JP2019020625A - 排気装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】風量の異なる2個のファンを安定して回転させることで排熱効率の低下を抑制し、唸り音の発生も防止可能な排気装置を提供すること。【解決手段】画像形成装置内において定着部の上方空間の熱せられた空気をダクト内に取り込んで装置の外に排出する排気装置において、ダクト内の排出口近傍に、ファン61とこれよりも風量の小さいファン62が配置されている。ウォームアップ中に定着ローラーの温度がTbよりも低い場合、風量の大きい方のファン61のみを動作させ、Tb以上になると、ファン61を一旦回転停止(時点t5)させてから、風量の小さい方のファン62を起動し(時点t6)、ファン62が安定回転に至ると、ファン61を起動して(時点t7)、以降、ファン61、62の両方を動作させる。【選択図】図6

Description

本発明は、複写機、プリンターおよび複合機等の画像形成装置内の空気を画像形成装置の外に排出する排気装置および画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置には、ヒーターにより加熱される定着部材を用いて、記録シート上に形成されたトナー像などの未定着画像を熱定着する。この構成では、ヒーターの熱により画像形成装置内の温度が上昇し易く、装置内の例えば現像部の温度が上がり過ぎると、現像部内のトナーが凝固するなどの現像性の低下を招くおそれがある。
装置内の温度が上がり過ぎるのを防ぐため、装置内で温度上昇した空気をファンによりダクト内に取り込み、取り込んだ空気をダクトにより画像形成装置の外に排出して装置内を冷却する排気装置が搭載されている。
特開2007−322470号公報 特開2011−33337号公報
排気装置の構成として、風量(単位時間当たりに移動させる空気量:m3/h)の異なる2個のファンを一つの空気通路、例えばダクトの排出口近傍に配置して、装置内の温度が電源オン直後など低いときに一方のファンだけを動作させ、プリント実行中などかなり高いときに両方のファンを動作させるように切り替えれば、比較的安価な小型の2個のファンを組み合わせて、画像形成装置内の温度変化に応じた排熱を効率的に行える。
この2個のファンを動作させる場合、各ファンの起動開始タイミングをずらせば、同時起動としたときに大きな起動電流が両方のファンに同時に流れて電源の電流負荷が一時的に極端に増大することを回避できる。
ところが、起動の開始順を風量の大きいファン(大ファン)、小さいファン(小ファン)の順とすれば、次のような問題が生じる。すなわち、小ファンの起動時には、既に大ファンが回転していることになり、これから立ち上がろうとする小ファンの回転に大ファンの空気流が影響を及ぼし易い。
例えば、大ファンと小ファンがダクトの長さ方向に対して直交する方向に並列配置されている構成では、ダクト内において空気流の流れる方向に大ファンの吸気口側と小ファンの吸気口側とが同じ空間を共有する。従って、ダクト内において、動作中の大ファンの吸気口側の空間の方が吹出口側の空間よりも気圧が下がると、まだ起動を開始していない駆動停止中の小ファンの吸気口側の空間の気圧も下がることが生じる。
この気圧の低下により、駆動停止中の小ファンにおいて吹出口から内部の回転羽根を通って吸気口に向かって空気が流れる逆流が生じると、回転羽根を介して小ファンのモーターに、駆動時とは逆方向に回転させようとする力が生じる。この力は、小ファンのモーターの起動時の負荷になって、回転駆動力を弱める。
モーターの起動時には、特にファンの回転羽根やこれに動力を伝える回転軸やギアなどの各部材のイナーシャが作用するので、回転に要するエネルギーが多く必要になる。
大ファンの起動後、小ファンが起動する場合、その小ファンの起動時にイナーシャとは別に上記の負荷が加算されることになり、その負荷の分、回転に必要なエネルギーが奪われてしまい、小ファンの起動時における立ち上がりの回転が不安定になり易い。この起動時における小ファンの回転の不安定により、小ファンが定格回転速度に達するまでの時間が長くなり、風量不足になって排熱効率が低下したり、小ファンの回転羽根の風切音がユーザーにとって耳障りな唸り音になり、ユーザーに不快感を覚えさせたりする。
このような問題は、2個のファンがダクトの排出口近傍に配される構成に限られず、ダクト内において吸気口側の空間が共通のために、大ファンが動作すると、駆動停止中の小ファンの吸気口側の方が吹出口側よりも気圧が低下する位置関係の配置に同様に生じる。
また、定着部材の周辺空間を冷却する構成に限られず、例えば帯電部の放電により生じたオゾンを排出する場合にダクト内を流れる空気流の風量を可変する構成でも同様の問題が生じる。さらに、電子写真方式に限られず、例えばインクジェット式の画像形成装置でも装置内の空気を外に排出する構成にも同様に生じ得る。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、風量の異なる2個のファンを安定して回転させることが可能な排気装置および画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明に係る排気装置は、画像形成装置内の空気をダクト内に取り込み、取り込んだ空気を前記ダクトから前記画像形成装置の外に排出する排気装置であって、第1のファンとこれよりも風量が小さい第2のファンと、前記第1と第2のファンを制御する制御手段と、を備え、前記第1と第2のファンは、前記ダクト内の空気通路において、前記第2のファンが駆動停止中に前記第1のファンが動作すると、前記第2のファンの吸気口側の方が吹出口側よりも気圧が低下するような位置関係に配置され、前記制御手段は、前記第1と第2のファンの両方の動作指示を受け付けると、両方のファンが駆動停止中の場合、前記第2のファンの起動後、前記第1のファンを起動する第1制御を実行し、前記第1のファンが動作中且つ前記第2のファンが駆動停止中の場合、前記第1のファンの回転を停止してから、または前記第1のファンの動作に伴う前記気圧の低下により前記第2のファンの起動に影響を与えることがないように所定の速度まで回転速度を落としてから、前記第2のファンを起動し、その後、前記第1のファンを起動または回転速度を元に戻す第2制御を実行することを特徴とする。
また、前記制御手段は、前記画像形成装置から装置内の温度を取得し、取得した装置内の温度が所定温度よりも低い場合、前記第1のファンを動作させ且つ前記第2のファンを駆動停止させる第3制御を実行し、取得した温度が上昇して前記所定温度に達すると、これを前記動作指示として受け付けて、前記第3制御から前記第2制御の実行に切り替えるとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記第1と第2のファンの両方が駆動停止中に、前記取得した温度が前記所定温度以上であることを判断すると、これを前記動作指示として受け付けて、前記第1制御を実行するとしても良い。
また、前記画像形成装置は、記録シート上に形成された未定着画像をヒーターにより加熱された定着部材により熱定着する定着部を備え、前記定着部は、駆動中に超微粒子の発生を伴うことがあり、前記ダクトの吸気口は、前記定着部の近傍に位置し、前記定着部の周辺の空気が前記画像形成装置内の空気として前記ダクト内に取り込まれ、前記排気装置は、前記ダクト内に取り込んだ空気に含まれる超微粒子を回収する回収部を備えるとしても良い。
ここで、前記画像形成装置は、さらに、前記定着部材の温度を検出する検出部と、前記検出部の検出温度に基づき前記ヒーターを制御して前記定着部材を熱定着に必要な定着温度まで昇温させるヒーター制御部と、を備え、前記定着部材の温度と超微粒子の発生量とは、前記定着部材の温度が低温から高温に移るに従って超微粒子の発生量が上昇して最大値に至り、その後減少していく関係を有し、前記制御手段は、前記検出部の検出温度を前記装置内の温度として取得し、前記所定温度は、超微粒子の発生量が最大値から減少に転じる以降の温度であり、前記第1と第2のファンを両方動作させて画像形成装置内の冷却を行う必要がある温度として予め決められているとしても良い。
