JP2018508231A - 液体組成物を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、β−グルカンと多糖類とを含む混合物をプロセス処理する方法に関する。

Description

本発明は、β−グルカンと多糖類とを含む混合物をプロセス処理する方法に関する。
β−グルカンは、D−グルコースモノマーがβ−グリコシド結合により連結した多糖類であり、一部の酵母、真菌、植物及び細菌中に天然で生じるものである。β−グルカンは様々な形態、例えば、(1,3)−β−グルカン、(1,4)−β−グルカン、(1,6)−β−グルカン、(1,3;1,6)−β−グルカン及び(1,3;1,4)−β−グルカンで生じる。(1,3)、(1,4)及び(1,6)という表示は、β−グルカン中に見られる結合のタイプを指しており、β−グリコシド結合が間に形成されるD−グルコースモノマー中の炭素原子を指し示している。全てではないが幾つかのβ−グルカンは水溶性である。(1,3;1,4)−β−グルカンは一般に、少なくとも2000000ダルトン未満のサイズで水溶性である。β−グルカンは特に、穀物粒(cereal grains)、例えば、小麦、大麦、ライ麦及びエンバク中に存在している。エンバクは(1,3;1,4)−β−グルカンの特に良好な供給源である。
β−グルカンを含む液体組成物は、食品添加物、栄養補給剤として、医薬組成物中、健康管理において、ヘアケア、スキンケアのために、及び化粧品における使用のためのものを含む、多種多様な形で有用であることが示されている。特に、スキンケアに関して、β−グルカンを含む組成物は、紅斑を低減すること、及び抗炎症剤(anti-irritant)としての作用を示し、虫刺されを軽減させるのに使用することもできる。β−グルカン組成物はまた、塗布することで、皮膚を鎮静させて(sooth)、日焼けを軽減することもできる。β−グルカン組成物は皮膚軟化薬としても使用される。
エンバク中、β−グルカンは穀粒(grain)の糊粉層及び亜糊粉層に主に存在している。穀粒を加工する従来の方法では、糊粉層が一般にふすまとともに除去される一方で、亜糊粉層は胚乳の一部として保持される。その結果、穀粒を加工する従来の方法は、エンバクからβ−グルカンを最大限回収するのに適切なものではない。
化粧品及び健康管理における使用に適切なβ−グルカン組成物を製造するために、穀粒の他の望ましくない成分がそれ程混入されていない、β−グルカンを含む組成物を製造することが望ましい。これを実現するために幾つかのプロセスが試みられてきた。例えば、特許文献1は、アルカリ抽出及びアルコール沈殿の使用により、製粉されたふすまから穀物β−グルカンを抽出及び精製する方法を開示している。しかしながら、このプロセスは高価であることを不利な点としている。さらに、消費者等は、自然に生産される製品を購入することをますます望むようになっている。多くの国々では、製品に天然とラベル付けするために、或る特定の法的要件及び/又は規制要件を満たす必要がある。これらは、「天然」製品の製造に関して使用してはならないプロセスを規定していることが多い。アルカリ抽出及びアルコール沈殿は多くの場合、天然製品に対して禁止されたプロセス処理形態として挙げられており、アルカリ抽出又はアルコール沈殿を使用して穀物粒からβ−グルカンを抽出する場合、多くの国々では、得られるβ−グルカンに「天然」とラベル付けすることはできないことを意味している。これは、得られる製品が商業上それ程魅力的なものでないことを意味する。
アルカリ又はアルコールによる抽出に基づく抽出方法に関する更なる問題は、多くの場合、曇りを発生させる傾向にあるβ−グルカン組成物をもたらす不純物が残留することである。曇りを生じやすい組成物は望ましくなく、ともすれば、多種多様な使用、特に消費者製品、例えば化粧品及び食品に適さない。特許文献2はエンバク抽出物を製造する方法を開示しているが、該方法は、このことには対応するものの、β−グルカンを殆ど含まない組成物をもたらす。
β−グルカン組成物の種々の用途は、特定の範囲の平均サイズを有するβ−グルカンの提供を必要とするか又はそれにより利益を得ている。上記で言及されるプロセスの更なる不利点は、これらのプロセスが、得られる組成物においてβ−グルカンのサイズを制御する能力を提供しないことである。
国際公開第2004/096862号 米国特許出願公開第2014/0066510号明細書
それ故、広範な用途に適切なβ−グルカンを含む液体組成物を製造する費用対効果の大きい手段に対する要求が依然として存在している。
本発明の第1の態様によれば、β−グルカンと、多糖類と、5%w/w以下の油と、1%w/w以下のタンパク質とを含む混合物をプロセス処理する方法であって、該混合物に、多糖類を少なくとも一部分解する少なくとも1つの酵素処理を施すことと;該酵素処理された混合物を濾過することとを含む、方法が提供される。幾つかの実施の形態では、濾過手段が膜濾過である。幾つかの実施の形態では、0.45μm〜1.5μm、任意に0.8μm〜1.0μmの細孔を有するフィルタを使用してもよい。
一実施の形態において、本方法は、β−グルカンと、多糖類と、4%w/w以下の油と、1%w/w以下のタンパク質とを含む混合物をプロセス処理することを含む。
一実施の形態において、本方法は、β−グルカンと、多糖類と、2%w/w以下の油と、1%w/w以下のタンパク質とを含む混合物をプロセス処理することを含む。
一実施の形態において、本方法は、β−グルカンと、多糖類と、1%w/w以下の油と、1%w/w以下のタンパク質とを含む混合物をプロセス処理することを含む。
一実施の形態において、酵素処理及び濾過前に、β−グルカンが、上記混合物中に約1.5%w/wの量で存在する。
一実施の形態において、本方法は、少なくとも2つの酵素処理を含む。
一実施の形態において、酵素処理は、α−アミラーゼによる処理を含む。幾つかの実施の形態では、α−アミラーゼによる処理を95℃〜109℃で行う。幾つかの実施の形態では、α−アミラーゼによる処理を100℃〜109℃で行う。幾つかの実施の形態では、α−アミラーゼによる処理を107℃〜109℃で行う。幾つかの実施の形態では、α−アミラーゼによる処理中、高剪断(sheer)力を混合物にかける。幾つかの実施の形態では、高剪断力を少なくとも5分間かける。
一実施の形態において、酵素処理が、アミログルコシダーゼによる処理を含む。更なる一実施の形態において、アミログルコシダーゼによる処理が、上記混合物を約50℃〜約60℃の温度に約1時間以内維持することを含む。
一実施の形態において、酵素処理前に、上記混合物を少なくとも135℃に加熱する。更なる一実施の形態において、上記混合物を少なくとも140℃に加熱する。更なる一実施の形態において、上記混合物を少なくとも150℃に加熱する。更なる一実施の形態において、上記液体を150℃〜160℃に加熱する。幾つかの実施の形態では、この加熱を上記混合物のpHの低下と組み合わせる。幾つかの実施の形態では、このpHの低下を約1.4〜2.0までとする。更なる一実施の形態において、pHの低下を約1.6〜1.8までとする。幾つかの実施の形態において、酵素処理前に上記混合物を自然冷却させる。
一実施の形態において、少なくとも1つの酵素処理工程が、上記混合物を加熱することを含み、続いて上記混合物を自然冷却させる。
一実施の形態において、少なくとも1つの酵素処理後、及び濾過前に、上記混合物を少なくとも2週間放置する。更なる一実施の形態において、少なくとも1つの酵素処理後、及び濾過前に、上記混合物を少なくとも4週間放置する。更なる一実施の形態において、少なくとも1つの酵素処理後、及び濾過前に、上記混合物を少なくとも5週間放置する。
一実施の形態において、分解される多糖類は6DPまで分解される。
一実施の形態において、多糖類の少なくとも92%を6DPまで分解する。幾つかの実施の形態では、多糖類の少なくとも95%を6DPまで分解する。
一実施の形態において、分解される多糖類は5DPまで分解される。
一実施の形態において、多糖類の少なくとも92%を5DPまで分解する。幾つかの実施の形態では、多糖類の少なくとも95%を5DPまで分解する。
一実施の形態において、分解される多糖類は4DPまで分解される。
一実施の形態において、多糖類の少なくとも92%を4DPまで分解する。幾つかの実施の形態では、多糖類の少なくとも95%を4DPまで分解する。
一実施の形態において、分解される多糖類は1DPまで分解される。
一実施の形態において、多糖類の少なくとも92%を1DPまで分解する。幾つかの実施の形態では、多糖類の少なくとも95%を1DPまで分解する。
一実施の形態において、濾過後、β−グルカンの濃度が2%w/wである混合物を得るように、濾液を希釈又は濃縮する。
一実施の形態において、濾過後、β−グルカンの濃度が1.5%w/wである混合物を得るように、濾液を希釈又は濃縮する。
一実施の形態において、濾過後、β−グルカンの濃度が1%w/wである混合物を得るように、濾液を希釈又は濃縮する。
一実施の形態において、上記混合物中におけるβ−グルカンの平均サイズが約800000ダルトンである。
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面を参照し、例示としてのみ与えられる以下の本発明の好ましい実施形態の説明より明らかとなる。
本発明の方法に使用される出発物質の製造に使用され得る乾式粉砕システムの実施形態を示す図である。 本発明の方法に使用される出発物質の製造に使用され得る乾式粉砕システムの実施形態を示す図である。 本発明の方法に使用される出発物質の製造に使用され得る乾式粉砕システムの実施形態を示す図である。 本発明の方法に使用される出発物質の製造に使用され得る湿式システムの実施形態を示す図である。 本発明の方法を実施するのに使用され得るシステムの態様の概略図である。 本発明の方法により製造される液体組成物の、皮膚刺激を低減させる効力を判定する臨床試験の結果を示す図である。 本発明の方法により製造される液体組成物の、毛髪を強くする効力を判定する臨床試験の結果を示す図である。
