JP2018505150A - アルコキシ置換ベンズアルデヒドの合成のための効率的なプロセス - Google Patents

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Abstract

本発明は、対応するアルコキシ置換ベンゼンから得られるアルコキシ置換ベンズアルデヒドの合成に関する。アルコキシ置換ベンズアルデヒドは幅広い商業的利益を有する製品であり、香味および芳香用途および薬剤材料成分における最終生成物および中間体として使用される。例えば、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒド(ヘリオトロピンまたはピペロナールとしても知られている)は、上記用途のための最終生成物および中間体の両方として、広く使用される。他の例としては、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドおよび3,4−エチレンジオキシベンゼンが挙げられ、これらは医薬品有効中間体の合成における中間体である。【選択図】なし

Description

式IIの対応するアルコキシ置換ベンゼンから、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを実質的純粋形態かつ高収率で合成するための、効率的で、経済的で、工業的に有利な、ストレート・スループロセスが本明細書で開示される。
Figure 2018505150
式中、R、RおよびRは互いに独立しており、
はアルコキシ基−ORを表し、ここでRは置換または非置換C−Cアルキル基、置換または非置換C−Cシクロアルキル基であり、あるいはRおよびRは共に一緒になって、−O−(CH)n−O−により表されるアルキレンジオキシ基を形成し、ここで、nは1、2、3または4であり、
はH、Rまたは−ORを表し、ここでRは置換または非置換C−Cアルキル基、置換または非置換C−Cシクロアルキル基であり、あるいはRおよびRは共に一緒になって、−O−(CH)n−O−により表されるアルキレンジオキシ基を形成し、ここで、nは1、2、3または4であり、
ならびにRは、位置1、3および4以外の芳香環の任意の位置の置換基であり、かつH、R、−ORを表し、ここで、Rは置換または非置換C−Cアルキル基あるいは置換または非置換C−Cシクロアルキル基であり、あるいはR3はCl、Br、Iから選択されるハロゲン、またはCN、NO、NH、−CONHから選択される窒素含有基を表す。
ここで、ストレート・スルー化学プロセスは、インサイチューで、好ましくは単一溶媒媒体中で実施され、中間段階で溶媒回収および/または単離/精製を必要とせず、所望の生成物を実質的純粋形態かつ高収率で与える一連の反応として規定される。
およびはRが一緒にメチレンジオキシ基を形成し、RがHである場合、そうすると、式Iの化合物はヘリオトロピンを表し、ピペロナールまたは3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドとも呼ばれ、これは、式IVの化合物により表される。式IVの前記化合物は、式IIIのメチレンジオキシベンゼンを開始材料として使用することにより調製される。
Figure 2018505150
本明細書で開示されるプロセスは反応媒体としての単一の有機溶媒の使用を可能にし、任意の中間段階での溶媒の除去および/または単離/精製を必要とせず、よって、プラントスケール操作中の単位操作およびハンドリングロスが最小に抑えられる。その結果、これらの簡略化プロセス条件下では、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドは、式IIの対応するアルコキシ置換ベンゼンから開始して、実質的純粋形態かつ高収率で得ることができる。例えば、トルエンなどの芳香族炭化水素が溶媒として選択された場合、式IIIのメチレンジオキシベンゼンはストレート・スルー化学プロセスにおいて、約80%収率で実質的に純粋な(95%超)式IVのヘリオトロピンに変換され、中間段階での溶媒回収、および/または単離/精製はない。
式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドは重要なクラスの化合物であり、化学、農薬、医薬および美容業界において様々な用途が見出されており、これらはまた、他の公知の化合物の調製において中間体として使用される。例えば、式IVの3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドは、ヘリオトロピンまたはピペロナールとも呼ばれ、芳香および香味用途で使用され、また、タダラフィル(商標)などの薬物分子、ならびに農薬の調製のための中間体として使用される。他の例としては、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドおよび3,4−エチレンジオキシベンゼンが挙げられ、これらは、医薬品有効中間体の合成における中間体である。生成物の必要とされる純度は特定用途に依存するが;しかしながら、材料を実質的純粋形態(95%超)で有することが好ましい。
