以下、本発明に係る問い合わせ受付システムについて説明する。問い合わせ受付システムは、機器(例えば、エレベータやエスカレータ等)の利用者や管理者からの問い合わせに対して、通常はオペレータによる音声通話で対応する。一方、この問い合わせ受付システムでは、問い合わせが集中するような特定の地域(例えば、地震等の広域災害が発生した地域)からの問い合わせについては、自動音声案内により対応する。尚、以下では、問い合わせ対象の機器としてエレベータを例示して、問い合わせ受付システムを説明する。
問い合わせ受付システムは、図1に示すように、受電オペレータ(監視員)用の受電端末(通話部)20と、IVR(Interactive Voice Response)サーバー(自動音声案内部)21とを有する端末2を備える。端末2は、少なくとも地域情報、地域情報に含まれる地域にあるエレベータ(機器)3の状況情報、及びエレベータ3の保守を担当する技術員の動向情報が入力され、且つ、公衆網(例えば、インターネット)に接続されている。
本実施形態の問い合わせ受付システム1は、公衆網(例えば、電話回線)を介して端末2に接続可能な情報端末(発信者端末)4と、エレベータ3の識別情報が記憶されているデータサーバー(記憶部)5と、端末2に無線回線(例えば、インターネット)を介して接続可能な技術員端末(技術員携帯端末)6と、エレベータ3に接続された監視ユニット7と、を備える。また、本実施形態の問い合わせ受付システム1では、端末2とエレベータ3との間に、監視ユニット7に加えて、電話回線を介して監視ユニット7に接続され且つ通信回線(例えば、インターネット)を介して端末2に接続可能な監視端末8が設けられている。
尚、図1では、一台のエレベータ3が示されているが、本実施形態の問い合わせ受付システム1には、複数台のエレベータ3が含まれている。また、本実施形態の問い合わせ受付システム1では、監視ユニット7及び監視端末8が一台ずつ示されているが、複数台の監視ユニット7、及び、複数台の監視端末8が含まれている。さらに、図1では、情報端末4及び技術員端末6が一台ずつ示されているが、本実施形態の問い合わせ受付システム1には、複数台の情報端末4、及び、複数台の技術員端末6が含まれている。
情報端末4は、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)やノートパソコン等の持ち運び可能な端末や、ウェアラブル端末等である。具体的に、情報端末4は、利用者等(エレベータ3の利用者やエレベータ3の管理者等)により所持される。また、情報端末4は、音声通話が可能な通話部40と、端末2から出力される後述の応答メッセージを表示可能な第一出力部41とを有する。尚、第一出力部41は、例えば、ディスプレイである。
本実施形態の問い合わせ受付システム1では、情報端末4は、利用者等により通話を開始するよう操作されると、公衆網(電話回線)を介して端末2と通信する。この場合、情報端末4は、自身の電話番号を端末2に対して通知可能である。また、情報端末4は、端末2から後述の応答メッセージが出力されると、第一出力部41にこの出力された応答メッセージを表示する。
技術員端末6は、例えば、PDAやノートパソコン等の持ち運び可能な端末や、ウェアラブル端末等である。具体的に、技術員端末6は、エレベータ3の保守を担当する技術員により所持される。また、技術員端末6は、エレベータ3の識別情報(例えば、エレベータ3の識別番号)や技術員の動向情報を入力可能な入力部60と、端末2から出力される後述の情報要求メールを表示可能な第二出力部61とを有する。入力部60は、例えば、入力キーやキーボード等であり、第二出力部61は、例えば、ディスプレイである。尚、技術員端末6がタッチパネル式ディスプレイを備える場合、このディスプレイが入力部60及び第二出力部61を兼ねる。
本実施形態の問い合わせ受付システム1では、技術員端末6は、端末2から後述する情報要求メールが出力されるとこの情報要求メールを表示する。また、技術員端末6は、技術員から情報要求メールに対する技術員の動向情報が入力されると、この入力された動向情報を端末2に出力する。
尚、動向情報は、対象のエレベータに対する技術員の出向情報を示す情報であり、例えば、技術員が待機中である旨の情報、技術員が出向予定(出向準備中)である旨の情報、及び、技術員が出向中である旨の情報等である。
エレベータ3は、エレベータ3の状況情報を出力する制御マイコン30、及び、昇降路を昇降するかご等を含む動作部(図示なし。)等を有する。本実施形態の問い合わせ受付システム1のかごには、エレベータ3の状況を検知すると共に、この検知結果をエレベータ3の状況に関する情報として出力可能な各種センサが設けられている。
制御マイコン30は、センサから出力された情報に基づいて、エレベータ3の状況情報として、例えば、かごの位置情報、かごのドアの開閉情報、かごを昇降させるモーターの駆動情報、及び、停電等を示すイベントコードや、かご内の撮像画像及び各種ログデータといった状況情報を出力する。
