JP2004250997A - 視線誘導標識柱 - Google Patents

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Hideki Ishida
秀樹 石田
Katsuhiko Tanigawa
克彦 谷川
Shizuo Kageyama
静男 影山
Yuichi Saito
有一 斎藤
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Toyo Tire Corp
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SUNPOLE CO
Toyo Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】緊急時に車両が乗り越えることができ、運搬性や施工性を改善した視線誘導標識柱を提供すること。
【解決手段】外表面に反射シート7が設けられる弾性変形可能な外部支柱2と、この外部支柱2の下部に設けられるベース4とを備えた視線誘導標識柱1であって、外部支柱2は、中空に形成され、この中空領域に、ベース側から上方に伸びる弾性変形可能な内部支柱3を設けた。好ましくは、内部支柱3は、チューブ状に形成される。好ましくは、外部支柱2及び内部支柱3は熱可塑性エラストマーにより形成される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外表面に反射部が設けられる弾性変形可能な外部支柱と、この外部支柱の下部に設けられるベースとを備えた視線誘導標識柱に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる視線誘導標識柱は、上下車道の中央分離線や、車道と歩道の境界線標示用、公園や街路等の車止め仕切り等の標示用として使用されている。かかる視線誘導標識柱は、大きな剛性を有する材料で形成すると、自動車が追突した場合,その衝撃で標識柱が破損したり、破片が飛散する等の危険性がある。また、自動車側も運転者が危害を受けるなどの危険性がある。さらに、標識柱に人がぶつかった場合にも、人に対して危害を与えてしまう可能性がある。
【0003】
かかる問題点を改善した従来技術として、本出願人による下記の特許文献が知られている。この標識柱の構成を図3に示す。この標識柱10は、金属パイプ12の上にコイルスプリング13を接合した内層体14と、内層体14の外側に覆われたエラストマー11とを備えている。金属パイプ12の下部を地中に埋め込むことで、地面に標識柱10を設置している。上方部は柔軟でソフトな接触感を有しており、中間部はコイルスプリング13とエラストマー11との複合体に特有の屈曲復元性を有する。よって、外力を受けるとすぐに撓むが初期の形状を長期にわたり維持することができる。これにより、標識柱に人や車がぶつかった場合の危険性を回避している。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−45450号公報(実用新案登録請求の範囲、第1図等)
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次に説明するような課題がある。すなわち、 金属パイプ12とコイルスプリング13を使用していることから、反発弾性が強すぎ、緊急車両が歩道を乗り越えることができない。また、金属パイプ12やコイルスプリング13を使用しているので、製品重量が重たく運搬性や施工性がよくない。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、緊急時に車両が乗り越えることができ、運搬性や施工性を改善した視線誘導標識柱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明に係る視線誘導標識柱は、
外表面に反射部が設けられる弾性変形可能な外部支柱と、
この外部支柱の下部に設けられるベースとを備えた視線誘導標識柱であって、前記外部支柱は、中空に形成され、この中空領域に、前記ベース側から上方に伸びる弾性変形可能な内部支柱を設けたことを特徴とするものである。
【0006】
この構成によると、標識柱は外部支柱と内部支柱とを備えている。外部支柱は、弾性変形可能であり内部が中空に形成される。この中空領域に弾性変形可能な内部支柱が設けられる。外部支柱も内部支柱も弾性変形可能であり、従来技術の金属パイプとは異なり、車両が乗り越えることができる。また、コイルスプリングを設ける必要もない。すなわち、 外部支柱や内部支柱を金属製の部材を用いる必要はなく、視線誘導標識柱全体を軽量化することができる。その結果、緊急時に車両が乗り越えることができ、運搬性や施工性を改善した視線誘導標識柱を提供することができる。