先行技術で開示される、ヘリオトロピン(ピペロナール)を調製するための従来のプロセスは、オオクトエアシンバルム(Octoea Cym barum)の精油に含まれているサフロールを異性化し、酸化させることを含む(米国特許2916499号で開示される)。しかしながら、このプロセスは、天然資源へ依存性しているために原料の供給および価格が不安定であるという欠点を有する。よって、合成原料に基づくプロセスが好ましい。
アルコキシ置換ベンズアルデヒドの合成のための先行技術で開示される様々な化学的方法が存在する。
日本特許出願156867/77号は、N−メチルホルムアニリドを使用するメチレンジオキシベンゼンのホルミル化を含む、ヘリオトロピンの調製のためのプロセスを開示する。しかしながら、50〜60%の1,2−メチレンジオキシベンゼンが回収され、エネルギー消費は非常に高く、よって、これは、工業プロセスとしては有利でない。
J. Gen. Chem 8, 975 (1938)および英国特許1538214号は、メチレンジオキシベンゼンのクロロメチル化により3,4−メチレンジオキシベンジルクロリドを得、これを2−ニトロプロパンのアルカリ金属塩と反応させ、ヘリオトロピンを得ることを含む、ヘリオトロピンを調製するためのクロロメチル化プロセスを開示する。最終生成物の収率は、メチレンジオキシベンゼンに基づき55−60%であり、また、大量のタール状材料が副産物として形成される。
BE877911A1号は、メチレンジオキシベンゼンをマンデル酸に変換し、続いて、これを対応するベンズアルデヒドに変換するためのプロセスを開示する。得られた収率は非常に低い。
US4942240A号は、芳香族ハロゲン化物を水素および一酸化炭素の混合物と貴金属系触媒の存在下で反応させることを含む、ベンズアルデヒドおよびその類似体の調製ためのプロセスを開示する。
US4605749A号は、対応するアリールハロゲン化物が開始材料として使用される、芳香族アルデヒドの調製ためのプロセスを開示する。その中で開示されるプロセスは、アリールハロゲン化物を一酸化炭素と過圧で、水素ドナー、塩基および触媒の存在下にて反応させることを含む。
US4335263A号は、中間体として得られた置換ベンジルハライドを、前記ベンジルハライドを酸化させることにより対応するベンズアルデヒドに変換する、芳香族アルデヒドの調製のためのプロセスを開示する。その中で開示されるプロセスは、メチレンジオキシベンジルハライドの調製のための複数の工程を含み、得られた最終生成物は、メチレンジオキシベンジルブロミドに関する限りでは、w/wに基づき55.8%収率である。ヘリオトロピンの純度および収率の言及はない。
JP3282338B2号は、メチレンジオキシベンジルクロリドが、次亜ハロゲン酸により、相間移動触媒の存在下、有機溶媒および水の2相系中で酸化される、ヘリオトロピンを調製するためのプロセスを開示する。
JP62005977A号はまた、メチレンジオキシベンジルクロリドを、水酸化ナトリウムのような電解質を使用することにより電気分解することにより、ヘリオトロピンを調製するためのプロセスを開示する。
US8,618,335号は、対応する芳香族メチルアルコールを過酸化物と、タングステンまたはモリブデンの金属化合物、および四級アンモニウム塩または有機ホスホニウム塩のいずれかの存在下で反応させることにより、芳香族アルデヒド化合物を調製するためのプロセスを開示する。
JP54135770号は、メチレンジオキシベンゼンをホルムアルデヒドおよびHClと反応させ、メチレンジオキシベンジルクロリドを得、これを単離して、ヘキサメチレンテトラミンと、クロロホルムを溶媒として使用して反応させ、錯体とも呼ばれる塩を得ることを含む、ヘリオトロピンを調製するためのプロセスを開示する。前記塩は、濾過プロセスにより単離され、酢酸に溶解した後、アンモニアと反応させられ、ヘリオトロピンが得られる。それから得られた生成物の純度の言及はない。前記特許で開示されるプロセスは、各反応工程後に溶媒回収および中間体の単離/精製などの複数の操作を含み、また、1を超える溶媒の使用を必要とし、反応媒体として工業的に安全でないクロロホルムの使用を必要とする。最終単離生成物の純度の言及はない。
WO2008023836号は、メチレンジオキシベンゼンをホルムアルデヒドおよびHCl水溶液とトルエン中で反応させることを含むヘリオトロピンを調製するためのプロセスを開示し、ピペロニルクロリドが内部オンラインGC標準に基づき85%収率で得られ、単離材料の収率の言及はない。溶媒は蒸留されて除去され、前記ピペロニルクロリドは、酢酸の第2の反応媒体中でヘキサメチレンテトラミンと、0.25モル〜1.0モル/モルのピペロニルクロリドのモル比で反応させられ、式Aの錯体が得られ、これはその後分解され、ピペロナールが得られる。得られたピペロナールは、酢酸エチルを用いた抽出により単離される。その中で開示されるプロセスは、複数の溶媒の使用、ならびに中間段階での単離/精製を含む。その上、得られた最終生成物の純度は言及されていない。
