JP2019012083A - 温度検出装置 - Google Patents

温度検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019012083A
JP2019012083A JP2018191956A JP2018191956A JP2019012083A JP 2019012083 A JP2019012083 A JP 2019012083A JP 2018191956 A JP2018191956 A JP 2018191956A JP 2018191956 A JP2018191956 A JP 2018191956A JP 2019012083 A JP2019012083 A JP 2019012083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
holder
sensitive body
heat
electric wire
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018191956A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6712302B2 (ja
Inventor
孝正 吉原
Kosei Yoshihara
孝正 吉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Electronics Co Ltd
Original Assignee
Shibaura Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Electronics Co Ltd filed Critical Shibaura Electronics Co Ltd
Priority to JP2018191956A priority Critical patent/JP6712302B2/ja
Publication of JP2019012083A publication Critical patent/JP2019012083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6712302B2 publication Critical patent/JP6712302B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)

Abstract

【課題】小型化を促進しつつ、コイルの温度をより正確で応答性良く検出することが可能な温度検出装置を提供すること。【解決手段】回転電機のコイル9に組み付けられて用いられ、コイル9の温度を検出するための温度検出装置1は、コイル9の熱を感知する感熱体11および感熱体11に電気的に接続される電線12を有する温度センサ素子10と、温度センサ素子10をコイル9に保持するホルダ20とを備える。感熱体11から引き出されている電線12とコイル9の表面9Aとの間には、電流のリークを防止するための絶縁部(232または空隙)が形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、回転電機の固定子に備えられたコイルの温度を検出するために好適な温度検出装置に関する。
電動機等の回転電機では、固定子に備えられたコイル(ステータコイル)に電流が流れることにより、ステータコイルの温度が上昇する。ステータコイルの過大な温度上昇を避けて回転電機を安定して動作させるため、温度センサを用いてステータコイルの温度を検出している。
特許文献1では、ステータコイルの一部である中性線に折り曲げ部分を設け、その折り曲げ部分の間に、感熱体(サーミスタ)を内蔵するケースを配置するとともに、折り曲げ部分を厚み方向両側から治具で押さえながら、折り曲げ部分およびケースの全体を包み込むように樹脂を射出成形している。成形された樹脂モールドにより、温度センサがコイルの折り曲げ部分に固定される。
特開2013−225959号公報
ステータコイルの温度検出に関して、構造の小型化と、正確で応答性の良い温度検出とが常に求められている。
特許文献1の構成によると、温度センサを取り付けるコイルを折り曲げているため、厚みが増して構造が大型化する。また、感熱体がケースに内蔵されているため、感熱体がケースを介してコイルに接触することとなるので、感度や応答性に改善の余地がある。
以上より、本発明は、小型化を促進しつつ、コイルの温度をより正確で応答性良く検出することが可能な温度検出装置を提供することを目的とする。
本発明は、回転電機のコイルに組み付けられて用いられ、コイルの温度を検出するための温度検出装置であって、コイルの熱を感知する感熱体および感熱体に電気的に接続される電線を有する温度センサ素子と、温度センサ素子をコイルに保持するホルダと、を備え、感熱体から引き出されている電線とコイルの表面との間には、電流のリークを防止するための絶縁部が形成されていることを特徴とする。
本発明の温度検出装置において、絶縁部は、ホルダの一部であるか、あるいは、電線とコイルの表面との間の空隙であることが好ましい。
後者の場合は、電線の少なくとも一部が、コイルの表面から離れる方向へ延びており、電線とコイルの表面との間に空隙を生じている。さらに、ホルダの一部が、電線とコイルの表面との間の空隙に位置していることが好ましい。
本発明の温度検出装置において、温度センサ素子は、電線の感熱体から引き出される方向がコイルの延出方向に沿うようにコイルに保持されていることが好ましい。
また、本発明の温度検出装置において、ホルダは、感熱体を保持する感熱体ホルダと、電線を保持し、感熱体ホルダと共に温度センサ素子をコイルに組み付ける電線ホルダと、を含み、感熱体ホルダと電線ホルダとは、コイルの延出方向に離れて取り付けられており、絶縁部は、感熱体ホルダと電線ホルダとの間に形成されていることが好ましい。
本発明の温度検出装置において、ホルダは、コイルの表面に感熱体の一部が接触した状態で温度センサ素子を取り付ける位置を位置決めすることが好ましい。
本発明の温度検出装置において、絶縁部は、感熱体から電線が引き出されている第1位置と、第1位置からコイルの延出方向に離れた第2位置とを結ぶ電線の第1位置から第2位置までの区間と、コイルの表面との間に形成されていることが好ましい。
さらに、本発明は、回転電機のコイルに組み付けられて用いられ、コイルの温度を検出するための温度検出装置であって、コイルの熱を感知する感熱体および感熱体に電気的に接続される電線を有する温度センサ素子と、感熱体をコイルに保持する感熱体ホルダと、電線を保持し、感熱体ホルダと共に温度センサ素子をコイルに組み付ける電線ホルダと、を備え、電線とコイルとの間には、電線ホルダの一部が介在していることを特徴とする。
