停止位置を変更して再び停止した旨の情報が記憶されてもよい。ただし、入場時刻は上書きされない。
なお一度移動した後、所定の時間以上の停止が検出された場合に、停止情報72を更新するといった処理が実行されてもよい。
駐車料金の精算が完了していない場合(ステップ108のNO)、駐車場100の未精算での利用と判定し、精算情報77に未精算フラグが付与される(ステップ109)。動画像に基づいて、車両5が追跡される(ステップ104)。そして、出場車両5bとして検出された場合、図8に示すフローチャートに進む。
ステップ105にて出場車両5bが検出されると、利用者に一旦停止を促す一旦停止画像74aの表示、及び音声出力が実行される(ステップ201)。そして出場車両5bについて、停止情報72が記憶されているか否かが判定される(ステップ202)。駐車スペース15に駐車された駐車車両5aについては停止情報72が生成されているので、YESとなり、精算情報取得部54により、出場車両5bの精算情報77が取得される(ステップ203)。精算情報は、出場車両5bのIDに基づいて取得される。
取得された精算情報77を参照して、駐車料金が精算済みか否か判定される(ステップ204)。すなわち駐車料金の精算が完了しているか否かが判定される。
駐車料金の精算が完了している場合は(ステップ204のYES)、図11に示す、出場誘導画像74bが、案内装置60のディスプレイ63に表示される(ステップ205)。本実施形態では、「ありがとうございました 気をつけてお帰り下さい」のテキスト画像を含む出場誘導画像74bが表示される。またスピーカ65により、同様の内容の音声が出力される。
駐車料金の精算済みの利用者に出場を促す出場誘導画像74bや同様の内容の音声は、出場車両5bについての駐車料金の精算に関する通知情報に含まれる。また出場口からの出場を促す旨の通知情報に相当する。また出場誘導画像74bや同様の内容の音声は、出場車両5bを誘導するための誘導情報にも相当する。なお本開示では、駐車料金の精算に関する通知情報は、駐車料金の精算に関する任意の通知情報を含む。
このように駐車料金の精算が完了している場合に出場を促す旨の通知情報が出力される。これにより正常に精算した利用者は出場を促す旨の情報により、自身の精算結果に誤りがないことが確認できるため、安心して出場することができる。この結果、利用者の利便性を向上させることが可能となる。
なお、図11に示す出場誘導画像74eのように、入場/出場口10の周辺の交通状況に基づいて、通知情報が出力されてもよい。図11に示す出場誘導画像74eは、「ただ今道路が混雑しています 気をつけてお帰り下さい」のテキスト画像を含む。そしてスピーカ65により、同様の内容の音声が出力される。もちろん、出場誘導画像74eや同様の内容の音声は、出場口からの出場を促す旨の通知情報に相当し、また出場車両5bを誘導するための誘導情報にも相当する。
このように案内装置60に、通行誘導灯の機能を備えさせることも可能である。これにより、車両5を出場させる利用者は、案内装置60をより注目するので、精算情報に関する通知情報をさらに容易に気付かせることが可能となる。
出場車両5bが入場/出場口10を通過して、駐車場100から出場したか否かが監視される(ステップ206)。出場車両5bが通過した場合は(ステップ206のYES)、出場情報が記憶される(ステップ207)。本実施形態では、精算情報77に「出場時刻」等が、出場情報として記憶される。なお出場車両5bに付与されていたIDは、精算情報77の管理に用いられるため、次の新規の移動体に対して使い回されることはない。
案内装置60のディスプレイ63の画面表示がオフにされ、処理が終了する(ステップ208)。
駐車料金の精算が完了していない場合は(ステップ204のNO)、不正車両判定部55により、出場車両5bが不正車両であるか否か判定される(ステップ209)。本実施形態では、不正車両判定部55により、出場車両5bが不正条件を満たすか否かが判定される。
不正条件としては、例えば未精算フラグの有無が挙げられる。図7のステップ109にて未精算フラグが付与された場合には、その車両は不正車両であると判定される。この場合、ステップ109にて未精算フラグに代えて、不正フラグが付与されてもよい。
また不正条件として、未精算フラグが付与されており、かつ、図11に示す未精算通知画像74cの表示が、過去に実行されている、という条件が挙げられる。未精算通知画像74cの表示がすでに実行されている出場車両5bについては、不正車両と判定され不正フラグが付与される。
