JP3073492B1 - 植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人工土壌体 - Google Patents
植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人工土壌体Info
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- JP3073492B1 JP3073492B1 JP11207638A JP20763899A JP3073492B1 JP 3073492 B1 JP3073492 B1 JP 3073492B1 JP 11207638 A JP11207638 A JP 11207638A JP 20763899 A JP20763899 A JP 20763899A JP 3073492 B1 JP3073492 B1 JP 3073492B1
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Abstract
【要約】
【課題】 軽量で、施工性に優れ、臭いや虫の発生等の
恐れなくクリーンであり、給排水、入れ替え作業などの
維持管理が容易であり、保水性、通気性に優れており、
発根性に優れて植物の生育が良好であり、使用後の廃棄
処理が容易で環境に優しく、かつ根切りが良く、密度を
任意に調節できる植物育成用人工土壌体を提供するこ
と。 【解決手段】 熱融着性合成繊維を含む表皮部分を、引
裂強度が10〜400gfになるように熱融着し保形す
ることにより人工土壌体用ユニットを形成し、その人工
土壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形
成しつつ集合させることにより人工土壌体を構成した。
植物は上記の隙間内で育成させる。
恐れなくクリーンであり、給排水、入れ替え作業などの
維持管理が容易であり、保水性、通気性に優れており、
発根性に優れて植物の生育が良好であり、使用後の廃棄
処理が容易で環境に優しく、かつ根切りが良く、密度を
任意に調節できる植物育成用人工土壌体を提供するこ
と。 【解決手段】 熱融着性合成繊維を含む表皮部分を、引
裂強度が10〜400gfになるように熱融着し保形す
ることにより人工土壌体用ユニットを形成し、その人工
土壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形
成しつつ集合させることにより人工土壌体を構成した。
植物は上記の隙間内で育成させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物育成用の人工
土壌体に関する。さらに詳しくは、例えば室内配置観葉
植物、養液栽培、あるいはビル屋上緑化等の培地として
好適に用いることのできる、植物育成用の人工土壌体に
関する。
土壌体に関する。さらに詳しくは、例えば室内配置観葉
植物、養液栽培、あるいはビル屋上緑化等の培地として
好適に用いることのできる、植物育成用の人工土壌体に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、観葉植物が室内のインテリアと
して多用されている。観葉植物等の植物を飾ることで、
室内の空気がリフレッシュされ、ホルムアルデヒドやベ
ンゼンといった有害物質も中和されるとの研究結果も出
ており、観葉植物等の植物を飾ることは生活環境を快適
にしてくれるものである。しかし、観葉植物等を通常の
土に植えた場合は、土に起因する臭いや虫の発生等の恐
れの問題から、室内に飾ること、とりわけ食卓や子供部
屋に飾ることに抵抗があるのが現実である。
して多用されている。観葉植物等の植物を飾ることで、
室内の空気がリフレッシュされ、ホルムアルデヒドやベ
ンゼンといった有害物質も中和されるとの研究結果も出
ており、観葉植物等の植物を飾ることは生活環境を快適
にしてくれるものである。しかし、観葉植物等を通常の
土に植えた場合は、土に起因する臭いや虫の発生等の恐
れの問題から、室内に飾ること、とりわけ食卓や子供部
屋に飾ることに抵抗があるのが現実である。
【0003】近年、粘土を高温で焼き、発泡させた無機
質発泡体の粒状物が開発され、ハイドロボールとの名の
下に、上記通常の土の問題を解決した人工土壌体として
市販されている。また、吸水性の高分子材料からなるも
のも開発され、上記通常の土の問題を解決した人工土壌
