JP2019019608A - 道路標識柱 - Google Patents

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【課題】高速道路の中央分離帯など、特に、橋梁上やトンネル内において、車両及び搭乗者に大きな損傷を与えずに、対向車線や路側帯への車両の進入を防止することができる標識柱を提供する。【解決手段】円筒状の弾性材料からなり、内部に発泡材6が充填されている標識柱本体5と、標識柱本体5を立設する台座4とを備え、台座4の下部には、下方に突出するネジ部材1が設けられ、ネジ部材1は、金属材料からなり、上部接合部1bと、埋設管2の内周接合部2aに螺合固定される下部接合部1aと、上部接合部1bと下部接合部1aとの間に設けられ、台座4の底面に設けられた貫通孔4aに貫通する中間部1cとが一体的に形成され、標識柱本体5の内部には、台座4から上方に向かって円筒状の鋼管3が延出しており、鋼管3の下部は、ネジ部材1の上部接合部1bの外周に固定されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、道路標識柱に関し、高速道路の中央分離帯など、特に、橋梁上やトンネル内において、車両及び搭乗者に大きな損傷を与えずに、対向車線や路側帯への車両の進入を防止することができる道路標識柱に関する。
従来、鋼製パイプや、石柱、コンクリート柱などからなる道路標識柱が使用されている。これらは大きな剛性を有するため、これらに車両が衝突すると車両及び搭乗者が大きな損傷を被るという問題があった。
このような問題を解決するため、車両などが衝突すると屈曲して衝撃を吸収緩和できるようにした道路標識柱が提案されている(特許文献1)。
一方、高速道路の中央分離帯などにおいては、対向車線や路側帯への車両の進入を防止するため、ガードレールやガードワイヤが使用されている。
特開2006−070464号公報
特許文献1に記載された道路標識柱は、車両が衝突したときに、屈曲して衝撃を緩和するとともに車両を停止させることができるとしているが、高速走行して衝突した車両を停止させる程度の十分な剛性を有するとは言えない。この道路標識柱においては、中心部分の補強体は、ポリウレタン等の合成樹脂材料からなる台座によって支持されているので、高速走行車両の衝突力に対して十分に対抗することはできない。この道路標識柱は、時速5km以下の小型車が接触した場合に、この小型車を停止させることを想定したものである。
ガードレールやガードワイヤは、高速道路の中央分離帯などにおいて、対向車線や路側帯への車両の進入を防止する効果がある。しかし、これらガードレールやガードワイヤは、それ自体の重量が大きいこともあって、十分な深さまで埋設された十分な太さを有する多数本の支柱(鉄柱)によって支持しなければならない。したがって、ガードレールやガードワイヤは、橋梁上やトンネル内に設置することが困難であった。
そこで、本発明の課題は、高速道路の中央分離帯など、特に、橋梁上やトンネル内において、車両及び搭乗者に大きな損傷を与えずに、対向車線や路側帯への車両の進入を防止することができる道路標識柱を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
円筒状の弾性材料からなり、内部に発泡材が充填されている標識柱本体と、該標識柱本体を立設する台座とを備え、
該台座の下部には、下方に突出するネジ部材が設けられ、
該ネジ部材は、金属材料からなり、上部接合部と、埋設管の内周接合部に螺合固定される下部接合部と、前記上部接合部と前記下部接合部との間に設けられ、前記台座の底面に設けられた貫通孔に貫通する中間部とが一体的に形成され、
前記標識柱本体の内部には、前記台座から上方に向かって円筒状の鋼管が延出しており、
該鋼管の下部は、前記ネジ部材の上部接合部の外周に固定されていることを特徴とする道路標識柱。
(請求項2)
前記鋼管の下部は、前記ネジ部材の上部接合部の外周に溶接により固定されていることを特徴とする請求項1記載の道路標識柱。
(請求項3)
前記鋼管は、前記台座から上方に向かって、前記標識柱本体の中間位以下まで延出していることを特徴とする請求項1又は2記載の道路標識柱。
(請求項4)
前記鋼管の内部に、前記発泡材が充填されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の道路標識柱。