監視ユニット7は、制御マイコン30から状況情報が入力されると、これらの入力元のエレベータに関する情報(例えば、エレベータ3の識別番号)及び状況情報を、電話回線を介して監視端末8に出力すると共に、自身に蓄積する。また、監視ユニット7は、自身に蓄積したエレベータに関する情報及び状況情報を、電話回線と監視端末8と公衆回線(インターネット)とを介して、端末2に出力可能である。さらに、監視ユニット7は、状況情報に基づいてエレベータ3が復旧しているか(エレベータ3が正常に運転しているか)否かを判断し、これを示す情報も端末2に出力可能である。
本実施形態の監視端末8は、例えば、複数の地域に設置された多数のエレベータの監視を行うと共に、対象となるエレベータと離れた建物である監視センター等に設置されている。本実施形態の監視センターには、監視オペレータ(監視員)が常駐している。
また、監視端末8は、例えば、制御マイコン30から監視ユニット7を介して出力されたエレベータに関する情報(例えば、エレベータ識別番号)及び状況情報を表示可能な第三出力部80を有する。第三出力部80は、例えば、ディスプレイである。
さらに、監視端末8は、制御マイコン30からエレベータに関する情報(例えば、エレベータ識別番号)及び状況情報が出力されると、第三出力部80でエレベータに関する情報(例えば、エレベータ識別番号)及び状況情報の内容を表示することで、エレベータ3に関する異常を監視オペレータに報知する。監視オペレータは、この報知を確認することで、エレベータ3の異常を把握することができ、必要に応じて、技術員に出向を要請することができる。
データサーバー5は、エレベータの識別情報(例えば、エレベータの識別番号及びエレベータの所在地)を記憶している。データサーバー5は、例えば、図2、図3、図4に示す各種データベース、図5、図6、図7に示す各種リスト、及び、自動音声応答時に用いる応答メッセージを記憶している。尚、各種データベース、各種リスト、応答メッセージは、書き換え可能である。また、各種データベース及び各種リストにおける各行の情報を、以下、「データ」と称する。
データサーバー5は、例えば、各地域に設置されているエレベータについて、問い合わせの発信元となり得る電話番号と、このエレベータの所在地とを含むデータベースを記憶している。具体的に、データサーバー5は、エレベータ識別番号と、電話番号と、エレベータの所在地とを関連付けて含む登録電話番号データベース(図2参照)を記憶している。電話番号は、エレベータに関する電話番号であり、例えば、エレベータが設置されている建物の電話番号や、エレベータの管理者等の電話番号である。エレベータ所在地は、エレベータが設置されている建物の住所であり、例えば、各都道府県及びこの都道府県における地域(北部、南部、町名等)の住所である。
また、データサーバー5は、例えば、各地域(エレベータが設置されていない地域を含む)における固定電話の電話番号の市外局番を記憶している。具体的に、データサーバー5は、地域情報と、市外局番とを関連付けて含む市外局番データベース(図3参照)を記憶している。地域情報は、各都道府県及びこの都道府県における地域(北部、南部、町名等)の住所であり、エレベータが設置されていない地域の住所を含む。市外局番は、各地域における市外局番である。
さらに、データサーバー5は、例えば、各エレベータの保守を担当する技術員の連絡先を記憶している。具体的に、データサーバー5は、エレベータ識別番号と、技術員メールアドレスとを関連付けて含む技術員データベース(図4参照)を記憶している。エレベータ識別番号は、全てのエレベータの識別番号である。技術員メールアドレスは、関連するエレベータの保守を担当する技術員が所持する技術員端末6のメールアドレスである。
データサーバー5は、例えば、広域災害が発生した地域に設置されたエレベータに関する情報を記憶している。具体的に、データサーバー5は、エレベータ識別番号と、電話番号と、エレベータ所在地と、入力時刻と、情報要求時刻とを関連付けて含む対象エレベータリスト(図5参照)を記憶している。エレベータ識別番号は、例えば、広域災害が発生した地域にあるエレベータの識別番号であり、電話番号は、このエレベータに関する電話番号(このエレベータが設置されている建物の電話番号や、このエレベータの管理者等の電話番号)である。この電話番号は、例えば、固定電話の電話番号や、携帯電話の電話番号である。エレベータ所在地は、このエレベータが設置されている建物の住所及び地域区分(所在都道府県の、東部、西部、南部、北部、中部等)である。入力時刻は、電話番号及びエレベータ所在地を、対象エレベータリストに入力した時点の時刻である。情報要求時刻は、関連するエレベータに対応する技術員端末6に情報要求メールを出力した時点の時刻である。尚、図5では、各エレベータ情報要求メールを未だ出力していないため、情報要求時刻は空欄となっている。
