JP2018505848A - ヘミアセタール系プロフレーバー - Google Patents

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Abstract

本明細書では、式I(式中、R1及びR2は独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC1〜C6アルキル及びC1〜C6アルケニルから選択され、nは1、2、3、4、5、又は6であり、xは独立して0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)を有する化合物が提供される。また本明細書では、アセトアルデヒドを水溶液に放出する方法が提供され、この方法は、式I(式中、R1及びR2は独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC1〜C6アルキル及びC1〜C6アルケニルから選択され、nは1、2、3、4、5、又は6であり、xは独立して、0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)の化合物を水溶液に送達することを含む。また、i)フレーバー若しくはアロマを付与又は改質する成分である、上記式(I)による少なくとも1種の化合物、ii)フレーバーキャリヤー及びフレーバーベースから成る群より選択される少なくとも1種の成分、及びiii)任意で少なくとも1種のフレーバー補助剤、を含有する、フレーバー若しくはアロマを改質する組成物も提供される。

Description

本明細書において、アセトアルデヒド前駆体、並びに、典型的にはフレーバーの増加をもたらすために食品及び飲料にアセトアルデヒドを送達するためのアセトアルデヒド前駆体の使用が提供される。
背景技術
アセトアルデヒドは重要であるが、フレーバー成分をカプセル化することが依然として困難である。アセトアルデヒドは幅広い種類のフレーバーに使用されているが、特に、フレッシュさ及びジューシーさという重要な側面をフレーバーに付与するフルーツフレーバーにおいてその価値が認められている。また、アセトアルデヒドが揮発性であることによって、フレーバーの嗅覚的刺激に対して大いに寄与するアロマの増加が提供される。したがって、アセトアルデヒドの使用は、飲料などこれらの効果が望まれるフレーバーを生じるために不可欠である。しかしながら、沸点が20〜21℃であることから、取り扱い中に蒸発することにより使用するのが難しい材料であり、このことはまた、作業員の過度の暴露及び火災のリスクにより、安全でない状況が起こり得る。液体フレーバー中にこれを組み込む場合、蒸発によるアセトアルデヒドの損失は依然として問題であり、かかるフレーバーの取り扱いをも困難にする。高揮発性であるだけでなく、アセトアルデヒドは非常に反応性のある化学物質である。アセトアルデヒドは、フレーバー配合物中でアルコール類と反応し、アセタールを形成し得る。アセトアルデヒドは、アルドール縮合反応に関与し得る。アセトアルデヒドは容易に酸化する。また、アセトアルデヒドは三量体化して、パラアルデヒドを形成し得る。これらの化学反応によってアセトアルデヒドを失うだけでなく、形成される生成物によって、フレーバーの特性が変化する恐れがあり、最悪の場合には望ましくない異臭がもたらされかねない。
発明の概要
本明細書では、以下の式I:
Figure 2018505848
(上記式中、R及びRは独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC〜Cアルキル及びC〜Cアルケニルから選択され、nは1、2、3、4、5、又は6であり、xは独立して0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)
を有する化合物が提供される。
また本明細書では、アセトアルデヒドを水溶液に放出する方法も提供され、この方法は、以下の式I:
Figure 2018505848
(上記式中、R及びRは独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC〜Cアルキル及びC〜Cアルケニルから選択され、nは1、2、3、4、5、又は6であり、xは独立して、0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)
の化合物を水溶液に送達することを含むものである。
また本明細書では、フレーバー付けされる物品のフレーバー若しくはアロマを付与するため、向上させるため、改善するため、又は改質するための成分としての、以下の式I:
Figure 2018505848
(上記式中、R及びRは独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC〜Cアルキル及びC〜Cアルケニルから選択され、nは独立して、1、2、3、4、5、又は6であり、xは独立して、0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)