(請求項5)
前記台座の底面と地表面との間に、挿通孔を有する金属材料からなる底面板を設け、
前記底面板の挿通孔に、前記ネジ部材の中間部が挿通されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の道路標識柱。
本発明は、高速道路の中央分離帯など、特に、橋梁上やトンネル内において、車両及び搭乗者に大きな損傷を与えずに、対向車線や路側帯への車両の進入を防止することができる道路標識柱を提供することができる。
本発明の実施形態の道路標識柱の縦断面図 図1に示した道路標識柱のネジ部材及び鋼管を示す平面図(a)及び正面図(b) 図1に示した道路標識柱を示す平面図(a)及び正面図(b) 図1に示した道路標識柱の設置状態の要部の縦断面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態の道路標識柱の縦断面図である。図2は、図1に示した道路標識柱のネジ部材及び鋼管を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
この道路標識柱10は、図1及び図2に示すように、金属性のネジ部材1を有している。このネジ部材1は、下部を下部接合部1a、上部を上部接合部1b、下部接合部1aと上部接合部1bとの間には中間部1cが設けられ、これらが一体的に形成されている。後述するように、この道路標識柱10の使用状態においては、下部接合部1aが地中で支持されている。
ネジ部材1の下部接合部1aは、埋設管2の内周接合部2aと螺合固定される。例えば、ネジ部材1の下部接合部1aの外周に雄ネジを形成し、埋設管2の内周接合部2aに雌ネジを形成し、雄ネジと雌ネジとが螺合されることによって、ネジ部材1と埋設管2に螺合固定される。埋設管2は、後述するように、この道路標識柱10の使用状態においては、地中に埋設されて固定され、ネジ部材1を支持する。
鋼管3は、後述する台座4の上方に向かって延出している。鋼管3は、例えば、金属材料からなり、図2(a)に示すように、円筒状の管である。なお、鋼管3の材料及び肉厚は、鋼管3の剛性を規定するうえで重要である。鋼管3の材料及び肉厚は、車両の進入を阻止できる程度の所望の剛性が得られるように適宜定めることができる。
鋼管3の下部は、ネジ部材1の上部接合部1bの外周に固定されている。ネジ部材1の上部接合部1bと鋼管3との固定方法としては、溶接により強固に固定することが好ましい。これにより、ネジ部材1と鋼管3とを一体部材として形成することができる。
鋼管3の上部は、後述する標識柱本体5の高さ方向に向かって、中間位以下まで延在されていることが好ましい。鋼管3の長さは、例えば、300mm〜600mm程度で、標識柱本体5の高さの約半分程度の高さであることが好ましい。特に大型車の衝突が想定される箇所で用いる場合には、鋼管3の長さは、大型車の進入を阻止できる程度の必要十分な長さにすることが好ましい。
台座4は、ネジ部材1の周囲を囲むように、配置されている。台座4は、例えばポリウレタンなどの弾性材料から、略円盤状に形成されている。台座の底面には、中央部にネジ部材1が貫通するための貫通孔4aが形成されている。つまり、台座4は、貫通孔4aに、ネジ部材1の下部接合部1aを下方に突出させ、中間部1cが貫通されて、ネジ部材1の周囲に配置される。なお、台座4をなす材料は、特に限定されない。
標識柱本体5は、弾性材料からなる円筒状に形成され、内部には、鋼管3が設けられ、この鋼管3を覆うように設けられている。標識柱本体5の内径は、鋼管3の外径の2倍程度となっている。
標識柱本体5をなす弾性材料は、例えばポリウレタンなどの弾性樹脂材することが好ましい。
標識柱本体5は、台座4に立設されている。標識柱本体5の下部は、台座4に設けられた溝に嵌め込み、これを接着等によって接合されている。標識柱本体5は、鋼管3の2倍程度の長さ(例えば、600mm〜1200mm)を有していることが好ましい。したがって、標識柱本体5の上端は、鋼管3の上端よりも2倍程度の高さに達している。
標識柱本体5中には、発泡体6が充填される。発泡体6は、例えば、半硬質発泡ポリウレタンであるが、その材料はこれに限定されない。発泡体6は、液体の状態で標識柱本体5の上端部から標識柱本体5中に注入され、標識柱本体5中において発泡して固化したものである。