本発明は、β−グルカンを含む液体組成物を製造する方法を提供する。β−グルカン組成物は、広範な用途に適切なもの、例えば、食品添加物、栄養補給剤として、医薬組成物中、健康管理において、ヘアケア、スキンケアのために、及び化粧品における使用のためのものである。
本発明は、少なくとも2つの多糖類と、5%以下の油と、1%以下のタンパク質とを含む出発物質を利用するものであり、ここで該多糖類の1つがβ−グルカンであり、少なくとも1つの多糖類がβ−グルカンではない。現在まで、β−グルカンと、少なくとも1つの他の多糖類と、5%以下の油と、1%以下のタンパク質とを含む出発物質の利用可能性は、十分に理解されてこなかった。しかしながら、乾燥β−グルカンを製造するプロセスの中間生成物が好適な出発物質をもたらすことが、有益なことに認識された。幾つかの実施形態では、出発組成物中の多糖類の1つ以上がデキストリンであってもよい。幾つかの実施形態では、組成物中のβ−グルカンが、(1,3)−β−グルカン、(1,4)−β−グルカン及び(1,3;1,4)−β−グルカンの1つ以上を含んでいてもよい。特に、組成物は(1,3;1,4)−β−グルカンを含んでいてもよい。例示的な出発物質は、8%〜9%の乾燥物質を有し、そのうち30%〜40%、例えばおよそ35%がβ−グルカンであり、残りの乾燥材料の全て又は実質的に全てがマルトデキストリンであり、また幾らかの残余タンパク質が存在していてもよい。
したがって、本発明の第1の態様は、少なくとも2つの多糖類と、5%以下の油と、1%以下のタンパク質とを含む混合物をプロセス処理する方法を提供し、ここで該多糖類の1つがβ−グルカンであり、少なくとも1つの多糖類がβ−グルカンではない。本方法は、第1の工程として、混合物に少なくとも1つの酵素処理を施すことを含む。酵素処理は、混合物中に存在するβ−グルカンでない少なくとも1つの多糖類を少なくとも一部分解する。続いて、酵素処理された混合物を膜濾過によって濾過する第2の工程を行う。これにより、液体β−グルカン組成物がもたらされる。この組成物は、溶液、コロイド分散液又は懸濁液であってもよい。幾つかの実施形態では、組成物を溶液とする。幾つかの実施形態では、組成物の媒体を水性のものとする。
幾つかの実施形態では、出発物質が4%以下の油を含む。幾つかの実施形態では、出発物質が2%以下の油を含む。幾つかの実施形態では、出発物質が1%以下の油を含む。
β−グルカンの濃度を低減するために、例えば水の添加によって、出発物質を希釈してもよい。一実施形態では、出発物質を希釈して、β−グルカンの濃度をおよそ1.5%又はおよそ1.3%とする。
任意に希釈された出発物質に少なくとも1つの酵素処理を施す。任意に、1つ以上の酵素処理は撹拌反応槽内で行うことができ、これに出発物質を任意の希釈前又は希釈後のいずれかにおいて添加する。
酵素処理は、β−グルカン以外の1つ以上の多糖類を少なくとも部分的に分解するために行われる。多糖類の結合の開裂を触媒することのできる任意の酵素、例えばアミラーゼ及びアミログルコシダーゼの酵素群から選択される1つ以上の酵素を使用することができ、例えばα−アミラーゼ及びβ−アミラーゼも使用することができる。概して、β−グルカンを分解しない酵素、例えばα−アミラーゼが好ましいが、少なくとも1つの多糖類は分解するがβ−グルカンは分解しない他の酵素の代わりに又はそれに加えて、β−グルカンを分解する1つ以上の酵素も使用することができる。β−グルカンを分解する酵素は、β−グルカン分子の平均サイズを低減することが望ましい場合に使用してもよい。β−グルカン分子の得られるサイズを制御するために、反応を停止する前の所定の期間にβ−グルカンを分解する酵素を添加する必要がある。β−グルカンを分解しない他の酵素処理を使用する場合、β−グルカンを分解する酵素による処理を、少なくとも1つの他の酵素処理の一部と並行して行ってもよい。代替的に、β−グルカンを分解する酵素による処理は、他の酵素処理と別々に行ってもよい。
酵素活性を改善させるために、好ましくは酵素の添加前に組成物を加熱してもよい。溶液を加熱する温度は、使用される具体的な酵素によって決定される。幾つかの実施形態では、1つ以上の熱安定性の酵素を使用することができる。中温菌に由来する多くの酵素は、55℃以上の温度で著しく変性し、温度が上がるにつれて変性速度が増大する一方、熱安定性の酵素は、変性に対してより耐性のある酵素であるため、少なくとも60℃、70℃、80℃、90℃、95℃、又はそれ以上の温度で効果的な活性、場合によっては最適な活性を保つことができる。例えば、95℃以上の温度で機能する熱安定性のα−アミラーゼが市販されている。熱安定性の酵素を使用することによって、酵素処理を施す組成物を、高温、例えば、60℃、70℃、80℃、90℃、95℃、又はそれ以上に加熱することができる。酵素活性を最適化することに加えて、このような高温は、微生物による汚染を低減させることができ、また、他の望ましくない酵素による酵素活性を防止することができる。このような望ましくない酵素は、酵素処理に使用される酵素中の異物として存在し得るか、又は出発物質を製造するために加工される穀物粒由来の残留要素として存在し得る。また、プロセスは高温でより迅速に進行する。
また、組成物のpHは、酵素活性を改善するように変えることができる。pHを変えることが望ましいかどうかは、使用される酵素に応じて決まるが、例えば、pHを6〜7から3.5〜5又は4.5〜5に変えてもよい。これを実現するためには当該技術分野で既知の多種多様な手段を使用することができる。
酵素反応は、最終生成物における凝集(flocking)を低減するように、少なくとも1つの多糖類を十分に分解するのに十分な時間、例えば少なくとも30分間、45分間、1時間、2時間、又はそれ以上進行させる必要がある。概して、必要とされる分解度に応じて1時間〜2時間が用いられる。デキストリンは、7〜12又はそれ以上のDP(重合度、すなわち、重合体中の単量体単位の数)で凝集を起こす。その結果、組成物中におけるβ−グルカン以外の少なくとも1つの多糖類がデキストリンである場合には、デキストリンを約6DP、5DP、4DP又は1DPに分解すればよく、酵素処理は少なくともこの分解度を得るのに十分に長い時間進行させる。多くの場合において、デキストリンが4DP〜5DP未満に分解される場合、凝集は起こらないため、幾つかの実施形態では、デキストリンを5DP未満、又は4DP未満に分解する。同様に、デキストリン以外の多糖類(又はβ−グルカン)が組成物中に存在する場合には、多糖類を6DP、5DP、5DP未満、4DP、4DP未満又は1DPに分解するのに十分な時間、酵素処理を進行させればよい。
酵素処理を十分な時間進行させたら、酵素処理を停止させる必要がある。これは、酵素を変性するのに十分な温度、例えば80℃、100℃、120℃、140℃、又はそれ以上に、組成物を加熱することによって行うことができる。酵素を変性するのに組成物を加熱させなければならない温度は、具体的な酵素に応じて決まる。例えば、熱安定性のα−アミラーゼは、140℃に加熱することを必要とし得るのに対し、アミログルコシダーゼが熱安定性のα−アミラーゼを伴わずに使用される場合には、組成物は80℃に加熱することを必要とし得る。幾つかの実施形態では、組成物の加熱を熱交換器によるものとすることができる。例えば、組成物は、熱交換器を用いておよそ15秒間、所望の温度に加熱することができる。酵素反応を停止させる加熱以外の既知の方法も使用することができる。
幾つかの実施形態では、酵素処理前に、組成物を少なくとも135℃、又はそれ以上に加熱してもよい。これは、例えば熱交換器により実現され得る。これにより、他の方法では分解することができない耐性マルトデキストリンの酵素分解が可能になる。耐性マルトデキストリンの分解は、最終生成物において分解しなければ生じるおそれのある幾らかの凝集を防止する。幾つかの実施形態では、組成物を少なくとも140℃、少なくとも150℃、又は150℃〜160℃に加熱する。幾つかの実施形態では、この加熱を、約1.4〜2.0、好ましくは約1.6〜1.8への組成物のpHの低下と組み合わせる。これにより、耐性マルトデキストリン鎖の開裂(opening out)が容易となり、それらの分解を促進させる。しかしながら、低いpHは、製品の全ての最終用途に適切なわけではないため、全ての場合において用いられるものではない。
幾つかの実施形態では、酵素処理中に高剪断力を組成物にかけることによって、耐性マルトデキストリンを分解する。幾つかの実施形態では、処理が、α−アミラーゼ、及び95℃〜109℃、好ましくは100℃〜109℃、より好ましくは107℃〜109℃の温度を含む。幾つかの実施形態では、高剪断力を少なくとも5分間かける。幾つかの実施形態では、酵素処理中の高剪断力の使用を、耐性マルトデキストリンを分解するより初期の加熱工程に加えてもよい。高剪断力の適用は、当該技術分野で既知のいずれかの手段によって実現することができる。
組成物を加熱して、酵素を変性させるか、又は耐熱性のマルトデキストリンの分解を可能にした場合、濾過前に組成物を自然冷却させてもよい。これにより、組成物が沈殿して、その混濁を低減させることが可能になる。これは、より効果的な高価でない濾過プロセスを使用することができることを意味する。代替的には、組成物を加熱直後に濾過してもよいが、組成物のより重度の混濁によって濾過プロセスがより高価なものとなる。組成物は少なくとも2週間、少なくとも4週間又は少なくとも5週間放置してもよい。
その後、組成物を濾過する。0.45μm〜1.5μm、任意に0.8μm〜1.0μmのフィルタを使用することができる。膜濾過を使用することが好ましいが、他の濾過手段、例えば砂濾過を用いてもよい。