の化合物の使用も提供される。
また本明細書ではさらに、以下のi)〜iii):
i)フレーバー若しくはアロマを付与又は改質する成分である、式(I)による少なくとも1種の化合物、
ii)フレーバーキャリヤー及びフレーバーベースから成る群より選択される少なくとも1種の成分、並びに
iii)任意で少なくとも1種のフレーバー補助剤
を含有する、フレーバー若しくはアロマを改質する組成物が提供される。
詳細な説明
概要、詳細な説明、及び特許請求の範囲に関して、「又は(若しくは)」の使用は、特に記載のない限り「及び/又は」を意味する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(include)」、「含有する(includes)」及び「含有している(including)」は、置き換え可能であり、限定することを意図するものではない。
さらに、様々な実施形態の説明で「含んでいる(comprising)」という用語が使用されている場合、当業者であれば、特定の具体例の幾つかにおいて実施形態が「実質的に〜から成る(consisting essentially of)」又は「〜から成る(consisting of)」という言葉を用いて代替的に説明可能であることを心得ていると理解すべきである。
さらに本明細書では、R及びRが、独立して、直鎖状若しくは分枝鎖状のC〜Cアルキルである式Iの化合物が提供される。
一実施形態において、本明細書では、R及びRが、独立して、メチル、エチル、プロピル、及びブチルから成る群より選択される式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、nが1であり、xが2である式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、nが2であり、xが独立して0、1、又は2である式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、nが3、4、5、又は6であり、xが独立して0、1、又は2である式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−エトキシエチル)スクシネート、ビス(1−エトキシエチル)アジペート、ビス(1−エトキシエチル)フマレート、ビス(1−プロポキシエチル)スクシネート、ビス(1−プロポキシエチル)アジペート、ビス(1−プロポキシエチル)フマレート、ビス(1−ブトキシエチル)スクシネート、ビス(1−ブトキシエチル)アジペート、及びビス(1−ブトキシエチル)フマレートから成る群より選択される式Iの化合物が提供される。
特に本明細書では、ビス(1−エトキシエチル)スクシネート、ビス(1−エトキシエチル)アジペート、ビス(1−エトキシエチル)フマレート、ビス(1−プロポキシエチル)スクシネート、ビス(1−プロポキシエチル)アジペート、ビス(1−プロポキシエチル)フマレート、ビス(1−ブトキシエチル)スクシネート、及びビス(1−ブトキシエチル)アジペートから成る群より選択される式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−エトキシエチル)スクシネートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−プロポキシエチル)スクシネートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−ブトキシエチル)スクシネートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−エトキシエチル)アジペートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−プロポキシエチル)アジペートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−ブトキシエチル)アジペートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−エトキシエチル)フマレートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−プロポキシエチル)フマレートを含有する式Iの化合物が提供される。
別の実施形態において、本明細書では、ビス(1−ブトキシエチル)フマレートを含有する式Iの化合物が提供される。
一実施形態において、本明細書では、式Iの化合物が提供されるが、ただし、該化合物は、ビス(1−エトキシエチル)アジペートではない。
本明細書で「フレーバーキャリヤー」とは、フレーバリング成分の官能特性を著しく変更しない限り、フレーバーの観点から実質的に中立である材料を意味する。前記キャリヤーは、液体又は固体であってよい。
