JP2017046598A - 菊花風味を有する飲食物の香味改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費者の嗜好に合った、天然で良質の菊花が有する好ましい香味や風味を付与できる、菊花茶飲料などの菊花風味飲食物用の香味改善剤の提供。【解決手段】菊花風味飲食物の香味改善剤であって、香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オンさらに4−メチルフェノール、メチルシンナメート、エチル−3−フェニルプロパニート等の芳香族化合物及びエチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン等のエチルピラジンから選ばれた1種又は2種以上を含む上記の香味改善剤。【選択図】なし
Description
本発明は、菊花風味を有する飲食物に適用する香味改善剤に関し、当該香味改善剤は、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、特定の芳香族化合物、並びに特定のエチルピラジンからなる群より選ばれた1種又は2種以上を有効成分とすることを特徴とする。
さらに、本発明は、菊花フレーバー及び上記香味改善剤を含有する菊花フレーバー組成物、菊花風味を有する飲食物に所定量の上記香味改善剤が配合されている飲食物、菊花風味を有する飲食物に上記香味改善剤を所定量で添加する菊花風味飲食物の香味改善方法、並びに、菊花風味を有する飲食物に上記菊花フレーバー組成物を所定量で添加する菊花風味飲食物の香味改善方法、に関する。
さらに、本発明は、菊花フレーバー及び上記香味改善剤を含有する菊花フレーバー組成物、菊花風味を有する飲食物に所定量の上記香味改善剤が配合されている飲食物、菊花風味を有する飲食物に上記香味改善剤を所定量で添加する菊花風味飲食物の香味改善方法、並びに、菊花風味を有する飲食物に上記菊花フレーバー組成物を所定量で添加する菊花風味飲食物の香味改善方法、に関する。
菊花風味を有する飲食物として、種々の加工品が製品化されている。例えば、天然の菊花を利用した製品としては、菊花茶、菊花酒、おひたし、和え物、酢の物、天ぷらなどを挙げることができる。一方、菊花風味を有する香味料を付与した加工品は、ゼリー、キャンデーなどを例示することができる。
菊花は、漢方の一種で、通常は食用菊の花を乾燥させたものである。菊花茶は、一般的に、花そのものを熱水で煎じてその抽出物である菊花エキスを飲用するが、緑茶やプーアル茶などの他の茶とブレンドして味わうことも多い。日本では、菊花は、眼精疲労、鎮静効果を有する漢方として重用されている。
こうした食用菊は、中国を原産とし、日本でも古来より栽培され、或いは広く野生する多年生草本のキク(Chrysanthemum morifolium)、その近縁種のシマカンギク(Chrysanthemum indicum)などの頭花であり、新鮮な生花やその乾燥品が食用に供される。
菊花に含まれる精油は、カンファーやテルペン等の種々の成分を含んでいるので、特有の芳香を有している。菊花は、味覚的には甘い味のものが良質とされている。
菊花に含まれる精油は、カンファーやテルペン等の種々の成分を含んでいるので、特有の芳香を有している。菊花は、味覚的には甘い味のものが良質とされている。
良質で高級な菊花を用いた菊花茶は、フレッシュでボリューム感があり心落ち着く花香に富み、口に含んだ時の味は非常に円やかで、飲用後にも自然な甘さが持続する。
しかし、等級が劣る菊花を用いた菊花茶は、生薬を思わせる独特の香味が強く、飲用に不向きであった。
しかし、等級が劣る菊花を用いた菊花茶は、生薬を思わせる独特の香味が強く、飲用に不向きであった。
そこで、菊花や菊花茶抽出物を飲用しやすくするために、菊花茶抽出物にビタミン類、酸類、糖類を加えドリンク剤として菊花抽出物を飲用する方法(特許文献1)、菊花の粉末をカプセルに封入するなどの方法(特許文献2)が提案されている。
しかし、上記の方法は、風味が劣る菊花を薬用として摂取することに適していても、菊花独特の芳香や風味を楽しむことには不向きである。
しかし、上記の方法は、風味が劣る菊花を薬用として摂取することに適していても、菊花独特の芳香や風味を楽しむことには不向きである。
本発明の課題は、消費者の嗜好に合った、天然で良質の菊花が有する好ましい香味や風
味を付与できる、菊花風味を有する飲食物用の香味改善剤、菊花フレーバー及び当該香味改善剤からなる組成物、当該香味改善剤を添加した菊花風味飲食物、並びに当該香味改善剤を極微量の範囲で添加することを特徴とする菊花風味飲食物の香味改善方法を提供することである。
味を付与できる、菊花風味を有する飲食物用の香味改善剤、菊花フレーバー及び当該香味改善剤からなる組成物、当該香味改善剤を添加した菊花風味飲食物、並びに当該香味改善剤を極微量の範囲で添加することを特徴とする菊花風味飲食物の香味改善方法を提供することである。
本発明者は、菊花茶などの菊花風味飲食物が発する菊花特有の芳香・風味を向上させ、より芳醇な香味に改善させる作用を持った成分を探索した。
その結果、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、エチルシンナメート、メチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートの1種又は2種以上、好ましくは全てを、菊花風味を有する成分と共存させた場合に、フレッシュな菊花香のボリューム感を付与する効果を有すること、換言すると菊花香のグレードアップ効果を有することを見出した。
さらに、本発明者は、上記の成分を菊花茶等の菊花風味飲食物に極微量の特定範囲で添加することにより、新鮮でナチュラルな甘さを有する菊花様風味を付与でき、美味しい菊花風味飲食物の提供を可能とするという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
さらに、本発明者は、上記の成分を菊花茶等の菊花風味飲食物に極微量の特定範囲で添加することにより、新鮮でナチュラルな甘さを有する菊花様風味を付与でき、美味しい菊花風味飲食物の提供を可能とするという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕菊花風味を有する飲食物の香味改善剤であって、香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、下記の一般式(I)で表される芳香族化合物及び下記の一般式(II)で表されるエチルピラジンからなる群より選ばれた1種又は2種以上を含むことを特徴とする上記の香味改善剤。
(式中、R1はH又はOH基を表し、R2はCH3、CH2CH3、CH=CHCOOCH3、CH=COOCH2CH3、CH2CH2COOCH3又はCH2CH2COOCH2CH3のいずれかを表す)
(式中、R1はCH3又はCH2CH3を表し、R2及びR3はそれぞれ独立してH又はCH3を表す)
〔1〕菊花風味を有する飲食物の香味改善剤であって、香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、下記の一般式(I)で表される芳香族化合物及び下記の一般式(II)で表されるエチルピラジンからなる群より選ばれた1種又は2種以上を含むことを特徴とする上記の香味改善剤。
〔2〕一般式(I)で表される芳香族化合物が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートであり、一般式(II)で表されるエチルピラジンが2,3−ジエチル−5−メチルピラジン及び2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである上記〔1〕に記載の香味改善剤。