本発明の温度検出装置によれば、電線とコイルの表面との間に絶縁性を有する絶縁体や空隙等の絶縁部が形成されていることにより、コイルから電線への電流のリークを防ぐことができる。
(a)および(b)は、本発明の実施形態に係る温度検出装置の外観を示す斜視図である。(a)は、上方から見た図であり、(b)は、下方から見た図である。 図1に示す温度検出装置を、樹脂モールドを透視して示す斜視図である。 図2のIII-III線断面図である。 (a)は、樹脂モールドが設けられていない状態の温度検出装置を示す平面図である。(b)は、図1(a)のIVb−IVb線断面図である(樹脂モールドは省略)。 (a)は、サーミスタ素子を示す斜視図である。(b)は、サーミスタ素子および電線ホルダを示す斜視図である。 (a)および(b)は、温度検出装置を製造する手順を示す図である。 (a)および(b)は、温度検出装置を製造する手順を示す図である。 (a)および(b)は、温度検出装置を製造する手順を示す図である。 本発明の変形例に係る温度検出装置を示す平面図である(樹脂モールドは省略)。 補強部を備えていないサーミスタ素子への適用例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1(a)および(b)に示す温度検出装置1は、回転電機を構成するコイルの一部として用いられるコイル要素9と、コイル要素9に取り付けられるセンサ組立体2と、射出成形された樹脂の塊である樹脂モールド3とを備えている。
コイル要素9を含むコイルは、回転電機に備えられた図示しないステータ(固定子)を構成する。
センサ組立体2に備えられた感熱体11(図2、図3)が感知したコイル要素9の熱に基づいて、コイル要素9を含むコイル(ステータコイル)の温度が検出される。
温度検出装置1の構成を説明する。
(1)コイル要素
コイル要素9は、ステータコイルを構成する他のコイル要素(図示しない)に電気的に接続されることで、ステータコイルの一部として用いられる。
コイル要素9は、図1(a)に示すように、回転電機の運転時に電流が流れる導体91と、導体91の表面を被覆する絶縁性の被膜92とを備えている。導体91は、横断面が矩形状の平角線である。
コイル要素9の平坦な表面9Aに、センサ組立体2の感熱体11(図2、図3)が接触している。
本実施形態のコイル要素9は一方向に延びており、全体として直線状に形成されているが、コイル要素9が湾曲していたり、屈曲した部分を含んで構成されていてもよい。湾曲していたり屈曲した部分を含む領域にセンサ組立体2を取り付ける場合は、コイル要素9の形状に倣った形状にセンサ組立体2のホルダ20を構成するとよい。
(2)センサ組立体
センサ組立体2は、図2、図3、および図1(a)に示すように、温度センサ素子であるサーミスタ素子10と、サーミスタ素子10をコイル要素9に組み付けるホルダ20とを備えている。
以下、センサ組立体2の構成を順に説明する。
(i)サーミスタ素子
サーミスタ素子10は、図5(a)に示すように、熱を感知する感熱体11と、感熱体11の前端11Aから後端11Bに向けて引き出された一対の電線12とを含んで構成されている。
(感熱体)
感熱体11は、図5(a)に示すように、感熱体本体110と、感熱体本体110を覆う被覆ガラス11G(被覆材)と、被覆ガラス11Gから電線12が引き出されている箇所を補強する補強部13とを有している。
感熱体本体110は、温度変化に対して電気抵抗が大きく変化する半導体である。感熱体本体110に備えられている図示しない電極に、電線12が電気的に接続されている。
感熱体本体110は、例えば、Mn、Ni、Coを主体とする遷移金属酸化物の数種を原料とし、焼結されたセラミックから構成することができる。
被覆ガラス11Gは、感熱体本体110の全体と、感熱体本体110に接続された電線12の一部とを隙間なく包み込んでいる。この被覆ガラス11Gがコイル要素9(図1(a))の表面9Aに配置される。被覆ガラス11Gは、非晶質ガラスや結晶質ガラスを用いて構成されている。
被覆ガラス11Gは、全体として略円柱状に形成されているが、適宜な形状に構成することができる。
(電線)
一対の電線12は、図5(a)に示すように、それぞれ、感熱体本体110に接続されて被覆ガラス11Gおよび補強部13の外側へと引き出される引出線121(第1電線)と、引出線121の端部に接続されるリード線122(第2電線)とを有している。リード線122は、図示しない回路基板に接続されている。
コイル要素9(図1(a))に電流が流れることでコイル要素9の温度が上昇すると、コイル要素9に接触する被覆ガラス11Gに覆われている感熱体本体110の抵抗値が変化する。一対の電線12を通じて得られる感熱体本体110の抵抗値の変化に基づいて、温度が計測される。
一対の引出線121は、所定の間隔をおいて配置されている。
各引出線121の一部は、被覆ガラス11Gの中に包み込まれている。引出線121は、被覆ガラス11Gの線膨張係数と同等あるいはそれに近い線膨張係数を有することが好ましい。線膨張係数の観点より、引出線121として、白金や白金合金から形成された導線や、ジュメット線を用いることができる。ジュメット線は、鉄およびニッケルを含有する合金から形成された芯線と、芯線を覆う銅合金の被膜とを有している。
リード線122は、図5(a)に示すように、ステンレス鋼やニッケル合金、銅合金等から形成された芯線122Aと、その芯線122Aを覆う絶縁被覆122Bとを有している。
絶縁被覆122Bから露出した芯線122Aの端部と、引出線121の端部とが、レーザーによる溶接や電気抵抗加熱による溶接等の方法により接続されており、その接続部分124を圧着具123が圧着している。圧着具123は、接続部分124を覆い、外側からかしめられている。圧着具123は、適宜な金属材料から形成されている。
引出線121と芯線122Aとを接続する方法は、上記のように引出線121と芯線122Aとを溶接し、圧着具123を用いて圧着する方法には限定されない。圧着具123は必ずしも必要ではなく、溶接、圧着、はんだ付け等の適宜な方法で引出線121と芯線122Aとを接続することができる。
コイル要素9から電線12への電流のリークを防ぐため、コイル要素9の表面9Aから電線12を離しておく必要がある。そのため、図3に示すように、引出線121が、コイル要素9の表面9Aに対して次第に立ち上がるように成形されていることが好ましい。一対の引出線121は、図5(a)に示すように、次第に立ち上がり、各々の端部がリード線122の芯線122Aに接続される。
(補強部)
