JP2018503373A - がんの予後診断及び治療のための方法及び組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャ及び/または免疫細胞遺伝子シグネチャの組み合わせの発現レベルを、免疫療法剤での治療のためのがんを有する患者を選択するための選択基準として使用する方法を提供する。本発明は、活性化免疫療法剤または抑制免疫療法剤等の特定の免疫療法剤から利益を得られるであろう、がんを有する患者を選択し、がんを治療するために患者に活性化免疫療法剤または抑制免疫療法剤を投与する方法を更に提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、免疫療法剤での治療のためのがん患者を選択する方法に関する。
免疫チェックポイント阻害剤を用いたヒトの研究は、黒色腫、腎細胞がん腫、肺がん、乳がん、卵巣がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、及び膀胱がんを含む、治療が難しい適応症において、免疫系を利用して腫瘍成長を制御及び根絶する有望性を示してきた。
腫瘍は、変異を集積し、ストレス条件下での制御されない細胞増殖及び生存をもたらす正常細胞から生じる。通常の状況では、免疫系が、主に細胞傷害性CD8 T細胞を通して、これらの形質転換細胞を認識し、正常細胞への侵入を防止する。特定の状況では、腫瘍細胞は、免疫制御を逃避し、疾患へと進行する。腫瘍が逃避する機構は、以下の機構のうちの1つ以上の産物であり得る:腫瘍細胞がMHCクラスI分子上にネオ抗原を提示することができないこと、腫瘍細胞上のMHCクラスI分子の下方制御、T細胞が腫瘍を浸潤することができないこと、免疫抑制性調節性T細胞または骨髄抑制性細胞の存在の増加、免疫チェックポイント阻害剤の発現の増強、またはTh2及びTh17メディエータの増加。がんタイプ、ならびにそれらの腫瘍進行、治療応答、及び臨床結果への影響に亘る、これらの様々な免疫細胞サブセットの相対的寄与に関する研究は不十分である。
したがって、免疫に基づく療法に応答する見込みがある患者を選択し、がん治療のための代替的な方策を開発する必要がある。
一態様において、本発明は、免疫療法剤での治療のためのがんを有する患者を選択する方法を取り上げ、本方法は、患者から取得した生体試料中の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定することを含み、免疫細胞遺伝子シグネチャは、以下の遺伝子のうちの1つ以上(例えば、以下の遺伝子のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個以上):CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、もしくはPRF1;FOXP3;MS4A1もしくはCD48;CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5;NCAM1もしくはNKP46;KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1;ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4C;CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14;LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3A;IL17AもしくはIL17F;CCL2、IL1B、IL8、IL6、もしくはPTGS2;CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、もしくはLCK;CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1;CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGIT;CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1;CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVR;CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、もしくはCCL22;CD4、IL2RA、もしくはCD69;TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、もしくはPSMB8;CD40、CD80、CD86、CD70、もしくはGITRL;CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、もしくはCD226;GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、もしくはNKG7;またはFAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、もしくはCOL8A1、を含み、中央値レベルと比べた、免疫細胞遺伝子シグネチャ中の1つ以上の遺伝子の発現レベルの変化は、免疫療法での治療のための患者を特定する。
いくつかの実施形態では、本方法は、患者に、彼らが免疫療法剤に対して応答性である見込みを有していることを伝えるステップを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、患者に特定の免疫療法剤の推奨を提供するステップを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、患者が免疫療法剤から利益を得られると判定された場合に、患者に免疫療法剤を投与するステップを更に含む。いくつかの実施形態では、免疫療法剤は、活性化免疫療法剤または抑制免疫療法剤である。
いくつかの実施形態では、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のTエフェクター(Teff)細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルの増加は、患者が活性化免疫療法剤から利益を得られる見込みがあることを示す。いくつかの実施形態では、活性化免疫療法剤は、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4アゴニストを含む。
いくつかの実施形態では、FOXP3の発現レベルは、腫瘍微小環境中の調節性T(Treg)細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、FOXP3の発現レベルの増加は、患者が抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みがあることを示す。いくつかの実施形態では、抑制免疫療法剤は、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226アンタゴニストを含む。
いくつかの実施形態では、(a)MS3A1もしくはCD48のうちの1つ以上、及び/または(b)CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のB細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、(a)NCAM1もしくはNKP46のうちの1つ以上、及び/または(b)KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1の発現レベルは、腫瘍微小環境中のNK細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、ITGAM、ITGAX、CD1C、またはCLEC4Cのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の骨髄細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、またはCD14のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のマクロファージ細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、またはFCGR3Aのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のM2マクロファージ細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、IL17AまたはIL17Fのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のTh17細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、CCL2、IL1B、IL8、IL6、またはPTGS2のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の炎症細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、(a)CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1のうちの1つ以上、及び/または(b)TLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGITのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のT細胞免疫ブロッカーの存在と相関する。いくつかの実施形態では、(a)CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1のうちの1つ以上、及び/または(b)CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVRのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の抗原提供細胞(APC)免疫ブロッカーの存在と相関する。いくつかの実施形態では、CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、またはCCL22のうちの1つ以上の発現レベルは、T細胞走化性と相関する。いくつかの実施形態では、CD4、IL2RA、またはCD69のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の活性化CD4 T細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、またはPSMB8のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の抗原プロセシングの存在と相関する。いくつかの実施形態では、CD40、CD80、CD86、CD70、またはGITRLのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の共刺激リガンドの存在と相関する。いくつかの実施形態では、CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、またはCD226のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の共刺激受容体の存在と相関する。いくつかの実施形態では、GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、またはNKG7のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の細胞溶解反応及び/または細胞溶解性細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、またはCOL8A1のうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中の活性化線維芽細胞の存在と相関する。いくつかの実施形態では、CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、またはLCKのうちの1つ以上の発現レベルは、腫瘍微小環境中のT細胞の存在と相関する。
上記の方法のいずれかの他の実施形態では、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、FOXP3の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、MS4A1もしくはCD48のうちの1つ以上(例えば、1または2個)、及び/またはCD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、または7個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、NCAM1及びNKP46のうちの1つ以上(例えば、1または2個)、ならびに/またはKLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、または4個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、ITGAM、ITGAX、CD1C、またはCLEC4Cのうちの1つ以上(例えば、1、2、3、または4個)が判定される。いくつかの実施形態では、CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、またはCD14のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、または5個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、またはFCGR3Aのうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、IL17AまたはIL17Bのうちの1つ以上(例えば、1または2個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、またはLCKのうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CCL2、IL1B、IL8、IL6、またはPTGS2のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、または5個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、または5個)、及び/またはCTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、またはTIGITのうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、または4個)、及び/またはCD274、PDL2、IDO1、もしくはPVRのうちの1つ以上(例えば、1、2、3、または4個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、またはCCL22のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、または6個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CD4、IL2RA、またはCD69のうちの1つ以上(例えば、1、2、または3個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、またはPSMB8のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、または5個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CD40、CD80、CD86、CD70、またはGITRLのうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、または5個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、またはCD226のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、または8個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、またはNKG7のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、または7個)の発現レベルが判定される。いくつかの実施形態では、FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、またはCOL8A1のうちの1つ以上(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個)の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表2の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表3の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表4の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表5の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表6の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表7の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表8の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、表9の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかの実施形態では、以下の遺伝子シグネチャCD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、もしくはPRF1;FOXP3;MS4A1もしくはCD48;CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5;NCAM1もしくはNKP46;KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1;ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4C;CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14;LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3A;IL17AもしくはIL17F;CCL2、IL1B、IL8、IL6、もしくはPTGS2;CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、もしくはLCK;CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1;CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGIT;CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1;CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVR;CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、もしくはCCL22;CD4、IL2RA、もしくはCD69;TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、もしくはPSMB8;CD40、CD80、CD86、CD70、もしくはGITRL;CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、もしくはCD226;GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、もしくはNKG7;及びFAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、もしくはCOL8A1のそれぞれの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、FOXP3の発現レベルに対するCD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルの比率を判定することを更に含む。いくつかの実施形態では、FOXP3の発現レベルに対するCD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルの比率が高い場合、患者は活性化免疫療法剤から利益を得られる見込みがある。いくつかの実施形態では、FOXP3の発現レベルに対するCD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルの比率が低い場合、患者は抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みがある。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、Treg細胞に対するTeff細胞の比率を判定することを更に含む。いくつかの実施形態では、Tregに対するTeffの比率が高い場合、患者は活性化免疫療法剤から利益を得られる見込みがある。いくつかの実施形態では、Tregに対するTeffの比率が低い場合、患者は抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みがある。いくつかの実施形態では、活性化免疫療法剤は、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4アゴニストを含む。いくつかの実施形態では、抑制免疫療法剤は、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226アンタゴニストを含む。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、本方法は、応答に関する投与前予後診断を患者に提供するために、免疫療法剤の投与の前に実施される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、がんは、乳がん、黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、膀胱がん、腎細胞がん腫、結腸直腸がん、卵巣がん、胃がん、または肝臓がんである。いくつかの実施形態では、がんは、原発がん、進行がん、難治性がん、または再発がんである。いくつかの実施形態では、乳がんは、ホルモン受容体+(HR+)、HER2+、またはトリプルネガティブ(TN)乳がんである。いくつかの実施形態では、NSCLCは、非扁平上皮NSCLCまたは扁平上皮NSCLCである。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者から取得した生体試料中の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現が、mRNAを測定することによって検出される。
上記の方法のいずれかのいくつかの実施形態では、患者から取得した生体試料中の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現が、血漿タンパク質レベルを測定することによって検出される。
