JP6745510B2 - キチンオリゴマー、n−アセチルグルコサミン及び1−o−アルキル−n−アセチルグルコサミンの製造方法 - Google Patents

キチンオリゴマー、n−アセチルグルコサミン及び1−o−アルキル−n−アセチルグルコサミンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、酸触媒を用いたキチンの加水分解反応により、キチン含有バイオマスからキチンオリゴマー、N−アセチルグルコサミン(NAG)及び1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンを製造する方法に関する。
キチンは、NAGがβ−1,4−グリコシド結合した含窒素多糖高分子であり、エビ、カニなどの甲殻類、昆虫類、キノコなどの真菌に含まれる、自然界に豊富に存在するバイオマスである。
キチンの加水分解生成物や加アルコール分解生成物などの加溶媒分解生成物には、様々な効果効能を有し各種機能素材として利用できるものがある。
例えば、加水分解生成物であるNAGが2〜7個程度重合したキチンオリゴマーは、NAG取得のための前駆体として有用な成分であることに加え、抗腫瘍、免疫賦活、抗菌の作用(Trend Food Sci. Technol., 1999, 10, 37-51;非特許文献1)や、ビフィズス菌増殖による腸内環境調整作用、植物生体防御機構活性化作用であるエリシター活性が報告されており、医薬用素材、機能性食品、農業資材としても注目されている。
また、加水分解生成物の単量体であるNAGは、体内に取り込まれることによりヒアルロン酸などのムコ多糖類の生合成を促進して、ひざ・関節痛の改善や美肌・保湿などの効果が認められる成分であり、同様の効果を示すグルコサミンより苦みがなく、利用効率が高いことから、近年、機能性食品、医薬関連原料、美容関連原料としての利用が期待されている。
さらに、メタノールの加アルコール分解生成物であり、NAG誘導体である1−O−メチル−N−アセチルグルコサミン(以下、MeNAGと略記することがある。)は、血球凝集を阻害することによるインフルエンザ及びがんの抑制効果を有していることから医薬品原料として注目されており(Arch. Biochem. Biophys., 1987, 259, 79-88;非特許文献2、J. Biol. Chem., 1989,264, 173-177;非特許文献3)、さらに有機触媒(Eur. J. Org.Chem., 2012, 6390-6406;非特許文献4)、リガンド(J. Org. Chem., 1997, 62, 6012-6028;非特許文献5)、ゲル化剤(Tetrahedron, 2010, 66, 5962-5971;非特許文献6)などへの用途展開の可能性が示されている物質である。
酸を用いる、キチンからのキチンオリゴマーやNAGの製造方法としては、キチンに濃塩酸を用いて40℃前後の加熱条件で3〜4時間の反応を行い部分加水分解してオリゴマーを生成させ、引き続き後工程を行う方法が開発されている(特公平5−33037号公報;特許文献1、特開2009−167140号公報;特許文献2、特許5426099号公報;特許文献3)。特許文献1及び2では、後工程に酵素反応を導入し、特許文献3では後工程に冷却晶析を導入してNAGの生成している。しかしながら、これらの方法は、酸触媒のモル数に対する、基質であるキチン中のN−アセチルグルコサミン単位(C813NО5)のモル数の比(以下、S/C比と略記する。)が0.08〜0.14であって、基質に対して大量の濃塩酸が使用されている上、製造されるオリゴマーやNAGのキチンに対する収率が低いという問題がある。また別の酸では、硫酸を用いて0〜50℃で5分〜2時間の処理をする方法も開発されている(特開2002−88093;特許文献4)が、この方法もS/Cは0.05〜0.5であり大量の硫酸を使用している。
このように現在開発されている酸を用いる製造方法は、いずれも危険な強酸を大量に用いるため、環境負荷とコストがかかるという問題がある。
一方、酸を用いず、キチンに対してキチン分解酵素生産能を有する微生物を利用する方法が提案されている(特開2004−41035号公報;特許文献5、特開2008−253252号公報;特許文献6)。しかし、これらの方法は、4〜5日の長時間を要し、キチンの分解効率も低く、生産性が低いという問題を抱えている。
また、MeNAGは、特許文献1〜3に記載の通り、塩酸でキチンを部分加水分解して作成したキチンオリゴマーに、メタノールを加えて加熱する加メタノール分解法により製造されているが、この場合も大量の酸を使用する問題がある。