適した液体キャリヤーには、例えば、フレーバーにおいて慣用的に使用されている乳化系、つまり溶媒系及び界面活性剤系、又は溶媒がある。フレーバーにおいて慣用的に使用されている溶媒の性質及び種類の詳細な記載は網羅することができない。適した溶媒には、例えば、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ベンジルアルコール、エタノール、植物油、又はテルペンがある。
適した固体キャリヤーには例えば、吸収性のガム若しくはポリマー、又はさらにはカプセル化材料がある。かかる材料の例は、壁形成材料、及び可塑化材料、例えば単糖類、二糖類、若しくは三糖類、天然デンプン若しくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質若しくはペクチン、又はさらに以下の参考文献で挙げられている材料を含んでよい:H.Scherz著、Hydrokolloids:Stabilisatoren,Dickungs−und Gehermittel in Lebensmittel、Lebensmittelchemie,Lebensmittelqualitaetシリーズ第2巻(Behr’s VerlagGmbH&Co.ハンブルク在、1996年)。カプセル化は当業者に周知の方法であり、例えば噴霧乾燥、凝集、押出成形、コアセルベーションなどの技術を用いることで実施可能である。
一実施形態では、本明細書で提供される化合物は、「フレーバーベース」、つまり少なくとも1種のさらなるフレーバリング成分を含有する組成物中で提供される。一実施形態では、前記さらなるフレーバリング成分は、式(I)の化合物ではない。さらに、本明細書で「フレーバリング成分」とは、フレーバリング調製物又はフレーバリング組成物において快楽効果を付与するために使用される化合物を意味する。言い換えれば、かかる成分(フレーバリング成分と考えるべき)は、ポジティブに又は心地よく、組成物のフレーバー又はアロマを付与又は改質することができ、フレーバー又はアロマを有するだけではないと当業者に認識される必要がある。
ベース中に存在するフレーバリング補助成分の性質及び種類について、ここではより詳細な記載は保証されず、その際に、当業者はその一般的知見に基づいて、かつ意図する使用若しくは用途、及び所望の官能効果に応じてそれらを選択することができる。一般論として、これらのフレーバリング補助成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素若しくは硫黄含有複素環式化合物、及び精油など様々な化学分類に属し、前記フレーバリング補助成分は自然由来であっても、又は合成由来であってもよい。これらの補助成分の多くは必ず、S.Arctander著の書籍Perfume and Flavor Chemicals(1969年、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、モントクレア)若しくはその書籍のより最近の版のような参考文献で一覧にされているか、又は類似した性質のその他刊行物、及びフレーバーの分野における膨大な特許文献において一覧にされている。また前記補助成分は、制御された方式で様々な種類のフレーバリング化合物を放出すると知られる化合物であってもよいと理解される。
本明細書で「フレーバーキャリヤー」とは、フレーバリング成分の官能特性を著しく変更しない限り、フレーバーの観点から実質的に中立である材料を意味する。前記キャリヤーは、液体で又は固体であってよい。
適した液体キャリヤーには、例えば、フレーバーにおいて慣用的に使用されている乳化系、つまり溶媒系及び界面活性剤系、又は溶媒がある。フレーバーにおいて慣用的に使用されている溶媒の性質及び種類の詳細な記載は網羅することができない。適した溶媒には、例えば、プロピレングリコール、トリアセチン、クエン酸トリエチル、ベンジルアルコール、エタノール、植物油、又はテルペンがある。
適した固体キャリヤーには例えば、吸収性のガム若しくはポリマー、又はさらにはカプセル化材料がある。かかる材料の例は、壁形成材料、及び可塑化材料、例えば単糖類、二糖類、若しくは三糖類、天然デンプン若しくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、タンパク質若しくはペクチン、又はさらに以下の参考文献で挙げられている材料を含んでよい:H.Scherz著、Hydrokolloids:Stabilisatoren,Dickungs−und Gehermittel in Lebensmittel、Lebensmittelchemie,Lebensmittelqualitaetシリーズ第2巻(Behr’s VerlagGmbH&Co.ハンブルク在、1996年)。カプセル化は当業者に周知の方法であり、例えば噴霧乾燥、凝集、押出成形、コアセルベーションなどの技術を用いることで実施可能である。