T細胞シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 Tエフェクターシグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 活性化CD4 T細胞シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 B細胞シグネチャ1、NK細胞シグネチャ1、及びIL17シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 B細胞シグネチャ2遺伝子の散布図行列プロットである。 NK細胞シグネチャ2遺伝子の散布図行列プロットである。 骨髄シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 マクロファージシグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 M2マクロファージシグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 炎症シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 T細胞免疫ブロッカー(IB T細胞)シグネチャ1遺伝子の散布図行列プロットである。 IB T細胞シグネチャ2遺伝子の散布図行列プロットである。 APC免疫ブロッカー(IB APC)シグネチャ1遺伝子の散布図行列プロットである。 IB APC細胞シグネチャ2遺伝子の散布図行列プロットである。 抗原プロセシングシグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 共刺激リガンドシグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 共刺激受容体シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 細胞溶解性シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 活性化線維芽細胞シグネチャ遺伝子の散布図行列プロットである。 がん適応症に亘る9つの遺伝子セットの主成分分析のプロットである。 がん適応症に亘る9つの遺伝子セットの主成分分析のプロットである。 がん適応症に亘る9つの遺伝子セットの主成分分析のプロットである。 適応症に亘る、Tエフェクターシグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、制御性Tシグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、制御性Tシグネチャ遺伝子に対するTエフェクターの遺伝子発現比率のプロットである。 適応症に亘る、B細胞シグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、NK細胞シグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、骨髄シグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、Th17(IL17)シグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症毎のIL17A/IL17F発生率の複数のプロットを示す。IL17の存在は、生のCt<25によって判定される。扁平上皮及び非扁平上皮肺がんは、1つのグループにまとめられている。HER2+乳がんは、小さい試料サイズにより査定されなかった。 適応症に亘る、炎症シグネチャ遺伝子の遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、T細胞上の免疫ブロッカーの遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、APC上の免疫ブロッカーの遺伝子発現レベルのプロットである。 適応症に亘る、APC上の免疫ブロッカーに対するTエフェクターの遺伝子発現比率のプロットである。 適応症に亘る、APCシグネチャ遺伝子上の免疫ブロッカー中の特定の遺伝子に対するTエフェクターの遺伝子発現比率の複数のプロットを示す。 適応症に亘る、T細胞シグネチャ遺伝子上の免疫ブロッカー中の特定の遺伝子の遺伝子発現レベルを示すプロットである。 適応症に亘る、APC細胞シグネチャ遺伝子上の免疫ブロッカー中の特定の遺伝子の遺伝子発現レベルを示すプロットである。 適応症に亘る、免疫遺伝子シグネチャ発現の階層的クラスタリングを示すプロットである。遺伝子は試料に亘り、中央値で中央揃えされた。ユークリッド距離及び完全連結法を使用してデンドログラムを生成した。赤色及び緑色は、それぞれ、中央値と比較して高い及び低い発現を示す。黒は、中央値の発現を示す。 領域及びCD8 RNAレベルごとのCD8 IHCの散布図行列プロットである。log2変換を行って、分布を正規化した。 領域及び適応症ごとのCD8 IHCの散布図プロットを示す。青い線は、最小二乗回帰直線である。斜線部は95%信頼区間を示す。 領域ごとのCD8 IHCの経験分布関数(または試料の経験的測定に関連する累積分布関数である、経験CDF)を示すプロットである。Y軸は、試料の分率≦X軸に示される関連するCD8 IHCのパーセンテージの分率である。 原発対転移性段階に関連する遺伝子セット発現の箱ひげ図である。 CRCの原発対転移性段階に関連する免疫遺伝子発現のボルケーノプロットである。Y軸は、生のウィコクソン符号順位によるp値であり、X軸は、log2に基づく原発性試料と転移性試料との間の比である。標識された遺伝子は、ボンフェローニ補正されたP≦0.05を有した:ARG1、IL17A、VTCN1、IL17F、IL1B、HLA.E、HAVCR2、CD70、FOXP3、及びPTGS2。 病因に関連する遺伝子セット発現の箱ひげ図を示す。 病因に関連する遺伝子セット発現の箱ひげ図を示す。 病因に関連するクラスカルワリスによるP値≦0.05を有する免疫遺伝子の箱ひげ図を示す。 病因に関連するクラスカルワリスによるP値≦0.05を有する免疫遺伝子の箱ひげ図を示す。 病因に関連するクラスカルワリスによるP値≦0.05を有する免疫遺伝子の箱ひげ図を示す。 p≦0.1の病因差を有する免疫遺伝子の階層的クラスタリングである。遺伝子は試料に亘り、中央値で中央揃えされた。ユークリッド距離及び完全連結法を使用してデンドログラムを生成した。赤色及び緑色は、それぞれ、中央値と比較して高い及び低い発現を示す。黒は、中央値の発現を示す。以下の色が、病因を区別する:黒=アルコール依存症の病歴;赤=HBV+;緑=HCV+;青=HBV+HCV+。
I.序文
腫瘍免疫微小環境は、腫瘍細胞が組織常在型T細胞を抑制し、抗腫瘍免疫を回避することを可能にする、免疫抑制因子の宿主からなる。腫瘍間質内の因子、またはT細胞が腫瘍に浸潤しないように腫瘍細胞によって分泌される因子の研究は、侵攻性腫瘍を免疫療法剤に対して応答可能である免疫原性腫瘍に変換する方法への理解のための手段を提供する。本発明では、遺伝子発現を使用して、7つの異なるがんタイプに亘り、免疫細胞サブセットを表す遺伝子シグネチャの発生率を査定した。この分析は、免疫療法剤への応答を規定する腫瘍免疫生態のドライバーを特定するために、9つの異なるがん適応症及び様々な腫瘍サブタイプへの洞察を提供する。
したがって、本発明は、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定することと、この発現レベルを1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの中央値と比較することと、により、免疫療法剤での治療のためのがん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を有する患者を選択する方法を提供する。中央値レベルと比べた、1つ以上の免疫遺伝子シグネチャの発現レベルの増加の検出(すなわち、がんタイプにおける中央値レベルと比べた、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャのより高い発現レベル)は、免疫療法剤での治療のための患者を特定する。本発明はまた、患者内の1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定することにより、活性化免疫療法剤または抑制免疫療法剤を単独で、または化学療法レジメン及び/もしくは他の抗がん治療レジメンとの組み合わせとして投与することで、免疫療法剤から利益を得られるであろう、がん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を有する患者を治療する方法を提供する。
II.定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語は、本発明が属する当業者が一般に理解する意味と同じ意味を有するものとする。Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed.,J.Wiley & Sons(New York,N.Y.1994)、及びMarch,Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms and Structure 4th ed.,John Wiley & Sons(New York,N.Y.1992)は、本出願で使用される用語の多くへの一般的な手引きを当業者に提供する。
本明細書の解釈の目的において、以下の定義が適宜、適用され、単数形で使用される用語には複数形も含まれ、逆もまた同様である。以下に説明される任意の定義が、参照により本明細書に組み込まれる任意の文献と矛盾する場合には、以下に説明される定義が優先される。
「アンタゴニスト」という用語は、最も広義に使用され、天然ポリペプチドをコードする核酸の転写もしくは翻訳を減少させること、または天然ポリペプチド活性を阻害もしくは遮断することのいずれかまたは両方により、本明細書に開示される天然ポリペプチド(例えば、CTLA−4、PD−1、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226等の免疫細胞受容体またはリガンド)の通常の生物活性を部分的または完全に遮断、阻害、干渉、または中和する任意の分子を含む。一部の事例では、アンタゴニストは、天然ポリペプチドの別の活性に影響を及ぼすことなく、天然ポリペプチドの1つの活性をアンタゴナイズし得ることが、当業者には理解されるであろう。一部の事例では、アンタゴニストは、それが結合するか、相互作用するか、または連携する天然ポリペプチドにより、活性化または抑制免疫療法剤と見なされる治療剤であり得ることもまた、当業者には理解されるであろう。アンタゴニストの例としては、アンタゴニストと天然ポリペプチドとの間の相互作用により、天然ポリペプチド活性または発現の低減または停止がもたらされるような、アンチセンスポリヌクレオチド、干渉RNA、触媒RNA、RNA−DNAキメラ、天然ポリペプチド特異的アプタマー、抗体、抗体の抗原結合断片、天然ポリペプチド結合小分子、天然ポリペプチド結合ペプチド、及び天然ポリペプチドに特異的に結合する他のペプチド(任意で1つ以上の追加のドメインに融合された1つ以上の天然ポリペプチドリガンドを含むが、これに限定されない)が挙げられるが、これらに限定されない。
同様に、「アゴニスト」という用語は、最も広義に使用され、天然ポリペプチドをコードする核酸の転写もしくは翻訳を増加させること、及び/または天然ポリペプチドの発現または活性を阻害もしくは遮断すること、及び/または通常の天然ポリペプチド活性を増強させること(天然ポリペプチドの安定性を増強させること、または天然ポリペプチドの1つ以上の標的リガンドへの結合を増強させることを含むが、これらに限定されない)により、本明細書に開示される天然ポリペプチド(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4等の免疫細胞受容体またはリガンド)の通常の生物活性を模倣、促進、刺激、または増強させる任意の分子を含む。一部の事例では、アゴニストは、天然ポリペプチドの別の活性に影響を及ぼすことなく、天然ポリペプチドの1つの活性をアゴナイズし得ることが、当業者には理解されるであろう。一部の事例では、アゴニストは、それが結合するか、相互作用するか、または関連する天然ポリペプチドにより、活性化または抑制免疫療法剤と見なされる治療剤であり得ることもまた、当業者には理解されるであろう。アゴニストは、抗原結合断片、アプタマー、干渉RNA、小分子、ペプチド、アンチセンス分子、及び別の結合ポリペプチドから選択され得る。別の例では、アゴニストは、天然ポリペプチド阻害分子の転写及び/または翻訳に干渉する、アプタマー、干渉RNA、またはアンチセンス分子から選択されるポリヌクレオチドであり得る。ポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストを特定する方法には、ポリペプチドを候補アゴニストまたはアンタゴニスト分子と接触させ、そのポリペプチドと通常関連している1つ以上の生物活性における検出可能な変化を測定することが含まれ得る。
「活性化免疫療法剤」という用語は、例えばT細胞応答を含む免疫応答を誘発、増強、または促進する治療剤の使用を指す。「抑制免疫療法剤」という用語は、例えばT細胞応答を含む免疫応答を干渉、抑制、または阻害する治療剤の使用を指す。
「ヒトエフェクター細胞」は、1つ以上のFcRを発現し、エフェクター機能を行う白血球を指す。ある特定の実施形態では、この細胞は、少なくともFcγRIIIを発現し、ADCCエフェクター機能(複数可)を行う。ADCCを媒介するヒト白血球の例としては、末梢血単核細胞(PBMC)、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、細胞傷害性T細胞、及び好中球が挙げられる。エフェクター細胞は、天然の供給源、例えば、血液から単離することができる。
「調節性T細胞(Treg)」は、自己反応性免疫応答の阻害において役割を果たすヘルパーT細胞のサブセットを指し、多くの場合、腫瘍組織内等の慢性炎症の部位において見出される。ある特定の実施形態では、Tregは、CD25、CLTA4、GITR、及びニューロピリン−1の高い細胞表面発現により表現型的に規定され、転写因子FOXP3の制御下にある。他の実施形態では、Tregは、接触依存性機構及びサイトカイン産生を通じて、活性化T細胞上でそれらの抑制機能を果たす。いくつかの実施形態では、Tregはまた、樹状細胞(DC)上のリガンドとの直接相互作用、例えばインドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)の誘発を引き出すDC上でのCTLA4のB7分子との相互作用等により、免疫応答を調節する。
本明細書における「抗体」という用語は、最も広義に使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含むが、これらに限定されない、様々な抗体構造を包含する。標的に結合する抗体は、抗体が診断剤及び/または治療剤として標的を標的とすることに有用となるような十分な親和性で標的と結合することができる抗体を指す。一実施形態では、抗標的抗体が、無関係の非標的タンパク質に結合する程度は、例えば放射免疫測定法(RIA)またはビアコアアッセイによって測定した場合に、この抗体の標的への結合の約10%未満である。ある特定の実施形態では、標的に結合する抗体は、<1μΜ、<100nM、<10nM、<1nM、<0.1nM、<0.01nM、または<0.001nM(例えば10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態では、抗標的抗体は、異なる種の間で保存されている標的のエピトープに結合する。
「遮断抗体」または「アンタゴニスト抗体」は、それが結合する抗原の生物活性を、部分的または完全に遮断、阻害、干渉、または中和するものである。例えば、アンタゴニスト抗体は、T細胞による機能的応答(例えば、増殖、サイトカイン産生、標的細胞殺滅)を機能障害性状態から抗原刺激へと復元するように、免疫細胞受容体(例えば、T細胞受容体)によるシグナル伝達を遮断する。
「アゴニスト抗体」または「活性化抗体」は、それが結合する抗原の生物活性を模倣、促進、刺激、または増強するものである。アゴニスト抗体はまた、それが結合する抗原によるシグナル伝達を増強または開始することもできる。いくつかの実施形態では、アゴニスト抗体は、天然リガンドの存在なしに、シグナル伝達をもたらすか、または活性化させる。例えば、アゴニスト抗体は、メモリーT細胞の増殖を増加させ、メモリーT細胞によるサイトカイン産生を増加させ、調節性T細胞機能を阻害し、かつ/またはエフェクターT細胞の増殖及び/もしくはサイトカイン産生といったエフェクターT細胞機能の調節性T細胞抑制を阻害することができる。
「抗体断片」は、無傷抗体が結合する抗原に結合する、無傷抗体の一部を含む無傷抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’−SH、F(ab’)2;二重特異性抗体;線状抗体(linear antibodies);1本鎖抗体分子(例えば、scFv);及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
参照抗体としての「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて、参照抗体とその抗原との結合を50%以上遮断する抗体を指し、また逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて、抗体とその抗原との結合を50%以上遮断する。
「利益」という用語は、最も広義で使用され、任意の所望の効果を指し、特に本明細書で定義される臨床的有用性を含む。臨床的有用性は、様々な終点、例えば、減速及び完全阻止を含む疾患進行の阻害;疾患の発現及び/または症状の数の低減;障害サイズの低減;隣接する末梢臓器及び/もしくは組織への疾患細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速、または完全停止);疾患の蔓延の阻害(すなわち、低減、減速、または完全停止);疾患障害の退縮またはアブレーションをもたらし得るが、もたらさなくてもよい、自己免疫応答の減少;障害に関連する1つ以上の症状のある程度の軽減;治療後の無病提示の長さ、例えば無増悪生存期間の増加;全生存期間の増加;奏功率の向上;ならびに/または治療後の所定の時点における死亡率の低下を評価することによって測定され得る。
本明細書に使用される場合、「結合する」、「〜に特異的に結合する」、または「〜に特異的である」という用語は、標的と抗体との間の結合等の測定可能かつ再生可能な相互作用を指し、これは、生体分子を含む分子の異種集団の存在下において、標的の存在を判定づけるものである。例えば、標的(エピトープであり得る)に特異的に結合する抗体は、それが他の標的に結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、かつ/またはより長い期間、この標的に結合する抗体である。一実施形態では、抗体が無関係の標的に結合する程度は、例えば放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、標的に対する抗体の結合の約10%未満である。ある特定の実施形態において、標的と特異的に結合する抗体は、≦1μM、100nM、≦10nM、≦1nM、または≦0.1nMの解離定数(Kd)を有する。ある特定の実施形態において、抗体は、異なる種に由来するタンパク質の間で保存されるタンパク質上のエピトープと特異的に結合する。別の実施形態では、特異的結合は、排他的結合を含み得るが、必須ではない。
本明細書で使用される「生体試料」または「試料」という用語には、血液血清、唾液、組織生検、腫瘍組織、及び鼻腔用綿棒または鼻ポリープを含む鼻腔試料が含まれる。
「がん」及び「がん性」という用語は、典型的には制御されない細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか、または説明する。この定義には、良性及び悪性のがんが含まれる。がんの例としては、がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病が挙げられるが、これらに限定されない。かかるがんのより具体的な例としては、扁平上皮細胞がん、肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がん、及び肺の扁平上皮がんを含む)、腹膜のがん、肝細胞がん、胃がん(gastric cancer)または胃がん(stomach cancer)(消化管がんを含む)、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、肝臓がん、乳がん、結腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がんまたは子宮がん、唾液腺がん、腎臓がん(kidney cancer)または腎臓がん(renal cancer)、肝臓がん、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝がん、及び様々な種類の頭頸部がん、ならびにB細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL);小リンパ球性(SL)NHL;中悪性度/濾胞性NHL;中悪性度びまん性NHL;高悪性度免疫芽細胞性NHL;高悪性度リンパ芽球性NHL;高悪性度小型非開裂細胞性NHL;巨大病変性NHL;マントル細胞リンパ腫;AIDS関連リンパ腫;及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を含む);慢性リンパ性白血病(CLL);急性リンパ芽球性白血病(ALL);有毛細胞性白血病;慢性骨髄芽球性白血病;及び移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、ならびに母斑症、浮腫(脳腫瘍と関連するもの等)、及びメグス症候群と関連する異常な血管増殖が挙げられる。
「進行」がんは、局所浸潤または転移のいずれかによって元の部位または臓器の外側に拡散しているものである。
「難治性」がんは、化学療法剤等の抗腫瘍剤ががん患者に投与されているにもかかわらず、進行するものである。難治性がんの一例は、プラチナ製剤難治性のものである。
「再発」がんは、初期療法への応答後に、初期部位または遠隔部位のいずれかにおいて再成長したものである。
「プラチナ耐性の」がんは、患者がプラチナ系化学療法を受けている間に進行した患者のがん、またはプラチナ系化学療法の完了後、例えば12カ月以内(例えば6カ月以内)に進行した患者のがんを意味する。そのようながんは、「プラチナ耐性」を有するまたは示すと言うことができる。
「化学療法耐性の」がんは、患者が化学療法レジメンを受けている間に進行した患者のがん、または化学療法レジメンの完了後、例えば12カ月以内(例えば6カ月以内)に進行した患者のがんを意味する。そのようながんは、「化学療法耐性」を有するまたは示すと言うことができる。
「腫瘍」という用語は、悪性または良性に関係なく、全ての腫瘍性細胞の成長及び増殖、ならびに全ての前がん性及びがん性細胞及び組織を指す。「がん」、「がん性」、「細胞増殖性障害」、「増殖性障害」、及び「腫瘍」という用語は、本明細書に言及されるとき、相互排他的ではない。
本明細書に使用されるとき、「転移」は、その原発部位から体内の他の場所へのがんの拡がりを意味する。がん細胞は、原発性腫瘍から抜け出し、リンパ管及び血管に振盪し、血流を介して循環し、体内の他の場所の正常組織において遠隔病巣として成長する(転移する)ことができる。転移は、局所であっても遠隔であってもよい。転移は、腫瘍細胞が原発性腫瘍から抜け出し、血流を介して移動し、遠隔部位で止まることを条件とした逐次的プロセスである。この新しい部位で、細胞は血液供給を確立し、成長して、生命を脅かす腫瘤を形成し得る。腫瘍細胞内では刺激性及び阻害性の両方の分子経路が、この挙動を制御しており、遠隔部位における腫瘍細胞と宿主細胞との間の相互作用もまた重要である。
「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/または軽鎖の一部分が特定の源または種に由来し、重鎖及び/または軽鎖の残りの部分が異なる源または種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域の型を指す。抗体には、5つの主要なクラス、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMが存在し、これらのうちのいくつかは、更に、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgGl、IgG2、IgG3、IgG4、IgAl、及びIgA2に分類され得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれている。
