本発明は、接触活性化経路遺伝子(即ち、カリクレインB、血漿(フレッチャー因子)1(KLKB1)遺伝子、“第XII因子(ハーゲマン因子)(F12)遺伝子、又はキニノーゲン1(KNG1)遺伝子)のRNA転写物のRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)媒介性切断を生じさせるiRNA組成物を提供する。この遺伝子は、細胞内、例えばヒトなどの対象の体内にある細胞内にあり得る。これらのiRNAを使用すると、哺乳動物において対応する遺伝子(KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子)のmRNAを標的化して分解することが可能になる。
本発明のRNAi剤は、ヒトKLKB1遺伝子のタンパク質コード領域及び3’UTR領域を、この遺伝子のうち他の哺乳類種のKLKB1オルソログ(othologs)で保存されている部分を含め、標的化するように設計されている。理論によって制限されることは意図しないが、前述の特性の組み合わせ又は部分的な組み合わせ並びにこれらのRNAi剤における特定の標的部位及び/又は特定の修飾が、本発明のRNAi剤に有効性、安定性、効力、持続性、及び安全性の向上を付与するものと考えられる。
本発明のiRNAは、約30ヌクレオチド長以下、例えば、15〜30、15〜29、15〜28、15〜27、15〜26、15〜25、15〜24、15〜23、15〜22、15〜21、15〜20、15〜19、15〜18、15〜17、18〜30、18〜29、18〜28、18〜27、18〜26、18〜25、18〜24、18〜23、18〜22、18〜21、18〜20、19〜30、19〜29、19〜28、19〜27、19〜26、19〜25、19〜24、19〜23、19〜22、19〜21、19〜20、20〜30、20〜29、20〜28、20〜27、20〜26、20〜25、20〜24、20〜23、20〜22、20〜21、21〜30、21〜29、21〜28、21〜27、21〜26、21〜25、21〜24、21〜23、又は21〜22ヌクレオチド長の領域を有するRNA鎖(アンチセンス鎖)を含むことができ、この領域は、接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子のmRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である。
特定の実施形態において、本発明のiRNAは、接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子のmRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的な少なくとも19連続ヌクレオチドの領域を有する、より長い長さ、例えば最長66ヌクレオチド、例えば、36〜66、26〜36、25〜36、31〜60、22〜43、27〜53ヌクレオチド長を含み得るRNA鎖(アンチセンス鎖)を含む。より長い長さのアンチセンス鎖を有するこれらのiRNAは、好ましくは20〜60ヌクレオチド長の第2のRNA鎖(センス鎖)を含み、これらのセンス鎖とアンチセンス鎖とは18〜30連続ヌクレオチドの二本鎖を形成する。
本発明者らは、インビトロ及びインビボアッセイを用いて、接触活性化経路遺伝子を標的とするiRNAがRNAiを強力に媒介し、接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子の発現の大幅な阻害をもたらし得ることを実証した。本発明者らはまた、本発明のRNAi剤が細胞質及びリソソーム(lysosme)で非常に安定していることも実証した。従って、これらのiRNAを含む方法及び組成物は、接触活性化経路関連疾患又は障害、例えば、血栓形成傾向、HAEを有する対象の治療、及び接触活性化経路関連疾患又は障害を有する対象又は接触活性化経路関連疾患又は障害を発症するリスクがある対象の少なくとも1つの症状の予防に有用である。
従って、本発明はまた、接触活性化経路遺伝子のRNA転写物のRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)媒介性切断を生じさせるiRNA組成物を使用した、接触活性化経路遺伝子の発現を阻害し又は低下させることから利益を受け得る障害、例えば、血栓形成傾向又は遺伝性血管浮腫(HAE)などの接触活性化経路関連疾患を有する対象の治療方法も提供する。
本発明のiRNAの極めて低い投薬量は、特に、RNA干渉(RNAi)を特異的且つ効率的に媒介して対応する遺伝子(接触活性化経路遺伝子)の発現の十分な阻害をもたらすことができる。
以下の詳細な説明は、iRNAを含有する組成物をどのように作製及び使用して接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子)の発現を阻害するか、並びに接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子)の発現の阻害及び/又は低下から利益を受け得る疾患及び障害を有する対象を治療するための組成物、使用、及び方法を開示する。
I.定義
本発明がより容易に理解され得るように、いくつかの用語がまず定義される。更に、変数の値又は値の範囲が記載されるときは常に、記載される値の中間の値及び範囲も、本発明の一部であることが意図されることに留意されたい。
冠詞「1つの(a)」及び「1つの(an)」は、その冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(即ち、少なくとも1つ)を指すために本明細書において使用される。例として、「要素(an element)」は、1つの要素又は2つ以上の要素、例えば、複数の要素を意味する。
「〜を含む(including)」という用語は、「〜を含むがこれらに限定されない(including but not limited to)」という語句を意味するために本明細書において使用され、この語句と同義的に使用される。
「又は」という用語は、文脈上明らかに他の意味を示さない限り、「及び/又は」という用語を意味するために本明細書において使用され、この用語と同義的に使用される。
数値又は数値系列の前の用語「少なくとも」は、用語「少なくとも」の隣りの数、及び文脈から明らかなとおりの論理的に含まれ得る後続の全ての数又は整数を含むものと理解される。例えば、核酸分子中のヌクレオチドの数は整数でなければならない。例えば、「21ヌクレオチドの核酸分子のうちの少なくとも18ヌクレオチド」は、18、19、20、又は21ヌクレオチドが指示される特性を有することを意味する。少なくともが数値系列又は範囲の前に存在する場合、「少なくとも」はその系列又は範囲にある数の各々を修飾し得ることが理解される。
本明細書で使用されるとき、範囲は上限及び下限の両方を含む。
本明細書で使用されるとき、用語「プレカリクレイン」及び「KLKB1」と同義的に用いられる「カリクレインB、血漿(フレッチャー因子)1」は、チモーゲン型のカリクレイン、プレカリクレインをコードする天然に存在する遺伝子を指す。血漿プレカリクレインはF12aによって血漿カリクレイン(活性カリクレインとも称される)に変換され、タンパク質分解によって高分子量キニノーゲンからブラジキニンを放出し、F12を活性化する。ブラジキニンは、血管透過性を促進するペプチドであり、HAE患者に高レベルで存在する。KLKB1遺伝子の参照配列のアミノ酸及び完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:78191797(RefSeq受託番号NM_000892.3;配列番号1;配列番号2)を参照し得る。ヒトKLKB1遺伝子の哺乳類オルソログについては、例えば、GenBank受託番号GI:544436072(RefSeq受託番号XM_005556482、カニクイザル;配列番号7及び配列番号8);GI:380802470(RefSeq受託番号JU329355、アカゲザル);GI:236465804(RefSeq受託番号NM_008455、マウス;配列番号3及び配列番号4);GI:162138904(RefSeq受託番号NM_012725、ラット;配列番号5及び配列番号6)を参照し得る。
KLKB1 mRNA配列の更なる例は、公的に利用可能なデータベース、例えば、GenBank、UniProt、及びOMIMを用いて容易に利用可能である。
本明細書で使用されるとき、用語「凝固第XII因子」、「FXII」、「F12」、「活性F12」、及び「F12a」と同義的に用いられる「第XII因子(ハーゲマン因子)」は、チモーゲン型のF12aをコードする天然に存在する遺伝子を指す。F12aは、セリンプロテアーゼ(又はセリンエンドペプチダーゼ)クラスの酵素(EC3.4.21.38)であり、プレカリクレインを切断してカリクレインを形成し、それが続いて高分子量キニノーゲンからブラジキニンを放出してF12を活性化させる。F12遺伝子の参照配列のアミノ酸及び完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:145275212(RefSeq受託番号NM_000505;配列番号9;配列番号10)を参照し得る。ヒトF12遺伝子の哺乳類オルソログについては、例えば、GenBank受託番号GI:544441267(RefSeq受託番号XM_005558647、カニクイザル;配列番号11及び配列番号12);GI:805299477(RefSeq受託番号NM_021489、マウス;配列番号13及び配列番号14);GI:62078740(RefSeq受託番号NM_001014006、ラット;配列番号15及び配列番号16)を参照し得る。
F12 mRNA配列の更なる例は、公的に利用可能なデータベース、例えば、GenBank、UniProt、及びOMIMを用いて容易に利用可能である。
本明細書で使用されるとき、用語「フィツジェラルド因子」、「ウィリアムズ−フィッツジェラルド−フロジャック(Williams−Fitzgerald−Flaujeac)因子」、「高分子量キニノーゲン」(「HMWK」又は「HK」)、「低分子量キニノーゲン」(「LMWK)」、及び「KNG1」と同義的に用いられる「キニノーゲン1」は、選択的にスプライシングされてHMWK及びLMWKを生成する天然に存在する遺伝子を指す。HMWKが活性カリクレインによって切断されるとブラジキニンが放出される。KNG1遺伝子の参照配列のアミノ酸及び完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:262050545(RefSeq受託番号NM_001166451;配列番号17;配列番号18)を参照し得る。ヒトKNG1遺伝子の哺乳類オルソログについては、例えば、GenBank受託番号GI:544410550(RefSeq受託番号XM_005545463、カニクイザル;配列番号19及び配列番号20);GI:156231028(RefSeq受託番号NM_001102409、マウス;配列番号21及び配列番号22);GI:80861400(RefSeq受託番号NM_012696、ラット;配列番号23及び配列番号23)を参照し得る。
KNG1 mRNA配列の更なる例は、公的に利用可能なデータベース、例えば、GenBank、UniProt、及びOMIMを用いて容易に利用可能である。
簡単にするため、本明細書で使用されるとき、特記されない限り、「接触活性化経路遺伝子」は、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子を指す。
本明細書で使用されるとき、「標的配列」は、一次転写産物のRNAプロセシングの産物であるmRNAを含め、接触活性化経路遺伝子の転写時に形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の連続した一部分を指す。一実施形態において、配列の標的部分は、少なくとも、接触活性化経路遺伝子の転写時に形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の当該部分又はその近傍におけるiRNA介在性切断の基質として働くのに十分な長さであり得る。一実施形態において、標的配列は接触活性化経路遺伝子のタンパク質コード領域内にある。別の実施形態において、標的配列は接触活性化経路遺伝子の3’UTR内にある。
標的配列は、約9〜36ヌクレオチド長、例えば約15〜30ヌクレオチド長であってもよい。例えば、標的配列は、約15〜30ヌクレオチド、15〜29、15〜28、15〜27、15〜26、15〜25、15〜24、15〜23、15〜22、15〜21、15〜20、15〜19、15〜18、15〜17、18〜30、18〜29、18〜28、18〜27、18〜26、18〜25、18〜24、18〜23、18〜22、18〜21、18〜20、19〜30、19〜29、19〜28、19〜27、19〜26、19〜25、19〜24、19〜23、19〜22、19〜21、19〜20、20〜30、20〜29、20〜28、20〜27、20〜26、20〜25、20〜24、20〜23、20〜22、20〜21、21〜30、21〜29、21〜28、21〜27、21〜26、21〜25、21〜24、21〜23、又は21〜22ヌクレオチド長であり得る。一部の実施形態において、標的配列は約19〜約30ヌクレオチド長である。他の実施形態において、標的配列は約19〜約25ヌクレオチド長である。なおも他の実施形態において、標的配列は約19〜約23ヌクレオチド長である。一部の実施形態において、標的配列は約21〜約23ヌクレオチド長である。上に記載される範囲及び長さの中間の範囲及び長さも、本発明の一部であると考えられる。
本明細書で使用されるとき、「配列を含む鎖」という用語は、標準的なヌクレオチドの命名法を用いて示される配列によって表されるヌクレオチドの鎖を含むオリゴヌクレオチドを指す。
「G」、「C」、「A」及び「U」はそれぞれ、一般に、それぞれ、塩基としてグアニン、シトシン、アデニン、及びウラシルを含むヌクレオチドを表す。しかしながら、「リボヌクレオチド」又は「ヌクレオチド」という用語は、以下に更に詳述されるように、修飾ヌクレオチド、又は代理置換部分(surrogate replacement moiety)も指し得ることが理解されよう(例えば表2を参照)。当業者は、グアニン、シトシン、アデニン、及びウラシルが、このような置換部分を有するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対合特性をそれほど変化させずに他の部分によって置換されてもよいことを十分に認識している。例えば、限定はされないが、その塩基としてイノシンを含むヌクレオチドが、アデニン、シトシン、又はウラシルを含むヌクレオチドと塩基対合し得る。したがって、ウラシル、グアニン、又はアデニンを含むヌクレオチドは、本発明において特徴づけられるdsRNAのヌクレオチド配列において、例えば、イノシンを含むヌクレオチドによって置換されてもよい。別の例では、オリゴヌクレオチド中のいずれかの箇所のアデニン及びシトシンが、それぞれグアニン及びウラシルで置換されて、標的mRNAとのG−Uゆらぎ塩基対合が形成され得る。このような置換部分を含有する配列は、本発明に取り上げられる組成物及び方法に好適である。
本明細書において同義的に使用される「iRNA」、「RNAi剤」、「iRNA剤」、「RNA干渉剤」という用語は、その用語が本明細書において定義されるように、RNAを含有し、且つRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)経路を介してRNA転写物の標的化された切断を仲介する剤を指す。iRNAは、RNA干渉(RNAi)として公知のプロセスによってmRNAの配列に特異的な分解を導く。iRNAは、細胞、例えば、哺乳動物対象などの対象中の細胞内でのKLKB1遺伝子の発現を調節する(例えば阻害する)。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、標的RNA配列、例えば接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1標的mRNA配列、F12標的mRNA配列、又はKNG1標的mRNA配列と相互作用して標的RNAの切断を誘導する一本鎖RNAを含む。理論に制約されるのを望むものではないが、細胞中に導入される長い二本鎖RNAが、Dicerとして公知のIII型エンドヌクレアーゼによってsiRNAに分解されると考えられる(Sharp et al.(2001)Genes Dev.15:485)。リボヌクレアーゼIII様酵素であるDicerは、dsRNAをプロセシングして、特徴的な2つの塩基3’オーバーハングを有する19〜23塩基対の短干渉RNAにする(Bernstein,et al.,(2001)Nature 409:363)。次に、siRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれ、ここで、1つ又は複数のヘリカーゼが、siRNA二本鎖をほどいて、相補的なアンチセンス鎖が、標的認識を導くことを可能にする(Nykanen,et al.,(2001)Cell 107:309)。適切な標的mRNAに結合すると、RISC中の1つ又は複数のエンドヌクレアーゼが標的を切断して、サイレンシングを誘導する(Elbashir,et al.,(2001)Genes Dev.15:188)。ここで、一態様において、本発明は、細胞中で生成され、且つ標的遺伝子、即ち、接触活性化経路遺伝子のサイレンシングをもたらすRISC複合体の形成を促進する一本鎖RNA(siRNA)に関する。したがって、「siRNA」という用語はまた、上記のRNAiを指すために本明細書において使用される。
別の実施形態において、RNAi剤は、標的mRNAを阻害するために細胞又は生物に導入される一本鎖siRNAであり得る。一本鎖RNAi剤は、RISCエンドヌクレアーゼArgonaute 2に結合し、これが、次に、標的mRNAを切断する。一本鎖siRNAは、一般に、15〜30のヌクレオチドであり、化学的に修飾される。一本鎖siRNAの設計及び試験が、米国特許第8,101,348号明細書及びLima et al.,(2012)Cell 150:883−894に記載され、それぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。本明細書に記載されるアンチセンスヌクレオチド配列のいずれかが、本明細書に記載されるような又はLima et al.,(2012)Cell 150;:883−894に記載される方法によって化学的に修飾される一本鎖siRNAとして使用され得る。
別の実施形態において、本発明の組成物、使用及び方法に使用するための「iRNA」は、二本鎖RNAであり、本明細書において「二本鎖RNAi剤」、「二本鎖RNA(dsRNA)分子」、「dsRNA剤」、又は「dsRNA」と呼ばれる。「dsRNA」という用語は、標的RNA、即ち、接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子に対する「センス」及び「アンチセンス」配向を有することが示される、2本の逆平行で且つ実質的に相補的な核酸鎖を含む二本鎖構造を有するリボ核酸分子の複合体を指す。本発明のある実施形態において、二本鎖RNA(dsRNA)は、本明細書においてRNA干渉又はRNAiと呼ばれる、転写後遺伝子サイレンシング機構による、標的RNA、例えば、mRNAの分解を引き起こす。
一般に、dsRNA分子のそれぞれの鎖のヌクレオチドの大部分は、リボヌクレオチドであるが、本明細書において詳細に記載されるように、それぞれの又は両方の鎖は、1つ又は複数の非リボヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド及び/又は修飾ヌクレオチドも含み得る。更に、本明細書で使用されるとき、「RNAi剤」は、化学的修飾を有するリボヌクレオチドを含んでいてもよく;RNAi剤は、複数のヌクレオチドにおける実質的な修飾を含み得る。
本明細書で使用されるとき、「修飾ヌクレオチド」という用語は、独立して、修飾された糖部分、修飾されたヌクレオチド間結合、及び/又は修飾された核酸塩基を有するヌクレオチドを指す。したがって、修飾ヌクレオチドという用語は、ヌクレオシド間結合、糖部分、又は核酸塩基に対する、例えば、官能基又は原子の置換、付加又は除去を包含する。本発明の剤に使用するのに好適な修飾は、本明細書に開示されるか又は当該技術分野において公知のあらゆるタイプの修飾を含む。siRNAタイプの分子に使用される際のいずれのこのような修飾も、本明細書及び特許請求の範囲の目的のために「RNAi剤」によって包含される。
二本鎖領域は、RISC経路を介した所望の標的RNAの特異的な分解を可能にする任意の長さのものであってもよく、約9〜36塩基対の長さ、例えば、約15〜30塩基対の長さの範囲、例えば、約15〜30、15〜29、15〜28、15〜27、15〜26、15〜25、15〜24、15〜23、15〜22、15〜21、15〜20、15〜19、15〜18、15〜17、18〜30、18〜29、18〜28、18〜27、18〜26、18〜25、18〜24、18〜23、18〜22、18〜21、18〜20、19〜30、19〜29、19〜28、19〜27、19〜26、19〜25、19〜24、19〜23、19〜22、19〜21、19〜20、20〜30、20〜29、20〜28、20〜27、20〜26、20〜25、20〜24,20〜23、20〜22、20〜21、21〜30、21〜29、21〜28、21〜27、21〜26、21〜25、21〜24、21〜23、又は21〜22塩基対の長さなど、約9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、又は36塩基対の長さであり得る。上に記載される範囲及び長さの中間の範囲及び長さも、本発明の一部であると考えられる。
二本鎖構造を形成する2本の鎖は、1つのより大きいRNA分子の異なる部分であってもよく、又はそれらは別個のRNA分子であってもよい。2本の鎖が、1つのより大きい分子の一部であり、したがって、二本鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端とその他方の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの連続した鎖によって結合された場合、結合するRNA鎖は、「ヘアピンループ」と呼ばれる。ヘアピンループは、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含み得る。ある実施形態において、ヘアピンループは、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10個、少なくとも20個、少なくとも23個又はそれ以上の不対ヌクレオチドを含み得る。
dsRNAの2つの実質的に相補的な鎖が、別個のRNA分子によって構成される場合、それらの分子は、共有結合され得るが、共有結合されていなくてもよい。2本の鎖が、二本鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端とその他方の鎖の5’末端との間のヌクレオチドの連続した鎖以外の手段によって共有結合された場合、結合構造は、「リンカー」と呼ばれる。RNA鎖は、同じか又は異なる数のヌクレオチドを有し得る。塩基対の最大数は、dsRNAの最も短い鎖のヌクレオチドの数から、二本鎖に存在するオーバーハングを引いた数である。二本鎖構造に加えて、RNAi剤は、1つ又は複数のヌクレオチドオーバーハングを含み得る。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、標的RNA配列、例えば、接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1標的mRNA配列、F12標的mRNA配列、又はKNG1標的mRNA配列と相互作用して標的RNAの切断を導く、24〜30ヌクレオチドのdsRNAである。理論によって拘束されることを望むものではないが、細胞に導入された長い二本鎖RNAは、ダイサーとして知られるIII型エンドヌクレアーゼによってsiRNAに分解される(Sharp et al.(2001)Genes Dev.15:485)。リボヌクレアーゼ−III様酵素のダイサーによってdsRNAがプロセシングされると、特徴的な2塩基の3’オーバーハングを有する19〜23塩基対の低分子干渉性RNAになる(Bernstein,et al.,(2001)Nature 409:363)。次にsiRNAが組み込まれてRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)となり、そこで1つ以上のヘリカーゼがsiRNA二本鎖をほどき、相補アンチセンス鎖が標的認識をガイドすることが可能になる(Nykanen,et al.,(2001)Cell 107:309)。適切な標的mRNAと結合すると、RISC内の1つ以上のエンドヌクレアーゼが標的を切断してサイレンシングを誘導する(Elbashir,et al.,(2001)Genes Dev.15:188)。
本明細書で使用されるとき、「ヌクレオチドオーバーハング」という用語は、iRNA、例えば、dsRNAの二本鎖構造から突出する少なくとも1つの不対ヌクレオチドを指す。例えば、dsRNAの1本の鎖の3’末端が、他方の鎖の5’末端を越えて延びるか又はその逆である場合、ヌクレオチドオーバーハングが存在する。dsRNAは、少なくとも1つのヌクレオチドのオーバーハングを含み得るか;或いはオーバーハングは、少なくとも2つのヌクレオチド、少なくとも3つのヌクレオチド、少なくとも4つのヌクレオチド、少なくとも5つのヌクレオチド又はそれ以上を含み得る。ヌクレオチドオーバーハングは、デオキシヌクレオチド/ヌクレオシドを含むヌクレオチド/ヌクレオシド類似体を含むか又はそれからなり得る。オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖又はそれらの任意の組み合わせであり得る。更に、オーバーハングのヌクレオチドは、dsRNAのアンチセンス鎖又はセンス鎖のいずれかの5’末端、3’末端又は両方の末端に存在し得る。
一実施形態において、dsRNAのアンチセンス鎖は、3’末端及び/又は5’末端に、1〜10個のヌクレオチド、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のヌクレオチドのオーバーハングを有する。一実施形態において、dsRNAのセンス鎖は、3’末端及び/又は5’末端に、1〜10のヌクレオチド、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のヌクレオチドのオーバーハングを有する。別の実施形態において、オーバーハング中のヌクレオチドの1つ又は複数が、ヌクレオシドチオリン酸で置換される。
特定の実施形態において、センス鎖又はアンチセンス鎖、又は両方におけるオーバーハングは、10ヌクレオチドよりも長い、例えば、1〜30ヌクレオチド、2〜30ヌクレオチド、10〜30ヌクレオチド、又は10〜15ヌクレオチド長の延長した長さを含み得る。特定の実施形態において、延長オーバーハングは二本鎖のセンス鎖にある。特定の実施形態において、延長オーバーハングは二本鎖のセンス鎖の3’末端に存在する。特定の実施形態において、延長オーバーハングは二本鎖のセンス鎖の5’末端に存在する。特定の実施形態において、延長オーバーハングは二本鎖のアンチセンス鎖にある。特定の実施形態において、延長オーバーハングは二本鎖のアンチセンス鎖の3’末端に存在する。特定の実施形態において、延長オーバーハングは二本鎖のアンチセンス鎖の5’末端に存在する。特定の実施形態において、オーバーハング中のヌクレオチドの1つ以上がヌクレオシドチオホスフェートに置換される。特定の実施形態において、オーバーハングは自己相補的な部分を含み、従ってオーバーハングは、生理的条件下で安定なヘアピン構造を形成することが可能である。
「平滑な」又は「平滑末端」は、二本鎖RNAi剤の該当する末端に不対ヌクレオチドが存在しない、即ち、ヌクレオチドオーバーハングが存在しないことを意味する。「平滑末端」RNAi剤は、その全長にわたって二本鎖である、即ち、分子のいずれの末端にもヌクレオチドオーバーハングが存在しないdsRNAである。本発明のRNAi剤は、一方の末端にヌクレオチドオーバーハングを有するRNAi剤(即ち、1つのオーバーハング及び1つの平滑末端を有する剤)又は両方の末端にヌクレオチドオーバーハングを有するRNAi剤を含む。
「アンチセンス鎖」又は「ガイド鎖」という用語は、例えば、標的配列、例えば、KLKB1 mRNAに実質的に相補的な領域を含むiRNA、例えば、dsRNAの鎖を指す。本明細書で使用されるとき、「相補性の領域」という用語は、本明細書において定義されるように、配列、例えば標的配列、例えば、接触活性化経路遺伝子ヌクレオチド配列に実質的に相補的なアンチセンス鎖の領域を指す。相補性の領域が、標的配列と完全には相補的でない場合、その分子の内部領域又は末端領域にミスマッチが存在し得る。一般に、ほとんどの許容されるミスマッチは、末端領域、例えば、iRNAの5’末端及び/又は3’末端の5、4、3、2又は1つのヌクレオチド中に存在する。一実施形態において、本発明の二本鎖RNAi剤はアンチセンス鎖にヌクレオチドミスマッチを含む。別の実施形態において、本発明の二本鎖RNAi剤はセンス鎖にヌクレオチドミスマッチを含む。一実施形態において、ヌクレオチドミスマッチは、例えば、iRNAの3’末端から5、4、3、2、又は1ヌクレオチド以内にある。別の実施形態において、ヌクレオチドミスマッチは、例えば、iRNAの3’末端ヌクレオチドにある。
本明細書で使用されるときの「センス鎖」、又は「パッセンジャー鎖」という用語は、その用語が本明細書において定義されるように、アンチセンス鎖の領域と実質的に相補的な領域を含むiRNAの鎖を指す。
本明細書で使用されるとき、「切断領域」という用語は、切断部位に直接隣接して位置する領域を指す。切断部位は、標的における、切断が生じる部位である。ある実施形態において、切断領域は、切断部位のいずれかの末端で、切断部位に直接隣接した3つの塩基を含む。ある実施形態において、切断領域は、切断部位のいずれかの末端で、切断部位に直接隣接した2つの塩基を含む。ある実施形態において、切断部位は、アンチセンス鎖のヌクレオチド10及び11によって結合される部位で特異的に生じ、切断領域は、ヌクレオチド11、12及び13を含む。
本明細書で使用されるとき、特に示されない限り、「相補的な」という用語は、当業者により理解されるように、第1のヌクレオチド配列を第2のヌクレオチド配列と関連して記載するのに使用される場合、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが、所定の条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドとハイブリダイズし、二本鎖構造を形成する能力を指す。このような条件は、例えば、ストリンジェントな条件であり得、ここで、ストリンジェントな条件は、400mMのNaCl、40mMのPIPES(pH6.4)、1mMのEDTA、50℃又は70℃で12〜16時間と、それに続く洗浄を含み得る(例えば“Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Sambrook,et al.(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照)。生物の内部で起こり得る生理学的に関連した条件などの他の条件を適用することができる。当業者は、ハイブリダイズされたヌクレオチドの最終的な用途に従って、2つの配列の相補性の試験に最も適切な条件の組を決定することができるであろう。
本明細書に記載されるiRNA中、例えば、dsRNA中の相補的な配列は、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドへの第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの、一方又は両方のヌクレオチド配列の全長にわたる塩基対合を含む。このような配列は、本明細書において互いに対して「完全に相補的な」と称され得る。しかしながら、第1の配列が、本明細書において第2の配列に対して「実質的に相補的な」と称される場合、2つの配列は、完全に相補的であり得、又はそれらの最終的な適用、例えば、RISC経路を介した遺伝子発現の阻害に最適な条件下でハイブリダイズする能力を保持しながら、最大で30塩基対の二本鎖に対するハイブリダイゼーションを行うと、それらは、1つ又は複数であるが、一般に、5つ以下、4つ以下、3つ以下又は2つ以下のミスマッチ塩基対を形成し得る。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドがハイブリダイゼーション後に1つ又は複数の一本鎖オーバーハングを形成するように設計されている場合、このようなオーバーハングは、相補性の決定に関してはミスマッチとみなされないものとする。例えば、本明細書に記載する目的のために、21ヌクレオチド長の一方のオリゴヌクレオチドと、23ヌクレオチド長の他方のオリゴヌクレオチドとを含むdsRNAは、長い方のオリゴヌクレオチドが、短い方のオリゴヌクレオチドに対して完全に相補的な21ヌクレオチドの配列を含む場合、「完全に相補的」と称されてもよい。
本明細書で使用されるときの「相補的な」配列は、それらのハイブリダイズする能力に関連した上記の要求が満たされる限り、非ワトソン−クリック塩基対及び/又は非天然及び修飾ヌクレオチドから形成される塩基対も含むことができ、又はこのような塩基対から完全に形成され得る。このような非ワトソン−クリック塩基対としては、限定はされないが、G:Uゆらぎ又はフーグスティーン型塩基対が挙げられる。
本明細書における「相補的な」、「完全に相補的な」及び「実質的に相補的な」という用語は、それらの使用の状況から理解されるように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖との間で、又はdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間で、一致する塩基に関連して使用され得る。
本明細書で使用されるとき、メッセンジャーRNA(mRNA)「の少なくとも一部に実質的に相補的な」ポリヌクレオチドは、5’UTR、オープンリーディングフレーム(ORF)、又は3’UTRを含む目的のmRNA(例えば、接触活性化経路遺伝子をコードするmRNA)の連続する部分に実質的に相補的なポリヌクレオチドを指す。例えば、ポリヌクレオチドは、その配列がKLKB1遺伝子をコードするmRNAの連続する部分と実質的に相補的である場合、KLKB1 mRNAの少なくとも一部に相補的である。
従って、一部の実施形態において、本明細書に開示されるセンス鎖ポリヌクレオチド及びアンチセンスポリヌクレオチドは標的接触活性化経路遺伝子配列と完全に相補的である。
一実施形態において、本明細書に開示されるアンチセンスポリヌクレオチドは標的KLKB1配列と完全に相補的である。他の実施形態において、本明細書に開示されるアンチセンスポリヌクレオチドは標的KLKB1配列と実質的に相補的であり、配列番号1及び2のいずれか一方、又は配列番号1及び2のいずれか一方の断片のヌクレオチド配列の対応する領域とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態において、本明細書に開示されるアンチセンスポリヌクレオチドは標的KLKB1配列と実質的に相補的であり、表3、4、19A、又は19Bのいずれか1つにおけるセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つ、又は表3、4、19A、又は19Bのいずれか1つにおけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つの断片とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、アンチセンスポリヌクレオチドと実質的に相補的なセンス鎖であって、次にはそのアンチセンスポリヌクレオチドが標的KLKB1配列と相補的であるセンス鎖を含み、表3、4、19A、又は19Bのいずれか1つにおけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つ、又は表3、4、19A、又は19Bのいずれか1つにおけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つの断片とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、本明細書に開示されるアンチセンスポリヌクレオチドは標的F12配列と完全に相補的である。他の実施形態において、本明細書に開示されるアンチセンスポリヌクレオチドは標的F12配列と実質的に相補的であり、配列番号9又は10、又は配列番号9又は10の断片のヌクレオチド配列の対応する領域とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態において、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドは標的F12配列と実質的に相補的であり、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つにおけるセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つ、又は表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つにおけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つの断片とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、アンチセンスポリヌクレオチドと実質的に相補的なセンス鎖であって、次にはそのアンチセンスポリヌクレオチドが標的F12配列と相補的であるセンス鎖を含み、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つにおけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つ、又は表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つにおけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つの断片とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、本明細書に開示されるセンス鎖ポリヌクレオチド及びアンチセンスポリヌクレオチドは標的KNG1配列と完全に相補的である。他の実施形態において、本明細書に開示されるセンス鎖ポリヌクレオチド及び/又はアンチセンスポリヌクレオチドは標的KNG1配列と実質的に相補的であり、配列番号17又は18、又は配列番号17又は18の断片のヌクレオチド配列の対応する領域とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
他の実施形態において、アンチセンス鎖ポリヌクレオチドは標的KNG配列と実質的に相補的であり、15又は16のいずれか1つにおけるセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つとその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、アンチセンスポリヌクレオチドと実質的に相補的なセンス鎖であって、次にはそのアンチセンスポリヌクレオチドが標的KNG1配列と相補的であるセンス鎖を含み、表15又は16におけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つ、又は表15又は16におけるアンチセンス鎖ヌクレオチド配列のいずれか1つの断片とその全長にわたって少なくとも約80%相補的な、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%相補的な連続ヌクレオチド配列を含む。
一般に、一部の実施形態において、それぞれの鎖のヌクレオチドの大部分は、リボヌクレオチドであるが、本明細書において詳細に記載されるように、それぞれの又は両方の鎖は、1つ又は複数の非リボヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド及び/又は修飾ヌクレオチドも含み得る。更に、「iRNA」は、化学的修飾を有するリボヌクレオチドを含み得る。このような修飾は、本明細書に開示されるか又は当該技術分野において公知のあらゆるタイプの修飾を含み得る。iRNA分子に使用される際のいずれのこのような修飾も、本明細書及び特許請求の範囲の目的のために「iRNA」によって包含される。
本発明の一態様において、本発明の方法及び組成物に使用するための薬剤は、アンチセンス阻害機構を介して標的mRNAを阻害する一本鎖アンチセンスRNA分子である。一本鎖アンチセンスRNA分子は、標的mRNA中の配列に相補的である。一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドは、mRNAに塩基対合し、翻訳機構を物理的に妨害することによって、化学量論的に翻訳を阻害し得る(Dias,N.et al.,(2002)Mol Cancer Ther 1:347−355を参照)。一本鎖アンチセンスRNA分子は、約15〜約30ヌクレオチド長であり、標的配列に相補的な配列を有し得る。例えば、一本鎖アンチセンスRNA分子は、本明細書に記載されるアンチセンス配列のいずれか1つからの少なくとも約15、16、17、18、19、20個、又はそれ以上の連続するヌクレオチドである配列を含み得る。
本明細書で使用されるとき、「対象」は、霊長類(ヒト、非ヒト霊長類、例えば、サル、及びチンパンジーなど)、非霊長類(雌ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウス、ウマ、及びクジラなど)、又はトリ(例えば、アヒル又はガチョウ)を含めた哺乳動物などの動物である。ある実施形態では、対象はヒト、例えば、本明細書に記載されるとおり、接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1遺伝子発現、F12遺伝子発現、及び/又はKNG1遺伝子発現)及び/又は複製の低下から利益を受け得る疾患、障害若しくは病態に関して治療又は評価されるヒト;接触活性化経路遺伝子発現の低下から利益を受け得る疾患、障害又は病態のリスクがあるヒト;接触活性化経路遺伝子発現の低下から利益を受け得る疾患、障害又は病態を有するヒト;及び/又は接触活性化経路遺伝子発現の低下から利益を受け得る疾患、障害又は病態に関して治療されるヒトである。
本明細書で使用されるとき、用語「治療する」又は「治療」は、限定はされないが、接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1遺伝子発現、F12遺伝子発現、及び/又はKNG1遺伝子発現)及び/又は接触活性化経路タンパク質産生(即ち、KLKB1タンパク質産生、F12タンパク質産生、及び/又はKNG1タンパク質産生)に関連する1つ以上の症状、例えば、血栓形成傾向、例えば、血栓の形成、高ブラジキニンの存在、遺伝性血管浮腫(HAE)、例えば遺伝性血管浮腫I型;遺伝性血管浮腫II型;遺伝性血管浮腫III型;又は高ブラジキニン値によって引き起こされる任意の他の遺伝性血管浮腫、血管浮腫発作、四肢、顔面、喉頭、上気道、腹部、体幹、及び性器(genetials)の浮腫・腫脹、前駆症状;喉頭腫脹;非そう痒性発疹;悪心;嘔吐;腹痛の軽減又は改善を含め、有益な又は所望の結果を指す。「治療」はまた、治療がない場合に予想される生存と比較したときの生存の延長も意味し得る。
対象の接触活性化経路遺伝子発現及び/又は接触活性化経路タンパク質産生或いは疾患マーカー又は症状のレベルの文脈における用語「より低い」は、かかるレベルの統計学的に有意な低下を指す。低下は、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又はそれ以上であってもよく、好ましくはかかる障害を有しない個体の正常範囲内として認められているレベルまで下がる。
本明細書で使用されるとき、「予防」又は「予防する」は、接触活性化経路遺伝子の発現及び/又は接触活性化経路タンパク質の産生の低下から利益を受け得る疾患、障害又はその病態に関連して使用されるとき、例えば、静脈血栓、動脈血栓、心室血栓の形成、血栓塞栓症、高ブラジキニンの存在、血管浮腫発作、遺伝性血管浮腫I型;遺伝性血管浮腫II型;遺伝性血管浮腫III型;高ブラジキニン値によって引き起こされる任意の他の遺伝性血管浮腫;四肢、顔面、喉頭、上気道、腹部、体幹、及び性器(genetials)の浮腫・腫脹、前駆症状;喉頭腫脹;非そう痒性発疹;悪心;嘔吐;腹痛などの接触活性化経路遺伝子発現の症状など、対象がかかる疾患、障害、又は病態に関連する症状を発症する可能性の低減、又はかかる疾患、障害、又は病態に関連する症状の頻度及び/又は持続期間の低減を指す。疾患、障害又は病態が発症しないこと、又はかかる疾患、障害又は病態に関連する症状の発症が(例えば、当該の疾患又は障害について臨床的に認められている尺度で少なくとも約10%だけ)低下すること、又は症状の(例えば、数日、数週間、数ヵ月又は数年の)遅延を呈することは、有効な予防と見なされる。
本明細書で使用されるとき、用語「接触活性化経路関連疾患」は、接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1遺伝子発現、F12遺伝子発現、及び/又はKNG1遺伝子発現)又は接触活性化経路タンパク質産生(即ち、KLKB1タンパク質産生、F12タンパク質産生、及び/又はKNG1タンパク質産生)によって引き起こされるか、又はそれに関連する疾患又は障害である。用語「接触活性化経路関連疾患」には、接触活性化経路遺伝子発現及び/又は接触活性化経路タンパク質活性の低下から利益を受け得る疾患、障害又は病態が含まれる。接触活性化経路関連疾患は遺伝的障害又は後天的障害であり得る。
接触活性化経路関連疾患の非限定的な例としては、例えば、血栓形成傾向、遺伝性血管浮腫(HAE)(遺伝性血管浮腫I型;遺伝性血管浮腫II型;遺伝性血管浮腫III型;又は高ブラジキニン値によって引き起こされる任意の他の遺伝性血管浮腫など)、フレッチャー因子欠乏症としても知られるプレカリクレイン欠乏症(遺伝性又は後天性)、悪性本態性高血圧症、高血圧症、末期腎疾患が挙げられる。
一実施形態において、接触活性化経路関連疾患は血栓形成傾向である。本明細書で使用されるとき、用語「血栓形成傾向」は、「凝固性亢進」又は「血栓形成促進状態」とも称され、血栓症及び血栓発生のリスクを増加させる血液凝固異常に関連する任意の疾患又は障害である。本明細書で使用されるとき、用語「血栓症」は、循環系の一部における血液の局所的凝固又は血餅化(「血栓」又は「凝血塊」の形成)の過程を指す。血栓形成傾向は、遺伝性、後天性、又は環境条件に基づく結果であり得る。例示的な遺伝性血栓形成傾向としては、遺伝性アンチトロンビン欠乏症、遺伝性プロテインC欠乏症、遺伝性プロテインS欠乏症、遺伝性第V因子ライデン血栓形成傾向、及びプロトロンビン(第II因子)G20210Aが挙げられる。例示的な後天性血栓形成傾向としては、抗リン脂質症候群が挙げられる。後天性/環境による後天性の血栓形成傾向は、例えば、外傷、骨折、手術、例えば整形外科手術、腫瘍外科手術、経口避妊薬の使用、ホルモン補充療法、妊娠、産褥、凝固性亢進(hypercoaguability)、血栓既往、加齢、固定化(例えば、3日間を超える床上安静)、長時間移動、メタボリックシンドローム、及び大気汚染の結果であり得る(例えば、Previtali,et al.(2011)Blood Transfus 9:120を参照のこと)。従って、「血栓形成リスクのある対象」には、外科患者(例えば、一般外科手術、口腔外科手術、整形外科手術(例えば、人工膝関節又は股関節置換術)、外傷外科手術、腫瘍外科手術を受ける対象);内科患者(例えば、不動化疾患を有する対象、例えば、3日間を超える床上安静の対象及び/又は静脈内カテーテルの長期使用対象;心房細動を有する対象;高齢対象;腎機能障害を有する対象;人工心臓弁を有する対象;心不全を有する対象;癌を有する対象);妊娠中の対象;分娩後の対象;血栓の既往を有する対象;ホルモン補充療法を受けている対象;飛行機又は自動車などで長時間座っている対象;及び肥満の対象が含まれる。
一実施形態において、接触活性化経路関連疾患は遺伝性血管浮腫(HAE)である。本明細書で使用されるとき、「遺伝性血管浮腫」は、用語「HAE」と同義的に用いられ、患者に反復性浮腫・腫脹を引き起こすC1インヒビター(C1INH)、SERPING1)遺伝子又は凝固第XII因子(F12)遺伝子の突然変異によって引き起こされる常染色体優性障害を指す。HAEの典型的な症状としては、腕、脚、手、足、顔、舌及び喉頭、腹部、体幹、性器の重篤な腫脹、悪心、嘔吐、腹痛、及び非そう痒性発疹(nonpriuric rash)が挙げられる。HAE発作又はエピソードの間はブラジキニンペプチド値の上昇が認められる。
別の実施形態において、接触活性化経路関連疾患はプレカリクレイン欠乏症である。
別の実施形態において、接触活性化経路関連疾患は悪性本態性高血圧症である。
別の実施形態において、接触活性化経路関連疾患は高血圧症である。
別の実施形態において、接触活性化経路関連疾患は末期腎疾患である。
「治療有効量」は、本明細書で使用されるとき、HAE及び/又は接触活性化経路関連疾患を有する対象を治療するため患者に投与したとき、疾患の治療を(例えば既存の疾患又は疾患の1つ以上の症状を減弱させ、改善し又は維持することにより)生じさせるのに十分なRNAi剤の量を含むことが意図される。「治療有効量」は、RNAi剤、この剤の投与方法、疾患及びその重症度並びに病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝子構造、接触活性化経路遺伝子発現によって媒介される病理学的過程のステージ、存在する場合には先行又は併用治療の種類、及び治療しようとする患者の他の個別的な特性に応じて異なり得る。
「予防有効量」は、本明細書で使用されるとき、接触活性化経路関連疾患の症状をまだ起こしていない、又は示していないが、素因があり得る又はリスクがあり得る対象に投与したとき、疾患又は疾患の1つ以上の症状を予防し又は改善するのに十分なRNAi剤の量を含むことが意図される。疾患の改善には、疾患の経過を減速させ、又は後に発症する疾患の重症度を低減することが含まれる。「予防有効量」は、RNAi剤、この剤の投与方法、疾患のリスクの程度、及び病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝子構造、存在する場合には先行又は併用治療の種類、及び治療しようとする患者の他の個別的な特性に応じて異なり得る。
「治療有効量」又は「予防有効量(prophylacticaly effective amount)」はまた、任意の治療に適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で何らかの所望の局所作用又は全身作用を生じさせるRNAi剤の量も含む。本発明の方法で用いられるRNAi剤は、かかる治療に適用可能な妥当なベネフィット/リスク比を生じさせるのに十分な量で投与され得る。
用語「試料」は、本明細書で使用されるとき、対象から採取された類似の体液、細胞、又は組織、並びに対象の体内に存在する体液、細胞、又は組織の集合を含む。生体液の例としては、血液、血清及び漿膜液、血漿、脳脊髄液、眼液、リンパ液、尿、唾液などが挙げられる。組織試料には、組織、臓器又は局所領域からの試料が含まれ得る。例えば、試料は、特定の臓器、臓器の一部、又はそれらの臓器内にある体液若しくは細胞に由来し得る。特定の実施形態において、試料は、肝臓(例えば、全肝臓又は肝臓の特定の部分又は例えば肝細胞などの肝臓内の特定の種類の細胞)、網膜又は網膜の一部(例えば、網膜色素上皮)、中枢神経系又は中枢神経系の一部(例えば、脳室又は脈絡叢)、又は膵臓又は膵臓の特定の細胞又は一部に由来し得る。一部の実施形態において、「対象に由来する試料」は、対象から得た脳脊髄液を指す。好ましい実施形態において、「対象に由来する試料」は、対象から採取した血液又は血漿を指す。更なる実施形態において、「対象に由来する試料」は、対象に由来する肝組織(又はその部分的構成要素)又は網膜組織(又はその部分的構成要素)を指す。
II.本発明のiRNA