また、データサーバー5は、例えば、広域災害が発生した各地域(エレベータが設置されていない地域を含む)の市外局番を記憶している。具体的に、データサーバー5は、市外局番と、地域情報と、入力時刻とを関連付けて含む対象地域リスト(図6参照)を記憶している。市外局番は広域災害が発生した地域の市外局番であり、対象地域リストは広域災害が発生した地域の住所である。入力時刻は、市外局番及び地域情報を、対象地域リストに入力した時点の時刻である。
さらに、データサーバー5は、例えば、故障の後に復旧してから所定時間(例えば、一時間)が経過したエレベータに関する情報を記憶している。具体的に、データサーバー5は、エレベータ識別番号と、電話番号と、エレベータの所在地とを関連付けて含む復旧エレベータリスト(図7参照)を記憶している。エレベータ識別番号は、故障の後に復旧してから所定時間(例えば、一時間)が経過したエレベータの識別番号である。電話番号及びエレベータの所在地は、故障の後に復旧してから所定時間が経過したエレベータの電話番号及び所在地である。
データサーバー5は、上述の応答メッセージを記憶している。応答メッセージは、音声情報であり、例えば、「0000002号機は、通常運転中です。担当技術員は出向中です。」といったメッセージである。尚、データサーバー5は、応答メッセージに加えて、電話番号の通知を要請する旨のメッセージ(例えば、「電話番号を通知しておかけ直しください。」といったメッセージ)や、特定の地域に共通のメッセージ(「大阪府北部のエレベータは、全機、通常運転中です。」といったメッセージ)も記憶している。
端末2は、上述した受電端末20及びIVRサーバー21に加えて、各種処理を行う処理サーバー22と、広域災害が発生した地域の地域情報や災害の内容(地震であれば震度等)を示す情報である広域災害情報を出力可能な広域災害管理端末23とを備える。
受電端末20は、例えば、監視端末8と同様に、監視センター等に設置されている。本実施形態の監視センターには、受電に対する応答を行う受電オペレータ(監視員)が常駐している。
IVRサーバー21は、受電に対して応答メッセージを用いた自動音声音応答が可能である。IVRサーバー21は、例えば、発信元の情報端末4に対して応答メッセージを流すことで、自動音声応答が可能である。
処理サーバー22は、例えば、WEBサーバーである。本実施形態の問い合わせ受付システム1では、処理サーバー22は、IVRサーバー21、広域災害管理端末23、データサーバー5、及び、公衆網(インターネット)に接続されている。
広域災害管理端末23は、例えば、外部から自動的に広域災害情報(広域災害が発生した地域の地域情報や災害の内容)が入力されると、処理サーバー22に広域災害情報を入力する。
処理サーバー22は、各種処理として、例えば、対象エレベータリストや対象地域リストの更新、自動音声案内時に用いる応答メッセージの作成、対象地域リストの更新、及び、受電への対応を行う。これらの各処理は、並列して実行可能である。以下、各処理について順に説明する。
処理サーバー22は、以下の一連の手順に沿って、対象エレベータリストや対象地域リストの更新を行う。処理サーバー22は、広域災害管理端末23から広域災害情報が入力されるまで待機し、広域災害情報が入力されるとこの情報を取得し、広域災害情報を地域情報に変換する。具体的には、処理サーバー22は、この変換の際に、例えば、広域災害情報をテキスト形式もしくはHTML形式からデータ形式に変換する。
処理サーバー22は、変換した地域情報から不要な地域情報(例えば、震度1の地震が発生した地域の地域情報)を除外し、除外後の地域情報と、登録電話番号データベースにおけるエレベータ所在地とを比較し、一致するものがあれば、登録電話番号データベースにおいて一致したエレベータ所在地、これに関連するエレベータ識別番号、及び、これに関連する電話番号と、現在時刻とを対象エレベータリストに入力することで、対象エレベータリストを更新する。また、処理サーバー22は、除外後の地域情報と、市外局番データベースにおける地域情報とを比較し、一致するものがあれば、市外局番データベースにおいて一致した地域情報及びこれに関連する市外局番と、現在時刻とを対象地域リストに入力することで、対象地域リストを更新する。
尚、処理サーバー22は、新たな広域災害情報が入力される度に、対象エレベータリストや対象地域リストの更新を行う。また、処理サーバー22は、除外後の地域情報と登録電話番号データベースにおけるエレベータ所在地とが一致せず、且つ、除外後の地域情報と市外局番データベースにおける地域情報とが一致しない場合、新たな広域災害情報が入力されるまで待機する。