体として、カラフルな形で市販されている。しかし、上
記粒状無機質発泡体の人工土壌体には、カビが生え易い
等の問題がある。ただし、当該人工土壌体には、カビが
生える等の不都合が生じた場合、加熱して炒れば再生、
再利用できるというメリットもある。また、上記吸水性
高分子材料からなる人工土壌体には、それ自体の構造性
が少ないので、植物の茎を真っ直ぐ安定させることが難
しい等の問題があり、そのために例えばウレタン等を用
いて支えている例も見られる。当該人工土壌体には、植
物の根が常に肥料(水)と接しているために、根の生育
がほとんど見られないという問題もある。
質発泡体の粒状物が開発され、ハイドロボールとの名の
下に、上記通常の土の問題を解決した人工土壌体として
市販されている。また、吸水性の高分子材料からなるも
のも開発され、上記通常の土の問題を解決した人工土壌
体として、カラフルな形で市販されている。しかし、上
記粒状無機質発泡体の人工土壌体には、カビが生え易い
等の問題がある。ただし、当該人工土壌体には、カビが
生える等の不都合が生じた場合、加熱して炒れば再生、
再利用できるというメリットもある。また、上記吸水性
高分子材料からなる人工土壌体には、それ自体の構造性
が少ないので、植物の茎を真っ直ぐ安定させることが難
しい等の問題があり、そのために例えばウレタン等を用
いて支えている例も見られる。当該人工土壌体には、植
物の根が常に肥料(水)と接しているために、根の生育
がほとんど見られないという問題もある。
【0004】また、例えば、花卉の養液栽培は、バラの
栽培を中心に伸び率が高く、近年のバラの全栽培面積に
おけるロックウール栽培の導入割合は30%を越えてい
る。これは、養液栽培により、手間、煩わしさ、重労働
からの解放と、快適な労働環境への脱皮を図るものと考
えられる。この養液栽培の導入割合は今後一層増大し、
バラ以外の他の草花への導入も一層加速されることが予
測される。
栽培を中心に伸び率が高く、近年のバラの全栽培面積に
おけるロックウール栽培の導入割合は30%を越えてい
る。これは、養液栽培により、手間、煩わしさ、重労働
からの解放と、快適な労働環境への脱皮を図るものと考
えられる。この養液栽培の導入割合は今後一層増大し、
バラ以外の他の草花への導入も一層加速されることが予
測される。
【0005】そして、上記養液栽培において、ロックウ
ール、すなわち、一般に玄武岩、鉱滓等を1500℃程
度で溶融し、遠心力、高圧空気等を利用して直径数μm
の繊維状に加工された人造鉱物繊維が、最もポピュラー
な培地として用いられている。しかし、養液栽培の導入
割合が増大し、ロックウールの使用量が増大するに従っ
て、使用後のロックウールの、燃えない、腐らない、処
理コストが高いという廃棄処理上の問題がクローズアッ
プされてきている。環境に優しい養液栽培の培地の試
作、開発も進められているが、従来提案されている培地
は、ピートモス、ヤシ殻、クリプトモス等の有機物が主
であって、これらの有機物は、栽培面積・普及率の点で
ロックウール耕ほどではない。
ール、すなわち、一般に玄武岩、鉱滓等を1500℃程
度で溶融し、遠心力、高圧空気等を利用して直径数μm
の繊維状に加工された人造鉱物繊維が、最もポピュラー
な培地として用いられている。しかし、養液栽培の導入
割合が増大し、ロックウールの使用量が増大するに従っ
て、使用後のロックウールの、燃えない、腐らない、処
理コストが高いという廃棄処理上の問題がクローズアッ
プされてきている。環境に優しい養液栽培の培地の試
作、開発も進められているが、従来提案されている培地
は、ピートモス、ヤシ殻、クリプトモス等の有機物が主
であって、これらの有機物は、栽培面積・普及率の点で
ロックウール耕ほどではない。
【0006】また、例えば、ビルの屋上に植物を植えて
ビルの屋上を緑化することがしばしば行われている。そ
の際、植物を植えるために通常の土を用いたのでは、土
の荷重でビルの構造に負担がかかる、ビルの屋上への土
の搬入等施工が煩雑である、給水、排水、土の入れ替え
等の維持管理が煩雑である等の問題がある。したがっ
て、軽量で、施工が容易で、維持管理も容易であるよう
なビル屋上緑化のための土壌が求められている。
ビルの屋上を緑化することがしばしば行われている。そ
の際、植物を植えるために通常の土を用いたのでは、土
の荷重でビルの構造に負担がかかる、ビルの屋上への土
の搬入等施工が煩雑である、給水、排水、土の入れ替え
等の維持管理が煩雑である等の問題がある。したがっ
