JP2018207686A - 電力変換器の制御回路及び電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スイッチングノイズの影響を受けるおそれのある検出データを使用せずにディジタル処理によって補間し、高速かつ高精度な制御を可能にした電力変換器の制御回路、及び電力変換装置を提供する。【解決手段】インバータ22を制御するために取得した電流または電圧の検出データを用いてインバータ22の半導体スイッチング素子に対する駆動信号を生成する制御回路10において、インバータ22のスイッチングタイミングを検出するPWM演算部12dと、前記スイッチングタイミングの前後にわたる一定期間の検出データを除去し、除去した検出データを線形補間、高次補間等のディジタル処理により補間する検出データ加工部12eと、を備え、この検出データ加工部12eにより補間した検出データを用いて前記駆動信号を生成する。【選択図】図1
Description
本発明は、異常な検出データに対する補間機能を備えた電力変換器の制御回路、及び、これらの電力変換器と制御回路とからなる電力変換装置に関するものである。
図6は、特許文献1に記載されたモータ駆動装置のブロック図であり、図示されていないモータ駆動用の三相インバータをPWM(Pulse Width Modulation)制御するためのものである。
図6において、51はキャリア信号発生器、52はキャリア信号に基づいて電流検出トリガ信号を生成する電流検出タイミング発生器、53は電流検出トリガ信号に従ってモータの電流を検出し、電流サンプリング値を出力する電流検出器、54はキャリア信号に基づいて電流制御トリガ信号を生成する電流制御タイミング発生器、55は電流サンプリング値と電流制御トリガ信号とから電圧指令を生成する電流制御器、56はキャリア信号と電圧指令とを比較してPWM信号を生成するPWM制御器である。
図6において、51はキャリア信号発生器、52はキャリア信号に基づいて電流検出トリガ信号を生成する電流検出タイミング発生器、53は電流検出トリガ信号に従ってモータの電流を検出し、電流サンプリング値を出力する電流検出器、54はキャリア信号に基づいて電流制御トリガ信号を生成する電流制御タイミング発生器、55は電流サンプリング値と電流制御トリガ信号とから電圧指令を生成する電流制御器、56はキャリア信号と電圧指令とを比較してPWM信号を生成するPWM制御器である。
図7は、この従来技術の動作を示すタイミングチャートである。
図7において、T1〜T8は電流検出トリガ信号に同期して電流検出器53が電流を検出する区間である。電流検出器53はこれらの電流検出区間T1〜T8にモータの電流をサンプリングし、電流制御器55は、キャリア信号に同期した電流制御トリガ信号に従って電流サンプリング値を処理することにより電圧指令を生成する。
図7において、T1〜T8は電流検出トリガ信号に同期して電流検出器53が電流を検出する区間である。電流検出器53はこれらの電流検出区間T1〜T8にモータの電流をサンプリングし、電流制御器55は、キャリア信号に同期した電流制御トリガ信号に従って電流サンプリング値を処理することにより電圧指令を生成する。
ここで、キャリア信号と電圧指令との比較により、各相のPWM信号が図示するように発生すると、インバータは、これらのPWM信号の立上り及び立下りのタイミングでスイッチングを行う。このため、電流制御器55に入力される電流サンプリング値には、スイッチングノイズが残存している恐れがある。
そこで、この従来技術では、PWM信号の立上り及び立下りの直後をスイッチングノイズ残存区間とみなし、これらに対応する電流検出区間T4,T6,T8を除いた電流検出区間T1,T2,T3,T5,T7における電流サンプリング値の平均値を算出して電流制御に用いている。これにより、スイッチングノイズの影響を受けずに分解能の高い電流検出値を使用してインバータを制御している。
特許文献1に記載された従来技術では、電流検出トリガ信号を用いて取得した複数の電流サンプリング値の平均値をアナログ処理によって算出しており、電流実際値と電流検出値との間に位相遅れが生じるという問題がある。
また、複数の電流検出区間の電流サンプリング値が揃わなければ平均値を演算できないため、電流検出値のリアルタイム性に欠けるおそれがあり、モータの高速かつ高精度な電流制御が困難であった。
