JP2015117569A - 道路標識体及びこれらの同期点滅システム - Google Patents
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Abstract
Description
そこで,この課題を解決するために,ポール部とベース部とを別々にして組立てる道路標識柱が提案されている。
例えば,特開2010−168897号公報(特許文献1)記載の道路標識柱は,これを構成する部品を独立した部品で製作したものである。
この道路標識柱50は,図7に示すように,他物の接触あるいは衝突によって曲り変形可能な中空のポール本体51と,ポール本体の下端部に内嵌可能な突出部分52A及び路面への接地環状部分52Bを有するベース52と,ポール本体51に外嵌可能な内孔及びベースの接地環状部分52Bに対向する環状部分53Aを有するリング53とを具備して,これらのポール本体51,ベース52及びリング53は,それぞれ独立した部品で製作されている。これらの独立部品は,ポール本体51の下端部に,その突出部分52Aを内嵌させたベースの接地環状部分52Bとポール本体に外嵌させたリングの環状部分53Aとをベースの下側からねじ部材54を介して締結固定することにより,ポール本体51の下端環状部分がベースの接地環状部分52Bとリングの環状部分53Aとの間に挟込み固定されて組立てられるものとなっている。
しかし,これらの特許文献1,2の道路標識柱は,いずれも車両などが衝突して強い衝撃力を受けると,この衝撃力はほぼポール部だけに加わってしまうので,破損し易く,また傾倒したときにポール部が路面に接触するうような過度な曲がりが生じ,そのために折損し易く,一方でまた衝撃力が無くなったときに元に戻り難くなるなどの課題が潜在している。また,この道路標識柱は3つの部品で構成されているので,部品数が多く,管理が面倒で,コスト高を招く。さらに特許文献3の自発光式道路標示体は,歪曲或いは破損すると,太陽電池ユニットが破壊される恐れがある。
ア 強い衝撃力を受けたときに,この衝撃力を分散させることにより構成部品に掛かる衝撃力を軽減してそれらの破損,飛散を抑制すること。
イ 路面などに接触するような過度の折れ曲を防止して,構成部品の破損を軽減する一方で自己復元性を高めること。
ウ 保守メンテナンス及び製作が容易であること。
図1,図2に示すように,本発明の実施形態に係る自発光型の道路標識体(以下,単に「道路標識体」という。)1は,路面に設置される台座10と,この台座に立設され所定長さの標識部材20とを備え,この標識部材20は内部が中空の柱状体からなり,この中空柱状体20は頂部近傍に複数枚の太陽光パネル(以下,「太陽電池」ともいうことがある。)27A,27B及び複数個の発光体311〜316(図1,図4)並びに外周囲に複数の反射体25a〜25cが設けられ,中空柱状体20の中空部21内に,発光体を点滅させる点滅器32,太陽光パネルで起電した電力を蓄積する蓄電池33,外部からの信号を受信する受信機34及びこの受信機の出力により点滅器32を作動させるコントローラ35(図4)などが収納された構成を有している。以下,これら個々の構成を詳述する。
凹み部13は,図3に示すように,所定深さの底部13Aと,この底部端から延設された対向する一対の側壁13B,13Cとを有し,この底部13Aに標識部材20が固定される柱体固定部14が設けられている。また設置面11には凹み部13から離れた箇所にそれぞれ路面結合部17A,17B(図2)が設けられている。
対向する一対の側壁13B,13Cは,底部13Aの平坦面の端辺から所定角度上った上り傾斜面となっている。この角度は30°から90°の範囲が好ましい。対向する側壁13B,13Cの各傾斜面は,標識部材20が傾倒したとき,過度な折れ曲がりを防止するストッパーになる一方でまた,標識部材20の自己復元を容易にするサポート部ともなる。
一対の側壁13B,13Cの各頂部は山の稜線13b,13cとなっている。また各稜線13b,13cから台座10の両端辺までは下り傾斜面15A,15Bとなっている。さらに各側壁13B,13Cの上り傾斜面及び下り傾斜面15A,15Bの長手方向の両側面16A〜16Dは山型状に形成されている。凹み部13の平坦面から各稜線13b,13cまでの長さw42,w44,各稜線13b,13cから台座10の両端辺までの長さw41,w45,設置面11から各稜線13b,13cまでの高さはH2,底部13Aの平坦面から各山稜線までの高さはh22とすると,これらのw42,w44,w41,w45,H2,h22は,例えばw42は100mm,w44は100mm,w41は100mm,w45は100mm,H2は80mm,h22は60である。