処理サーバー22は、以下の一連の手順に沿って、自動音声案内時に用いる応答メッセージの作成を行う。処理サーバー22は、対象エレベータリストに新たなデータが入力されるまで待機し、対象エレベータリストにデータが入力されると、技術員端末6に情報要求メールを出力していない、又は、技術員端末6に情報要求メールを前回出力してから一定時間(例えば、1時間)経過していれば、技術員データベースからエレベータ3の保守を担当する技術員の技術員メールアドレスを抽出し、技術員端末6に情報要求メールを出力する。また、処理サーバー22は、技術員端末6に情報要求メールを出力した時点の時刻を、情報要求時刻として対象エレベータリストに入力する。処理サーバー22は、技術員端末6からエレベータ3の識別情報(例えば、エレベータ3の識別番号)及び技術員の動向情報が入力されると、この動向情報等を取得する。
また、処理サーバー22は、監視ユニット7から状況情報を取得する。具体的に、処理サーバー22は、監視ユニット7に状況情報を出力することを要求した後、監視ユニット7から状況情報を取得する。
さらに、処理サーバー22は、動向情報及び状況情報に基づいて応答メッセージを作成し、この応答メッセージをデータサーバー5に保存する。尚、処理サーバー22は、技術員端末6からの動向情報や監視ユニット7からの状況情報を新たに取得した場合、随時、新たな応答メッセージを作成する。
尚、技術員端末6に情報要求メールを出力し、且つ、技術員端末6から動向情報が取得できなかった場合、適当な応答メッセージ(例えば、「現在、確認できている情報は、エレベータが休止中であることです。」といったメッセージ)を作成し、この応答メッセージをデータサーバー5に保存してもよい。
処理サーバー22は、エレベータが復旧してから所定時間が経過するまで前述の処理(応答メッセージを作成するための一連の処理)を繰り返す。処理サーバー22は、エレベータが復旧してから所定時間が経過すれば、このエレベータのエレベータ識別番号、これに対応する電話番号、及び、これに対応するエレベータ所在地を復旧エレベータリストに入力すると共に、対象エレベータリストからこのエレベータのエレベータ識別番号、及びこれに関連する情報(エレベータ所在地、入力時刻、電話番号、情報要求時刻)を削除する。さらに、処理サーバー22は、対象エレベータリストに残りのデータがあれば、このデータについての応答メッセージの作成を繰り返す。尚、処理サーバー22は、エレベータが復旧しているか否かを、監視ユニット7から出力される情報により確認する。
処理サーバー22は、以下の一連の手順に沿って、対象地域リストの更新を行う。処理サーバー22は、対象地域リストに新たなデータが入力されるまで待機し、対象地域リストへの入力から所定時間(例えば、48時間)経過した地域を、経過地域としてこのリストから抽出する。具体的に、処理サーバーは、対象地域リストにおける入力時刻と現在時刻とを比較し、この入力時刻から所定時間経過していれば、関連するエレベータ識別番号及び地域情報を経過地域として抽出する。
処理サーバー22は、経過地域として地域情報を抽出すれば、経過地域(地域情報)と対象エレベータリストにおけるエレベータ所在地とを比較し、一致しないものがあれば、対象エレベータリストにおける一致しないエレベータ所在地を、削除地域として抽出する。処理サーバー22は、削除地域を抽出すれば、対象地域リストから削除地域と一致する地域情報、及び、これに関連する情報(市外局番、及び、入力時刻)を削除する。
また、処理サーバー22は、削除地域と復旧エレベータリストにおけるエレベータ所在地とを比較し、一致するものがあれば、復旧エレベータリストにおけるエレベータ所在地、及び、これに関連する情報(エレベータ識別番号及び電話番号)を削除する。
尚、処理サーバー22は、経過地域(地域情報)を抽出できなかった場合、経過地域(地域情報)と対象エレベータリストにおけるエレベータ所在地とを比較した結果、一致しないものがなかった場合、及び、削除地域と復旧エレベータリストにおけるエレベータ所在地とを比較した結果、一致するものがなかった場合、復旧エレベータリストにおける情報の削除は行わない。
処理サーバー22は、以下の一連の手順に沿って、受電への応答を行う。処理サーバー22は、受電があるまで待機し、受電があり、且つ、対象エレベータリスト又は対象地域リストにデータがあると共に、発信者からの電話番号の通知があれば、通知された電話番号と対象エレベータリストにおける電話番号とを比較する。処理サーバー22は、この比較の結果、一致するものがあれば、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に応答メッセージを用いた応答を行わせる。
尚、処理サーバー22は、通知された電話番号と対象エレベータリストにおける電話番号とを比較し、一致するものがなければ、通知された電話番号と復旧エレベータリストにおける電話番号とを比較し、一致するものがなければ、さらに、通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番とを比較する。処理サーバー22は、通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番との比較の結果、一致するものがあれば、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に特定の地域に共通のメッセージ(例えば、「大阪府北部のエレベータは、全機、通常運転中です。」といったメッセージ)を出力させる。
