JP2018508490A5 - - Google Patents

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共役および治療用ヘミアステリン誘導体
技術分野
本明細書において、ヘミアステリン誘導体、その複合体、その誘導体または複合体を含む組成物、その誘導体および複合体を生成する方法、ならびに細胞増殖の処置のために誘導体、複合体および組成物を使用する方法が提供される。誘導体、複合体および組成物は、細胞増殖および癌の処置および予防方法、細胞増殖および癌の検出方法、ならびに細胞増殖および癌の診断方法において有用である。
背景
ヘミアステリンは、天然の生成物であるヘミアステリンに由来する修飾トリペプチドに分類される。ヘミアステリンは、海綿であるシムバステラ属(Cymbastela sp.)、ヘミアステレラミノル(Hemiasterella minor)、シホノカリナ属(Siphonochalina sp.)およびアウレッタ属(Auletta sp.)から単離される(Talpir et al., Tetrahedron Letters, vol. 35, no. 25, pp. 4453-4456, 1994)。
ヘミアステリンは、ドラスタチンおよびクリプトフィシンの作用と同様の有糸分裂阻害メカニズムを有するチューブリン重合の阻害因子である疑似ペプチドである。チューブリンにおけるビンブラスチン部位での非競合的な結合が実証されている。ヘミアステリンは、通常、低浸透性糖タンパク質(pGP)基質であり、抵抗メカニズムとしてpGPを過剰発現する腫瘍に対して有効とされている(Loganzo et al., Cancer Research, vol 63, pp. 1838-1845, 15 April 2003)。
天然型ヘミアステリンの多くの修飾により、広く多様な腫瘍株細胞に対するこのクラスのナノモル活性に寄与する重要な特性が実証されている。エーザイ株式会社により開発されたN−末端ピペリジン誘導体であるE7974と、wyethで開発されたN−末端フェニルであるHTI−286との2種の誘導体がフェーズI治験に進んでいる。2007年には、E7974に対する有望な結果が提示された。(Madajewicz et al.,“A phase I trial of E7974 administered on days 1 and 15 of a 28-day cycle in patients with solid malignancies,”presented at American Society of Clinical Oncology Annual Meeting; June 1-5, 2007; Chicago, Ill.;およびZojwalla et al.,“A phase I trial of E7974 administered on days 1, 8, and 15 of a 28-day cycle in patients with solid malignancies,”presented at American Society of Clinical Oncology Annual Meeting; June 1-5, 2007; Chicago, Ill;両方ともRocha-Lima et al., Cancer, September 1, 2012 pp. 4262-4270に要約されている)。しかしながら、現在に至るまで、HTI−286に対する結果は報告されていない。
加えて、腫瘍標的指向化のためのC−末端におけるHTI−286のガストリンデカペプチドVLALAEEEAYGWNleDF−NHに対する共役が、Tarsova et al.による米国特許出願公開第2005/0171014 A1号に記載されている。しかしながら、報告されている活性はきわめて弱いものであった。
概要
本明細書において、ヘミアステリン誘導体、その複合体、その誘導体または複合体を含む組成物、その誘導体および複合体を生成する方法、ならびに細胞増殖の処置のために誘導体、複合体および組成物を使用する方法が提供される。誘導体、複合体および組成物は、細胞増殖および癌の処置および予防方法、細胞増殖および癌の検出方法、ならびに細胞増殖および癌の診断方法において有用である。
一態様において、本明細書では、式1000:

(式中、
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
Xは、

であり;
または
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
各RTは、式1000の主鎖中における遊離トリガ基、またはEGに結合している遊離トリガ基であり、各RTは、任意選択であり;
RTは、遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか、またはRTは、不在であり;
HPは、単結合、不在または二価親水性基であり;
HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