「化学療法剤」は、がんの治療に有用な化学化合物を含む。化学療法剤の例としては、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、ジスルフィラム、没食子酸エピガロカテキン、サリノスポラミドA、カーフィルゾミブ、17−AAG(ゲルダナマイシン)、ラディシコール、乳酸デヒドロゲナーゼA(LDH−A)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スニチブ(sunitib)(SUTENT(登録商標)、Pfizer/Sugen)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、フィナスネート(finasunate)(VATALANIB(登録商標)、Novartis)、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi)、5−FU(5−フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファミブ(Lonafamib)(SCH 66336)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、アルキル化剤、例えばチオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド;アルキルスルホネート、例えばブスルファン、インプロスルファン、及びピポスルファン;アジリジン、例えばベンゾドーパ(benzodopa)、カルボコン、メツレドーパ(meturedopa)、及びウレドーパ(uredopa);アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、及びトリメチロメラミンを含む);アセトゲニン(特に、ブラタシン及びブラタシノンを含む、エチレンイミン及びメチラメラミン(methylamelamine);カンプトテシン(トポテカン及びイリノテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン(callystatin);CC−1065(そのアゾゼレシン、カルゼレシン、及びビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);副腎皮質ステロイド(プレドニゾン及びプレドニゾロンを含む);酢酸シプロテロン;5α−還元酵素フィナステリド及びデュタステリドを含む);ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、モセチノスタット ドラスタチン;アルデスロイキン、タルクデュオカルマイシン(合成類似体KW−2189及びCB1−TM1を含む);エロイテロビン(eleutherobin);パンクラチスタチン(pancratistatin);サルコジクチイン;スポンジスタチン(spongistatin);ナイトロジェンマスタード、例えばクロラムブシル、クロマファジン(chlomaphazine)、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩(mechlorethamine oxide hydrochloride)、メルファラン、ノベムビシン(novembichin)、フェネステリン(phenesterine)、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード;ニトロソ尿素、例えばカルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン;抗生物質、例えばエンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンγ1I及びカリケアマイシンω1I(Angew Chem.Intl.Ed.Engl.1994 33:183−186);ダイネミシンAを含むダイネミシン;ビスホスホネート、例えばクロドロネート;エスペラミシン;ならびにネオカルジノスタチン発色団及び関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン(authramycin)、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン(carabicin)、カミノマイシン(caminomycin)、カルジノフィリン、クロモマイシニス(chromomycinis)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン(detorubicin)、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン(esorubicin)、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、例えばマイトマイシンC、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン(quelamycin)、ロドルビシン(rodorubicin)、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン;代謝拮抗薬、例えばメトトレキサート及び5−フルオロウラシル(5−FU);葉酸類似体、例えばデノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート;プリン類似体、例えばフルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン(thiamiprine)、チオグアニン;ピリミジン類似体、例えばアンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン;アンドロゲン、例えばカルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン;抗副腎剤、例えばアミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン;葉酸補液、例えばフロリン酸(frolinic acid);アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル(bestrabucil);ビスアントレン;エダトラキサート(edatraxate);デフォファミン(defofamine);デメコルチン;ジアジクオン;デフォファミン(defofamine);酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン(lonidainine);マイタンシノイド、例えばマイタンシン及びアンサマイトシン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダムノール(mopidamnol);ニトラエリン(nitraerine);ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド(ethylhydrazide);プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.);ラゾキサン;シゾフラン(sizofuran);スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンA、及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン(gacytosine);アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ(thiotepa);タキソイド、例えばTAXOL(パクリタキセル;Bristol−Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(登録商標)(クレモホール不含)、パクリタキセルのアルブミン操作ナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,III.)、及びTAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル(docetaxel)、ドセタキセル(doxetaxel);Sanofi−Aventis);クロランムブシル(chloranmbucil);GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;プラチナ類似体、例えばシスプラチン及びカルボプラチン;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイド、例えばレチノイン酸;ならびに上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩、酸、及び誘導体が挙げられる。
化学療法剤としてはまた、(i)抗エストロゲン剤及び選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM)といった、腫瘍に対してホルモン作用を制御または阻害するように作用する抗ホルモン剤(例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)、クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン(iodoxyfene)、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミファイン(toremifine citrate)を含む)、(ii)副腎におけるエストロゲン産生を制御するアロマターゼ酵素を阻害する、アロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン、Pfizer)、フォルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール、Novartis)、及びARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール、AstraZeneca)等、(iii)抗アンドロゲン剤、例えば、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、及びゴセレリン;ブセレリン、トリプテレリン(tripterelin)、酢酸メドロキシプロゲステロン、ジエチルスチルベストロール、プレマリン、フルオキシメステロン、全てのトランスレチオニン酸(transretionic acid)、フェンレチニド、ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)、(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤、(v)脂質キナーゼ阻害剤、(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC−アルファ、Ralf、及びH−Ras、(vii)リボザイム、例えば、VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))及びHER2発現阻害剤、(viii)ワクチン、例えば、遺伝子療法用ワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、及びVAXID(登録商標);PROLEUKIN(登録商標)、rIL−2;トポイソメラーゼ1阻害剤、例えば、LURTOTECAN(登録商標);ABARELIX(登録商標)rmRH;ならびに(ix)上述のもののいずれかの薬学的に許容される塩、酸、及び誘導体が挙げられる。
化学療法剤としてはまた、抗体、例えば、アレムツズマブ(キャンパス)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(ベキサール、Corixia)、及び抗体薬物コンジュゲートであるゲムツズマブオゾガマイシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)が挙げられる。本発明の化合物と組み合わせた薬剤として治療上の可能性を有する追加のヒト化モノクローナル抗体としては、アポリズマブ、アセリズマブ(aselizumab)、アトリズマブ、バピネオズマブ、ビバツズマブメルタンシン(bivatuzumab mertansine)、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ(cedelizumab)、セトリズマブペゴール、シドフシツズマブ(cidfusituzumab)、シドツズマブ(cidtuzumab)、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ(erlizumab)、フェルビズマブ(felvizumab)、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ(motovizumab)、ナタリズマブ、ニモツズマブ(nimotuzumab)、ノロビズマブ(nolovizumab)、ヌマビズマブ(numavizumab)、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ(pascolizumab)、ペクフシツズマブ(pecfusituzumab)、ペクツズマブ(pectuzumab)、パキセリズマブ、ラリビズマブ(ralivizumab)、ラニビズマブ、レスリビズマブ(reslivizumab)、レスリズマブ、レシビズマブ(resyvizumab)、ロベリズマブ(rovelizumab)、ルプリズマブ(ruplizumab)、シブロツズマブ(sibrotuzumab)、シプリズマブ、ソンツズマブ(sontuzumab)、タカツズマブテトラキセタン(tacatuzumab tetraxetan)、タドシズマブ(tadocizumab)、タリズマブ、テフィバズマブ(tefibazumab)、トシリズマブ、トラリズマブ(toralizumab)、ツコツズマブセルモロイキン(tucotuzumab celmoleukin)、ツクシツズマブ(tucusituzumab)、ウマビズマブ(umavizumab)、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、ビジリズマブ、及びインターロイキン−12 p40タンパク質を認識するように遺伝子修飾された排他的にヒト配列の組み換え全長IgG1 λ抗体である、抗インターロイキン−12(ABT−874/J695、Wyeth Research and Abbott Laboratories)が挙げられる。
化学療法剤としてはまた、EGFRに結合するか、または他の様式でEGFRと直接相互作用し、そのシグナル伝達活性を防止または低減させる化合物を指し、かつ「EGFRアンタゴニスト」とも称される、「EGFR阻害剤」が挙げられる。かかる薬剤の例としては、EGFRに結合する抗体及び小分子が挙げられる。EGFRに結合する抗体の例としては、MAb 579(ATCC CRL HB 8506)、MAb 455(ATCC CRL HB8507)、MAb 225(ATCC CRL 8508)、MAb 528(ATCC CRL 8509)(Mendelsohnらの米国特許第4,943,533号を参照されたい)、及びそれらの変異形、例えば、キメラ化225(C225またはセツキシマブ、ERBUTIX(登録商標))及び再形状化ヒト225(H225)(Imclone Systems Inc.の国際公開第WO96/40210号を参照されたい);IMC−11F8、完全ヒトEGFR標的抗体(Imclone);II型変異体EGFRに結合する抗体(米国特許第5,212,290号);米国特許第5,891,996号に記載されるようなEGFRに結合するヒト化抗体及びキメラ抗体;ならびにEGFRに結合するヒト抗体、例えば、ABX−EGFまたはパニツムマブ(Abgenix/Amgenの国際公開第WO98/50433号を参照されたい);EMD 55900(Stragliotto et al.Eur.J.Cancer 32A:636−640(1996));EGFR結合に関してEGF及びTGF−アルファの両方と競合するEGFRを対象とするヒト化EGFR抗体であるEMD7200(マツズマブ)(EMD/Merck);ヒトEGFR抗体、HuMax−EGFR(GenMab);E1.1、E2.4、E2.5、E6.2、E6.4、E2.11、E6.3、及びE7.6.3として知られ、米国特許第6,235,883号に記載されている、完全ヒト抗体;MDX−447(Medarex Inc);ならびにmAb 806またはヒト化mAb 806(Johns et al.,J.Biol.Chem.279(29):30375−30384(2004))が挙げられる。抗EGFR抗体は、細胞傷害性薬剤とコンジュゲートされ、それにより免疫コンジュゲートを生成してもよい(例えば、Merck Patent GmbHの欧州特許第659,439号A2を参照されたい)。EGFRアンタゴニストには、米国特許第5,616,582号、同第5,457,105号、同第5,475,001号、同第5,654,307号、同第5,679,683号、同第6,084,095号、同第6,265,410号、同第6,455,534号、同第6,521,620号、同第6,596,726号、同第6,713,484号、同第5,770,599号、同第6,140,332号、同第5,866,572号、同第6,399,602号、同第6,344,459号、同第6,602,863号、同第6,391,874号、同第6,344,455号、同第5,760,041号、同第6,002,008号、及び同第5,747,498号、ならびに以下のPCT公開第WO98/14451号、同第WO98/50038号、同第WO99/09016、及び同第WO99/24037号に記載される化合物等の小分子が含まれる。特定の小分子EGFRアンタゴニストとしては、OSI−774(CP−358774、エルロチニブ、TARCEVA(登録商標)Genentech/OSI Pharmaceuticals);PD 183805(CI 1033、2−プロペンアミド、N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−7−[3−(4−モルホリニル)プロポキシ]−6−キナゾリニル]−、二塩酸塩、Pfizer Inc.);ZD1839、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン、AstraZeneca);ZM 105180((6−アミノ−4−(3−メチルフェニル−アミノ)−キナゾリン、Zeneca);BIBX−1382(N8−(3−クロロ−4−フルオロ−フェニル)−N2−(1−メチル−ピペリジン−4−イル)−ピリミド[5,4−d]ピリミジン−2,8−ジアミン、Boehringer Ingelheim);PKI−166((R)−4−[4−[(1−フェニルエチル)アミノ]−1H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−イル]−フェノール);(R)−6−(4−ヒドロキシフェニル)−4−[(1−フェニルエチル)アミノ]−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン);CL−387785(N−[4−[(3−ブロモフェニル)アミノ]−6−キナゾリニル]−2−ブチンアミド);EKB−569(N−[4−[(3−クロロ−4−フルオロフェニル)アミノ]−3−シアノ−7−エトキシ−6−キノリニル]−4−(ジメチルアミノ)−2−ブテンアミド)(Wyeth);AG1478(Pfizer);AG1571(SU 5271、Pfizer);二重EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、またはN−[3−クロロ−4−[(3フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]−6[5[[[2メチルスルホニル)エチル]アミノ]メチル]−2−フラニル]−4−キナゾリンアミン)が挙げられる。
化学療法剤としてはまた、前の段落に記載されたEGFR標的薬を含む「チロシンキナーゼ阻害剤」;小分子HER2チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、Takedaから入手可能なTAK165;ErbB2受容体チロシンキナーゼの経口選択的阻害剤であるCP−724,714(Pfizer及びOSI);二重HER阻害剤、例えば、EGFRに選択的に結合するが、HER2及びEGFR両方の過剰発現細胞を阻害するEKB−569(Wyethから入手可能);経口HER2及びEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるラパチニブ(GSK572016、Glaxo−SmithKlineから入手可能);PKI−166(Novartisから入手可能);パンHER阻害剤、例えば、カネルチニブ(CI−1033、Pharmacia);Raf−1阻害剤、例えば、Raf−1シグナル伝達を阻害するISIS Pharmaceuticalsから入手可能なアンチセンス剤ISIS−5132;非HER標的化TK阻害剤、例えば、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Glaxo SmithKlineから入手可能);多標的チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizerから入手可能);VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、例えば、バタラニブ(PTK787/ZK222584、Novartis/Schering AGから入手可能);MAPK細胞外制御キナーゼI阻害剤CI−1040(Pharmaciaから入手可能);キナゾリン、例えば、PD 153035、4−(3−クロロアニリノ)キナゾリン;ピリドピリミジン;ピリミドピリミジン;ピロロピリミジン、例えば、CGP 59326、CGP 60261、及びCGP 62706;ピラゾロピリミジン、4−(フェニルアミノ)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;クルクミン(ジフェルロイルメタン、4,5−ビス(4−フルオロアニリノ)フタルイミド);ニトロチオフェン部分を含有するチルホスチン;PD−0183805(Warner−Lamber);アンチセンス分子(例えば、HERをコードする核酸に結合するもの);キノキサリン(米国特許第5,804,396号);トリホスチン(米国特許第5,804,396号);ZD6474(Astra Zeneca);PTK−787(Novartis/Schering AG);パン−HER阻害剤、例えば、CI−1033(Pfizer);アフィニタック(ISIS 3521、Isis/Lilly);メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標));PKI 166(Novartis);GW2016(Glaxo SmithKline);CI−1033(Pfizer);EKB−569(Wyeth);セマキシニブ(Pfizer);ZD6474(AstraZeneca);PTK−787(Novartis/Schering AG);INC−1C11(Imclone)、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標));または以下の特許公開、米国特許第5,804,396号、国際公開第WO1999/09016号(American Cyanamid)、同第WO1998/43960号(American Cyanamid)、同第WO1997/38983号(Warner Lambert)、同第WO1999/06378号(Warner Lambert)、同第WO1999/06396(Warner Lambert)、同第WO1996/30347号(Pfizer,Inc)、同第WO1996/33978号(Zeneca)、同第WO1996/3397号(Zeneca)、及び同第WO1996/33980号(Zeneca)のいずれかに記載のものが挙げられる。
化学療法剤としてはまた、デキサメタゾン、インターフェロン、コルヒチン、メトプリン(metoprine)、シクロスポリン、アンホテリシン、メトロニダゾール、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アミホスチン、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、BCG生、ベバクジマブ(bevacuzimab)、ベキサロテン、クラドリビン、クロファラビン、ダルベポエチンアルファ、デニロイキン、デクスラゾキサン、エポエチンアルファ、エロチニブ(elotinib)、フィルグラスチム、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブ、インターフェロンアルファ−2a、インターフェロンアルファ−2b、レナリドマイド、レバミゾール、メスナ、メトキサレン、ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ(nofetumomab)、オプレルベキン、パリフェルミン、パミドロネート、ペガデマーゼ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、プリカマイシン、ポルフィマーナトリウム、キナクリン、ラスブリカーゼ、サルグラモスチム、テモゾロミド、VM−26、6−TG、トレミフェン、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ゾレドロネート、及びゾレドロン酸、ならびにこれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
「プラチナ系化学療法剤」または「プラチン」は、プラチナの配位化合物である抗悪性腫瘍薬を意味する。プラチナ系化学療法剤の例としては、カルボプラチン、シスプラチン、サトラプラチン、ピコプラチン、ネダプラチン、トリプラチン(triplatin)、リポプラチン、及びオキサリプラチナ(oxaliplatinum)が挙げられる。
「プラチナ系化学療法」は、任意で1つ以上の他の化学療法剤と組み合わせて、1つ以上のプラチナ系化学療法剤を用いる療法を意味する。
「相関する」または「相関」とは、任意の方式で、第1の分析もしくはプロトコルの性能及び/または結果を、第2の分析もしくはプロトコルの性能及び/または結果と比較することを意味する。例えば、第1の分析またはプロトコルの結果を使用して、第2の分析またはプロトコルの成果または結果を判定してもよい。あるいは、第1の分析またはプロトコルを使用して、第2の分析またはプロトコルを行うべきかどうかを判定してもよい。例えば、遺伝子発現分析またはプロトコルの実施形態に関して、この遺伝子発現分析またはプロトコルの結果を用いて、特定の免疫細胞タイプまたはサブセットが存在するかどうかを判定してもよい。
「エフェクター機能」は、抗体アイソタイプにより多様である抗体のFc領域に帰属する生物活性を指す。抗体のエフェクター機能の例としては、Clq結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、ファゴサイトーシス、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、ならびにB細胞活性化が挙げられる。
「T細胞機能を増強する」とは、エフェクターまたはメモリーT細胞が再生、持続、または増幅された生物学的機能を有するようにそれらを誘導する、それを引き起こす、またはそのように刺激することを意味する。T細胞機能の増強の例としては、介入前のかかるレベルと比べて、CD8エフェクターT細胞からのγ−インターフェロンの分泌の増加、CD4+メモリー及び/またはエフェクターT細胞からのγ−インターフェロンの分泌の増加、CD4+エフェクター及び/またはメモリーT細胞の増殖の増加、CD8+エフェクターT細胞の増殖の増加、抗原応答性(例えば、クリアランス)の増加が挙げられる。一実施形態では、増強のレベルは、少なくとも50%、あるいは60%、70%、80%、90%、100%、120%、150%、200%である。この増強を測定する様式は、当業者に既知である。