一方、過去に一度も未精算通知画像74cが表示されていない出場車両5bについては、不正車両とは判定されない。例えば事前精算を行う際に、他の車両5を選択してしまうといった誤操作等により、意図しない誤精算をしてしまう場合もあり得る。この場合、図7のステップ109にて未精算フラグが付与されることになる。
このような車両をいきなり不正車両としてしまうと、意図せずに未精算の状態となっている車両のドライバーにとって、いきなり犯罪者的に扱われることとなり、駐車場100に対して不信感を持ってしまい、利用率の低下の原因ともなる。従って、最初の未精算状態については、不正車両と判定されないような不正条件を適宜設定することで、そのような問題を防止することが可能となる。
その他、不正車両を判定するための不正条件として、任意の条件が設定されてよい。
出場車両5bが不正車両ではなないと判定された場合(ステップ209のNO)、図11に示す、未精算通知画像74cが、案内装置60のディスプレイ63に表示される(ステップ210)。本実施形態では、「料金が未精算です 精算機で精算してから出場して下さい」のテキスト画像を含む未精算通知画像74cが表示される。またスピーカ65により、同様の内容の音声が出力される。
駐車料金が未精算の利用者に、駐車料金の精算が完了していない旨を通知する未精算通知画像74cや同様の内容の音声は、出場車両5bについての駐車料金の精算に関する通知情報に含まれる。また駐車料金の精算が完了していない旨の通知情報に相当する。
このように駐車料金の精算が完了していない場合に、その旨の通知情報が出力される。これにより、意図せずに誤精算してしまった利用者は、未精算状態だということが解かるため、問合せや再精算等の処置を行うことが可能となる。この結果、非常に高い利便性が発揮される。
出場車両5bが不正車両であると判定された場合(ステップ209のYES)、図11に示す、不正記録画像74dが、案内装置 のディスプレイ63に表示される。本実施形態では、「不正車両と記録します」のテキスト画像を含む不正記録画像74dが表示される(ステップ211)。またスピーカ65により、同様の内容の音声が出力されると同時に、警報音が出力される。
不正利用の利用者に、不正車両である旨を通知する不正記録画像74dや同様の内容の音声は、出場車両5bについての駐車料金の精算に関する通知情報に含まれる。また出場車両5bは不正車両である旨の通知情報に相当する。
このように不正車両である旨を直接的に通知することが可能であるので、不正利用を企てていた利用者が考えを改めるきっかけとなり得る。また不正利用の件数も抑えることが可能となる。また他の利用者に対して、信頼性を高めることが可能となる。
出場車両5bが入場/出場口10を通過して、駐車場100から出場したか否かが監視される(ステップ212)。出場車両5bが通過した場合は(ステップ212のYES)、不正出場情報が記憶される(ステップ213)。本実施形態では、精算情報77に「不正フラグ」「未精算料金」「追徴料金」「出場時刻」等が、不正出場情報として記憶される。また、未精算料金や追徴料金が確定した旨の情報(フラグ等)が、不正出場情報として記憶されてもよい。
案内装置60のディスプレイ63の画面表示がオフにされ、処理が終了する(ステップ208)。
本実施形態では、不正車両と判定されていない未精算状態の車両であっても、そのまま車両5を出場させた場合には、不正フラグが付与され不正出場記録が記憶される。これに限定されず、不正車両と判定されていない未精算状態の車両については、不正フラグは付与さえず、不正車両ではない未精算状態の車両である旨を含む未精算出場情報が、不正出場情報とは異なる情報として記憶されてもよい。
出場車両5bが通過していない場合(ステップ212のNO)、出場車両5bが駐車場100の構内に向かって後退したか否かが監視される(ステップ214)。
出場車両5bが構内に向かって後退した場合は(ステップ214のYES)、案内装置60のディスプレイ63の画面表示がオフにされ、図7のステップ104に戻り、入場車両5が追跡される。そして車両5が、駐車場領域90内にて再び停止した場合には、停止情報72が更新される(ステップ107)。
利用者により、精算開始画面P1、車両決定画面P2、精算操作画面P3を介して、駐車料金の精算が行われた場合には、精算情報77から未精算フラグが削除される。不正フラグについては、削除されてもよいし、精算済みの情報とともにそのまま記憶されてもよい。すなわち不正フラグが付与されたことがある旨の情報が記憶されてもよい。