〔3〕菊花風味を有する飲食物の香味改善剤であって、香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートの全成分が含まれていることを特徴とする香味改善剤。
〔4〕下記の菊花フレーバー(1)及び香味改善剤(2)を含有することを特徴とする菊花フレーバー組成物。
(1)カンファー、バニリン、ボルネオール、ベルべノール、ドデカノール、トランス−カルベオール及びα−テルピネオール
(2)トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分
(1)カンファー、バニリン、ボルネオール、ベルべノール、ドデカノール、トランス−カルベオール及びα−テルピネオール
(2)トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分
〔5〕香味改善剤(2)が、以下の(A)〜(D)に規定される量で配合されている上記〔4〕に記載の菊花フレーバー組成物。
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppb〜50ppm
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppb〜500ppm
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppb〜0.5%
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppm〜5%
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppb〜50ppm
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppb〜500ppm
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppb〜0.5%
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppm〜5%
〔6〕菊花風味を有する飲食物に上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の香味改善剤が、以下の(A)〜(D)に規定される量で配合されている飲食物。
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppt〜50ppb
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppt〜500ppb
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppt〜5ppm
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppb〜50ppm
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppt〜50ppb
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppt〜500ppb
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppt〜5ppm
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppb〜50ppm
〔7〕菊花風味を有する飲食物に、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の香味改善剤を、以下の(A)〜(D)に規定する量で添加することを特徴とする菊花風味飲食物の香味改善方法。
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppt〜50ppb
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppt〜500ppb
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又は
エチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppt〜5ppm
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppb〜50ppm
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppt〜50ppb
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppt〜500ppb
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又は
エチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppt〜5ppm
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppb〜50ppm
〔8〕菊花風味を有する飲食物に、上記〔4〕又は〔5〕に記載の菊花フレーバー組成物を0.01〜1質量%の量で添加することを特徴とする菊花風味飲食物の香味改善方法。
本発明の香味改善剤を菊花茶などの菊花風味飲食物に適用した場合、或いは本発明の菊花フレーバー組成物を菊花風味飲食物に適用した場合、良質な天然菊花のナチュラルな甘さ、ボリューム感、良質菊花の軽い広がり感、淹れたての高級菊花茶のフレッシュ感が顕著に強調され、より一層の天然感が感じられる飲食物を消費者に提供することができる。
以下に、本発明を実施の形態に即して詳細に説明する。
〔I〕菊花風味を有する飲食物
本発明の香味改善の対象とされる菊花風味とは、菊花それ自体又は菊花の抽出物に由来する風味をいう。ここでいう抽出物とは、生花又はその乾燥品である菊花を水、エタノール、ポリエチレングリコール又はそれらの混合物によって溶媒抽出した物、水蒸気蒸留によって抽出した物、二酸化炭素等の超臨界流体によって抽出した物などが含まれる。
従って、菊花風味を有する飲食物とは、菊花自体又は菊花の抽出物を含む菊花茶飲料、菊花茶と緑茶やプーアル茶等との混合茶飲料、菊花若しくは菊花抽出物入りのゼリーやキャンデーなどが例示される。
〔I〕菊花風味を有する飲食物
本発明の香味改善の対象とされる菊花風味とは、菊花それ自体又は菊花の抽出物に由来する風味をいう。ここでいう抽出物とは、生花又はその乾燥品である菊花を水、エタノール、ポリエチレングリコール又はそれらの混合物によって溶媒抽出した物、水蒸気蒸留によって抽出した物、二酸化炭素等の超臨界流体によって抽出した物などが含まれる。
従って、菊花風味を有する飲食物とは、菊花自体又は菊花の抽出物を含む菊花茶飲料、菊花茶と緑茶やプーアル茶等との混合茶飲料、菊花若しくは菊花抽出物入りのゼリーやキャンデーなどが例示される。
〔II〕菊花風味飲食物の香味改善剤
〔1〕香味改善剤の有効成分
(1)トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール
トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、柑橘果汁中に含まれている成分であり、瑞々しい果汁感を与える香料として知られている。
しかしながら、ごく微量の濃度で菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
〔1〕香味改善剤の有効成分
(1)トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール
トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、柑橘果汁中に含まれている成分であり、瑞々しい果汁感を与える香料として知られている。
しかしながら、ごく微量の濃度で菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは、2−オクテン−1−オールをエポキシ化し、2,3−エポキシオクタン−1−オールとした後、酸化することにより2,3−エポキシオクタナールを得、最後にリン試薬を用いる方法で得ることができる。
また、エポキシ化の反応において香月−シャープレス不斉エポキシ化等を用いる方法により4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの両光学異性体を得ることも可能である。但し、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの合成法はこれらの方法に限定されるものではない。
本発明においては、公知の合成方法(Kumazawa, K.; Wada, Y.; Masuda, H., J. Agric. Food Chem., 2006, 54, 4795-4801)により合成したものを使用した。
また、エポキシ化の反応において香月−シャープレス不斉エポキシ化等を用いる方法により4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの両光学異性体を得ることも可能である。但し、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールの合成法はこれらの方法に限定されるものではない。
本発明においては、公知の合成方法(Kumazawa, K.; Wada, Y.; Masuda, H., J. Agric. Food Chem., 2006, 54, 4795-4801)により合成したものを使用した。
(2)一般式(I)で表される芳香族化合物
(式中、R1はH又はOH基を表し、R2はCH3、CH2CH3、CH=CHCOOCH3、CH=COOCH2CH3、CH2CH2COOCH3又はCH2CH2COOCH2CH3のいずれかを表す)
上記の芳香族化合物の好適な例として、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートを挙げることができる。
上記の芳香族化合物の好適な例として、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートを挙げることができる。
(2.1)4−メチルフェノール
4−メチルフェノールは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
4−メチルフェノールは、バター、コーヒー、ラム、茶、ワインなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
4−メチルフェノールは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
4−メチルフェノールは、バター、コーヒー、ラム、茶、ワインなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(2.2)4−エチルフェノール
4−エチルフェノールは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
4−エチルフェノールは、ビール、ココア、コーヒーなどに含まれる香気成分であり、ウッディ、スモーキー、アニマル様の芳香を有している。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
4−エチルフェノールは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
4−エチルフェノールは、ビール、ココア、コーヒーなどに含まれる香気成分であり、ウッディ、スモーキー、アニマル様の芳香を有している。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(2.3)メチルシンナメート
メチルシンナメートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
メチルシンナメートは、シナモン、ストロベリーなどに含まれる香気成分であり、甘く、フルーティ、バルサミックな芳香を有している。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
メチルシンナメートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
メチルシンナメートは、シナモン、ストロベリーなどに含まれる香気成分であり、甘く、フルーティ、バルサミックな芳香を有している。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(2.4)エチルシンナメート
エチルシンナメートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
エチルシンナメートは、シナモン、ストロベリーなどに含まれる香気成分であり、甘く、フルーティ、バルサミックな芳香を有している。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
エチルシンナメートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
エチルシンナメートは、シナモン、ストロベリーなどに含まれる香気成分であり、甘く、フルーティ、バルサミックな芳香を有している。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(2.5) メチル3−フェニルプロパノエート
メチル3−フェニルプロパノエートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
メチル3−フェニルプロパノエートは、ビール、メロン、ラムなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
メチル3−フェニルプロパノエートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
メチル3−フェニルプロパノエートは、ビール、メロン、ラムなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(2.6) エチル3−フェニルプロパノエート
エチル3−フェニルプロパノエートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
エチル3−フェニルプロパノエートは、ビール、メロン、ラムなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
エチル3−フェニルプロパノエートは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
エチル3−フェニルプロパノエートは、ビール、メロン、ラムなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(3)一般式(II)で表されるエチルピラジン
(式中、R1はCH3又はCH2CH3を表し、R2及びR3はそれぞれ独立してH又はCH3を表す)
上記のエチルピラジンの好適な例として、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン及び2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンを挙げることができる。
