JP2018531154A6 - 3モータローラスタンドを含む棒状体用多スタンド圧延機 - Google Patents
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Abstract
本発明は、管状体用多スタンド圧延機(1)に関する。圧延機は、圧延軸(100)に沿って順に配置される第1の複数の圧延スタンド(15’、15、15’’)によって画成されるマンドレルによる圧延のための第1セクション(10)を含む。本発明によると、圧延機は、上記第1セクションの下流に配置される、マンドレル無しの第2圧延セクションも含み、該第2セクションは、上記圧延軸(100)に沿って順に配置される第2の複数のスタンド(25’、25、26、27、26’、27’)を含む。上記第2セクション(20)の各スタンド(25’、25、26、27、26’、27’)は、互いに対して120°で配置される回転軸を有する3ローラを含む。各スタンド(25’、25、26、27、26’、27’)の回転軸は、隣接するスタンドの対応する回転軸に対して180°回転される。本発明によると、上記第2セクション(20)の少なくとも1台のスタンドは、垂直回転軸を有するモータローラを含む。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、管状体の圧延システムを達成する範囲に入る。即ち、本発明は、3モータローラを有するスタンドを含む多スタンド圧延機に関する。特に、本圧延機は、マンドレルによる圧延を実行し、続く管状体のマンドレル無し圧延を同じラインに沿って実行するように構成される。
例えば継目無管等の中空体(又は、管状体)を生産するためのプラントが知られている。特に、かかる生産は、基本的な3変形ステップを含み、その中の第1ステップは、中空体を長尺方向に穿孔することであると認められる。次に、中空体は、管の厚さを画成するために、第1ラインに沿って、マンドレルによる第1圧延を受ける。第1圧延が終了し、マンドレルを引抜いた後に、管は、管が所定温度に保たれる加熱炉で加工され、その後、第2ラインで、管自体の直径を較正することを目的とする、マンドレル無しの、即ちマンドレルが無い状態での更なる圧延を受ける。
この生産工程の一例は、特許文献1に記載及び開示されている。特に、この既知のソリューションでは、マンドレルによる圧延は、2ローラの圧延スタンドを介して実行される一方で、マンドレル無し圧延は、3ローラのスタンドを介して実行される。加熱炉は、2圧延ライン間に設けられる。特許文献2では、その代わりに、マンドレルによる圧延が、3ローラのスタンドを介して行われるラインについて、記載している。
特許文献3及び特許文献4では、マンドレル無し圧延が、3ローラのスタンドを介して行われる他の圧延機について記載及び図示している。特に、特許文献4のスタンドは、圧延軸に対して調整可能な位置を有するローラを備えている。
較正圧延は、通常、3モータローラの圧延スタンドを介して実行され、各ローラが、他のローラの軸に対して120°傾斜される回転軸周りに回転する。通常、ローラの中の1つは、水平軸のドライブシャフトによって作動される水平な回転軸を有する。他の2ローラは、その代わりに、対応するドライブシャフトによって作動され、該ドライブシャフトの1本は、圧延スタンドの支持面の下に、動作可能に設置される。かかる圧延スタンドの例については、例えば、特許文献5、特許文献6、及び特許文献7に記載されている。
また、3ローラを有する圧延スタンドも、当該技術分野では周知であり、通常、該ローラの中の1つは、水平軸ドライブシャフトによって作動される水平回転軸を有する一方で、他の2ローラは、その代わりに、内側の円錐歯車を用いて作動され、該歯車は、第1ローラの水平回転軸を、他の2ローラの2本の傾斜される回転軸其々と接続する。この種のソリューションについては、例えば、特許文献8に記載されている。
上述の圧延プラントには、様々な欠点があり、第1の欠点は、加熱炉の存在によって決定的に影響を受けるのが全体寸法となる点である。一般に、加熱炉の存在については、他の様々な理由、とりわけ、管の蓄積に関する管理が複雑であること、炉内で長時間停止した場合に、過度の脱炭及び/又は酸化状態になる問題、炉内でスケールが形成されることによって減量が発生することで、批判的である。全体的に見て、これらの側面全てが、プラントの製造/管理コスト、従って生産コストに影響を与える。
上述のシステムに関する他の欠点は、現在較正圧延に使用されている技術的ソリューションに関連する。特に、スタンド交換とも呼ばれる、スタンドを交換する作業は、通常使用される3ローラのスタンドの構成により、特に複雑であることが、示されている。実際に、水平ドライブシャフトを用いて動力化される水平軸ローラを使用しても、圧延ラインのスタンドの交換は、さほど便利にはならない。それと同時に、他のローラの及び関連する作動ドライブシャフトの配置は、複雑な支持構造、及び個別に制御されるローラの場合にドライブシャフトの1本の動力化手段を収容するのに必要な、該支持構造と同様に複雑なスタンド支持面下の基礎システムを、必要とする。
以上の考慮事項は、前述の欠点を解消可能にする新たな圧延システムを提供する必要性を示している。
本発明は、圧延軸に沿って順に配置される第1の複数の圧延スタンドによって画成されるマンドレルによる圧延のための第1セクションを含む管状体用圧延機に関する。本発明による圧延機は、マンドレルを引抜き、管状体を較正するための第2セクションを更に含む。かかる第2セクションは、第1セクションの下流に配置され、それにより上記第1セクション(10)から出た管状体は、上記第2セクション(20)に直接入る。かかる第2セクションは、上記圧延軸に沿って順に配置される第2の複数のマンドレル無しのスタンドを含む。第2セクションの各スタンドは、互いに対して120°で配置される回転軸を有する3ローラを含み、各スタンドの回転軸は、隣接するスタンドの対応する回転軸に対して180°回転され、上記回転軸の上記位置は、垂直基準方向に対して評価(assess)される。更に、本発明によると、第2セクションの少なくとも1台のスタンドは、垂直回転軸を有するモータローラを含む。
本発明の目的及び利点については、本発明の実施形態に関して以下で提供される詳細な説明から、及び非限定的な例として単に提示される添付図から、明らかになるであろう。
図面における同じ数字及び同じ参照文字は、同じ要素又は部品を指すものとする。
言及された図面を参照すると、本発明は、中空体(以下、管状体とも示される)用多スタンド圧延機1に関する。本発明による圧延機1は、それ自体既知の原理に従い中空体内部に予め挿入されるツールによる、又はマンドレルによる第1圧延セクション10を含む。第1セクション10は、中空体の厚さを画成する機能を果たし、圧延軸100(又は圧延方向100)に従い順に配置される第1の複数の圧延スタンド15’、15、15’’を含む。特に、第1セクション10は、入口側10’に配置される少なくとも1台の入口スタンド15’及び第1セクションの出口側10’’に配置される少なくとも1台の出口スタンド15’’を含む。従って、中空体の給送方向200は、入口スタンド15’が中空体に介入する最初のスタンドとなる一方で、出口スタンド15’’が、厚さの画成を完了することによって介入する最後のスタンドとなるように、圧延軸100に沿って画成される。
