JP2018201389A - コケ用育成基盤材およびコケの育成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】育成基盤上においてコケの活着および育成を促進できる技術を提供する。【解決手段】この育成基盤材1は、コケをその表面に活着および育成させるための育成基盤材である。育成基盤材1は、熱融着性繊維が配合される。また、育成基盤材1は、コケが配置される表面に、凹部20を有する。コケ切片が凹部20内に配置されることにより、コケ切片が散水や風によって移動するのが抑制される。また、各コケ切片の全部または一部が凹部20内に配置されることにより、コケ切片と基盤材の表面との接触箇所が増える。これにより、育成基盤材にコケ切片が活着しやすい。【選択図】図1
Description
本発明は、コケ用育成基盤材およびコケの生育方法に関する。
近年、都市緑化の観点から、壁面緑化とともに、蘚苔類や藻類などの育成基盤材の表面にコケを育成したコケマットが注目されている。従来のコケマットについては、例えば、特許文献1に記載されている。また、コケ植物を育成する方法には、例えば、種苔と呼ばれるコケの破片を培養土や育成基盤材の表面に播いて栽培を行う方法が知られている。
特許文献1に記載のコケ緑化用マット1では、マット状に栽培されたコケ植物3をポリエステル繊維ボード2からなるマットベース(育成基盤材)上にコケ植物3を配置してコケ緑化用マットを製造している。コケは根を持たないため、コケを移植しようとすると、コケ層が移植先のマットベースに容易に活着しないという問題がある。活着に時間がかかると、コケ層がマットベースから離脱するおそれがある。そこで、特許文献1に記載のコケ緑化用マットでは、コケ層の離脱を防ぐためにネット4で被覆したうえで、さらにタック5または縫合用糸6により固定をしている。しかしながら、この方法では、移植および固定に手間がかかる。
このため、コケマットを製造するためには、育成されたコケを育成基盤状に移植するのではなく、育成基盤材上にコケの切片を播いて、育成基盤上でコケを育成させる方法が好ましい。しかしながら、この方法においても、コケ植物を育成する際に、苔は根を持たないため、種苔を培養土や育成基盤材の表面に播いてから活着するまでの間、散水時に水で流れたり、風で飛散したりして効率良く活着させるのが困難であるという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、育成基盤上においてコケの活着および育成を促進できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、コケをその表面に活着および育成させるための育成基盤材であって、熱融着性繊維が配合され、前記コケが配置される表面に、凹部を有する、育成基盤材である。
本願の第2発明は、第1発明の育成基盤材であって、前記凹部の短手方向の幅が、5mm以上かつ30mm以下である。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の育成基盤材であって、前記凹部の深さが、1mm以上かつ15mm以下である。
本願の第4発明は、第1発明ないし第3発明のいずれかの育成基盤材であって、前記凹部は、格子状に配置された複数の溝である。
本願の第5発明は、第1発明ないし第4発明のいずれかの育成基盤材であって、前記凹部の短手方向の断面形状が、V字状またはU字状である。
本願の第6発明は、第1発明ないし第5発明のいずれかの育成基盤材を用いたコケの育成方法であって、a)前記育成基盤材の前記凹部を有する前記表面にコケ切片を播く工程と、b)工程a)の後に、前記表面を親水性の被覆材により覆う工程と、を有する。
本願の第1発明から第6発明によれば、凹部内に各コケ切片の一部または全部が配置されることにより、コケ切片が散水や風によって移動するのが抑制される。また、コケ切片と育成基盤材の表面との接触箇所が増える。これにより、育成基盤材にコケ切片が活着しやすい。すなわち、コケの活着および育成が促進される。
特に、本願の第2発明および第3によれば、コケ切片が凹部内に配置されやすい。これにより、コケ切片の移動がより抑制される。また、コケ切片と育成基盤材との接触箇所が増え、コケ切片がより活着しやすい。