上記のエチルピラジンの好適な例として、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン及び2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンを挙げることができる。
(3.1)2,3−ジエチル−5−メチルピラジン
2,3−ジエチル−5−メチルピラジンは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
2,3−ジエチル−5−メチルピラジンは、バター、コーヒー、ラム、茶、ワインなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
2,3−ジエチル−5−メチルピラジンは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
2,3−ジエチル−5−メチルピラジンは、バター、コーヒー、ラム、茶、ワインなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(3.2) 2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン
2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンは、ココア、コーヒー、肉類、ピーナッツなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンは、香料や試薬として市販されている。本発明においては、市販品を適宜購入して使用することができる。
2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンは、ココア、コーヒー、肉類、ピーナッツなどに含まれる香気成分である。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(4)(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン
(Z)−1,5−オクタジエン−3−オンは、不飽和ケトンである。
(Z)−1,5−オクタジエン−3−オンは、脂質の酸化臭の主香成分であり、その匂いは極めて強く水溶液中での閾値は0.004ppbとされ、微量でも不快臭を感じるものである。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
(Z)−1,5−オクタジエン−3−オンは、不飽和ケトンである。
(Z)−1,5−オクタジエン−3−オンは、脂質の酸化臭の主香成分であり、その匂いは極めて強く水溶液中での閾値は0.004ppbとされ、微量でも不快臭を感じるものである。しかしながら、菊花風味を有する飲食物の香味改善効果があることは知られていなかった。
本発明の香味改善剤は、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートからなる群より選ばれた1種又は2種以上を有効成分として含むことが好ましいが、これら10成分の全てを有効成分として含むことが特に好ましい。
〔2〕香味改善剤の付加的成分
本発明の香味改善剤は、上記有効成分だけ含む態様で、菊花風味を有する飲食物に適用することができるが、使用目的、飲食物の種類やその製造方法などに応じて、さらに、付加的成分として各種の食品用香料を配合した組成物の態様で菊花風味飲食物に適用することもできる。
本発明の香味改善剤は、上記有効成分だけ含む態様で、菊花風味を有する飲食物に適用することができるが、使用目的、飲食物の種類やその製造方法などに応じて、さらに、付加的成分として各種の食品用香料を配合した組成物の態様で菊花風味飲食物に適用することもできる。
香味改善剤と組み合わせる食品用香料としては、例えば、アセトフェノン、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、シンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、イオノン、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、アセト酢酸エチル、レブリン酸エチル、ピルビン酸エチル、インドール、ノナラクトン、デカラクトン、ウンデカラクトン、ドデカ
ラクトン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール、フラネオール、ソトロン、ピネン、リモネン、ミルセン、テルピノレン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、シネオール、メントフラン、リモネンオキサイド、ピネンオキサイド、リナロールオキサイド、シトラール、メントン、カルボン、プレゴン、ピペリトン、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸テルピニル等の香料ケミカル;
ラクトン、エチルバニリン、マルトール、エチルマルトール、フラネオール、ソトロン、ピネン、リモネン、ミルセン、テルピノレン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、シネオール、メントフラン、リモネンオキサイド、ピネンオキサイド、リナロールオキサイド、シトラール、メントン、カルボン、プレゴン、ピペリトン、酢酸リナリル、酢酸メンチル、酢酸テルピニル等の香料ケミカル;
柑橘等のフルーツ系精油;アップル、パイナップル、グレープ等の回収フレーバー;ミルク、バター、チーズ、ヨーグルト等の乳系香料;アニス、ウイキョウ、オールスパイス、カモミール、ペパーミントテイル、カルダモン、カンゾウ、クミン、クローブ、キャラウェイ、コリアンダー、セイボリー、サルビア、シソ、シナモン、ジンジャー、セロリー、スペアミント、タイム、タラゴン、ディル、ニガヨモギ、ニンジン、バジル、ヒソップ、ラベンダー、レモングラス、ローズマリー、ローレル等の香辛料の精油又は抽出物等が挙げられる。
本発明の香味改善剤を飲食物に適用するに際しては、上記の食品用香料を配合し、さらに、必要に応じて溶剤を含有させた液状香料として使用する態様が好適である。ここで、溶剤としては、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート等のエステル類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メチル-3-メトキシブタノール等のアルコールエーテル類;エタノール等のアルコールを例示することができる。
なお、液状の香味改善剤を賦形剤(加工デンプン、サイクロデキストン等)と混合した後、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥等)することにより粉末香料として使用する態様も好適である。
なお、液状の香味改善剤を賦形剤(加工デンプン、サイクロデキストン等)と混合した後、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥等)することにより粉末香料として使用する態様も好適である。
〔3〕菊花風味を有する飲食物に対する香味改善剤の添加量
香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合の菊花風味を有する飲食品への添加量は、通常は5ppt〜50ppbで用いられ、好ましくは50ppt〜5ppbで用いられる。
添加量が5ppt未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が50ppbを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合の菊花風味を有する飲食品への添加量は、通常は5ppt〜50ppbで用いられ、好ましくは50ppt〜5ppbで用いられる。