【0007】
本発明の好適な実施形態として、前記内部支柱は、チューブ状に形成されるものがあげられる。
チューブ状に形成することで、弾性変形しやすい構造とすることができる。
【0008】
本発明の別の好適な実施形態として、前記外部支柱及び前記内部支柱は熱可塑性エラストマーにより形成されるものがあげられる。
各支柱の素材として熱可塑性エラストマーを選択することにより、長期にわたり復元性を維持することができる。
【0009】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記ベースには、地中に埋め込まれるアンカーに形成された雌ねじに螺合するボルトが埋め込まれると共に、前記ベースを回転させるための治具を装着する装着部が設けられているものがあげられる。
【0010】
ベースにボルトを埋め込むことで、これをアンカーに形成された雌ねじに螺合させることができる。つまり、地面に標識柱を取り付けたり取り外したりする作業が容易になる。また、ベースに装着部を設けて治具を装着できるようにすることで、さらに作業を容易化することができる。
【0011】
本発明の更に別の好適な実施形態として、前記ベースは、二液硬化型のウレタンにより成型されると共に、前記外部支柱及び前記内部支柱と一体化されるものがあげられる。
【0012】
ベースをウレタンにより成型することで、熱可塑性エラストマーにより形成される外部支柱や内部支柱と強固に接合することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る視線誘導標識柱(以下、標識柱と略す)の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、標識柱の外観構成図を示し、図2は、標識柱の断面図を示す図である。
【0014】
<標識柱の構成>
図1において、標識柱1は、外部支柱2を備えており、その上部に凹部2aが形成されている。この凹部2aに反射シート7(反射部に相当)が貼り付けられている。車のライトから照射された光が反射シート7に反射することで、車の運転者は標識柱1の存在を認識することができる。外部支柱2の下部にはベース4が取り付けられている。
【0015】
図2に示すように、外部支柱2の内部は中空に形成される。外部支柱2は、熱可塑性エラストマーにより形成され、容易に弾性変形することができる。また、内部支柱3も中空のチューブであり、熱可塑性エラストマーにより形成される。
よって、内部支柱3も弾性変形することができる。外部支柱2の高さをH1、外径をD1とし、内部支柱3の高さをH2,外径をD2とした場合、H2はH1の約半分が好ましく、D2はD1の約半分が好ましい。ただし、これに限定されるものではない。具体的数値をあげると、例えば、H1は900mm前後が好ましく、H2は200〜400mmが好ましく、特に300mmが好ましい。D1は90〜140mmが好ましく、120mmが特に好ましい。D2は40〜70mmが好ましく、60mmが特に好ましい。なお、外部支柱2や内部支柱3の内部に形成される空間には、何も充填されない。
【0016】
標識柱1の底部にはベース4が設けられており、外部支柱2及び内部支柱3の下部と一体化されている。ベース4は、二液硬化型のウレタンにより成型され、これにより、熱可塑性エラストマーで成型された外部支柱2や内部支柱3との連結性を強固なものにしている。ベース4は、円錐台形状をしており、底部にボルト5が埋め込まれている。また、ベース4には、治具取り付け用の孔4a(装着部に相当)が設けられている。
【0017】
<標識柱の製造及び設置>
次に、図1,2に示す標識柱1の製造方法及び設置方法について簡単に説明する。まず、外部支柱2及び内部支柱3を製作する。これらの製作は、押し出し成形により行うことができる。次に、ベース4を成型するための金型(不図示)の所定位置に、上記の外部支柱2と内部支柱3をセットする。また、ボルト5も金型内の所定位置にセットする。次に、金型内に二液硬化型のウレタンを流し込み硬化させる。これにより、ベース4を成型できると共に、ベース4と外部支柱2、内部支柱3、及び、ボルト5を一体化することができる。また、ベース4の素材としてウレタンを用いることで、熱可塑性エラストマーにより成型された外部支柱2と内部支柱3との連結強度を高めることができる。また、図1に示すように外部支柱2の下部には小孔2bが形成されており、空気流通孔として機能する。
【0018】