図5(a)に示す補強部13は、被覆ガラス11Gの後端部から引き出されている引出線121の一部を補強しており、円柱状に形成されている。補強部13は、例えばAl、SiO、ZrO、ZrSiO、MgO、Y、およびAlNのうち1つ以上を主成分とするセラミック材料から成形された部材である。補強部13には、一対の引出線121がそれぞれ通される2つの孔が形成されている。補強部13は、適宜な方法により感熱体11に一体化されている。補強部13から後方へと引出線121が引き出されている。
補強部13により感熱体11および引出線121が補強されていることで、サーミスタ素子10が振動等の外力に対して堅牢に構成されている。
補強部13は、十分な剛性を備えているため、感熱体ホルダ21により感熱体11をコイル要素9に保持するにあたり、感熱体ホルダ21により補強部13をコイル要素9に押し付けることが好ましい。
(ii)ホルダ
次に、ホルダ20は、図2および図3に示すように、サーミスタ素子10の感熱体11の一部を保持する感熱体ホルダ21と、サーミスタ素子10の電線12を保持する電線ホルダ22とを備えている。感熱体ホルダ21および電線ホルダ22は、いずれも、絶縁性の樹脂から成形されている。
感熱体ホルダ21および電線ホルダ22は、サーミスタ素子10の長さ方向(前後方向)D1に並んでいる。
感熱体ホルダ21および電線ホルダ22によりサーミスタ素子10をコイル要素9に組み付けると、感熱体11がコイル要素9の表面9Aに沿って横向きに配置され、サーミスタ素子10全体としても、コイル要素9の延出方向に沿った姿勢に配置される(図3)。
「コイル要素の表面に沿って横向きに配置されている」は、感熱体11の前端11A(図5)と、引出線121が引き出される感熱体11の後端11B(図5)とを結ぶ長さ方向D1が、コイル要素9の表面9Aと平行またはほぼ平行である状態をいうものとする。
(感熱体ホルダ)
感熱体ホルダ21は、図2に示すように、感熱体11の全体を取り囲む形態に形成されている。感熱体ホルダ21は、略直方体状の外観に形成されている。
感熱体ホルダ21は、感熱体11の一部である補強部13(図5(a))を収容する収容溝21Aと、収容溝21Aに隣接し、被覆ガラス11Gを収容する収容孔21Bと、コイル要素9を幅方向D2の両側から把持する把持部21C(図1(a))と、図2に二点鎖線で示す樹脂モールド3の樹脂を保持する土手21Dとを有している。
土手21Dは、感熱体ホルダ21の上面部の周縁から立ち上がるように、平面視コ字状(C字状)に形成されている。
収容溝21A(図2、図4(b))は、コイル要素9の表面9Aに対向する感熱体ホルダ21の底面(図示しない)から上向きに窪んでおり、サーミスタ素子10の長さ方向D1に沿って、収容孔21Bから感熱体ホルダ21の後側の端面21Sまで貫通している。
収容孔21B(図3、図4(b))は、収容溝21Aよりも前方の位置で感熱体ホルダ21を上端から底部21Fまで貫通している。収容孔21Bは、図3、図4(b)に示すように、コイル要素9上に配置される感熱体11に向けて、コイル要素9の表面9Aと直交する方向または略直交する方向に沿って延びている。
収容孔21Bの内側には、図3、図4(b)に示すように、被覆ガラス11Gが感熱体接触部11Sとして配置される。補強部13の一部が収容孔21Bの内側に配置されていてもよい(図3)。
図3および図4(b)に示すように、収容孔21B内には、被覆ガラス11Gが配置されている状態において残余のスペースが存在する。感熱体ホルダ21の外部に通じている収容孔21Bの開口21Gから収容孔21B内の残余のスペースに樹脂が充填され、硬化することで、感熱体ホルダ21に第1樹脂溜まり41(図3、図4(a))が設けられている。
感熱体接触部11Sは、図3に示すように、第1樹脂溜まり41に包み込まれた状態でコイル要素9の表面9Aに接触している。
本明細書において、「第1樹脂溜まりに感熱体接触部が包み込まれている」は、図3に示すように、感熱体接触部11Sの全体が第1樹脂溜まり41に包み込まれている構成は勿論のこと、感熱体接触部11Sの一部(例えば上部)が第1樹脂溜まり41から露出している構成も包含するものとする。
収容孔21Bは、感熱体接触部11Sを包み込むための樹脂の流動を確保し、かつ、ホルダ21,22やサーミスタ素子10(特に被覆ガラス11G)の寸法の公差に対応できるように、余裕を持った大きさ(径および高さ)に設定されている。
本明細書において、感熱体接触部がコイル要素に「接触している」は、感熱体接触部11Sとコイル要素9の表面9Aとの間に一切の物が介在することなく感熱体接触部11Sがコイル要素9に直接接触していることの他に、若干量の樹脂R(図3)を介して感熱体接触部11Sがコイル要素9の表面9Aに間接的に接触していることも含むものとする。
樹脂Rは、流動性を有する樹脂材料が感熱体接触部11Sとコイル要素9との間に介在し、硬化したものである。樹脂Rは、第1樹脂溜まり41の一部を構成しているか、あるいは、第1樹脂溜まり41に先立ち感熱体接触部11Sとコイル要素9との間に設けられ、第1樹脂溜まり41と密着している。
感熱体接触部11Sとコイル要素9とが接触している箇所では、感熱体接触部11Sとコイル要素9との間に空隙が存在しない。
感熱体接触部11Sは、全長に亘りコイル要素9に接触している必要はなく、感熱体接触部11Sの少なくとも一部がコイル要素9に接触していれば足りる。
上記の如く感熱体接触部11Sがコイル要素9に接触していれば、コイル要素9の熱が空気等の周囲の気体を介することなく、感熱体11に直接的に伝導するので、サーミスタ素子10による温度検出を感度・応答性よく行える。
感熱体接触部11Sとコイル要素9との間に樹脂R(図3)が存在する場合、その樹脂Rの厚みは、射出成形による樹脂部材の肉厚の下限よりも十分に薄い。
コイル要素9から感熱体11への熱伝導をさらに良好とし、温度計測の精度を高めるためには、樹脂Rの熱伝導率が高いことが好ましい。その観点からは、樹脂Rとして、例えば、エポキシ系樹脂やシリコーンゴム、あるいは熱伝導性グリースを用いることができる。これらの樹脂は、樹脂モールド3に用いられる樹脂よりも熱伝導率が高い。エポキシ系樹脂やシリコーンゴムを用いる場合は、樹脂Rの接着力により、感熱体11がコイル要素9に固定される。樹脂Rに接着力がない場合でも、コイル要素9と感熱体11との間の隙間を樹脂Rが埋めた状態で樹脂モールド3の射出成形を行うことで、感熱体11はコイル要素9に固定される。
後述するように、収容孔21Bを通じて、未硬化の樹脂を感熱体11およびコイル要素9に向けて供給し、硬化させることにより、第1樹脂溜まり41および樹脂Rを形成することができる。
把持部21Cは、図1(b)および図3に示すように、感熱体ホルダ21の下側に位置する一対の把持爪21Eを含んで構成されている。
把持爪21Eは、図3および図1(b)に示すように、感熱体ホルダ21の底部21Fの幅方向D2の両側に位置しており、感熱体ホルダ21の幅方向D2の中心に対して対称に形成されている。
