JP2018204977A - ロープ検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロープが使用されている状態でロープの状態を検査することを可能にする。【解決手段】実施形態にかかるロープ検査装置30は、メインロープ23の画像データp(x)を出力する撮像部32と、エレベータ運転制御部27から出力されたかご位置パルス値Cpと画像データp(x)とを対応付けて格納する情報保存部34と、画像データp(x)を解析して2つのマーキング51の画像間の距離L(x)を特定し、距離L(x)に基づいて2つのマーキング51で区切られた区間の伸び量T(x)を特定し、伸び量T(x)に基づいて当該区間の状態を判定し、判定結果q(x)が正常でないことを示している区間を点検員63が点検可能な位置となる際の乗りかご21の位置を示すかご位置パルス値S(x)をかご位置パルス値Cpを用いて特定する情報処理部35とを備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、ロープ検査装置に関する。
エレベータ、クレーン及び橋梁等に使用されているロープの劣化を検査する技術が知られている。例えばエレベータの乗りかご及びカウンタウエイトは、複数のメインロープにより昇降路内に吊り下げられている。メインロープには、ワイヤロープ及び樹脂被覆ロープ等が使用される。ワイヤロープは、例えば炭素鋼及びステンレス鋼等で造られた複数の素線をより合わせた複数のストランドを有する。ワイヤロープは、この複数のストランドを心鋼の周りに所定のピッチでより合わせることで構成されている。一方、樹脂被覆ロープは、鋼製ロープの外周に樹脂製の被覆を設けたロープである。
メインロープは、エレベータ乗りかごのシーブ、カウンタウエイトのシーブ及び巻上機のシーブに巻き掛けられている。エレベータの運用時には、高頻度の曲げ、引張応力及び摩擦等の複合的な原因により、メインロープのストランド及び素線に摩耗及び断線等の劣化が生じる。そのためエレベータの運用上、メインロープの健全性を確認する検査が定期的に行われている。メインロープの検査方法は、例えばエレベータ装置からメインロープを外し、磁気探傷装置を用いて検査をする方法と、メンテナンス作業員が、エレベータ装置にメインロープをかけたままメインロープ全長の目視検査を行う方法と、が知られている。
特許第5428798号公報 特許第5413148号公報 特許第5413096号公報 特許第5769875号公報
以下の実施形態では、ロープが使用されている状態でロープの状態を検査することを可能にするロープ検査装置を提供することを目的とする。
実施形態にかかるロープ検査装置は、側面に所定間隔でマーキングが施されたロープの前記側面を撮像して得られた画像データを出力する撮像部と、前記ロープの巻き上げを行なう巻上機を制御することで前記ロープの一方の端に設けられた乗りかごの昇降を制御するエレベータ運転制御部から出力された前記乗りかごの位置を示す第1パルス値と、前記撮像部から出力された画像データとを対応付けて格納する情報保存部と、前記画像データを解析することで前記画像データに含まれる2つのマーキングの画像間の距離を特定し、特定した前記距離に基づいて前記ロープにおける前記2つのマーキングで区切られた区間の伸び量を特定し、前記伸び量に基づいて前記ロープにおける前記区間の状態を判定し、前記判定の結果が正常でないことを示している前記区間を点検員が点検可能な位置となる際の前記乗りかごの位置を示す第2パルス値を前記画像データに対応付けられた前記第1パルス値を用いて特定する情報処理部と、を備える。
図1は、実施形態にかかるロープ検査システムの概略構成例を示すブロック図である。 図2は、本実施形態にかかるメインロープの一例を示す図である。 図3は、本実施形態において撮像部により周期的に取得される画像データの例を示す図である。 図4は、本実施形態にかかる情報処理部のより詳細な構成例を示すブロック図である。 図5は、本実施形態にかかるデータ表の一例を示す図である。 図6は、本実施形態にかかるマーキング間距離を説明するための図である。 図7は、本実施形態における不検出マーキングを説明するための図である。 図8は、本実施形態にかかるロープ検査方法のメインフローの一例を示すフローチャートである。 図9は、本実施形態にかかる解析処理の詳細な流れを示すフローチャートである。 図10は、本実施形態にかかる画像データの解析手順を説明するための図である。 図11は、本実施形態にかかるマーキング間距離の算出方法を説明するための図である。 図12は、本実施形態にかかる異常判定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。 図13は、本実施形態において設定される閾値の例を示す図である。 図14は、本実施形態にかかる異常箇所位置特定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。 図15は、本実施形態にかかる異常箇所位置特定処理において設定される初期値を説明するための図である。 図16は、図14のステップS305における長さu2の算出方法を説明するための図である。 図17は、図14のステップS306におけるかご移動距離u5の算出方法を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら、例示する実施形態にかかるロープ検査装置を詳細に説明する。
図1は、実施形態にかかるロープ検査システムの概略構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ロープ検査システム1は、例えばロープ検査装置30と、監視センタ40とを備え、エレベータ装置20に対して設置される。なお、エレベータ装置20は、ロープ検査システム1に含まれていてもよい。
本実施形態で例示するエレベータ装置20は、利用者が乗降する乗りかご21とカウンタウエイト22とをメインロープ23で連結した、いわゆるつるべ式のエレベータである。このエレベータ装置20は、巻上機26を制御することで、乗りかご21を建物に設けられている昇降路に沿って昇降させて、利用者を目的階のエレベータホールに移動させる。
ここで、本実施形態にかかるメインロープ23の一例について、図2を用いて詳細に説明する。図2において、(a)は本実施形態にかかるメインロープの断面図を示し、(b)はメインロープの側面図を示している。図2に示すように、メインロープ23は、例えば炭素鋼及びステンレス鋼等で造られた複数の素線をより合わせた複数のストランド23aを心鋼23bの周りに所定のピッチでより合わせることで構成されたワイヤロープ23Aの外周が樹脂製のカバー層23Bで覆われた構造を有する樹脂被覆ロープである。
カバー層23Bの外周面には、外側から視認することが可能なマーキング51が所定の間隔Lで設けられている。したがって、マーキング51間の間隔Lを実測することで、そのマーキング51間のメインロープ23がどの程度伸張しているかを特定することができる。そこで本実施形態では、特定された伸張度合いから、メインロープ23の劣化の程度を推定・評価する。これにより得られた推定・評価の結果は、例えばメインロープ23のメンテナンスや交換の時期を決定する際に利用することが可能である。
なお、本実施形態にかかるメインロープ23は、図2に例示する樹脂被覆ロープに限定されず、金属表面が露出したワイヤロープなど、エレベータ装置20のメインロープ23として使用可能な強度等を備えた種々のロープを用いることが可能である。ただし、そのようなロープを使用した場合でも、ロープの外周面には、外側から視認することが可能なマーキング51が所定の間隔Lで設けられているものとする。