また、複数の電流検出区間の電流サンプリング値が揃わなければ平均値を演算できないため、電流検出値のリアルタイム性に欠けるおそれがあり、モータの高速かつ高精度な電流制御が困難であった。
そこで、本発明の解決課題は、スイッチングノイズの影響を受けるおそれのある検出データを使用せず、その間のデータについてはディジタル処理によって補間することにより、高速かつ高精度な制御を可能にした電力変換器の制御回路及び電力変換装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る制御回路は、電力変換器を制御するために取得した電流または電圧の検出データを用いて前記電力変換器の半導体スイッチング素子に対する駆動信号を生成する制御回路において、
所定時間間隔で取得した電流または電圧の前記検出データをディジタルデータに変換する第1の手段と、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングタイミングを検出する第2の手段と、
前記第2の手段により検出したスイッチングタイミングの前後にわたる一定期間の前記ディジタルデータを除去する第3の手段と、
前記第3の手段により除去した前記ディジタルデータをディジタル処理により補間する第4の手段と、
を備え、
前記第4の手段により補間したディジタルデータを用いて前記駆動信号を生成することを特徴とする。
所定時間間隔で取得した電流または電圧の前記検出データをディジタルデータに変換する第1の手段と、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングタイミングを検出する第2の手段と、
前記第2の手段により検出したスイッチングタイミングの前後にわたる一定期間の前記ディジタルデータを除去する第3の手段と、
前記第3の手段により除去した前記ディジタルデータをディジタル処理により補間する第4の手段と、
を備え、
前記第4の手段により補間したディジタルデータを用いて前記駆動信号を生成することを特徴とする。
請求項2に係る制御回路は、請求項1に記載した制御回路において、前記第4の手段は、前記検出データを取得する所定時間間隔よりも小さい間隔で補間することを特徴とする。
請求項3に係る制御回路は、請求項1または2に記載した制御回路において、前記電力変換器が、PWM制御されるインバータであり、前記第2の手段は、PWM信号を生成するための変調率とキャリアとに基づいて前記スイッチングタイミングを検出することを特徴とする。
請求項4に係る電力変換装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載した制御回路と、この制御回路により制御される前記電力変換器と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、スイッチングノイズの影響を受け易い検出データをディジタル処理により補間して電力変換器の制御に用いているため、特許文献1のようにアナログ処理に伴う位相遅れが生じるおそれがなく、電力変換器の出力電流等を高精度に制御することができる。
また、一定期間の検出データを用いて欠損データを補間する方法によらないので、FPGA等の高速の論理演算回路を備えた制御回路に適用すれば、電力変換器の高速かつ高精度な制御が可能である。
また、一定期間の検出データを用いて欠損データを補間する方法によらないので、FPGA等の高速の論理演算回路を備えた制御回路に適用すれば、電力変換器の高速かつ高精度な制御が可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明を電力変換装置としてのインバータ装置に適用した場合のブロック図である。
図1は、本発明を電力変換装置としてのインバータ装置に適用した場合のブロック図である。
図1において、制御回路10は、ゲート駆動回路21に送るPWM信号を生成する。ゲート駆動回路21は、PWM信号に基づいてインバータ22をスイッチングすることにより、図示されていない交流電動機等の負荷に所定の大きさと周波数の交流電力を供給する。なお、インバータ22と負荷との間には、出力フィルタを構成するリアクトル23及びコンデンサ25が接続され、インバータ22の出力電流は電流検出器24により検出されて制御回路10に入力されている。
インバータ22は、図2に示すように、直流電源Eとその両極間に接続された主回路22Aとからなり、主回路22Aは、平滑コンデンサCとIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子Q1〜Q6とを備えている。