先行技術で開示され、上記で記載されるプロセスは全て、複数の単位操作、例えば溶媒回収および/または中間体の単離/精製を必要とし、またはそうでなければ、大規模工業生産には不適切である。これにより、先行技術においてその中で開示されるプロセスと比べて、単位操作の数を最小に抑え、生成物のより良好な収率および高い純度を提供し、溶媒使用を最小に抑え、かつ、アルコキシ置換ベンズアルデヒドの工業規模調製に好適である、アルコキシ置換ベンズアルデヒドを調製するための改善されたプロセスの開発が必要とされる。
本発明の目的は、先行技術と関連する技術的問題に対する解決策を提供することである。前記目的を考慮して、本発明は、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドの調製のための、先行技術で開示されるプロセスと関連する上記欠点を排除する、工業的に実行可能で経済的なプロセスを提供する。
発明の目的および概要
本発明の発明者らは、本明細書で、ストレート・スループロセスで、任意の中間段階での溶媒回収、単離および/または精製なしでの単一溶媒の使用を含む、式IIの対応するアルコキシ置換ベンゼン化合物から、実質的純粋形態かつ高収率で、アルコキシ置換ベンズアルデヒドを調製するための効率的で選択的なプロセスを開示する。
本発明の第一の態様は、式IIの対応するアルコキシ置換ベンゼンから開始して、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを、実質的純粋形態かつ高収率で、調製するための改善されたストレート・スループロセスを提供し、式中、置換基R、RおよびRは上記で述べられたものと同じである。
Figure 2018505150
本発明の第二の態様はストレート・スループロセスにおける単一溶媒の使用であり、かつ中間段階中の溶媒回収の必要性を排除し、よって、プラント規模での単位操作の数を低減させ、ハンドリングロスを最小に抑え、効率を増加させる。
本発明の第3の態様は、任意の中間段階での単離および/または精製を必要とせず、よって単位操作を低減させ、ハンドリングロスを最小に抑え、かつ効率を増加させる。
本発明の第4の態様は、式IVのヘリオトロピンを、約95%超の純度で、約80%収率で調製するための、改善された、経済的な、かつ工業的に実行可能なストレート・スルー化学プロセスを提供する。
本発明の第五の態様は、式IIIのメチレンジオキシベンゼンから開始して、95%超純度の式IVのヘリオトロピンを、約80%収率で、調製するための改善された、経済的な、かつ工業的に実行可能なストレート・スルー化学プロセスを提供し、反応工程全てに対する単一溶媒の使用、ならびに任意の中間段階での単離および/または精製の必要性を排除することを含む。
本発明の第六の態様は、式Vの3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(ベラトルアルデヒドとも呼ばれる)の調製のための、改善された、経済的な、かつ工業的に実行可能なストレート・スルー化学プロセスを提供し、反応工程全てに対して単一溶媒を使用すること、および任意の中間段階での単離および/または精製の必要性を排除することを含み、実質的に純粋な最終生成物が良好な収率で得られる。
Figure 2018505150
本発明の第七の態様は、式VIの3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドの調製のための、改善された、経済的な、かつ工業的に実行可能なストレート・スルー化学プロセスを提供し、反応工程全てに対して単一溶媒を使用すること、および任意の中間段階での単離および/または精製の必要性を排除することを含み、実質的に純粋な最終生成物が良好な収率で得られる。
Figure 2018505150
先行技術を超える利点
本明細書で開示されるプロセスは、先行技術を超える、下記の明らかな利点を有する:
1.式IIの対応するアルコキシ置換ベンゼンから、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを実質的純粋形態かつ高収率で調製するための経済的な、かつ工業的に実行可能なストレート・スルー化学プロセスであって、式VIIの対応するベンジルハライドおよび前記ベンジルハライドをヘキサメチレンテトラミンと反応させることにより形成される式VIIIの錯体の単離はない。
Figure 2018505150
、RおよびRは上記で述べられる式Iの化合物におけるものと同じであり、Xは、ハロ基Cl、BrまたはIから選択される。
2.プロセスを通しての単一溶媒の使用、これは、所望の最終生成物の単離まで、全プロセス中、除去する必要はない。
3.中間段階での溶媒回収、単離および精製などの単位操作の排除、これにより、プロセスはより経済的で、工業規模で操作が分かりやすくなり、得られた生成物は良好な収率で、実質的純粋形態である。
4.開始材料としてメチレンジオキシベンゼンを使用する、95%超純度を有する医薬および芳香剤グレード品質のヘリオトロピンの、80%超収率での調製。
発明の概要
式IIの対応する化合物から開始して、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを、実質的純粋形態かつ高収率で合成するための効率的で、経済的で、工業的に有利なストレート・スループロセスが本明細書で開示される。