特に、本願の第4発明によれば、育成基盤材の表面にコケ切片を均等かつ適度な密度で配置しやすい。
特に、本願の第5発明によれば、凹部内においてコケ切片が育成基盤材の表面により接触しやすい。これにより、コケ切片が育成基盤材にさらに活着しやすい。
特に、本願の第6発明によれば、コケ切片が散水や風により移動しにくい。これにより、コケの活着がより促進される。
以下では、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本願では、コケマットの表面側を上方向、コケマットの裏面側を下方向として上下方向を定義する。
<1.コケ用育成基盤材の構成>
図1は、一実施形態に係るコケ用の育成基盤材1の上面図である。図2は、育成基盤材1の部分断面図である。育成基盤材1は、その表面にコケを活着および育成させるための基盤材である。なお、本願において、「コケ」とは、苔類、蘚類、ツノゴケ類を含むコケ植物の他、地衣類や藻類を含む小型の植物を総称したものである。この育成基盤材1上では、例えば、ハイゴケ、スギゴケ、アオギヌゴケ、シノブゴケ、スナゴケ、タマゴケ、コツボゴケ、ナミガタタチゴケ、カモジゴケ、シッポゴケ、ホソバオキナゴケ、フデゴケ、コウヤノマンネンゴケ、ヒノキゴケなどが育成される。なお、その他の種類のコケが育成基盤材1上で育成されてもよい。
図1は、一実施形態に係るコケ用の育成基盤材1の上面図である。図2は、育成基盤材1の部分断面図である。育成基盤材1は、その表面にコケを活着および育成させるための基盤材である。なお、本願において、「コケ」とは、苔類、蘚類、ツノゴケ類を含むコケ植物の他、地衣類や藻類を含む小型の植物を総称したものである。この育成基盤材1上では、例えば、ハイゴケ、スギゴケ、アオギヌゴケ、シノブゴケ、スナゴケ、タマゴケ、コツボゴケ、ナミガタタチゴケ、カモジゴケ、シッポゴケ、ホソバオキナゴケ、フデゴケ、コウヤノマンネンゴケ、ヒノキゴケなどが育成される。なお、その他の種類のコケが育成基盤材1上で育成されてもよい。
育成基盤材1は、ピートモス、パーライト、粘土鉱物等の培養資材に用いられる材料と、熱融着性繊維とを配合して加熱することにより、成形される。
育成基盤材1に用いられる熱融着性繊維は、配合される培養資材との接着がなされるものであればよい。なお、育成基盤材1に用いられる熱融着性繊維は、加熱処理後もその繊維形状を保ちながら繊維同士の融着状態および繊維と培養資材との接着状態を維持できることが好ましい。
具体的には、育成基盤材1に用いられる熱融着性繊維として、例えば、融点または軟化点の高い繊維形成性重合体(第1成分)と、第1成分の繊維形成性重合体よりも20℃以上融点または軟化点が低い熱可塑性重合体(第2成分)とからなる複合紡糸繊維または混合紡糸繊維が用いられる。第1成分の繊維形成性重合体を含むことにより、加熱処理を施した後でも繊維形態を維持しやすい。また、例えば、湿熱接着性を有する繊維形成性重合体からなる熱融着性繊維が用いられる。
上記の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維では、繊維表面の少なくとも一部、好ましくは繊維表面の80%以上が第2成分の熱可塑性重合体から形成されていることが好ましい。その場合、加熱処理によって繊維の溶融接着(繊維同士の接着および繊維と培養資材との接着)が良好に行われる。したがって、強度が高く、かつ、形状保持性に優れた育成基盤材を得ることができる。また、第2成分の熱可塑性重合体は、その融点または軟化点が130℃以下であることが好ましい。その場合、熱融着性繊維の溶融接着を円滑に行うことができる。
第1成分の繊維形成性重合体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどの高い融点または軟化点を有する繊維形成性重合体が用いられる。また、第2成分の熱可塑性重合体としては、例えば、変性ポリエステル(共重合ポリエステルなど)、変性ポリアミド(共重合ポリアミドなど)、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体が用いられる。上記の複合紡糸繊維または混合紡糸繊維は、第1成分の繊維形成性重合体の1種または2種以上と、第2成分の熱可塑性重合体の1種または2種以上とを組み合わせて形成できる。