本発明による圧延機1は、上記給送方向200に対して第1セクション10の下流に配置される、マンドレル無しの第2圧延セクション20を更に含む。かかる第2セクション20は、中空体からのマンドレルの引抜きを実行する機能、及び中空体の直径を較正する機能を果たす。用語「マンドレル無し」は、マンドレルが無い状態で実行される圧延、即ちマンドレルの引抜き後に実行される圧延を意味する。本発明によると、第2セクション20は、第1セクション10によって画成される圧延方向100と一致する圧延軸を画成する。従って、マンドレルによる圧延及びマンドレル無しの圧延は、同じライン(圧延方向100)で実行される。実質的に、第1セクション10から出た中空体は、該中空体からマンドレルを引抜くために、且つ直径を較正するために、第2セクション20に直接入る。このソリューションは、有利には、中間加熱炉の設置を回避でき、その結果、従来のソリューションと比べて、少なくとも70メートルはシステムの長さ(従来の加熱炉と可能な中間冷却面を有する中間炉の入口前の出口ローラウェイの長さ)を短縮できる。その上、炉自体を設置及び管理することに関連する全ての上述の問題(脱炭及び/又は酸化、スケールの形成)が、解決される。有利には、生産工程は、事実上、2変形ステップだけ:穿孔及び圧延(厚さ/較正)に限定される。第1セクション10と第2セクション20は、事実上、厚み圧延と直径較正を統合する単一のインラインミルを形成する。従って、中間炉によって生じる中間的な蓄積がないため、中空体のトラッキングに関して、大幅に簡素化し得る。
本発明によると、第2セクション20は、入口側20’から始まる上記圧延軸100に沿って順に配置される第2の複数の圧延スタンド25、26、27、26’、27’を含む。その結果、入口スタンド25’は、第1セクション10から来る中空体に介入するものと、認識される。更に、出口スタンドは、第2セクション20を出る前に中空体によって横断される最終スタンドであると、認識される。上記スタンド25’、25、26、27、26’、27’は、略水平な支持面300上に配置される。
第2セクション20の各スタンド25、26、27、26’、27’は、互いから120°で配置される回転軸を有する3圧延ローラを含む。更に、第2セクション20の各スタンド25、26、27、26’、27’用ローラの回転軸は、隣接するスタンドの回転軸に対して180°回転される。更に詳細には、隣接するスタンドの軸に対する任意の1台のスタンドの軸の位置は、支持面300と直交する垂直方向150に対して評価される。これに関連して、図1a及び図1bは、かかる配置を示す目的で図式化されている。具体的には、図1aは、参考として取上げたスタンドにあるローラA、B、Cの軸の配置について図式化する一方で、図1bは、隣接するスタンドのローラA’、B’、C’の配置について図式化している。用語「隣接する」は、給送方向200に対して、参考として取上げたスタンドに対して上流又は下流に存在してもよいスタンドを意味する。
本発明によると、第2セクション20の少なくとも1台の圧延スタンドは、垂直回転軸を有するモータローラを含む。好適には、かかるローラは、同じく垂直軸を有するドライブシャフトを介して動力化される。以下でより明示されるように、垂直軸のモータローラを有する1台又は複数のスタンドを使用することで、有利には、第2セクション20のスタンドの交換を簡素化でき、その結果、この作業に関連する時間を大幅に減少できる。
本発明の別の態様によると、圧延機1の第2セクション20は、少なくとも1台の固定ローラスタンドを含むが、この表現は、ローラの(即ち、ローラの回転軸の)位置が、圧延軸100に対して調整可能/変更可能ではないスタンドを意味している。上記少なくとも1台の固定ローラスタンドは、上記ローラの1つから、好適には垂直軸のモータローラから、同スタンドの他の2つのローラに運動を伝動するように構成される機械式伝動手段を含む。以下で解説される図9及び図10は、本発明による圧延機の固定ローラスタンドに関する可能な実施形態について示している。
好適な実施形態によると、本発明による圧延機1は、第2セクション20の入口側20’から始まる上記圧延軸100に沿って順に配置される第1の一連の固定ローラスタンド25’、25(以下では、第1スタンド25’、25の表現でも示す)を含む。従って、入口スタンド25’は、固定ローラスタンドである。
更なる態様では、圧延機1の第1セクション10の圧延スタンド15’、15、15’’も、互いから120°で配置される回転軸を有する3つのローラを備える。本発明によると、第2セクション20の入口スタンド25’の回転軸は、第1セクション10の出口スタンド15’’のローラの回転軸に対して180°回転される。軸の位置は、常に、垂直基準方向150に対して評価される。実質的に、第2セクション20の入口スタンド25’のローラに対する第1セクション10の出口スタンド15’’のローラの位置は、図1a及び図1bで図式化されて示されている。この仕掛けにより、第1セクション10の圧延スタンド15’、15、15’’のローラは、有利には、第2セクション20のスタンド25’、25、26、27、26’、27’のローラと整列される。それにより、厚み公差が改善されて、最終製品の品質向上に効果があるかも知れない。
好適には、各固定ローラスタンド25’、25は、垂直軸のモータローラ31及び該モータローラからスタンドの他の2つのローラに運動を伝動するように構成される機械式伝動手段を含む。好適には、上記垂直軸ローラは、各固定ローラスタンド25’、25のための垂直軸ドライブシャフトを介して動力化される。また、このソリューションは、図17についての解説で後述するように、第2セクション20の基礎を簡素化できるため、有利である。
圧延機1の第2セクション20は、好適には、固定ローラスタンド又は複数の該スタンド25’、25の下流に動作可能に配設される少なくとも1台の調整可能なローラスタンドを含む。表現「調整可能なローラスタンド」は、圧延条件を変更し、直径に関する対応する変更を実行するために、圧延軸100からのローラの距離を調整できるスタンドを意味する。好適には、上記少なくとも1台の調整可能なローラスタンドは、垂直軸モータローラも含む。
図面に示される好適な実施形態によると、圧延機1は、ここでもまた給送方向200に対して固定スタンド25’、25の下流で圧延軸100に沿って順に配置される、一連の調整可能なローラスタンド26、27、26’、27’(又は、第2スタンド26、27、26’、27’)を含む。好適には、第2スタンド26、27、26’、27’の其々は、第1垂直軸モータローラ34、34’を含む。
可能な実施形態によると、第2セクション20は、ダミースタンド28も含むが、この表現は、中空体に関して厚みの圧下又は変形も実行されないスタンドであり、且つ存在するローラ又は複数のローラが、圧延方向100に沿って該片体を搬送し、案内する機能のみを備えるスタンドを意味する。かかるダミースタンド28は、例えば、プラントエンジニアリングの要求に応じて、固定ローラスタンドと調整可能なローラスタンドとの間、或いは、調整可能なローラスタンドの下流に配置できる。