図1の説明に戻る。巻上機26は、乗りかご21とカウンタウエイト22とを連結するメインロープ23の巻き上げを行うことで、乗りかご21を昇降させる。巻上機26は、メインロープ23の巻き上げを行う動力源となるモータ24と、モータ24の回転数を検出するパルスジェネレータ25とを有する。モータ24は、パルスジェネレータ25を介してエレベータ運転制御部27に接続されている。パルスジェネレータ25は、エレベータ装置20が稼働中、例えばある特定の周期でモータ24の回転数を示すパルス値を検出し、検出したパルス値をパルス信号としてエレベータ運転制御部27へ出力する。
モータ24の回転数を示すパルス値は、乗りかご21の昇降速度に換算することが可能な情報である。また、エレベータ運転制御部27には、パルス信号として入力されたパルス値をカウントする不図示のカウンタ回路が設けられている。このカウンタ回路は、例えば乗りかご21を下降させた際のパルス値が入力された場合にカウントダウンし、乗りかご21を上昇させた際のパルス値が入力された場合にカウントアップする。したがって、カウンタ回路のカウント値に基づくことで、昇降路上の乗りかご21の位置を特定することが可能である。
そこで、エレベータ運転制御部27は、カウンタ回路のカウント値に基づいてパルスジェネレータ25からモータ24に与えるパルス値を制御することで、乗りかご21を目的の位置まで移動させる昇降動作を実行する。
具体的には、エレベータ運転制御部27は、乗りかご21の昇降動作を制御する際に、カウンタ回路のカウント値に基づいて乗りかご21の現在位置を特定するとともに、パルスジェネレータ25から取得したパルス信号に基づいて乗りかご21の昇降速度を特定する。また、エレベータ運転制御部27は、利用者が各階のエレベータホールに設置された呼出しボタン又は乗りかご21内に設置された行先階ボタンを操作することで生成された信号に基づいて、乗りかご21を所定の位置に昇降させるためのパルス信号を生成するようにパルスジェネレータ25を制御する。そして、エレベータ運転制御部27は、生成したパルス信号をモータ24に入力してモータ24を制御することで、乗りかご21の昇降動作を制御して利用者を目的階のエレベータホールに移動させる。
なお、エレベータ運転制御部27は、乗りかご21の昇降動作の他、乗りかご21に設けられたドアの開閉動作も制御する。
また、エレベータ運転制御部27は、カウンタ回路のカウント値を示すパルス信号を、後述するロープ検査装置30における情報収集制御部33に、適宜若しくは所定の周期で出力する。なお、上述したように、カウンタ回路のカウント値を示すパルス信号のパルス値は、昇降路上の乗りかご21の位置を示している。そこで以下の説明では、エレベータ運転制御部27から出力されたカウンタ回路のカウント値を示すパルス信号のパルス値を、かご位置パルス値という。
一方、ロープ検査装置30は、図1に示すように、例えば撮像部32と、撮像制御部31と、起動部37と、情報収集制御部33と、情報保存部34と、情報処理部35と、遠隔端末36とを備える。
撮像部32は、例えばCCD(Charge-Coupled Device)カメラなどの少なくとも静止画像を取得可能な撮像装置であり、メインロープ23を撮像することで得られた画像データを出力する。
撮像部32の光学システム及び設置位置の少なくとも一方は、巻上機26と乗りかご21との間で略直線状に引張されている部分のメインロープ23を、メインロープ23の延在方向(すなわち垂直方向)に沿ってある程度の画角をもって撮像できるように調整されている。
撮像部32の設置位置としては、例えば巻上機26が設置された機械室内とすることができる。機械室内には乗りかご21が進入しないため、撮像部32をメインロープ23に近接配置することが可能であり、より鮮明なメインロープ23の画像データを取得することが可能となる。ただし、この設置位置に限定されず、メインロープ23における点検が必要な部分(以下、点検対象範囲という)を撮像することが可能な位置であれば、適宜変更することが可能である。
撮像制御部31は、撮像部32に任意のタイミングでの撮像動作または周期的な撮像動作を実行させるための制御装置である。起動部37は、例えばロープ検査装置30のオペレータが撮像制御部31に対して撮像開始の指示を直接または遠隔で入力するための操作部である。
情報収集制御部33は、撮像部32から出力された画像データと、エレベータ運転制御部27から出力されたパルス信号とを入力し、入力した画像データとパルス信号が示すかご位置パルス値とを必要に応じて情報保存部34に入力する。
情報保存部34は、例えばデータベースやファイルサーバなどで構成された記憶領域であり、情報収集制御部33から入力された画像データ及びパルス信号が示すかご位置パルス値の他、各種データを関連付けて保存するデータ表を格納する。なお、情報保存部34内に格納されているデータ表の例については、後述において図5を用いて説明する。
情報処理部35は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの情報処理装置で構成され、情報保存部34に格納されている各種データに対する解析や演算処理を実行することで必要なデータを生成し、生成したデータを情報保存部34に格納する。
遠隔端末36は、例えばPHS(Personal Handyphone System)やタブレット端末などの通信機能を備えた情報端末であり、情報保存部34に格納されている各種データの取得・閲覧や、取得したデータの転送などを実行する。
また、監視センタ40は、例えばエレベータ管理会社に構築されたコンピュータシステムであり、例えば遠隔端末36からネットワーク41を介して送られてきた各種データに基づいて、検査結果の解析や解析結果等のオペレータへの表示などを実行する。なお、ネットワーク41には、例えばインターネット(登録商標)や移動体通信網等のWAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、専用回線などの種々のネットワークを適用することが可能である。
以上のような構成において、法定点検や任意点検を行なう際には、まず、メインロープ23における少なくとも点検対象範囲の画像が取得される。ここで、点検対象範囲とは、たとえばメインロープ23における、乗りかご21を第1の所定位置(たとえば最上位置)から第2の所定位置(たとえば最下位置)まで移動させた際に撮像部32の撮像領域を通過する部分であり、主に、乗りかご21を昇降させる際に巻上機26と接触することで昇降時の負荷を直接的に受ける部分である。なお、本説明では、明確化のため、第1の所定位置を乗りかご21の昇降路上の最上位置とし、第2の所定位置を乗りかご21の昇降路上の最下位置とする。
点検対象範囲の画像を取得する際には、まず、オペレータは、エレベータ運転制御部27に対して指示を与えることで、乗りかご21を最上位置に移動させる。つづいて、オペレータは、起動部37を用いて撮像開始の指示を入力する。すると、起動部37から指示が入力された撮像制御部31が、所定の周期でメインロープ23を撮像するように撮像部32を制御する。その結果、撮像部32による周期的な画像データの取得が開始され、これにより取得された画像データが順次、情報収集制御部33へ入力される。なお、情報収集制御部33には、エレベータ装置20が稼働中、常時、カウンタ回路のカウント値(かご位置パルス値)を示すパルス信号がエレベータ運転制御部27から入力される。
つぎに、オペレータは、エレベータ運転制御部27に指示を与えることで、乗りかご21を最上位置から最下位置へ移動させる。この乗りかご21が最上位置から最下位置へ移動する動作中に撮像部32による周期的な撮像を実行させておくことで、メインロープ23における点検対象範囲全体の画像が取得される。その後、乗りかご21が最下位置に到達すると、オペレータは、起動部37を用いて撮像停止の指示を入力する。これにより、撮像部32による周期的な撮像動作が停止する。