少なくとも1種の式(I)の化合物及び少なくとも1種のフレーバーキャリヤーから成る組成物は、本発明の特定の実施形態を示し、並びに、少なくとも1種の式(I)の化合物、少なくとも1種のフレーバーキャリヤー、少なくとも1種のフレーバーベース、及び任意で少なくとも1種のフレーバー補助剤を含有するフレーバリング組成物も、本発明の特定の実施形態を示す。
さらに、式(I)の化合物を、フレーバー付けされる物品に有利に組み込み、前記物品のフレーバー、フレッシュさ、フルーティーさ、ジューシーさ、若しくはアロマをポジティブに付与又は改質することができる。したがって、さらなる別の態様において、本発明は、以下のi)及びii):
i)先に定義された式(I)の化合物、及び
ii)食材ベース(foodstuff base)
を含有するフレーバー付けされた物品を提供する。
明確化のため、本明細書で「食材」とは、食用製品、例えば、食品又は飲料を意味することを言及すべきである。したがって、本発明によるフレーバー付けされた物品は、式(I)による1種以上の化合物を含有し、同様に所望の食用製品におけるフレーバー若しくはアロマ、及び所望の食用製品におけるフレーバー若しくはアロマのプロファイルに相応する任意の有益な作用物質を含有する。本明細書で提供される組成物及び方法は、食品製品又は飲料製品において使用される。食品製品が粒状又は粉末状の食品である場合、乾燥した粒子は、乾式混合によって容易に食品製品へと添加することができる。一般的な食品製品は、インスタントスープ若しくはインスタントソース、朝食用シリアル、粉ミルク、ベビーフード、粉末ドリンク、粉末チョコレートドリンク、スプレッド、粉末シリアルドリンク、チューイングガム、発泡タブレット、シリアルバー、及びチョコレートバーから成る群より選択される。粉末食品又は粉末飲料は、水、牛乳及び/又はジュース、あるいはその他の水性液体でその製品を再調製した後に消費することが意図され得る。
適した食材ベース、例えば食品又は飲料は、フレッシュ又はフルーティーな香調が望まれる乳製品及び製菓製品を含む。
別の実施形態において、本明細書では、流体状の乳製品が提供され、これには非冷凍、部分冷凍、及び冷凍の流体状乳製品(例えば、牛乳、アイスクリーム、シャーベット、及びヨーグルト)が含まれるが、これらに限定されることはない。
一実施形態において、本明細書で提供される組成物及び化合物は、「フレッシュ」、「ジューシー」、かつ「フルーティー」なフレーバー及び/又はアロマを食品製品に提供する。
飲料製品には以下のものがあるが、それらに限定されることはない:炭酸ソフトドリンク、これには、コーラ、レモンライム、ルートビア、ヘビーシトラス(「デュータイプ」)、フルーツフレーバーのソーダ及びクリームソーダがある;粉末ソフトドリンク、並びに液体濃縮物、例えば、ファウンテンシロップ及びコーディアル;コーヒー及びコーヒー系飲料、コーヒー代用品、及びシリアル系飲料;紅茶、これには乾燥混合物製品、並びにレディ・トゥ・ドリンクの紅茶(ハーブ及び茶葉ベースのもの)がある;フルーツジュース及び野菜ジュース、及びジュースフレーバーの飲料、並びにジュース飲料、ネクター、濃縮液、パンチ、及び「エード」;甘味及びフレーバーを付けた水(炭酸と非炭酸の両方);スポーツドリンク/エナジードリンク/健康ドリンク、アルコール飲料、それに加えてアルコールフリーの飲料、及びその他の低アルコール製品、これにはビール及び麦芽飲料、サイダー、及びワイン(非炭酸、スパークリング、酒精強化ワイン、及びワインクーラー)がある;加熱(温浸、加熱殺菌、超高温、オーム加熱、又は商業的無菌滅菌)及び高温充填パッケージングで処理をしたその他の飲料;並びに、濾過又はその他の保存技術により製造された低温充填製品。食材又は飲料における構成成分の性質及び種類について、ここではより詳細な記載は保証されず、当業者はその一般的知見に基づいて、かつ前記製品の性質に応じてそれらを選択することができる。
フレーバリング組成物の場合、本明細書で提供される化合物の典型的な濃度は、組成物の合計質量に対して約0.01質量%〜15質量%、好ましくは約1質量%〜約15質量%、より好ましくは約1質量%〜約5質量%、より好ましくは約1質量%〜約2質量%の範囲にある。一実施形態では、フレーバー付けされる物品における、本明細書で提供される化合物の濃度は、フレーバー付けされる物品の合計質量を基準として約3質量ppm〜約60質量ppm、好ましくは約3質量ppm〜約30質量ppm、より好ましくは約10質量ppm〜約30質量ppm、さらにより好ましくは約10質量ppm〜20質量ppmの範囲にある。
別の実施形態では、フレーバー付けされる物品中で、該物品の合計質量に対して約1質量ppm〜約20質量ppm、より好ましくは約1質量ppm〜約10質量ppm、より好ましくは約4質量ppm〜約10質量ppm、さらにより好ましくは約4質量ppm〜約6質量ppmの範囲にある量でアセトアルデヒドを提供するような量で、本明細書で提供される化合物を提供する。
本明細書で、「フレーバーベース」とは、少なくとも1種のフレーバリング成分を含有する組成物を意味する。