ここで、前記回収部は、前記ダクト内の空気を通過させるフィルターであり、超微粒子の回収能力の異なる種類のものが操作者により交換可能に前記ダクトに装着されており、前記制御手段は、現に装着されているフィルターの種類に応じて、前記第1と第2のファンのうち前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに動作させるファンを決定し、前記第1のファンに決定された場合、前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに前記第3制御を実行し、前記所定温度に達すると前記第2制御に切り替え、前記第2のファンに決定された場合、前記第3制御と前記2制御の実行を禁止して、前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに前記第1のファンを駆動停止させた状態で前記第2のファンを起動させる第4制御を実行し、前記所定温度に達すると、前記第2のファンの動作を継続しつつ前記第1のファンを起動させる第5制御に切り替えるとしても良い。
ここで、前記制御手段は、前記フィルターの異なる種類ごとに、前記第1と第2のファンのうち前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに動作させるべきファンを対応付けたファン情報を記憶している記憶部を有し、現に装着されているフィルターの種類を示すフィルター情報を取得して、前記取得したフィルター情報が示すフィルタの種類に対応するファンを前記ファン情報から判断し、判断したファンを前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに動作させるファンと決定するとしても良い。
また、前記制御手段は、前記第2のファンが起動後、所定の回転速度に達してから、前記第1のファンの起動を開始する、または回転速度を元に戻すとしても良い。
本発明に係る画像形成置は、上記の排気装置が搭載されたことを特徴する。
上記の構成により、風量の異なる2個のファンを安定して回転させることができ、排熱効率の低下や唸り音の発生を防止することが可能になる。
実施の形態1に係るプリンターの全体構成を示す概略断面図である。 ファン排気部の構成を示す斜視図である。 ファン排気部を分解して示す斜視図である。 図2に示すD−D線における矢視断面図である。 全体制御部の構成を示すブロック図である。 (a)は、定着部のウォームアップ中における定着ローラーの温度(破線のグラフ)とUFP発生量(実線のグラフ)との関係を示す図であり、(b)は、ウォームアップ中における大ファンと小ファンの動作タイミングを示す図である。 ファン動作制御のフローチャートを示す図である。 (a)は、ジョブ終了後に電源をオフ、オンした場合における定着ローラーの温度の推移を例示する図であり、(b)は、大ファンと小ファンの動作タイミングを示す図である。 実施の形態2において、フィルターの種類と低温域で使用すべきファンとを対応付けたファン情報の構成を示す図である。 実施の形態2に係る大ファンと小ファンの動作タイミングを示す図である。 第1ファン動作制御と第2ファン動作制御を選択実行する処理の内容を示すフローチャートである。 第2ファン動作制御のサブルーチンの内容を示すフローチャートである。 大ファンと小ファンの変形例に係る動作タイミングを示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係る排気装置と画像形成装置について、タンデム型のカラープリンター(以下、単に「プリンター」という。)を例に、図面を参照して説明する。
<実施の形態1>
(1)プリンターの全体構成
図1は、プリンター1の全体構成を示す概略断面図である。
同図に示すようにプリンター1は、電子写真方式の画像形成装置であり、画像形成部10と、給紙部20と、定着部30と、全体制御部40と、操作パネル50と、ファン排気部60を備える。
画像形成部10は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色に対応する作像ユニット11Y、11M、11C、11Kと、中間転写ベルト13を備える。
作像ユニット11Kは、感光体ドラム12と、感光体ドラム12の周方向に沿って配置された帯電部16、露光部17、現像部18及びクリーナー19を備える。
露光部17は、レーザーダイオードなどの発光素子及びレンズ等を備え、全体制御部40からの駆動信号によりレーザー光を変調して感光体ドラム12上を露光走査する。
感光体ドラム12は、不図示の駆動源により回転駆動され、上記露光を受ける前にクリーナー19で表面の残存トナーが除去された後、帯電部16により一様に帯電されており、このように一様に帯電した状態で、上記レーザー光による露光を受けると、感光体ドラム12の表面に静電潜像が形成される。
感光体ドラム12に形成された静電潜像は、現像部18によりトナーを含む現像剤で現像され、これにより感光体ドラム12表面にK色のトナー像が作像される。このK色のトナー像は、中間転写ベルト13を介して感光体ドラム12とは反対側に配された一次転写ローラー14により感光体ドラム12から中間転写ベルト13上に一次転写される。
作像ユニット11Y、11M、11Cについても、作像ユニット11Kと同様の構成であり、作像ユニットごとに、対応する色(Y、MまたはC色)のトナー像が感光体ドラム12に作像され、一次転写ローラー14により中間転写ベルト13上に一次転写される。
各作像ユニット11Y〜11Kにおける作動動作は、そのトナー像が中間転写ベルト13上の同じ位置に重ね合わせて一次転写されるようにタイミングをずらして実行される。これにより、中間転写ベルト13上にY〜K色のカラートナー像が形成される。
給紙部20は、記録シートSを収容する給紙カセット21と、繰り出しローラー22と、搬送ローラー23と、タイミングローラー24を備える。
繰り出しローラー22は、給紙カセット21の最上位の記録シートSに接触して、これを下流側の搬送路に繰り出す。搬送ローラー23は、繰り出しローラー22により繰り出された記録シートSをタイミングローラー24に向けて搬送する。タイミングローラー24は、全体制御部40から指示されたタイミングで記録シートSを下流側に送り出す。
画像形成部10において中間転写ベルト13上に多重転写されたカラートナー像は、中間転写ベルト13の周回により二次転写位置15aに移動する。
中間転写ベルト13上のトナー像の移動タイミングに合わせて、給紙部20のタイミングローラー24から記録シートSが給送されて来ており、中間転写ベルト13と二次転写ローラー15との接触位置である二次転写位置15aを記録シートSが通過する際に二次転写ローラー15により、中間転写ベルト13上のカラートナー像が記録シートS上に二次転写される。二次転写位置15aを通過した記録シートSは、定着部30に送られる。
定着部30は、定着ローラー31と、加圧ローラー32と、ヒーター33と、温度検出センサー34を備える。
定着ローラー31(定着部材)は、中空円筒状の金属製の芯金の外周面にシリコンゴム弾性層と離型層とがこの順に積層されてなる。加圧ローラー32は、中軸の金属製の芯金の外周面に弾性層などが積層されてなり、不図示のバネなどの付勢力により定着ローラー31を押圧して定着ニップ39を形成する。
加圧ローラー32は、不図示の駆動モーターの回転駆動力により矢印Aで示す方向に回転駆動され、この加圧ローラー32の回転に従動して定着ローラー31が矢印Bで示す方向に回転する。
ヒーター33は、定着ローラー31の軸方向に沿って長尺状のハロゲンヒーターであり、定着ローラー31の円筒内側の中空部に挿通されており、電力供給により発熱して、定着ローラー31を加熱する。これにより定着ローラー31の温度が上昇する。
温度検出センサー34は、定着ローラー31の表面温度を検出する。この検出温度に基づき、定着ローラー31の表面温度が熱定着に必要な定着温度(例えば170℃)まで昇温した後、定着温度に維持されるように、ヒーター33への電力供給(点灯)と遮断(消灯)の切り替え制御が行われる。この制御は、全体制御部40のヒーター制御部86(図5)により実行される。
定着ローラー31の表面温度が定着温度に維持されている状態で、二次転写ローラー15により搬送されて来る記録シートSが定着ニップ39を通過する際に、記録シートS上のカラートナー像(未定着画像)が加熱、加圧により定着される。なお、定着部材として定着ローラー31を用いる構成に代えて、例えば定着ベルトを用いることもできる。
定着部30を通過した記録シートSは、搬送路に沿って排出ローラー25まで搬送された後、排出ローラー25により排出口25aから機外に排出され、排紙トレイ26に収容される。