(式中、RHPは、一価親水性基である)
であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、水素、末端共役基、または末端共役基の二価残基であり;
または代替的に、W、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRは、組み合わされて−Hを形成する)
に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供される。
一態様において、本明細書では、第2の化合物に結合した本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)を含む複合体が提供される。
一態様において、本明細書では、
本明細書に記載されている化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)または複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体);および
薬学的に許容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤
を含む薬学組成物が提供される。
一態様において、本明細書では、チューブリン重合の阻害を、それを必要とする対象において行う方法であって、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)、複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体)または化合物もしくは複合体を含む組成物を有効量で対象に投与することを含む方法が提供される。
一態様において、本明細書では、細胞増殖または癌の処置を、それを必要とする対象において行う方法であって、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)、複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体)または化合物もしくは複合体を含む組成物を有効量で対象に投与することを含む方法が提供される。
一態様において、本明細書では、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2または101〜111bのいずれかに係る化合物)と第2の化合物とを、第2の化合物と本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2または101〜111bのいずれかに係る化合物)とを共役させるのに好適な条件下で接触させることを含む、複合体を生成する方法が提供されており、ここで、第2の化合物は、アルキン、歪みアルケン、テトラジン、チオール、マレイミド、カルボニル、オキシアミンまたはアジドを含む修飾アミノ酸を含む。
図1は、本明細書において詳述されている細胞致死性アッセイの結果を示す。ラセミ[R/S,S,S]化合物1は、トラツズマブ重鎖のF404および軽鎖のS7における複合体として評価されている。図1中のすべての他の複合体はトラツズマブ重鎖のF404におけるものである。SKBR3細胞の相対的細胞生存性が、トラツズマブ(エックス)、トラツズマブF404[S,S,S]化合物1複合体(黒四角)、トラツズマブF404ラセミ[R/S,S,S]化合物1複合体(白黒四角)、トラツズマブS7ラセミ[R/S,S,S]化合物1複合体(白黒丸)およびトラツズマブオーリスタチン(MMAF)複合体(白三角)の濃度に対してプロットされている。 図2aは、本明細書において詳述されている細胞致死性アッセイの結果を示す。図2aでは、相対的細胞生存性が、パネル(a)ではSKBR3細胞について、パネル(b)ではMDA−MB−453細胞について、およびパネル(c)ではMDA−MB−468細胞について、[S,S,S]化合物1(黒四角)および[R,S,S]化合物1(白四角)の濃度に対してプロットされている。 図2bは、本明細書において詳述されている細胞致死性アッセイの結果を示す。図2bでは、相対的細胞生存性が、パネル(a)ではHTC116細胞について、パネル(b)ではHT29細胞について、およびパネル(c)ではSKCO1細胞について、[S,S,S]化合物1(黒四角)および[R,S,S]化合物1(白四角)の濃度に対してプロットされている。 図2cは、本明細書において詳述されている細胞致死性アッセイの結果を示す。図2cでは、相対的細胞生存性が、パネル(a)ではMDA−MB−435細胞について、パネル(b)ではSUDHL6細胞について、およびパネル(c)ではOMP2細胞について、[S,S,S]化合物1(黒四角)および[R,S,S]化合物1(白四角)の濃度に対してプロットされている。
例示的な実施形態の説明
本明細書では、化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係るもの)、その複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係るもの)、これらの化合物またはその複合体を含む組成物、その化合物および複合体を生成する方法、ならびにこれらの化合物、複合体および組成物を使用する方法が提供される。化合物、複合体および組成物は、細胞増殖および癌の処理および予防方法、細胞増殖および癌の検出方法、ならびに細胞増殖および癌の診断方法において有用である。
定義
本明細書において提供されている化合物に言及する場合、以下の用語は、他に明記されていない限り以下の意味を有する。他に定義されていない限り、本明細書において用いられているすべての技術的および科学的用語は、当業者によって通例理解されるものと同一の意味を有する。本明細書において、ある用語について複数の定義が存在している場合、他に定められていない限り本節におけるものが優先される。他に特定がなされていない限り、用語が無置換であるか置換されていると定義されている場合、置換基の列挙においてこの基は無置換である。例えば、アルキル基はシクロアルキル基で置換されていることが可能であり、シクロアルキル基はさらに置換されていない。
「アルキル」という用語は、本明細書において用いられるところ、他に規定されていない限り、ハロ基で置換されていることが可能である飽和直鎖または分岐鎖炭化水素を指す。一定の実施形態において、アルキル基は第1級、第2級または第3級炭化水素である。一定の実施形態において、アルキル基は1〜10個の炭素原子を含み、すなわち、C〜C10アルキルである。一定の実施形態において、アルキル基は、例えば、メチル、CF、CCl、CFCl、CFCl、エチル、CHCF、CFCF、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、secブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチルまたは2,3−ジメチルブチルである。この用語は、ハロゲン化アルキル基を含む、置換および無置換アルキル基の両方を含む。一定の実施形態において、アルキル基はフッ素化アルキル基である。一定の実施形態において、アルキル基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)のハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、シクロアルキル、アラルキル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホネートで置換されることが可能であり、これらは未保護であるか、または例えば、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991(参照により本明細書で援用する)で教示されているとおり、当業者に公知であるとおりに必要に応じて保護されている。
「低級アルキル」という用語は、本明細書において用いられるところ、および他に規定されていない限り、1〜6個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐鎖炭化水素、すなわち、C〜Cアルキルを指す。一定の実施形態において、低級アルキル基は、第1級、第2級または第3級炭化水素である。この用語は、置換および無置換部分の両方を含む。
「高級アルキル」という用語は、本明細書において用いられるところ、および他に規定されていない限り、7〜30個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐鎖炭化水素、すなわち、C〜C30アルキルを指す。一定の実施形態において、高級アルキル基は第1級、第2級または第3級炭化水素である。この用語は、置換および無置換部分の両方を含む。
「アルキルカルボニル」という用語は、基−C(O)(アルキル)を指し、ここで、アルキルは、本明細書において定義されているとおりである。
「アルキルスルファニル」という用語は、基−S(アルキル)を指し、ここで、アルキルは、本明細書において定義されているとおりである。
「カルボキシレン」という用語は、−C(O)O−または−OC(O)−基を指す。
「シクロアルキルスルファニル」という用語は、基−S(シクロアルキル)を指し、ここで、シクロアルキルは、本明細書において定義されているとおりである。
「アリールスルファニル」という用語は、基−S(アリール)を指し、ここで、アリールは、本明細書において定義されているとおりである。
「アルキルスルホニル」という用語は、基−S(O)(アルキル)を指し、ここで、アルキルは、本明細書において定義されているとおりである。
「シクロアルキルスルホニル」という用語は、基−S(O)(シクロアルキル)を指し、ここで、シクロアルキルは、本明細書において定義されているとおりである。
「アリールスルホニル」という用語は、基−S(O)(アリール)を指し、ここで、アリールは、本明細書において定義されているとおりである。
「シクロアルキル」という用語は、本明細書において用いられるところ、他に規定されていない限り、飽和単環式または多環式炭化水素を指す。一定の実施形態において、シクロアルキルは、縮合、架橋およびスピロ環系を含む。一定の実施形態において、シクロアルキル基は3〜10個の炭素原子を含み、すなわち、C〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは、3〜15個(C3〜15)、3〜10個(C3〜10)または3〜7個(C3〜7)の炭素原子を有する。一定の実施形態において、シクロアルキル基は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、デカリニルまたはアダマンチルである。この用語は、ハロゲン化シクロアルキル基を含む置換および無置換シクロアルキル基の両方を含む。一定の実施形態において、シクロアルキル基はフッ素化シクロアルキル基である。一定の実施形態において、シクロアルキル基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)のハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えば、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「シクロアルキルアルキル」という用語は、本明細書において定義されているとおり、少なくとも1個(いくつかの実施形態では、1個または2個)のシクロアルキル基で置換されている、本明細書において定義されているとおりアルキル基を指す。
「シクロアルキルカルボニル」という用語は、基−C(O)(シクロアルキル)を指し、ここで、シクロアルキルは、本明細書において定義されているとおりである。
「アルキレン」とは、直鎖または分岐鎖であることが可能である、1〜11個の炭素原子を有するものを含む二価飽和脂肪族炭化水素基を指す。一定の実施形態において、アルキレン基は1〜10個の炭素原子を含有する。この用語は、置換および無置換部分の両方を含む。一定の実施形態において、アルキレンは、例えば、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−および−CH(CH)CH−)等である。この用語は、ハロゲン化アルキレン基を含む。一定の実施形態において、アルキレン基はフッ素化アルキレン基である。一定の実施形態において、アルキレン基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)のハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルキルアリール、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩およびホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「アルケニル」とは、一価オレフィン性不飽和炭化水素基であって、一定の実施形態では、約11個以下の炭素原子(2〜8個の炭素原子または2〜6個の炭素原子を含む)を有し、直鎖または分岐鎖であることが可能であり、および少なくとも1つ(1〜2つを含む)のオレフィン不飽和部位を有するものを指す。この用語は、置換および無置換部分の両方を含む。一定の実施形態において、アルケニルは、例えば、エテニル(すなわち、ビニル、または−CH=CH)、n−プロペニル(−CHCH=CH)、イソプロペニル(−C(CH)=CH)等である。この用語は、ハロゲン化アルケニル基を含む。一定の実施形態において、アルケニル基は、フッ素化アルケニル基である。一定の実施形態において、アルケニル基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「シクロアルケニル」という用語は、本明細書において用いられるところ、他に規定されていない限り、不飽和(芳香族ではない)環式炭化水素を指す。一定の実施形態において、シクロアルケニルは、少なくとも1つの二重結合を含む単環系または多環系を指す。一定の実施形態において、シクロアルキルは、縮合、架橋およびスピロ環系を含む。一定の実施形態において、シクロアルキル基は、少なくとも3個の炭素原子(3〜10個の炭素原子を含む)を含み、すなわち、C〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態において、シクロアルケニルは、3〜10個(C3〜10)または4〜7個(C4〜7)の炭素原子を有する。この用語は、ハロゲン化シクロアルケニル基を含む置換および無置換シクロアルケニル基の両方を含む。一定の実施形態において、シクロアルケニル基はフッ素化シクロアルケニル基である。一定の実施形態において、シクロアルケニル基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩、またはホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「アルケニレン」とは、二価オレフィン性不飽和炭化水素基であって、一定の実施形態では、約11個以下の炭素原子または2〜6個の炭素原子を有し、直鎖または分岐鎖であることが可能であり、および少なくとも1つまたは1〜2つの部位のオレフィン不飽和を有するものを指す。一定の実施形態において、アルケニレンは、例えば、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH=CHCH−および−C(CH)=CH−および−CH=C(CH)−)等である。この用語は、ハロゲン化アルケニレン基を含む置換および無置換アルケニレン基の両方を含む。一定の実施形態において、アルケニレン基はフッ素化アルケニレン基である。アルケニレン基を置換することが可能である部分の非限定的な例は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩またはホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「アルキニル」とは、アセチレン性不飽和炭化水素基であって、一定の実施形態では、約11個以下の炭素原子または2〜6個の炭素原子を有し、直鎖または分岐鎖であることが可能であり、および少なくとも1つまたは1〜2つの部位のアルキニル不飽和を有するものを指す。一定の実施形態において、アルキニルは、例えば、アセチレン系、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CHC≡CH)等である。この用語は、ハロゲン化アルキニル基を含む置換および無置換アルキニル基の両方を含む。一定の実施形態において、アルキニル基はフッ素化アルキニル基である。一定の実施形態において、アルキニル基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩、またはホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「アリール」という用語は、本明細書において用いられるところ、および他に規定されていない限り、一価6〜14員、モノ−、ジ−またはトリ−炭素環を指し、ここで、単環式環は芳香族であり、二環式および三環式環における少なくとも1つの環は芳香族である。アリール基は、環系中のいずれかの炭素を通して分子の残部に結合していることが可能である。一実施形態において、アリール基はC〜C12アリール基である。一実施形態において、アリール基は、フェニル、インダニルまたはナフチルである。この用語は、置換および無置換部分の両方を含む。一定の実施形態において、アリール基は、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩およびホスホネート(これらは未保護であるか、または例えば、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991において教示されているとおり、当業者に公知であるとおりに必要に応じて保護されている)の群から独立して選択される1つまたは複数(例えば1、2、3、4または5つ)の部分で置換されていることが可能である。
「アリールカルボニル」という用語は、基−C(O)(アリール)を指し、ここで、アリールは、本明細書において定義されているとおりである。
「アリールオキシ」という用語は、基−OR’を指し、ここで、R’は、本明細書において定義されているとおりアリールである。
「アリールオキシアルキル」という用語は、本明細書において定義されているとおり少なくとも1個(いくつかの実施形態では、1個または2個)のアリールオキシ基で置換されている、本明細書において定義されているとおりアルキル基を指す。
「アルコキシ」および「アルコキシル」は基−OR’を指し、ここで、R’は、本明細書において定義されているとおり、アルキルまたはシクロアルキルである。一定の実施形態において、アルコキシおよびアルコキシル基としては、一例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ等が挙げられる。
「アルコキシアルキル」という用語は、本明細書において定義されているとおり、少なくとも1個(他の実施形態において、1個または2個)のアルコキシ基で置換されているアルキル基を指す。
「アルコキシカルボニル」とは、ラジカル−C(O)−アルコキシを指し、ここで、アルコキシは、本明細書において定義されているとおりである。
「アルコキシカルボニルアルキル」とは、本明細書において定義されているとおり、少なくとも1個、他の例では1または2個のアルコキシカルボニル基で置換されているアルキル基を指す。
「アミノ」とは、基−NR1’2’または−NR1’−を指し、ここで、R1’およびR2’は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、複素環式、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、本明細書において定義されているとおりである。一実施形態において、「アミノ」は−NHまたは−NH−である。
「カルボキシル」または「カルボキシ」とは、ラジカル−C(O)OHを指す。
「アルキルアミノ」または「アリールアミノ」という用語は、例えばそれぞれ−NHCHおよび−NH(フェニル)といった1個のアルキルまたはアリール置換基を有するアミノ基を指す。一定の実施形態において、アルキル置換基は低級アルキルである。他の実施形態において、アルキルまたは低級アルキルは無置換である。
「ジアルキルアミノ」という用語は、例えば−N(CHといった2個のアルキル置換基を有するアミノ基を指す。一定の実施形態において、アルキル置換基は低級アルキルである。他の実施形態において、アルキルまたは低級アルキルは無置換である。
「ジアリールアミノ」という用語は、2個のアリール置換基を有するアミノ基を指す。
「ハロゲン」または「ハロ」とは、クロロ、ブロモ、フルオロまたはヨードを指す。
「チオアルコキシ」とは、基−SR’を指し、ここで、R’はアルキルまたはシクロアルキルである。
「ヘテロシクロ」または「複素環式」という用語は、一価単環式非芳香族環系および/または少なくとも1つの非芳香族環を含有する多環式環系を指し、ここで、1つまたは複数の非芳香族環原子は、O、SまたはNから独立して選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素原子であり、ここで、多環式環系は、炭素環式または複素環式、芳香族または非芳香族環をさらに含む。一定の実施形態において、ヘテロシクロまたは複素環基は、3〜20個、3〜15個、3〜10個、3〜8個、4〜7個または5〜6個の環原子を有する。ヘテロシクロ基は、非芳香族環を通して分子の残部に結合する。一定の実施形態において、ヘテロシクロは、単環式、二環式、三環式または四環式環系であり、これらは、縮合、スピロ環式または架橋環系を含み得、ここで、窒素または硫黄原子は任意選択により酸化されていてもよく、窒素原子は任意選択により四級化されていてもよく、ならびにいくつかの環は部分飽和もしくは完全飽和または芳香族であり得る。ヘテロシクロは、非芳香族環のいずれかのヘテロ原子または炭素原子で主構造に結合していてもよく、これにより、安定な化合物が形成される。一定の実施形態において、複素環式は、アゼピニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラノニル、ベンゾピラノニル、ベンゾピラニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾキシアジニル、β−カルボリニル、クロマニル、クロモニル、シノリニル、クマリニル、デカヒドロイソキノリニル、ジヒドロベンズイソチアジニル、ジヒドロベンズイソキサジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロピラニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、フラノニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソクロマニル、イソクマリニル、イソインドリニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、オキサゾリジノニル、オキサゾリジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジニル、ピロリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、チアモルホリニル、チアゾリジニル、テトラヒドロキノリニルおよび1,3,5−トリチアニルである。一定の実施形態において、複素環式はまた、本明細書に記載のとおり、任意選択により置換されていてもよい。一定の実施形態において、複素環基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、オキソ、エポキシ、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えば、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩、またはホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの芳香族環を含有する一価単環式芳香族基および/または多環式基を指し、ここで、単環式環は、O、SおよびNから独立して選択される1個または複数個ヘテロ原子を環中に含有し、ここで、多環式環系は、少なくとも1つの芳香族環を含むと共に、炭素環式または複素環式、芳香族または非芳香族環をさらに含み、ここで、多環式環系中の環原子の1個または複数個は、O、SおよびNから独立して選択されるヘテロ原子である。ヘテロアリール基は芳香族環を通して分子の残部に結合している。ヘテロアリール基の各環は1個または2個のO原子、1個または2個のS原子、および/または1〜4個のN原子を含有することが可能であるが、ただし、各環中のヘテロ原子の総数は4個以下であり、および各環は、少なくとも1個の炭素原子を含有する。一定の実施形態において、ヘテロアリールは、5〜20個、5〜15個または5〜10個の環原子を有する。一定の実施形態において、単環式ヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、テトラゾリル、トリアジニルおよびトリアゾリルが挙げられる。一定の実施形態において、二環式ヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、ベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フロピリジル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、インドリジニル、インドリル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソベンゾチエニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、オキサゾロピリジニル、フタルアジニル、プテリジニル、プリニル、ピリドピリジル、ピロロピリジル、キノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、チアジアゾロピリミジルおよびチエノピリジルが挙げられる。一定の実施形態において、三環式ヘテロアリール基としては、これらに限定されないが、アクリジニル、ベンズインドリル、カルバゾリル、ジベンゾフラニル、ペルイミジニル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニルおよびキサンテニルが挙げられる。一定の実施形態において、ヘテロアリール基は、少なくとも1個(他の例では、1、2、3、4または5個)基ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩、およびホスホネート(これらは未保護であるか、または必要に応じて保護されている)で置換されていることが可能である。
「アルキルアリール」という用語は、アルキル置換基を有するアリール基を指し、ここで、アリールおよびアルキルは本明細書において定義されているとおりである。「アラルキル」または「アリールアルキル」という用語は、アリール置換基を有するアルキル基を指し、ここで、アリールおよびアルキルは本明細書において定義されているとおりである。
「フェニレン」という用語は、本明細書において用いられるところ、および他に規定されていない限り、二価フェニル基を指すと共に、置換および無置換部分の両方を含む。一定の実施形態において、フェニレン基は、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード)、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシル、アルキルカルボニル、シクロアルキルカルボニル、アリールカルボニル、スルファニル、アルキルスルファニル、シクロアルキルスルファニル、アリールスルファニル、アルキルスルホニル、シクロアルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノカルボニル、カルバモイル、スルホンアミド、アミノ(本明細書において定義されるところ、例えばアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ等)、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、ホスホン酸、リン酸塩、およびホスホネート(これらは未保護であるか、または例えば、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991において教示されているとおり、当業者に公知であるとおりに必要に応じて保護されている)の群から独立して選択される1つまたは複数(例えば1、2、3、4または5つ)の部分で置換されていることが可能である。フェニレンがEG基に関連して用いられている場合、フェニレンは、本明細書において定義されているとおり、1、2、3または4個のREG基で、および/または1もしくは2個の−O−[RT]基で、および/または1もしくは2個の−CHOC(O)[RT]基で置換されており、式中、RTは、本明細書において定義されているとおりである。
「保護基」という用語は、本明細書において用いられるところおよび他に定義されていない限り、酸素、窒素またはリン原子に付加されて、そのさらなる反応を妨げるか、または他の目的のための基を指す。広く多様な酸素および窒素保護基が有機合成の当業者に公知である。
「薬学的に許容可能な塩」とは、その生物学的特性が保持されると共に、無害であるか、または薬学的用途に望ましい本明細書において提供されている化合物のいずれかの塩を指す。このような塩は、当技術分野において周知である多様な有機および無機対イオンに由来し得る。このような塩としては、これらに限定されないが:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、スルファミン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンチルプロピオン酸、グリコール酸、グルタル酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、ソルビン酸、アスコルビン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ピクリン酸、桂皮酸、マンデル酸、フタル酸、ラウリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−二スルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、樟脳酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、安息香酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、キナ酸、ムコン酸等の酸などの有機もしくは無機酸と形成される酸付加塩;または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、(a)例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンもしくはアルミニウムイオンといった金属イオン、またはナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、亜鉛などのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属水酸化物および水酸化バリウム、アンモニアで置き換えられた場合、または(b)アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N−ベンジルフェネチルアミン、N−メチルグルカミンピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム等などの脂肪族、脂環式もしくは芳香族有機アミンなどの有機塩基と配位結合した場合に形成される塩基付加塩が挙げられる。
薬学的に許容可能な塩としてはさらに、単なる一例として、特に限定はされないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム等が挙げられ、また、化合物が、ハロゲン化水素塩、例えば塩酸塩および臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、スルファミン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、tオリクロロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ヘキサン酸塩、シクロペンチルプロピオン酸塩、グリコール酸塩、グルタル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸塩、ピクリン酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、フタル酸塩、ラウリン酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、エタンスルホン酸塩、1,2−エタン−二スルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、4−クロロベンゼンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、4−トルエンスルホネート、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボキシレート、グルコヘプトネート、3−フェニルプロピオン酸塩、トリメチル酢酸塩、tert−酢酸ブチル、ラウリル硫酸塩、グルコン酸塩、安息香酸塩、グルタメート、ヒドロキシナフトエ酸塩、サリチレート、ステアリン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、キナ酸塩、ムコン酸塩等などの塩基性官能基、非有害性の有機または無機酸の塩を含有する場合である。
「アシル」という用語は、式−C(O)R’の基を指し、式中、R’は、アルキル(低級アルキルを含む);シクロアルキル;シクロアルキルアルキル;シクロアルケニル;アリール;アリールアルキル(ベンジルを含む);置換アルキル(低級アルキル、例えばアルコキシアルキルおよびアリールオキシアルキルを含む);ヘテロシクロ;ヘテロシクロアルキル;ヘテロアリール;およびヘテロアリールアルキルであり;ここで、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、ヘテロシクロおよびヘテロアリールは置換されていてもよい。一定の実施形態において、アシルまたはエステル中のアリール基は、フェニル基を含む。一定の実施形態において、アシル基としては、例えば、アセチル、トリフルオロアセチル、メチルアセチル、シクロプロピルアセチル、プロピオニル、ブチリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイル、ネオ−ヘプタノイル、フェニルアセチル、2−アセトキシ−2−フェニルアセチル、ジフェニルアセチル、α−メトキシ−α−トリフルオロメチル−フェニルアセチル、ブロモアセチル、2−ニトロ−ベンゼンアセチル、4−クロロ−ベンゼンアセチル、2−クロロ−2,2−ジフェニルアセチル、2−クロロ−2−フェニルアセチル、トリメチルアセチル、クロロジフルオロアセチル、パーフルオロアセチル、フルオロアセチル、ブロモジフルオロアセチル、メトキシアセチル、2−チオフェンアセチル、クロロスルホニルアセチル、3−メトキシフェニルアセチル、フェノキシアセチル、t−ブチルアセチル、トリクロロアセチル、モノクロロ−アセチル、ジクロロアセチル、7H−ドデカフルオロ−ヘプタノイル、パーフルオロ−ヘプタノイル、7H−ドデカ−フルオロヘプタノイル、7−クロロドデカフルオロ−ヘプタノイル、7−クロロ−ドデカフルオロ−ヘプタノイル、7H−ドデカフルオロヘプタノイル、7H−ドデカ−フルオロヘプタノイル、ノナ−フルオロ−3,6−ジオキサ−ヘプタノイル、ノナフルオロ−3,6−ジオキサヘプタノイル、パーフルオロヘプタノイル、メトキシ、メチル3−アミノ−5−フェニルチオフェン−2−カルボキシル、3,6−ジクロロ−2−メトキシ−ベンゾイル、4−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−ベンゾイル、2−ブロモ−プロピオニル、ω−アミノカプリル、デカノイル、n−ペンタデカノイル、ステアリル、3−シクロペンチル−プロピオニル、1−ベンゼン−カルボキシル、O−アセチルマンデリル、ピバロイルアセチル、1−アダマンタン−カルボキシル、シクロヘキサン−カルボキシル、2,6−ピリジンジカルボキシル、シクロプロパン−カルボキシル、シクロブタン−カルボキシル、パーフルオロシクロヘキシルカルボキシル、4−メチルベンゾイル、クロロメチルイソオキサゾリルカルボニル、パーフルオロシクロヘキシルカルボキシル、クロトニル、1−メチル−1H−インダゾール−3−カルボニル、2−プロペニルカルボニル、イソバレリル、1−ピロリジンカルボニルおよび4−フェニルベンゾイルが挙げられる。
「アミノ酸」という用語は、天然および合成α、β、γまたはδアミノ酸を指し、特に限定されないが、タンパク質中に見いだされるアミノ酸、すなわち、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン、グルタミン、アスパルテート、グルタメート、リシン、アルギニンおよびヒスチジンを含む。一定の実施形態において、アミノ酸はL−立体配置である。一定の実施形態において、アミノ酸はD−立体配置である。一定の実施形態において、アミノ酸は、本明細書に記載の化合物の置換基として提供されており、ここで、アミノ酸は、アラニル、バリニル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニニル、トリプトファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、トレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパラトイル、グルタロイル、リシニル、アルギニニル、ヒスチジニル、β−アラニル、β−バリニル、β−ロイシニル、β−イソロイシニル、β−プロリニル、β−フェニルアラニニル、β−トリプトファニル、β−メチオニニル、β−グリシニル、β−セリニル、β−トレオニニル、β−システイニル、β−チロシニル、β−アスパラギニル、β−グルタミニル、β−アスパラトイル、β−グルタロイル、β−リシニル、β−アルギニニルまたはβ−ヒスチジニルから選択される残基である。
「アミノ酸誘導体」という用語は、本明細書において記載および例示されている天然または非天然型アミノ酸から誘導可能な基を指す。アミノ酸誘導体は当業者に明確であり、これらに限定されないが、天然および非天然型アミノ酸のエステル、アミノアルコール、アミノアルデヒド、アミノラクトンおよびN−メチル誘導体が挙げられる。一実施形態において、本明細書に記載の化合物はアミノ酸誘導体を含み、ここで、アミノ酸誘導体は−NR−G(S)−C(O)−Q−であり、式中、Qは、−S−、−NR−または−O−であり、Rは、水素またはアルキルであり、Sは、天然または非天然型アミノ酸の側鎖であり、Gは、C〜Cアルキレンであり、およびRは、水素であるか、またはRおよびSは、これらが結合している原子と一緒になって、組み合わされて5員複素環を形成する。一実施形態において、アミノ酸誘導体は本明細書に記載の化合物の置換基として提供されており、ここで、置換基は−O−C(O)−G(S)−NH−Q−であり、式中、Qは、単結合または−O−であり、Sは、天然または非天然型アミノ酸の側鎖であり、およびGは、C〜Cアルキレンである。一定の実施形態において、QおよびSは、これらが結合している原子と一緒になって、組み合わされて5員複素環を形成する。一定の実施形態において、GはCアルキレンであり、およびSは、水素、アルキル、アリールアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボキシルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシルアルキル、アミノイミノアミノアルキル、アミノカルボニルアルキル、スルファニルアルキル、カルバモイルアルキル、アルキルスルファニルアルキルまたはヒドロキシルアリールアルキルである。一実施形態において、アミノ酸誘導体は、本明細書に記載の化合物の置換基として提供されており、ここで、アミノ酸誘導体はD−立体配置である。一実施形態において、アミノ酸誘導体は本明細書に記載の化合物の置換基として提供されており、ここで、アミノ酸誘導体はL−立体配置である。
「アルキルヘテロシクロ」という用語は、アルキル置換基を有するヘテロシクロ基を指す。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、ヘテロシクロ置換基を有するアルキル基を指す。
本明細書において用いられるところ、「カルボキシルアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個のカルボキシで置換されたアルキルを指し、ここで、アルキルは本明細書に記載のとおりである。
「アルキルヘテロアリール」という用語は、アルキル置換基を有するヘテロアリール基を指す。「ヘテロアリールアルキル」という用語は、ヘテロアリール置換基を有するアルキル基を指す。
本明細書において用いられるところ、「アミノアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個のアミノ置換基で置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルおよびアミノは本明細書に記載のとおりである。
本明細書において用いられるところ、「ヒドロキシルアルキル」および「ヒドロキシアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個のヒドロキシルで置換されたアルキル基を指し、ここで、アルキルは本明細書に記載のとおりである。
本明細書において用いられるところ、「アミノイミノアミノアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個の−アミノ−C(NH)−アミノで置換されたアルキルを指し、ここで、アルキルおよびアミノは本明細書に記載のとおりである。
アミノカルボニルという用語は基−C(O)(アミノ)を指し、ここで、アミノは、本明細書において定義されているとおりである。
本明細書において用いられるところ、「アミノカルボニルアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個の−C(O)−アミノで置換されたアルキルを指し、ここで、アルキルおよびアミノは本明細書に記載のとおりである。
本明細書において用いられるところ、「スルファニルアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個の−SHで置換されたアルキルを指し、ここで、アルキルは本明細書に記載のとおりである。
「カルバモイル」という用語は、−NRC(OR’を指し、式中、Rは、水素またはアルキルであり、およびR’は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたはアリールであり、本明細書において定義されているとおりである。
本明細書において用いられるところ、「カルバモイルアルキル」という用語は、本明細書において定義されているとおり、少なくとも1個、他の例では1または2個のカルバモイル基で置換されたアルキルを指す。
本明細書において用いられるところ、「アルキルスルファニルアルキル」という用語は、少なくとも1個、他の例では1または2個の−S−アルキルで置換されたアルキルを指し、ここで、アルキルは本明細書に記載のとおりである。
本明細書において用いられるところ、「ヒドロキシルアリールアルキル」という用語は、基−アルキル−アリール−OHを指し、ここで、アルキルおよびアリールは本明細書に記載のとおりである。
「スルホン酸」という用語は、基−S(O)OHを指す。
「スルフェート」という用語は、基−OS(O)ORを指し、ここで、Rはアルキルまたはアリールアルキルである。
「スルホネート」という用語は、基−S(O)ORを指し、ここで、Rはアルキルまたはアリールアルキルである。
「スルホンアミド」という用語は、基−S(O)NRR’を指し、ここで、Rは水素またはアルキルであり、およびR’は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロ、ヘテロアリールまたはアリールであり、本明細書において定義されているとおりである。
「リン酸塩」という用語は、基−OP(O)(OR)を指し、ここで、各Rは、独立して、アルキルまたはアリールアルキルである。
「ホスホン酸」という用語は、−P(O)(OH)を指す。
「ホスホネート」という用語は、基−P(O)(OR)を指し、ここで、各Rは、独立して、アルキルまたはアリールアルキルである。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書において、アミノ酸残基のポリマーを指すために同義的に用いられている。すなわち、ポリペプチドに関する記載は、ペプチドの記載およびタンパク質の記載に等しく適用され、逆も同様である。これらの用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が修飾アミノ酸である天然型アミノ酸ポリマー、ならびにアミノ酸ポリマーに適用される。加えて、このような「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」は、完全長タンパク質を含む任意の長さのアミノ酸鎖を含み、ここで、アミノ酸残基は共有ペプチド結合によって結合されている。
本明細書に記載の化合物および複合体の多くはキラル中心を有する。本開示は、キラル中心の各々に係る可能性のある立体化学の各々を有する各化合物または複合体の各立体異性体を包含する。一定の化合物は、当業者に公知である立体化学的な表記により示されている。特定の実施形態において、立体化学は、式1000、1001、1002および(I)等、または式(C1)、F1およびG1等に図示されているとおり、左から右に向かって各キラル中心についてRおよびS表記で示されている。例えば、表記[R,S,S]は、式(I)のキラル中心における、左から右に向かう、メチルアミノ置換基位置から開始してイソプロピル置換基位置で終わるR、SおよびS立体化学を示す。同様に、表記[S,S,S]は、式(I)のキラル中心における左から右に向かうS、SおよびS立体化学を示す。さらに、表記ラセミ[R/S,S,S]は、[R,S,S]および[S,S,S]化合物の混合物を示す。本明細書における他の化合物および複合体について、この表記を対応する構造に適用することが可能である。
「実質的に含まない」または「実質的に不在である」という用語は、ある物品(特にこれらに限定されないが、化合物、その塩、その溶媒和物、その固体形態等を含む)に関して用いられる場合、その物品が、少なくとも85%または90重量%で、一定の実施形態では、95%、98%、99%または100重量%で、指定された物品を含むことを指す。例えば、組成物に関して、「実質的に含まない」または「実質的に不在である」という用語は、少なくとも85%または90重量%、一定の実施形態では、95%、98%、99%または100重量の化合物の指定された立体異性体を含む組成物を指すことが可能である。一定の実施形態において、本明細書において提供されている方法および化合物では、化合物は、指定されていない立体異性体または他の化合物を実質的に含まない。他の例について、固体形態に関して「実質的に含まない」または「実質的に不在である」という用語は、少なくとも85%または90重量%、一定の実施形態では、95%、98%、99%または100重量%の指定された固体形態を含む固体形態を指すことが可能である。一定の実施形態において、本明細書において提供されている方法および化合物では、固体形態は他の固体形態を実質的に含まない。
同様に、組成物に関して、「単離された」という用語は、少なくとも85%、90%、95%、98%または99%〜100重量%の指定された化合物を含み、残りが他の化学的種または立体異性体を含む組成物を指す。同様に、化合物の固体形態に関して、「単離された」という用語は、少なくとも85%、90%、95%、98%または99%〜100重量%の化合物のこのような固体形態を含み、残りが化合物の他の固体形態、他の化合物、溶剤および/または他の不純物を含む固体を指す。
「溶媒和物」とは、本明細書において提供されている化合物またはその塩を指し、さらに、非共有分子間力により結合された化学量論的量または非理論量の溶剤を含む。溶剤が水である場合、溶媒和物は水和物である。
「同位体組成物」とは所与の原子に存在する各同位体の量を指し、「自然の同位体組成」とは、自然の同位体組成または所与の原子に係る存在量を指す。自然の同位体組成を含有する原子はまた、本明細書において、「非富化」原子としても称され得る。指定されていない限り、本明細書に記載されている化合物の原子は、その原子のいずれかの安定な同位体を表すことが意味されている。例えば、他に定めがない限り、位置が「H」または「水素」と特定的に表記されている場合、この位置は、水素をその自然の同位体組成で有することが理解される。
「同位体富化」とは、ある分子中における所与の原子の自然の同位体存在度に対する、その原子における特定の同位体が組み込まれている量の割合を指す。例えば、所与の位置における1%の重水素富化とは、所与のサンプル中の分子の1%が重水素を特定の位置で含有することを意味する。重水素の天然存在度は約0.0156%であるため、非富化出発材料を用いて合成された化合物中における任意の位置での重水素富化は約0.0156%である。本明細書において提供されている化合物の同位体富化は、質量分光測定および核磁気共嗚分光法を含む技術分野における当業者に公知である従来の分析方法を用いて測定可能である。
「同位体的に富化されている」とは、その原子の自然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体的に富化されている」とはまた、原子の自然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1個の原子を含有する化合物を指し得る。
本明細書において用いられるところ、「アルキル」、「シクロアルキル」、「アルケニル」、「シクロアルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、「アルコキシ」、「アルコキシカルボニル」、「アミノ」、「カルボキシル」、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、「チオアルコキシ」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロアリール」、「アルキルヘテロシクリル」、「アルキルヘテロアリール」、「アシル」、「アラルキル」、「アルカリール」、「プリン」、「ピリミジン」、「カルボキシル」および「アミノ酸」基は、任意選択により、1つまたは複数の水素原子が存在する位置に重水素を含み、ここで、原子の重水素組成は自然の同位体組成以外である。
また、本明細書において用いられるところ、「アルキル」、「シクロアルキル」、「アルケニル」、「シクロアルケニル」、「アルキニル」、「アリール」、「アルコキシ」、「アルコキシカルボニル」、「カルボキシル」、「アルキルアミノ」、「アリールアミノ」、「チオアルコキシ」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロアリール」、「アルキルヘテロシクリル」、「アルキルヘテロアリール」、「アシル」、「アラルキル」、「アルカリール」、「プリン」、「ピリミジン」、「カルボキシル」および「アミノ酸」基は、任意選択により、自然の同位体組成以外の量で炭素−13を含む。
本明細書において用いられるところ、EC50とは、特定のテスト化合物によって誘起され、誘発され、または増強される特定の応答について、その最大発現量の50%で投与量依存応答をもたらす特定のテスト化合物の投与量、濃度または量を指す。
本明細書において用いられるところ、IC50とは、ある応答を計測するアッセイにおいて、その最大応答の50%の阻害を達成する特定のテスト化合物の量、濃度または投与量を指す。
「癌」とは、細胞増殖性疾患状態を指し、これは、特にこれらに限定されないが、以下を含む:心臓:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫および奇形腫;肺:気管支原性癌(扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞(細気管支)癌、気管支腺腫、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、イネソテリオーマ(inesothelioma);胃腸管:大腸(大腸癌腫、大腸腺癌、結腸直腸腺癌)、食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌腫、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(管状腺癌、膵島細胞腺腫、グルカゴノーマ、ガストリノーマ、カルチノイド腫瘍、ビポーマ)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫);泌尿生殖路:腎臓(腺癌、ウィルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱および尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間細胞癌腫、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝細胞腫(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;骨:骨肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球種、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性のリンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、オステオクロンフローマ(osteochronfroma)(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維種、類骨骨腫および巨細胞腫;神経系:頭蓋骨(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、脳室上皮腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形性膠芽腫、乏突起膠腫、シュワン腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科系:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚(子宮頚癌腫、前腫瘍性子宮頚部異形成)、卵巣(卵巣癌[漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌腫]、プラチナ製剤抵抗性卵巣癌、顆粒膜細胞腫、セルトリライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫、悪性の奇形腫、卵巣腺癌)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、メラノーマ)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫]、ファロピオ管(癌腫);血液系:血液(骨髄性白血病[急性および慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性のリンパ腫];皮膚:メラノーマ、悪性のメラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成性母斑(moles dysplastic nevi)、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;副腎:神経芽細胞腫;リンパ腫;大細胞リンパ腫;びまん性混合組織球性およびリンパ球性リンパ腫;濾胞性B細胞リンパ腫、ならびに乳房(Her2を過剰発現する乳癌、トリプルネガティブ乳癌)。従って、本明細書において記載されているところ、「癌性細胞」という用語は、上記に記載されている状態に罹患している細胞を含む。本明細書において用いられるところ、「対象」および「患者」という用語は、本明細書において同義的に用いられる。「対象」という用語は、非霊長類(例えば、雌ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラットおよびマウス)および霊長類(例えば、サル、チンパンジーおよびヒト)、ならびに例えばヒトを含む哺乳動物などの動物を指す。一定の実施形態において、対象は、細胞増殖および/または癌に対して、抗療性であるか、または現在の処置に非応答性である。他の実施形態において、対象は、家畜(例えば、ウマ、雌ウシ、ブタ等)またはペット(例えば、イヌまたはネコ)である。一定の実施形態において、対象はヒトである。
本明細書において用いられるところ、「治療薬」という用語は、疾病もしくは状態または1種もしくは複数のその症状の処置または予防に用いられることが可能であるいずれかの薬剤を指す。一定の実施形態において、「治療薬」という用語は、本明細書において提供されている化合物を含む。一定の実施形態において、治療薬は、状態または1種もしくは複数のその症状の処置または予防に対して使用が有用であると知られているか、または使用されていたか、または現在使用されている薬剤である。
「治療的有効量」とは、疾病または状態の処置のために対象に投与された場合に、疾病または状態に対するこのような処置を有効とするのに十分な化合物または組成物の量を指す。「治療的有効量」は、とりわけ、化合物、疾病または状態およびその重症度、ならびに処置される対象の年齢、重量等に応じて様々であることが可能である。
いずれかの疾病または状態「を処置する」または「の処置」とは、一定の実施形態では、対象に存在する疾病または状態の寛解を指す。他の実施形態において、「処置する」または「処置」とは、対象によって識別し得ない少なくとも1つの物理的パラメータの寛解を含む。さらに他の実施形態において、「処置する」または「処置」とは、疾病または状態の、物理的な調整(例えば、識別可能な症状の安定化)もしくは生理学的な調整(例えば、物理的パラメータの安定化)、またはその両方を含む。さらに他の実施形態において、「処置する」または「処置」とは、疾病または状態の発症の遅延を含む。
本明細書において用いられるところ、使用されている「予防的薬剤(prophylactic agent)」および「予防的薬剤(prophylactic agents)」という用語は、疾病もしくは状態、または1種もしくは複数のその症状の予防に用いられることが可能であるいずれかの薬剤を指す。一定の実施形態において、「予防的薬剤」という用語は、本明細書において提供されている化合物を含む。一定の他の実施形態において、「予防的薬剤」という用語は、本明細書において提供されている化合物を指さない。例えば、予防的薬剤は、疾病または状態の発症、発達、進行および/または重症化を予防または妨げるために、使用が有用であると知られているか、または使用されていたか、または現在使用されている薬剤である。
本明細書において用いられるところ、「予防的有効量」という句は、疾病または状態に関連する1種または複数の症状の発達、再発または発症の予防または低減をもたらすか、または他の治療剤(例えば、他の予防的薬剤)の予防的効果の増強または向上をもたらすのに十分な治療剤(例えば、予防的薬剤)の量を指す。
「抗体」という用語は、当業者により抗体として認識されるいずれかの巨大分子を指す。抗体は、結合と、当業者によって認識される免疫グロブリン遺伝子のいずれかによってコード可能であるポリペプチド鎖と実質的に同等である少なくとも1つのポリペプチド鎖とを含む共通する特性を有する。免疫グロブリン遺伝子としては、これらに限定されないが、κ、λ、α、γ(IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4)、δ、εおよびμ定常領域遺伝子、ならびに免疫グロブリン可変領域遺伝子が挙げられる。この用語は、当業者によって認識される完全長抗体および抗体フラグメント、ならびにそのバリアントを含む。
「抗体フラグメント」という用語は、完全長形態以外のいずれかの形態の抗体を指す。本明細書において、抗体フラグメントは、完全長抗体中に存在する小さいコンポーネントである抗体、および操作された抗体を含む。抗体フラグメントとしては、これらに限定されないが、Fv、Fc、Fab、および(Fab’)、短鎖Fv(scFv)、二重特異性抗体、三重特異性抗体、四重特異性抗体、二官能性ハイブリッド抗体、CDR1、CDR2、CDR3、CDRの組み合わせ、可変領域、フレームワーク領域、定常領域等が挙げられる(maynard & georgiou, 2000, annu. Rev. Biomed. Eng. 2:339-76; hudson, 1998, curr. Opin. Biotechnol. 9:395-402)。
「免疫グロブリン(Ig)」という用語は、実質的に免疫グロブリン遺伝子の1種によってコードされた1つまたは複数のポリペプチドからなるタンパク質、またはアミノ酸配列が実質的に同等のタンパク質を指す。免疫グロブリンは、これらに限定されないが、抗体を含む。免疫グロブリンは多数の構造形態を有し得、特にこれらに限定されないが、完全長抗体、抗体フラグメント、ならびに特にこれらに限定されないが、V、Cγ1、Cγ2、Cγ3、VおよびCを含む個々の免疫グロブリンドメインを含む。
「免疫グロブリン(Ig)ドメイン」という用語は、実質的に免疫グロブリン遺伝子によってコードされたポリペプチドからなるタンパク質ドメインを指す。Igドメインは、これらに限定されないが、V、Cγ1、Cγ2、Cγ3、VおよびCを含む。
抗体の「可変領域」という用語は、V免疫グロブリンドメイン、V免疫グロブリンドメイン、またはVおよびV免疫グロブリンドメインから組成されるポリペプチドを指す。可変領域は、個別に、Fvフラグメントとして、scFvフラグメントとして、大きい抗体フラグメントに関連して、この領域として、または完全長抗体もしくは代替的な非抗体スキャフォールド分子に関連して、この領域としてのこのポリペプチドを指し得る。
「可変」という用語は、可変ドメインの一定の部分が抗体中で配列が大きく異なることを指し、これは、その特定の抗原に対する特定の抗体の各々の結合特異性を決定する。しかしながら、可修飾は抗体可変ドメイン全体に均等に分布しているわけではない。軽鎖および重鎖可変ドメインの両方における相補性決定領域(CDR)と呼ばれる3つのセグメントに集中している。可変ドメインのより高度に保存された部分は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる。ネイティブ重鎖および軽鎖の可変ドメインは各々、β−シート構造の一部を結合、およびいくつかの場合には形成するループを形成する3つまたは4つのCDRによって結合された4つのFR領域(大部分がβ−シート構成とされる)を含む。各鎖におけるCDRはFR領域によって近接して保持されており、他の鎖からのCDRと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1991)を参照のこと)。
典型的には定常ドメインは抗体の抗原への結合に直接的に関与はしないが、種々のエフェクター機能を発揮する。その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に応じて、抗体または免疫グロブリンは異なるクラスに分類可能である。IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMといった免疫グロブリンの5種類の主なクラスが存在しており、これらの数種は例えばIgG1、IgG2、IgG3およびIgG4;IgA1およびIgA2といったサブクラス(アイソタイプ)にさらに分けられ得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常領域は、それぞれα、δ、ε、γおよびμと呼ばれる。種々のヒト免疫グロブリンクラスのうち、ヒトIgG1、IgG2、IgG3およびIgMのみが補体を活性化することが公知である。
「複合体」という用語は、本明細書に記載の化合物を第2の化合物に共役させることにより形成可能であるいずれかの化合物を指す。第2の化合物は小分子または巨大分子であることが可能である。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、特にこれらに限定されないが、タンパク質、ペプチド、その核活性型またはハイブリッドを含む生理活性分子である。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、ポリエチレングリコール中のポリマーである。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、市販されている薬物を含む治療薬である。いくつかの実施形態において、第2の化合物は、標的細胞に対して有害である分子ペイロードなどの特定の標的を識別して結合することが可能である標識、または検出もしくは診断に有用である標識である。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物はリンカーを介して第2の化合物に結合される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の化合物は、リンカーを伴わずに第2の化合物に直接結合される。他の実施形態において、第2の化合物は、小分子;巨大分子;特にこれらに限定されないが、タンパク質、ペプチド、その核活性型またはハイブリッドを含む生理活性分子;ポリエチレングリコールなどのポリマー;市販されている薬物を含む治療薬;または標的細胞に対して有害である分子ペイロードなどの特定の標的を識別して結合することが可能である標識、または検出もしくは診断に有用である標識である。他の実施形態において、第2の化合物は、アルキン、歪みアルケン、テトラジン、チオール、マレイミド、カルボニル、オキシアミンまたはアジドを含む修飾アミノ酸を含む。
「バリアントタンパク質配列」という用語は、他の同様のタンパク質配列とはアミノ酸の同一性が異なる1つまたは複数の残基を有するタンパク質配列を指す。前記同様のタンパク質配列は、天然型野生型タンパク質配列、または野生型配列の他のバリアントであり得る。バリアントは、1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失または置換が伴ったタンパク質を含む。バリアントはまた、1つまたは複数の翻訳後修飾アミノ酸を有するタンパク質を含む。
「親抗体」という用語は、本明細書の記載に従って修飾された当業者に公知である抗体を指す。修飾は物理的であることが可能であり、すなわち、化学的または生化学的に親抗体の1つまたは複数のアミノ酸を置き換えまたは修飾して、本記載の範囲内の抗体が得られた。修飾はまた概念的であることが可能であり、すなわち、親抗体の1つまたは複数のポリペプチド鎖の配列を用いて本記載に係る1つまたは複数の部位特異的修飾アミノ酸を含む抗体が設計される。親抗体は、天然型抗体または実験室で設計もしくは開発された抗体であることが可能である。親抗体はまた、例えば、キメラ抗体またはヒト化抗体といった人工または操作された抗体であることが可能である。
「保存的修飾バリアント」という用語は、アミノ酸配列における保存的置換により関連するタンパク質とは異なるタンパク質を指す。コード化配列中の単一のアミノ酸または小さい割合のアミノ酸を変性し、付加し、または欠失させる、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加が「保存的修飾バリアント」であり、ここで、変性は、化学的に類似するアミノ酸によるアミノ酸の置換をもたらすことを当業者は認識するであろう。機能的に類似するアミノ酸を提供する保存的置換表は当技術分野において周知である。このような保存的修飾バリアントは、多形バリアント、種間同族体および対立遺伝子に対して追加的であり、これらを排除するものではない。
以下の8種の基は各々、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:
1)アラニン(A)、グリシン(G);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リシン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);
7)セリン(S)、スレオニン(T);および
8)システイン(C)、メチオニン(M)。
例えば、Creighton, Proteins: Structures and Molecular Properties, W H Freeman & Co.; 2nd edition (December 1993)を参照のこと。
2つ以上のポリペプチド配列に関連して、「同等」または「同一性」という用語は、2つ以上の配列、または同一の配列を指す。以下の配列比較アルゴリズムの1つを用いる計測で、または手作業による配列比較および目視検査により、比較窓または指定の領域にわたって、最大の一致について比較および配列比較した場合、一定の割合で同一であるアミノ酸残基またはヌクレオチドを有していれば(すなわち、特定の領域にわたって約60%の同一性、任意選択により、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%の同一性)、配列は「実質的に同等である」。同一性は、長さが少なくとも約50アミノ酸またはヌクレオチドである領域にわたって、または長さが75〜100アミノ酸またはヌクレオチドである領域にわたって、または特定されていない場合、配列またはポリペプチド全体にわたって存在していることが可能である。抗体の場合、同一性は、可変CDRの外側で計測が可能である。比較のための配列の最適な配列比較は、特にこれらに限定されないが、Smith and Waterman (1970) Adv. Appl. Math. 2:482cのローカルホモロジーアルゴリズムにより、Needleman and Wunsch (1970) J. Mol. Biol. 48:443のホモロジー配列比較アルゴリズムにより、Pearson and Lipman (1988) Proc. Nat’l. Acad. Sci. USA 85:2444の類似性検索法により、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実施(wisconsin genetics software package, genetics computer group, 575 science dr., madison, wis.におけるGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)により;または手作業による配列比較および目視検査(例えば、Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology (1995 supplement)を参照のこと)により実施されることが可能である。
配列同一性割合および配列類似性の判定に好適なアルゴリズムの例としては、それぞれAltschul et al. (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402およびAltschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410に記載されている、BLASTおよびBLAST2.0アルゴリズムが挙げられる。BLAST分析を行うためのソフトウェアは、国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)を介して公に入手可能とされている。BLASTアルゴリズムパラメータW、TおよびXは、配列比較の感度および速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルトとして、11のワード長(W)、10の期待値(E)、M=5、N=−4および両方のストランドの比較を用いる。アミノ酸配列について、BLASTPプログラムは、デフォルトとして、3のワード長および10の期待値(E)、および50のBLOSUM62スコア行列(Henikoff and Henikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915を参照のこと)配列比較(B)、10の期待値(E)、M=5、N=−4、および両方のストランドの比較を用いる。BLASTアルゴリズムは、典型的には、「低複雑配列」フィルタをオフにして行われる。いくつかの実施形態において、BLASTアルゴリズムは、典型的には、「低複雑配列」フィルタをオンにして行われる。
BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列間の類似性の統計学的分析を行う(例えば、Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873-5787を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって与えられる類似性の1つの指標は最小和確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列が偶然に一致する確率の目安とされる。例えば、基準核酸に対するテスト核酸の比較において最小和確率が約0.2未満、他の実施形態では約0.01未満、および他の実施形態では約0.001未満である場合、核酸は基準配列と類似していると見なされる。
「アミノ酸」という用語は、天然および非天然型アミノ酸、ならびに天然型アミノ酸と同様に機能するプロリン、アミノ酸類似体およびアミノ酸模倣薬などのアミノ酸を指す。
天然型のコード化アミノ酸は、当業者に公知であるタンパク新生アミノ酸である。これらは、20種の共通アミノ酸(アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリン)を含み、ピロリシンおよびセレノシステインについて共通性は低い。天然型のコード化アミノ酸は、プレニル化アミノ酸、イソプレニル化アミノ酸、ミリストイル化アミノ酸、パルミトイル化アミノ酸、N−リンク型グリコシル化アミノ酸、O−リンク型グリコシル化アミノ酸、リン酸化アミノ酸およびアシル化アミノ酸などの22種の天然型アミノ酸の翻訳後バリアントを含む。
「修飾アミノ酸」という用語は、タンパク新生アミノ酸、またはその翻訳後修飾バリアントではないアミノ酸を指す。特に、この用語は、20種の共通アミノ酸またはピロリシンまたはセレノシステイン、またはその翻訳後修飾バリアントの1種ではないアミノ酸を指す。
「歪みアルケン」という用語は、テトラジンライゲーションにおいてテトラジンと反応することが可能であるアルケン部分を含む分子を指す。例示的なテトラジンライゲーションは、Blackman et al., 2008, J. Am. Chem. Soc. 130:13518-13519に記載されている。例としては、トランス−シクロオクテンおよびノルボルネンが挙げられる。有用な化合物としては、これらに限定されないが、トランス−シクロオクテン、(E)−シクロオクタ−4−エノール、(E)−シクロオクタ−4−エニル2,5−ジオキソ−1−ピロリジニルカーボネート、5−ノルボルネン−2−酢酸スクシンイミジルエステル、および5−ノルボルネン−2−エンド−酢酸が挙げられる。
「テトラジン」という用語は、以下の構造:

を含む化合物または基を指し、式中、R201は、低級アルキルである。例えば、R201は、メチル、エチルまたはプロピルであることが可能である。一定の態様において、R201はメチルである。
化合物
一定の実施形態において、化合物は式(101)、(101a)または(101b)のものではなく、複合体は、式(101)、(101a)または(101b)の化合物を含まない。一定の実施形態において、化合物は式(101a)のものではなく、複合体は、式(101a)の化合物を含まない。一定の実施形態において、Xが、

である場合、この化合物は、式(101)、(101a)または(101b)の化合物ではなく、複合体は、式(101)、(101a)または(101b)の化合物を含まない。一定の実施形態において、Xが、

である場合、この化合物は、式(101a)の化合物ではなく、複合体は、式(101a)の化合物を含まない。一定の実施形態において、化合物は式(101)、(101a)または(101b)のものではない。一定の実施形態において、化合物は式(101a)のものではない。一定の実施形態において、Xが、

である場合、この化合物は、式(101)、(101a)または(101b)の化合物ではない。一定の実施形態において、Xが、

である場合、この化合物は、式(101a)の化合物ではない。一定の実施形態において、複合体は、式(101)、(101a)または(101b)の化合物を含まない。一定の実施形態において、複合体は、式(101a)の化合物を含まない。一定の実施形態において、Xが、

である場合、複合体は、式(101)、(101a)または(101b)の化合物を含まない。一定の実施形態において、Xが、

である場合、複合体は、式(101a)の化合物を含まない。
例えばI〜XIXb−2といった一連の式が用いられる場合、その範囲内の各式が包含されると共に明示的に列挙されているものとされ、例えば「a」、「−1」等がローマ数字に続く場合も含まれる。例えば、I〜XIXb−2は、Va、XIVおよびXIXa−1等を含む。
一実施形態において、本明細書では、式Iに係る化合物:

またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
各RTは、式(I)の主鎖中における遊離トリガ基、またはEGに結合している遊離トリガ基であり、ここで、1つのRTは、任意選択であり;
HPは、単結合、不在または二価親水性基であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、水素、末端共役基、または末端共役基の二価残基であり;
または代替的に、W、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRは、組み合わされて−Hを形成する。
一実施形態において、本明細書では、1001:

に係る式1000の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
RTは、遊離トリガ基または可切断リンカーであり;
RTは、EGに結合した遊離トリガ基であり;およびRTは、任意選択であり;
HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

(式中、RSGは一価親水性基である)
であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、水素、末端共役基または末端共役基の二価残基である。
一実施形態において、本明細書では、1002:

に係る式1000の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
RTは、遊離トリガ基または可切断リンカーであり;
RTは、EGに結合した遊離トリガ基であり;およびRTは、任意選択であり;
HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

(式中、RSGは、一価親水性基である)
であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、水素、末端共役基または末端共役基の二価残基である。
一定の実施形態では、共役基を用いて、本明細書に記載の修飾ヘミアステリン(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係るもの)を、共役基と反応して複合体を形成することが可能であるいずれかの分子化合物に共役させることが可能である。一定の実施形態において、共役基は本明細書においてRと表記される。共役基は、本明細書に記載の修飾ヘミアステリン(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係るもの)に、1個または複数個の結合基、分離基、遊離トリガ基、疎水性基および/またはスペーサ基を介して直接的または間接的に結合されることが可能である。
結合基
結合基は、分離基、遊離トリガ基、疎水性基、スペーサ基および/または共役基の本明細書に記載の修飾ヘミアステリン(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係るもの)などの化合物への組み込みを促進させる。有用な結合基は当業者に公知であると共に明らかである。有用な結合基の例が本明細書において記載されている。一定の実施形態において、結合基は、W、W、W、WまたはWと表記される。一定の実施形態において、結合基は、二価エステル、二価エーテル、二価アミド、二価アミン、アルキレン、アリーレン、スルフィド、ジスルフィド、−C(O)−またはこれらの組み合わせを含むことが可能である。一定の実施形態において、結合基は、−C(O)−、−O−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−C(O)NH−アルキル−、−OC(O)NH−、−SC(O)NH−、−NH−、−N(アルキル)−、−N(R)−アルキレン−N(R)−(式中、各Rは、独立してHまたはアルキルである)、−N(CH)CHCHN(CH)−、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCHCH−、フェニレン、−NHCHCHC(O)−、−C(O)CHCHNH−、−S−、−S−S−、−OCHCHO−、またはこれらの逆(例えば−NHC(O)−)、またはこれらの組み合わせを含むことが可能である。
分離基
分離基は、化合物または複合体の残部からのインビボおよび/またはインビトロでの本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分からの分離を促進する。分離基はまた、本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分の分離を遊離トリガ基と併せて促進することが可能である。例えば、分離基および遊離トリガ基は、遊離反応において反応して、化合物または複合体からインビボおよび/またはインビトロで本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分を遊離させることが可能である。遊離トリガによって遊離反応を開始させると、分離基が、生物活性部分または生物活性部分のプロドラッグ形態を切断し、生物活性部分の活性にさらなる効果を有さない安定で非有害性のエンティティを形成する。
一定の実施形態において、分離基は、本明細書においてEGと表記される。有用な分離基は、本明細書に記載のものを含む。一定の実施形態において、分離基は、フェニレン、−C(O)−、アミノまたはこれらの組み合わせを含む。一定の実施形態において、分離基は、

であり;式中、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、−NO、−CN、フルオロ、ブロモ、クロロ、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノ−C(O)−からなる群から選択される。第2および第3の構造において、上記において式1000および(I)に示されているとおり、EGは、例えば式1000または(I)の主鎖中にないRTに結合していることを当業者は認識するであろう。いくつかの実施形態において、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノ−C(O)−からなる群から選択される。さらなる実施形態において、各REGは、独立して、水素、−NO、−CN、フルオロ、ブロモおよびクロロからなる群から選択される。
遊離トリガ基および可切断リンカー
一定の実施形態において、遊離トリガ基は、化合物または複合体の残部からのインビボおよび/またはインビトロでの本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分の分離を促進する。一定の実施形態において、遊離トリガ基はまた、本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分の分離を分離基と併せて促進することが可能である。いくつかの実施形態において、分離基および遊離トリガ基は、遊離反応において反応して、化合物または複合体からインビボおよび/またはインビトロで本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分を遊離させることが可能である。一定の実施形態において、遊離トリガは、腫瘍環境において過剰発現されている酵素のタンパク質分解性作用などの高腫瘍:非腫瘍特異性をもって生物学的に駆動される反応を通して作用することが可能である。
一定の実施形態において、遊離トリガ基は、本明細書においてRTと表記される。一定の実施形態において、RTは二価であると共に、式(I)または1000の主鎖中に結合している。他の実施形態において、RTは一価であると共に、上記に示されているEGに結合している。有用な遊離トリガ基は本明細書に記載のものを含む。一定の実施形態において、遊離トリガ基は、天然もしくは非天然型アミノ酸の残基または糖質環の残基を含む。一定の実施形態において、遊離トリガ基は、天然もしくは非天然型アミノ酸の残基または糖質環の残基を含む。
いくつかの実施形態において、遊離トリガ基は、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドおよびペンタペプチドからなる群から選択されるリンカー前駆体から誘導され、これらの各々は1つのシトルリンを含む。例示的なジペプチドとしては、これらに限定されないが、バリン−シトルリン(vcまたはval−cit)、およびN−メチル−バリン−シトルリン(Me−val−cit)シトルリンが挙げられる。例示的なトリペプチドとしては、これらに限定されないが、グリシン−バリン−シトルリン(gly−val−cit)が挙げられる。いくつかの実施形態において、遊離トリガ基は、バリン−シトルリン、N−メチル−バリン−シトルリンおよびグリシン−バリン−シトルリンのからなる群から選択されるリンカー前駆体から誘導される。一定の実施形態において、遊離トリガ基は、

である。第1の構造は二価であると共に、式(I)または1000の主鎖に結合していることが可能であり、ならびに第2の構造は一価であると共に、上記において式(I)および1000に示されているとおり、EGに結合していることが可能であることを当業者は認識するであろう。
可切断リンカーは、化合物または複合体の残部からのインビボおよび/またはインビトロでの本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分の分離を促進する。一定の実施形態において、遊離トリガは、腫瘍環境において過剰発現されている酵素のタンパク質分解性作用などの高腫瘍:非腫瘍特異性をもって生物学的に駆動される反応を通して作用することが可能である。一定の実施形態において、可切断リンカーは、本明細書においてRTと表記される。有用な可切断リンカーは本明細書に記載のものを含む。いくつかの実施形態において、可切断リンカーは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドおよびペンタペプチドからなる群から選択されるリンカー前駆体から誘導される。このような実施形態において、リンカーは、プロテアーゼによって切断可能である。例示的なジペプチドとしては、これらに限定されないが、バリン−アラニン(VAまたはVal−Ala);バリン−グルタミン酸(Val−Glu);アラニン−フェニルアラニン(AFまたはAla−Phe);フェニルアラニン−リシン(FKまたはPhe−Lys);およびフェニルアラニン−ホモリジン(Phe−homoLys)が挙げられる。例示的なトリペプチドとしては、これらに限定されないが、グリシン−グリシン−グリシン(Gly−Gly−Gly)が挙げられる。一定の実施形態において、可切断リンカーは、ジペプチドおよびトリペプチドなる群から選択されるリンカー前駆体から誘導される。一定の実施形態において、可切断リンカーは、ジペプチドから誘導される。一定の実施形態において、可切断リンカーはトリペプチドから誘導される。一定の実施形態において、可切断リンカーは、バリン−アラニン、バリン−グルタミン酸、フェニルアラニン−ホモリジン、フェニルアラニン−リシン、フェニルアラニン−ホモリジンまたはグリシン−グリシン−グリシンから誘導されるリンカー前駆体から誘導される。
一定の実施形態において、可切断リンカーは、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチドおよびペンタペプチドからなる群から選択されるリンカー前駆体から誘導されるか;または

であるか;または

であり、式中、aaは、天然もしくは非天然型アミノ酸残基であるか;または

であり、式中、

環は、3〜6個の炭素原子を含む4〜7員複素環である。一定の実施形態において、可切断リンカーは、ジペプチドおよびトリペプチドなる群から選択されるリンカー前駆体から誘導されるか;または

であるか;または

であり、式中、aaは、天然もしくは非天然型アミノ酸残基であるか;または

であり、式中、

環は、3〜6個の炭素原子を含む4〜7員複素環である。
一定の実施形態において、可切断リンカーは、バリン−アラニン、バリン−グルタミン酸、アラニン−フェニルアラニン;フェニルアラニン−リシン;フェニルアラニン−ホモリジン;およびグリシン−グリシン−グリシン(Gly−Gly−Gly)から選択されるリンカー前駆体から誘導されるか;または

であるか;または

であり、式中、aaは、天然もしくは非天然型アミノ酸残基であるか;または

であり、式中、

環は、3〜6個の炭素原子を含む4〜7員複素環である。
一定の実施形態において、可切断リンカーは、

である。
親水性基
親水性基は、本明細書に記載の化合物の親水性の増加を促進する。親水性が高いことにより、生物学的系において見いだされる水溶液などの水溶液中における溶解度が高められることが可能であると考えられている。親水性基はまた、本明細書においてさらに詳細に記載されているスペーサ基または置換基として機能することも可能である。
一定の実施形態において、親水性基は、本明細書においてHPおよびHPと表記される。有用な親水性基は本明細書に記載のものを含む。一定の実施形態において、HP親水性基は二価ポリ(エチレングリコール)である。一定の実施形態において、HP親水性基は、式:

に係る二価ポリ(エチレングリコール)であり;
式中、mは、1〜12、任意選択により1〜4、任意選択により2〜4の整数である。一定の実施形態において、HP親水性基は、二価親水性基または

であり、式中、RSGは、一価親水性基である。一定の実施形態において、RSGは、一価ポリ(エチレングリコール)である。一定の実施形態において、RSGは、式:

に係る一価ポリ(エチレングリコール)であり、式中、Rは、−Hまたは−CHであり、およびmは、1〜12、任意選択により1〜4、任意選択により2〜4の整数である。一定の実施形態において、RSGは、式:

に係る一価ポリ(エチレングリコール)であり、式中、Rは、−Hまたは−CHであり、およびmは、1〜12、任意選択により1〜4、任意選択により2〜4の整数であり;RSGは、−C〜C−アルキレン−S(O) である。一定の実施形態において、RSGは、式:

に係る一価ポリ(エチレングリコール)であり、式中、Rは、−Hまたは−CHであり、およびmは、2〜4であるか;または−CHCH−S(O) である。一定の実施形態において、RSGは、式:

に係る一価ポリ(エチレングリコール)であり;またはRSGは、−CHCH−S(O) である。一定の実施形態において、RSGは、−C〜C−アルキレン−S(O) である。一定の実施形態において、RSGは、−CHCH−S(O) である。
スペーサ基
スペーサ基は、共役基と本明細書に記載の化合物の他の基との間隔調整を促進する。この間隔調整により、本明細書に記載の化合物の第2の化合物に対するより効率的な共役をもたらすことが可能である。スペーサ基はまた共役基を安定化させることが可能である。
一定の実施形態において、スペーサ基は、本明細書においてSGと表記される。有用なスペーサ基としては、本明細書に記載のものが挙げられる。一定の実施形態において、スペーサ基は、

