JP2003183267A - 光学的に純粋な(r)−体または(s)−体のテトラヒドロフラニルケトンの製造方法 - Google Patents

光学的に純粋な(r)−体または(s)−体のテトラヒドロフラニルケトンの製造方法

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JP2003183267A
JP2003183267A JP2002352586A JP2002352586A JP2003183267A JP 2003183267 A JP2003183267 A JP 2003183267A JP 2002352586 A JP2002352586 A JP 2002352586A JP 2002352586 A JP2002352586 A JP 2002352586A JP 2003183267 A JP2003183267 A JP 2003183267A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的であるとともに、光学純度の減少なし
に副生成物としての3級アルコールの生成を最小限にす
る光学的に純粋な(R)−体または(S)−体のテトラ
フラニルケトンの製造方法を提供すること。 【解決手段】(R)または(S)−2−テトラヒドロフ
ランアミドを脱水剤及びアミン塩基の存在下、反応温度
50〜100℃及び反応時間2〜6時間の条件下で脱水
反応させ、(R)または(S)−2−テトラヒドロフラ
ンニトリルを得る段階と、有機溶媒中で得られた化合物
を求核剤と反応温度−80〜100℃及び反応時間10
分〜4時間の条件下で求核付加反応させた後、酸性水溶
液を用いて加水分解させ、(R)または(S)−テトラ
ヒドロフラニルケトンを得る段階と、前記段階で得た反
応生成物を回収する段階とを含むことを特徴とする光学
的に純粋な(R)または(S)−テトラヒドロフラニル
ケトンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に純粋な
(R)−体または(S)−体のテトラヒドロフラニルケ
トンの製造方法に関し、さらに詳しくは、(R)−体ま
たは(S)−体の2−テトラヒドロフランアミドを脱水
剤及びアミン塩基の存在下、脱水反応させて得た(R)
−体または(S)−体の2−テトラヒドロフランニトリ
ルを求核剤と求核付加反応させた後加水分解させ、産業
上利用可能な高光学純度を有する(R)−体または
(S)−体のテトラヒドロフラニルケトンを製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般的
に、(R)−体または(S)−体のテトラヒドロフラニ
ルケトン化合物は、光学活性医薬品及び動物医薬品の重
要な医薬中間体であり、且つ抗ウィルス医薬品として用
いられる抗生物質及びその他光学活性化学製品の製造の
基礎となる原料である。従来、光学的に純粋な(R)−
体または(S)−体のテトラヒドロフラニルケトンの個
別的な製造は非常に限定的に試みられてきたが、ラセミ
テトラヒドロフラニルケトン製造方法の代表的な例は次
の通りである。
【0003】例えば、特許文献1には、(R)−2−テ
トラヒドロフロ酸を出発物質としてシュウ酸クロリドで
カルボン酸を活性化させた後、過剰量のジアゾメタンと
反応させ、その後さらに48%の臭化水素水溶液と反応
させて(R)−2−アセチルテトラヒドロフランブロミ
ドを製造する方法が開示されており、非特許文献1に
は、ラセミ2−テトラヒドロフロ酸を出発物質として前
記特許と同一の方法によってジアゾメタンと反応させた
後、さらに塩酸と反応させて2−アセチルテトラヒドロ
フランクロリドを製造する方法が開示されているが、前
記特許及び文献による方法は爆発危険性の極めて大きい
ジアゾメタンを使用しなければならないので、工業規模
で製造するには不適である。
【0004】また、非特許文献2にはラセミ2−テトラ
ヒドロフロ酸とフェニル臭化マグネシウムまたはフェニ
ルリチウムなどを反応させてテトラヒドロフラニルケト
ンを製造する方法が開示されているが、前記文献の方法
は出発物質として(R)−体または(S)−体の2−テ
トラヒドロフロ酸を使用する場合に、工業規模における
適用ではでラセミ化が起こるのため光学純度が低くなる
上、副生成物として多量の3級アルコールが生成される
ので、工業生産において様々な問題が起きる。
【0005】一方、カルボン酸の求核付加反応で生成さ
れる化合物としてのケトンは、出発物質として用いられ
るカルボン酸より求核付加反応に対する活性が大きいた
め、前記ケトンのさらなる求核付加反応によって多量の
3級アルコールが生成されて反応収率が低下することは
公知の事実である。かかる問題点を解決するために、様
