JP2019002544A - 管継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて高いシール性を備えながら、着脱の際に、流路内部を外気に全く連通させることがなく、しかも、流体の外部への漏れを確実に防止することができ、もってパージ効率の大幅な向上など、原料容器等のメンテナンスコストの大幅な抑制と作業時間の著しい短縮化を可能とした管継手を提供することにある。
【解決手段】筒状の第1ボデーと第2ボデーとの接合端面に配置したガスケットと、第1ボデーと第2ボデーの外周に設けた外筒体と、第1ボデーと第2ボデーと外筒体とを固定及び離脱するための固定手段とを有する継手本体であり、ガスケットを締め付けたとき、ガスケットの外周囲と外筒体の内周との間に、真空排気やガスパージが可能なシール空間部を備えた管継手である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、管継手に関し、特に、半導体製造装置における原料容器用管継手として好適な管継手に関する。
半導体製造装置や、液晶製造装置、フォトレジスト工程、ドライ又はウェットエッチング工程など、表面処理・薄膜形成プロセスを含む基材製造装置、或は、各種の精密分析装置、医療用薬剤、食品・飲料の供給・製造装置等における原料は、一般のガスと同様に取り扱い可能とするため、ベーキングシステムとして、反応炉の前段階設備等の原料容器に充填されている。この原料容器にはガス供給系等が接続されており、原料容器内へガス供給系から混入されるキャリアガスと共に吐出系を介してガス状の原料流体として反応炉内へと移送される。例えば、半導体製造装置ではリアクタに原料ガスが供給されて成膜プロセス(MOCVDやALD等)が行われる。
このような容器系を構成する管継手やバルブ類・配管等は、流体の固化物の除去や高度なコンタミネーションコントロールなどのため、定期的な分解整備等のメンテナンス、或は原料容器や部品の交換等が必要であり、この際は、原料容器と配管との間を接続する管継手を着脱することになる。通常、管継手の着脱の前後には、適宜遮断弁を閉じる等によりこの管継手を含む所定範囲内の流路内部を流体から隔離し、この隔離範囲内に対して予め設けられた所定のパージラインを介して真空排気や不活性ガス置換など、所定のパージ処理が行われる。例えば原料容器を交換する際、使用流体はリンやヒ素等を含む毒性の高い薬剤の場合が多く、これが外部へ漏洩・拡散することを防ぐためにも、管継手を離脱させる前には、配管側に隣設された遮断弁を閉じた後、所定のパージ処理を施して残存した流体成分等を流路内から確実に除去する必要があり、さらに、管継手を接合した後にも、予め確保されていた隔離範囲に対してパージ処理を施して大気成分等を流路内から確実に排除する必要がある。
図9は、このような原料容器に用いられる従来の管継手の構造の一例を示している。同図の継手本体100において、接合筒体101、102の端面103、104にはそれぞれ環状の突設部103a、104aが形成され、これらの間に金属製のシール部材105が配置され、雌ナット体106は、接合筒体101、102の外周に設けられており、一方、接合筒体101、102及び雌ナット体106を固定・離脱可能とするため、雌ナット体106のメスネジ部107に、接合筒体102を軸心方向に移動可能なオスネジ部108aを有する雄ナット体108をネジ結合させている。特に、端面103、104の外径よりも縮径して形成された突設部103a、104aは、シール部材105を強く締め切ることで接合筒体101と102との間の高いシール性を確保するためである。
また、接合筒体101と102とを接合する際は、予めシール部材105を接合筒体101の端面103にセットし、このシール部材105に向けて接合筒体102の端面104を雌ナット体106内に挿入して対向させ、雄ナット体108のオスネジ部108aをメスネジ部107に噛み合せてネジ結合させていくと、雄ナット体108の先端面108bが回転しながら接合筒体102の鍔部102aを押動していく。これに伴い、接合筒体102はシール部材105を介して接合筒体101を奥側に押し込んでいくが、鍔部101aが雌ナット体106の段部106aに係止されるので、シール部材105は所定の押圧力で両側から突設部103a、104aにより締め付けられて接合が完了する。
しかしながら、上記のように、この管継手の着脱の際には従来、所定範囲の流路を隔離する作業又は隔離を解除する作業に加え、この範囲内のライン系に対しパージ処理を施して流体の漏洩防止や流路の清浄化を図っていたが、パージ範囲が広い場合や流路内では流体が液化し易い場合もあり、特に管継手の離脱前のパージ処理においては、所定レベルまで濃度が下がるまでに要されるパージ時間がかなりの長時間となることがあり、一方で、パージに無駄やムラが生じる場合もあり、このため、容器交換やメンテナンス等全体に要する時間や手間が嵩み、作業性や製品のコスト性等に少なからず悪影響を及ぼしていた。特に近年は配管系統が益々複雑化し、これに伴い流路内にはパージのデッドスペースが生じ易くなっていると共に、製品(成膜)にも極めて高い品質、即ち原料の極めて高い清浄度が要求され、これに伴い流路内も極めて高いクリーン性を確保する必要があり、このような傾向は益々高まっている。よって、十分なレベルまで流路内を清浄化するためには、膨大なパージ時間・エネルギーを要することがもはや通常である。
特に、図9に示した継手本体100の場合は、雄ナット体108を緩めて接合筒体101と102とを離脱させると、流路111、112を含む所定範囲の配管内が外気に曝されることになるが、この流路内が外気に曝された配管等が再び使用される場合もある。この場合、離脱前のパージ乾燥が不十分であると流路内から残留物の除去も不十分となるが、たとえこれが僅かであっても外気と反応して副生物が発生して流路内に残存し、これにより原料ガスが汚染され、最終的には製品に要求される品質が確保できなくなるおそれが生じる。使用流体が高純度で分解性或は変質し易い薬剤の場合は特にその傾向が大きい。
上記問題に対し、特に管継手を離脱させた後流路内が外気に曝されないようにする点に関しては、従来から接合時に両側の流路が解放されると共に非接合時には閉塞される管継手構造が提案されており、このような管継手として例えば特許文献1、2が存在する。特許文献1の液垂れ防止管継手は、雄継手および雌継手を有し各継手にはその内部に摺動可能に配置されて自由状態で流路を閉鎖するとともに両継手を連結したときに相互に押圧されることにより流路を開く弁体が設けられている。特許文献2の管継手は、雌側継手と雄側継手との組み合わせからなり、両継手は、それぞれ継手本体内部にバネによる自閉式バルブ機構を具備し、継手接続時に、前記自閉式バルブ機構がそのバネの弾発力に抗して開放されて流路を連絡するものである。このようなタイプの管継手を用いれば、管継手を離脱させた際の流路内の外気への暴露を防止できる。
特開平5−141579号公報 特開平8−200583号公報
しかしながら、以下のように、特許文献1、2は、何れも半導体製造装置の原料容器用管継手として用いられるものとは異なり、しかもこれに適用することも極めて困難である。同文献1の管継手は、接続が外されたときに内部の流体が外部に垂れないようにするため、吸引ポンプに接続された管路は、例えばケーシングの後退に伴って第1と第2の排液穴の位置が一致することで小空間と連通する構造が採られる等、管継手全体としての構造は極めて複雑に構成せざるを得ず、また、流体シール性や特殊な薬剤に対する耐食性等への配慮も全く不十分であり、特に図9に示した継手本体100のような構造とも全く異なっている。