複合紡糸繊維は、2種以上の重合体の各々が繊維の長さ方向に途中で途切れることなく連続した状態で互いに接合して1本の繊維(複合繊維)を形成している繊維である。複合紡糸繊維の複合形態は、繊維の横断面形状から見て、海島型、芯鞘型、貼り合わせ型(サイドバイサイド型)またはそれらの混在型などに分けられる。育成基盤材1には、第2成分用重合体の少なくとも一部が繊維表面に露出している海島型、芯鞘型、貼り合わせ型(サイドバイサイド型)またはそれらの混在型の複合紡糸繊維を用いることが好ましい。また、育成基盤材1には、低融点または低軟化点の熱可塑性重合体(第2成分)を鞘成分とし、高融点または高軟化点の繊維形成性重合体(第1成分)を芯成分とする芯鞘型の複合紡糸繊維が用いられることがより好ましい。このような複合紡糸繊維では、全表面が低融点または低軟化点の第2成分から形成されているため、溶融接着性に優れている。
混合紡糸繊維は、互いに均一に混ざり合わない2種以上の重合体を紡糸口金から紡出する以前の段階で混合して紡糸することによって形成される繊維である。すなわち、混合紡糸繊維は、2種以上の重合体の1種または2種以上が繊維の長さ方向に途中で途切れながら互いに接合して1本の繊維を形成している繊維である。混合紡糸繊維の横断面は、一般に海島型の構造を有していることが多く、場合によって貼り合わせ型の構造を採ることもある。育成基盤材1には、混合紡糸繊維として、低融点または低軟化点の熱可塑性重合体(第2成分)が海成分をなし、高融点または高軟化点の繊維形成性重合体(第1成分)が島成分をなしている混合紡糸繊維を用いることが好ましい。このような混合紡糸繊維では、繊維の表面部分に低融点または低軟化点の第2成分が多く存在するため、溶融接着性に優れている。
また、湿熱接着性を有する繊維形成性重合体よりなる熱融着性繊維として、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性ポリエステル(共重合ポリエステルなど)、変性ポリアミド(共重合ポリアミドなど)などが用いられる。中でも、育成基盤材1には、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体よりなる熱融着性繊維を用いることが好ましい。加熱成形時に低温にて成形可能であるため、湿熱接着性を有する繊維形成性重合体を単独成分とする熱融着性繊維を用いることが好ましい。
育成基盤材1に用いられる熱融着性繊維の断面形状は、特に制限されない。本発明で用いる熱融着性繊維の断面形状は、例えば、丸型、三角形型、T型、偏平型、多葉型、V字型、中空型などのいずれの断面形状であってもよい。また、本発明では、上記の熱融着性繊維の2種類以上を併用してもよい。
また、育成基盤材1に用いられる培養資材として、例えば、赤玉土、鹿沼土、日向土、山砂、川砂、桐生砂、田土、軽石などのいわゆる土(天然土)、人工粒状培土、ピートモス、ココピート、腐葉土、パーク堆肥、亜炭、モミガラ、薫炭、炭粉、ふすまなどの有機質資材、パーライト、バーミキュライト、ロックウール、ゼオライト、鉱滓などの無機質資材、ポリエチレングリコール系湿潤剤などの湿潤剤、無機質肥料、有機質肥料、化学堆肥を用いることができる。
育成基盤材1は、熱融着性繊維と培養資材とを金型などの成形型に充填し、加熱処理をすることにより成形される。加熱成形に用いられる加熱方法および加熱装置は特に制限されない。例えば、オートクレーブに代表される加熱乾燥装置、電子レンジなどの高周波誘電加熱装置、加熱手段を備えた成形型、水蒸気加熱装置などを用いてもよい。
育成基盤材1は、板状(マット状)である。以下では、コケが配置される面を表面、表面と反対側の面を裏面と呼ぶ。図1および図2に示すように、育成基盤材1は、その表面に凹部20を有する。
コケを育成させる際、育成基盤材1の表面にコケ切片を播く。そして、コケ切片が育成基盤材1の表面に活着し、育成することにより、育成基盤材1の表面にコケが生えたコケマットが形成される。育成基盤材1が、その表面に凹部を有することにより、播かれた各コケ切片の一部または全部が凹部内に配置される。これにより、風や散水によってコケ切片が移動するのが抑制される。したがって、コケ切片が偏って配置されることや、育成基盤材1に活着しにくくなることが抑制される。また、各コケ切片の一部または全部が凹部内に配置されることにより、コケ切片と育成基盤材1の表面との接触箇所が増える。これにより、コケ切片が育成基盤材1に活着しやすい。すなわち、コケの活着および育成が促進される。