処理サーバー22は、通知された電話番号と復旧エレベータリストにおける電話番号とを比較し、一致するものがあれば、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に応答メッセージを用いた応答を行わせる。
また、処理サーバー22は、通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番との比較の結果、一致するものがなければ、発信元の情報端末4と受電端末20とを接続し、受電オペレータに対応させる。尚、発信元の情報端末4と受電端末20との接続を試みたにもかかわらず、対応可能な受電オペレータが居ない場合には、この情報端末4にオペレータが対応可能となるまで待つことを要請するメッセージ(例えば、「オペレータが話し中ですので、しばらくお待ちください。」といったメッセージ)を出力してもよい。
また、処理サーバー22は、受電があり、且つ、対象エレベータリスト又は対象地域リストにデータがあると共に、発信者からの電話番号の通知がなければ、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に電話番号の通知を要請する旨のメッセージ(例えば、「電話番号を通知しておかけ直しください。」といったメッセージ)を出力させてもよい。また、処理サーバー22は、IVRサーバー21に、このようなメッセージの代わりに、「登録番号(エレベータ識別番号)」、「郵便番号」、「市外局番」、「電話番号」のいずれかのキー入力を促すメッセージを出力させてもよい。
さらに、処理サーバー22は、受電があり、且つ、対象エレベータリスト及び対象地域リストのいずれにもデータがない場合、発信元の情報端末4と受電端末20とを接続し、受電オペレータに対応させる。
以下、図8、図9、図10、及び図11のフローチャート図を用いて、問い合わせ受付システム1における各処理(対象エレベータリストや対象地域リストの更新、自動音声案内時に用いる応答メッセージの作成、対象地域リストの更新、及び、受電への対応)の流れを説明する。
処理サーバー22は、広域災害管理端末23から広域災害情報が入力されない場合(図8のS01においてNo)、入力があるか否かの判断を繰り返し、広域災害情報が入力されると(S01においてYes)、広域災害管理端末23から広域災害情報を取得する(S02)。処理サーバー22は、取得した広域災害情報を地域情報に変換し(S03)、変換した地域情報から不要な地域情報(例えば、震度1の地震が発生した地域の地域情報)を除外する(S04)。
処理サーバー22は、除外後の地域情報と、登録電話番号データベースにおけるエレベータ所在地とを比較し(S05)、一致するものがあれば(S06においてYes)、対象エレベータリストを更新する(S07)。具体的には、処理サーバー22は、登録電話番号データベースにおける一致したエレベータ所在地、これに関連するエレベータ識別番号、及び、これに関連する電話番号と、現在時刻とを対象エレベータリストに入力することで、対象エレベータリストを更新する。
また、処理サーバー22は、除外後の地域情報と、市外局番データベースにおける地域情報とを比較し(S08)、一致するものがあれば(S09においてYes)、対象地域リストを更新する(S10)。具体的に、処理サーバー22は、市外局番データベースにおける一致した地域情報及びこれに関連する市外局番と、現在時刻とを対象地域リストに入力することで、対象地域リストを更新する。
尚、処理サーバー22は、除外後の地域情報と登録電話番号データベースにおけるエレベータ所在地とが一致しない場合(S06においてNo)や、除外後の地域情報と市外局番データベースにおける地域情報とが一致しない場合(S09においてNo)には、一旦、処理を終了する。
処理サーバー22は、対象エレベータリストに新たなデータが入力されなければ(図9のS11においてNo)、新たなデータの入力があるか否かの判断を繰り返し、対象エレベータリストに新たなデータが入力され(S11においてYes)、且つ、技術員端末6に情報要求メールを出力している(S12においてYes)と共に、前回情報要求メールを出力してから一定時間が経過していれば(S13においてYes)、技術員端末6に情報要求メールを出力して、技術員端末6から技術員の動向情報を取得する(S14)。次に、処理サーバー22は、監視ユニット7から状況情報を取得する(S15)。
処理サーバー22は、S14及びS15で取得した動向情報及び状況情報に基づいて、応答メッセージを作成し、この応答メッセージをデータサーバー5に保存し、この時点での時刻を、情報要求時刻として対象エレベータリストに入力する(S16)。