以上のことから、生産性が高く効率的で、酸の使用量が少なく環境負荷が低いキチンオリゴマー、N−アセチルグルコサミン及び1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンを製造する方法の確立が望まれている。
特公平5−33037号公報 特開2009−167140号公報 特許5426099号公報 特開2002−88093公報 特開2004−41035号公報 特開2008−253252号公報
Trend Food Sci.Technol.,1999,10,37−51 Arch.Biochem.Biophys.,1987,259,79−88 J.Biol.Chem.,1989,264,173−177 Eur.J.Org.Chem.,2012,6390−6406 J.Org.Chem.,1997,62,6012−6028 Tetrahedron,2010,66、,5962−5971
本発明の目的は、従来法よりも酸触媒を少ない量用いたキチン含有バイオマスの加水分解反応によりキチンオリゴマー、N−アセチルグルコサミン及び1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、酸触媒を用いたキチン含有バイオマスの加水分解反応において、従来法に比べて少量の酸触媒と水の存在下でキチン含有バイオマスを物理的に粉砕することにより部分加水分解してキチンオリゴマーを製造できることを見出した。また、このキチンオリゴマーに水を加えて加熱し、加水分解することによりN−アセチルグルコサミンを製造できること、さらに、キチンオリゴマーにアルコールを加えて加熱し、加アルコール分解することにより、1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[9]のキチンオリゴマーの製造方法、[10]〜[11]のN−アセチルグルコサミンの製造方法、及び[12]〜[15]の1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法に関する。
[1] キチン含有バイオマスを、硫酸、硝酸、塩酸及び過塩素酸から選択される酸触媒及び水の共存下で粉砕装置を用い粉砕しつつ部分加水分解することを特徴とするキチンオリゴマーの製造方法。
[2] 前記酸触媒が硫酸である前項1に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[3] 前記酸触媒のモル数(C)に対するキチン中のN−アセチルグルコサミン単位(C813NО5)のモル数(S)の比(S/C)が0.2〜20である前項1または2に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[4] 予め酸触媒を含浸させたキチン含有バイオマスを水の存在下で粉砕する前項1〜3のいずれかに記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[5] 酸触媒を溶解した溶媒とキチン含有バイオマスを混合し、その後溶媒を除去して酸触媒をキチン含有バイオマスに含浸させ、得られた酸触媒を含浸させたキチン含有バイオマスを水の存在下で粉砕する前項4に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[6] 前記溶媒が、キチン含有バイオマスを変性させず、酸触媒活性を阻害せず、加熱あるいは蒸留で除去できるものである前項5に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[7] 前記溶媒が、水、ジエチルエーテル、ヘキサン、及びベンゼンから選択される前項6に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[8] 粉砕装置がボールミルである前項1〜7のいずれかに記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[9] ボールミルが、遊星ボールミル、転動ボールミルのいずれかである前項8に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
[10] 前項1〜9のいずれかに記載の方法により得られたキチンオリゴマーに水を加えて加熱し加水分解することを特徴とするN−アセチルグルコサミンの製造方法。
[11] 加熱温度が100〜260℃である前項10に記載のN−アセチルグルコサミンの製造方法。
[12] 前項1〜9のいずれかに記載の方法により得られたキチンオリゴマーにアルコールを加えて加アルコール分解することを特徴とする1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法。