例えば、誤精算によって他人の車両5の精算をしてしまった場合でも、出場時にすぐに気がつけば、その利用者は車両を後退させて、再度正常な精算を行うことができる。そして例えば、別途管理会社等にその旨を通知して、後日支払を変換してもらうとか、その場で支払額の相殺を受けるといった対応をとることが可能となる。
そのために、図11に示すように、管理会社の連絡先電話番号を含む、管理会社情報画像74fを、案内装置60のディスプレイ63に表示させることも有効である。また誤精算に気がついた利用者に対して、出口で出口カメラ64を用いて領収証のコードを読み取り、精算を振替える振替処理機能を追加することも可能である。振替処理を行った場合、必ずしも正規の車両の精算と誤精算の金額が合致しない場合があり得るが、その差額がもし過少支払いの場合には、後日徴収し、過大支払の場合には、後日精算額から差し引くのも有効である。
出場車両5bの出場後、精算情報77は、例えば通信部42を介して、駐車場100の管理サービスを提供する管理会社の管理センタに送信され管理される。例えば未精算フラグや不正フラグが付与された駐車車両5aの画像も一緒に送信される。
管理センタでは、受信した画像に基づいて、ナンバープレート情報として、車両ナンバー(陸運支局名、分類番号、平仮名、4桁の一連番号等)を読み取り、車両5を特定する。その特定情報に基づいて、追徴料金や未精算料金の請求処理が実行される。例えば、他の駐車場や本駐車場に再度同一ナンバープレートの車両が入場した際に、未精算料金等を請求するようにしてもよい。
図17は、出場後精算画面P4の一例を示す模式図である。出場後精算画面P4は、図12に示す「出場後」キーが選択されることで表示される。出場後精算画面P4は、車両5を駐車場100から出場させた後に、駐車料金を精算する際に操作される画面である。
例えば、車両5を出場させた後に、利用者が事前精算機30の位置まで来て精算を行う場合がある。あるいは、車両5を新たに入場させて、過去分の駐車料金の精算を行う場合もあり得る。この場合、過去分の駐車料金の精算、及び現在発生している駐車料金の精算を区別して精算操作を行うことが可能である。
図17に示すように、出場後精算画面P4には、過去の日時情報を入力するための複数のキーが設けられる。本実施形態では、ざっくりと過去の時点を指定可能である「5分前に駐車」キーと、「30分前に駐車」キーと、「1時間前に駐車」キーとが設けられる。また出場後精算画面P4には、「 月 日 時」の欄に、過去の時点を直接的に入力可能なテンキーが設けられる。
利用者は、これらのキーを用いて、5分前、30分前、1時間前、あるいは特定の時点を、過去の日時情報として入力する。そうすると、事前精算機30のタッチパネル39には、指定された時点における駐車場領域90の画像が、選択用画像とともに表示される。すなわち指定された時点における駐車場領域90の画像を含む、車両決定画面P2が表示される。
利用者により車両5が選択されると、選択された車両5についての駐車料金が算出される。そして、タッチパネル39には、精算操作画面P3が表示される。利用者が精算操作画面P3を見ながら支払い完了させると、過去分の駐車料金の精算処理は終了する。
このように本実施形態では、利用者の過去の日時情報の入力に応じて、入力された過去の日時情報に対応する時期に駐車した駐車車両5aの駐車料金が算出される。もちろん過去の日時情報の入力方法は限定されず、任意の方法が採用されてよい。
過去分の駐車料金の精算が行われた場合には、精算情報77から未精算フラグが削除される。不正フラグについては、削除されてもよいし、精算済みの情報とともにそのまま記憶されてもよい。そして精算情報77は、管理会社の管理センタに送信され更新される。
このように車両5を出場させた後の過去分の駐車料金を精算可能とすることで、利用者にとって未払いを精算する機会が与えられて、容易に未払いの後精算を行うことが可能となり、高い利便性が発揮される。
以上、本実施形態に係る駐車場管理システム20では、入場車両5を識別可能なIDと、入場車両5についての精算情報77とが関連付られて記憶される。そして出場車両5bが検出された場合には、検出された出場車両5bの精算情報77に基づいて、案内装置60により駐車料金の精算に関する種々の通知情報が出力される。これにより駐車場100を利用する利用者の利便性を向上させることが可能となる。
