JP6811805B2 - アルコール含有量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料及びその製造方法 - Google Patents
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またジンは、熱病対策のための利尿作用のある薬用酒としてその役目をスタートさせており、香りやアルコールによりリラックスさせる効果に加え、利尿作用、健胃剤、解熱作用があることでも知られている。
これに、コリアンダーシードの芳香蒸留水とカルダモンの芳香蒸留水との混合比率が、1:2〜2:1の比率であり、ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水及びラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、コリアンダーシードの芳香蒸留水及びカルダモンの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水及びラベンダーの芳香蒸留水の合計量に対して、コリアンダーシードの芳香蒸留水及びカルダモンの芳香蒸留水の合計量が、0.5〜1.5倍量であるカルダモンとコリアンダーシードの芳香蒸留水を加えることにより、ジュニパーベリーとバラとラベンダーの芳香蒸留水の微妙な苦みに刺激感が加わりジン独特の切れ味あるアルコール感を醸し出すことができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
バラの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
ラベンダーの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
コリアンダーシードの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
カルダモンの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
ジュニパーベリーの芳香蒸留水の量と、バラの芳香蒸留水及びラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、ジュニパーベリーの芳香蒸留水の量に対してバラの芳香蒸留水及びラベンダーの芳香蒸留水の合計量が、1.5〜4倍量であり、バラの芳香蒸留水とラベンダーの芳香蒸留水の混合比率が、ラベンダーの芳香蒸留水の量に対しバラの芳香蒸留水の量が1.5〜3倍量であるようにジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、及びラベンダーの芳香蒸留水を混合する段階と、
ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、及びラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、コリアンダーシードの芳香蒸留水及びカルダモンの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、及びラベンダーの芳香蒸留水の合計量に対して、コリアンダーシードの芳香蒸留水及びカルダモンの芳香蒸留水の合計量が、0.5〜1.5倍量であり、コリアンダーシードの芳香蒸留水とカルダモンの芳香蒸留水の混合比率が、1:2〜2:1の比率となるようにジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、ラベンダーの芳香蒸留水、コリアンダーシードの芳香蒸留水、及びカルダモンの芳香蒸留水を混合する段階と、
を有することを特徴とする。
また、ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、ラベンダーの芳香蒸留水、カルダモンの芳香蒸留水、コリアンダーシードの芳香蒸留水の5種のボタニカルの蒸留水は、いずれも抗酸化作用を有するため変質速度が遅く、賞味期限の長いジンテイストノンアルコール飲料とすることができる。
本発明は、ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、ラベンダーの芳香蒸留水、カルダモンの芳香蒸留水、コリアンダーシードの芳香蒸留水の5種のボタニカルの蒸留水を組み合わせることで、芳醇なジンの香り、ジンの独特の切れ味のあるアルコール感、口に広がる複雑で奥深い植物の香りを有するジンテイストのアルコール含量0.00%のノンアルコール飲料としたものである。
ジュニパーベリーは、ジュニパーという樹木の果実である。ジュニパーは北半球の各地に広く分布するヒノキ科の常緑樹で、小さな黄色の花を咲かせた後には、最初青色で熟すと黒っぽく変化する果実を実らせる。ジュニパーベリーの芳香蒸留水(フローラルウォーター)は、この果実を粉砕し、乾燥させてから蒸留することで得られる。