図1に示すように、凹部20は、格子状に配置された複数の溝21により構成される。溝21を格子状に配置することにより、育成基盤材1の表面に均等に凹部20が配置される。これにより、コケ切片を均等、かつ、適度な密度で配置しやすい。したがって、育成基盤材1上に均等に育成できる。
また、図2に示すように、溝21はそれぞれ、短手方向の断面形状が、V字状である。凹部20の断面形状がV字状である場合、凹部20内においてコケ切片が育成基盤材1の表面に接触しやすい。これにより、コケ切片が育成基盤材1にさらに活着しやすい。
本実施形態の育成基盤材1では、溝21の短手方向の幅が、2mm以上かつ30mm以下である。コケの種類にもよるが、育成基盤材1の表面に播くコケ切片の大きさは1mm〜30mm程度である。このため、溝21の短手方向の幅を2mm〜30mmとすることにより、コケ切片のそれぞれが、上方から見て凹部20内に収まりやすい。したがって、コケ切片が移動するのがより抑制される。
また、本実施形態の育成基盤材1では、溝21の深さが、1mm以上かつ15mm以下である。溝21の深さをコケ切片の大きさの1/2以上とすれば、溝21内に各コケ切片の高さの半分以上が収容される。これにより、コケ切片が移動するのがさらに抑制される。
例えば、ハイゴケのコケ切片として、5mm〜10mm程度の大きさのコケ切片を用いる。この場合、ハイゴケ用の育成基盤材1では、凹部20の短手方向の幅を5mm〜10mm程度とし、凹部20の深さを1mm〜5mm程度とする。なお、アオギヌゴケ、トヤマシノブゴケ、コツボゴケ等においても、ハイゴケと同程度の大きさのコケ切片を用いる。このため、ハイゴケと共通の育成基盤材1を用いることができる。
また、スナゴケのコケ切片として、7mm〜13mm程度の大きさのコケ切片を用いる。この場合、スナゴケ用の育成基盤材1では、凹部20の短手方向の幅を10mm〜20mm程度とし、凹部20の深さを5mm〜10mm程度とする。なお、ナミガタタチゴケ、カモジゴケ、シッポゴケ、ホソバオキナゴケ、フデゴケ、タマゴケ等においても、スナゴケと同程度の大きさのコケ切片を用いる。このため、スナゴケと共通の育成基盤材1を用いることができる。
また、スギゴケのコケ切片として、10mm〜15mm程度の大きさのコケ切片を用いる。この場合、スギゴケ用の育成基盤材1では、凹部20の短手方向の幅を20mm〜30mm程度とし、凹部20の深さの幅を10mm〜15mm程度とする。なお、コウヤノマンネンゴケ、ヒノキゴケ等においても、スギゴケと同程度の大きさのコケ切片を用いる。このため、スギゴケと共通の育成基盤材1を用いることができる。
育成基盤材1の厚みは、20mm以上85mm以下であることが好ましい。20mm以上厚みがあることにより、育成基盤材1にコケを育成するための十分な水分を保持できる。また、40mmよりも厚みを大きく場合であっても、40mmの場合と比べて保水能力が顕著に向上しないため、20mm以上40mm以下であることがより好ましい。
<2.育成基盤材を用いたコケの育成方法>
続いて、図3を参照しつつ、育成基盤材1を用いたコケの育成方法について説明する。図3は、育成基盤材1を用いたコケの育成方法の流れを示したフローチャートである。
続いて、図3を参照しつつ、育成基盤材1を用いたコケの育成方法について説明する。図3は、育成基盤材1を用いたコケの育成方法の流れを示したフローチャートである。
育成基盤材1を用いてコケを育成する場合、まず、コケ切片を作成する(ステップS1)。コケ切片は、ハサミでコケをカットしてもよいし、コケ粉砕機を用いてコケを細かくしてもよい。例えば、ハイゴケは5mm〜10mm程度の大きさにカットする。また、スギゴケは、10mm〜15mm程度の大きさにカットする。
次に、ステップS1で作成したコケ切片を育成基盤材1の表面に播く(ステップS2)。このとき、被覆率が10%〜20%程度となるようにコケ切片を播く。そして、凹部20に覆土を行う(ステップS3)。なお、ステップS3の覆土の工程は、省略してもよい。スギゴケなどの比較的大きいコケ切片を育成する場合、育成基盤材1として、凹部20の深さが比較的深いものを使用する。そのような場合、覆土をすることで、よりコケ切片が育成基盤材1に活着しやすくなる。