[13] アルコールが1価アルコールである前項12に記載の1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法。
[14] 前記アルコールがメタノールであり、前記1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンが1−O−メチル−N−アセチルグルコサミンである前項12または13に記載の製造方法。
[15] 加熱温度が120〜280℃である前項12〜14のいずれかに記載の1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法。
本発明によれば、キチン含有バイオマスから、酸触媒を用いてキチンオリゴマー、N−アセチルグルコサミン及び1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンを環境負荷を低減し、低コストで製造することができる。
酸触媒と物理的な力の相乗効果によるキチンのグリコシド結合のみの切断を示す図である。 反応温度190℃で実施したキチンオリゴマーの加水分解反応(実施例2)の温度プロファイルを示す。 本発明によるキチンからの、キチンオリゴマー、N−アセチルグルコサミン、及び1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの合成のスキームを示す。
以下、本発明方法の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明の代表的な例を示したものであり、本発明はそれらに限定されるものではない。
キチン含有バイオマス(固体基質):
バイオマスとは一般的には「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」を指すが、本発明で使用する「キチン含有バイオマス」(以下、固体基質ということがある。)は、例えば、エビ、カニなどの甲殻類、節足動物、昆虫類、イカ、貝、沖アミなどの殻や表皮、キノコなどの菌類の細胞壁などの主にキチンを含むバイオマスである。
キチン含有バイオマスは、精製処理してあるものでも、精製処理してないものでも用いることができる。精製処理してあるものとしては、アルカリによるタンパク質の溶解、酸によるカルシウムの溶解などの処理をした後に、中和、固液分離、水洗などの処理をしてタンパク質やカルシウムなどの不純物の除去を行い、少なくともキチンを含有するものが挙げられる。さらに、工業的に調製したキチンなどでもよい。
キチン含有バイオマスは、不純物として原料由来のタンパク質、リン酸、鉄、銅、亜鉛、モリブデン、珪素、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどを含有してもかまわない。
キチン含有バイオマスの形態は、乾体でも湿体でもかまわず、結晶性でも非結晶性でもかまわない。キチン含有バイオマスは反応に先立ち粗粉砕することが望ましい。粗粉砕により触媒との接触性が増加して、加水分解反応が促進される。従って、キチン含有バイオマスの形状・大きさは、粉砕するのに適していることが好ましい。そのような形状・大きさとしては、例えば粒径が20〜1000μmの粉体状が挙げられる。
粗粉砕処理は、例えば、シュレッダー、ジョークラッシャー、ジャイレトリクラッシャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャー、ロールクラッシャー、及びロールミルなどの粗粉砕機、スタンプミル、エッジランナ、切断・せん断ミル、ロッドミル、自生粉砕機及びローラミルなどの中粉砕機を用いて実施することができる。原料の処理時間は、処理後原料が均一に微粉化されるのであれば限定されるものではない。
酸触媒:
本発明において用いる酸触媒は、キチンを加水分解できる触媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、主成分であるキチンの主鎖を形成しているβ−1,4グリコシド結合を加水分解する活性を有する触媒が好ましい。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、硝酸、過塩素酸などの強酸を用いることができる。また、これらを併用することも可能である。酸触媒によるキチン含有バイオマスの加水分解速度を高めることができることから、硫酸、塩酸、硝酸がより好ましく、硫酸が最も好ましい。
本発明は、図3のスキームに示すように、固体基質中のキチンを部分加水分解してキチンオリゴマーを製造する方法(方法1)、方法1で製造したキチンオリゴマーを水中で加水分解してN−アセチルグルコサミンを製造する方法(方法2)、及び方法1で製造したキチンオリゴマーをアルコール溶媒中で加アルコール分解して1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンを製造する方法(方法3)からなる。以下、各方法を説明する。