濾過前又は濾過後に、防腐剤を組成物に添加してもよい。しかしながら、防腐剤がなければ温かい高糖質組成物が微生物を増殖させる傾向にあることから、防腐剤は濾過前に添加することが好ましい。好適な防腐剤は、商品名Euxyl701で販売されているフェノキシエタノール(例えば0.2%〜1%の濃度);安息香酸塩(benezoate)(例えば安息香酸ナトリウム、例えば約0.2%〜0.8%の濃度);1,2−ヘキサンジオール(例えば約0.4%の濃度)、カプリリルグリコール(例えば0.4%の濃度)、グリセリン(安息香酸塩と、1,2−ヘキサンジオールと、カプリリル(carpylyl)グリコールと、グリセリンとの組合せが銘柄SymDiolで販売されている);ソルビン酸塩(例えばソルビン酸カリウム);及びローズマリー抽出物のいずれかを含む。多くの国々の表示法に従って最終生成物に天然とラベル付けし得るためには、「天然」と認定される防腐剤のみを使用することが好ましいと言える。使用され得る天然の防腐剤は、SymDiol、3%グリセリン及びローズマリー抽出物を含む。
濾過後、及び任意の防腐剤の添加前又は添加後に、組成物中のβ−グルカンの濃度を希釈により調節してもよい。乾燥物質の最終濃度が1%〜8%である生成物を生成することができる。概して、乾燥物質の約3分の1がβ−グルカンとなり、3分の2が、他の多糖類の分解により得られる生成物、例えば糖となる。β−グルカン濃度が約0.35%〜約2.5%である生成物を生成することができる。しかしながら、β−グルカンが約2%以上の濃度で存在する場合には、ゲル化が生成物中に起こるおそれがあるため、β−グルカン濃度が約0.8%〜約1.8%、好ましくは約1.0%〜約1.5%の範囲の組成物が好ましい。得られる製品は、β−グルカン含有率及び使用される防腐剤に応じて20℃で20cps〜500cpsの粘度を有し得る。幾つかの実施形態では、粘度が20℃で約80cps〜240cpsとなり、幾つかの実施形態では、20℃で100cps〜200cpsとなる。ゲル化の低減が望ましければ、これはゲル化防止添加剤、例えば双性イオン添加剤の使用を通じて、及び/又はより低分子量のβ−グルカンを用いることによって実現することができる。
得られる生成物はタンパク質及び油が少なく、凝集の低減に起因して良好な安定性を有する。幾つかの実施形態では、得られる生成物は、少なくとも12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、30ヶ月又は36ヶ月の貯蔵寿命を有する。貯蔵寿命は、顕著な微生物の増殖のない、曇りのない、また粘度の変動のない期間と定義され得る。
本方法の実施形態において、プロセスには、表示目的で天然と見なされる手法及び試薬のみを含むものとし、そのため、得られる製品に「天然製品」とラベル付けし、また「天然製品」として販売することができる。例えば、得られる製品はパラベンを含有していなくてもよい。得られる製品は低アレルギー性のものであってもよい。
得られる製品は、食品、医薬品、化粧品、ヘアケア製品及びスキンケア製品に使用することができる。
得られる製品は、皮膚を鎮静させるのに使用することができる。得られる製品は、単独で、又はレチノール等の他のスキンケア製品と組み合わせて皮膚の赤みの発生を抑えるのに使用することができる。得られる製品は、皮膚のしわ及び線の発生を抑えるのに使用することができる。得られる製品は、虫刺されの症状を処置及び/又は軽減させるのに使用することができる。得られる製品は、太陽光に曝される、例えば日焼けといった症状を処置及び/又は軽減させるのに使用することができる。得られる製品は、スキンケア製品、化粧品及び美容品、例えば:手、顔又は体のいずれかに塗布するための保湿剤、ローション及びクリーム;日焼け止め;日焼け後の肌に塗る配合剤;目もと美容液;及び石鹸のいずれかにおける成分として使用することができる。
得られる製品は、マウスウォッシュ又は歯磨き粉中の成分として使用することができる。
得られる製品は抗炎症剤として使用することができる。得られる製品は、シェービング製品、例えばシェービングクリーム、シェービングジェル及びシェービングローション;腋の下用の製品、例えばデオドラント及び制汗剤;及び拭き取り繊維(wipe)、例えばおしりふき(baby-wipe)のいずれかの中の成分として使用することができる。
得られる製品は創傷の治癒を促すのに使用することができる。
得られる製品は、ヘアケアにおいて、毛髪の引張強度を改善させ、毛髪の外観の光沢度を増大させ、及び/又は頭皮に潤いを与えるのに使用することができる。得られる製品は、シャンプー、セラム及びコンディショナー、例えば洗い流さないコンディショナー及び洗い流さないセラムのいずれかにおける成分として使用することができる。
出発物質、すなわち、本発明の方法においてプロセス処理される混合物は、幾つもの供給源に由来し得るものである。出発物質は、穀物粒、例えば、エンバク、小麦、大麦(barely)又はライ麦の1種類以上に由来するものであってもよい。エンバクは比較的高濃度のβ−グルカンを有していて、好ましい。好ましい実施形態では、穀粒が熱処理されていない。
出発物質は、水溶性β−グルカンの1つ以上の形態を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、組成物中のβ−グルカンは、(1,3)−β−グルカン、(1,4)−β−グルカン及び(1,3;1,4)−β−グルカンを1つ以上含んでいてもよい。特に、組成物は、(1,3;1,4)−β−グルカンを含んでいてもよい。β−グルカンは、2000000ダルトン未満の平均サイズを有し得る。出発物質中のβ−グルカンの平均サイズは、約1600000ダルトン、1200000ダルトン、1000000ダルトン、800000ダルトン、600000ダルトン、400000ダルトン、又は400000ダルトン未満であってもよい。出発物質中のβ−グルカンの平均サイズは、約800000ダルトンであってもよい。
出発物質を製造する方法は、脱皮した(de-hulled)穀粒を乾式製粉して、胚乳−デンプンの多い粉画分と、胚乳の少ないより粗い画分とにすることをもたらす。幾つかの実施形態では、製粉した穀粒の45%〜55%が、胚乳の少ないより粗い画分中に保持される。
胚乳の少ない画分を水に分散させて、デンプンを分解するα−アミラーゼ酵素で処理する。α−アミラーゼは熱安定性のα−アミラーゼであってもよく、酵素加水分解は、約95℃以上の温度で実施してもよい。幾つかの実施形態では、この後、アミログルコシダーゼ及びプルラナーゼの群による酵素、又はこれらの酵素の組合せを用いて、第2の加水分解工程を行ってもよい。第2の加水分解工程は、55℃以上の温度で最大40分間実施することができる。酵素処理を1つ以上、湿式粉砕(aqueous wet-milling)と組み合わせて任意に実施する。アミログルコシダーゼを使用する場合、アミログルコシダーゼ酵素は、使用前に、例えば、陰イオン交換を用いた後に疎水性相互作用クロマトグラフィを行う二段階法を介して、β−グルカナーゼ副作用物質(side activities)を実質的に取り除くことができ、疎水性相互作用クロマトグラフィカラムから溶出する主なタンパク質バンドを、清浄した酵素として利用する。
更なる工程は、湿熱処理による酵素の不活性化であり、続いて、β−グルカンの多い水性の上層、及びタンパク質と、油と、穀粒の不溶性の繊維質部分とを含有するより下位の層中への、加水分解混合物の自然な分離が起こるか、又は遠心分離を行う。水性の上層は、乾燥物質ベースで20%超のβ−グルカンを含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、β−グルカンは、少なくとも400000ダルトン、少なくとも800000ダルトン、又は少なくとも1300000ダルトンの分子量を有していてもよい。その後、この水性の上層を、本方法のための出発物質として使用することができる。
幾つかの実施形態では、加水分解物は、3つの別個の層である、可溶性食物繊維、特にβ−グルカンを多く含むが、少量の油(2.5%未満)又はタンパク質(7%未満)も含有する上層、中間の水性層、及びタンパク質と、油と、製粉した穀粒由来の不溶性の繊維質材料とを殆ど含有するより下位の相に自然に分離するか、又は任意に遠心分離される。
水性の上層は、デカンタ、例えば2相若しくは3相デカンタ、又は他の好適な機器を用いて取り出すことにより、幾つかの実施形態では、マルトデキストリンと、アラビノキシランと、糖質と、比較的少量のタンパク質(7%未満)と、油(2.5%未満)とともに、(乾燥物質ベースで)少なくとも10%のβ−グルカンを含有し得る可溶性画分を得ることができる。
β−グルカンの多い分離された上層は任意に、制御下で、β−グルカンのサイズを小さくし及び/又はその特性を微調整するために、酵素加水分解を介して、例えば、リケナーゼ、セルラーゼ及びキシラナーゼの群のうち1つ以上の酵素を用いて更に処理することができる。
幾つかの実施形態では、分離された上層が、乾燥物質ベースで、少なくとも10%、幾つかの実施形態では、最大40%のβ−グルカンと、10%、7%又は5%以下のタンパク質と、2.5%、2.0%、1.5%又は1.0%未満の油とを含有していてもよい。
第1の実施例として、出発物質は以下のように調製することができる。初めに、エンバク粒を脱皮し、脱皮した穀粒を乾式製粉し、穀粒の50重量%をより粗い画分として残した。575gのこの材料を、95℃の温度で、機械撹拌機を備えた5リットル容の反応ベッセル内において4リットルの水に懸濁させた。α−アミラーゼ酵素(35単位)を懸濁液に添加し、混合物を1時間、撹拌及び断続的な湿式粉砕を行いながらインキュベートした。この時間の後、pHを4.5まで落とし、温度を75℃まで下げ、アミログルコシダーゼ(AMG)酵素を添加し(35単位)、混合物を撹拌しながら15分間インキュベートした。その後、懸濁液をオートクレーブ内において140℃で数分間加熱することによって、酵素を完全に不活性化した。