さらに、処理サーバー22は、エレベータが復旧してから所定時間が経過すれば(S17においてYes)、このエレベータ(エレベータが復旧してから所定時間が経過したエレベータ)のエレベータ識別番号、これに対応する電話番号、及び、これに対応するエレベータ所在地を復旧エレベータリストに入力すると共に、対象エレベータリストから、このエレベータのエレベータ識別番号、及び、これに関連する情報(エレベータ所在地、入力時刻、電話番号、情報要求時刻)を削除する(S18)。その後、処理サーバー22は、対象エレベータリストに残りのデータがあれば(S19においてYes)、このデータについての応答メッセージの作成を繰り返す。また、処理サーバー22は、対象エレベータリストに残りのデータがなければ(S19においてNo)、S11における対象エレベータリストに新たなデータの入力があるか否かの判断に戻る。
尚、処理サーバー22は、技術員端末6に情報要求メールを前回出力してから一定時間経過していない場合(S13においてNo)、S17におけるエレベータが復旧してから所定時間が経過しているか否かの判断に進む。また、処理サーバー22は、エレベータが復旧してから所定時間が経過していない場合(S17においてNo)、S12における前回情報要求メールを出力してから一定時間が経過しているか否かの判断に戻る。
処理サーバー22は、対象地域リストに新たなデータが入力されなければ(図10のS21においてNo)、新たなデータの入力があるか否かの判断を繰り返し、対象地域リストに新たなデータが入力され(S21においてYes)、対象地域リストへの入力から所定時間経過した地域情報があれば、経過地域として抽出するための処理を行う(S22)。処理サーバー22は、S22により経過地域を抽出できれば(S23においてYes)、経過地域(地域情報)と対象エレベータリストにおけるエレベータ所在地とを比較し、一致しないものがあれば、この一致しないエレベータ所在地を、削除地域として抽出するための処理を行う(S24)。処理サーバー22は、S24により削除地域を抽出できれば(S25においてYes)、対象地域リストから削除地域と一致する地域情報、及び、これに関連する情報(市外局番、及び、入力時刻)を削除する(S26)。
また、処理サーバー22は、削除地域と復旧エレベータリストにおけるエレベータ所在地とを比較し(S27)、一致するものがあれば(S28においてYes)、復旧エレベータリストにおけるエレベータ所在地、及び、これに関連する情報(エレベータ識別番号及び電話番号)を削除する(S29)。その後、処理サーバー22は、対象地域リストに残りのデータがあれば(S30においてYes)、S22の経過地域を抽出するための処理に戻る。
尚、処理サーバー22は、経過地域(地域情報)を抽出できなかった場合(S23においてNo)、及び、削除地域を抽出できなかった場合(S25においてNo)には、S30の対象地域リストに残りデータがあるか否かの判断に進む。また、処理サーバー22は、S27における削除地域と復旧エレベータリストにおけるエレベータ所在地との比較の結果、一致するものがない場合においても(S28においてNo)、S30の対象地域リストに残りのデータがあるか否かの判断に進む。
処理サーバー22は、受電がなければ(図11のS31においてNo)、受電があるか否かの判断を繰り返し、受電があり(S31においてYes)、且つ、対象エレベータリスト又は対象地域リストにデータがある(S32においてYes)と共に、発信者からの電話番号の通知があれば(S33においてYes)、通知された電話番号と対象エレベータリストにおける電話番号とを比較する(S34)。処理サーバー22は、S34の比較の結果、一致するものがあれば(S35)、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に応答メッセージを用いた応答を行わせる(S36)。
一方、処理サーバー22は、S34の通知された電話番号と対象エレベータリストにおける電話番号との比較の結果、一致するものがなければ(S35においてNo)、通知された電話番号と復旧エレベータリストにおける電話番号とを比較する(S37)。処理サーバー22は、S37の比較の結果、一致するものがなければ(S38においてNo)、さらに、通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番とを比較する(S39)。処理サーバー22は、S39の比較の結果、一致するものがあれば(S40においてYes)、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に特定の地域に共通のメッセージ(例えば、「大阪府北部のエレベータは、全機、通常運転中です。」といったメッセージ)を出力させる(S41)。