本発明は、接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子)の発現を阻害するiRNAを提供する。一実施形態において、本iRNA剤は、接触活性化経路関連疾患、例えば血栓形成傾向又は遺伝性血管浮腫を有するか、又は接触活性化経路関連疾患、例えば血栓形成傾向、又は血管浮腫発作を発症するリスクがある対象、例えばヒトなどの哺乳動物の体内の細胞など、細胞における接触活性化経路遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)分子を含む。このdsRNAは、接触活性化経路遺伝子の発現において形成されるmRNAの少なくとも一部と相補的な相補性領域を有するアンチセンス鎖を含む。この相補性領域は約30ヌクレオチド長以下(例えば、約30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、又は18ヌクレオチド長以下)である。本iRNAは、接触活性化経路遺伝子を発現する細胞と接触すると、例えばPCR又は分岐DNA(bDNA)ベースの方法によるか、又は例えばウエスタンブロッティング法又はフローサイトメトリー法を用いた免疫蛍光分析によるなどのタンパク質ベースの方法によってアッセイしたとき、接触活性化経路遺伝子(例えば、ヒト、霊長類、非霊長類、又はトリ接触活性化経路遺伝子)の発現を少なくとも約10%阻害する。
dsRNAは、相補的な2本のRNA鎖であって、このdsRNAが用いられることになる条件下でハイブリダイズして二本鎖構造を形成するRNA鎖を含む。dsRNAの一方の鎖(アンチセンス鎖)は、標的配列と実質的に相補的な、概して完全に相補的な相補性領域を含む。標的配列は、接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子)の発現中に形成されるmRNAの配列に由来し得る。他方の鎖(センス鎖)は、アンチセンス鎖に相補的な領域を含み、2本の鎖がハイブリダイズして、好適な条件下で組み合わされた際に二本鎖構造を形成するようになっている。本明細書のいずれかの箇所に記載されるように、及び当該技術分野において公知であるように、dsRNAの相補的配列はまた、別個のオリゴヌクレオチド上にあるのではなく、1つの核酸分子の自己相補的な領域として含まれることもある。
一般に、二本鎖構造は、15〜30塩基対の長さ、例えば、15〜29、15〜28、15〜27、15〜26、15〜25、15〜24、15〜23、15〜22、15〜21、15〜20、15〜19、15〜18、15〜17、18〜30、18〜29、18〜28、18〜27、18〜26、18〜25、18〜24、18〜23、18〜22、18〜21、18〜20、19〜30、19〜29、19〜28、19〜27、19〜26、19〜25、19〜24、19〜23、19〜22、19〜21、19〜20、20〜30、20〜29、20〜28、20〜27、20〜26、20〜25、20〜24,20〜23、20〜22、20〜21、21〜30、21〜29、21〜28、21〜27、21〜26、21〜25、21〜24、21〜23、又は21〜22塩基対の長さである。上に記載される範囲及び長さの中間の範囲及び長さも、本発明の一部であると考えられる。
同様に、標的配列の相補性の領域は、15〜30ヌクレオチド長、例えば、15〜29、15〜28、15〜27、15〜26、15〜25、15〜24、15〜23、15〜22、15〜21、15〜20、15〜19、15〜18、15〜17、18〜30、18〜29、18〜28、18〜27、18〜26、18〜25、18〜24、18〜23、18〜22、18〜21、18〜20、19〜30、19〜29、19〜28、19〜27、19〜26、19〜25、19〜24、19〜23、19〜22、19〜21、19〜20、20〜30、20〜29、20〜28、20〜27、20〜26、20〜25、20〜24,20〜23、20〜22、20〜21、21〜30、21〜29、21〜28、21〜27、21〜26、21〜25、21〜24、21〜23、又は21〜22ヌクレオチド長である。上に記載される範囲及び長さの中間の範囲及び長さも、本発明の一部であると考えられる。
ある実施形態において、dsRNAは、約15〜約20ヌクレオチド長、又は約25〜約30ヌクレオチド長である。一般に、dsRNAは、Dicer酵素のための基質としての役割を果たすのに十分に長い。例えば、約21〜23ヌクレオチド長より長いdsRNAがDicerのための基質としての役割を果たし得ることが当該技術分野において周知である。当業者がやはり認識するように、切断のために標的化されたRNAの領域は、ほとんどの場合、より大きいRNA分子(mRNA分子であることが多い)の一部である。関連する場合、mRNA標的の「一部」は、RNAi指向性の切断(即ち、RISC経路を介した切断)のための基質であるのが可能であるほど十分な長さのmRNA標的の連続する配列である。
二本鎖領域が、dsRNAの一次機能部分、例えば、約9〜36塩基対、例えば、約10〜36、11〜36、12〜36、13〜36、14〜36、15〜36、9〜35、10〜35、11〜35、12〜35、13〜35、14〜35、15〜35、9〜34、10〜34、11〜34、12〜34、13〜34、14〜34、15〜34、9〜33、10〜33、11〜33、12〜33、13〜33、14〜33、15〜33、9〜32、10〜32、11〜32、12〜32、13〜32、14〜32、15〜32、9〜31、10〜31、11〜31、12〜31、13〜32、14〜31、15〜31、15〜30、15〜29、15〜28、15〜27、15〜26、15〜25、15〜24、15〜23、15〜22、15〜21、15〜20、15〜19、15〜18、15〜17、18〜30、18〜29、18〜28、18〜27、18〜26、18〜25、18〜24、18〜23、18〜22、18〜21、18〜20、19〜30、19〜29、19〜28、19〜27、19〜26、19〜25、19〜24、19〜23、19〜22、19〜21、19〜20、20〜30、20〜29、20〜28、20〜27、20〜26、20〜25、20〜24,20〜23、20〜22、20〜21、21〜30、21〜29、21〜28、21〜27、21〜26、21〜25、21〜24、21〜23、又は21〜22塩基対の二本鎖領域であることも当業者は認識するであろう。ここで、一実施形態において、所望のRNAを切断のために標的とする例えば、15〜30塩基対の機能性二本鎖にプロセシングされる程度まで、RNA分子又は30塩基対を超える二本鎖領域を有するRNA分子の複合体はdsRNAである。したがって、当業者は、一実施形態において、miRNAがdsRNAであることを認識するであろう。別の実施形態において、dsRNAは、天然miRNAではない。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子の発現を標的とするのに有用なiRNA剤は、より大きいdsRNAの切断によって標的細胞中に生成されない。
本明細書に記載されるdsRNAは、1つ又は複数の一本鎖ヌクレオチドオーバーハング、例えば、1、2、3、又は4つのヌクレオチドを更に含み得る。少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを有するdsRNAは、その平滑末端の同等物と比べて予想外に優れた阻害特性を有し得る。ヌクレオチドオーバーハングは、デオキシヌクレオチド/ヌクレオシドを含むヌクレオチド/ヌクレオシド類似体を含むか又はそれからなり得る。オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖又はそれらの任意の組み合わせ上にあり得る。更に、オーバーハングのヌクレオチドは、dsRNAのアンチセンス鎖又はセンス鎖のいずれかの5’末端、3’末端又は両方の末端上に存在し得る。
dsRNAは、例えば、自動DNA合成装置(例えば、Biosearch,Applied Biosystems,Inc.から市販されているものなど)の使用によって、更に後述されるように、当該技術分野において公知の標準的な方法によって合成され得る。
本発明のiRNA化合物は、2工程の手順を用いて調製され得る。まず、二本鎖RNA分子の個々の鎖が別個に調製される。次に、構成要素の鎖はアニールされる。siRNA化合物の個々の鎖は、溶液相又は固相有機合成又は両方を用いて調製され得る。有機合成は、非天然又は修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖が容易に調製され得るという利点を提供する。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは、溶液相又は固相有機合成又は両方を用いて調製され得る。
一態様において、本発明のdsRNAは少なくとも2つのヌクレオチド配列、センス配列とアンチセンス配列とを含む。センス鎖は、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つに提供される配列の群から選択され、及びセンス鎖の対応するアンチセンス鎖は、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つの配列の群から選択される。
一実施形態において、センス鎖は、表3、4、19A、及び19Bのいずれか1つに提供される配列の群から選択され、及びセンス鎖の対応するアンチセンス鎖は、表3、4、19A、及び19Bのいずれか1つの配列の群から選択される。この態様において、これらの2つの配列の一方は、これらの2つの配列の他方と相補的であり、これらの配列のうちの1つが、KLKB1遺伝子の発現において生成されるmRNAの配列と実質的に相補的である。従って、この態様では、dsRNAは2つのオリゴヌクレオチドを含むことになり、ここで一つのオリゴヌクレオチドは、表3、4、19A、及び19Bのいずれか1つにおけるセンス鎖として記載され、及び第2のオリゴヌクレオチドは、表3、4、19A、及び19Bのいずれか1つにおけるセンス鎖の対応するアンチセンス鎖として記載される。一実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は別個のオリゴヌクレオチド上に含まれる。別の実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は単一のオリゴヌクレオチド上に含まれる。
一実施形態において、センス鎖は、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つのいずれか1つに提供される配列の群から選択され、及びセンス鎖の対応するアンチセンス鎖は、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つの配列の群から選択される。この態様において、これらの2つの配列の一方は、これらの2つの配列の他方と相補的であり、これらの配列のうちの1つが、F12遺伝子の発現において生成されるmRNAの配列と実質的に相補的である。従って、この態様では、dsRNAは2つのオリゴヌクレオチドを含むことになり、ここで一つのオリゴヌクレオチドは、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つにおけるセンス鎖として記載され、及び第2のオリゴヌクレオチドは、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つにおけるセンス鎖の対応するアンチセンス鎖として記載される。一実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は別個のオリゴヌクレオチド上に含まれる。別の実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は単一のオリゴヌクレオチド上に含まれる。
一実施形態において、センス鎖は、表15、16、19E、及び19Fのいずれか1つに提供される配列の群から選択され、及びセンス鎖の対応するアンチセンス鎖は、表15、16、19E、及び19Fのいずれか1つの配列の群から選択される。この態様において、これらの2つの配列の一方は、これらの2つの配列の他方と相補的であり、これらの配列のうちの1つが、KNG1遺伝子の発現において生成されるmRNAの配列と実質的に相補的である。従って、この態様では、dsRNAは2つのオリゴヌクレオチドを含むことになり、ここで一つのオリゴヌクレオチドは、表15、16、19E、及び19Fのいずれか1つにおけるセンス鎖として記載され、及び第2のオリゴヌクレオチドは、表15、16、19E、及び19Fのいずれか1つにおけるセンス鎖の対応するアンチセンス鎖として記載される。一実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は別個のオリゴヌクレオチド上に含まれる。別の実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は単一のオリゴヌクレオチド上に含まれる。
表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27の配列の一部は修飾及び/又はコンジュゲートされた配列として記載されているが、本発明のiRNAのRNA、例えば本発明のdsRNAは、修飾されていない、コンジュゲートされていない、及び/又はこれらの表に記載されるものと別様に修飾及び/又はコンジュゲートされている、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27に示される配列のいずれか1つを含み得ることは理解されるであろう。
当業者は、約20〜約23塩基対、例えば21塩基対の二本鎖構造を有するdsRNAが、RNA干渉の誘導において特に有効であると認められていることを十分承知している(Elbashir et al.,EMBO 2001,20:6877−6888)。しかしながら、他の者により、より短い又はより長いRNA二本鎖構造もまた有効であり得ることが見出されている(Chu and Rana(2007)RNA 14:1714−1719;Kim et al.(2005)Nat Biotech 23:222−226)。上記に記載した実施形態では、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つに提供されるオリゴヌクレオチド配列の性質のおかげで、本明細書に記載されるdsRNAは最小21ヌクレオチドの長さの少なくとも一方の鎖を含むことができる。表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つの配列の1つから一方又は両方の端部のほんの数ヌクレオチドを差し引いたより短い二本鎖が、上記に記載したdsRNAと比べて同様に有効であり得ることは、当然予想することができる。従って、表3、4、19A、及び19Bのいずれか1つの配列の1つに由来する少なくとも15、16、17、18、19、20連続ヌクレオチド、又はそれ以上の配列を有し且つKLKB1遺伝子の発現の阻害能が完全配列を含むdsRNAと約5、10、15、20、25、又は30%以下の阻害しか異ならないdsRNA、表9、10,19C、19D、20、及び21のいずれか1つの配列の1つに由来する少なくとも15、16、17、18、19、20連続ヌクレオチド、又はそれ以上の配列を有し且つF12遺伝子の発現の阻害能が完全配列を含むdsRNAと約5、10、15、20、25、又は30%以下の阻害しか異ならないdsRNA、及び表15、16、19E、及び19Fのいずれか1つの配列の1つに由来する少なくとも15、16、17、18、19、20連続ヌクレオチド、又はそれ以上の配列を有し且つKNG1遺伝子の発現の阻害能が完全配列を含むdsRNAと約5、10、15、20、25、又は30%以下の阻害しか異ならないdsRNAが、本発明の範囲内にあるものと企図される。
加えて、表3、4、19A、及び19Bのいずれか1つに提供されるRNAは、KLKB1転写物においてRISC媒介性切断を受け易い部位を同定し、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つに提供されるRNAは、F12転写物においてRISC媒介性切断を受け易い部位を同定し、及び表15、16、19E、及び19Fのいずれか1つに提供されるRNAは、KNG1転写物においてRISC媒介性切断を受け易い部位を同定する。従って、本発明は、更に、これらの部位のうちの1つの範囲内で標的化するiRNAを特徴とする。本明細書で使用されるとき、iRNAは、そのiRNAが当該の特定の部位の範囲内のいずれかで転写物の切断を促進する場合、RNA転写物の特定の部位の範囲内で標的化すると言われる。かかるiRNAは、概して、接触活性化経路遺伝子における選択の配列と連続する領域から取られた追加のヌクレオチド配列とカップリングした、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つに提供される配列のうちの1つに由来する少なくとも約15連続ヌクレオチドを含むことになる。
標的配列は、一般に、約15〜30ヌクレオチド長であるが、任意の所与の標的RNAの切断を導くために、この範囲内の特定の配列の適合性は様々である。本明細書に記載される様々なソフトウェアパッケージ及び指針は、任意の所与の遺伝子標的のために最適な標的配列の特定のための指針を与えるが、所与のサイズ(非限定的な例として、21ヌクレオチド)の「ウインドウ」又は「マスク」が、標的配列としての役割を果たし得るサイズ範囲内の配列を特定するために、標的RNA配列上に文字通りに又は比喩的に(例えば、インシリコを含む)置かれる、経験的手法を取ることもできる。完全な一連の可能な配列が、選択された任意の所与の標的サイズについて特定されるまで、初期の標的配列位置の1ヌクレオチド上流又は下流に徐々に配列「ウインドウ」を移動させることによって、次の潜在的な標的配列を特定することができる。このプロセスは、最適に機能する配列を特定するために(本明細書に記載されるか又は当該技術分野において公知のアッセイを用いて)特定された配列の系統的合成及び試験とともに、iRNA剤を用いて標的化されるとき、標的遺伝子の発現の最良の阻害を仲介するRNA配列を特定することができる。したがって、例えば、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つ中で特定される配列が、有効な標的配列を表すが、同等の又はより良好な阻害特性を有する配列を特定するために、所与の配列の1ヌクレオチド上流又は下流に徐々に「ウインドウを移動させる」ことによって、阻害効率の更なる最適化が達成され得ると考えられる。
更に、例えば、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つ中で特定される任意の配列について、より長い又はより短い配列を生成するためにヌクレオチドを系統的に加えるか又は除去し、より長い又は短いサイズのウインドウをその点から標的RNAの上方又は下方に移動させることによって生成される配列を試験することによって、更なる最適化が達成され得ると考えられる。また、当該技術分野において公知の及び/又は本明細書に記載される阻害アッセイにおいて、新規な候補標的を生成するためのこの手法を、それらの標的配列に基づいたiRNAの有効性の試験と結び付けることで、阻害の効率が更に向上され得る。更にまた、このような最適化された配列は、例えば、本明細書に記載されるか又は当該技術分野において公知の修飾ヌクレオチドの導入、オーバーハングの追加又は変更、或いは発現阻害因子として分子を更に最適化するための当該技術分野において公知の及び/又は本明細書に説明される他の修飾(例えば、血清安定性の又は循環半減期の増加、熱安定性の増加、膜透過送達の向上、特定の位置又は細胞型への標的化、サイレンシング経路酵素との相互作用の増加、エンドソームからの放出の増加)によって調整され得る。
本明細書に記載されるiRNAは、標的配列との1つ又は複数のミスマッチを含み得る。一実施形態において、本明細書に記載されるiRNAは、3つ以下のミスマッチを含む。iRNAのアンチセンス鎖が、標的配列とのミスマッチを含む場合、ミスマッチの領域が相補性の領域の中心に位置しないのが好ましい。iRNAのアンチセンス鎖が標的配列とのミスマッチを含む場合、ミスマッチが、相補性の領域の5’末端又は3’末端のいずれかからの最後の5ヌクレオチド内に制限されるのが好ましい。例えば、23個のヌクレオチドのiRNA剤について、接触活性化経路遺伝子の領域に相補的な鎖は、一般に、中央の13個のヌクレオチド内にミスマッチを全く含まない。本明細書に記載される方法又は当該技術分野において公知の方法を用いて、標的配列とのミスマッチを含むiRNAが接触活性化経路遺伝子の発現を阻害するのに有効であるかどうかを決定することができる。接触活性化経路遺伝子の発現を阻害する際のミスマッチを有するiRNAの有効性を考慮することは、特に、接触活性化経路遺伝子における特定の相補性の領域が集団内に多型配列変異を有することが分かっている場合に重要である。
III.本発明の修飾iRNA
一実施形態において、本発明のiRNAのRNA、例えば、dsRNAは、修飾されておらず、例えば、当該技術分野において公知の及び本明細書に記載される化学的修飾及び/又はコンジュゲートを含まない。別の実施形態において、本発明のiRNAのRNA、例えば、dsRNAは、安定性又は他の有益な特性を向上させるために化学的に修飾される。本発明の特定の実施形態において、本発明のiRNAのヌクレオチドの実質的に全てが修飾される。本発明の他の実施形態において、本発明のiRNAのヌクレオチドの全てが修飾される。「ヌクレオチドの実質的に全てが修飾される」本発明のiRNAは、大部分は修飾されるが、完全に修飾されるわけではなく、5つ以下、4つ以下、3つ以下、2つ以下、又は1つ以下の非修飾ヌクレオチドを含み得る。一部の実施形態において、本発明のiRNAのヌクレオチドの実質的に全てが修飾されており、本iRNAはセンス鎖に8つ以下の2’−フルオロ修飾(例えば、7つ以下の2’−フルオロ修飾、6つ以下の2’−フルオロ修飾、5つ以下の2’−フルオロ修飾、4つ以下の2’−フルオロ修飾、3つ以下の2’−フルオロ修飾、又は2つ以下の2’−フルオロ修飾)及びアンチセンス鎖に6つ以下の2’−フルオロ修飾(例えば、5つ以下の2’−フルオロ修飾、4つ以下の2’−フルオロ修飾、3つ以下の2’−フルオロ修飾、又は2つ以下の2’−フルオロ修飾)を含む。他の実施形態において、本発明のiRNAのヌクレオチドの全てが修飾されており、iRNAは、センス鎖に8つ以下の2’−フルオロ修飾(例えば、7つ以下の2’−フルオロ修飾、6つ以下の2’−フルオロ修飾、5つ以下の2’−フルオロ修飾、4つ以下の2’−フルオロ修飾、3つ以下の2’−フルオロ修飾、又は2つ以下の2’−フルオロ修飾)及びアンチセンス鎖に6つ以下の2’−フルオロ修飾(例えば、5つ以下の2’−フルオロ修飾、4つ以下の2’−フルオロ修飾、3つ以下の2’−フルオロ修飾、又は2つ以下の2’−フルオロ修飾)を含む。
本発明に取り上げられる核酸は、参照により本明細書に援用される“Current protocols in nucleic acid chemistry,”Beaucage,S.L.et al.(Edrs.),John Wiley&Sons,Inc.,New York,NY,USAに記載されるものなどの当該技術分野において十分に確立された方法によって合成及び/又は修飾され得る。修飾としては、例えば、末端修飾、例えば、5’末端修飾(リン酸化、コンジュゲート、逆結合(inverted linkage))又は3’末端修飾(コンジュゲート、DNAヌクレオチド、逆結合など);塩基修飾、例えば、安定塩基、不安定塩基、又は広範なパートナーと塩基対合する塩基による置換、塩基の除去(非塩基性ヌクレオチド)、又はコンジュゲート塩基;糖修飾(例えば、2’位又は4’位で)又は糖の置換;及び/又はホスホジエステル結合の修飾又は置換を含む骨格修飾が挙げられる。本明細書に記載される実施形態に有用なiRNA化合物の具体例としては、限定はされないが、修飾された骨格を含むか又は天然のヌクレオシド間結合を含まないRNAが挙げられる。修飾された骨格を有するRNAとしては、特に、骨格中にリン原子を有さないものが挙げられる。本明細書の目的のために、及び当該技術分野において時折言及されるように、ヌクレオシド間骨格中にリン原子を有さない、修飾RNAは、オリゴヌクレオシドであるとみなすこともできる。ある実施形態において、修飾iRNAは、そのヌクレオシド間骨格中にリン原子を有する。
修飾RNA骨格としては、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチルホスホネート並びに3’−アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’−アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、及び通常の3’−5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’−5’結合類似体、及びヌクレオシド単位の隣接する対が、3’−5’〜5’−3’又は2’−5’〜5’−2’に結合する、反転極性を有するものが挙げられる。様々な塩、混合塩及び遊離酸形態も含まれる。
上記のリン含有結合の調製を教示する代表的な米国特許としては、限定はされないが、米国特許第3,687,808号明細書;同第4,469,863号明細書;同第4,476,301号明細書;同第5,023,243号明細書;同第5,177,195号明細書;同第5,188,897号明細書;同第5,264,423号明細書;同第5,276,019号明細書;同第5,278,302号明細書;同第5,286,717号明細書;同第5,321,131号明細書;同第5,399,676号明細書;同第5,405,939号明細書;同第5,453,496号明細書;同第5,455,233号明細書;同第5,466,677号明細書;同第5,476,925号明細書;同第5,519,126号明細書;同第5,536,821号明細書;同第5,541,316号明細書;同第5,550,111号明細書;同第5,563,253号明細書;同第5,571,799号明細書;同第5,587,361号明細書;同第5,625,050号明細書;同第6,028,188号明細書;同第6,124,445号明細書;同第6,160,109号明細書;同第6,169,170号明細書;同第6,172,209号明細書;同第6、239,265号明細書;同第6,277,603号明細書;同第6,326,199号明細書;同第6,346,614号明細書;同第6,444,423号明細書;同第6,531,590号明細書;同第6,534,639号明細書;同第6,608,035号明細書;同第6,683,167号明細書;同第6,858,715号明細書;同第6,867,294号明細書;同第6,878,805号明細書;同第7,015,315号明細書;同第7,041,816号明細書;同第7,273,933号明細書;同第7,321,029号明細書;及び米国再発行特許第RE39464号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
内部にリン原子を含まない修飾RNA骨格は、短鎖アルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子及びアルキル若しくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、又は1つ又は複数の短鎖ヘテロ原子若しくは複素環式ヌクレオシド間結合によって形成される骨格を有する。これらとしては、モルホリノ結合(一部がヌクレオシドの糖部分から形成された)を有するもの;シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド及びスルホン骨格;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格;スルホネート及びスルホンアミド骨格;アミド骨格;並びに混合N、O、S及びCH2構成要素部分を有する他のものが挙げられる。
上記のオリゴヌクレオシドの調製を教示する代表的な米国特許としては、限定はされないが、米国特許第5,034,506号明細書;同第5,166,315号明細書;同第5,185,444号明細書;同第5,214,134号明細書;同第5,216,141号明細書;5,同第235,033号明細書;同第5,64,562号明細書;同第5,264,564号明細書;同第5,405,938号明細書;同第5,434,257号明細書;同第5,466,677号明細書;同第5,470,967号明細書;同第5,489,677号明細書;同第5,541,307号明細書;同第5,561,225号明細書;同第5,596,086号明細書;同第5,602,240号明細書;同第5,608,046号明細書;同第5,610,289号明細書;同第5,618,704号明細書;同第5,623,070号明細書;同第5,663,312号明細書;同第5,633,360号明細書;5,677,437号明細書;及び同第5,677,439号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
他の実施形態において、好適なRNA模倣体が、iRNAにおける使用のために考えられ、ここで、糖及びヌクレオシド間結合の両方、即ち、ヌクレオチド単位の骨格が、新規な基で置換される。塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されている、このようなオリゴマー化合物の1つであるRNA模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物において、RNAの糖骨格が、アミド含有骨格、特に、アミノエチルグリシン骨格で置換される。核酸塩基は、保持され、骨格のアミド部分のアザ窒素原子に直接又は間接的に結合される。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許としては、限定はされないが、米国特許第5,539,082;同第5,714,331号明細書;及び同第5,719,262号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。本発明のiRNAに使用するのに好適な更なるPNA化合物が、例えば、Nielsen et al.,Science,1991,254,1497−1500に記載されている。
本発明に取り上げられるある実施形態は、ホスホロチオエート骨格を有するRNA及びヘテロ原子骨格を有するオリゴヌクレオシドを含み、特に、上述した米国特許第5,489,677号明細書の−CH2−NH−CH2−、−−CH2−N(CH3)−O−CH2−[メチレン(メチルイミノ)又はMMI骨格として知られている]、−−CH2−O−N(CH3)−CH2−−、−−CH2−N(CH3)−N(CH3)−CH2−及び−N(CH3)−CH2−CH2−[式中、天然のホスホジエステル骨格は、−O−P−O−CH2−−として表される]、及び上述した米国特許第5,602,240号明細書のアミド骨格を含む。ある実施形態において、本明細書に取り上げられるRNAは、上述した米国特許第5,034,506号明細書のモルホリノ骨格構造を有する。
修飾RNAは、1つ又は複数の置換された糖部分も含有し得る。本明細書に取り上げられるiRNA、例えば、dsRNAは、2’位において、OH;F;O−、S−、又はN−アルキル;O−、S−、又はN−アルケニル;O−、S−又はN−アルキニル;又はO−アルキル−O−アルキルのうちの1つを含むことができ、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、置換又は非置換のC1〜C10アルキル又はC2〜C10アルケニル及びアルキニルであり得る。例示的な好適な修飾は、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2).nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、及びO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2を含み、式中、n及びmが、1〜約10である。他の実施形態において、dsRNAは、2’位において、C1〜C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリル又はO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、挿入基(intercalator)、iRNAの薬力学的特性を向上させる基、又はiRNAの薬物動態特性を向上させる基、及び同様の特性を有する他の置換基のうちの1つを含む。ある実施形態において、修飾は、2’−メトキシエトキシ(2’−O−(2−メトキシエチル)又は2’−MOEとしても知られている2’−O−−CH2CH2OCH3)(Martin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78:486−504)、即ち、アルコキシ−アルコキシ基を含む。別の例示的な修飾は、本明細書において以下の実施例に記載される、2’−DMAOEとしても知られている2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、即ち、O(CH2)2ON(CH3)2基、及び2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野において、2’−O−ジメチルアミノエトキシエチル又は2’−DMAEOEとしても知られている)、即ち、2’−O−CH2−O−CH2−N(CH2)2である。
他の修飾は、2’−メトキシ(2’−OCH3)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCH2CH2CH2NH2)及び2’−フルオロ(2’−F)を含む。同様の修飾を、iRNAのRNAにおける他の位置、特に、3’末端ヌクレオチド上又は2’−5’結合dsRNA中の糖の3’位及び5’末端ヌクレオチドの5’位で行うこともできる。iRNAはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣体を有し得る。このような修飾された糖構造の調製を教示する代表的な米国特許としては、限定はされないが、米国特許第4,981,957号明細書;同第5,118,800号明細書;同第5,319,080号明細書;同第5,359,044号明細書;同第5,393,878号明細書;同第5,446,137号明細書;同第5,466,786号明細書;同第5,514,785号明細書;同第5,519,134号明細書;同第5,567,811号明細書;同第5,576,427号明細書;同第5,591,722号明細書;同第5,597,909号明細書;同第5,610,300号明細書;同第5,627,053号明細書;同第5,639,873号明細書;同第5,646,265号明細書;同第5,658,873号明細書;同第5,670,633号明細書;及び同第5,700,920号明細書が挙げられ、これらのうちのいくつかは、本出願と所有者が同一である。上記のそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
iRNAのRNAは、核酸塩基(当該技術分野において多くの場合、単に「塩基」と称される)修飾又は置換も含み得る。本明細書で使用されるとき、「非修飾」又は「天然」核酸塩基は、プリン塩基アデニン(A)及びグアニン(G)、並びにピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を含む。修飾核酸塩基は、デオキシ−チミン(dT)、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、アデニン及びグアニンの6−メチル及び他のアルキル誘導体、アデニン及びグアニンの2−プロピル及び他のアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミン及び2−チオシトシン、5−ハロウラシル及びシトシン、5−プロピニルウラシル及びシトシン、6−アゾウラシル、シトシン及びチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシル及び他の8−置換アデニン及びグアニン、5−ハロ、特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチル及び他の5−置換ウラシル及びシトシン、7−メチルグアニン及び7−メチルアデニン、8−アザグアニン及び8−アザアデニン、7−デアザグアニン及び7−ダアザアデニン(daazaadenine)並びに3−デアザグアニン及び3−デアザアデニンなどの他の合成及び天然核酸塩基を含む。更なる核酸塩基としては、米国特許第3,687,808号明細書に開示されるもの、Modified Nucleosides in Biochemistry,Biotechnology and Medicine,Herdewijn,P.ed.Wiley−VCH,2008に開示されるもの;Concise Encyclopedia Of Polymer Science and Engineering,pp.858−859,Kroschwitz,J.L,ed.John Wiley&Sons,1990に開示されるもの、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613によって開示されるもの、及びSanghvi,Y S.,Chapter 15,dsRNA Research and Applications,pp.289−302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Ed.,CRC Press,1993によって開示されるものが挙げられる。これらの核酸塩基のいくつかは、本発明に取り上げられるオリゴマー化合物の結合親和性を高めるのに特に有用である。これらとしては、2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル及び5−プロピニルシトシンを含む、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン及びN−2、N−6及び0−6置換プリンが挙げられる。5−メチルシトシン置換基が、核酸二本鎖安定性を0.6〜1.2℃だけ増加させることが示されており(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,dsRNA Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276−278)、例示的な塩基置換であり、特に2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わされる場合は尚更である。
上記の修飾された核酸塩基並びに他の修飾された核酸塩基のいくつかの調製を教示する代表的な米国特許としては、限定はされないが、上記の米国特許第3,687,808号明細書、同4,845,205号明細書;同5,130,30号明細書;同5,134,066号明細書;同5,175,273号明細書;同5,367,066号明細書;同5,432,272号明細書;同5,457,187号明細書;同5,459,255号明細書;同5,484,908号明細書;同5,502,177号明細書;同5,525,711号明細書;同5,552,540号明細書;同5,587,469号明細書;同5,594,121号明細書、同5,596,091号明細書;同5,614,617号明細書;同5,681,941号明細書;同5,750,692号明細書;同6,015,886号明細書;同6,147,200号明細書;同6,166,197号明細書;同6,222,025号明細書;同6,235,887号明細書;同6,380,368号明細書;同6,528,640号明細書;同6,639,062号明細書;同6,617,438号明細書;同7,045,610号明細書;同7,427,672号明細書;及び同第7,495,088号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
iRNAのRNAはまた、1つ又は複数の二環式糖部分を含むように修飾され得る。「二環式糖」は、2個の原子の架橋によって修飾されたフラノシル環である。「二環式ヌクレオシド」(「BNA」)は、糖環の2個の炭素原子を結合し、それによって、二環式環系を形成する架橋を含む糖部分を有するヌクレオシドである。特定の実施形態において、架橋は、糖環の4’−炭素及び2’−炭素を結合する。したがって、ある実施形態において、本発明の剤は、1つ又は複数の固定核酸(LNA)を含み得る。固定核酸は、修飾されたリボース部分を有するヌクレオチドであり、リボース部分は、2’及び4’炭素を結合する追加の架橋を含む。言い換えると、LNAは、4’−CH2−O−2’架橋を含む二環式糖部分を含むヌクレオチドである。この構造は、3’−endo構造的立体配置におけるリボースを有効に「固定する」。siRNAに固定核酸を加えると、血清中のsiRNA安定性が増加し、オフターゲット効果が低下されることが示されている(Elmen,J.et al.,(2005)Nucleic Acids Research 33(1):439−447;Mook,OR.Et al.,(2007)Mol Canc Ther 6(3):833−843;Grunweller,A.et al.,(2003)Nucleic Acids Research 31(12):3185−3193)。本発明のポリヌクレオチドに使用するための二環式ヌクレオシドの例としては、限定はされないが、4’及び2’リボシル環原子の間の架橋を含むヌクレオシドが挙げられる。特定の実施形態において、本発明のアンチセンスポリヌクレオチド剤としては、4’−2’架橋を含む1つ又は複数の二環式ヌクレオシドが挙げられる。このような4’−2’架橋二環式ヌクレオシドの例としては、限定はされないが、4’−(CH2)−O−2’(LNA);4’−(CH2)−S−2’;4’−(CH2)2−O−2’(ENA);4’−CH(CH3)−O−2’(「拘束エチル」又は「cEt」とも呼ばれる)及び4’−CH(CH2OCH3)−O−2’(及びその類似体;例えば、米国特許第7,399,845号明細書を参照);4’−C(CH3)(CH3)−O−2’(及びその類似体;例えば、米国特許第8,278,283号明細書を参照);4’−CH2−N(OCH3)−2’(及びその類似体;例えば、米国特許第8,278,425号明細書を参照);4’−CH2−O−N(CH3)−2’(例えば、米国特許出願公開第2004/0171570号明細書を参照);4’−CH2−N(R)−O−2’(ここで、Rが、H、C1〜C12アルキルである)、又は保護基(例えば、米国特許第7,427,672号明細書を参照);4’−CH2−C(H)(CH3)−2’(例えば、Chattopadhyaya et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118−134を参照);及び4’−CH2−C(=CH2)−2’(及びその類似体;例えば、米国特許第8,278,426号明細書を参照)が挙げられる。これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
固定核酸ヌクレオチドの調製を教示する更なる代表的な米国特許及び米国特許公報としては、限定はされないが、米国特許第6,268,490号明細書;同6,525,191号明細書;同6,670,461号明細書;同6,770,748号明細書;同6,794,499号明細書;同6,998,484号明細書;同7,053,207号明細書;同7,034,133号明細書;同7,084,125号明細書;同7,399,845号明細書;同7,427,672号明細書;同7,569,686号明細書;同7,741,457号明細書;同8,022,193号明細書;同8,030,467号明細書;同8,278,425号明細書;同8,278,426号明細書;同8,278,283号明細書;米国特許出願公開第2008/0039618号明細書;及び米国特許出願公開第2009/0012281号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
例えば、α−L−リボフラノース及びβ−D−リボフラノースを含む1つ又は複数の立体化学的糖配置を有する上記の二環式ヌクレオシドのいずれかが調製され得る(国際公開第99/14226号パンフレットを参照)。
iRNAのRNAはまた、1つ又は複数の拘束エチルヌクレオチドを含むように修飾され得る。本明細書で使用されるとき、「拘束エチルヌクレオチド」又は「cEt」は、4’−CH(CH3)−0−2’架橋を含む二環式糖部分を含む固定核酸である。一実施形態において、拘束エチルヌクレオチドは、本明細書において「S−cEt」と呼ばれるS立体配置にある。
本発明のiRNAは、1つ又は複数の「立体配座的に制限されたヌクレオチド」(「CRN」)も含み得る。CRNは、リボースのC2’及びC4’炭素又はリボースのC3及び−C5’炭素を結合するリンカーを有するヌクレオチド類似体である。CRNは、リボース環を安定した立体配置へと固定し、mRNAに対するハイブリダイゼーション親和性(hybridization affinity)を高める。リンカーは、酸素を安定性及び親和性のために最適な位置に配置するのに十分な長さを有し、リボース環の歪み(puckering)を少なくする。
上記のCRNのいくつかの調製を教示する代表的な公報としては、限定はされないが、米国特許出願公開第2013/0190383号明細書;及びPCT公報の国際公開第2013/036868号パンフレットが挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
本発明のiRNAのヌクレオチドの1つ又は複数はまた、ヒドロキシメチル置換ヌクレオチドも含み得る。「ヒドロキシメチル置換ヌクレオチド」は、「アン固定(unlocked)核酸」(「UNA」)修飾とも呼ばれる非環式2’−3’−seco−ヌクレオチドである。
UNAの調製を教示する代表的な米国特許公報としては、限定はされないが、米国特許第8,314,227号明細書;並びに米国特許出願公開第2013/0096289号明細書;同第2013/0011922号明細書;及び同第2011/0313020号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
潜在的に安定した修飾は、RNA分子の末端に対する潜在的に安定した修飾は、N−(アセチルアミノカプロイル)−4−ヒドロキシプロリノール(Hyp−C6−NHAc)、N−(カプロイル4−ヒドロキシプロリノール(Hyp−C6)、N−(アセチル−4−ヒドロキシプロリノール(Hyp−NHAc)、チミジン−2’−0−デオキシチミジン(エーテル)、N−(アミノカプロイル)−4−ヒドロキシプロリノール(Hyp−C6−アミノ)、2−ドコサノイル−ウリジン−3”−ホスフェート、逆方向塩基(inverted base)dT(idT)などを含み得る。この修飾の開示は、PCT公開番号国際公開第2011/005861号パンフレットに見られる。
本発明のiRNAのヌクレオチドの他の修飾としては、5’ホスフェート又は5’ホスフェート模倣体、例えばRNAi剤のアンチセンス鎖に対する5’末端ホスフェート又はホスフェート模倣体が挙げられる。好適なホスフェート模倣体は、例えば米国特許出願公開第2012/0157511号明細書(この内容は全て、参照により本明細書に援用される)に記載される。
A.本発明のモチーフを含む修飾iRNA
本発明の特定の態様において、本発明の二本鎖RNAi剤としては、例えば、それぞれ全内容が参照により本明細書に援用される、2011年11月18日に出願された米国仮特許出願第61/561,710号明細書、又は2012年11月16日に出願されたPCT/US2012/065691号明細書に開示される化学的修飾を有する薬剤が挙げられる。本明細書及び米国仮特許出願第61/561,710号明細書又はPCT出願番号PCT/US2012/065691号明細書に示されるように、より優れた結果が、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ又は複数のモチーフを、RNAi剤のセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖中、特に、切断部位又はその近傍に導入することによって得られる。ある実施形態において、RNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖は、或いは完全に修飾され得る。これらのモチーフの導入により、存在する場合、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の修飾パターンが中断される。RNAi剤は、例えば、センス鎖上で、GalNAc誘導体リガンドと任意選択でコンジュゲートされ得る。得られたRNAi剤は、より優れた遺伝子サイレンシング活性を示す。
より詳細には、二本鎖RNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖が、RNAi剤の少なくとも1つの鎖の切断部位又はその近傍に3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ又は複数のモチーフを有するように完全に修飾される場合、RNAi剤の遺伝子サイレンシング活性が優位に向上されたことが意外にも発見された。
したがって、本発明は、インビボでの標的遺伝子(即ち、接触活性化経路遺伝子、即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、又はKNG1遺伝子)の発現を阻害することが可能な二本鎖RNAi剤を提供する。RNAi剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含む。RNAi剤の各鎖は、12〜30ヌクレオチド長の範囲であり得る。例えば、各鎖は、14〜30ヌクレオチド長、17〜30ヌクレオチド長、25〜30ヌクレオチド長、27〜30ヌクレオチド長、17〜23ヌクレオチド長、17〜21ヌクレオチド長、17〜19ヌクレオチド長、19〜25ヌクレオチド長、19〜23ヌクレオチド長、19〜21ヌクレオチド長、21〜25ヌクレオチド長、又は21〜23ヌクレオチド長であり得る。
センス鎖及びアンチセンス鎖は、典型的に、本明細書において「iRNA剤」とも呼ばれる二本鎖RNA(「dsRNA」)を形成する。iRNA剤の二本鎖領域は、12〜30ヌクレオチド対長であり得る。例えば、二本鎖領域は、14〜30ヌクレオチド対長、17〜30ヌクレオチド対長、27〜30ヌクレオチド対長、17〜23ヌクレオチド対長、17〜21ヌクレオチド対長、17〜19ヌクレオチド対長、19〜25ヌクレオチド対長、19〜23ヌクレオチド対長、19〜21ヌクレオチド対長、21〜25ヌクレオチド対長、又は21〜23ヌクレオチド対長であり得る。別の例では、二本鎖領域は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、及び27ヌクレオチド長から選択される。
一実施形態において、RNAi剤は、1つ又は両方の鎖の3’末端、5’末端、又は両方の末端において1つ又は複数のオーバーハング領域及び/又はキャッピング基を含み得る。オーバーハングは、1〜6ヌクレオチド長、例えば、2〜6ヌクレオチド長、1〜5ヌクレオチド長、2〜5ヌクレオチド長、1〜4ヌクレオチド長、2〜4ヌクレオチド長、1〜3ヌクレオチド長、2〜3ヌクレオチド長、又は1〜2ヌクレオチド長であり得る。オーバーハングは、1つの鎖が他の鎖より長い結果であるか、又は同じ長さの2つの鎖が互い違いになっている結果であり得る。オーバーハングは、標的mRNAとのミスマッチを形成し得るか、又はオーバーハングは、標的とされる遺伝子配列に相補的であり得るか、又は別の配列であり得る。第1及び第2の鎖がまた、例えば、ヘアピンを形成するように更なる塩基によって、又は他の非塩基リンカーによって結合され得る。
一実施形態において、RNAi剤のオーバーハング領域中のヌクレオチドはそれぞれ、独立して、限定はされないが、2−F、2’−Oメチル、チミジン(T)、2’−O−メトキシエチル−5−メチルウリジン(Teo)、2’−O−メトキシエチルアデノシン(Aeo)、2’−O−メトキシエチル−5−メチルシチジン(m5Ceo)、及びそれらの任意の組み合わせなどの2’−糖修飾を含む、修飾又は非修飾ヌクレオチドであり得る。例えば、TTは、いずれかの鎖上のいずれかの末端のためのオーバーハング配列であり得る。オーバーハングは、標的mRNAとのミスマッチを形成し得るか、又はオーバーハングは、標的とされる遺伝子配列に相補的であり得るか、又は別の配列であり得る。
RNAi剤のセンス鎖、アンチセンス鎖又は両方の鎖における5’−又は3’−オーバーハングは、リン酸化され得る。ある実施形態において、オーバーハング領域は、2つのヌクレオチド間にホスホロチオエートを有する2つのヌクレオチドを含み、ここで、2つのヌクレオチドは、同じか又は異なり得る。一実施形態において、オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖、又は両方の鎖の3’末端に存在する。一実施形態において、この3’−オーバーハングは、アンチセンス鎖中に存在する。一実施形態において、この3’−オーバーハングは、センス鎖中に存在する。