々な方法が試みられている。例えば、カルボン酸と水素
化リチウムを反応モル比1:1で反応させてまずカルボ
ン酸リチウム塩を作った後、それを有機リチウム化合物
またはグリニャール試薬と反応させるケトンの製造方法
が公知であるが、この方法を光学的に純粋なテトラヒド
フラニルケトンの製造に適用した場合、工業規模ではラ
セミ化が起って光学純度が低くなるため、工業規模への
適用は困難である。
【0006】また、N,O−ジメチルヒドロキシアミン
塩酸塩を用いてカルボン酸をN,O−ジメチルヒドロキ
シアミドに転換させた後、有機リチウム化合物またはグ
リニャール試薬と反応させるケトンの製造方法が公知で
あるが、この方法は副生成物としての3級アルコールの
生成を抑制することが可能な方法であるが、使用される
N,O−ジメチルヒドロキシアミン塩酸塩が高価な化合
物であるので、経済性の面で工業的な適用には不適であ
る。また、光学的に純粋なテトラヒドロフラニルケトン
の製造に適用した場合、ラセミ化が起って光学純度が低
くなるため工業規模への適用は困難である。
【0007】一方、非特許文献3にはカルボン酸を塩化
チオニルで活性化させた後、鉄(III)触媒下で、グリ
ニャール試薬と反応させるケトンの製造方法が開示され
ているが、この方法も光学的に純粋なテトラヒドロフラ
ニルケトンの製造に適用した場合、ラセミ化が起こって
光学純度が低くなるため工業規模への適用が困難である
という問題点があった。
【0008】
【特許文献1】国際公開公報WO92/1696号明細
【非特許文献1】J.Antibiot.1994, 47(2), 253
【非特許文献2】J.Heterocycl.Chem.1995, 32(1), 109
【非特許文献3】Tetrahedron Lett.1984, 25(42), 480
5
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した問題点を解決す
るために、本発明者が広範囲な研究を鋭意重ねた結果、
(R)−体または(S)−体の2−テトラヒドロフラン
アミドを出発物質として脱水反応によって得た(R)−
体または(S)−体の2−テトラヒドロフランニトリル
を求核剤と求核付加反応させた後、酸性水溶液を用いて
加水分解させることからなる、高い光学純度を有する
(R)−体または(S)−体のテトラヒドロフラニルケ
トンを得ることが可能な方法を見出し、本発明を完成し
た。従って、本発明の目的は、産業上利用可能な高い光
学純度を有する(R)−テトラヒドロフラニルケトンの
経済的な製造方法を提供することにある。本発明の他の
目的は、産業的上利用可能な高い光学純度を有する
(S)−テトラヒドロフラニルケトンの経済的な製造方
法を提供することにある。
【0010】上記目的を達成するための本発明の方法
は、下記化学式1aで表される(R)−2−テトラヒド
ロフランアミドを脱水剤及びアミン塩基の存在下、反応
温度50〜100℃及び反応時間2〜6時間の条件下で
脱水反応させ、下記化学式2aで表される(R)−2−
テトラヒドロフランニトリルを得る段階と、
【化7】
【化8】 有機溶媒中で前記化学式2aで表される(R)−2−テ
トラヒドロフランニトリルを求核剤と反応温度−80〜
100℃及び反応時間10分〜4時間の条件下で求核付
加反応させた後、酸性水溶液を用いて加水分解させ、下
記化学式3aで表される(R)−テトラヒドロフラニル
ケトンを得る段階;前記段階で得た反応生成物を回収す
る段階とを含む。
【化9】 (式中、Rは直鎖状または枝分かれした炭素数1〜30
の飽和または不飽和脂肪族アルキル基、置換されたまた
は非置換の炭素数3〜30の飽和または不飽和環状アル
キル基、または置換されたまたは非置換の炭素数6〜3
0のアルキル基である。)
【0011】さらに、上記他の目的を達成するための本
発明の方法は、下記化学式1bで表される(S)−2−
テトラヒドロフランアミドを脱水剤及びアミン塩基の存
在下、反応温度50〜100℃及び反応時間2〜6時間
の条件下で脱水反応させ、下記化学式2bで表される
(S)−2−テトラヒドロフランニトリルを得る段階
と、
【化10】
【化11】 有機溶媒中で前記化学式2bで表される(S)−2−テ
トラヒドロフランニトリルを求核剤と反応温度−80〜
100℃及び反応時間10分〜4時間の条件下で求核付
加反応させた後、酸性水溶液を用いて加水分解させ、下
記化学式3bで表される(S)−テトラヒドロフラニル
ケトンを得る段階;前記段階で得た反応生成物を回収す
る段階とを含む。
【化12】 (式中、Rは直鎖状または枝分かれした炭素数1〜30
の飽和または不飽和脂肪族アルキル基、置換されたまた
は非置換の炭素数3〜30の飽和または不飽和環状アル
キル基、または置換されたまたは非置換の炭素数6〜3