である。一定の実施形態において、SG、WおよびHPまたはHP基は、組み合わされて、式:

に係る二価ポリ(エチレングリコール)を形成し;式中、mは、1〜12、任意選択により1〜4、任意選択により2〜4の整数である。
共役基およびその残基
共役基は、本明細書に記載の化合物の標的指向化部分などの第2の化合物への共役を促進する。一定の実施形態において、共役基は、本明細書においてRと表記される。共役基は、当業者に公知である任意の好適な反応メカニズムを介して反応することが可能である。一定の実施形態において、共役基は、本明細書において詳述されているとおり、[3+2]アルキン−アジド環化付加反応、逆電子要請型ディールス・アルダーライゲーション反応、チオール−求電子剤反応またはカルボニル−オキシアミン反応を介して反応する。一定の実施形態において、共役基は、アルキン、歪みアルケン、テトラジン、チオール、パラ−アセチル−フェニルアラニン残基、オキシアミン、マレイミドまたはアジドを含む。一定の実施形態において、共役基は、

、−Nまたは−SHであり;式中、R201は、低級アルキルである。一実施形態において、R201は、メチル、エチルまたはプロピルである。一実施形態において、R201は、メチルである。
共役の後、共役基の二価残基が形成され、第2の化合物の残基に結合される。二価残基の構造は、複合体の形成に採用される共役反応の種類によって決定される。
一定の実施形態において、複合体が[3+2]アルキン−アジド環化付加反応で形成される場合、共役基の二価残基は、トリアゾール環またはトリアゾール環を含む縮合環式基を含む。一定の実施形態において、複合体が[3+2]アルキン−アジド環化付加反応で形成される場合、共役基の二価残基は、

である。
一定の実施形態において、複合体がテトラジン逆電子要請型ディールス・アルダーライゲーション反応で形成される場合、共役基の二価残基は、環中において隣接する少なくとも2個の窒素原子を有する縮合二環式環を含む。一定の実施形態において、複合体がテトラジン逆電子要請型ディールス・アルダーライゲーション反応で形成される場合、共役基の二価残基は、

である。
一定の実施形態において、複合体がチオール−マレイミド反応で形成される場合、共役基の二価残基は、スクシンイミジレンおよび硫黄リンケージを含む。一定の実施形態において、複合体がチオール−マレイミド反応で形成される場合、共役基の二価残基は、

である。
一定の実施形態において、複合体がカルボニル−オキシアミン反応で形成される場合、共役基の二価残基は非天然型アミノ酸の二価残基を含む。一定の実施形態において、複合体がカルボニル−オキシアミン反応で形成される場合、共役基の二価残基は、

である。一定の実施形態において、複合体がカルボニル−オキシアミン反応で形成される場合、共役基の二価残基はオキシムリンケージを含む。一定の実施形態において、複合体がカルボニル−オキシアミン反応で形成される場合、共役基の二価残基は、

である。
一実施形態において、本明細書では、式1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の9員の置換もしくは無置換の縮合二環式ヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、フェニレンまたはインドリレンであり、これらの各々は、無置換であるかまたは置換されている。一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、以下のいずれかである。
一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Lは、不在である。一実施形態において、本明細書では、式XVIb1000〜1002b、I〜IbまたはX〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Lは、−CH−である。
一実施形態において、本明細書では、基「EG」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EGは、フェニレン、カルボキシレン、アミノまたはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、本明細書では、基「EG」が式中に存在している式I1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EGは、

であり;式中、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、−NO、−CN、フルオロ、ブロモ、クロロ、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノC(O)−からなる群から選択される。第2および第3の構造において、上記において式1000および(I)に示されているとおり、EGは、式1000または(I)の主鎖中にないRTに結合していることを当業者は認識するであろう。いくつかの実施形態において、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノC(O)−からなる群から選択される。さらなる実施形態において、各REGは、独立して、水素、−NO、−CN、フルオロ、ブロモおよびクロロからなる群から選択される。
一実施形態において、本明細書では、基「RT」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、RTは、天然もしくは非天然型アミノ酸の残基または糖質の残基を含む。一実施形態において、本明細書では、基「RT」が式中に存在している式I1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、RTは、

である。第1の構造は二価であると共に、式1000または(I)の主鎖に結合していることが可能であり、ならびに第2の構造は一価であると共に、上記において式(I)および1000に示されているとおり、EGに結合していることが可能であることを当業者は認識するであろう。
一実施形態において、本明細書では、基「HP」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、HPは、ポリ(エチレングリコール)を含む。一実施形態において、本明細書では、基「HP」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、HPは、

であり、式中、mは、1〜12の整数である。
一実施形態において、本明細書では、基「SG」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、SGは、C〜C10アルキレン、C〜Cアルキレン、−C(O)−またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、本明細書では、基「SG」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、SGは、

である。
一実施形態において、本明細書では、基「W」、「W」、「W」、「W」、および/または「W」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、W、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在であるか、または二価ケトン、二価エステル、二価エーテル、二価アミド、二価アミン、アルキレン、アリーレン、スルフィド、ジスルフィド、−C(O)−もしくはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、本明細書では、基「W」、「W」、「W」、「W」、および/または「W」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、W、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在であるか、または−C(O)−、−O−、−C(O)NH−、−C(O)NH−アルキル−、−OC(O)NH−、−SC(O)NH−、−NH−、−NH−アルキル−、−N(CH)CHCHN(CH)−、−S−、−S−S−、−OCHCHO−もしくはこれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、本明細書では、基「R」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、共役基または共役基の残基である。一実施形態において、本明細書では、基「R」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、アルキン、歪みアルケン、テトラジン、チオール、パラ−アセチル−フェニルアラニン残基、オキシアミン、マレイミド、カルボニルハロゲン化アルキル、アリールスルフィドまたはアジドを含む。一実施形態において、本明細書では、基「R」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

、−Nまたは−SHであり;式中、R201は、低級アルキルである。一実施形態において、本明細書では、基「R」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

であり;および
201は、メチル、エチルまたはプロピルである。一実施形態において、本明細書では、基「R」が式中に存在している式1000〜1002bおよびI〜XIXb−2のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

であり;および
201は、メチルである。
一実施形態において、本明細書では、式I〜IXbのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、W、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRは、組み合わされて−Hを形成する。
一実施形態において、本明細書では、式1000aまたは式1000b:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、X、EG、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式1000に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式Iaまたは式Ib:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式Iに関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式1001aまたは式1001b:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式1002aまたは式1002b:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式1002に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式II〜IX−1:





のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、RT、HP、SG、W、W、W、W、WおよびRは、式1000、I、1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式IIa〜IXa−1:





のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、RT、HP、SG、W、W、W、W、WおよびRは、式1000、I、1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。一実施形態において、本明細書では、式IIb〜IXb−1:





のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、RT、HP、SG、W、W、W、W、WおよびRは、式1000、I、1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式X:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、LおよびArは、式Iに関連して記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式XaまたはXb:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、LおよびArは、式Iに関連して記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式XI〜XVI−1:




のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式1000、I、1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式XIa〜XVIa−1:




のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式1000、I、1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式XIb〜XIVb−1:




のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EG、RT、HP、RT、HP、SG、W、W、W、W、W、R、LおよびArは、式1000、I、1001に関連して、および/または本明細書に記載の実施形態のいずれかに記載されているとおりである。
一実施形態では、式1000もしくは1001の化合物は、Xが、

であり;HPが、

であり、およびRTが、遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか;またはHPが不在であり、およびRTが可切断リンカーであり;ならびにすべての他の基が、式1000、1001および/または本明細書に記載のいずれかの実施形態に定義されているとおりであるものである。一実施形態では、式1000もしくは1001の化合物は、Xが、

であり;HPが、

であり、およびRTが遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか;またはHPが不在であり、およびRTが可切断リンカーであり;EGが、

であり;ならびにすべての他の基が、式1000、1001および/または本明細書に記載のいずれかの実施形態に定義されているとおりであるものである。一実施形態では、式1000もしくは1001の化合物は、Xが、

であり;HPが、

であり、およびRTが遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか;またはHPが不在であり、およびRTが可切断リンカーであり;EGが、

であり;
−Wが不在であり;ならびにすべての他の基が式1000、1001および/または本明細書に記載のいずれかの実施形態に定義されているとおりであるものである。一定の実施形態において、Lは、不在である。
一実施形態において、本明細書では、式1000:

に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、
Arは、置換もしくは無置換インドリレンまたは置換もしくは無置換フェニレン環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
Xは、

であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在、−C(O)−、−O−、−C(O)O−、−OC(O)−、−C(O)NH−、−C(O)NH−アルキル−、−OC(O)NH−、−SC(O)NH−、−NH−、−N(アルキル)−、−N(R)−アルキレン−N(R)−(式中、各Rは、独立してHまたはアルキルである)、−N(CH)CHCHN(CH)−、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CHCHCH−、フェニレン、−NHCHCHC(O)−、−C(O)CHCHNH−、−S−、−S−S−、−OCHCHO−、またはこれらの逆であり;
EGは、不在であるか、またはEGは、

から選択され;
式中、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、−NO、−CN、フルオロ、ブロモ、クロロ、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノ−C(O)−からなる群から選択され;
RTは、主鎖中にある場合、

であり;ならびにRTは、EG基に結合している場合、

であり;ここで、各RTは、任意選択であり;
RTは、不在、

、バリン−アラニン、バリン−グルタミン酸、アラニン−フェニルアラニン;フェニルアラニン−リシン;フェニルアラニン−ホモリジン;およびグリシン−グリシン−グリシン(gly−gly−gly)、

であり、式中、aaは、天然もしくは非天然型アミノ酸残基であるか、または

であり、式中、

環は、3〜6個の炭素原子を含む4〜7員複素環であり;
HPは、不在または

であり、式中、mは、1〜12の整数であり;
HPは、不在または

であり、式中、RHPは、

であり、式中、Rは、−Hまたは−CHであり、およびmは、1〜12の整数であり、またはRHPは、−アルキレン−S(O) であり;
SGは、不在、

であり;および
Rは、末端共役基であり;
または代替的に、W、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRは、組み合わされて−Hを形成する。
いくつかの実施形態において、化合物は、Xが−HP−RT−EG−、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−HP−RT−(式中、RTは、可切断リンカーである)、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−RT−、−RT−、−RT−EG−、RT−EG−または−EG(RT)−であるものであり;ならびにすべての他の基は、本明細書に記載の式および/または実施形態のいずれかにおいて定義されているとおりである。いくつかの実施形態において、化合物は、Xが−HP−RT−EG−、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−HP−RT−(式中、RTは、可切断リンカーである)、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−RT−、−RT−、−RT−EG−、RT−EG−または−EG(RT)−であるものであり;遊離トリガ基は、化合物または複合体の生物活性部分の分離を分離基と併せて促進し;ならびにすべての他の基は、本明細書に記載の式および/または実施形態のいずれかにおいて定義されているとおりである。いくつかの実施形態において、化合物は、Xが−HP−RT−EG−、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−HP−RT−(式中、RTは、可切断リンカーである)、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−RT−、−RT−、−RT−EG−、RT−EG−または−EG(RT)−であるものであり;W、W、WおよびLは、独立して、単結合または不在であり;遊離トリガ基は、化合物または複合体の生物活性部分の分離を分離基と併せて促進し;ならびにすべての他の基は、本明細書に記載の式および/または実施形態のいずれかにおいて定義されているとおりである。いくつかの実施形態において、化合物は、Xが−HP−RT−EG−、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−HP−RT−(式中、RTは、可切断リンカーである)、−HP−RT−(式中、RTは、遊離トリガ基である)、−RT−、−RT−、−RT−EG−、RT−EG−または−EG(RT)−であるものであり;W、W、WおよびLは、独立して、単結合または不在であり;SGは、

であり;遊離トリガ基は、化合物または複合体の生物活性部分の分離を分離基と併せて促進し;ならびにすべての他の基は、本明細書に記載の式および/または実施形態のいずれかにおいて定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式101〜108または1〜8:




のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されている。
一実施形態において、本明細書では、式101a〜108aまたは1a−8a:




のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されている。
一実施形態において、本明細書では、式101b〜108bまたは1〜8b:




のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されている。
複合体
本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)は、第2の化合物(例えば、ポリペプチドまたは抗体)と反応して複合体を形成することが可能である。第2の化合物は、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)との共役に有用であることが公知である任意の化合物であることが可能である。有用な第2の化合物はポリペプチドおよび抗体を含む。
従って、一態様において、本明細書では、第2の化合物に結合した本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)を含む複合体が提供されている。
一実施形態において、複合体は、以下の式E1:

に係るもの、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体であり、式中、
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
Xは、

であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
各RTは、式1000の主鎖中における遊離トリガ基、またはEGに結合している遊離トリガ基であり、各RTは、任意選択であり;
RTは、遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか、またはRTは、不在であり;
HPは、単結合、不在または二価親水性基であり;
HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

(式中、RHPは、一価親水性基である)
であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、末端共役基の二価残基であり;
または代替的に、W、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRは、組み合わされて−Hを形成する。
一実施形態において、複合体は、以下の式C1:

に係るもの、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体であり、式中、
COMPは、第2の化合物の残基であり;
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
各RTは、遊離トリガ基であり、および1つのRTは、任意選択であり;
HPは、単結合、不在または二価親水性基であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、末端共役基の二価残基である。
一実施形態において、本明細書では、式(F1)または(G1):

に係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、
COMPは、第2の化合物の残基であり;
Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環、または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環であり;
Lは、不在または−CH−であり;
、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
EGは、不在または分離基であり;
RTは、遊離トリガ基または可切断リンカーであり;RTは、EGに結合した遊離トリガ基であり;ならびにRTおよびRTは、任意選択であり;
HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

であり、式中、RSGは、一価親水性基であり;
SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
Rは、末端共役基の二価残基である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の6員の置換もしくは無置換の単環式アリールもしくはヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリールもしくはヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、二価の8員、9員の置換もしくは無置換の縮合二環式ヘテロアリール環である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、フェニレンまたはインドリレンであり、これらの各々は、無置換であるか、または置換されている。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Arは、以下のいずれかである。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Lは、不在である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Lは、−CH−である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EGは、フェニレン、カルボキシレン、アミンまたはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、EGは、

であり;
式中、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、−NO、−CN、フルオロ、ブロモ、クロロ、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノC(O)−からなる群から選択される。第2および第3の構造において、上記において式(I)に示されているとおり、EGは、式(I)の主鎖中にないRTに結合していることを当業者は認識するであろう。いくつかの実施形態において、各REGは、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノC(O)−からなる群から選択される。さらなる実施形態において、各REGは、独立して、水素、−NO、−CN、フルオロ、ブロモおよびクロロからなる群から選択される。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、RTは、天然もしくは非天然型アミノ酸の残基または糖質の残基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、RTは、

である。第1の構造は二価であると共に、式1000または(I)の主鎖に結合していることが可能であり、ならびに第2の構造は一価であると共に、上記において式(I)および1000に示されているとおり、EGに結合していることが可能であることを当業者は認識するであろう。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、HPは、ポリ(エチレングリコール)を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、HPは、

であり、式中、mは、1〜12の整数である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、SGは、C〜C10アルキレン、C〜Cアルキレン、−C(O)−またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、SGは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、W、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在であるか、または二価ケトン、二価エステル、二価エーテル、二価アミド、二価アミン、アルキレン、アリーレン、スルフィド、ジスルフィド、−C(O)−またはこれらの組み合わせを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、W、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在であるか、または−C(O)−、−O−、−C(O)NH−、−C(O)NH−アルキル−、−OC(O)NH−、−SC(O)NH−、−NH−、−NH−アルキル−、−N(CH)CHCHN(CH)−、−S−、−S−S−、−OCHCHO−またはこれらの組み合わせを含む。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、トリアゾール環を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、トリアゾール環またはトリアゾール環を含む縮合環式基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、環中において隣接する少なくとも2個の窒素原子を有する縮合二環式環を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、硫黄リンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、非天然型アミノ酸の二価残基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、オキシムリンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、Rは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、COMPは、本明細書に記載の修飾ヘミアステリン化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)との共役に有用であることが公知である任意の化合物の残基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、COMPは、ポリペプチド、抗体または抗体鎖の残基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、COMPは、ポリペプチドの残基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、COMPは、抗体の残基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており;式中、COMPは、抗体鎖の残基である。
一態様において、本明細書では、ポリペプチドに結合した本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)を含むポリペプチド複合体が提供されており、式中、ポリペプチド複合体は、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係るもの、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体であり、式中、COMPは、ポリペプチドの残基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C15bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、トリアゾール環またはトリアゾール環を含む縮合環式基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、縮合二環式環を含み、式中、縮合二環式環は、環中において隣接する少なくとも2個の窒素原子を有する。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、硫黄リンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、非天然型アミノ酸の二価残基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、オキシムリンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係るポリペプチド複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、ポリペプチドの残基であり;およびRは、

である。
一態様において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る抗体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体に結合した、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)を含む抗体複合体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、トリアゾール環またはトリアゾール環を含む縮合環式基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり、およびRは、縮合二環式環を含み、式中、縮合二環式環は、環中において隣接する少なくとも2個の窒素原子を有する。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、硫黄リンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、非天然型アミノ酸の二価残基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、オキシムリンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基であり;およびRは、

である。
一態様において、本明細書では、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る抗体鎖、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体に結合した本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体)を含む抗体鎖複合体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖である。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、トリアゾール環またはトリアゾール環を含む縮合環式基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、縮合二環式環を含み、式中、縮合二環式環は、環中において隣接する少なくとも2個の窒素原子を有する。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、硫黄リンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、非天然型アミノ酸の二価残基を含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、オキシムリンケージを含む。一実施形態において、本明細書では、式C1〜C13b、E1、F1〜F13bおよびG1〜G13bのいずれかに係る抗体鎖複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMPは、抗体の残基鎖であり;およびRは、

である。
一実施形態において、本明細書では、式C1aまたは式C1b:

に係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:

に係る複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書に記載の式および/または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式C2〜C9:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:



のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書に記載の式または実施形態のいずれかに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、式C2a〜C9a:


のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:



のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書に記載の式または実施形態のいずれかに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、式C2b〜C9b:


のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:



のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書に記載の式または実施形態のいずれかに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、式C10〜C13:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書における式または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式C10a〜C13a:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書における式または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式C10b〜C13b:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書における式または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式C14〜C17:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:


のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書における式または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式C14a〜C17a:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:


のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書における式または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一実施形態において、本明細書では、式C14b〜C17b:

のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、COMP、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1およびI〜XVIbに関連して記載されている。
一実施形態において、本明細書では、以下の式:


のいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体が提供されており、式中、すべての他の基は、本明細書における式または実施形態のいずれかに定義されているとおりである。
一態様において、本明細書では、複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係るもの)を生成する方法が提供されており、これは、本明細書に記載の化合物(例えば、式I〜XVIIIb、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)と、第2の化合物とを、本明細書に記載の化合物と第2の化合物とを共役させるのに好適な条件下で接触させることを含み;ここで、第2の化合物は、アルキン、歪みアルケン、テトラジン、チオール、マレイミド、カルボニル、オキシアミンまたはアジドを含む修飾アミノ酸を含む。一実施形態において、第2の化合物はポリペプチドである。一実施形態において、第2の化合物は抗体である。
共役反応
[3+2]アルキン−アジド環化付加反応

有利には、末端共役アルキン基またはアジド基を含む本明細書に記載の化合物(例えば、式I〜IXb、XI〜XVIIbおよび101〜111bのいずれかに係る化合物)は、補完的なアジド基またはアルキン基を含む第2の化合物との選択的で効率的な反応を促進する。アジドおよびアルキン基は1,3−双極性環化付加反応において反応して、アルキン基またはアジド基を含む本明細書に記載の化合物と第2の化合物とを結合する1,2,3−トリアゾリレン部分を形成すると考えられている。トリアゾールを形成するアジドとアルキンとの間のこの反応は、一般に、ヒュスゲン環化付加反応または[3+2]アルキン−アジド環化付加反応として当業者に公知である。
アジドおよびアルキン官能基は、その固有の反応性のために、ポリペプチドおよびの生物学的分子の選択的な修飾に有用とされる。特に脂肪族アジドといった有機アジド、およびアルキンは、共通する反応性の化学条件に対して一般に安定である。特に、アジドおよびアルキン官能基は共に、天然型のポリペプチドにおいて見いだされる20種の共通アミノ酸の側鎖に対して不活性である。近くに近接した場合、アジドおよびアルキン基の「バネ荷重(spring-loaded)」性が発揮されて、これらは、選択的および効率的に[3+2]アルキン−アジド環化付加反応を介して反応して、対応するトリアゾールを生成すると考えられている。例えば、Chin J., et al., Science 301:964-7 (2003);Wang, Q., et al., J. Am. Chem. Soc. 125, 3192-3193 (2003);Chin, J. W., et al., J. Am. Chem. Soc. 124:9026-9027 (2002)を参照のこと。
[3+2]アルキン−アジド環化付加反応は、求核置換ではなくて選択的環化付加反応[例えば、Padwa, A., COMPREHENSIVE ORGANIC SYNTHESIS, Vol. 4, (ed. Trost, B. M., 1991), pp. 1069-1109;Huisgen, R. 1,3-DIPOLAR CYCLOADDITION CHEMISTRY, (ed. Padwa, A., 1984), pp. 1-176を参照のこと]を含むため、アジドおよびアルキン−含有側鎖を有する非天然型コード化アミノ酸の組み込みにより、非天然型コード化アミノ酸の位置における得られたポリペプチドの選択的修飾が可能とされる。アジドまたはアルキン−含有化合物が関連する環化付加反応は、室温で、水性条件下に、Cu(II)(特にこれらに限定されないが、触媒量のCuSOの形態を含む)を、Cu(II)をCu(I)に還元するための還元剤の存在下において、インサイチューで触媒量において添加することにより実施可能である。例えば、Wang, Q., et al., J. Am. Chem. Soc. 125, 3192-3193 (2003);Tornoe, C. W., et al., J. Org. Chem. 67:3057-3064 (2002);Rostovtsev, et al., Angew. Chem. Int. Ed. 41:2596-2599 (2002)を参照のこと。例示的な還元剤としては、特にこれらに限定されないが、アスコルビン酸塩、金属銅、キニーネ、ハイドロキノン、ビタミンK、グルタチオン、システイン、Fe2+、Co2+、および電位の印加が挙げられる。
逆電子要請型ライゲーション反応

有利には、本明細書において提供されている末端テトラジンまたは歪みアルケン基を含む化合物は、歪みアルケンまたはテトラジン基を含む第2の化合物との選択的で効率的な反応を促進する。テトラジンおよび歪みアルケンは、逆要請型ディールス・アルダー反応、続いて、レトロ−ディールス・アルダー反応において反応して、本明細書において提供されている末端テトラジンまたは歪みアルケン基を含む化合物を第2の化合物に結合すると考えられている。この反応は特異的であり、生体分子で生じる官能基との交差反応性をほとんど乃至全く有していないと考えられている。この反応は、例えば室温および触媒を伴わないといった温和な条件下で実施され得る。テトラジンと歪みアルケンとの間のこの反応は、一般に、テトラジンライゲーション反応として当業者に公知である。
チオール反応

有利には、本明細書において提供されている末端チオール基または好適な求電子性もしくはジスルフィド形成基を含む化合物は、補完的な求電子性もしくはジスルフィド形成基またはチオール基を含む第2の化合物との選択的で効率的な反応を促進する。これらの反応は選択的であり、生体分子で生じる官能基との交差反応性をほとんど乃至全く有していないと考えられている。他の実施形態において、チオール反応はマレイミド基の反応を含まない。
カルボニル−オキシアミン反応