方法1(部分加水分解反応):
固体基質の部分加水分解は、基質に酸触媒を含浸させた後、粉砕による機械応力を掛けることにより行う。なお部分加水分解とは、キチンの解重合生成物の大部分が水溶性のオリゴマー単位に留まり、モノマー単位まで達する解重合が少ない加水分解反応のことを言う。
キチンは、NAGのポリマー主鎖を形成するβ−1,4グリコシド結合と、C2位に側鎖を形成しているアセトアミド基(−NHCOCH)のアミド結合の2つの加水分解対象となる結合を有するが、本発明の目的化合物はいずれも、側鎖のアセトアミド基を有するものであるため、主鎖のβ−1,4グリコシド結合が選択的に加水分解されることが重要である。
酸触媒(C)と固体基質(S)の比率は、特に限定されるものではないが、反応時の部分加水分解効率、反応後の基質残渣低減の観点から、S/Cのモル比が0.2〜20で行うことができ、0.5〜15が好ましく、1〜10がより好ましい。
固体基質への酸触媒の含浸方法は、それぞれを直接混合して行うことができる。また酸触媒を溶解した溶媒と基質を混合したのち、溶媒を蒸留や加熱することにより除去することもできる。使用する溶媒は、基質を変性せず、酸触媒活性を阻害も失活もせず、不揮発性でない(すなわち、加熱・蒸留で除去できる)ものであれば特に限定されない。例えば、水、ジエチルエーテル、ヘキサン、ベンゼンなどが適当である。
部分加水分解時の水分は、酸触媒を含浸した固体基質に物理吸着した水分が1〜3質量%程度あれば十分に部分加水分解を賄えるので、通常は水を添加しなくても問題ないが、水を添加することもできる。
酸触媒を含浸した固体基質を粉砕することにより、部分加水分解を実現することができる。ここでの粉砕の効果としては、固体基質が微粉化されることによる、含浸した酸触媒のより均一な拡散、比表面積増大に伴う物理応力の伝達効率の向上、キチンのアモルファス化による固体基質の加水分解性の向上が考えられる。
粉砕処理に用いる装置としては、ポットミル、チューブミル、コニカルミルなどの転動ボールミル、旋回流型ジェットミル、衝突タイプジェットミル、流動層型ジェットミル、湿式タイプジェットミルなどのジェット粉砕機、らいかい機(擂潰機)、オングミルなどのせん断ミル、乳鉢、石うすなどのコロイドミル、ハンマーミル、ケージミル、ピンミル、ディスインテグレータ、スクリーンミル、ターボ型ミル、遠心分級ミルなどの衝撃式粉砕機、さらには自転及び公転の運動を採用した種類の粉砕機である遊星ボールミルなどが挙げられる。
本発明の目的である、主鎖のグリコシド結合の選択的な加水分解の実現の観点からは、用いる粉砕装置は、固体基質に圧縮力が強く加わり、主鎖の両方向に引っ張り応力が加えられるボールミルが好ましく、遊星ボールミル、転動ボールミルがより好ましく、遊星ボールミルが最も好ましい。
粉砕処理の温度は、側鎖のアセトアミド基を脱離させずに、主鎖のβ−1,4グリコシド結合を選択的に加水分解できれば、特に限定されるものではないが、常温〜60℃が好ましい。
粉砕処理の時間は、固体基質の部分加水分解が進み、水溶性になるのであれば、特に限定されるものではない。処理終点を見極めるために、経時的に取得したサンプルの水溶性を確認することが好ましい。
部分加水分解(方法1)で得られた反応生成物は、引き続き、後述の加水分解を行う方法2や加アルコール分解を行う方法3の原料として使用できる他、中和や脱塩などの精製処理を行いキチンオリゴマーとして使用することもできる。
方法2(加水分解反応)及び方法3(加アルコール分解反応):
方法2の加水分解反応、及び方法3の加アルコール分解反応では、いずれも方法1の部分加水分解で得られた反応生成物を原料として用いることができる。実際には、原料を溶媒(水またはアルコール)に溶解した後、加熱して反応を行う。方法2では溶媒に水を使用し、キチンオリゴマーからNAGが製造される。方法3では溶媒にアルコールを使用し、キチンオリゴマーからNAG誘導体である1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンが製造される。
方法3で使用する溶媒には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2メチル−1プロパノール、2−メチル−2−プロパノールなどの1価アルコールが好ましい。原料を溶解させて反応の効率や均一性を得るという観点から、溶媒は、メタノール、エタノールがより好ましく、メタノールが最も好ましい。