得られる懸濁液をその後、遠心分離すると、3つの別個の層である、可溶性食物繊維、特にβ−グルカン、デキストリン、並びに糖質、特にマルトース及びマルトトリオースが多く、1%未満の脂肪と、3%未満のタンパク質とを含む水性の上層;タンパク質−油の多い層;及び製粉されたエンバクの不溶性の繊維質部を含有する下層が生成され、これらを分離及び回収した。上層、タンパク質−油画分及び繊維画分の収率は、それぞれ(乾燥物質ベースで)15%、15%及び20.0%であった。残りは殆ど可溶性の糖質及びデキストリンであった。その後、可溶性食物繊維の多い水性の上層を、本方法のための出発物質として使用することができる。
出発物質の製造の第2の実施例は以下の通りである。大麦粒を乾式製粉して、余分な胚乳材料を除去し、より粗い画分と表される製粉した穀粒の50%を、試行用の原料として利用した。575gのこの材料を、95℃の温度で、機械撹拌機を備えた5リットル容の反応ベッセル内において4リットルの水に懸濁させた。α−アミラーゼ酵素(35単位)を懸濁液に添加し、混合物を1時間、撹拌及び断続的な湿式粉砕を行いながらインキュベートした。この時間の後、pHを4.5まで落とし、温度を75℃まで下げ、アミログルコシダーゼ酵素を添加し(35単位)、混合物を撹拌しながら15分間インキュベートした。その後、懸濁液をオートクレーブ内において140℃で数分間加熱することによって、酵素を完全に不活性化した。得られる懸濁液をその後、遠心分離すると、3つの別個の層である、可溶性食物繊維、特にβ−グルカンの多い水性の上層、タンパク質−油の多い層、及び製粉されたエンバクの不溶性の繊維質部を含有する下層が生成され、これらを分離及び回収した。その後、可溶性食物繊維の多い水性の上層を、本方法のための出発物質として使用することができる。
第3の実施例では、実施例1で調製した出発物質を使用した。150kgのこの材料を、95℃で、機械撹拌を伴う2000リットル容の槽内において1050リットルの水に添加した。α−アミラーゼ酵素(9100単位)を懸濁液に添加し、混合物を1時間、撹拌及び断続的な湿式粉砕を行いながらインキュベートした。この時間の後、84%のオルトリン酸を用いてpHを4.5まで落とし、温度を75℃まで下げ、アミログルコシダーゼ酵素を添加し(9000単位)、混合物を撹拌しながら15分間インキュベートした。その後、140℃の多管式熱交換器に通すことにより得られる懸濁液を加熱することによって、酵素を完全に不活性化した。部分的に冷却させた加水分解物の懸濁液をその後、3相デカンタに注入して、3つの画分:可溶性食物繊維の多い粘性の上層、水性画分、及び製粉されたエンバク粒由来のタンパク質と、脂肪と、不溶性繊維とを殆ど含有する画分を得た。分離された上層をその後、水(1部に対して5部の水)で更に希釈し、撹拌した後、余分なタンパク質を遠心分離により除去した。その後、得られる上澄み液を、本方法のための出発物質として使用することができる。
第4の実施例では、実施例1に記載されるものに等しい試行を実施し、その後、過剰な残余タンパク質を遠心分離により除去した。
第5の実施例では、出発物質を以下のように調製した。初めに、エンバク粒を脱皮し、脱皮した穀粒を乾式製粉し、穀粒の50重量%をより粗い画分として残した。575gのこの材料を、95℃の温度で、機械撹拌機を備えた5リットル容の反応ベッセル内において4リットルの水に懸濁させた。α−アミラーゼ酵素(35単位)を懸濁液に添加し、混合物を1時間、撹拌及び断続的な湿式粉砕を行いながらインキュベートした。この時間の後、pHを5.3まで落とし、温度を65℃まで下げ、プルラナーゼ酵素を添加し(35単位)、混合物を撹拌しながら30分間インキュベートした。その後、懸濁液をオートクレーブ内において140℃で数分間加熱することによって、酵素を完全に不活性化した。
得られる懸濁液をその後、遠心分離すると、3つの別個の層である、可溶性食物繊維、特にβ−グルカンの多い粘性の上層、タンパク質−油の多い層、及び製粉されたエンバクの不溶性の繊維質部を含有する下層が生成され、これらを分離及び回収した。その後、可溶性食物繊維の多い上層を、本方法のための出発物質として使用することができる。
第6の実施例では、実施例1でエンバクから単離した上層を、β−グルカナーゼ副作用物質を以下のように取り除いたアミログルコシダーゼ酵素調製物を用いて更に処理した。初めに、2mlのアミログルコシダーゼを、25mMのリン酸緩衝液(pH5.8)中で平衡にした陰イオン交換樹脂(Bio−Rad AG 1−X4)を含有するカラムに通した。その後、0から1Mまでの塩化ナトリウムの線形勾配を適用することにより、結合したタンパク質をカラムから溶出した。主なタンパク質バンドを回収し、1000ダルトンの限外濾過器を用いて2mlに再度濃縮した。部分的に清浄した酵素をその後、1.5Mの硫酸アンモニウムを含有する50mMのリン酸緩衝液(pH6.0)を用いて平衡にした疎水性相互作用クロマトグラフィ担体材料(Bio−Rad Macro− Prep t−Butyl HIC Support)を含有するカラム上に流した。その後、1.5Mから0までの硫酸アンモニウムの減少する線形勾配を適用することにより、結合した酵素をカラムから溶出した。カラムから溶出する主なタンパク質バンドを回収し、1000ダルトンの限外濾過器を用いて2mlに濃縮した後、清浄したアミログルコシダーゼとして利用した。
β−グルカンが(乾燥物質ベースで)多く、乾燥物質を計6%含む100mlの上層を、Pyrexビーカーにおいて脱イオン水で200mlに希釈し、pHを4.6に調節した。サンプルを磁気撹拌しながら60℃の水浴に入れ、100μmの清浄したアミログルコシダーゼを混合物に添加した。インキュベーションを2時間行った後、サンプルをオートクレーブ内で120℃に加熱して、酵素を不活性化した。その後、サンプルを、本方法のための出発物質として利用することができる。
第7の実施例では、実施例6に記載したものと殆どの点で等しい手順を、同じ原料を用いて、インキュベーション時間の終了15分前(すなわち105分後)の溶液へのキシラナーゼ酵素調製物(50μl)の更なる添加を伴って実施した。
出発物質を製造するのに他の方法を使用してもよい。穀物粒、例えば、エンバク、小麦、大麦又はライ麦を1種類以上、好ましくはエンバクを使用してもよい。好ましい実施形態では、穀粒を熱処理せず、特に熱処理していないエンバクを含むのがよい。
穀粒は、従来の手段を介して、例えば皮むき機を介して脱皮する。脱皮していない穀粒をその後、脱皮した穀粒から分離する。これは、穀粒を振動盤に流すことによって実現することができる。その後、空気分級にかけて、外皮を吸い上げ、脱皮した穀粒から取り除くことができる。一実施形態において、脱皮した穀粒は、脱皮した穀粒100g当たり、最大16個の脱皮していない穀粒を含むことを許容する。好ましくは、脱皮した穀粒は、脱皮した穀粒当たり、最大1%の脱皮していない穀粒を含むことを許容するものであってもよい。一定の脱皮していない穀粒を使用してもよいが、これは潜在収率を減少させると考えられる。脱皮した穀粒100g当たりの、脱皮していない穀粒の数は、脱皮した穀粒の過剰な損失を回避するように10個以上であることが好ましい。
好ましくは、穀粒の少なくとも85%を単一サイクルで皮むき機によって脱皮する。プロセスから回収される脱皮していない穀粒を皮むき機に戻してもよい。
その後、脱皮していない穀粒を製粉する。一実施形態において、製粉は、ディスクミルを用いて実施する。ディスクミルは、エンバク粒を製粉する場合にも使用することができる。好ましくは、穀粒が、ふすまに保持されるデンプンの量を制限しながらβ−グルカンの高回収率を確実なものとする良好なバランスをもたらすように、胚乳の約20%〜25%がふすまと共に残ることを確実にするのに十分な程度に、穀粒を製粉する。一実施形態において、ディスクミルにおけるディスク間のスペースは、約1.75mmに設定される。ディスク間のスペースは、製粉する農作物に応じて最適なものとすることができる。一実施形態において、ディスクミルにおけるディスク間のスペースは、特にエンバク粒を製粉する場合、胚乳の約20%〜25%が残ることを確実にするのに十分に、穀粒を製粉するように設定される。
別の実施形態では、ローラーミルを用いて製粉を実施する。ローラーミルは、ディスクミルよりも変動が少ない。これは、その後の篩分け及び粉砕のより良好な最適化を可能にし、これにより、ふすまの特徴のより優れた一貫性に起因して、その後の酵素プロセスにおいてより高い精度が可能になる。特に、ローラーミルの使用は、より小さなエンバク粒がミルを通過して、製粉されていないふすまとなる可能性を低減する。ふすまが製粉されなければ、ふすまにおけるデンプンの量が増大する。
幾つかの実施形態では、ローラーミルにおけるローラー間の距離を継続的に定めてもよい。これは、穀粒内の自然な差異について調節することができるという利点を有する。一実施形態において、この距離は、ローラーミルによって産出される画分のサンプルを散発的にとり、それを一連の積層させた篩に通すことによって、定めることができる。
その後、製粉した穀粒を任意にシフター(sifter)に流す。一実施形態において、シフターは鉛直式シフターである。一実施形態において、鉛直式シフターにおけるメッシュのサイズは、約1.6mm〜1.8mm、好ましくは約1.75mmとすることができる。代替的に、水平式シフターを使用してもよい。エンバクを製粉する場合、エンバクの粘着性に起因して間隙がなければ起こり得る目詰まりを低減するため、メッシュと外壁との間のより大きな間隙が有益なものとなり得ることが見出された。それ故、より大きな間隙を有するシフターは、エンバクを製粉する場合に、より清掃を必要としない。水平式シフターは、同様の鉛直式シフターよりも、メッシュと外壁との間により大きな間隙を有する傾向にある。それ故、水平式シフターは、エンバクを製粉する場合に鉛直式シフターよりも清掃を必要としない。