収容溝21Aおよび収容孔21Bに感熱体11を収容した感熱体ホルダ21を上方から押さえながら、一対の把持爪21Eと底部21Fとの間の収容空間にコイル要素9を受け入れると、各把持爪21Eの先端がコイル要素9の裏面9Bに係止される。このとき、収容溝21Aの内壁(保持部)によって補強部13がコイル要素9に向けて押し付けられた状態に保持される。
(電線ホルダ)
電線ホルダ22は、図5(b)に示すように、感熱体11から延びている一対の電線12が個別に通される挿通孔22Aと、コイル要素9を幅方向D2両側から把持する把持部22Bと、感熱体ホルダ21に向けて突出する突起23と、樹脂モールド3(図1(a))の樹脂を保持する土手22Dとを有している。
土手22Dは、感熱体ホルダ21の土手21Dと対称にコ字状(C字状)に形成されており、土手22Dおよび土手21Dの内側に、樹脂モールド3の樹脂が留められる。
電線ホルダ22は、図2に示すように、感熱体ホルダ21と同等の幅(D2方向の寸法)および同等の高さ(D3方向の寸法)で形成されている。
電線ホルダ22は、サーミスタ素子10の長さ方向D1に沿って、感熱体ホルダ21と直列に配置されている。
図4(b)に示すように、挿通孔22Aは、電線ホルダ22の前側の端面22Sから後端22Xまで電線ホルダ22を貫通している。
挿通孔22Aの前側の開口から、リード線122および圧着具123が通される。リード線122は、電線ホルダ22の後端22Xからコイル要素9に沿って引き出され(図1(a))、図示しない回路基板に接続されている。
挿通孔22Aの前端側は、図4(b)に示すように、圧着具123を収める収容空間22Cとなっている。挿通孔22Aは、収容空間22Cよりも後方で、開口面積が高さ方向D3に縮小しているため、収容空間22Cに配置された圧着具123が、挿通孔22Aの内壁に係止されている(図3)。
図4(a)に示すように、電線ホルダ22の前側の端面22Sと、感熱体ホルダ21の後側の端面21Sとは、所定の寸法をおいて離れている。これらの端面21Sと端面22Sとの間には、感熱体11から延びた引出線121の一部である電線露出部121Aが配置されている。
図2に示すように、感熱体ホルダ21および電線ホルダ22には、電線露出部121Aを包み込む第2樹脂溜まり32が設けられている。第2樹脂溜まり32は、感熱体ホルダ21と電線ホルダ22との間に充填された樹脂が硬化したものである。
第2樹脂溜まり32は、樹脂モールド3の一部を構成している。
もし、感熱体ホルダ21と電線ホルダ22とを長さ方向D1に隙間を詰めて配置し、これらのホルダ21,22に形成された溝等に引出線121を収める構成であるならば、引出線121は露出しない。そういった構成と比べて引出線121の絶縁および機械的保持をより十分に図るため、本実施形態では、感熱体ホルダ21と電線ホルダ22とを長さ方向D1に離して引出線121の一部を露出させ、引出線121の露出した部分(電線露出部121A)を第2樹脂溜まり32で包み込む。
把持部22Bは、電線ホルダ22の下側に位置する一対の把持爪22E(図5(b))と、電線ホルダ22の底部22F(図3)とを含んで構成されている。
一方の把持爪22Eは、図5(b)の手前側に示す他方の把持爪22Eよりも前方にまで延びている。
これらの把持爪22Eよりも後方には、図1(b)に示すように、樹脂モールド3の一部であるアンカー部34が設けられている。
突起23は、図2に示すように、感熱体ホルダ21の端面21Sに突き当てられる位置決め部231と、引出線121とコイル要素9とを隔てる隔壁232(絶縁部)とを有している。
位置決め部231および隔壁232は、一体に、平面視L字状に形成されている。これらの位置決め部231および隔壁232は、図4(b)に示すように、電線ホルダ22の底部22Fに連続している。
なお、位置決め部231が、感熱体ホルダ21から電線ホルダ22に向けて突出するように感熱体ホルダ21に設けられていてもよい。
位置決め部231は、図4(a)に示すように、感熱体ホルダ21と電線ホルダ22との間を延びている一対の引出線121の横で、前方に向けて、所定の寸法で延びている。
感熱体ホルダ21と電線ホルダ22との間に第2樹脂溜まり32(図2)を設ける前に、位置決め部231の前端を感熱体ホルダ21の端面21Sに突き当てる。そうすると、電線ホルダ22と感熱体ホルダ21とがサーミスタ素子10の長さ方向D1において相対的に位置決めされる。
位置決め部231は、電線ホルダ22の幅方向D2の両側に形成されていてもよいが、第2樹脂溜まり32を設ける際に樹脂の流動を十分に確保するため、電線ホルダ22の幅方向D2の一方側は、位置決め部231を形成せずに開放することが好ましい。
位置決め部231は、電線ホルダ22の幅方向D2両側に位置している把持爪22E(図5(b))のうち、より前方にまで延びている一方の把持爪22Eと連続しており、位置決め部231および把持爪22Eの前端が感熱体ホルダ21の端面21Sに突き当てられる。つまり、把持爪22Eも位置決め部として機能する。
隔壁232は、図3に示すように、感熱体11の補強部13から引き出されて次第に立ち上がる引出線121と、コイル要素9の表面9Aとの間に介在しており、電線露出部121Aとコイル要素9の表面9Aとを隔てている。この隔壁232(絶縁部)の存在により、電線露出部121Aがコイル要素9から離れた状態に維持され、かつ、コイル要素9の表面9Aと電線露出部121Aとの間(絶縁部)の距離が十分に確保されるので、コイル要素9から電線露出部121Aへの電流のリークを防ぐことができる。
補強部13から引き出された引出線121の根元121Bと隔壁232との干渉を避けるため、隔壁232の先端は、感熱体ホルダ21の端面21Sに対して後方に退避している。
(3)樹脂モールド
樹脂モールド3は、図1(a)および(b)、図2に示すように、コイル要素9およびセンサ組立体2のそれぞれの所定領域を覆い隠すように射出成形により形成されている。
本実施形態の樹脂モールド3は、図1(a)に示すように、上方充填部31と、第2樹脂溜まり32と、把持爪充填部33(図1(b))と、アンカー部34とを含んで構成されている。樹脂モールド3の全体により、コイル要素9、ホルダ20、およびサーミスタ素子10が相互に固定される。また、樹脂モールド3が設けられていることで、コイル要素9を除く外部からの熱的な影響が感熱体11へと及ぶのを避けることができる。
樹脂モールド3は、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ナイロン等の適宜な樹脂材料から成形されている。