同文献2の管継手も、原子力関連分野において汚染された冷却水やガス等を主な使用流体としていると共に、遠隔監視による漏洩の検出や漏洩時に流体の外部への放出防止をするため、例えば接続状態における流体シールに関しては、中間加圧空間に外部から導入孔を介して加圧流体を適宜導入することによる特殊なシール手段が採られる等、極めて特殊な管継手であり、また、管継手全体としても極めて複雑に構成されており、さらに、図9に示した継手本体100のような基本構造とも全く異なっている。よって、同文献1、2に開示の管継手によっては、上記問題を解決することはできない。
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、極めて高いシール性を備えながら、着脱の際に、流路内部を外気に全く連通させることがなく、しかも、流体の外部への漏れを確実に防止することができ、もってパージ効率の大幅な向上など、原料容器等のメンテナンスコストを大幅に抑制し、作業時間の著しい短縮化を可能とした管継手を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、筒状の第1ボデーと第2ボデーとの接合端面に配置したガスケットと、第1ボデーと第2ボデーの外周に設けた外筒体と、第1ボデーと第2ボデーと外筒体とを固定及び離脱するための固定手段とを有する継手本体であり、ガスケットを締め付けたとき、ガスケットの外周囲と外筒体の内周との間に、真空排気やガスパージが可能なシール空間部を備えた管継手である。
請求項2に係る発明は、第1ボデーと第2ボデーの流路内に、両者の接合又は離脱時に自動開閉する自動開閉バルブを内蔵させ、この自動開閉バルブが閉止された状態で、シール空間部と自動開閉バルブの双方の弁座部の対向空間とを真空排気やガスパージが可能なパージ領域部とした管継手である。
請求項3に係る発明は、自動開閉バルブは、弁座シートを有するポペットバルブを弾発シールするためのスプリングと、ポペットバルブの中央部に第1ボデーと第2ボデーの端面よりそれぞれ突出させた押し棒を設けた管継手である。
請求項4に係る発明は、第1ボデーと第2ボデーの外周と外筒体の内周との間にOリングを装着し、このOリングとガスケットで二重シール構造のシール空間部とした管継手である。
請求項5に係る発明は、固定手段は、外筒体のメスネジ部に第2ボデーを軸心方向に移動可能なオスナットをネジ結合させて第1ボデーと第2ボデーとの接合時に締付固定し、非接合時には、オスナットをメスネジ部より緩み方向に移動させた管継手である。
請求項6に係る発明は、固定手段は、外筒体のオネジと螺着結合する取付筒と、この取付筒の内周のメネジ部に螺合させるオスナットから成る管継手である。
請求項7に係る発明は、外筒体の外周にOリングを介して回動自在に設けたリング体に連通管を設け、この連通管をシール空間部に連通させた管継手である。
請求項8に係る発明は、メスネジ部とオスナットの緩み方向の移動をパージ領域部のシールが破壊しない位置で、かつ自動開閉バルブが閉止する位置でネジの緩みを止めるためのストッパーを継手本体に備えた管継手である。
請求項9に係る発明は、自動開閉バルブが開き始める位置をネジ締付トルクが増大する位置で検知するためにスプリングの荷重を50N以上とした管継手である。
請求項10に係る発明は、取付筒の内周下部にオスナットの突部が係合するストッパーを設けた管継手である。
請求項11に係る発明は、第1ボデーと第2ボデーは、外筒体の軸心方向に向けて移動可能に構成した管継手である。
請求項12に係る発明は、管継手であって、この管継手をプロセスガスの配管内部を大気に曝されないで着脱できる原料容器の接続継手に用いられる原料容器用管継手である。
請求項1に係る発明によると、筒状の第1ボデーと第2ボデーとの接合端面に配置したガスケットと、第1ボデーと第2ボデーの外周に設けた外筒体と、第1ボデーと第2ボデーと外筒体とを固定及び離脱するための固定手段とを有する継手本体であり、ガスケットの外周囲と外筒体の内周との間に、ガスケットを締め付けたときに真空排気やガスパージが可能なシール空間部を備えているので、固定手段を介してガスケットを締め付けることによって、高精度に密封されたシール空間部が構成され、配管内部が大気に曝されることが全くなく、更に、シール空間部に流体が残存してもシール空間部に真空排気やガスパージを行うことにより、例えば継手を外して洗浄又はバルブや配管などの交換をする作業・処理が従来に比して著しく短時間にて可能となると共に、パージをすることにより流体ライン内に外気を混入させないで管継手を接合できる。
請求項2に係る発明によると、さらに、第1ボデーと第2ボデーの流路内に両者の接合又は離脱時に自動開閉する自動開閉バルブを内蔵させ、この自動開閉バルブが閉止された状態で、シール空間部と自動開閉バルブの双方の弁座部の対向空間とを真空排気やガスパージが可能なパージ領域部としたから、ガスケットの締付状態が解除される際に、自動開閉バルブで流路内は確実に密封された状態を維持しているため、継手の接合又は離脱時に流路内を大気に暴露することが全くなく、しかも、仮にシール空間部と端面空間を構成するパージ領域内に流体が漏れて残存していても、真空排気やガスパージを行うことにより、例えば継手を外して洗浄又はバルブや配管などの交換をする作業・処理が従来に比して著しく短時間にて可能となる。
請求項3に係る発明によると、自動開閉バルブは、スプリングで弾発シールするようにした弁座シートを有するポペットバルブであり、このポペットバルブの中央部には第1ボデーと第2ボデーの端面よりそれぞれ突出させた押し棒を設けたから、本発明の管継手を、簡易構造でありながら均等で確実なシール性及び迅速で良好な開閉動作性を備えた両路開閉型カップリングとして構成できる。また、押し棒同士の当接と離間により継手両側の流路を開閉するようにしているから、圧損が小さく、しかも弁座シートを小さく形成することができ、よって、管継手をコンパクトに構成した場合であっても、高い流量を確保することができる。
請求項4に係る発明によると、第1ボデーと第2ボデーの外周と外筒体の内周との間にOリングを装着し、このOリングとガスケットで二重シールのシール空間部としたから、簡素な周面シール構造でありながら、高いシール性と容易な脱着性、メンテナンス性を備えた管継手を提供できる。
請求項5に係る発明によると、固定手段は、外筒体のメスネジ部に第2ボデーを軸心方向に移動可能なオスナットをネジ結合させて第1ボデーと第2ボデーとの接合時に締付固定し、非接合時には、オスナットをメスネジ部より緩み方向に移動させるので、この固定手段により、ネジ結合によって締め込み又は離脱させて第1ボデーと第2ボデーとを高精度に軸心方向に移動させながら接合又は離脱できる。よって、シール空間部或はパージ領域部の密封度が確実に維持され、ガスケットの締付シール状態も有効に発揮されると共に、自動開閉バルブの開閉も確実に作動できるので、流路内の流体が大気に曝される恐れが無く、短時間に、且つ高精度にパージ処理が可能となる。
請求項6に係る発明によると、固定手段は、外筒体のオネジと螺着結合する取付筒と、この取付筒の内周のメネジ部に螺合させるオスナットから成るから、ネジ結合によって締め込み又は離脱させて第1ボデーと第2ボデーとを高精度に軸心方向に移動させながら接合又は離脱できる。よって、シール空間部或はパージ領域部の密封度が確実に維持され、ガスケットの締付シール状態も有効に発揮されると共に、自動開閉バルブの開閉も確実に作動できるので、流路内の流体が大気に曝される恐れが無く、短時間に、且つ高精度にパージ処理が可能となる。
しかも、取付筒とオスナットとの組み合わせによる固定手段であるから、取付筒を外筒体との結合に用いると共に、オスナットを取付筒に螺合することによって、ガスケットの締め付け機能とオスナットの緩み時にオスナットのストッパ機能とが発揮されるため、ストッパ機能等別体として装着する必要がなく、管継手をコンパクトに製造できるばかりでなく、その操作性も頗る良好である。