有利には、本明細書において提供されている末端カルボニルまたはオキシアミン基を含む化合物は、オキシアミンまたはカルボニル基を含む第2の化合物との選択的で効率的な反応を促進する。カルボニルおよびオキシアミンは反応して、オキシムリンケージを形成すると考えられている。この反応は特異的であり、生体分子で生じる官能基との交差反応性をほとんど乃至全く有していないと考えられている。
他の反応
他の好適な共役反応は文献に記載されている。例えば、Lang, K. And Chin, J. 2014, Bioorthogonal Reactions for Labeling Proteins, ACS Chem Biol 9, 16-20;Paterson, D. M. Et al. 2014, Finding the Right (Bioorthogonal) Chemistry, ACS Chem Biol 9, 592-605;King, M. And Wagner, A. 2014, Developments in the Field of Bioorthogonal Bond Forming Reactions - Past and Present Trends, Bioconjugate Chem., 2014, 25 (5), pp 825-839;およびRamil, C.P. and Lin, Q., 2013, Bioorthogonal chemistry: strategies and recent developments, Chem Commun 49, 11007-11022を参照のこと。
遊離反応
遊離反応は、本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分を化合物または複合体からインビボおよび/またはインビトロで遊離させるために作用する反応である。一定の実施形態において、遊離された生物活性部分は、式1〜8bのいずれかに係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体である。遊離反応の一例は、本明細書に記載の化合物または複合体の生物活性部分を遊離させる、本明細書に記載の化合物または複合体の分離基と遊離トリガ基との間の分子内反応である。分離基は、これらの反応において例示されているとおり、それ自体が2つの反応性コンポーネントに移行し得、ここで、X−はリンケージ用のヘテロ原子NまたはOを含む薬物である。例示的な遊離反応が以下のスキームに示されている。
組成物
本明細書に記載の化合物および複合体は、当技術分野において利用可能であると共に、本明細書に開示の方法を用いて組成物に配合可能である。本明細書に記載の化合物および複合体はいずれも、適切な薬学組成物で提供可能であると共に、好適な投与経路により投与されることが可能である。
一態様において、本明細書では:
本明細書に記載されている、化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)または複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体);および
薬学的に許容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤
を含む薬学組成物が提供されている。
一定の実施形態において、本明細書において提供されている薬学組成物は、薬学的に許容可能なキャリアをさらに含む。キャリアは、薬学組成物と一緒に投与される希釈剤、賦形剤またはビヒクルであることが可能である。このような薬学キャリアは、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油等などの石油、動物、野菜または合成由来のものを含む、水および油などの無菌液体であることが可能である。生理食塩水溶液および水性ブドウ糖およびグリセロール溶液も特に注射可能な溶液用の液体キャリアとして採用が可能である。好適な薬学的賦形物としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等が挙げられる。薬学組成物はまた、必要に応じて、微量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することが可能である。薬学組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、懸濁−遊離配合物等の形態であることが可能である。経口配合物は、薬学グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム等などの標準的なキャリアを含むことが可能である。好適な薬学キャリアの例は、e.W. martin, 1990, remington’s pharmaceutical sciences, mack publishing co.に記載されている。
いくつかの実施形態において、薬学組成物は、ヒト対象への投与に好適な形態で提供される。いくつかの実施形態において、薬学組成物は、患者への適切な投与のための形態が提供されるよう、好適な量のキャリアと共に、予防的または治療的有効量のポリペプチドを含有することとなる。配合物は投与形態に適合しているべきである。
いくつかの実施形態において、薬学組成物は、静脈内投与に好適な形態で提供される。典型的には、静脈内投与に好適な組成物は、無菌等張水性緩衝剤中の溶液である。必要に応じて、組成物は、可溶化剤および注射部位での疼痛を和らげるためのリグノカインなどの局所麻酔薬を含んでいてもよい。しかしながら、このような組成物は、静脈内投与以外の経路で投与されてもよい。
特定の実施形態において、薬学組成物は皮下投与に好適である。特定の実施形態において、薬学組成物は筋肉内投与に好適である。
薬学組成物のコンポーネントは、個別に供給されることも、または例えば凍結乾燥した乾燥粉末もしくは無水濃縮物として、単位剤形に一緒に混合されることも可能である。組成物が点滴により投与される場合、無菌薬学グレード水または生理食塩水を含有する点滴ボトルに調剤可能である。組成物が注射により投与される場合、投与前に処方成分を混合し得るよう、注射用滅菌水または生理食塩水のアンプルを提供することが可能である。
いくつかの実施形態において、薬学組成物は、対象に投与するために適切な濃度に溶解させることが可能である乾燥滅菌凍結乾燥粉末として供給される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは無水濃縮物として供給される。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも0.5mg、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも5mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも60mgまたは少なくとも75mgの単位投与量で乾燥無菌凍結乾燥粉末として供給される。
他の実施形態において、薬学組成物は液体形態で供給される。いくつかの実施形態において、薬学組成物は液体形態で提供されると共に、界面活性剤および/または無機塩を実質的に含まない。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも0.1mg/ml、少なくとも0.5mg/ml、少なくとも1mg/ml、少なくとも2.5mg/ml、少なくとも3mg/ml、少なくとも5mg/ml、少なくとも8mg/ml、少なくとも10mg/ml、少なくとも15mg/ml、少なくとも25mg/ml、少なくとも30mg/mlまたは少なくとも60mg/mlの単位投与量で液体形態において供給される。
いくつかの実施形態において、薬学組成物は塩形態として配合される。薬学的に許容可能な塩としては、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸等から誘導されるものなどのアニオンと共に形成されるもの、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン等から誘導されるものなどのカチオンと共に形成されるものが挙げられる。
治療的使用では、従業者は、予防的処置または治癒的処置に従って、および処置される対象に係る年齢、重量、疾病の段階および特異的な他の要因に従って最も適切な薬量学を判定することとなる。一定の実施形態において、投与量は、成人に対して約1〜約1000mg/日であり、または成人に対して約5〜約250mg/日もしくは約10〜50mg/日である。一定の実施形態において、投与量は、成人当たり、約5〜約400mg/日または25〜200mg/日である。一定の実施形態において、約50〜約500mg/日の投与量も想定される。
治療または予防のための使用方法
本明細書において提供されている一定の化合物、複合体、ポリペプチドおよび抗体は、当業者に好適であるとみなされたいずれかの疾病または状態の処置または予防に用いられることが可能である。一般に、処置または予防方法は、疾病または状態を処置または予防するために、治療的または予防的に有効な量の化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物の投与を、それを必要とする対象に投与することを含む。
一態様において、本明細書では、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)、複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体)または化合物もしくは複合体を含む組成物を有効量で対象に投与することを含む、チューブリン重合の阻害を、それを必要とする対象において行う方法が提供されている。
一態様において、本明細書では、本明細書に記載の化合物(例えば、式1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2、101〜111bまたは1〜8bのいずれかに係る化合物)、複合体(例えば、式C1〜C17b、E1、F1〜F17bおよびG1〜G17bのいずれかに係る複合体)または化合物もしくは複合体を含む組成物を有効量で対象に投与することを含む、細胞増殖または癌の処置を、それを必要とする対象において行う方法が提供されている。
化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物の治療的有効量は、特定の疾病または状態の重症度、期間および/または症状の低減に効果的である量である。特定の疾病の予防、管理、処置および/または寛解において治療的に効果的であろう化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物の量は、標準的な臨床技術によって判定可能である。投与されるべき化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物の正確な量は、部分的に、投与経路、特定の疾病または状態の重篤度に応じることとなり、従業者の判断および各対象の状況に応じて決定されるべきである。
いくつかの実施形態において、本明細書において提供されている化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物の有効量は、約0.025mg/kg〜約1000mg/ヒト対象の体重1kgである。一定の実施形態において、化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物は、ヒト対象に、約1000mg/体重1kg以下、約950mg/体重1kg以下、約900mg/体重1kg以下、約850mg/体重1kg以下、約800mg/体重1kg以下、約750mg/体重1kg以下、約700mg/体重1kg以下、約650mg/体重1kg以下、約600mg/体重1kg以下、約550mg/体重1kg以下、約500mg/体重1kg以下、約450mg/体重1kg以下、約400mg/体重1kg以下、約350mg/体重1kg以下、約300mg/体重1kg以下、約250mg/体重1kg以下、約200mg/体重1kg以下、約150mg/体重1kg以下、約100mg/体重1kg以下、約95mg/体重1kg以下、約90mg/体重1kg以下、約85mg/体重1kg以下、約80mg/体重1kg以下、約75mg/体重1kg以下、約70mg/体重1kg以下、または約65mg/体重1kg以下の量で投与される。
いくつかの実施形態において、本明細書において提供されている化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物の有効量は、約0.025mg/kg〜約60mg/ヒト対象の体重1kgである。いくつかの実施形態において、本明細書において提供されている化合物、複合体、ポリペプチド、抗体、または薬学組成物のこれらを含む薬学組成物の有効量は、約0.025mg/kg以下、約0.05mg/kg以下、約0.10mg/kg以下、約0.20mg/kg以下、約0.40mg/kg以下、約0.80mg/kg以下、約1.0mg/kg以下、約1.5mg/kg以下、約3mg/kg以下、約5mg/kg以下、約10mg/kg以下、約15mg/kg以下、約20mg/kg以下、約25mg/kg以下、約30mg/kg以下、約35mg/kg以下、約40mg/kg以下、約45mg/kg以下、約50mg/kgまたは約60mg/kg以下である。
本方法の薬学組成物は、当業者に公知である任意の方法を用いて投与されることが可能である。例えば、薬学組成物は、筋肉内、皮内、腹腔内、静脈内、皮下投与、またはいずれかのこれらの組み合わせで投与されることが可能である。いくつかの実施形態において、薬学組成物は皮下投与される。いくつかの実施形態において、組成物は静脈内投与される。いくつかの実施形態において、組成物は筋肉内投与される。
本明細書に開示の化合物、複合体、ポリペプチド、抗体または薬学組成物を用いて処置可能である癌は、Her2が過剰発現される癌、CD7が過剰発現される癌、Her2が過剰発現されない癌、およびCD7が過剰発現されない癌を含み、いくつかの実施形態において、癌は、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、プラチナ製剤抵抗性卵巣癌、卵巣腺癌、子宮内膜癌、乳癌、Her2を過剰発現する乳癌、トリプルネガティブ乳癌、リンパ腫、大細胞リンパ腫、びまん性混合組織球性およびリンパ球性リンパ腫、濾胞性B細胞リンパ腫、大腸癌、大腸癌腫、大腸腺癌、結腸直腸腺癌、メラノーマ、前立腺または多発性骨髄腫である。一定の実施形態において、癌は、乳癌、肺癌、卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌、大腸癌、結腸直腸癌、メラノーマ、前立腺癌または多発性骨髄腫である。
アッセイ方法
本明細書に記載の化合物、複合体、ポリペプチド、抗体およびこれらを含む薬学組成物は、当業者に明確である任意のアッセイに従って、予期される活性または新たな活性についてアッセイされることが可能である。化合物、複合体、ポリペプチド、抗体またはこれらを含む薬学組成物は、機能的アッセイにおいて、または例えば免疫染色、ELISA、クマシーまたは銀染色ゲルによる定量化等といった非機能的アッセイにおいてタンパク質の量を定量化し、および生物活性タンパク質対総タンパク質の比率を判定することにより、活性についてアッセイすることが可能である。
翻訳反応において産生されるタンパク質の量は種々の方法で計測することが可能である。1つの方法は、翻訳される特定のタンパク質の活性を計測するアッセイの利用可能性に基づく。タンパク質活性を計測するためのアッセイの一例は、ルシフェラーゼアッセイシステム、またはクロラムフェニカルアセチルトランスフェラーゼアッセイシステムである。これらのアッセイは、翻訳反応から産生される機能性活性タンパク質の量を計測する。活性アッセイは、不適切なタンパク質フォールディングにより、またはタンパク質活性に必要な他の翻訳後修飾の欠如のために非活性である完全長タンパク質は計測しない。
共役インビトロ転写および翻訳反応において産生されるタンパク質の量を計測する他の方法は、35S−メチオニン、H−ロイシンまたは14C−ロイシンなどの放射性標識化アミノ酸を既知の量で用いて反応を行い、その後、新たに翻訳されたタンパク質に組み込まれた放射性標識化アミノ酸の量を計測するものである。組み込みアッセイは、切断型タンパク質産生物を含む、インビトロ翻訳反応において産生されたすべてのタンパク質中の放射性標識化アミノ酸の量を計測する。放射性標識化タンパク質はタンパク質ゲルにおいてさらに分離し得、オートラジオグラフィにより、生成物が適切なサイズであると共に、二次タンパク質産生物が産生されていないことを確認した。
修飾ヘミアステリン化合物の調製
本明細書において提供されている化合物は、当業者に明確である任意の方法により調製し、単離し、または入手することが可能である。本明細書において提供されている化合物は、本明細書において提供されている一般的調製スキームに従って調製可能である。一般的調製スキームにおいて示されていない反応条件、ステップおよび反応体は、本明細書において提供されている実施例を考慮して、当業者に明らかであると共に公知であろう。
一般的な調製スキーム

一般的調製スキームにおいて、R、SG、HP、RT、EG、W、W、W、W、W、LおよびArは、式C1および1000〜1000b、1001〜1001b、1002〜1002bおよびI〜XIXb−2に関連して記載されている。
実施例
本明細書において用いられるところ、これらのプロセス、スキームおよび実施例において用いた符号および慣習は、特定の略記が特定的に定義されているか否かにかかわらず、例えば、the Journal of Biological Chemistryおよび/またはthe Journal of the American Chemical Societyといった最新の科学文献において用いられているものと一致している。
以下の実施例のすべてについて、当業者に公知である標準的な後処理および精製方法を利用することが可能である。他に定めがない限り、すべての温度は(摂氏度)で表記されている。他に定めがない限り、すべての方法は室温で(「rt」または「r.t.」)で実施されている。
実施例1a
化合物1(2種のジアステレオマー)の合成

化合物B2の調製
ジクロロメタン(100mL)および2N HCl(78mL、156mmol)の混合溶剤に−5℃において冷たい漂白剤(6%NaOClを含有、108mL、87mmol)を複数回に分けて添加した。混合物を0℃(内部温度)で5分間撹拌した。次いで、2−メルカプトベンゾチオアゾールナトリウム(B、5g、26mmol)を混合物に複数回に分けて添加した。混合物を−5〜−10℃で20分間撹拌した。有機層(B1、主にBtsCl)を回収し、ジクロロメタン中のL−バリノール(3.2g、31.2mmol)およびトリエチルアミン(8.7mL、121mmol)とr.t.で混合した。混合物をr.t.で1時間攪拌した。溶剤を除去し、生成物をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製して、生成物B2(3.1g、40%、2ステップ)を白色の固体として得た。
LC−MS(ESI):301(M+1)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.08(dd,J=2.1および7.2Hz,1H),7.96(dd,J=1.8および6.9Hz,1H),7.58(m,2H),5.46(br s,1H),3.67(d,J=4.5Hz,2H),3.54(br s,1H),3.23(brs,1H),1.93(m,1H),0.97(d,J=6.9Hz,6H)。
化合物B3の調製
B2(3g、10mmol、1.0当量)のジメチルホルムアミド(50mL)中の溶液に炭酸カリウム(2.77g、20mmol、2.0当量)およびヨードメタン(1.25mL、20mmol、2.0当量)をrtで添加した。混合物を35℃に4時間加熱した。溶剤を除去し、残渣を酢酸エチルおよび水(3×)でワークアップし、NaSOで乾燥させ、濃縮して、生成物B3(3.14g、100%)を白色の固体として得た。
LC−MS(ESI):315(M+1)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.09(dd,J=1.6および7.5Hz,1H),7.95(dd,J=1.8および6.9Hz,1H),7.58(m,2H),4.25(br s,1H),2.90(s,3H),1.93(m,1H),1.02(dd,J=2.1および6.6Hz,6H)。
化合物B4の調製
ジクロロメタン(50mL)およびDMSO(1.56mL、22mmol、2.2当量)の混合溶剤に−78℃において塩化オキサリル(1.05mL、12mmol、1.2当量)を窒素雰囲気下でゆっくりと添加し、この温度で30分間撹拌した。次いで、20mLのジクロロメタン中のB3(3.14g、10mmol、1.0当量)を、この反応混合物に、−78℃、窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を−78℃で2時間攪拌した。次いで、トリエチルアミン(7mL、50mmol、5当量)を反応に添加し、−78℃で30分間撹拌し、さらに30分間かけて0℃まで温め続けた。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、DCM(3×)で抽出した。有機層を半飽和塩化アンモニウム(2×)溶液、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。低温(30℃未満)で濃縮して、生成物B4(3.0g、96%)を白色の固体として得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ9.69(s,1H),8.17(dd,J=1.5および8.1Hz,1H),7.95(dd,J=2.1および6.9Hz,1H),7.58(m,2H),4.30(d,J=10.2Hz,1H),3.01(s,3H),2.21(m,1H),1.15(d,J=6.6Hz,3H),0.98(d,J=6.6Hz,3H)。
化合物B5の調製
生成物B4(3g、9.58mmol、1.0当量)および[(1−エトキシカルボニル)エチリデン]PhP(6.95g、19.2mmol、2当量)を無水テトラヒドロフラン(60mL)中に溶解し、3時間加熱還流した。反応をr.t.に冷却し、氷水に注ぎ入れた。生成物を酢酸エチル(3×)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮して粗生成物を得た。シリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)によりさらに精製して生成物B5(2.9g、82%)を得た。
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.09(dd,J=1.2および7.2Hz,1H),7.93(dd,J=1.8および8.1Hz,1H),7.53(m,2H),6.39(dd,J=1.6および10.5Hz,1H),4.41(t,J=10.5Hz,1H),3.87(q,J=7.2Hz,2H),3.08(s,3H),1.85(s,3H),1.02〜1.08(m,6H),0.83(d,J=6.9Hz,3H)。
化合物B6の調製
生成物B5(2.9g、7.31mmol、1.0当量)のジメチルホルムアミド(30mL)中の溶液に炭酸カリウム(4.04g、29.2mmol、4.0当量)およびチオフェノール(2.25mL、21.9mmol、3.0当量)を添加した。反応をr.t.で1時間撹拌した。次いで、ジエチルエーテルおよび水(3×)でワークアップした。エーテル層を1% HClで抽出し、水性層をエーテルで洗浄した。水性層を重炭酸ナトリウムでpH8に中和し、ジクロロメタン(3×)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、純粋な生成物B6(1.2g、84%)を黄色の油として得た。
LC−MS(ESI):200(M+1)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ6.48(dd,J=1.2および10.2Hz,1H),4.18(q,J=7.2Hz,1H),3.06(q,J=6.3Hz,2H),2.30(s,3H),1.86(d,J=1.8Hz,2H),1.72(m,1H),1.28(t,J=7.2Hz,3H),0.93(d,J=6.9Hz,3H),0.87(d,J=6.9Hz,3H)。
化合物Bts−Leu−ClおよびB7の調製
この合成は、Vedej s and Kongkittingam, “A Total Synthesis of (-)-Hemiasterlin Using N-Bts Methodology,” J Org. Chem. 2001, 66(22), 7355-7364において十分に記載されている。概要が以下に記載されている。
Bts−Leu(2.4g、7.3mmol、1.0当量)の無水ジクロロメタン(30mL)中の溶液に0℃において塩化チオニル(1.6mL、21.9mmol、3.0当量)を窒素雰囲気下で添加した。反応混合物を42℃で2時間還流した。濃縮し、トルエンと共に共蒸発させて、Bt−Leu−Clを粗固体として得、次のステップ反応においてさらに精製することなく用いた。
生成物B6(1.2g、6.02mmol)の、ジクロロメタンおよび水(1:1、40mL)の混合溶剤中の溶液に0℃において炭酸ナトリウム(1.28g、12.04mmol、2.0当量)および重炭酸ナトリウム(1.32g、15.7mmol。3.2当量)の溶液を窒素雰囲気下で添加した。新しく形成したジクロロメタン(10mL)中のBts−Leu−Cl(上記のとおり)をこの反応にシリンジで添加した。混合物を0〜5℃で1時間撹拌した。生成物B7をジクロロメタンおよび水(3×)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物B7を得、これをシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)により精製して、生成物B7(1.8g、59%)を白色の固体として得た。LC−MS(ESI):510(M+1)。
H NMR(300MHz,CDCl)δ8.11(dd,J=1.5Hz,8.7Hz,1H),7.93(dd,J=1.2Hz,8.7Hz,1H),7.58(m,2H),6.52(dd,J=1.2Hz,9.9Hz,1H),6.10(d,J=8.7Hz,1H),4.85(t,J=10.2Hz,1H),4.47(d,J=8.7Hz,1H),4.16(m,2H),2.94(s,3H),1.82(d,J=1.2Hz,2H),1.27(m,3H),0.98(s,6H),0.63(d,J=6.6Hz,3H),−0.12(d,J=6.6Hz,3H)。
化合物B8の調製
B7(200mg、0.392mmol、1.0当量)のDMF(2mL)中の溶液に炭酸カリウム(217mg、1.57mmol、4.0当量)およびチオフェノール(121μL、1.18mmol、3.0当量)を窒素雰囲気下においてr.t.で添加した。反応混合物をrt.で4時間撹拌したところ、LC−MSは反応の完了を示した。反応を水およびエーテルおよび10%塩酸(文献に記載のとおり)でワークアップし、純粋なB8(100mg、82%)を得た。LC−MS(ESI):313(M+1).H NMR(300MHz,CDCl)δ7.99(s,1H),6.63(dd,J=1.2Hz,9.9Hz,1H),5.15(t,J=9.9Hz,1H),4.19(m,2H),3.45(s,1H),2.86〜2.94(m,6H),1.89(m,3H),1.70(s,bro,2H),1.28(t,J=5.7Hz,3H),−0.86〜1.01(m,12H)。