上方充填部31(図1(a))は、第1樹脂溜まり41(図2,図3)を上方から覆うように土手21Dおよび土手22Dの内側に充填された樹脂からなり、第1樹脂溜まり41を射出成形時の樹脂の圧力により上方から押さえる。それによって感熱体接触部11S(図3)がコイル要素9の表面9Aへと押さえられるので、コイル要素9から感熱体11への熱伝導の向上に寄与する。上方充填部31は、第1樹脂溜まり41に密着した状態に硬化することで、第1樹脂溜まり41と一体化される。
第2樹脂溜まり32(図1(a)、図2)は、上述したように、感熱体ホルダ21および電線ホルダ22の間のスペースに充填された樹脂からなり、そのスペースに露出した電線露出部121Aを包み込む。第2樹脂溜まり32により、一対の引出線121の電線露出部121A同士の間、および電線露出部121Aとコイル要素9との間が絶縁される。
把持爪充填部33(図1(b))は、感熱体ホルダ21の把持爪21E,21Eの間に充填された樹脂と、電線ホルダ22の把持爪22E,22Eの間に充填された樹脂とを含んで構成されている。
アンカー部34(図1(a)および(b))は、把持爪充填部33の後側に連続しており、把持爪22Eの隣の切欠状の空間22Gに入り込んでいる。アンカー部34は、把持爪22E,22Eの間から把持爪充填部33が長さ方向D1に引き抜かれることを規制する。
アンカー部34は、電線ホルダ22の後端部に限らず、電線ホルダ22の適宜な箇所(単数あるいは複数の箇所)に設けることができる。あるいは、感熱体ホルダ21の把持爪21Eの一部を欠損させ、その欠損箇所に、アンカー部34と同様のアンカー部を設けることもできる。
〔温度検出装置の製造方法〕
以下、温度検出装置1を製造する手順の一例を説明する。
まず、図6(a)に示すように、サーミスタ素子10の一対のリード線122をそれぞれ電線ホルダ22の挿通孔22Aに通すことで、サーミスタ素子10を電線ホルダ22に組み付ける(ステップS1)。このとき、圧着具123が電線ホルダ22の内部に係止されるので、サーミスタ素子10が電線ホルダ22に対して位置決めされる。
図6(b)に示すように、電線ホルダ22の把持部22Bの内側にコイル要素9を嵌めると、サーミスタ素子10および電線ホルダ22がコイル要素9に組み付けられる(ステップS2)。
次に、図7(a)に示すように、位置決め部231により感熱体ホルダ21と電線ホルダ22とを位置決めしつつ、感熱体ホルダ21の把持部21Cの内側にコイル要素9を嵌める(ステップS3)。すると、感熱体ホルダ21の収容溝21Aに補強部13が収容されるとともに、収容孔21Bに感熱体接触部11Sが収容される。
このとき、収容溝21Aよりも下方に突出している補強部13の下端が、保持部としての収容溝21Aの内壁によりコイル要素9の表面9Aに向けて押し付けられるため、感熱体11は、コイル要素9および感熱体ホルダ21に対して位置決め、保持される。
続いて、収容孔21Bの開口から感熱体接触部11Sおよびコイル要素9に向けて、熱伝導率の高い樹脂(例えば、エポキシ系樹脂)を供給し、硬化させる(ステップS4)。
所定の量の樹脂を供給することにより(ポッティング)、図7(b)に示すように、第1樹脂溜まり41が感熱体ホルダ21に設けられる。
収容孔21B内に供給された樹脂は、周囲に流れ出ることなく、収容孔21Bの内壁により、収容孔21Bの内部に留まる。そのため、収容孔21B内に樹脂を溜めてそのまま硬化させることができる。
第1樹脂溜まり41により、感熱体接触部11Sが包み込まれるとともに、コイル要素9に固定される。ステップS4の前に、感熱体接触部11Sとコイル要素9の表面9Aとの間に、例えば、補強部13の外径と感熱体接触部11Sの外径との差に応じた寸法の隙間があいていたとしても、その隙間が第1樹脂溜まり41の樹脂の一部(図3の樹脂R)により埋められる。
上述したステップS1〜S4は、サーミスタ素子10、コイル要素9、感熱体ホルダ21および電線ホルダ22を組み立てることができる限り、上述した順序には限定されず、適宜な順序で行うことができる。
次いで、図8(a)に示すように、コイル要素9、感熱体ホルダ21および電線ホルダ22、およびサーミスタ素子10が組み付けられた構造を金型Cの内側に配置し、溶融した樹脂を金型C内へと注入することにより、樹脂モールド3を射出成形する(ステップS5)。
溶融した樹脂は、土手21Dおよび土手22Dの内側の領域、ホルダ21,22の間、把持爪21E,21Eの間および把持爪22E,22Eの間等に行き渡り、サーミスタ素子10、ホルダ21,22、およびコイル要素9の各々の表面に密着した状態に硬化する。サーミスタ素子10、ホルダ21,22、およびコイル要素9は、樹脂モールド3により一体的に固定される。
射出成形時に、第1樹脂溜まり41の上方に流入した樹脂は、第1樹脂溜まり41をコイル要素9に向けて押さえつつ、硬化する。感熱体接触部11Sは、第1樹脂溜まり41に包み込まれ、さらに上方充填部31により覆われた状態で、コイル要素9上に保持される。
第1樹脂溜まり41を感熱体ホルダ21に設けた後、射出成形の樹脂の圧力を第1樹脂溜まり41を介して感熱体11に作用させることにより、感熱体11が適度に押され、コイル要素9の表面9Aに十分に近接する。
感熱体ホルダ21と電線ホルダ22との間に流入した樹脂は、隔壁232の先端と感熱体ホルダ21の端面21Sとの間の間隙にも十分に入り込み、電線露出部121Aを全体的に包み込んだ状態で第2樹脂溜まり32を構成する。第2樹脂溜まり32により、コイル要素9に対して電線露出部121Aが絶縁されるとともに、一対の電線露出部121A同士の間でも絶縁される。また、第2樹脂溜まり32により、電線露出部121Aが機械的に保持されることで、電線露出部121Aの根元等の破損が防止される。
感熱体ホルダ21と電線ホルダ22との間に流入した樹脂は、隔壁232も包み込んだ状態で硬化する。そうすると、隔壁232がアンカーとして機能するため、第2樹脂溜まり32がホルダ21,22から高さ方向D3に引き抜かれることを防ぐことができる。
成形された樹脂モールド3を金型Cから分離すると、図8(b)に示す温度検出装置1を得ることができる(ステップS6)。
〔本実施形態の主な効果〕
以上で説明した本実施形態の温度検出装置1では、図3に示すように、感熱体接触部11Sとコイル要素9の表面9Aとの間に、樹脂射出成形部材(ホルダの一部等)が介在しておらず、感熱体接触部11Sがコイル要素9に接触している。そのため、射出成形品の肉厚に相当する分だけ、温度検出装置1の小型化を促進することができる。
その上、感熱体11がコイル要素9に沿って横向きに(寝ている姿勢で)配置されているため、コイル要素9に対して感熱体11が起立している場合と比べて、温度検出装置1を厚み方向(高さ方向D3)にさらに小型化することができる。