請求項7に係る発明によると、外筒体にOリングを介して回動自在に設けたリング体に連通管を設け、この連通管をシール空間部に連通させているから、連通管を介してシール空間部内の流体を確実に管継手からパージすることができ、また、回動させることにより管継手に対する連通管の位置変更も容易にできると共に、リング体から流体がリークするおそれもない。
請求項8に係る発明によると、メスネジ部とオスナットの緩み方向の移動をパージ領域部のシールが破壊されない位置で、かつ自動開閉バルブが閉止する位置で、ネジの緩みを止めるためのストッパーを継手本体に備えたから、オスナットのネジを緩めながら第2ボデーを離脱移動させていく際に、パージ領域部のシールが外気に開放される前に、ストッパーにより第2ボデーの離脱が確実に係止されることになる。よって、ネジを緩めてオスナットがストッパーに当たったところでパージ領域部に対してパージし、安全を確認した後に、管継手からストッパーを外す等、流路内を確実に保護しながら安全性の高い離脱作業を、極めて簡単な構成で実現できる。
請求項9に係る発明によると、自動開閉バルブが開き始める位置をネジ締付トルクが増大する位置で検知するためにスプリングの荷重を50N以上としたことにより、ネジ締付トルクに対してスプリング荷重が適度に大きく設定されるから、オスナットの操作でネジの締付が行われる際、自動開閉バルブが開き始める最初の位置で、十分に知覚・検知可能なレベルでトルクが明瞭に変化することになる。このトルク変化を介して、管継手に内蔵された自動開閉バルブが開き始めたことが容易に判別できる。逆に、ネジを緩める際にも、トルク変化を介して自動開閉バルブが閉じたことが、容易に判別できる。よって、管継手の流路が解放状態にあるか否かを、外部からネジのトルクのみで容易に判別することが可能となり、管継手を取り扱う過程において、流路が外気に曝されることを確実に防止できると共に、作業の安全性を高めることができる。
請求項10に係る発明によると、取付筒の内周下部にオスナットの突部が係合するストッパーを設けたから、ストッパーとして別部材を要することなく、管継手の通常の離脱動作において確実に係止させることができ、さらに固定手段としても兼用可能な構造である。よって、簡素な構造でありながら、確実な着脱操作性と高い安全性を両立させた管継手の提供が可能となる。
請求項11に係る発明によると、第1ボデーと第2ボデーは、外筒体の軸心方向に向けて移動可能に構成したから、内部に設けられた第1ボデーと第2ボデーを外筒体から容易に離脱でき、極めて容易に管継手を離脱分解可能となる。特に、ガスケットが第1ボデーと第2ボデーとの間で強固に固着していても、容易にこのガスケットを外部に取り出せると共に、新たなガスケットの装着も容易にできる。同様に、管継手の組み立ても極めて容易となる。よって、管継手の取扱性・メンテナンス性が大幅に向上する。
請求項12に係る発明によると、本発明の管継手を、プロセスガスの配管内部を大気に曝されないで着脱できる原料容器の接続継手に用いられるので、製造装置において通常最もメンテナンス或は交換頻度の高い部材の一つである原料容器の配管の着脱を極めて安全かつ容易に実現でき、その利用価値は極めて高いものとなる。
本発明の第1実施形態に係る管継手の縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る管継手の外観斜視図である。 図1において、外筒体から第1ボデーと第2ボデーを離脱した状態を示した要部拡大縦断面図である。 (a)は本例の管継手にストッパーを用いた縦断面図であり、(b)は、(a)における底面図である。 本発明の第2実施形態に係る管継手の縦断面図である。 図5において、継手を接合した状態を示した縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係る管継手の外観斜視図である。 本発明の管継手を、半導体製造装置における原料容器に用いた構成の一例を示したブロック図である。 従来の管継手の縦断面図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る管継手(本例)の構造を、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本例の縦断面図であり、図2は、図1の外観斜視図である。図1において、本例の管継手の継手本体1は、筒状の第1ボデー2と第2ボデー3、及びこれらの外周に設けた外筒体4を有している。
図1において、第1ボデー2は、高い耐食性・耐久性を備えるため、SUS316Lを材質として、内部の接ガス面は、EP仕様の場合はRz0.7μm以下に電解研磨を施し、或は、STD仕様の場合はRz3.2μm以下に機械研磨を施すなど、仕様・用途に応じて形成されている。このような点は第2ボデー3も同様である。
第1ボデー2は、略筒状に形成され、内部には略円柱状空間の流路5aが形成されており、後述のように、この流路5aの内周面に嵌合・摺動自在なポペット弁体6aが収容されている。先端側(図1下側)は流路5aを流路5bに接合させるための接合端面となっており、この接合端面には、後述のガスケット21を強く締め切るため、環状の突起部7が形成されていると共に、鍔部8の外周には装着溝にOリング9aが装着されており、また、後述のように、突起部7側に開口した連通路10が開口している。一方で、後端側(図1上側)の外周にも装着溝にOリング11が装着され外筒体4内周面との間をシールしており、また後端部には、チューブのエンド部材12aが溶接により固着されている。
第2ボデー3も、材質や基本構造は、上記第1ボデー2と共通しており、内部には略円柱状空間の流路5bが形成されており、後述のように、この流路5bの内周面に嵌合・摺動自在なポペット弁体6bが収容されている。先端側(図1上側)は流路5bを流路5aに接合させるための接合端面となっており、この接合端面にも、後述のガスケット21を強く締め切るため、環状の突起部15が形成されていると共に、鍔部16の外周には装着溝にOリング9bが装着されている。一方で、後端側(図1下側)の端部には、チューブのエンド部材12bが、上記同様に溶接固着されている。また、第2ボデー3は、後述のオスナット14により外筒体4に固定される。
外筒体4は、SUS316を材質として略筒状に形成され、接合端面同士を対向させた状態の第1ボデー2及び第2ボデー3を共に外包可能な形状、サイズに構成される。本例では、図1下側はやや肉厚に形成され、外筒体4に第1ボデー2と第2ボデー3とを挿入した組み立て状態においては、その内部において接合端面同士が対向し、これらの間に後述のシール空間部17が配置される。一方、やや薄肉に形成された同図上側には、連通孔18が設けられ、外周囲には、後述のように止め輪19を介してリング体20が固定されており、このリング体20を固定した状態で、継手本体1が全体として略同径となり、スリムでコンパクトな外形状となるように構成される。
図1において、継手本体1には、第1ボデー2と第2ボデー3との各突起部7、15の間に、ガスケット21が配置されている。ガスケット21は、実施に応じて適宜選択可能であるが、本例では、純Niを材質として電解研磨処理された高耐食性であり、締め付け変形により圧潰された状態で高いシール性が発揮される。また、形状は、本例では接合端面の外周囲に形成された環状溝の形状に適合して嵌合保持可能なリテーナ状に形成されているが、シンプルなディスク状などでもよく、適宜選択できる。このように、本例の継手本体1は、メカニカル式メタルガスケット面シール継手構造となっている。
図1において、継手本体1は、第1ボデー2と第2ボデー3と外筒体4とを固定及び離脱するための固定手段を有している。本発明の管継手における固定手段は、このような機能を有していれば特に制限されず、例えば、従来技術に見られるように、第2ボデー3の先端側を外筒体4に挿入した際、外筒体4内周面側に適宜設けられた図示しないボールに第2ボデー3の外周面側を係合させることによるボールロック式のほか、第2ボデー3外周面側と外筒体4内周面側とをシール部材を介して直接ネジ結合するネジ締結式のほか、リングジョイント方式や、別途に適宜設けたクランプ治具を用いたクランプ式による固定手段、或はその他の固定機構など、実施に応じて任意に選択可能である。
