JP2006037016A - 鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出法 - Google Patents

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Katanori Nishimura
賢了 西村
Masako Yunogami
雅子 湯之上
Kei Oyo
ケイ 欧陽
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Abstract

【解決手段】 鹿角霊芝を爆砕処理し、次いで微粉砕した後微アルカリ性緩衝液中でプロテアーゼの存在下又は非存在下で加温処理してβ−グルカンを抽出することを特徴とする鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法。
【効果】 本発明により鹿角霊芝からβ−グルカンの豊富な抽出液を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

この発明は、鹿角霊芝からβ−グルカンを抽出する方法に関する。
従来霊芝などの硬質きのこの粉砕処理方法としては、きのこ類を凍結粉砕する方法(特許文献1)、きのこ類を爆砕処理する方法(特許文献2)等が知られている。また霊芝を粗く切断または粉砕した後、熱水により有効成分を抽出し、残さを粉砕する処理方法も提案されている(特許文献3)。また、霊芝から生理活性エキスの製法として、霊芝の子実体を水で抽出する工程、抽出液を限外ろ過する工程、抽出液を有機溶剤と混合する工程を組合わせて霊芝から生理活性エキスを製造する方法が提案されている(特許文献4)。
特開昭61-151130号公報 特開平7-147926号公報 特開平2-240026号公報 特開昭63-72629号公報
従来の方法、例えば粉砕処理によるものまたは爆砕処理のみでは抽出効率が不十分であり、また、熱水、溶剤などで抽出精製する方法では抽出効率が不十分であるばかりでなく、比較的高価になり、実用性の点で問題がある。そこで、鹿角霊芝からβ−グルカンを効率的に抽出する方法の開発が望まれている。
本発明は、以下のことを要旨とするものである。
即ち(1)本発明は、鹿角霊芝を爆砕処理し、次いで微粉砕した後微アルカリ性緩衝液中でプロテアーゼの存在下又は非存在下で加温処理してβ−グルカンを抽出することを特徴とする鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法である。
(2)本発明は、上記微粉砕を鹿角霊芝の平均粒径が3μmとなるまで行うことを特徴とする上記(1)記載の鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法である。
(3)本発明は 爆砕処理が鹿角霊芝を飽和水蒸気で加圧蒸煮後、瞬間的に常圧に戻して膨化破壊して行うことを特徴とする上記(1)又は(2)記載の鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法である。
(4)さらに、本発明は、加温処理を55〜60℃望ましくは58℃で16〜20時間行うことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法である。
この発明は、鹿角霊芝を爆砕処理し、3μmまで微粉砕し、微アルカリ性緩衝液中で加温処理して抽出または微アルカリ性緩衝液中で酵素(プロテアーゼ)を用いて加温処理して抽出を行うことにより、水溶性β−グルカンなどの有効成分の収量を増加させることができる。
この発明は、鹿角霊芝を爆砕処理し、次いで微粉砕した後、微アルカリ性緩衝液中でプロテアーゼの存在下又は非存在下で加温処理してβ−グルカンを抽出することを特徴とする鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法であり、さらに鹿角霊芝を爆砕処理した後、3μmまで微粉砕し、微アルカリ性緩衝液中で加温処理して抽出または微アルカリ性緩衝液中で酵素(プロテアーゼ)を用いて加温処理して抽出を行うことであり、それによりβ−グルカンの抽出効率を向上させるものである。また、残さは不溶性β−グルカンや食物繊維を含むので健康食品として使用可能である。
本発明の爆砕処理は、飽和水蒸気を1分〜15分間加圧蒸煮後、瞬間的に常圧に戻して膨化破壊した処理方法により行う。これにより鹿角霊芝を和らげ、有効成分の抽出が容易となる。
前記鹿角霊芝のような硬質きのこについては、爆砕処理効果が特に大きい。
またこの発明の微粉砕処理は、特許第2564398号公報記載の方法により行った。即ち、粉砕する原料に数百MHZ帯の交流磁界を加え、物体の分子を激しく振動させ、分子間の結合力を弱めると同時に物体自身が内部より熱を発し、簡単な衝撃を加えることにより行う。
加温処理は、55〜60℃望ましくは58℃で16〜20時間行う。また、微アルカリ性緩衝液(PH8〜10望ましくはPH9.0)としては、リン酸緩衝液等を使用することができる。
本発明により爆砕処理し、3μmまで微粉砕した鹿角霊芝、抽出したβ−グルカン及び残さは次のように使用される。