上記した特許文献1に記載の無人駐車場の管理システムでは、中央処理装置で駐車料金を支払わずに車両移動したことを検知した際には一旦警告音声が出力される。そのまま駐車場から出場した不正車両であると判断した場合は、個体識別カメラで車両ナンバーとドライバーの顔を撮像して、管理者に通報する。このような管理方法では、利用方法が解からない利用者にとっては、極めて不親切なものであり、意図せずに未精算で出場した車両のドライバーを全て犯罪者的に扱うようでは、駐車場の利用率も低下せざるを得ない。
上記した特許文献2に記載の駐車場管理システムでは、事前精算時に自車両の車両ナンバーを入力して精算する操作が必要である。従って、利用者が自車両ナンバーを失念した場合や、煩雑な操作に慣れない場合等では、他の利用者が精算出来ずに待たなければならず、事前精算機に精算待ちの行列ができることもあり得る。
そのために、利用者は急いで自車両を複数の選択肢から選択して精算するようになるが、意図せずに他人の車両(概ね似たナンバーの車両)の精算をしてしまい、そのまま出場するといったことも発生しやすい。この場合、未精算出場となってしまい、後日料金が徴収されるが本人はそのような認識が無いため、駐車場に対して不信感を持つか、管理者に説明を求めるようになる。管理側でもこのような対応に人件費を割かねばならず、かえって費用がかかることも考えられる。
また、上記特許文献1及び2では、使用方法を間違えて出場した利用者のみならず、間違えられた利用者は、駐車中の車両一覧から自身の車両情報(精算情報)が消去されている場合には、正常な精算ができずに係員に対応を相談するなどの処置が必要となる。
さらに、正常に精算して出場する車両の利用者についても、出口にゲート装置等の通行を制限する装置を配備せずに駐車場を運用する場合、利用者は出口から一般道に出る際に一旦ゲート装置前で停車する強制力が無いため、一時停止義務に反して出場する可能性が増し、事故に繋がりかねない。加えて、利用者は自分がちゃんと精算したことが処理されたかどうか、不安に思うこともある。
結果として、特許文献1及び2に記載の技術により、無人駐車場を運用することは難しく、常駐する係員を配備するのであれば、折角ゲート装置を不要として低減させた設備導入費用が、人件費で逆に高く付いてしまうことになる。
本技術に係る駐車場管理システム20では、車両ナンバーを撮像して文字読み取りする必要がないため、画像処理が容易で、カメラ25の解像度も低くて済み、一台のカメラで広範囲の撮像が可能であるので、設置コストが低減される。また、利用者は車室番号や車両ナンバーを入力する必要がなく、自車両を選択するという簡単な操作で精算処理が可能である。従って、利用者にとって非常に高い利便性が発揮される。また、車両ナンバー入力のためのテンキー入力装置等を省略することも可能であるので、設置コストの低減になる。また、入場/出場口に車両の通過を制限するゲート装置を設置しないので、設置コストのさらなる低減になる。さらに、駐車券を利用しないので、駐車券の発行に係る装置を必要とせずに設置コストが低減され、使いきりの駐車券が不要となってランニングコストの低減にもなる。
また、利用者が事前精算時の操作をミスして他人の車両の精算をおこなった場合や、事前精算機の操作を失念して出場した場合でも、案内装置60による通知情報の出力により、簡単にその状況を利用者に知らしめることができ、利用者にとって利便性の高い駐車場の管理システムが実現される。
通知情報により、精算を間違えた利用者がすぐにその間違いに気づき、対応をとることが可能である。従って、間違えて精算された車両の精算情報は、すぐに正常な状態に復帰される。従って間違えられた利用者が正常な精算ができずに係員に対応を相談するといったことを防止することが可能となる。
<第2の実施形態>
本発明に係る第2の実施形態の駐車場管理システムについて説明する。これ以降の説明では、上記の実施形態で説明した駐車場管理システム20における構成及び作用と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化する。
本実施形態では、事前精算機30により、カメラ25等により撮影された動画像に基づいてナンバープレート情報として車両ナンバーが読み取り可能である。例えばナンバープレートの部分を抽出する画像処理や、OCR(Optical Character Recognition)処理等の技術により、車両ナンバーの読取りは実現可能である。もちろん他の任意の技術が用いられてもよい。
読み取られた車両ナンバーは、入場車両5を識別可能な識別情報として、入場車両5に付与される。従って、本実施形態では、図10に示す停止情報72や図16に示す精算情報77が、車両ナンバーに関連付られて生成され記憶される。