操作パネル50は、ユーザーがプリンター1の前に立ったときに操作し易い位置、ここでは装置本体の上面の正面側の位置に配されており、ユーザーからのジョブの実行指示や各種情報(後述のフィルター情報など)の設定や登録の入力を受け付けるキーなどを有する。操作パネル50において受け付けられた情報は、全体制御部40に送られる。
ファン排気部60は、定着部30のヒーター33の発熱による装置内の温度上昇を防止するため、装置内、ここでは定着部30の周辺の空気をファンによりダクト内に取り込み、取り込んだ空気をダクトにより装置の外に排出して装置内を冷却する。
ファン排気部60の具体的な構成は次項で説明するが、定着部30の定着ローラー31に設けられているシリコンゴム弾性層から発せられる超微粒子(Ultra Fine Particle:以下「UFP」という。)を捕集するためのフィルターがファン排気部60に設けられている。なお、シリコンゴム弾性層は、装置構成によっては、加圧ローラー32のみに設けられていたり、両方のローラーに設けられていたりする場合もある。
このUFPは、シリコンゴムが高温になると、シリコンゴム中の低分子シロキサンが揮発し、これが排気される過程で凝集して粒径100nm以下の超微粒子として生成されると考えられている。また、定着部30においてトナーが加熱溶解される際に、トナーの成分の一部が揮発凝結してUFPが生成される場合もあると考えられている。
定着部30におけるUFPの放出量は極微量であり、それ自体が直ちに人体や環境等に悪影響を及ぼすものではないが、最近、環境保護への人々の意識が高まっていることを斟酌して、たとえ極微量であったしても極力放出しないようにすることが望まれている。
(2)ファン排気部の構成
図2は、ファン排気部60の構成を示す斜視図であり、一部が切り欠かれている。同図においてX軸方向は、プリンター1を正面側から見たときの左右方向に相当し、Y軸方向は、高さ方向に相当し、Z軸方向は、奥行方向に相当する。矢印Zで示す方向が装置正面側から背面側に向かう方向になる。
同図に示すようにファン排気部60は、ファン61と、ファン61よりも風量が小さいファン62と、ダクト63と、フィルター64を備え、定着部30に対して装置背面側に配置される。
ダクト63の吸気口63aは、定着部30に向かう方向に開口しており、定着部30の上方空間36の空気を取り入れることが可能な位置に存し、ダクト63の排出口63bは、下方に向かって開口しており、装置の外側の空間に連通している。
ダクト63は、吸気口63aを有する第1ダクト部71と、排出口63bを有する第3ダクト部73と、第1ダクト部71と第3ダクト部73の間に介在してこれらを連結する第2ダクト部72とからなる。
フィルター64は、UFP用の捕集フィルターであり、UFPを回収する回収部として第1ダクト部71内に配されている。
ファン61、62は、それぞれがブロワファンであり、ファン62の方がファン61よりもランナー(前向き羽根:不図示)の径が小さく、回転速度が遅いことから、ファン62の方がファン61よりも風量が小さくなる構成になっている。以下、ファン61(第1ファン)を大ファン61、ファン62(第2ファン)を小ファン62という。
大ファン61と小ファン62は、第3ダクト部73内で近接配置されており、大ファン61のモーター61aと小ファン62のモーター62aのそれぞれが個別に全体制御部40により回転制御される。
モーター61a、62aは、ここでは直流モーターが用いられ、全体制御部40からの電力供給により回転駆動され、電力供給の遮断により駆動停止される。大ファン61と小ファン62は、小ファン62の空気吹出口62zの方が大ファン61の空気吹出口61zよりも排出口63bに近い位置関係を有している。
大ファン61と小ファン62の回転駆動により、ダクト63内において吸気口63aから排出口63bに向かう方向の空気の流れが生じる。これにより、ダクト63の吸気口63aから定着部30の周辺の空気がダクト63内に取り込まれ(吸入され)、取り込まれた空気が第1ダクト部71内を流れる間にフィルター64を透過する際に、その空気に含まれるUPFがフィルター64により捕集される。そして、フィルター64によりUPFが除去された後の空気が第1ダクト部71から第2ダクト部72、第3ダクト部73の中を順番に流通して、排出口63bから装置の外に排出される。ダクト63内を空気が流れる通路が空気通路69になる。
定着部30の周辺空間の温度が上がった場合に、大ファン61と小ファン62の両方の回転駆動により、定着部30の周辺空間の温まった空気が装置外に排出されるので、装置内(機内)が冷却される。なお、第1ダクト部71内にUFPを荷電するUFPイオン化装置を設け、捕集フィルターの代わりに静電フィルターを設けることにより、超微粒子の機外への放出量を低減することも有効である。
図3は、第1ダクト部71と第2ダクト部72と第3ダクト部73と大ファン61と小ファン62とフィルター64のそれぞれを分解して示す斜視図である。
同図に示すように第1ダクト部71と第2ダクト部72と第3ダクト部73は、それぞれが複数個の透孔(貫通孔)を有する箱体である。
第1ダクト部71は、Z軸方向一方端側の側壁に設けられた透孔が吸気口63aになっており、他方端側の側壁に設けられた透孔71aが第2ダクト部72の側壁72dに設けられた透孔72aと連通している。フィルター64は、第1ダクト部71内において透孔71aに近い位置に配されている。
第2ダクト部72の側壁72dのうち、透孔72aよりも左側の領域に大ファン61と小ファン62が取り付けられている。具体的には、側壁72dに設けられた透孔72bが大ファン61の吸気口61pに連通するように大ファン61が側壁72dに固着され、側壁72dに設けられた透孔72cが小ファン62の吸気口62pに連通するように小ファン62が側壁72dに固着されている。
第3ダクト部73は、側壁72dに面する側が開放されており、側壁72dに固着された大ファン61と小ファン62とその周辺領域とを覆うようにして、第3ダクト部73の開放端73aが側壁72dに取り付けられている。
第1ダクト部71と第2ダクト部72の連結部分と第2ダクト部72と第3ダクト部73の連結部分のそれぞれが密閉されていることはいうまでもない。
図4は、図2に示すD−D線における矢視断面図であり、第3ダクト部73の内部を平面視で示している。
図4に示すように大ファン61の空気吹出口61zが排出口63bの真上に位置し、大ファン61は、空気吹出口61zから真下の排出口63bに向かって空気を吹き出す。
小ファン62の空気吹出口62zは、高さ方向に大ファン61の空気吹出口61zと排出口63bとの間に位置し、大ファン61の空気吹出口61zから吹き出される空気の流れを邪魔しないように、左右方向に大ファン61の空気吹出口61zよりも左側に少しずれた位置に位置している。小ファン62は、空気吹出口62zから斜め下方の排出口63bに向かって空気を吹き出す。小ファン62の方が大ファン61よりも排出口63bに近いことからから小ファン62から吹き出される空気流が排出口63bに届き易くなる。
このように風量の異なる大ファン61と小ファン62を近接配置しているのは、小型化が要請される装置内に配されるダクト63自体も小型化のものが用いられることが多く、2つのファンを配置するスペースに余裕がないことが多いからである。
図2〜図4に示す配置をとった場合、上記のように大ファン61の回転駆動中に小ファン62の起動を開始させようとすると、ダクト63内において、小ファン62が大ファン61から吹き出される空気流の影響を受け易い。
具体的には、駆動停止のために小ファン62に電力供給されていない状態で、大ファン61が回転駆動されると、第3ダクト部73内の気圧(吹出口側の空間の気圧)に対して第2ダクト部72内の気圧(吸気口側の空間の気圧)が下がる(差圧の発生)。
大ファン61の吸気口61pは、透孔72bを介して第2ダクト部72内の空間に連通しており、大ファン61の空気吹出口61zは、第3ダクト部73内の空間に連通している。同様に、小ファン62の吸気口62pは、透孔72cを介して第2ダクト部72内の空間に連通しており、小ファン62の空気吹出口62zは、第3ダクト部73内の空間に連通している。
つまり、大ファン61の吸気口61p側の空間と小ファン62の吸気口62p側の空間とが共通(大ファン61の吸気口61p側と小ファン62の吸気口62p側とが第2ダクト部72内の同じ空間を共有)しており、大ファン61の空気吹出口61zの空間と小ファン62の空気吹出口62z側の空間とが共通している。