図1〜図4は、本発明による圧延機1の可能な構成に関する略図である。かかる略図では、圧延機1の第1セクション10は、上述されたように其々が3つのローラを備える6台の圧延スタンド15’、15、15’’によって実質的に画成される同じ構成を有する。第2セクション20全体で、16位置を画成し、各位置は、圧延スタンド(固定又は調整可能なローラを有する)によって、或いはダミースタンドによって占領されることになっている。全ての略図では、16位置の中13位置は、固定ローラスタンド或いはダミースタンドを収容するように構成される一方で、最後の3位置は、その代わりに、任意の種類のスタンド(固定ローラ−調整可能なローラ−ダミースタンド)を収容するように構成される。
一般的に、本発明によると、第2セクション20は、固定スタンド25’、25によって、或いはダミースタンド28によって占領されてもよい第1の一連の定着位置(lodging position)を画成する第1区間(stretch)21を含む。また、第2セクション20は、固定スタンド、調整可能なスタンド又はダミースタンドによって占領されてもよい第2の一連の位置を画成する第2区間22を含み、その場合、調整可能なスタンドは、一群(60、62)において、動作可能に接続されてもよい。
図1の略図で示された構成によると、第2セクション20は、同数の固定スタンドを提供し、より詳細には、入口側20’から始まり順に配置される14個の固定スタンド25’、25を提供する。第2セクション20の最後の2位置は、その代わりに2台の調整可能なローラスタンド26、27によって占領される。好適には、スタンド26、27は、2台の調整可能なローラスタンドの単一群60を形成するように、互いに接続され、その場合、該スタンドの一方の少なくとも1つのモータローラは、他方のスタンドのローラに動作可能に接続される。また、本発明の延長では、かかる群60は、表現「偶数用二重スタンド(even bi−stand)60」でも示され、「偶数」は、かかる二重スタンドを画成する2スタンド26、27が、圧延スタンドの総数が偶数の時に使用されることを意味する。
図2の略図では、第2セクション20は、入口側20’から始まる13位置を占領する13台の固定スタンド25’、25を提供する。ここでは、第2区間22の最初の2位置(第2セクション20の14番目と15番目の位置に対応する)は、以下で表現「奇数用二重スタンド(odd bi−stand)62」で示される別の調整可能なスタンド26’、27’の群62によって占領されるが、用語「奇数」は、かかる二重スタンドを画成する2スタンド26’及び27’が、圧延スタンドの総数が奇数の時に使用されることを意味する。第2区間22の最終位置は、その代わりに、ダミースタンド28によって占領される。
偶数用二重スタンド62は、スタンド26’又は27’の一方のモータローラが、他方のスタンドのローラに動作可能に接続されるため、奇数用二重スタンド60に、概念的に、機能的に類似している。実際に、様々な部品間の運動定義及び伝動に関して、同じ技術的ソリューションが、好適には、二重スタンド(偶数60及び奇数62)のために提供される。両方の二重スタンド(偶数60及び奇数62)は、第2セクション20の第2区間22に沿った所定位置に設置される作動手段、通常ドライブシャフトを介して、作動される点に注目できる。従って、第2区間22に対して最も左の位置に設置される作動手段に適応するために、奇数用二重スタンド62は、圧延軸100を含む垂直面に対して偶数用二重スタンド60の構成と、事実上、対称的な(mirror)構成を有する。
図3の略図には、その代わりに、8台の固定スタンド25’、25及び該固定スタンド25’、25の下流に順に配置される6台のダミースタンド28が提供されている。第2セクション20の最後の2位置(15番目及び16番目)は、図1の略図と同様に、偶数用二重スタンド60の調整可能なスタンド26、27によって占領されている。最後に、図4の略図では、7台の固定スタンド25’、25が提供されており、その下流に、順に6台のダミースタンド28が配置されている。最後の3位置は、その代わりに、奇数用二重スタンド62の調整可能なスタンド26’、27’によって、及び図2の略図と同様な方法で、擬似スタンド(false stand)28によって、占領されている。
一般的に、第1区間21にある固定スタンド25’、25の、及びダミースタンド28の数及び位置に関する、並びに第2区間22にある調整可能な/固定/ダミースタンドの位置に関する第2セクション20の構成は、加工ニーズに応じて、可変としてもよい。特に、使用されるスタンド数の選択及び圧延機1における関連する配置は、実質的に、較正ステップ(第2セクション20)で発生する縮径に応じて決まる。これに関連して、第2セクション20の出口で取得されてもよい直径の数に対して、第1セクション10から出る直径の数を限定するのが好ましい。
以下で解説される図17及び図18の断面図を参照すると、事実上、第2セクション20の第1区間21がどのようにして支持面300下の基礎を必要としないかという点について注目できる。かかる基礎は、常に、第1区間21によって画成される位置数よりも大幅に少ない位置数を画成する第2区間22に限定される。実際に、本発明によると、既知のソリューションとは対照的に、マンドレル無しの圧延が、固定ローラスタンドを介して主に実行される。
再び図1〜図4を参照すると、本発明による圧延機には、第2セクション20に沿って速度を制御するために、圧延機1の2セクション10、20間の中空体の給送速度を測定するための第1速度計166が提供されている点に注目できる。この点に関して、圧延機1は、第2セクション20の出口に動作可能に配置される第2速度計167を更に含む。
圧延機1は、第2セクション20の出口に同じく配置される厚さ計178を更に含む。本発明による圧延機1のインライン構成は、有利には、一方が加熱炉の上流にあり、他方が最終キャリブレータの下流にある2つの独立した圧延ラインを含む従来のプラントにおいて必要な厚さ計の中、少なくとも1つを、省略可能にする点に注目できる。
図5及び図6は、其々図1の略図及び図2の略図による圧延機1の第2セクション20の側面図である。特に、第2セクション20を形成する固定スタンド25’、25の配置及び偶数用二重スタンド60の配置について、図5で注目できる。その代わりに、第2セクション20を形成する固定スタンド25’、25、奇数用二重スタンド62、ダミースタンド28の配置については、図6で注目できる。どのようにして第2セクション20の第2区間22が、調整可能なスタンドの位置を、動作ニーズに応じて、偶数用二重スタンド60を使用して、或いは奇数用二重スタンド62を使用して変更できるかについて、注目できる。
図7は、図5で示された圧延機の第2セクション20の平面図である。図7は、第2区間22に設置される偶数用二重スタンド60及び作動手段(ドライブシャフト30A、30B、30C)を示している。二重スタンド60は、圧延軸100に対して両側に配置される2本のドライブシャフト30A、30B(以下、「右側ドライブシャフト30A」及び「左側ドライブシャフト30B」で示される)と相互作用するように構成される点に注目できる。右側ドライブシャフトは、第2区間22の最後から2番目の位置と動作可能に関連付けられるのに対して、左側ドライブシャフトは、第2区間22の最終位置と関連付けられる。図5、図6及び図7間の比較から、どのようにして奇数用二重スタンド62(図6で示される)が、第2区間22で取られるべき異なる位置により、片側で、右側ドライブシャフト30Aと、及び他側で、左側ドライブシャフト30Bと同じ側に配置されるが、第1区間21の直ぐ下流にある第2区間22の第1位置と関連付けられるドライブシャフト30Cと相互作用するように構成されるかについてに注目できる。上述されたように、この条件では、厳密には、スタンド62が、圧延軸100を含む垂直面に対して動作可能に、構造的にスタンド60と対称になる必要がある。