0のアルキル基である。)
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明をより具体的に説明
する。前述したように、本発明は、光学的に純粋な
(R)−体または(S)−体のテトラヒドロフラニルケ
トンの製造方法に関するもので、さらに詳しくは、
(R)−体または(S)−体の2−テトラヒドロフラン
アミドを脱水剤及びアミン塩基の存在下、脱水反応させ
て得た(R)−体または(S)−体の2−テトラヒドロ
フランニトリルを求核剤と求核付加反応させた後、酸性
水溶液を用いて加水分解させ、光学的に純粋な(R)−
体または(S)−体のテトラヒドロフラニルケトンの製
造方法に関するものである。
【0013】本発明によれば、出発物質としての(R)
−2−テトラヒドロフランアミドは下記化学式1aで表
示され、(S)−2−テトラヒドロフランアミドは下記
化学式1bで表される。
【化13】
【化14】 本発明によれば、前記それぞれの(R)−体または
(S)−体の2−テトラヒドロフランアミドを1.0〜
1.5当量の脱水剤及び1.0〜7.0当量のアミン塩基
の存在下、反応時間2〜6時間、反応温度50〜100
℃の条件下で脱水反応させ、下記化学式2aで表される
(R)−2−テヒラヒドロフランニトリルまたは下記化
学式2bで表される(S)−2−テトラヒドロフランニ
トリルをそれぞれ得る。
【化15】
【化16】
【0014】この際、前記脱水反応で使用された脱水剤
及びアミン塩基の量が本発明の範囲を外れた場合、脱水
反応が行われないか或いは多量の廃棄物が発生して生産
上不利である。また、前記反応時間が2時間未満であれ
ば、反応転換率が低下し、反応時間が6時間を超える
と、不要な反応時間を多く費やすことになり非経済的で
ある。さらに前記反応温度が50℃未満であれば、反応
転換率100%に至る時間が長くなり、反応時間が10
0℃を超えると、高い温度による多量の副生成物が生成
される。
【0015】本発明のアミン塩基としては、メチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等の
1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソ
プロピルアミン等の2級アミン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン等の3級
アミン及びピリジンなどからなる群より選ばれた一つを
使用することができ、好ましくはピリジンを使用するこ
とが良い。
【0016】また、本発明の脱水剤としては、塩化チオ
ニル、塩化パラトルエンスルホン、五酸化リン、オキシ
三塩化リン、ジメチルスルホキシドとシュウ酸クロリド
の混合物、無水トリフルオロ酢酸、及びホルムアルデヒ
ドと蟻酸の混合物からなる群より選ばれた一つを使用す
ることができ、好ましくは塩化パラトルエンスルホンを
使用することが良い。
【0017】その後、前記脱水反応から得た(R)−体
または(S)−体の2−テトラヒドロフランニトリルそ
れぞれの化合物をグリニャール試薬または有機リチウム
化合物のような求核剤と1:1.0〜1:3.0の当量比
で反応温度−80〜100℃及び反応時間10分〜4時
間の条件下で求核付加反応させる。その後、加水分解に
よって下記化学式3aで表される(R)−テトラヒドロ
フラニルケトンまたは下記化学式3bで表される(S)
−テトラヒドロフラニルケトンをそれぞれ得る。
【化17】
【化18】 (式中、Rは直鎖状または枝分かれした炭素数1〜30
の飽和または不飽和脂肪族アルキル基、置換されたまた
は非置換の炭素数3〜30の飽和または不飽和環状アル
キル基、または置換されたまたは非置換の炭素数6〜3
0のアルキル基である。)
【0018】本発明によれば、前記求核付加反応は、有
機溶媒下で前記(R)−体または(S)−体の2−テト
ラヒドロフランニトリルそれぞれの化合物と求核剤を徐
々に投入する。この際、投入される(R)−体または
(S)−体の2−テトラヒドロフランニトリルと求核剤
の当量比は1:1〜1:3、好ましくは1:1.1〜
1:2、最も好ましくは1:1.1〜1:1.3が良く、
前記当量比が1:1未満であれば、有機溶媒中の水分及
び不純物によって求核剤が一部消費されるので反応転換
率が減少し、1:3を超えると、無駄に過剰量使用され
て非経済的である。
【0019】本発明に使用可能な求核剤としては、塩化
メチルマグネシウムや臭化メチルマグネシウム、ヨウ化
メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エ
チルマグネシウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化ノ