添加量が5ppt未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が50ppbを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合の菊花風味を有する飲食品への添加量は、通常は50ppt〜500ppbで用いられ、好ましくは500ppt〜50ppbで用いられる。
添加量が50ppt未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が500ppbを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
添加量が50ppt未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が500ppbを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
香味改善剤が、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合の菊花風味を有する飲食品への添加量は、通常は500ppt〜5ppmで用いられ、好ましくは5ppb〜500ppbで用いられる。
添加量が500ppt未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が5ppmを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
添加量が500ppt未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が5ppmを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
香味改善剤が、メチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合の菊花風味を有する飲食品への添加量は、通常は5ppb〜50ppmで用いられ、好ましくは50ppb〜5ppmで用いられる。
添加量が5ppb未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が50p
pmを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
添加量が5ppb未満の場合は香味改善効果が十分でない場合があり、添加量が50p
pmを超えた場合は、香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
〔III〕菊花フレーバー組成物
〔1〕菊花フレーバー
本発明の香味改善剤は、人工的に製造された菊花香を有する菊花フレーバーと組み合わせた菊花フレーバー組成物の態様で菊花茶等の菊花風味飲食物に適用することができる。当該菊花フレーバー組成物を菊花風味飲食物に適用することによって、強力な菊花香付与を図ることができる。
カンファー、ボルネオール、ベルベオールといった菊花精油に含まれる成分が菊花の香気を特徴づける重要成分であると考えられており、菊花フレーバーはこうした重要成分を基本として調合することができる。
本発明においては、カンファー、バニリン、ボルネオール、ベルベノール、ドデカノール、トランス−カルベオール及びα−テルピネオールから構成される菊花フレーバーを試作して、香味改善剤と組み合わせた。
菊花フレーバーの配合例を以下の表1に示す。
〔1〕菊花フレーバー
本発明の香味改善剤は、人工的に製造された菊花香を有する菊花フレーバーと組み合わせた菊花フレーバー組成物の態様で菊花茶等の菊花風味飲食物に適用することができる。当該菊花フレーバー組成物を菊花風味飲食物に適用することによって、強力な菊花香付与を図ることができる。
カンファー、ボルネオール、ベルベオールといった菊花精油に含まれる成分が菊花の香気を特徴づける重要成分であると考えられており、菊花フレーバーはこうした重要成分を基本として調合することができる。
本発明においては、カンファー、バニリン、ボルネオール、ベルベノール、ドデカノール、トランス−カルベオール及びα−テルピネオールから構成される菊花フレーバーを試作して、香味改善剤と組み合わせた。
菊花フレーバーの配合例を以下の表1に示す。
カンファー(樟脳、camphor)はクスノキの精油に含まれる二環性モノテルペンケトンであり、特有の香気を有する半透明の昇華性ある粒状結晶である。バニリン(vanillin)はバニラ豆などの精油中に存在しバニラ特有の甘い香りを持つ白色結晶である。ボルネオール(borneol)は二環式モノテルペンアルコールでありd-体は竜脳樹(Dryobalanops aromatica)に、l-体は中国産竜脳草に存在する、弱い樟脳様香気の結晶である。ベルベノール(verbenol)はモノテルペンアルコールであり、カンラン科Boswellia carteriの樹脂にd-体が存在する。ドデカノール(dodecanol)は炭素数12個の一価アルコールである。カルベオール(carveol)はキャラウェー油、スペアミント油などに存在するスペアミント、キャラウェー様香気の無色液体である。α−テルピネオール(α−terpineol)はp-メンタン骨格を持つモノテルペンアルコールであり、ライラック様香気を有する無色液体であり、テレピン油、オレンジ油、リナロエ油など天然に広く存在する。
〔2〕菊花フレーバー組成物中の香味改善剤の配合量
香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合の菊花フレーバー組成物中の香味改善剤の量は、菊花フレーバーの種類や目的、菊花フレーバー組成物が適用される飲食物の種類によって異なるものの、一般的には、香料組成物全体量
の5ppb〜50ppmで用いられ、好ましくは50ppb〜5ppmで用いられる。
添加量が5ppb未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が50ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合の菊花フレーバー組成物中の香味改善剤の量は、菊花フレーバーの種類や目的、菊花フレーバー組成物が適用される飲食物の種類によって異なるものの、一般的には、香料組成物全体量
の5ppb〜50ppmで用いられ、好ましくは50ppb〜5ppmで用いられる。
添加量が5ppb未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が50ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合の菊花フレーバー組成物中の香味改善剤の量は、菊花フレーバーの種類や目的、菊花フレーバー組成物が適用される飲食物の種類によって異なるものの、一般的には、菊花フレーバー組成物全体量の50ppb〜500ppmで用いられ、好ましくは500ppb〜50ppmで用いられる。
添加量が50ppb未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が500ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
添加量が50ppb未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が500ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