本例の固定手段は、オスナット14を用いたネジ締結による固定方式を採っている。すなわち、外筒体4のメスネジ部22に第2ボデー3を軸心方向に移動可能なオスナット14をネジ結合させて、第1ボデー2と第2ボデー3との接合時に締付固定し、非接合時には、オスナット14をメスネジ部22より緩み方向に移動させるようにしている。
オスナット14は、メスネジ部22と螺合可能なオスネジ部23とナット部24を有し、材質はSUS304(又はSUS316L)にて一体形成されている。メスネジ部22には、所定のグリース塗布により、ネジ潤滑性を確保している。また本例のナット部24の径は、第2ボデー3の後端部の径より小さく設けられており、後述のように、ナット部24に工具を掛けて締め込むことで、第2ボデー3を固定した際にも、継手本体1がコンパクトな外形に保たれる。オスナット14による固定手段を用いることで、極めて簡素かつ高耐久な構造と、確実な締め付け力が確保され、継手本体1の生産性・コスト性・メンテナンス性などの観点から好適である。
図1に示すように、継手本体1は、ガスケット21を締め付けたとき、ガスケット21の外周囲21aと外筒体4の内周25との間に、真空排気やガスパージ(窒素パージ)が可能なシール空間部17を備えている。図9に示した継手本体100のように、外筒体に共通して外包された構造の継手の雄側部材と雌側部材とが対向して当接・圧着する接合端面同士には、極めて高いシール性を確保する為にガスケットを強く挟持する必要があることから、接合端面から縮径して突設しているような突形状を設ける必要がある。このため、ガスケット外周囲と外筒体内周面との間には、所定の空間領域が形成される。このような空間領域は、継手本体の使用に伴い、ガスケットからリークする流体が溜まる滞留箇所となる。よって、この空間領域は、所定のシール構造にて流体密を確保すると共に、真空排気やパージ処理を可能とすれば、継手の接合端面からリークし得る流体を外部に逃がすことがなく確実に内部に捉え、かつ排除することが可能となり、継手本体1の確実な流体シール性と取扱性・安全性を同時に担保できる。
この空間領域のシール構造は、使用流体・条件などに応じた流体シール性が確保できる構造であれば特に制限なく実施に応じて任意に選択できるが、本例のシール空間部17のシール構造は、第1ボデー2と第2ボデー3の外周と、外筒体4の内周25との間に両側をシール可能な2つのOリング9を装着し、この2つのOリング9とガスケット21で、流路5内の流体を、二重シール可能なシール空間部に構成している。
Oリング9a、9bは、材質がFKM製でリング状に形成され、それぞれ第1ボデー2、第2ボデー3において、接合端面から所定の位置となる外周面に形成された断面略コ字状の装着溝に嵌合されており、後述のように、第1ボデー2、第2ボデー3が外筒体4の内周25の面上に対して移動する際、この内周25の面上に対し、高いシール性を保ちながら滑らかに摺動可能となっている。この構成により、継手本体1を接合して締め付けた状態において、流路5a、5b内の流体は、外部に対しガスケット21が1次シールとなり、2つのOリング9a,9bがそれぞれ2次シールとなり、よってシール空間部17は二重シール構造となる。
図1において、第1ボデー2と第2ボデー3の流路5a、5bに、両者の接合又は離脱時に自動開閉する自動開閉バルブを内蔵させている。第1ボデー2と第2ボデー3とが接合又は離脱する動作に伴って、これらの内部流路5a、5bが自動的に開閉される所謂両路開閉タイプの継手とすることにより、継手の非接合時には流路5a、5b内部を外気から隔離し、継手の接合の際には自動的に流路5a、5bを連通させることができ、よって、簡単な操作でありながら流路5a、5b内部を外気から確実に保護できる。このような両路開閉構造であれば、実施に応じて任意の構造を選択可能であり、例えば、継手接合時には両側の流路開口部に設けられた弁体同士が付勢力に抗して互いに押し合ってバルブが開いた状態となり、一方で、継手離脱時にはこれらの弁体に備えられている付勢力によりバルブが閉じた状態となるような構造などでもよい。
本例の自動開閉バルブは、ポペットバルブを用いたものである。すなわち、弁座シート26a、26bを有するポペットバルブを弾発シールするためのスプリング27a、27bと、ポペットバルブの中央部に第1ボデー2と第2ボデー3の接合端面よりそれぞれ突出させた押し棒28a、28bを設けている。
図1に示すように、具体的には、ポペットバルブは、押し棒28a、28b及び弁座シート26a、26bを有するポペット弁体6a、6bと、弁座シート26a、26bが着座するボデー内部の弁座部29a、29bを有しており、後述するように、ポペット弁体6a、6bがそれぞれスプリング27a、27bに弾発付勢されることでバルブを閉じ、一方、押し棒28a、28bの先端部同士が突き当たることでバルブが開くようになっている。
同図に示すように、ポペット弁体6a、6bは、材質はSUS316L製であり、第1ボデー2、第2ボデー3にそれぞれ収容された状態においては、筒状部30a、30bが流路5a、5bにそれぞれ嵌り込むと共に、押し棒28a、28bは、それぞれ接合端面から突出した状態となる。また、内部にスプリング27a、27bが収容された円筒状の筒状部30a、30bと、筒状部30a、30bに対して縮径して内部が筒状部30a、30b内部と連通している筒状の頸部31a、31bと、頸部31a、31bに延設された頭部32a、32bを有し、頭部32a、32bには、弁座シート26a、26bが設けられていると共に、押し棒28a、28bが一体形成されている。
筒状部30a、30bの外径は、流路5a、5bの内径とほぼ同径に形成され、流路5a、5b内周面に対しほぼ抵抗なく摺動可能に設けられており、これらの内部にはスプリング27a、27bが収容されている。この筒状部30a、30bには頸部31a、31bが一体形成されて繋がっており、略90度間隔で円形の穴部33a、33bがそれぞれ4箇所ずつ形成されており、また、後述のように筒状部30a、30b内部へと流入した流体は、頸部31a、31bの穴部33a、33bを通過していくことになる。
頭部32a、32bには、ポペット弁体6a、6bの軸心方向に向け、かつ軸対称となるように、細径の円柱状に押し棒28a、28bが一体に形成されている。これら押し棒28a、28bは、後述のように、本発明の管継手の接合動作に伴って互いに先端部が突き当たることでポペットバルブの弁体を持ち上げて弁開状態としていく機能を有するから、このような機能が発揮できれば特に制限なく設けることができ、例えば長いほど管継手の接合状態でバルブの弁口が大きくなり流量を大きくとれる一方で、接合時により長く締め付ける必要があるためトルク量が増大する。また、径に関しては、ポペット弁体6a、6bの作動性や押し棒28a、28bの強度などが許容する限り、できるだけ細くしておくことで、流体の圧損を小さくできると共に、弁座シート26a、26bの径も小径化でき、管継手をコンパクトに形成しながら流量を多くとることができるため好適である。
弁座シート26a、26bは、PFAやPCTFEなどの耐食性と脱ガス性、さらに使用に応じて150度などの耐高温性を有する樹脂材から成り、環状(ディスク状)に形成され、押し棒28a、28bの付根部を堀状に包囲するように、頭部32a、32bに所定のカシメ治具を用いてカシメ固定されている。後述のように、ポペット弁体6a、6bがスプリング27a、27bに付勢されることで、弁座部29a、29bに着座できる。この着座面は、フラット形状や30度のコニカル形状等実施に応じて適宜に形成される。