なお、周期的な撮像を実行中、言い換えれば点検作業中、乗りかご21の最高昇降速度は、たとえば時間軸上において連続する2つの画像に映り込んでいるメインロープ23が一部で重複することを保証し得る速度以下であることが望ましい。これにより、点検対象範囲内のメインロープ23の一部が撮像されていないということを回避できる。
また、撮像部32の撮像周期は、例えばエレベータ運転制御部27がカウンタ回路のカウント値(かご位置パルス値)を示すパルス信号を出力する周期と同程度の周期であってもよいが、これに限定されず、例えばエレベータ運転制御部27がパルス信号を出力する周期の1/a(aは2以上の整数)逓倍の周期など、種々変形することが可能である。
ここで図3に、撮像部32により周期的に取得される画像データの例を示す。図3の(a)〜(c)に示すように、撮像部32による一連の撮像動作では、メインロープ23の略全体が映り込むように、連続する静止画像50(1)〜50(M)(Mは2以上の整数)が取得される。なお、図3中、符号54はメインロープ23の画像を示している。
時間軸上において連続する2つの静止画像50(m)及び50(m+1)(mは1以上M以下の整数)は、それらの一部においてメインロープ23の同じ部分の画像を含んでいる。すなわち、静止画像50(m)に映り込んでいるメインロープ23の一部と、静止画像50(m+1)に映り込んでいるメインロープ23の一部とは、重複している。
また、メインロープ23に付されたマーキング51の総数をK(Kは2以上の整数)とすると、各静止画像50(m)は、メインロープ23上で隣接する少なくとも2つのマーキング51の画像52(k−1)及び52(k)(kは2以上K以下の整数)を含んでいる。以下、マーキング51の画像(以下、マーキング51の画像を総称する場合の符号を52とする)をマーキング画像という。なお、画像解析によって検出することが困難なマーキング画像52が含まれている場合を考慮すると、各静止画像50(m)には、3つ以上のマーキング画像52が含まれていることが好ましい。
また、メインロープ23の側面に付されたマーキング51の間隔L(図2参照)は、撮像周期の1サイクルの時間長に乗りかご21の最高昇降速度を乗算して得られる距離と同程度かそれよりも短いことが望ましい。それにより、メインロープ23の点検対象範囲内に付されたマーキング51の全てが何れかの静止画像(以下、静止画像を総称する場合の符号を50とする)において先頭となるようにすることができる。
撮像部32によって周期的に取得されたメインロープ23の画像データ(静止画像50に相当)は、撮像部32から情報収集制御部33へ順次出力される。ここで、撮像部32が画像データを取得したタイミングにおける乗りかご21の位置は、このタイミング近傍でエレベータ運転制御部27から出力されたパルス信号が示すかご位置パルス値に基づいて特定することができる。言い換えれば、撮像部32により取得された画像データがメインロープ23のどの部分を撮像した画像であるかは、撮像タイミングの近傍でエレベータ運転制御部27から出力されたパルス信号が示すかご位置パルス値に基づいて特定することができる。
そこで情報収集制御部33は、撮像部32から画像データが入力されたタイミングの直前または直後のタイミングでエレベータ運転制御部27から入力されたパルス信号が示すかご位置パルス値を、この画像データと関連付けて情報保存部34のデータ表に格納する。これにより、各画像データがメインロープ23のどの部分を撮影した画像であるかを、情報保存部34において管理することが可能となる。
ただし、乗りかご21の移動中と停止中とに関わらず定期的に入力される画像データ及びかご位置パルス値の全てを情報保存部34に格納すると、情報保存部34に膨大な量の不要データが蓄積されかねない。そこで情報収集制御部33は、例えば乗りかご21が停止している期間中に入力された画像データ及びかご位置パルス値を、情報保存部34には格納せずに破棄する。これにより、停止した状態でメインロープ23の同じ部分を撮影することで得られた画像データが情報保存部34に大量に蓄積されることを回避することができる。なお、乗りかご21が移動中であるか停止中であるかは、例えば連続するパルス信号が示すかご位置パルス値の差から求まる乗りかご21の昇降速度に基づいて判断することが可能である。
以上のようにして、情報保存部34に画像データ及びかご位置パルス値が格納されると、情報処理部35は、データ表において関連付けられた画像データとかご位置パルス値とから必要なデータを生成し、生成したデータを情報保存部34に格納する。ここで図4に、情報処理部35のより詳細な構成例を示す。また、図5に、情報保存部34内に格納されているデータ表の一例を示す。
図4に示すように、情報処理部35は、画像処理部35aと、ロープ伸び判定部35bと、異常判定部35cと、点検位置演算処理部35dとを備える。また、情報保存部34は、例えば情報収集制御部33から入力された画像データを保存する画像保存領域34aと、同じく情報収集制御部33から入力されたかご位置パルス値を保存するかご位置パルス値保存領域34bとを含んでいる。
情報保存部34に格納されたデータ表についてより詳細に説明すると、図5に例示するように、データ表には、索引(インデックス)yと、カウント変数xと、かご位置パルス値Cpと、画像データp(x)と、マーキング間距離L(x)と、不検出マーキング数nと、ロープ伸び量T(x)と、判定結果q(x)と、基準位置からのかご移動距離u5と、異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)とが関連付けられて格納されている。
索引(インデックス)yは、一連の周期的な撮像動作を個別に識別するための識別情報である。また、カウント変数xは、周期的に実行される一連の撮像動作のうちの1回の撮像動作を個別に識別するための識別情報である。したがって、同一の索引yに対応する画像データp(x)をカウント変数xの順序で重複させつつ結合させることで、メインロープ23における点検対象範囲全体の画像を再現することができる。なお、索引y及びカウント変数xは、例えば画像データが撮像部32から情報収集制御部33に入力された際に情報収集制御部33によって生成され、入力された画像データと関連付けて情報保存部34のデータ表に格納される。
かご位置パルス値Cpは、上述したように、エレベータ運転制御部27に設けられたカウンタ回路のカウント値を示すパルス値であって、昇降路上の乗りかご21の位置を特定することが可能な情報である。画像データp(x)は、撮像部32で取得された画像データである。上述したように、かご位置パルス値Cp及び画像データp(x)は、たとえば略同じタイミングで情報収集制御部33に入力されたもの同士が関係付けられて情報保存部34のデータ表に格納される。
マーキング間距離L(x)は、図6に例示するように、解析によって特定された静止画像50A(画像データp(x))中のマーキング画像52(k−1)〜52(k+1)のうち、ある方向に沿って1つ目のマーキング画像52(k−1)における特定の箇所(たとえば下端)から2つ目のマーキング画像52(k)における対応する箇所(たとえば下端)までの距離を示している。