台座10の路面結合部17A,17Bは,凹み部両サイドの山の稜線13b,13cの略真下に設けらている。各路面結合部17A,17Bは,路面上に設けた結合手段,例えばボルトで固定される。台座10が路面に固定されると,凹み部13は両サイドが固定されるが,凹み部13の真下部分の路面と接触する箇所は固定されずにフリーとなる。
この台座10は,道路センターラインなどに,台座の長手方向が車両の流れに沿うようにして設置される。この設置により,車両のタイヤが台座10に当たっても,長手方向の傾斜面に乗り上がるのでショックが和らげられる。また,台座に中空柱状体20が固定されこれに車両などが衝突して強い衝撃力が加わると,凹み部13は設置面11の両サイドが固定されるが,凹み部13の真下部分の路面と接触する箇所が固定されずフリーとなっているので,凹み部13が弾性隆起して持ち上げられて中空柱状体20が傾倒される。
また,それぞれの傾斜面は,標識部材20が傾倒したときに過度な折れ曲がりを防止するストッパーとなる一方でまた,標識部材20の自己復元を容易にするサポート機能を果たすものとなっている。
この中空柱状体20は,その根元固定部22が図3に示すように台座10の長手方向からみた短辺と,この短辺端から直角に延びた短辺からなる長方形をなした四角柱体をなしている。内部の中空部21は根元固定部22から頂部20Dまで連通している。頂部20Dはキャップ23により閉鎖されている。なお,上方幹部20C及び頂部20Dが頂部近傍となっている。
根元幹部20A,すなわち根元固定部22と中間幹部20Bとの間には,伸縮且つ曲がり自在なバネ体部24が形成されている。このバネ体部24は中空柱状体20を蛇腹状に加工成型したものである。この長さh11は例えば100mmである。このバネ体部24は,蛇腹状の成型体に限定されるものでなく,伸縮・曲がり自在でれば如何なる形状のものであってもよい。また,台座10の凹み部13と,中空柱状体20のバネ体部24の変形度は,後者を前者より大きくするのが好ましい。これにより,中空柱状体20が台座の隆起する前に傾倒することになる。
各窓穴26A,26Bは,同じ形状となっている。両窓穴26A,26Bは,それぞれ四角柱状体の長手方向に形成した長方形の額縁状窓枠261と,この窓枠内に形成した長方形の開口262とからなり,この開口262は内部の中空部21に連通している。各窓穴26A,26Bからは各発光体311〜316からの光が照射される。両窓穴26A,26Bは,図2に示すように,各額縁状窓枠261が外周壁面から所定深さ窪ませて,各開口262がこの深さの底部に形成されている。これにより,各発光体311〜316は外周壁面から引っ込んだ箇所に位置するので,車両などが直接発光体に当たることがなく,防護される。
なお,太陽光パネル27A,27Bは,上方幹部20Cに設けたが,この箇所に限定されるものでなく,その他の箇所,例えば,頂部20D,中間幹部20Bなどでもよい。この窓穴26Aの大きさは,額縁状窓枠261の幅長w12,w14,長さをh13,開口の幅長をw13とすると,例えば、w12,w14はそれぞれ20mm,h13は200mm,w13は30mmである。
このような柱状体又は錐状体を用いると,一対の窓穴は,頂部近傍にあって,長手軸方向の仮想軸線と直交する仮想水平線上の外周壁面に対向して設けたものとなり,また,太陽光パネルを装着する箇所はこの水平線と直交する仮想水平線上の外周壁面となる。このような柱状体であっても,窓穴及び太陽光パネルは平坦面に形成される。
道路標識体1は,親機,中継機或いは端末機としても使用し得る構成となっている。親機,中継機にはさらに発信機が付設される。この発信機は光発射ユニット28の筒状体29内に収納される。
道路標識体1に,車両などが例えば図2の矢印A方向から接触すると,軽い接触の場合は,中空柱状体20は根元幹部のバネ体部24が伸び且つ曲がり,傾斜面13Cへ向かって傾倒する。この傾倒により中空柱状体20が車両などに強く当たらないので,車両などが傷つくことはない。この接触が過ぎ去ると,バネ体部24の復元力により中空柱状体20は元に戻る。
また,この道路標識体1に車両などが同じ矢印A方向から衝突した場合,強い衝撃力が中空柱状体20に加わり,この衝撃力により,中空柱状体20は根元幹部のバネ体部24が伸び且つ曲がり,ほぼ同時に台座10の凹み部13が弾性隆起して持ち上がり中空柱状体20が傾倒する。