スプリング27a、27bは、エンド部材12a、12bとポペット弁体6a、6bとを常時離間させる方向に弾発力を発揮できれば、特に制限なく実施に応じて任意に設定可能であるが、流路5a、5bに内設されて常時流体に接すると共に、管継手の着脱に伴って適切にポペット弁体6a、6bを締め切る機能が要されるので、その材質や荷重設定が重要となる。特に、継手の非接合時には継手材料と同等以上の耐食性を発揮して自動開閉バルブを適切に締め切ることができなければならない。また、スプリング27a、27bのコンパクト化は、管継手のコンパクト化に必須条件である。
例えば、作動回数が1000〜10000回程度と少ない場合は、高耐久性への配慮を抑え、必要シール荷重を下げるように設定したり、或は、安価、高荷重、高耐食の観点から材料を選定してもよい。例えば、高耐食性が必須条件の場合、SUS316WPA材を塑性加工して硬度、強度を上げて荷重を確保し、許容応力以上で使用したりする他、SUS316L製に電解研磨を施したものを用いたり、コバルト基ばね材(NAS 604PH)を用いて高強度性と高耐食性を確保したり、ハステロイ、インコネル材を用いてもよい。
図1、2において、外筒体4の外周にOリング34a、34bを介して回動自在に設けたリング体20に連通管35を設け、この連通管35をシール空間部17に連通させている。連通管35がシール空間部17に連通しているから、この連通管35を介して、シール空間部17内部のリーク流体などを外部に確実に排除可能となる。このように、本発明の管継手は、自動開閉バルブを備えた両路開閉型であると共に、ガスケット21の外周囲21aのシール空間部17に対して、適宜真空排気やガスパージ処理などが可能となっている。
このため、従来は、例えば原料容器に直結している管継手の場合、原料容器の交換などの際にこの継手を離脱させる前には、所定範囲の流路を隔離すると共にこの範囲に対して所定のパージ処理を施す一方、管継手を接合した直後にも、流体を流す前に、外気に曝された隔離範囲内に対して、再び所定の真空排気やパージ処理を施して清浄化を行う工程が必要であったが、本発明の管継手においては、このような継手着脱の前後に行われていたライン系に対する大規模な真空排気やパージ処理を、シール空間部17(或は後述のパージ領域部53)に対して行う極めて小規模な処理のみで済ませることも可能となる。よって、管継手の着脱工程が極めて簡略化され、作業工程の大幅な削減となり、もって製品の生産性も極めて向上する。また、本発明の管継手の接合状態においても、必要に応じて真空排気やパージ処理を適切に行うことができることは勿論である。
シール空間部17と連通管35との連通構造は、特に制限なく実施に応じて任意に選択可能であるが、本例の具体的な連通構造では、第1ボデー2に連通路10を設け、この連通路10を凹部36、37に包囲される閉領域(空間部)と連通孔18、さらにリング体20に設けた穴部20aを介して、連通管35内部へと領域を連通させている。
図1において、連通路10は、第1ボデー2の接合端面側にシール空間部17に向けて開口しており、第1ボデー2の軸心に軸対称に2箇所又は4箇所設けられており、これら連通路10は、第1ボデー2の外周を周回するように断面コ字状に切り欠き形成された環状溝部10aに繋がることにより、第1ボデー2外周面側へ連通している。また、第1ボデー2の外周後端側には、外周を周回するように浅く帯状に凹部37が切欠形成されており、一方で、外筒体4の内周面にも、管継手の組み立て状態において、この凹部37の位置に応じた位置に、内周を周回するように浅く帯状に凹部36が切欠形成されている。このため、凹部36、37同士の位置が一致して薄い帯状に形成された環状の空間部が確保される。この空間部に連通路10が連通しており、さらに、凹部36には、連通孔18が、適宜箇所に設けられており、また、この連通孔18の位置の外周側を周回するように浅く帯状に凹部38が切欠形成されている。
図1、2において、リング体20は、材質はSUS316L製で環状に形成されており、1か所の穴部20aと、内周面側の上下側の装着溝に2箇所のOリング34a、34bが備えられている。また、管継手にはC形止め輪19(SUS304製)により固定され、この状態で、連通路10、空間部(凹部36、37)、連通孔18、穴部20a、及び連通管35の各内部領域は外気に対して密封された連通領域となり、シール空間部17に対してパージなどの処理が可能な流路が形成される。この流路は、連通管35内の流路45に直接繋がって連通している。また、この固定状態では、上側と下側のOリング34a、34bが凹部38の上下両側に位置して流路内をシールすると共に、Oリング34a、34bは外筒体4の外周面に対して摺動可能なので、リング体20は、外筒体4外周面に対して密封状態を保ちながら回動自在となる。この回動に伴い、連通管35を回動できるので、管継手の位置・姿勢に応じて連通管35の方向を自由に調整することができる。
連通管35は、内部に流路45を有し、材質がSUS316L製で断面略L字状に形成されており、一端部が1か所の穴部20aに流路45を繋げるようにリング体20の外周に固着されている。また、他端部には、前述の接合端面と同形状に形成された端面39が設けられると共に、この端面39には、メスナット部材40が備えられ、別の継手や配管等を高シール状態で接続可能となっている。なお、この部位に設けられる継手(パージ配管継手)はメスナット部材40と一体で上下するため、通常フレキシブル配管が必要である。また、連通管35の形状やサイズは実施に応じて任意に選択可能であることは勿論である。
次に、本例の管継手にストッパー41を用いた場合の管継手構造(他例)を説明する。図4(a)は、継手本体1の縦断面図であり、同図(b)は、(a)を図面下側から見た底面図である。
図4に示すように、この継手本体1では、メスネジ部22とオスナット14の緩み方向の移動を、所定の位置でネジの緩みを止めるためのストッパー41を継手本体1に備えたものである。図示するように、この他例の継手本体1の構造は、上記本例の構造とほぼ同様であるが、ストッパー41を外筒体4の肩部4aに係合させるため、本例に対してリング体20の幅をやや小さく形成している。
図4(a)において、ストッパー41は、材質はAC4C製であり、断面略L字状に形成された2枚の略板状部材から構成されており、係合部42aを有する固定部材42と、係合部43aを有する係止部材43とが、ヒンジ部44を介して枢着されている。同図(b)に示すように、係止部材43下部に形成された係合部43aは、2又状に形成されエンド部材12bの円弧状の外周面に係合可能となっており、これと同様にして、固定部材42も、外筒体4の肩部4aに係合可能となっている。同図(a)には、固定部材42を外筒体4の胴部に噛み合せるように肩部4aに係合固定した状態で、係止部材43を回動して係合部43aを係合する動作が示されている。後述のように、ストッパー41の上下を係合した状態においては、オスナット14の緩み方向移動は、係止部材43の係合部43aによって係止できる。
続いて、本発明の第2実施形態に係る管継手(別例)の構造を説明する。図6は、別例の管継手を接合した状態の縦断面図であり、図5は、図6において、取付筒54の溝部55(ストッパー)とオスナット56の突部57とが係合し、別例が上記したパージ状態となった一例を示した縦断面図であり、図7は、この別例の外観斜視図である。なお、上記第1実施形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図5〜7における別例に備えられた固定手段は、外筒体4のオネジ58と螺着結合する取付筒54と、この取付筒54の内周のメネジ部59に螺合させるオスナット56との2部材から成る。なお、図1に示した外筒体4と異なり、この別例の外筒体4の下部外周には、オネジ58と、このオネジ58の上部に鍔部4bが形成されている。