て、軽量で、施工が容易で、維持管理も容易であるよう
なビル屋上緑化のための土壌が求められている。
【0007】また、従来、合成繊維の不織布からなるマ
ット状の人工土壌体が知られている(例えば特開平7−
163235号公報)。しかし、このマット状人工土壌
体は、その施工が煩雑であり、施工性に劣るという問題
がある。例えば、室内配置観葉植物の培地として用いる
場合、該観葉植物を植える植木鉢の形状に適合するよ
う、マット状人工土壌体の形状を切断等により整形、加
工する必要があり、その際、切り端等の無駄ないし廃棄
物が生じることがあるという問題がある。また、マット
状人工土壌体を構成する合成繊維の長軸が垂直方向に向
くように培地を形成しようとするとき、かかる培地の形
成は一層煩雑となる。また、例えば、当該マット状人工
土壌体を養液栽培の培地あるいはビル屋上緑化の培地と
して用いる場合も、上記の室内配置観葉植物の培地に用
いる場合と同様の問題がある。
ット状の人工土壌体が知られている(例えば特開平7−
163235号公報)。しかし、このマット状人工土壌
体は、その施工が煩雑であり、施工性に劣るという問題
がある。例えば、室内配置観葉植物の培地として用いる
場合、該観葉植物を植える植木鉢の形状に適合するよ
う、マット状人工土壌体の形状を切断等により整形、加
工する必要があり、その際、切り端等の無駄ないし廃棄
物が生じることがあるという問題がある。また、マット
状人工土壌体を構成する合成繊維の長軸が垂直方向に向
くように培地を形成しようとするとき、かかる培地の形
成は一層煩雑となる。また、例えば、当該マット状人工
土壌体を養液栽培の培地あるいはビル屋上緑化の培地と
して用いる場合も、上記の室内配置観葉植物の培地に用
いる場合と同様の問題がある。
【0008】また、上記の不織布からなるマット状人工
土壌体は、植物が生育するに伴って根が不織布内部の繊
維の間に絡み入り、そのため植物を収穫もしくは移植す
る際に、根の絡みをほどいて植物を引き抜くのが容易で
はなく、しばしば根の一部が切れて不織布内に残ってし
まう、いわゆる根切りが悪いという問題がある。
土壌体は、植物が生育するに伴って根が不織布内部の繊
維の間に絡み入り、そのため植物を収穫もしくは移植す
る際に、根の絡みをほどいて植物を引き抜くのが容易で
はなく、しばしば根の一部が切れて不織布内に残ってし
まう、いわゆる根切りが悪いという問題がある。
【0009】さらに、育成する植物の生長段階によって
人工土壌体の密度を変えたい場合、例えば、根が太くな
るのに伴い土壌体の密度を小さくしたい場合等に、不織
布からなる人工土壌体では、後から密度を変更すること
は不可能である。また、育成する植物の種類によって、
それに適する密度の人工土壌体をそれぞれ用意しなけれ
ばならず煩雑である。
人工土壌体の密度を変えたい場合、例えば、根が太くな
るのに伴い土壌体の密度を小さくしたい場合等に、不織
布からなる人工土壌体では、後から密度を変更すること
は不可能である。また、育成する植物の種類によって、
それに適する密度の人工土壌体をそれぞれ用意しなけれ
ばならず煩雑である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の状況に鑑み、軽量で、施工性に優れ、臭いや虫の
発生等の恐れのないクリーンなものであり、給排水、入
れ替え作業等の維持管理が容易であり、保水性、通気性
に優れており、発根性に優れて植物の生育が良好であ
り、かつ使用後の廃棄処理が容易で環境に優しい人工土
壌体を提供することにある。
従来の状況に鑑み、軽量で、施工性に優れ、臭いや虫の
発生等の恐れのないクリーンなものであり、給排水、入
れ替え作業等の維持管理が容易であり、保水性、通気性
に優れており、発根性に優れて植物の生育が良好であ
り、かつ使用後の廃棄処理が容易で環境に優しい人工土
壌体を提供することにある。
【0011】また本発明は、植物を収穫・移植する際
に、根が土壌体と複雑に絡まることがなく容易に引き抜
くことができ、さらに植物の種類や生長段階の違いによ
って密度を任意に変更することのできる植物育成用の人
工土壌体を提供するものである。
に、根が土壌体と複雑に絡まることがなく容易に引き抜
くことができ、さらに植物の種類や生長段階の違いによ
って密度を任意に変更することのできる植物育成用の人
工土壌体を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らが鋭意研究を