図1に戻って、制御回路10は、電流検出器24による電流検出値をA/D(アナログ/ディジタル)変換するA/D変換部13と、A/D変換後のデータを処理するFPGA(Field-Programmable Gate Array)12及びDSP(Digital Signal Processor)11を備えている。ここで、FPGA12は、高速の論理演算回路である。
FPGA12において、A/D変換部13の出力データは検出データ加工部12eに入力される。この検出データ加工部12eでは、インバータ22のスイッチングタイミングに基づいて所定期間の入力データを除去し、除去した期間については、ディジタル演算によりデータを補間して電流検出値Idetを生成する。なお、検出データ加工部12eの動作については後述する。
上記の電流検出値Idetは電流調節部12aに入力され、電流指令値との偏差に応じた信号がλ変換部12bにより変調率(電圧指令値)λに変換される。
PWM演算部12dは、キャリア発生部12cからのキャリアと変調率λとを比較してPWM信号を生成し、ゲート駆動回路21に出力する。
PWM演算部12dは、キャリア発生部12cからのキャリアと変調率λとを比較してPWM信号を生成し、ゲート駆動回路21に出力する。
ここで、DSP11内のシーケンス制御部11bは所定の運転シーケンスに従って電圧調節部(AVR)11aを動作させる。電圧調節部11aは、共有メモリ12eに記憶された電流検出値Idetの平均値等に基づいて電流指令値を生成し、電流調節部12aに出力する。
次に、図3は、本実施形態における電流検出及び電圧検出のA/D変換のタイミングとλ変換のタイミングとを示す説明図である。
図示するように、例えばインバータ22の出力電流はキャリアのトップ及びボトムにおける電流検出値をA/D変換し、インバータ22の直流電圧等はキャリアのゼロクロス点における電圧検出値をA/D変換する。また、A/D変換後の電流データ及び電圧データを用いて、キャリアのトップ及びボトムの時点でλ変換を行う。
図示するように、例えばインバータ22の出力電流はキャリアのトップ及びボトムにおける電流検出値をA/D変換し、インバータ22の直流電圧等はキャリアのゼロクロス点における電圧検出値をA/D変換する。また、A/D変換後の電流データ及び電圧データを用いて、キャリアのトップ及びボトムの時点でλ変換を行う。
図4は、この実施形態の動作を示す波形図である。
図4(c),(d)に示すように、キャリアと変調率λとを比較してPWM信号が生成され、このPWM信号に基づいて、例えば図2のスイッチング素子Q1,Q2がオン・オフされる。ここで、図4(a)に一点鎖線で囲んだ範囲aに示すように、スイッチングタイミング前後におけるA/D変換後のデータはスイッチングノイズの影響を受けて波形が歪む恐れがあるため、これらのデータをそのまま用いるとインバータ22の出力電流や出力電圧等の制御精度が悪化する恐れがある。
図4(c),(d)に示すように、キャリアと変調率λとを比較してPWM信号が生成され、このPWM信号に基づいて、例えば図2のスイッチング素子Q1,Q2がオン・オフされる。ここで、図4(a)に一点鎖線で囲んだ範囲aに示すように、スイッチングタイミング前後におけるA/D変換後のデータはスイッチングノイズの影響を受けて波形が歪む恐れがあるため、これらのデータをそのまま用いるとインバータ22の出力電流や出力電圧等の制御精度が悪化する恐れがある。
そこで、この実施形態では、図1の検出データ加工部12eにより、上記の範囲aのデータを除去すると共に、図4(b)に示す如く、除去した範囲aにデータDsを補間する。データDsの補間方法は特に限定されないが、例えば線形補間や高次補間、中間値フィルタを用いる方法等を適用すれば良い。
データDsを補間して得た電流検出値Idetは、前述したごとく電流調節部12a及び共有メモリ12fに送られる。
データDsを補間して得た電流検出値Idetは、前述したごとく電流調節部12a及び共有メモリ12fに送られる。
次に、図5は、FPGA12における処理フローを示している。
図5において、A/D変換部13のA/D変換処理(ステップS1)によって図4(a)に示したような電流検出値が得られたとすると、検出データ加工部12eでは、PWM演算部12dから取得したスイッチングタイミングの前後一定期間のデータを除去する(ステップS2)。その後、この一定期間における欠損データをディジタル処理により補間し(ステップS3)、補間後の検出データを電流調節部12aや共有メモリ12fに送出してインバータ22の制御に用いる。また、必要に応じて、警報表示などの異常処理を実行しても良い。