RNAi剤は、その全体的安定性に影響を与えずに、RNAiの干渉活性を強化し得る1つのみのオーバーハングを含み得る。例えば、一本鎖オーバーハングは、センス鎖の3’末端、或いはアンチセンス鎖の3’末端に位置し得る。RNAiは、アンチセンス鎖の5’末端(又はセンス鎖の3’末端)又はその逆に位置する平滑末端も有し得る。一般に、RNAiのアンチセンス鎖は、3’末端にヌクレオチドオーバーハングを有し、5’末端は平滑である。理論に制約されるのを望むものではないが、アンチセンス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の3’末端オーバーハングにおける非対称の平滑末端は、RISCプロセスへのガイド鎖導入に有利に作用する。
一実施形態において、RNAi剤は、19ヌクレオチド長の平滑末端二本鎖(double ended bluntmer)であり、センス鎖は、5’末端から7位、8位、9位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−F修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。アンチセンス鎖は、5’末端から11位、12位、13位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−O−メチル修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。
別の実施形態において、RNAi剤は、20ヌクレオチド長の平滑末端二本鎖であり、センス鎖は、5’末端から8位、9位、10位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−F修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。アンチセンス鎖は、5’末端から11位、12位、13位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−O−メチル修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。
更に別の実施形態において、RNAi剤は、21ヌクレオチド長の平滑末端二本鎖であり、センス鎖は、5’末端から9位、10位、11位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−F修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。アンチセンス鎖は、5’末端から11位、12位、13位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−O−メチル修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。
一実施形態において、RNAi剤は、21ヌクレオチドセンス鎖及び23ヌクレオチドアンチセンス鎖を含み、センス鎖は、5’末端から9位、10位、11位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−F修飾の少なくとも1つのモチーフを含み;アンチセンス鎖は、5’末端から11位、12位、13位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−O−メチル修飾の少なくとも1つのモチーフを含み、RNAi剤の一方の末端が平滑である一方、他方の末端は、2つのヌクレオチドオーバーハングを含む。好ましくは、2つのヌクレオチドオーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端にある。
2つのヌクレオチドオーバーハングが、アンチセンス鎖の3’末端にある場合、末端の3つのヌクレオチドの間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合があり得、3つのうちの2つのヌクレオチドが、オーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドは、オーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドである。一実施形態において、RNAi剤は、センス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の5’末端の両方における末端の3つのヌクレオチドの間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を更に有する。一実施形態において、モチーフの一部であるヌクレオチドを含む、RNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖中の全てのヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである。一実施形態において、各残基が、独立して、例えば、交互のモチーフ中で、2’−O−メチル又は3’−フルオロで修飾される。任意選択で、RNAi剤は、リガンド(好ましくは、GalNAc3)を更に含む。
一実施形態において、RNAi剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、センス鎖は、25〜30ヌクレオチド残基長であり、5’末端ヌクレオチド(1位)を起点として、第1の鎖の1〜23位が、少なくとも8つのリボヌクレオチドを含み;アンチセンス鎖は、36〜66ヌクレオチド残基長であり、3’末端ヌクレオチドを起点として、センス鎖の1〜23位と対合される位置において少なくとも8つのリボヌクレオチドを含んで、二本鎖を形成し;アンチセンス鎖の少なくとも3’末端ヌクレオチドが、センス鎖と対合されず、最大で6連続の3’末端ヌクレオチドが、センス鎖と対合されず、それによって、1〜6つのヌクレオチドの3’一本鎖オーバーハングを形成し;アンチセンス鎖の5’末端は、センス鎖と対合されない10〜30連続ヌクレオチドを含み、それによって、10〜30個のヌクレオチド一本鎖5’オーバーハングを形成し;少なくともセンス鎖5’末端及び3’末端ヌクレオチドは、センス鎖及びアンチセンス鎖が最大の相補性のために整列される場合、アンチセンス鎖のヌクレオチドと対合される塩基であり、それによって、センス鎖とアンチセンス鎖との間に実質的に二本鎖の領域を形成し;アンチセンス鎖は、二本鎖核酸が哺乳動物細胞中に導入されたときに標的遺伝子の発現を低下させるように、アンチセンス鎖長の少なくとも19個のリボヌクレオチドに沿って標的RNAに十分に相補的であり;センス鎖は、3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−F修飾の少なくとも1つのモチーフを含み、ここで、モチーフのうちの少なくとも1つが、切断部位又はその近傍に存在する。アンチセンス鎖は、切断部位又はその近傍に3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−O−メチル修飾の少なくとも1つのモチーフを含む。
一実施形態において、RNAi剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、RNAi剤は、少なくとも25且つ29以下のヌクレオチド長を有する第1の鎖と、5’末端から11位、12位、13位の3連続ヌクレオチドにおける3つの2’−O−メチル修飾の少なくとも1つのモチーフを含む、30ヌクレオチド長以下を有する第2の鎖とを含み;第1の鎖の3’末端及び第2の鎖の5’末端が、平滑末端を形成し、第2の鎖は、その3’末端で第1の鎖より1〜4ヌクレオチド長く、二本鎖領域は、少なくとも25ヌクレオチド長であり、第2の鎖は、RNAi剤が哺乳動物細胞中に導入されたときに標的遺伝子の発現を低下させるように、第2の鎖長の少なくとも19のヌクレオチドに沿って標的mRNAに十分に相補的であり、RNAi剤のダイサー切断(dicer cleavage)が、第2の鎖の3’末端を含むsiRNAを優先的にもたらし、それにより、哺乳動物における標的遺伝子の発現を低下させる。任意選択で、RNAi剤は、リガンドを更に含む。
一実施形態において、iRNA剤のセンス鎖は、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の少なくとも1つのモチーフを含み、モチーフの1つは、センス鎖の切断部位に存在する。
一実施形態において、RNAi剤のアンチセンス鎖も、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の少なくとも1つのモチーフを含むことができ、モチーフの1つは、アンチセンス鎖の切断部位又はその近傍に存在する。
17〜23ヌクレオチド長の二本鎖領域を有するRNAi剤では、アンチセンス鎖の切断部位は、典型的に、5’末端から10位、11位及び12位の付近である。したがって、3つの同一の修飾のモチーフは、アンチセンス鎖の5’末端から1つ目のヌクレオチドから数え始めて、又はアンチセンス鎖の5’末端から、二本鎖領域内の1つ目の対合ヌクレオチドから数え始めて、アンチセンス鎖の9位、10位、11位;10位、11位、12位;11位、12位、13位;12位、13位、14位;又は13位、14位、15位に存在し得る。アンチセンス鎖中の切断部位はまた、5’末端からのRNAiの二本鎖領域の長さに応じて変化し得る。
RNAi剤のセンス鎖は、鎖の切断部位に3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の少なくとも1つのモチーフを含んでいてもよく;アンチセンス鎖は、鎖の切断部位又はその近傍に3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の少なくとも1つのモチーフを有し得る。センス鎖及びアンチセンス鎖がdsRNA二本鎖を形成する場合、センス鎖及びアンチセンス鎖は、センス鎖における3つのヌクレオチドの1つのモチーフ及びアンチセンス鎖における3つのヌクレオチドの1つのモチーフが、少なくとも1つのヌクレオチドの重複を有し、即ち、センス鎖中のモチーフの3つのヌクレオチドのうちの少なくとも1つが、アンチセンス鎖中のモチーフの3つのヌクレオチドのうちの少なくとも1つと塩基対を形成するように整列され得る。或いは、少なくとも2つのヌクレオチドが重複してもよく、又は全ての3つのヌクレオチドが重複してもよい。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖は、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の2つ以上のモチーフを含み得る。第1のモチーフは、鎖の切断部位又はその近傍に存在してもよく、他のモチーフは、ウイング修飾(wing modification)であり得る。本明細書における「ウイング修飾」という用語は、同じ鎖の切断部位又はその近傍のモチーフから離れた鎖の別の部分に存在するモチーフを指す。ウイング修飾は、第1のモチーフに隣接するか、又は少なくとも1つ又は複数のヌクレオチドによって隔てられている。モチーフが、互いに直接隣接している場合、モチーフの化学構造は、互いに異なり、モチーフが、1つ又は複数のヌクレオチドによって隔てられている場合、化学構造は、同じか又は異なり得る。2つ以上のウイング修飾が存在し得る。例えば、2つのウイング修飾が存在する場合、各ウイング修飾は、切断部位又はその近傍の第1のモチーフに対して1つの端部に又はリードモチーフ(lead motif)のいずれかの側に存在し得る。
センス鎖と同様に、RNAi剤のアンチセンス鎖は、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の2つ以上のモチーフを含んでいてもよく、モチーフの少なくとも1つが、鎖の切断部位又はその近傍に存在する。このアンチセンス鎖はまた、センス鎖に存在し得るウイング修飾と同様の配列で1つ又は複数のウイング修飾を含み得る。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖又はアンチセンス鎖におけるウイング修飾は、典型的に、鎖の3’末端、5’末端又は両方の末端に第1の1つ又は2つの末端ヌクレオチドを含まない。
別の実施形態において、RNAi剤のセンス鎖又はアンチセンス鎖におけるウイング修飾は、典型的に、鎖の3’末端、5’末端又は両方の末端の二本鎖領域内に第1の1つ又は2つの対合ヌクレオチドを含まない。
RNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖がそれぞれ、少なくとも1つのウイング修飾を含む場合、ウイング修飾は、二本鎖領域の同じ末端に位置してもよく、1つ、2つ又は3つのヌクレオチドの重複を有し得る。
RNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖がそれぞれ、少なくとも2つのウイング修飾を含む場合、センス鎖及びアンチセンス鎖は、1つの鎖からの2つの修飾がそれぞれ、二本鎖領域の1つの末端に位置して、1つ、2つ又は3つのヌクレオチドの重複を有し;1つの鎖からの2つの修飾がそれぞれ、二本鎖領域の他方の末端に位置して、1つ、2つ又は3つのヌクレオチドの重複を有し;1つの鎖からの2つの修飾がリードモチーフの各側に位置して、二本鎖領域中に1つ、2つ又は3つのヌクレオチドの重複を有するように整列され得る。
一実施形態において、モチーフの一部であるヌクレオチドを含む、RNAi剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖中の全てのヌクレオチドが修飾され得る。各ヌクレオチドは、同じ又は異なる修飾で修飾されてもよく、この修飾は、非結合リン酸酸素及び/又は結合リン酸酸素の1つ又は複数の一方又は両方の1つ又は複数の変更;リボース糖の成分、例えば、リボース糖の2’ヒドロキシルの変更;「脱リン(dephospho)」リンカーによるリン酸部分の大規模な置換;天然の塩基の修飾又は置換;及びリボース−リン酸骨格の置換又は修飾を含み得る。
核酸が、サブユニットのポリマーであるため、例えば、塩基、又はリン酸部分、又はリン酸部分の非結合Oの修飾といった修飾の多くは、核酸内の繰り返される位置に存在する。場合によっては、修飾は、核酸中の目的の位置の全てに存在し得るが、多くの場合、そうではない。例として、修飾は、3’又は5’末端位置のみに存在してもよく、末端領域、例えば、末端ヌクレオチド上の位置又は鎖の最後の2、3、4、5、又は10のヌクレオチドのみに存在してもよい。修飾は、二本鎖領域、一本鎖領域、又はその両方に存在してもよい。修飾は、RNAの二本鎖領域のみに存在してもよく、又はRNAの一本鎖領域のみに存在してもよい。例えば、非結合O位置におけるホスホロチオエート修飾は、一方又は両方の末端のみに存在してもよく、末端領域、例えば、末端ヌクレオチド上の位置又は鎖の最後の2、3、4、5、又は10のヌクレオチドのみに存在してもよく、又は二本鎖及び一本鎖領域、特に、末端に存在してもよい。5’末端又は両方の末端が、リン酸化され得る。
例えば、安定性を高めること、オーバーハング中に特定の塩基を含むこと、又は一本鎖オーバーハング、例えば、5’又は3’オーバーハング、又はその両方に修飾ヌクレオチド又はヌクレオチド代用物(surrogate)を含むことが可能であり得る。例えば、オーバーハング中にプリンヌクレオチドを含むことが望ましいことがある。ある実施形態において、3’又は5’オーバーハング中の塩基の全て又は一部が、例えば、本明細書に記載される修飾で修飾されてもよい。修飾は、例えば、当該技術分野において公知の修飾によるリボース糖の2’位における修飾の使用、例えば、核酸塩基のリボ糖の代わりにデオキシリボヌクレオチド、2’−デオキシ−2’−フルオロ(2’−F)又は2’−O−メチル修飾の使用、及びリン酸基の修飾、例えば、ホスホロチオエート修飾を含み得る。オーバーハングは、標的配列と相同である必要はない。
一実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖の各残基は、独立して、LNA、CRN、cET、UNA、HNA、CeNA、2’−メトキシエチル、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−C−アリル、2’−デオキシ、2’−ヒドロキシル、又は2’−フルオロで修飾される。鎖は、2つ以上の修飾を含み得る。一実施形態において、センス鎖及びアンチセンス鎖の各残基は、独立して、2’−O−メチル又は2’−フルオロで修飾される。
少なくとも2つの異なる修飾が、典型的に、センス鎖及びアンチセンス鎖に存在する。それらの2つの修飾は、2’−O−メチル又は2’−フルオロ修飾、又は他のものであり得る。
一実施形態において、Na及び/又はNbは、交互のパターンの修飾を含む。本明細書で使用されるときの「交互のモチーフ」という用語は、1つ又は複数の修飾を有するモチーフを指し、各修飾が、1つの鎖の交互のヌクレオチドに存在する。交互のヌクレオチドは、1つおきのヌクレオチドに1つ又は3つおきのヌクレオチドに1つ、又は同様のパターンを指し得る。例えば、A、B及びCがそれぞれ、ヌクレオチドに対する1つのタイプの修飾を表す場合、交互のモチーフは、「ABABABABABAB・・・」、「AABBAABBAABB・・・」、「AABAABAABAAB・・・」、「AAABAAABAAAB・・・」、「AAABBBAAABBB・・・」、又は「ABCABCABCABC・・・」などであり得る。
交互のモチーフに含まれる修飾のタイプは、同じか又は異なり得る。例えば、A、B、C、Dがそれぞれ、ヌクレオチド上の1つのタイプの修飾を表す場合、交互のパターン、即ち、1つおきのヌクレオチドにおける修飾は、同じであってもよいが、センス鎖又はアンチセンス鎖のそれぞれが、「ABABAB・・・」、「ACACAC・・・」「BDBDBD・・・」又は「CDCDCD・・・」などの交互のモチーフ内の修飾のいくつかの可能性から選択され得る。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、アンチセンス鎖における交互のモチーフの修飾パターンに対してシフトされた、センス鎖における交互のモチーフの修飾パターンを含む。このシフトは、センス鎖のヌクレオチドの修飾基が、アンチセンス鎖のヌクレオチドの異なる修飾の基に対応するか、その逆であるようなシフトであり得る。例えば、センス鎖は、dsRNA二本鎖におけるアンチセンス鎖と対合される場合、センス鎖における交互のモチーフは、鎖の5’から3’へと「ABABAB」から開始してもよく、アンチセンス鎖における交互のモチーフは、二本鎖領域内の鎖の5’から3’へと「BABABA」から開始され得る。別の例として、センス鎖における交互のモチーフは、鎖の5’から3’へと「AABBAABB」から開始してもよく、アンチセンス鎖における交互のモチーフは、二本鎖領域内の鎖の5’から3’へと「BBAABBAA」から開始してもよく、それにより、センス鎖とアンチセンス鎖との間の修飾パターンの完全な又は部分的なシフトが存在する。
一実施形態において、RNAi剤は、センス鎖における2’−O−メチル修飾及び2’−F修飾の交互のモチーフのパターンを含み、このパターンは、最初に、アンチセンス鎖における2’−O−メチル修飾及び2’−F修飾の交互のモチーフのパターンに対するシフトを有し、即ち、センス鎖における2’−O−メチル修飾ヌクレオチドが、アンチセンス鎖における2’−F修飾ヌクレオチドと塩基対を形成し、その逆も同様である。センス鎖の1位は、2’−F修飾から開始してもよく、アンチセンス鎖の1位は、2’−O−メチル修飾から開始してもよい。
センス鎖及び/又はアンチセンス鎖への、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ又は複数のモチーフの導入は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖中に存在する最初の修飾パターンを中断する。センス鎖及び/又はアンチセンス鎖に3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ又は複数のモチーフを導入することによる、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の修飾パターンのこの中断は、標的遺伝子の対する遺伝子サイレンシング活性を意外にも高める。
一実施形態において、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフが、鎖のいずれかに導入される場合、モチーフに隣接するヌクレオチドの修飾は、モチーフの修飾と異なる修飾である。例えば、モチーフを含む配列の一部は、「・・・NaYYYNb・・・」であり、ここで、「Y」は、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾のモチーフの修飾を表し、「Na」及び「Nb」は、Yの修飾と異なる、モチーフ「YYY」に隣接するヌクレオチドの修飾を表し、Na及びNbは、同じか又は異なる修飾であり得る。或いは、Na及び/又はNbは、ウイング修飾が存在する場合、存在していても又は存在していなくてもよい。
RNAi剤は、少なくとも1つのホスホロチオエート又はメチルホスホネートヌクレオチド間結合を更に含み得る。ホスホロチオエート又はメチルホスホネートヌクレオチド間結合の修飾は、鎖のいずれかの位置の、センス鎖又はアンチセンス鎖又は両方の鎖の任意のヌクレオチドに存在し得る。例えば、ヌクレオチド間結合の修飾は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖における全てのヌクレオチドに存在してもよく;各ヌクレオチド間結合の修飾は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖において交互のパターンで存在してもよく;又はセンス鎖又はアンチセンス鎖は、交互のパターンで両方のヌクレオチド間結合の修飾を含み得る。センス鎖におけるヌクレオチド間結合の修飾の交互のパターンは、アンチセンス鎖と同じか又は異なっていてもよく、センス鎖におけるヌクレオチド間結合の修飾の交互のパターンは、アンチセンス鎖におけるヌクレオチド間結合の修飾の交互のパターンに対するシフトを有し得る。一実施形態において、二本鎖(double−standed)RNAi剤は6〜8つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。一実施形態において、アンチセンス鎖は5’末端に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合及び3’末端に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、センス鎖は5’末端又は3’末端のいずれかに少なくとも2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。
一実施形態において、RNAiは、オーバーハング領域にホスホロチオエート又はメチルホスホネートヌクレオチド間結合の修飾を含む。例えば、オーバーハング領域は、2つのヌクレオチド間にホスホロチオエート又はメチルホスホネートヌクレオチド間結合を有する2つのヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチド間結合の修飾はまた、オーバーハングヌクレオチドを、二本鎖領域内の末端の対合ヌクレオチドと結合するために形成され得る。例えば、少なくとも2、3、4、又は全てのオーバーハングヌクレオチドが、ホスホロチオエート又はメチルホスホネートヌクレオチド間結合によって結合されてもよく、任意選択で、オーバーハングヌクレオチドを、オーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドと結合する更なるホスホロチオエート又はメチルホスホネートヌクレオチド間結合が存在し得る。例えば、末端の3つのヌクレオチド間に少なくとも2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合が存在してもよく、3つのヌクレオチドのうちの2つが、オーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドが、オーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドである。これらの末端の3つのヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3’末端、センス鎖の3’末端、アンチセンス鎖の5’末端、及び/又はアンチセンス鎖の5’末端に存在し得る。
一実施形態において、2つのヌクレオチドオーバーハングは、アンチセンス鎖の3’末端にあり、末端の3つのヌクレオチド間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合が存在し、3つのヌクレオチドのうちの2つが、オーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドが、オーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドである。任意選択で、RNAi剤は、センス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の5’末端の両方において、末端の3つのヌクレオチド間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を更に有し得る。
一実施形態において、RNAi剤は、標的とのミスマッチ、二本鎖内のミスマッチ、又はそれらの組み合わせを含む。ミスマッチは、オーバーハング領域又は二本鎖領域で生じ得る。塩基対は、解離又は融解(例えば、特定の対合の結合又は解離の自由エネルギーに対してであり、最も簡単な手法は、個々の対ごとに対を調べることであるが、類似の又は同様の分析も使用され得る)を促進する傾向に基づいて評価され得る。解離の促進に関して:A:Uが、G:Cより好ましく;G:Uが、G:Cより好ましく;I:Cが、G:Cより好ましい(I=イノシン)。ミスマッチ、例えば、非正準又は正準以外の対合(本明細書の他の箇所に記載される)が、正準な(A:T、A:U、G:C)対合より好ましく;ユニバーサル塩基を含む対合が、正準な対合より好ましい。
一実施形態において、RNAi剤は、A:U、G:U、I:Cの群から独立して選択されるアンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内の最初の1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つの塩基対のうちの少なくとも1つ、及び二本鎖の5’末端におけるアンチセンス鎖の解離を促進するためのミスマッチ対、例えば、非正準又は正準以外の対合又はユニバーサル塩基を含む対合を含む。
一実施形態において、アンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内の1位におけるヌクレオチドは、A、dA、dU、U、及びdTからなる群から選択される。或いは、アンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内の最初の1、2又は3塩基対のうちの少なくとも1つは、AU塩基対である。例えば、アンチセンス鎖の5’末端からの二本鎖領域内の第1の塩基対は、AU塩基対である。
別の実施形態において、センス鎖の3’末端のヌクレオチドはデオキシチミン(dT)である。別の実施形態において、アンチセンス鎖の3’末端のヌクレオチドはデオキシチミン(dT)である。一実施形態では、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3’末端にデオキシチミンヌクレオチドの短い配列、例えば2つのdTヌクレオチドがある。
一実施形態において、センス鎖配列は、式(I):
5’np−Na−(XXX)i−Nb−YYY−Nb−(ZZZ)j−Na−nq3’(I)
(式中:
i及びjがそれぞれ、独立して、0又は1であり;
p及びqがそれぞれ、独立して、0〜6であり;
各Naが、独立して、0〜25の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列が、少なくとも2つの異なる修飾のヌクレオチドを含み;
各Nbが、独立して、0〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し;
各np及びnqが、独立して、オーバーハングヌクレオチドを表し;
ここで、Nb及びYが、同じ修飾を有さず;
XXX、YYY及びZZZがそれぞれ、独立して、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の1つのモチーフを表す)
によって表され得る。好ましくは、YYYが、全て2’−F修飾ヌクレオチドである。
一実施形態において、Na及び/又はNbは、交互のパターンの修飾を含む。
一実施形態において、YYYモチーフは、センス鎖の切断部位又はその近傍に存在する。例えば、RNAi剤が、17〜23ヌクレオチド長の二本鎖領域を有する場合、YYYモチーフは、5’末端から1つ目のヌクレオチドから数え始めて;又は任意選択で、5’末端から、二本鎖領域内の1つ目の対合ヌクレオチドから数え始めて、センス鎖の切断部位又はその近傍に存在し得る(例えば:6位、7位、8位、7位、8位、9位、8位、9位、10位、9位、10位、11位、10位、11位、12位又は11位、12位、13位に存在し得る)。
一実施形態において、iが1であり、jが0であり、又はiが0であり、jが1であり、又はi及びjの両方が1である。したがって、センス鎖は、以下の式によって表され得る:
5’np−Na−YYY−Nb−ZZZ−Na−nq3’(Ib);
5’np−Na−XXX−Nb−YYY−Na−nq3’(Ic);又は
5’np−Na−XXX−Nb−YYY−Nb−ZZZ−Na−nq3’(Id)。
センス鎖が、式(Ib)によって表される場合、Nbは、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
センス鎖が、式(Ic)として表される場合、Nbは、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
センス鎖が、式(Id)として表される場合、各Nbは、独立して、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。好ましくは、Nbは、0、1、2、3、4、5又は6である。各Naは、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
X、Y及びZのそれぞれが、互いに同じか又は異なり得る。
他の実施形態において、iが0であり、jが0であり、センス鎖は、以下の式によって表され得る:
5’np−Na−YYY−Na−nq3’(Ia)。
センス鎖が、式(Ia)によって表される場合、各Naは、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
一実施形態において、RNAiのアンチセンス鎖配列は、式(II):
5’nq’−Na’−(Z’Z’Z’)k−Nb’−Y’Y’Y’−Nb’−(X’X’X’)l−N’a−np’3’(II)
(式中:
k及びlがそれぞれ、独立して、0又は1であり;
p’及びq’がそれぞれ、独立して、0〜6であり;
各Na’が、独立して、0〜25の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列が、少なくとも2つの異なる修飾のヌクレオチドを含み;
各Nb’が、独立して、0〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し;
各np’及びnq’が、独立して、オーバーハングヌクレオチドを表し;
ここで、Nb’及びY’が、同じ修飾を有さず;
X’X’X’、Y’Y’Y’及びZ’Z’Z’がそれぞれ、独立して、3連続ヌクレオチドにおける3つの同一の修飾の1つのモチーフを表す)
によって表され得る。
一実施形態において、Na’及び/又はNb’は、交互のパターンの修飾を含む。
Y’Y’Y’モチーフは、アンチセンス鎖の切断部位又はその近傍に存在する。例えば、RNAi剤が、17〜23ヌクレオチド長の二本鎖領域を有する場合、Y’Y’Y’モチーフは、5’末端から1つ目のヌクレオチドから数え始めて;又は任意選択で、5’末端から、二本鎖領域内の1つ目の対合ヌクレオチドから数え始めて、アンチセンス鎖の9位、10位、11位;10位、11位、12位;11位、12位、13位;12位、13位、14位;又は13位、14位、15位に存在し得る。好ましくは、Y’Y’Y’モチーフは、11位、12位、13位に存在する。
一実施形態において、Y’Y’Y’モチーフは、全て2’−OMe修飾ヌクレオチドである。
一実施形態において、kが1であり、lが0であり、又はkが0であり、lが1であり、又はk及びlの両方が1である。
したがって、アンチセンス鎖は、以下の式によって表され得る:
5’nq’−Na’−Z’Z’Z’−Nb’−Y’Y’Y’−Na’−np’3’(IIb);
5’nq’−Na’−Y’Y’Y’−Nb’−X’X’X’−np’3’(IIc);又は
5’nq’−Na’−Z’Z’Z’−Nb’−Y’Y’Y’−Nb’−X’X’X’−Na’−np’3’(IId)。
アンチセンス鎖が、式(IIb)によって表される場合、Nb ’は、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na’は、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
アンチセンス鎖が、式(IIc)として表される場合、Nb’は、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na’は、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
アンチセンス鎖が、式(IId)として表される場合、各Nb’は、独立して、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na’は、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。好ましくは、Nbは、0、1、2、3、4、5又は6である。
他の実施形態において、kが0であり、lが0であり、アンチセンス鎖は、以下の式によって表され得る:
5’np’−Na’−Y’Y’Y’−Na’−nq’3’(Ia)。
アンチセンス鎖が、式(IIa)として表される場合、各Na’は、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
X’、Y’及びZ’のそれぞれが、互いに同じか又は異なり得る。
センス鎖及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、独立して、LNA、CRN、UNA、cEt、HNA、CeNA、2’−メトキシエチル、2’−O−メチル、2’−O−アリル、2’−C−アリル、2’−ヒドロキシル、又は2’−フルオロで修飾され得る。例えば、センス鎖及びアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、独立して、2’−O−メチル又は2’−フルオロで修飾される。各X、Y、Z、X’、Y’及びZ’は、特に、2’−O−メチル修飾又は2’−フルオロ修飾を表し得る。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖は、二本鎖領域が21のヌクレオチドである場合、5’末端から1つ目のヌクレオチドから数え始めて;又は任意選択で、5’末端から、二本鎖領域内の1つ目の対合ヌクレオチドから数え始めて、鎖の9位、10位及び11位に存在するYYYモチーフを含んでいてもよく;Yは、2’−F修飾を表す。センス鎖は、二本鎖領域の反対側の末端にウイング修飾としてXXXモチーフ又はZZZモチーフを更に含んでいてもよく;XXX及びZZZはそれぞれ、独立して、2’−OMe修飾又は2’−F修飾を表す。
一実施形態において、アンチセンス鎖は、5’末端から1つ目のヌクレオチドから数え始めて;又は任意選択で、5’末端から、二本鎖領域内の1つ目の対合ヌクレオチドから数え始めて、鎖の11位、12位、13位に存在するY’Y’Y’モチーフを含んでいてもよく;Y’は、2’−O−メチル修飾を表す。アンチセンス鎖は、二本鎖領域の反対側の末端にウイング修飾としてX’X’X’モチーフ又はZ’Z’Z’モチーフを更に含んでいてもよく;X’X’X’及びZ’Z’Z’はそれぞれ、独立して、2’−OMe修飾又は2’−F修飾を表す。
上の式(Ia)、(Ib)、(Ic)、及び(Id)のいずれか1つによって表されるセンス鎖はそれぞれ、式(IIa)、(IIb)、(IIc)、及び(IId)のいずれか1つによって表されるアンチセンス鎖と二本鎖を形成する。
したがって、本発明の方法に使用するためのRNAi剤は、センス鎖及びアンチセンス鎖を含んでいてもよく、各鎖は、14〜30のヌクレオチドを有し、RNAi二本鎖は、式(III):
センス:5’np−Na−(XXX)i−Nb−YYY−Nb−(ZZZ)j−Na−nq3’
アンチセンス:3’np ’−Na ’−(X’X’X’)k−Nb ’−Y’Y’Y’−Nb ’−(Z’Z’Z’)l−Na ’−nq ’5’
(III)
(式中:
i、j、k、及びlがそれぞれ、独立して、0又は1であり;
p、p’、q、及びq’がそれぞれ、独立して、0〜6であり;
各Na及びNa ’が、独立して、0〜25の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列が、少なくとも2つの異なる修飾のヌクレオチドを含み;
各Nb及びNb ’が、独立して、0〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し;
ここで、
それぞれ存在していても又は存在していなくてもよい各np’、np、nq’、及びnqが、独立して、オーバーハングヌクレオチドを表し;
XXX、YYY、ZZZ、X’X’X’、Y’Y’Y’、及びZ’Z’Z’がそれぞれ、独立して、3連続ヌクレオチド上に3つの同一の修飾の1つのモチーフを表す)
によって表される。
一実施形態において、iが0であり、jが0であり;又はiが1であり、jが0であり;又はiが0であり、jが1であり;又はi及びjの両方が0であり;又はi及びjの両方が1である。別の実施形態において、kが0であり、lが0であり;又はkが1であり、lが0であり;kが0であり、lが1であり;又はk及びlの両方が0であり;又はk及びlの両方が1である。
RNAi二本鎖を形成するセンス鎖及びアンチセンス鎖の例示的な組み合わせは、以下の式を含む:
5’np−Na−YYY−Na−nq3’
3’np ’−Na ’−Y’Y’Y’−Na ’nq ’5’
(IIIa)
5’np−Na−YYY−Nb−ZZZ−Na−nq3’
3’np ’−Na ’−Y’Y’Y’−Nb ’−Z’Z’Z’−Na ’nq ’5’
(IIIb)
5’np−Na−XXX−Nb−YYY−Na−nq3’
3’np ’−Na ’−X’X’X’−Nb ’−Y’Y’Y’−Na ’−nq ’5’
(IIIc)
5’np−Na−XXX−Nb−YYY−Nb−ZZZ−Na−nq3’
3’np ’−Na ’−X’X’X’−Nb ’−Y’Y’Y’−Nb ’−Z’Z’Z’−Na−nq ’5’
(IIId)
RNAi剤が式(IIIb)によって表される場合、各Nbは、独立して、1〜10、1〜7、1〜5又は1〜4の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
RNAi剤が式(IIIc)によって表される場合、各Nb、Nb’は、独立して、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
RNAi剤が式(IIId)によって表される場合、各Nb、Nb’は、独立して、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na、Na’は、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。Na、Na’、Nb及びNb’の各々は、独立して、交互のパターンの修飾を含む。
iRNA剤が、式(IIId)として表される場合、各Nb、Nb’は、独立して、0〜10、0〜7、0〜10、0〜7、0〜5、0〜4、0〜2又は0の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na、Na ’は、独立して、2〜20、2〜15、又は2〜10の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。Na、Na’、Nb及びNb ’のそれぞれは、独立して、交互のパターンの修飾を含む。
式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、及び(IIId)中のX、Y及びZのそれぞれは、互いに同じか又は異なり得る。
RNAi剤が、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、及び(IIId)によって表される場合、Yヌクレオチドの少なくとも1つが、Y’ヌクレオチドの1つと塩基対を形成し得る。或いは、Yヌクレオチドの少なくとも2つが、対応するY’ヌクレオチドと塩基対を形成し;又はYヌクレオチドの全ての3つが全て、対応するY’ヌクレオチドと塩基対を形成する。
RNAi剤が、式(IIIb)又は(IIId)によって表される場合、Zヌクレオチドの少なくとも1つが、Z’ヌクレオチドの1つと塩基対を形成し得る。或いは、Zヌクレオチドの少なくとも2つが、対応するZ’ヌクレオチドと塩基対を形成し;又はZヌクレオチドの全ての3つが全て、対応するZ’ヌクレオチドと塩基対を形成する。
RNAi剤が、式(IIIc)又は(IIId)として表される場合、Xヌクレオチドの少なくとも1つが、X’ヌクレオチドの1つと塩基対を形成し得る。或いは、Xヌクレオチドの少なくとも2つが、対応するX’ヌクレオチドと塩基対を形成し;又はXヌクレオチドの全ての3つが全て、対応するX’ヌクレオチドと塩基対を形成する。
一実施形態において、Yヌクレオチド上の修飾は、Y’ヌクレオチド上の修飾と異なり、Zヌクレオチド上の修飾は、Z’ヌクレオチド上の修飾と異なり、及び/又はXヌクレオチド上の修飾は、X’ヌクレオチド上の修飾と異なる。
一実施形態において、RNAi剤が、式(IIId)によって表される場合、Na修飾は、2’−O−メチル又は2’−フルオロ修飾である。別の実施形態において、RNAi剤が、式(IIId)によって表される場合、Na修飾は、2’−O−メチル又は2’−フルオロ修飾であり、np’>0であり、少なくとも1つのnp’が、ホスホロチオエート結合を介して隣接するヌクレオチドに結合される。更に別の実施形態において、RNAi剤が、式(IIId)によって表される場合、Na修飾は、2’−O−メチル又は2’−フルオロ修飾であり、np’>0であり、少なくとも1つのnp’が、ホスホロチオエート結合を介して隣接するヌクレオチドに結合され、センス鎖は、二価又は三価の分枝鎖状リンカーを介して結合された1つ又は複数のGalNAc誘導体にコンジュゲートされる(以下に記載)。別の実施形態において、RNAi剤が、式(IIId)によって表される場合、Na修飾は、2’−O−メチル又は2’−フルオロ修飾であり、np’>0であり、少なくとも1つのnp’が、ホスホロチオエート結合を介して隣接するヌクレオチドに結合され、センス鎖は、少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、センス鎖は、二価又は三価の分枝鎖状リンカーを介して結合された1つ又は複数のGalNAc誘導体にコンジュゲートされる。
一実施形態において、RNAi剤が、式(IIIa)によって表される場合、Na修飾は、2’−O−メチル又は2’−フルオロ修飾であり、np’>0であり、少なくとも1つのnp’が、ホスホロチオエート結合を介して隣接するヌクレオチドに結合され、センス鎖は、少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、センス鎖は、二価又は三価の分枝鎖状リンカーを介して結合された1つ又は複数のGalNAc誘導体にコンジュゲートされる。
一実施形態において、RNAi剤は、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、及び(IIId)によって表される少なくとも2つの二本鎖を含む多量体であり、この二本鎖は、リンカーによって結合される。リンカーは、切断可能又は切断不可能であり得る。任意選択で、多量体は、リガンドを更に含む。二本鎖のそれぞれは、同じ遺伝子又は2つの異なる遺伝子を標的とすることができ;又は二本鎖のそれぞれは、2つの異なる標的部位において同じ遺伝子を標的とすることができる。
一実施形態において、RNAi剤は、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、及び(IIId)によって表される3つ、4つ、5つ、6つ又はそれ以上の二本鎖を含む多量体であり、この二本鎖は、リンカーによって結合される。リンカーは、切断可能又は切断不可能であり得る。任意選択で、多量体は、リガンドを更に含む。二本鎖のそれぞれは、同じ遺伝子又は2つの異なる遺伝子を標的とすることができ;又は二本鎖のそれぞれは、2つの異なる標的部位において同じ遺伝子を標的とすることができる。
一実施形態において、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、及び(IIId)によって表される2つのRNAi剤は、5’末端、及び3’末端の一方又は両方で互いに結合され、任意選択で、リガンドにコンジュゲートされる。RNAi剤のそれぞれは、同じ遺伝子又は2つの異なる遺伝子を標的とすることができ;又はRNAi剤のそれぞれは、2つの異なる標的部位において同じ遺伝子を標的とすることができる。
様々な刊行物に、本発明の方法に使用され得る多量体RNAi剤が記載されている。このような刊行物としては、国際公開第2007/091269号パンフレット、米国特許第7858769号明細書、国際公開第2010/141511号パンフレット、国際公開第2007/117686号パンフレット、国際公開第2009/014887号パンフレット及び国際公開第2011/031520号パンフレットが挙げられ、それぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
以下により詳細に説明されるとおり、RNAi剤に対する1つ又は複数の炭水化物部分のコンジュゲーションを含むRNAi剤は、RNAi剤の1つ又は複数の特性を最適化することができる。多くの場合、炭水化物部分は、RNAi剤の修飾サブユニットに結合される。例えば、dsRNA剤の1つ又は複数のリボヌクレオチドサブユニットのリボース糖は、別の部分、例えば、炭水化物リガンドが結合される非炭水化物(好ましくは環状の)担体で置換され得る。サブユニットのリボース糖がこのように置換されたリボヌクレオチドサブユニットは、本明細書において、リボース置換修飾サブユニット(RRMS)と呼ばれる。環状担体は、炭素環系であってもよく、即ち、全ての環原子が、炭素原子であり、又は複素環系、即ち、1つ又は複数の環原子が、ヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、硫黄であり得る。環状担体は、単環系であってもよく、又は2つ以上の環、例えば縮合環を含み得る。環状担体は、完全に飽和した環系であってもよく、又は1つ又は複数の二重結合を含み得る。
リガンドは、担体を介してポリヌクレオチドに結合され得る。担体は、(i)少なくとも1つの「骨格結合点」、好ましくは、2つの「骨格結合点」及び(ii)少なくとも1つの「テザー結合点(tethering attachment point)」を含む。本明細書で使用されるときの「骨格結合点」は、官能基、例えば、ヒドロキシル基、又は一般に、骨格、例えば、リン酸塩、又は修飾リン酸塩、例えば、硫黄を含有する、リボ核酸の骨格中への担体の組み込みに利用可能であり且つそれに適した結合を指す。「テザー結合点」(TAP)は、ある実施形態において、選択された部分を接続する環状担体の構成環原子、例えば、炭素原子又はヘテロ原子(骨格結合点を提供する原子と異なる)を指す。この部分は、例えば、炭水化物、例えば、単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖及び多糖であり得る。任意選択で、選択された部分は、介在するテザー(intervening tether)によって環状担体に接続される。したがって、環状担体は、多くの場合、官能基、例えば、アミノ基を含み、又は一般に、構成環への別の化学成分、例えば、リガンドの組み込み又は連結(tethering)に適した結合を提供する。
iRNA剤は、担体を介してリガンドにコンジュゲートされてもよく、この担体は、環式基又は環式基であり得;好ましくは、環式基は、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[1,3]ジオキソラン、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル(pyridazinonyl)、テトラヒドロフリル及びデカリンから選択され;好ましくは、環式基は、セリノール骨格又はジエタノールアミン骨格から選択される。
特定の具体的な実施形態において、本発明の方法において使用されるRNAi剤は、表3、4、9、10、15、16、19A、19B、19C、19D、19E、19F、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つに列挙される薬剤の群から選択される薬剤である。一実施形態において、この薬剤は、表9、10、19C、19D、20、21、23、24、26、及び27のいずれか1つに列挙される薬剤のいずれか1つである。これらの薬剤はリガンドを更に含み得る。
IV.リガンドにコンジュゲートされたiRNA
本発明のiRNAのRNAの別の修飾は、iRNAの活性、細胞分布又は細胞取り込みを向上させる1つ又は複数のリガンド、部分又はコンジュゲートをRNAに化学的に結合することを含む。このような部分としては、限定はされないが、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acid.Sci.USA,1989,86:6553−6556)、コール酸(Manoharan et al.,Biorg.Med.Chem.Let.,1994,4:1053−1060)、チオエーテル、例えば、ベリル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660:306−309;Manoharan et al.,Biorg.Med.Chem.Let.,1993,3:2765−2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20:533−538)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール又はウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J,1991,10:1111−1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259:327−330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75:49−54)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロール又はトリエチル−アンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651−3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18:3777−3783)、ポリアミン又はポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14:969−973)、又はアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651−3654)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264:229−237)、又はオクタデシルアミン又はヘキシルアミノ−カルボニルオキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277:923−937)などの脂質部分が挙げられる。