図5及び図6を参照すると、第2セクション20は、入口側20’に位置する第1解放用スラストシリンダ290、及び第2セクション20の出口側20’’に位置する第2係止用スラストシリンダ291を含む。第2シリンダ291は、方向200の反対方向に、軸方向推力をスタンド25’、25、26、27、26’、27’及びダミースタンド28に、該スタンドを圧延方向に沿って圧縮し、該スタンドを軸方向に係止するために、印加する。その逆もまた同様で、第1シリンダ290は、方向200と一致する方向に、軸方向推力をスタンド25’、25、26、27、26’、27’及びダミースタンド28に、該スタンドが一旦軸方向に係止されたら、スタンド交換作業を可能にするために、該スタンドを解放するように、印加する。
図8は、図5の断面VIII−VIIIに従う図である。図8は、固定された入口スタンド25’を正面向きで、即ち、第1セクション10の下流で圧延軸100上の観察点から、示している。かかる図面に示されているように、スタンド25’は、固定構造体8によって画成される第1定着空間81内に収容され、該固定構造体8は、垂直方向(垂直方向150)に延在し、それと同時にスタンド自体が載置される水平面300を画成する。構造体8は、支持面300と平行に延在する支持面82を含む。垂直軸ドライブシャフト30の作動装置130は、支持面82上方に設置される。垂直軸ドライブシャフトは、スタンド25’の第1垂直軸ローラ31に取外可能に接続されるように構成される。これに関連して、第1空間81と支持面82との間に画成される第2定着空間83内に実質的に設置される垂直方向の制御ドライブシャフト30の結合/解放装置45が準備してある。結合/解放装置は、ドライブシャフトが第1ローラ31に動作可能に接続される結合位置と、そうではなく、例えば、スタンド25’を交換可能にするために、ドライブシャフトがローラから接続解除される解放位置との間で、垂直ドライブシャフト30を移動するように構成される。
再び図8を参照すると、ドライブシャフト30の作動装置130は、モータ131及び機械的な減速機132を含む。減速機132は、支持面82上方で、モータ131と垂直ドライブシャフト30の間に、介在する。好適には、モータ131は、垂直軸を有するように、即ち、構造体8から側方に出ないように設置される。それにより、構造体の側面8’、8’’に隣接する空間は、有利には、空いた状態に維持して、後述するように(図17及び図18を参照して)、スタンド交換作業の範囲内で利用される。
図7の平面図では、上述の原理に従い、どのようにセクション自体の各スタンドが、隣接スタンドに対して180°回転しているかについて注目可能である。特に、固定ローラ入口スタンド25’に関係する垂直ドライブシャフトの結合位置125は、入口スタンドと直ぐに隣接する第2スタンド25の垂直ドライブシャフトの結合位置125’に対して、180°回転されている点に注目できる。同じ原理が、第2スタンド25に隣接する第3スタンドの結合位置125’’等にも当てはまる。かかる関係は、第2セクション20によって画成される位置全てに対して保たれ、そのため、第2セクション20自体の第2区間22に対しても保たれる点に注目できる。
図6、図7及び図8に対する解説で記載された上述の技術的ソリューションは、第2セクション20に設置される固定スタンド25’、25全てに対して、また事実上、第2セクション20の調整可能なスタンド26、27、26’、27’に対しても有効である点に注目できる。例えば、各スタンド(固定又は調整可能な)に対して、これにより、対応する作動部が、圧延軸100に沿ってそのドライブシャフト全体に沿って構造体の側面8’、8’’に隣接する空間を空けた状態に保つように、構造体8の支持面82上方に設置されて、提供されている。
図9及び図10は、本発明による固定スタンド25の実施形態に関する図であり、該固定スタンド25は、第2セクション20の第1区間21の任意の位置に、又は第2区間22の位置にも配設されてもよい。図9を参照すると、スタンド25は、本体70を含み、該本体は、2枚のプレート70’間に延在し、ローラ31、32、33を保持する。該ローラは、本来知られている構成を有し、ローラは、固定位置を保つ、即ち、圧延軸100に対して調整可能ではない。従って、スタンド25は、常に、同じ圧延条件、即ち、同じ縮径を達成する。概して、本体70及び2枚のプレート70’は、動作凹部70’’を画成するように構成され、該動作凹部には、3つの圧延ローラ31、32、33が収容されており、該ローラ31、32、33の相互位置は、事実上、圧延軸100を画成する。
図10を参照すると、第1ローラ31は、該ローラ自体がキー止めされる中心要素71によって画成される垂直軸101(又は、第1軸101)を有する。中心要素71は、片側で第1側方要素71’に、もう片側で第2側方要素71’’に接続され、両側方要素は、第1ローラ31に対して互いに対向する。更に詳細には、中心要素71は、2つの側方要素71’、71’’の其々に、3要素71、71’、71’’が同期して回転するように、軸方向接続部(例えば、軸方向の歯又は溝型)を介して接続される。第1側方要素71’は、自由端72を有し、該自由端は、図8に示されたように、垂直ドライブシャフト30に、又は別の機能的に同等な作動手段に接続されてもよい。
3要素71、71’、71’’は、全体的に、第1要素組71−71’−71’’を画成し、該第1組は、第1ローラ31を保持し、第1ローラ31の回転を可能にする。これに関連して、3中空要素71、71’、71’’内部で長手方向に配置されるコネクタピン74の使用が、該中空要素が外れないように、提供されている。また、要素組71、71’、71’’の各要素の回転を可能にするために、第1軸101に沿った様々な位置に配置される第1支持体75も提供されている。中心要素71と2側方要素71’、71’’との間の軸方向接続部は、第1ローラ31を、スタンド25の本体70によって画成される動作凹部から引抜き易くするために、取外可能にする点は、注目に値する。
同様に、第2ローラ32の回転のために、軸方向に接続される中心要素76(ここでもまた軸結合体を介して)及び第2支持体75’上で回転する2側方要素77によって画成される第2要素組76−77の使用が提供されている。第2要素組は、第1回転軸101に対して120°傾斜される第2ローラ32用第2回転軸102を画成する。第2要素組76−77と構造的に等しい第3要素組(数字76’、77’で示される)は、第3ローラ33を保持し、従って、垂直軸101に対して、及び第2軸102に対して120°傾斜される第3回転軸103を画成する。