ただし、図7に例示するように、静止画像50Bに映された3つのマーキング画像52(k−1)〜52(k+1)のうち、中央に位置するマーキング画像52(k)に相当する画像53が、マーキング51自体の変色、消色、汚れ、キズ等が原因で不鮮明であった結果、静止画像50Bの解析ではこの画像53(=52(k))に相当するマーキング51が検出されない場合が存在する。そのような場合、2つ目のマーキング51として、マーキング画像52(k+1)に相当するマーキング51が検出されるため、マーキング間距離L(x)には、1つ目のマーキング画像52(k−1)の特定の箇所(たとえば下端)から2つ目のマーキング画像52(k+1)の対応する箇所(たとえば下端)までの距離が格納される。なお、マーキング間距離L(x)を特定する際の各マーキング51の基準位置は、各マーキング画像52の下端に限らず、上端など、種々変更することが可能である。
不検出マーキング数nは、上述において図7の例を用いて説明したように、画像データp(x)(静止画像50B)の解析において1つ目に検出されたマーキング51と2つ目に検出されたマーキング51との間に本来存在するはずではあるが画像データp(x)の解析によっては検出されなかったマーキング(以下、不検出マーキングという)51の数を示している。したがって、図7に示す例では、不検出マーキング数nとして、‘1’が格納される。
ロープ伸び量T(x)は、メインロープ23上において連続する2つのマーキング51で区切られた各区間に関して、マーキング間距離L(x)から求めたこの区間のメインロープ23の伸び量を示している。
判定結果q(x)は、各画像データp(x)に関連づけられたロープ伸び量T(x)から推定されるこの区間のメインロープ23の状態の判定結果を示している。この判定結果q(x)には、例えばこの区間のメインロープ23の状態が正常であれば「○」が格納され、例えば異常であれば「×」が格納され、例えば要注意であれば「△」が格納される。ただし、このような3段階の判定結果に限られず、2段階又は4段階以上の判定結果が格納されてもよい。
基準位置からのかご移動距離u5は、判定結果q(x)において異常「×」または要注意「△」などの正常「○」でないことが示されているメインロープ23の区間(以下、異常箇所という)を作業員が目視や手作業等で点検・修繕する際の乗りかご21の位置を示す情報である。この基準位置からのかご移動距離u5に、ある基準位置(例えば後述する最上階ホール位置61)から目的の位置までの乗りかご21底部の移動距離や、最寄りの階のホール位置から目的の位置までの乗りかご21底部の移動距離などを用いることができる。図5では、基準位置からのかご移動距離u5として、最寄りの階のホール位置から目的の位置までの乗りかご21底部の移動距離が格納されている場合が例示されているが、後述の説明では、簡略化のため、基準位置(最上階ホール位置61)から目的の位置までの乗りかご21底部の移動距離を用いることとする。なお、最寄りの階のホール位置から目的の位置までの乗りかご21底部の移動距離は、基準位置(最上階ホール位置61)から目的の位置までの乗りかご21底部の移動距離から、基準位置から最寄りの階のホール位置までの乗りかご21底部の移動距離を引算することで容易に求めることが可能である。また、これらに限定されず、メインロープ23の異常箇所を作業員が目視や手作業等で点検・修繕する際の乗りかご21の位置を示す情報であれば、種々の情報を用いることが可能である。
異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)は、基準位置からのかご移動距離u5に基づいて乗りかご21を昇降させた場合の昇降後の乗りかご21の予定位置をかご位置パルス値で表したものである。したがって、異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)は、エレベータ運転制御部27に設けられたカウンタ回路のカウント値に相当するものであり、昇降後の乗りかご21の位置が異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)となるように巻上機26を制御することで、乗りかご21を目的の点検位置へ移動させることができる。
図4の説明に戻る。画像処理部35aは、画像保存領域34aに保存されている各画像データp(x)を解析することで、各画像データp(x)に対するマーキング間距離L(x)を算出するとともに、各画像データp(x)に対する不検出マーキング数nを特定し、これにより得られたデータを情報保存部34のデータ表に格納する(図5参照)。
ロープ伸び判定部35bは、画像処理部35aにより算出/特定されたマーキング間距離L(x)及び不検出マーキング数nからメインロープ23における該当区間のロープ伸び量T(x)を特定し、特定したロープ伸び量T(x)を情報保存部34のデータ表に格納する(図5参照)。なお、ロープ伸び量T(x)の特定方法としては、例えば各マーキング間距離L(x)が設計上のマーキング51の間隔Lからどの程度増加しているかに基づいてロープ伸び量T(x)を特定する方法など、種々の方法を用いることが可能である。
異常判定部35cは、情報保存部34のデータ表に格納されているロープ伸び量T(x)に基づいて、メインロープ23における該当区間の劣化の状態を判定し、その判定結果q(x)を情報保存部34のデータ表に格納する(図5参照)。
点検位置演算処理部35dは、情報保存部34のデータ表において異常「×」または要注意「△」などの正常「○」でないことを示す判定結果q(x)に関連付けられている行(ロウともいう。また、情報保存部34がデータベースの場合はレコードともいう)について、基準位置からのかご移動距離u5を算出し、算出した基準位置からのかご移動距離u5を情報保存部34のデータ表に格納する(図5参照)。また、点検位置演算処理部35dは、算出した基準位置からのかご移動距離u5から異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)を特定し、得られた異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)を情報保存部34のデータ表に格納する(図5参照)。
以上のようにして情報保存部34のデータ表に格納されているデータは、例えば遠隔端末36(図1参照)によって読み出され、遠隔端末36からネットワーク41を介して監視センタ40へ送られてもよい。なお、遠隔端末36から監視センタ40へのデータの送信方式は、プッシュ型であってもよいし、プル型であってもよい。
つぎに、本実施形態にかかるロープ検査方法について、図面を用いて詳細に説明する。図8は、本実施形態にかかるロープ検査装置30が実行するロープ検査方法のメインフローの一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、主として、情報処理部35の動作に着目する。また、以下の説明では、図8に示す動作が実行される前に、撮像部32による周期的な撮像動作が実行されて、メインロープ23における点検対象範囲全体をカバーする複数の画像データp(x)及びかご位置パルス値Cpが情報保存部34のデータ表に格納されているものとする。
図8に示すように、本動作では、情報処理部35は先ず、情報保存部34のデータ表に格納されている各画像データp(x)に対する解析処理を実行する(ステップS10)。これにより、各画像データp(x)に関連付けられるマーキング間距離L(x)、不検出マーキング数n及びロープ伸び量T(x)が生成され、情報保存部34のデータ表に格納される。なお、ステップS10に示す解析処理の詳細については、後述において、図9〜図11を用いて説明する。
つぎに情報処理部35は、情報保存部34のデータ表における各行のロープ伸び量T(x)に基づいて、該当区間におけるメインロープ23の状態を判定し、この判定結果q(x)を情報保存部34のデータ表に格納する異常判定処理を実行する(ステップS20)。なお、ステップS20に示す異常判定処理の詳細については、後述において、図12〜図13を用いて説明する。