図5〜7において、取付筒54は、筒状に外筒体4と同じ材質で一体形成されており、その上部内周には、上端面54a側に開口したメネジ60が設けられ、このメネジ60の奥側には環状の溝部61が切り欠かれている。このメネジ60は、外筒体4のオネジ58と螺着結合できる。溝部61のさらに奥側には、メネジ部59が設けられ、メネジ部59に続いて凹状の溝部55(ストッパー)が切り欠かれている。後述のように、この溝部55には、回動して下降する雄ナット56の突部57と係合して係止可能なストッパーとして設けられている。また、取付筒54の下部外周は、ナット部62が形成されている。
図5〜7において、オスナット56は、筒状に取付筒54と同じ材質で一体形成されており、筒状の内周面は第2ボデー3の筒状の外周面の形状に適合して遊嵌状に嵌合している。外周側には突部57が形成され、また、下部にはナット部63が形成されている。
続いて、図1に示した本例において、継手本体1を分解された状態から組み付けて接合していく際の作用を説明する。上記のように、図1が、継手本体1が接合されて流路5a、5bが連通した状態であるのに対し、図3は、第1ボデー2及び第2ボデー3が、外筒体4から離脱した分解状態の一例を示した要部拡大縦断面図である。なお同図において、通常はエンド部材12aに延設されている流路の図示は省略してある。
図3においては、第1ボデー2及び第2ボデー3が、外筒体4から分離しており、この状態から図1に示した組み立て状態とする際には、この姿勢で第1ボデー2を外筒体4内部へと挿入して鍔部8を段部25aに突き当てて係止させる。この際、Oリング9aが内周25の面上に密嵌状態で摺動する。次いで、第2ボデー3も、この姿勢で外筒体4内部へと挿入する。この際も、Oリング9bが内周25の面上に密嵌状態で摺動する。なお、接合端面15には、所定の状態で予めガスケット21をセットしておく。
この時点で、管継手は図4(a)に示した状態(パージ状態)となる。同図では、鍔部16が内周25に嵌り込んだことで、Oリング9a、9bが何れも内周25の面上に密封状に嵌合してシールしていると共に、ポペット弁体6a、6bは何れも全閉状態であるから、自動開閉バルブが閉止された状態における、パージ領域部53が形成された状態の一例を示している。このパージ領域部53は、上記シール空間部17を形成していた領域(ガスケット21又は接合端面の外周囲と外筒体4の内周25との間の領域)と、自動開閉バルブの双方の弁座部29a、29bの対向空間53a(接合端面同士が対向する間の空間に形成される領域や、押し棒28a、28bが配されて進退移動する流路空間も含む)とから成る空間領域である(なお、図中10は連通路である。)
このパージ状態において、パージ領域部53に対して連通路10(流路45)により真空引きやガスパージ等の処理を施すことで、パージ領域部53内に残存した大気成分を排除し、パージ領域部53内部を流体が接することができる程度(流路5a、5bと同程度)まで清浄化させ、パージ領域部53内部を清浄化させることができる。
上記パージ状態において、第2ボデー3に遊嵌しているオスナット14のオスネジ部23の先端部をメスネジ部22の先端部に到達させてネジ係合させ、ナット部24を回動させてオスナット14を締め込んでいく。この締め込みに伴い、オスナット14の先端面23aが第2ボデー3の鍔部16を押動させていくことで第2ボデー3を移動(ネジ締付移動)させ、この移動が所定位置となったとき、押し棒28a、28bの先端部同士が当接することになる。
さらにネジ締付移動させると、押し棒28a、28bは先端部同士の当接により移動が係止される一方で、第2ボデー3はさらに第1ボデー2に対して接近できるから、当接している先端部同士を起点として押し棒28a、28bを介してポペット弁体6a、6bに対して等しい抗力が反作用し、この抗力により、ポペット弁体6a、6bは弁座部29a、29bから持ち上げられて離座していき、これによりポペットバルブは弁開していく。この際、ポペットバルブ同士は互いにほぼ同じ構成であるから、この抗力が作用する両弁体は、ほぼ同じ弁開動作をすることが担保されている。
このようにポペットバルブが開いている間は、パージ領域部53内部へ流体が一部流出することになるが、上記のようにパージ領域部53はOリング9a、9bで外部に対して確実にシールされた密封領域であるから、外部に漏洩することなく、また、流体も外気に暴露することなく、管継手の内部に確実に捕捉でき、また、このパージ領域部53にパージをすれば、流体ライン内に外気を混入させることなく管継手の接合が可能となる。
さらにオスナット14を締め付けてネジ締付移動させ、所定位置となった際には、互いに接近していた接合端面同士が干渉して係止し、これらの間に備えられたガスケット21が突起部7、15同士に上下から押圧される。その後、さらに所定のトルクでオスナット14を締め付けることで、ガスケット21を圧潰させて突起部7、15の間をシールさせて、継手本体1の接合が完了する。
また、ガスケット21を締め付けた接合状態で形成されるシール空間部17には、上記のように接合の際にポペットバルブが開いている間に流出した流体が残存しているので、必要に応じて、連通路10(流路45)を介してシール空間部17に対して真空引きやガスパージを施すことで、管継手を清浄化できる。なお、このシール空間部17に対するパージなどの処理は、例えば管継手を所定時間・回数使用した所定のタイミングで適宜行ってもよい。
この接合状態においては、エンド部材12bを介して第1ボデー2の流路5b内に流入した流体は、ほぼ全量が筒状部30b内側へ流入してスプリング27bに接しながら頸部31b内へ進み、穴部33bを通過して接合端面15側へ流路5b内を進み、ガスケット21の中央に開けられた孔を通過して第1ボデー2内へと流入する。以降は、第2ボデー3内の上記経路と逆に進んで、エンド部材12aを介して継手本体1から流出する。
逆に、継手本体1(第1ボデー2と第2ボデー3、及び外筒体4)を離脱或は分解する際は、オスナット14を緩めて第2ボデー3を離脱させていき、上記と逆の手順を行うことになる。この際にも、上記と同様に、接合端面同士を離間させる前(使用状態)やパージ状態等、第2ボデー3を外筒体4から離脱する前に、適宜のタイミングでシール空間部17或はパージ領域部53に対し、真空排気やガスパージなどの処理を適宜施すことができる。
また、本例の管継手においては、自動開閉バルブが開き始める位置をネジ締付トルクが増大する位置で検知できるようにするため、継手本体1の構成に応じて、スプリング27a、27bの荷重を、所定値以上に調整するようにしている。
すなわち、本発明のような両路開閉型継手の場合、ポペットバルブは継手本体1に完全に内蔵されているから、ネジ締付移動の最中において、その開閉状態を知覚・検知することが困難である一方で、上記のように、継手を接合させていく際の作用において、ネジ締付移動に伴って押し棒28a、28bの先端部同士が当接した時点で、以降の接合作用にはポペット弁体6a、6bの押し上げ動作が伴うことから、これ以降のネジ締付移動における移動荷重は、不連続的に増加することになる。これは継手を離脱させる際も同様であり、第2ボデー3の離間移動に伴い押し棒28a、28bの先端部同士が離れた時点で、以降ネジを緩める移動をさせるための移動荷重は不連続的に減少することになる。このため、ネジを締め付け又は緩め移動させるためのオスナット14を締め付け又は緩めるトルクも、この時点で不連続的に変化(増加又は減少)することになる。
よって、このように不連続的に変化するオスナット14のトルクを知覚・検知することにより、極めて簡単に、少なくとも内臓バルブの開閉状態の有無を知ることができる。基本的には、トルクの変化が大きいほど知覚・検知し易いことから、ポペット弁体6a、6bを付勢するスプリング27a、27bの荷重をなるべく大きく設定しておくほど、知覚・検知し易くなると共に、流体のシール性も向上する。