行った結果、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が、特定
の引裂強度になるように熱融着され保形されたものを人
工土壌体用のユニットとし、その複数を集合させること
によって人工土壌体を構成し、上記ユニット間に形成す
る隙間において植物を育成するようにすれば、上記目的
を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、かかる構成の人工土壌体用ユニッ
トにおいて、その密度は0.01〜0.1g/cm3 の
範囲であることが適当であり、その密度に、上記範囲内
において、疎密の分布がある方が一層植物の生育が良好
となることがあることを知見している。
行った結果、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が、特定
の引裂強度になるように熱融着され保形されたものを人
工土壌体用のユニットとし、その複数を集合させること
によって人工土壌体を構成し、上記ユニット間に形成す
る隙間において植物を育成するようにすれば、上記目的
を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
また、本発明者らは、かかる構成の人工土壌体用ユニッ
トにおいて、その密度は0.01〜0.1g/cm3 の
範囲であることが適当であり、その密度に、上記範囲内
において、疎密の分布がある方が一層植物の生育が良好
となることがあることを知見している。
【0013】すなわち、本発明は、上記目的を達成する
ために、次の植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人
工土壌体を提供する。 (1)複数のユニットを集合させ、又は集合させかつ一
体化し、前記ユニット間に形成する隙間において植物を
育成するために使用される人工土壌体用ユニットであっ
て、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が、引裂強度が1
0〜400gfになるように熱融着され保形されてなる
植物育成用の人工土壌体用ユニット。 (2)スティック状、粒状、ボール状、ペレット状、又
は紐状に保形されてなる上記(1)に記載の植物育成用
の人工土壌体用ユニット。 (3)スティック状に保形され、直径が5〜40mmで
ある上記(2)に記載の植物育成用の人工土壌体用ユニ
ット。 (4)スティック状に保形され、周面にシワを形成させ
てなる上記(2)又は(3)に記載の植物育成用の人工
土壌体用ユニット。 (5)複数のユニットを集合させ、又は集合させかつ一
体化し、前記ユニット間に形成する隙間において植物を
育成するために使用される人工土壌体用ユニットであっ
て、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が熱融着され、ス
ティック状、粒状、ボール状、ペレット状、又は紐状に
保形され、かつ周面にシワを形成させてなる植物育成用
の人工土壌体用ユニット。 (6)熱融着性合成繊維がポリオレフィン系合成繊維で
ある上記(1)〜(5)に記載の人工土壌体用ユニッ
ト。 (7)密度が0.01〜0.1g/cm3 である上記
(1)〜(6)に記載の植物育成用の人工土壌体用ユニ
ット。 (8)密度に、0.01〜0.1g/cm3 の範囲にお
いて、疎密の分布がある上記(7)に記載の植物育成用
の人工土壌体用ユニット。 (9)上記(1)〜(8)に記載の植物育成用の人工土
壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形成
しつつ集合させてなる植物育成用の人工土壌体。 (10)上記(1)〜(8)に記載の植物育成用の人工
土壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形
成しつつ集合させ、かつ一体にしてなる植物育成用の人
工土壌体。
ために、次の植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人
工土壌体を提供する。 (1)複数のユニットを集合させ、又は集合させかつ一
体化し、前記ユニット間に形成する隙間において植物を
育成するために使用される人工土壌体用ユニットであっ
て、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が、引裂強度が1
0〜400gfになるように熱融着され保形されてなる