このため、上記の差圧が生じると、駆動停止中の小ファン62において空気吹出口62zからその内部のランナーを通って吸気口62pに向かう方向(駆動時とは逆方向)に空気が流れ(逆流)、この逆流により小ファン62のランナーを介してモーター62aに、駆動時の回転(正回転)とは逆方向に回転させようとする力(逆向きの力)が作用する。
小ファン62のランナーに逆向きの力が作用した状態で、電力供給の開始により小ファン62が起動されると、小ファン62のモーター62aの駆動力により本来の正回転の向きの力がランナーに作用し始めるが、起動前から作用し続けている逆向きの力が負荷となって、その正回転の力を弱める。
特に、モーター62aの起動時には、ランナーやランナーに駆動力を伝える回転軸やギアなどの各部材のイナーシャが作用するので、回転に要するエネルギーが多く必要になる。ところが、起動時にイナーシャとは別に上記の負荷がモーター62aに加算されると、その負荷の分、回転に必要なエネルギーが奪われることになり、小ファン62の起動開始からの立ち上がりの回転が逆向きの力の影響を受けていないときに比べて不安定になり易い。この回転の不安定により、起動から定格回転速度に達するまでに要する時間が長くかかったり、ランナーの風切音がユーザーにとって耳障りな唸り音になったりする。
起動から定格回転速度に達するまでに要する時間が長くかかると、その分、風量不足になって排熱効率が低下することが生じる。また、立ち上がり時の回転が不安定になると、ランナーが生じさせる旋回流も安定せず、旋回流を整流させるためのスクロールによる整流も安定しなくなり、ランナーやスクロールによる風切音が唸り音になると、ユーザーに不快感を覚えさせることがある。
このような問題の発生は、小ファン62の起動時に大ファン61から吹き出されている空気流の影響(上記の逆向きの力の作用など)を受けることに起因している。
そこで、本実施の形態では、小ファン62の起動時に大ファン61による空気流の影響を受けないように2つのファンを回転制御することで、小ファン62の起動の際における立ち上がり時の回転を安定させることにより、定格回転速度に達するまでの時間が長くかかることによる風量不足に起因する排熱効率の低下を防止し、また風切音が唸り音となって生じることを防止する構成をとっている。
この回転制御は、全体制御部40のファン制御部87(図5)により実行され、次の第1制御と第2制御が含まれる。概略すると、第1制御は、2つのファンの両方が駆動停止中の場合、まず小ファン62を起動し、小ファン62が安定回転速度に達してから、大ファン61の起動を開始する。第2制御は、大ファン61が動作中で小ファン62が駆動停止中の場合、大ファン61を一旦、回転を停止させ、その後、小ファン62を起動し、小ファン62が安定回転速度に達してから大ファン61の起動を開始する。この意味で、ファン排気部60とファン制御部87が、画像形成装置内の空気をダクト63内に取り込み、取り込んだ空気をダクト63から画像形成装置の外に排出する排気装置を構成する。
(3)全体制御部の構成
図5は、全体制御部40の構成を示すブロック図である。
全体制御部40は、通信インターフェース(I/F)部81と、CPU82と、ROM83と、RAM84と、画像データ記憶部85と、ヒーター制御部86と、ファン制御部87を備える。
通信I/F部81は、LANなどのネットワークと接続するためのインターフェースであり、例えばLANカード、LANボード等からなる。
画像データ記憶部85は、ネットワークから通信I/F部81を介して受信したプリントジョブの画像データを記憶している。
CPU82は、画像形成部10、給紙部20、定着部30、操作パネル50などを制御して、画像データ記憶部85に記憶されている画像データに基づくプリントジョブを円滑に実行させる。ROM83は、CPU82が実行する処理に必要なプログラムを格納しており、RAM84は、CPU82のワークエリアを提供する。
ヒーター制御部86は、温度検出センサー34の検出温度に基づきヒーター33の点灯(電力供給)と消灯(電力供給の遮断)を制御する。
ファン制御部87は、大ファン61と小ファン62の動作を制御するファン動作制御を実行するものであり、回転/停止指示部91と安定回転判断部92を備える。なお、同図ではフィルター情報記憶部93とファン情報記憶部94も備えられる構成例を示しているが、これらの記憶部は、実施の形態1では用いられず、実施の形態2で用いられるものなので、ここでは説明を省略する。
回転/停止指示部91は、大ファン61と小ファン62に対して個別に回転駆動と駆動停止を指示する。回転駆動の指示は、ファンの定格電圧(直流電圧)を駆動電力として供給することにより行われ、駆動停止の指示は、駆動電力の供給遮断により行われる。
安定回転判断部92は、大ファン61と小ファン62のそれぞれごとに、起動開始以降、立ち上がりを経て安定回転に至ったことを判断する。この判断は、主に小ファン62の起動後、大ファン61を起動する際の起動開始タイミングを判断するのに用いられる。
安定回転に至ったことは、次のようにしてファンごとに判断される。
まず、安定回転判断部92は、ファンに設けられたエンコーダー(不図示)から出力される回転速度に応じて周期が変化するパルス信号を取得する。そして、取得したパルス信号の周期からファンの現在の回転速度を検出する。
検出された現在の回転速度が0から予め決められた一定速度までの範囲内であれば、安定回転には至っておらず、当該一定速度以上になると安定回転に至ったと判断する。この一定速度は、ファンの定格回転速度であるが、検出速度にある程度の誤差やばらつきが生じるような場合には定格回転速度の例えば90%など、定格回転速度よりも所定値だけ低い所定速度としても良い。
(4)ファン動作制御の内容
図6(a)は、定着部30のウォームアップ中における定着ローラー31の温度T(破線のグラフ)とUFP発生量U(実線のグラフ)との関係を実験結果から示す図であり、横軸が時間、縦軸が定着ローラー31の温度T、UFP発生量をそれぞれ示している。
ここで、定着部30のウォームアップ動作とは、プリンター1の電源オンや節電解除などを契機に(時点t1)、ヒーター33を点灯させ、定着ローラー31の温度Tが定着温度Taに至るまで定着ローラー31を昇温させる動作である。定着ローラー31の温度Tが定着温度Taに達すると(時点t4)、ウォームアップが終了し、以降、ヒーター33の点灯と消灯を交互に切り替えて、定着ローラー31の温度Tを定着温度Taに維持させる維持制御に移行する。このウォームアップと維持制御は、温度検出センサー34の検出温度に基づきヒーター制御部86により実行される。
図6(a)の破線のグラフで示すように定着ローラー31の温度Tは、ウォームアップ開始時である時点t1以降、時間経過に伴って徐々に上昇している。
一方、実線のグラフで示すようにUFP発生量は、定着ローラー31の温度Tが室温程度などかなり低い時点t1では少なく、定着ローラー31の温度Tの上昇に伴って時点t1から急激に増加して最大値Uaに達する。そして、UFP発生量は、最大値Uaに達すると、時間経過に伴って最大値Uaのまま推移し、定着ローラー31の温度TがTcまで上昇した時点t2を過ぎた頃から減少に転じ、以降急減し、定着ローラー31の温度TがTbまで上昇した時点t3を過ぎた頃から、減少率が緩やかになって、これ以降、徐々にUbまで低減している。つまり、定着ローラー31の温度Tが室温程度の低温から上昇し始めるときにUFP発生量がかなり多くなり、定着ローラー31の温度Tが定着温度Taのような高温まで上昇後、一定温度で安定すると、UFP発生量がかなり少なくなる。
図6(a)に示すグラフから、UFP発生量と定着ローラー31の温度Tとは、定着ローラー31の温度Tが低温から高温に移るに従ってUFPの発生量が上昇して最大値に至り、その後減少していく関係を有していることが判る。定着ローラー31の温度がTb(例えば120℃)以下の低温域ではUFP発生量がかなり多くなり、Tbよりも高温域ではUFP発生量が緩やかに減少している。
一方、フィルター64によるUFPの捕集効率は、フィルター64を構成する繊維によるUFPの吸着性能(繊維の材質や密度など)とフィルター64の内部を通過する空気流の速度(風速)との関係により決まる。
本実施の形態では、UFPの発生量が多くなる低温域でUFPをより高効率で捕集できるように、装着されるフィルター64の性能に適した風速(風量)の範囲を実験などから求め、求めた範囲の風量を出力できるファンとして大ファン61が特定されている。このため、低温域では大ファン61のみが回転駆動される。