爆砕処理後3μmまで微粉砕した鹿角霊芝は粉末のまま、または他の賦型剤とともに錠剤やカプセルとして使用する。また、抽出液としたものは健康ドリンクや、β−グルカンをアルコール沈でんなどで取り出して使用する。残さは食物繊維健康食品として利用できる。
[実験例1]
鹿角霊芝を爆砕処理し、3μmに微粉砕した。
また対照物としては、鹿角霊芝を風乾後粉砕器で粉砕し、25μmとしたものを試料とした。
爆砕処理後3μmまで微粉砕したものと、未処理物の試料0.5gにリン酸緩衝液を25ml加え、酵素ターマミル(耐熱性アルファアミラーゼ)(ノボザイムス社製)を50μl入れて沸騰浴中で30分間インキューベートし、放冷後、水酸化ナトリウム溶液を用いてPH7.5に調整し、プロテアーゼ溶液を50μl加え、60℃で30分間インキューベートし、放冷後、塩酸を用いてPH4.3に調整し、アミログリコシダーゼを50μl加え、60℃で30分間インキュベートした後、セライトを敷いたガラスフィルターでろ過し、抽出した液体と残渣を分離させる。抽出液体に4倍量の60℃の95%アルコールを加え、生成した沈でん物を遠心分離機で分離し、得た沈でん物を80%エタルールで3回、アセトンで1回洗浄後、硫酸1.0mlを加え、20℃で4時間作用し、水を14ml入れ、2時間加水分解させ、冷却後、PH7.0に中和し、グルコースキットでβ―グルカンを測定。
前記の実験の結果は表1に示した通りである。
Figure 2006037016
表1によれば、爆砕処理で、硬質鹿角霊芝の繊維質を和らげ、微粉砕処理で3μmまで細かく粉砕して得た粉末は有効成分β―グルカンの水溶性としての抽出量が未処理物より高いことが分かった。
[実験例2]
抽出方法
前記爆砕処理後3μmまで微粉砕した試料0.5gに蒸留水25ml加え、沸騰浴温中で4時間抽出する。
前記爆砕処理後3μmまで微粉砕した試料0.5gに蒸留水25ml加え、121℃で1時間抽出する。
前記爆砕処理後3μmまで微粉砕した試料0.5gにリン酸緩衝液を25ml加え、PH9.0で、58℃16時間抽出する。
前記爆砕処理後3μmまで微粉砕した試料0.5gにリン酸緩衝液を25ml加え、PH9.0で、酵素(プロテアーゼ)を0.01g添加し、58℃で16時間抽出する。
ろ過し、抽出した液体と残渣を分離する。抽出液体に4倍量の60℃の95%アルコールを加え、生成した沈でん物を吸引ろ過によりセライトを敷いたガラスフィルター上に回収する。
[分析方法]
抽出液中グルコース:グルコースキットで測定
抽出液中全糖量:2N硫酸2時間加水分解後グルコースキットで測定
エタノール沈でん物全糖量:エタノール沈でん物を80%エタノールで3回洗浄後アセトンで脱水し、減圧乾燥した残さを2N硫酸で2時間加水分解後グルコースキットで測定。
前記実験の結果を表2に示した。
Figure 2006037016
表2によれば、爆砕処理後3μmに微粉砕し、PH9.0で酵素(プロテアーゼ)を用いて58℃16時間処理すれば5%以上の水溶性β―グルカンを抽出できることが分かった。
以下実施例を挙げた本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
飽和水蒸気を1分〜15分間加圧蒸煮後、瞬間的に常圧に戻して膨化破壊した処理方法で爆砕処理した後、特許第2564398号公報記載の方法により3μmまでの微粉砕を行った。即ち、粉砕する原料に数百MHZ帯の交流磁界を加え、物体の分子を激しく振動させ、分子間の結合力を弱めると同時に物体自身が内部より熱を発し、簡単な衝撃を加えることにより、3μmまで微粉砕処理した鹿角霊芝5gにPH9.0のリン酸緩衝液500mlを加え、58℃で16時間処理した結果、4.6%のβ―グルカンが抽出された。
実施例2
実施例1と同様に処理した鹿角霊芝5gにPH9.0のリン酸緩衝液500mlとプロテアーゼ50mgを加え、58℃で16時間処理した結果、5.1%のβ―グルカンが抽出された。

Claims (4)

  1. 鹿角霊芝を爆砕処理し、次いで微粉砕した後微アルカリ性緩衝液中でプロテアーゼの存在下又は非存在下で加温処理してβ−グルカンを抽出することを特徴とする鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法。
  2. 微粉砕処理が鹿角霊芝の平均粒径が3μmとなるまで行うものであることを特徴とする請求項1記載の鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法。
  3. 爆砕処理が鹿角霊芝を飽和水蒸気で加圧蒸煮後、瞬間的に常圧に戻して膨化破壊して行うものであることを特徴とする請求項1又は2記載の鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法。
  4. 加温処理が55〜60℃望ましくは58℃で16〜20時間行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項記載の鹿角霊芝からのβ−グルカン抽出処理方法。
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