Figure 2018505150
式中、RおよびRおよびRは上記で開示されるのと同じである。
およびRが一緒にメチレンジオキシ基を形成し、かつRがHである場合、そうすると、式Iの化合物はピペロナールまたは3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドとも呼ばれるヘリオトロピンを表し、式IVの化合物により表される。式IVの前記化合物は、式IIIのメチレンジオキシベンゼンを開始材料として使用することにより調製される。
Figure 2018505150
本明細書で開示されるプロセスは単一溶媒中で実施することができ、任意の中間段階での溶媒の除去および/または単離/精製を必要とせず、これにより、プラント規模での単位操作が最小に抑えられ、ハンドリングロスが低減され、よって高収率の実質的に純粋な式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドが得られる。
溶媒の好適な選択により、式IIの化合物は、実質的な純度の対応するアルコキシ置換ベンズアルデヒドに高収率で変換される。
例えば、有機溶媒、好ましくはトルエンなどの芳香族炭化水素溶媒が、溶媒として選択される場合、式IIIのメチレンジオキシベンゼンはストレート・スルー化学プロセスで変換され、式IVのヘリオトロピンが実質的純粋形態(95%超純度)で、高収率(約80%)にて得られる。本明細書では、ストレート・スルー化学プロセスは、インサイチューで、好ましくは単一溶媒媒体中で実施され、中間段階で溶媒回収および/または単離/精製を必要とせず、所望の生成物を実質的純粋形態かつ高収率で与える一連の反応として規定される。
他に特に規定がなければ、本明細書で明記される全ての部およびパーセンテージは重量パーセンテージである。別記されない限り、本明細書では、「1つの(aまたはan)」という用語は、反応物または材料または溶媒とも呼ばれる1つ以上の構成要素を含む。本発明は、別記されない限り、本明細書で明記される反応またはプロセス工程を含み、これから構成され、またはこれから本質的に構成され得る。
以下、発明の好ましい実施形態について詳細に言及する。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書で明記される実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。加えて、当業者によく認識されるように、発明は方法、システムまたはプロセスとして具体化することができる。
本明細書で開示される技術は特定の実施形態を説明する目的のためのものにすぎず、制限することを意図しないこともまた理解されるべきである。
約という用語は、+10%を意味する。
実質的に純粋という用語は、純度95%超を意味する。
本発明は、式Iのアルコキシ置換アルデヒドを調製するための工業的に許容される改善されたプロセスに関する。本発明はプロセス工程を低減させ、単位操作を最小に抑えるだけでなく、中間体の単離および/または精製を回避することにより収率損失を最小に抑え、式Iのアルコキシ置換アルデヒドを実質的純粋形態かつ高収率で製造する。
1つの実施形態では、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを調製するためのストレート・スルー化学プロセスが本明細書で開示され、ここで、RおよびRは、前記で記載されるものと同じであり;
式IIの開始材料化合物をホルムアルデヒドおよび酸HX(式中、XはCl、BrまたはIである)と有機溶媒中で接触させ、式VIIの化合物を得ることを含む。
Figure 2018505150
式VIIの化合物を調製するための前記プロセスはハロメチル化と呼ばれ;
式VIIの化合物を含む上記で得られた反応塊はそのようなものとして単離および/または精製なしで、ヘキサメチレンテトラミンと約50℃〜約100℃、好ましくは約80℃で接触させられ、式IXの錯体が得られ、
Figure 2018505150
上記で得られた式IXの錯体を単離せずに、反応塊に、酢酸水溶液、または酢酸水溶液およびリン酸、硫酸、塩酸、硝酸またはそれらの混合物を含む群から選択される鉱酸の混合物、または酢酸およびクロロ酢酸などを含む群から選択される有機酸の混合物、または酢酸水溶液および酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムなどもしくはそれらの混合物を含む群から選択されるアルカリ金属塩の混合物、または上記のいくつかの組み合わせを含む群から選択される酸または塩基または塩が添加され、ここで、初期酸濃度は約20%〜約70%の範囲であり、二相性反応塊が得られ;
上記で得られた前記二相性反応塊は、反応中、約2〜約6のpHの酸性範囲で維持され、前記二相性反応塊は、約50℃〜約110℃、好ましくは約80℃〜約90℃で約5〜約15時間、好ましくは約8時間加熱することを含む温浸を受け、式IXの化合物が分解され、対応する式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドが生成され;