図6(b)は、定着部30のウォームアップ中における大ファン61と小ファン62の動作タイミングを示す図であり、横軸が時間、縦軸が風量を示し、実線のグラフが大ファン61の動作タイミング、破線のグラフが小ファン62の動作タイミングを示している。
図6(b)に示すように、時点t1で大ファン61が起動され、その後、大ファン61の風量が基準値Qaに維持される。風量は、大ファン61のモーター61aの回転速度に比例しており、風量が基準値Qaに維持されることは、大ファン61が安定回転していることに等しい。このことは、小ファン62でも同様である。
時点t3に至ると、すなわち定着ローラー31の温度TがTbまで上昇すると、大ファン61への電力供給が遮断される(駆動停止)。時点t3以降、高温域に入る。
大ファン61の風量Qが減少して0になると(回転停止)(時点t5)、小ファン62の起動が開始される(時点t6)。なお、同図では時点t5と時点t6との間に少しの時間が設けられている例を示しているが、時点t5とt6が略同時であるとしても良い。
小ファン62の起動開始後、小ファン62の風量が基準値Qbに達すると(安定回転に至ると)、大ファン61が再度、起動される(時点t7)。大ファン61の起動後、大ファン61の風量が基準値Qaに達すると(時点t8)、それ以降、大ファン61と小ファン62の両方が安定回転の状態で回転駆動が同時並行で継続される。
小ファン62が安定回転している状態では(時点t7以降)、小ファン62のモーター62aには、起動時のイナーシャが作用しないので、大ファン61の気流の影響を多少受けても回転速度が乱れることが少なく、そのまま回転が一定に維持される。
なお、小ファン62が安定回転で動作中に大ファン61の起動が開始されるので、大ファン61は、小ファン62からの空気流の影響をある程度は受ける。しかし、小ファン62の風量が小さいことから、大ファン61の起動時の立ち上がりの回転が不安定になることが少なく、風量の大きい大ファン61からの空気流が小ファン62の起動に影響を与えることにより小ファン62の立ち上がり時の回転が不安定になって唸り音が発生するような状況にまで至ることは生じない。
これにより、大ファン61と小ファン62のそれぞれについて起動以降の回転がスムーズに立ち上がるので、回転が不安定になることによる唸り音の発生が防止される。
図6(b)では、時点t7以降にダクト63内を流れる空気流の風量の大きさが一点鎖線で示されており、時点t8以降、大ファン61と小ファン62の両方が安定回転することにより、2つのファンの風量が足し合わされた全体風量になる。
時点t1〜t3までの間(定着ローラー31の温度TがTbよりも低い低温域のとき)、大ファン61のみが回転駆動されるのは、上記のように低温域で多く発生するUFPを効率よくフィルター64で捕集するのに適した風量のファンとして大ファン61が選択されているからである。
一方、時点t3以降(定着ローラー31の温度TがTb以上の高温域のとき)、大ファン61と小ファン62の両方を回転駆動するのは、定着部30周辺空間の温度が低温域よりもかなり高くなるので、大ファン61だけでは定着部30周辺の冷却が追いつかないからである。
高温域において定着部30の周辺空間を冷却するのに、大ファン61だけでは足りない風量を予め実験などから求め、求めた風量を出力できるファンが小ファン62として特定されている。従って、大ファン61と小ファン62の両方を回転駆動することにより、定着ローラー31の温度TがTb以上の高温域において、定着部30の周辺空間の温度が高くなり過ぎることはなく、装置内の冷却が効率よく行われる。
この意味で、温度Tbは、UFPの発生量が最大値から減少に転じる以降の温度であり、大ファン61と小ファン62を両方動作させて装置内の冷却を行う必要がある温度として予め決められる所定温度といえる。
なお、冷却という点では、小ファン62に代えて、風量の大きい方の大ファン61と同じファンを用いることも考えられる。しかし、風量が大きくなり過ぎると、定着部30が冷却され過ぎることになり、その冷却により定着ローラー31の熱が奪われると、その奪われた熱を補填すべくヒーター33の供給電力を増やす必要が生じて余計な電力が消費されることに繋がる。このため、定着ローラー31が温度Tb以上のときに、定着部30の周辺空間の温度が高くなり過ぎることがなく、かつファンの冷却がヒーター33により加熱される定着ローラー31に影響を与えることがない風量の範囲が求められ、その範囲内の風量の空気流をダクト63に流すために、大ファン61だけでは足りない風量を出力できるファンとして、ここでは小ファン62が用いられる。
低温域(時点t1〜t3までの間)では、定着部30の周辺空間の冷却よりも、低温域で多く発生するUFPの捕集を優先して大ファン61のみを回転動作させるので、UFP吸着効率優先期間といい、大ファン61のみを回転動作させる制御を第3制御という。
高温域(時点t3以降)では、高温域で発生量が少なくなるUFPの捕集よりも、定着部30の周辺空間の冷却を優先して大ファン61と小ファン62の両方を回転動作させるので、排気効率優先期間という。この排気効率優先期間中における大ファン61と小ファン62の制御を第2制御といい、第2制御開始時(時点t3)から大ファン61の起動の再開時(時点t7)までの間をファン切替時間帯という。また、第3制御から第2制御への切り替えの契機となる温度Tbをファン切替温度という。
本実施の形態では、ファン切替温度Tbが室温(25℃程度)よりも高く、定着温度Ta(例えば170℃)よりもかなり低い温度(例えば120℃)として予め実験などにより決められた例を示しているが、これに限られない。例えば、定着ローラー31の温度が定着温度Taに至るまでの間、UFP発生量が多く、その間、大ファン61と小ファン62の両方を動作させるまでもなく、定着温度Taに至った以降にはUFP発生量が減少していくような場合、ファン切替温度Tbを定着温度Taまたはこれよりも少し低い温度に設定することもできる。例えば、ファン切替温度Tbを定着温度Taと同じ温度に設定した場合、ウォームアップ終了(時点t4)までの間、第3制御が実行され、ウォームアップ終了を契機に第2制御に切り替わる。
(5)ファン動作制御のフロー
図7は、ファン動作制御のフローチャートを示す図である。このファン動作制御は、プリンター1の電源オン(電源スイッチのオン)を契機に開始されるウォームアップ動作と並行して、ファン制御部87によりメインルーチン(不図示)のサブルーチンとして実行される。なお、ファン動作制御の開始時には、大ファン61と小ファン62の両方が停止状態になっている。
現在の定着ローラー31の温度Tを検出する(ステップS1)。この検出は、温度検出センサー34の検出温度を取得することにより行われる。
検出温度Tがファン切替温度Tbよりも低いか否かを判断する(ステップS2)。T<Tbを判断すると(ステップS2で「Yes」)、大ファン61の起動を開始する(ステップS3)。この起動開始は、大ファン61への電力供給の開始により行われる。
大ファン61から回転速度信号を受信する(ステップS4)。受信した回転速度信号から大ファン61が安定回転に至っているか否かを判断する(ステップS5)。この判断は、大ファン61の風量がQa(図6(b))に相当する回転速度に達したか否かにより行われる。
大ファン61が安定回転に至ったことを判断すると(ステップS5で「Yes」)、現在の定着ローラー31の温度Tを検出する(ステップS6)。検出温度Tがファン切替温度Tb以上であるか否かを判断する(ステップS7)。T≧Tbの関係を満たすまで、すなわちT<Tbの場合には、大ファン61を安定回転に維持する。ステップS1〜S7が第3制御に相当する。
T≧Tbになったことを判断すると(ステップS7で「Yes」)(図6(a):時点t3)、大ファン61の駆動を停止させる(ステップS8)。この駆動停止は、大ファン61への電力供給の遮断により行われる。
大ファン61の回転が停止したか否かを判断する(ステップS9)。この回転停止の判断は、大ファン61から受信した回転速度信号が0を示す信号になったときに行われる。
大ファン61の回転が停止したことを判断すると(ステップS9で「Yes」)(図6(b):時点t5)、小ファン62の起動を開始する(ステップS10)(図6(b):時点t6)。この起動開始は、小ファン62への電力供給の開始により行われる。