標識柱本体5中に発泡体6を充填するにあたっては、液体の発泡材料を標識柱本体5の上端部から標識柱本体5中に注入し、標識柱本体5の上端部をキャップ7によって閉蓋してから標識柱本体5の上下を逆転させ、発泡材料を標識柱本体5の上端側に寄せた状態で固化させる。このようにして発泡材料を固化させることにより、標識柱本体5中の上端側に空隙を形成せずに発泡体6を充填することができる。
キャップ7は、例えばポリエチレンから略円盤状に形成され、下面部に、標識柱本体5の上端部が嵌合する円環溝7aが形成されている。なお、キャップ7の材料は、特に限定されない。
道路標識柱10は、台座4の底面と、地表面との間に、底面板8を設けてもよい。底面板8は、金属材料からなり、円盤状に形成されている。底面板8は、中央部にネジ部材1が挿通される挿通孔8aを有し、この挿通孔8aにネジ部材1の中間部1cが挿通し、ネジ部材1の周囲の地表面(路面)上に設置される。底面板8は、地表面(路面)と台座4の底面との間に介在して配置される。
なお、ネジ部材1の中間部1c及び底面板8の挿通孔8aが、密に挿通していてもよい。また、ネジ部材1の中間部1c及び底面板8が、一体的に接合(例えば、溶接や接着)してもよい。
近年、道路表面を覆うアスファルトは、雨天時の視認性及び走行性の確保のため、水捌けの良い高性能アスファルトであることが覆い。高性能アスファルトは、アスファルト粒径を大きくして密度を下げ、路面の雨水を地中に染みこませるようになっており、従来の密粒タイプのアスファルトよりも脆い。
このような脆い高性能アスファルトの路面上に道路標識柱10を設置すると、標識柱本体5を倒す力が加わったときには、ネジ部材1を支持する埋設管2に、標識柱本体5を倒す力が伝搬され、埋設管2の周囲の路面が掘り返され、道路標識柱10が倒れてしまうおそれがある。この場合に、底面板8を設けることによって、埋設管2に伝わる力を、底面板8に分散することができる。高性能アスファルトの路面上に設置した場合であっても、ネジ部材1から埋設管2に伝わる力の一部が、底面板8に分散されることによって、路面を掘り返される力の一部を底面板8が受ける。そして底面板8は、下面全面で力を受けることになるので、路面に対して働く力が下面全面に分散される。これにより、路面を掘り返して道路標識柱10が倒れることを防止することができる。
さらに、ネジ部材1の中間部1c及び底面板8の挿通孔8aが、密に挿通していることによって、より確実に路面を掘り返して道路標識柱10が倒れることを防止することができる。また、ネジ部材1の中間部1c及び底面板8が、一体的に接合することによって、ネジ部材1の中間部1c及び底面板8の挿通孔8aが密に挿通している場合よりも、確実に路面を掘り返して道路標識柱10が倒れることを防止することができる。
図3は、図1に示した道路標識柱を示す平面図(a)及び正面図(b)である。
標識柱本体5の外周面には、図3に示すように、反射シート9を貼着することができる。反射シート9は、標識柱本体5の外周面の一箇所又は複数箇所に貼着することができる。また、反射シート9は、標識柱本体5の外周面の全周に亘って貼着してもよいし、特定の方向のみに貼着してもよい。
標識柱本体5の外周面には、反射シート9ではなく、反射塗料を塗布してもよい。標識柱本体5の外周面、反射シート9及び反射塗料の色は、グレー又は金属色とすることが好ましい。従来の緑色や赤色の道路標識柱は、車両の衝突に対して殆ど抵抗力を有しない柔らかいものであると広く認識されているため、対向車線や路側帯への車両の進入を防止する道路標識柱10は、従来の道路標識柱と区別するために、グレー又は金属色とすることが好ましい。
また、この道路標識柱10において、標識柱本体5の直径は、従来の道路標識柱と区別するために、従来の道路標識柱の直径よりも大きくし、135mm程度とすることが好ましい。
図4は、図1に示した道路標識柱の設置状態の要部の縦断面図である。
この道路標識柱10を地表面(路面)上に設置するには、図4に示すように、地表面101から地中102に円形の支持孔103を穿設する。支持孔103の直径は、埋設管2の外径よりも僅かに大きい径とすることが好ましく、例えば、60mm〜100mm程度である。この支持孔103内には、接着剤104を充填する。支持孔103内の接着剤104中に、埋設管2を埋設し、接着剤104を固化させる。支持孔103内で接着剤104により固着されて埋設された埋設管2の内周接合部2aに対して、ネジ部材1の下部接合部1aを螺合させることにより、道路標識柱10が設置される。なお、地表面101の道路標識柱10が設置される箇所には、路側帯を示す白線105が引かれていることがある。