一実施形態において、リガンドは、それが組み込まれるiRNA剤の分布、標的化又は寿命を変化させる。好ましい実施形態において、リガンドは、例えば、このようなリガンドのない種と比較して、選択された標的(例えば、分子、細胞又は細胞型)、区画(例えば、細胞又は器官の区画)、身体の組織、器官又は領域に対する向上した親和性を提供する。好ましいリガンドは、二本鎖核酸における二本鎖の対合に関与しない。
リガンドは、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)、低比重リポタンパク(LDL)、又はグロブリン);炭水化物(例えば、デキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、N−アセチルガラクトサミン又はヒアルロン酸);又は脂質などの天然の物質を含み得る。リガンドはまた、合成ポリマー、例えば、合成ポリアミノ酸などの組み換え又は合成分子であり得る。ポリアミノ酸の例としては、ポリアミノ酸は、ポリリジン(PLL)、ポリL−アスパラギン酸、ポリL−グルタミン酸、スチレン−マレイン酸無水物コポリマー、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)コポリマー、ジビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2−エチルアクリル酸)、N−イソプロピルアクリルアミドポリマー、又はポリホスファジンである。ポリアミンの例としては、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、擬似ペプチド−ポリアミン、ペプチド模倣ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニン、アミジン、プロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの第四級塩、又はα−へリックスペプチドが挙げられる。
リガンドはまた、標的基、例えば、細胞又は組織標的剤、例えば、レクチン、糖タンパク質、脂質又はタンパク質、例えば、腎細胞などの特定の細胞型に結合する抗体を含み得る。標的基は、サイロトロピン、メラノトロピン、レクチン、糖タンパク質、界面活性剤タンパク質A、ムチン炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタメート、ポリアスパルテート、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、フォレート、ビタミンB12、ビタミンA、ビオチン、又はRGDペプチド、又はRGDペプチド模倣体又はアプタマーであり得る。
リガンドの他の例としては、色素、挿入剤(例えばアクリジン)、架橋剤(例えばソラレン、マイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリン、サフィリン)、多環式芳香族炭化水素(例えば、フェナジン、ジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼ又はキレート剤(例えばEDTA)、親油性分子、例えば、コレステロール、コール酸、アダマンタン酢酸、1−ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3−ビス−O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3−プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3−(オレオイル)リトコール酸、O3−(オレオイル)コレン酸(cholenic acid)、ジメトキシトリチル、又はフェノキサジン)及びペプチド複合体(例えば、アンテナペディア(antennapedia)ペプチド、Tatペプチド)、アルキル化剤、ホスフェート、アミノ、メルカプト、PEG(例えば、PEG−40K)、MPEG、[MPEG]2、ポリアミノ、アルキル、置換アルキル、放射性標識マーカー、酵素、ハプテン(例えばビオチン)、輸送/吸収促進剤(例えば、アスピリン、ビタミンE、葉酸)、合成リボヌクレアーゼ(例えば、イミダゾール、ビスイミダゾール、ヒスタミン、イミダゾールクラスター(cluster)、アクリジン−イミダゾール複合体、Eu3+テトラアザ大員環複合体)、ジニトロフェニル、HRP、又はAPが挙げられる。
リガンドは、タンパク質、例えば、糖タンパク質、又はペプチド、例えば、コリガンド(co−ligand)、又は抗体、例えば、肝細胞などの特定の細胞型に結合する抗体に対する特異親和性を有する分子であり得る。リガンドはまた、ホルモン及びホルモン受容体を含んでもよい。リガンドはまた、脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、又は多価マンノース、多価フコース又はアプタマーなどの非ペプチド種を含み得る。リガンドは、例えば、リポ多糖、38MAPキナーゼの活性化因子、又はNF−κBの活性化因子であり得る。
リガンドは、例えば、細胞の微小管、マイクロフィラメント、及び/又は中間径フィラメントを破壊することによって、例えば、細胞骨格を破壊することによって、細胞中へのiRNA剤の取り込みを向上させ得る物質、例えば、薬剤であり得る。薬剤は、例えば、タクソン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、サイトカラシン、ノコダゾール、ジャスプラキノリド、ラトランクリンA、ファロイジン、スウィンホリドA、インダノシン、又はミオセルビンであり得る。
ある実施形態において、本明細書に記載されるiRNAに結合されたリガンドは、薬物動態学的調節剤(pharmacokinetic modulator)(PK調節剤)としての役割を果たす。PK調節剤としては、親油性物質(lipophile)、胆汁酸、ステロイド、リン脂質類似体、ペプチド、タンパク質結合剤、PEG、ビタミンなどが挙げられる。例示的なPK調節剤としては、限定はされないが、コレステロール、脂肪酸、コール酸、リトコール酸、ジアルキルグリセリド、ジアシルグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、ナプロキセン、イブプロフェン、ビタミンE、ビオチンなどが挙げられる。いくつかのホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドはまた、血清タンパク質に結合することが知られており、したがって、短いオリゴヌクレオチド、例えば、骨格中に複数のホスホロチオエート結合を含む、約5塩基、10塩基、15塩基又は20塩基のオリゴヌクレオチドも、リガンド(例えばPK調節リガンド)として本発明に適している。更に、血清成分(例えば血清タンパク質)に結合するアプタマーも、本明細書に記載される実施形態においてPK調節リガンドとして使用するのに好適である。
本発明のリガンドコンジュゲートオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドへの結合分子の結合から誘導されるものなどの反応性のペンダント官能基を有するオリゴヌクレオチドの使用によって合成され得る(後述される)。この反応性オリゴヌクレオチドは、市販のリガンド、様々な保護基のいずれかを有する、合成されたリガンド、又は結合部分が結合されたリガンドと直接反応されてもよい。
本発明のコンジュゲートに使用されるオリゴヌクレオチドは、固相合成の周知の技術によって好都合に及び日常的に作製され得る。このような合成のための装置は、例えば、Applied Biosystems(Foster City,Calif.)を含むいくつかの業者によって販売されている。当該技術分野において公知のこのような合成のための任意の他の手段が、それに加えて又はその代わりに用いられてもよい。ホスホロチオエート及びアルキル化誘導体などの他のオリゴヌクレオチドを調製するための同様の技術を使用することも公知である。
本発明の配列特異的結合ヌクレオシドを有するリガンドコンジュゲートオリゴヌクレオチド及びリガンド分子において、オリゴヌクレオチド及びオリゴヌクレオシドは、標準的なヌクレオチド又はヌクレオシド前駆体、或いは結合部分を既に有するヌクレオチド又はヌクレオシドコンジュゲート前駆体、リガンド分子を既に有するリガンド−ヌクレオチド又はヌクレオシドコンジュゲート前駆体、或いは非ヌクレオシドリガンド含有ビルディングブロックを用いて、好適なDNA合成装置において組み立てられ得る。
結合部分を既に有するヌクレオチドコンジュゲート前駆体を用いる場合、配列特異的結合ヌクレオシドの合成が、典型的に、完了されてから、リガンド分子が、結合部分と反応されて、リガンドコンジュゲートオリゴヌクレオチドが形成される。ある実施形態において、本発明のオリゴヌクレオチド又は結合ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド合成に通例使用される市販の、標準的なホスホロアミダイト及び非標準的なホスホロアミダイトに加えて、リガンド−ヌクレオシドコンジュゲートから誘導されるホスホロアミダイトを用いて、自動合成装置によって合成される。
A.脂質コンジュゲート
一態様において、リガンド又はコンジュゲートは、脂質又は脂質ベースの分子である。このような脂質又は脂質ベースの分子は、好ましくは、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン(HSA)に結合する。HSA結合リガンドは、身体の標的組織、例えば、非腎臓標的組織へのコンジュゲートの分配を可能にする。例えば、標的組織は、肝臓の実質細胞を含む肝臓であり得る。HSAに結合し得る他の分子も、リガンドとして使用され得る。例えば、ナプロキセン又はアスピリンが使用され得る。脂質又は脂質ベースのリガンドは、(a)コンジュゲートの分解に対する耐性を増大し、(b)標的細胞又は細胞膜への標的化又は輸送を増大し、及び/又は(c)血清タンパク質、例えば、HSAへの結合を調整するのに使用され得る。
脂質ベースのリガンドを用いて、標的組織へのコンジュゲートの結合を阻害すること、例えば、制御することができる。例えば、より強くHSAに結合する脂質又は脂質ベースのリガンドは、腎臓に対して標的化される可能性が低く、したがって、身体から除去される可能性が低い。より弱くHSAに結合する脂質又は脂質ベースのリガンドを用いて、コンジュゲートを腎臓に対して標的化することができる。
好ましい実施形態において、脂質ベースのリガンドは、HSAに結合する。好ましくは、脂質ベースのリガンドは、コンジュゲートが好ましくは非腎臓組織に分配されるような十分な親和性でHSAに結合する。しかしながら、親和性は、HSA−リガンド結合が反転され得ないほど強力でないのが好ましい。
別の好ましい実施形態において、コンジュゲートが好ましくは腎臓に分配されるように、脂質ベースのリガンドは、HSAに弱く結合するか又は全く結合しない。腎細胞を標的とする他の部分も、脂質ベースのリガンドの代わりに又はそれに加えて使用され得る。
別の態様において、リガンドは、標的細胞、例えば、増殖細胞によって取り込まれる部分、例えば、ビタミンである。これらは、例えば、悪性又は非悪性の望ましくない細胞増殖、例えば、癌細胞を特徴とする障害を処置するのに特に有用である。例示的なビタミンは、ビタミンA、E、及びKを含む。他の例示的なビタミンは、ビタミンB、例えば、葉酸、B12、リボフラビン、ビオチン、ピリドキサール又は他のビタミン或いは肝細胞などの標的細胞によって取り込まれる栄養素を含む。HAS及び低比重リポタンパク(LDL)も含まれる。
B.細胞透過剤
別の態様において、リガンドは、細胞透過剤(cell−permeation agent)、好ましくは、らせん状細胞透過剤である。好ましくは、この剤は両親媒性である。例示的な剤は、tat又はアンテノペディア(antennopedia)などのペプチドである。この剤がペプチドである場合、それは、ペプチジル模倣体、逆転異性体、非ペプチド又は擬ペプチド結合、及びD−アミノ酸の使用を含めて修飾され得る。らせん状剤は、好ましくはα−へリックス剤であり、これは、好ましくは、親油性及び疎油性相を有する。
リガンドは、ペプチド又はペプチド模倣体であり得る。ペプチド模倣体(本明細書においてオリゴペプチド模倣体とも呼ばれる)は、天然ペプチドと類似した明確な三次元構造に折り畳まれることが可能な分子である。ペプチド及びペプチド模倣体のiRNA剤への結合は、例えば細胞認識及び吸収を強化することにより、iRNAの薬物動態分布に影響を及ぼし得る。ペプチド又はペプチド模倣体部分は、約5〜50個のアミノ酸の長さ、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50個のアミノ酸の長さであり得る。
ペプチド又はペプチド模倣体は、例えば、細胞透過性ペプチド、カチオン性ペプチド、両親媒性ペプチド、又は疎水性ペプチド(例えば、主にTyr、Trp又はPheからなる)であり得る。ペプチド部分は、デンドリマーペプチド、構造規制(constrained)ペプチド又は架橋ペプチドであり得る。別の代替例において、ペプチド部分は、疎水性膜輸送配列(MTS)を含み得る。例示的な疎水性MTS含有ペプチドは、アミノ酸配列AAVALLPAVLLALLAP(配列番号26)を有するRFGFである。疎水性MTSを含有するRFGF類似体(例えば、アミノ酸配列AALLPVLLAAP(配列番号27)も、標的部分であり得る。ペプチド部分は、細胞膜を介してペプチド、オリゴヌクレオチド、及びタンパク質を含む大型極性分子を運搬することができる「送達」ペプチドであり得る。例えば、HIV Tatタンパク質に由来する配列(GRKKRRQRRRPPQ(配列番号28)及びショウジョウバエアンテナペディア(Drosophila Antennapedia)タンパク質(RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号29)は、送達ペプチドとして機能することが可能であることが分かっている。ペプチド又はペプチド模倣体は、ファージディスプレイライブラリー、又は1ビーズ1化合物(one−bead−one−compound)(OBOC)コンビナトリアルライブラリーから特定されたペプチドなどのDNAのランダム配列によってコードされ得る(Lam et al.,Nature,354:82−84、1991)。細胞標的の目的のために組み込まれたモノマー単位を介してdsRNA剤に結合されたペプチド又はペプチド模倣体の例は、アルギニン−グリシン−アスパラギン酸(RGD)−ペプチド、又はRGD模倣体などのペプチドである。ペプチド部分は、約5つのアミノ酸から約40個のアミノ酸の長さの範囲であり得る。ペプチド部分は、安定性又は直接配座特性を高めるためなどの構造修飾を有し得る。後述される構造修飾のいずれも用いられ得る。
本発明の組成物及び方法において使用するためのRGDペプチド部分は、直鎖状又は環状であり得、特定の組織に対する標的化を促進するために、修飾、例えば、グリコシル化又はメチル化されてもよい。RGD含有ペプチド及びペプチド模倣体は、D−アミノ酸、並びに合成RGD模倣体を使用し得る。RGDに加えて、インテグリンリガンドを標的とする他の部分を使用することができる。このリガンドの好ましいコンジュゲートは、PECAM−1又はVEGFを標的とする。
「細胞透過性ペプチド」は、細胞、例えば、細菌又は真菌細胞などの微生物細胞、或いはヒト細胞などの哺乳動物細胞を透過することが可能である。微生物細胞を透過するペプチドは、例えば、α−へリックス直鎖状ペプチド(例えば、LL−37又はCeropin P1)、ジスルフィド結合含有ペプチド(例えば、α−デフェンシン、β−デフェンシン又はバクテネシン(bactenecin))、又は1つ若しくは2つの支配的アミノ酸のみを含有するペプチド(例えば、PR−39又はインドリシジン)であり得る。細胞透過性ペプチドはまた、核局在化シグナル(NLS)を含み得る。例えば、細胞透過性ペプチドは、HIV−1 gp41の融合ペプチドドメイン及びSV40大型T抗原のNLSに由来する、MPGなどの二分両親媒性ペプチドであり得る(Simeoni et al.,Nucl.Acids Res.31:2717−2724,2003)。
C.炭水化物コンジュゲート
本発明の組成物及び方法のある実施形態において、iRNAオリゴヌクレオチドは、炭水化物を更に含む。炭水化物コンジュゲートiRNAは、本明細書に記載されるように、インビボでの核酸の送達に有利であり、また組成物は、インビボでの治療的使用に好適である。本明細書で使用されるとき、「炭水化物」は、少なくとも6個の炭素原子(直鎖状、分枝鎖状又は環状であってもよい)を有し、各炭素原子に酸素、窒素又は硫黄原子が結合している1つ又は複数の単糖単位から構成されている炭水化物それ自体である化合物;又はその一部として、1つ又は複数の単糖単位から構成されている炭水化物部分を有し、単糖単位の各々が、少なくとも6個の炭素原子(直鎖状、分枝鎖状又は環状であってもよい)を有し、各炭素原子に酸素、窒素又は硫黄原子が結合している化合物のいずれかを指す。代表的な炭水化物としては、糖(単糖、二糖、三糖及び約4、5、6、7、8、又は9つの単糖単位を含むオリゴ糖)、並びにデンプン、グリコーゲン、セルロース及び多糖ゴムなどの多糖が挙げられる。特定の単糖としては、HBV以上(例えば、HBV、C6、C7、又はC8)の糖が挙げられ;二糖及び三糖としては、2つ又は3つの単糖単位(例えば、HBV、C6、C7、又はC8)を有する糖が挙げられる。
一実施形態において、本発明の組成物及び方法に使用するための炭水化物コンジュゲートは、単糖である。別の実施形態において、本発明の組成物及び方法に使用するための炭水化物コンジュゲートは、
からなる群から選択される。
一実施形態において、単糖は、
などのN−アセチルガラクトサミンである。
本明細書に記載される実施形態において使用される別の代表的な炭水化物コンジュゲートには、限定はされないが、
(式XXIII)[X又はYの一方がオリゴヌクレオチドであるとき、他方は水素である]が含まれる。
本発明の特定の実施形態において、GalNAc又はGalNAc誘導体は一価のリンカーを介して本発明のiRNA剤に結合している。一部の実施形態において、GalNAc又はGalNAc誘導体は二価のリンカーを介して本発明のiRNA剤に結合している。本発明の更に他の実施形態において、GalNAc又はGalNAc誘導体は三価のリンカーを介して本発明のiRNA剤に結合している。
一実施形態において、本発明の二本鎖RNAi剤は、iRNA剤に結合した1つのGalNAc又はGalNAc誘導体を含む。別の実施形態において、本発明の二本鎖RNAi剤は、各々が独立に複数の一価のリンカーを介して二本鎖RNAi剤の複数のヌクレオチドに結合した複数の(例えば、2、3、4、5、又は6つの)GalNAc又はGalNAc誘導体を含む。
一部の実施形態において、例えば、本発明のiRNA剤の2本の鎖が、一方の鎖の3’末端とそれぞれの他方の鎖の5’末端との間が途切れのないヌクレオチド鎖によって接続された、複数の非対合ヌクレオチドを含むヘアピンループを形成している1つのより大型の分子の一部であるとき、ヘアピンループ内の各非対合ヌクレオチドが独立に、一価のリンカーを介して結合したGalNAc又はGalNAc誘導体を含み得る。
ある実施形態において、炭水化物コンジュゲートは、限定はされないが、PK調節剤及び/又は細胞透過性ペプチドなどの上述したような1つ又は複数の更なるリガンドを更に含む。
本発明での使用に好適な更なる炭水化物コンジュゲートは、それぞれの全内容が参照により本明細書に援用される、PCT公報の国際公開第2014/179620号パンフレット及び国際公開第2014/179627号パンフレットに記載されるものを含む。
D.リンカー
ある実施形態において、本明細書に記載されるコンジュゲート又はリガンドは、切断可能又は切断不可能であり得る様々なリンカーを用いて、iRNAオリゴヌクレオチドに結合され得る。
「リンカー」又は「結合基」という用語は、化合物の2つの部分を接続し、例えば、化合物の2つの部分を共有結合する有機部分を意味する。リンカーは、典型的に、直接結合又は酸素若しくは硫黄などの原子、NR8、C(O)、C(O)NH、SO、SO2、SO2NHなどの単位、又は限定はされないが、置換若しくは非置換のアルキル、置換若しくは非置換のアルケニル、置換若しくは非置換のアルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘテロシクリルアルキニル、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール(1つ又は複数のメチレンがO、S、S(O)、SO2、N(R8)、C(O)、置換若しくは非置換のアリール、置換若しくは非置換のヘテロアリール、置換若しくは非置換の複素環式により中断又は終端され得る)などの原子の鎖を含み;ここでR8は、水素、アシル、脂肪族又は置換された脂肪族である。一実施形態において、リンカーは、約1〜24個の原子、2〜24、3〜24、4〜24、5〜24、6〜24、6〜18、7〜18、8〜18個の原子、7−17、8〜17、6〜16、7〜16、又は8〜16個の原子である。
切断可能な結合基は、細胞の外部では十分安定であるが、標的細胞内に入った後、切断されて、リンカーが一緒に保持する2つの部分を解放するものである。好ましい実施形態において、切断可能な結合基は、標的細胞内又は第一の参照条件(例えば、細胞内条件を模倣し又は表すよう選択され得る)下で、対象の血液中、又は第二の参照条件(例えば、血液又は血清に見出される条件を模倣し又は表すよう選択され得る)下の少なくとも約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍又はそれ以上、又は少なくとも約100倍速く切断される。
切断可能な結合基は、切断剤、例えば、pH、酸化還元電位又は分解性分子の存在に敏感である。一般に、切断剤は、血清又は血液中と比較して細胞内部に広く存在し、又はより高いレベル若しくは活性で見出される。このような分解剤の例としては、例えば、細胞内に存在する酸化若しくは還元酵素又は還元により酸化還元切断可能な結合基を分解できるメルカプタンなどの還元剤を含む、特定の基質用に選択され又は基質特異性を有さない酸化還元剤、;エステラーゼ;エンドソーム又は酸性環境を形成可能な薬剤、例えば、5以下のpHをもたらす薬剤;一般的な酸として作用することにより、酸切断可能な結合基を加水分解又は分解できる酵素、ペプチダーゼ(基質特異的であり得る)、及びホスファターゼが挙げられる。
ジスルフィド結合などの切断可能な結合基は、pHに敏感であり得る。ヒト血清のpHは7.4である一方、平均細胞内pHは、僅かに低く、約7.1〜7.3の範囲である。エンドソームは、5.5〜6.0の範囲内のより酸性のpHを有し、リソソームは、ほぼ5.0の、更により酸性のpHを有する。いくつかのリンカーは、好ましいpHで切断される切断可能な結合基を有することによって、細胞内部でリガンドからカチオン性脂質を放出し、又は細胞の所望の区画内へ放出するであろう。
リンカーは、特定の酵素により切断可能な、切断可能な結合基を含み得る。リンカーに組み込まれる切断可能な結合基のタイプは、標的とされる細胞に依存し得る。例えば、肝臓を標的とするリガンドは、エステル基を含むリンカーを介して、カチオン性脂質に結合され得る。肝細胞はエステラーゼに富んでいるため、このリンカーは、エステラーゼに富んでいない細胞型内と比較して、肝細胞内でより効率的に切断されるであろう。エステラーゼに富んだ他の細胞型としては、肺、腎皮質、及び精巣の細胞が挙げられる。
ペプチド結合を含むリンカーは、肝細胞及び滑膜細胞などのペプチダーゼに富んだ細胞型を標的とする際に使用することができる。
一般に、切断可能な候補結合基の適切性は、分解剤(又は分解条件)の候補結合基を切断する能力を試験することにより評価することができる。血液中、又は他の非標的組織との接触の際に、切断可能な候補結合基が切断に抵抗する能力を試験することも望ましいであろう。したがって、第一の条件と第二の条件との間の、切断に対する相対的な感受性を決定することができ、第一の条件は標的細胞内での切断を示すよう選択され、第二の条件は他の組織内又は生体液、例えば血液又は血清中での切断を示すよう選択される。この評価は、無細胞系内、細胞内、細胞培養物中、器官内若しくは組織培養物中、又は全動物内で行うことができる。無細胞又は培養物条件内で最初の評価を行い、全動物内での更なる評価によって確認することが有用であり得る。好ましい実施形態において、有用な候補化合物は、血液又は血清(又は細胞外条件を模倣するよう選択された、インビトロでの条件下)と比較して、細胞内(又は細胞内条件を模倣するよう選択された、インビトロでの条件下)で少なくとも約2、4、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は約100倍速く切断される。
i.酸化還元切断可能な結合基
一実施形態において、切断可能な結合基は、還元又は酸化後に切断される酸化還元切断可能な結合基である。還元的に切断可能な結合基の例は、ジスルフィド結合基(−S−S−)である。切断可能な候補結合基が好適な「還元的に切断可能な結合基」であるか、又は例えば特定のiRNA部分及び特定の標的化剤との使用に好適であるかを決定するために、本明細書に記載される方法に注目し得る。例えば、候補は、ジチオスレイトール(DTT)、又は当該技術分野において公知の試薬を用いた他の還元剤とのインキュベーションによって評価することができ、これは、細胞、例えば標的細胞内で観察され得る切断の速度を模倣する。候補は血液又は血清条件を模倣するよう選択された条件下でも評価され得る。その1つにおいて、候補化合物は、血液中で約10%以下切断される。他の実施形態において、有用な候補化合物は、血液中(又は、細胞外条件を模倣するように選択されたインビトロでの条件下)と比較して、細胞内(又は、細胞内条件を模倣するように選択されたインビトロでの条件下)で少なくとも約2、4、10、20、30、40、50、60、70、80、90、又は約100倍速く分解される。候補化合物の切断速度は、細胞内媒体を模倣するように選択された条件下での標準的な酵素動力学アッセイを用いて決定され、細胞外媒体を模倣するように選択された条件と比較され得る。
ii.リン酸塩ベースの切断可能な結合基
別の実施形態において、切断可能なリンカーは、リン酸塩ベースの切断可能な結合基を含む。リン酸塩ベースの切断可能な結合基は、リン酸基を分解又は加水分解する薬剤によって切断される。細胞内でリン酸基を切断する薬剤の一例は、細胞内のホスファターゼなどの酵素である。リン酸塩ベースの結合基の例は、−O−P(O)(ORk)−O−、−O−P(S)(ORk)−O−、−O−P(S)(SRk)−O−、−S−P(O)(ORk)−O−、−O−P(O)(ORk)−S−、−S−P(O)(ORk)−S−、−O−P(S)(ORk)−S−、−S−P(S)(ORk)−O−、−O−P(O)(Rk)−O−、−O−P(S)(Rk)−O−、−S−P(O)(Rk)−O−、−S−P(S)(Rk)−O−、−S−P(O)(Rk)−S−、−O−P(S)(Rk)−S−である。好ましい実施形態は、−O−P(O)(OH)−O−、−O−P(S)(OH)−O−、−O−P(S)(SH)−O−、−S−P(O)(OH)−O−、−O−P(O)(OH)−S−、−S−P(O)(OH)−S−、−O−P(S)(OH)−S−、−S−P(S)(OH)−O−、−O−P(O)(H)−O−、−O−P(S)(H)−O−、−S−P(O)(H)−O、−S−P(S)(H)−O−、−S−P(O)(H)−S−、−O−P(S)(H)−S−である。好ましい実施形態は、−O−P(O)(OH)−O−である。これらの候補は、上述した方法と類似した方法を用いて評価することができる。
iii.酸切断可能な結合基
別の実施形態において、切断可能なリンカーは、酸切断可能な結合基を含む。酸切断可能な結合基は、酸性条件下で切断される結合基である。好ましい実施形態において、酸切断可能な結合基は、約6.5以下(例えば、約6.0、5.75、5.5、5.25、5.0、又はそれ以下)のpHを有する酸性環境内で、又は一般的な酸として作用し得る酵素などの薬剤により、切断される。細胞内では、エンドソーム及びリソソームなどの特定の低pH小器官は、酸切断可能な結合基のための切断環境を提供し得る。酸切断可能な結合基の例には、限定はされないが、ヒドラゾン、エステル、及びアミノ酸のエステルが挙げられる。酸切断可能な基は、一般式−C=NN−、C(O)O、又は−OC(O)で表され得る。好ましい実施形態は、エステルの酸素に結合した炭素(アルコキシ基)が、アリール基、置換アルキル基、又はジメチルペンチル若しくはt−ブチルなどの第三級アルキル基である場合である。これらの候補は、上述した方法と類似した方法を用いて評価することができる。
iv.エステルベースの結合基
別の実施形態において、切断可能なリンカーは、エステルベースの切断可能な結合基を含む。エステルベースの切断可能な結合基は、細胞内のエステラーゼ及びアミラーゼなどの酵素により切断される。エステルベースの切断可能な結合基の例としては、限定はされないが、アルキレン、アルケニレン及びアルキニレン基のエステルが挙げられる。エステル切断可能な結合基は、一般式−C(O)O−、又は−OC(O)−で表される。これらの候補は、上述した方法と類似した方法を用いて評価することができる。
v.ペプチドベースの切断基
更に別の実施形態において、切断可能なリンカーは、ペプチドベースの切断可能な結合基を含む。ペプチドベースの切断可能な結合基は、細胞内のペプチダーゼ及びプロテアーゼなどの酵素により切断される。ペプチドベースの切断可能な基は、アミノ酸間で形成されてオリゴペプチド(例えば、ジペプチド、トリペプチドなど)及びポリペプチドを与えるペプチド結合である。ペプチドベースの切断可能な基は、アミド基(−C(O)NH−)を含まない。アミド基は、任意のアルキレン、アルケニレン又はアルキニレンの間で形成され得る。ペプチド結合は、アミノ酸間で形成されてペプチド及びタンパク質を与えるアミド結合の特別なタイプである。ペプチドベースの切断基は、一般に、アミノ酸間で形成されてペプチド及びタンパク質を与えるペプチド結合(即ち、アミド結合)に限定され、アミド官能基全部は含まない。ペプチドベースの切断可能な結合基は、一般式−NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)−で表され、式中、RA及びRBは、隣接する2つのアミノ酸のR基である。これらの候補は、上述した方法と類似した方法を用いて評価することができる。
一実施形態において、本発明のiRNAは、リンカーを介して炭水化物とコンジュゲートされる。本発明の組成物及び方法のリンカーとのiRNA炭水化物コンジュゲートの非限定的な例としては、限定はされないが、
が挙げられ、X又はYの一方がオリゴヌクレオチドである場合、他方は水素である。
本発明の組成物及び方法の特定の実施形態において、リガンドは、二価又は三価の分枝鎖状リンカーを介して結合された1つ又は複数の「GalNAc」(N−アセチルガラクトサミン)誘導体である。
一実施形態において、本発明のdsRNAは、式(XXXII)〜(XXXV):
のいずれかに示される構造の群から選択される二価又は三価の分枝鎖状リンカーにコンジュゲートされ、
式中:
q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5B及びq5Cが、出現するごとに独立して、0〜20を表し、繰返し単位は、同一又は異なっていてもよく;
P
2A、P
2B、P
3A、P
3B、P
4A、P
4B、P
5A、P
5B、P
5C、T
2A、T
2B、T
3A、T
3B、T
4A、T
4B、T
4A、T
5B、T
5Cがそれぞれ、出現するごとに独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH
2、CH
2NH又はCH
2Oであり;
Q
2A、Q
2B、Q
3A、Q
3B、Q
4A、Q
4B、Q
5A、Q
5B、Q
5Cが、出現するごとに独立して、存在しないか、アルキレン、置換アルキレンであり、ここで1つ又は複数のメチレンが、O、S、S(O)、SO
2、N(R
N)、C(R’)=C(R”)、C≡C又はC(O)のうちの1つ又は複数により中断又は終端されてもよく;
R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
5Cがそれぞれ、出現するごとに独立して、存在しないか、NH、O、S、CH
2、C(O)O、C(O)NH、NHCH(R
a)C(O)、−C(O)−CH(R
a)−NH−、CO、CH=N−O、
又はヘテロシクリルであり;
L
2A、L
2B、L
3A、L
3B、L
4A、L
4B、L
5A、L
5B及びL
5Cが、リガンドを表し;即ち、それぞれ、出現するごとに独立して、単糖(GalNAcなど)、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、又は多糖であり;R
aが、H又はアミノ酸側鎖である。三価コンジュゲートGalNAc誘導体は、RNAi剤とともに使用されて、式(XXXV):
のものなどの標的遺伝子の発現を阻害するのに特に有用であり、
式中、L
5A、L
5B及びL
5Cが、GalNAc誘導体などの単糖を表す。
GalNAc誘導体にコンジュゲートする好適な二価及び三価の分枝鎖状結合基の例としては、限定はされないが、式II、VII、XI、X、及びXIIIとして上に列挙される構造が挙げられる。
RNAコンジュゲートの調製を教示する代表的な特許としては、限定はされないが、米国特許第4,828,979号明細書;同4,948,882号明細書;同5,218,105号明細書;同5,525,465号明細書;同5,541,313号明細書;同5,545,730号明細書;同5,552,538号明細書;同5,578,717号明細書、同5,580,731号明細書;同5,591,584号明細書;同5,109,124号明細書;同5,118,802号明細書;同5,138,045号明細書;同5,414,077号明細書;同5,486,603号明細書;同5,512,439号明細書;同5,578,718号明細書;同5,608,046号明細書;同4,587,044号明細書;同4,605,735号明細書;同4,667,025号明細書;同4,762,779号明細書;同4,789,737号明細書;同4,824,941号明細書;同4,835,263号明細書;同4,876,335号明細書;同4,904,582号明細書;同4,958,013号明細書;同5,082,830号明細書;同5,112,963号明細書;同5,214,136号明細書;同5,082,830号明細書;同5,112,963号明細書;同5,214,136号明細書;同5,245,022号明細書;同5,254,469号明細書;同5,258,506号明細書;同5,262,536号明細書;同5,272,250号明細書;同5,292,873号明細書;同5,317,098号明細書;同5,371,241号明細書、同5,391,723号明細書;同5,416,203号明細書、同5,451,463号明細書;同5,510,475号明細書;同5,512,667号明細書;同5,514,785号明細書;同5,565,552号明細書;同5,567,810号明細書;同5,574,142号明細書;同5,585,481号明細書;同5,587,371号明細書;同5,595,726号明細書;同5,597,696号明細書;同5,599,923号明細書;同5,599,928号明細書及び同5,688,941号明細書;同6,294,664号明細書;同6,320,017号明細書;同6,576,752号明細書;同6,783,931号明細書;同6,900,297号明細書;同7,037,646号明細書;同8,106,022号明細書が挙げられ、これらのそれぞれの全内容が、参照により本明細書に援用される。
所与の化合物の全ての位置が均一に修飾されている必要はなく、実際には、上記の修飾のうちの2つ以上を、単一の化合物中に又は更にはiRNA内の単一のヌクレオシドに組み込むことができる。本発明は、キメラ化合物であるiRNA化合物も含む。
本発明に関連して、「キメラ」iRNA化合物又は「キメラ」は、少なくとも1つのモノマー単位、即ち、dsRNA化合物の場合はヌクレオチドからそれぞれ構成される2つ以上の化学的に異なる領域を含むiRNA化合物、好ましくは、dsRNAである。これらのiRNAは、典型的に、少なくとも1つの領域を含み、ここで、RNAは、ヌクレアーゼ分解に対する耐性の増加、細胞取り込みの増加、及び/又は標的核酸に対する結合親和性の増加をiRNAに与えるように修飾される。iRNAの更なる領域は、RNa:DNA又はRNA:RNAハイブリッドを切断することが可能な酵素のための基質としての役割を果たし得る。例として、RNアーゼHは、RNA:DNA二本鎖のRNa鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。したがって、RNアーゼHの活性化は、RNA標的の切断をもたらし、それによって、遺伝子発現のiRNA阻害の効率を大幅に高める。その結果として、キメラdsRNAが使用される場合、同じ標的領域にハイブリダイズするホスホロチオエートデオキシdsRNAと比較して、より短いiRNAによって同等の結果が得られることが多い。RNA標的の切断は、ゲル電気泳動によって、及び必要に応じて、当該技術分野において公知の関連する核酸ハイブリダイゼーション技術によって、通例検出され得る。
場合によっては、iRNAのRNAは、非リガンド基によって修飾され得る。いくつかの非リガンド分子が、iRNAの活性、細胞分布又は細胞取り込みを向上させるためにiRNAにコンジュゲートされており、このようなコンジュゲートを行うための手順は、科学文献で入手可能である。このような非リガンド部分は、コレステロール(Kubo,T.et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.,2007,365(1):54−61;Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86:6553)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4:1053)、チオエーテル、例えば、ヘキシル−S−トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660:306;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3:2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20:533)、脂肪族鎖、例えば、ドデカンジオール又はウンデシル残基(Saison−Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10:111;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259:327;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75:49)、リン脂質、例えば、ジ−ヘキサデシル−rac−グリセロール又はトリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18:3777)、ポリアミン又はポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides&Nucleotides,1995,14:969)、又はアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264:229)、又はオクタデシルアミン又はヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277:923)などの脂質部分を含んでいた。このようなRNAコンジュゲートの調製を教示する代表的な米国特許が上に列挙されている。典型的なコンジュゲートプロトコルは、配列の1つ又は複数の位置にアミノリンカーを有するRNAの合成を含む。次に、適切なカップリング剤又は活性化試薬を用いて、アミノ基をコンジュゲートされた分子と反応させる。コンジュゲート反応は、固体担体に依然として結合されたRNAを用いて、又は溶液相中のRNAの切断の後に行うことができる。HPLCによるRNAコンジュゲートの精製により、典型的に、純粋なコンジュゲートが得られる。
V.本発明のiRNAの送達
細胞、例えば、ヒト対象(例えば、接触活性化経路遺伝子発現に関連する疾病、障害、又は病態を有する対象などのiRNA剤を必要とする対象)などの対象中の細胞への本発明のiRNAの送達は、いくつかの様々な方法で行うことができる。例えば、送達は、細胞を、本発明のiRNAとインビトロ又はインビボのいずれかで接触させることによって行われ得る。インビボ送達はまた、iRNA、例えば、dsRNAを含む組成物を対象に投与することによって直接行われ得る。或いは、インビボ送達は、iRNAの発現をコードし、それを導く1つ又は複数のベクターを投与することによって、間接的に行われ得る。これらの代替例は、以下に更に説明される。
一般に、核酸分子を(インビトロ又はインビボで)送達する任意の方法は、本発明のiRNAとともに使用するために適合され得る(例えば、全体が参照により本明細書に援用される、Akhtar S.and Julian RL.,(1992)Trends Cell.Biol.2(5):139−144及び国際公開第94/02595号パンフレットを参照)。インビボ送達の場合、iRNA分子を送達するために考慮される因子としては、例えば、送達される分子の生物学的安定性、非特異的効果の防止、及び標的組織における送達される分子の蓄積が挙げられる。iRNAの非特異的効果は、局所投与によって、例えば、組織への直接注入又は移植によって、或いは製剤を局所的に投与することによって、最小限に抑えられ得る。処置部位への局所投与は、剤の局所濃度を最大にし、剤によって悪影響を受け得るか又は剤を分解し得る、全身組織への剤の曝露を制限し、投与されるiRNA分子の総投与量を少なくすることができる。いくつかの研究が、iRNAが局所投与される場合の遺伝子産物のノックダウンの成功を示している。例えば、カニクイザルの硝子体内注射によるVEGF dsRNAの眼内送達(Tolentino,MJ.et al.,(2004)Retina 24:132−138)及びマウスの網膜下注射(Reich,SJ.et al.(2003)Mol.Vis.9:210−216)は両方とも、加齢性黄斑変性症の実験モデルにおける新血管形成を防ぐことを示した。更に、マウスにおけるdsRNAの直接腫瘍内投与が腫瘍容積を減少させ(Pille,J.et al.(2005)Mol.Ther.11:267−274)、担癌マウスの生存を延長することができる(Kim,WJ.et al.,(2006)Mol.Ther.14:343−350;Li,S.et al.,(2007)Mol.Ther.15:515−523)。RNA干渉は、直接注入による中枢神経系への局所送達(Dorn,G.et al.,(2004)Nucleic Acids 32:e49;Tan,PH.et al.(2005)Gene Ther.12:59−66;Makimura,H.et al.(2002)BMC Neurosci.3:18;Shishkina,GT.,et al.(2004)Neuroscience 129:521−528;Thakker,ER.,et al.(2004)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101:17270−17275;Akaneya,Y.,et al.(2005)J.Neurophysiol.93:594−602)及び鼻腔内投与による肺への局所送達(Howard,KA.et al.,(2006)Mol.Ther.14:476−484;Zhang,X.et al.,(2004)J.Biol.Chem.279:10677−10684;Bitko,V.et al.,(2005)Nat.Med.11:50−55)による成功も示している。疾病の処置のためにiRNAを全身投与するために、RNAは、修飾され得るか、或いは薬剤送達システムを用いて送達され得;両方の方法は、インビボでのエンドヌクレアーゼ及びエキソヌクレアーゼによるdsRNAの急速な分解を防ぐ役割を果たす。RNA又は医薬担体の修飾は、標的組織へのiRNA組成物の標的化を可能にし、望ましくないオフターゲット効果を回避することもできる。iRNA分子は、細胞取り込みを向上させ、分解を防ぐコレステロールなどの親油基への化学的結合によって修飾され得る。例えば、親油性コレステロール部分にコンジュゲートされるApoBに対するiRNAを、マウスに全身投与し、肝臓及び空腸の両方においてapoB mRNAのノックダウンを得た(Soutschek,J.et al.,(2004)Nature 432:173−178)。アプタマーへのiRNAのコンジュゲートは、前立腺癌のマウスモデルにおける腫瘍増殖を阻害し、腫瘍退縮を仲介することが示されている(McNamara,JO.et al.,(2006)Nat.Biotechnol.24:1005−1015)。代替的な実施形態において、iRNAは、ナノ粒子、デンドリマー、ポリマー、リポソーム、又はカチオン性送達システムなどの薬剤送達システムを用いて送達され得る。正に帯電したカチオン性送達システムは、iRNA分子(負に帯電した)の結合を促進し、また、負に帯電した細胞膜における相互作用を向上させて、細胞によるiRNAの効率的な取り込みを可能にする。カチオン性脂質、デンドリマー、又はポリマーは、iRNAに結合され得るか、又はiRNAを包む小胞又はミセル(例えば、Kim SH.et al.,(2008)Journal of Controlled Release 129(2):107−116を参照)を形成するように誘導され得る。小胞又はミセルの形成は、全身投与される場合のiRNAの分解を更に防ぐ。カチオン性iRNA複合体を作製し、投与するための方法は、十分当業者の能力の範囲内である(例えば、全体が参照により本明細書に援用される、Sorensen、DR.,et al.(2003)J.Mol.Biol 327:761−766;Verma,UN.et al.,(2003)Clin.Cancer Res.9:1291−1300;Arnold,AS et al.,(2007)J.Hypertens.25:197−205を参照)。iRNAの全身送達に有用な薬剤送達システムのいくつかの非限定的な例としては、DOTAP(Sorensen,DR.,et al(2003)、上記参照;Verma,UN.et al.,(2003)、上記を参照)、Oligofectamine、「固体核酸脂質粒子」(Zimmermann,TS.et al.,(2006)Nature 441:111−114)、カルジオリピン(Chien,PY.et al.,(2005)Cancer Gene Ther.12:321−328;Pal,A.et al.,(2005)Int J.Oncol.26:1087−1091)、ポリエチレンイミン(Bonnet ME.et al.,(2008)Pharm.Res.Aug 16 Epub ahead of print;Aigner,A.(2006)J.Biomed.Biotechnol.71659)、Arg−Gly−Asp(RGD)ペプチド(Liu,S.(2006)Mol.Pharm.3:472−487)、及びポリアミドアミン(Tomalia,DA.et al.,(2007)Biochem.Soc.Trans.35:61−67;Yoo,H.et al.,(1999)Pharm.Res.16:1799−1804)が挙げられる。ある実施形態において、iRNAは、全身投与のためにシクロデキストリンとともに複合体を形成する。投与のための方法及びiRNAs及びシクロデキストリンの医薬組成物が、全体が参照により本明細書に援用される米国特許第7,427,605号明細書に見出され得る。
A.ベクターでコードされた本発明のiRNA
接触活性化経路遺伝子を標的とするiRNAは、DNA又はRNAベクターに挿入された転写単位から発現され得る(例えば、Couture,A,et al.,TIG.(1996),12:5−10;Skillern,A.らの国際PCT公開番号国際公開第00/22113号パンフレット、Conradの国際PCT公開番号国際公開第00/22114号パンフレット、及びConradの米国特許第6,054,299号明細書を参照)。発現は、使用される特定の構築物及び標的組織又は細胞型に応じて、一時的(およそ数時間から数週間)であるか又は持続され得る(数週間から数カ月又はそれ以上)。これらの導入遺伝子は、線状構築物、環状プラスミド、又はウイルスベクターとして導入することができ、これらは、組み込み又は非組み込みベクターであり得る。導入遺伝子は、染色体外プラスミドとして継承されるのを可能にするように構築することもできる(Gassmann,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1995)92:1292)。
iRNAの個々の1つ又は複数の鎖は、発現ベクターにおけるプロモーターから転写され得る。2本の別個の鎖が発現されて、例えば、dsRNAを生成する場合、2つの別個の発現ベクターが、(例えば、トランスフェクション又は感染によって)標的細胞中に共導入され得る。或いは、dsRNAの各個々の鎖が、同じ発現プラスミド上に位置するプロモーターによって転写され得る。一実施形態において、dsRNAは、ステム・ループ構造を有するように、リンカーポリヌクレオチド配列によって接合される逆方向反復ポリヌクレオチドとして発現される。
iRNA発現ベクターは、一般に、DNAプラスミド又はウイルスベクターである。真核細胞と適合する発現ベクター、好ましくは、脊椎動物細胞と適合する発現ベクターを用いて、本明細書に記載されるiRNAの発現のための組み換え構築物を産生することができる。真核細胞の発現ベクターは、当該技術分野において周知であり、多くの商業的供給源から入手可能である。通常、所望の核酸セグメントを挿入するのに好都合な制限部位を含むこのようなベクターが提供される。iRNA発現ベクターの送達は、例えば、静脈内又は筋肉内投与によるか、患者から移植された標的細胞に投与した後に患者に再導入することによるか、又は所望の標的細胞への導入を可能にする任意の他の手段などによる全身送達であり得る。
iRNA発現プラスミドは、カチオン性脂質担体(例えば、Oligofectamine)又は非カチオン性の脂質ベースの担体(例えば、Transit−TKO(商標))との複合体として標的細胞中にトランスフェクトされ得る。1週間以上の期間にわたる標的RNAの異なる領域を標的とするiRNAを介したノックダウンのための複数回の脂質のトランスフェクションも、本発明によって想定される。宿主細胞中へのベクターの導入の成功は、様々な公知の方法を用いて監視され得る。例えば、一過性のトランスフェクションは、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光マーカーなどのレポーターを用いて示され得る。エクスビボでの細胞の安定したトランスフェクションは、トランスフェクト細胞に、ハイグロマイシンB耐性などの、特定の環境因子(例えば、抗生物質及び薬剤)に対する耐性を与えるマーカーを用いて確実にすることができる。
本明細書に記載される方法及び組成物とともに用いられ得るウイルスベクター系としては、限定はされないが、(a)アデノウイルスベクター;(b)レンチウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルスなどを含むがこれらに限定されないレトロウイルスベクター;(c)アデノ随伴ウイルスベクター;(d)単純ヘルペスウイルスベクター;(e)SV40ベクター;(f)ポリオーマウイルスベクター;(g)パピローマウイルスベクター;(h)ピコルナウイルスベクター;(i)オルソポックス(orthopox)、例えば、ワクシニアウイルスベクター又は鳥ポックス、例えばカナリア痘又は鶏痘などのポックスウイルスベクター;及び(j)ヘルパー依存性又は弱毒アデノウイルスが挙げられる。複製欠損ウイルスも有利であり得る。異なるベクターが、細胞のゲノムに組み込まれるか又は組み込まれないであろう。構築物は、必要に応じて、トランスフェクションのためのウイルス配列を含み得る。或いは、構築物は、エピソーム複製が可能なベクター、例えばEPV及びEBVベクターに組み込まれ得る。iRNAの組み換え発現のための構築物は、一般に、標的細胞内でのiRNAの発現を確実にするために、調節要素、例えば、プロモーター、エンハンサーなどを必要とする。ベクター及び構築物について考慮される他の態様が、更に後述される。
iRNAの送達に有用なベクターは、所望の標的細胞又は組織におけるiRNAの発現に十分な調節要素(プロモーター、エンハンサーなど)を含むであろう。調節要素は、構成的発現又は調節性/誘導性発現のいずれかを提供するように選択され得る。