再び、図10を参照すると、上述したように、第1ローラ31は、第2ローラ32に、及び第3ローラ33に、駆動手段を介して動作可能に接続されてもおり、該駆動手段は、全てのローラが、第1ローラ31に関係する第1要素組71、71’、71’’に接続される制御ドライブシャフト30によって作動されるように構成される。図示された代表例では、伝動手段は、2個の円錐駆動ギヤ79、79’を含み、各ギヤは、第1要素組71−71’−71’’の側方要素71’、71’’の一方にキー止めされる。第1円錐駆動ギヤ79は、第1ローラ31の垂直回転軸101に最も近い第2要素組76−77の側方要素77にキー止めされる第1駆動ギヤ78と噛合う。同様に、第2円錐駆動ギヤ79は、第1ローラ31の垂直回転軸101に最も近い第3要素組76’−77’の側方要素77’にキー止めされる第2駆動ギヤ78’と噛合う。従って、伝動手段は、3ローラ31、32、33の同期した回転を達成するように構成される。従って、円錐駆動ギヤ79、79’は、1と等しい伝動比で対応する被駆動ギヤ78、78’と噛合う。
図9を参照すると、スタンド25は、ローラ31、32、33の冷却システムを備え、該冷却システムは、外部回路に接続されてもよい取入口174、及び3端部ノズル177を含む冷却回路170を含み、各端部ノズル170は、3圧延ローラ31、32、33の1つの付近に冷却剤を放出するように構成される点にも注目できる。図8を参照すると、第2セクション20の構造体8は、スタンド25の上記取入口174を、外部の供給回路に/から接続/切断するための接続装置145も含む点に注目できる。かかる接続装置145は、垂直ドライブシャフト30の結合/解放装置45の側に設置される。
図11〜図16は、調整可能なローラスタンドの群に関する。特に、かかる図面は、例えば、図1及び図3で示される構成において、第2セクション20の第2区間22に設置されてもよい偶数用二重スタンド60を示している。後述される偶数用スタンド60のための技術的ソリューションは、変更すべきところは変更して、奇数用スタンド62にも有効であると考えられる。これに関連して、上述の略図1〜図4を参照すると、偶数用二重スタンド60の第1スタンド26のための及び第2スタンド27のための後述される技術的ソリューションは、構造的観点(構成要素、運動の定義、ローラの位置等に関する)から、奇数用二重スタンド62の第2スタンド27’のために及び第1スタンド26’のために提供される技術的ソリューションと対応している点が明確に示されている。
図11を参照すると、偶数用二重スタンド60は、第1スタンド26及び該第1スタンド26と隣接する第2スタンド27を含む。既に上述されたように、第1スタンド26は、少なくとも1つの駆動ローラ、即ち、作動手段を介して、好適には、制御ドライブシャフトを介して、直接動力化されるローラを含む。本発明によると、二重スタンド60は、伝動装置を含み、該伝動装置は、第1スタンド26の上記少なくとも1つの駆動ローラを、第2スタンド27の被駆動ローラ34’と動作可能に接続し、それによりかかる被駆動ローラ34’が、間接的な方法であっても、駆動ローラを動力化する同じ作動手段によって動力化されるようにする。
好適な実施形態によると、二重スタンド60は、好適には、3伝動装置を含み、該伝動装置の其々は、「駆動ローラ」として機能する、2スタンド26又は27の一方の伝動ローラを、「被駆動ローラ」となる他方のスタンド27又は26のローラに動作可能に接続する。それによって、二重スタンドの6ローラ(各スタンド毎に3ローラ)全ての作動が、「駆動ローラ」として機能するスタンド26、27のローラに其々接続される3制御ドライブシャフトのみを介して達成される。
図11は、本発明による二重スタンド60の斜視図である。好適には、二重スタンド60を形成する2スタンド26、27は、2枚のプレート60’’によって軸方向に閉塞される本体60’によって画成される単一の構造体に統合される。本体60’及びプレート60’’は、動作凹部61を画成し、該動作凹部61内には、第1スタンド26のローラ34、35、36及び第2スタンド27のローラ34’、35’、36’が配置されている。また、本体60’は、ローラの回転及びローラの位置調整を可能にする要素のための座部も画成する。これに関連して、図12及び図13は、2スタンド26、27のローラ34、35、36、34’、35’、36’其々の空間配置について注目可能にする断面図である。
図12を参照すると、第1スタンド26の第1ローラ34は、垂直回転軸111(又は、第1軸111)を有する一方で、第2ローラ35は、第1軸111に対して120°傾斜される第2軸112周りに回転する。特に、第2ローラ35は、圧延軸100を通過し、支持面300に平行な基準面105上方に動作可能に配設される。第3ローラ36は、第1軸111に対して120°傾斜される第3軸113周りに回転する。第3ローラ36は、上記基準面105の下方に動作可能に配設される。
図13を参照し、本発明の原理によると、第2スタンド27にある3ローラ34’、35’、36’は、第1スタンド26のローラ34、35、36の位置に対して180°回転される位置を有する。これに関連して、図12と図13との比較から、第2スタンド27の第2ローラ35’は、基準面105の上方に動作可能に配設されるが、第2ローラ35’の回転軸112’は、第1スタンド26の第3ローラ36の回転軸113に平行である点に注目できる。第2スタンド27の第3ローラ36’は、基準面105の下方に動作可能に配設され、該第3ローラ36’の回転軸113’は、第1スタンド26の第2ローラ35の回転軸112に平行である。第1スタンド26の第1ローラ34の回転軸111は、そうではなく、圧延軸100を含む垂直面に対して、第1スタンド27の回転軸111’と対称になる位置を有する。
図13を参照すると、第2スタンド27の第1ローラ34’の垂直回転軸111’が画成される方法について、以下に記載されている。以下で記載される技術的ソリューションは、第2スタンド27の他のローラ35’、36’にだけでなく、第1スタンド26のローラ34、35、36にも適用可能としてもよい。
第1ローラ34’は、第1スリーブ135に、及び第2スリーブ136に(例えば、歯車結合(cogged coupling)を介して)軸方向に接続される中心ブッシュ134にキー止めされる。長手方向ピン137は、こうして形成された要素組134−135−136が外れないように、既に上述された原理に従い、中心ブッシュ134及びスリーブ135、136内に配置される。
第2スタンド27は、例えば、垂直軸ドライブシャフト等の外部作動手段に接続されてもよい伝動要素191を含む。伝動要素191は、適切な支持体192を用いて、スタンド60の本体60’に対して回転する。伝動要素191が、垂直ドライブシャフトの、又は如何なる場合でも、使用される作動手段の固定接続位置を確立する点に注目できる。
第2スタンド27は、伝動要素191から第1ローラ34’を保持する要素組134−135−136に運動を伝動するように構成されるジョイント195を含む。特に、ジョイント195は、伝動要素191の端部196を、要素組134−135−136の第2スリーブ136の一部にキー止め/螺着される接続要素197と接続する。第1ローラ34’の位置は、調整装置(後述される)を介して調整可能である一方で、伝動要素191の位置は、二重スタンド60の本体60’に対して固定される。その結果、第1ローラ34’の回転軸は、支持体192によって画成される伝動要素191の回転軸に対して、偏心位置を取る可能性がある。