化合物A1の調製
3−ブロモベンズアルデヒド(25.0g、135mmol、1.0当量)、N−アセチルグリシン(15.8g、135mmol、1.0当量)および酢酸ナトリウム(10.6g、135mmol、1.0当量)の混合物を無水酢酸(40mL)中に懸濁させ、攪拌しながらN雰囲気下で5時間還流に加熱した。得られた溶液は室温に冷却したところ固化し、氷冷した水で失活させ、ろ過した。固形分を水でさらに2回洗浄し、4時間空気乾燥し、次いで減圧中でさらに乾燥させて化合物A1(31g、86%)を得た。
化合物A2の調製
1.0N NaOH(175mL、175mmol、1.5当量)中のオキサゾロンA1(31g、117mmol、1.0当量)を、透光性の赤みがかった溶液が得られるまで85℃で撹拌した。反応を室温まで冷却し、5N HClでpH1.0に酸性化したところ、茶色の固体が沈殿した。濃縮HCl(30mL)をフラスコに添加し、反応溶液を約500mLに希釈した。還流をさらに5時間維持した。固形分をろ過により回収し、水で2回洗浄し、高減圧下で乾燥させて粗材料A2(23g、81%)を得、これをさらに精製せずに用いた。
化合物A3の調製
ピルビン酸A2(23g、94.7mmol、1.0当量)をTHF(100mL)に溶解し、0℃に冷却した。ヨウ化メチル(36g、256mmol、2.7当量)、続いて、5N NaOH(80mL)をゆっくりと添加し、反応を一晩還流させた。揮発物を揮散させ、残存する水溶液を酢酸エチルで抽出し、0℃でpH1に10% HClで酸性化した。得られた水性層を酢酸エチル(2×)で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン1:1)により精製して、純粋な化合物A3(11g、43%)を得た。
化合物A4の調製
メチルアミン(14.4mL、28.8mmol、2.0当量)の2N溶液を、ケト酸A3(11g、40.6mmol、1.0当量)のTHF(100mL)中の溶液に室温で添加し、4時間撹拌した。ピリジン−ボラン錯体(5mL、40.6mmol、1.0当量)の8N溶液を添加し、混合物を55℃に3時間加熱した。反応をメタノールで失活させ、濃縮し、THF(50mL)で希釈して、白色の沈殿物を形成した。白色の固体沈殿物をろ過し、減圧下に乾燥させて化合物A4(5g、61%)を得た。
化合物A5の調製
化合物A4(1.0g、3.5mmol、1.0当量)および(Boc)O(1.15g、5.24mmol、1.5当量)のTHFおよび水(1:1、20mL)中の溶液に水酸化ナトリウム(280mg、6.99mmol、2.0当量)を添加した。混合物を60℃で5時間加熱した。反応混合物を冷却し、濃縮した。残存水溶液を0℃でpH1に10% HClで酸性化し、酢酸エチル(3×)で抽出した。組み合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、フラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して化合物A5(420mg、31%)を得た。
化合物A6の調製
シールした試験管中のトルエン(15mL)中の化合物A5(1.58g、4.07mmol、1当量)に水酸化アンモニウム(2.7mL、40.7mmol、10当量)および銅粉末(39mg、0.61mmol、0.15当量)を添加した。試験管を100℃に一晩加熱し、濃縮して残渣を得、これを水性NaHCOおよびn−ブタノールで希釈した。水性層をn−ブタノールで抽出した。有機層を濃縮し、シリカゲルカラム(DCM:MeOH:Et3N=9:1:1)により精製して化合物A6(680mg、52%)を得た。
化合物A7の調製
化合物A6(1.42g、3.36mmol、1当量)のTHF(10mL)中の溶液にAlloc−OSu(1.34g、6.72mmol、2当量)およびトリエチルアミン(1.4mL、10.1mmol、3当量)を添加した。混合物をrtで一晩撹拌した。溶剤を除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=9:1)により精製して化合物A7(1.01g、74%)を得た。

化合物A8の調製
化合物A7(41mg、0.1mmol、1当量)の乾燥DCM(1.5mL)中の溶液にB8(31mg、0.1mmol、1当量)およびPyBOP(57.2mg、0.11mmol、1.1当量)を添加した。混合物を0℃に冷却し、DIEA(49μL、0.3mmol、3当量)を添加した。反応をrtで一晩撹拌し、DCMで希釈し、水で洗浄した。水性層をDCM(2×)でさらに抽出した。有機層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥するまで濃縮して粗生成物を得た。これを、分取−HPLCにより精製して、A8(10mg、14%)を2種のジアステレオ異性体(60:40)の混合物として得た。

化合物A9の調製
化合物A8(150mg、0.21mmol、1.0当量)およびPd(PPh(12.4mg、0.011mmol、0.05当量)のTHF(10mL)中の溶液にトリ−n−ブチル−錫水素化物(113μL、0.43mmol、2.0当量)を添加した。混合物を脱気し、窒素(3×)で充填し戻した。反応をrtで6時間撹拌した。溶剤を除去し、粗生成物をシリカゲルカラム(DCM:MeOH=9:1)により精製して、A9(78mg、60%)を2種の異性体の混合物として得た。

化合物A9(28mg、0.046mmol、1当量)のMeOH(1mL)中の溶液に水(0.5mL)中のLiOH(10mg、0.23mmol、5当量)を添加した。混合物をrtで一晩撹拌した。生成物を分取−HPLCにより精製して、A12(23mg、85%)を得た。
A12(11mg、0.0187mmol、1当量)のDCM(1mL)中の溶液にDCM(1mL)中の10%TFAを添加した。混合物をrtで4時間撹拌した。溶剤を除去し、粗生成物1を分取RP−HPLCにより2回精製して、2種の異性体1a(0.8mg)および1b(1mg)を得た。
実施例1b
化合物101(2種のジアステレオマー)の合成

アリールアミン化合物1から合成したリンカーで、新規アニリン親化合物をジアステレオ異性対として遊離させる可切断化合物101を得た。

化合物A10の調製
A9(27mg、0.04mmol)の1mL CHCl中のアルゴン−フラッシュ溶液にトルエン(0.6mL、0.06mmol)中の15%w/vホスゲンを添加した。反応混合物を50℃にシールした試験管中で4時間加熱し、周囲温度に冷却し、減圧中で揮発物を除去した。残渣に、Fmoc−バリン−シツルリン−p−アミノベンジルアルコール(26mg、0.04mmol)の1mLのDMF中の減圧乾燥した溶液を添加した。反応混合物を45℃でアルゴン雰囲気下において6時間、次いで周囲温度で24時間撹拌した。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣をシリカゲル(90:10 CHCl:MeOH溶離液)で精製して、10mg(0.008mmol)A10を白色の固体として得た。
化合物A11の調製
A10のCHCl(1mL)中の溶液にピペリジン(0.1mL)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣にDBCO−スクシニルN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(3.6mg、0.009mmol)、DMF(1mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.004mL、0.02mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌した。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣をシリカゲル(90:10 CHCl:MeOH溶離液)で精製して7mg(0.005mmol)のA11を得た。
化合物101の調製
化合物A11(7mg、0.005mmol)を3:1:1 THF:MeOH:HO(1mL)中に溶解し、溶液を0℃に冷却した。固体LiOH?HO(1.7mg、0.4mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。数マイクロリットルの氷酢酸を添加し、減圧中で揮発物を除去し、遊離酸101を、ultro 120(7μm)、150×20mm IDカラム(水−アセトニトリル(10mmNHOAc)溶剤系、50分間で10%ACNから100%ACNの勾配モード、15ml/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製した。LC−MS(ESI):1282.6(M+1),1182.4(M−Boc+1)。
A11(5mg、0.004)のN−保護酸をCHCl(1mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却した。これに、HCOHのCHCl(0.039mL)中の0.2M溶液を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。揮発物を減圧中で除去した後、遊離アミノ酸を、ultro 120(7μm)、150×20mm IDカラム(水−アセトニトリル(10mm NHOAc)溶剤系、50分間で10%ACNから100%ACNの勾配モード、15ml/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製して、3mg(0.0025mmol、65%)の化合物101を白色の固体として得た。
実施例1c
化合物A9aのキラル合成

アリールアミン化合物1から合成したリンカーで、新規アニリン親化合物をジアステレオ異性対として遊離させる可切断化合物101を得た。

化合物D12の調製
3,3−ジメチルアクリル酸、(97%、15.8g、157.9mmol)、AlCl(22g、164.9mmol)およびDCM(100mL)をアルゴン雰囲気下で一首丸底フラスコに入れた。ブロモベンゼン(31g、197.4mmol)を添加したところ、激しく発泡した。発泡が完了したら、反応混合物を油浴中において65℃で1時間30分、およびrtでN雰囲気下において一晩撹拌した。反応を200mLのHCl:HO(1:1)にゆっくりと注ぎ入れ、EtOAc(300mL)を添加し、有機相を分離し、有機相を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。粗混合物のH NMRデータでm,p−位置異性体の混合物が示された。粗材料をヘキサンから結晶化して、純粋な3−(3−ブロモフェニル)−3−メチルブタン酸(メタ異性体)(14g、54.7mmol、42%)を茶色の結晶として得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.52〜7.50(m,1H),7.37〜7.35(m,1H),7.35〜7.30(m,1H),7.23〜7.20(m,1H),2.66(s,2H),1.47(s,6H)。
化合物D13の調製
3−(3−ブロモフェニル)−3−メチルブタン酸(化合物D12、7.7g、29.94mmol)を170mlのTHF中に溶解し、−20℃に冷却した。トリエチルアミン(8.3ml、59.89mmol)およびトリメチルアセチルクロリド(3.7ml、29.94mmol)を反応フラスコに添加したところ、白色の沈殿物が生成された。得られた混合物をN雰囲気下において−20℃で1時間撹拌し、その後、LiCl(1.27g、29.94mmol)および(4S)−(−)−4−イソプロピル−2オキサゾリジノン(3.87g、29.94mmol)を続けて添加し、得られた反応混合物を−20℃で2時間、およびrt、N雰囲気下において一晩撹拌した。水を添加し、反応混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。組み合わせた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン:EtOAc、4:1)により精製して、化合物D13を、清透で無色の油として、87%収率(9.5g、25.79mmol)で得た。
H NMR(400MHz,CDC1)δ7.52〜7.50(m,1H),7.36〜7.31(m,2H),7.21〜7.18(m,1H),4.25〜4.21(m,1H,H−4),4.17〜4.09(m,2H),3.42〜3.31(m,2H,H−10),2.22〜2.10(m,1H),1.50(s,3H),1.49(s,3H),0.86(d,3H,J=6.80Hz),0.77(d,3H,J=6.80Hz)。
化合物D14の調製
オキサゾリジノン化合物D13(8.4g、22.8mmol)をTHF(100ml)中にアルゴン雰囲気下で溶解し、−78℃に冷却した。ビス(トリメチルシリル)アミドカリウム(25.1ml、THF中に1M、25.1mmol)を添加し、得られた溶液を−78℃で1時間20分撹拌した。2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニルアジド(9.2g、29.64mmol)のTHF(40ml)中の溶液を−78℃でカニューレを介して添加し、5分後、反応混合物を氷酢酸(6.3ml、104.9mmol)で処理し、40℃に温め、rtでさらに10時間撹拌した。塩水(270ml)および水(35ml)を明るい黄色の混合物に添加し、水性相を(2×500ml)ジエチルエーテルで抽出した。組み合わせた有機抽出物を炭酸水素ナトリウム飽和溶液(2×110ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(3:7 EtOAc−ヘキサン)により精製して、アジド化合物D14を無色の油(8.1g、19.84mmol)として87%の収率で得た。
H NMR(400MHz,CDC1)δ7.55〜7.52(m,1H),7.41〜7.39(m,1H),7.23〜7.20(m,2H),5.67(s,1H),4.21〜4.07(m,3H),3.61(t,1H,J=8.3Hz),2.37〜2.25(m,1H,H−6),1.56(s,3H),1.54(s,3H),0.89(d,3H,J=6.8Hz),0.85(d,3H,J=7.2Hz)。
化合物D15の調製
SnCl(5.5g、29.32mmol)を1,4−ジオキサン:HO(2:1)75mL中に溶解し、得られた無色の清透な溶液を0℃に冷却し、これに、20mLのジオキサン中に溶解した化合物D14(4g、9.77mmol)を添加し、反応混合物をrtで一晩撹拌した。反応を0℃に冷却し戻し、NaHCO(4.1g、48.86mmol)およびBocO(6.4g、29.31mmol)を順次添加し、反応をrt、N雰囲気下で1日撹拌した。溶剤を減圧下で除去し、EtOAc(2×300mL)で抽出し、有機層を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(3:7 EtOAc−ヘキサン)により精製して、化合物D15を無色の油(4.1g、8.48mmol)として87.2%の収率で得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ7.45(bs,1H),7.35〜7.31(m,1H),7.32〜729(m,1H),6.17(d,1H,J=9.6Hz),5.15(bs,1H,NH),3.89〜3.80(m,2H),3.52(t,1H,J=8.3Hz),2.33〜2.21(m,1H),1.41(s,3H),1.39(s,9H),1.38(s,3H),0.80(d,3H,J=7.2Hz),0.78(d,3H,J=6.8Hz)。
化合物D16の調製
オキサゾリジノン化合物D15(4.1g、8.48mmol)を4:1 THF:HO(50mL)の混合物に溶解した。溶液を0℃に冷却した。次いで、過酸化水素(2.7ml、30%水性、25.44mmol)および水酸化リチウム(610mg、25.44mmol)をオキサゾリジノン溶液に添加し、室温で一晩撹拌した。過剰量の過酸化物を、亜硫酸水素ナトリウムをゆっくりと添加することにより失活させ、攪拌を1時間継続した。混合物をEtOAc(50mL)およびHO(100mL)で希釈し、水性相を分離し、0℃で1.0M HClで酸性化し、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧中で濃縮して清透な無色の油(2.9g、7.83mmol、95%)を得たが、これは、さらに精製することなく次のステップで用いるために十分に純粋であった。H NMR(400MHz,CDC1)δ7.32〜7.31(m,1H),7.17〜7.10(m,2H),7.00〜6.97(m,1H),4.83(d,1H,J=8.8Hz),4.41(d,1H,J=8.8Hz),1.45(s,6H),1.38(s,9H)。
化合物A5aの調製
アルゴン雰囲気下で水素化ナトリウム(60%、830mg、22.64mmol)、触媒量のテトラブチルアンモニウムヨージド、続いてヨウ化メチル(2.0ml、32mmol)を、酸化合物D16(1.2g、3.23mmol)の50ml乾燥THF中の激しく撹拌した溶液に添加した。得られた懸濁液を室温で1日撹拌した。過剰量の水素化ナトリウムを、氷冷水を注意深く添加することにより失活させ、混合物を、1.0M HClを滴下することにより0℃でpH3に酸性化した。酸性混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。酸化合物A5aの精製をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1:2 EtOAc−ヘキサンと1%酢酸)により行って、77%の収率(0.74g、1.93mmol、60%)で清透な無色の油を回転異性体の混合物として得た。H NMR(400MHz,CDC1)δ7.50〜7.49(m,1H),7.37〜7.27(m,2H),7.13〜7.07(m,1H),5.15(s,0.65H,H−2),4.95(s,0.35H,H−2),2.51(s,1H,H−6),2.27(s,2H,H−6),1.57(s,3H),1.53〜1.38(m,12H)。
化合物A6aの調製
シールした試験管中のトルエン(10mL)中の化合物A5a(600mg、1.56mmol、1当量)に水酸化アンモニウム(3mL、15.6mmol、10当量)および銅粉末(20mg、0.23mmol、0.15当量)を添加した。試験管を100℃に一晩加熱し、rtに冷却し、シールした試験管の蓋を注意深く開け、濃縮して残渣を得、これを水性NaHCOおよびn−ブタノールで希釈した。水性層をn−ブタノールで抽出した。有機層を濃縮し、シリカゲルカラム(DCM:MeOH:EtN=9:1:1)により精製して化合物A6a(300mg、0.930mmol、60%)を得た。LC−MS(ESI):323.4(M+1),223.5(M−Boc+1)。
化合物A7Aの調製
化合物A6a(300mg、0.930mmol、1当量)のTHF(7mL)中の溶液にAlloc−OSu(199.1mg、1.86mmol、2当量)およびトリエチルアミン(0.51mL、3.72mmol、4当量)を添加した。混合物を一晩にわたり室温でN雰囲気下において撹拌した。溶剤を除去し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=9:1)により精製して化合物A7A(284mg、0.70mmol、75%)を得た。LC−MS(ESI):407.4(M+1),307.6(M−Boc+1)。
化合物A8Aの調製
化合物A7A(220mg、0.54mmol、1当量)の乾燥DCM(5mL)中の溶液にB8(202mg、0.65mmol、1.2当量)を添加した。混合物を0℃に冷却し、DIEA(49μL、0.3mmol、3当量)およびPyBop(338mg、0.65mmol、1.2当量)を順次に添加した。反応をrtで一晩にわたりN雰囲気下において撹拌し、DCMで希釈し、水で洗浄した。水性層をDCM(2×50mL)でさらに抽出した。有機層を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、乾燥するまで濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ヘキサン=1:1)により精製して化合物A8A(200mg、0.28mmol、53%)を得た。LC−MS(ESI):701.4(M+1),601.6(M−Boc+1)。
化合物A9aの調製
化合物A8A(170mg、0.24mmol、1.0当量)およびPd(PPh(28mg、0.024mmol、0.1当量)のDCM(10mL)中の溶液にトリ−n−ブチル−錫水素化物(78μL、0.29mmol、1.2当量)を添加した。反応混合物を脱気し、窒素で充填し戻した。反応をrtでN雰囲気下において3〜4時間撹拌した。溶剤を除去し、粗生成物をシリカゲルカラム(EtOAc:ヘキサン=1:1)により精製して、A9a(130mg、87%)を清透な油として得た。HNMR(400MHz,CDC1)δ7.11〜7.07(m,1H),6.97〜6.70(m,2H),6.61〜6.48(m,2H),6.03〜5.97(m,1H),5.12〜4.89(m,1H),4.63〜4.49(m,1H),4.21〜4.01(m,2H),2.93(s,3H),2.83(m,3H),1.83〜1.81(bs,4H),1.42(s,12H),1.27〜1.17(m,6H),0.87〜0.0.81(m,6H),0.78〜0.63(m,6H),0.63(s,6H).LC−MS(ESI):617.6(M+1)。
実施例1d
化合物101a(単一のジアステレオマー)のキラル合成

化合物101aを化合物A9aからスキーム8に従って生成する。

化合物A10aの調製
A9a(27mg、0.04mmol)の1mLのCHCl中のアルゴン−フラッシュ溶液にトルエン(0.6mL、0.06mmol)中の15%w/vホスゲンを添加する。反応混合物をシールした試験管中において50℃に4時間加熱し、周囲温度に冷却し、減圧中で揮発物を除去する。残渣に、Fmoc−バリン−シツルリン−p−アミノベンジルアルコール(26mg、0.04mmol)の1mLのDMF中の減圧乾燥した溶液を添加する。反応混合物を45℃でアルゴン雰囲気下において6時間、次いで周囲温度で24時間撹拌する。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣をシリカゲル(90:10 CHCl:MeOH溶離液)で精製してA10aを得る。
化合物A11aの調製
A10aのCHCl(1mL)中の溶液にピペリジン(0.1mL)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌する。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣にDBCO−スクシニルN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(3.6mg、0.009mmol)、DMF(1mL)およびジイソプロピルエチルアミン(0.004mL、0.02mmol)を添加する。反応混合物を周囲温度で24時間撹拌する。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣を、シリカゲル(90:10 CHCl:MeOH溶離液)で精製してA11aを得る。
化合物101aの調製
化合物A11a(7mg、0.005mmol)を3:1:1 THF:MeOH:HO(1mL)に溶解し、溶液を0℃に冷却する。固体LiOH・HO(1.7mg、0.4mmol)を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌する。数マイクロリットルの氷酢酸を添加し、減圧中で揮発物を除去し、遊離酸101aを、ultro 120(7μm)、150×20mm IDカラム(水−アセトニトリル(10mm NHOAc)溶剤系、50分間で10%ACNから100%ACNの勾配モード、15ml/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製する。
A11a(5mg、0.004)のN−保護酸をCHCl(1mL)中に溶解し、溶液を0℃に冷却する。これに、HCOHのCHCl(0.039mL)中の0.2M溶液を添加し、反応混合物を周囲温度で一晩撹拌する。揮発物を減圧中で除去した後、遊離アミノ酸を、ultro 120(7μm)、150×20mm IDカラム(水−アセトニトリル(10mm NHOAc)溶剤系、50分間で10%ACNから100%ACNの勾配モード、15ml/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)により精製して化合物101aを得る。
実施例1e
化合物(110a)の合成

化合物(110a)をスキーム9に従って調製する。

化合物A14の調製:化合物A14を化合物A13から(化合物A8aに記載のものと同様の手法を用いて)化合物A9aに記載の方法により調製した。収率:白色のフォームとして379mg(45%)。MS(ESI)m/z 603(M+H)H NMR(400MHz,CDCl)δ:6.96〜7.12(m,1H),6.91(br d,J=7.5Hz,1H),6.83(br s,1H),6.66〜6.80(m,1H),6.51〜6.65(m,1H),6.41〜6.50(m,1H),5.95(br d,J=8.8Hz,1H),5.33(s,1H),4.94〜5.11(m,1H),4.92(br s,1H),4.58(br d,J=9.5Hz,1H),4.48(br d,J=8.5Hz,1H),3.72(br s,1H),3.67(br s,3H),2.73〜2.96(m,7H),1.75〜1.98(m,5H),1.72(br s,1H),1.49(br s,2H),1.18〜1.45(m,15H),0.60〜0.86(m,17H);13C NMR(400MHz,CDCl)δ:171.2,169.9,168.2,168.1,157.1,148.8,146.9,139.2,139.0,132.5,132.2,129.7,116.6,113.4,79.8,65.4,55.9,55.2,52.0,42.5,42.5,34.7,34.3,33.9,31.0,31.0,30.2,30.1,28.3,28.3,26.5,26.3,26.2,19.5,19.4,18.8,18.5,13.9,13.8。
化合物A15の調製:アルゴンでフラッシュしたA14(63mg、0.1mmol)のCHCl(0.8mL)中の氷冷した溶液にトリフルオロ酢酸(0.2mL、2.6mmol)を添加した。氷浴を外し、反応を周囲温度で1時間撹拌した。揮発物を減圧中で除去して、A15を薄い黄色のガラスとして得、これをその後の反応に直接用いた。MS(ESI)m/z 503(M+H)H NMR(400MHz,CDCl)δ10.36(br,3H),7.19〜8.14(m,4H),6.57(br d,J=7.5Hz,1H),5.02〜4.45(m,3H),3.68(s,3H),2.97(s,3H),2.38〜2.48(m,3H),1.74〜1.80s(m,3H),1.18〜1.38(m,6H),0.80〜0.95(m,17H);13C NMR(400MHz,CDCl)δ:170.9,168.2,161.5,145.3,139.2,138.0,131.5,126.8,122.3,117.2,86.9,52.1,40.9,40.5,35.3,34.4,33.6,31.4,29.7,28.2,28.3,27.5,26.5,26.4,26.3,26.2,19.1,187,18.4,13.8。
化合物A16の調製:化合物A16を化合物A10に記載の一般的な方法により化合物A15から調製した。収率:白色のフォームとして52mg(50%)。MS(ESI)m/z 1044(M+H)H NMR(400MHz,CDCl)d 9.10(br,1H),7.84(brd,J=7.8Hz,1H),7.62(d,J=7.6Hz,2H),7.42〜7.31(m,7H),7.11〜7.23(m,7H),6.94〜6.98(m,1H),6.56(d,J=8.0Hz,1H),5.94〜5.96(m,1H),4.85〜5.1(m,3H),4.61〜4.80(m,2H),4.15(t,J=7.3Hz,1H),4.25(t,J=7.0Hz,1H),4.15(t,J=7.1Hz,1H),4.05(t,J=7.0Hz,1H),3.67(s,3H),3.60(d J=3,6Hz,1H),2.89〜3.05(m,5H),1.80=2.09(m,10H),1.28〜1.36(m,10H),0.66〜0.99(m,17H);13C NMR(400MHz,CDCl)δ:172.4,172.0,171.5,170.9,168.2,156.7,153.9,147.9,143.7,143.6,141.3,138.9,132.3,129.2,127.7,127.0,125.0,120.67.1,66.0,54.7,52.0,49.6,47.1,41.2,35.6,35.1,31.1,31.0,29.8,29.2,26.7,21.7,19.5,19.3,19.2,19.0,18.9,18.1,18.0,13.8。
化合物A17の調製:A16(52mg、0.05mmol)のDMF(0.4mL)中のアルゴン−フラッシュ溶液にN,N−ジエチルアミン(0.2mL、5mmol)を添加し、反応を周囲温度で2時間撹拌した。揮発物を減圧中で除去し、残渣を、2〜100%のクロロホルム中のメタノールの勾配を用いてシリカゲル(biotage isolera)で精製して、23mgの遊離アミンを白色の固体として得た。これを、20分間で10から90%のA中のB(A=水中の10mM NHOAc;B=CHCN中の10mM NHOAc)の線形勾配を用いるRP−HPLC( × mm C18 5□□□でさらに精製し、254および280nMで検出してA17を得た:収率9.5mg、24%)。MS(ESI)m/z 822(M+H)H NMR(400MHz,CDCl)δ9.11(s,1H),7.73(br,1H),7.81(d,J=9.5Hz,1H),7.48(d,J=9.0Hz,2H),7.01〜7.3(m,4H),6.57(dd,J=1.4,9.5Hz,1H),5.07(s,2H),5.04(d,J=1.1Hz,1H),4.72(d,J=9.8Hz,1H),4.6(t,J=7.0Hz,1H),3.6(s,3H),3.63(s,1H),3.24(br,1H),3.05(s,1H),3.01,(d J=6.3Hz,1H),2.95(s,3H),2.08(br,2H),2.01(s,3H),1.98(s,3H),1.80〜1.84(m,1H),1.40(d,J=6.2Hz,4H),1.31(s,6H),0.92〜0.93(m,13H),0.79(d,J=6.6Hz,8H),0.71(d,J=6.6Hz,4H)。
(110a)の調製:アルゴン雰囲気下で化合物A17(9.8mg、0.012mmol)をDMF(0.150mL)中のジベンゾシクロオクチニルアジポイルN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(broadpharm 22447、7.7mg、0.018mmol)と共に撹拌した。これにN,N−ジイソプロピルエチルアミン(.006mL、0.036mmol)を添加し、反応を周囲温度で3時間撹拌した。揮発物を減圧中で除去し、残渣を、2〜10%のクロロホルム中のメタノールの勾配を用いてシリカゲルで部分的に精製した。生成物を含有する画分を減圧中で濃縮して、残渣MS m/z 1137.4とした。この残渣(10.6mg、0.009mmol)をアルゴン雰囲気下で3:1:1 THF:メタノール:水(0.5mL)中に溶解し、氷浴中で冷却し、LiOH.HO(2.6mg、0.063mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度で一晩平衡化させた。揮発物を減圧中で除去し、残渣を上記のとおりRP−HPLCにより精製して、凍結乾燥後に(110a)(2.1mg、0.002mmol)を綿状の白色の固体として得た。MS(ESI)m/z 1123(M+H)H NMR(400MHz,DMSO−d)δ:10.02(br d,J=3.8Hz,1H),9.67(br s,1H),8.25(br d,J=6.8Hz,1H),7.88(br d,J=8.8Hz,1H),7.79(br d,J=8.3Hz,1H),7.54〜7.70(m,4H),7.29〜7.54(m,9H),7.06〜7.27(m,3H),6.40〜6.50(m,1H),5.10(s,2H),5.05(br d,J=14.1Hz,1H),4.91(br t,J=10.2Hz,1H),4.77(br d,J=9.5Hz,1H),4.25〜4.49(m,2H),4.06〜4.24(m,2H),3.60〜2.99(m,幅広の水エンベロープ),2.99(m,3H),2.69〜2.82(m,3H),2.56〜2.49(m,DMSOエンベロープ),2.42(br s,1H),2.12〜2.29(m,3H),1.90〜2.11(m,6H),1.73〜1.90(m,6H),1.15〜0.76(m,18H),0.72(br d,J=6.3Hz,6H)。
実施例1f
化合物(111a)の合成