iRNAの発現は、例えば、特定の生理的調節因子、例えば、血中グルコースレベル、又はホルモンに対して感受性がある誘導性調節配列を使用することによって、正確に調節され得る(Docherty et al.,1994,FASEB J.8:20−24)。細胞又は哺乳動物におけるdsRNAの発現の制御に好適なこのような誘導性発現系は、例えば、エクジソン、エストロゲン、プロゲステロン、テトラサイクリン、二量化の化学誘導物質、及びイソプロピル−β−D1−チオガラクトピラノシド(IPTG)による調節を含む。当業者は、iRNA導入遺伝子の目的とする使用に基づいて、適切な調節/プロモーター配列を選択することができるであろう。
iRNAをコードする核酸配列を含むウイルスベクターが使用され得る。例えば、レトロウイルスベクターが使用され得る(Miller et al.,Meth.Enzymol.217:581−599(1993)を参照)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムの適切なパッケージング及び宿主細胞DNAへの組み込みに必要な構成要素を含有する。iRNAをコードする核酸配列は、患者への核酸の送達を促進する、1つ又は複数のベクターにクローニングされる。レトロウイルスベクターについての更なる詳細は、例えば、Boesen et al.,Biotherapy 6:291−302(1994)に見出すことができ、これには、造血幹細胞を化学療法に対してより耐性にするために、造血幹細胞にmdr1遺伝子を送達するレトロウイルスベクターの使用が記載されている。遺伝子療法におけるレトロウイルスベクターの使用を示す他の参照文献は、Clowes et al.,J.Clin.Invest.93:644−651(1994);Kiem et al.,Blood 83:1467−1473(1994);Salmons and Gunzberg,Human Gene Therapy 4:129−141(1993);及びGrossman and Wilson,Curr.Opin.in Genetics and Devel.3:110−114(1993)である。使用のために考えられるレンチウイルスベクターとしては、例えば、参照により本明細書に援用される、米国特許第6,143,520号明細書;同第5,665,557号明細書;及び同第5,981,276号明細書に記載されるHIVに基づいたベクターが挙げられる。
アデノウイルスも、本発明のiRNAの送達における使用のために考えられる。アデノウイルスは、例えば、呼吸上皮に遺伝子を送達するための特に魅力的なビヒクルである。アデノウイルスは、本来、呼吸上皮に感染し、軽度の疾病を引き起こす。アデノウイルスに基づいた送達システムの他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮細胞、及び筋肉である。アデノウイルスには、非分裂細胞に感染することが可能であるという利点がある。Kozarsky and Wilson,Current Opinion in Genetics and Development 3:499−503(1993)には、アデノウイルスに基づいた遺伝子療法の概説が示されている。Bout et al.,Human Gene Therapy 5:3−10(1994)は、アカゲザルの呼吸上皮に遺伝子を移送するアデノウイルスベクターの使用を示した。遺伝子療法におけるアデノウイルスの使用の他の例は、Rosenfeld et al.,Science 252:431−434(1991);Rosenfeld et al.,Cell 68:143−155;Mastrangeli et al.(1992),J.Clin.Invest.91:225−234(1993);PCT公報の国際公開第94/12649号パンフレット;及びWang et al.,Gene Therapy 2:775−783(1995)に見出すことができる。本発明に取り上げられるiRNAを発現するのに好適なAVベクター、組み換えAVベクターを構築するための方法、及びベクターを標的細胞中に送達するための方法が、Xia H et al.(2002),Nat.Biotech.20:1006−1010に記載されている。
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターも、本発明のiRNAを送達するのに使用され得る(Walsh et al.,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.204:289−300(1993);米国特許第5,436,146号明細書)。一実施形態において、iRNAは、例えば、U6若しくはH1 RNAプロモーター、又はサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターのいずれかを有する組み換えAAVベクターから、2つの別個の相補的な一本鎖RNA分子として発現され得る。本発明に取り上げられるdsRNAを発現するのに好適なAAVベクター、組み換えAVベクターを構築するための方法、及びベクターを標的細胞中に送達するための方法が、全開示内容が参照により本明細書に援用される、Samulski R et al.(1987),J.Virol.61:3096−3101;Fisher K J et al.(1996),J.Virol,70:520−532;Samulski R et al.(1989),J.Virol.63:3822−3826;米国特許第5,252,479号明細書;米国特許第5,139,941号明細書;国際特許出願番号国際公開第94/13788号パンフレット;及び国際特許出願番号国際公開第93/24641号パンフレットに記載されている。
本発明のiRNAの送達に好適な別のウイルスベクターは、ワクシニアウイルス、例えば、改変ウイルスアンカラ(Modified Virus Ankara)(MVA)又はNYVACなどの弱毒化ワクシニア、鶏痘又はカナリア痘などの鳥ポックスなどのポックスウイルスである。
ウイルスベクターの指向性は、エンベロープタンパク質又は他のウイルスからの他の表面抗原を用いてベクターをシュードタイピングする(pseudotype)ことによって、又は異なるウイルスカプシドタンパク質を必要に応じて置換することによって、改変され得る。例えば、レンチウイルスベクターは、水疱性口内炎ウイルス(VSV)、狂犬病、エボラ、モコラなどからの表面タンパク質を用いてシュードタイピングされ得る。AAVベクターは、異なるカプシドタンパク質血清型を発現するようにこのベクターを操作することによって、異なる細胞を標的とするように作製され得る。例えば、全開示内容が参照により本明細書に援用されるRabinowitz J E et al.(2002),J Virol 76:791−801を参照。
ベクターの医薬製剤は、許容できる希釈剤中のベクターを含むことができ、又は遺伝子送達ビヒクルが埋め込まれる徐放性マトリックスを含むことができる。或いは、組み換え細胞から、完全な遺伝子送達ベクター、例えば、レトロウイルスベクターが無傷で産生され得る場合、医薬製剤は、遺伝子送達システムを産生する1つ又は複数の細胞を含むことができる。
VI.本発明の医薬組成物
本発明はまた、本発明のiRNAを含む医薬組成物及び製剤も含む。一実施形態において、本明細書には、本明細書に記載されるとおりのiRNAと、薬学的に許容可能な担体とを含有する医薬組成物が提供される。iRNAを含有する医薬組成物は、接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、及び/又はKNG1遺伝子)の発現又は活性に関連する疾患又は障害の治療に有用である。かかる医薬組成物は、送達方法に基づき製剤化される。一例は、例えば、皮下(SC)、筋肉内(IM)、又は静脈内(IV)送達による非経口送達を介した全身投与用に製剤化される組成物である。別の例は、例えば連続ポンプ注入によるなどの脳内注入により、脳実質に直接送達するように製剤化される組成物である。本発明の医薬組成物は、接触活性化経路遺伝子の発現を阻害するのに十分な投薬量で投与されてもよい。
かかる医薬組成物は送達方法に基づき製剤化される。一例は、例えば静脈内(IV)送達による非経口送達による全身投与用、又は皮下送達用に製剤化される組成物である。別の例は、例えば連続ポンプ注入によるなどの肝内注入により、肝臓に直接送達するように製剤化される組成物である。
本発明の医薬組成物は、接触活性化経路遺伝子の発現を阻害するのに十分な投薬量で投与されてもよい。一般に、本発明のiRNAの好適な用量は、レシピエントの体重1キログラム当たり1日約0.001〜約200.0ミリグラムの範囲、概して体重1キログラム当たり1日約1〜50mgの範囲であり得る。典型的には、本発明のiRNAの好適な用量は、約0.1mg/kg〜約5.0mg/kg、好ましくは約0.3mg/kg〜約3.0mg/kgの範囲であり得る。反復投与レジメン(regimine)は、隔日又は年1回など、治療量のiRNAの定期的な投与を含み得る。特定の実施形態において、iRNAは約月1回〜約年4回(即ち約3ヵ月毎)に投与される。
初期治療レジメンの後、治療は頻度を減らして投与することができる。
当業者は、非限定的に疾病又は疾患の重篤さ、以前の処置、対象の全体的な健康及び/又は年齢、並びに存在する他の疾病を含む所定の因子が対象を効果的に処置するのに必要な投与量及び時間に影響し得ることを認識するであろう。更に、治療的有効量の組成物による対象の処置は、単一の処置又は一連の処置を含み得る。本発明により包含される個々のiRNAに関する有効な投与量、及びインビボでの半減期は、従来の方法論を用いて、又は本明細書の他の箇所に記載されるような適切な動物モデルを使用したインビボでの試験に基づいて概算することができる。
マウス遺伝学の進歩により、接触活性化経路遺伝子の発現の低下から利益を受け得る障害など、様々なヒト疾患の研究用に幾つものマウスモデルが作成されている。
本発明の医薬組成物は、局所的又は全身的処置が必要かどうか及び処置される部位に応じて、いくつかの方法で投与され得る。投与は、局所投与(例えば、経皮パッチによる)、例えば、噴霧器などによる、粉末又はエアロゾルの吸入又は吹送による経肺投与;気管内、鼻腔内、表皮及び経皮、経口又は非経口投与であり得る。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内又は筋肉内注射又は注入;例えば、埋め込みデバイスによる皮下投与;又は例えば、実質内、髄腔内若しくは脳室内投与による頭蓋内投与が挙げられる。
iRNAは、肝臓(例えば、肝臓の肝細胞)などの特定の組織を標的とするように送達され得る。
局所投与用の医薬組成物及び製剤には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、液滴、坐薬、噴霧剤、液剤及び散剤が挙げられる。従来の医薬担体、水性、粉末又は油性基剤、増粘剤などが必要であり、又は所望され得る。被覆コンドーム、手袋なども有用であり得る。好適な局所製剤は、本発明を特徴付けるiRNAが、脂質、リポソーム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド、キレート化剤及び界面活性剤などの局所送達薬剤との混合物であるものを含む。好適な脂質及びリポソームは、中性(例えば、ジオレイルホスファチジルDOPEエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルホスファチジルコリン)、陰イオン性(例えば、ジミリストイルホスファチジルグリセロールDMPG)及び陽イオン性(例えば、ジオレイルテトラメチルアミノプロピルDOTAP及びジオレイルホスファチジルエタノールアミンDOTMA)を含む。本発明を特徴付けるiRNAは、リポソーム中に封入されることができ、又はリポソームに対して、特に陽イオン性リポソームに対して錯体を形成することができる。代替的に、iRNAは、脂質に対して、特に陽イオン性脂質に対して錯体化されてもよい。好適な脂肪酸及びエステルには、非限定的にアラキドン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、又はC1〜20アルキルエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピルIPM)、モノグリセリド、又はジグリセリド;又はこれらの薬学的に許容され得る塩が挙げられる)。局所製剤は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,747,014号明細書に詳細に記載されている。
A.膜分子集合体を含むiRNA製剤
本発明の組成物及び方法に使用するためのiRNAは、膜分子集合体、例えば、リポソーム又はミセル中の送達用に製剤化され得る。本明細書で使用されるとき、「リポソーム」という用語は、少なくとも1つの二重層、例えば、1つの二重層又は複数の二重層に配置された両親媒性の脂質から構成される小胞を指す。リポソームは、親油性材料及び水性内部から形成される膜を有する単層及び多層小胞を含む。水性部分は、iRNA組成物を含有する。親油性材料は、水性外部から水性内部を分離し、通常、iRNA組成物を含まないが、場合によっては、含むことがある。リポソームは、作用部位への活性成分の移送及び送達に有用である。リポソーム膜は生体膜と構造が類似しているため、リポソームが組織に付着されると、リポソームの二重層が、細胞膜の二重層と融合する。リポソーム及び細胞の融合が進むにつれて、iRNAを含む内部の水性内容物が、細胞に送達され、ここで、iRNAは、標的RNAに特異的に結合することができ、iRNAを仲介することができる。場合によっては、リポソームはまた、例えば、iRNAを特定の細胞型に指向するように、特異的に標的化される。
iRNA剤を含有するリポソームは、様々な方法によって調製され得る。一例において、リポソームの脂質成分は、ミセルが脂質成分で形成されるように、洗剤に溶解される。例えば、脂質成分は、両親媒性のカチオン性脂質又は脂質コンジュゲートであり得る。洗剤は、高い臨界ミセル濃度を有することができ、非イオン性であり得る。例示的な洗剤としては、コール酸塩、CHAPS、オクチルグルコシド、デオキシコール酸塩、及びラウロイルサルコシンが挙げられる。次に、iRNA剤の調製物は、脂質成分を含むミセルに加えられる。脂質におけるカチオン性基は、iRNA剤と相互作用し、iRNA剤の周りで縮合して、リポソームを形成する。縮合の後、洗剤は、例えば透析によって除去されて、iRNA剤のリポソーム製剤が得られる。
必要に応じて、縮合を補助する担体化合物が、例えば、制御添加によって、縮合反応中に加えられ得る。例えば、担体化合物は、核酸以外のポリマー(例えば、スペルミン又はスペルミジン)であり得る。縮合を補助するためにpHも調整され得る。
送達ビヒクルの構成成分としてポリヌクレオチド/カチオン性脂質複合体を組み込む安定したポリヌクレオチド送達ビヒクルを生成するための方法が、例えば、全内容が参照により本明細書に援用される国際公開第96/37194号パンフレットに更に記載されている。リポソーム形成は、Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8:7413−7417,1987;米国特許第4,897,355号明細書;米国特許第5,171,678号明細書;Bangham et al.,M.Mol.Biol.23:238,1965;Olson et al.,Biochim.Biophys.Acta 557:9,1979;Szoka et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.75:4194,1978;Mayhew et al.,Biochim.Biophys.Acta 775:169,1984;Kim et al.,Biochim.Biophys.Acta 728:339,1983;及びFukunaga et al.,Endocrinol.115:757,1984に記載される例示的な方法の1つ又は複数の態様も含み得る。送達ビヒクルとして使用するのに適切なサイズの脂質集合体を調製するための一般的に使用される技術としては、超音波処理並びに凍結融解及び押し出しが挙げられる(例えば、Mayer et al.,Biochim.Biophys.Acta 858:161,1986を参照)。一貫して小さく(50〜200nm)且つ比較的均一な集合体が所望される場合、顕微溶液化(microfluidization)が使用され得る(Mayhew et al.,Biochim.Biophys.Acta 775:169,1984)。これらの方法は、iRNA剤の調製物をリポソームにパッケージングするのに容易に適合される。
リポソームは、2つの大きなクラスに分かれる。陽イオン性リポソームは、負に帯電された核酸分子と相互作用して安定な複合体を形成する正に帯電されたリポソームである。正に帯電された核酸/リポソーム複合体は負に帯電された細胞表面に結合し、エンドソーム内に移行される。エンドソーム内の酸性pHによって、リポソームが破裂され、それらの内容物を細胞質内に放出する(Wang et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,1987,147,980−985)。
pH感受性且つ負に帯電されたリポソームは、核酸と複合するのではなく、核酸を捕捉する。核酸及び脂質の両方は同様に帯電されるため、複合体形成ではなく反発が起こる。それにも係わらず、いくつかの核酸はこれらのリポソームの水性内部内に捕捉される。pH感受性リポソームは、チミジンキナーゼ遺伝子をコードする核酸を培養物中の細胞単層に送達するよう使用されている。標的細胞内で外来遺伝子の発現が検出された(Zhou et al.,Journal of Controlled Release,1992,19,269〜274)。
リポソーム組成物の主要な一タイプは、天然由来のホスファチジルコリン以外のリン脂質を含む。例えば中性リポソーム組成物は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)又はジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)から形成され得る。陰イオン性リポソーム組成物は一般に、ジミリストイルホスファチジルグリセロールから形成される一方、陰イオン性膜融合リポソームは、主としてジオレイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。他のタイプのリポソーム組成物は、例えば、大豆PC、及び卵PCなどのホスファチジルコリン(PC)から形成される。他のタイプは、リン脂質及び/又はホスファチジルコリン及び/又はコレステロールの混合物から形成される。
リポソームを細胞中にインビトロ及びインビボで導入するための他の方法の例としては、米国特許第5,283,185号明細書;米国特許第5,171,678号明細書;国際公開第94/00569号パンフレット;国際公開第93/24640号パンフレット;国際公開第91/16024号パンフレット;Felgner,J.Biol.Chem.269:2550,1994;Nabel,Proc.Natl.Acad.Sci.90:11307,1993;Nabel,Human Gene Ther.3:649,1992;Gershon,Biochem.32:7143,1993;及びStrauss,EMBO J.11:417,1992が挙げられる。
非イオン性リポソーム系、特に非イオン性界面活性剤及びコレステロールを含む系も試験されて、皮膚への薬物の送達におけるそれらの有用性が決定されている。Novasome(商標)I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)及びNovasome(商標)II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)を含む非イオン性リポソーム製剤を使用して、シクロスポリン−Aをマウス皮膚の真皮に送達した。結果はそのような非イオン性リポソーム系が皮膚の異なる層中へのシクロスポリン−Aの堆積を促進するのに有効であることを示した(Hu et al.S.T.P.Pharma.Sci.,1994,4(6)466)。
リポソームは、「立体的に安定化された」リポソームも含み、本明細書で使用されるこの用語は、1つ又は複数の特定化脂質を含むリポソームを指し、その特定化脂質は、リポソームに組み込まれた際、そのような特定化脂質を欠いたリポソームと比較して増強された循環寿命をもたらす。立体的に安定化されたリポソームの例は、リポソームのベシクル形成脂質部分の一部が、(A)モノシアロガングリオシドGM1などの1つ又は複数の糖脂質を含むもの、又は(B)ポリエチレングリコール(PEG)部分などの1つ又は複数の親水性ポリマーにより誘導体化されているものである。任意の特定の理論に束縛されるものではないが、当技術分野では、少なくともガングリオシド、スフィンゴミエリン、又はPEG−誘導体化脂質を含む立体的に安定化されたリポソームに関しては、これらの立体的に安定化されたリポソームの増強された循環半減期は、細網内皮系(RES)の細胞内への取り込みの低下に由来すると考えられている(Allen et al.,FEBS Letters,1987,223,42;Wu et al.,Cancer Research,1993,53,3765)。
1つ又は複数の糖脂質を含む様々なリポソームが、当技術分野にて既知である。Papahadjopoulos et al.(Ann.N.Y.Acad.Sci.,1987,507,64)は、リポソームの血中半減期を改善するモノシアロガングリオシドGM1、硫酸ガラクトセレブロシド及びホスファチジルイノシトールの能力を報告している。これらの発見は、Gabizon et al.により詳説されている(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1988,85,6949)。両方ともAllen et al.に付与された米国特許第4,837,028号明細書及び国際公開第88/04924号パンフレットは、(1)スフィンゴミエリン及び(2)ガングリオシドGM1又は硫酸ガラクトセレブロシドエステルを含むリポソームを開示している。米国特許第5,543,152号明細書(Webb et al.)は、スフィンゴミエリンを含むリポソームを開示している。1,2−sn−ジミリストイルホスファチジルコリンを含むリポソームは、国際公開第97/13499号パンフレット(Lim et al.)に開示されている。
一実施形態において、カチオン性リポソームが使用される。カチオン性リポソームには、細胞膜に融合することができるという利点がある。非カチオン性リポソームは、それほど効率的に細胞膜と融合することができないが、インビボでマクロファージによって取り込まれ、iRNA剤をマクロファージに送達するのに使用され得る。
リポソームの更なる利点としては以下が挙げられる:天然のリン脂質から得られるリポソームは、生体適合性があり且つ生分解性可能であり;リポソームは、広範囲の水溶性及び脂溶性薬剤を組み込むことができ;リポソームは、その内部の区画中に封入されたiRNA剤を代謝及び分解から保護することができる(Rosoff,in “Pharmaceutical Dosage Forms,”Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,volume1,p.245)。リポソーム製剤の調製における重要な考慮事項は、脂質表面電荷、小胞サイズ及びリポソームの水性容積である。
正に帯電した合成カチオン性脂質である、N−[1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)を用いて、核酸と自発的に相互作用して、組織培養細胞の細胞膜の負に帯電した脂質と融合し、iRNA剤の送達をもたらすことが可能な脂質−核酸複合体を形成する、小さいリポソームを形成することができる(例えば、Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 8:7413−7417,1987、及びDOTMA及びDNAとのその使用の説明については米国特許第4,897,355号明細書を参照)。
DOTMA類似体である、1,2−ビス(オレイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニア)プロパン(DOTAP)は、リン脂質と組み合わせて使用して、DNA複合小胞を形成することができる。Lipofectin(商標)Bethesda Research Laboratories,Gaithersburg,Md.)は、負に帯電したポリヌクレオチドと自発的に相互作用して、複合体を形成する正に帯電したDOTMAリポソームを含む生体組織培養細胞中に高度にアニオン性の核酸を送達するための効果的な薬剤である。十分に正に帯電したリポソームが使用される場合、得られる複合体の正味電荷も正である。このように調製される正に帯電した複合体は、負に帯電した細胞表面に自発的に付着し、細胞膜と融合し、機能性核酸を、例えば、組織培養細胞中に効率的に送達する。別の市販のカチオン性脂質である、1,2−ビス(オレイルオキシ)−3,3−(トリメチルアンモニア)プロパン(「DOTAP」)(Boehringer Mannheim,Indianapolis,Indiana)は、オレオイル部分がエーテル結合ではなく、エステルによって結合された点でDOTMAとは異なる。
他の報告されているカチオン性脂質化合物としては、2つのタイプの脂質のうちの1つにコンジュゲートされ、5−カルボキシスペルミルグリシンジオクタオレオイルアミド(「DOGS」)(Transfectam(商標),Promega,Madison,Wisconsin)及びジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5−カルボキシスペルミル−アミド(「DPPES」)などの化合物を含む、例えば、カルボキシスペルミンを含む様々な部分にコンジュゲートされたものが挙げられる(例えば、米国特許第5,171,678号明細書を参照)。
別のカチオン性脂質コンジュゲートは、DOPEと組み合わせてリポソームに製剤化されたコレステロール(「DC−Chol」)による脂質の誘導体化を含む(Gao,X.及びHuang,L.,Biochim.Biophys.Res.Commun.179:280,1991を参照)。ポリリジンをDOPEにコンジュゲートすることによって作製されるリポポリリジンは、血清の存在下におけるトランスフェクションに有効であると報告されている(Zhou,X.et al.,Biochim.Biophys.Acta 1065:8,1991)。特定の細胞株では、コンジュゲートされたカチオン性脂質を含有するこれらのリポソームは、DOTMA含有組成物より低い毒性を示し、より効率的なトランスフェクションを提供するとされている。他の市販のカチオン性脂質製品としては、DMRIE及びDMRIE−HP(Vical,La Jolla,California)及びLipofectamine(DOSPA)(Life Technology,Inc.,Gaithersburg,Maryland)が挙げられる。オリゴヌクレオチドの送達に好適な他のカチオン性脂質が、国際公開第98/39359号パンフレット及び国際公開第96/37194号パンフレットに記載されている。
リポソーム製剤は、局所投与に特に適しており、リポソームは、他の製剤に優るいくつかの利点を示す。このような利点としては、投与される薬剤の高い全身性吸収率に関連する副作用の減少、所望の標的における投与される薬剤の蓄積の増加、及びiRNA剤を皮膚に投与する能力が挙げられる。ある実施において、iRNA剤を表皮細胞に送達するために、また、真皮組織、例えば、皮膚へのiRNA剤の浸透を促進するために、リポソームが使用される。例えば、リポソームは、局所的に適用され得る。リポソームとして製剤化される薬剤の皮膚への局所送達が報告されている(例えば、Weiner et al.,Journal of Drug Targeting,1992,vol.2,405−410及びdu Plessis et al.,Antiviral Research,18,1992:259−265;Mannino,R.J.and Fould−Fogerite,S.,Biotechniques 6:682−690,1988;Itani,T.et al.,Gene 56:267−276,1987;Nicolau,C.et al.(1987)Meth.Enz.149:157−176,1987;Straubinger,R.M.and Papahadjopoulos,D.Meth.Enz.101:512−527,1983;Wang,C.Y.and Huang,L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7851−7855,1987を参照)。
また、非イオン性リポソーム系、特に、非イオン性界面活性剤及びコレステロールを含む系は、皮膚への薬剤の送達におけるそれらの有用性を決定するために調べられた。Novasome I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)及びNovasome II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル)を含む非イオン性リポソーム製剤が、マウス皮膚の真皮に薬剤を送達するのに使用された。iRNA剤を含むこのような製剤は、皮膚疾患を処置するのに有用である。
iRNAを含むリポソームは、高度に変形可能に作製され得る。このような変形性は、リポソームが、リポソームの平均半径より小さい孔を透過するのを可能にし得る。例えば、トランスフェルソーム(transfersome)は、変形可能なリポソームの一種である。トランスフェルソームは、表面縁活性化因子、通常、界面活性剤を、標準的なリポソーム組成物に加えることによって作製され得る。RiNA剤を含むトランスフェルソームは、皮膚のケラチノサイトにiRNA剤を送達するために、例えば、皮下感染によって送達され得る。無傷の哺乳動物皮膚を横断するために、脂質小胞は、好適な経皮勾配の影響下で、50nm未満の直径をそれぞれ有する一連の微細孔を透過しなければならない。更に、脂質特性のため、これらのトランスフェロソームは、自己最適化(例えば、毛穴の形状に適応可能)、自己修復性であり得、多くの場合、破砕せずにそれらの標的に到達し、多くの場合、自己充填性(self−loading)であり得る。
本発明に適した他の製剤が、2008年1月2日に出願された米国仮特許出願第61/018,616号明細書;2008年1月2日に出願された同第61/018,611号明細書;2008年3月26日に出願された同第61/039,748号明細書;2008年4月22日に出願された同第61/047,087号明細書及び2008年5月8日に出願された同第61/051,528号明細書に記載されている。2007年10月3日に出願されたPCT出願第PCT/US2007/080331号明細書もまた、本発明に適した製剤を記載している。
トランスファーソームは、リポソームの更なる別の一タイプであり、薬物送達ビヒクルの候補として魅力的な、高く変形可能な脂質凝集体である。トランスファーソームは、脂質小滴として記載することもでき、この脂質小滴は、高く変形可能であるため、小滴よりも小さい孔内を容易に透過することができる。トランスファーソームは、それらが使用される環境に適合可能であり、例えば自己最適性(皮膚内の孔の形状に適応する)であり、自己修復性であり、しばしば細分化することなくそれらの標的に到達し、また多くの場合、自己負荷性である。トランスファーソームを作製するためには、通常は界面活性剤である表面縁部活性化因子を標準的なリポソーム組成物に加えることが可能である。トランスファーソームは、皮膚に血清アルブミンを送達するのに使用されている。トランスファーソーム仲介による血清アルブミンの送達は、血清アルブミンを含む溶液の皮下注射と同様に効果的であることが示されている。
界面活性剤は、エマルション(マイクロエマルションを含む)及びリポソームなどの製剤に広い用途を見出している。天然及び合成の両方の多数の異なるタイプの界面活性剤を分類及び順位付けする最も一般的な方法は、親水性/親油性バランス(HLB)の使用によるものである。親水性基(「頭部」としても既知)の性質は、製剤中に使用される異なる界面活性剤を類別する最も有用な手段を提供する(Rieger,“Pharmaceutical Dosage Forms”,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,p.285)。
界面活性剤分子がイオン化されていない場合、この界面活性剤は非イオン性界面活性剤に分類される。非イオン性界面活性剤は、医薬及び美容製品に広い用途を見出し、広い範囲のpH値に亘って使用可能である。一般に、それらのHLB値は、それらの構造に応じて2〜約18の範囲である。非イオン性界面活性剤には、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、及びエトキシル化エステルなどの非イオン性エステルが挙げられる。非イオン性アルカノールアミド、及び脂肪アルコールエトキシレート、プロポキシル化アルコール、及びエトキシル化/プロポキシル化ブロックポリマーなどのエーテルも、このクラスに含まれる。ポリオキシエチレン界面活性剤は、非イオン性界面活性剤クラスの最も人気のあるメンバーである。
界面活性剤分子が水中に溶解又は分散した際に負電荷を保有する場合、この界面活性剤は陰イオン性に分類される。陰イオン性界面活性剤には、せっけんなどのカルボキシレート、アシルラクチレート、アミノ酸のアシルアミド、アルキルスルフェート及びエトキシル化アルキルスルフェートなどの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホネートなどのスルホネート、アシルイセチオネート、アシルタウレート及びスルホスクシネート、並びにホスフェートが挙げられる。陰イオン性界面活性剤クラスの最も重要なメンバーは、アルキルスルフェート及びせっけんである。
界面活性剤分子が水中に溶解又は分散した際に正電荷を保有する場合、この界面活性剤は陽イオン性に分類される。陽イオン性界面活性剤には、第四級アンモニウム塩及びエトキシル化アミンが挙げられる。第四級アンモニウム塩は、最も使用されているこのクラスのメンバーである。
界面活性剤分子が正又は負電荷のいずれかを保有する能力を有する場合、この界面活性剤は両性に分類される。両性界面活性剤には、アクリル酸誘導体、置換アルキルアミド、N−アルキルベタイン及びホスファチドが挙げられる。
薬物製品、製剤及びエマルション中での界面活性剤の使用は、概説されている(Rieger,“Pharmaceutical Dosage Forms”,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,p.285)。
本発明の方法に使用するためのiRNAはまた、ミセル製剤として提供され得る。「ミセル」は、分子の全ての疎水性部分が内側を向いて、親水性部分を周囲の水相と接触したままにするように、両親媒性分子が球体構造で配置される、特定のタイプの分子集合体として本明細書において定義される。環境が疎水性である場合、逆の配置が存在する。
経皮膜を介した送達に好適な混合ミセル製剤は、siRNA組成物の水溶液、アルカリ金属C8〜C22アルキル硫酸塩、及びミセル形成化合物を混合することによって調製され得る。例示的なミセル形成化合物としては、レシチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の薬学的に許容され得る塩、グリコール酸、乳酸、カモミール抽出物、キュウリ抽出物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノオレイン、モノオレエート、モノラウレート、ルリヂサ油、月見草油、メントール、トリヒドロキシオキソコラニルグリシン及びその薬学的に許容され得る塩、グリセリン、ポリグリセリン、リジン、ポリリジン、トリオレイン、ポリオキシエチレンエーテル及びその類似体、ポリドカノールアルキルエーテル及びその類似体、ケノデオキシコール酸塩、デオキシコール酸塩、及びそれらの混合物が挙げられる。ミセル形成化合物は、アルカリ金属アルキル硫酸塩の添加と同時に又はその後に加えられてもよい。混合ミセルは、成分の実質的に任意の種類の混合で形成されるが、より小さいサイズのミセルを提供するためには激しい混合で形成される。
一方法において、siRNA組成物及び少なくともアルカリ金属アルキル硫酸塩を含有する第1のミセル組成物が調製される。次に、第1のミセル組成物は、少なくとも3つのミセル形成化合物と混合されて、混合ミセル組成物が形成される。別の方法において、ミセル組成物は、siRNA組成物、アルカリ金属アルキル硫酸塩及びミセル形成化合物の少なくとも1つを混合し、続いて、激しく混合しながら残りのミセル形成化合物を加えることによって調製される。
フェノール及び/又はm−クレゾールが、混合ミセル組成物に加えられて、製剤を安定化し、細菌増殖から保護してもよい。或いは、フェノール及び/又はm−クレゾールは、ミセル形成成分とともに加えられてもよい。グリセリンなどの等張剤も、混合ミセル組成物の形成後に加えられてもよい。
スプレーとしてのミセル製剤の送達では、製剤は、エアロゾルディスペンサーに入れることができ、ディスペンサーに噴射剤が充填される。圧力下にある噴射剤は、ディスペンサー中で液体形態である。成分の比率は、水相及び噴射剤相が1つになるように、即ち、1つの相が存在するように調整される。2つの相が存在する場合、例えば、定量弁によって、内容物の一部を投薬する前にディスペンサーを振とうする必要がある。医薬品の投薬用量は、微細なスプレー状で定量弁から噴射される。
噴射剤は、水素含有クロロフルオロカーボン、水素含有フルオロカーボン、ジメチルエーテル及びジエチルエーテルを含み得る。特定の実施形態において、HFA 134a(1,1,1,2テトラフルオロエタン)が使用されてもよい。
必須成分の特定の濃度は、比較的単純な実験によって決定され得る。口腔を介した吸収では、注射又は胃腸管を介した投与のための投与量の、例えば、少なくとも2倍又は3倍に増加させることが望ましいことが多い。
B.脂質粒子
本発明のiRNA、即ちdsRNAは、脂質製剤中、例えばLNP中に完全に封入されてもよく、又は他の核酸−脂質粒子を形成してもよい。
本明細書で使用される用語「LNP」は、安定な核酸−脂質粒子を指す。LNPは、典型的には、陽イオン性脂質、非陽イオン性脂質、及び粒子の凝集を防止する脂質(例えば、PEG−脂質コンジュゲート)を含む。LNPは、静脈内(i.v.)注射後に延長された循環寿命を有し、且つ遠位部位(例えば、投与部位から物理的に分離された部位)に蓄積するため、全身適用に極めて有用である。LNPは「pSPLP」を含み、pSPLPは、PCT公開第国際公開第00/03683号パンフレットに示されているように、封入された縮合剤−核酸複合体を含む。本発明の粒子は、典型的には、約50nm〜約150nm、より典型的には約60nm〜約130nm、より典型的には約70nm〜約110nm、最も典型的には約70nm〜約90nmの平均粒径を有し、且つ実質的に無毒である。加えて、核酸は、本発明の核酸−脂質粒子中に存在する場合、水性溶液中で、ヌクレアーゼによる分解に耐性である。核酸−脂質粒子、及びそれらの調製方法は、例えば米国特許第5,976,567号明細書;米国特許第5,981,501号明細書;米国特許第6,534,484号明細書;米国特許第6,586,410号明細書;米国特許第6,815,432号明細書;米国特許出願公開第2010/0324120号明細書及びPCT公開国際公開第96/40964号パンフレットに開示されている。
一実施形態において、脂質対薬物の比(質量/質量比)(例えば、脂質対dsRNAの比)は、約1:1〜約50:1、約1:1〜約25:1、約3:1〜約15:1、約4:1〜約10:1、約5:1〜約9:1、又は約6:1〜約9:1の範囲内であろう。上記の範囲の中間の範囲も、本発明の一部であるものと考えられる。
陽イオン性脂質は、例えば、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(I−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(I−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、N,N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2−ジリノレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、1,2−ジリノレイルカルバモイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−C−DAP)、1,2−ジリノレイ(Dilinoley)オキシ−3−(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(Dlin−DAC)、1,2−ジリノレイ(Dilinoley)オキシ−3−モルホリノプロパン(DLin−MA)、1,2−ジリノレオイル−3−ジメチルアミノプロパン(DLinDaP)、1,2−ジリノレイルチオ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−S−DMA)、1−リノレオイル−2−リノレイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−2−DMAP)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパンクロリド塩(DLin−TMA.Cl)、1,2−ジリノレオイル−3−トリメチルアミノプロパンクロリド塩(DLin−TAP.Cl)、1,2−ジリノレイルオキシ−3−(N−メチルピペラジノ)プロパン(DLin−MPz)、又は3−(N,N−ジリノレイルアミノ)−1,2−プロパンジオール(DLinAP)、3−(N,N−ジオレイルアミノ)−1,2−プロパンジオ(DOAP)、1,2−ジリノレイルオキソ−3−(2−N,N−ジメチルアミノ)エトキシプロパン(DLin−EG−DMA)、1,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル−[1,3]−ジオキソラン(DLin−K−DMA)又はその類似体、(3aR,5s,6aS)−N,N−ジメチル−2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニル)テトラヒドロ−3aH−シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール−5−アミン(ALN100)、(6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,31−テトラエン−19−イル4−(ジメチルアミノ)ブタノエート(MC3)、1,1’−(2−(4−(2−((2−(ビス(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)エチルアザネジイル)ジドデカン−2−オール(Tech G1)、又はこれらの混合物であってもよい。陽イオン性脂質は、粒子中に存在する全脂質の約20mol%〜約50mol%、又は約40mol%からなり得る。
別の実施形態において、化合物2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソランが、脂質−siRNAナノ粒子を調製するのに使用され得る。2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソランの合成は、参照により本明細書に援用される、2008年10月23日に出願された米国仮特許出願第61/107,998号明細書に記載されている。
一実施形態において、脂質−siRNA粒子は、40%の2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノエチル−[1,3]−ジオキソラン:10%のDSPC:40%のコレステロール:10%のPEG−C−DOMG(モルパーセント)を含み、63.0±20nmの粒度及び0.027siRNA/脂質比を有する。
イオン性/非陽イオン性脂質は、非限定的にジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジオレイル−ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレイル−ホスファチジルエタノールアミン4−(N−マレイミドメチル)−シクロヘキサン−1−カルボキシレート(DOPE−mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイル−ホスファチジル−エタノールアミン(DSPE)、16−O−モノメチルPE、16−O−ジメチルPE、18−1−トランスPE、1−ステアロイル−2−オレオイル−ホスファチジ(phosphatidy)エタノールアミン(SOPE)、コレステロール、又はこれらの混合物を含む陰イオン性脂質又は中性脂質とすることができる。非陽イオン性脂質は、コレステロールが含まれる場合、粒子中に存在する全脂質の約5mol%〜約90mol%、約10mol%、又は約58mol%であってもよい。
粒子の凝集を阻害するコンジュゲート脂質は、例えば、非限定的にPEG−ジアシルグリセロール(DAG)、PEG−ジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEG−リン脂質、PEG−セラミド(Cer)、又はそれらの混合物を含むポリエチレングリコール(PEG)−脂質とすることができる。PEG−DAAコンジュゲートは、例えば、PEG−ジラウリルオキシプロピル(Ci2)、PEG−ジミリスチルオキシプロピル(Ci4)、PEG−ジパルミチルオキシプロピル(Ci6)、又はPEG−ジステアリルオキシプロピル(C]8)とすることができる。粒子の凝集を防止するコンジュゲート脂質は、粒子中に存在する全脂質の0mol%〜約20mol%、又は2mol%とすることができる。
いくつかの実施形態において、核酸−脂質粒子は更に、粒子中に存在する全脂質の例えば約10mol%〜約60mol%又は約48mol%のコレステロールを含む。
一実施形態において、リピドイド(lipidoid)ND98・4HCl(MW 1487)(参照により本明細書に援用される、2008年3月26日に出願された米国特許出願第12/056,230号明細書を参照)、コレステロール(Sigma−Aldrich)、及びPEG−Ceramide C16(Avanti Polar Lipids)が、脂質−dsRNAナノ粒子(即ち、LNP01粒子)を調製するのに使用され得る。エタノール中のそれぞれの原液が、以下のとおりに調製され得る:ND98、133mg/ml;コレステロール、25mg/ml、PEG−Ceramide C16、100mg/ml。次に、ND98、コレステロール、及びPEG−Ceramide C16原液は、例えば、42:48:10のモル比で組み合わせられ得る。組み合わされた脂質溶液は、最終的なエタノール濃度が約35〜45%であり、最終的な酢酸ナトリウム濃度が約100〜300mMであるようにdsRNA水溶液(例えば酢酸ナトリウム(pH5)中)と混合され得る。脂質−dsRNAナノ粒子は、通常、混合時に自然に形成される。所望の粒度分布に応じて、得られるナノ粒子混合物が、例えば、Lipex Extruder(Northern Lipids,Inc)などのサーモバレル押出機(thermobarrel extruder)を用いて、ポリカーボネート膜(例えば、100nmのカットオフ)を通して押し出され得る。場合によっては、押し出し工程は省略され得る。エタノール除去及び同時の緩衝液交換は、例えば、透析又は接線流ろ過によって達成され得る。緩衝液は、例えば、約pH7、例えば、約pH6.9、約pH7.0、約pH7.1、約pH7.2、約pH7.3、又は約pH7.4のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)と交換され得る。
LNP01製剤が、例えば、参照により本明細書に援用される国際出願公開番号国際公開第2008/042973号パンフレットに記載されている。
更なる例示的な脂質−dsRNA製剤が、表1に記載される。
DSPC:ジステアロイルホスファチジルコリン
DPPC:ジパルミトイルホスファチジルコリン
PEG−DMG:PEG−ジジミリストイル(didimyristoyl)グリセロール(C14−PEG、又はPEG−C14)(2000の平均分子量を有するPEG)
PEG−DSG:PEG−ジスチリルグリセロール(C18−PEG、又はPEG−C18)(2000の平均分子量を有するPEG)
PEG−cDMA:PEG−カルバモイル−1,2−ジミリスチルオキシプロピルアミン(2000の平均分子量を有するPEG)
SNALP(l,2−ジリノレニルオキシ−N,N−ジメチルアミンプロパン(DLinDMA))を含む製剤が、参照により本明細書に援用される、2009年4月15日に出願された国際公開第2009/127060号パンフレットに記載されている。
XTCを含む製剤は、例えば、2009年1月29日に出願された米国仮特許出願第61/148,366号明細書;2009年3月2日に出願された米国仮特許出願第61/156,851号明細書;2009年6月10日に出願された米国仮特許出願;2009年7月24日に出願された米国仮特許出願第61/228,373号明細書;2009年9月3日に出願された米国仮特許出願第61/239,686号明細書、及び2010年1月29日に出願された国際出願第PCT/US2010/022614号明細書(これらは本明細書によって参照により援用される)に記載されている。
MC3を含む製剤は、例えば、2010年6月10日に出願された米国特許出願公開第2010/0324120号明細書(この内容は全て、本明細書によって参照により援用される)に記載されている。
ALNY−100を含む製剤は、例えば、2009年11月10日に出願された国際特許出願第PCT/US09/63933号明細書(本明細書によって参照により援用される)に記載されている。
C12−200を含む製剤は、2009年5月5日に出願された米国仮特許出願第61/175,770号明細書及び2010年5月5日に出願された国際出願第PCT/US10/33777号明細書(これらは本明細書によって参照により援用される)に記載されている。
経口投与用の組成物及び製剤には、散剤又は顆粒、微粒子、ナノ粒子、縣濁剤、又は水若しくは非水性媒体中の液剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、薬袋、錠剤又は小型錠剤が挙げられる。増粘剤、風味剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤又は結合剤は、所望され得る。いくつかの実施形態では、経口製剤は、本発明を特徴付けるdsRNAが、1種又は複数種の透過促進剤界面活性剤及びキレート剤とともに投与されるものである。好適な界面活性剤には、脂肪酸及び/若しくはエステル又はその塩、胆汁酸及び/又はその塩が挙げられる。好適な胆汁酸/塩には、ケノデオキシコール酸(CDCA)及びウルソデオキシケノデオキシコール酸(UDCA)、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、グルコール酸、グリコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、タウロ−24,25−ジヒドロ−フシジン酸ナトリウム及びグリコジヒドロフシジン酸ナトリウムが挙げられる。好適な脂肪酸には、アラキドン酸、ウンデカン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、若しくはモノグリセリド、ジグリセリド、又はこれらの薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム)が挙げられる。いくつかの実施形態において、浸透促進剤の組み合わせ、例えば胆汁酸/塩と組み合わせた脂肪酸/塩が使用される。例示的な1つの組み合わせは、ラウリン酸、カプリン酸及びUDCAのナトリウム塩である。更なる浸透促進剤には、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−20−セチルエーテルが挙げられる。本発明を特徴付けるDsRNAは、噴霧乾燥粒子、又はマイクロ若しくはナノ粒子を形成するために錯体化されたものを含む顆粒形態で経口的に送達され得る。dsRNA錯体化剤には、ポリ−アミノ酸;ポリイミン;ポリアクリレート;ポリアルキルアクリレート、ポリオキセタン、ポリアルキルシアノアクリレート;陽イオン化ゼラチン、アルブミン、澱粉、アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)及び澱粉;ポリアルキルシアノアクリレート;DEAE−誘導体化ポリイミン、プルラン、セルロース及び澱粉が挙げられる。好適な錯体化剤には、キトサン、N−トリメチルキトサン、ポリ−L−リシン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノメチルエチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン(例えば、p−アミノ)、ポリ(メチルシアノアクリレート)、ポリ(エチルシアノアクリレート)、ポリ(ブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(イソヘキシルシアノ(cynao)アクリレート)、DEAE−メタクリレート、DEAE−ヘキシルアクリレート、DEAE−アクリルアミド、DEAE−アルブミン及びDEAE−デキストラン、ポリメチルアクリレート、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(DL−乳酸−コ−グリコール酸(PLGA)、アルギン酸塩、及びポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。dsRNA用の経口製剤、及びそれらの製剤は、その各々が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,887,906号明細書、米国特許出願公開第20030027780号明細書及び米国特許第6,747,014号明細書に記載されている。