前記フレーバリング成分は、式(I)の化合物ではない。さらに、本明細書で「フレーバリング成分」とは、フレーバリング調製物又はフレーバリング組成物において快楽効果を付与するために使用される化合物を意味する。言い換えれば、かかる成分(フレーバリング成分と考えるべき)は、ポジティブに又は心地よく、組成物のフレーバーを付与又は改質することができ、フレーバーを有するだけではないと当業者に認識される必要がある。
ベース中に存在するフレーバリング補助成分の性質及び種類について、ここではより詳細な記載は保証されず、その際に、当業者はその一般的知見に基づいて、かつ意図する使用若しくは用途、及び所望の官能効果に応じてそれらを選択することができる。一般論として、これらのフレーバリング補助成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素若しくは硫黄含有複素環式化合物、及び精油など様々な化学分類に属し、前記フレーバリング補助成分は自然由来であっても、又は合成由来であってもよい。これらの補助成分の多くは必ず、S.Arctander著の書籍Perfume and Flavor Chemicals(1969年、アメリカ合衆国、ニュージャージー州、モントクレア)若しくはその書籍のより最近の版のような参考文献で一覧にされているか、又は類似した性質のその他刊行物、及びフレーバーの分野における膨大な特許文献において一覧にされている。また前記補助成分は、制御された方式で様々な種類のフレーバリング化合物を放出すると知られる化合物であってもよいと理解される。
本明細書で「フレーバー補助剤」とは、さらなる付加的な利点、例えば、色、特定の耐光性、化学的安定性などを付与することができる成分を意味する。フレーバリングベースにおいて一般的に使用される補助剤の性質及び種類の詳細な記載は網羅することができない。かかる補助剤は当業者に周知であるが、しかし前記成分が、当業者に周知であると言及すべきである。
明確化のため、本明細書で「食材」とは、食用製品、例えば、食品又は飲料を意味することを言及すべきである。したがって、本発明によるフレーバー付けされた製品は、式(I)による1種以上の化合物、並びに所望の食用製品(例えば、風味付けキューブ(savory cube))におけるフレーバー若しくはアロマのプロファイルに相応する任意の有益な作用物質を含有する。
本明細書ではさらに、式Iの化合物を含有する、噴霧乾燥した粒子が提供される。
本明細書ではさらに、a)乳化剤、マルトデキストリン、及び式Iの化合物を含有する噴霧乾燥されたフィードエマルションを製造する工程(ここで、エマルションはpHを6〜9の間で制御する緩衝剤を有する)を含む噴霧乾燥された粒子の製造が提供される。乳化剤は、アラビアガム、サポニン、及び加工デンプンから成る群より選択することができる。エマルションは、任意の成分を含有してもよい。さらに、エマルションは、特に、有効量の防燃剤又は爆発抑制剤を含有してよい。噴霧乾燥されるエマルションにおけるかかる作用物質の種類及び濃度は当業者に公知である。かかる防燃剤又は爆発抑制剤の非限定的な例として、無機塩、C〜C12カルボン酸、C〜C12カルボン酸の塩、及びこれらの混合物を挙げることができる。特定の爆発抑制剤は、サリチル酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸、クエン酸、コハク酸、ヒドロキシコハク酸、マレイン酸、フマル酸、オキシル酸、グリオキシル酸、アジピン酸、乳酸、酒石酸、アスコルビン酸、前記酸のうちいずれかのカリウム塩、カルシウム塩、及び/又はナトリウム塩、並びにこれらのうちいずれかの混合物である。その他の任意の成分には、酸化防止剤、着色剤、及び染料が含まれる。
エマルションは、あらゆる公知の乳化法、例えば、高剪断混合、音波処理、又は均質化を利用して形成することができる。かかる乳化法は、当業者に周知である。
エマルションの液滴サイズd(v,0.9)は、特に、1〜15μm、より好ましくは1〜10μm、さらにより好ましくは1〜20μmである。より好ましくは、液滴サイズは、周囲温度(25℃)で少なくとも1日保管する間、前記範囲内のままである。
エマルションの粘度は、特に、以下に規定するような噴霧化工程が実施される温度で、20〜300mPa・s、より好ましくは70〜200mPa・s、さらにより好ましくは100〜150mPa・sである。
エマルションを調製した後に、これを噴霧乾燥すると、乾燥粒子が得られる。噴霧乾燥法には2つの工程が含まれており、一つ目は分散、二つ目は乾燥である。まずエマルションを噴霧化工程にかけ、その間にエマルションを液滴の形態で噴霧塔に分散させる。液滴の形態でエマルションを分散することができるあらゆる装置を使用して、かかる分散を実施できる。例えば、エマルションを、噴霧ノズル又は遠心式ホイールディスクを通して噴霧塔に導くことができる。振動オリフィスを使用してもよい。カプセルのサイズは、塔に分散される液滴のサイズにより決定される。例えば、液滴を分散させるために噴霧ノズルを使用する場合、ノズルを通る噴霧化ガスの流速によってサイズを調整することができる。分散のために遠心式ホイールディスクを使用する場合、液滴サイズを調節する主な要因は、液滴をディスクから塔へと分散させる遠心力である。遠心力はまた、ディスクの回転速度及び直径に依存する。エマルションのフィード流速、エマルションの表面張力、及びエマルションの粘度はまた、最終の液滴サイズ及びサイズ分布を調整するパラメータでもある。これらのパラメータを調節することによって、当業者は、塔に分散されるエマルションの液滴サイズを調整することができる。