反応は、通常は、原料と溶媒の存在下、常圧で密閉した容器中で行う。例えば、溶媒が水の場合、水蒸気分圧が0.1MPa以上の加圧状態となる温度で行う。加圧状態となる加熱温度は、方法2の加水分解反応は、好ましくは100〜260℃、より好ましくは130〜230℃、さらに好ましくは150〜210℃である。また、方法3の加アルコール分解反応は、好ましくは120〜280℃、より好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは170〜230℃である。なお、加熱温度は反応時の溶液の温度である。当該範囲とすることで、目的生成物の製造収率を高めることができる。本発明の製造方法における反応は、通常はオートクレーブなどの密閉容器内で実施されるため、加熱開始時は常圧であっても、上記温度に反応系が加熱されると加圧状態となる。
さらに、反応前または反応中に密閉容器内を加圧し、反応することもできる。加圧する圧力は、例えば0.1〜30MPa、好ましくは1〜20MPa、さらに好ましくは2〜10MPaである。
反応における加熱では、室温から反応温度に到達する時間は、好ましくは5〜60分、より好ましくは5〜30分、さらに好ましくは5〜20分である。反応温度までに到達すると同時に、加熱を止めて冷却することが好ましい。このようにすることで、目的生成物の製造収率を高めることができる。
分解に用いる溶媒の量(原料1質量部に対する溶媒の質量比)は、少なくともバイオマスのキチンオリゴマーを全量加溶媒分解できる量であるが、反応混合物の流動性や撹拌性などを考慮して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは2〜350質量部、さらに好ましくは2〜200質量部である。当該範囲とすることにより、分解反応において高い生成物収率と生成物濃度を両立できる。
反応は反応混合物を撹拌しながら行うことが好ましい。反応形式は、バッチ式または連続式などのいずれでもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらの記載により何ら限定を受けるものではない。
[使用原料]
カニ殻を乾燥、粉砕し、高温の希水酸化ナトリウム水溶液と室温の希塩酸水溶液にそれぞれ数時間浸漬することにより、タンパク質、炭酸カルシウムを除去して精製したキチンを用いた。
[キチンの部分加水分解反応(方法1)]
比較例1:未処理キチン
精製したキチン(平均粒径73μm)をそのまま用いた。このサンプルを未処理キチンとする。
比較例2:硫酸含浸キチン
未処理キチン(平均粒径73μm)5.0g(NAG単位として24.6mmol)を硫酸0.3g(3.04mmol、S/C比8.1)を含むジエチルエーテル15mLに分散させた後、ジエチルエーテルを乾燥して取得した粉末を6時間静置した。このサンプルを硫酸含浸キチンとする。
比較例3:キチン粉砕物
未処理キチン(平均粒径73μm)5.0gを直径5mmのアルミナボール100gと共に容量250mLのアルミナポットに入れた。このポットを遊星ボールミル(フリッチュ社製、PULVERISETTE(登録商標)6)にセットして500rpmで10分間処理した後に10分間のインターバルを置くサイクルを12時間行った。このサンプルをキチン粉砕物(平均粒径42μm)とする。
比較例4:「キチン粉砕物+硫酸」
比較例3に記載のキチン粉砕物(平均粒径42μm)5.0g(NAG単位として24.6mmol)を硫酸0.3g(3.04mmol、S/C比8.1)を含むジエチルエーテル15mLに分散させた後、ジエチルエーテルを乾燥して取得した粉末を6時間静置した。このサンプルを「キチン粉砕物+硫酸」とする。
実施例1:硫酸含浸キチン粉砕物
未処理キチン(平均粒径73μm)5.0g(NAG単位として24.6mmol)を硫酸0.3g(3.04mmol、S/C比8.1)を含むジエチルエーテル15mLに分散させた後、ジエチルエーテルを乾燥して取得した4.9gの粉末を、直径5mmのアルミナボール100gと共に容量250mLのアルミナポットに入れた。このポットを遊星ボールミル(フリッチュ社製、PULVERISETTE6)にセットして500rpmで10分間処理した後に10分間のインターバルを置くサイクルを12時間行った。従って、インターバルを除いた粉砕処理の時間は6時間である。その結果、1.5質量%の物理吸着水を含有する粉末を得た。この手順により得た粉末サンプルを硫酸含浸キチン粉砕物とする。
[キチンの部分加水分解反応サンプルの溶解度測定]