ルマルプロピルマグネシウム、臭化ノルマルプロピルマ
グネシウム、ヨウ化ノルマルプロピルマグネシウム、塩
化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネ
シウム、ヨウ化イソプロピルマグネシウム、塩化シクロ
ペンチルマグネシウム、塩化シクロヘキシルマグネシウ
ム、臭化シクロペンチルマグネシウム、臭化シクロヘキ
シルマグネシウム、ヨウ化シクロペンチルマグネシウ
ム、ヨウ化シクロヘキシルマグネシウム、臭化プロパギ
ルマグネシウム、塩化ビニールマグネシウム、臭化ビニ
ールマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、臭化フ
ェニルマグネシウム及びヨウ化フェニルマグネシウムな
どのグリニャール試薬、メチルリチウムやエチルリチウ
ム、プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、ノルマ
ルブチルリチウム、イソブチルリチウム、ネオブチルリ
チウム、フェニルリチウムなどの有機リチウム化合物、
ジメチル亜鉛やジエチル亜鉛などの有機亜鉛化合物、及
びトリメチルアルミニウムやトリエチルアルミニウムな
どの有機アルミニウム化合物からなる群より選ばれた一
つであり、これに限定されず、その他必要に応じて製造
して使用することができる。
【0020】また、前記有機溶媒としては、ジエチルエ
ーテル、ジノルマルブチルエーテル、メチルネオブチル
エーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,4−ジオキサン、ノルマルヘキサン、ノルマル
ヘプタン、ベンゼン、トルエン及びキシレンならびにそ
れらの混合物からなる群より一つ以上選択して使用する
ことができ、好ましくはジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、メチルネオブチルエーテル、イソプロピルエー
テル、テトラヒドロフラン及び1,4−ジオキサンから
なる群より一つ以上選択して使用することがよく、最も
好ましくはテトラヒドロフランを使用することが良い。
【0021】本発明の求核付加反応は−80〜100
℃、好ましくは−20〜50℃、最も好ましくは0〜3
0℃の反応温度で行われることが良く、前記反応温度が
−80℃未満であれば、反応時間が長くて非経済的であ
り、100℃を超えると、生成物のラセミ化反応が起っ
て光学純度が減少する。また、本発明の求核付加反応は
10分〜4時間、好ましくは10分〜2時間、最も好ま
しくは30分〜1時間行われることが良く、前記反応時
間が10分未満であれば、反応転換率が減少し、4時間
を超えると、無駄に時間を費やすことになり非経済的で
ある。
【0022】前記求核付加反応の終結後、酸性水溶液で
加水分解を行って(R)−体または(S)−体のテトラ
ヒドロフラニルケトンを光学純度の減少なしに効率よく
製造することができる。前述したように、本発明に係る
(R)−体または(S)−体のテトラヒドロフラニルケ
トンの製造方法は、従来の技術で使用した(R)−体ま
たは(S)−体の2−テトラヒドロフロ酸の代りに、前
記化学式2a及び化学式2bでそれぞれ表示される
(R)−体または(S)−体の2−テトラヒドロフラン
ニトリルを使用することにより、求核剤の使用量を1当
量以上減少させることができるので経済的であり、光学
純度の減少なしに副生成物の3級アルコールの生成を最
小限にした(R)−体または(S)−体のテトラヒドロ
フラニルケトンを得ることができるので、工業規模への
適用が可能である。
【0023】
【実施例】以下、下記実施例によって本発明をより具体
的に説明するが、これに本発明の範疇が限定されるもの
ではない。 (実施例1)1Lの反応器にピリジン195gを導入し
て攪拌した。ここに、99.1%の光学純度(ee)を有
する(S)−2−テトラヒドロフランアミド40.5g
と塩化パラトルエンスルホン73.8gを添加後、50
℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮させて殆ど
のピリジンを除去し、氷水入りの水槽に反応器を入れた
後、希塩酸を添加して攪拌した。さらにジクロロメタン
を添加し抽出した後、水層は除去した。その後、抽出し
た有機層から減圧下でジクロロメタンを除去し、これを
再び減圧下で蒸留して(S)−2−テトラヒドロフラン
ニトリル25gを得た。その後、0.5Lの反応器を0
℃の温度に低下させた後、それに濃度3Mの塩化メチル
マグネシウムのテトラヒドロフラン溶液を0.1L導入
した。さらに、前記反応から得た(S)−2−テトラヒ
ドロフランニトリル25g及びテトラヒドロフラン0.