化合物(111a)をスキーム10に従って調製した。

化合物A19の調製:エチル(S,E)−4−((R)−2−((S)−3−(3−アミノフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)−N,3,3−トリメチルブタンアミド)−2,5−ジメチルヘキサ−2−エノエート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した50mLの一首丸底フラスコに化合物A18(200mg、0.32mmol、1.0当量)乾燥CHCl(3mL)を仕込み、清透な溶液を氷浴で0℃に冷却し、これに1mLのトリフルオロ酢酸を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。その後、LC−MSは反応の完了を示した。溶剤を減圧下で除去し、粗材料を16時間凍結乾燥して、化合物A19(167mg、100%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS(ESI):517.5(M+1)。
化合物A20の調製:エチル(S,E)−4−((S)−2−((R)−3−(3−((S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)プロパンアミド)フェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)−N,3,3−トリメチルブタンアミド)−2,5−ジメチルヘキサ−2−エノエート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した50mLの一首丸底フラスコに化合物A19(70mg、0.135mmol、1当量)、Fmoc−バリン−アラニン−OH(67mg、0.162mmol、1.2当量)および1mLの無水N,N−ジメチルホルムアミドを仕込む。得られた清透な溶液を氷浴で0℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(72μL、0.405mmol、3当量)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサフルオロリン酸(HATU)(62mg、0.162mmol、1.2当量)を反応に順次添加した。反応混合物を室温で一晩にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示した。反応を飽和NHCl(10mL)の添加により失活させ、次いでCHCl(2×100mL)で抽出した。有機層を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧下で乾燥するまで濃縮した。粗生成物を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配モード、10mL/min)を用いる分取逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物A20(86mg、0.095mmol、70%)を白色の固体として得た。LC−MS(ESI):909.5(M+1)。
化合物A21の調製:
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した25mLの一首丸底フラスコに化合物A20(80mg、0.088mmol)、乾燥CHCl(2mL)を仕込み、この清透な溶液にピペリジン(0.5mL)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示し、すべての揮発物を減圧下で除去した。粗遊離アミンを、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配モード、10mL/min)を用いる分取逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、遊離アミンA20a(51mg、0.074mmol、85%)を白色の固体として得た。LC−MS(ESI):688(M+1)。
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した25mLの一首丸底フラスコに遊離アミンA20a(51mg、0.074mmol)を仕込んだ。DBCOアジピニルN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(41mg、0.096mmol)、無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(40μL、0.22mmol)を順次添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、周囲温度で3時間にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示した。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%B溶剤から90%溶剤Bの勾配モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物A21a(52mg、0.052mmol、70%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):1003.8(M+1)。
化合物(111a)の調製:
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した25mLの一首丸底フラスコに化合物A21(50mg、0.05mmole、1当量)、THF:MeOH:HO(3:1:1)(1mL)を仕込む。清透な溶液を氷浴で0℃に冷却した。固体LiOH・HO(16mg、0.349mmol、7当量)を添加し、反応を室温でN雰囲気下において7時間撹拌し、その後、LC−MSは反応の完了を示し、揮発物を減圧中で除去し、粗材料を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配溶離モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物(111a)(34mg、0.034mmol、70%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):974.5(M+1).HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.78〜9.63(bd,1H),8.34〜8.10(m,1H),7.82〜7.68(2H),7.58〜7.35(m,8H),7.34〜7.18(m,4H),7.16〜7.08(m,4H),6.53〜6.52(m,1H)4.98〜4.93(m,1H),4.85(m,1H),4.71(brd,1H),4.36〜4.26(m,1.5H),4.09〜4.04(m,1H),3.67〜3.47(m,2H),3.12(brd,1H),2.91〜2.87(m,3H),2.13〜2.02(m,2H),1.96〜1.78(m,9H),1.74〜1.61(m,5H),1.31〜1.03(m,16H),0.90〜0.67(m,15H)。
実施例1g
化合物(109a)の合成

化合物(109a)をスキーム11aおよび11bに従って調製した。

A22の調製:A22を文献に記載の方法の簡単な適応により調製した。(例えば、Florent et al 1998, J Med Chem 41, 3572;およびJeffrey et al 2006, Biocong Chem 17, 831)を参照のこと。LC−MS:TR9.21 min.m/z763(M+H)+。

化合物A23の調製:(2S,3R,5S,6S)−2−(2−(3−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)プロパンアミド)−4−((((3−((R)−4−(((S)−1−(((S,E)−6−エトキシ−2,5−ジメチル−6−オキソヘキサ−4−エン−3−イル)(メチル)アミノ)−3,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イル)アミノ)−2−メチル−3−(メチルアミノ)−4−オキソブタン−2−イル)フェニル)カルバモイル)オキシ)メチル)−6−メチルフェノキシ)−6−(メトキシカルボニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−3,4,5−トリイルトリアセテート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した25mLの圧力容器に化合物A19(25mg、0.048mmol、1当量)および1mLの無水CHClを仕込み、これにトルエン(0.7mL)中の15%w/vホスゲンをrtで添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、これを、シールした容器中において17時間にわたりrtで撹拌し、次いで減圧下で濃縮して揮発物を除去し、高減圧下で少なくとも2時間乾燥させた。この残渣に化合物A22(44mg、0.058mmol、1.2当量)を添加した。この混合物を1mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した。反応混合物を45℃で2時間、次いで周囲温度で12時間撹拌した。すべての揮発物を減圧下で除去した後、残渣を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配溶離モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物A23(25mg、0.019mmol、70%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):1305.8(M+1)。
化合物(109a)の調製:
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した25mLの一首丸底フラスコに化合物A23(23mg、0.018mmol)、乾燥CHCl(0.5mL)を仕込み、この清透な溶液にピペリジン(0.2mL)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間にわたりN雰囲気下において撹拌し、すべての揮発物を減圧下で除去した。粗生成物をTHF:MeOH:HO(3:1:1)(1mL)に溶解した。清透な溶液を氷浴で0℃に冷却した。固体LiOH・HO(8mg、0.176mmol、10当量)を添加し、反応を室温でN雰囲気下において7時間撹拌し、その後、LC−MSは反応の完了を示し、揮発物を減圧中で除去し、粗材料を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配溶離モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物A23a(8mg、0.009mmol、50%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):915.7(M+H),897.7(M−HO+H)。
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した10mLの一首丸底フラスコに遊離アミンA23a(8mg、0.009mmol)を仕込んだ。DBCOアジピニルN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(5mg、0.011mmol)、無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.3mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(10μL、0.033mmol)を順次添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、周囲温度で3時間にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示した。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%B溶剤から90%溶剤Bの勾配モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物(109a)(5mg、0.004mmol、50%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):1230.8(M+H),1212.8(M−HO+H).HNMR(400MHz,DMSO−d6)δ9.61〜9.55(m,2H),7.85(bs,2H),7.80(bd,1H),7.61〜6.97(m,15H),6.64〜6.50(m,2H),6.02(bs,1H),5.48(bs,1H),5.17〜4.89(m,6H),4.85〜4.76(bt,1H),4.71〜4.62(m,1H),4.01(bs,1H),3.69〜3.66(m,3H),3.10(bs,2H),2.89(bs,3H),2.29〜2.26(m,19H),2.13〜2.00(m,H),1.96〜1.56(m,18H),1.80〜1.02(m,14H),0.89(bs,10H),0.70(d,3H),0.66(d,3H)。
実施例1h
化合物(111a)の合成
化合物(111a)をスキーム12および13に従って調製した。

化合物A8aの調製:エチル(6S,9S,12S,E)−6−(2−(3−(((アリルオキシ)カルボニル)アミノ)フェニル)プロパン−2−イル)−9−(t−ブチル)−12−イソプロピル−2,2,5,11,14−ペンタメチル−4,7,10−トリオキソ−3−オキサ−5,8,11−トリアザペンタデカ−13−エン−15−オエート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した100mLの一首丸底フラスコに乾燥CHCl(10mL)中の化合物A7a(1.1g、2.70mmole、1当量、内部で調製した)、乾燥CHCl(10mL)および化合物B8(1.00g、3.24mmole、1.2当量、内部で調製した)を仕込む。得られた清透な溶液を氷浴で0℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.5mL、8.1mmole、3当量)および(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸(PyBOP、1.7g、3.24mmol、1.2当量)を、冷却した溶液に順次添加した。反応混合物を室温で一晩にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示した。反応を、飽和NHCl(10mL)を滴下することにより失活させ、次いでCHCl(2×200mL)で抽出した。有機層を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、ろ過し、次いで減圧下で乾燥するまで濃縮した。粗生成物を、teledyne iscoシステムにおけるフラッシュシリカカラムクロマトグラフィー(40gシリカフラッシュカラム、勾配:ヘキサンから30%EtOAc/ヘキサン)により精製して、化合物A8a(1.2g、1.71mmol、63%)を無色の粘性の油として得、これを静置させたところ、ゆっくりと固化してオフホワイトの固体が得られた。LC−MS(ESI):701.5(M+1)。
化合物A9aの調製:エチル(6R,9S,12S,E)−6−(2−(3−アミノフェニル)プロパン−2−イル)−9−(t−ブチル)−12−イソプロピル−2,2,5,11,14−ペンタメチル−4,7,10−トリオキソ−3−オキサ−5,8,11−トリアザペンタデカ−13−エン−15−オエート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した100mLの一首丸底フラスコに化合物A8a(1.2g、1.71mmol、1.0当量、内部で調製した)、乾燥CHCl(10mL)を仕込む。この清透な溶液にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.98g、0.856mmole、0.5当量)およびトリ−n−ブチル−錫水素化物(0.55mL、2.05mmole、1.2当量)を、室温で、N雰囲気下において順次添加した。添加が完了したら、反応混合物をアルゴンでフラッシュし、次いで室温でN雰囲気下において撹拌した。LC−MS&TLC(1:1 EtOAc/ヘキサン)は、反応が4時間で完了したことを示した。溶剤を減圧下で除去し、得られた粗材料を、teledyne iscoシステムにおけるフラッシュカラムクロマトグラフィー(40gシリカフラッシュカラム、勾配:ヘキサンから50%EtOAc/ヘキサン)により精製して、化合物A9a(0.95g、1.54mmole、収率:90%)を泡沫状のオフホワイトの固体として得た。LC−MS(ESI):617.3(M+1)。

化合物A19の調製:エチル(S,E)−4−((R)−2−((S)−3−(3−アミノフェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)−N,3,3−トリメチルブタンアミド)−2,5−ジメチルヘキサ−2−エノエート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した50mLの一首丸底フラスコに乾燥CHCl(3mL)中の化合物A9a(200mg、0.32mmol、1.0当量)を仕込み、清透な溶液を氷浴で0℃に冷却し、これに1mLのトリフルオロ酢酸を添加した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。その後、LC−MSは反応の完了を示した。溶剤を減圧下で除去し、粗材料を16時間凍結乾燥して、化合物A19(167mg、100%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS(ESI):517.5(M+1)。
化合物A18の調製:エチル(S,E)−4−((S)−2−((R)−3−(3−((((4−((S)−2−((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−3−メチルブタンアミド)−5−ウレイドペンタンアミド)ベンジル)オキシ)カルボニル)アミノ)フェニル)−3−メチル−2−(メチルアミノ)ブタンアミド)−N,3,3−トリメチルブタンアミド)−2,5−ジメチルヘキサ−2−エノエート
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した50mLの圧力容器に化合物A19(167mg、0.323mmol、1当量)(**注記:化合物A19は、使用前に凍結乾燥機のポンプ下に15時間乾燥させた)および4mLの無水CHClを仕込み、これにトルエン(5mL)中の15%w/vホスゲンをrtで添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、これをシールした容器中において17時間にわたりrtで撹拌し、次いで減圧下で濃縮して揮発物を除去し、高減圧下で少なくとも2時間乾燥させた。この残渣にFmocバリン−シツルリン−p−アミノベンジルアルコール(253mg、0.42mmol、1.3当量)を添加した。この混合物を3mLの無水N,N−ジメチルホルムアミド中に溶解した。反応混合物を45℃で2時間、次いで周囲温度で12時間撹拌した。すべての揮発物を減圧下で除去した後、残渣を、teledyne iscoにおけるフラッシュカラムクロマトグラフィー(24gシリカフラッシュカラム、勾配:CHClから12%MeOH/CHCl)により精製して、化合物A18(247mg、0.215mmol、67%)をオフホワイトの固体として得た。LC−MS(ESI):1144.7(M+1)。
化合物A25の調製:
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した50mLの一首丸底フラスコに化合物A18(240mg、0.209mmol)、乾燥CHCl(5mL)を仕込み、この清透な溶液にピペリジン(1.5mL)を添加し、反応混合物を周囲温度で1時間にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示し、すべての揮発物を減圧下で除去した。粗遊離アミンを、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配モード、10mL/min)を用いる分取逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、遊離アミンA24(164mg、0.177mmol、85%)を白色の固体として得た。
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した50mLの一首丸底フラスコに遊離アミンA24(164mg、0.177mmol)を仕込んだ。DBCOスクシニルN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(126mg、0.313mmol)、無水N,N−ジメチルホルムアミド(3mL)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(110μL、0.627mmol)を順次添加した。反応混合物をアルゴンでフラッシュし、周囲温度で3時間にわたりN雰囲気下において撹拌した。LC−MSは反応の完了を示した。すべての揮発物を減圧中で除去した後、残渣を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%B溶剤から90%溶剤Bの勾配モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物A25(177mg、0.146mmol、70%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):1209.6(M+1)。
Teflonでコーティングされた磁気攪拌棒を備えるオーブン乾燥した25mLの一首丸底フラスコに化合物A25(177mg、0.146mmole、1当量)、THF:MeOH:HO(3:1:1)(5mL)を仕込む。清透な溶液を氷浴で0℃に冷却した。固体LiOH・HO(46mg、1.022mmol、7当量)を添加し、反応を室温でN雰囲気下において7時間撹拌し、その後、LC−MSは反応の完了を示し、揮発物を減圧中で除去し、粗材料を、ultro 120(7μm)C18Q、150×20mm IDカラム、以下を用いる溶剤系、溶剤A:10mm NHOAcを含有する水;溶剤B:10mm NHOAcを含有するアセトニトリル、20分間で10%溶剤Bから90%溶剤Bの勾配溶離モード、10mL/min)を用いる逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製し、純粋な画分を回収し、凍結乾燥して、化合物(101a)(138mg、0.117mmol、80%)を白色の粉末として得た。LC−MS(ESI):1181.5(M+1)。
実施例1i
当業者に公知である手法を用いて、xpress cf(商標)反応において抗体を発現させた(例えば、Cai et al. Biotechnol. 2015, 31(3), 823;およびZimmerman et al. Bioconjugate Chem. 2014, 25, 351を参照のこと)。この作業のための細胞フリー抽出物は、アンバー終止コドンを解読するために、大腸菌(E.coli)DsbCおよびFkpAならびにCUA抗コドンを含有する直交tRNAを過剰発現するよう操作したOmpT感受性RF1弱毒化大腸菌(E.coli)菌株から形成した。抽出物を75μMのヨードアセトアミドでRT(20℃)において45分間処理し、IgG重鎖および軽鎖DNA以外のすべての他のコンポーネントを含有するプレミックスに添加した。タンパク質合成反応中における最終濃度は以下のとおりであった:30%(v/v)細胞抽出物、2mMパラ−アジドメチルフェニルアラニン(pAMF)(RSPアミノ酸)、5μM改変pAMF−特定のアミノ−アシルtRNAシンセターゼ(FRSバリアント)、2mM GSSG、8mMグルタミン酸マグネシウム、10mMグルタミン酸アンモニウム、130mMグルタミン酸カリウム、35mMピルビン酸ナトリウム、1.2mM AMP、0.86mMのGMP、UMPおよびCMPの各々、2mMアミノ酸(0.5mMであるチロシンおよびフェニルアラニン以外)、4mMシュウ酸ナトリウム、1mMプレトシン、1.5mMスペルミジン、15mMリン酸カリウム、100nMのT7 RNAP、1μg/mLの抗CD74軽鎖DNA、および4μg/mLの抗CD74重鎖DNA。部位特異的突然変異誘発を用いて、アンバー終止コドン(TAG)をヌクレオチド配列に導入して、位置S7およびF404(それぞれ軽鎖および重鎖、カバット番号付け)でpAMF非天然型アミノ酸についてコードした。細胞を含まない反応をプラスミドDNAの添加により開始させ、30℃で16時間にわたり、10mLを含む100×10mmのペトリ皿中でインキュベートした。
細胞を含まない反応を10,000rpmで30分間の遠心分離により清澄化した。清澄化した上澄を、標準的な洗浄および低pH溶離でProtein A mabselect sure(ge healthcare)に適用した。凝集物などの不純物を50mMのリン酸ナトリウム、200mMのアルギニン、pH6.5で平衡化した分取SEC(sepax srt-10c)で除去した。サンプルの最終的な配合は、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(1×DPBS)中において行った。
pAMFを含有する精製したIgGを、歪みシクロオクチン試薬を伴う銅−フリークリックケミストリー(SpAAC、菌株−促進アルキンアジド付加環化)を用いて細胞毒性テスト化合物に共役させた。簡単に説明すると、テスト化合物をDMSOに5mMの最終濃度で溶解した。各化合物をPBS中の1mg/mLの精製したタンパク質に12〜1の薬物リンカー対抗体モル比で添加した。反応混合物をRT(20℃)で17時間インキュベートした。過剰量遊離型薬物を、PBS中において平衡化したzebaプレート(thermo scientific)により除去した。DAR分析をMALDI−TOF(Bruker autoflex Speed)により行った。共役したタンパク質を37℃で10分間にわたり10mMのTCEPにより水中で還元し、30%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸中において50μg/mLの最終濃度に希釈した。サンプルをS−DHB MALDIマトリックス(50%アセトニトリル中に50mg/mL、0.1%トリフルオロ酢酸)と1:1で組み合わせ、1μLをMALDI標的に適用し、減圧下で乾燥させた。各MALDIスペクトルを線形モードの最大レーザ出力で5000ショット分累積し、最終的なDAR分析を、共役種と非共役種とに係る相対的なピーク強度を比較することにより算出した。
実施例1j
化合物1のトラツズマブとの複合体を以下に記載のとおり調製した。
化合物101または101aをDMSO中に5mMの濃度に溶解した。溶液をPBS緩衝剤中の精製したC225 HC C末端抗体に、化合物:抗体の10:1モル比のために200μMの最終化合物濃度および3mg/mL(20μM)の最終抗体濃度で添加した。混合物を周囲温度(25℃)で16時間インキュベートした。過剰量の化合物を、1×PBS中で平衡化したzebaプレート(thermo scientific)を用いて除去した。
この手法を用いて、化合物101および101aをトラツズマブHCに対してF404で、かつトラツズマブLCに対してS7で共役させた。
共役のための反応性アジド基を含有するトラツズマブを形成するために、分子の重鎖および軽鎖をコードするDNAをpUG発現ベクターにクローン化した。TAGコドンをオーバーラップPCRによって示されている位置に挿入した。終止コドンTAAを用いて翻訳を終わらせた。
タンパク質を発現させるために、細胞を含まない抽出物を室温に解凍し、50μMのヨードアセトアミドと共に30分間インキュベートした。30℃で16時間以下にわたって実施した細胞を含まない反応は以下を含有していた:30%(v/v)ヨードアセトアミド−処理抽出物と8mMグルタミン酸マグネシウム、10mMグルタミン酸アンモニウム、130mMグルタミン酸カリウム、35mMピルビン酸ナトリウム、1.2mM AMP、0.86mMのGMP、UMPおよびCMPの各々、すべての18種のアミノ酸について2mMアミノ酸(ただし、0.5mMで添加したチロシンおよびフェニルアラニンは除く)、4mMシュウ酸ナトリウム、1mMプレトシン、1.5mMスペルミジン、15mMリン酸カリウム、100nMのT7 RNAP、2mM酸化(GSSG)グルタチオン、2mM pアジドメチルフェニルアニン(pAMF)、2.5μMアンバーサプレッサtRNAシンセターゼ。重鎖TAGバリアントプラスミドおよび野生型軽鎖プラスミドの濃度は、それぞれ7.5μg/mLおよび2.5μg/mLであった。
非天然型アミノ酸を含有する抗体をmabselectにより精製し、Capto adhereにより精製し、使用までBS緩衝剤中に保管した。
抗CD74細胞を含まない反応を10,000rpm、30分間の遠心分離により清澄化した。清澄化した上澄を標準的な洗浄および低pH溶離でProtein A mabselect sure(ge healthcare)に適用した。凝集物などの不純物を、50mMのリン酸ナトリウム、200mMのアルギニン、pH6.5で平衡化した分取SEC(sepax srt-10c)で除去した。サンプルの最終的な配合は、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(1×DPBS)中において行った。
実施例1k
非天然アミノ酸による抗CD74抗体の生成
以下の変更をした以外は既述のとおり、xpress cf(商標)反応において抗体を発現させた。この作業のための細胞フリー抽出物は、アンバー終止コドンを解読するために、大腸菌(E.coli)DsbCおよびFkpAならびにCUA抗コドンを含有する直交tRNAを過剰発現するよう操作したOmpT感受性RF1弱毒化大腸菌(E.coli)菌株から形成した。抽出物を75μMのヨードアセトアミドで、RT(20℃)で45分間処理し、IgG重鎖および軽鎖DNA以外のすべての他のコンポーネントを含有するプレミックスに添加した。タンパク質合成反応中における最終濃度は以下のとおりであった:30%(v/v)細胞抽出物、2mMパラ−アジドメチルフェニルアラニン(pAMF)(RSPアミノ酸)、5μM改変pAMF−特定のアミノ−アシルtRNAシンセターゼ(FRSバリアント)、2mM GSSG、8mMグルタミン酸マグネシウム、10mMグルタミン酸アンモニウム、130mMグルタミン酸カリウム、35mMピルビン酸ナトリウム、1.2mM AMP、0.86mMのGMP、UMPおよびCMPの各々、2mMアミノ酸(0.5mMであるチロシンおよびフェニルアラニン以外)、4mMシュウ酸ナトリウム、1mMプレトシン、1.5mMスペルミジン、15mMリン酸カリウム、100nMのT7 RNAP、1μg/mLの抗CD74軽鎖DNA、および4μg/mLの抗CD74重鎖DNA。部位特異的突然変異誘発を用いて、アンバー終止コドン(TAG)をヌクレオチド配列に導入して、位置S7およびF404(それぞれ軽鎖および重鎖、カバット番号付け)でpAMF非天然型アミノ酸についてコードした。細胞を含まない反応をプラスミドDNAの添加により開始させ、30℃で16時間にわたり、10mLを含む100×10mmのペトリ皿中でインキュベートした。
抗CD74細胞を含まない反応を10,000rpm、30分間の遠心分離で清澄化した。清澄化した上澄を標準的な洗浄および低pH溶離でProtein A mabselect sure(ge healthcare)に適用した。凝集物などの不純物を、50mMのリン酸ナトリウム、200mMのアルギニン、pH6.5で平衡化した分取SEC(sepax srt-10c)で除去した。サンプルの最終的な配合は、ダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(1×DPBS)中において行った。
EU番号スキームで重鎖残基404、241および222、ならびにカバットまたはコティア番号付けスキームで軽鎖残基7の位置に非天然型アミノ酸を有する抗体を調製した。1種の抗体は、位置404以上で残基(56)を含み、および4種の抗体は、位置404、241、222(重鎖)および7(軽鎖)の各々以上で残基(30)を含んでいた。各抗体は、図2Aに示されているとおり、少なくとも400mg/Lの合計収率で発現され、および無処置のIgGは図2Bに示されているとおり、sds-pageにより検出された。
抗体−PEG−メイタンシン複合体の生成
修飾アミノ酸残基30(すなわちパラ−アジド−メチル−L−フェニルアラニン、またはpAMF)を重鎖中のEU位置404に含有する精製した抗CD74 IgGを実施例2に従って得た。抗CD74 IgGを歪みシクロオクチン試薬を用いてヘミアステリンに共役させて、複合体Aを得た。
簡単に説明すると、以下:

に係るDBCO−val−cit−pAB−ヘミアステリンをDMSOに5mMの最終濃度で溶解した。化合物をPBS中の1mg/mLの精製したタンパク質に12〜1の薬物対抗体モル比で添加した。反応混合物をRT(20℃)で17時間インキュベートした。過剰量遊離型薬物を、PBS中において平衡化したzebaプレート(thermo scientific)により除去した。
DAR分析をMALDI−TOF(Bruker autoflex Speed)により行った。共役したタンパク質を37℃で10分間にわたり10mMのTCEPにより水中で還元し、30%アセトニトリル、0.1%トリフルオロ酢酸中において50μg/mLの最終濃度に希釈した。サンプルをS−DHB MALDIマトリックス(50%アセトニトリル中に50mg/mL、0.1%トリフルオロ酢酸)と1:1で組み合わせ、1μLをMALDI標的に適用し、減圧下で乾燥させた。各MALDIスペクトルを線形モードの最大レーザ出力で5000ショット分累積し、最終的なDAR分析を、重鎖および軽鎖の両方の共役および非共役質量に係る相対的なピーク高さを比較することにより算出した。
ピーク強度により、MALDI−TOFは1.88の薬物対抗体比(DAR)を示した。2種の位置異性体としての複合体A:

である。
実施例2a
腫瘍細胞株アッセイ
概要
化合物1の2種のジアステレオマー([S,S,S]および[R,S,S])を、Her2を発現する乳癌株細胞、CD74発現性および非発現性株細胞、ならびにCD30発現性および非発現性株細胞に対してアッセイした。Her2発現性株細胞は、それぞれ高、中および低Her2発現性であるSKBR3、MDA−MB−453およびMDA−MB−468を含んでいた。CD74発現性および非発現性株細胞は、それぞれCD74発現性および非発現性であるSU−DHL6およびOPM2を含んでいた。CD30発現性および非発現性株細胞は、それぞれCD30発現性および非発現性であるL540およびラージ細胞を含んでいた。
[S,S,S]化合物1は、[R,S,S]化合物1と比較した場合、これらの腫瘍株細胞のパネルに対して20倍強力である(平均IC50約1nM)ことが見出された。
方法
テスト化合物の細胞毒性効果を細胞増殖アッセイで評価した。付着癌株細胞(SKBR3、MDA−MB435、MDA−MB−468、HCT116、HT29、Skco1およびMDA−MB−453)をatccから入手し、10%加熱非働化したウシ胎児血清(hyclone; thermo scientific; waltham, ma)、2mMのglutamax(invitrogen; carlsbad, ca)および1×ペニシリン/ストレプトマイシン(cellgro-mediatech; manassas, va)を補った高グルコースDMEM/F12(50/50)培地(cellgro-mediatech; manassas, va)中において維持した。懸濁株細胞(SU−DHL−6およびOPM−2)をatccから入手し、20%加熱非働化したウシ胎児血清(hyclone; thermo scientific; waltham, ma)、2mMのglutamax(invitrogen; carlsbad, ca)および1×ペニシリン/ストレプトマイシン(cellgro-mediatech; manassas, va)を補った高グルコースRPMI培地(cellgro-mediatech; manassas, va)中において維持した。
付着細胞について、アッセイの前日に40μLの体積中の合計で1000個の細胞を96ウェルハーフエリア平底白色ポリスチレンプレートに播種した。懸濁細胞について、アッセイの当日に40μLの体積中の合計で20000個の細胞を96ウェルハーフエリア平底白色ポリスチレンプレートに播種した。
テスト化合物を培地中において2倍の濃度で配合し、multiscreen HTS 96-Well Filter Plates(millipore; billerica, ma)を通してろ過した。ろ過滅菌した化合物を培地中に段階希釈し、40μLの化合物を処理ウェルに添加した。付着細胞について、プレートをCOインキュベータ中において96時間にわたり37℃で培養した。懸濁細胞について、インキュベーション時間は72時間であった。細胞生存性の計測について、80μLのcell titer-glo(登録商標)試薬(promega corp.; madison, wi)を各ウェルに添加し、プレートを製品の説明書のとおり処理した。
相対発光をenvision(登録商標)プレートリーダ(perkin-elmer; waltham, ma)で計測した。相対発光読み取り値を、未処理の細胞を対照として用いて生存率に転換した。データを、graphpad Prism(graphpad v 5.00, Software San Diego, CA)を使用し、log(阻害因子)対応答、可変勾配、4パラメータ適合式を用いて非線形回帰分析で適合させた。データを化合物の投与量(nM)に対する相対的細胞生存性割合として表記した。Prismにより算出した細胞致死性IC50を用いて、各株細胞に対する各化合物の効力を評価した。
結果
テストした癌株細胞のすべてについて、[S,S,S]化合物1(細胞致死性IC50は0.74nM〜9.18nMの範囲であった)は、[R,S,S]化合物1(細胞致死性IC50は12.21nM〜91.53nMの範囲であった)と比較した場合に10〜20倍強力であることが見出された。
トラツズマブ複合体に対する結果を図1および表1に示す。ヘミアステリン誘導体[S,S,S]および[R,S,S]化合物1に対する結果を図2a〜cおよび表2に示す。
実施例2b
腫瘍細胞株アッセイ
標的陽性および標的陰性細胞に対するテスト化合物の細胞毒性効果を細胞増殖アッセイで計測した。腫瘍株細胞は、american type culture collection (atcc)から入手し、10%加熱非働化したウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび2mmol/LのL-glutamaxを補ったHam’s F-12:高グルコースDMEM(50:50)グルコース培地中において維持した。標的陽性および陰性細胞(ウェル当たり合計で625個の細胞)を25μLの体積で384ウェル平底白色ポリスチレンプレートに播種した。細胞をCOインキュベータ中において37℃で一晩付着させた。ADCバリアントをDMEM/F12培地中において2倍の濃度で配合し、multiscreen HTS 96-Well Filter Platesを通してろ過した。ろ過滅菌したADCを段階希釈(1:3)し、25μLの希釈サンプルを各処理ウェルに加えた。次いで、プレートをCOインキュベータ中において120時間にわたり37℃で培養した。細胞生存性の計測について、30μLのcell titer-glo(登録商標)試薬(promega corp)を各ウェルに添加し、プレートを製品の説明書のとおり処理した。相対発光をenvision(登録商標)プレートリーダ(perkin-elmer; waltham, ma)で計測した。相対発光読み取り値を、未処理の細胞を対照として用いて生存率に転換した。データを、graphpad Prism(graphpad v 5.00, Software; San Diego, CA)を使用し、log(阻害因子)対応答、可変勾配、4パラメータ適合式を用いて非線形回帰分析で適合させた。データをADCの投与量(nM)に対する相対的細胞生存性%として表記した。
結果
実施例2c
細胞結合および細胞致死性
複合体Aを、以下の方法により、CD74を発現する細胞を結合および死滅能を評価した。テストした株細胞は、B−リンパ腫、多発性骨髄腫および白血病細胞を含んでいた。対照は共役されていない抗CD74抗体を含んでいた。
細胞結合アッセイ
株細胞を、20%加熱非働化したウシ胎児血清(hyclone; thermo scientific; waltham, ma)、2mMのglutamax(invitrogen; carlsbad, ca)および1×ペニシリン/ストレプトマイシン(cellgro-mediatech; manassas, va)を補ったRPMI(高グルコース(cellgro-mediatech; manassas, va))中において維持した。細胞を収穫し、FACS緩衝剤(1%ウシ血清アルブミンを補ったDPBS緩衝剤)中に再懸濁させた。合計で200,000個の細胞/ウェルを、抗CD74リードSP7919(anti−CD74 lead SP7919)の段階希釈を伴いながら、共役させずに60分間にわたり氷上でインキュベートした。細胞を氷冷したFACS緩衝剤で2回洗浄し、氷上においてさらに60分間、5μg/mlのalexa 647で標識化したロバ抗ヒトIgG抗体(jackson immune-research)と共にインキュベートした。未染色の細胞と、二次抗体単独で染色された細胞とを対照として用いた。次いで、サンプルを、FACS緩衝剤を用いて2回洗浄し、bd facs cantoシステムを用いて分析した。平均蛍光強度をgraphpad Prismにおいて、一サイト特異的結合式により、非線形回帰分析を用いて適合させた。データを抗体濃度(nM)に対する相乗平均蛍光強度として表記した。
細胞致死性アッセイ
遊離型薬物リンカーおよび複合体の細胞毒性効果を細胞増殖アッセイで計測した。アッセイの当日に25μlの体積中の合計で12500個の細胞を384ウェル平底白色ポリスチレンプレートに播種した。遊離型薬物リンカーおよび複合体は、2×開始濃度(遊離型薬物リンカーについて1000nMおよびADCについて100nM)でRPMI培地において配合し、multiscreen HTS 96-Well Filter Plates(millipore)を通してろ過した。ろ過滅菌した共役リード抗体を無菌条件下で段階希釈(1:3)し、処理ウェルに加えた。プレートを、COインキュベータ中において72時間にわたり37℃で培養した。細胞生存性の計測について、30μlのcell titer-glo(登録商標)試薬(promega corp.)を各ウェルに添加し、プレートを製品の説明書のとおり処理した。相対発光をenvision(登録商標)プレートリーダ(perkin-elmer; waltham, ma)で計測した。相対発光読み取り値を、未処理の細胞を対照として用いて生存率に転換した。データを、graphpad Prismを使用し、log(阻害因子)対応答、可変勾配、4パラメータ適合式を用いて非線形回帰分析で適合させた。データを遊離型薬物リンカーまたは複合体の投与量(nM)に対する相対的細胞生存性%として表記した。
複合体Aを、CD74を発現する細胞を結合および死滅させる能力について評価した。テストした株細胞は、B−リンパ腫、多発性骨髄腫および白血病細胞を含んでいた。対照は共役されていない抗CD74抗体を含んでいた。結果が以下の表にまとめられている。
特許請求される主題を種々の実施形態の観点から説明したが、その趣旨から逸脱することなく、種々の変更形態、置換形態、省略形態および改変形態がなされ得ることを当業者は理解するであろう。従って、特許請求される主題の範囲は、その均等物を含む以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。

Claims (61)

  1. 式1000:

    (式中、
    Arは、二価の6員の置換もしくは無置換の単環式のアリール:二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式のヘテロアリール二価の9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリール:または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式ヘテロアリールであり
    Lは、不在または−CH−であり;
    Xは、

    であり;
    、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
    EGは、不在または分離基であり;
    各RTは、式1000の主鎖中における遊離トリガ基、またはEGに結合している遊離トリガ基であり、各RTは、任意選択であり;
    RTは、遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか、またはRTは、不在であり;
    HPは、単結合、不在または二価親水性基であり;
    HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

    (式中、RHPは、一価親水性基である)
    であり;
    SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
    Rは、水素、または末端共役基である)
    に係る化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体。
  2. 式I:

    (式中、EGは、分離基であり、または、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRは、組み合わされて−Hを形成する)
    に係る請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  3. 式1001または1002:

    (式中、
    RTは、遊離トリガ基または可切断リンカーであり;
    RTは、EGに結合した遊離トリガ基であり;およびRTは、任意選択であり;
    Rは、水素または末端共役基である)
    に係る請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  4. Rが、

    、−Nまたは−SHであり;
    式中、R201が低級アルキルである、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 201がメチル、エチルまたはプロピルである、請求項に記載の化合物。
  6. EGが、

    であり;
    式中、各REGが、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、−NO、−CN、フルオロ、ブロモ、クロロ、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノC(O)−からなる群から選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  7. RTが天然もしくは非天然型アミノ酸の残基または糖質の残基を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  8. RTが、

    である、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  9. RTが不在;

    ;バリン−アラニン;バリン−グルタミン酸;アラニン−フェニルアラニン;フェニルアラニン−リシン;フェニルアラニン−ホモリジン;グリシン−グリシン−グリシン;

    (式中、aaは、天然もしくは非天然型アミノ酸残基である)
    ;または

    (式中、

    環は、3〜6個の炭素原子を含む4〜7員複素環である)
    である、請求項1および〜8のいずれか一項に記載の化合物。
  10. SGがC〜C10アルキレン−C(O)−またはこれらの組み合わせを含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物。
  11. SGが、

    である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物。
  12. HPが、

    であり、式中、mが1〜12から選択される整数である、請求項1、2および4〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. HPが不在または

    であり、式中、RHPが、

    であり、式中、Rが−Hまたは−CHであり、およびmが1〜12から選択される整数であり、またはRHPが−C〜C−アルキレン−SO である、請求項1、3〜11のいずれか一項に記載の化合物。
  14. 、W、W、WおよびWが各々、独立して、単結合、不在であるか、または−C(O)−、−O−、−C(O)NH−、−C(O)NH−アルキル−、−OC(O)NH−、−SC(O)NH−、−NH−、−NH−アルキル−、−N(CH)CHCHN(CH)−、−S−、−S−S−、−OCHCHO−もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 、W、W、WおよびWが、独立して、不在または結合である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  16. Arが二価の6員の置換または無置換の単環式アリールまたは二価の6員の置換または無置換の単環式ヘテロアリールである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. Arが二価の9員の置換または無置換の縮合二環式ヘテロアリールである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  18. Arが以下:

    のいずれかである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  19. Lが不在である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の化合物。
  20. 、W、W、W、W、EG、RT、HP、SGおよびRが組み合わされて−Hを形成する、請求項1または2に記載の化合物。
  21. 以下の式:



    のいずれかに係る請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  22. 第2の化合物に結合した請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物の残基、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは互変異性体を含む複合体。
  23. 式(E1):

    (式中、
    COMPは、第2の化合物の残基であり;
    Arは、二価の6員の置換もしくは無置換の単環式アリール:二価の5員もしくは6員の置換もしくは無置換の単環式ヘテロアリール二価の9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式アリール:または二価の8員、9員もしくは10員の置換もしくは無置換の縮合二環式ヘテロアリールであり
    Lは、不在または−CH−であり;
    Xは、

    であり;
    、W、W、WおよびWは、各々独立して、単結合、不在または二価結合基であり;
    EGは、不在または分離基であり;
    各RTは式E1の主鎖中における遊離トリガ基、またはEGに結合している遊離トリガ基であり、RTは、任意選択であり;
    RTは、遊離トリガ基もしくは可切断リンカーであるか、またはRTは、不在であり;
    HPは、単結合、不在または二価親水性基であり;
    HPは、単結合、不在、二価親水性基、または

    (式中、RHPは、一価親水性基である)
    であり;
    SGは、単結合、不在または二価スペーサ基であり;および
    R’は、末端共役基の二価の残基である)
    に係る請求項22に記載の複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体。
  24. 式C1:

    (式中、EGは、分離基であり;かつ各RTは、遊離トリガ基であり、および1つのRTは、任意選択である)
    に係る請求項23に記載の複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物もしくは互変異性体。
  25. 式(F1)または(G1):

    (式中、
    RTは、遊離トリガ基または可切断リンカー基であり;および
    RTは、EGに結合した遊離トリガ基であり;RTは、任意選択である)
    に係る請求項23に記載の複合体、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、立体異性体もしくは互変異性体。
  26. EGが、

    であり;
    式中、各REGが、独立して、水素、アルキル、ビフェニル、−CF、−NO、−CN、フルオロ、ブロモ、クロロ、アルコキシル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル−C(O)O−、アルキルアミノ−C(O)−およびジアルキルアミノC(O)−からなる群から選択される、請求項23〜25のいずれか一項に記載の複合体。
  27. RTが天然もしくは非天然型アミノ酸の残基または糖質の残基を含む、請求項23〜26のいずれか一項に記載の複合体。
  28. RTが、

    である、請求項23〜27のいずれか一項に記載の複合体。
  29. RTが不在;

    ;バリン−アラニン;バリン−グルタミン酸;アラニン−フェニルアラニン;フェニルアラニン−リシン;フェニルアラニン−ホモリジン;グリシン−グリシン−グリシン;

    (式中、aaは、天然もしくは非天然型アミノ酸残基である)
    ;または

    (式中、

    環は、3〜6個の炭素原子を含む4〜7員複素環である)
    である、請求項23および25〜28のいずれか一項に記載の複合体。
  30. SGがC〜C10アルキレン−C(O)−またはこれらの組み合わせを含む、請求項23〜29のいずれか一項に記載の複合体。
  31. SGが、

    である、請求項23〜30のいずれか一項に記載の複合体。
  32. HPが、

    (式中、mは、1〜12の整数である)
    である、請求項23および25〜31のいずれか一項に記載の複合体。
  33. HPが不在または

    であり、式中、RHPが、

    であり、式中、Rが−Hまたは−CHであり、およびmが1〜12の整数であるか、またはRHPが−C〜C−アルキレン−S(O) である、請求項23および25〜31のいずれか一項に記載の複合体。
  34. 、W、W、WおよびWが各々、独立して、単結合、不在であるか、または−C(O)−、−O−、−C(O)NH−、−C(O)NH−アルキル−、−OC(O)NH−、−SC(O)NH−、−NH−、−NH−アルキル−、−N(CH)CHCHN(CH)−、−S−、−S−S−、−OCHCHO−もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項23〜33のいずれか一項に記載の複合体。
  35. Arが二価の6員の置換または無置換の単環式アリールまたはヘテロアリール環である、請求項23〜34のいずれか一項に記載の複合体。
  36. Arが二価の9員の置換または無置換の縮合二環式ヘテロアリール環である、請求項23〜34のいずれか一項に記載の複合体。
  37. Arが以下:

    のいずれかである、請求項23〜34のいずれか一項に記載の複合体。
  38. Lが不在である、請求項23〜37のいずれか一項に記載の複合体。
  39. Rが、

    である、請求項23〜38のいずれか一項に記載の複合体。
  40. COMPがポリペプチドの残基である、請求項23〜39のいずれか一項に記載の複合体。
  41. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物または請求項22〜40のいずれか一項に記載の複合体、および薬学的に許容可能な賦形剤、キャリアまたは希釈剤を含む薬学組成物。
  42. 治療に用いられる、請求項41に記載の薬学組成物。
  43. チューブリン重合の阻害のための、請求項41に記載の薬学組成物
  44. 細胞増殖または癌の処置のための、請求項41に記載の薬学組成物
  45. 前記癌が小細胞肺癌、非小細胞肺癌、卵巣癌、プラチナ製剤抵抗性卵巣癌、卵巣腺癌、子宮内膜癌、乳癌、Her2を過剰発現する乳癌、トリプルネガティブ乳癌、リンパ腫、大細胞リンパ腫;びまん性混合組織球性およびリンパ球性リンパ腫;濾胞性B細胞リンパ腫、大腸癌、大腸癌腫、大腸腺癌、結腸直腸腺癌、メラノーマ、前立腺癌または多発性骨髄腫である、請求項44に記載の薬学組成物
  46. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物と第2の化合物とを、請求項1〜21のいずれか一項に記載の化合物と前記第2の化合物とを共役させるのに好適な条件下で接触させることを含む、複合体を生成する方法であって、前記第2の化合物がアルキン、歪みアルケン、テトラジン、チオール、マレイミド、カルボニル、オキシアミンまたはアジドを含む、方法。
  47. 前記第2の化合物がテトラジンを含み、およびRが歪みアルケンを含む、請求項46に記載の方法。
  48. Rが、

    である、請求項46または47に記載の方法。
  49. 前記第2の化合物がアジドを含み、およびRがアルキンを含む、請求項46に記載の方法。
  50. Rが、

    である、請求項46または49に記載の方法。
  51. 前記第2の化合物がアルキンを含み、およびRがアジドを含み;あるいは前記第2の化合物が歪みアルケンを含み、およびRがテトラジンを含み:あるいは前記第2の化合物がチオールを含み、およびRがマレイミドを含む、請求項46に記載の方法。
  52. Rが、

    である、請求項46または51に記載の方法。
  53. 前記第2の化合物がマレイミドを含み、およびRがチオールを含む、請求項46に記載の方法。
  54. 前記第2の化合物が、

    を含む、請求項46または53に記載の方法。
  55. 前記第2の化合物がカルボニルを含み、およびRがオキシアミンを含む、請求項46に記載の方法。
  56. Rが、

    である、請求項46または55に記載の方法。
  57. 第2の化合物が、

    を含む、請求項4655または56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記第2の化合物がオキシアミンを含み、およびRがカルボニルを含む、請求項46に記載の方法。
  59. Rが、

    である、請求項46または58に記載の方法。
  60. 前記第2の化合物が、

    を含む、請求項4658または59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記第2の化合物がポリペプチド、抗体または抗体鎖である、請求項46〜60のいずれか一項に記載の方法。
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