処理サーバー22は、S37の通知された電話番号と復旧エレベータリストにおける電話番号との比較の結果、一致するものがあった場合にも(S38においてYes)、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に応答メッセージを用いた応答を行わせる(S36)。
また、処理サーバー22は、S40の通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番との比較の結果、一致するものがなければ(S40においてNo)、発信元の情報端末4と受電端末20とを接続し、受電オペレータに対応させる(S42)。さらに、処理サーバー22は、受電があり(S31においてYes)、且つ、対象エレベータリスト及び対象地域リストのいずれにもデータがない場合にも(S32においてYes)、発信元の情報端末4と受電端末20とを接続し、受電オペレータに対応させる(S42)。
尚、処理サーバー22は、受電があり(S31においてYes)、且つ、対象エレベータリスト又は対象地域リストにデータがある(S32においてYes)と共に、発信者からの電話番号の通知がない場合にも(S33においてNo)、発信元の情報端末4と受電端末20とを接続し、受電オペレータに対応させる(S42)。
以上の問い合わせ受付システム1では、特定の地域(例えば、広域災害が発生した地域)にあるエレベータに関する問い合わせに対して、IVRサーバー21がエレベータの状況や技術員の動向に応じた応答メッセージにより自動音声案内で対応すると共に、特定の地域以外(例えば、広域災害が発生していない地域))にあるエレベータに関する問い合わせに対して、受電オペレータが対応する。言い換えると、エレベータに関する複数の問い合わせが入っても、特定の地域にあるエレベータに関する問い合わせには受電オペレータが対応せず、自動音声案内で対応することができる。これにより、受電オペレータが対応すべき問い合わせの数を抑えることができるため、エレベータに関する複数の問い合わせが入っても対応しやすい。
また、本実施形態の問い合わせ受付システム1では、技術員端末6から、技術員の動向情報(技術員の現在の状況)を把握することができる。
さらに、本実施形態の問い合わせ受付システム1では、監視ユニット7から、エレベータの状況情報(エレベータの現在の状況)を把握することができる。
処理サーバー22が、エレベータが設置されていない地域についても対象地域リストを更新し、問い合わせ発信元の電話番号が、対象地域リストに登録されている市外局番を含む場合、地域共通のメッセージを案内する。そのため、例えば、エレベータが設置されていない地域から受電が有った場合にも、S41において、IVRサーバー21に自動音声応答を行わせることができる。
尚、本発明の問い合わせ受付システムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
例えば、端末2は、IVRサーバー21に自動音声応答を行わせる際に、送信メッセージを作成して、この送信メッセージを特定の送信先に送信してもよい。送信メッセージは、例えば、自動音声応答と略同一の内容を含むメッセージである。
この場合、データサーバー(記憶部)5が、複数のエレベータの識別情報(例えば、識別番号)と、複数のエレベータの識別情報の各々に対応する送信先情報(例えば、送信先アドレス)とを含む図12の送信先データベースを記憶していてもよい。尚、送信先アドレスは、対象のエレベータを管理する管理者等のメールアドレスである。また、データサーバー(記憶部)5は、送信メッセージを作成するための雛型を記憶していてもよい。
この場合、具体的に、処理サーバー22は、エレベータの状況情報や技術員の動向情報に基づいて送信メッセージを作成してもよい。また、処理サーバー22は、送信先データベース(図12参照)から特定された送信先情報を抽出してもよい。さらに、端末2は送信部(例えば、メールサーバー)を備え、この送信部が応答メッセージに対応した送信メッセージを送信先アドレスに送信してもよい。
かかる構成によれば、問い合わせ対象のエレベータに対応する(関連する)送信先にも、送信メッセージを送信することができる。また、送信先となる管理者等が、自動音声応答の内容を確認することができる。
データサーバー5は、対象エレベータリスト(図5参照)や復旧エレベータリスト(図7参照)において、「エレベータ識別番号」に関連付けて「電話番号」及び「エレベータ所在地」を記憶していたが、これらを記憶していなくてもよい。この場合、処理サーバー22は、登録電話番号データベース(図2参照)から「エレベータ識別番号」に基づいて「電話番号」及び「エレベータ所在地」を取得すればよい。
広域災害管理端末23には、例えば、情報端末4、技術員端末6、監視端末8等から手動の操作により広域災害情報が入力されてもよい。この場合であっても、端末2は、広域災害が発生した地域を把握し、これに応じて受電(問い合わせ)への対応を行うことができる。