図18は、本実施形態に係る精算開始画面P5の一例を示す模式図である。本実施形態では、自分の車両5を選択する方法として、現在の駐車場領域90の画像からの選択と、車両ナンバーの入力との、2つの方法が選択可能である。「画像から選択」キーを選択すると、図13等に示す車両決定画面P2が表示される。「ナンバーで選択」キーを選択すると、車両ナンバーを入力するための画面が表示される。
車両ナンバーを入力すると、例えば入力された車両ナンバーの駐車車両5aが強調された駐車場領域90の画像が表示され、この車両でOKかどうかの確認操作が求められる。利用者によりOKの旨が入力されると、駐車料金が算出され精算操作画面P3が表示される。もちろん、このような精算方法に限定される訳ではない。
図19は、本実施形態に係る不正記録画像95の一例を示す模式図である。図19に示す不正記録画像95は、「ナンバー○○YYY-W-VVVVは不正車両と記録します」のテキスト画像を含む。スピーカ65により、同様の内容の音声が出力されると同時に、警報音が出力される。車両ナンバーを特定して不正車両である旨を直接的に通知することが可能であり、不正利用の件数を抑えることが可能となる。
出口カメラ64により撮影された動画像に基づいて、出場車両5bの車両ナンバーを読み取ることが可能である。これにより、車両決定画面P2を介して選択され事前精算された車両5と、出場車両5bとが同じ車両であるかどうかを判定することが可能である。これにより、利用者の誤精算であるか否かを判定することが可能となる。誤精算である場合、案内装置60により、未精算である旨とともに誤精算である旨の通知情報が出力されてもよい。
また誤精算であると判定された場合、誤精算フラグを立てて出場情報を記録する一方で、在車データから当該車両ナンバーで情報を削除せず、その車両ナンバーでの精算を受付けるようにしてもよい。
また不正条件の設定についても、車両ナンバーに基づいた種々の条件を設定することが可能である。例えば、過去に未精算フラグや不正フラグが付与された車両については、未精算状態の発生に応じて不正フラグが付与される。過去に未精算フラグや不正フラグが付与されたことのない車両については、最初の未精算状態については、不正フラグは付与しない。このような設定が考えられる。
案内装置60に出口カメラ64が設けられているので、未精算車両の車両ナンバーを確実に撮像することができ、意図的に未精算で出場する利用者の不正を抑止することができる。
このように、入場車両5を識別可能な識別情報として、ナンバープレート情報を用いることが可能である。その他、車両に搭載されたETC(Electronic Toll Collection)車載器を識別するWCN(Wireless Call Number)が、識別情報として用いられてもよい。また車両の外形や車体番号等が識別情報として用いられてもよい。
<その他の実施形態>
本発明は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態で実現することができる。
上記では、入場口と出場口とが共通である場合を説明した。これに限定されず、入場口と出場口とが別個に設けられてもよい。例えば中央分離帯を挟んで、入場口及び出場口が並んで配置されてもよい。あるいは、まったく別の場所に、入場口及び出場口がそれぞれ設けられてもよい。いずれの場合にも、出場口の付近に案内装置を設置することで、本技術を適用することが可能である。
図1のような比較的小規模な駐車場等において、カメラ25と出口カメラ64とを兼用することも可能である。その場合、案内装置60は単にディスプレイ63とスピーカ65とで構成すればよく、必ずしも車路の片側に立設された筐体62に内蔵されていなくても構わない。例えば入場/出入口10の車路の上部にガントリーを設置し、車路の真上にディスプレイやスピーカ等を配置してもよい。
比較的大規模な駐車場等において、構内から出場口を繋ぐつなぐ出場レーンが構成されている場合もある。この場合、出場レーンに進入する車両が、出場車両として検出されてもよい。また案内装置が、出場レーンの途中に配置されてもよい。
図4に例示する事前精算機30の機能(ブロック)の全部又は一部を、案内装置60に備えさせてもよい。