図5において、A/D変換部13のA/D変換処理(ステップS1)によって図4(a)に示したような電流検出値が得られたとすると、検出データ加工部12eでは、PWM演算部12dから取得したスイッチングタイミングの前後一定期間のデータを除去する(ステップS2)。その後、この一定期間における欠損データをディジタル処理により補間し(ステップS3)、補間後の検出データを電流調節部12aや共有メモリ12fに送出してインバータ22の制御に用いる。また、必要に応じて、警報表示などの異常処理を実行しても良い。
なお、上述した実施形態では、電流検出値を対象としてスイッチングノイズの影響を除去する場合を説明したが、本発明は、電圧検出値に対しても適用可能である。
また、本発明が適用される電力変換器としては、インバータに限らず、コンバータやチョッパ等であっても良い。
また、本発明が適用される電力変換器としては、インバータに限らず、コンバータやチョッパ等であっても良い。
10:制御回路
11:DSP(Disital Signal Processor)
11a:電圧調節部(AVR)
11b:シーケンス制御部
12:FPGA(Field-Programmable Gate Array)
12a:電流調節部(ACR)
12b:λ変換部
12c:キャリア発生部
12d:PWM演算部
12e:検出データ加工部
12f:共有メモリ
13:A/D変換部
21:ゲート駆動回路
22:インバータ
22A:主回路
23:リアクトル
24:電流検出器
25:コンデンサ
C:コンデンサ
E:直流電源
Q1〜Q6:半導体スイッチング素子
11:DSP(Disital Signal Processor)
11a:電圧調節部(AVR)
11b:シーケンス制御部
12:FPGA(Field-Programmable Gate Array)
12a:電流調節部(ACR)
12b:λ変換部
12c:キャリア発生部
12d:PWM演算部
12e:検出データ加工部
12f:共有メモリ
13:A/D変換部
21:ゲート駆動回路
22:インバータ
22A:主回路
23:リアクトル
24:電流検出器
25:コンデンサ
C:コンデンサ
E:直流電源
Q1〜Q6:半導体スイッチング素子
Claims (4)
- 電力変換器を制御するために取得した電流または電圧の検出データを用いて前記電力変換器の半導体スイッチング素子に対する駆動信号を生成する制御回路において、
所定時間間隔で取得した電流または電圧の前記検出データをディジタルデータに変換する第1の手段と、
前記半導体スイッチング素子のスイッチングタイミングを検出する第2の手段と、
前記第2の手段により検出したスイッチングタイミングの前後にわたる一定期間の前記ディジタルデータを除去する第3の手段と、
前記第3の手段により除去した前記ディジタルデータをディジタル処理により補間する第4の手段と、
を備え、
前記第4の手段により補間したディジタルデータを用いて前記駆動信号を生成することを特徴とする電力変換器の制御回路。 - 請求項1に記載した制御回路において、
前記第4の手段は、前記検出データを取得する所定時間間隔よりも小さい間隔で補間することを特徴とする電力変換器の制御回路。 - 請求項1または2に記載した制御回路において、
前記電力変換器が、PWM制御されるインバータであり、前記第2の手段は、PWM信号を生成するための変調率とキャリアとに基づいて前記スイッチングタイミングを検出することを特徴とする電力変換器の制御回路。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載した制御回路と、この制御回路により制御される前記電力変換器と、を備えたことを特徴とする電力変換装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020150693A (ja) * | 2019-03-14 | 2020-09-17 | 富士電機株式会社 | 電力変換装置 |
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2017
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