本実施形態において、より好ましい設置方法としては、ネジ部材1に埋設管2を螺合させた状態、すなわち、埋設管2まで含めて道路標識柱10の組立を完了した状態で、支持孔103内の接着剤104中に埋設管2を埋設し、接着剤104を固化させる。
いずれの場合でも、後に埋設管2からネジ部材1の下部接合部1aを外すことにより、埋設管2を支持孔103内に残したままで、道路標識柱10を地表面101から取り外すことができる。
このように設置された道路標識柱10は、高速道路の中央分離帯などに複数本が配列されて設置されることにより、対向車線や路側帯への車両の進入を防止する効果がある。
すなわち、この道路標識柱10は、ネジ部材1と鋼管3とが十分な強度で固定されており、ネジ部材1が十分な強度で支持孔103中で支持されることにより、標識柱本体5に走行車両が衝突したときには、鋼管3が車両の衝突力に抗して立設状態を維持しようとし、屈曲変形、破砕又は倒伏する過程で、衝突力を吸収する。
鋼管3の倒伏は、鋼管3のネジ部材1の近傍における屈曲変形又は破砕によって起こる。衝突した走行車両は、複数本の道路標識柱10の鋼管3を屈曲変形させ、又は破砕し、倒伏させる過程で、運動エネルギーを消費し、また、運動方向を曲げられるので、対向車線や路側帯への進入を阻止される。
また、標識柱本体5及び発泡体6の弾性力により、衝突した走行車両側の損傷は、最小限度に抑えられる。
底面板8を設けた場合には、路面を掘り返して道路標識柱10が倒れることを防止し、鋼管3の変形及び倒伏に要する力は、想定された所望の力となる。
また、支持孔103の直径を従来よりも大径の100mm程度とした場合にも、支持孔103の周囲の崩壊によって道路標識柱10が倒れることを防止し、鋼管3の変形及び倒伏に要する力を、想定された所望の力とすることができる。
この道路標識柱10は、設置のために穿設する支持孔103の深さが、例えば、60mm〜100mm程度と浅くてよいので、橋梁上やトンネル内にも設置することができる。
このように、本発明は、高速道路の中央分離帯など、特に、橋梁上やトンネル内において、車両及び搭乗者に大きな損傷を与えずに、対向車線や路側帯への車両の進入を防止することができる道路標識柱10を提供することができる。
1 ネジ部材
1a 下部接合部
1b 上部接合部
1c 中間部
2 埋設管
2a 内周接合部
3 鋼管
4 台座
4a 貫通孔
5 標識柱本体
6 発泡体
7 キャップ
7a 円環溝
8 底面板
8a 挿通孔
9 反射シート
10 道路標識柱
101 地表面
102 地中
103 支持孔
104 接着剤
105 白線

Claims (5)

  1. 円筒状の弾性材料からなり、内部に発泡材が充填されている標識柱本体と、該標識柱本体を立設する台座とを備え、
    該台座の下部には、下方に突出するネジ部材が設けられ、
    該ネジ部材は、金属材料からなり、上部接合部と、埋設管の内周接合部に螺合固定される下部接合部と、前記上部接合部と前記下部接合部との間に設けられ、前記台座の底面に設けられた貫通孔に貫通する中間部とが一体的に形成され、
    前記標識柱本体の内部には、前記台座から上方に向かって円筒状の鋼管が延出しており、
    該鋼管の下部は、前記ネジ部材の上部接合部の外周に固定されていることを特徴とする道路標識柱。
  2. 前記鋼管の下部は、前記ネジ部材の上部接合部の外周に溶接により固定されていることを特徴とする請求項1記載の道路標識柱。
  3. 前記鋼管は、前記台座から上方に向かって、前記標識柱本体の中間位以下まで延出していることを特徴とする請求項1又は2記載の道路標識柱。
  4. 前記鋼管の内部に、前記発泡材が充填されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の道路標識柱。
  5. 前記台座の底面と地表面との間に、挿通孔を有する金属材料からなる底面板を設け、
    前記底面板の挿通孔に、前記ネジ部材の中間部が挿通されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の道路標識柱。
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