小ファン62から回転速度信号を受信する(ステップS11)。そして、受信した回転速度信号から小ファン62が安定回転に至っているか否かを判断する(ステップS12)。この判断は、小ファン62の風量がQb(図6(b))に相当する回転速度に達したか否かにより行われる。
小ファン62が安定回転に至ったことを判断すると(ステップS12で「Yes」)、大ファン61の起動を開始する(ステップS13)(図6(b):時点t7)。このことは、小ファン62の起動後、所定の回転速度に達してから、大ファン61の起動を開始する(所定の回転速度に達するまでの間、起動開始を禁止する)制御に等しい。
大ファン61の起動後、大ファン61から回転速度信号を受信して(ステップS14)、大ファン61が安定回転に至ったことを判断すると(ステップS15で「Yes」)(図6(b):時点t8)、リターンする。ステップS8〜S15が第2制御に相当し、ステップS7においてT≧Tbの関係を満たしたことの判断は、大ファン61と小ファン62の両方の動作指示を受け付けたことに相当する。
一方、ステップS2においてT<Tbではない、つまりT≧Tbであることを判断すると(ステップS2で「No」)、ステップS3〜S9をスキップして実行せず、ステップS10に進み、S10以降の処理を実行する。このように電源オン直後にT≧Tbの関係を満たす場合の例を、図8(a)を用いて説明する。
図8(a)は、ジョブ終了(時点t11)の後に電源をオフし(時点t12)、それから短い時間(例えば数分間)の経過時に電源を再度オン(時点t13)した場合における定着ローラー31の温度の推移を例示する図である。
電源オフから再度の電源オンまでの時間が短いことから、電源オフ期間(時点t12〜t13間)における定着ローラー31の温度の低下が少なく、同図の例では電源オンの時点t13で定着ローラー31の温度が定着温度Taよりも少し低い温度Tdまでしか低下していない。このため、電源オン(時点t13)を契機にウォームアップが開始され、これに並行してステップS2が実行されたときに、T≧Tbの関係を有することになる。
このような場合、図8(b)に示すように電源オフ期間(時点t12〜t13間)に大ファン61と小ファン62の両方への電力供給が遮断(駆動停止)されており、時点t13の電源オンで小ファン62の起動が開始され、その起動後、小ファン62が安定回転に至ると、大ファン61の起動が開始される(時点t14)。先に風量の小さい小ファン62が起動され、その後に風量の大きい大ファン61が起動されるので、小ファン62の起動が大ファン61の動作により不安定になることが防止される。
大ファン61と小ファン62の両方が駆動停止中に電源オンを契機にT≧Tbの関係を満たすことを判断することが、大ファン61と小ファン62の両方の動作指示を受け付けたことに相当する。大ファン61と小ファン62の両方が駆動停止している状態から小ファン62、大ファン61の順に起動を行う制御を第1制御という。
なお、大ファン61と小ファン62の両方が駆動停止中にT≧Tbの関係を満たすか否かの判断を上記では電源オンを契機に行う構成としたが、これに限られない。例えば、ヒーター33への供給電力を通常時よりも少なくまたは0にして節電を行う節電状態からプリント可能なレディ状態への復帰を契機に行ったり、ジャム発生後、そのジャムを解除してレディ状態への復帰を契機に行ったりする構成とすることもできる。
<実施の形態2>
上記実施の形態1では、定着ローラー31の温度が低温域のときに発生量が多いUFPをフィルター64で効率良く捕集するファンとして大ファン61を用いる構成例を説明した。これに対し、本実施の形態2では、フィルター64として、UFPの回収能力の異なる種類のものがユーザーまたはサービスマン(以下、「操作者」という。)により選択的にダクト63に交換可能に装着される構成になっており、現に装着されているフィルターの種類に応じて、大ファン61と小ファン62のうち駆動すべきファンを切り替える制御を行うとしており、この点で実施の形態1と異なっている。以下、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容についてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
図9は、フィルター64の種類と低温域のときに動作させるべきファンとを対応付けたファン情報95の構成を示す図であり、このファン情報95は、ファン情報記憶部94(図5)に予め記憶されている。
図9ではフィルター64の種類としてタイプA、B・・が例に挙げられており、タイプA、B・・は、UFPの回収能力を何段階かに分けた場合の最も能力の高い段階のもの、次に能力の高い段階のものなどを区別する符号として用いられている。
UFPの回収能力は、フィルター64を通過しようとするUFPをどれだけの割合で捕集できるか(つまりフィルター64の性能)を示すものであり、一般的にフィルター64を構成する繊維をUFPがより吸着し易い材質のものを用いたり単位体積当たりの繊維の量(密度)をより高くしたりすることで高くなる。一方で、UFPの捕集効率は、上記のようにフィルター64の性能だけでなく、ファンの組み合わせによって変わる。
従って、本実施の形態2のように種類(性能)の異なるフィルター64が選択的に装着可能な構成であれば、フィルター64の種類ごとに、大ファン61と小ファン62のうち、UFPの捕集効率の向上に適した方のファンを予め決めておき、その決められた方のファンのみを駆動させることで、どの種類のフィルター64が装着された場合でもUFPの捕集効率の向上を図ることが可能になる。
同図の例では、現に装着されているフィルター64がタイプAのものである場合、定着ローラー31の温度が低温域のときに大ファン61のみを駆動させた方がUFPの捕集を効率よく行えることを示している。タイプAのフィルター64に対応するファンが大ファン61の場合、ファン動作制御は実施に形態1と同じ制御になる。この制御を第1ファン動作制御という。
一方、現に装着されているフィルター64がタイプBのものである場合、定着ローラー31の温度が低温域のときに小ファン62のみを駆動させた方がUFPの捕集を効率よく行えることを示している。
タイプBの場合、ファン動作制御として、図10に示す制御(第2ファン動作制御)が実行される。すなわち、大ファン61と小ファン62の両方が駆動停止している状態において、時点t1で小ファン62の起動を開始する。小ファン62の起動後、小ファン62が安定回転になり(時点t21)、以降、時点t3(定着ローラー31の温度がファン切替温度Tbまで昇温した時点)に至ると、大ファン61を起動する。そして、大ファン61が安定回転になると(時点t22)、以降、大ファン61と小ファン62の両方が安定回転の状態で駆動が継続される。
時点t1〜t3までの間の低温域において、大ファン61を駆動停止させた状態で小ファン62を起動させる制御を第4制御といい、時点t3以降の高温域において、小ファン62の動作を継続しつつ大ファン61を起動させる制御を第5制御という。
現在、どの種類のフィルター64が装着されているのかは、操作者が操作パネル50からその種類を示すフィルター情報を入力することにより、フィルター情報記憶部93(図5)に記憶されるようになっている。つまり、操作者は、フィルター64を交換するごとに、装着したフィルター64に対応するフィルター情報を操作パネル50から入力する操作を行う。操作パネル50は、受付部として操作者からの入力を受け付けて、受け付けられた最新のフィルター情報だけがフィルター情報記憶部93に記憶される。なお、フィルター情報は、操作パネル50からの入力操作に限られず、例えばネットワークを介して外部の端末装置から取得されてフィルター情報記憶部93に記憶されるとしても良い。
図11は、第1ファン動作制御と第2ファン動作制御を選択実行する処理の内容を示すフローチャートであり、電源オンを契機にファン制御部87により実行される。
現に装着されているフィルター64の種類を示すフィルター情報を取得する(ステップS21)。このフィルター情報は、フィルター情報記憶部93に記憶されているフィルター情報を読み出すことにより行われる。
取得したフィルター情報とファン情報記憶部94に記憶されているファン情報とから、低温域で動作させるべきファンを決定する(ステップS22)。例えば、フィルター情報がタイプAを示す情報の場合、タイプAに対応するファンをファン情報から大ファン61と判断し、判断した大ファン61を低温域で動作させるべきファンに決定する。また、タイプBを示す情報の場合、タイプBに対応するファンをファン情報から小ファン62と判断し、判断した小ファン62を低温域で動作させるべきファンに決定する。