香料組成物が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合の菊花フレーバー組成物中の香味改善剤の量は、菊花フレーバーの種類や目的、菊花フレーバー組成物が適用される飲食物の種類によって異なるものの、一般的には、菊花フレーバー組成物全体量の500ppb〜5000ppmで用いられ、好ましくは5ppm〜500ppmで用いられる。
添加量が500ppb未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が5000ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
添加量が500ppb未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が5000ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
香料組成物がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合の菊花フレーバー組成物中の香味改善剤の量は、菊花フレーバーの種類や目的、菊花フレーバー組成物が適用される飲食物の種類によって異なるものの、一般的には、菊花フレーバー組成物全体量の5ppm〜50000ppmで用いられ、好ましくは50ppm〜5000ppmで用いられる。
添加量が5ppm未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が50000ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
添加量が5ppm未満の場合は添加効果が十分でない場合があり、添加量が50000ppmを超えた場合は香味改善剤自体の香味が強く出てしまう可能性がある。
菊花フレーバーと香味改善剤を組み合わせた菊花フレーバー組成物を飲食物に適用するに際しては、必要に応じて溶剤を含有させた液状香料とし使用する態様が好適である。ここで、溶剤としては、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート等のエステル類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチルジグリコール、1,3−ブチレングリコール等のグリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール等のアルコールエーテル類;エタノール等のアルコールを例示することができる。
なお、液状の香味改善剤を賦形剤(加工デンプン、サイクロデキストン等)と混合した後、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥等)することにより粉末香料として使用する態様も好適である。
なお、液状の香味改善剤を賦形剤(加工デンプン、サイクロデキストン等)と混合した後、乾燥(噴霧乾燥、凍結乾燥等)することにより粉末香料として使用する態様も好適である。
〔3〕菊花フレーバー組成物の菊花風味を有する飲食物に対する添加量
本発明の菊花フレーバー組成物の飲食物への添加量は、通常は0.01質量%〜1質量%で用いられ、好ましくは0.01質量%〜0.5質量%で用いられ、より好ましくは0.05質量%〜0.5質量%で用いられ、さらに好ましくは0.05質量%〜0.3質量%で用いられ、最も好ましくは0.05質量%〜0.1質量%で用いられる。
添加量が0.01質量%未満の場合は菊花の風味付与効果が十分でない場合があり、添加量が1質量%を超えた場合は香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
本発明の菊花フレーバー組成物の飲食物への添加量は、通常は0.01質量%〜1質量%で用いられ、好ましくは0.01質量%〜0.5質量%で用いられ、より好ましくは0.05質量%〜0.5質量%で用いられ、さらに好ましくは0.05質量%〜0.3質量%で用いられ、最も好ましくは0.05質量%〜0.1質量%で用いられる。
添加量が0.01質量%未満の場合は菊花の風味付与効果が十分でない場合があり、添加量が1質量%を超えた場合は香味改善剤の風味が浮き出る可能性がある。
〔IV〕香味改善剤、菊花フレーバー組成物の菊花風味飲食物に対する添加方法
菊花風味飲食物への本発明の香味改善剤および菊花フレーバー組成物の添加方法につい
ては、従来公知の方法をとることができる。
例えば、菊花風味飲食物の原料に本発明の香味改善剤および菊花フレーバー組成物を添加し混合した後に飲食物を調製したり、調製された飲食物に、本発明の香味改善剤および菊花フレーバー組成物を噴霧することにより飲食物を調製することができる。
菊花風味飲食物への本発明の香味改善剤および菊花フレーバー組成物の添加方法につい
ては、従来公知の方法をとることができる。
例えば、菊花風味飲食物の原料に本発明の香味改善剤および菊花フレーバー組成物を添加し混合した後に飲食物を調製したり、調製された飲食物に、本発明の香味改善剤および菊花フレーバー組成物を噴霧することにより飲食物を調製することができる。
次に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートのいずれか1種又はこれらいずれか2種以上の組み合わせたものを、以降、「香味改善剤」という。
なお、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートのいずれか1種又はこれらいずれか2種以上の組み合わせたものを、以降、「香味改善剤」という。
[実験に使用した材料等]
菊花は、中華人民共和国の大通工貿有限公司製の乾燥加工品を使用した。
トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは常法により合成し、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル 3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートは、いずれも東京化成工業株式会社製の製品を使用した。
菊花は、中華人民共和国の大通工貿有限公司製の乾燥加工品を使用した。
トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールは常法により合成し、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル 3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートは、いずれも東京化成工業株式会社製の製品を使用した。
〔実施例1〜40〕
菊花茶は、菊花10gを80℃の水1000mLで10分間抽出した後、菊花を取り除き、ショ糖25gを添加し室温まで冷却することにより得た。
次いで、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル 3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートを種々の濃度でエタノールに溶解したのち、それを先に調製した菊花茶に0.1質量%になるように添加した。その際、菊花茶中の濃度が最終的に表2〜5になるように適時調整した。
菊花茶は、菊花10gを80℃の水1000mLで10分間抽出した後、菊花を取り除き、ショ糖25gを添加し室温まで冷却することにより得た。
次いで、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル 3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートを種々の濃度でエタノールに溶解したのち、それを先に調製した菊花茶に0.1質量%になるように添加した。その際、菊花茶中の濃度が最終的に表2〜5になるように適時調整した。
〔実施例41〕