発現の中央値レベル(その種類のがん(またはあるがんタイプ、ここで「あるがんタイプ」とはがん性細胞(例えば、腫瘍細胞、腫瘍組織)ならびにがん性/腫瘍環境を囲む非がん性細胞(例えば、間質細胞、間質組織)を含む)における1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現の中央値)と比べて、増加した発現レベルで1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャを「発現する」試料、細胞、腫瘍、またはがんは、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルが、その種類のがんの当業者によって「高い免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベル」と見なされるものである。概して、そのようなレベルは、同じがんタイプの試料、細胞、腫瘍、またはがんの集団における免疫細胞遺伝子シグネチャレベルと比べて約50%〜約100%以上(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、またはそれ以上)の範囲である。例えば、発現レベルの中央値を求めるために使用される集団は、一般的に、特定のがん試料(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)またはそれらのサブグループ、例えば、化学療法剤耐性のがん、プラチナ製剤耐性のがん、ならびに進行がん、難治性がん、または再発がん試料である。
特定のバイオマーカー(例えば、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャ)に関連して使用される「発現レベルを判定すること」は、診断試験、本明細書に記載される検出方法、またはそれと同様のものを使用して判定される、がん関連生物環境中(例えば、腫瘍細胞中のバイオマーカー(複数可)の発現)、腫瘍関連細胞(例えば、腫瘍関連間質細胞)中のバイオマーカー(複数可)(例えば、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャ)の発現を意味する。
本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義して使用される。この用語は、天然配列Fc領域及び変異型Fc領域を含む。一実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在する場合もあれば、しない場合もある。本明細書で別途明記されない限り、Fc領域または定常領域におけるアミノ酸残基の付番は、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載される、EUインデックスとも呼ばれる、EU付番方式に従う。
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン、FR1、FR2、FR3、及びFR4からなる。したがって、HVR及びFR配列は、一般に、VH(またはVL)において次の配列、FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4で現れる。
「完全長抗体」、「無傷抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書で、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように互換的に使用される。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生された、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する抗体のアミノ酸配列、あるいは他のヒト抗体コード配列に対応する、アミノ酸配列を保有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列の下位群から行われる。一般に、配列の下位群は、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, NIH Publication 91−3242, Bethesda MD(1991), vols.1−3にあるような下位群である。一実施形態では、VLについて、下位群は、上記のKabat et al.にあるような下位群カッパIである。一実施形態では、VHについて、下位群は、上記のKabat et al.にあるような下位群IIIである。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含む、キメラ抗体を指す。ある特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことになり、そのHVR(例えば、CDR)の全てまたは実質的に全てが非ヒト抗体のものに対応し、そのFRの全てまたは実質的に全てがヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は任意で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の「ヒト化型」は、ヒト化を経た抗体を指す。
本明細書で使用される「超可変領域」または「HVR」という用語は、配列が高度に変化する、かつ/または構造的に規定されたループ(「超可変ループ」)を形成する、抗体可変ドメインの領域の各々を指す。一般に、天然4本鎖抗体は、6つのHVRを含み、このうち3つがVH(HI、H2、H3)にあり、3つがVL(LI、L2、L3)にある。HVRは一般に、超可変ループに由来するかつ/または「相補性判定領域」(CDR)に由来するアミノ酸残基を含み、後者は典型的に、配列可変性が最も高く、かつ/または抗原認識に関与する。本明細書に使用されるHVR領域は、24〜36位(HVRL1について)、46〜56位(HVRL2について)、89〜97位(HVRL3について)、26〜35B(HVRH1について)、47〜65位(HVRH2について)、及び93〜102位(HVRH3について)に位置付けられた、任意の数の残基を含む。
「腫瘍免疫」は、腫瘍が免疫認識及びクリアランスを回避するプロセスを指す。よって、治療上の概念として、腫瘍免疫は、かかる回避が軽減され、かつ腫瘍が免疫系によって認識され攻撃される場合に「治療される」。腫瘍認識の例としては、腫瘍結合、腫瘍退縮、及び腫瘍クリアランスが挙げられる。「免疫原性」は、特定の物質が免疫応答を引き起こす能力を指す。腫瘍は、免疫原性であり、腫瘍免疫原性の増強は、免疫応答による腫瘍細胞のクリアランスに役立つ。腫瘍免疫原性の増強の例としては、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニストでの治療、またはCTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニストでの治療が挙げられるが、これらに限定されない。
「免疫コンジュゲート」は、細胞傷害性薬剤を含むが、これらに限定されない1個以上の異種性分子(複数可)にコンジュゲートされる抗体である。
「個体」または「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト、及びサル等の非ヒト霊長類)、ウサギ、ならびに齧歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、個体または対象は、ヒトである。
「単離」抗体は、その自然環境の構成成分から分離されているものである。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動法(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフ法(例えば、イオン交換または逆相HPLC)によって判定される、95%超または99%の純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の概説に関して、例えばFlatman et al, J.Chromatogr.B 848:79−87(2007)を参照されたい。
「単離」核酸は、その天然環境の構成成分から分離されている核酸分子を指す。単離核酸は、核酸分子を通常含有する細胞内に含有される核酸分子を含むが、その核酸分子は、染色体外に、またはその天然の染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。
「抗標的抗体をコードする単離核酸」は、抗体の重鎖及び軽鎖(またはそれらの断片)をコードする1個以上の核酸分子を指し、それには単一のベクターまたは別個のベクターにおけるかかる核酸分子(複数可)が含まれ、かかる核酸分子(複数可)は、宿主細胞内の1つ以上の場所に存在する。
本明細書における「負荷」用量は一般に、患者に投与される治療剤の初期用量を含み、その1つ以上の維持用量(複数可)が続く。一般に、単一負荷用量が投与されるが、本明細書において複数の負荷用量が企図される。通常、維持用量(複数可)で達成され得るより早く治療剤の所望の安定状態濃度を達成するように、投与される負荷用量(複数可)の量は、投与される維持用量(複数可)の量を超え、かつ/または負荷用量(複数可)は、維持用量(複数可)より頻繁に投与される。
本明細書に使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に同種の抗体の集団から得られた抗体を指す、すなわち、その集団に含まれる個々の抗体は同一であり、かつ/または同じエピトープに結合するが、例えば、天然の変異を含むか、またはモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる、発生し得る変異形抗体は例外であり、このような変異形は、通常少量で存在している。異なる判定基(エピトープ)を対象とする異なる抗体を典型的に含む、ポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の判定基を対象とする。よって、「モノクローナル」という修飾語は、実質的に同種の抗体の集団から得られるという抗体の特徴を示すものであり、いずれかの特定の方法による抗体の産生を必要とするものとして解釈されるものではない。例えば、本明細書に提供される方法に従って使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、これらに限定されない、多様な技法によって作製されてもよく、モノクローナル抗体を作製するためのかかる方法及び他の例示的な方法が、本明細書に記載されている。
「裸抗体」とは、異種部分(例えば、細胞傷害性部分)または放射標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。裸抗体は、薬学的製剤中に存在してもよい。
「天然抗体」は、様々な構造を有する、自然発生免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合されている2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重ドメイン(variable heavy domain)または重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)、続いて3つの定常ドメイン(CHI、CH2、及びCH3)を有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン(variable light domain)または軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)、続いて定常軽(CL)ドメインを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つの型うちの1つに割り付けられ得る。
「患者応答」または「応答」(及び、その文法的変形)は、様々な終点、(1)減速及び完全阻止を含む疾患進行の阻害、(2)疾患の発現及び/または症状の数の低減、(3)障害サイズの低減、(4)隣接する末梢臓器及び/もしくは組織への疾患細胞浸潤の阻害(すなわち、低減、減速、または完全停止)、(5)疾患の蔓延の阻害(すなわち、低減、減速、または完全停止)、(6)疾患障害の退縮またはアブレーションをもたらし得るが、もたらさなくてもよい、自己免疫応答の減少、(7)障害に関連する1つ以上の症状のある程度の軽減、(8)治療後の無病提示の長さの増加;ならびに/または(9)治療後の所定の時点における死亡率の低下を限定することなく含む、患者への有益性を示す任意のエンドポイントを使用して評価され得る。
「放射線療法」とは、正常に機能する細胞の能力を限定するため、または細胞全体を破壊するために、細胞に対して十分な損傷を誘発するための、定方向のガンマ線またはベータ線の使用を意味する。投与量及び治療の持続時間を判定するための、当該技術分野で既知の多くの方法が存在することは理解されるであろう。典型的な治療は、1回投与として与えられ、典型的な投与量は、1日当たり10〜200単位(グレイ)の範囲である。
「小分子」という用語は、50ダルトン〜2500ダルトンの分子量を有する有機分子を指す。
「免疫細胞遺伝子シグネチャ」及び「免疫細胞シグネチャ」という用語は、表1に記載される31個の遺伝子のいずれか1つ、またはその組み合わせもしくは副次的組み合わせを指す。これらの31個の遺伝子のかかる副次的組み合わせは、「遺伝子セット」と呼ばれ、例示的な「遺伝子セット」は、表2−8に記載される。患者内の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子発現パターンは、免疫細胞サブタイプ(例えば、Tエフェクター細胞、調節性T細胞、B細胞、NK細胞、骨髄細胞、Th17細胞、炎症細胞、T細胞免疫ブロッカー、及び抗原提示細胞(APC)免疫ブロッカー)の存在と相関する。各個別の遺伝子または免疫細胞遺伝子シグネチャのメンバーは、「免疫細胞シグネチャ遺伝子」である。これらの遺伝子としては、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、PRF1、FOXP3、MS4A1、CD48、NCAM1、NKP46、ITGAM、ITGAX、CD1C、CLEC4C、IL17A、IL17F、CCL2、IL1B、IL8、IL6、PTGS2、CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、CD276、PDL1、PDL2、及びIDO1が挙げられるが、これらに限定されない。
「PD1軸アンタゴニスト」という用語は、PD−1軸結合パートナーの、その結合パートナーのうちの1つ以上との相互作用を阻害して、PD−1シグナル伝達軸上のシグナル伝達から生じるT細胞機能不全を取り除き、T細胞機能(例えば、増殖、サイトカイン産生、標的細胞殺傷)を復元または強化するような結果をもたらす分子を指す。本明細書で使用される場合、PD−1軸アンタゴニストには、PD−1結合アンタゴニスト、PD−L1結合アンタゴニスト、及びPD−L2結合アンタゴニストが含まれる。
「生存期間」は、患者が生存していることを指し、全生存期間、ならびに無増悪生存期間を含む。
「全生存」は、患者が、診断または治療の時期から1年、5年等の規定された期間に亘ってもなお生存していることを指す。
「無増悪生存期間」という表現は、本発明の文脈において、治療中及び治療後の時間の長さを指し、その間、治療に当たる医師または研究者の評価に基づき、患者の疾患は悪化しない、すなわち進行しない。当業者には理解されるように、患者が、同様の状況の患者の参照群の無増悪生存期間の平均または平均値と比較して、疾患が進行しない時間をより長く経験する場合、患者の無増悪生存期間は、向上または増強している。
本明細書における「標準治療」は、特定の形態のがんを治療するために日常的に使用される抗腫瘍剤/抗がん剤(複数可)を意図する。
「治療有効量」または「有効量」という用語は、患者のがんを治療するのに有効な薬物の量を指す。がんを治療するための有効量の薬物によって、がん細胞の数が低減し、腫瘍サイズが縮小し、抹消臓器へのがん細胞浸潤が阻害され(すなわち、ある程度遅れる、好ましくは止まる)、腫瘍転移が阻害され(すなわち、ある程度の減速、好ましくは停止)、腫瘍成長がある程度阻害され、かつ/またはがんに関連する症状のうちの1つ以上がある程度軽減され得る。薬物が既存のがん細胞の成長の予防及び/またはそれらの殺滅を行うことができる限り、この薬物は細胞増殖抑制性及び/または細胞傷害性であり得る。有効量によって、無増悪生存期間が延長し(例えば、固体腫瘍の奏功評価基準(RECIST)もしくはCA−125変化によって測定される)、客観的奏功がもたらされ(部分奏功(PR)もしくは完全奏功(CR)を含む)、生存期間(全生存期間及び無増悪生存期間を含む)が向上し、かつ/またはがんの1つ以上の症状が改善される(例えば、FOSIによって評価される)。最も好ましくは、薬物の治療有効量は、無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)を向上させるのに有効である。
本明細書で使用される場合、「治療」は、治療される個人または細胞の自然経過を変更する試みにおける臨床的介入を指し、予防として、または臨床病理学の経過中に行うことができる。治療の望ましい効果には、疾患の発生または再発の予防、症状の緩和、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果の減少、疾患進行速度の低減、病状の寛解または緩和、及び緩解または予後の改善が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明の方法および組成物は、疾患または障害の発症を遅らせる試みにおいて有用である。
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体を抗原に結合することに関与する、抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれ、VH及びVL)は一般に、同様の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)及び3つの超可変領域(HVR)を含む。(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page91(2007)を参照されたい)。抗原結合特異性を付与するためには、単一のVHまたはVLドメインで十分であり得る。更に、抗原に結合する抗体のVHまたはVLドメインを使用して、それぞれ、相補的VLまたはVHドメインのライブラリをスクリーニングして、特定の抗原に結合する抗体を単離してもよい。例えば、Portolano et al, J.Immunol.150:880−887(1993)、Clarkson et al.,Nature 352:624−628(1991)を参照されたい。
III.予後診断及び検出方法
本発明は、がん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、腎細胞がん腫)のバイオマーカーの特定、選択、及び使用に関し、これは、免疫細胞サブタイプ(例えば、Tエフェクター細胞、調節性T細胞、B細胞、NK細胞、骨髄細胞、Th17細胞、炎症細胞、T細胞免疫ブロッカー、及び抗原提示細胞(APC)免疫ブロッカー)と相関する。この点で、本発明は、腫瘍免疫に関与する免疫サブタイプ(例えば、Tエフェクター細胞、調節性T細胞、B細胞、NK細胞、骨髄細胞、Th17細胞、炎症細胞、T細胞免疫ブロッカー、及び抗原提示細胞(APC)免疫ブロッカー)と相関するバイオマーカー、及び免疫療法剤での治療のための患者の選択におけるこれらのバイオマーカーの使用を特定するための、がん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、腎細胞がん腫)を有する患者からの試料における発現プロファイル(複数可)の分析に関する。本発明のバイオマーカーは、本明細書、例えば、表1に列挙される。
表1.遺伝子シグネチャセット及び免疫細胞遺伝子シグネチャセットメンバー
Figure 2018503373
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全ての未標識遺伝子シグネチャセットは、90−遺伝子PCRベースFLUIDIGM(商標)パネルを使用したデータ分析に由来した。
Th17遺伝子シグネチャセットは、本明細書中で、IL17遺伝子セットとしても記載され、90−遺伝子PCRベースFLUIDIGM(商標)パネルを使用したデータ分析に由来した。Th17遺伝子セット及びIL17遺伝子セットは、本出願全体を通して互換的に使用され、同じ遺伝子セットを指す。
**尿路上皮膀胱がん(UBC)試料で、800−遺伝子カスタムNanostringパネル(90−遺伝子PCRベースFLUIDIGM(商標)パネルのの代わりに)を使用したデータ分析に由来した遺伝子シグネチャセット。
非小細胞肺がん(NSCLC)試料で、800−遺伝子カスタムNanostringパネル(90−遺伝子PCRベースFLUIDIGM(商標)パネルのの代わりに)を使用したデータ分析に由来した遺伝子シグネチャセット。
##UBC試料中の標的RNA−Seqアクセスに由来した遺伝子シグネチャセット。
本発明は、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャ(例えば、表1に列挙される遺伝子のうちの1つ以上、またはその組み合わせ、例えば、表2〜8に列挙されるもの)の発現レベルを判定することと、免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを免疫細胞遺伝子シグネチャの発現の中央値レベル(あるがんタイプにおける免疫細胞遺伝子シグネチャの発現の中央値レベル)と比較することと、により、免疫療法剤での治療のためのがん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を有する患者を選択する方法を提供し、遺伝子シグネチャの発現レベルの変化により、免疫療法剤での治療のための患者を特定する。任意で、本方法は、患者に、彼らが免疫療法剤に対して応答性である高い見込みを有していることを伝えるステップ、及び/または1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャ(表1に列挙される遺伝子のうちの1つ以上、またはその組み合わせ、例えば、表2〜8に列挙されるもの)の発現レベルに基づき患者に特定の免疫療法剤の推奨を提供するステップを含む。
いくつかの実施形態では、Teff遺伝子セット(すなわち、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上)において、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの増加がある場合、またはTreg遺伝子セットにおいて、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの減少がある場合、患者は、活性化免疫療法剤での治療のために特定されるか、または活性化免疫療法剤レジメンから利益を得られる見込みを有するものとして選択される。他の実施形態では、Treg遺伝子セット(すなわち、FOXP3)において、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの増加がある場合、またはTeff遺伝子セット(すなわち、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上)において、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの減少がある場合、患者は、抑制免疫療法剤での治療のために特定されるか、または抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みを有するものとして選択される。他の実施形態では、Teff及び/またはTreg遺伝子セットにおける1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定することに加えて、表2〜8に記載される遺伝子セットのうちのいずれか1つとの組み合わせでの1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定し、特定の免疫療法剤レジメン(例えば、活性化免疫療法剤レジメンまたは抑制免疫療法剤レジメン)のための患者を特定することができる。任意で、これらの方法は、免疫療法剤への応答に関する投与前予後診断を患者に提供するために、免疫療法剤レジメンの投与の前に実施される。
ある特定の実施形態では、いずれか1つの特定の遺伝子シグネチャセットの免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば:
CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、もしくはPRF1;または
FOXP3;または
MS4A1もしくはCD48;または
CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5;または
NCAM1もしくはNKP46;または
KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1;または
ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4C;または
CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14;または
LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3A;または
IL17AもしくはIL17F;または
CCL2、IL1B、IL8、IL6、もしくはPTGS2;または
CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、もしくはLCK;または
CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1;または
CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGIT;または
CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1;または
CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVR;または
CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、もしくはCCL22;または
CD4、IL2RA、もしくはCD69;または
TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、もしくはPSMB8;または
CD40、CD80、CD86、CD70、もしくはGITRL;または
CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、もしくはCD226;または
GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、もしくはNKG7;または
FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、もしくはCOL8A1
が判定される。別の実施形態では、2つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、2つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表2に記載される。
表2.2つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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別の実施形態では、3つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、3つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表3に記載される。
表3.3つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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別の実施形態では、4つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、4つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表4に記載される。
表4.4つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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いくつかの実施形態では、4つの特定の遺伝子シグネチャセットは、以下の遺伝子シグネチャセットのうちの1つ以上を含む組み合わせを含むか、その組み合わせからなる:B細胞シグネチャ2(CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、FCRL5);NK細胞シグネチャ2(KLRC3、KLRK1、KLRC2、KLRD1);マクロファージ(CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、CD14);M2マクロファージ(LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、FCGR3A);T細胞(CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、LCK);IB T細胞シグネチャ2(CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、TIGIT);IB APCシグネチャ2(CD274、PDL2、IDO1、PVR);活性化CD4 T細胞(CD4、IL2RA、CD69);抗原プロセシング(TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、PSMB8);共刺激リガンド(CD40、CD80、CD86、CD70、GITRL);共刺激受容体(CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、CD226);細胞溶解性(GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、NKG7);及び/または活性化線維芽細胞(FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1)。
別の実施形態では、5つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、5つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表5に記載される。
表5.5つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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いくつかの実施形態では、5つの特定の遺伝子シグネチャセットは、以下の遺伝子シグネチャセットのうちの1つ以上を含む組み合わせを含むか、その組み合わせからなる:B細胞シグネチャ2(CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、FCRL5);NK細胞シグネチャ2(KLRC3、KLRK1、KLRC2、KLRD1);マクロファージ(CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、CD14);M2マクロファージ(LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、FCGR3A);T細胞(CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、LCK);IB T細胞シグネチャ2(CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、TIGIT);IB APCシグネチャ2(CD274、PDL2、IDO1、PVR);活性化CD4 T細胞(CD4、IL2RA、CD69);抗原プロセシング(TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、PSMB8);共刺激リガンド(CD40、CD80、CD86、CD70、GITRL);共刺激受容体(CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、CD226);細胞溶解性(GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、NKG7);及び/または活性化線維芽細胞(FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1)。
別の実施形態では、6つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、6つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表6に記載される。
表6.6つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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いくつかの実施形態では、6つの特定の遺伝子シグネチャセットは、以下の遺伝子シグネチャセットのうちの1つ以上を含む組み合わせを含むか、その組み合わせからなる:B細胞シグネチャ2(CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、FCRL5);NK細胞シグネチャ2(KLRC3、KLRK1、KLRC2、KLRD1);マクロファージ(CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、CD14);M2マクロファージ(LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、FCGR3A);T細胞(CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、LCK);IB T細胞シグネチャ2(CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、TIGIT);IB APCシグネチャ2(CD274、PDL2、IDO1、PVR);活性化CD4 T細胞(CD4、IL2RA、CD69);抗原プロセシング(TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、PSMB8);共刺激リガンド(CD40、CD80、CD86、CD70、GITRL);共刺激受容体(CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、CD226);細胞溶解性(GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、NKG7);及び/または活性化線維芽細胞(FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1)。
別の実施形態では、7つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、7つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表7に記載される。
表7.7つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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いくつかの実施形態では、7つの特定の遺伝子シグネチャセットは、以下の遺伝子シグネチャセットのうちの1つ以上を含む組み合わせを含むか、その組み合わせからなる:B細胞シグネチャ2(CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、FCRL5);NK細胞シグネチャ2(KLRC3、KLRK1、KLRC2、KLRD1);マクロファージ(CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、CD14);M2マクロファージ(LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、FCGR3A);T細胞(CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、LCK);IB T細胞シグネチャ2(CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、TIGIT);IB APCシグネチャ2(CD274、PDL2、IDO1、PVR);活性化CD4 T細胞(CD4、IL2RA、CD69);抗原プロセシング(TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、PSMB8);共刺激リガンド(CD40、CD80、CD86、CD70、GITRL);共刺激受容体(CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、CD226);細胞溶解性(GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、NKG7);及び/または活性化線維芽細胞(FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1)。
別の実施形態では、8つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、8つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表8に記載される。
表8.8つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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いくつかの実施形態では、8つの特定の遺伝子シグネチャセットは、以下の遺伝子シグネチャセットのうちの1つ以上を含む組み合わせを含むか、その組み合わせからなる:B細胞シグネチャ2(CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、FCRL5);NK細胞シグネチャ2(KLRC3、KLRK1、KLRC2、KLRD1);マクロファージ(CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、CD14);M2マクロファージ(LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、FCGR3A);T細胞(CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、LCK);IB T細胞シグネチャ2(CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、TIGIT);IB APCシグネチャ2(CD274、PDL2、IDO1、PVR);活性化CD4 T細胞(CD4、IL2RA、CD69);抗原プロセシング(TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、PSMB8);共刺激リガンド(CD40、CD80、CD86、CD70、GITRL);共刺激受容体(CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、CD226);細胞溶解性(GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、NKG7);及び/または活性化線維芽細胞(FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1)。
いくつかの実施形態では、9つの特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば、9つの特定の遺伝子シグネチャセットの組み合わせが、以下の表9に記載される。
表9.9つの遺伝子シグネチャセットの組み合わせ
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いくつかの実施形態では、9つの特定の遺伝子シグネチャセットは、以下の遺伝子シグネチャセットのうちの1つ以上を含む組み合わせを含むか、その組み合わせからなる:B細胞シグネチャ2(CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、FCRL5);NK細胞シグネチャ2(KLRC3、KLRK1、KLRC2、KLRD1);マクロファージ(CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、CD14);M2マクロファージ(LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、FCGR3A);T細胞(CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、LCK);IB T細胞シグネチャ2(CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、TIGIT);IB APCシグネチャ2(CD274、PDL2、IDO1、PVR);活性化CD4 T細胞(CD4、IL2RA、CD69);抗原プロセシング(TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、PSMB8);共刺激リガンド(CD40、CD80、CD86、CD70、GITRL);共刺激受容体(CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、CD226);細胞溶解性(GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、NKG7);及び/または活性化線維芽細胞(FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1)。
他の実施形態では、表1に記載される任意の10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、または22個の特定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。
いくつかの実施形態では、23個全ての遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞遺伝子シグネチャ遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される。例えば:
CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、もしくはPRF1;
FOXP3;
MS4A1もしくはCD48;
CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5;
NCAM1もしくはNKP46;
KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1;
ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4C;
CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14;
LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3A;
IL17AもしくはIL17F;
CCL2、IL1B、IL8、IL6、もしくはPTGS2;
CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、もしくはLCK;
CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1;
CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGIT;
CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1;
CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVR;
CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、もしくはCCL22;
CD4、IL2RA、もしくはCD69;
TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、もしくはPSMB8;
CD40、CD80、CD86、CD70、もしくはGITRL;
CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、もしくはCD226;
GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、もしくはNKG7;及び
FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、COL8A1、が判定される。いくつかの実施形態では、表14の遺伝子のうちの1つ以上は、本明細書に記載される遺伝子セットのうちの1つ(例えば、Teff、B細胞、NK細胞、Treg、骨髄、T細胞走化性、等)の中の免疫細胞シグネチャ遺伝子として更に含まれる。他の実施形態では、表14の遺伝子のうちの1つ以上は、更に特定された遺伝子セット(例えば、Th1、Th2、マスト細胞、抗原提示細胞(APC)等)中の免疫細胞シグネチャ遺伝子として更に含まれる。
任意で、本方法は、遺伝子セット間の1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの比率を判定し、免疫療法剤での治療のためのがん患者、または特定の免疫療法剤から利益を得られる見込みを有するがん患者を更に特定することを含む。例えば、Teff遺伝子セット(例えば、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上)中の1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの比率は、Treg遺伝子セット(例えば、FOXP3)、IB APC遺伝子シグネチャセット(例えば、CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1のうちの1つ以上)、及び/またはIB T細胞遺伝子シグネチャセット(例えば、CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1)のいずれかの中の1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルと比較され、それにより患者が免疫療法剤で治療されるべきか、または特定の免疫療法剤から利益を得られる見込みを有するかを判定し得る。他の実施形態では、本方法は、がん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を有する患者からの試料中の免疫細胞サブタイプの存在の比率(例えば、Teff対Treg、Teff対B細胞、Teff対NK細胞、Teff対IB T細胞、Teff対IB APC、Teff対炎症細胞)の比率を判定することを含む。
免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルは、患者の試料中の特異的なタンパク質レベルの判定に好適な、当技術分野で既知の任意の方法で評価されてもよく、好ましくは、免疫細胞遺伝子シグネチャに特異的な抗体を用いる免疫組織化学的(「IHC」)な方法で判定される。かかる方法は、当技術分野で周知であり日常的に実施され、対応する市販の抗体及び/またはキットは容易に入手可能である。好ましくは、本発明のマーカー/インジケータータンパク質は、抗体またはキットの製造業者の推奨による試薬及び/またはプロトコルを使用して評価される。当業者はまた、IHC方法によって免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定するための更なる手段も知っているであろう。したがって、本発明の1つ以上のマーカー/インジケーターの発現レベルは、過度の負荷を要することなく、日常的かつ再現性よく当業者によって判定され得る。しかしながら、正確かつ再現性のよい結果を確実にするために、本発明は、試験手順の批准を確実にすることができる専用の実験室で患者の試料を試験することも包含する。
好ましくは、免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルは、がん細胞を含有するか、それを含有することが疑われる生体試料において評価される。試料は、例えば、がん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を患っていることが疑われるか、またはそれと診断された患者から取得した組織切片、組織生検、または転移病巣であってもよい。好ましくは、試料は、組織、腫瘍の切片もしくは生検、既知であるかもしくは疑われる転移がん病巣もしくは切片、または循環がん細胞を含むことが疑われる血液試料、例えば、末梢血試料である。試料は、がん細胞、すなわち、腫瘍細胞と、非がん性細胞の両方を含んでもよく、ある特定の実施形態では、がん性及び非がん性細胞の両方を含む。間質成分中の遺伝子発現の判定を含む本発明の態様において、試料は、がん/腫瘍細胞、及び例えばがん/腫瘍細胞と関連する非がん性細胞(例えば、腫瘍関連線維芽細胞、内皮細胞、周皮細胞、細胞外基質、及び/または白血球の様々なクラス)の両方を含む。他の態様において、当業者、例えば病理医は、がん細胞と非がん性のもの(例えば、間質細胞、内皮細胞等)を容易に見分けることができる。組織切片、生検、及び体液、例えば、がん/腫瘍細胞を含む血液試料を含む生体試料を取得する方法は、当技術分野で周知である。いくつかの実施形態では、患者から取得した試料は、がんの治療またはその症状の管理もしくは寛解のための、いかなる免疫療法または他の治療レジメンもしくは療法、例えば化学療法もしくは放射線治療の前に収集される。したがって、いくつかの実施形態では、試料は、免疫療法剤もしくは他の薬剤の投与、または免疫療法もしくは他の治療レジメンの前に収集される。
上記の方法に加えて、本発明はまた、1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを評価するための更なる免疫組織化学的方法、例えばウェスタンブロット法及びELISAに基づく検出法を包含する。当技術分野で理解されるように、本発明のマーカー/インジケータータンパク質の発現レベルはまた、当技術分野で既知の任意の好適な方法、例えばノーザンブロット法、リアルタイムPCR、及びRT PCRによってmRNAレベルで評価されてもよい。免疫組織化学的、及びmRNAに基づく検出法及びシステムは、当技術分野で周知であり、標準教科書、例えばLottspeich(Bioanalytik,Spektrum Akademisher Verlag,1998)またはSambrook and Russell(Molecular Cloning:A Laboratory Manual,CSH Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,U.S.A.,2001)から演繹され得る。記載される方法は、進行段階のがん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を有する集団において確立された、参照レベルと比べた患者または患者群における免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定するための特定の使用のためのものである。