非経口、実質内(脳内へ)、くも膜下腔内、脳室内又は肝内投与用の組成物及び製剤には、無菌水性溶液を挙げることができ、その無菌水性溶液は、緩衝液、希釈剤、並びに非限定的に浸透促進剤、担体化合物、及び他の薬学的に許容され得る担体又は賦形剤などの他の好適な添加剤も含み得る。
本発明の医薬組成物は、非限定的に、液剤、乳剤、及びリポソーム含有製剤を含む。これらの組成物は、非限定的に予め形成された液剤、自己乳化型固体及び自己乳化型半固体を含む多様な構成成分から生成され得る。肝癌腫などの肝疾患を処置する際、肝臓を標的とする製剤が特に好ましい。
単位剤形にて都合よく存在し得る本発明の医薬製剤は、医薬産業にて周知の従来の技術に従って調製することができる。そのような技術は、活性成分を医薬担体又は賦形剤と関連させるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を液体担体又は微粉化固体担体又は両方と均一且つ親密に関連させた後、必要であれば、製品を成形することにより調製される。
本発明の組成物は、非限定的に錠剤、カプセル剤、ゲルカプセル剤、液体シロップ剤、ソフトゲル剤、坐薬、及び浣腸などの多数の可能な剤形のいずれかに処方され得る。本発明の組成物はまた、水性、非水性又は混合媒体中の懸濁液として処方され得る。水性縣濁液は、更に、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール及び/又はデキストランを含む、縣濁液の粘度を増大させる物質を含んでもよい。縣濁液はまた、安定剤を含み得る。
C.更なる製剤
i.エマルション
本発明の組成物は、エマルションとして、調製され、製剤化され得る。エマルションは、典型的に、1つの液体が、通常、直径が0.1μmを超える液滴の形態の別の液体中に分散された不均一系である(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199;Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Volume 1,p.245;Block in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 2,p.335;Higuchi et al.,in Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1985,p.301を参照)。エマルションは、多くの場合、互いに親密に混合され及び分散された2つの非混和性液体相を含む二層系である。一般に、エマルションは、油中水(w/o)又は水中油(o/w)の種類のいずれかであり得る。水性相が微小液滴として塊の油相中に微細に分割され及び分散された場合、得られた組成物は、油中水(w/o)エマルションと呼ばれる。代替的に、油相が微小液滴として塊の水性相中に微細に分割され及び分散された場合、得られた組成物は、水中油(o/w)エマルションと呼ばれる。エマルションは、分散相及び活性薬物に加えて追加の構成成分を含むことができ、その構成成分は、水性相、油相中の溶液として、又はそれ自体が別個の相として存在し得る。必要に応じてエマルション中に乳化剤、安定剤、染料、及び抗酸化剤などの医薬賦形剤も存在し得る。医薬エマルションは、例えば、油中水中油(o/w/o)及び水中油中水(w/o/w)エマルションの場合など、3つ以上の相からなる多エマルションであり得る。そのような複合製剤は、多くの場合、単純な二成分エマルションが提供しない所定の利点を提供する。o/wエマルションの個々の油小滴が小さい水小滴を囲い込む多エマルションは、w/o/wエマルションを構成する。同様に、油の連続相中で安定化された水の小球中に囲い込まれた油小滴の系は、o/w/oエマルションを提供する。
エマルションは、熱力学的安定性を殆ど又は全く有さないことにより特徴付けられる。多くの場合、エマルションの分散又は不連続相は、外部又は連続相中に良好に分散され、乳化剤の手段、又は製剤の粘度を介してこの形態に維持される。エマルションの相のいずれかは、エマルション型軟膏ベース及びクリームの場合のように半固体又は固体であり得る。エマルションを安定化させる他の手段には、エマルションのいずれかの相に組み込まれ得る乳化剤の使用が含まれる。乳化剤は、合成界面活性剤、天然乳化剤、吸収基剤、及び微細に分散した固体の4つのカテゴリーに大きく分類され得る(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199を参照)。
表面活性剤としても知られている合成界面活性剤は、エマルションの製剤化に広範な適用性が見出されており、文献に概説されている(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rieger,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.285;Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,volume 1,p.199を参照)。界面活性剤は、通常、両親媒性であり、親水性部分及び疎水性部分を含む。界面活性剤の疎水性に対する親水性の比率は、親水性/親油性バランス(HLB)と称されており、製剤の調製の際の界面活性剤の分類及び選択の際の貴重な手段である。界面活性剤は、親水性基の性質に基づいて、異なる種類、即ち、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び両性に分類され得る(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY Rieger,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.285を参照)。
エマルション製剤中に使用される、天然に存在する乳化剤には、ラノリン、蜜蝋、ホスファチド、レシチン及びアカシアが挙げられる。吸収ベースは、無水ラノリン及び親水性ワセリンのように、水を取り入れてw/oエマルションを形成するが、尚それらの半固体稠度を維持する親水性特性を所有する。微粉化固体は、特に界面活性剤の組み合わせ中、及び粘稠な製剤中で、良好な乳化剤として使用されている。これらには、重金属水酸化物などの極性無機固体、ベントナイト、アタパルジャイト、ヘクトライト、カオリン、モンモリロナイト、コロイド状ケイ酸アルミニウム及びコロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの非膨潤粘土、顔料、及び炭素などの非極性固体又はトリステアリン酸グリセリルが挙げられる。
非常に多様な非乳化材料もエマルション製剤中に含まれ、エマルションの特性に寄与する。それらには、脂肪、油、蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪エステル、湿潤剤、親水性コロイド、保存剤及び抗酸化剤が挙げられる(Block,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.335;Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199)。
親水性コロイド又は親水コロイドには、多糖(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グァーガム、カラヤガム、及びトラガカント)などの天然に存在するゴム及び合成ポリマー、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース及びカルボキシプロピルセルロース)、及び合成ポリマー(例えば、カルボマー、セルロースエーテル、及びカルボキシビニルポリマー)が挙げられる。これらは水中に分散し又は水中で膨潤して、分散相の小滴の周囲に強力な界面フィルムを形成することにより、また、外部相の粘度を増大させることにより、エマルションを安定化するコロイド溶液を形成する。
エマルションは、多くの場合、微生物の増殖を容易に支持し得る炭水化物、タンパク質、ステロール及びホスファチドなどの多数の成分を含むため、これらの製剤は、多くの場合、保存剤を組み込んでいる。製剤に含まれる、通常使用される保存剤には、メチルパラベン、プロピルパラベン、第四級アンモニウム塩、塩化ベンズアルコニウム、p−ヒドロキシ安息香酸のエステル、及びホウ酸が挙げられる。抗酸化剤も、通常、エマルション製剤に加えられて、製剤の変質を防止する。使用される抗酸化剤は、トコフェロール、没食子酸アルキル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどの遊離基スカベンジャー、又はアスコルビン酸及びメタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤、並びにクエン酸、酒石酸及びレシチンなどの抗酸化剤共力剤であり得る。
皮膚、経口及び非経口経路を介したエマルション製剤の適用並びにそれらの製造方法は、文献に概説されている(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199を参照)。経口送達用のエマルション製剤は、製剤化の容易さ、並びに吸収及び生物学的利用能の観点からの有効性のため、非常に広範に使用されている(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245;Idson,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199を参照)。鉱油基剤の緩下剤、油溶性ビタミン及び高脂肪栄養製剤が、o/w型エマルションとして一般的に経口投与されている材料に含まれる。
ii.マイクロエマルション
本発明の一実施形態において、iRNA及び核酸の組成物は、マイクロエマルションとして製剤化される。マイクロエマルションは、単一の光学的に等方性で且つ熱力学的に安定した液体溶液である、水、油及び両親媒性物質の系として定義され得る(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245を参照)。典型的には、マイクロエマルションは、最初に油を水性界面活性剤溶液中に分散した後、十分な量の第四の構成成分、一般に中間の鎖長のアルコールを加えて透明系を形成することにより調製される。従って、マイクロエマルションは、表面活性分子の界面フィルムにより安定化されている2つの非混和性液体からなる熱力学的に安定な、等方的に透明な分散物として記載されている(Leung and Shah,in:Controlled Release of Drugs:Polymers and Aggregate Systems,Rosoff,M.,Ed.,1989,VCH Publishers,New York,pp.185−215)。マイクロエマルションは通常、油、水、界面活性剤、補助界面活性剤及び電解質を含む3〜5つの構成成分の組み合わせを用いて調製される。マイクロエマルションが油中水(w/o)タイプ又は水中油(o/w)タイプのいずれのものであるかは、使用される油及び界面活性剤の特性と、界面活性剤分子の極性頭部及び炭化水素尾部の構造及び幾何学的充填(geometric packing)とに依存する(Schott,in Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1985,p.271)。
状態図を用いる現象論的手法が広範に研究されており、マイクロエマルションを製剤化する方法についての広範な知識を当業者に与えている(例えば、Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams&Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rosoff,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245;Block,in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.335を参照)。従来のエマルションと比較して、マイクロエマルションは、自発的に形成する熱力学的に安定な小滴の製剤中で水不溶性薬物を可溶化する利点を提供する。
マイクロエマルションの調製に使用される界面活性剤には、単独で又は補助界面活性剤との組み合わせで、非限定的に、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、Brij 96、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、モノラウリン酸テトラグリセロール(ML310)、モノオレイン酸テトラグリセロール(MO310)、モノオレイン酸ヘキサグリセロール(PO310)、ペンタオレイン酸ヘキサグリセロール(PO500)、モノカプリン酸デカグリセロール(MCA750)、モノオレイン酸デカグリセロール(MO750)、セスキオレイン酸(sequioleate)デカグリセロール(SO750)、デカオレイン酸デカグリセロール(DAO750)が挙げられる。通常、エタノール、1−プロパノール、及び1−ブタノールなどの短鎖アルコールである補助界面活性剤は、界面活性剤フィルム中に浸透し、その結果、界面活性剤分子間に生成された空隙空間によって不規則フィルムを形成することにより、界面流動性を増大させる役割を果たす。しかしながら、マイクロエマルションは、補助界面活性剤を使用することなく調製されることができ、アルコールフリー自己乳化型マイクロエマルション系は、当技術分野にて既知である。水性相は、典型的には、非限定的に水、薬物の水性溶液、グリセロール、PEG300、PEG400、ポリグリセロール、プロピレングリコール、及びエチレングリコールの誘導体とすることができる。油相は、非限定的にCaptex 300、Captex 355、Capmul MCM、脂肪酸エステル、中鎖(C8〜C12)モノ、ジ、及びトリ−グリセリド、ポリオキシエチル化グリセリル脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ポリグリコール化グリセリド、飽和ポリグリコール化C8〜C10グリセリド、植物油及びシリコーン油などの材料を含むことができる。
マイクロエマルションは、薬物可溶化及び薬物吸収向上の観点から特に興味深い。脂質ベースのマイクロエマルション(o/w及びw/oの両方)は、ペプチドを含む薬物の経口バイオアベイラビリティの向上に提案されている(例えば米国特許第6,191,105号明細書、米国特許第7,063,860号明細書、米国特許第7,070,802号明細書、米国特許第7,157,099号明細書、Constantinides et al.,Pharmaceutical Research,1994,11,1385−1390;Ritschel,Meth.Find.Exp.Clin.Pharmacol.,1993,13,205を参照されたい)。マイクロエマルションは、薬物可溶化の改善、酵素加水分解からの薬物の保護、界面活性剤誘導による膜流動性及び透過性の変更に起因する薬物吸収の可能な向上、調製の容易さ、固体剤形を超える経口投与の容易さ、臨床的効能の改善、及び毒性の低下の利点を提供する(例えば米国特許第6,191,105号明細書、米国特許第7,063,860号明細書、米国特許第7,070,802号明細書、米国特許第7,157,099号明細書、Constantinides et al.,Pharmaceutical Research,1994,11,1385;Ho et al.,J.Pharm.Sci.,1996,85,138−143を参照されたい)。多くの場合、マイクロエマルションは、マイクロエマルションの構成成分が周囲温度で一緒にされた際に自発的に形成され得る。このことは、易熱性薬物、ペプチド又はiRNAを処方する際に特に有利であり得る。マイクロエマルションはまた美容及び医薬用途の両方において活性構成成分の経費送達に有効である。本発明のマイクロエマルション組成物及び製剤が胃腸管からのiRNA及び核酸の全身吸収の増大、並びにiRNA及び核酸の局部細胞取り込みの改善を促進することが期待される。
本発明のマイクロエマルションはまた、モノステアリン酸ソルビタン(Grill 3)、ラブラソール(Labrasol)、及び透過促進剤などの追加の構成成分及び添加剤を含んで、製剤の特性を改善し、且つ本発明のiRNA及び核酸の吸収を向上させ得る。本発明のマイクロエマルション中で使用される浸透促進剤は、5つの広いカテゴリーの1つに属するものとして分類され得る−−界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート化剤、及び非キレート化非界面活性剤(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92)。これらのクラスの各々は、上記に論じられている。
iii.微粒子
本発明のiRNA剤は、粒子、例えば、微粒子に組み込まれてもよい。微粒子は、噴霧乾燥によって生成され得るが、凍結乾燥、蒸発、流体床乾燥、真空乾燥、又はこれらの技術の組み合わせを含む他の方法によって生成されてもよい。
iv.浸透促進剤
一実施形態において、本発明は、動物の皮膚への、核酸、特にiRNAの効率的な送達を行うために様々な浸透促進剤を用いる。ほとんどの薬剤が、イオン化及び非イオン化の両方の形態で溶液中に存在する。しかしながら、通常、脂溶性又は親油性の薬剤のみが、細胞膜を容易に横断する。横断される膜が浸透促進剤で処理されている場合、非親油性薬剤でも細胞膜を横断することができることが発見されている。細胞膜をわたる非親油性薬剤の拡散の補助に加えて、浸透促進剤は、親油性薬剤の浸透性も向上させる。
浸透促進剤は、即ち、界面活性剤、脂肪酸、胆汁塩、キレート剤、及び非キレート非界面活性剤の5つの大きいカテゴリーのうちの1つに属するものとして分類され得る(例えば、Malmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92を参照)。浸透促進剤の上記の種類のそれぞれが、以下により詳細に記載される。
界面活性剤(又は「表面活性剤」)は、水溶液に溶解されると、溶液の表面張力又は水溶液と別の液体との間の界面張力を低下させ、粘膜を通るiRNAの吸収が向上されるという結果を生じる化学物質である。胆汁塩及び脂肪酸に加えて、これらの浸透促進剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル及びポリオキシエチレン−20−セチルエーテル)(例えば、Malmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92を参照);及びFC−43などのペルフルオロ化合物エマルション(Takahashi et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1988,40,252)が挙げられる。
浸透促進剤として作用する様々な脂肪酸及びそれらの誘導体としては、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸(n−デカン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン(1−モノオレイル−rac−グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセロール1−モノカプレート、1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン、アシルカルニチン、アシルコリン、それらのC1〜20アルキルエステル(例えば、メチル、イソプロピル及びt−ブチル)、並びにそれらのモノグリセリド及びジグリセリド(即ち、オレエート、ラウレート、カプレート、ミリステート、パルミテート、ステアレート、リノレエートなど)が挙げられる(例えば、Touitou,E.,et al.Enhancement in Drug Delivery,CRC Press,Danvers,MA,2006;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1−33;El Hariri et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1992,44,651−654を参照)。
胆汁の生理学的役割には、脂質及び脂溶性ビタミンの分散及び吸収の促進が含まれる(例えば、Malmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Brunton,Chapter 38 in:Goodman&Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.,Hardman et al.Eds.,McGraw−Hill,New York,1996,pp.934−935を参照)。様々な天然の胆汁塩、及びそれらの合成誘導体が、浸透促進剤として作用する。したがって、「胆汁塩」という用語は、胆汁の天然成分のいずれか並びにそれらの合成誘導体のいずれかを含む。好適な胆汁塩としては、例えば、コール酸(又はその薬学的に許容され得るナトリウム塩、コール酸ナトリウム)、デヒドロコール酸(デヒドロコール酸ナトリウム)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グルコール酸(glucholic acid)(グルコール酸ナトリウム(sodium glucholate))、グリコール酸(グリココール酸ナトリウム)、グリコデオキシコール酸(グリコデオキシコール酸ナトリウム)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウム)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウム)、ケノデオキシコール酸(ケノデオキシコール酸ナトリウム)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、ナトリウムタウロ−24,25−ジヒドロ−フシデート(STDHF)、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム及びポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(POE)が挙げられる(例えば、Malmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,page 92;Swinyard,Chapter 39 In:Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1990,pp.782−783;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1−33;Yamamoto et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,1992,263,25;Yamashita et al.,J.Pharm.Sci.,1990,79,579−583を参照)。
本発明に関連して使用されるキレート剤は、金属イオンとの錯体を形成することによって溶液から金属イオンを除去し、粘膜を通るiRNAの吸収が向上されるという結果を生じる化合物として定義され得る。本発明における浸透促進剤としてのキレート剤の使用に関して、ほとんどの特徴付けられたDNAヌクレアーゼが触媒作用のために二価金属イオンを必要とし、したがって、キレート剤によって阻害されるため、キレート剤は、DNアーゼ阻害剤としても作用するという更なる利点を有する(Jarrett,J.Chromatogr.,1993,618,315−339)。好適なキレート剤としては、限定はされないが、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)、クエン酸、サリチレート(例えば、サリチル酸ナトリウム、5−メトキシサリチレート及びホモバニレート(homovanilate))、コラーゲンのN−アシル誘導体、ラウレス−9及びβ−ジケトンのN−アミノアシル誘導体(エナミン)が挙げられる(例えば、Katdare,A.et al.,Excipient development for pharmaceutical,biotechnology,and drug delivery,CRC Press,Danvers,MA,2006;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1−33;Buur et al.,J.Control Rel.,1990,14,43−51を参照)。
本明細書で使用されるとき、非キレート非界面活性剤の浸透促進化合物は、キレート剤又は界面活性剤としてのわずかな活性を示すが、それにもかかわらず、消化器粘膜を通るiRNAの吸収を促進する化合物として定義され得る(例えば、Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1−33を参照)。この種類の浸透促進剤としては、例えば、不飽和環状尿素、1−アルキル−及び1−アルケニルアザシクロ−アルカノン誘導体(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92);並びにジクロフェナクナトリウム、インドメタシン及びフェニルブタゾンなどの非ステロイド性抗炎症剤(Yamashita et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1987,39,621−626)が挙げられる。
細胞レベルにおけるiRNAの取り込みを促進する剤も、本発明の医薬組成物及び他の組成物に加えられ得る。例えば、リポフェクチン(lipofectin)などのカチオン性脂質(Junichiらの米国特許第5,705,188号明細書)、カチオン性グリセロール誘導体、及びポリリジンなどのポリカチオン性分子(LolloらのPCT出願の国際公開第97/30731号パンフレット)も、dsRNAの細胞取り込みを促進することが知られている。市販のトランスフェクション試薬の例としては、特に、例えば、Lipofectamine(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Lipofectamine 2000(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、293fectin(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Cellfectin(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、DMRIE−C(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、FreeStyle(商標)MAX(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Lipofectamine(商標)2000 CD(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Lipofectamine(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、iRNAMAX(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Oligofectamine(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Optifect(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、X−tremeGENE Q2 Transfection Reagent(Roche;Grenzacherstrasse,Switzerland)、DOTAP Liposomal Transfection Reagent(Grenzacherstrasse,Switzerland)、DOSPER Liposomal Transfection Reagent(Grenzacherstrasse,Switzerland)、又はFugene(Grenzacherstrasse,Switzerland)、Transfectam(登録商標)Reagent(Promega;Madison,WI)、TransFast(商標)Transfection Reagent(Promega;Madison,WI)、Tfx(商標)−20 Reagent(Promega;Madison,WI)、Tfx(商標)−50 Reagent(Promega;Madison,WI)、DreamFect(商標)(OZ Biosciences;Marseille,France)、EcoTransfect(OZ Biosciences;Marseille,France)、TransPassa D1 Transfection Reagent(New England Biolabs;Ipswich,MA,USA)、LyoVec(商標)/LipoGen(商標)(Invitrogen;San Diego,CA,USA)、PerFectin Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、NeuroPORTER Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、GenePORTER Transfection reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、GenePORTER 2 Transfection reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、Cytofectin Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、BaculoPORTER Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、TroganPORTER(商標)transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、RiboFect(Bioline;Taunton,MA,USA)、PlasFect(Bioline;Taunton,MA,USA)、UniFECTOR(B−Bridge International;Mountain View,CA,USA)、SureFECTOR(B−Bridge International;Mountain View,CA,USA)、又はHiFect(商標)(B−Bridge International,Mountain View,CA,USA)が挙げられる。
エチレングリコール及びプロピレングリコールなどのグリコール、2−ピロールなどのピロール、アゾン、並びにリモネン及びメントンなどのテルペンを含む、他の剤を用いて、投与される核酸の浸透を促進することができる。
v.担体
本発明の所定の組成物は、製剤中に担体化合物も組み込んでいる。本明細書で使用される「担体化合物」又は「担体」は、不活性(即ち、生物学的活性perseを所有しない)であり得るが、例えば、生物学的に活性な核酸を分解し、又は循環からの核酸の除去を促進することによる、生物学的活性を有する核酸のバイオアベイラビリティを低下させるインビボでのプロセスによって、核酸であると認識される核酸又はその類似体を指すことができる。核酸及び担体化合物の共投与、典型的には過剰な後者の物質による共投与により、おそらくは共通の受容体に対する担体化合物と核酸との競合に起因して、肝臓、腎臓又は他の循環外リザーバ(extracirculatory reservoir)中で回収される核酸の量が実質的に低下し得る。例えば、肝組織内での部分的ホスホロチオエートの回収は、それがポリイノシン酸、デキストラン硫酸塩、ポリシチジル酸(polycytidic acid)又は4−アセトアミド−4’イソチオシアノ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸と共投与された際、低下され得る(Miyao et al.,DsRNA Res.Dev.,1995,5,115−121;Takakura et al.,DsRNA&Nucl.Acid Drug Dev.,1996,6,177−183。
vi.賦形剤
担体化合物とは対照的に、「医薬担体」又は「賦形剤」は、動物に1つ又は複数の核酸を送達するための薬学的に許容され得る溶媒、懸濁剤、又は任意の他の薬理学的に不活性なビヒクルである。賦形剤は、液体又は固体とすることができ、計画された投与方法を考慮に入れて、核酸及び医薬組成物の他の所定の構成成分と組み合わされた際に、所望の嵩、稠度などを提供するように選択される。典型的な医薬担体には、非限定的に、結合剤(例えば、α化トウモロコシ澱粉、ポリビニルピロリドン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);充填剤(例えば、乳糖及び他の糖、微結晶セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレート又はリン酸水素カルシウムなど);滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、金属ステアリン酸塩、水素化植物油、トウモロコシ澱粉、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど);錠剤崩壊剤(例えば、澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウムなど);及び湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなど)が挙げられる。
核酸と有害に反応しない、非−非経口投与に薬学的に許容され得る好適な有機又は無機賦形剤も本発明の組成物の処方に使用され得る。薬学的に許容され得る好適な担体には、非限定的に、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
核酸の局所投与用の製剤には、アルコールなどの通常の溶媒中の無菌及び非無菌水性溶液、非水性溶液、又は液体若しくは固体油ベース中の核酸溶液を挙げることができる。溶液は、緩衝剤、希釈剤及び他の好適な添加剤も含み得る。核酸と有害に反応しない、非−非経口投与に薬学的に許容され得る好適な有機又は無機賦形剤を使用し得る。
薬学的に許容され得る好適な賦形剤には、非限定的に、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
vii.他の構成成分
本発明の組成物は更に、医薬組成物中に従来見出される他の補助構成成分も、当技術分野にて確立されたそれらの使用レベルで含有し得る。それ故、例えば、組成物は、例えば、鎮痒薬、収斂薬、局所麻酔薬若しくは抗炎症薬剤など、更なる適合可能な医薬的に活性な材料を含有することができ、又は染料、風味剤、保存剤、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤及び安定剤などの本発明の組成物の様々な剤形を物理的に処方するのに有用な更なる材料を含有することができる。しかしながら、それらの材料は、加えられた際、本発明の組成物の構成成分の生物学的活性を過度に妨害しない必要がある。製剤は滅菌されてもよく、また所望の場合、製剤の核酸と有害に相互作用しない補助剤、例えば滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を与える塩、緩衝液、着色料、調味料及び/又は芳香性物質などと混合される。
水性縣濁液は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストランを含む、縣濁液の粘度を増大させる物質を含み得る。縣濁液は、安定剤も含み得る。
一部の実施形態において、本発明で取り上げる医薬組成物は、(a)1つ以上のiRNA化合物と、(b)非iRNA機構によって機能する、且つ溶血性障害の治療に有用な1つ以上の薬剤とを含む。かかる薬剤の例としては、限定はされないが、抗炎症剤、抗脂肪症剤、抗ウイルス薬、及び/又は抗線維症剤が挙げられる。
加えて、シリマリンなど、一般に肝臓の保護に用いられる他の物質もまた、本明細書に記載されるiRNAと併用して使用することができる。肝疾患の治療に有用な他の薬剤としては、テルビブジン、エンテカビル、及びプロテアーゼ阻害薬、例えばテラプレビル、及び例えばTung et al.、米国特許出願公開第2005/0148548号明細書、同第2004/0167116号明細書、及び同第2003/0144217号明細書;及びHale et al.、米国特許出願公開第2004/0127488号明細書に開示される他のものが挙げられる。
このような化合物の毒性及び処置効果は、例えば、LD50(個体群の50%の致死量)及びED50(個体群の50%に治療に有効な用量)を決定するための、細胞培養物又は実験動物における標準的な薬学的手順によって決定され得る。毒性作用と処置効果との間の用量比は、処置指数であり、LD50/ED50比として表され得る。高い処置指数を示す化合物が好ましい。
細胞培養アッセイ及び動物試験から得られるデータは、ヒトに使用するためのある範囲の投与量を製剤化するのに使用され得る。本発明における本明細書に取り上げられる組成物の投与量は、一般に、ほとんど又は全く毒性を伴わずにED50を含む血中濃度の範囲内である。投与量は、用いられる剤形及び用いられる投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。本発明に取り上げられる方法に使用される任意の化合物では、治療に有効な用量は、細胞培養アッセイから最初に推測され得る。用量は、細胞培養物中で測定して、IC50(即ち、症状の最大阻害の半分を達成する試験化合物の濃度)を含む、化合物の、又は適切な場合、標的配列のポリペプチド産物の循環血漿濃度範囲を動物モデル内で達成する(例えば、ポリペプチドの濃度の低下を達成する)ように処方され得る。そのような情報を使用して、ヒトでの有用な用量をより正確に決定することができる。血漿中のレベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーにより測定することができる。
上記で考察したとおり、それらの投与に加え、本発明で取り上げるiRNAは、接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1遺伝子発現、F12遺伝子発現、及び/又はKNG1遺伝子発現)によって媒介される病的プロセスの治療に有効な他の公知の薬剤と併用して投与することができる。いずれにしろ、投与する医師は、当該技術分野において公知の又は本明細書に記載される標準的な有効性尺度を用いて観察される結果に基づきiRNA投与の量及びタイミングを調整することができる。
VII.接触活性化経路遺伝子発現の阻害方法
本発明はまた、細胞における接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、及び/又はKNG1遺伝子)の発現を阻害する方法も提供する。
一実施形態において、本発明は、細胞におけるKLKB1遺伝子の発現の阻害方法を提供する。本方法は、細胞におけるKLKB1の発現を阻害するのに有効な量のRNAi剤、例えば二本鎖RNAi剤に細胞を接触させ、それによって細胞におけるKLKB1の発現を阻害する工程を含む。
一実施形態において、本発明は、細胞におけるF12遺伝子の発現の阻害方法を提供する。本方法は、細胞におけるF12の発現を阻害するのに有効な量のRNAi剤、例えば二本鎖RNAi剤に細胞を接触させ、それによって細胞におけるF12の発現を阻害する工程を含む。
一実施形態において、本発明は、細胞におけるKNG1遺伝子の発現の阻害方法を提供する。本方法は、細胞におけるKNG1の発現を阻害するのに有効な量のRNAi剤、例えば二本鎖RNAi剤に細胞を接触させ、それによって細胞におけるKNG1の発現を阻害する工程を含む。
RNAi剤、例えば二本鎖RNAi剤に細胞を接触させる工程は、インビトロ又はインビボで行われ得る。インビボで細胞をRNAi剤と接触させる工程は、対象、例えばヒト対象の体内の細胞又は細胞集団をRNAi剤と接触させる工程を含む。細胞を接触させるインビトロ方法とインビボ方法との組み合わせもまた可能である。細胞を接触させる工程は、上記で考察したとおり、直接であっても又は間接的であってもよい。更に、細胞を接触させる工程は、本明細書に記載される又は当該技術分野において公知の任意のリガンドを含め、標的リガンドを介して達成されてもよい。好ましい実施形態において、標的リガンドは、炭水化物部分、例えば、GalNAc3リガンド、又はRNAi剤を目的の部位に誘導する任意の他のリガンドである。
用語「阻害する」は、本明細書で使用されるとき、「低下させる」、「サイレンシングする」、「下方制御する」、「抑制する」、及び他の類似の用語と同義的に用いられ、任意のレベルの阻害を含む。
語句「接触活性化経路遺伝子の発現を阻害する」は、任意の接触活性化経路遺伝子(例えば、マウス接触活性化経路遺伝子、ラット接触活性化経路遺伝子、サル接触活性化経路遺伝子、又はヒト接触活性化経路遺伝子など)並びに接触活性化経路遺伝子の変異体又は突然変異体の発現の阻害を指すことが意図される。
語句「KLKB1の発現を阻害する」は、任意のKLKB1遺伝子(例えば、マウスKLKB1遺伝子、ラットKLKB1遺伝子、サルKLKB1遺伝子、又はヒトKLKB1遺伝子など)並びにKLKB1遺伝子の変異体又は突然変異体の発現の阻害を指すことが意図される。従って、KLKB1遺伝子は、野生型KLKB1遺伝子、突然変異KLKB1遺伝子(アミロイド沈着を引き起こす突然変異KLKB1遺伝子など)、又は遺伝的に操作された細胞、細胞集団、又は生物のコンテクストにおけるトランスジェニックKLKB1遺伝子であってもよい。
「KLKB1遺伝子の発現を阻害する」には、KLKB1遺伝子の任意のレベルの阻害、例えば、KLKB1遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制が含まれる。KLKB1遺伝子の発現は、KLKB1遺伝子発現に関連する任意の可変量のレベル、又はレベルの変化、例えば、KLKB1 mRNAレベル、KLKB1タンパク質レベル、又はアミロイド沈着の数若しくは程度に基づき評価し得る。このレベルは、例えば対象から得られた試料を含め、個々の細胞又は細胞集団で評価し得る。
語句「F12の発現を阻害する」は、任意のF12遺伝子(例えば、マウスF12遺伝子、ラットF12遺伝子、サルF12遺伝子、又はヒトF12遺伝子など)並びにF12遺伝子の変異体又は突然変異体の発現の阻害を指すことが意図される。従って、F12遺伝子は、野生型F12遺伝子、突然変異F12遺伝子(突然変異F12遺伝子など)、又は遺伝的に操作された細胞、細胞集団、若しくは生物のコンテクストにおけるトランスジェニックF12遺伝子であってもよい。
「F12遺伝子の発現を阻害する」には、F12遺伝子の任意のレベルの阻害、例えば、F12遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制が含まれる。F12遺伝子の発現は、F12遺伝子発現に関連する任意の可変量のレベル、又はレベルの変化、例えば、F12 mRNAレベル、F12タンパク質レベル、又はアミロイド沈着の数若しくは程度に基づき評価し得る。このレベルは、例えば対象から得られた試料を含め、個々の細胞又は細胞集団で評価し得る。
語句「KNG1の発現を阻害する」は、任意のKNG1遺伝子(例えば、マウスKNG1遺伝子、ラットKNG1遺伝子、サルKNG1遺伝子、又はヒトKNG1遺伝子など)並びにKNG1遺伝子の変異体又は突然変異体の発現の阻害を指すことが意図される。従って、KNG1遺伝子は、野生型KNG1遺伝子、突然変異KNG1遺伝子(突然変異KNG1遺伝子など)、又は遺伝的に操作された細胞、細胞集団、若しくは生物のコンテクストにおけるトランスジェニックKNG1遺伝子であってもよい。
「KNG1遺伝子の発現を阻害する」には、KNG1遺伝子の任意のレベルの阻害、例えば、KNG1遺伝子の発現の少なくとも部分的な抑制が含まれる。KNG1遺伝子の発現は、KNG1遺伝子発現に関連する任意の可変量のレベル、又はレベルの変化、例えば、KNG1 mRNAレベル、KNG1タンパク質レベル、又はアミロイド沈着の数若しくは程度に基づき評価し得る。このレベルは、例えば対象から得られた試料を含め、個々の細胞又は細胞集団で評価し得る。
阻害は、対照レベルと比較した接触活性化経路遺伝子発現に関連する1つ以上の可変量の絶対又は相対レベルの低下によって評価し得る。対照レベルは、当該技術分野で利用されている任意の種類の対照レベル、例えば、投与前ベースラインレベル、又は未処置又は対照(例えば、緩衝液単独対照又は不活性薬剤対照など)で処置した類似の対象、細胞、又は試料から決定されるレベルであってよい。
本発明の方法の一部の実施形態において、接触活性化経路遺伝子(即ち、KLKB1遺伝子、F12遺伝子、及び/又はKNG1遺伝子)の発現は、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%,少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%。少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%阻害される。
接触活性化経路遺伝子の発現の阻害は、接触活性化経路遺伝子が転写される第1の細胞又は細胞集団(かかる細胞は例えば対象から得られた試料中に存在し得る)であって、且つ接触活性化経路遺伝子の発現が阻害されるように(例えば、それらの1つ又は複数の細胞を本発明のRNAi剤と接触させることによるか、又は細胞が存在する又は存在していた対象に本発明のRNAi剤を投与することにより)処置されている第1の細胞又は細胞集団が発現するmRNA量の、第1の細胞又は細胞集団と実質的に同一であるが、そのような処置は受けていない第2の細胞又は細胞集団(対照細胞)と比較したときの減少によって明らかになり得る。好ましい実施形態において、阻害は、以下の式を用いて処置細胞のmRNAレベルを対照細胞のmRNAレベルに対するパーセンテージとして表すことにより評価される:
或いは、接触活性化経路遺伝子の発現の阻害は、接触活性化経路遺伝子発現と機能上関連付けられるパラメータ、例えば、KLKB1タンパク質発現、F12タンパク質発現、KNG1タンパク質発現、フィブリン沈着、血栓発生、又はブラジキニンレベルの低下の観点で評価し得る。接触活性化経路遺伝子サイレンシングは、構成的に、或いはゲノム工学によって接触活性化経路遺伝子を発現する任意の細胞で、及び当該技術分野において公知の任意のアッセイにより決定し得る。
接触活性化経路タンパク質の発現の阻害は、細胞又は細胞集団が発現する接触活性化経路タンパク質のレベル(例えば、対象から得られた試料中におけるタンパク質の発現レベル)の低下によって明らかになり得る。上記に説明したとおり、mRNA抑制の評価には、処置した細胞又は細胞集団におけるタンパク質発現レベルの阻害(inhibiton)を同様に対照細胞又は細胞集団におけるタンパク質レベルのパーセンテージとして表し得る。
接触活性化経路遺伝子の発現の阻害を評価するために使用し得る対照細胞又は細胞集団としては、本発明のRNAi剤とまだ接触させていない細胞又は細胞集団が挙げられる。例えば、対照細胞又は細胞集団は、対象をRNAi剤で治療する前の個々の対象(例えば、ヒト又は動物対象)から得ることができる。
細胞又は細胞集団が発現する接触活性化経路mRNAのレベル、又は循環接触活性化経路mRNAのレベルは、mRNA発現を評価するための当該技術分野において公知の任意の方法を用いて決定し得る。一実施形態において、試料中の接触活性化経路遺伝子の発現レベルは、転写ポリヌクレオチド、又はその一部分、例えば、KLKB1遺伝子のmRNA、F12遺伝子のmRNA、及び/又はKNG1遺伝子のmRNAを検出することによって決定される。例えば、酸フェノール/グアニジンイソチオシアネート抽出(RNAzol B;Biogenesis)、RNeasy RNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、スイス)を用いることを含め、RNA抽出技法を用いてRNAを細胞から抽出し得る。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用する典型的なアッセイフォーマットとしては、核ランオンアッセイ、RT−PCR、RNアーゼ保護アッセイ(Melton et al.,Nuc.Acids Res.12:7035)、ノーザンブロッティング、インサイチュハイブリダイゼーション、及びマイクロアレイ解析が挙げられる。循環KLKB1 mRNAは、PCT/US2012/043584号明細書(この内容は全て、本明細書によって参照により本明細書に援用される)に記載される方法を用いて検出し得る。
一実施形態において、接触活性化経路遺伝子の発現レベルは核酸プローブを用いて決定される。用語「プローブ」は、本明細書で使用されるとき、特異的な接触活性化経路遺伝子との選択的結合能を有する任意の分子を指す。プローブは当業者によって合成されてもよく、又は適切な生物学的調製物から誘導されてもよい。プローブは標識されるように特別に設計されてもよい。プローブとして利用することのできる分子の例としては、限定はされないが、RNA、DNA、タンパク質、抗体、及び有機分子が挙げられる。
限定はされないが、サザン又はノーザン解析、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析及びプローブアレイを含むハイブリダイゼーション又は増幅アッセイにおいて、単離mRNAを使用することができる。mRNAレベルを決定する一つの方法は、KLKB1 mRNAとハイブリダイズすることのできる核酸分子(プローブ)に単離mRNAを接触させることを伴うものである。一実施形態では、mRNAを固体表面上に固定化し、例えば単離mRNAをアガロースゲルに泳動させて、そのmRNAをゲルからニトロセルロースなどの膜に転写することによってプローブと接触させる。代替的実施形態では、例えばAffymetrixジーンチップアレイにおいて、1つ又は複数のプローブを固体表面上に固定化し、mRNAをその1つ又は複数のプローブに接触させる。当業者は、公知のmRNA検出方法を接触活性化経路遺伝子mRNAレベルの決定における利用に容易に適合させることができる。
試料中における接触活性化経路遺伝子の発現レベルの代替的決定方法は、例えば、RT−PCR(Mullis,1987,米国特許第4,683,202号明細書に示される実験的実施形態)、リガーゼ連鎖反応(Barany(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:189−193)、自家持続配列複製法(Guatelli et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878)、転写増幅システム(Kwoh et al.(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177)、Q−βレプリカーゼ(Lizardi et al.(1988)Bio/Technology 6:1197)、ローリングサークル複製(Lizardi et al.,米国特許第5,854,033号明細書)又は任意の他の核酸増幅法と、続く当業者に周知の技法を用いた増幅された分子の検出による、試料中の例えばmRNAの核酸増幅及び/又は逆転写酵素プロセス(cDNAを調製するため)を伴うものである。これらの検出スキームは、かかる分子が極めて少数しか存在しない場合の核酸分子の検出に特に有用である。本発明の詳細な態様において、接触活性化経路遺伝子の発現レベルは、定量的蛍光RT−PCR(即ち、TaqMan(商標)システム)によって決定される。