そして、感熱体接触部11Sがホルダ21の一部等を介さずにコイル要素9に接触していることで、コイル要素9から感熱体11へと直接的に熱伝導するため、コイル要素9の熱に基づいてステータコイルの温度をより正確で応答性良く検出することができる。
さらに、本実施形態によれば、電線12の引出線121がコイル要素9の表面9Aに対して次第に立ち上がる、つまり、表面9Aから離れる方向へ延びていたり、引出線121と、コイル要素9の表面9Aとを隔てる絶縁性を有した電線ホルダ22の隔壁232が感熱体ホルダ21と電線ホルダ22との間に位置していることにより、特に構造を小型化する場合に重要であるように、コイル要素9から電線12への電流のリークを防ぐことができる。
本実施形態では、感熱体11の一部である補強部13を感熱体ホルダ21によりコイル要素9に保持している一方、感熱体接触部11Sは、感熱体ホルダ21あるいは予め樹脂から成形された部材によっては保持されていない。本実施形態では、感熱体接触部11Sの大きさに対して容積に余裕のある収容孔21Bの内側に感熱体接触部11Sを収め、流動性のある状態で供給される樹脂からなる第1樹脂溜まり41により隙間なく包み込みながら感熱体接触部11Sをコイル要素9に保持している。
そうすることで、被覆ガラス11Gや感熱体ホルダ21の寸法のばらつきに対応し、感熱体接触部11Sに過大な荷重が加えられることを避けながら、感熱体接触部11Sをコイル要素9の表面9Aに確実に接触させることができる。しかも、第1樹脂溜まり41により感熱体接触部11Sが包み込まれた状態で機械的に保持されているので、感熱体接触部11Sの破損を防止することができる。
本実施形態では、感熱体11がコイル要素9の表面9Aに沿って横向きに配置されており、感熱体11からコイル要素9の表面9Aに沿って引出線121が引き出されているため、引出線121がコイル要素9に近い。しかし、振動等に起因してコイル要素9の表面9Aの絶縁被膜が摩耗し、コイル要素9の導体が露出したとしても、電線露出部121Aが第2樹脂溜まり32に包み込まれていることで絶縁されているため、コイル要素9から引出線121への電流のリークを防止することができる。しかも、引出線121とコイル要素9とを隔てる隔壁232の存在により、距離が確保されているので、コイル要素9から引出線121への電流のリークをより十分に防止することができる。
〔本発明の変形例〕
上述の実施形態では、第1樹脂溜まり41(図3)に、樹脂モールド3とは別の熱伝導率の高い樹脂が用いられており、第1樹脂溜まり41と樹脂モールド3とが一体化されているが、本発明における第1樹脂溜まりは、樹脂モールド3の一部であってもよい。この場合、射出成形時に収容孔21B内に樹脂が充填されることで、第1樹脂溜まりが他のモールド部分(上方充填部31、第2樹脂溜まり32等)と共に形成される。
ここで、射出成形に先立ち、収容孔21Bの開口から僅かな量の樹脂(例えば、エポキシ系樹脂)を供給することにより、感熱体接触部11Sとコイル要素9の表面9Aとの間に樹脂R(図3)を介在させることができる。その後に射出成形を行って、収容孔21Bの内部に流入した樹脂により感熱体接触部11Sを包み込み、第1樹脂溜まりを形成することができる。そうすると、収容孔21Bの孔軸方向に沿って収容孔21B内に流入する樹脂の圧力により、感熱体接触部11Sをコイル要素9の表面9Aに向けて押さえることができる。
感熱体接触部11Sとコイル要素9との間に樹脂Rを介在させるにあたっては、感熱体接触部11Sが配置された収容孔21Bの開口から未硬化の樹脂材料を供給することに代えて、予め、未硬化の樹脂材料を付着させておいた感熱体接触部11Sをコイル要素9の表面9Aに配置することもできる。
本発明において、上述のステップS3(図7(a))の後、収容孔21Bの内側に樹脂を供給することなく、射出成形のステップS5を行って第1樹脂溜まりを形成することもできる。この場合も、射出成形に用いられる樹脂の圧力により感熱体接触部11Sをコイル要素9の表面9Aに向けて押さえることができる。
射出成形によっても、収容孔21Bの内側に樹脂を隙間なく行き渡らせ、感熱体接触部11Sとコイル要素9との間の僅かな間隙に入り込んだ樹脂R(図3)を含む第1樹脂溜まりを形成することができる。
図9は、本発明の変形例に係る温度検出装置8を示している。温度検出装置8は、サーミスタ素子10と、感熱体ホルダ21と、電線ホルダ22と、コイル要素9と、図示を省略しているが、射出成形による樹脂モールド3(図1、図2)とを備えている。
温度検出装置8の感熱体ホルダ21は、感熱体接触部11Sを収容する収容部25を有している。収容部25は、平面視C字の切り欠き状に形成されており、感熱体ホルダ21の前端に向けて開放されている。
射出成形時には、感熱体ホルダ21の前端が図示しない金型の壁に突き当てられ、金型の壁と、収容部25の内壁とで囲まれた空間内に樹脂が充填される。その樹脂により第1樹脂溜まり51が形成される。
射出成形の前に、収容部25の内側に熱伝導率の高い樹脂を供給し、感熱体接触部11Sとコイル要素9の表面9Aとの間に介在させることもできる。また、感熱体ホルダ21の前端に治具を突き当てることで、収容部25の内側にエポキシ系樹脂等をポッティングすることも可能であり、その場合は、ポッティングする樹脂により第1樹脂溜まり51が形成される。
本発明は、図10に示すように、セラミックの補強部13(図3)を有していないサーミスタ素子10´に適用することもできる。図10でも、樹脂モールド3(図1、図2)の図示を省略している。
この場合は、被覆ガラス11Gの一部を収容溝21A内に収容して保持・位置決めする。ここでは、被覆ガラス11Gの後端部により保持・位置決めを行うが、被覆ガラス11Gの前端部により保持・位置決めを行うこともできる。
被覆ガラス11Gの他の一部は,収容孔21Bの内側に配置されている。収容孔21B内の当該部分が、感熱体接触部11Sに相当する。
収容溝21A内に被覆ガラス11Gの一部を収容し、感熱体ホルダ21の把持部21Cによりコイル要素9を把持することで、感熱体11がコイル要素9に組み付けられる。
その状態で、熱伝導率が高い樹脂を収容孔21Bの内側にポッティングすることにより、第1樹脂溜まり41を感熱体ホルダ21に設けることができる。あるいは、射出成形時に収容孔21Bに充填される樹脂により、第1樹脂溜まりを感熱体ホルダ21に設けることができる。
いずれにしても、第1樹脂溜まりにより感熱体接触部11Sを包み込んでコイル要素9の表面9Aに接触させることができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
上記実施形態のように、別体である感熱体ホルダ21および電線ホルダ22からホルダ20が構成されていると、サーミスタ素子10およびコイル要素9とホルダ20との組立てが容易であり、組立ての容易さ等を考慮して行われる設計自由度が高い。