ジュニパーベリーの芳香蒸留水の香りは、深く静かな森の木々を思わせるウッディーで爽やかな香りが特徴である。また、その味は、ベリー系特有の甘酸っぱさはなくさわやかなパイナップルに近いフルーティさを有し、加えてハーバルな強い香りと程よい苦味と若干のスパイシーさがあり、ジン独特の味わいを醸し出す味である。
本実施形態のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料において、ジュニパーベリーの芳香蒸留水の製造に用いるジュニパーベリーは、マケドニア産又はイタリア産のジュニパーベリーであることが、飲料のフルーティさがより際立つので好ましい。
発明者は、ジュニパーベリーの香りや味にバラとラベンダーの香りや味を適当な比率で組み合わせることにより、ジュニパーベリーの香りや味に重厚感や奥行きが加えられることを見出した。
一方、ラベンダーは、その香りが精神を安定させリラックスさせる効果からハーブとして多用されるボタニカルであり、ラベンダーの芳香蒸留水もバラの芳香蒸留水と同様に、他のボタニカルの芳香蒸留水と組み合わせると、組み合わせたボタニカルの香りや味を引き立たせ、ボディ感を与える効果を有する。特にラベンダーの香りは、ジュニパーベリーの香りを引き立たせ、複雑で奥深い植物の香りとすることに役立つ。
バラの芳香蒸留水とラベンダーの芳香蒸留水の合計量がジュニパーベリーの芳香蒸留水の量に対し1.5倍量より少ないと、ジュニパーベリーの香りと味に十分なボディ感を付与することができず、4倍量より多いとジュニパーベリーの香りと味を弱めてしまいジン風味を弱めてしまうことになる。
バラの芳香蒸留水の香りや味のインパクトは、ラベンダーの芳香蒸留水のそれと比べてやや弱く、ラベンダーの芳香蒸留水の量に対してバラの芳香蒸留水の量が1.5倍量より少ないとジュニパーベリーの香りと味に十分なボディ感を付与することができず、3倍量より多いとラベンダーの香りが弱まり、ジュニパーベリーの香りが引き立たなくなりジン風味を弱めてしまう。
ダマスクローズは、バラの中でも特に香り高いといわれている品種であり、バラ特有の濃厚な甘い香りが特徴的であり、モダンローズは、西洋バラと東洋バラが交配されることによってダマスクローズの芳香に紅茶のようなティー系の香りが加わったものである。この2種の芳香蒸留水を組み合わせることにより、ジンテイストノンアルコール飲料の香りと味の両方にバランスよくボディ感を付与することができる。
ダマスクローズの芳香蒸留水とモダンローズの芳香蒸留水の混合比率は、1:2〜2:1の比率であることが好ましく、どちらかが過度に多すぎるとジュニパーベリーの香りと味の両方にバランスよくボディ感を付与することが難しくなる。
また、更に好ましくはダマスクローズの中でもゴルムハマディを用いた芳香蒸留水は、特に強いバラの香りを有し、ジュニパーベリーの芳香蒸留水と組み合わせることでジュニパーベリーのハーバルな香りにより重厚感と奥行きを与える。
一方、モダンローズの中では、オーバーナイトセンセーションの芳香蒸留水が、それ自体はさわやかなバラの味であるが、ジュニパーベリーの芳香蒸留水と組み合わせることで熟成したバナナの味に近いものとなり、ジンテイストノンアルコール飲料の味に深みを与えるので好ましい。
コリアンダーシードは、コリアンダー(コエンドロ)の果実で、この果実が種子のように見えることからコリアンダーシードと呼ばれている。コリアンダーはセリ科の一年草で、中国や東南アジア、中南米で食用として使用され、タイではパクチー、中国では香菜と言われる。
コリアンダーシードの芳香蒸留水は、柑橘系のような印象の香りで、仄かにウッディーさやスパイシーさを含んだ温かい香りである。その味は、日本ではカレー粉に欠かせないスパイスとして知られ、香り味ともにスパイシーさが強いが、ほのかに柑橘系の香りがして甘みもあり、ややフルーティーさもあり爽やかである。
カルダモンの芳香蒸留水は、レモンやユーカリ、樟脳の香りが入り混じったような樹脂系の爽やかで上品な香りがあり、その味は、辛みは感じるが舌にぴりっとくる感じではなく、さわやかでスパイシーな味わいである。
ジュニパーベリー、バラ、ラベンダーの芳香蒸留水の合計量に対して、コリアンダーシードとカルダモンの芳香蒸留水の合計量が0.5倍量より少ないと、香りや味に刺激感が乏しくなりアルコール感が不足し、1.5倍量よりも多くなると刺激感が強くなりすぎて味の重厚感や奥行きが乏しくなり、トータルとしてアルコール感が不足してくる。
コリアンダーシードの芳香蒸留水とカルダモンの芳香蒸留水の混合比率は、1:2〜2:1の比率であることが好ましく、どちらかが過度に多すぎるとジュニパーベリーの香りと味の両方にバランスよくアルコール感を付与することが難しくなる。