そのため、ジョイント195は、要素組134−135−136を、従って、第1ローラ34’を、該第1ローラ34’の回転軸111’の位置が変化した後も、第1伝動要素191に接続された状態に保つ特定の機能を有する。
図12及び図13を参照すると、上述の技術的ソリューションと対応するものが、第2スタンド27の他の2ローラ35’、36’のためにだけでなく、第1スタンド26のローラ34、35、36のためにも提供されている点に注目できる。特に、全てのローラのために、該ローラの回転軸を画成する支持要素組、本体60’に対する回転伝動要素、及び該伝動要素を、上述された方法に応じて支持要素組に動作可能に接続するジョイントが提供されている。もう一度繰返すが、奇数用二重スタンド62は、圧延軸100を含む垂直面に対して偶数用二重スタンド60と構造的に対称的であるため、偶数用二重スタンド60のスタンド26、27のための前述されたのと同じ技術的ソリューションが、上記定義された奇数用二重スタンド62のためにも有効であると考えられる。
本発明の好適な実施形態によると、偶数用二重スタンド60は、第1スタンド26の第1ローラ34を、第2スタンド27の第1ローラ34’に動作可能に接続する第1伝動装置91を含む。第1伝動装置91の一実施形態が、図15の断面図に示されている。特に、第1装置91は、平行軸を有する第1歯付車(cogged wheel)95と第2歯付車95’を含み、両歯付車は、相互に噛合う。第1歯付車95は、伝動要素191の歯付部分と噛合い、伝動要素191は、揺動ジョイント195を用いて、第2スタンド27の第1ローラ34’に対して機能的な要素組134−135−136に接続される。第2歯付車95’は、その代わりに、第1スタンド26に関連する更なる伝動要素191’の歯付部分と噛合う。図12を参照すると、かかる更なる伝動要素191’は、上述の同じ原理に従い、対応するジョイント195’を介して、要素組134’−135’−136’に接続されてもよい。
伝動要素191の回転は、2つの歯付車95、95’を介して、他方の伝動要素191’に、好適には1と等しい伝動比で、伝達される。その結果、2つの伝動要素191、191’及び対応する要素組134−135−136、134’−135’−136’は、同じ速度で回転する。明らかに、要素191及び191’の歯の数を変更することによって、様々な速度が得られる可能性がある。
図14の平面図は、図16にも示されているように、第1垂直制御ドライブシャフト30’が接続されるのが好ましい、伝動要素191を示している。これに関連して、第2セクション20の構造体8は、第1ドライブシャフト30’の結合/解放装置45’を含む。結合/解放装置45’は、対応する作動装置130’を介して作動され、該作動装置130’は、固定スタンド25’についての解説で記載されたのと同様なソリューションに従い、構造体8の支持面82上方に配置される。その代わりに、再び図16から、第1スタンド26の第1ローラ34に対して機能的な伝動要素191’は、伝動要素191の効果により、如何なる外部作動部にも接続されていない点に注目できる。本発明の更なる態様によると、偶数用二重スタンド60は、第2伝動装置を含み、該第2伝動装置は、第1スタンド26の第2ローラ35を、第2スタンド27の第3ローラ36’に動作可能に接続する。偶数用二重スタンド60は、第3伝動装置を更に含み、該第3伝動装置は、第1スタンド26の第3ローラ36を、第2スタンド27の第2ローラ35’に動作可能に接続する。第2伝動装置及び第3伝動装置は、上述の第1装置91と、完全に同様の構成を有する。上述された3伝動装置の使用は、ドライブシャフトの数を、3本に削減可能にし、それに応じて、偶数用二重スタンド60の6ローラを動かすのに必要なモータの数も削減可能になる。その結果、プラント製造及び管理コストが減少する。
好適には、第2伝動装置は、第2ドライブシャフト30’’を介して作動され、該第2ドライブシャフト30’’は、第1スタンド26の第3ローラ36に対して機能的な第2伝動要素198(図11及び図12で示される)に接続される。第3伝動装置は、そうではなく、第3ドライブシャフト30’’’を介して作動され、該第3ドライブシャフト30’’’は、第2スタンド27の第3ローラ36’に対して機能的な更なる伝動要素199(図13で示される)に接続される。用語「機能的な(functional)」は、言及された伝動要素198、199、191、191’の1つが、ジョイントを用いて、上述の原理に従い、対応するローラを支持する対応する要素組に接続されることを意味する。
つまり、本発明のこの態様によると、第2伝動装置及び第3伝動装置は、対応する傾斜されるドライブシャフト30’’、30’’’を介して作動され、該ドライブシャフトは、対応する伝動要素198、199において、支持面300と極めて近い、及び如何なる場合でも、上記の基準面105の下方の位置で、噛合う。この配置は、図18の断面図において、はっきりと視認でき、図18では、2本の傾斜されるドライブシャフト30’’、30’’’に加えて、第2セクション20の第2区間22のために取得された圧延機1の基礎に関する構成も示されている。これに関連して、傾斜されるドライブシャフト30’’、30’’’は、それ自体が既知である作動手段155を介して作動される。上述の配置の効果により、第2区間22の基礎は、3ローラを有する従来の圧延セクションの基礎に対して一層抑制された高さを有する点に注目できる。また、3ドライブシャフト30’、30’’、30’’’の相互配置により、有利には、後述するように、両側型のスタンド交換プラントを作製可能になる点にも注目できる。
再び図12及び図13を参照すると、偶数用二重スタンド60は、第1スタンド26のローラ34、35、36の位置の第1調整機構及び第2スタンド27のローラ34’、35’、36’の位置の第2調整機構を含む。2調整機構は、有利には、同じ構成を備える。従って、第2スタンド27に関連する第2調整機構だけは、簡素化するために、図13で示されるものを参照して、後述される。
第2調整機構は、ローラ34’、35’、36’の其々に対して、横ブッシュ対を含み、該ブッシュ対の其々は、上記開示された原理に従う対応するローラを保持する要素組を画成する横スリーブの1つにキー止めされる。第2ローラ35’を参照すると、第1横ブッシュ171及び第2横ブッシュ172は、第1スリーブ135’に及び第2スリーブ136’に其々取付けられ、両スリーブは、第2ローラ35’を保持する要素組134’、135’、136’を画成する。特に、2つの横ブッシュ171、172は、対応するスリーブ136’、135’に、適切なベアリング182を介して取付けられる。第2調整機構は、略円弧形状をした接続要素173を含み、該接続要素は、2横ブッシュ171、172が動作可能な接続状態を維持するように、該2横ブッシュ171、172を接続する。
2横ブッシュ171、172の其々は、スタンドの別のローラを保持する要素組に関連する横スリーブに取付けられる対応する横ブッシュ171’、172’の歯付部分と噛合う。具体的には、第1ブッシュ171の歯付部分は、第1ローラ34を保持する要素組134−135−136の第2スリーブ136に取付けられる対応する横ブッシュ171’の歯付部分と噛合う。第2ブッシュ172の歯付部分は、そうではなく、第3ローラ36’を保持する対応する要素組134’’−135’’−136’’の横スリーブ135’’に取付けられる更なる横ブッシュ172’の歯付部分と噛合う。かかる歯付接続部を介して、第2ローラ35’に関連する2横ブッシュ171、172の空間における回転及び運動は、他のローラ34’、36’に関連する他の横ブッシュ171’、172’の対応する回転及び対応する運動を生じさせる。