植物育成用の人工土壌体用ユニット。 (2)スティック状、粒状、ボール状、ペレット状、又
は紐状に保形されてなる上記(1)に記載の植物育成用
の人工土壌体用ユニット。 (3)スティック状に保形され、直径が5〜40mmで
ある上記(2)に記載の植物育成用の人工土壌体用ユニ
ット。 (4)スティック状に保形され、周面にシワを形成させ
てなる上記(2)又は(3)に記載の植物育成用の人工
土壌体用ユニット。 (5)複数のユニットを集合させ、又は集合させかつ一
体化し、前記ユニット間に形成する隙間において植物を
育成するために使用される人工土壌体用ユニットであっ
て、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が熱融着され、ス
ティック状、粒状、ボール状、ペレット状、又は紐状に
保形され、かつ周面にシワを形成させてなる植物育成用
の人工土壌体用ユニット。 (6)熱融着性合成繊維がポリオレフィン系合成繊維で
ある上記(1)〜(5)に記載の人工土壌体用ユニッ
ト。 (7)密度が0.01〜0.1g/cm3 である上記
(1)〜(6)に記載の植物育成用の人工土壌体用ユニ
ット。 (8)密度に、0.01〜0.1g/cm3 の範囲にお
いて、疎密の分布がある上記(7)に記載の植物育成用
の人工土壌体用ユニット。 (9)上記(1)〜(8)に記載の植物育成用の人工土
壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形成
しつつ集合させてなる植物育成用の人工土壌体。 (10)上記(1)〜(8)に記載の植物育成用の人工
土壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形
成しつつ集合させ、かつ一体にしてなる植物育成用の人
工土壌体。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の植物育成用の人工土壌体
用ユニットの構成には、種々の熱融着性合成繊維が好ま
しく用いられる。その例として、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系合成繊維、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル系合成繊維、ナイロン
等のポリアミド系合成繊維、例えばポリプロピレンを芯
成分としポリエチレンを鞘成分とするような複合繊維等
が挙げられる。また、上記の熱融着性合成繊維の中でも
捲縮のある熱融着性合成繊維は特に好ましく用いられ
る。さらに、上記ポリプロピレンを芯成分としポリエチ
レンを鞘成分とする複合繊維も含めて、ポリオレフィン
系合成繊維は、耐薬品性に優れ、虫、カビ等にも抵抗性
があり、リサイクルが容易であり、燃焼させてもダイオ
キシン等の有毒物質を発生しないので、好ましく用いら
れる。また、ポリプロピレンを芯成分としポリエチレン
を鞘成分とする複合繊維(以下「PP/PE複合繊維」
と略称する)は、極容易に繊維構造を保持したまま表面
のみを融着させることができる点において一層好ましく
用いることができる。これらの熱融着性合成繊維の繊度
は適宜選択することができるが、一般に2〜6デニール
が適当である。
用ユニットの構成には、種々の熱融着性合成繊維が好ま
しく用いられる。その例として、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン系合成繊維、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル系合成繊維、ナイロン
等のポリアミド系合成繊維、例えばポリプロピレンを芯
成分としポリエチレンを鞘成分とするような複合繊維等
が挙げられる。また、上記の熱融着性合成繊維の中でも
捲縮のある熱融着性合成繊維は特に好ましく用いられ
る。さらに、上記ポリプロピレンを芯成分としポリエチ
レンを鞘成分とする複合繊維も含めて、ポリオレフィン
系合成繊維は、耐薬品性に優れ、虫、カビ等にも抵抗性
があり、リサイクルが容易であり、燃焼させてもダイオ
キシン等の有毒物質を発生しないので、好ましく用いら
れる。また、ポリプロピレンを芯成分としポリエチレン
を鞘成分とする複合繊維(以下「PP/PE複合繊維」
と略称する)は、極容易に繊維構造を保持したまま表面
のみを融着させることができる点において一層好ましく
用いることができる。これらの熱融着性合成繊維の繊度