大ファン61に決定された場合には(ステップS23で「Yes」)、第1ファン動作制御を実行して(ステップS24)、処理を終了する。また、小ファン62に決定された場合には(ステップS23で「No」)、第2ファン動作制御を実行して(ステップS25)、処理を終了する。
第1ファン動作制御は、図7に記載のフローチャートのステップS1〜S15と同じ処理を実行する制御である。
第2ファン動作制御は、図12に記載のように、図7に記載のフローチャートのステップS10〜S15の処理のみを実行する制御である。つまり、図7に記載のステップS1〜S15の処理(第3制御と第2制御の実行)を禁止し、大ファン61と小ファン62の両方が駆動停止している状態において、ステップS10〜S15の処理のみが順に実行される。ステップS10〜S12が図10に示す第4制御に相当し、ステップS13〜S15が図10に示す第5制御に相当する。
このように操作者により異なる種類のフィルター64が選択的に装着可能な構成において、第1ファン動作制御と第2ファン動作制御のうち、現に装着されているフィルター64に適した方のファン動作制御が自動的に選択実行される。従って、定着ローラー31の低温域において多量に発生するUFPを現に装着されているフィルター64を用いてより効率的に除去することができる。
上記では、フィルター64の種類がタイプBの場合、小ファン62、大ファン61の順に起動する第2ファン動作制御を実行するとしたが、これに限られない。例えば、タイプBのフィルター64の新品時から寿命に至るまでの間の途中でUFPの目詰まり等によるフィルター64の劣化が顕著になった場合、その劣化が顕著になった時点以降については、第1ファン動作制御に切り替えることもできる。
具体的には、時点t1〜t3までの間の低温域では、本来の小ファン62に代えて大ファン61のみを動作させ、小ファン62よりもUFPの捕集効率を上げるようにする。そして、時点t3以降の高温域では、大ファン61の回転停止後、小ファン62、大ファン61の起動を順に行う。このようにすれば、フィルター64の劣化が進んでも、劣化前と同程度に低温域でのUFPの捕集効率を維持することが可能になり、また高温域では大ファン61と小ファン62の両方の動作によりフィルター64の劣化前も劣化後も定着部30の周辺空間の冷却を行うことができる。
フィルター64の劣化は、捕集したUFPの繊維への蓄積量が多くなるのに伴って進み、一方でUFPは、プリンター1のウォームアップ中に多く発生することから、フィルター64の新品時以降のプリンター1のウォームアップの累積回数が多くなるのに伴って、フィルター64におけるUFPの蓄積量が増えていくことになる。
そこで、フィルター64の劣化が顕著になる時点をウォームアップの累積回数で規定し、フィルター64の新品時以降、プリンター1におけるウォームアップの発生回数を累積していき、その累積回数が所定回数に達するまでの間は、第2ファン動作制御を実行し、所定回数に達した以降は、第1ファン動作制御の実行に切り替える制御とすることができる。この所定回数は、フィルター64の劣化の前後で低温域においてUFPの捕集効率を一定以上確保できるような値に予め実験などにより決められる。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施の形態では、第2制御において(図6(b))、大ファン61の回転が停止してから小ファン62を起動開始(時点t6)するとしたが、これに限られない。
第2制御として、例えば大ファン61の回転停止に代えて、図13に示すように大ファン61の風量を基準値Qaから所定値Qcまで落としてから、小ファン62の起動を開始(時点t61)する構成をとることもできる。大ファン61の風量をQaからQcまで落とすことは、大ファン61(実質、モーター61a)の回転速度を定格回転速度Vaから所定の速度Vcまで落とすことに等しい。
この構成をとる場合、大ファン61の動作に伴って、駆動停止中の小ファン62の吸気口62p側の方が空気吹出口62z側よりも気圧が低下しても、小ファン62の起動に影響を与えることがないような大ファン61の回転速度の範囲内で所定の速度Vc(風量Qc)が予め実験などにより決められる。例えば、小ファン62の起動に影響を与えることがない、大ファン61の回転速度の範囲が0〜(Va/3)の範囲の場合、0<Vc≦(Va/3)の関係を満たすように所定の速度Vcを決めることができる。
小ファン62の起動後、小ファン62が安定回転に至ると、時点t7において大ファン61の回転速度(または風量)が速度Vc(または風量Qc)から元の速度Va(または安定回転時の風量Qa)に戻るように大ファン61が制御される。この制御は、小ファン62の起動後、所定の回転速度Vbに達してから、大ファン61を元の回転速度Vaに戻す(速度Vbに達するまでの間、速度Vaに戻すことを禁止する)制御といえる。
大ファン61の回転速度(または風量)をVc(またはQc)まで低下させることは、大ファン61への供給電圧を通常時(定格回転速度Vaで回転時)の値E1よりも一定量だけ低い電圧E2に切り替えることにより行われる。モーター61aの回転速度を可変可能な回路構成を用いることができる。
本変形例(1)の第2制御を用いると、大ファン61の回転が完全に停止するまで小ファン62の起動を待つ必要がない。具体的には、図6(b)の時点t5の直前の時点t9で小ファン62の起動を開始できる。このため、小ファン62の起動を、大ファン61の回転停止を契機に開始する構成よりも、時点t9〜t5の間の時間だけ早く開始できる。
小ファン62の起動を早く開始できる分、次に大ファン61の回転速度を元に戻す時点t7も前倒しになり、大ファン61と小ファン62の両方の動作による装置内の排熱をより早く開始でき、装置内の冷却をより効率よく行える。
(2)上記実施の形態では、風量の異なる2個のファン61、62を制御する構成例を説明したが、これに限られない。例えば、風量の異なる3個のファンが設けられる構成でも、そのうち風量の大きいものと小さいものの2個に対する制御として上記のファン動作制御を適用することができる。
具体的には、ファンA、B、Cがこの順に風量が大きくなる関係を有する構成では、全てのファンが駆動停止中の場合、ファンA、B、Cの順に起動する。ファンA、Bの順の起動が第1制御の適用になる。
また、ファンCのみが先に動作中の場合、ファンCの回転を一旦停止後、ファンA、Bの順に起動し、その後、ファンCを起動する制御になる。ファンCの回転を停止してからファンAを起動し、その後、ファンCを起動することは、第2制御の適用になる。
(3)上記実施の形態では、ファンとしてブロワを用いるとしたが、これに限られず、例えばプロペラファンやクロスフローファンなどのファンを適用することができる。
また、ダクト63の空気通路69が第1ダクト部71と第2ダクト部72と第3ダクト部73を通過する間の途中で屈曲する構成例(図2)としたが、各ダクト部(ダクト室)に分ける構成や屈曲形状に限られず、吸気口63aから排出口63bまでの間が例えば直管であっても良い。
さらに、UFPの発生量が少なく、フィルター64による捕集の必要がないような場合には、フィルター64を配置しない構成としても良い。この構成でも、ウォームアップ開始から定着ローラー31の温度が所定温度Tf(例えば100℃程度)に上昇するまでの間に第3制御を実行し、温度Tf以上になると第2制御に切り替える制御をとることができる。UFPとは関係なく、装置内が所定温度Tfよりも低い低温域に属する場合には大ファン61のみを動作して装置内の冷却を抑制しつつ、Tf以上の高温域に属すると大ファン61と小ファン62の両方を動作して装置内の冷却を促進させることができる。
(4)上記実施の形態では、大ファン61よりも小ファン62の方がダクト63の排出口63bに少し近い位置関係になるように配置される構成例を説明したが、これに限られない。例えば、大ファン61の方が小ファン62よりもダクト63の排出口63bに近い構成をとることもでき、また大ファン61と小ファン62の両方についてダクト63の排出口63bとの距離が等しくなるように横に並べて配置する構成をとることもできる。
いずれにしても、ダクト63の空気通路69において大ファン61の動作により小ファン62の吸気口62p側の方が空気吹出口62z側よりも気圧が低下するような位置関係に大ファン61と小ファン62が配置される構成に適用できる。