再び図13を参照すると、調整機構は、調整ピニオン175を含み、該調整ピニオンは、圧延機の第2セクション20の支持構造体8に取付けられる外部装置166(図16で示される)を介して作動されてもよい。好適には、調整ピニオン175は、垂直回転軸(第1ローラ34’の軸と平行な)周りに回転し、2横ブッシュ171、172によって及び接続要素173によって形成される組立体に動作可能に接続され、それによりピニオン175の回転で、かかる組立体171−172−173を、第2ローラ35’の回転軸112’に対して偏心する軸周りに回転させる。要素171−172−173の組立体の回転は、要素組134’−135’−136’の、従って、第2ローラ35’自体の、対応する偏心回転を生じさせ、圧延軸100に対する第2ローラ35’の位置を変化させる。また、要素組134’−135’−136’の偏心回転は、上述の様々な横ブッシュ171、172、171’、172’間の噛合いの効果により、他のローラ34’、36’を保持する要素組に伝達される。従って、他のローラ34’、36’も、該ローラの位置を、圧延軸100に対して、第2ローラ35’に対応する方法で、変化させる。
再び図16を参照すると、調整ピニオン175を作動するように構成される外部機構166は、好適には、構造体8によって画成される第2空間83内に設置される点は、注目に値する。外部機構166は、二重スタンド60の本体60’に対して出ている対応するピニオン175に取外可能に接続されてもよい。上述されたように、二重スタンド60の第1スタンド26の第1調整機構は、図12と図13との比較によっても示されるように、第2調整機構のための上述された構成と対応する構成を有する。スタンド26、27のローラの径方向位置の2調整部は、該調整部が、独立したピニオン175及び175’を用いて作動されてもよいため、独立している点に注目できる。
本発明の別の態様によると、第2セクション20は、第1プラットホーム51及び第2プラットホーム52を含み、両プラットホームは、構造体8の両側8’、8’’で長手方向に延在する。かかるプラットホーム51、52の其々は、第2セクション20のスタンド又は二重スタンドを交換するように意図された交換スタンド25A、偶数用交換二重スタンド60A又は奇数用交換二重スタンド62Aを保持するように構成される。同時に、2プラットホーム51、52は、交換スタンド又は二重スタンドによって交換される第2セクション20のスタンド25’、25又は二重スタンド(偶数60又は奇数62)を保持するようにも構成される。これに関連して、第2セクション20は、シフト装置299を含み、該シフト装置は、プラットホームの片方(例えば、第1プラットホーム51)に配置される少なくとも1台の交換スタンド/二重スタンド25A、60A、62Aを、被交換スタンド/二重スタンド25、60、62が対向するプラットホーム(第2プラットホーム52)に完全に配設されるまで、該被交換スタンド/二重スタンドに対して押圧するように構成される。更に詳細には、シフト装置299は、上記圧延軸100と略直交する方向109に沿ってスタンドを押圧する。
図17及び図18は、固定ローラスタンド25’、25の及び/又は調整可能なローラ二重スタンド60、62の交換原理を示す更なる断面図である。特に、図17は、固定ローラスタンド25の交換について示す一方で、図18は、偶数用二重スタンド60の交換について示している。図17を参照すると、第1プラットホーム51は、交換スタンド25Aが搬入される搬入プラットホームを表す一方で、第2プラットホーム52は、交換作業が完了すると、被交換スタンドが、取出される搬出プラットホームを表している。好適には、固定スタンド25のプラットホーム51、52への及びプラットホーム51、52からの移動は、搬入クレーン又は機能的に同等の手段を介して実行される。この「空中(aerial)」移動は、全てのローラが、垂直軸ドライブシャフトを介して作動される固定スタンドに与えられた構成によって主に可能になる。支持構造体8の構成、よって、長手方向側面8’、8’’に隣接する空間も、空いた状態になり、上述の設置選択(例えば、構造体8の支持面82上方にある「垂直方向の」作動部)により、固定スタンドの空中移動が可能になり、従って、スタンド交換時間をほんの数分に短縮できる。
再び図17を参照すると、固定ローラスタンド25の交換は、交換スタンド25Aが、クレーンを介して、第1プラットホーム51にキー止めされる(矢印401)第1ステップを含む。交換スタンド25Aは、シフト装置299によって被交換スタンド25に対して、被交換スタンド25が第2プラットホーム52上の位置を占領するまで、押圧される。その時点で、被交換スタンド25は、常にクレーンを介して、持上げられ、第2セクション20から離隔される(矢印402)。どのようにして、吊上げ用クレーンを使用する可能性と組合せたスタンド交換の交換原理が、事実上、水平ドライブシャフトを有することを特徴とする従来の圧延機においてスタンドを交換するのに使用される従来の交換台車及び/又は従来の可動台を、設計及び製造するのを回避するかに、注目できる。
図18は、どのようにして固定スタンドの上述の交換原理が、有利には、可動スタンドにも、特に、上述の偶数用二重スタンド60を交換するのにも使用されてもよいかが示されている。同じ原理が、奇数用二重スタンド62にも適用されてもよいことが分かる。実際に、交換二重スタンド(偶数60A又は奇数62A)は、第1プラットホーム51へと容易に下降され(矢印401)、シフト装置299によって、対応する被交換二重スタンド(偶数60又は奇数62)に対して押圧され、第2セクション20に配設されてもよい。被交換二重スタンド(偶数60又は奇数62)が、第2プラットホーム52を占領すると、被交換二重スタンドは、第2セクションから取出され、離隔されてもよい(矢印402)。
再び図18を参照すると、二重スタンド(偶数60又は奇数62)の場合、交換原理は、二重スタンド自体の構成の効果により、及び垂直軸に対して傾斜されるドライブシャフト30’、30’’が、水平基準面105(図13で示される)の下方で、第2セクション20のスタンド25、26、27の支持面300付近の位置に、動作可能に配設されることにより、適用されてもよい点に注目できる。これに関連して、傾斜されるドライブシャフト30’’、30’’’の作動手段155は、該ドライブシャフトが二重スタンドに動作可能に接続される動作位置と、ドライブシャフト30’’、30’’’が、支持面300の下方に完全に存在し、その結果、スタンドのシフト方向109に沿った移動を可能にする退避位置との間で移動するように構成される。
本発明による圧延機により、上記タスク及び目的を完全に達成できる。特に、圧延機の構成により、システムの大きさ及びコストを抑制できると共に、中間加熱炉の存在によって発生する従来のシステムに関する問題を解消できる。圧延機の第2セクションに提供される構成及び固定ローラスタンド及び調整可能なローラスタンドに提供される構造により、基礎の製造コストを最少にできると同時に、スタンドの作動に関連するコストを大いに削減できる。