ボタニカルの芳香蒸留水を作るための蒸留法には、ボタニカルの下から水蒸気を当てて蒸留するスチーム蒸留法と、加熱水中にボタニカルを浸漬させて蒸留するハイドロ蒸留法があり、蒸留に用いる蒸留器は、銅製や陶磁器製の蒸留器が用いられる。
ボタニカルの芳香蒸留水の製造においては、蒸留の方法や蒸留器の材質により香りや味が異なるため、用途及びボタニカルの種類に応じて蒸留の方法や蒸留器の材質を選定する必要がある。
2種類の蒸留法は、ボタニカルの種類、芳香蒸留水の用途等に応じて使い分けられます。
ハイドロ蒸留法における加熱温度は、通常80〜99℃であるが、ボタニカルの種類によっては、この温度ではボタニカルの芳香成分を芳香蒸留水中に効果的に取り込めない場合がある。
陶磁器製の蒸留器は、銅製の蒸留器とは逆に引き立ちすぎるボタニカル固有の香りをマイルドにする効果がある。蒸留器の材質は、ボタニカルの種類、芳香蒸留水の用途に応じて選定される。
スチーム蒸留により、レシーバー上部に精油(エッセンシャルオイル)が浮き、下部に芳香蒸留水が溜まり、浮いた精油分をデカンテーションにより除去してジュニパーベリーの芳香蒸留水が得られる。
ハイドロ蒸留により、レシーバー上部に精油分が浮き、下部に芳香蒸留水が溜まるが、浮いた精油分はデカンテーションにより除去してバラの芳香蒸留水を得る。
バラの芳香蒸留水の製造方法において、 ダマスクローズの芳香蒸留水とモダンローズの芳香蒸留水の製造方法に格別の差異はない。
スチーム蒸留により、レシーバー上部に精油分が浮き、下部に芳香蒸留水が溜まるが、浮いた精油分はデカンテーションにより除去してラベンダーの芳香蒸留水を得る。
ハイドロ蒸留により、レシーバー上部に精油分が浮き、下部に芳香蒸留水が溜まるが、浮いた精油分はデカンテーションにより除去してコリアンダーシード及びカルダモンの芳香蒸留水を得る。
各ボタニカルの芳香蒸留水の混合方法に特に制限はないが、ジュニパーベリーの芳香蒸留水にバラの芳香蒸留水を混合する段階、この混合物にラベンダーの芳香蒸留水を混合する段階、更に、コリアンダーシード及びカルダモンの芳香蒸留水を混合する段階の3段階に分けて混合するのが好ましい。
各ボタニカルの芳香蒸留水は、製造ロットにより味や香りに微妙な差異を生じるため、混合を3段階に分け各段階ごとに味と香りを確認し最適な味と香りとなるように各ボタニカルの芳香蒸留水の混合量を調整しながら製造することが好ましい。
特に3段階目のコリアンダーシード及びカルダモンの芳香蒸留水を混合する段階は、更にコリアンダーシード及びカルダモンの芳香蒸留水の量を分割して混合して、最適なアルコール感となるように混合することが好ましい。
また、本発明のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料は、無色透明でドライな味わいであり、炭酸水や果汁等のエキスと組み合わせて多様な飲み方で楽しむことができる。
Claims (8)
- ジュニパーベリーの芳香蒸留水、バラの芳香蒸留水、ラベンダーの芳香蒸留水、コリアンダーシードの芳香蒸留水、及びカルダモンの芳香蒸留水からなり、
前記バラの芳香蒸留水と前記ラベンダーの芳香蒸留水の混合比率が、前記ラベンダーの芳香蒸留水の量に対し前記バラの芳香蒸留水の量が、1.5〜3倍量であり、
前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水の量と、前記バラの芳香蒸留水及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水の量に対して前記バラの芳香蒸留水及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量が、1.5〜4倍量であり、
前記コリアンダーシードの芳香蒸留水と前記カルダモンの芳香蒸留水との混合比率が、1:2〜2:1の比率であり、
前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水、前記バラの芳香蒸留水及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、前記コリアンダーシードの芳香蒸留水及び前記カルダモンの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水、前記バラの芳香蒸留水及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量に対して、前記コリアンダーシードの芳香蒸留水及び前記カルダモンの芳香蒸留水の合計量が、0.5〜1.5倍量であることを特徴とするアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料。 - 前記バラの芳香蒸留水は、ダマスクローズの芳香蒸留水とモダンローズの芳香蒸留水が、1:2〜2:1の比率のものであることを特徴とする請求項1に記載のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料。