接触活性化経路mRNAの発現レベルは、膜ブロット(ノーザン、サザン、ドットなどのハイブリダイゼーション分析で用いられるものなど)、又はマイクロウェル、試料管、ゲル、ビーズ又は繊維(又は結合した核酸を含む任意の固体支持体)を用いてモニタし得る。米国特許第5,770,722号明細書、同第5,874,219号明細書、同第5,744,305号明細書、同第5,677,195号明細書及び同第5,445,934号明細書(これらは参照により本明細書に援用される)を参照のこと。KLKB1発現レベルの決定はまた、溶液中の核酸プローブの使用も含み得る。
好ましい実施形態において、mRNA発現レベルは分岐DNA(bDNA)アッセイ又はリアルタイムPCR(qPCR)を用いて評価される。これらの方法の使用については、本明細書に提供される実施例に記載及び例示する。
接触活性化経路タンパク質発現レベルは、タンパク質レベルを計測するための当該技術分野において公知の任意の方法を用いて決定し得る。かかる方法としては、例えば、電気泳動法、キャピラリー電気泳動法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、超拡散クロマトグラフィー、流体又はゲル沈降反応、吸収分光法、比色アッセイ、分光光度アッセイ、フローサイトメトリー、免疫拡散法(単一又は二元)、免疫電気泳動法、ウエスタンブロッティング、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、電気化学発光アッセイなどが挙げられる。
一部の実施形態において、本発明の方法の有効性は、四肢、顔面、喉頭、上気道、腹部、体幹、及び性器の浮腫・腫脹、前駆症状;喉頭腫脹;非そう痒性発疹;悪心;嘔吐;又は腹痛の低下など、接触活性化経路関連疾患の症状の低下を検出し又はモニタすることによってモニタし得る。これらの症状は、当該技術分野において公知の任意の方法を用いてインビトロ又はインビボで評価し得る。
用語「試料」は、本明細書で使用されるとき、対象から単離した同様の体液、細胞、又は組織の収集物、並びに対象の体内に存在する体液、細胞、又は組織を指す。生体液の例としては、血液、血清及び漿膜液、血漿、リンパ、尿、脳脊髄液、唾液、眼液などが挙げられる。組織試料としては、組織、器官又は局所領域からの試料を挙げることができる。例えば、試料は、特定の器官、器官の一部、又はそれらの器官(organis)内の体液若しくは細胞から得られてもよい。特定の実施形態において、試料は、肝臓(例えば、全肝臓又は肝臓の特定のセグメント又は例えば肝実質細胞などの肝臓内の特定の種類の細胞)、網膜又は網膜の一部(例えば、網膜色素上皮)、中枢神経系又は中枢神経系の一部(例えば、脳室又は脈絡叢)、又は膵臓又は膵臓の特定の細胞又は一部から得られてもよい。好ましい実施形態において、「対象から得られた試料」は、対象から抜き取られた血液又は血漿を指す。更なる実施形態において、「対象から得られた試料」は、対象から得られた肝組織又は網膜組織を指す。
本発明の方法の一部の実施形態において、本RNAi剤は、対象体内の特定の部位にRNAi剤が送達されるように対象に投与される。接触活性化経路遺伝子の発現の阻害は、対象体内の特定の部位の体液又は組織から得られた試料中における接触活性化経路遺伝子mRNA又は接触活性化経路タンパク質のレベル又はレベルの変化の計測を用いて評価し得る。好ましい実施形態において、この部位は、肝臓、脈絡叢、網膜、及び膵臓からなる群から選択される。部位はまた、前述の部位のいずれか1つに由来するサブセクション又は細胞のサブグループであってもよい。部位にはまた、特定の種類の受容体を発現する細胞も含まれ得る。
VIII.接触活性化経路関連疾患を治療又は予防する方法
本発明は、接触活性化経路遺伝子関連疾患、障害、及び/又は病態を有するか、又は接触活性化経路遺伝子関連疾患、障害、及び/又は病態を発症し易い対象に対し、本発明のiRNA剤(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤、F12遺伝子を標的とするiRNA剤、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤、又は前述のいずれかの組み合わせ、即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)を含む組成物、又はiRNA剤(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤、F12遺伝子を標的とするiRNA剤、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤、又は前述のいずれかの組み合わせ)を含む医薬組成物、又はiRNA(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤、F12遺伝子を標的とするiRNA剤、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤、又は前述のいずれかの組み合わせ)を含むベクターを投与する工程を含む治療及び予防方法を提供する。接触活性化経路遺伝子関連疾患の非限定的な例としては、例えば、血栓形成傾向、遺伝性血管浮腫(HAE)(遺伝性血管浮腫I型;遺伝性血管浮腫II型;遺伝性血管浮腫III型;又は高ブラジキニン値によって引き起こされる任意の他の遺伝性血管浮腫など)、プレカリクレイン欠乏症、悪性本態性高血圧症、高血圧症、末期腎疾患、フレッチャー因子欠乏症、四肢、顔面、喉頭、上気道、腹部、体幹、及び性器の浮腫・腫脹、前駆症状;喉頭腫脹;非そう痒性発疹;悪心;嘔吐;腹痛が挙げられる。
一実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患は血栓形成傾向である。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患はHAEである。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患はプレカリクレイン欠乏症である。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患は悪性本態性高血圧症である。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患は高血圧症である。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患は末期腎疾患である。別の実施形態において、接触活性化経路遺伝子関連疾患はフレッチャー因子欠乏症である。
本発明の方法は、接触活性化経路遺伝子関連疾患を有する対象、例えば、接触活性化経路遺伝子発現及び/又は接触活性化経路タンパク質産生の低下から利益を受け得る対象を治療するのに有用である。一態様において、本発明は、遺伝性血管浮腫(HAE)を有する対象におけるカリクレインB、血漿(フレッチャー因子)1(KLKB1)遺伝子発現のレベルを低下させる方法を提供する。別の態様において、本発明は、HAEを有する対象のKLKB1タンパク質レベルを低下させる方法を提供する。一態様において、本発明は、遺伝性血管浮腫(HAE)を有する対象における第XII因子(ハーゲマン因子)(F12)遺伝子発現のレベルを低下させる方法を提供する。別の態様において、本発明は、HAEを有する対象のF12タンパク質レベルを低下させる方法を提供する。一態様において、本発明は、遺伝性血管浮腫(HAE)を有する対象におけるキニノーゲン1(KNG1)遺伝子発現のレベルを低下させる方法を提供する。別の態様において、本発明は、HAEを有する対象のKNG1タンパク質レベルを低下させる方法を提供する。
本発明はまた、接触活性化経路関連疾患、例えば血栓形成傾向又は遺伝性血管浮腫を有する対象のブラジキニンレベルを低下させる方法も提供する。例えば、一実施形態において、本発明は、遺伝性血管浮腫を有する対象のブラジキニンレベルを低下させる方法を提供し、この方法は、本発明のdsRNA剤(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤、F12遺伝子を標的とするiRNA剤、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤、又は前述のいずれかの組み合わせ、即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの治療有効量又は予防有効量を対象に投与する工程を含む。
一態様において、本発明は、接触活性化経路関連疾患、例えば、血栓形成傾向、遺伝性血管浮腫I型;遺伝性血管浮腫II型;遺伝性血管浮腫III型;高ブラジキニン値によって引き起こされる任意の他の遺伝性血管浮腫を有する対象を治療する方法を提供する。一実施形態において、本発明のこの治療方法(及び使用)は、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。別の実施形態において、本発明の治療方法(及び使用)は、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はF12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。更に別の実施形態において、本発明の治療方法(及び使用)は、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。他の実施形態において、本発明の治療方法(及び使用)は、本発明のdsRNA剤の組み合わせ(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。
別の態様において、本発明は、HAEを有する対象を治療する方法を提供する。一実施形態において、HAEを有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はF12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。別の実施形態において、HAEを有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。更に別の実施形態において、HAEを有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。他の実施形態において、HAEを有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、本発明のdsRNA剤の組み合わせ(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。
別の態様において、本発明は、血栓形成傾向を有する対象を治療する方法を提供する。一実施形態において、血栓形成傾向を有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はF12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。別の実施形態において、血栓形成傾向を有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。更に別の実施形態において、血栓形成傾向を有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。他の実施形態において、血栓形成傾向を有する対象を治療するための本発明の方法(及び使用)は、本発明のdsRNA剤の組み合わせ(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの治療有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。
一態様において、本発明は、接触活性化経路関連疾患、例えば、血栓形成傾向、遺伝性血管浮腫(HAE)、例えば、高ブラジキニンの存在、四肢、顔面、喉頭、上気道、腹部、体幹、及び性器の浮腫・腫脹、前駆症状;喉頭腫脹;非そう痒性発疹;悪心;嘔吐;腹痛を有する対象の少なくとも1つの症状を予防する方法を提供する。本方法は、本発明のiRNA剤、例えば、dsRNA、医薬組成物、又はベクターの予防有効量を対象に投与し、それによって接触活性化経路関連疾患を有する対象の少なくとも1つの症状を予防する工程を含む。一実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。別の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はF12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。更に別の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。他の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、本発明のdsRNA剤の組み合わせ(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。
一態様において、本発明は、血栓形成リスクのある対象の血栓形成を予防する方法を提供する。本方法は、本発明のiRNA剤、例えば、dsRNA、医薬組成物、又はベクターの予防有効量を対象に投与し、それによって血栓形成リスクのある対象における血栓の形成を予防する工程を含む。一実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。別の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はF12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。更に別の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。他の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、本発明のdsRNA剤の組み合わせ(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。
「血栓形成リスクのある対象」には、外科患者(例えば、一般外科手術、口腔外科手術、整形外科手術(例えば、人工膝関節又は股関節置換術)、外傷外科手術、腫瘍外科手術を受ける対象);内科患者(例えば、不動化疾患を有する対象、例えば、3日間を超える床上安静の対象及び/又は静脈内カテーテルの長期使用対象;心房細動を有する対象;高齢対象;腎機能障害を有する対象;人工心臓弁を有する対象;心不全を有する対象;癌を有する対象);妊娠中の対象;分娩後の対象;血栓の既往を有する対象;ホルモン補充療法を受けている対象;飛行機又は自動車などで長時間座っている対象;及び肥満の対象が含まれる。
一態様において、本発明は、HAEを有する対象の血管浮腫発作を予防する方法を提供する。本方法は、本発明のiRNA剤、例えば、dsRNA、医薬組成物、又はベクターの予防有効量を対象に投与し、それによって血栓形成リスクのある対象における血栓の形成を予防する工程を含む。一実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。別の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はF12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。更に別の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤又はKNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤を含む医薬組成物又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む本発明のベクターの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。他の実施形態において、本発明の予防方法(及び使用)は、本発明のdsRNA剤の組み合わせ(即ち、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とF12遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤とKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ、又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤と、F12遺伝子を標的とするiRNA剤と、KNG1遺伝子を標的とするiRNA剤との組み合わせ)、又はかかる薬剤を含む医薬組成物若しくはベクター、又はかかる薬剤の組み合わせの予防有効量を対象、例えばヒトに投与する工程を含む。
一態様において、本発明は、対象、例えば、KLKB1遺伝子発現の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象を治療するための本発明のiRNA剤の治療有効量の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、対象、例えば、F12遺伝子発現の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象を治療するための本発明のiRNA剤の治療有効量の使用を提供する。
更に別の態様において、本発明は、対象、例えば、KNG1遺伝子発現の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象を治療するための本発明のiRNA剤の治療有効量の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、対象、例えば、KLKB1遺伝子発現の低下から利益を受け得る障害、例えば接触活性化経路関連疾患を有する対象など、KLKB1遺伝子発現及び/又はKLKB1タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象の治療用医薬の製造における、KLKB1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤、例えばdsRNA又はKLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む医薬組成物の使用を提供する。
一態様において、本発明は、対象、例えば、F12遺伝子発現の低下から利益を受け得る障害、例えば接触活性化経路関連疾患を有する対象など、F12遺伝子発現及び/又はF12タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象の治療用医薬の製造における、F12遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤、例えばdsRNA又はF12遺伝子を標的とするiRNA剤を含む医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、対象、例えば、KNG1遺伝子発現の低下から利益を受け得る障害、例えば接触活性化経路関連疾患を有する対象など、KNG1遺伝子発現及び/又はKNG1タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象の治療用医薬の製造における、KNG1遺伝子を標的とする本発明のiRNA剤、例えばdsRNA又はKNG1遺伝子を標的とするiRNA剤を含む医薬組成物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、KLKB1遺伝子発現及び/又はKLKB1タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る障害に罹患している対象の少なくとも1つの症状を予防するための本発明のiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。
別の態様において、本発明は、F12遺伝子発現及び/又はF12タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る障害に罹患している対象の少なくとも1つの症状を予防するための本発明のiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。
別の態様において、本発明は、KNG1遺伝子発現及び/又はKNG1タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る障害に罹患している対象の少なくとも1つの症状を予防するための本発明のiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。
更なる態様において、本発明は、接触活性化経路関連疾患など、KLKB1遺伝子発現及び/又はKLKB1タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る障害に罹患している対象の少なくとも1つの症状の予防用医薬の製造における本発明のiRNA剤の使用を提供する。
一実施形態において、KLKB1を標的とするiRNA剤が、遺伝性血管浮腫(HAE)及び/又はKLKB1関連疾患を有する対象に対し、そのdsRNA剤を対象に投与したとき例えば対象の細胞、組織、血液又は他の組織若しくは体液におけるKLKB1遺伝子の発現が少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、62%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも約99%又はそれ以上低下するように投与される。
本発明の方法及び使用は、標的KLKB1遺伝子の発現が約1、2、3、4 5、6、7、8、12、16、18、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、又は約80時間などにわたって低下するように本明細書に記載される組成物を投与する工程を含む。一実施形態において、標的KLKB1遺伝子の発現は、長期間、例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7日間又はそれ以上、例えば、約1週間、2週間、3週間、又は約4週間又はそれ以上にわたって低下する。
更なる態様において、本発明は、接触活性化経路関連疾患など、F12遺伝子発現及び/又はF12タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る障害に罹患している対象の少なくとも1つの症状の予防用医薬の製造における本発明のiRNA剤の使用を提供する。
一実施形態において、F12を標的とするiRNA剤が、遺伝性血管浮腫(HAE)及び/又は接触活性化経路関連疾患を有する対象に対し、そのdsRNA剤を対象に投与したとき例えば対象の細胞、組織、血液又は他の組織若しくは体液におけるF12遺伝子の発現が少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、62%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも約99%又はそれ以上低下するように投与される。
本発明の方法及び使用は、標的F12遺伝子の発現が約1、2、3、4 5、6、7、8、12、16、18、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、又は約80時間などにわたって低下するように本明細書に記載される組成物を投与する工程を含む。一実施形態において、標的F12遺伝子の発現は、長期間、例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7日間又はそれ以上、例えば、約1週間、2週間、3週間、又は約4週間又はそれ以上にわたって低下する。
更なる態様において、本発明は、接触活性化経路関連疾患など、KNG1遺伝子発現及び/又はKNG1タンパク質産生の低下及び/又は阻害から利益を受け得る障害に罹患している対象の少なくとも1つの症状の予防用医薬の製造における本発明のiRNA剤の使用を提供する。
一実施形態において、KNG1を標的とするiRNA剤が、遺伝性血管浮腫(HAE)及び/又は接触活性化経路関連疾患を有する対象に対し、そのdsRNA剤を対象に投与したとき例えば対象の細胞、組織、血液又は他の組織若しくは体液におけるKNG1遺伝子の発現が少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、62%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも約99%又はそれ以上低下するように投与される。
本発明の方法及び使用は、約1、2、3、4、5、6、7、8、12、16、18、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、又は約80時間などにわたって標的KNG1遺伝子の発現が低下するように本明細書に記載される組成物を投与する工程を含む。一実施形態において、標的KNG1遺伝子の発現は、長時間、例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7日間又はそれ以上、例えば、約1週間、2週間、3週間、又は約4週間又はそれ以上にわたって低下する。
本発明の方法及び使用に係るdsRNAの投与は、遺伝性血管浮腫(HAE)及び/又は接触活性化経路関連疾患を有する患者におけるかかる疾患又は障害の重症度、徴候、症状、及び/又はマーカーの低減をもたらし得る。これに関連して「低減」とは、かかるレベルの統計学的に有意な低下を意味する。低減は、例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は約100%であり得る。
疾病の処置又は予防の有効性は、例えば、疾病の進行、疾病の寛解、症状の重症度、痛みの減少、クオリティオブライフ、処置効果を持続させるのに必要な薬剤の用量、疾病マーカーのレベル、又は処置されている若しくは予防の対象となる所定の疾病に適切な測定可能な任意の他のパラメータを測定することによって評価され得る。このようなパラメータのいずれか1つ、又はパラメータの任意の組み合わせを測定することによって処置又は予防の有効性を監視することは、十分当業者の能力の範囲内である。例えば、脂質異常症の処置の有効性は、例えば、LDLコレステロール、HDLコレステロール及びトリグリセリドレベルの定期的な監視によって評価され得る。更なる例では、グルコースコントロールの異常の処置の有効性は、例えば、インスリン及びグルコースレベルの定期的な監視によって評価され得る。別の例では、肥満の処置の有効性は、例えば、ボディーマスインデックスの定期的な監視によって評価され得る。更に別の例では、HAE症の処置の有効性は、例えば、HAE症状又はブラジキニンの定期的な監視によって評価され得る。初期の読み取り値と後の読み取り値との比較は、処置が有効かどうかの指標を医師に与える。このようなパラメータのいずれか1つ、又はパラメータの任意の組み合わせを測定することによって処置又は予防の有効性を監視することは、十分当業者の能力の範囲内である。接触活性化経路遺伝子を標的とするiRNA又はその医薬組成物の投与と関連して、接触活性化経路に関連する疾病「に対して有効」は、臨床的に適切な方法での投与が、症状の改善、治癒、疾病の軽減、寿命の延長、クオリティオブライフの改善、又はHAE及び/又は接触活性化経路に関連する疾病及び関連する原因の処置に精通した医師によって好ましいと一般に認識される他の効果など、少なくとも統計的に有意な割合の患者に対する有益な効果をもたらすことを示す。
処置又は予防の効果は、疾病状態の1つ又は複数のパラメータの統計的に有意な改善がある場合、又は悪化若しくは本来予想されていた症状が発生しないことにより明らかである。一例として、疾病の測定可能なパラメータの少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%又はそれ以上の好ましい変化は、有効な処置を示し得る。所定のiRNA薬剤又はその薬剤の製剤の有効性も、当該技術分野において公知であるように、所定の疾病に関して実験動物モデルを用いて判断することができる。実験動物モデルを用いる場合、処置の有効性は、マーカー又は症状の統計的に有意な低下が観察された場合に証明される。
対象には、約0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kg dsRNA、2.6mg/kg dsRNA、2.7mg/kg dsRNA、2.8mg/kg dsRNA、2.9mg/kg dsRNA、3.0mg/kg dsRNA、3.1mg/kg dsRNA、3.2mg/kg dsRNA、3.3mg/kg dsRNA、3.4mg/kg dsRNA、3.5mg/kg dsRNA、3.6mg/kg dsRNA、3.7mg/kg dsRNA、3.8mg/kg dsRNA、3.9mg/kg dsRNA、4.0mg/kg dsRNA、4.1mg/kg dsRNA、4.2mg/kg dsRNA、4.3mg/kg dsRNA、4.4mg/kg dsRNA、4.5mg/kg dsRNA、4.6mg/kg dsRNA、4.7mg/kg dsRNA、4.8mg/kg dsRNA、4.9mg/kg dsRNA、5.0mg/kg dsRNA、5.1mg/kg dsRNA、5.2mg/kg dsRNA、5.3mg/kg dsRNA、5.4mg/kg dsRNA、5.5mg/kg dsRNA、5.6mg/kg dsRNA、5.7mg/kg dsRNA、5.8mg/kg dsRNA、5.9mg/kg dsRNA、6.0mg/kg dsRNA、6.1mg/kg dsRNA、6.2mg/kg dsRNA、6.3mg/kg dsRNA、6.4mg/kg dsRNA、6.5mg/kg dsRNA、6.6mg/kg dsRNA、6.7mg/kg dsRNA、6.8mg/kg dsRNA、6.9mg/kg dsRNA、7.0mg/kg dsRNA、7.1mg/kg dsRNA、7.2mg/kg dsRNA、7.3mg/kg dsRNA、7.4mg/kg dsRNA、7.5mg/kg dsRNA、7.6mg/kg dsRNA、7.7mg/kg dsRNA、7.8mg/kg dsRNA、7.9mg/kg dsRNA、8.0mg/kg dsRNA、8.1mg/kg dsRNA、8.2mg/kg dsRNA、8.3mg/kg dsRNA、8.4mg/kg dsRNA、8.5mg/kg dsRNA、8.6mg/kg dsRNA、8.7mg/kg dsRNA、8.8mg/kg dsRNA、8.9mg/kg dsRNA、9.0mg/kg dsRNA、9.1mg/kg dsRNA、9.2mg/kg dsRNA、9.3mg/kg dsRNA、9.4mg/kg dsRNA、9.5mg/kg dsRNA、9.6mg/kg dsRNA、9.7mg/kg dsRNA、9.8mg/kg dsRNA、9.9mg/kg dsRNA、9.0mg/kg dsRNA、10mg/kg dsRNA、15mg/kg dsRNA、20mg/kg dsRNA、25mg/kg dsRNA、30mg/kg dsRNA、35mg/kg dsRNA、40mg/kg dsRNA、45mg/kg dsRNA、又は約50mg/kg dsRNAなどの治療量のiRNAが投与され得る。一実施形態において、対象には、0.5mg/kgのdsRNAが投与され得る。記載される値の中間の値及び範囲も、本発明の一部であることが意図される。
特定の実施形態において、例えば、本発明の組成物が、本明細書に記載されるdsRNA及び脂質を含む場合、対象には、約0.01mg/kg〜約5mg/kg、約0.01mg/kg〜約10mg/kg、約0.05mg/kg〜約5mg/kg、約0.05mg/kg〜約10mg/kg、約0.1mg/kg〜約5mg/kg、約0.1mg/kg〜約10mg/kg、約0.2mg/kg〜約5mg/kg、約0.2mg/kg〜約10mg/kg、約0.3mg/kg〜約5mg/kg、約0.3mg/kg〜約10mg/kg、約0.4mg/kg〜約5mg/kg、約0.4mg/kg〜約10mg/kg、約0.5mg/kg〜約5mg/kg、約0.5mg/kg〜約10mg/kg、約1mg/kg〜約5mg/kg、約1mg/kg〜約10mg/kg、約1.5mg/kg〜約5mg/kg、約1.5mg/kg〜約10mg/kg、約2mg/kg〜約2.5mg/kg、約2mg/kg〜約10mg/kg、約3mg/kg〜約5mg/kg、約3mg/kg〜約10mg/kg、約3.5mg/kg〜約5mg/kg、約4mg/kg〜約5mg/kg、約4.5mg/kg〜約5mg/kg、約4mg/kg〜約10mg/kg、約4.5mg/kg〜約10mg/kg、約5mg/kg〜約10mg/kg、約5.5mg/kg〜約10mg/kg、約6mg/kg〜約10mg/kg、約6.5mg/kg〜約10mg/kg、約7mg/kg〜約10mg/kg、約7.5mg/kg〜約10mg/kg、約8mg/kg〜約10mg/kg、約8.5mg/kg〜約10mg/kg、約9mg/kg〜約10mg/kg、又は約9.5mg/kg〜約10mg/kgなどの治療量のiRNAが投与され得る。記載される値の中間の値及び範囲も、本発明の一部であることが意図される。
例えば、dsRNAは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、又は約10mg/kgの用量で投与され得る。記載される値の中間の値及び範囲も、本発明の一部であることが意図される。
他の実施形態において、例えば、本発明の組成物が、本明細書に記載されるdsRNA及びN−アセチルガラクトサミンを含む場合、対象には、約0.1〜約50mg/kg、約0.25〜約50mg/kg、約0.5〜約50mg/kg、約0.75〜約50mg/kg、約1〜約50mg/kg、約1.5〜約50mg/kg、約2〜約50mg/kg、約2.5〜約50mg/kg、約3〜約50mg/kg、約3.5〜約50mg/kg、約4〜約50mg/kg、約4.5〜約50mg/kg、約5〜約50mg/kg、約7.5〜約50mg/kg、約10〜約50mg/kg、約15〜約50mg/kg、約20〜約50mg/kg、約20〜約50mg/kg、約25〜約50mg/kg、約25〜約50mg/kg、約30〜約50mg/kg、約35〜約50mg/kg、約40〜約50mg/kg、約45〜約50mg/kg、約0.1〜約45mg/kg、約0.25〜約45mg/kg、約0.5〜約45mg/kg、約0.75〜約45mg/kg、約1〜約45mg/kg、約1.5〜約45mg/kg、約2〜約45mg/kg、約2.5〜約45mg/kg、約3〜約45mg/kg、約3.5〜約45mg/kg、約4〜約45mg/kg、約4.5〜約45mg/kg、約5〜約45mg/kg、約7.5〜約45mg/kg、約10〜約45mg/kg、約15〜約45mg/kg、約20〜約45mg/kg、約20〜約45mg/kg、約25〜約45mg/kg、約25〜約45mg/kg、約30〜約45mg/kg、約35〜約45mg/kg、約40〜約45mg/kg、約0.1〜約40mg/kg、約0.25〜約40mg/kg、約0.5〜約40mg/kg、約0.75〜約40mg/kg、約1〜約40mg/kg、約1.5〜約40mg/kg、約2〜約40mg/kg、約2.5〜約40mg/kg、約3〜約40mg/kg、約3.5〜約40mg/kg、約4〜約40mg/kg、約4.5〜約40mg/kg、約5〜約40mg/kg、約7.5〜約40mg/kg、約10〜約40mg/kg、約15〜約40mg/kg、約20〜約40mg/kg、約20〜約40mg/kg、約25〜約40mg/kg、約25〜約40mg/kg、約30〜約40mg/kg、約35〜約40mg/kg、約0.1〜約30mg/kg、約0.25〜約30mg/kg、約0.5〜約30mg/kg、約0.75〜約30mg/kg、約1〜約30mg/kg、約1.5〜約30mg/kg、約2〜約30mg/kg、約2.5〜約30mg/kg、約3〜約30mg/kg、約3.5〜約30mg/kg、約4〜約30mg/kg、約4.5〜約30mg/kg、約5〜約30mg/kg、約7.5〜約30mg/kg、約10〜約30mg/kg、約15〜約30mg/kg、約20〜約30mg/kg、約20〜約30mg/kg、約25〜約30mg/kg、約0.1〜約20mg/kg、約0.25〜約20mg/kg、約0.5〜約20mg/kg、約0.75〜約20mg/kg、約1〜約20mg/kg、約1.5〜約20mg/kg、約2〜約20mg/kg、約2.5〜約20mg/kg、約3〜約20mg/kg、約3.5〜約20mg/kg、約4〜約20mg/kg、約4.5〜約20mg/kg、約5〜約20mg/kg、約7.5〜約20mg/kg、約10〜約20mg/kg、又は約15〜約20mg/kgの用量などの治療量のiRNAが投与され得る。一実施形態において、本発明の組成物が、本明細書に記載されるdsRNA及びN−アセチルガラクトサミンを含む場合、対象には、治療量の約10〜約30mg/kgのdsRNAが投与され得る。記載される値の中間の値及び範囲も、本発明の一部であることが意図される。
例えば、対象には、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、31、32、33、34、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は約50mg/kgなどの治療量のiRNAが投与され得る。記載される値の中間の値及び範囲も、本発明の一部であることが意図される。
本発明の特定の実施形態において、例えば、二本鎖RNAi剤が修飾(例えば、3つの連続ヌクレオチドに対する3つの同一の修飾の1つ以上のモチーフ)、例えば、本剤の切断部位又はその近傍にある1つのかかるモチーフ、6つのホスホロチオエート結合、及びリガンドを含む場合、かかる剤は、約0.01〜約0.5mg/kg、約0.01〜約0.4mg/kg、約0.01〜約0.3mg/kg、約0.01〜約0.2mg/kg、約0.01〜約0.1mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.09mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.08mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.07mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.06mg/kg、約0.01mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.02〜約0.5mg/kg、約0.02〜約0.4mg/kg、約0.02〜約0.3mg/kg、約0.02〜約0.2mg/kg、約0.02〜約0.1mg/kg、約0.02mg/kg〜約0.09mg/kg、約0.02mg/kg〜約0.08mg/kg、約0.02mg/kg〜約0.07mg/kg、約0.02mg/kg〜約0.06mg/kg、約0.02mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.03〜約0.5mg/kg、約0.03〜約0.4mg/kg、約0.03〜約0.3mg/kg、約0.03〜約0.2mg/kg、約0.03〜約0.1mg/kg、約0.03mg/kg〜約0.09mg/kg、約0.03mg/kg〜約0.08mg/kg、約0.03mg/kg〜約0.07mg/kg、約0.03mg/kg〜約0.06mg/kg、約0.03mg/kg〜約0.05mg/kg、約0.04〜約0.5mg/kg、約0.04〜約0.4mg/kg、約0.04〜約0.3mg/kg、約0.04〜約0.2mg/kg、約0.04〜約0.1mg/kg、約0.04mg/kg〜約0.09mg/kg、約0.04mg/kg〜約0.08mg/kg、約0.04mg/kg〜約0.07mg/kg、約0.04mg/kg〜約0.06mg/kg、約0.05〜約0.5mg/kg、約0.05〜約0.4mg/kg、約0.05〜約0.3mg/kg、約0.05〜約0.2mg/kg、約0.05〜約0.1mg/kg、約0.05mg/kg〜約0.09mg/kg、約0.05mg/kg〜約0.08mg/kg、又は約0.05mg/kg〜約0.07mg/kgの用量で投与される。前述の記載される値の中間の値及び範囲も本発明の一部であることが意図され、例えば、RNAi剤は、約0.015mg/kg〜約0.45mg/kgの用量で対象に投与され得る。
例えば、RNAi剤、例えば医薬組成物中のRNAi剤は、約0.01mg/kg、0.0125mg/kg、0.015mg/kg、0.0175mg/kg、0.02mg/kg、0.0225mg/kg、0.025mg/kg、0.0275mg/kg、0.03mg/kg、0.0325mg/kg、0.035mg/kg、0.0375mg/kg、0.04mg/kg、0.0425mg/kg、0.045mg/kg、0.0475mg/kg、0.05mg/kg、0.0525mg/kg、0.055mg/kg、0.0575mg/kg、0.06mg/kg、0.0625mg/kg、0.065mg/kg、0.0675mg/kg、0.07mg/kg、0.0725mg/kg、0.075mg/kg、0.0775mg/kg、0.08mg/kg、0.0825mg/kg、0.085mg/kg、0.0875mg/kg、0.09mg/kg、0.0925mg/kg、0.095mg/kg、0.0975mg/kg、0.1mg/kg、0.125mg/kg、0.15mg/kg、0.175mg/kg、0.2mg/kg、0.225mg/kg、0.25mg/kg、0.275mg/kg、0.3mg/kg、0.325mg/kg、0.35mg/kg、0.375mg/kg、0.4mg/kg、0.425mg/kg、0.45mg/kg、0.475mg/kg、又は約0.5mg/kgの用量で投与され得る。前述の記載される値の中間の値も、本発明の一部であることが意図される。
一部の実施形態において、RNAi剤は、約100mg〜約900mg、例えば、約100mg〜約850mg、約100mg〜約800mg、約100mg〜約750mg、約100mg〜約700mg、約100mg〜約650mg、約100mg〜約600mg、約100mg〜約550mg、約100mg〜約500mg、約200mg〜約850mg、約200mg〜約800mg、約200mg〜約750mg、約200mg〜約700mg、約200mg〜約650mg、約200mg〜約600mg、約200mg〜約550mg、約200mg〜約500mg、約300mg〜約850mg、約300mg〜約800mg、約300mg〜約750mg、約300mg〜約700mg、約300mg〜約650mg、約300mg〜約600mg、約300mg〜約550mg、約300mg〜約500mg、約400mg〜約850mg、約400mg〜約800mg、約400mg〜約750mg、約400mg〜約700mg、約400mg〜約650mg、約400mg〜約600mg、約400mg〜約550mg、又は約400mg〜約500mgの間の一定用量として投与される。
一部の実施形態において、RNAi剤は、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、200mg、約225mg、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、約500mg、約525mg、約550mg、約575mg、約600mg、約625mg、約650mg、約675mg、約700mg、約725mg、約750mg、約775mg、約800mg、約825mg、約850mg、約875mg、又は約900mgの一定用量として投与される。
iRNAは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は約25分間などの所定の期間にわたって、静脈内注入によって投与され得る。投与は、例えば、毎週、隔週(即ち、2週間ごと)で1ヶ月間、2ヶ月間、3ヶ月間、4ヶ月間又はそれ以上などにわたって、定期的に繰り返され得る。最初の処置計画の後、治療剤は、より少ない頻度で投与され得る。例えば、毎週又は隔週で3ヶ月間の投与後、投与は、月に1回で6ヶ月間又は1年間又はそれ以上にわたって繰り返され得る。
本iRNAを投与すると、例えば患者の細胞、組織、血液、尿又は他のコンパートメントにおける接触活性化経路タンパク質(即ち、KLKB1タンパク質、F12タンパク質、及び/又はKNG1タンパク質)の存在及び/又はブラジキニンレベルを少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は少なくとも約99%又はそれ以上低下させることができる。
iRNAの完全用量を投与する前に、5%の注入などのより少ない用量を患者に投与し、アレルギー反応などの有害作用を監視してもよい。別の例では、サイトカイン(例えば、TNF−α又はINF−α)レベルの増大などの好ましくない免疫賦活作用に関して患者を観察してもよい。
接触活性化経路遺伝子発現の阻害効果により、本発明に係る組成物又はそれから調製される医薬組成物は、クオリティオブライフを向上させ得る。
本発明のiRNAは、「裸の(naked)」形態で投与されてもよく、修飾又は非修飾iRNA剤は、「遊離iRNA」として、水性溶媒又は好適な緩衝液溶媒中で直接懸濁される。遊離iRNAは、医薬組成物の非存在下で投与される。遊離iRNAは、好適な緩衝液中にあり得る。緩衝液は、酢酸塩、クエン酸塩、プロラミン、炭酸塩、若しくはリン酸塩又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。一実施形態において、緩衝液は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。iRNAを含有する緩衝液のpH及び浸透圧は、対象に投与するのに好適なように調整され得る。
或いは、本発明のiRNAは、dsRNAリポソーム製剤などの医薬組成物として投与され得る。
接触活性化経路遺伝子発現の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象は、遺伝性血管浮腫(HAE)及び/又は本明細書に記載されるとおりの接触活性化経路関連疾患若しくは障害を有する対象である。
接触活性化経路遺伝子発現の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象の治療には、治療的処置及び予防的処置が含まれる。
本発明は更に、接触活性化経路遺伝子発現の低下及び/又は阻害から利益を受け得る対象、例えば、接触活性化経路関連疾患を有する対象を、他の医薬品及び/又は他の治療法、例えば、公知の医薬品及び/又は公知の治療法、例えば、現在これらの障害の治療に用いられているものなどと併用して治療するための、iRNA剤又はその医薬組成物の方法及び使用を提供する。
例えば、特定の実施形態において、接触活性化経路遺伝子を標的とするiRNAが、例えば、本明細書の他の部分に記載されるとおりの接触活性化経路関連疾患の治療において有用な薬剤と併用して投与される。例えば、接触活性化経路遺伝子発現の低下から利益を受け得る対象、例えば、接触活性化経路関連疾患を有する対象を治療するのに好適な追加的な療法薬及び治療法としては、接触活性化経路遺伝子の異なる部分を標的とするiRNA剤、アンドロゲン、又は療法剤、例えば、C1INH置換タンパク質、カリクレイン阻害薬ペプチド、ブラジキニン(bradkinin)B2受容体拮抗薬ペプチド、又は接触活性化経路関連疾患を治療するための他の療法剤及び/又は手法又は前述のいずれかの組み合わせが挙げられる。一実施形態において、追加的な療法薬は、アンドロゲン、例えばダナゾール又はオキサンドロロン、Berinert(登録商標)、Cinryze(商標)、Rhuconest(登録商標)、エカランチド、Firazyr(登録商標)、Kalbitor(登録商標)、及び前述のいずれかの組み合わせからなる群から選択される。
特定の実施形態において、接触活性化経路遺伝子を標的とする第1のiRNA剤が、接触活性化経路遺伝子の異なる部分を標的とする第2のiRNA剤と併用して投与される。例えば、第1のRNAi剤は、二本鎖領域を形成する第1のセンス鎖と第1のアンチセンス鎖とを含み、前記第1のセンス鎖のヌクレオチドの実質的に全て及び第1のアンチセンス鎖のヌクレオチドの実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、ここで前記第1のセンス鎖は、3’末端に結合したリガンドにコンジュゲートされ、及びリガンドは、二価又は三価分枝鎖状リンカーを介して結合する1つ以上のGalNAc誘導体であり;及び第2のRNAi剤は、二本鎖領域を形成する第2のセンス鎖と第2のアンチセンス鎖とを含み、第2のセンス鎖のヌクレオチドの実質的に全て及び第2のアンチセンス鎖のヌクレオチドの実質的に全てが修飾ヌクレオチドであり、ここで第2のセンス鎖は、3’末端に結合したリガンドにコンジュゲートされ、及びリガンドは、二価又は三価分枝鎖状リンカーを介して結合する1つ以上のGalNAc誘導体である。
一実施形態において、第1及び第2のセンス鎖のヌクレオチドの全て及び/又は第1及び第2のアンチセンス鎖のヌクレオチドの全てが修飾を含む。
一実施形態において、修飾ヌクレオチドの少なくとも1つは、3’末端デオキシチミン(dT)ヌクレオチド、2’−O−メチル修飾ヌクレオチド、2’−フルオロ修飾ヌクレオチド、2’−デオキシ修飾ヌクレオチド、固定ヌクレオチド、非固定ヌクレオチド、立体配座的に制限されたヌクレオチド、拘束エチルヌクレオチド、非塩基性ヌクレオチド、2’−アミノ修飾ヌクレオチド、2’−O−アリル修飾ヌクレオチド、2’−C−アルキル修飾ヌクレオチド、2’−ヒドロキシル(hydroxly)修飾ヌクレオチド、2’−メトキシエチル修飾ヌクレオチド、2’−O−アルキル修飾ヌクレオチド、モルホリノヌクレオチド、ホスホルアミデート、非天然塩基を含むヌクレオチド、テトラヒドロピラン修飾ヌクレオチド、1,5−アンヒドロヘキシトール修飾ヌクレオチド、シクロヘキセニル修飾ヌクレオチド、ホスホロチオエート基を含むヌクレオチド、メチルホスホネート基を含むヌクレオチド、5’−ホスフェートを含むヌクレオチド、及び5’−ホスフェート模倣体を含むヌクレオチドからなる群から選択される。
特定の実施形態において、接触活性化経路遺伝子を標的とする第1のiRNA剤が、接触活性化経路遺伝子と異なる遺伝子を標的とする第2のiRNA剤と併用して投与される。例えば、KLKB1遺伝子を標的とするiRNA剤が、凝固第XII因子(F12)遺伝子を標的とするiRNA剤と併用して投与されてもよい。KLKB1遺伝子を標的とする第1のiRNA剤と、KLKB1遺伝子と異なる遺伝子、例えば凝固第XII因子(F12)遺伝子を標的とする第2のiRNA剤とは、同じ医薬組成物の一部として投与されてもよい。或いは、KLKB1遺伝子を標的とする第1のiRNA剤と、KLKB1遺伝子と異なる遺伝子、例えば凝固第XII因子(F12)遺伝子を標的とする第2のiRNA剤とは、異なる医薬組成物の一部として投与されてもよい。
iRNA剤と追加的な療法剤及び/又は治療とは、同時に及び/又は同じ組み合わせで、例えば非経口的に投与されてもよく、又は追加的な療法剤は、別個の組成物の一部として又は別々の時点で及び/又は当該技術分野において公知の又は本明細書に記載される別の方法によって投与することができる。
本発明はまた、細胞における接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1発現、F12発現、又はKNG1発現)を低下させ及び/又は阻害するための本発明のiRNA剤及び/又は本発明のiRNA剤を含有する組成物の使用方法も提供する。他の態様において、本発明は、細胞における接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1発現、F12発現、又はKNG1発現)の低下及び/又は阻害において使用される本発明のiRNA及び/又は本発明のiRNAを含む組成物を提供する。更に他の態様において、細胞における接触活性化経路遺伝子発現(即ち、KLKB1発現、F12発現、又はKNG1発現)を低下させ及び/又は阻害する医薬の製造のための本発明のiRNA及び/又は本発明のiRNAを含む組成物の使用が提供される。更に他の態様において、本発明は、細胞における接触活性化経路タンパク質産生(即ち、KLKB1タンパク質産生、F12タンパク質産生、又はKNG1タンパク質産生)の低下及び/又は阻害において使用される本発明のiRNA及び/又は本発明のiRNAを含む組成物を提供する。更に他の態様において、細胞における接触活性化経路タンパク質産生(即ち、KLKB1タンパク質産生、F12タンパク質産生、又はKNG1タンパク質産生)を低下させ及び/又は阻害する医薬の製造のための本発明のiRNA及び/又は本発明のiRNAを含む組成物の使用が提供される。これらの方法及び使用は、本発明のiRNA、例えばdsRNAに細胞を接触させる工程と、接触活性化経路遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間にわたって細胞を維持し、それによって接触活性化経路遺伝子の発現を阻害する又は細胞における接触活性化経路タンパク質産生を阻害する工程とを含む。