つぎに情報処理部35は、情報保存部34のデータ表において、異常「×」または要注意「△」などの正常「○」でないことを示す判定結果q(x)が格納されている行に関し、基準位置からのかご移動距離u5及び異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)を算出し、算出した基準位置からのかご移動距離u5及び異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)を情報保存部34のデータ表に格納する異常箇所位置特定処理を実行する(ステップS30)。なお、ステップS30に示す異常箇所位置特定処理の詳細については、後述において、図14〜図17を用いて説明する。
その後、例えば情報保存部34に接続された遠隔端末36が、情報保存部34のデータ表における判定結果q(x)を参照し、異常「×」または要注意「△」などの正常「○」でないことを示す判定結果q(x)が存在するか否かを判定する(ステップS41)。正常「○」でないことを示す判定結果q(x)が存在しない場合(ステップS41;NO)、本動作は終了する。一方、正常「○」でないことを示す判定結果q(x)が存在する場合(ステップS41;YES)、メインロープ23に要点検箇所(異常箇所等)が存在することを遠隔端末36が監視センタ40へ発報し(ステップS42)、その後、本動作が終了する。
つづいて、図8のステップS10に示す解析処理の詳細について説明する。図9は、本実施形態にかかる解析処理の詳細な流れを示すフローチャートである。図9に示すように、解析処理では、まず、情報処理部35は、情報保存部34のデータ表における解析対象の行を特定するための索引y及びカウント変数xを、それぞれ初期値であるy=1,x=0に設定し(ステップS101)、つづいて、データ表における索引y及びカウント変数xで特定される行から画像データp(x)及びロープ伸び量T(x)を取得する(ステップS102)。
つぎに情報処理部35は、取得したロープ伸び量T(x)に値が格納済みであるか否かを判定し(ステップS103)、格納済みである場合(ステップS103;YES)、ステップS118へ進む。一方、ロープ伸び量T(x)に値が未だ格納されていない場合(ステップS103;NO)、情報処理部35は、画像処理部35a及びロープ伸び判定部35bを用いて後述するステップS104〜S117を実行することで、ステップS102で取得した画像データp(x)を解析してロープ伸び量T(x)を算出する。
ここで、画像データp(x)の解析手順について、図10を用いて説明する。画像データp(x)の解析では、画像データp(x)を構成するピクセル1つ1つについて、マーキング51を映したピクセルであるか否かが判定される。具体的には、図10に示すように、画像データp(x)に対し、メインロープ23の移動方向において下流側となる下端の例えば左端を原点(0,0)とした座標系を設定し、この原点(0,0)を起点として、メインロープ23の移動方向に対して直角の方向(すなわち、画像の水平方向)にピクセルをスキャンしてマーキング51を映したピクセルであるか否かを判定する水平走査を、メインロープ23の移動方向と反対方向(すなわち、画像の垂直上方向)に向かって順次繰り返す処理が実行される。
例えば、メインロープ23に500mmの間隔Lで太さ0.5mmのマーキング51が施されている場合、1つの画像データp(x)中にマーキング画像52が2〜3つずつ含まれるようにするためには、撮像部32は、メインロープ23の移動方向(以下、垂直方向という)に沿って1001mm以上の範囲を撮像する必要がある。そこで、撮像部32が撮像するメインロープ23の垂直方向の範囲を1100mmとし、撮像部32の解像度を3840×2160ピクセルとしたとすると、1ピクセルの実際の垂直方向の長さは、0.29mm(=1100mm÷3840ピクセル)となる。その場合、マーキング51は垂直方向に1〜2ピクセルの幅のマーキング画像52として撮像されるため、ピクセル単位の画像解析によって画像データp(x)に含まれるマーキング画像52を検出することができる。
図9の説明に戻る。ステップS104では、情報処理部35の画像処理部35aが、解析対象のピクセルの座標(i,j)を先頭列先頭行である原点(0,0)に設定する。つづいて画像処理部35aは、座標(i,j)のピクセル(以下、ピクセル(i,j)という)の値を読み込み(ステップS105)、読み込んだ値に基づいて、ピクセル(i,j)がマーキング51を映したピクセルであるか否かを判定する(ステップS106)。なお、ピクセル(i,j)がマーキング51を映したピクセルであるか否かは、たとえばピクセル(i,j)の画素値又は輝度値や、周囲のピクセルとの画素値又は輝度値の差などに基づいて判定することができる。
ピクセル(i,j)がマーキング51のピクセルではないと判定した場合(ステップS106;NO)、画像処理部35aは、ステップS113へ進み、水平方向の座標iを1インクリメントする。つづいて画像処理部35aは、インクリメント後の座標iが画像データp(x)におけるi座標の最大値imax(たとえば3840ピクセル)を超えたか否かを判定し(ステップS114)、最大値imaxを超えていない場合(ステップS114;NO)、ステップS105へリターンして、水平方向における次のピクセルに対する処理を実行する。
一方、インクリメント後の座標iが最大値imaxを超えていた場合(ステップS114;YES)、画像処理部35aは、水平方向の座標iをリセット(i=0)するとともに、垂直方向の座標jを1インクリメントする(ステップS115)。これにより、画像データp(x)における走査対象の行が次の行に移る。つづいて画像処理部35aは、インクリメント後の座標jが画像データp(x)におけるj座標の最大値jmax(たとえば2160ピクセル)を超えたか否かを判定し(ステップS116)、最大値jmaxを超えていない場合(ステップS116;NO)、ステップS105へリターンする。
一方で、インクリメント後の座標jが最大値jmaxを超えたということは、解析対象のピクセルが最終行最終列のピクセルを超えたということである。したがって、インクリメント後の座標jが最大値jmaxを超えたということは、解析対象の画像データp(x)から1つ目又は2つ目のマーキング51が検出されなかったことを意味している。そこで、インクリメント後の座標jが最大値jmaxを超えていた場合(ステップS116;YES)には、画像処理部35aは、情報保存部34のデータ表における該当行のロープ伸び量T(x)に所定値を格納し(ステップS117)、ステップS118へ進む。なお、所定値は、図8のステップS20に示す異常判定処理において要注意「△」又は異常「×」と判定される値であってもよいし、マーキング51が検出されなかったと判定される値であってもよい。
また、ステップS106において、ピクセル(i,j)がマーキング51のピクセルであると判定した場合(ステップS106;YES)、画像処理部35aは、当該ピクセル(i,j)が解析中の画像データp(x)から1つ目に検出されたマーキング51、すなわち画像データp(x)に含まれるマーキング画像52のうち最も下流側に位置するマーキング画像52であるか否かを判定する(ステップS107)。ピクセル(i,j)が1つ目に検出されたマーキング51のピクセルであると判定された場合(ステップS107;YES)、画像処理部35aは、このピクセルの座標(i,j)を所定のメモリに保存しておき(ステップS112)、ステップS113へ進み、2つ目のマーキング51を検出する動作を実行する。