本明細書に記載される検出方法での使用のために、当業者は、本発明によって包含されるポリペプチドまたはオリゴヌクレオチドを標識することができる。当技術分野で日常的に実践されるように、mRNAレベルの検出に使用されるハイブリダイゼーションプローブ、及び/またはIHC方法に使用される抗体もしくは抗体断片は、当技術分野で既知の標準的な方法に従って標識化及び視覚化してもよい。一般的に使用されるシステムの非限定的な例としては、放射標識、酵素標識、蛍光タグ、ビオチン−アビジン複合体、化学発光等が挙げられる。
1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルはまた、免疫凝集、免疫沈降(例えば、免疫拡散、免疫電気泳動、免疫固定)、ウェスタンブロット法技巧(例えば、その場での免疫組織化学、その場での免疫細胞化学、アフィニティークロマトグラフィー、酵素免疫アッセイ)等を利用することにより、タンパク質レベルで判定することもできる。精製されたポリペプチドの量はまた、物理的方法、例えば測光法によって判定されてもよい。混合物中の特定のポリペプチドを定量化する方法は、通常、例えば抗体の特異的結合に依拠する。
上記のように、本発明によるマーカー/インジケータータンパク質の発現レベルはまた、免疫細胞遺伝子シグネチャをコードする、対応する遺伝子(複数可)の発現の増加または減少に反映され得る。したがって、翻訳(例えば、スプライシングされた、スプライシングされていない、または部分的にスプライシングされたmRNA)前の遺伝子産物の定量的評価は、対応する遺伝子(複数可)の発現を査定するために行うことができる。当業者は、この文脈で使用される標準的方法を知っているか、または標準教科書(例えば、Sambrook,2001)からこれらの方法を演繹してもよい。例えば、本明細書に記載される免疫細胞遺伝子シグネチャのうちの1つ以上をコードするmRNAのそれぞれの濃度/量の定量データは、ノーザンブロット法、リアルタイムPCR等によって得られる。
IV.治療方法
本発明は更に、遺伝子セットのうちのいずれかにおいて1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの変化を有すると判定された場合、がん(例えば、化学療法耐性、化学療法感受性、難治性、原発性、進行性、または再発性である、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)を有する患者に活性化または抑制免疫療法剤を投与する方法を提供する。一実施形態では、Teff遺伝子セット(すなわち、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上)において1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの増加がある場合、またはTreg遺伝子セットにおいて1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの減少がある場合、患者に活性化免疫療法剤を投与する。他の実施形態では、Treg遺伝子セット(すなわち、FOXP3)において1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの増加がある場合、またはTeff遺伝子セット(すなわち、CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上)において1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルの減少がある場合、患者に抑制免疫療法剤を投与する。他の実施形態では、Teff及び/またはTreg遺伝子セットにおける1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定することに加えて、表2〜8に記載される遺伝子セットのいずれか1つと組み合わせた1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを、患者に特定の免疫療法剤レジメン(例えば、活性化免疫療法剤レジメンまたは抑制免疫療法剤レジメン)を投与する前に判定することができる。
いくつかの実施形態では、活性化免疫療法剤は、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4アゴニストを含む。特定の実施形態では、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4アゴニスト)は、がんを有する患者における免疫応答または機能を増加、増強、または刺激する。いくつかの実施形態では、アゴニストは、リガンド(例えば、T細胞受容体リガンド)の発現及び/もしくは活性を調節し、かつ/またはリガンドのその免疫受容体との相互作用を増加もしくは刺激し、かつ/または免疫受容体に結合するリガンドによって媒介される細胞内シグナル伝達を増加もしくは刺激する。他の実施形態では、抑制免疫療法剤は、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226アンタゴニストを含む。特定の実施形態では、アンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226アンタゴニスト)は、リガンド(例えば、T細胞受容体リガンド)のその免疫受容体との相互作用を阻害及び/または遮断する薬剤であるか、またはリガンド及び/もしくは受容体の発現及び/もしくは活性のアンタゴニストであるか、またはリガンド(例えば、T細胞受容体リガンド)によって媒介される細胞内シグナル伝達をその免疫受容体で遮断する薬剤である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、活性化免疫療法剤(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)または抑制免疫療法剤(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)を、追加の療法と併せて投与することを更に含んでもよい。追加の療法は、放射線療法、手術、化学療法、遺伝子療法、DNA療法、ウイルス療法、RNA療法、骨髄移植、ナノ療法、モノクローナル抗体療法、または前述のものの組み合わせであってもよい。追加の療法は、アジュバントまたはネオアジュバント療法の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、追加の療法は、副作用制限剤(例えば、抗悪心剤等の治療の副作用の発生及び/または重症度を軽減させることを目的とする薬剤)の投与である。いくつかの実施形態では、追加の療法は、放射線療法である。いくつかの実施形態では、追加の療法は、手術である。いくつかの実施形態では、追加の療法は、上記の化学療法剤のうちの1つ以上であってもよい。例えば、これらの方法は、活性化免疫療法剤(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)または抑制免疫療法剤(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)と、1つ以上の追加の化学療法剤(例えば、カルボプラチン及び/もしくはパクリタキセル)との共投与を伴う。任意で1つ以上の化学療法剤(例えば、カルボプラチン及び/またはパクリタキセル)と組み合わせた免疫療法剤は、好ましくは、無増悪生存期間(PFS)及び/または全生存期間(OS)を含む生存期間を延長するか、または向上させる。一実施形態では、免疫療法剤は、治療されるがんのための認可済み抗腫瘍剤の投与または標準治療によって達成される生存期間よりも、少なくとも約20%生存期間を延長する。
がん(例えば、膀胱がん、乳がん、結腸直腸がん、胃がん、肝臓がん、黒色腫、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)、卵巣がん、または腎細胞がん腫)の予防または治療について、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)の用量は、上記に定義されるような治療されるがんの種類、がんの重症度及び経過、抗体が予防または治療目的のいずれで投与されているか、以前の治療、患者の臨床歴及び薬物への応答、ならびに主治医の裁量に依存することになる。
一実施形態では、固定用量のアゴニストまたはアンタゴニストが投与される。固定用量は、1回で、または一連の治療に亘って好適に投与されてもよい。固定用量が投与される場合、好ましくは、それは約20mg〜約2000mgの範囲である。例えば、固定用量は、およそ420mg、およそ525mg、およそ840mg、またはおよそ1050mgのアゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)であってもよい。一連の用量が投与される場合、これらは例えば、およそ毎週、およそ2週間毎、およそ3週間毎、またはおよそ4週間毎に投与されてもよいが、およそ3週間毎が好ましい。固定用量は、例えば、疾患進行、有害事象、または医師によって判定される他の時期まで継続して投与されてもよい。例えば、約2、3、または4から約17までの固定用量が投与されてもよい。
一実施形態では、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)のうちの1つ以上の負荷用量(複数可)が投与され、1つ以上の維持用量(複数可)がそれに続く。別の実施形態では、複数の同じ用量が患者に投与される。
アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)が、単一の抗腫瘍剤として投与され得る一方、患者は任意でアゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)と、1つ以上の(追加の)化学療法剤(複数可)との組み合わせで治療される。本明細書における例示的な化学療法剤としては、ゲムシタビン、カルボプラチン、オキサリプラチン、イリノテカン、フルオロピリミジン(例えば、5−FU)、パクリタキセル(例えば、nab−パクリタキセル)、ドセタキセル、トポテカン、カペシタビン、テモゾロミド、インターフェロン−アルファ、及び/またはペグ化リポソームドキソルビシン)が挙げられる。併用投与には、別個の製剤または単一の医薬製剤を使用した共投与または同時投与、及びいずれかの順序での連続的な投与が含まれ、好ましくは、両方(または全て)の活性剤が同時にそれらの生体活性を働かせる期間がある。よって、化学療法剤は、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)の投与の前、またはそれに続いて投与されてもよい。この実施形態では、化学療法剤の少なくとも1回の投与と、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)の少なくとも1回の投与との間のタイミングは、好ましくは、およそ1カ月以下(3週間、2週間、1週間、6日間、5日間、4日間、3日間、2日間、1日間)である。代替的には、化学療法剤及びアゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)は、単一の製剤または別個の製剤で患者に同時に投与される。化学療法剤(例えば、カルボプラチン及び/またはパクリタキセル)、及びアゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)の組み合わせでの治療は、患者に、相乗的な、または付加的であるよりも大きい治療効果をもたらす。
例えば卵巣がんの治療において、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)と組み合わせるのに特に望ましい化学療法剤としては、プラチナ化合物(例えば、カルボプラチン)、パクリタキセルもしくはドセタキセル等のタキソール、トポテカン、またはリポソームドキソルビシン等の化学療法剤が挙げられる。
例えば乳がんの治療において、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)と組み合わせるのに特に望ましい化学療法剤としては、カペシタビン、及パクリタキセル(例えば、nab−パクリタキセル)またはドセタキセル等のタキソール等の化学療法剤が挙げられる。
例えば結腸直腸がんの治療において、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)と組み合わせるのに特に望ましい化学療法剤としては、フルオロピリミジン(例えば、5−FU)パクリタキセル、シスプラチン、トポテカン、イリノテカン、フルオロピリミジン−オキサリプラチン、フルオロピリミジン−イリノテカン、FOLFOX4(5−FU、ロイコボリン)、及びIFL(イロノテカン(ironotecan)、5−FU、ロイコボリン)等の化学療法剤が挙げられる。
例えば腎細胞がん腫の治療において、アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)と組み合わせるのに特に望ましい化学療法剤としては、インターフェロン−アルファ2a等の化学療法剤が挙げられる。
投与される場合、化学療法剤は通常、そのための既知の投与量、または任意で、薬物の組み合わせ作用または化学療法剤の投与に起因する悪性の副作用の結果として引き下げられた投与量で投与される。かかる化学療法剤の調製及び投与スケジュールは、製造業者の指示に従って、または熟練した医師による経験的な判定によって使用され得る。化学療法剤がパクリタキセルである場合、好ましくは、それは約130mg/m〜200mg/m(例えば、およそ175mg/m)の間の用量で、例えば3時間に亘り、3週間毎に1度、投与される。化学療法剤がカルボプラチンである場合、好ましくは、それは既存の腎機能または腎機能及び望ましい血小板最低点に基づくカルバート式(Calvert formula)を使用してカルボプラチンの用量を計算することで投与される。腎臓排泄は、カルボプラチンの除去の主要な経路である。体表面面積に基づく経験的用量計算と比較して、この用量式を使用することで、さもなければ過少量投与(平均以上の腎機能を有する患者の場合)または過量投与(腎機能障害を有する患者の場合)のいずれかをもたらし得る、治療前の腎機能の患者間における差異の補償が可能となる。単一の薬剤のカルボプラチンを使用した4〜6mg/mL/minの標的AUCが、既に治療された患者において最も適切な用量範囲を提供するようである。
アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)及び化学療法剤の組み合わせを別として、他の治療レジメンがこれらと組み合わされてもよい。例えば、第2(第3、第4等)の化学療法剤(複数可)が投与されてもよく、第2の化学療法剤は、代謝拮抗化学療法剤、または代謝拮抗薬ではない化学療法剤である。例えば、第2の化学療法剤は、タキサン(例えば、パクリタキセルもしくはドセタキセル)、カペシタビン、またはプラチナ系化学療法剤(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、もしくはオキサリプラチン)、アントラサイクリン(例えば、リポソームドキソルビシンを含むドキソルビシン)、トポテカン、ペメトレキセド、ビンカアルカロイド(例えば、ビノレルビン)、及びTLK 286であってもよい。異なる化学療法剤の「カクテル」が投与されてもよい。
アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)、及び/または化学療法剤と組み合わせられ得る他の治療剤としては、HER阻害剤、HER二量体化阻害剤(例えば、トラスツズマブ等の成長阻害HER2抗体、またはHER2−過剰発現細胞のアポトーシスを誘発するHER2抗体、例えば7C2、7F3、もしくはそれらのヒト化変異型);異なる腫瘍関連抗原に対する抗体、例えばEGFR、HER3、HE R4;抗ホルモン化合物、例えばタモキシフェン等の抗エストロゲン化合物、またはアロマターゼ阻害剤;心保護剤(治療に関連する心筋機能不全を予防または低減するためのもの);サイトカイン;EGFR標的薬物(例えばTARCEVA(登録商標)IRESSA(登録商標)またはセツキシマブ);チロシンキナーゼ阻害剤;COX阻害剤(例えばCOX−1またはCOX−2阻害剤);非ステロイド抗炎症薬物である、セレコキシブ(CELEBREX(登録商標));ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤(例えば、Johnson and Johnsonから入手可能なチピファルニブ/ZARNESTRA(登録商標)R115777、またはSchering−Ploughから入手可能なロナファルニブSCH66336);がん胎児タンパクCA 125に結合する抗体、例えばオレゴボマブ(MoAb B43.13);HER2ワクチン(例えば、PharmexiaのHER2AutoVacワクチン、またはDendreonAPC8024タンパク質ワクチン、またはGSK/CorixaのHER2ペプチドワクチン);別のHER標的療法(例えば、トラスツズマブ、セツキシマブ、ABX−EGF、EMD7200、ゲフィチニブ、エルロチニブ、CP724714、CI1033、GW572016、IMC−11F8、TAK165等);Raf及び/またはras阻害剤(例えば、WO2003/86467を参照されたい);ドキソルビシンHClリポソーム注射剤(DOXIL(登録商標));トポイソメラーゼ1阻害剤、例えばトポテカン;タキサン;HER2及びEGFR二重チロシンキナーゼ阻害剤、例えばラパチニブ/GW572016;TLK286(TELCYTA(登録商標));EMD−7200;悪心を治療する薬剤、例えばセロトニンアンタゴニスト、ステロイド、またはベンゾジアゼピン;局所もしくは経口抗生剤を含む、皮疹を予防または治療する薬剤、または標準ざ瘡治療薬;下痢を治療または予防する薬剤;体温を下げる薬剤、例えばアセトアミノフェン、ジフェンヒドラミン、またはメペリジン;造血成長因子等のうちのいずれか1つまたは1つ以上が挙げられる。
上述の共投与剤のいずれかの好適な投与量は、現在使用されているものであり、この薬剤とアゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)との組み合わせ作用(共同作用)に起因して低下されてもよい。上記の治療レジームに加えて、患者は、腫瘍及び/もしくはがん細胞の切除、ならびに/または放射線療法に供され得る。
アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)が抗体である場合、好ましくは、投与された抗体は裸抗体である。投与されるアゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)は、細胞傷害性薬剤とコンジュゲートされてもよい。好ましくは、コンジュゲート及び/またはそれが結合する抗原は、細胞によって内部移行され、それが結合するがん細胞の殺滅におけるコンジュゲートの治療有効性の増加をもたらす。好ましい実施形態では、細胞傷害性薬剤は、がん細胞中の核酸を標的とするかまたはそれに干渉する。かかる細胞傷害性薬剤の例としては、マイタンシノイド、カリケアマイシン、RNA分解酵素、及びDNAエンドヌクレアーゼが挙げられる。
アゴニスト(例えば、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、もしくは2B4アゴニスト)またはアンタゴニスト(例えば、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、もしくはCD226アンタゴニスト)は、遺伝子療法によって投与されてもよい。例えば、細胞内抗体の生成のための遺伝子療法の使用に関する、1996年3月14日公開のWO96/07321を参照されたい。核酸(任意で、ベクター内に含有される)を患者の細胞内に取り込むために、インビボ及びエクスビボの2つの主要な手法がある。核酸のインビボ送達では、核酸を通常、抗体を必要とする部位で、患者に直接注射する。エクスビボ治療では、患者の細胞を除去し、これらの単離された細胞に核酸を導入し、修飾された細胞を患者に直接投与するか、または例えば浸透膜中にカプセル被包して患者に移植する(例えば、米国特許第4,892,538号及び同第5,283,187号を参照されたい)。核酸を生細胞中に導入するための多様な技巧が利用可能である。技巧は、核酸が意図される宿主の細胞においてインビトロまたはインビボのどちらで培養細胞に移送されるかによって変化する。インビトロでの哺乳動物細胞への核酸の移送に好適な技巧としては、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン、リン酸カルシウム沈澱法等の使用が挙げられる。遺伝子のエクスビボ送達に一般に使用されるベクターは、レトロウイルスである。現在好まれているインビボ核酸移送技巧としては、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスI型、またはアデノ随伴ウイルス)及び脂質に基づくシステム(遺伝子の脂質媒介移送に有用な脂質は、例えばDOTMA、DOPE、及びDC−Cholである)が挙げられる。いくつかの場合には、核酸源に、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上の受容体に対するリガンド等の、標的細胞を標的とする薬剤を提供することが望ましい。リポソームを用いる場合、例えば特定の細胞の種類に向性であるカプシドタンパク質もしくはその断片、サイクリング中に内部移行を経験するタンパク質に対する抗体、及び細胞内局在を標的として細胞内半減期を向上させるタンパク質を標的とするため、ならびに/またはその取込みを促進するために、エンドサイトーシスに関連する細胞表面膜タンパク質に結合するタンパク質を使用してもよい。受容体媒介エンドサイトーシスの技巧は、例えば、Wu et al.,J.Biol.Chem.262:44294432(1987);及びWagner et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:3410−3414(1990)に記載される。現在、既知である遺伝子マーキング及び遺伝子療法プロトコルの概説については、Anderson et al.,Science 256:808−813(1992)を参照されたい。また、WO93/25673及びそれに引用される参照文献も参照されたい。
材料及び実験方法
統計分析
R統計ソフトウェアを使用して統計分析を行った。FLUIDIGM(商標)及びNanostringデータを、ハウスキーピング遺伝子アプローチを使用して正規化した。具体的には、5つのハウスキーピング遺伝子(SP2、GUSB、TMEM55B、VPS33B、及びSDHA)の遺伝子発現の中央値を予測し、各試料から減算した。遺伝子セットの発現を、メンバー遺伝子の発現の中央値で表した。各遺伝子シグネチャにおける適応症間及び適応症内の変動性を査定するために、適応症を変量効果として線形混合効果モデルを使用した。全体の分散に対する適応症間の分散の比率であるICC(級内相関係数)を、各遺伝子シグネチャについて算出した。ウィルコクソン順位和検定を使用して、臨床反応群間の発現差異分析を実施した。複数の補正について、P値は調整されなかった。ウィルコクソン符号順位検定を使用して原発性及び転移性CRC対の間の発現差異を評価し、得られたp値は、ボンフェローニ法を使用して複数の試験エラーについて調整された。
実施例1:所定の遺伝子シグネチャセット中の免疫細胞シグネチャ遺伝子における高度の相関性が認められた
異なる腫瘍の腫瘍微小環境中の免疫環境の特性を評価するために、PCRに基づく遺伝子発現シグネチャを用いて、尿路上皮膀胱がん(UBC)、乳がん(BC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、黒色腫、腎細胞がん腫(RCC)、卵巣がん(OvCa)、胃がん、肝臓がん、及び結腸直腸がん(CRC)を含む7つのがんタイプに亘る免疫細胞サブセットの分布を分析した。表1は、CD8 T細胞(Teff)、調節性T細胞(Treg)、T細胞(全て)、活性化CD4 T細胞、T細胞走化性、骨髄細胞、マクロファージ(全て)、M2マクロファージ、B細胞、Th17細胞、NK細胞、及び先天性炎症シグネチャを含む免疫細胞サブセット中の遺伝子の排他的発現に基づいて生成された免疫遺伝子シグネチャを示す。T細胞中に存在する免疫ブロッカー(IB T細胞)及び抗原提示細胞または腫瘍細胞中に存在する免疫ブロッカー(IB APC/腫瘍)の発現もまた分析した(表1)。表1はまた、抗原プロセシング、共刺激リガンド、共刺激受容体、細胞溶解性、血管新生、及び活性化線維芽細胞シグネチャの免疫遺伝子シグネチャセットも示す。表1に示されるように、アーカイブの腫瘍標本から抽出されたRNAを使用し、90−遺伝子FLUIDIGM(商標)パネルまたは800−遺伝子カスタムNanostringパネルを使用して、遺伝子シグネチャセットを分析した。一般に、METHODOLOGYによる所定の遺伝子セット中の遺伝子において高度の相関性が認められた(図1〜11):Teff、0.72;B細胞、0.8;骨髄、0.54;炎症、0.59;T細胞 IB、0.49;IB APC/腫瘍、0.5。唯一の例外は、IL17シグネチャ(R=0.3)であった。
9つの遺伝子シグネチャにおける分散を分解するために、主成分分析が適用された。最初の2つの主成分が、変動性の大部分を占めた(第1及び第2の成分について、それぞれ45%及び14%;図12A)。第1の成分の因子負荷量の精査は、第1の主成分が、Teff、B細胞、及びIB APC/腫瘍シグネチャと関連していることを明らかにした(図12B及び12C)。
主成分分析は更に、免疫環境が腫瘍の種類の間で変化することを示唆した。この適応症間の異種性が全体の変動性で優位を占めるかどうかを検証するために、適応症を変量効果として線形混合効果モデルを使用して、適応症内及び適応症間の変動性を分解した。級内相関関数(ICC)を、各遺伝子シグネチャについて計算した。ICCは、全体の分散に対する適応症間の分散の比率として計算され、0と1との間の値を有する。表10に示されるように、ICCは、0.11〜0.29の範囲に及び、これは、適応症間における明確な中央値の差異にもかかわらず、考慮された全ての遺伝子シグネチャにおいて相当量の適応症内異種性が存在したことを示唆する。
表10.