その後、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを含む有機溶媒相が水相からデカンテーションにより分離される。必要なら、水相は、同じ有機溶媒でさらに抽出することができる。有機溶媒抽出物が合わせられ、溶媒が分離され、生成物は、標準精製プロセスにより好ましくは蒸留塔において、必要とされる純度まで精製される。
本明細書では、式IXの錯体を対応する式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドに変換するためのプロセスは式IXの前記錯体の分解と呼ばれる。
式Iの化合物を調製するためのストレート・スループロセスについての一実施形態で記載される反応工程は有機溶媒中で実施される。使用される有機溶媒の性質について特別な制限はないが、ただし、反応または関連する試薬に対して有害作用を有さないことを条件とする。好適な溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびそれらの混合物を含む群から選択される芳香族炭化水素が挙げられる。
式VIIの化合物の調製のために本明細書で使用される式HXにより表される酸は、HCl、HBrおよびHIから選択される。
本明細書では、接触は、反応、付加、還流、混合、撹拌などを意味する。
本明細書における別の実施形態では、式IVのヘリオトロピンを調製するためのインサイチュープロセスが開示され、これは
Figure 2018505150
式IIIの前記開始材料化合物をホルムアルデヒドおよび酸HX(式中、XはCl、BrまたはIである)と有機溶媒中で接触させ、式Xの化合物を得ることを含む開始材料のハロメチル化を含み;
Figure 2018505150
式Xの化合物を含む上記で得られた反応塊は、式Xの化合物を単離せずに、ヘキサメチレンテトラミンと約50℃〜約100℃、好ましくは約80−90℃、より好ましくは約80℃で接触させられ、式XIの錯体が得られ;
上記で得られた反応塊に、式XIの錯体を単離せずに、酢酸水溶液、または酢酸水溶液およびリン酸、硫酸、塩酸、硝酸またはそれらの混合物を含む群から選択される鉱酸の混合物、または酢酸およびクロロ酢酸などを含む群から選択される有機酸の混合物、または酢酸水溶液および酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムなどもしくはそれらの混合物を含む群から選択されるアルカリ金属塩の混合物、または上記のいくつかの組み合わせを含む群から選択される酸または塩基または塩が添加され、ここで、初期酸濃度は約20%〜約70%の範囲であり、二相性反応塊が得られ;
上記で得られた前記二相性反応塊は、反応中、約2〜約6のpHの酸性範囲で維持され、前記二相性反応塊はインサイチューで、約50℃〜約100℃、好ましくは約80℃で約5〜約15時間、好ましくは約8時間加熱することを含む温浸を受け、そのため、式XIの化合物が分解され、95%超純度の式IVの対応する実質的に純粋なアルコキシ置換ベンズアルデヒドが約80%収率で生成される。
本明細書では、式XIの錯体を、ヘリオトロピン、3,4−メチレンジオキシベンズアルデヒドまたはピペロナールとも呼ばれる式IVの芳香族ベンズアルデヒドに変換するためのプロセスは、式XIの前記錯体の分解と呼ばれる。
式IVの化合物を調製するためのインサイチュープロセスについて一実施形態で記載される反応工程は有機溶媒中で実施される。使用される有機溶媒の性質について特別な制限はないが、ただし、反応または関連する試薬に対して有害作用を有さないことを条件とする。好適な溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびそれらの混合物を含む群から選択される芳香族炭化水素が挙げられる。好ましくは、この場合に使用される有機溶媒はトルエンである。
式Xの化合物の調製のために本明細書で使用される式HXにより表される酸は、HCl、HBrおよびHIから選択される。好ましくは、この場合に使用される酸はHClである。
本明細書におけるさらに別の実施形態では、式Vの化合物を調製するためのインサイチュープロセスが開示され、これは
Figure 2018505150
XIIの前記開始材料化合物をホルムアルデヒドおよび酸HX(式中、XはCl、BrまたはIである)と有機溶媒中で接触させ、式XIIIの化合物を得ることを含む、開始材料のハロメチル化を含み;
Figure 2018505150
式XIIIの化合物を含む上記で得られた反応塊は、式XIIIの化合物をインサイチューで単離せずに、ヘキサメチレンテトラミンと約50℃〜約100℃、好ましくは約80℃で接触させられ、式XIVの錯体が得られ;