一方、ピクセル(i,j)が1つ目に検出されたマーキング51のピクセルではない場合、すなわち、ピクセル(i,j)が2つ目に検出されたマーキング51のピクセルである場合(ステップS107;NO)、画像処理部35aは、図11に示すように、ステップS112で保存しておいた1つ目のマーキング51のピクセルP1の座標(i,j)と今回検出された2つ目のマーキング51として検出されたピクセルP2の座標(i,j)とから、これらの座標間の垂直方向(j座標軸方向)のピクセル数を特定し、特定したピクセル数からマーキング間距離L(x)を算出する(ステップS108)。なお、算出されたマーキング間距離L(x)は、情報保存部34のデータ表における該当する行に格納される。
これを具体例を挙げて説明する。上述した例に合せ、メインロープ23の垂直方向に1100mmの範囲を撮像可能な解像度3840×2160の撮像部32で撮像し、それにより、1ピクセルの実際の垂直方向の長さが0.29mm(=1100mm÷3840ピクセル)であるとすると、ピクセルP1の座標(i,j)からピクセルP2の座標(i,j)までの垂直方向(j座標方向)のピクセル数が2000ピクセルである場合、ステップS108では、以下の式(1)を用いて、マーキング間距離L(x)が580mm(=0.29mm×2000ピクセル)と算出される。
L(x)=(1ピクセルの実際の垂直方向の長さ)×(ピクセル数) ・・・(1)
図9の説明に戻る。以上のようにして、1つ目に検出されたマーキング51から2つ目に検出されたマーキング51までのマーキング間距離L(x)を算出すると、つぎに、情報処理部35のロープ伸び判定部35bが、1つ目のマーキング51と2つ目のマーキング51との間における不検出マーキングの数nを特定する(ステップS109)。不検出マーキング数nは、メインロープ23に付されているマーキング51の設計上の間隔Lを用いて以下の式(2)に基づき特定することが可能である。
L×(n+1)≦L(x)≦L×(n+2)(nは0以上の整数) ・・・(2)
たとえば、メインロープ23に付されたマーキング51の設計上の間隔Lが500mmであって、ステップS108で算出されたマーキング間距離L(x)が1024mmであった場合、上記式(2)より、不検出マーキング数nは、‘1’と特定することができる。
つぎにロープ伸び判定部35bは、ステップS108で算出したマーキング間距離L(x)とステップS109で特定した不検出マーキング数nとから、以下の式(3)に基づくことで、1つ目に検出されたマーキング51と2つ目に検出されたマーキング51との間に存在する不検出マーキングを含めた1区間以上のマーキング51間のロープ伸び量T(x)を算出する(ステップS110)。
T(x)={L(x)−L×(n+1)} ・・・(3)
具体例を挙げて説明する。上述した例に合せ、ステップS108で算出されたマーキング間距離L(x)が1024mmであり、ステップS109で特定された不検出マーキング数nが‘1’であるとすると、1つ目に検出されたマーキング51と2つ目に検出されたマーキング51との間に存在するマーキング51で区切られた区間は2つであるため、これらの区間についてのロープ伸び量T(x)は、上述した式(3)より、それぞれ24mmと算出される。
以上のようにしてロープ伸び量T(x)を算出すると、ロープ伸び判定部35bは、算出したロープ伸び量T(x)を、情報保存部34のデータ表において索引yに対応している行のうち、カウント変数x〜x+nで特定される行それぞれに格納し(ステップS111)、ステップS118へ進む。
ステップS118では、情報処理部35は、カウント変数xを1インクリメントし、つづいて、インクリメント後のカウント変数xがカウント変数xの最大値xmaxを超えているか否かを判定する(ステップS119)。
カウント変数xが最大値xmaxを超えていない場合(ステップS119;NO)、情報処理部35はステップS102へリターンし、データ表における次の行に対する処理を実行する。一方、カウント変数xが最大値xmaxを超えている場合(ステップS119;YES)、情報処理部35は、索引yを1インクリメントするとともに、カウント変数xを‘0’にリセットする(ステップS120)。つづいて情報処理部35は、インクリメント後の索引yが索引yの最大値ymaxを超えているか否かを判定する(ステップS121)。なお、索引yの最大値ymax及び各索引yに対するカウント変数xの最大値xmaxは、たとえば情報処理部35が予め情報保存部34のデータ表を確認して取得しておくように構成されてもよい。
索引yが最大値ymaxを超えていない場合(ステップS121;NO)、情報処理部35はステップS102へリターンし、データ表における次の行に対する処理を実行する。一方、索引yが最大値ymaxを超えている場合(ステップS121;YES)、情報処理部35は、解析処理(S10)を終了して図8に示す動作へリターンし、次の異常判定処理(S20)を実行する。
つぎに、図8のステップS20に示す異常判定処理の詳細について説明する。図12は、本実施形態にかかる異常判定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。図12に示すように、異常判定処理では、まず、情報処理部35の異常判定部35cが、異常箇所を判定する際の目安として、ロープ伸び量T(x)に対する閾値を1つ以上設定する(ステップS201)。本実施形態では、各区間のメインロープ23の状態を、正常「○」、要注意「△」、および、異常「×」の3段階で判定する場合を例示するため、ステップS201では、図13に例示するように、ロープ伸び量T(x)に対する少なくとも2つの閾値E1およびE2(E2>E1)が設定される。
なお、第1閾値E1は、各区間のメインロープ23の状態が要注意「△」であるかを判定するための閾値であり、第2閾値E2は、各区間のメインロープ23の状態が異常「×」であるかを判定するための閾値である。したがって、ロープ伸び量T(x)が第1閾値E1以下(若しくは未満)の場合には判定結果q(x)に正常「○」が格納され、第1閾値E1より大きく(若しくは以上)且つ第2閾値E2以下(若しくは未満)である場合には判定結果q(x)に要注意「△」が格納され、第2閾値E2より大きい(若しくは以上)場合には判定結果q(x)に異常「×」が格納される。
上述の例にあるように、例えばメインロープ23に付されたマーキング51の間隔Lを500mmとし、メインロープ23の垂直方向に沿った1100mmの範囲を解像度が3840×2160ピクセルの撮像部32で撮像した場合では、間隔Lの1.3%に相当する6.5mmが22〜23ピクセルに相当する。したがって、第2閾値E2を6.5mmとした場合、各区間のメインロープ23の状態が異常「×」であるか否かを十分正確に判定することが可能である。同様に、間隔Lの0.8%に相当する4mmは13〜14ピクセルに相当するため、第1閾値E1を4mmとした場合、各区間のメインロープ23の状態が要注意「△」であるか否かを十分正確に判定することが可能である。ただし、第1閾値E1を4mmとし、第2閾値E2を6.5mmとする例は単なる例にすぎず、エレベータ装置20に要求される仕様等に応じて種々変形することが可能である。
つぎに、異常判定部35cは、情報保存部34のデータ表における対象の行を特定するための索引y及びカウント変数xを、それぞれ初期値であるy=1,x=0に設定し(ステップS202)、つづいて、データ表における索引y及びカウント変数xで特定される行からロープ伸び量T(x)を取得する(ステップS203)。