Figure 2018503373
実施例2:Teffシグネチャ遺伝子はCD8 T細胞浸潤を表す
がんタイプに亘る、Teff遺伝子セット中のシグネチャ遺伝子の発現プロファイル(上記の表1を参照されたい)が判定された。がんタイプに亘るTeffシグネチャの調査は、がんの間だけではなく、所定の適応症内のサブタイプ間における発現の中央値の差異を示した。ほとんどの適応症がTeff遺伝子の同等の発現を示した一方、NSCLC、黒色腫、RCC、及びHer2またはTN BCが最も高いレベルのTeffを有し、CRC及びOvCaは最も低いレベルを有し、ホルモン受容体陽性(HR+)BCがそれに続いた(図13)。がんタイプ内で幅広い発現パターンが認められ、これは、CRCまたはOvCa内のサブ集団が、黒色腫またはRCC等のがんの種類と類似するTeff発現レベルを有し得ることを示唆する。
eff遺伝子セットがCD8 T細胞の存在を表しているかどうかを判定するために、CD8 IHCについてデジタルパソロジーを実施して、腫瘍中心部(CN)及び浸潤性周辺部(IM)中のCD8 T細胞の数を数えた(図30)。
CD8 IHCは、腫瘍末梢部、浸潤性周辺部(IM)、及び中心部(Cn)の3つの領域で査定された。IMとCn CD8 IHCとの間の関係、ならびにCD8 IHCとRNAとの関係を、散布図行列プロットを使用して評価した。CD8 IHCの読み取り値の生値は、右方向に傾斜している;したがって、log2−変換を行ってこの分布を正規化した。0であったCD8 IHC値は、log2変換のために、0ではない最小値の半分として補完された。適応症に亘り、CD8 IHCとCD8 RNA転写物との間で高度の相関性が認められた(図29)。IM及びCNのCD8 IHC読み取り値の間で高度の相関性が認められ、log2変換された値についてスピアマン相関係数は0.76と等しい。CD8 RNAは、中心部/IM CD8 IHCの正値性と高度に相関することが発見され、およそ0.66のスピアマン相関係数を有した(同じ患者からの試料は、この段落での分析において統合されていない)。適応症ごとに分解すると、IM及びCnのCD8 IHCの正値性の間の高度の相関は維持され、スピアマン相関は、0.69〜0.82の範囲に及んだ。
加えて、適応症に亘り、IMとCNとの間のCD8 T細胞の発生率について明白な相関性が認められた(図30)。各適応症内の浸潤性周辺部(IM)及び腫瘍中心(CN)でのCD8正値性の概要が、表11に提示される。図31に、IM及びCNの両方について、これらの2つの領域間及び適応症間の分布差を検出するために、経験累積分布をプロットした。5つの適応症間で、黒色腫腫瘍が平均的に最も高いCD8 T細胞の存在及び最も大きいダイナミックレンジを有した。CRC及び膀胱腫瘍は、平均的に最も低いCD8 T細胞浸潤及び最も小さいダイナミックレンジを有した。これらの結果は、Teffシグネチャの順位と高度に相関していた。
加えて、CD8 T細胞は、黒色腫及びRCC腫瘍について、腫瘍中心部よりも浸潤性周辺部で著しく豊富であった。
表11.
Figure 2018503373
CD8 T細胞浸潤を含有するがんタイプは、活性化T細胞に関連する免疫抑制細胞を過剰発現することで抗腫瘍免疫を防止する腫瘍を概して表した。Teffシグネチャの全般的な発生率は、適応症に亘る腫瘍浸潤性リンパ球の豊富さを反映した一方、Tregに対するTeffシグネチャの比率は、免疫療法剤へ応答する見込みが最も高いものと同様の様式でがんタイプを順位づけた。NSCLC、RCC、及び黒色腫が、「免疫原性」腫瘍タイプを反映する、Teff:Tregの最も高い比率を有した。免疫療法剤に対して低い応答性を有することが知られているCRC及びOvCa等の適応症は、Teff:Tregの最も低い比率を有するがんタイプであった(図15)。TN及びHer2乳がんは、Teffシグネチャ発現のより高い中央値を示した一方、それらの腫瘍微小環境にはTregが豊富であることも示され、これはTregシグネチャに対するTeffの比較的低い比率に反映されている。よって、チェックポイント阻害剤と組み合わせた、調節性T細胞を標的とする療法、例えば抗OX40(Treg中に豊富に発現される)は、有効な抗腫瘍免疫応答を引き起こすのに有用な療法を提供する。
実施例3:Tregシグネチャ遺伝子は乳がん中に豊富である
腫瘍は、抗腫瘍Teff応答を阻害するために免疫抑制細胞を補充する。Foxp3発現によって特徴づけられる調節性T細胞(Treg)は、Teff活性をアンタゴナイズする。その場での免疫抑制の潜在能力を試験するため、腫瘍適応症間のFoxp3の発生率を査定した。Tregの存在は、BCサブタイプ(トリプルネガティブ(TN)と類似のHer2は、どちらもホルモン受容体陽性(HR)よりも高い)において最も高く、NSCLC、UBC、CRC、OvCa、RCC、及び黒色腫が続き、著しく減少した数を有した(図14)。有効なTreg依存性免疫抑制は、Teff:Tregの特定の割合を必要とするため、よって、Tregに対するTeffの割合を評価した。Teff:Tregの比率は、黒色腫で最も高く、RCC、NSCLC、及びUBCが続いた(図15)。独立したTeff及びTregの値の差異にかかわらず、BC(HR、Her2、及びTN)、CRC、及び卵巣は、同様に低減したTeff:Tregの比率を有した(図15)。これらの結果は、低いTeff:Tregを有する腫瘍は、Tregを標的とする療法剤から利益を得られる可能性があることを示唆する。
実施例4:B細胞、NK細胞、及び骨髄細胞シグネチャ遺伝子はがん適応症に亘り変化する
前臨床モデルにおいて、B細胞は、抗炎症マクロファージを補充し、作動させることで、腫瘍内免疫抑制を促進することが示された。一方、NK細胞は、腫瘍によって発現されたストレス分子を認識し、腫瘍拒絶を指示することが示された。B細胞の存在は、適応症に亘ってTeffと類似の分布を伴い(図16)、一方、NK細胞は、OvCa中で最も高く、全ての他の適応症がそれに続いた(図17)。マクロファージ及び樹状細胞の両方を包含する骨髄シグネチャは、CRC及びOvCaにおける低減されたレベルを除いて適応症間で類似し(図18)、これはおそらく、それらの適応症での低い免疫浸潤性を表す。更なる区別は、骨髄遺伝子セットの発現の中央値が、扁平上皮NSCLCと比較して非扁平上皮NSCLCにおいてより高かったことである。
実施例5:Th17シグネチャ遺伝子は各腫瘍タイプで異なる
細胞浸潤性リンパ球は、いくつかのがん適応症においてより良い予後と関連することが示された一方、Th17細胞によるIL−17A及びIL−17Fの産生は、CRC、TN BC(Couchad,20123 Scientific Reports)、及び卵巣がん等のいくつかの腫瘍においてより悪い予後に関連付けられた。いくつかの場合では、IL−17A及びIL−17Fの産生は、食道扁平上皮がん等の適応症においてより良い予後と関連付けられた。適応症に亘るIL−17A及びIL−17Fの分析は、複雑な分布を示した:IL−17A単独、IL−17F単独、IL−17A/IL−17F、及びIL−17A/IL−17Fを発現する腫瘍(図20)。単一の集団の存在は、遺伝子シグネチャ指数0.3をもたらした(図2A)。結腸直腸がんが、IL−17遺伝子の最も高いレベルを有する適応症であり、扁平上皮NSCLC、膀胱がん、及び非扁平上皮NSCLCがそれに続く(図19)。Her2BC、HRBC、及びOvCaは、IL−17遺伝子の最も低い発生率を有する適応症であった。
各適応症についてIL−17A及びIL−17Fを評価した際、遺伝子の単一及び二重分布中の異種性が認められた。例えば、IL−17A及びIL−17Fは、CRC、扁平上皮NSCLC、及び膀胱がん中で主に共発現し、一方、Her2BCは、IL−17A発現を一切示さなかった(図20)。これらの結果は、IL−17生態は、各腫瘍タイプにおいて異なり、これらのサイトカインに対する標的療法は、標的組織の優勢を考慮する必要性を有し得ることを示唆する。例えば、IL−17シグネチャは、全ての他の腫瘍タイプと比較して原発性CRCにおいて特に大きな比率を占めた。Th17細胞は、大腸内での微生物腸内毒素症と関連付けられることが知られている。Th17シグネチャの高い発現が原発性腫瘍に固有であるのか、または遠隔転移に移行したかどうかを検証するために、適合する原発性腫瘍及び転移のIl−17遺伝子の発現の分析を評価した。適合する原発性腫瘍及び転移の分析は、実際に、CRC中のTh17シグネチャの発生率が、腫瘍の特性ではなく、大腸の免疫生物学によって制御されていることを示した(図32)。肝臓には、細胞の残骸及び腸由来の微生物生成物を取り除くために重要な固着マクロファージであるクッパー細胞が豊富である。Arg1及び骨髄マーカーがCRC肝臓転移においてより高いことを考慮すると、これは、組織常在型器官微小環境は、免疫抑制微小環境への寄与において同等に重要な決定要因であることを示唆する。
実施例6:腫瘍微小環境中の免疫応答は原発部位と転移部位との間で変化する
腫瘍微小環境中の免疫環境は、器官の内因性免疫応答特性または腫瘍細胞による特異的な補充のいずれかを反映し得る。よって、腫瘍が転移したときに腫瘍免疫微小環境が維持されるかどうかはまだ判定されない。この可能性を試験するために、47対の非同調性の適合する原発性及び転移性CRC腫瘍間で免疫遺伝子シグネチャを比較した。転移のほとんどは、肝臓または肺(それぞれ、36個及び5個)に位置し、残りは他の器官に位置した。
ウィルコクソン符号順位検定を使用して原発性及び転移性の対の間での遺伝子セット発現の差異を査定し、ボッフェローニ法を使用して試験の多重性を調整した。表12は、転移性試料に対する原発性試料のlog2比を、ウィルコクソン符号順位検定のp値と共に示す(すなわち、表12は、転移を分母として使用した遺伝子シグネチャの比を示す)。正の比は、PD群と比較した、CR/PR群におけるより高い発現を示す。原発転移段階に関連する遺伝子セット発現の箱ひげ図が、図32に示される。
表12.