次に、標識柱1の設置について説明する。まず、地中にアンカー6を埋め込む。アンカー6には雌ねじが形成されている。そこで、標識柱1の下部に一体化されているボルト5を螺合させることで、標識柱1を地面や路面に設置することができる。この設置作業にあたり、標識柱1を回転させる必要があり、この作業を容易にするため治具(不図示)を使用する。先ほど説明したように、ベース4の孔4aに治具を装着する。治具を用いて、標識柱1を回転するようにすることで設置作業を容易に行うことができる。また、メンテナンス等のために標識柱1を外すときも同様の手順で行うことができる。
【0019】
<作用>
次に、標識柱1の作用について説明する。標識柱1の上部は、内部が中空の外部支柱2のみにより形成され、柔軟でソフトな接触感を有する。従って、歩行者や子供が誤って標識柱1に衝突したとしても、外部支柱2が弾性変形しソフトに受け止める。よって、歩行者等に危害を与えてしまうことがない。また、外部支柱2も元の状態に復元することができる。
【0020】
さらに、標識柱1の下部は、内部が中空の外部支柱2と、同じく内部が中空の内部支柱3にり構成され、標識柱1の根元部から弾性変形することができる。そして、内部支柱3を設けることで、より大きな復元力を備えることができる。また、根元部から変形できるので、非常時において緊急車両が標識柱1を乗り越えることができる。すなわち、 人に対しても車両に対しても優しい標識柱1とすることができた。
【0021】
さらに、標識柱1を構成するのに金属製の部材を使用しておらず、軽量化(約3kgで従来の約半分)することができた。
【0022】
<実施例>
次に、標識柱1の実施例を説明する。外部支柱2として熱可塑性エラストマーにより形成し、高さH1=800mm、外径D1=φ120mm、肉厚=5mmとした。内部支柱3として熱可塑性エラストマーにより形成し、高さH2=345mm、外径D2=φ60mm、肉厚=3mmとした。また、硬度は両方ともJIS Aで85±5゜とした。ベース4としてウレタンにより形成し、ベース下面部の外径をφ200mmとし、高さを40mmとした。また、硬度はJIS Aで80±5゜とした。
【0023】
また、アンカー6の外径はφ48mmであり、地面の切削体積を減らすことができる。従って、施工作業を簡易化することができる。
【0024】
次に、上記形状の標識柱1を用い、タイヤ踏付け試験を行った。試験に用いたタイヤの仕様は165SR13である。踏付け圧力を500kgとした。踏付けのサイクルタイムを5秒/回とした。かかる条件下、踏付けを1000回行っても復元性を維持することができた。
【0025】
<別実施形態>
(1)本実施形態では、内部支柱3の内部は中空であるが、内部にスポンジ状の物質を埋め込んで構成してもよい。
(2)本実施形態では、内部支柱3の外面と内部支柱2の内面との間にすき間が形成されているが、これらを密着させるように寸法設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る視線誘導標識柱の外観構成を示す図
【図2】本実施形態に係る視線誘導標識柱の内部構成を示す図
【図3】従来技術に係る視線誘導標識柱の内部構成を示す図
【符号の説明】
1 標識柱
2 外部支柱
3 内部支柱
4 ベース
5 ボルト
6 アンカー
7 反射シート

Claims (5)

  1. 外表面に反射部が設けられる弾性変形可能な外部支柱と、
    この外部支柱の下部に設けられるベースとを備えた視線誘導標識柱であって、前記外部支柱は、中空に形成され、この中空領域に、前記ベース側から上方に伸びる弾性変形可能な内部支柱を設けたことを特徴とする視線誘導標識柱。
  2. 前記内部支柱は、チューブ状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の視線誘導標識柱。
  3. 前記外部支柱及び前記内部支柱は熱可塑性エラストマーにより形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の視線誘導標識柱。
  4. 前記ベースには、地中に埋め込まれるアンカーに形成された雌ねじに螺合するボルトが埋め込まれると共に、前記ベースを回転させるための治具を装着する装着部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の視線誘導標識柱。
  5. 前記ベースは、二液硬化型のウレタンにより成型されると共に、前記外部支柱及び前記内部支柱と一体化されることを特徴とする請求項3又は4に記載の視線誘導標識柱。
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