つぎに、異常判定部35cは、まず、取得したロープ伸び量T(x)が第1閾値E1より大きいか否かを判定する(ステップS204)。ロープ伸び量T(x)が第1閾値E1以下である場合(ステップS204;NO)、異常判定部35cは、データ表の索引y及びカウント変数xで特定される行における判定結果q(x)に正常であることを示す「○」を格納し(ステップS206)、ステップS209へ進む。
一方、ロープ伸び量T(x)が第1閾値E1より大きい場合(ステップS204;YES)、異常判定部35cは、つぎに、ロープ伸び量T(x)が第2閾値E2より大きいか否かを判定する(ステップS205)。ロープ伸び量T(x)が第2閾値E2以下である場合(ステップS205;NO)、異常判定部35cは、データ表の索引y及びカウント変数xで特定される行における判定結果q(x)に要注意であることを示す「△」を格納し(ステップS207)、ステップS209へ進む。一方、ロープ伸び量T(x)が第2閾値E2より大きい場合(ステップS205;YES)、異常判定部35cは、データ表の索引y及びカウント変数xで特定される行における判定結果q(x)に異常であることを示す「×」を格納し(ステップS208)、ステップS209へ進む。
ステップS209では、異常判定部35cは、カウント変数xを1インクリメントし、つづいて、インクリメント後のカウント変数xがカウント変数xの最大値xmaxを超えているか否かを判定する(ステップS210)。
カウント変数xが最大値xmaxを超えていない場合(ステップS210;NO)、異常判定部35cはステップS203へリターンし、データ表における次の行に対する処理を実行する。一方、カウント変数xが最大値xmaxを超えている場合(ステップS210;YES)、異常判定部35cは、索引yを1インクリメントするとともに、カウント変数xを‘0’にリセットする(ステップS211)。つづいて異常判定部35cは、インクリメント後の索引yが索引yの最大値ymaxを超えているか否かを判定する(ステップS212)。
索引yが最大値ymaxを超えていない場合(ステップS212;NO)、異常判定部35cはステップS203へリターンし、データ表における次の行に対する処理を実行する。一方、索引yが最大値ymaxを超えている場合(ステップS212;YES)、異常判定部35cは、異常判定処理(S20)を終了して図8に示す動作へリターンし、次の異常箇所位置特定処理(S30)を実行する。
つぎに、図8のステップS30に示す異常箇所位置特定処理の詳細について説明する。図14は、本実施形態にかかる異常箇所位置特定処理の詳細な流れを示すフローチャートである。図14に示すように、異常箇所位置特定処理では、まず、情報処理部35の点検位置演算処理部35dが、初期値を設定する(ステップS301)。
ここで初期値について、図15を用いて説明する。図15には、乗りかご21を基準位置まで移動させた状態が示されている。なお、基準位置とは、異常箇所位置特定処理(S30)において各種演算を実行する際の初期条件となる位置であり、この状態に基づいて各初期値が特定される。図15に示す例では、昇降路に対して設けられた最上階のホール位置(以下、最上階ホール位置という)61が基準位置として示されている。この基準位置は、たとえば撮像部32による撮像動作の開始時点の位置と同じであってもよい。
図15に示すように、初期値には、例えば、乗りかご21の高さu1と、基準位置(最上階ホール位置61)にある乗りかご21の上端(たとえば天井)から撮像部32までの高さwと、乗りかご21の上端(たとえば天井)からこの上端に乗っている点検員63の目線(以下、点検位置という)までの高さhと、巻上機26の頂部から撮像部32までのメインロープ23の長さrとが含まれる。これらの値u1、w、hおよびrは、図15に示す状態に基づいて、予め固定値として求めることが可能である。そこでステップS301では、点検位置演算処理部35dは、所定の記憶領域に格納されている値u1、w、hおよびrを取得して、これらを初期値として設定する。
図14の説明に戻る。初期値を設定後、点検位置演算処理部35dは、情報保存部34のデータ表における対象の行を特定するための索引y及びカウント変数xを、それぞれ初期値であるy=1,x=0に設定し(ステップS302)、つづいて、データ表における索引y及びカウント変数xで特定される行から所定の格納データを取得する(ステップS303)。なお、取得される格納データには、例えば、かご位置パルス値Cpと、判定結果q(x)とが含まれる。
つぎに、点検位置演算処理部35dは、取得した判定結果q(x)が異常「×」又は要注意「△」であるか否かを判定し(ステップS304)、異常「×」でも要注意「△」でもなければ(ステップS304;NO)、ステップS309へ進む。
一方、判定結果q(x)が異常「×」又は要注意「△」である場合(ステップS304;YES)、点検位置演算処理部35dは、データ表において異常「×」又は要注意「△」である判定結果q(x)と同じ行に格納されているかご位置パルス値Cpに基づいて、点検員63の目線の高さである点検位置(図15参照)から異常「×」又は要注意「△」と判定された箇所までのメインロープ23の長さu2を算出する(ステップS305)。
ステップS305における長さu2の算出方法を、図16を用いてより詳細に説明する。図16において、符号62は、メインロープ23における異常「×」又は要注意「△」と判定された箇所(異常箇所)を示している。この異常箇所62を発見した画像データp(x)を取得した際の乗りかご21の位置は、データ表において、判定結果q(x)が異常「×」又は要注意「△」である行と同じ行に格納されているかご位置パルス値Cpによって特定される。したがって、異常箇所62を撮像部32に対応する位置まで移動させるために必要となる乗りかご21の基準位置(最上階ホール位置61)からの移動距離v2は、乗りかご21が基準位置にあることを示すかご位置パルス値Cpと、データ表において異常箇所62に対応する行に格納されているかご位置パルス値Cpとの差(たとえばパルス数)を長さに換算することで求めることができる。
また、撮像部32から最上階ホール位置61までの距離v1は、固定値である初期値u1およびwを用いて算出することができる(v1=u1+w)(図15参照)。したがって、異常箇所62から点検位置(点検員63の目線)までのメインロープ23の長さu2は、以下の式(4)を用いて求めることができる。
u1+u2+h=v1+v2
u2=v1+v2−u1−h
=(u1+w)+v2−u1−h
=v2+w−h ・・・(4)
図14の説明に戻る。以上のようにして、異常箇所62から点検位置までのメインロープ23の長さu2を算出すると、つぎに点検位置演算処理部35dは、異常箇所62と点検位置(点検員63の目線)とを同じ長さとするために必要となる乗りかご21の基準位置(最上階ホール位置61)からのかご移動距離u5を算出する(ステップS306)。
ステップS306におけるかご移動距離u5の算出方法を、図17を用いてより詳細に説明する。たとえば異常箇所62を撮像部32に対応する位置(図16に示す状態参照)から作業員63の目線である点検位置(図17に示す状態参照)まで移動させるためには、まず、以下の式(5)を用いることで、撮像部32の高さから点検位置までの距離と撮像部32の高さから異常箇所62までの距離とが等しくなる距離u3を求める。
u3=(u2−r×2)/2
={(v2+w−h)−2r}/2
=(v2+w−h−2r)/2・・・(5)
つづいて、撮像部32の高さから異常箇所62までの距離がu3となる際の乗りかご21の移動距離u4を、以下の式(6)を用いて求める。なお、移動距離u4は、たとえば図16に示す状態、すなわち異常箇所62が撮像部32と対応する位置にある状態からの乗りかご21の移動距離であるとする。
u4=u3+2r
=(v2+w−h−2r)/2+2r
=(v2+w−h)/2+r ・・・(6)