製粉した穀粒をシフターに流すことによって、2つの画分、小さな画分と大きな画分とが生成される。この大きな画分を、(ローラーミルによって初期の製粉を行った実施形態における、第2の別個のローラー粉砕機(roller miller)である)ローラーミルに通し、該ローラーミルがこの大きな画分を圧縮する。シフターを使用しない場合には、製粉した穀粒をローラーミルに流す。
小さな穀粒画分を保持しながら粉を除去するために、シフターによるこの小さな画分を1つ以上の第1の篩に通す。幾つかの実施形態では、1つ以上の第1の篩を回転篩とする。幾つかの実施形態では、メッシュが、ナイロン及び/又は他の人工繊維を含んでいてもよい。人工繊維とは、天然繊維を主に含まないものである。人工繊維は、石油化学製品から生成されるポリマーであってもよい。ナイロン又は他の人工繊維の使用は、メッシュの振動の増大に起因して有益なものとすることができ、これにより付着が防止される。これは、エンバクが、他の殆どの穀粒と比較してより高比率の脂質を有するため、より付着する傾向にあることから、エンバクを製粉する場合に特に有益である。これは、ナイロン及び/又は他の人工繊維を含むメッシュにかかるメッシュサイズがより小さくてもよいことを意味している。第1の篩がナイロン及び/又は他の人工繊維を含む実施形態では、メッシュが、約300μm〜700μm、より好ましくは約310μm〜600μm、より好ましくは約320μm〜500μm、より好ましくは約330μm〜400μm、より好ましくは約350μm〜370μmのサイズを有していてもよい。人工繊維を含むメッシュの使用によりもたらされる性能は、デンプンを含有する粉を除去する性能が、メッシュの目詰まりによって損なわれないことを意味する一方、β−グルカンを含む材料のより多くが保持されることを確実にする。その結果、比例してデンプンがより少ない、すなわち、乾燥物質ベースでデンプンの比率がより少ないエンバクのふすま画分を生成することができる。
幾つかの実施形態では、複数の第1の篩を使用して、小さな画分の十分な処理量を確実にすることができる。幾つかの実施形態では、2つの第1の篩を使用してもよい。
幾つかの実施形態では、1つ以上の第1の篩により保持される画分をその後、最後の篩に通してもよい。他の実施形態では、1つ以上の第1の篩により保持される画分をその後、更なる(第3の)篩に通してもよい。他の実施形態では、1つ以上の第1の篩により保持される画分をその後、回転ミルに流す前に、シフターからの大きな画分の流れと合わせる。好ましくは、回転ミルは、1つ以上の第1の篩により保持される画分の圧縮によってβ−グルカンの収率が低減するおそれがあるため、大きな画分は圧縮するが、第1の篩により保持される画分は圧縮しないように構成されるものとする。
幾つかの実施形態では、ローラーミルにおけるローラー間の距離を継続的に定めてもよい。これは、穀粒内の自然な差異について調節することができるという利点を有する。一実施形態において、この距離は、ローラーミルによって産出される画分のサンプルを散発的にとり、それを一連の積層させた篩に通すことによって、定めることができる。所望のプロファイルは、下流のプロセス処理、例えば湿式粉砕に使用される設備に応じて定めてもよい。これは、画分を産出するローラーミルの容量のサイズプロファイルが、湿式粉砕プロセスに影響を及ぼす可能性があるためである。
ローラーミルにより産出される画分をその後、1つ以上の第2の篩に通す。任意に、複数の第2の篩を使用して、処理量を改善してもよい。任意に2つ以上の第2の篩が使用される。幾つかの実施形態では、1つ目の第2の篩が、約1.6mmのメッシュサイズを有していてもよく、残りの第2の篩が約350ミクロン〜400ミクロンのメッシュサイズを有していてもよい。2つ目の第2の篩よりも大きなメッシュサイズを有する1つ目の第2の篩を使用することにより、2つ目の第2の篩の閉塞が防止される。1つ目の第2の篩は、ふすまに固着する粉を除去するように、ふすまをかき混ぜるか又は破砕してもよい。或る実施形態では、1つ目の第2の篩はローラーミルである。
幾つかの実施形態では、1つ以上の第2の篩からの小さな画分をその後、第3の篩に通す。他の実施形態では、1つ以上の第2の篩からの小さな画分をその後、1つ以上の第1の篩により保持される画分に戻し、回転ミルに再度流す。
第1の篩からの大きな画分及び第2の篩からの小さな画分の少なくとも一方を第3の篩に通す実施形態では、第3の篩が画分から粉を除去して、その後、最後の篩に通し得る粗い画分が生成される。
任意に、1つ以上の第2の篩からの大きな画分は、ローラー粉砕機及び1つ以上の篩に1回以上繰り返し通してもよい。繰り返しそれぞれにおいて、1つ以上の篩からの小さな画分を、本方法におけるより初期のローラーミルに戻し、好ましくは、1つ以上の篩からの小さな画分を、1つ以上の第1の篩により保持される画分に戻す。
粉砕及び篩分けを最後に繰り返した後、篩により保持される大きな画分を最後の篩に通して、残りの粉を全て除去する。好ましくは、最後の篩が1つ以上の人工繊維を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、最後の篩は、約150ミクロン〜200ミクロンのメッシュサイズを有していてもよい。幾つかの実施形態では、最後の篩のメッシュサイズを約170ミクロン〜185ミクロンとすることができる。最後の篩により保持される画分は便宜的に、ふすま画分と称されるが、ふすまと、糊粉層及び亜糊粉層の画分とを含むものとする。
幾つかの実施形態では、ふすま画分が、元の穀粒の30%〜55%、好ましくは35%〜45%を構成するものとする。より好ましくは、ふすま画分が元の穀粒の35%〜40%を構成し、残りはそれぞれ、28%〜35%又は35%〜40%の殻と、25%〜32%又は25%〜30%の粉とすることができる。
有益なことに、上記の乾式粉砕プロセスの使用により、デンプンの比率がより少ないエンバクのふすま画分がもたらされる。これにより、下流のプロセス処理、例えば、酵素分解、アルカリ抽出及びアルコール沈殿の効率を増大させることが可能になる。例えば、デンプンに酵素分解を施すプロセスでは、エンバクのふすま画分におけるデンプンの比率が少ないほど、利用する酵素分解の時間を短くすることができ、これによって、高温を維持する時間の長さを短くすることにより、プロセス処理のコストが低減されることから、特に酵素分解プロセスを高温で行う場合に、生産速度及び生産コストの両面においてプロセス全体の効率が良くなる。また、エンバクのふすま画分におけるデンプンの低減により、分解後のスラリー中の糖質が少なくなることから、その後の酵素分解に利得がもたらされる。これにより、過剰なデンプン及びデンプン誘導体、例えば、デキストリン、マルトデキストリン及び糖質が、分離に使用される機械における目詰まりの原因となり得るため、スラリー内の成分のより効率の良い分離、また、該成分のより効率の良い乾燥が可能になる。これは、連続プロセス、例えば連続式遠心分離機を利用する場合に特に明らかである。デンプンの低減はまた、プロセスにおいて使用され得る酵素が少なくなることにより、コストが削減されることを意味する。プロセスにおいて使用され得る水も少なくなることにより、加熱を必要とする体積が少なくなるため、加熱効率ももたらされ、また、必要とされる乾燥が減るため効率の改善ももたらされる。デンプンの低減によって、使用し得る設備も小さくて済む。
上記の乾式粉砕プロセスがエンバクのふすま画分におけるデンプンの比率を低減させる性能を、以下の表1に示す。画分1〜7は、初期の粉砕をローラーミルにより実施し、水平式シフターを使用して、第1及び第2のラウンドの篩を、更なる中間ローラー粉砕とともに利用し、第1の篩及び第2の篩のメッシュが、約300μm〜420μmのメッシュサイズを有するナイロンを含む上記のプロセスを用いて生成した。画分8〜17は、上記のものと類似のプロセスを用いて生成したが、初期の粉砕にはディスクミルを使用し、鉛直式シフターを利用し、篩分けは1度だけ使用し、該篩分けでは、およそ450μmのメッシュサイズを有する金属メッシュを利用した。
出発物質であるエンバク粒が天然素材の製品であれば、生成されるデンプンの量の避けられない自然な変動が幾らか存在すると考えられる。それにもかかわらず、表1中の数値は、本明細書に記載される改良されたプロセスの使用により、エンバクのふすま画分におけるデンプンの平均比率が、48%の平均割合とは対照的に乾燥物質ベースで42%となることを証明している(12.5%低減)。
エンバクのふすま画分は、水溶性β−グルカンの1つ以上の形態を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、エンバクのふすま画分におけるβ−グルカンが、(1,3)−β−グルカン、(1,4)−β−グルカン及び(1,3;1,4)−β−グルカンを1つ以上含んでいてもよい。特に、エンバクのふすま画分は(1,3;1,4)−β−グルカンを含んでいてもよい。
本発明によるデンプンが低減されたエンバクのふすま画分は、幾つもの下流プロセスにおいて使用することができる。
その後、ふすま画分に酵素分解プロセスを施す。ふすま画分を水に分散させて、デンプンを分解するα−アミラーゼ酵素で処理する。