処理サーバー22は、図8におけるS03において広域災害情報から変換した地域情報の全部について、登録電話番号データベースにおけるエレベータ所在地との比較を行ってもよい。この場合、端末2は、より広い地域について、IVRサーバー21での自動音声応答を行わせることができる。
また、処理サーバー22は、エレベータが設置されていない地域について対象地域リストを設定し、対象地域リストを更新していたが、対象地域リストの設定や更新を行わなくてもよい。この場合、処理サーバー22は、エレベータが設置されていない地域からの受電を受けた場合には、情報端末4を受電端末20に接続し、受電オペレータに対応させてもよい。
さらに、処理サーバー22は、問い合わせ発信元の電話番号以外にも、IPアドレス等により発信元の地域を特定してもよい。この場合、登録電話番号データベースの電話番号の欄に、IPアドレスを入力すればよい。
処理サーバー22は、公衆網から得られる情報端末4からの情報(例えば、通知された電話番号の市外局番)に加えて、エレベータの識別情報に基づいて、問い合わせ対象のエレベータ及びこのエレベータの所在を特定してもよい。これにより、情報端末4からの情報に加えてエレベータの識別情報(エレベータの識別番号)も考慮した上で、問い合わせ対象のエレベータ及びこのエレベータの所在地を特定することができる。具体的に、通知された市外局番に基づいて特定される地域が広い場合であっても、エレベータの識別番号に基づいてエレベータの所在地を特定することで、的確にエレベータの所在地を特定することができる。
また、処理サーバー22は、受電があり、且つ、対象エレベータリストにデータがあると共に、発信者から電話番号の通知があるときに、通知された電話番号の市外局番から特定できるエレベータの所在地と、技術員端末6から入力されたエレベータの識別情報(例えば、エレベータ識別番号)に基づくエレベータの所在地とが異なっていれば、入力されたエレベータの識別情報(例えば、エレベータ識別番号)に基づくエレベータの所在地を採用してもよい。この場合、例えば、問い合わせ対象のエレベータの所在地と情報端末4の現在地とが異なっていても、的確にエレベータの所在地を特定ことができる。
尚、この場合、処理サーバー22は、受電を受け付ける際に、発信者にエレベータの識別情報(例えば、エレベータ識別番号)を入力させてもよい。
処理サーバー22は、受電があり(S31においてYes)、且つ、対象エレベータリスト又は対象地域リストにデータがある(S32においてYes)と共に、発信者からの電話番号の通知がなければ(S33においてNo)、発信元の情報端末4と受電端末20とを接続し、受電オペレータに対応させる(S42)代わりに、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に電話番号の通知を要請する旨のメッセージ(例えば、「電話番号を通知しておかけ直しください。」といったメッセージ)を出力させてもよい。
処理サーバー22の代わりに、IVRサーバー21が、図11におけるS34、S35、S37〜S41までの処理を行ってもよい。具体的に、IVRサーバー21が、通知された電話番号と対象エレベータリストにおける電話番号とを比較し、一致するものがなければ、通知された電話番号と復旧エレベータリストにおける電話番号とを比較し、一致するものがなければ、さらに、通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番とを比較してもよい。また、IVRサーバー21は、この通知された電話番号の市外局番と対象地域リストにおける市外局番との比較の結果、一致するものがあれば、発信元の情報端末4とIVRサーバー21とを接続し、IVRサーバー21に特定の地域に共通のメッセージ(例えば、「大阪府北部のエレベータは、全機、通常運転中です。」といったメッセージ)を出力させるとの処理を行ってもよい。
技術員端末6は、エレベータ3に関する営業を担当する営業担当者により所持されてもよい。
上記実施形態の問い合わせ受付システム1では、エレベータが復旧しているか否かを、状況情報に基づいてエレベータ3が復旧しているか(エレベータ3が正常に運転しているか)否かにより判断していたが、この代わりに、技術員が実際にエレベータ3の運転を確認して、エレベータが復旧しているか否かを判断してもよい。
また、上記実施形態の問い合わせ受付システム1では、監視ユニット7と監視端末8とが電話回線により接続されていたが、図13に示すように、これらがインターネットを介して接続されていてもよい。また、端末2と情報端末4とは、電話回線を介して接続されていたが、これらがインターネットを介して接続されていてもよい。
さらに、上記実施形態の問い合わせ受付システム1は、機器としてエレベータを対象としていたが、エスカレータやビル設備等の機器を対象としていてもよい。エスカレータを対象としている場合、問い合わせ受付システム1は、制御マイコン30の代わりに、PLCユニット(Programmable Logic Controller)を備えてもよい。