Claims (14)
- 圧延軸(100)に沿って順に配置される第1の複数の圧延スタンド(15’、15、15’’)によって画成されるマンドレルによる圧延のための第1セクション(10)を含む管状体用圧延機(1)であって、該圧延機は、前記マンドレルを引抜き、前記管状体の直径を較正するための第2セクション(20)を含み、該第2セクションは、前記第1セクション(10)の下流にあり、それによって、前記第1セクション(10)から出る前記管状体は、前記第2セクション(20)に直接入り、前記第2セクション(20)は、前記圧延軸(100)に沿って順に配置される第2の複数のマンドレル無しの圧延スタンド(25’、25、26、27、26’、27’)を含み、前記第2セクション(20)の各スタンド(25’、25、26、27、26’、27’)は、3ローラを含み、該ローラの回転軸は、互いに対して120°で配置され、各スタンド(25’、25、26、27、26’、27’)に対して、前記回転軸は、隣接するスタンドの対応する回転軸に対して180°回転され、前記回転軸の前記位置は、垂直基準方向に対して評価され、前記第2セクション(20)の少なくとも1台のスタンドは、垂直回転軸を有するモータローラを含むことを特徴とする圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)は、少なくとも1台の固定ローラスタンド(25’、25)を含む、請求項1に記載の圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)は、少なくとも1台の調整可能なローラスタンド(26、27、26’、27’)を含む、請求項1に記載の圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)は、該第2セクション(20)の入口側(20’)から始まる前記圧延軸(100)に沿って順に配置される第1の一連の固定ローラスタンド(25’、25)を含み、前記固定ローラスタンド(25’、25)の少なくとも1台は、垂直回転軸を有する前記モータローラから、同じスタンドの他のローラに運動を伝動するように構成される機械的駆動手段を含む、請求項1又は2に記載の圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)は、少なくとも1つのガイドローラを含む少なくとも1台のダミースタンド(28)を含む、請求項1に記載の圧延機(1)。
- 前記第1セクション(10)の各スタンド(15’、15、15’’)は、3ローラを含み、該ローラの回転軸は、互いに対して120°で配置され、前記第1セクション(10)の出口スタンド(15’’)のローラの回転軸は、前記第2セクション(20)の入口スタンド(25’)のローラの回転軸に対して180°回転される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)は、其々が固定ローラスタンド又はダミースタンドを収容するように構成される第1の複数の定着位置を画成する第1区間(21)を含み、前記第2セクション(20)は、前記第1区間(21)の下流に第2区間(22)を含み、該第2区間(22)は、其々が固定ローラスタンド又はダミースタンド又は調整可能なローラスタンドを収容するように構成される第2の複数の定着位置を画成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)は、調整可能なローラスタンドの群(60、62)を含み、該群(60、62)は:
−第1スタンド(26、26’)及び該第1スタンド(26、26’)に隣接する第2スタンド(27、27’)であって、前記第1スタンド(26、26’)は、作動手段によって動力化される少なくとも1つのローラを含む、第1スタンド(26、26’)及び第2スタンド(27、27’);
−前記第1スタンド(26、26’)の前記少なくとも1つのローラ(34、35、36)を、前記第2スタンド(27、27’)の少なくとも1つのローラ(34’、35’、36’)に動作可能に接続し、それにより両ローラが、前記作動手段によって作動されるようにする伝動装置(91)
を含む、請求項3〜7のいずれか一項に記載の圧延機(1)。 - 前記第2セクション(20)の前記第2区間(22)は、3定着位置を画成し、調整可能なローラスタンドの前記群(62)は、前記第1区間(21)の下流で第1定着位置と第2定着位置を占領するように構成される、請求項7に従属する場合の請求項8に記載の圧延機(1)。
- 前記第2セクション(20)の前記第2区間(22)は、3定着位置を画成し、調整可能なローラスタンドの前記群(60)は、前記第1区間(21)の下流で第2定着位置と第3定着位置を占領するように構成される、請求項7に従属する場合の請求項8に記載の圧延機(1)。
- 前記群(60、62)は、前記第1スタンド(26、26’)の第1垂直軸ローラ(34)を、前記第2スタンド(27、27’)の第1垂直軸ローラ(34’)に動作可能に接続する少なくとも第1伝動装置(91)を含む、請求項8〜10のいずれか一項に記載の圧延機(1)。
- 前記群(60、62)の前記第1スタンド(26、26’)と前記第2スタンド(27、27’)は、動作凹部を画成する単体(60’)に統合され、該動作凹部内には、前記第1スタンド(26、26’)のローラ(34、35、36)及び前記第2スタンド(27、27’)のローラ(34’、35’、36’)が収容される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の圧延機(1)。
- 前記群(60、62)の前記第1スタンド(26、26’)及び第2スタンド(27、27’)は、其々:
−垂直回転軸(111、111’)を有する第1ローラ(34、34’);
−前記第1ローラ(34、34’)の前記垂直回転軸(111、111’)に対して120°傾斜する回転軸(112、112’)を有する第2ローラ(35、35’)であって、前記圧延軸(100)が存在する水平基準面(105)の上方に動作可能に配設される第2ローラ(35、35’);
−前記第1ローラ(34、34’)及び前記第2ローラ(35、35’)の前記回転軸に対して120°傾斜する回転軸(113、113’)を有する第3ローラ(36、36’)であって、前記水平基準面(105)の下方に動作可能に配設される第3ローラ(36、36’)
を含み、
前記群(60、62)は、前記第1スタンド(26)の前記第3ローラ(36)を、前記第2スタンド(27、26’)の前記第2ローラ(35’)に動作可能に接続する第2伝動装置を含み、前記第1スタンド(26、27’)の前記第3ローラ(36)は、作動手段によって作動される、請求項8〜12のいずれか一項に記載の圧延機(1)。 - 前記群(60、62)は、前記第1スタンド(26、26’)の前記第2ローラ(35)を、前記第2スタンド(27、27’)の前記第3ローラ(36’)に動作可能に接続する更なる伝動装置を含み、前記第2スタンド(27、27’)の前記第3ローラ(36’)は、更なる作動手段によって作動される、請求項13に記載の圧延機(1)。
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