さらに、上記のように、本例の管継手においては、第1ボデー2と第2ボデー3は、外筒体4の軸心方向に向けて移動可能に構成されている。具体的には、図3に示したように、第1ボデー2及び第2ボデー3は、共に外筒体4の内周面に対して、その軸心方向に向けて分離又は組立できる。このため、継手本体1の組み立て及び分解が容易に可能となり、本発明の管継手の使用性や管理が極めて良好となる。特に、接合端面(突起部7、15)を容易に外部に露出でき、また、外筒体4内部へと収納できるから、この部位にセットされるガスケット21の交換が極めて容易となり、高シール性が担保されるべき管継手として極めてメンテナンス性が良好となる。
次に、他例の作用を説明する。他例ではストッパー41を用いており、上記のように継手本体1に備えられたストッパー41により、パージ領域部53のシールが破壊しない位置で、かつ自動開閉バルブが閉止する位置で、オスナット14のネジの緩み移動が係止されるようになっている。その他の作用は上記本例の作用と同様である。
このように構成されていることで、流路内部にパージ処理等を施すことなく本発明の管継手を離脱させる際、オスナット14を緩めて第2ボデー3を外筒体4から分離させていくが、この分離がストッパー41により適切に係止されることで、先ず、不意にオスナット14を緩め過ぎてしまい、自動開閉バルブが完全に閉じる前に継手(第2ボデー3)が外れてしまい、流路内部が外気に暴露して汚染されるといった事故が起きるおそれがなくなる。同様に、不意に継手を開放してしまい、パージ領域部53のシールが破壊されて内部の物質が外気に飛散してしまうといった事故が起きる前に、ストッパー41により第2ボデー3の離脱が確実に係止される。よって、本発明の管継手の取扱う際の高い安全性が担保されると共に、事故を未然に防止して作業性も向上する。このため、例えば、継手本体1を離脱する際、オスナット14を緩めていってストッパー41に係止させ、次いで、シール空間部17に対してパージし、安全を確認してからストッパー41を継手本体1から外すといった、極めて安全性及び確実性の高い作業を容易に行うことも可能となる。
なお、具体的には、本例(他例)の管継手においては、次の構造により上記作用を担保できる。先ず、図4(a)に示すように、継手を離脱する際、ポペットバルブが確実に閉じた後にシール空間部17のシールが外気に開放されるようにする(シールが破壊される)ために、次の条件が必要である。すなわち、外筒体4内部において、段部25aの位置を起点として、この起点から、略円柱状の内周25の面がメスネジ部22の末端部(不完全ネジ部)の位置までの縦方向の距離をAとし、一方、同起点に対して、同図に示した状態において、第2ボデー3を外筒体4に挿入していった際に、押し棒28a、28bの先端部同士が互いに抗力無く当接する状態における第2ボデー3のOリング9bの位置までの距離をBとすると、A>Bであることが必要である。
次いで、第2ボデー3のOリング9bの位置が、略円柱状の内周25の面上における終端部(メスネジ部22の末端部の隣接位置)位置、すなわち、上記距離Aの範囲内における終端位置にあり、この状態において、段部25aの位置から、先端面23aが鍔部16に当接した状態におけるオスナット14後端面の位置までの距離をCとする。なお、図4(a)には、概ねこの状態が示されている。また、ストッパー41を継手本体1に係合させた状態における縦方向の長さをLとする。このとき、L≦A+Cであれば、オスナット14を緩み方向に移動させていった際、シール空間部17のシールが破壊される前、又はポペットバルブが完全に閉止する前に、ストッパー41の係合部43aによってオスナット14後端面が確実に係止されるから、不意に第2ボデー3が外筒体4から外れてしまうおそれがない。
続いて、本発明の第2実施形態に係る管継手(別例)において、継手本体1が分解された状態から、組み付けて接合(使用)状態となるまでの作用を説明する。この別例の作用も、上述した本例の作用と同様であるが、以下の点が異なる。先ず、図示していないが、第1ボデー3が外筒体4から分離された状態(本例における図3の状態に対応する)においては、ガスケット21を接合端面にセットすると共に、オスナット56の突部57が溝部55に係合するように、オスナット56を取付筒54に対して予め最後まで締め切って接合させておく。また、図3の場合と同様に、第1ボデー2の鍔部8を外筒体4の段部25aに当ててセットしておく。この状態で、第2ボデー3の鍔部16を外筒体4内部へと挿入させつつ、取付筒54のメネジ60を外筒体4のオネジ58に噛み合わせ、ネジが係合した後、ナット部62を回動させて、外筒体4に対して取付筒54を締め付けて両者を螺着結合させる。なお、この螺着結合は、上端面54aが鍔部4bに係止されるようにしてもよい。
次いで、図5は、このオネジ58とメネジ60との螺着結合が完了した状態を示している。同図に示す状態は、上述した図4(a)の状態と同様に、パージ領域部53が形成されたパージ状態となっている。この状態で、本例の場合と同様に、連通路10(流路45)を用いて、パージ領域部53に対して真空引きやパージ処理を施して大気成分を除去して管継手を清浄化する。なお、オネジ58とメネジ60の螺着結合が完了し、突部57が溝部55に係合した状態が同図に示すパージ状態となるように、第2ボデー3、外筒体4、オスナット56の各寸法形状が調整されている。
最後に、図6は、別例の管継手の接合が完了して流路5a、5bが連通した使用状態を示している。図5に示したパージ状態では、取付筒54と外筒体4とが螺着して固定されているので、ナット部63を回動させてオスナット56を取付筒54に対して締め付けることで、突部57とメネジ部59との螺合運動に伴い先端面56aが第2ボデー3の鍔部16を押し動かし、以後は上述した本例の作用と同様に、ポペット弁体6a、6bが開くと共に突起部7、15がガスケット21を所定のトルクで締付けることで、図6に示した接合完了の状態に至る。なお、パージ領域部53やシール空間部17に対する処理などは、上述した本例の場合の作用と同様に行える。
また、この別例においても、上述した他例の場合と同様に、パージ領域部53のシールが破壊しない位置で、かつ自動開閉バルブが閉止する位置で、オスナット56のネジの緩み移動が係止されるようになっている。具体的には、オスナット56の螺着(突部57とメネジ部59との螺着)を、第2ボデー3がガスケット21を締め付ける接合力が緩む方向に回転をさせることで、図6の接合状態からパージ状態へと接合を解除していくと、図5に示すように、このパージ状態が保たれたまま(シールが破壊されず、かつポペット弁体6a、6bが閉じている状態で)、突部57はこの螺合回転のストッパーとして機能する溝部55に確実に係止される。一方、取付筒54は外筒体4に固着しているから、第2ボデー3はこれ以上第1ボデー2から分離されることはない。よって、別例の管継手を分離する際も、容易に高い安全性及びクリーン性を確保した管継手の取扱いが可能となる。
続いて、本発明の管継手を、半導体製造装置などにおいて、プロセスガスの配管内部を大気に曝されないで着脱できる原料容器の接続継手に用いられる原料容器用管継手とした例を説明する。図8は、本発明の管継手50を原料容器46(前駆体容器)に直結させた場合の半導体製造装置の一例を模式的なブロック図で示している。47は原料容器46の容器系(の一部)を構成する配管・バルブ類であり、48aは原料52を容器に充填する原料補充用ラインであり、48bはキャリアガスを容器に供給する供給用ラインであり、49は原料52を容器外系のリアクタなどに繋がるマニホールドへ供給する吐出ラインであり、50は原料容器46に溶接などで容器管に直結固定された本発明の管継手であり、また、51は、管継手50に設けられたパージなどの処理が可能な流路(前述の流路45に対応)を示している。