実施例1及び比較例1〜4の各サンプル100mgを秤量して、蒸留水50mLに添加し振とうした後、10分間の超音波処理を行い、可溶分を溶解させた。一連の処理は温度25℃で行い、得られた懸濁液は、0.1μmのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のフィルターでろ過して、固体残渣はさらに5mLの蒸留水でろ過洗浄し、110℃のオーブンに入れて一晩乾燥した後、質量を測定し、以下の計算式で溶解度(可溶化率)を算出した。
溶解度(可溶化率)の測定結果を表1に示す。酸存在下でボールミル粉砕した実施例1の硫酸含浸キチン粉砕物サンプルは100%の溶解度を示したのに対し、未処理のキチン(比較例1)は0%で全く溶解性を示さなかった。また処理を施したものにおいても、酸添加のみ行った硫酸含浸キチンサンプル(比較例2)は3.7%、ボールミル粉砕のみ行ったキチン粉砕物サンプル(比較例3)は5.2%、ボールミル粉砕の後に酸添加した「キチン粉砕物+硫酸」サンプル(比較例4)は7.8%であり、いずれも大幅に低い溶解度しか示されなかった。
これらの結果から、酸触媒の添加、粉砕による機械的応力付与のそれぞれの処理によるキチンを加水分解し可溶化する効果は限定的であるが、2つの処理を同時に実施することにより格段の相乗効果が得られ、キチン可溶化を大幅に促進することが確認された。
[キチンの部分加水分解反応サンプルの水懸濁液ろ液の酢酸測定]
可溶化率100%であった硫酸含浸キチン粉砕物サンプル(実施例1)の水懸濁液ろ液を、高速液体クロマトグラフ(装置:島津製作所製LC−10ATVP、カラム:Phenomenex(登録商標) Synergi 4μm Hydro−RP 80Å φ4.6×250mm、移動相:40mMリン酸カリウム緩衝液、pH2.9、0.8mL/分、30℃、検出:示差屈折率)により酢酸を定量分析した。その結果、酢酸は検出されなかった。
これにより、酸触媒共存下のボールミル粉砕によるキチンの部分加水分解では、キチンを構成するNAGユニットのC2位にあるアセトアミド基(−NHCOCH)のアミド結合は保持され、NAGユニット同士を繋ぐグリコシド結合が選択的に切断されることが示唆された。これは、少量の酸触媒が共存し加水分解しやすい系において、ボールミル粉砕による機械的応力がキチンを押しつぶして重合の両方向に引き伸ばす作用、すなわち主鎖を形成するグリコシド結合を引っ張る作用を及ぼすことにより、従来の酸添加のみで行う加水分解では得られなかったグリコシド結合の選択的な加水分解を加速させる相乗効果が得られるものと推測される(図1参照)。
[キチンの部分加水分解反応サンプルの水懸濁液ろ液のHPLC分析]
実施例1の水懸濁液ろ液を、HPLC(高速液体クロマトグラフ)(装置:島津製作所製LC−10ATVP、カラム:Phenomenex Rezex RPM−Monosaccharide Pb++ φ7.8×300mm、移動相:水、0.6mL/分、70℃、検出:示差屈折率)で分析し、NAG及びオリゴ糖(重合度2〜8)の収率を以下の計算式により算出した。
この結果、NAGは4.7%、NAG2量体は7.8%。NAG3量体は11%、NAG4量体9.7%、NAG5量体は8.6%の収率で生成したことが確認された。
[方法2(加水分解反応)及び方法3(加メタノール分解反応)]
実施例2〜5及び比較例5〜8:
表2に記載したS/C比の各サンプルをキチンとして406mg分(NAG単位として2mmol)と、水またはメタノール40mLを、高圧反応器(内容積100mL,オーエムラボテック(株)製オートクレーブ,材質:ハステロイ(登録商標)C22製)に入れた後、600rpmで撹拌しながら室温から表2に記載した反応温度まで約16分加熱した。反応温度に到達した時点で加熱を止め、反応器を風冷し、冷却後、反応液を遠心分離装置により液体と固体に分離して上清サンプルの分析を行った。反応温度190℃の場合の温度プロファイルは図2に示す通りである。
固形分を除去した液相サンプルの生成物は、HPLC(装置:島津製作所製LC−10ATVP、カラム:Phenomenex Rezex RPM−Monosaccharide Pb++ φ7.8×300mm、移動相:水、0.6mL/分、70℃、及びカラム:Shodex(登録商標) SUGAR SH−1011 φ8×300mm、移動相:水、0.5mL/分、50℃、検出:示差屈折率)によりNAG及びMeNAGを定量分析した。
以下に生成物の収率の計算式を示す。
分析結果を表2に示す。方法2の加水分解反応では、S/C比8.1の硫酸含浸キチン粉砕物サンプル、反応温度190℃(実施例2)のNAG収率は32%、S/C比2の硫酸含浸キチン粉砕物サンプル、反応温度170℃(実施例3)のNAG収率は53%となり、硫酸濃度を高くし、反応温度を下げた条件で収率が向上した。