幾つかの実施形態では、(エンバク粒に存在する幾つかの酵素はふすま画分に既に存在してもよいが)任意の酵素を添加する前にふすま画分を水と混合させる。幾つかの実施形態では、これは、酵素分解が起こるものとは別のベッセル、例えば予備反応槽内で行ってもよい。ふすま画分を反応ベッセルに直接添加する実施形態では、特に、閉塞又は不整合性に作業員が注意を払っていない場合、例えば、作業員が介入することなく閉塞が消える場合、及び/又は不整合性が短時間だけ存在する場合に、ふすまを添加する量における閉塞又は不整合性が、最終生成物におけるより大きな変動を導くおそれがあるため、別のベッセルの使用は、酵素分解が施されるふすま画分の量に関してより優れた制御をもたらし得る。代替的に、α−アミラーゼ酵素は、水及びふすまと同時に添加してもよく、これは、下流プロセスにおいて脂肪含有率を増大させることができるため、β−グルカンの流れにおける脂肪の増大が望ましい場合に行うことができる。いずれの理論にも束縛されることを望むものではないが、ふすまを水及びα−アミラーゼと混合することによって、幾つかのβ−グルカン分子が溶液から取り出され、その後、脂肪分子と結合することが可能であるのに対し、ふすま画分を水と混合した後まで酵素を添加しない場合には、脂肪はタンパク質に結合し得るため、タンパク質とともに除去される。β−グルカンの流れに存在する脂肪が余分に存在する場合、これは、β−グルカンの乾燥に問題を起こすおそれがある。例えば、ドラムドライヤを使用する場合、余分な脂肪のために、β−グルカンがドラムから落ちるおそれがある。
水をふすま画分に添加する場合、水を、例えば約85℃〜約95℃、例えば約90℃超、又は約92.5℃〜約95℃の温度に事前に加熱してもよい。これは、回収される(revered)β−グルカンの量を増大させることができ、また、脂肪とβ−グルカンとの結合を低減させるため、脂肪の量が少ないことが望ましい実施形態では、下流のβ−グルカンの流れにおいて脂肪の量を低減させることができる。
α−アミラーゼの添加前に水とふすま画分とを混合する、及び/又は水とふすま画分とを別のベッセル内で混合する実施形態では、混合が、α−アミラーゼの添加前及び/又は得られるスラリーをリアクタベッセルに移動させる前の所定の期間のものであってもよい。所定の期間は、少なくとも約5分間、又は少なくとも約10分間とすることができる。
α−アミラーゼは熱安定性のα−アミラーゼであってもよく、酵素加水分解は、約95℃以上の温度で実施してもよい。幾つかの実施形態では、この後、アミログルコシダーゼ及びプルラナーゼの群による酵素、又はこれらの酵素の組合せを用いて、第2の加水分解工程を行ってもよい。第2の加水分解工程は、55℃以上の温度で最大40分間実施することができる。アミログルコシダーゼを使用する場合、アミログルコシダーゼ酵素は、使用前に、例えば、陰イオン交換を用いた後に疎水性相互作用クロマトグラフィを行い、疎水性相互作用クロマトグラフィカラムから溶出する主なタンパク質バンドを清浄した酵素として利用する二段階法を介して、β−グルカナーゼ副作用物質を実質的に取り除くことができる。
酵素処理を1つ以上、湿式粉砕と組み合わせて任意に実施する。例えば、幾つかの実施形態では、酵素加水分解を、リアクタベッセルの間に湿式ミルを点在させた一連のリアクタベッセルにおいて実施してもよい。スラリーを湿式粉砕することにより、酵素が作用し得る新たな表面が広がる。
酵素分解後、得られるスラリーを分離する。幾つかの実施形態では、これは、β−グルカンの多い水性の上層、及びタンパク質と、油と、穀粒の不溶性の繊維質部とを含有するより下位の層を含む2つ〜4つの別個の層を生成するために遠心分離を用いて行ってもよい。β−グルカンの多い水性の上層はその後、例えばデカンタの使用により取り出して、本方法のための出発物質として使用することができる。
幾つかの実施形態では、加水分解物は、3つの別個の層である、可溶性食物繊維、特にβ−グルカンを多く含むが、少量の油(2.5%未満)又はタンパク質(7%未満)も含有する上層、中間の水性層、及びタンパク質と、油と、製粉した穀粒からの不溶性の繊維質材料とを殆ど含有するより下位の相に自然に分離するか、又は任意に遠心分離される。
水性の上層は、デカンタ、例えば2相若しくは3相デカンタ、又は他の好適な機器を用いて取り出すことにより、幾つかの実施形態では、マルトデキストリンと、アラビノキシランと、糖質と、比較的少量のタンパク質(7%未満)と、油(2.5%未満)とともに、(乾燥物質ベースで)少なくとも10%のβ−グルカンを含有し得る可溶性画分を得ることができる。
別個の層への遠心分離に代わる手段として、スラリーの固体部分を液体部分から除去することができる。分離のいずれの好適な手段を使用してもよい。幾つかの実施形態では、これは、スラリーを回転チャンバに流すことにより、スラリーの固体部分をチャンバの壁に蓄積させて、スラリーの液体部分を分離機から出す連続式遠心分離機の使用により実現することができる。
その後、タンパク質をスラリーの液体部分から除去する。幾つかの実施形態では、これは、タンパク質をペーストとしてβ−グルカンの残る水溶液から除去するために、スラリーの液体部分をデカンタに通過させることによって実現することができる。β−グルカンを含む残る水溶液はその後、本方法のための出発物質として使用することができる。
熱処理を使用して、本方法に使用される酵素を不活性化してもよい。これは、酵素分解の完了直後に行ってもよく、又は、遠心分離、分離若しくはデカンテーション後を含む酵素分解後のいずれの時点で行ってもよい。幾つかの実施形態では、これによって分解度のより優れた制御を行うことができるため、酵素分解直後に熱処理を施すことが好ましい。
β−グルカンの水溶液は、乾燥物質ベースで20%超のβ−グルカンを含み得る。幾つかの実施形態では、β−グルカンが、少なくとも400000ダルトン、少なくとも800000ダルトン又は少なくとも1300000ダルトンの分子量を有していてもよい。
β−グルカンの水溶液は任意に、制御下で、β−グルカンのサイズを小さくし及び/又はその特性を微調整するために、酵素加水分解を介して、例えば、リケナーゼ、セルラーゼ及びキシラナーゼの群のうち1つ以上の酵素を用いて更に処理することができる。
幾つかの実施形態では、β−グルカンの水溶液が、乾燥物質ベースで、少なくとも10%及び最大40%のβ−グルカンと、10%、7%又は5%以下のタンパク質と、2.5%、2.0%、1.5%又は1.0%未満の油とを含有していてもよい。
図1、図2及び図3は、上記の方法において出発物質を製造するのに使用され得るシステムの態様の概略図を示すものである。
図1は、乾式粉砕システムの実施形態を示しており、使用前のエンバク又は大麦を貯蔵する貯蔵容器1からなる。穀粒を、脱皮装置4に運搬し、外皮を分離機5によって取り除く。脱皮した穀粒を、貯蔵容器6を介して、概して7を表す、粉砕ロールと篩とを備えるミルに移行し、ここから粉を貯蔵容器8に収容し、より粗い画分を、更なる処理のために貯蔵容器9に移行して収容する。
図2は、乾式粉砕システムの実施形態を示しており、使用前のエンバクを貯蔵する貯蔵容器21からなる。穀粒を、穀粒を脱皮する皮むき機22に運搬する。空気分級機(図示せず)によって外皮を、脱皮した穀粒から分離する。脱皮した穀粒を振動盤23に移動し、残存する脱皮していない穀粒を分離除去する。その後、穀粒を粉砕する第1のローラーミル24に穀粒を流す。粉砕した穀粒をその後シフター25に流すと、大きな画分及び小さな画分が生成される。大きな画分は第2のローラーミル27に流すのに対し、小さな画分は第1の回転篩26に通す。第1の回転篩26は、小さな穀粒画分から粉を除去することができるのに対し、この第1の回転篩からの大きな画分は第3の回転篩34に通す。
第2のローラーミル27の粉砕された生成物は第2の回転篩28に通す。この第2の回転篩28からの小さな画分はその後、第3の回転篩34に通す。この第3の回転篩は、それを通る画分から粉を除去するものであり、第3の回転篩により生成される大きな画分は第4の回転篩31に通す。
第2の回転篩28により保持される大きな画分は、第4の回転篩31に通す。これは、それを通る画分から粉を除去するものであり、この第4の回転篩により生成される大きな画分がエンバクのふすま画分であり、下流の(downstram)プロセス処理、例えば酵素加水分解による処理に好適なものである。
図3は、乾式粉砕システムの代替的な実施形態を示しており、使用前のエンバク又は大麦を貯蔵する貯蔵容器21からなる。穀粒を、穀粒を脱皮する皮むき機22に運搬する。外皮及び脱皮した穀粒を振動盤23に移動し、穀粒から外皮を分離する。
穀粒をその後、第1のローラーミル24に流し、ここで穀粒を粉砕する。その後、粉砕した穀粒を水平式シフター25に流すと、大きな画分及び小さな画分が生成される。大きな画分を第2のローラーミル27に流すのに対し、小さな画分は第1の回転篩26に通す。第1の回転篩26は、小さな穀粒画分から粉を除去することができる。第1の回転篩26に通した後、小さな穀粒画分を第2のローラーミル27にも流す。第2のローラーミル27の粉砕した生成物をその後、第2の回転篩28に通す。この第2の回転篩28からの小さな画分をその後、第2のローラーミル27に流す前の、第1の回転篩26により保持される小さな穀粒画分に戻す。
第2の回転篩28により保持される大きな画分をその後、第3のローラーミル29に流す。第3のローラーミル29の粉砕した生成物をその後、第3の回転篩30に通す。第3の回転篩30により生成される小さな画分をその後、第2のローラーミル27に流す前の、第1の回転篩26により保持される小さな穀粒画分を含む流れに戻す。
第3の回転篩30により保持される大きな画分をその後、第4の回転篩31に通す。これは、大きな画分から粉を除去する。保持される大きな画分が「ふすま画分」であり、酵素加水分解による処理に好適なものである。
図1、図2又は図3によるより粗い画分(「ふすま画分」)をその後、図4に示される湿式システムに移行してもよい。ここでは、より粗い画分を反応ベッセル11に使用される酵素及び水とともに導入して、スラリーを生成する。pH制御センサ(図示せず)及び加熱ジャケット又は他の温度制御手段(図示せず)を反応ベッセルに取り付ける。反応した混合物を、湿式ミル18及び熱交換器12を介して、デカンタの形態の分離機13に移行し、ここでは、一番上の画分/層を更なる反応ベッセル14に移行し、ここで上層を水と混合して、デカンタ15において除去される任意の捕捉されたタンパク質の分離によって生成物を洗浄する。水性の上層はその後、本方法のための出発物質として使用することができる。