チャンバ中に噴霧したら、当技術分野で公知のあらゆる技術を用いて液滴を乾燥させる。これらの方法は、噴霧乾燥の技術における特許文献及び非特許文献で完全に文書化されている。例えばSpray−Drying Handbook、第3版、K. Masters;John Wiley(1979)には、幅広い種類の噴霧乾燥法が記載されている。
本発明で提供される方法は、あらゆる従来の噴霧塔で実施することができる。この方法の工程を実施するためには、例えば従来の多段式乾燥装置が適している。この装置は、噴霧塔及び塔底部で流動床を含んでよく、この流動床は、塔を通り落下した後の部分的に乾燥した粒子を捕捉する。
以下の実施例は説明の目的のためだけに提供され、決してそれに限定されることを意味してはいない。
実施例
実施例1〜9に記載したヘミアセタールエステルの製造を、実質的に下記のように実施した:
典型的な手順で、ジカルボン酸(70〜100mmol)、p−トルエンスルホン酸(0.1mol%)、及びジエチルエーテル(50mL)の混合物を氷浴中で冷却した。ジエチルエーテル(50mL)中に溶解させたアルキルビニルエーテル(3当量)を、15〜30分にわたり滴加した。その混合物を冷浴から取り出し、室温で4〜20時間攪拌した。5グラムの炭酸ナトリウムを添加し、ロータリーエバポレータによって混合物を濃縮した。生成物をバルブツーバルブ蒸留で単離して、無色の油状物としてヘミアセタールエステルを得た。
実施例1
ビス(1−エトキシエチル)スクシネート
85mmolのコハク酸及び255mmolのエチルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率93%で製造した。
Figure 2018505848
実施例2
ビス(1−エトキシエチル)アジペート
68.7mmolのアジピン酸及び207mmolのエチルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率92%で製造した。
Figure 2018505848
実施例3
ビス(1−プロポキシエチル)スクシネート
246mmolのコハク酸及び246mmolのプロピルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率28%(ビニルエーテルを基準とする)で製造した。
Figure 2018505848
実施例4
ビス(1−プロポキシエチル)アジペート
70.1mmolのアジピン酸及び211mmolのプロピルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率87%で製造した。
Figure 2018505848
実施例5
ビス(1−プロポキシエチル)フマレート
89mmolのフマル酸及び277mmolのプロピルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率39%で製造した。
Figure 2018505848
実施例6
ビス(1−ブトキシエチル)スクシネート
86mmolのコハク酸及び259mmolのブチルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率64%で製造した。
Figure 2018505848
実施例7
ビス(1−ブトキシエチル)アジペート
206mmolのアジピン酸及び206mmolのブチルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率50%(ビニルエーテルを基準とする)で製造した。
Figure 2018505848
実施例8
ビス(1−エトキシエチル)フマレート
86mmolのフマル酸及び277mmolのエチルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率59%で製造した。
Figure 2018505848
実施例9
ビス(1−エトキシエチル)マロネート
96mmolのマロン酸及び349mmolのエチルビニルエーテルから、掲題の化合物を収率72%で製造した。
Figure 2018505848
実施例10
比較用試料の合成:1−エトキシエチルアセテート