07Lの溶液を徐々に滴加した。この際、前記反応器内
の温度を15℃以上にならないように調節後、0.5時
間攪拌した。前記反応溶液を、予め用意した濃塩酸32
g及び水0.2Lの溶液に温度が25℃以上にならない
ようにしながら徐々に滴加した。ここに酢酸エチルを入
れて抽出した後、溶媒を減圧下で除去し、再び減圧下で
蒸留して(S)−2−アセチル−テトラヒドロフラン1
7.7gを得た。光学純度は99.1%eeであった。
【0024】(実施例2)0.5Lの反応器にピリジン
70gを導入して攪拌した。ここに、98.5%の光学
純度(ee)を有する(R)−2−テトラヒドロフラン
アミド20gと塩化パラトルエンスルホン37gを添加
後、50℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下で濃縮さ
せて殆どのピリジンを除去し、氷水入りの水槽に反応器
を入れた後、希塩酸を添加して攪拌した。さらにジクロ
ロメタンを添加し、抽出した後、水層は除去した。その
後、抽出した有機層から減圧下でジクロロメタンを除去
し、これを再び減圧下で蒸留して(R)−2−テトラヒ
ドロフランニトリル13.5gを得た。その後、1Lの
反応器を0℃の温度に低下させた後、これに濃度1.6
Mのノルマルブチルリチウムのノルマルヘキサン溶液を
0.4L導入した。さらに、前記反応から得た(R)−
2−テトラヒドロフランニトリル13.5g及びテトラ
ヒドロフラン0.07Lの溶液を徐々に滴加した。この
際、前記反応器内の温度を15℃以上にならないように
調節した後、1時間攪拌した。前記反応溶液を、予め用
意した濃塩酸65g及び水0.4Lの溶液に温度が25
℃以上にならないようにしながら徐々に滴加した。ここ
に酢酸エチルを入れて抽出した後、溶媒を減圧下で除去
し、再び減圧下で蒸留して(R)−1−(2−テトラヒ
ドロフラニル)−1−ペンタノン19.6gを得た。光
学純度は98.5%eeであった。
【0025】
【発明の効果】上述したように、本発明に係る製造方法
は、(R)−体または(S)−体の2−テトラヒドロフ
ロ酸の代りに、(R)−体または(S)−体の2−テト
ラヒドロフランニトリルを使用することにより、求核剤
の使用量を1当量以上減少させることができるため経済
的であるとともに、光学純度の減少なしに副生成物とし
ての3級アルコールの生成を最小限にして産業上の利用
性の高い(R)−体または(S)−体のテトラヒドロフ
ラニルケトンの製造方法を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イム ジョン−ホ 大韓民国,デジョン、ユソン−ク、ジョン ミン−ドン、エキスポ アパート 102− 502 Fターム(参考) 4C037 CA09

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式1aで表される(R)−2−
    テトラヒドロフランアミドを脱水剤及びアミン塩基の存
    在下、反応温度50〜100℃及び反応時間2〜6時間
    の条件下で脱水反応させ、下記化学式2aで表される
    (R)−2−テトラヒドロフランニトリルを得る段階
    と、 【化1】 【化2】 有機溶媒中で前記化学式2aで表される(R)−2−テ
    トラヒドロフランニトリルを求核剤と反応温度−80〜
    100℃及び反応時間10分〜4時間の条件下で求核付
    加反応させた後、酸性水溶液を用いて加水分解させ、下
    記化学式3aで表される(R)−テトラヒドロフラニル
    ケトンを得る段階と、前記段階で得た反応生成物を回収
    する段階とを含むことを特徴とする光学的に純粋な
    (R)−テトラヒドロフラニルケトンの製造方法。 【化3】 (式中、Rは直鎖状または枝分かれした炭素数1〜30
    の飽和または不飽和脂肪族アルキル基、置換されたまた
    は非置換の炭素数3〜30の飽和または不飽和環状アル
    キル基、または置換されたまたは非置換の炭素数6〜3
    0のアルキル基である。)
  2. 【請求項2】 下記化学式1bで表される(S)−2−
    テトラヒドロフランアミドを脱水剤及びアミン塩基の存
    在下、反応温度50〜100℃及び反応時間2〜6時間
    の条件下で脱水反応させ、下記化学式2bで表される
    (S)−2−テトラヒドロフランニトリルを得る段階
    と、 【化4】 【化5】 有機溶媒中で、前記化学式2bで表される(S)−2−
    テトラヒドロフランニトリルを求核剤と反応温度−80
    〜100℃及び反応時間10分〜4時間の条件下で求核
    付加反応させた後、酸性水溶液を用いて加水分解させ、
    下記化学式3bで表される(S)−テトラヒドロフラニ
    ルケトンを得る段階と、前記段階で得た反応生成物を回
    収する段階とを含むことを特徴とする光学的に純粋な