その後、以上のようにして求められた乗りかご21の移動距離u4と、異常箇所62を撮像部32に対応する位置まで移動させるために必要となる乗りかご21の基準位置(最上階ホール位置61)からの移動距離v2とを用い、以下の式(7)を計算することで、基準位置(最上階ホール位置61)からのかご移動距離u5を求めることができる。
u5=v2−u4
=v2−((v2+w−h)/2+r)
=(v2−w+h)/2+r ・・・(7)
図14の説明に戻る。以上のようにして基準位置からのかご移動距離u5を求めると、つぎに点検位置演算処理部35dは、算出した基準位置からのかご移動距離u5を情報保存部34のデータ表における該当する行に格納する(ステップS307)。つづいて、点検位置演算処理部35dは、ステップS306で算出した基準位置からのかご移動距離u5から点検時の乗りかご21の位置を示す異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)を特定し、これにより得られた異常箇所確認用かご位置パルス値S(x)を情報保存部34のデータ表における該当する行に格納し(ステップS308)、ステップS309へ進む。
ステップS309では、点検位置演算処理部35dは、カウント変数xを1インクリメントし、つづいて、インクリメント後のカウント変数xがカウント変数xの最大値xmaxを超えているか否かを判定する(ステップS310)。
カウント変数xが最大値xmaxを超えていない場合(ステップS310;NO)、点検位置演算処理部35dはステップS303へリターンし、データ表における次の行に対する処理を実行する。一方、カウント変数xが最大値xmaxを超えている場合(ステップS310;YES)、点検位置演算処理部35dは、索引yを1インクリメントするとともに、カウント変数xを‘0’にリセットする(ステップS311)。つづいて点検位置演算処理部35dは、インクリメント後の索引yが索引yの最大値ymaxを超えているか否かを判定する(ステップS312)。
索引yが最大値ymaxを超えていない場合(ステップS312;NO)、点検位置演算処理部35dはステップS303へリターンし、データ表における次の行に対する処理を実行する。一方、索引yが最大値ymaxを超えている場合(ステップS312;YES)、点検位置演算処理部35dは、異常箇所位置特定処理(S30)を終了して図8に示す動作へリターンし、以降の動作(S41〜S42)を実行する。
以上のように、本実施形態によれば、撮像部32で取得した画像データを画像処理することで、メインロープ23に発生した局所的な伸びなどの状態異常を検出することが可能となる。その結果、メインロープ23に対する目視による点検やメンテナンス等の必要性の有無や、それらを実施すべき時期などを的確に判断することが可能となる。
また、本実施形態によれば、メインロープ23に施されたマーキング51が変色、消色、キズ等によって画像処理で検出されない場合でも、検出されなかったマーキング51の前後のマーキング51を用いてメインロープ23の状態を診断することが可能であるため、より確実にメインロープ23に発生した局所的な伸びなどの状態異常を検出することが可能となる。その結果、メインロープ23に対する目視による点検やメンテナンス等の必要性の有無や、それらを実施すべき時期などをより的確に判断することが可能となる。
上記実施形態およびその変形例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施形態が可能であることは上記記載から自明である。例えば実施形態に対して適宜例示した変形例は、他の実施形態と組み合わせることも可能であることは言うまでもない。
1…ロープ検査システム、20…エレベータ装置、21…乗りかご、22…カウンタウエイト、23…メインロープ、23a…ストランド、23b…心鋼、23A…ワイヤロープ、23B…カバー層、24…モータ、25…パルスジェネレータ、26…巻上機、27…エレベータ運転制御部、30…ロープ検査装置、31…撮像制御部、32…撮像部、33…情報収集制御部、34…情報保存部、34a…画像保存領域、34b…かご位置パルス値保存領域、35…情報処理部、35a…画像処理部、35b…ロープ伸び判定部、35c…異常判定部、35d…点検位置演算処理部、50,50(1)〜50(M),50A,50B…静止画像、51…マーキング、52,52(1)〜52(K),53…マーキング画像、54…メインロープの画像、61…最上階ホール位置、62…異常箇所、63…点検員。

Claims (5)

  1. 側面に所定間隔でマーキングが施されたロープの前記側面を撮像して得られた画像データを出力する撮像部と、
    前記ロープの巻き上げを行なう巻上機を制御することで前記ロープの一方の端に設けられた乗りかごの昇降を制御するエレベータ運転制御部から出力された前記乗りかごの位置を示す第1パルス値と、前記撮像部から出力された画像データとを対応付けて格納する情報保存部と、
    前記画像データを解析することで前記画像データに含まれる2つのマーキングの画像間の距離を特定し、特定した前記距離に基づいて前記ロープにおける前記2つのマーキングで区切られた区間の伸び量を特定し、前記伸び量に基づいて前記ロープにおける前記区間の状態を判定し、前記判定の結果が正常でないことを示している前記区間を点検員が点検可能な位置となる際の前記乗りかごの位置を示す第2パルス値を前記画像データに対応付けられた前記第1パルス値を用いて特定する情報処理部と、
    を備えるロープ検査装置。
  2. 前記情報処理部は、前記画像データにおける前記2つのマーキングの画像間の前記距離が、前記所定間隔の(n+1)倍(nは0以上の整数)以上で且つ前記所定間隔の(n+2)倍以下である場合、前記2つのマーキングの画像間にn個の検出されなかったマーキングの画像が存在するとして、各マーキングの画像間の距離を特定する請求項1に記載のロープ検査装置。
  3. 前記情報処理部は、第1閾値及び前記第1閾値よりも大きい第2閾値と前記伸び量とを比較し、前記伸び量が前記第1閾値以下であれば前記区間の状態を正常と判定し、前記伸び量が前記第1閾値より大きく前記第2閾値以下であれば前記区間の状態を要注意と判定し、前記伸び量が前記第2閾値より大きければ前記区間の状態を異常と判定する請求項1に記載のロープ検査装置。
  4. 前記情報処理部は、前記判定の結果が正常でないことを示している前記区間について、前記区間が前記撮像部の撮像範囲内に位置する第1状態での前記区間から前記点検員の目線の高さまでの第1距離を前記画像データに対応付けられている第1パルス値に基づいて算出し、前記区間と前記点検員の前記目線の高さとが同じ高さとなる第2状態となるまでの前記第1状態からの前記乗りかごの第1移動距離を前記第1距離を用いて算出し、前記乗りかごが所定の基準位置にある第3状態から前記第2状態となるまでの前記乗りかごの第2移動距離を前記第1移動距離を用いて算出し、算出された前記第2移動距離に基づいて前記第2パルス値を特定する請求項1に記載のロープ検査装置。
  5. 前記情報保存部に格納されたデータを参照可能な遠隔端末をさらに備え、
    前記情報処理部は、前記判定の結果を前記画像データ及び前記第1パルス値に対応付けて前記情報保存部に格納し、
    前記遠隔端末は、前記情報保存部に格納されたデータを参照することで、正常でないことを示す前記判定の結果が存在するか否かを判定し、正常でないことを示す前記判定の結果が存在する場合、前記ロープに要点検箇所が存在することを外部へ発報する
    請求項1に記載のロープ検査装置。
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