Figure 2018503373
原発性CRC腫瘍の特性であるIL−17遺伝子シグネチャは、肝臓または肺のどちらの位置であるかにかかわらず、CRC転移において際立って低減された(−4比、p=3.04×10^−6)。Tregもまた、転移において著しく減少した(−0.76比、p=0.002272)。原発と転移との間でTeffに有意差はなかった一方、Teff:Tregの比率は転移において著しく増加した(+0.91比、p=4.344×10^−7)。最後に、骨髄遺伝子セットは転移において増加する傾向がある一方、炎症シグネチャは低下された(それぞれ、+0.49及び−67、p=0.1992及び0.068)。
ウィルコクソン符号順位検定を使用して原発及び転移の対の間での免疫遺伝子発現の差異を96個の免疫遺伝子のそれぞれについて査定し、ボッフェローニ法を使用して試験の多重性を調整した。原発性試料と転移性試料との間で著しく差次的に発現すると同定された遺伝子(ボッフェローニ補正されたp≦0.05)は、ARG1、IL17A、VTCN1、IL17F、IL1B、HLA.E、HAVCR2、CD70、FOXP3、及びPTGS2である。
個々の遺伝子のレベルでは、幹細胞及び抗炎症マクロファージ中で発現されたArg1が、大腸原発と肝臓転移との間で単一で最も高く上方制御された遺伝子であった。これらの結果は併せて、腫瘍微小環境中の免疫応答は、腫瘍細胞による特異的な補充ではなく、器官の下にある免疫環境を反映して、原発部位と転移部位との間で変化することを示唆する。
実施例7:ホルモンによって制御される腫瘍は、低減された炎症を発揮する
腫瘍関連炎症は、腫瘍成長、血管新生、及び骨髄抑制細胞の補充を促進し得、それは次いでT細胞媒介抗腫瘍応答を止める。インフラマソーム産物(IL−1β及びIL−18)、ケモカイン(CCL2、CCL22)、及びサイトカイン(IL−6、IL−8)は、異なる適応症においてこのプロセスの一部であることが記載された。炎症遺伝子シグネチャを使用することで、適応症に亘り総体的な炎症が変化することが認められた(図21)。最も炎症の多い腫瘍は、NSCLC、UBC、及びRCCであり、一方、最も炎症の少ない適応症は、HRBC、肝臓、Her2BC、及びOvCaであった。これらの結果は、ホルモンによって制御される腫瘍は、低減された局所炎症を発揮することを示唆する。
実施例8:T細胞免疫ブロッカーの存在はがん適応症に亘りTeff分布を追跡する
制御されないTeff活性を防止するために、T細胞活性に際し、阻害性受容体(IB)は、免疫細胞及び/または腫瘍細胞上で上方制御される。腫瘍逃避の機構は、T細胞IBへのリガンドの誘導であり、それにより、有効な抗腫瘍応答を遮断する。これらの受容体:リガンド相互作用の考えられる影響を判定するために、IB T細胞シグネチャ及びIB APC/腫瘍シグネチャの発生率を分析した。T細胞免疫ブロッカーの存在は、適応症に亘りTeff分布を追跡した(図22)。全ての適応症において、CTLA4がIB T細胞の最も低い発生率を提示し、一方、Tim3(HVACR2)が最も高い発生率を有した(図26)。PD−1及びLag3は、IB T細胞シグネチャを2番目に豊富に有した。BTLAの発現は、OvCa及びCRC中で低減されるか、または黒色腫、RCC、UBC、BC、及びNSCLC中でのPD1及びLag3と同様に発現された。これらのデータは、腫瘍タイプにかかわらず、浸潤性Teffは同様に阻害性受容体を備えることを示唆する。
腫瘍内抗原提示細胞(APC)及び腫瘍は、IB T細胞に対する阻害性リガンド、ならびにT細胞活性を阻害するカタボライトを産生する酵素を発現する。IB APC/腫瘍の存在を分析するために、遺伝子シグネチャを生成して適応症に亘って分析した。APC−IBシグネチャの発生率は、HRBC及びCRCにおける明白な低減を除き、適応症間で類似した(図23)。遺伝子の粒子分析を実施して、がんタイプに亘る個々のAPC−IB遺伝子の相対的な発現パターンを評価した(図27)。CD276の発現が最も高く、他の遺伝子から区別された。PD−L1、PD−L2、及びIDO1は、高度に相関した(0.7)。これらの遺伝子のうち、最も高く発現されたのはIDO1であった(図27)。加えて、APC−IB遺伝子シグネチャに対するTeff遺伝子シグネチャの遺伝子発現の比率もまた、適応症に亘って判定された(図24)。APC−IB遺伝子シグネチャ中の各個別の遺伝子に対するTeff遺伝子シグネチャの遺伝子発現の比率もまた、適応症に亘って判定された(図25)。これらのうち、OvCa及びHRBCが、Teff/CD276及びTeff/PDL2の最も低い比率を有し、一方、OvCaは単独で、Teff/IDO1の最も低い比率を有し、これは、OvCaでの免疫療法剤は、治療応答を引き起こすためにいくつかの免疫阻害剤の遮断を要し得ることを示唆する。
実施例9:がん適応症に亘り、免疫シグネチャ遺伝子セット中に高度の異種性が存在する
適応症に亘る免疫遺伝子セットの階層的クラスタリングを行い、腫瘍タイプ間の免疫環境を分析した。がん適応症に亘り免疫シグネチャ遺伝子セット中に高度の異種性が認められ、いくつかの腫瘍は注目すべき免疫の存在を示し、一方、他のものは「免疫砂漠」であった(図28)。
目的変数なしの分析は、3つのタイプの乳がん及び2つのタイプの肺がんを共にクラスター化し、これは、免疫学的な類似性が、腫瘍が成長する組織に起因し得ることを示唆する。他方で、CRC及びOvCaは、それぞれIL17及びNKを除き、免疫遺伝子シグネチャを欠く免疫砂漠クラスターを示した。総じて、最も高いTeff浸潤性を有する腫瘍は、黒色腫、RCC、NSCLC(Sq)、ならびにHer2+及びTN BCであった。しかしながら、後者の2つのがん(すなわち、Her2+及びTN BC)はまた、Tregの高い発生度も示し、これは、これらの腫瘍における腫瘍内免疫応答がTregの効果により打ち消されている可能性を示唆する。最も炎症性の高い腫瘍は、NSCLC−非扁平上皮がんであり、NSCLC−扁平上皮がん、及びUBCがそれに続いた。IB APC/腫瘍の最も高い発生度を有する腫瘍は、NSCLC、RCC、UBCであり、黒色腫及びTN BCがそれに続いた。他方で、CRC、OvCa、HR、及びHer2BCは、炎症の兆候を一切有しなかった。
上記の要因を考慮すると、チェックポイント阻害に対する応答に寄与する、適応症に亘る単一の因子は存在せず、むしろ腫瘍免疫微小環境の複雑さが抵抗のドライバーまたは免疫療法への応答を制御していることが予測できる。したがって、おそらく、複数の遺伝子セットからの1つ以上の免疫細胞遺伝子シグネチャの差異を分析することが、免疫療法に対する抵抗または応答へのより完全な予後診断を提供するであろう。
実施例10:遺伝子セット発現は、肝細胞癌(HCC)の病因と著しく関連していない
HCCの4つの病因群間の遺伝子セット発現の差異を、クラスカルワリス検定を使用して査定し、ボッフェローニ法を使用して試験の多重性を調整した。表13は、各病因群における発現の中央値と、クラスカルワリス検定p値を共に示す。HCCの病因と著しく関連する免疫サブセットは発見されなかったが、Teffサブセットは、数の上ではウイルスダブルポジティブ群中でより高かった(図34及び35)。免疫遺伝子発現の差異を、ラスカルワリス検定を使用して表14に示される96個の免疫遺伝子のそれぞれについて査定し、多重性の補正は適用しなかった。これらのデータは、異種の腫瘍の病因にもかかわらず、肝臓腫瘍は、類似の免疫微小環境を共通して有することを示唆する。
P≦0:1の病因差を有する免疫遺伝子の階層的クラスタリングが、図36に示される。遺伝子は試料に亘り、中央値で中央揃えされた。ユークリッド距離及び完全連結法を使用してデンドログラムを生成した。赤色及び緑色は、それぞれ、中央値よりも高い及び低い発現を示す。黒は、中央値の発現を示す。以下の色が、病因を区別する:黒/アルコール依存症の病歴;赤/HBV+;緑/HCV+;青/HBV+HCV+。高度の級内異種性がHCCにおいて存在し、その約半分の腫瘍が抗免疫遺伝子を有したが、この差異はHCC病因サブタイプによって説明不可能であった。
表13.
Figure 2018503373
表14.
Figure 2018503373

Claims (67)

  1. 免疫療法剤での治療のためのがんを有する患者を選択する方法であって、前記患者から取得した生体試料中の免疫細胞遺伝子シグネチャの発現レベルを判定することを含み、前記免疫細胞遺伝子シグネチャは、以下の遺伝子:
    CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、もしくはPRF1;
    FOXP3;
    MS4A1もしくはCD48;
    CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5;
    NCAM1もしくはNKP46;
    KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1;
    ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4C;
    CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14;
    LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3A;
    IL17AもしくはIL17F
    CCL2、IL1B、IL8、IL6、もしくはPTGS2;
    CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、もしくはLCK;
    CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1;
    CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGIT;
    CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1;
    CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVR;
    CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、もしくはCCL22;
    CD4、IL2RA、もしくはCD69;
    TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、もしくはPSMB8;
    CD40、CD80、CD86、CD70、もしくはGITRL;
    CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、もしくはCD226;
    GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、もしくはNKG7;または
    FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、もしくはCOL8A1、のうちの1つ以上を含み、
    中央値レベルと比べた、前記免疫細胞遺伝子シグネチャ中の前記1つ以上の遺伝子の発現レベルの変化は、免疫療法剤での治療のための患者を特定する、前記方法。
  2. 前記患者に、彼らが前記免疫療法剤に対して応答性である高い見込みを有していることを伝えるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者に特定の免疫療法剤の推奨を提供するステップを更に含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記患者が免疫療法剤から利益を得られると判定された場合、前記患者に免疫療法剤を投与するステップを更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記免疫療法剤が、活性化免疫療法剤または抑制免疫療法剤である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルが、腫瘍微小環境中のTエフェクター(Teff)細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルの増加は、前記患者が活性化免疫療法剤から利益を得られる見込みがあることを示す、請求項6に記載の方法。
  8. 前記活性化免疫療法剤が、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4アゴニストを含む、請求項7に記載の方法。
  9. FOXP3の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の調節性T(Treg)細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  10. FOXP3の発現レベルの増加は、前記患者が抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みがあることを示す、請求項9に記載の方法。
  11. 前記抑制免疫療法剤が、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226アンタゴニストを含む、請求項10に記載の方法。
  12. (a)MS3A1もしくはCD48のうちの1つ以上、及び/または(b)CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のB細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  13. (a)NCAM1もしくはNKP46のうちの1つ以上、及び/または(b)KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のNK細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  14. (a)ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4Cのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の骨髄細胞の存在と相関し、
    (b)CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のマクロファージ細胞の存在と相関し、かつ/または
    (c)LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3Aのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のM2マクロファージ細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  15. IL17AまたはIL17Fのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のTh17細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  16. CCL2、IL1B、IL8、IL6、またはPTGS2のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の炎症細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  17. (a)CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1のうちの1つ以上、及び/または(b)CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGITのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のT細胞免疫ブロッカーの存在と相関する、請求項1〜5に記載の方法。
  18. (a)CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1のうちの1つ以上、及び/または(b)CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVRのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の抗原提供細胞(APC)免疫ブロッカーの存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  19. CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、またはCCL22のうちの1つ以上の発現レベルが、T細胞走化性と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  20. CD4、IL2RA、またはCD69のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の活性化CD4 T細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  21. TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、またはPSMB8のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の抗原プロセシングの存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  22. CD40、CD80、CD86、CD70、またはGITRLのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の共刺激リガンドの存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  23. CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、またはCD226のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の共刺激受容体の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  24. GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、またはNKG7のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の細胞溶解反応及び/または細胞溶解性細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  25. FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、またはCOL8A1のうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中の活性化線維芽細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  26. CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、またはLCKのうちの1つ以上の発現レベルが、前記腫瘍微小環境中のT細胞の存在と相関する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  27. CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. FOXP3の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  29. (a)
    MS4A1もしくはCD48のうちの1つ以上、及び/または(b)CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  30. (a)
    NCAM1及びNKP46のうちの1つ以上、ならびに/または(b)KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  31. (a)
    ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4Cのうちの1つ以上、(b)CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14のうちの1つ以上、及び/または(c)LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3Aのうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  32. IL17AまたはIL17Bのうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  33. CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、またはLCKのうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  34. CCL2、IL1B、IL8、IL6、またはPTGS2のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  35. (a)
    CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1のうちの1つ以上、及び/または(b)CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGITのうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  36. (a)
    CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1のうちの1つ以上、及び/または(b)CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVRのうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  37. CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、またはCCL22のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  38. CD4、IL2RA、またはCD69のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  39. TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、またはPSMB8のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  40. CD40、CD80、CD86、CD70、またはGITRLのうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  41. CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、またはCD226のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  42. GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、またはNKG7のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  43. FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、またはCOL8A1のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  44. 表2の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  45. 表3の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  46. 表4の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  47. 表5の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  48. 表6の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  49. 表7の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  50. 表8の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  51. 表9の遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  52. 以下の遺伝子シグネチャ
    CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、もしくはPRF1;
    FOXP3;
    MS4A1もしくはCD48;
    CD79A、MS4A1、CD19、STAP1、KIAA0125、POU2AF1、もしくはFCRL5;
    NCAM1もしくはNKP46;
    KLRC3、KLRK1、KLRC2、もしくはKLRD1;
    ITGAM、ITGAX、CD1C、もしくはCLEC4C;
    CD68、CD163、ITGAM、ITGAX、もしくはCD14;
    LAPTM5、LAIR1、CD4、CSF1R、CD163、ADAP2、CD68、MRC1、CD45RO、SLA、MSR1、FPR3、FCGR2A、もしくはFCGR3A;
    IL17AもしくはIL17F;
    CCL2、IL1B、IL8、IL6、もしくはPTGS2;
    CD3D、CD3E、CD2、CD3G、CD6、TRAT1、CD28、もしくはLCK;
    CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、もしくはPDCD1;
    CTLA4、BTLA、LAG3、HAVCR2、PDCD1、もしくはTIGIT;
    CD276、PDL1、PDL2、もしくはIDO1;
    CD274、PDL2、IDO1、もしくはPVR;
    CX3CL1、CXCL9、CXCL10、CXCR3、CCL21、もしくはCCL22;
    CD4、IL2RA、もしくはCD69;
    TAPBP、TAP1、TAP2、PSMB9、もしくはPSMB8;
    CD40、CD80、CD86、CD70、もしくはGITRL;
    CD27、CD28、ICOS、TNFRSF4、TNFRSF14、TNFRSF18、TNFSF14、もしくはCD226;
    GNLY、KLRK1、KLRB1、GZMH、GZMA、KLRD1、もしくはNKG7;及び
    FAP、FN1、MMP2、BGN、LOXL2、PDPN、PDGFRB、COL4A1、COL4A2、COL5A1、またはCOL8A1のそれぞれの遺伝子のうちの1つ以上の発現レベルが判定される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  53. CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベル対FOXP3の発現レベルの比率を判定することを更に含む、請求項1〜52のいずれか1項に記載の方法。
  54. CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベル対FOXP3の発現レベルの比率が高い場合、前記患者は活性化免疫療法剤から利益を得られる見込みがある、請求項53に記載の方法。
  55. CD8A、GZMA、GZMB、IFNγ、EOMES、またはPRF1のうちの1つ以上の発現レベル対FOXP3の発現レベルの比率が低い場合、前記患者は抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みがある、請求項53に記載の方法。
  56. eff細胞対Treg細胞の比率を判定することを更に含む、請求項1〜55のいずれか1項に記載の方法。
  57. eff対Tregの比率が高い場合、前記患者は活性化免疫療法剤から利益を得られる見込みがある、請求項56に記載の方法。
  58. eff対Tregの比率が低い場合、前記患者は抑制免疫療法剤から利益を得られる見込みがある、請求項56に記載の方法。
  59. 前記活性化免疫療法剤が、CD28、OX40、GITR、CD137、CD27、ICOS、HVEM、NKG2D、MICA、または2B4アゴニストを含む、請求項54または57に記載の方法。
  60. 前記抑制免疫療法剤が、CTLA−4、PD−1軸、TIM−3、BTLA、VISTA、LAG−3、B7H4、CD96、TIGIT、またはCD226アンタゴニストを含む、請求項55または58に記載の方法。
  61. 前記方法が、応答に関する投与前予後診断を患者に提供するために、免疫療法剤の投与の前に実施される、請求項1〜60のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記がんが、乳がん、黒色腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、膀胱がん、腎細胞がん腫、結腸直腸がん、卵巣がん、胃がん、または肝臓がんである、請求項1〜61のいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記がんが、原発がん、進行がん、難治性がん、または再発がんである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記乳がんが、ホルモン受容体+(HR+)、HER2+、またはトリプルネガティブ(TN)乳がんである、請求項62に記載の方法。
  65. 前記NSCLCが、非扁平上皮NSCLCまたは扁平上皮NSCLCである、請求項62に記載の方法。
  66. 前記患者から取得した前記生体試料中の前記免疫細胞遺伝子シグネチャの発現が、mRNAを測定することによって検出される、請求項1〜65のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記患者から取得した前記生体試料中の前記免疫細胞遺伝子シグネチャの発現が、血漿タンパク質レベルを測定することによって検出される、請求項1〜65のいずれか1項に記載の方法。
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