(5)上記実施の形態では、第2制御において(図6(b))、起動後の小ファン62が安定回転に至ったこと(所定の回転速度Vb(図13)に達したこと)を契機に大ファン61の起動を開始(時点t7)するとしたが、これに限られない。起動が開始された小ファン62の立ち上がり時における回転に影響を与えない構成であれば、起動後の小ファン62が安定回転に至る前の時点(例えば、図6の時点t10)から大ファン61の起動を開始するとしても良い。
(6)上記実施の形態では、定着部30の周辺空間の冷却とUPF除去のためにファン排気部60を備える構成例を説明したが、これに限られない。例えば、画像形成部10の帯電部16の放電により感光体ドラム12が帯電されるときに周辺空間に生じたオゾンを装置の外に排出する構成に適用できる。具体的に、プリント枚数が例えば数枚程度の少ないジョブの実行中には、大ファン61のみを回転駆動し、100枚を越えるような多枚数の記録シートSに対して連続プリントするジョブの実行中には、ジョブ実行時間が長くなるに伴って生じるオゾンの量も多くなることから、大ファン61と小ファン62の両方の回転駆動に切り替えることで、オゾンを効率良く排出できる。フィルター64としては、オゾンを除去するオゾンフィルターが用いられる。
(7)上記実施の形態では、本発明に係る画像形成装置をタンデム型のカラープリンターに適用した場合の例を説明したが、これに限られない。複写機、ファクシミリ装置、MFP(Multiple Function Peripheral)等の電子写真方式の画像形成装置に適用でき、また電子写真方式に限られず、例えばインクジェット式の画像形成装置など、装置内の空気を装置の外に排出する排気装置およびこれを備える画像形成装置一般に適用できる。
また、上記実施の形態及び上記変形例の内容をそれぞれ可能な限り組み合わせるとしても良い。
本発明は、画像形成装置内の空気を装置の外に排出する排気装置に利用できる。
1 プリンター
30 定着部
31 定着ローラー
33 ヒーター
34 温度検出センサー
36 定着部の上方空間
60 ファン排気部
61 大ファン
61p、62p、63a 吸気口
61z、62z 空気吹出口
62 小ファン
63 ダクト
63b 排出口
64 フィルター
69 空気通路
86 ヒーター制御部
87 ファン制御部
91 回転/停止指示部
92 安定回転判断部
93 フィルター情報記憶部
94 ファン情報記憶部
95 ファン情報

Claims (9)

  1. 画像形成装置内の空気をダクト内に取り込み、取り込んだ空気を前記ダクトから前記画像形成装置の外に排出する排気装置であって、
    第1のファンとこれよりも風量が小さい第2のファンと、
    前記第1と第2のファンを制御する制御手段と、
    を備え、
    前記第1と第2のファンは、前記ダクト内の空気通路において、前記第2のファンが駆動停止中に前記第1のファンが動作すると、前記第2のファンの吸気口側の方が吹出口側よりも気圧が低下するような位置関係に配置され、
    前記制御手段は、
    前記第1と第2のファンの両方の動作指示を受け付けると、両方のファンが駆動停止中の場合、前記第2のファンの起動後、前記第1のファンを起動する第1制御を実行し、
    前記第1のファンが動作中且つ前記第2のファンが駆動停止中の場合、前記第1のファンの回転を停止してから、または前記第1のファンの動作に伴う前記気圧の低下により前記第2のファンの起動に影響を与えることがないように所定の速度まで回転速度を落としてから、前記第2のファンを起動し、その後、前記第1のファンを起動または回転速度を元に戻す第2制御を実行することを特徴とする排気装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記画像形成装置から装置内の温度を取得し、取得した装置内の温度が所定温度よりも低い場合、前記第1のファンを動作させ且つ前記第2のファンを駆動停止させる第3制御を実行し、
    取得した温度が上昇して前記所定温度に達すると、これを前記動作指示として受け付けて、前記第3制御から前記第2制御の実行に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記第1と第2のファンの両方が駆動停止中に、前記取得した温度が前記所定温度以上であることを判断すると、これを前記動作指示として受け付けて、前記第1制御を実行することを特徴とする請求項2に記載の排気装置。
  4. 前記画像形成装置は、記録シート上に形成された未定着画像をヒーターにより加熱された定着部材により熱定着する定着部を備え、
    前記定着部は、駆動中に超微粒子の発生を伴うことがあり、
    前記ダクトの吸気口は、前記定着部の近傍に位置し、前記定着部の周辺の空気が前記画像形成装置内の空気として前記ダクト内に取り込まれ、
    前記排気装置は、前記ダクト内に取り込んだ空気に含まれる超微粒子を回収する回収部を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の排気装置。
  5. 前記画像形成装置は、さらに、前記定着部材の温度を検出する検出部と、前記検出部の検出温度に基づき前記ヒーターを制御して前記定着部材を熱定着に必要な定着温度まで昇温させるヒーター制御部と、を備え、
    前記定着部材の温度と超微粒子の発生量とは、前記定着部材の温度が低温から高温に移るに従って超微粒子の発生量が上昇して最大値に至り、その後減少していく関係を有し、
    前記制御手段は、前記検出部の検出温度を前記装置内の温度として取得し、
    前記所定温度は、超微粒子の発生量が最大値から減少に転じる以降の温度であり、前記第1と第2のファンを両方動作させて画像形成装置内の冷却を行う必要がある温度として予め決められていることを特徴とする請求項4に記載の排気装置。
  6. 前記回収部は、前記ダクト内の空気を通過させるフィルターであり、超微粒子の回収能力の異なる種類のものが操作者により交換可能に前記ダクトに装着されており、
    前記制御手段は、
    現に装着されているフィルターの種類に応じて、前記第1と第2のファンのうち前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに動作させるファンを決定し、
    前記第1のファンに決定された場合、前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに前記第3制御を実行し、前記所定温度に達すると前記第2制御に切り替え、
    前記第2のファンに決定された場合、前記第3制御と前記2制御の実行を禁止して、前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに前記第1のファンを駆動停止させた状態で前記第2のファンを起動させる第4制御を実行し、前記所定温度に達すると、前記第2のファンの動作を継続しつつ前記第1のファンを起動させる第5制御に切り替えることを特徴とする請求項5に記載の排気装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記フィルターの異なる種類ごとに、前記第1と第2のファンのうち前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに動作させるべきファンを対応付けたファン情報を記憶している記憶部を有し、
    現に装着されているフィルターの種類を示すフィルター情報を取得して、前記取得したフィルター情報が示すフィルタの種類に対応するファンを前記ファン情報から判断し、判断したファンを前記検出温度が前記所定温度よりも低いときに動作させるファンと決定することを特徴とする請求項6に記載の排気装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記第2のファンが起動後、所定の回転速度に達してから、前記第1のファンの起動を開始する、または回転速度を元に戻すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の排気装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の排気装置が搭載された、画像形成装置。
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