実施例41として、下記の表の通り、10成分を含む香味改善剤を種々の濃度でエタノールに溶解したのち、それを先に調製した菊花茶に0.1質量%になるように添加した。その際、菊花茶中の濃度が最終的に表記載の濃度になるように適時調整した。
実施例41として、下記の表の通り、10成分を含む香味改善剤を種々の濃度でエタノールに溶解したのち、それを先に調製した菊花茶に0.1質量%になるように添加した。その際、菊花茶中の濃度が最終的に表記載の濃度になるように適時調整した。
[比較例1]
実施例1〜41で配合した香味改善剤の代わりにエタノールを配合して、本発明の香味改善剤を含有しない菊花茶(比較例1)を調製した。
実施例1〜41で配合した香味改善剤の代わりにエタノールを配合して、本発明の香味改善剤を含有しない菊花茶(比較例1)を調製した。
[試験例1]
本発明品の効果を評価した。評価は、実施例1〜41、比較例1の菊花茶を、熟練したパネル10名により、香味改善剤およびエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価により行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表7〜8に示す。
本発明品の効果を評価した。評価は、実施例1〜41、比較例1の菊花茶を、熟練したパネル10名により、香味改善剤およびエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価により行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表7〜8に示す。
〔実施例42〜81〕
下記表9の処方に従って、各成分を常法により混合して本発明の菊花フレーバー組成物を調製した。
その際の、香味改善剤の配合は、表10〜13に別に記載している。
下記表9の処方に従って、各成分を常法により混合して本発明の菊花フレーバー組成物を調製した。
その際の、香味改善剤の配合は、表10〜13に別に記載している。
〔配合例82〕
配合例82として、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールを0.00005質量部、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン及び2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンをそれぞれ0.0005質量部、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート及びエチル3−フェニルプロパノエートをそれぞれ0.005質量部、メチルシンナメート及びメチル3−フェニルプロパノエートをそれぞれ0.05質量部になるように表9の菊花フレーバー組成物に配合した。
配合例82として、トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールを0.00005質量部、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン及び2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンをそれぞれ0.0005質量部、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート及びエチル3−フェニルプロパノエートをそれぞれ0.005質量部、メチルシンナメート及びメチル3−フェニルプロパノエートをそれぞれ0.05質量部になるように表9の菊花フレーバー組成物に配合した。
〔比較例2〕
配合例42〜82の香味改善剤の代わりにエタノールを配合して菊花フレーバー組成物を得た(比較例2)。
配合例42〜82の香味改善剤の代わりにエタノールを配合して菊花フレーバー組成物を得た(比較例2)。
〔試験例2〕(菊花茶飲料)
菊花10gを沸騰した水1000gで10分間抽出した。その後、菊花を取り除いてショ糖25gを添加し室温まで冷却し、配合例42〜82で調製する菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ0.1g添加し、実施例及び比較例の菊花茶を調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表14〜15に示す。
菊花10gを沸騰した水1000gで10分間抽出した。その後、菊花を取り除いてショ糖25gを添加し室温まで冷却し、配合例42〜82で調製する菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ0.1g添加し、実施例及び比較例の菊花茶を調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表14〜15に示す。
〔試験例3〕(インスタント菊花茶)
市販のインスタント菊花茶(SHANGHAI COFFEE FACTORY社製)5gを150gの水に溶解した後、配合例42〜82で調製した菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ0.1g添加し、実施例及び比較例の菊花茶を調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表16〜17に示す。
市販のインスタント菊花茶(SHANGHAI COFFEE FACTORY社製)5gを150gの水に溶解した後、配合例42〜82で調製した菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ0.1g添加し、実施例及び比較例の菊花茶を調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表16〜17に示す。
〔試験例4〕(菊花混合茶)
菊花10g、仙草10g、蛋花(インドケイソウ)1g、布渣叶(ミクロコス・パニクラタ)0.5g、夏枯草0.3g、甘草0.3g、金銀花0.3gに、水1,000g、砂糖100g、クエン酸0.2g、クエン酸三ナトリウム0.5gを加えて1時間煮出した。
茶こしで濾して室温まで冷却し、配合例42〜82で調製した菊花フレーバー組成物及びエタノールそれぞれ2gを加え、水で1,000gに重量調整した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表18〜19に示す。
菊花10g、仙草10g、蛋花(インドケイソウ)1g、布渣叶(ミクロコス・パニクラタ)0.5g、夏枯草0.3g、甘草0.3g、金銀花0.3gに、水1,000g、砂糖100g、クエン酸0.2g、クエン酸三ナトリウム0.5gを加えて1時間煮出した。
茶こしで濾して室温まで冷却し、配合例42〜82で調製した菊花フレーバー組成物及びエタノールそれぞれ2gを加え、水で1,000gに重量調整した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表18〜19に示す。
〔試験例5〕(菊花茶ゼリー)
菊花20gに800gの熱湯を注いで10分静置し、茶こしで濾して菊花茶770gを得た。これに砂糖170g、蜂蜜20gを混ぜてよく撹拌した後、ゲル化剤4gと配合例42〜82で調製した菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ2g加え熱湯で1,000gに重量調整した。
これをよく撹拌しながら85℃まで加温し、ゼリーカップに小分けした後、冷蔵庫で8時間以上冷却し、実施例及び比較例の菊花茶ゼリーを調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表20〜21に示す。