上記で得られた反応塊に、式XIVの錯体を単離せずに、酢酸水溶液、または酢酸水溶液およびリン酸、硫酸、塩酸、硝酸またはそれらの混合物を含む群から選択される鉱酸の混合物、または酢酸およびクロロ酢酸などを含む群から選択される有機酸の混合物、または酢酸水溶液および酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムなどもしくはそれらの混合物を含む群から選択されるアルカリ金属塩の混合物、または上記のいくつかの組み合わせを含む群から選択される酸または塩基または塩が添加され、ここで、初期酸濃度は約20%〜約70%の範囲であり、二相性反応塊が得られ;
上記で得られた前記二相性反応塊は、反応中、約2〜約6のpHの酸性範囲で維持され、前記二相性反応塊はインサイチューで、約40℃〜約100℃、好ましくは約80℃で約5〜約15時間、好ましくは約8時間加熱することを含む温浸を受け、そのため、式XIVの化合物が分解され、式Vの対応するアルコキシ置換ベンズアルデヒドが生成される。有機溶媒相が分離され、水相が任意で同じ有機溶媒で抽出される。有機溶媒抽出物が合わせられ、溶媒が分離され、生成物は、必要とされる純度まで蒸留塔で精製される。
本明細書では、式XIVの錯体を式Vのアルコキシ置換ベンズアルデヒドに変換するためのプロセスは、式XIVの前記錯体の分解と呼ばれる。
式Vの化合物を調製するためのストレート・スルー化学プロセスについての一実施形態で記載される反応工程は有機溶媒中で実施される。使用される有機溶媒の性質について特別な制限はないが、ただし、反応または関連する試薬に対して有害作用を有さないことを条件とする。好適な溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびそれらの混合物を含む群から選択される芳香族炭化水素が挙げられる。好ましくは、この場合に使用される有機溶媒はトルエンである。
式VIIIの化合物の調製のために本明細書で使用される式HXにより表される酸は、HCl、HBrおよびHIから選択される。好ましくは、この場合に使用される酸はHClである。
さらに別の実施形態では、式VIの化合物を調製するためのプロセスが本明細書で開示され、これは
Figure 2018505150
式XVの前記開始材料化合物を、ホルムアルデヒドおよび酸HX(式中、XはCl、BrまたはIである)と有機溶媒中で接触させ、式XVIの化合物を得ることを含む、開始材料のハロメチル化を含み;
Figure 2018505150
式XVIの化合物を含む上記で得られた反応塊は、式XVIの化合物を単離せずに、ヘキサメチレンテトラミンと約50℃〜約100℃、好ましくは約80℃で接触させられ、式XVIIの錯体が得られ;
上記で得られた反応塊に、式XVIIの錯体を単離せずに、酢酸水溶液、または酢酸水溶液およびリン酸、硫酸、塩酸、硝酸またはそれらの混合物を含む群から選択される鉱酸の混合物、または酢酸およびクロロ酢酸などを含む群から選択される有機酸の混合物、または酢酸水溶液および酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムなどもしくはそれらの混合物を含む群から選択されるアルカリ金属塩の混合物、または上記のいくつかの組み合わせを含む群から選択される酸または塩基または塩が添加され、ここで、初期酸濃度は約20%〜約70%の範囲であり、二相性反応塊が得られ;
上記で得られた前記二相性反応塊は、反応中、約2〜約6のpHの酸性範囲で維持され、前記二相性反応塊はインサイチューで、約40℃〜約100℃、好ましくは約80℃で約5〜約15時間、好ましくは約8時間加熱することを含む温浸を受け、そのため、式XVIIの化合物が分解され、式VIの対応する芳香族ベンズアルデヒドが生成される。有機溶媒相が分離され、水相が任意で同じ有機溶媒で抽出される。有機溶媒抽出物が合わせられ、溶媒が分離され、生成物は、必要とされる純度まで蒸留塔で精製される。
本明細書では、式XVIIの錯体を式VIのアルコキシ置換ベンズアルデヒドに変換するためのプロセスは、式XVIIの前記錯体の分解と呼ばれる。
式VAの化合物を調製するためのストレート・スループロセスについての一実施形態で記載される反応工程は有機溶媒中で実施される。使用される有機溶媒の性質について特別な制限はないが、ただし、反応または関連する試薬に対して有害作用を有さないことを条件とする。好適な溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびそれらの混合物を含む群から選択される芳香族炭化水素が挙げられる。好ましくは、この場合に使用される有機溶媒はトルエンである。
式VIIIの化合物の調製のために本明細書で使用される、式HXにより表される酸は、HCl、HBrおよびHIから選択される。好ましくは、この場合に使用される酸はHClである。
下記非限定的実施例が本発明をさらに説明するために提供される。本開示について、材料、方法および反応条件の両方に対し、多くの改変、修正、変更が実施可能であることは当業者には明らかであろう。そのような改変、修正および変更は全て、本発明の精神および範囲内にあることが意図される。本発明は、それらに限定されると解釈されないことが理解されるべきである。
実施例:
本発明を、下記実施例によりさらに説明する。分析はガスクロマトグラフィーにより、ZB−1キャピラリーカラム、0.25マイクロメートルの厚さ×30m、Phenomenex(USA)製を使用して実施した。