図5は、本発明の方法を実施するのに使用され得るシステムの態様の概略図を示すものである。出発物質を反応ベッセル40に入れる。任意に、水を添加して(図示せず)、出発物質を希釈し、所望の濃度のβ−グルカンを得る。任意に、出発物質を酸又はpHを変える他の手段により処理して(図示せず)、所望のpHとすることができる。任意に希釈された出発物質をその後、所望の温度に加熱する。所望の温度、及び該当する場合には所望のpHに達したら、1つ以上の酵素を反応ベッセル40に添加する。複数の酵素を使用する場合、それらは、各酵素による所望の分解度(degree or degradation)に応じて定められる、酵素を添加する期間に、同時に又は順次添加してもよい。
1つ以上の酵素を添加した後、所望の分解度を得ることができるのに十分な期間、酵素分解を進行させる。反応ベッセル40内の組成物をその後、熱交換器42に通す。反応混合物をその後、1つ以上の酵素を変性するのに十分な温度に加熱する。任意に、耐熱性のマルトデキストリンを分解するために、組成物を150℃以上の温度に加熱してもよい。
熱交換器42に通した後、組成物を槽44に移動し、任意に、防腐剤を添加する。ここで、組成物を自然冷却させ、所望の期間、例えば2週間、4週間又は5週間沈殿させる。
十分に沈殿したら、その後、組成物を膜濾過システム46に通して、膜濾過する。組成物をその後、槽48に移動し、ここで任意に防腐剤(又は更なる防腐剤)を添加してもよく、またβ−グルカンの濃度を調節してもよい。得られる液体組成物は、β−グルカンを含み、油及びタンパク質が少ない。
本発明により作製される液体組成物の効果について臨床研究を行った。
試行1:皮膚刺激の低減
本発明の方法により作製される液体組成物の性能を研究及び数値化するために、23歳〜54歳の5人の被験体を本研究に導入した。内側前腕領域の手首と肘の中間部分を、試験範囲に指定した。2箇所の2cm×2cm(4cm)の試験サイトの輪郭を、ゲンチアナバイオレットの外科用スキンマーカー及び標準テンプレートを用いて描いた。初診時には、両試験サイトに皮膚に刺激を与えるために(紅斑の誘発)、蒸留水に希釈した1.5%のラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を適用した。0.2mlの1.5%のSLSを低アレルギー性の密閉パッチ上に投与した。パッチは、右及び左の前腕に位置する試験サイトに直接貼り、試験範囲を濡らさない又は露出しないという指示を与えて、被験体を解散させた。24時間後、試験責任者がパッチを外し、皮膚刺激の程度を判定した。本発明の方法により作製される液体組成物による処理を、サイト1(左前腕)に割り当てて、サイト2(右前腕)は、対照として未処理のままとした。各パネリストに、試験品を指定した試験サイトに1日2回(午前及び午後)塗布するように頼んだ。1回目の塗布は、試験施設でSLS飽和パッチを取った15分後に行った。正しい量の試験品(2mg/cm)を試験サイトに送達することを保証するために、各パネリストには、必要な体積まで試験品を充填した3つのシリンジを与えた。皮膚刺激の低減をモニタリングするために、ベースラインにおいて、並びに試験材料を最初に塗布した2時間後、8時間後及び24時間後に再度、パネリストを評価した。熟練技術者により、0(いずれの効果も証拠なし)から4(水泡の発生又は滲出(weeping)を伴うか又は伴わない濃い赤色の紅斑)までの尺度を用いて実施される等級分けにより、反応を客観的に評価した。
処理されるサイトにおける刺激は、2時間後に平均22%、4時間後に39%、24時間後に55%低減した。処理しなかったサイトについての対応する数値は、2時間後に11%、4時間後に17%、24時間後に28%であった。これは図6に見ることができる。四角の線は対照サイトにおける平均的な刺激を表しており、ダイアモンドの線は処理したサイトを表している。これにより、皮膚刺激を低減させる本発明の方法により作製される組成物の効能が証明される。
試行2:UV線により誘発される紅斑の防止
本発明の方法により作製される液体組成物がUV光により引き起こされる紅斑を防止する効力を研究及び評価するために、23歳〜55歳の5人の被験体を本研究に導入した。パネルは、Federal Register Vol. 64, No. 98:27690, 1999)により規定される肌タイプI、II及びIIIを有する白い肌の個体からなるものとした。研究開始前少なくとも7日間、美白剤及び日焼け止め製品をいずれも使用せず、また日光浴又は日焼けマシーンの使用を控えるよう被験体に指示を与えた。背中の肩甲骨下の範囲を正中線の右側及び左側に対して使用した。この範囲内において、1箇所の30cm(10cm×3cm)の矩形の試験サイト及び7箇所の9cm(3cm×3cm)の試験サイトの輪郭を、ゲンチアナバイオレット外科用スキンマーカーを用いて描いた。試験サイト1をUV曝露前に本発明の方法により作製される液体組成物で処理した。使用した光源は、290nm〜320nmのDVB範囲における連続発光スペクトルを伴うXenon Arc Solar Simulatorとした。産出されるUVスペクトルは実質的に、自然の太陽光のものに等しい。1.0MED〜1.5MEDのUV曝露を試験サイト1に当てた。試験サイト5を対照として用い、1.0MED〜1.5MEDのUV光への曝露前に、本発明の方法により作製される液体組成物で処理しなかった。紅斑がなくなる(恒常性へと戻る)まで、曝露の24時間後、及びその後およそ24時間毎に、紅斑反応の遅延を試験サイトそれぞれについて記録した。外観の等級分けは、熟練技術者により、0(紅斑なし)から5(紅斑及び小胞内の浮腫)までの尺度を用いて行った。実験室規模の写真を、ベースラインにおいて及び最初に塗布した72時間後に再度撮った。
試験サイト1におけるUV線により誘発される紅斑(本発明の方法により作製される液体組成物により前処理した)は、24時間後に44%、48時間後に72%低減した。処理しなかったサイト5についての対応する数値は、24時間後に0%、48時間後に20%であった。これにより、本発明の方法により作製される液体組成物が、UV線により誘発される紅斑を防止するのに有効であることが証明される。
試行3:UV線により誘発される紅斑の低減
本発明の方法により作製される液体組成物がUV光により引き起こされる紅斑を低減する効力を研究及び評価するために、23歳〜55歳の5人の被験体を本研究に導入した。パネルは、Federal Register Vol. 64, No. 98:27690, 1999)により規定される肌タイプI、II及びIIIを有する白い肌の個体からなるものとした。研究開始前少なくとも7日間、美白剤及び日焼け止め製品をいずれも使用せず、また日光浴又は日焼けマシーンの使用を控えるよう被験体に指示を与えた。背中の肩甲骨下の範囲を正中線の右側及び左側に対して使用した。この範囲内において、1箇所の30cm(10cm×3cm)の矩形の試験サイト及び7箇所の9cm(3cm×3cm)の試験サイトの輪郭を、ゲンチアナバイオレット外科用スキンマーカーを用いて描いた。試験サイト3に、290nm〜320nmのDVB範囲における連続発光スペクトルを伴うXenon Arc Solar Simulatorによる光を用いてUV曝露を施した。産出されるUVスペクトルは実質的に、自然の太陽光のものに等しい。1.0MED〜1.5MEDのUV曝露を、試験サイト3及び試験サイト5の両方に当てた。試験サイト5を対照として用い、1.0MED〜1.5MEDのUV光への曝露後に、本発明の方法により作製される液体組成物で処理しなかった。試験サイト7は、本発明の方法により作製される液体組成物で処理することも、UV曝露を施すこともしなかった。紅斑がなくなる(恒常性へと戻る)まで、曝露の24時間後、及びその後およそ24時間毎に、紅斑反応の遅延を試験サイトそれぞれについて記録した。外観の等級分けは、熟練技術者により、0(紅斑なし)から5(紅斑及び小胞内の浮腫)までの尺度を用いて行った。実験室規模の写真を、ベースラインにおいて及び最初に塗布した72時間後に再度撮った。
試験サイト3におけるUV線により誘発される紅斑(UV線への暴露後、本発明の方法により作製される液体組成物により処理した)は、24時間後に30%、48時間後に50%低減した。処理しなかったサイト5についての対応する数値は、24時間後に0%、48時間後に20%であった。サイト7では、紅斑は記録されなかった。これにより、本発明の方法により作製される液体組成物が、UV線により誘発される紅斑を低減するのに有効であることが証明される。
試行4:毛髪の強化
本発明の方法により作製される液体組成物が毛髪を強くする効力を研究及び評価するために、23歳〜30歳の3人の女性被験体を本研究に導入した。毛髪を事前に整え、また局所処理の一貫性を保つために、被験体は、開始前7日間、対照用シャンプーの使用を求められ、研究期間の間、対照用シャンプー及び試験品のみの使用が求められた。試験品は、5%の本発明の方法により作製される液体組成物を唯一の有効成分として含有する洗い流さないコンディショニングセラムからなるものとした。研究の初日に、試験施設に到着した各パネリストの頭を洗った。熟練技術者が、パネリスト各々の頭から10本の毛髪(右前、右後ろ、左前、左後ろ、中央の試験サイトそれぞれから2本ずつ)を抜き取った。抜き取るプロセスでは、熟練技術者は、同様の長さの毛髪を選択した。各毛髪は、美容用のピンセットを用いて、可能な限り頭皮に近い1本の毛髪を一度に掴み、素早く引き抜くことによって頭皮から抜き取った。各毛髪はDia-Stron社製のレオメータを用いて引張強度について別個に評価した。被験体は全員、試験品を1日1回、5日間連続で使用するよう指示を受けた。研究の5日目には、試験品を朝に塗布して、最後の評価のために研究室に戻るよう、パネリストに頼んだ。熟練技術者が、パネリスト各々の頭から10本の毛髪を抜き取って、引張強度解析を行った。データ元は、最初の塗布前及び使用の5日後に再度収集されたDia-Stron社製のレオメータの示度である。統計的解析に使用されるデータは、ベースラインからの変化を反映するものである。