遺伝子発現の低下は、当該技術分野において公知の任意の方法によって評価することができる。例えば、KLKB1の発現の低下は、当業者にとってルーチンの方法、例えば、ノーザンブロッティング、qRT−PCRを用いてKLKB1のmRNA発現レベルを決定することにより、ウエスタンブロッティング、免疫学的技法、フローサイトメトリー法、ELISAなどの当業者にとってルーチンの方法を用いてKLKB1のタンパク質レベルを決定することにより、及び/又はKLKB1の生物学的活性を決定することにより、決定し得る。
本発明の方法及び使用において、細胞はインビトロ又はインビボで接触させてもよく、即ち、細胞は対象体内にあってもよい。
本発明の方法を用いた治療に好適な細胞は、接触活性化経路遺伝子を発現する任意の細胞、例えば、遺伝性血管浮腫(HAE)を有する対象の細胞、又は接触活性化経路遺伝子若しくは接触活性化経路遺伝子の一部分を含む発現ベクターを含む細胞であってよい。本発明の方法及び使用において用いるのに好適な細胞は、哺乳類細胞、例えば、霊長類細胞(ヒト細胞又は非ヒト霊長類細胞、例えば、サル細胞又はチンパンジー細胞など)、非霊長類細胞(雌ウシ細胞、ブタ細胞、ラクダ細胞、ラマ細胞、ウマ細胞、ヤギ細胞、ウサギ細胞、ヒツジ細胞、ハムスター、モルモット細胞、ネコ細胞、イヌ細胞、ラット細胞、マウス細胞、ライオン細胞、トラ細胞、クマ細胞、又はスイギュウ細胞など)、トリ細胞(例えば、アヒル細胞又はガチョウ細胞)、又はクジラ細胞であってもよい。一実施形態において、細胞はヒト細胞である。
接触活性化経路遺伝子発現は、細胞において少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は約100%まで阻害され得る。
接触活性化経路タンパク質生成は、細胞において少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は約100%まで阻害され得る。
本発明のインビボ方法及び使用は、iRNAを含有する組成物を対象に投与することを含んでいてもよく、iRNAは、処置される哺乳動物の接触活性化経路遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部に相補的なヌクレオチド配列を含む。処置される生物がヒトである場合、組成物は、限定はされないが、皮下、静脈内、経口、腹腔内、又は頭蓋内(例えば、脳室内、実質内及びくも膜下腔内)、筋肉内、経皮、気道(エアゾール)、経鼻、直腸、及び局所(口腔及び舌下を含む)投与を含む非経口経路を含む、当該技術分野において公知の任意の手段によって投与され得る。特定の実施形態において、組成物は、皮下又は静脈内注入又は注射によって投与される。一実施形態において、組成物は皮下注射によって投与される。
ある実施形態において、投与は、デポー注射による。デポー注射は、長時間にわたってiRNAを一貫して放出することができる。したがって、デポー注射は、所望の効果、例えば、KLKB1の所望の阻害、又は治療又は予防効果を得るのに必要な投与の頻度を低減し得る。デポー注射はまた、より一貫した血清濃度を提供することができる。デポー注射は、皮下注射又は筋肉内注射を含み得る。好ましい実施形態において、デポー注射は、皮下注射である。
ある実施形態において、投与は、ポンプによる。ポンプは、外部ポンプ又は手術により埋め込まれたポンプであってもよい。特定の実施形態において、ポンプは、皮下に埋め込まれた浸透圧ポンプである。他の実施形態において、ポンプは、注入ポンプである。注入ポンプは、静脈内、皮下、動脈内、又は硬膜外注入に使用され得る。好ましい実施形態において、注入ポンプは、皮下注入ポンプである。他の実施形態において、ポンプは、iRNAを対象に送達する、手術により埋め込まれたポンプである。
投与方法は、局所又全身処置のいずれが所望されるかに基づいて、及び処置される領域に基づいて選択され得る。投与の経路及び部位は、標的化を向上させるように選択され得る。
一態様において、本発明は、哺乳動物、例えば、ヒトにおけるKLKB1遺伝子の発現を阻害するための方法も提供する。本発明は、哺乳動物におけるKLKB1遺伝子の発現を阻害するのに使用するための、哺乳動物の細胞内でのKLKB1遺伝子を標的とするiRNA、例えば、dsRNAを含む組成物も提供する。別の態様において、本発明は、哺乳動物におけるKLKB1遺伝子の発現を阻害するための薬剤の製造における、哺乳動物の細胞内でのKLKB1遺伝子を標的とするiRNA、例えば、dsRNAの使用を提供する。
本方法及び使用は、哺乳動物の細胞におけるKLKB1遺伝子を標的とするiRNA、例えばdsRNAを含む組成物を哺乳動物、例えばヒトに投与する工程と、KLKB1遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間にわたって哺乳動物を維持し、それによって哺乳動物におけるKLKB1遺伝子の発現を阻害する工程とを含む。
別の態様において、本発明はまた、哺乳動物、例えばヒトにおけるF12遺伝子の発現の阻害方法も提供する。本発明はまた、哺乳動物におけるF12遺伝子の発現の阻害に使用される、哺乳動物の細胞におけるF12遺伝子を標的とするiRNA、例えばdsRNAを含む組成物も提供する。別の態様において、本発明は、哺乳動物におけるF12遺伝子の発現を阻害するための医薬の製造における、哺乳動物の細胞におけるF12遺伝子を標的とするiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。
本方法及び使用は、哺乳動物の細胞におけるF12遺伝子を標的とするiRNA、例えばdsRNAを含む組成物を哺乳動物、例えばヒトに投与する工程と、F12遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間にわたって哺乳動物を維持し、それによって哺乳動物におけるF12遺伝子の発現を阻害する工程とを含む。
更に別の態様において、本発明はまた、哺乳動物、例えばヒトにおけるKNG1遺伝子の発現の阻害方法も提供する。本発明はまた、哺乳動物におけるKNG1遺伝子の発現の阻害に使用される、哺乳動物の細胞におけるKNG1遺伝子を標的とするiRNA、例えばdsRNAを含む組成物も提供する。別の態様において、本発明は、哺乳動物におけるKNG1遺伝子の発現を阻害するための医薬の製造における、哺乳動物の細胞におけるKNG1遺伝子を標的とするiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。
方法及び使用は、哺乳動物の細胞内でのKNG1遺伝子を標的とするiRNA、例えば、dsRNAを含む組成物を、哺乳動物、例えば、ヒトに投与する工程と、KNG1遺伝子のmRNA転写物の分解を得るのに十分な時間にわたって哺乳動物を維持し、それによって、哺乳動物におけるKNG1遺伝子の発現を阻害する工程とを含む。
遺伝子の発現の低下は、当該技術分野において公知の任意の方法、例えば、本明細書に記載されるqRT−PCRによって、iRNAを投与された対象中の末梢血試料中で評価され得る。タンパク質産生の減少は、当該技術分野において公知の任意の方法によって、及び例えば、本明細書に記載されるELISA又はウエスタンブロット法といった方法によって評価され得る。一実施形態において、組織試料が、接触活性化経路遺伝子及び/又はタンパク質の発現の低下を監視するための組織材料として役立つ。別の実施形態において、血液試料が、接触活性化経路遺伝子及び/又はタンパク質の発現の低下を監視するための組織材料として役立つ。
一実施形態において、iRNA剤の投与後のインビボの標的のRISCによる切断の確認が、5’−RACE又は当該技術分野において公知のプロトコルの変更によって行われる(Lasham A et al.,(2010)Nucleic Acid Res.,38(3)p−e19)(Zimmermann et al.(2006)Nature 441:111−4)。
本発明は以下の例によって更に例示され、これらの例は限定するものと解釈されてはならない。本願全体を通じて引用される全ての参考文献、特許及び公開特許出願の内容全体、並びに図及び配列表は、本明細書によって参照により本明細書に援用される。
実施例1.KLKB1 iRNA合成
試薬の供給元
試薬の供給元が本明細書に具体的に示されない場合、かかる試薬は、任意の分子生物学試薬供給業者から分子生物学的適用の品質/純度基準で入手することができる。
転写物
siRNA設計
ヒトKLKB1、「カリクレインB、血漿(フレッチャー因子)1」(REFSeq受託番号NM_000892.3、GI:78191797、GeneID:3818、配列番号1及び配列番号2)及び毒性学的種のKLKB1オルソログ(カニクイザル:RefSeq受託番号XM_005556482、GI:544436072;アカゲザル:RefSeq JU329355、GI:380802470;マウス:RefSeq NM_008455、GI:236465804;ラット:RefSeq NM_012725、GI:162138904)を標的とする一組のsiRNAを、カスタムR及びPythonスクリプトを使用して設計した。ヒトKLKB1 RefSeq mRNAは2252塩基の長さを有する。この一組のsiRNA設計の理論的根拠及び方法は以下のとおりである:多数の脊椎動物遺伝子を標的とする20,000を超える個別的なsiRNA設計のデータに基づきmRNAノックダウンの直接的な尺度を予測する線形モデルを使用して、ヒトKLKB1 mRNAの72位〜2252位(コード領域及び3’UTRを含む)におけるあらゆる可能な19mer siRNAの予想される有効性を決定した。ヒト、カニクイザル及びアカゲザルの間で完全一致又はほぼ完全一致を示すKLKB1 siRNAのサブセットを設計した。マウス及びラットKLKB1オルソログと完全一致又はほぼ完全一致を示す更なるサブセットを設計した。siRNAの各鎖について、カスタムPythonスクリプトを力まかせ探索で使用して、そのsiRNAと標的種トランスクリプトームにおける全ての可能なアラインメントとの間のミスマッチの数及び位置を計測した。シード領域(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの2〜9位として定義される)のミスマッチ、更にsiRNAの切断部位(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの10〜11位として定義される)に追加の重み付けを与えた。ミスマッチの相対重み付けは、シードミスマッチについて2.8、切断部位ミスマッチについて1.2であり、及びアンチセンス19位までの他の位置におけるミスマッチ1であった。最初の位置のミスマッチは無視した。各鎖について、重み付けした各ミスマッチの値を合計することにより特異性スコアを計算した。ヒト及びカニクイザルにおけるアンチセンススコアが3.0以上であり、且つ予測有効性がKLKB1転写物の70%以上のノックダウンであったsiRNAを優先した。様々な2’−O−メチル及び2’−フルオロ置換パターンを含めた構造活性修飾を含む一組のsiRNAもまた設計し、合成し、及びスクリーニングした。
非修飾KLKB1センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表3に示す。修飾KLKB1センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表4に示す。
siRNA合成
固体支持体媒介ホスホラミダイト化学を用いてMermade 192シンセサイザー(BioAutomation)で1μmolスケールのKLKB1 siRNA配列を合成した。固体支持体は、カスタムのGalNAcリガンドをロードしたコントロールド・ポア・グラス(controlled pore glass)(500A)又は汎用固体支持体(AM biochemical)であった。補助的合成試薬、2’−F及び2’−O−メチルRNA及びデオキシホスホラミダイトは、Thermo−Fisher(Milwaukee,WI)及びHongene(中国)から入手した。対応するホスホラミダイトを用いて2’F2’−O−メチル、GNA(グリコール核酸)、5’ホスフェート及び他の修飾を導入した。3’GalNAcコンジュゲート一本鎖の合成は、GalNAc修飾CPG支持体で実施した。アンチセンス一本鎖の合成にはカスタムCPG汎用固体支持体を使用した。全てのホスホラミダイト(アセトニトリル中100mM)のカップリング時間を5分とし、5−エチルチオ−1H−テトラゾール(ETT)をアクチベータ(アセトニトリル中0.6M)として用いた。無水アセトニトリル/ピリジン(1:1v/v)中の3−((ジメチルアミノ−メチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−3−チオン(DDTT、Chemgenes(Wilmington,MA,USA)から入手した)の50mM溶液を用いてホスホロチオエート結合を作成した。酸化時間は3分とした。配列は全て、最終的にDMT基を除去して合成した(「DMTオフ」)。
固相合成の完了後、オリゴリボヌクレオチドを固体支持体から切断し、密閉した96ディープウェルプレートにおいて200μLメチルアミン水溶液試薬を60℃で20分間使用して脱保護した。tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基で保護されている2’リボ残基(2’−OH)を含有する配列について、TEA.3HF(トリエチルアミン三フッ化水素酸塩)試薬を使用して第2の脱保護工程を実施した。このメチルアミン脱保護溶液に、200uLのジメチルスルホキシド(DMSO)及び300ul TEA.3HF試薬を添加し、この溶液を60℃で更に20分間インキュベートした。切断及び脱保護工程の終了時に合成プレートを室温に至らせ、1mLのアセトニトリル(acetontile):エタノール混合物(9:1)を添加することによって沈殿させた。プレートを−80℃で2時間冷却し、マルチチャンネルピペットを用いて上清(superanatant)を慎重にデカントした。オリゴヌクレオチドペレットを20mM NaOAc緩衝液に再懸濁し、A905オートサンプラー及びFrac 950フラクションコレクターを備えたAKTA Purifier Systemで5mL HiTrapサイズ排除カラム(GE Healthcare)を使用して脱塩した。脱塩した試料を96ウェルプレートに収集した。各配列からの試料をLC−MSによって分析してアイデンティティを確認し、UV(260nm)で定量化し、及びIEXクロマトグラフィーによって選択の試料セットの純度を決定した。
Tecan液体ハンドリングロボットでKLKB1一本鎖のアニーリングを実施した。96ウェルプレートにおいてセンス及びアンチセンス一本鎖の等モル混合物を合わせ、アニールした。相補的な一本鎖を合わせた後、96ウェルプレートをしっかりと密閉し、100℃のオーブンで10分間加熱し、2〜3時間の時間をかけてゆっくりと室温に至らせた。各二本鎖の濃度は1×PBS中10μMに標準化し、次にインビトロスクリーニングアッセイにかけた。
実施例2.KLKB1 siRNA二本鎖のインビトロスクリーニング
細胞培養及びトランスフェクション
10%FBSを補足したDMEM(ATCC)中においてCos7細胞(ATCC、Manassas,VA)を5%CO2雰囲気中37℃でほぼコンフルエンスになるまで成長させた後、トリプシン処理によってプレートから遊離させた。約2.2kbのヒトKLKB1ゲノム配列又は2.5kbのオルソロガスマウスKLKB1ゲノム配列のいずれかを含有するpsiCHECK2プラスミドに、Dual−Glo(登録商標)ルシフェラーゼコンストラクトを作成した。Lipofectamine 2000(Invitrogen、Carlsbad CA.カタログ番号11668−019)を使用して各dual−ルシフェラーゼプラスミドを約15×104細胞となるようにsiRNAとコトランスフェクトした。96ウェルプレートの各ウェルにつき、0.2μlのリポフェクタミンを14.8μlのOpti−MEM中10ngのプラスミドベクター及び単一のsiRNA(表3及び表4)に加え、室温で15分間複合体化させた。次にこの混合物を、80μlの新鮮完全培地中に再懸濁した細胞に加えた。細胞を24時間インキュベートした後、ルシフェラーゼを計測した。
10nM及び0.01nM最終二本鎖濃度で単回投与実験を実施し、10nM〜36fM最終二本鎖濃度の用量範囲にわたって8つの6倍希釈で用量反応実験を行った。
Dual−Glo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイ
siRNAのトランスフェクション後48時間に、ホタルルシフェラーゼ(トランスフェクション対照)及びウミシイタケ(Rinella)ルシフェラーゼ(KLKB1標的配列に融合している)を計測した。初めに、細胞から培地を除去した。次に、各ウェルに培養培地容積と等しい75μlのDual−Glo(登録商標)ルシフェラーゼ試薬を添加してホタルルシフェラーゼ活性を計測し、混合した。この混合物を室温で30分間インキュベートした後、Spectramax(Molecular Devices)でルミネセンス(lunimescense)(500nm)を計測してホタルルシフェラーゼシグナルを検出した。各ウェルに75μlの室温のDual−Glo(登録商標)Stop&Glo(登録商標)試薬を添加してウミシイタケルシフェラーゼ活性を計測し、プレートを10〜15分間インキュベートした後、ルミネセンスを再び計測してウミシイタケルシフェラーゼシグナルを決定した。Dual−Glo(登録商標)Stop&Glo(登録商標)試薬はホタルルシフェラーゼシグナルをクエンチし、ウミシイタケルシフェラーゼ反応のルミネセンスを維持する。各ウェル内でウミシイタケ(KLKB1)シグナルをホタル(対照)シグナルで正規化することにより、siRNA活性を決定した。次に、同じベクターをトランスフェクトしたがsiRNAで処理しなかったか又は非標的化siRNAで処理した細胞と比べて、siRNA活性の大きさを評価した。全てのトランスフェクションは3通りで行った。
表5は、指示されるヒトKLKB1 iRNAをトランスフェクトしたCos7細胞における単回投与スクリーンの結果を示す。表6は、指示されるマウスKLKB1 iRNAをトランスフェクトしたCos7細胞における単回投与スクリーンの結果を示す。データは、陰性対照と比べた残存mRNAのパーセントとして表す。
一部の二本鎖はまた、上記に記載したとおりDual−Glo(登録商標)ルシフェラーゼアッセイを用いて、ヒトKLKB1及びマウスKLKB1 mRNAのサイレンシングに関する用量反応についてもアッセイした。指示されるKLKB1 iRNAをトランスフェクトしたCos7細胞におけるヒトKLKB1スクリーンの結果を表7に示す。指示されるKLKB1 iRNAをトランスフェクトしたCos7細胞におけるマウスKLKB1スクリーンの結果を表8に示す。データは、48時間における陰性対照と比べた残存mRNAのパーセントとして表す。
実施例3.F12 iRNA合成
試薬の供給元
試薬の供給元が本明細書に具体的に示されない場合、かかる試薬は、任意の分子生物学試薬供給業者から分子生物学的適用の品質/純度基準で入手することができる。
転写物
siRNA設計
ヒトF12、「凝固第XII因子」(ヒト:NCBI refseqID NM_000505;NCBI GeneID:2161)、並びに毒性学的種F12オルソログ(カニクイザル:XM_005558647;マウス:NM_021489;ラット、NM_001014006)を標的とする一組のsiRNAを、カスタムR及びPythonスクリプトを使用して設計した。ヒトF12 REFSEQ mRNAは2060塩基の長さを有する。この一組のsiRNA設計の理論的根拠及び方法は以下のとおりである:多数の脊椎動物遺伝子を標的とする20,000を超える個別的なsiRNA設計のデータに基づきmRNAノックダウンの直接的な尺度を予測する線形モデルを使用して、ヒトF12 mRNA(コード領域及び3’UTRを含む)の50位〜2060位(コード領域及び3’UTR)におけるあらゆる可能な19mer siRNAの予想される有効性を決定した。ヒト、カニクイザル及びアカゲザルの間で完全一致又はほぼ完全一致を示すF12 siRNAのサブセットを設計した。マウス及びラットF12オルソログと完全一致又はほぼ完全一致を示す更なるサブセットを設計した。siRNAの各鎖について、カスタムPythonスクリプトを力まかせ探索で使用して、そのsiRNAと標的種トランスクリプトームにおける全ての可能なアラインメントとの間のミスマッチの数及び位置を計測した。シード領域(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの2〜9位として定義される)のミスマッチ、更にsiRNAの切断部位(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの10〜11位として定義される)に追加の重み付けを与えた。ミスマッチの相対重み付けは、シードミスマッチについて2.8、切断部位ミスマッチについて1.2であり、及びアンチセンス19位までの他の位置におけるミスマッチ1であった。最初の位置のミスマッチは無視した。各鎖について、重み付けした各ミスマッチの値を合計することにより特異性スコアを計算した。ヒト及びカニクイザルにおけるアンチセンススコアが≧3.0であり、且つ予測有効性がF12転写物の≧70%ノックダウンであったsiRNAを優先した。
非修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表9に示す。修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表10に示す。
siRNA合成
Mermade 192シンセサイザー(BioAutomation)で固体支持体媒介ホスホラミダイトケミストリーを用いて1μmolスケールのF12 siRNA配列を合成した。固体支持体は、カスタムのGalNAcリガンドをロードしたコントロールド・ポア・グラス(500A)又は汎用固体支持体(AM biochemical)であった。補助的合成試薬、2’−F及び2’−O−メチルRNA及びデオキシホスホラミダイトは、Thermo−Fisher(Milwaukee,WI)及びHongene(中国)から入手した。対応するホスホラミダイトを用いて2’F 2’−O−メチル、GNA(グリコール核酸)、5’リン酸及び他の修飾を導入した。3’GalNAcコンジュゲート一本鎖の合成はGalNAc修飾CPG支持体で実施した。アンチセンス一本鎖の合成にはカスタムのCPG汎用固体支持体を使用した。全てのホスホラミダイト(アセトニトリル中100mM)のカップリング時間を5分とし、5−エチルチオ−1H−テトラゾール(ETT)をアクチベーター(アセトニトリル中0.6M)として用いた。無水アセトニトリル/ピリジン(1:1v/v)中の3−((ジメチルアミノ−メチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−3−チオン(DDTT、Chemgenes(Wilmington,MA,USA)から入手した)の50mM溶液を用いてホスホロチオエート結合を作成した。酸化時間は3分とした。配列は全て、最終的にDMT基を除去して合成した(「DMTオフ」)。
固相合成の完了後、オリゴリボヌクレオチドを固体支持体から切断し、密閉した96ディープウェルプレートにおいて200μLメチルアミン水溶液試薬を使用して60℃で20分間脱保護した。tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基で保護されている2’リボ残基(2’−OH)を含有する配列について、TEA.3HF(トリエチルアミン三フッ化水素酸塩)試薬を使用して第2の脱保護工程を実施した。このメチルアミン脱保護溶液に、200uLのジメチルスルホキシド(DMSO)及び300ul TEA.3HF試薬を添加し、この溶液を60℃で更に20分間インキュベートした。切断及び脱保護工程の終了時に合成プレートを室温に至らせ、1mLのアセトニトリル(acetontile):エタノール混合物(9:1)を添加することによって沈殿させた。プレートを−80℃で2時間冷却し、マルチチャンネルピペットを用いて上清(superanatant)を慎重にデカントした。オリゴヌクレオチドペレットを20mM NaOAc緩衝液に再懸濁し、A905オートサンプラー及びFrac 950フラクションコレクターを備えたAKTA Purifier Systemで5mL HiTrapサイズ排除カラム(GE Healthcare)を使用して脱塩した。脱塩した試料を96ウェルプレートに収集した。各配列からの試料をLC−MSによって分析してアイデンティティを確認し、UV(260nm)で定量化し、及びIEXクロマトグラフィーによって選択の試料セットの純度を決定した。
Tecan液体ハンドリングロボットでF12一本鎖のアニーリングを実施した。96ウェルプレートにおいてセンス及びアンチセンス一本鎖の等モル混合物を合わせ、アニールした。相補的な一本鎖を合わせた後、96ウェルプレートをしっかりと密閉し、100℃のオーブンで10分間加熱し、2〜3時間かけてゆっくりと室温に至らせた。各二本鎖の濃度を1×PBS中10μMに標準化し、次にインビトロスクリーニングアッセイにかけた。
実施例4.F12 siRNA二本鎖のインビトロスクリーニング
細胞培養及びトランスフェクション
384ウェルプレート中4.9μlのOpti−MEM+0.1μlのLipofectamine RNAiMax/ウェル(Invitrogen、Carlsbad CA.カタログ番号13778−150)を5μlのsiRNA二本鎖/ウェルに加えることによりHep3b又は初代マウス肝細胞(PMH)(MSCP10、ロット番号MC613)をトランスフェクトし、室温で15分間インキュベートした。次に、このsiRNA混合物に、約5×103細胞を含有するウィリアムE培地(PMH)の40μlのDMEM(Hep3b)を加えた。細胞を24時間インキュベートした後、RNAを精製した。
10nM及び0.01nM最終二本鎖濃度で単回投与実験を実施し、10nM〜36fM最終二本鎖濃度の用量範囲にわたって8つの6倍希釈で用量反応実験を行った。
DYNABEADS mRNA単離キットを使用した全RNA単離:
DYNABEADs(Invitrogen、カタログ番号61012)を使用してBioTek−EL406プラットフォームで自動プロトコルを用いてRNAを単離した。簡潔に言えば、3μlの磁気ビーズを含有する50μlの溶解/結合緩衝液及び25μlの溶解緩衝液を細胞と共にプレートに加えた。プレートを電磁振盪機において室温で10分間インキュベートし、次に磁気ビーズを捕捉して上清を取り除いた。次にビーズに結合したRNAを150μl洗浄緩衝液Aで2回、及び洗浄緩衝液Bで1回洗浄した。次にビーズを150μl溶出緩衝液で洗浄し、再び捕捉し、上清を取り除いた。
ABIハイキャパシティcDNA逆転写キット(Applied Biosystems、Foster City,CA、カタログ番号4368813)を使用したcDNA合成:
上記に記載したとおり単離したRNAに、反応当たり1μl 10×緩衝液、0.4μl 25×dNTP、1μl 10×ランダムプライマー、0.5μl逆転写酵素、0.5μl RNアーゼ阻害薬及び6.6μlのH2Oを含有する10μlのマスターミックスを加えた。プレートを密閉し、混合し、電磁振盪機において室温で10分間、続いて37℃で2時間インキュベートした。次にプレートを81℃で8分間インキュベートした。
リアルタイムPCR:
384ウェルプレート(Roche カタログ番号04887301001)においてウェル当たり0.5μlのGAPDH TaqManプローブ(Hs99999905_m1又は4352339E)、0.5μl F12プローブ(Hs00166821又はMm00491349)及び5μl Lightcycler 480プローブマスターミックス(Roche カタログ番号04887301001)を含有するマスターミックスに2μlのcDNAを加えた。LightCycler480リアルタイムPCRシステム(Roche)を使用して、ΔΔCt(RQ)アッセイを用いてリアルタイムPCRを実施した。4つの独立したトランスフェクションで各二本鎖を試験した。
相対倍数変化を計算するため、ΔΔCt法を用いてリアルタイムデータを分析し、10nM AD−1955をトランスフェクトした細胞、又はモックトランスフェクト細胞で実施したアッセイに対して正規化した。XLFitを使用して4パラメータフィットモデルを用いてIC50を計算し、AD−1955をトランスフェクトした細胞、非標的化対照、又はナイーブ細胞に対して正規化した。
AD−1955のセンス及びアンチセンス配列は以下である:
センス:cuuAcGcuGAGuAcuucGAdTsdT(配列番号2343);
アンチセンス:UCGAAGuACUcAGCGuAAGdTsdT(配列番号2344)。
表11は、指示されるヒトF12 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞における単回投与スクリーンの結果を示す。表12は、指示されるヒトF12 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞における単回用量反応スクリーンの結果を示す。表13は、指示されるマウスF12 iRNAをトランスフェクトした初代マウス肝細胞における単回投与スクリーンの結果を示す。表14は、指示されるヒトF12 iRNAをトランスフェクトした初代マウス肝細胞における用量反応スクリーンの結果を示す。データは、AD−1955と比べた残存mRNAのパーセントとして表す。
実施例5.KNG1 iRNA合成
試薬の供給元
試薬の供給元が本明細書に具体的に示されない場合、かかる試薬は、任意の分子生物学試薬供給業者から分子生物学的適用の品質/純度基準で入手することができる。
転写物
siRNA設計
ヒトKNG1、「キニノーゲン1」(ヒト:NCBI refseqID NM_001166451;NCBI GeneID:3827)、並びに毒性学的種KNG1オルソログ(カニクイザル:XM_005545463;マウス:NM_001102409;ラット、NM_012696)を標的とする一組のsiRNAを、カスタムR及びPythonスクリプトを使用して設計した。ヒトNM_001166451 REFSEQ mRNAは2035塩基の長さを有する。この一組のsiRNA設計の理論的根拠及び方法は以下のとおりである:多数の脊椎動物遺伝子を標的とする20,000を超える個別的なsiRNA設計のデータに基づきmRNAノックダウンの直接的な尺度を予測する線形モデルを使用して、235位〜2035位(コード領域及び3’UTRにおけるあらゆる可能な19mer siRNAの予想される有効性を決定した。ヒト及びカニクイザルの間で完全一致又はほぼ完全一致を示すKNG1 siRNAのサブセットを設計した。マウス及びラットKNG1オルソログと完全一致又はほぼ完全一致を示す更なるサブセットを設計した。siRNAの各鎖について、カスタムPythonスクリプトを力まかせ探索で使用して、そのsiRNAと標的種トランスクリプトームにおける全ての可能なアラインメントとの間のミスマッチの数及び位置を計測した。シード領域(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの2〜9位として定義される)のミスマッチ、更にsiRNAの切断部位(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの10〜11位として定義される)に追加の重み付けを与えた。ミスマッチの相対重み付けは、シードミスマッチについて2.8、切断部位ミスマッチについて1.2であり、及びアンチセンス19位までの他の位置におけるミスマッチ1であった。最初の位置のミスマッチは無視した。各鎖について、重み付けした各ミスマッチの値を合計することにより特異性スコアを計算した。ヒト及びカニクイザルにおけるアンチセンススコアが≧3.0であり、且つ予測有効性がNM_001166451転写物の≧70%ノックダウンであったsiRNAを優先した。
非修飾KNG1センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表15に示す。修飾KNG1センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表16に示す。
siRNA合成
Mermade 192シンセサイザー(BioAutomation)で固体支持体媒介ホスホラミダイトケミストリーを用いて1μmolスケールのKNG1 siRNA配列を合成した。固体支持体は、カスタムのGalNAcリガンドをロードしたコントロールド・ポア・グラス(500A)又は汎用固体支持体(AM biochemical)であった。補助的合成試薬、2’−F及び2’−O−メチルRNA及びデオキシホスホラミダイトは、Thermo−Fisher(Milwaukee,WI)及びHongene(中国)から入手した。対応するホスホラミダイトを用いて2’F 2’−O−メチル、GNA(グリコール核酸)、5’リン酸及び他の修飾を導入した。3’GalNAcコンジュゲート一本鎖の合成はGalNAc修飾CPG支持体で実施した。アンチセンス一本鎖の合成にはカスタムのCPG汎用固体支持体を使用した。全てのホスホラミダイト(アセトニトリル中100mM)のカップリング時間を5分とし、5−エチルチオ−1H−テトラゾール(ETT)をアクチベーター(アセトニトリル中0.6M)として用いた。無水アセトニトリル/ピリジン(1:1v/v)中の3−((ジメチルアミノ−メチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾール−3−チオン(DDTT、Chemgenes(Wilmington,MA,USA)から入手した)の50mM溶液を用いてホスホロチオエート結合を作成した。酸化時間は3分とした。配列は全て、最終的にDMT基を除去して合成した(「DMTオフ」)。
固相合成の完了後、オリゴリボヌクレオチドを固体支持体から切断し、密閉した96ディープウェルプレートにおいて200μLメチルアミン水溶液試薬を使用して60℃で20分間脱保護した。tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基で保護されている2’リボ残基(2’−OH)を含有する配列について、TEA.3HF(トリエチルアミン三フッ化水素酸塩)試薬を使用して第2の脱保護工程を実施した。このメチルアミン脱保護溶液に、200uLのジメチルスルホキシド(DMSO)及び300ul TEA.3HF試薬を添加し、この溶液を60℃で更に20分間インキュベートした。切断及び脱保護工程の終了時に合成プレートを室温に至らせ、1mLのアセトニトリル(acetontile):エタノール混合物(9:1)を添加することによって沈殿させた。プレートを−80℃で2時間冷却し、マルチチャンネルピペットを用いて上清(superanatant)を慎重にデカントした。オリゴヌクレオチドペレットを20mM NaOAc緩衝液に再懸濁し、A905オートサンプラー及びFrac 950フラクションコレクターを備えたAKTA Purifier Systemで5mL HiTrapサイズ排除カラム(GE Healthcare)を使用して脱塩した。脱塩した試料を96ウェルプレートに収集した。各配列からの試料をLC−MSによって分析してアイデンティティを確認し、UV(260nm)で定量化し、及びIEXクロマトグラフィーによって選択の試料セットの純度を決定した。
Tecan液体ハンドリングロボットでKNG1一本鎖のアニーリングを実施した。96ウェルプレートにおいてセンス及びアンチセンス一本鎖の等モル混合物を合わせ、アニールした。相補的な一本鎖を合わせた後、96ウェルプレートをしっかりと密閉し、100℃のオーブンで10分間加熱し、2〜3時間かけてゆっくりと室温に至らせた。各二本鎖の濃度を1×PBS中10μMに標準化し、次にインビトロスクリーニングアッセイにかけた。
実施例6.KNG1 siRNA二本鎖のインビトロスクリーニング
細胞培養及びトランスフェクション
384ウェルプレート中4.9μlのOpti−MEM+0.1μlのLipofectamine RNAiMax/ウェル(Invitrogen、Carlsbad CA.カタログ番号13778−150)を5μlのsiRNA二本鎖/ウェルに加えることによりHep3bをトランスフェクトし、室温で15分間インキュベートした。次に、このsiRNA混合物に、約5×103細胞を含有するウィリアムE培地(PMH)の40μlのDMEM(Hep3b)を加えた。細胞を24時間インキュベートした後、RNAを精製した。
10nM及び0.01nM最終二本鎖濃度で単回投与実験を実施し、10nM〜36fM最終二本鎖濃度の用量範囲にわたって8つの6倍希釈で用量反応実験を行った。
DYNABEADS mRNA単離キットを使用した全RNA単離:
DYNABEADs(Invitrogen、カタログ番号61012)を使用してBioTek−EL406プラットフォームで自動プロトコルを用いてRNAを単離した。簡潔に言えば、3μlの磁気ビーズを含有する50μlの溶解/結合緩衝液及び25μlの溶解緩衝液を細胞と共にプレートに加えた。プレートを電磁振盪機において室温で10分間インキュベートし、次に磁気ビーズを捕捉して上清を取り除いた。次にビーズに結合したRNAを150μl洗浄緩衝液Aで2回、及び洗浄緩衝液Bで1回洗浄した。次にビーズを150μl溶出緩衝液で洗浄し、再び捕捉し、上清を取り除いた。
ABIハイキャパシティcDNA逆転写キット(Applied Biosystems、Foster City,CA、カタログ番号4368813)を使用したcDNA合成:
上記に記載したとおり単離したRNAに、反応当たり1μl 10×緩衝液、0.4μl 25×dNTP、1μl 10×ランダムプライマー、0.5μl逆転写酵素、0.5μl RNアーゼ阻害薬及び6.6μlのH2Oを含有する10μlのマスターミックスを加えた。プレートを密閉し、混合し、電磁振盪機において室温で10分間、続いて37℃で2時間インキュベートした。次にプレートを81℃で8分間インキュベートした。
リアルタイムPCR:
384ウェルプレート(Roche カタログ番号04887301001)においてウェル当たり0.5μlのGAPDH TaqManプローブ(Hs99999905_m1又は4352339E)、0.5μl F12プローブ(Hs00166821又はMm00491349)及び5μl Lightcycler 480プローブマスターミックス(Roche カタログ番号04887301001)を含有するマスターミックスに、2μlのcDNAを加えた。LightCycler480リアルタイムPCRシステム(Roche)を使用して、ΔΔCt(RQ)アッセイを用いてリアルタイムPCRを実施した。4つの独立したトランスフェクションで各二本鎖を試験した。
相対倍数変化を計算するため、ΔΔCt法を用いてリアルタイムデータを分析し、10nM AD−1955をトランスフェクトした細胞、又はモックトランスフェクト細胞で実施したアッセイに対して正規化した。XLFitを使用して4パラメータフィットモデルを用いてIC50を計算し、AD−1955をトランスフェクトした細胞、非標的化対照、又はナイーブ細胞に対して正規化した。
AD−1955のセンス及びアンチセンス配列は以下である:
センス:cuuAcGcuGAGuAcuucGAdTsdT(配列番号2343);
アンチセンス:UCGAAGuACUcAGCGuAAGdTsdT(配列番号2344)。
表17は、指示されるヒトKNG1 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞における単回投与スクリーンの結果を示す。表18は、指示されるヒトKNG1 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞における用量反応スクリーンの結果を示す。データは、AD−1955と比べた残存mRNAのパーセントとして表す。
実施例7.野生型マウスにおけるインビボKLKB1、F12、及びKNG1サイレンシング
上記に記載した、KLKB1を標的とする最も活性な薬剤のうちの3つ、上記に記載した、F12を標的とする最も活性な薬剤のうちの3つ、及び上記に記載した、KNG1を標的とする最も活性な薬剤のうちの2つを更なる評価用に選択した。詳細には、NM_000892(KLKB1遺伝子)のヌクレオチド1661〜1682、又はヌクレオチド1905〜1926、又はヌクレオチド382〜403を標的とする更なる薬剤(図7)、NM_000505(F12遺伝子)のヌクレオチド2017〜2040、又はヌクレオチド315〜338、又はヌクレオチド438〜459を標的とする更なる薬剤(図8)、及びNM_001166451(KNG1遺伝子)のヌクレオチド301〜324又はヌクレオチド822〜845を標的とする更なる薬剤(図9)を上記に記載したとおり合成した。これらの更なる薬剤のインビボ有効性を、薬剤を野生型C57BL/6マウスに単回皮下用量で投与し、投与7〜10日後のmRNAレベルを決定することによって評価した。KLKB1を標的とする図7に示される薬剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖の非修飾ヌクレオチド配列を表19Aに提供し、及び図7に示される薬剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖の修飾ヌクレオチド配列を表19Bに提供する。F12を標的とする図8に示される薬剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖の非修飾ヌクレオチド配列を表19Cに提供し、及び図8に示される薬剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖の修飾ヌクレオチド配列を表19Dに提供する。KNG1を標的とする図9に示される薬剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖の非修飾ヌクレオチド配列を表19Eに提供し、及び図9に示される薬剤のセンス鎖及びアンチセンス鎖の修飾ヌクレオチド配列を表19Fに提供する。
詳細には、KLKB1遺伝子を標的とする更なる薬剤に関して、野生型C57BL/6マウスに単回1mg/kg又は3mg/kg用量の薬剤を投与し、投与7〜10日後のKLKB1 mRNAレベルを決定した。これらのアッセイの結果を図1に提供し、これは、AD−66948が、試験したKLKB1遺伝子を標的とする薬剤で最も効果的(efficiacious)あったことを実証している。
F12を標的とする更なる薬剤に関して、野生型C57BL/6マウスに単回1mg/kg用量又は単回3mg/kg用量、又は単回1mg/kg用量又は単回10mg/kg用量のいずれかの薬剤を投与し、投与7〜10日後のF12 mRNAレベルを決定した。これらのアッセイの結果を図2に提供し、これは、AD−67244が、試験したF12遺伝子を標的とする薬剤で最も効果的(efficiacious)あったことを実証している。
KNG1遺伝子を標的とする更なる薬剤に関して、野生型C57BL/6マウスに単回1mg/kg又は3mg/kg用量の薬剤を投与し、投与7〜10日後のKNG1 mRNAレベルを決定した。これらのアッセイの結果を図3に提供し、これは、AD−67344が、試験したKNG1遺伝子を標的とする薬剤で最も効果的(efficiacious)あったことを実証している。
実施例8.ACE阻害薬誘発性血管透過性マウスモデルにおけるインビボKLKB1、F12、及びKNG1サイレンシング
ヒトKLKB1、F12、又はKNG1 mRNAレベルを低下させる上記に記載される薬剤のサブセットの単回投与のインビボ有効性を決定するため、野生型C57BL/6雌マウスに単回0mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg又は10mg/kg用量のAD−66948(KLKB1を標的とする)、又は単回0mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg又は3mg/kg用量のAD−67244(F12を標的とする)、又は単回0mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg又は10mg/kg用量のAD−67344(KNG1を標的とする)を皮下投与した。投与後7日目、動物に2.5mg/kgのアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、カプトプリルを静脈内投与して血管透過性を誘発した。カプトプリルの投与後15分で動物に30mg/kgエバンスブルー色素を静脈内投与した。エバンスブルー色素投与後15分で動物を犠牲にし、血液、腸、及び肝臓試料を採取した。血液及び腸試料からエバンスブルー色素を抽出して定量化し、肝臓試料中の標的mRNAレベルを決定した。
KLKB1を標的とする薬剤(AD−66948)を使用したこれらのアッセイの結果を図4に示す。F12を標的とする薬剤(AD−AD−67244)を使用したこれらのアッセイの結果を図5に示す。KNG1を標的とする薬剤(AD−AD−67344)を使用したこれらのアッセイの結果を図6に示す。
実施例9.F12 siRNA二本鎖の合成及びインビトロスクリーニング
F12を標的とする更なるiRNA剤を設計し、合成し、及びインビトロ有効性に関して上記に記載したとおりスクリーニングした。更なる非修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表20に示す。更なる修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表21に示す。表22は、指示される更なるF12 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞における単回投与スクリーンの結果を示す。データは、AD−1955と比べた残存mRNAのパーセントとして表す。
実施例11.マスタードオイル誘発性血管透過性マウスモデルにおけるインビボF12サイレンシング
上記で考察し、図2及び図5で実証されたとおり、AD−67244は、試験したF12遺伝子を標的とする薬剤で最も効果的であり、野生型マウスにおけるF12 mRNA及び血漿F12タンパク質のロバストな用量依存的低下、及びブラジキニン誘発性血管漏出マウスHAEモデル(ACE阻害薬誘発性マウスモデル)における血管透過性の正常化をもたらした。
第2のマウスHAEモデルでAD−67244のインビボ有効性もまた評価した。詳細には、−7日目にCD−1雌マウス(n=10/群)に単回3mg/kg、0.5mg/kg、又は0.1mg/kg用量のAD−67244を単回10mg/kg用量のC1−INH標的化二本鎖RNA剤と併用して皮下投与することにより、C1−INH欠損マウスにおいてAD−67244がマスタードオイル誘発性血管透過性をレスキューする能力を決定した。0日目、エバンスブルー色素(30mg/kg)を動物の尾静脈に注射し、各動物の右耳に5%マスタードオイル溶液を局所適用した(左耳は未治療のままとし、対照として供した)。30分後、動物を犠牲にし、色素を遊出させるため各耳を採取して血管透過性を決定し、F12及びC1−INH mRNAの計測のため肝臓を採取した。
図10Aに示すとおり、単回3mg/kg、0.5mg/kg、又は0.1mg/kg用量のAD−67244の投与により、これらのマウスにおいて血管透過性が正常化し、図10Bに示されるとおり、この投与はこれらの動物の肝臓におけるF12 mRNAのロバストな用量依存的低下をもたらした。これらの動物の肝内C1−INHレベルは、対照投与群の肝内C1−INHレベルの0.01%未満であった。これらのデータは、AD−67244が過剰なブラジキニン刺激を緩和し得ることを実証している。
実施例12.非ヒト霊長類におけるインビボF12サイレンシング
非ヒト霊長類におけるAD−67244の有効性を決定するため、雌カニクイザル(n=3/群)に、単回3mg/kg、1mg/kg、0.3mg/kg、又は0.1mg/kg用量のAD−67244を皮下投与した。投与の−5、−3、−1、3、7、10、14、21、28、35、42、49、56、63、70、77、84、91、98、112、126、及び140日後にカニクイザルF12血漿タンパク質レベルのレベルをELISAによって計測した。図11は、単回0.3mg/kg用量のAD−67244を投与すると、F12タンパク質の85%を超える低下がもたらされたことを実証している。図11はまた、F12タンパク質のこの低下が持続的であり、それぞれ投与後2ヵ月及び3ヵ月に70%及び50%を超える低下があったことも実証している。
実施例13.マウスにおいてAD−67244の5’修飾が効力に及ぼす効果
ビニルホスフェート(VP)によるAD−67244の5’アンチセンスリン酸の修飾が薬剤の効力に及ぼす効果をマウスで決定した。野生型マウス(n=3/群)に単回0.5mg/kg用量のAD−67244(センス:5’−asascucaAfuAfAfAfgugcuuugaa−3’(配列番号1866);アンチセンス:5’−usUfscaaAfgCfAfcuuuAfuUfgaguususc−3’(配列番号1867);ALN−F12)又はAD−74841(センス:5’−asascucaAfuAfAfAfgugcuuugaa−3’(配列番号1868);アンチセンス:5’−VP−usUfscaaAfgCfAfcuuuAfuUfgaguususc−3’(配列番号1869);ALN−F12−VP)のいずれかを投与した。投与後0、3、7、15、及び21日目にF12タンパク質の血漿濃度をELISAによって決定した。図12は、ビニルホスフェートによるアンチセンスリン酸基の5’修飾によってAD−67244の効力がやや増加したことを実証している。
実施例14.F12 siRNA二本鎖の合成及びインビトロスクリーニング
F12を標的とする、例えば、配列番号9のヌクレオチド約2000〜2060を標的とする更なるiRNA剤を設計し、合成し、及び上記に記載したとおりインビトロ有効性に関してスクリーニングした。更なる非修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表23に示す。更なる修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の詳細なリストを表24に示す。表25は、指示される更なるF12 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞における単回投与スクリーンの結果を提供する。データは、AD−1955と比べた残存mRNAのパーセントとして表す。
実施例15.F12 siRNA二本鎖の5’末端修飾の評価
5’−ホスフェート模倣体、即ちビニルホスフェートを含むヌクレオチドを含むF12を標的とする更なるiRNA剤を設計し、合成し、及び上記に記載したとおりインビトロ有効性に関してスクリーニングした。これらの薬剤の同じ非修飾及び修飾ヌクレオチド配列を含むが5’−アンチセンス鎖ビニルホスフェート修飾を有しない薬剤もまた設計し、合成し、及び上記に記載したとおりスクリーニングした。これらの更なる非修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の全ての詳細なリストを表26に示す。これらの更なる修飾F12センス鎖及びアンチセンス鎖配列の全ての詳細なリストを表27に示す。表28は、F12 dsRNA剤をトランスフェクトした初代マウス肝細胞における単回投与スクリーンの結果を提供する。
野生型マウスに単回0.5mg/kg用量の薬剤を皮下投与し、投与後3、7、及び15日目に動物の血漿中のF12タンパク質レベルを決定することにより、これらの化合物のサブセットのインビボ有効性もまた評価した。図13はこれらのアッセイの結果を示し、アンチセンス鎖に5’ビニルホスフェートを加えると、指示薬剤のインビボ有効性に対して中程度の効果があったことを実証している。
均等物
当業者は、本明細書に記載される具体的な実施形態及び方法の多くの均等物を認識し、又は常法の域を越えない実験を用いて確認することができるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。