上記では、未精算で出場する車両5に未精算フラグが付与された。一方、月末に一括で駐車料金を精算するような運用が行われる場合には、通常の駐車料金として算出されて記憶されてもよい。すなわち駐車車両5aが検出された動画像の撮影時刻と、駐車車両5aの駐車スペース15(駐車場領域90)からの移動が検出された動画像の撮影時刻との差分に応じて、不正ではない通常の駐車料金が算出されてもよい。これにより利用者は、特別な操作等を行うことなく、車両5を駐車場100に駐車することが可能となり、高い利便性が発揮される。
図13及び図14で例示した車両決定画面P2において、各車両5を選択するための外枠画像75が、順に表示されてもよい。そして、利用者の選択したい車両5に外枠画像75が表示されたタイミングで決定釦等を押すことで、車両5を選択することが可能である。すなわち受付部として、タッチパネル39に代えて、あるいは加えて、物理的な釦等が設置されてもよい。
なお、本技術の実施例は、車両として普通自動車や大型自動車等を問わず、または二輪車も併用で管理することもできる。例えば駐車場の駐車スペースの一部が二輪車用のスペースであって、利用者はそのエリアを撮像するカメラの画像から、自分の二輪車を選択して、停止時間と現在時間の差異から、駐車時間を算出して、駐車料金を算出するようにしてもよい。
すなわち本開示では、車両は、自動車に限定されず、自転車や二輪車(バイク)等も含む。また駐車場は、自転車や二輪車(バイク)等を駐車するための駐輪場を含む概念である。すなわち本技術は、自動車を駐車可能な駐車場に限定されず、駐輪場等にも適用可能である。
加えて、移動体の監視は車両に限らず、人物に各々IDを付与してその移動を監視してもよい。乗車人数のデータを採取して利用者の行動を分析したり、不審者の行動を監視して、自動的に警備会社に通報するようにすることも可能である。
上記では、駐車スペースが枠線により規定されている場合を例に挙げた。これに限定されず、駐車スペースが規定されていない場合にも、本技術は適用可能である。例えば、大型車両や軽自動車が混在する駐車場等で、予め枠線をペイントされておらずとも、従来のように車室番号を入力する操作がないため、駐車スペースの概念そのものが不要である。
さらに、普段は空地になっている土地を、イベント等の際に臨時の駐車場として活用する場合や、舗装されていない土地を駐車場とする場合等、駐車スペースの枠線を敷設することが不可能であっても、カメラや事前精算機を設置することで、本技術の駐車場管理装置による運用が容易に開始される。
上記では、事前精算機が、本技術に係る駐車場管理装置として機能する場合を例に挙げた。これに限定されず、本技術に係る駐車場管理装置が、他の位置に配置され、インターネット等を介して、駐車場に配置された各装置と通信可能に接続されてもよい。すなわち本技術に係る駐車場管理システムが、インターネット等を介して接続された複数の装置により実現されてもよい。また表示部や受付部が事前精算機に備えられる場合に限定されず、駐車場に配置された他の装置に備えられてもよい。
また本技術に係る駐車場管理方法、及びプログラムは、単体のコンピュータにより実行されてもよいし、複数のコンピュータが連動することで実行されてもよい。すなわち識別情報及び精算情報の記憶、精算情報の取得、通知情報の出力制御、駐車料金の算出等が、単体のコンピュータにより実行される場合と、各処理が異なるコンピュータにより実行される場合とのいずれもが有り得る。また所定のコンピュータによる各処理の実行は、当該処理の一部または全部を他のコンピュータに実行させその結果を取得することを含む。例えば本技術に係る駐車場管理方法及びプログラムは、クラウドコンピューティングの構成にも適用することが可能である。
各図面を参照して説明した駐車場、事前精算機、案内装置、画像、移動体の検出/追跡フロー、通知情報の出力フロー等はあくまで一実施形態であり、本技術の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変形可能である。すなわち本技術を実施するための他の任意の構成やアルゴリズム等が採用されてよい。
以上説明した本発明に係る特徴部分のうち、少なくとも2つの特徴部分を組み合わせることも可能である。すなわち各実施形態で説明した種々の特徴部分は、各実施形態の区別なく、任意に組み合わされてもよい。また上記で記載した種々の効果は、あくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果が発揮されてもよい。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車両場管理システムもまた本発明の技術思想に含まれる。