本研究の結論において収集される示度は、試験材料を塗布する前の本研究の開始時に得られる示度と比較して21.68%の髪の引張強度の改善を示した。これらの結果は図7に見ることができる。これにより、本発明の方法により作製される液体組成物が、毛髪を強くする上で有効であることが証明される。
上の実施形態は、本発明の実例として理解されるべきものである。本発明の更なる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態と関連して記載される任意の特徴は単独で使用されてもよく、又は記載される他の特徴と組み合わされてもよく、また任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合せて使用されてもよく、又は任意の他の実施形態の任意の組み合せであってもよいことが理解される。さらに、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく上に記載されていない均等物及び変更も採用され得る。

Claims (46)

  1. 少なくとも2つの多糖類と、5%w/w以下の油と、1%w/w以下のタンパク質とを含む混合物をプロセス処理する方法であって、該多糖類の1つがβ−グルカンであり、少なくとも1つの多糖類がβ−グルカンではなく、該方法が、
    (a)前記混合物に、β−グルカンでない少なくとも1つの多糖類を少なくとも一部分解する少なくとも1つの酵素処理を施すことと、
    (b)前記酵素処理された混合物を濾過することと、
    を含む、方法。
  2. 前記混合物が4%w/w以下の油を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記混合物が2%w/w以下の油を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記混合物が1%w/w以下の油を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記濾過手段が膜濾過である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記膜濾過が、約0.45μm〜1.5μmの細孔を有するフィルタの使用を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記フィルタが、約0.8μm〜1.0μmの細孔を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 酵素処理及び濾過前に、前記β−グルカンが、前記混合物中に約1.5%w/wの量で存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも2つの酵素処理を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 少なくとも3つの酵素処理を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記酵素処理の少なくとも1つが、β−グルカンを分解する酵素による処理を含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. β−グルカンを分解する酵素による前記処理を、前記方法の少なくとも1つの他の酵素処理とは別に行う、請求項11に記載の方法。
  13. 前記β−グルカンを分解する酵素による前記処理を、前記方法の全ての他の酵素処理とは別に行う、請求項12に記載の方法。
  14. 前記β−グルカンを分解する酵素による前記処理を、前記方法の少なくとも1つの他の酵素処理の少なくとも一部と同時に行う、請求項11に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの酵素処理が、α−アミラーゼによる処理を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記酵素処理が、アミログルコシダーゼによる処理を含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. アミログルコシダーゼによる前記処理が、前記混合物を約50℃〜約60℃の温度に約1時間以内維持することを含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記酵素処理中、前記混合物に高剪断力をかける、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 少なくとも5分間、前記混合物に前記高剪断力をかける、請求項18に記載の方法。
  20. 95℃〜109℃の温度で前記混合物に前記高剪断力をかける、請求項18に記載の方法。
  21. 100℃〜109℃の温度で前記混合物に前記高剪断力をかける、請求項18に記載の方法。
  22. 107℃〜109℃の温度で前記混合物に前記高剪断力をかける、請求項18に記載の方法。
  23. 前記酵素処理前に、前記混合物を135℃に加熱する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記混合物を少なくとも140℃に加熱する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記混合物を少なくとも150℃に加熱する、請求項23に記載の方法。
  26. 前記混合物を150℃〜160℃に加熱する、請求項23に記載の方法。
  27. 前記混合物のpHを約1.4〜2.0まで低下させる、請求項20〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. pHの前記低下を約1.6〜1.8までとする、請求項27に記載の方法。
  29. 前記酵素処理前に前記混合物を自然冷却させる、請求項20〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 少なくとも1つの酵素処理工程が、前記混合物を加熱することを含み、続いて該混合物を自然冷却させる、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記少なくとも1つの酵素処理後、及び前記濾過前に、前記混合物を少なくとも2週間放置する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記少なくとも1つの酵素処理後、及び前記濾過前に、前記混合物を少なくとも4週間放置する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記少なくとも1つの酵素処理後、及び前記濾過前に、前記混合物を少なくとも5週間放置する、請求項32に記載の方法。
  34. β−グルカンでない少なくとも1つの多糖類を6DPに分解する、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. β−グルカンでない多糖類の約92%を6DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記β−グルカンでない少なくとも1つの多糖類を5DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  37. β−グルカンでない少なくとも1つの多糖類の約92%を5DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  38. β−グルカンでない少なくとも1つの多糖類を4DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  39. β−グルカンでない多糖類の約92%を4DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記β−グルカンでない少なくとも1つの多糖類を1DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  41. β−グルカンでない多糖類の約92%を1DPに分解する、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記多糖類の少なくとも95%を前記DPに分解する、請求項35、37、39及び41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 濾過後、β−グルカンの濃度が2%w/wである混合物を得るように、該濾液を希釈又は濃縮する、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 濾過後、β−グルカンの濃度が1.5%w/wである混合物を得るように、該濾液を希釈又は濃縮する、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
  45. 濾過後、β−グルカンの濃度が1%w/wである混合物を得るように、該濾液を希釈又は濃縮する、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記混合物中における前記β−グルカンの平均サイズが約800000ダルトンである、請求項1〜45のいずれか一項に記載の方法。
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