ジエチルエーテル(50mL)、氷酢酸(10g、167mmol)、及びp−トルエンスルホン酸(0.01g)を一緒にし、その混合物を氷浴中で冷却した。ジエチルエーテル50mL中でのエチルビニルエーテル(18g、250mmol)を、15分にわたり滴加した。その混合物を冷浴から取り出し、室温で2時間攪拌した。炭酸ナトリウム(5g)を添加し、そして混合物を濾過した。ジエチルエーテルを大気圧で分留により除去した。残留物の分留によって、17.7g(34〜35℃、19mbar)の1−エトキシエチルアセテート(134mmol、収率80%)が得られた。
Figure 2018505848
実施例11
pH3.0での加水分解速度の評価
インスタント飲料の適用は、迅速にアセトアルデヒドを放出するために、前駆体分子の迅速な加水分解を要求する。かかる飲料は調製直後に消費され得るため、放出は可能な限り迅速であることが望ましい。
1Lの脱イオン水に16.43gのクエン酸(CAS77−92−9)及び4.26gのクエン酸二ナトリウム(CAS144−33−2)を添加することでpH3.0の緩衝液を調製した。実施例1、2、及び10の調製物のアリコートを、200rpmで攪拌するDistek 2100B USP2溶解システム内で緩衝液に添加した。溶液中のアセトアルデヒドの濃度を、1秒ごとに276nmで吸光度を測定する紫外可視分光光度計プローブを用いて、時間の関数として監視した。放出は一次速度論に従い、半減期を表1において報告する。比較用試料の結果は、Gassenmeierら著による刊行物から引用した[1]。またアセトアルデヒドジエチルアセタールの試料を、直接測定し、その結果はGassenmeierらにより報告されたものと類似していた。実施例1、2、及び10は、比較用試料2〜5よりも速くアセトアルデヒドを放出した。
Figure 2018505848
[1]Gassenmeier,K.、Daniher,A.、Furrer,S.、1−Ethoxy−1−(1−ethoxy−ethoxy)−ethane:a new acetaldehyde precursor:Wender,L.P.B.(編集)、Developments in Food Science Flavour Science Recent Advances and Trends、Elsevier、2006年、p305〜308に収録。
実施例12
噴霧乾燥のフィード条件下での加水分解速度の評価
乾燥した粉末への付与に適したアセトアルデヒド前駆体は、様々なプロセスの段階中に著しい程度のアセトアルデヒドの放出を回避する必要がある。特に、アセトアルデヒド前駆体は、噴霧乾燥するフィードエマルションの調製の間に加水分解に対して抵抗性がなければならず、この噴霧乾燥するフィードエマルションは塩基性のpHに対して中立であってよく、また著しい体積分率の油相を含有してよい。
1Lの脱イオン水に49.92gのリン酸二ナトリウム七水和物(CAS7782−85−6)及び1.93gのリン酸一ナトリウム(CAS7558−80−7)を添加することでpH8.0の緩衝液を調製した。実施例1、2、及び10の調製物のアリコート0.20gを0.8gのリモネン(CAS5989−25−7)中に溶解させ、攪拌棒を有する30mLのエルレンマイヤーフラスコ内で10gの緩衝液に添加した。溶液中のアセトアルデヒドの濃度は、276nmで吸光度を測定する紫外可視分光光度計プローブを用いて、時間の関数として監視した。定期的に攪拌を中断して、油滴を表面に上昇させ、水溶液の明確な吸光度の読取りを可能にした。放出は、ゼロ次速度論及び一次速度論を組み合わせたものに従った。t50(最大吸光度の50%に対する時間)の値を表2で報告する。比較用試料1は、t50が2.1分であり、これは非常に短く、そのため当業者であれば、この化合物がプロセスの間に問題になる程の加水分解を被る危険にあると判断するだろう。驚くべきことに、官能基が類似しているにも拘わらず、実施例1及び2は、比較用試料1よりも長いt50の値を有し、よりゆっくりとアセトアルデヒドを放出した。
Figure 2018505848
実施例13
噴霧乾燥した粉末の製造
表3に従って、噴霧乾燥するフィードエマルションを調製した。各前駆体分子の量は、化学量論に基づいてアセトアルデヒドが0.25g製造されるように選択した。実施例1〜2の液体をオレンジフレーバー中に溶解させた。この混合物を、塩、マルトデキストリン、水、及びサポニンの溶液に添加し、ホモジナイザー(T25 UltraTurrax、IKA Works社、アメリカ合衆国在)を用いて2分間混合した。その後、入口空気温度を138℃、出口空気温度を95℃に設定して調製物を噴霧乾燥させた(model 190 Mini−Spray Drier、Buchi Corporation、アメリカ合衆国、ニューキャッスル(デラウェア州)在)。
Figure 2018505848
実施例14
インスタント飲料の調製及び評価
0.1gの前記調製物をクエン酸0.07g、スクロース7gと一緒にし、この混合物を100mLの蒸留水に溶解させることによって、噴霧乾燥調製物A、B、及びCを再構成した。