実施例1:ピペロナールの合成
パラホルムアルデヒド(180g)、30%塩酸(730g)、トルエン(1.0kg)およびメチレンジオキシベンゼン(488g)を3リットルガラス反応器に入れた。塩化水素ガスを約−10℃で反応媒体を通して5〜10時間の間、急速に通過させた。クロロメチル誘導体のGC量はこの段階で約90%であった。水性部分を排除し、MDB−Clを含む有機部分を、ヘキサミン(560g)を用いて、約80℃で、クロロメチル誘導体の含量が、GC分析により0.5%未満となるまで温浸させた。50%酢酸水溶液(1.3kg)を得られたヘキサミン錯体に添加し、反応塊を約80℃で6〜8時間の間温浸させた。水性部分を排除した。トルエンを回収し、粗生成物を蒸留し、未反応メチレンジオキシベンゼン(25g)および純度95%超のピペロナール(309g)を含む画分を分離させた。
実施例2:ピペロナールの合成:
パラホルムアルデヒド(180g)、30%塩酸(730g)、トルエン(1kg)およびメチレンジオキシベンゼン(488g)を3リットルガラス反応器に入れた。塩化水素ガスを約−10℃で反応媒体を通して5〜10時間の間、急速に通過させた。クロロメチル誘導体のGC量はこの段階で約90%であった。水性部分を排除し、MDB−Clを含む有機部分を、ヘキサミン(670g)を用いて、約80℃で、クロロメチル誘導体の含量が、GC分析により0.5%未満となるまで温浸させた。50%酢酸水溶液(1.3kg)を得られたヘキサミン錯体に添加し、反応塊を約80℃で6〜8時間の間温浸させた。水性部分を排除した。溶媒を回収し、粗生成物を蒸留し、未反応メチレンジオキシベンゼン(25g)およびGC分析により純度95%超のピペロナール(380g)を含む画分を分離させた。
実施例3:ピペロナールの合成
パラホルムアルデヒド(180g)、30%塩酸(730g)、トルエン(1kg)およびメチレンジオキシベンゼン(488g)を3リットルガラス反応器に入れた。塩化水素ガスを約−10℃で反応媒体を通して5〜10時間の間、急速に通過させた。クロロメチル誘導体のGC量はこの段階で約90%であった。水性部分を排除し、MDB−Clを含む有機部分を、ヘキサミン(750g)を用いて約80℃でクロロメチル誘導体の含量が、GC分析により0.5%未満となるまで温浸させた。50%酢酸水溶液(1.5kg)を得られたヘキサミン錯体に添加し、約80℃で6〜8時間の間温浸させた。水性部分を排除した。溶媒を回収し、粗生成物を蒸留し、未反応メチレンジオキシベンゼン(25g)およびGC分析により純度95%超のピペロナール(365g)を含む画分を分離させた。
実施例4:ピペロナールの合成:
パラホルムアルデヒド(180g)、30%塩酸(730g)、トルエン(1kg)およびメチレンジオキシベンゼン(488g)を3リットルガラス反応器に入れた。塩化水素ガスを約−10℃で反応媒体を通して5〜10時間の間急速に通過させた。クロロメチル誘導体のGC量はこの段階で約90%であった。水性部分を排除し、MDB−Clを含む有機部分を、ヘキサミン(1.0kg)を用いて約80℃でクロロメチル誘導体の含量が、GC分析により0.5%未満となるまで温浸させた。50%酢酸水溶液(1.7kg)を得られたヘキサミン錯体に添加し、反応塊を約80℃で6〜8時間の間温浸させた。水性部分を排除した。溶媒を回収し、粗生成物を蒸留し、未反応メチレンジオキシベンゼン(25g)およびGC分析により純度95%超のピペロナール(370g)を含む画分を分離させた。
実施例5:3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドのための手順:
Figure 2018505150
パラホルムアルデヒド(45g)、30%塩酸(182g)および1,2,3−トリメトキシベンゼン(168g)およびトルエン(1680g)を3リットルガラス反応器に入れた。塩化水素ガスを反応媒体を通して、約10℃で、対応するベンジルクロリド(式VII)がGC分析により約90%となるまで、急速に通過させた。水性部分を排除し、有機部分を、ヘキサミン(168g)を用いて約90℃で、ベンジルクロリド(VII)含量がGC分析により1.0%未満となるまで、温浸させた。50%酢酸水溶液(360g)を得られたヘキサミン錯体に添加し、反応塊を約80℃で6〜8時間の間温浸させた。水性部分を排除し、有機部分を濃縮し、粗生成物を蒸留して、GC分析により純度95%超の3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドを得た(130g)。
実施例6:3,4,−ジメトキシベンズアルデヒドのための手順:
Figure 2018505150
パラホルムアルデヒド(45g)、30%塩酸(182g)、1,2−ジメトキシベンゼン(138g)およびトルエン(1380g)を3リットルガラス反応器に入れた。塩化水素ガスを反応媒体を通して、約10℃で、対応するベンジルクロリド(式VII)がGC分析により約90%となるまで、急速に通過させた。水性部分を排除し、有機部分を、ヘキサミン(168g)を用いて約90℃で、ベンジルクロリド(VII)含量がGC分析により1.0%未満となるまで温浸させた。50%酢酸水溶液(360g)を得られたヘキサミン錯体に添加し、反応塊を約80℃で6〜8時間の間温浸させた。水性部分を排除し、有機部分を濃縮し、粗生成物を蒸留して、GC分析により純度95%超の3,4−ジメトキシベンズアルデヒドを得た(110g)。