このときの衝撃力は,中空柱状体20のバネ体部24と台座10の凹み部13とに分散されるので,中空柱状体20及び台座に掛かる衝撃力が軽減されて,これら部材の破損,飛散が抑制される。なお,台座10の凹み部13の隆起は,凹み部深さの略2倍になる。
また,中空柱状体20は,傾斜面13Cに接触し,この傾斜面が中空柱状体20の過度の折れ曲がりを防ぎ根元幹部20Aなどが路面に接触して折れることを防止できる。さらに,衝撃力が無くなると,傾斜面は中空柱状体が復元するのを助けるので復元がスムーズになる。この中空柱状体20は,バネ体部24及び凹み部13の自己復元力により,元の状態に戻り,その後は,継続した使用が可能になる。
図5に示すように,上記の道路標識体1を用い,これら複数個1A〜1Dが道路36のセンターライン37に所定の間隔をあけて設置される。これらの道路標識体のうち,1個,例えば1Aを親機,他の道路標識体1B〜1Dを中継機ないし端末機として,親機1Aからの発信信号により,他の道路標識体1B〜1Dが同期して点灯・点滅される。
図6はこれらの点灯・点滅回路を示しており,図6Aは親機,図6Bは中継機又は端末機の回路ブロック図である。
これにより,親機を中心に,複数連設した中継機又は端末機を同時に点滅させたり,交互に点滅させたりすることができ,道路の蛇行状態や,急カーブなど正しい交通情報を車両ドライバーなどに伝えることができる。
同期点滅システムは,点灯・点滅回路40A,40Bで構成したが,これに限定されるものでなく,他のものに変更してもよい。
Claims (9)
- 路面に設置される台座と,前記台座に立設され所定長さの標識部材とを備え,
前記台座は,路面に設置される面を設置面,該設置面と対向する面を表面とし,該表面に前記標識部材が固定される根元固定部及び該根元固定部から離れた設置面に路面結合部を設けた弾性を有する板状体からなる樹脂成型体で形成され,
前記標識部材は,前記根元固定部に結合される根元幹部分に伸縮及び曲げ自在なバネ体部を設けた柱状体からなる樹脂成型体で形成されて,該標識部材は,前記台座の根元固定部に結合されて,衝撃力を受けたときに前記バネ体部が伸び且つ曲がり,前記台座の根元固定部分が持ち上がり隆起して傾倒され,衝撃力が無くなると復元することを特徴とする道路標識体。 - 前記台座は,前記表面に所定深さの凹み部が形成されて,該凹み部は底部と該底部端から延設した側壁とを有し,前記底部に前記根元固定部が設けられて,前記標識部材が衝撃力を受けたとき該凹み部が弾性変形により持ち上がり隆起することを特徴とする請求項1に記載の道路標識体。
- 前記台座と前記標識部材とは,交換可能な固定手段により結合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の道路標識体。
- 前記標識部材は,交通規制標示体が装着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の道路標識体。
- 前記交通規制標示体は,再帰反射体又は発光体であることを請求項4に記載の道路標識体。
- 前記標識部材は,内部が中空の中空柱状体からなる樹脂成型体で形成され,該中空柱状体の頂部近傍に発光体及び太陽光パネル,内部に発光体を点滅させる点滅器,前記太陽光パネルで起電した電力を充電する蓄電池,外部からの信号を受信する受信機及び又は外部へ信号を発信する発信機並びに該受信機の出力により前記点滅器を作動させるコントローラが収納されていることを特徴とする請求項1〜5にいずれかに記載の道路標識体。
- 前記中空柱状体は,長手の軸線と直交する軸直交線上に外周壁を貫通し前記中空部に連通した一対の対向する窓穴と,前記軸直交線と直交する水平直交線上の外周壁面に前記太陽光パネルが装着され,前記発光体複数個を筒状体に収納して光発射ユニットを形成し,
前記光発射ユニットは,前記中空柱状体の中空部内に前記各発光体が前記各窓穴から照光するように挿入し固定されていることを特徴とする請求項6に記載の道路標識体。 - 前記筒状体は,光透過性及び柔軟性材料のチューブ体からなり,該チューブ体内に前記点滅器,前記蓄電池,前記受信機及びコントローラが収容されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の道路標識体。
- 請求項5〜8のいずれかに記載の道路標識体複数個と,前記複数個の道路標識体の発光体を同時又は順次に点滅させる同期制御装置とを備えたことを特徴とする同期点滅システム。
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