容器系47は、配管及び各種のバルブから成る回路であり、例えばH型の配管に複数の多ポートバルブを配して設けられる。容器系47においては、各流路の開閉により、原料52やキャリアガスの供給ラインや吐出ライン、或はパージラインなどへラインを切り替えたり、流路の流量調整などが可能であり、例えば、ブロック状に集積化された自動制御可能なバルブユニット(ブロックバルブ)などとして構成される。供給ラインから原料容器46へは、水素ガス、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等から成るキャリアガスが供給され、原料をガス化用材料として気化又は昇華してリアクタなどへ圧送される。
原料容器46に充填される原料52としては、例えばCVDやALDプロセスに使用される珪素化合物、リン化合物、ホウ素化合物、金属化合物や、これらの混合物及び溶液などからなる、液体や固体状の半導体製造原料(薬剤)である。
図8に示した本発明の管継手50の使用例としては、容器46の原料52が尽きる等した際に、これを交換する作業が代表的である。原料容器46を交換する際は通常、接続継手を含む流路配管の所定隔離範囲内に対し、パージラインを介して所定の真空排気と窒素パージが施される必要があるが、同図の本発明の管継手50の場合は通常不要であり、パージ流路を介してシール空間部17に対して極めて小規模で簡易な処理を施すのみで、管継手50の離脱が可能となる。また、離脱させる際も、両路開閉型で自動開閉バルブを内蔵するから、流路内部の密封状態を維持したまま容易に離脱させることができる。その後、使用後の原料容器46の交換や廃棄を行い、原料が充填された新たな原料容器46に接合させる。接合の際にも、容易かつ安全性の高い締め込み作業のみで極めて高シールかつ高い漏洩防止性を確保した接合が可能となると共に、再度のパージ処理などは省略可能となる。よって、本発明の管継手は、このような原料容器の接続継手として、極めて利用価値が高い。
以下、本発明の管継手の実施例を説明する。この実施例は、所謂1/4インチ継手(重量約280g)であり、エンド部材12a、12bの流路内径をΦ4.3mm、これらの末端部間の距離(面継手間寸法)は約80mmとし、外筒体4の最大外径を幅27mm、オスナット14のナット部24外径を幅24mmとした。また、連通管35のピッチ(継手本体1の軸心位置からメスナット部材40の軸心位置までの距離)を38mm、第1ボデー2の連通路10(パージポート)の内径をΦ1.8mmとした。さらに、押し棒28a、28bの外径を細径の2mmに設定すると、所謂1/2インチ継手の外径と同等に、コンパクトな外形を保ちながらCv値は0.3程度と大きく確保することが可能となる。
また、本実施例では、スプリング27a、27bの荷重を50N以上に設定している。この設定により、上記したように、ポペットバルブの良好なシール性と併せてオスナット14のトルク変化を明瞭に得ることができバルブの開閉を良好に知覚・検知可能となる。
なお、本発明の管継手を接合する際には、通常、次のような3段階の締め込みが行われる。先ず、オスナット14をある程度手締めにより軽く締め込み、次いで、押し棒28a、28b先端部同士が突き当たってトルクが重くなったことを知覚した後、更に手締めにより突起部7、15同士がガスケット21に当接して挟持する状態まで強く締め込み、最後に、工具(スパナ)を用いてナット部24を所定トルクで確実に締め切って接合完了となる。
一方で、継手が部材(原料容器等)に対して溶接配管された状態で接合する場合、継手の位置が固定されているから、継手両側のスリーブを寄せた状態で接合していると、配管を介して継手にも負荷トルクが作用することがある。このような場合は、オスナット14の回動トルクに余計な重さが荷重されることになり、この余計な重さにより、押し棒28a、28b先端部同士が当たった場合におけるトルク変化が判り難くなる場合が有る。
このようなトルク変化が判別しにくい場合は、スプリング27a、27bの荷重をさらに適切に増加させておけば好適であり、例えば本実施例の構造においては120Nに設定しておけば、操作性等を損なわない範囲でトルク変化の明瞭な判別性を確保でき、しかもバルブのシール性も高くなるため好適である。
更に、本発明は、前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
1 継手本体
2 第1ボデー
3 第2ボデー
4 外筒体
5a 5b 流路
6a 6b ポペット弁体
7 15 突起部
9a 9b Oリング
14 オスナット
17 シール空間部
20 リング体
21 ガスケット
21a 外周囲
22 メスネジ部
25 内周
26a 26b 弁座シート
27a 27b スプリング
28a 28b 押し棒
29a 29b 弁座部
34a 34b Oリング
35 連通管
41 ストッパー
46 原料容器
50 管継手
53 パージ領域部
53a 対向空間
54 取付筒
55 溝部(ストッパー)
56 オスナット
57 突部
58 オネジ
59 メネジ部

Claims (12)

  1. 筒状の第1ボデーと第2ボデーとの接合端面に配置したガスケットと、前記第1ボデーと第2ボデーの外周に設けた外筒体と、前記第1ボデーと第2ボデーと前記外筒体とを固定及び離脱するための固定手段とを有する継手本体であり、前記ガスケットを締め付けたとき、前記ガスケットの外周囲と前記外筒体の内周との間に、真空排気やガスパージが可能なシール空間部を備えたことを特徴とする管継手。
  2. 前記第1ボデーと第2ボデーの流路内に、両者の接合又は離脱時に自動開閉する自動開閉バルブを内蔵させ、この自動開閉バルブが閉止された状態で、前記シール空間部と前記自動開閉バルブの双方の弁座部の対向空間とを真空排気やガスパージが可能なパージ領域部とした請求項1に記載の管継手。
  3. 前記自動開閉バルブは、弁座シートを有するポペットバルブを弾発シールするためのスプリングと、前記ポペットバルブの中央部に第1ボデーと第2ボデーの端面よりそれぞれ突出させた押し棒を設けた請求項2に記載の管継手。
  4. 前記第1ボデーと第2ボデーの外周と前記外筒体の内周との間にOリングを装着し、このOリングと前記ガスケットで二重シール構造のシール空間部とした請求項1乃至3の何れか1項に記載の管継手。
  5. 前記固定手段は、前記外筒体のメスネジ部に第2ボデーを軸心方向に移動可能なオスナットをネジ結合させて第1ボデーと第2ボデーとの接合時に締付固定し、非接合時には、オスナットをメスネジ部より緩み方向に移動させた請求項1に記載の管継手。
  6. 前記固定手段は、前記外筒体のオネジと螺着結合する取付筒と、この取付筒の内周のメネジ部に螺合させるオスナットから成る請求項1に記載の管継手。
  7. 前記外筒体の外周にOリングを介して回動自在に設けたリング体に連通管を設け、この連通管を前記シール空間部に連通させた請求項1乃至6の何れか1項に記載の管継手。
  8. 前記メスネジ部とオスナットの緩み方向の移動を前記パージ領域部のシールが破壊しない位置で、かつ前記自動開閉バルブが閉止する位置でネジの緩みを止めるためのストッパーを前記継手本体に備えた請求項1乃至7の何れか1項に記載の管継手。
  9. 前記自動開閉バルブが開き始める位置をネジ締付トルクが増大する位置で検知するために前記スプリングの荷重を50N以上とした請求項1乃至8の何れか1項に記載の管継手。
  10. 前記取付筒の内周下部に前記オスナットの突部が係合するストッパーを設けた請求項6に記載の管継手。
  11. 前記第1ボデーと第2ボデーは、前記外筒体の軸心方向に向けて移動可能に構成した請求項1乃至10の何れか1項に記載の管継手。
  12. 請求項1乃至11における管継手であって、この管継手をプロセスガスの配管内部を大気に曝されないで着脱できる原料容器の接続継手に用いられる原料容器用管継手。
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