但し、感熱体ホルダ21および電線ホルダ22は、必ずしも別体の部材である必要がない。例えば、収容孔21Bが延びている方向を長さ方向D1に沿った方向に変更することによって、感熱体ホルダ21および電線ホルダ22を射出成形の金型から一方向に抜くことができる限り、感熱体ホルダ21と電線ホルダ22とを一体に備えたホルダ20を射出成形することができる。
樹脂モールド3は、本発明の必須要件ではない。サーミスタ素子10、ホルダ21,22およびコイル要素9が組み付けられた構造に樹脂をディップあるいは塗布し、硬化させることで、第1樹脂溜まりおよび第2樹脂溜まりを形成するとともに、サーミスタ素子10、ホルダ20およびコイル要素9を相互に固定することができる。
感熱体接触部がコイル要素に「接触している」は、感熱体接触部とコイル要素の表面との間に一切の物が介在することなく感熱体接触部がコイル要素に接触していることの他に、若干量の樹脂を介して感熱体接触部がコイル要素の表面に間接的に接触していることも含むものとする。
感熱体接触部とコイル要素との間の隙間に、空気よりも熱伝導率が高い樹脂が充填されていると、感熱体接触部とコイル要素との間に空隙が残される場合に比べて、温度検出の感度、応答性を向上させることができる。
1,8 温度検出装置
2 センサ組立体
3 樹脂モールド
9 コイル要素
9A 表面
9B 裏面
10 サーミスタ素子(温度センサ素子)
11 感熱体
11A 前端
11B 後端
11G 被覆ガラス(被覆材)
11S 感熱体接触部
12 電線
13 補強部
20 ホルダ
21 感熱体ホルダ
21A 収容溝
21B 収容孔(収容部)
21C 把持部
21D 土手
21E 把持爪
21F 底部
21G 開口
21S 端面
22 電線ホルダ
22A 挿通孔
22B 把持部
22C 収容空間
22D 土手
22E 把持爪
22F 底部
22G 空間
22S 端面
22X 後端
23 突起
25 収容部
31 上方充填部
32 第2樹脂溜まり
33 把持爪充填部
34 アンカー部
41 第1樹脂溜まり
91 導体
92 被膜
110 感熱体本体
121 引出線
121A 電線露出部
121B 根元
122 リード線
122A 芯線
122B 絶縁被覆
123 圧着具
124 接続部分
231 位置決め部
232 隔壁
C 金型
D1 長さ方向
D2 幅方向
D3 高さ方向
R 樹脂

Claims (9)

  1. 回転電機のコイルに組み付けられて用いられ、前記コイルの温度を検出するための温度検出装置であって、
    前記コイルの熱を感知する感熱体および前記感熱体に電気的に接続される電線を有する温度センサ素子と、前記温度センサ素子を前記コイルに保持するホルダと、を備え、
    前記感熱体から引き出されている前記電線と前記コイルの表面との間には、電流のリークを防止するための絶縁部が形成されている、
    ことを特徴とする温度検出装置。
  2. 前記絶縁部は、前記ホルダの一部である、
    請求項1に記載の温度検出装置。
  3. 前記電線は、少なくともその一部が前記コイルの表面から離れる方向へ延びており、
    前記絶縁部は、前記電線と前記コイルの表面との間の空隙である、
    請求項1に記載の温度検出装置。
  4. 前記ホルダの一部が前記空隙に位置している、
    請求項3に記載の温度検出装置。
  5. 前記温度センサ素子は、前記電線の前記感熱体から引き出される方向が前記コイルの延出方向に沿うように前記コイルに保持されている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の温度検出装置。
  6. 前記ホルダは、
    前記感熱体を保持する感熱体ホルダと、
    前記電線を保持し、前記感熱体ホルダと共に前記温度センサ素子を前記コイルに組み付ける電線ホルダと、を含み、
    前記感熱体ホルダと前記電線ホルダとは、前記コイルの延出方向に離れて取り付けられており、
    前記絶縁部は、前記感熱体ホルダと前記電線ホルダとの間に形成されている、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の温度検出装置。
  7. 前記ホルダは、前記コイルの表面に前記感熱体の一部が接触した状態で前記温度センサ素子を取り付ける位置を位置決めする、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の温度検出装置。
  8. 前記絶縁部は、
    前記感熱体から前記電線が引き出されている第1位置と、前記第1位置から前記コイルの延出方向に離れた第2位置とを結ぶ前記電線の前記第1位置から前記第2位置までの区間と、前記コイルの表面との間に形成されている、
    請求項1から7のいずれか一項に記載の温度検出装置。
  9. 回転電機のコイルに組み付けられて用いられ、前記コイルの温度を検出するための温度検出装置であって、
    前記コイルの熱を感知する感熱体および前記感熱体に電気的に接続される電線を有する温度センサ素子と、前記感熱体を前記コイルに保持する感熱体ホルダと、前記電線を保持し、前記感熱体ホルダと共に前記温度センサ素子を前記コイルに組み付ける電線ホルダと、を備え、
    前記電線と前記コイルとの間には、前記電線ホルダの一部が介在している、
    ことを特徴とする温度検出装置。
JP2018191956A 2018-10-10 2018-10-10 温度検出装置 Active JP6712302B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018191956A JP6712302B2 (ja) 2018-10-10 2018-10-10 温度検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018191956A JP6712302B2 (ja) 2018-10-10 2018-10-10 温度検出装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016124851A Division JP6419756B2 (ja) 2016-06-23 2016-06-23 温度検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019012083A true JP2019012083A (ja) 2019-01-24
JP6712302B2 JP6712302B2 (ja) 2020-06-17

Family

ID=65227075