- 請求項1又は2に記載されたアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料を製造する製造方法であって、
ジュニパーベリーの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
バラの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
ラベンダーの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
コリアンダーシードの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
カルダモンの芳香蒸留水を調製し熟成する段階と、
前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水の量と、前記バラの芳香蒸留水及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水の量に対して前記バラの芳香蒸留水及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量が、1.5〜4倍量であり、前記バラの芳香蒸留水と前記ラベンダーの芳香蒸留水の混合比率が、前記ラベンダーの芳香蒸留水の量に対し前記バラの芳香蒸留水の量が1.5〜3倍量であるように前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水、前記バラの芳香蒸留水、及び前記ラベンダーの芳香蒸留水を混合する段階と、
前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水、前記バラの芳香蒸留水、及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量と、前記コリアンダーシードの芳香蒸留水及び前記カルダモンの芳香蒸留水の合計量と、の混合比率が、前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水、前記バラの芳香蒸留水、及び前記ラベンダーの芳香蒸留水の合計量に対して、前記コリアンダーシードの芳香蒸留水及び前記カルダモンの芳香蒸留水の合計量が、0.5〜1.5倍量であり、前記コリアンダーシードの芳香蒸留水と前記カルダモンの芳香蒸留水の混合比率が、1:2〜2:1の比率となるように前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水、前記バラの芳香蒸留水、前記ラベンダーの芳香蒸留水、前記コリアンダーシードの芳香蒸留水、及び前記カルダモンの芳香蒸留水を混合する段階と、
を有することを特徴とするアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料の製造方法。 - 前記ジュニパーベリーの芳香蒸留水を調製する段階は、粉砕したジュニパーベリーを銅製の蒸留器を用いてスチーム蒸留する段階を有することを特徴とする請求項3に記載のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料の製造方法。
- 前記バラの芳香蒸留水を調製する段階は、ダマスクローズの芳香蒸留水を調製する段階とモダンローズの芳香蒸留水を調製する段階とを有し、
前記ダマスクローズの芳香蒸留水を調製する段階は、ダマスクローズの花弁を銅製の蒸留器を用いてハイドロ蒸留する段階を有し、
前記モダンローズの芳香蒸留水を調製する段階は、モダンローズの花弁を銅製の蒸留器を用いてハイドロ蒸留する段階を有することを特徴とする請求項3に記載のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料の製造方法。 - 前記ラベンダーの芳香蒸留水を調製する段階は、ラベンダーの花穂を陶磁器製の蒸留器を用いてスチーム蒸留する段階を有することを特徴とする請求項3に記載のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料の製造方法。
- 前記コリアンダーシードの芳香蒸留水を調製する段階は、乾燥したコリアンダーシードを銅製の蒸留器を用いてハイドロ蒸留する段階を有することを特徴とする請求項3に記載のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料の製造方法。
- 前記カルダモンの芳香蒸留水を調製する段階は、乾燥したカルダモンの種子を銅製の蒸留器を用いてハイドロ蒸留する段階を有することを特徴とする請求項3に記載のアルコール含量0.00%のジンテイストノンアルコール飲料の製造方法。
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