方法3のメタノールを溶媒に使用した加メタノール分解反応では、S/C比8.1の硫酸含浸キチン粉砕物サンプル、反応温度190℃(実施例4)のMeNAG収率は68%、S/C比4.1の硫酸含浸キチン粉砕物サンプル、反応温度190℃(実施例5)のNAG収率は70%となり、190℃での加水分解反応のNAG収率より高い値を示した。メタノール中でのMeNAGの190℃の安定性試験では残存率が94%で高い安定性を示したことから、190℃においても加メタノール分解反応では生成したMeNAGはほとんど分解せず高い収率が得られたものと推測される。MeNAGはC1にメトキシ基が結合しNAGにはあるヘミアセタール基を含有していない構造であることが熱安定性を示す理由と考えられる。
加メタノール分解反応は、190℃で未処理キチンサンプル(比較例5)、硫酸含浸キチンサンプル(比較例6)、キチン粉砕物サンプル(比較例7)、「キチン粉砕物+硫酸」サンプル(比較例8)についても行った。それらのMeNAG収率は、比較例5と7が0%、比較例6が4%、比較例8が16%といずれも低く、高収率を得るためには、酸触媒共存下での機械応力付与が必要であることが示された。
本発明の方法によれば、キチンから、酸触媒を用いてキチンオリゴマー、N−アセチルグルコサミン及び1−O−アルキルN−アセチルグルコサミンを既存の製造方法よりも少ない酸触媒の使用量で、効率的に製造でき、医薬、化粧品、食品、飼料分野に有用な高機能素材を提供することができる。

Claims (14)

  1. 予め硫酸、硝酸、塩酸及び過塩素酸から選択される酸触媒を含侵させたキチン含有バイオマスを、水の共存下で粉砕装置を用い粉砕しつつ部分加水分解することを特徴とするキチンオリゴマーの製造方法。
  2. 前記酸触媒が硫酸である請求項1に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  3. 前記酸触媒のモル数(C)に対するキチン中のN−アセチルグルコサミン単位(C13NО)のモル数(S)の比(S/C)が0.2〜20である請求項1または2に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  4. 酸触媒を溶解した溶媒とキチン含有バイオマスを混合し、その後溶媒を除去して酸触媒をキチン含有バイオマスに含浸させ、得られた酸触媒を含浸させたキチン含有バイオマスを水の存在下で粉砕する請求項1〜3のいずれか一項に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  5. 前記溶媒が、キチン含有バイオマスを変性させず、酸触媒活性を阻害せず、加熱あるいは蒸留で除去できるものである請求項に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  6. 前記溶媒が、水、ジエチルエーテル、ヘキサン、及びベンゼンから選択される請求項に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  7. 粉砕装置がボールミルである請求項1〜のいずれか一項に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  8. ボールミルが、遊星ボールミル、転動ボールミルのいずれかである請求項に記載のキチンオリゴマーの製造方法。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法により得られたキチンオリゴマーに水を加えて加熱し加水分解することを特徴とするN−アセチルグルコサミンの製造方法。
  10. 加熱温度が100〜260℃である請求項に記載のN−アセチルグルコサミンの製造方法。
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法により得られたキチンオリゴマーにアルコールを加えて加アルコール分解することを特徴とする1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法。
  12. アルコールが1価アルコールである請求項1に記載の1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法。
  13. 前記アルコールがメタノールであり、前記1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンが1−O−メチル−N−アセチルグルコサミンである請求項1または1に記載の製造方法。
  14. 加熱温度が120〜280℃である請求項1〜1のいずれか一項に記載の1−O−アルキル−N−アセチルグルコサミンの製造方法。
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