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018191956A Active JP6712302B2 (ja) 2018-10-10 2018-10-10 温度検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6712302B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111628615A (zh) * 2019-02-27 2020-09-04 株式会社电装 旋转电机、其温度检测器及其制造方法和保护方法
JP2020173112A (ja) * 2019-04-08 2020-10-22 Tdk株式会社 温度センサユニット
WO2022097272A1 (ja) 2020-11-06 2022-05-12 株式会社芝浦電子 温度センサ
WO2023166650A1 (ja) * 2022-03-03 2023-09-07 株式会社芝浦電子 温度センサ、組付体、回転電機、および温度センサの製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5587170U (ja) * 1978-12-12 1980-06-16
JP2010252508A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Nissan Motor Co Ltd 温度検出素子の取付構造
JP2011254628A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Nissan Motor Co Ltd 温度センサの取り付け構造および温度センサの取り付け方法
JP2016067155A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 トヨタ自動車株式会社 ステータコイルの温度センサ固定構造

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5587170U (ja) * 1978-12-12 1980-06-16
JP2010252508A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Nissan Motor Co Ltd 温度検出素子の取付構造
JP2011254628A (ja) * 2010-06-02 2011-12-15 Nissan Motor Co Ltd 温度センサの取り付け構造および温度センサの取り付け方法
JP2016067155A (ja) * 2014-09-25 2016-04-28 トヨタ自動車株式会社 ステータコイルの温度センサ固定構造

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111628615A (zh) * 2019-02-27 2020-09-04 株式会社电装 旋转电机、其温度检测器及其制造方法和保护方法
CN111628615B (zh) * 2019-02-27 2023-10-03 株式会社电装 旋转电机、其温度检测器及其制造方法和保护方法
JP2020173112A (ja) * 2019-04-08 2020-10-22 Tdk株式会社 温度センサユニット
JP7205357B2 (ja) 2019-04-08 2023-01-17 Tdk株式会社 温度センサユニット
WO2022097272A1 (ja) 2020-11-06 2022-05-12 株式会社芝浦電子 温度センサ
WO2023166650A1 (ja) * 2022-03-03 2023-09-07 株式会社芝浦電子 温度センサ、組付体、回転電機、および温度センサの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6712302B2 (ja) 2020-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6419756B2 (ja) 温度検出装置
JP6712302B2 (ja) 温度検出装置
JP6282791B1 (ja) 温度センサ
JP6297765B1 (ja) 温度センサ
JP5834167B1 (ja) 温度センサ
US20030146819A1 (en) Sensor and manufacturing method thereof
JP6440589B2 (ja) 温度検出装置
US11482816B2 (en) Oil temperature sensor
JP5827288B2 (ja) サーミスタモジュール
US11768114B2 (en) Temperature sensor, power distribution component having the same, and motor having power distribution component
JP7044643B2 (ja) 油温センサ
WO2017195611A1 (ja) ガスセンサデバイス及びその製造方法
JP6631583B2 (ja) 温度センサ装置
JP6935042B1 (ja) 温度センサおよび電動機
JP6717350B2 (ja) 温度センサ装置
JP2022160067A (ja) 物理量センサ付き配線部品
CN114765321A (zh) 附带温度传感器的配线部件
JP7361981B1 (ja) 温度センサおよび回転電機
US20190383668A1 (en) Sensor body and method of manufacturing sensor body
JP7489747B2 (ja) 温度センサ付き配線部品
JP7487677B2 (ja) 配線部品及び温度検出装置
JP2023008627A (ja) 物理量センサ付き配線部品
JP2021139634A (ja) バスバーモジュール
CN118076865A (en) Temperature sensor and rotating electrical machine
JP2023110456A (ja) 複合成形部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181010

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200526

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200529

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6712302

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250