    (S)−テトラヒドロフラニルケトンの製造方法。 【化6】 (式中、Rは直鎖状または枝分かれした炭素数1〜30
    の飽和または不飽和脂肪族アルキル基、置換されたまた
    は非置換の炭素数3〜30の飽和または不飽和環状アル
    キル基、または置換されたまたは非置換の炭素数6〜3
    0のアルキル基である。)
  3. 【請求項3】 前記脱水剤は、塩化チオニル、塩化パラ
    トルエンスルホン、五酸化リン、オキシ三塩化リン、ジ
    メチルスルホキシドとシュウ酸クロリドの混合物、無水
    トリフルオロ酢酸、及びホルムアルデヒドと蟻酸の混合
    物からなる群より選ばれた一つであることを特徴とする
    請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記アミン塩基は、メチルアミン、エチ
    ルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ジメチルア
    ミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメ
    チルアミン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピル
    アミン及びピリジンからなる群より選ばれた一つである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記求核剤は、塩化メチルマグネシウ
    ム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウ
    ム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウ
    ム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化ノルマルプロピル
    マグネシウム、臭化ノルマルプロピルマグネシウム、ヨ
    ウ化ノルマルプロピルマグネシウム、塩化イソプロピル
    マグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、ヨウ化
    イソプロピルマグネシウム、塩化シクロペンチルマグネ
    シウム、塩化シクロヘキシルマグネシウム、臭化シクロ
    ペンチルマグネシウム、臭化シクロヘキシルマグネシウ
    ム、ヨウ化シクロペンチルマグネシウム、ヨウ化シクロ
    ヘキシルマグネシウム、臭化プロパギルマグネシウム、
    塩化ビニールマグネシウム、臭化ビニールマグネシウ
    ム、塩化フェニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシ
    ウム、ヨウ化フェニルマグネシウム、メチルリチウム、
    エチルリチウム、プロピルリチウム、イソプロピルリチ
    ウム、ノルマルブチルリチウム、イソブチルリチウム、
    ネオブチルリチウム、フェニルリチウム、ジメチル亜
    鉛、ジエチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチ
    ルアルミニウム及びその他必要に応じて製造して使用す
    る求核剤からなる群より選ばれた一つであることを特徴
    とする請求項1または2記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記有機溶媒は、ジエチルエーテル、ジ
    ノルマルブチルエーテル、メチルネオブチルエーテル、
    イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−
    ジオキサン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ベ
    ンゼン、トルエン及びキシレンならびにそれらの混合物
    からなる群より一つ以上選択されたことを特徴とする請
    求項1または2記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記(R)−2−テトラヒドロフランニ
    トリルと求核剤の反応モル比は1:1〜1:3であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の光学的に純粋な(R)−
    テトラヒドロフラニルケトンの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記(S)−2−テトラヒドロフランニ
    トリルと求核剤の反応モル比は1:1〜1:3であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の光学的に純粋な(S)−
    テトラヒロドフラニルケトンの製造方法。
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