これらの飲料を迅速に調製し、5人のパネリストに試飲させた。噴霧乾燥物A及びBから調製された飲料は噴霧乾燥物Cから調製されたCよりもフレッシュで熟していると5人全員が感じた。
1)アセトアルデヒドの収率の分析
粉末を水に溶解させ、2,4−ジニトロフェニルヒドラジンにより誘導体化させた後に、逆相HPLCを利用して噴霧乾燥物A〜Cに由来するアセトアルデヒドの濃度を測定した。表4の結果は、大量のアセトアルデヒドが噴霧乾燥粉末A及びBから遊離したことを示す。
Figure 2018505848

Claims (15)

  1. 以下の式I:
    Figure 2018505848
    (上記式中、R及びRは、独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC〜Cアルキル及びC〜Cアルケニルから選択され、nは1、2、3、4、5、又は6であり、xは独立して0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)
    を有する化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、R及びRが、独立して、直鎖状若しくは分枝鎖状のC〜Cアルキルである、前記化合物。
  3. 請求項2に記載の化合物であって、R及びRが、独立して、メチル、エチル、プロピル、及びブチルから成る群より選択される、前記化合物。
  4. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物であって、nが1であり、xが2である、前記化合物。
  5. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物であって、nが2であり、xが独立して0、1、又は2である、前記化合物。
  6. 請求項1から3までのいずれか一項に記載の化合物であって、nが3、4、5、又は6であり、xが独立して0、1、又は2である、前記化合物。
  7. 請求項1に記載の化合物であって、ビス(1−エトキシエチル)スクシネート、ビス(1−エトキシエチル)アジペート、ビス(1−エトキシエチル)フマレート、ビス(1−プロポキシエチル)スクシネート、ビス(1−プロポキシエチル)アジペート、ビス(1−プロポキシエチル)フマレート、ビス(1−ブトキシエチル)スクシネート、ビス(1−ブトキシエチル)アジペート、及びビス(1−ブトキシエチル)フマレートから成る群より選択される、前記化合物。
  8. アセトアルデヒドを水溶液に放出する方法であって、以下の式I:
    Figure 2018505848
    (上記式中、R及びRは、独立して、分枝鎖状若しくは直鎖状のC〜Cアルキル及びC〜Cアルケニルから選択され、nは1、2、3、4、5、又は6であり、xは、独立して、0、1、又は2であるが、ただしnが1の場合、xは2である)
    の化合物を水溶液に送達することを含む前記方法。
  9. 請求項9に記載の方法であって、R及びRが、独立して、直鎖状若しくは分枝鎖状のC〜Cアルキルである、前記方法。
  10. 請求項10に記載の方法であって、R及びRが、独立して、メチル、エチル、プロピル、及びブチルから成る群より選択される、前記方法。
  11. 請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法であって、nが1であり、xが2である、前記方法。
  12. 請求項8から11までのいずれか一項に記載の方法であって、nが2であり、xが独立して0、1、又は2である、前記方法。
  13. 請求項8に記載の方法であって、化合物Iが、ビス(1−エトキシエチル)スクシネート、ビス(1−エトキシエチル)アジペート、ビス(1−エトキシエチル)フマレート、ビス(1−プロポキシエチル)スクシネート、ビス(1−プロポキシエチル)アジペート、ビス(1−プロポキシエチル)フマレート、ビス(1−ブトキシエチル)スクシネート、ビス(1−ブトキシエチル)アジペート、及びビス(1−ブトキシエチル)フマレートから成る群より選択される、前記方法。
  14. フレーバーを改質する組成物であって、以下のi)〜iii):
    i)フレーバー若しくはアロマを付与又は改質する成分である、請求項1から8までのいずれか一項で規定した式(I)による少なくとも1種の化合物、
    ii)フレーバーキャリヤー及びフレーバーベースから成る群より選択される少なくとも1種の成分、及び
    iii)任意で少なくとも1種のフレーバー補助剤
    を含有する、前記フレーバーを改質する組成物。
  15. フレーバー付けされた物品であって、以下のi)及びii):
    i)請求項1から8までのいずれか一項で規定した式(I)の化合物少なくとも1種、又は請求項9で規定した組成物、及び
    ii)食材ベース
    を含有する前記フレーバー付けされた物品。
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