菊花20gに800gの熱湯を注いで10分静置し、茶こしで濾して菊花茶770gを得た。これに砂糖170g、蜂蜜20gを混ぜてよく撹拌した後、ゲル化剤4gと配合例42〜82で調製した菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ2g加え熱湯で1,000gに重量調整した。
これをよく撹拌しながら85℃まで加温し、ゼリーカップに小分けした後、冷蔵庫で8時間以上冷却し、実施例及び比較例の菊花茶ゼリーを調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表20〜21に示す。
〔試験例6〕(菊花茶キャンデー)
菊花20gに800gの熱湯を注いで10分静置し、茶こしで濾して菊花茶770gを得た。
この菊花茶60gに、ショ糖180g、水飴141gを加え155℃で炊き上げたのち、120℃まで冷やしたところで、配合例42〜82で調整した菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ0.2g添加し、成型を行い、実施例及び比較例の菊花茶キャンデーを調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表22〜23に示す。
菊花20gに800gの熱湯を注いで10分静置し、茶こしで濾して菊花茶770gを得た。
この菊花茶60gに、ショ糖180g、水飴141gを加え155℃で炊き上げたのち、120℃まで冷やしたところで、配合例42〜82で調整した菊花フレーバー組成物及びエタノールをそれぞれ0.2g添加し、成型を行い、実施例及び比較例の菊花茶キャンデーを調製した。
次いで、熟練したパネル7名により、菊花フレーバー組成物及びエタノールを添加しない無添加品をコントロールとして官能評価を行った。
評価の基準は、香味改善効果(風味に優れる:7ポイント、コントロールと同じ:4ポイント、異味異臭がある:1ポイント、の7段階)とした。
評価点と風味のコメント(自由記述)を表22〜23に示す。
〔菊花茶インスタントティー〕
菊花を80℃の水で10分間抽出した後、菊花を取り除き、室温まで冷却することにより菊花茶抽出液を得た。
その抽出液を濃縮したのちに、バインダー及び予めエタノールに溶解したトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートを添加し、噴霧乾燥により造粒を行い、高級な菊花茶を想起させるインスタント菊花茶を得た。
菊花を80℃の水で10分間抽出した後、菊花を取り除き、室温まで冷却することにより菊花茶抽出液を得た。
その抽出液を濃縮したのちに、バインダー及び予めエタノールに溶解したトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート、エチル3−フェニルプロパノエートを添加し、噴霧乾燥により造粒を行い、高級な菊花茶を想起させるインスタント菊花茶を得た。
本発明の香味料組成物又は菊花フレーバー組成物を菊花茶飲料、菊花茶ゼリー、菊花茶キャンデー等の菊花風味飲食物に使用した場合、良質な菊花の香味のボリューム感、菊花本来のナチュラル感が顕著に強調され、より一層の天然感が感じられる飲食物を消費者に
提供することができる。
提供することができる。
Claims (8)
- 菊花風味を有する飲食物の香味改善剤であって、香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、下記の一般式(I)で表される芳香族化合物及び下記の一般式(II)で表されるエチルピラジンからなる群より選ばれた1種又は2種以上を含むことを特徴とする上記の香味改善剤。
- 一般式(I)で表される芳香族化合物が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートであり、一般式(II)で表されるエチルピラジンが2,3−ジエチル−5−メチルピラジン及び2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである請求項1に記載の香味改善剤。
- 菊花風味を有する飲食物の香味改善剤であって、香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートの全成分が含まれていることを特徴とする上記の香味改善剤。
- 下記の菊花フレーバー(1)及びその香味改善剤(2)を含有することを特徴とする菊花フレーバー組成物。
(1)カンファー、バニリン、ボルネオール、ベルべノール、ドデカノール、トランス−カルベオール及びα−テルピネオール
(2)トランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナール、4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン、2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジン、メチルシンナメート、エチルシンナメート、メチル3−フェニルプロパノエート及びエチル3−フェニルプロパノエートからなる群より選ばれた1種又は2種以上の成分 - 香味改善剤(2)が、以下の(A)〜(D)に規定される量で配合されている請求項4
に記載の菊花フレーバー組成物。
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppb〜50ppm
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppb〜500ppm
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppb〜0.5%
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppm〜5% - 菊花風味を有する飲食物に請求項1〜3のいずれか1項に記載の香味改善剤が、以下の(A)〜(D)に規定される量で配合されている飲食物。
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppt〜50ppb
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppt〜500ppb
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppt〜5ppm
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppb〜50ppm - 菊花風味を有する飲食物に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の香味改善剤を、以下の(A)〜(D)に規定する量で添加することを特徴とする菊花風味飲食物の香味改善方法。
(A)香味改善剤がトランス−4,5−エポキシ−(E)−2−デセナールである場合は、5ppt〜50ppb
(B)香味改善剤が4−メチルフェノール、4−エチルフェノール、2,3−ジエチル−5−メチルピラジン又は2−エチル−3,5(6)−ジメチルピラジンである場合は、それぞれ50ppt〜500ppb
(C)香味改善剤が(Z)−1,5−オクタジエン−3−オン、エチルシンナメート又はエチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ500ppt〜5ppm
(D)香味改善剤がメチルシンナメート又はメチル3−フェニルプロパノエートである場合は、それぞれ5ppb〜50ppm - 菊花風味を有する飲食物に、請求項4又は5に記載の菊花フレーバー組成物を0.01〜1質量%の量で添加することを特徴とする菊花風味飲食物の香味改善方法。
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