本発明が関連する分野の当業者であれば、特に、前記教示を考慮すると、本発明の原理を採用して改変し、その精神または特性から逸脱せずに他の実施形態を得ることができる。したがって、記載される実施形態は全ての点において、例示にすぎず、制限するものではないと考えられるべきであり、よって、本発明の範囲は、前記記載ではなく、添付の特許請求の範囲により示される。その結果として、本発明について特定の実施形態を参照して記載してきたが、当業者に明らかな構造、順序、材料などの改変は、依然として、出願人により主張される発明の範囲内に含まれる。

Claims (8)

  1. ストレート・スルー化学プロセスにおいて、式IIの対応するアルコキシベンゼンから、式Iのアルコキシ置換ベンズアルデヒドを調製するためのプロセスであって、
    Figure 2018505150
    式中、R、RおよびRは互いに独立しており、
    はアルコキシ基−ORを表し、ここでRは置換または非置換C−Cアルキル基、置換または非置換C−Cシクロアルキル基であり、あるいはRおよびRは共に一緒になって、−O−(CH)n−O−により表されるアルキレンジオキシ基を形成し、ここで、nは1、2、3または4であり、
    はH、Rまたは−ORを表し、ここでRは置換または非置換C−Cアルキル基、置換または非置換C−Cシクロアルキル基であり、あるいはRおよびRは共に一緒になって、−O−(CH)n−O−により表されるアルキレンジオキシ基を形成し、ここで、nは1、2、3または4であり、
    ならびにRは、位置1、3および4以外の芳香環の任意の位置の置換基であり、かつH、R、−ORを表し、ここでRは置換または非置換C−Cアルキル基、あるいは置換または非置換C−Cシクロアルキル基であり、あるいはR3はCl、Br、Iから選択されるハロゲン、またはCN、NO、NH、−CONHから選択される窒素含有基を表し、
    a)有機溶媒中での、式IIの化合物により表される開始材料のハロメチル化により、式VIIの化合物を得る工程;
    Figure 2018505150
    b)式VIIの化合物を含む得られた反応塊をヘキサメチレンテトラミンと接触させ、式VIIIの錯体を得る工程;
    Figure 2018505150
    c)式VIIIの前記錯体を分解させ、式Iの化合物を生成させる工程であって、工程b)の前記反応塊を酸、または塩基、または塩またはそれらの混合物と二相性反応で接触させることを含む工程;
    d)式Iの化合物を含む工程c)の前記二相性反応塊の有機溶媒層を分離する工程;
    e)式Iの実質的に純粋な化合物を約80%の収率で単離する工程であって、前記有機溶媒を工程d)の前記有機溶媒相から回収し、続いて、粗反応塊を標準精製プロセスにより精製することを含む工程
    を含む、プロセス。
  2. 前記有機溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレンまたはそれらの混合物を含む群から選択される芳香族炭化水素である、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記有機溶媒はトルエンである、請求項2に記載のプロセス。
  4. 使用される前記鉱酸はHClである、請求項1に記載のプロセス。
  5. 工程c)では、酸または塩基または塩またはそれらの混合物は、酢酸水溶液、または酢酸水溶液およびリン酸、硫酸、塩酸、硝酸またはそれらの混合物を含む群から選択される鉱酸の混合物、または酢酸およびクロロ酢酸を含む群から選択される有機酸の混合物、または酢酸水溶液および酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムまたはそれらの混合物を含む群から選択されるアルカリ金属塩の混合物、または上記のいくつかの組み合わせを含む群から選択され、初期酸濃度は約20%〜約70%の範囲である、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記開始材料は式IIIの化合物であり、前記対応するアルコキシ置換ベンズアルデヒドは、式IVの化合物により表される、請求項1に記載のプロセス。
    Figure 2018505150
  7. 前記開始材料は式XIIの化合物であり、前記対応するアルコキシ置換ベンズアルデヒドは式Vの化合物により表される、請求項1に記載のプロセス。
    Figure 2018505150
  8. 前記開始材料は式XVの化合物であり、前記対応するアルコキシ置換ベンズアルデヒドは式VIの化合物により表される、請求項1に記載のプロセス。
    Figure 2018505150
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