続いて、親水性の被覆材で育成基盤材1の表面を覆う(ステップS4)。被覆材には、例えば、透水性を有する不織布や、ペーパータオル等の紙が用いられる。被覆材により、コケ切片が散水や風により移動するのがさらに抑制される。また、親水性の被覆材を用いることにより、被覆材の上から散水を行うことができる。
その後、散水や施肥を適度な間隔で行う(ステップS5)。これにより、コケが育成する。なお、コケが活着し、被覆率が80%程度となると、コケマットとして敷設を行う。
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
図4は、一変形例に係る育成基盤材1Aの部分断面図である。この育成基盤材1Aでは、凹部20Aの短手方向の断面形状がU字状である。これにより、凹部20A内においてコケ切片が育成基盤材1Aの表面に接触しやすい。これにより、コケ切片が育成基盤材1Aに活着しやすい。上記の実施形態では、凹部の短手方向の断面形状がV字状であったが、このように、U字状であってもよいし、コ字状であってもよい。
図5は、他の変形例に係る育成基盤材1Bの上面図である。この育成基盤材1Bは、凹部20Bが複数の溝21Bを含む。また、複数の溝21Bにより囲まれた部分が、上面から見てそれぞれ三角形状である。
また、図6は、他の変形例に係る育成基盤材1Cの上面図である。この育成基盤材1Cは、凹部20Cが複数の溝21Cを含む。また、複数の溝21Cにより囲まれた部分が、上面から見てそれぞれ六角形状である。
上記の実施形態では、凹部を構成する複数の溝が格子状に配置されていた。しかしながら、図5および図6の例のように、凹部を構成する複数の溝は、自由に配置されてよい。しかしながら、凹部は、育成基盤材の表面に満遍なく配置されることが好ましい。
また、上記の実施形態の育成基盤材は、凹部を構成する複数の溝が、同一幅かつ同一深さであったが、本発明はこれに限られない。凹部が、異なる幅および異なる深さの溝の組み合わせで構成されてもよい。
また、上記の実施形態の育成基盤材は、熱融着性繊維と培養資材とが配合された層のみから構成されたが、本発明はこれに限られない。本発明の育成基盤材は、少なくとも、コケ切片が配置される表面が熱融着性繊維を含む層であればよい。このため、熱融着性繊維を含む層の裏面側に、他の素材でできた層が1つあるいは複数重なって構成されてもよい。
また、育成基盤材の細部の構成については、本願の各図に示された形状と、相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1,1A,1B,1C 育成基盤材
20,20A,20B,20C 凹部
21,21B,21C 溝
20,20A,20B,20C 凹部
21,21B,21C 溝
Claims (6)
- コケをその表面に活着および育成させるための育成基盤材であって、
熱融着性繊維が配合され、
前記コケが配置される表面に、凹部を有する、育成基盤材。 - 請求項1に記載の育成基盤材であって、
前記凹部の短手方向の幅が、5mm以上かつ30mm以下である、育成基盤材。 - 請求項1または請求項2に記載の育成基盤材であって、
前記凹部の深さが、1mm以上かつ15mm以下である、育成基盤材。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の育成基盤材であって、
前記凹部は、格子状に配置された複数の溝である、育成基盤材。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の育成基盤材であって、
前記凹部の短手方向の断面形状が、V字状またはU字状である、育成基盤材。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の育成基盤材を用いたコケの育成方法であって、
a)前記育成基盤材の前記凹部を有する前記表面にコケ切片を播く工程と、
b)工程a)の後に、前記表面を親水性の被覆材により覆う工程と、
を有する、コケの育成方法。
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