は適宜選択することができるが、一般に2〜6デニール
が適当である。
【0015】また、本発明の植物育成用の人工土壌体用
ユニットの構成には、必要に応じて、上記熱融着性合成
繊維に加えて他の物質を併用することができる。この他
の物質の例としては、レーヨン・麻・綿等のセルロース
系繊維、あるいは根腐れ防止剤、水腐れ防止剤等として
用いる、炭、ゼオライト等が挙げられる。
ユニットの構成には、必要に応じて、上記熱融着性合成
繊維に加えて他の物質を併用することができる。この他
の物質の例としては、レーヨン・麻・綿等のセルロース
系繊維、あるいは根腐れ防止剤、水腐れ防止剤等として
用いる、炭、ゼオライト等が挙げられる。
【0016】上記の熱融着性合成繊維は、人工土壌体用
ユニットの少なくとも表皮部分に含むものとする。ここ
でいう表皮部分とは、人工土壌体用ユニットの表面から
0.5mm厚さの部分をいう。すなわち、人工土壌体用
ユニットの表皮部分のみに熱融着性合成繊維を含み、ユ
ニット内部は他の物質で構成する場合や、熱融着性合成
繊維を含む原料繊維を用いて人工土壌体用ユニット全体
を構成する場合、あるいは、表皮部分から内部に向かっ
て熱融着性合成繊維の含有量が徐々に減少するような構
成とする場合等が挙げられる。いずれの場合も、他の繊
維を併用する場合、その量は、人工土壌体用ユニットの
表皮部分において、繊維総重量の50重量%以下、好ま
しくは30重量%以下とされる。
ユニットの少なくとも表皮部分に含むものとする。ここ
でいう表皮部分とは、人工土壌体用ユニットの表面から
0.5mm厚さの部分をいう。すなわち、人工土壌体用
ユニットの表皮部分のみに熱融着性合成繊維を含み、ユ
ニット内部は他の物質で構成する場合や、熱融着性合成
繊維を含む原料繊維を用いて人工土壌体用ユニット全体
を構成する場合、あるいは、表皮部分から内部に向かっ
て熱融着性合成繊維の含有量が徐々に減少するような構
成とする場合等が挙げられる。いずれの場合も、他の繊
維を併用する場合、その量は、人工土壌体用ユニットの
表皮部分において、繊維総重量の50重量%以下、好ま
しくは30重量%以下とされる。
【0017】本発明の植物育成用の人工土壌体用ユニッ
トは、上記のような熱融着性合成繊維と必要に応じて他
の物質とを含む表皮部分が、熱融着され保形されてい
る。そして、熱融着は人工土壌体用ユニットの表皮部分
のみとすることもできるし、あるいは人工土壌体用ユニ
ットの内部まで融着させることもできる。融着を表皮部
分のみとした場合には、人工土壌体用ユニットが柔軟に
なりかつ保水性に富むので、人工土壌体用ユニットと育
成する植物とが十分に密着して根が水分を吸収しやすく
なり好ましい。一方、人工土壌体用ユニットの内部まで
融着させた場合には、保水性は若干低下するものの、人
工土壌体用ユニットが硬くなって扱いやすくなるため施
工性が向上する。なお、内部まで熱融着する際は、熱融
着性合成繊維を内部にも含むことは無論である。上記の
融着させる程度は用途によって適宜選択することができ
る。
トは、上記のような熱融着性合成繊維と必要に応じて他
の物質とを含む表皮部分が、熱融着され保形されてい
る。そして、熱融着は人工土壌体用ユニットの表皮部分
のみとすることもできるし、あるいは人工土壌体用ユニ
ットの内部まで融着させることもできる。融着を表皮部
分のみとした場合には、人工土壌体用ユニットが柔軟に
なりかつ保水性に富むので、人工土壌体用ユニットと育
成する植物とが十分に密着して根が水分を吸収しやすく
なり好ましい。一方、人工土壌体用ユニットの内部まで
融着させた場合には、保水性は若干低下するものの、人
工土壌体用ユニットが硬くなって扱いやすくなるため施
工性が向上する。なお、内部まで熱融着する際は、熱融
着性合成繊維を内部にも含むことは無論である。上記の
融着させる程度は用途によって適宜選択することができ
る。
【0018】また、熱融着は、熱融着性合成繊維同士の
接点の一部とすることもできるし、繊維同士の接点の全
部とすることもできる。一般に、繊維同士の接点を融着
する度合いが低いと目的の人工土壌体用ユニットが柔軟
性に富み、繊維同士の接点を融着する度合いが高いと目
的の人工土壌体用ユニットが固くなる。以上の熱融着
は、原料繊維を種々の形状に保形した後に、あるいは保
形するのと同時に、公知の各種圧縮手段、加熱手段等を
適宜選択して行うことができる。
接点の一部とすることもできるし、繊維同士の接点の全
部とすることもできる。一般に、繊維同士の接点を融着
する度合いが低いと目的の人工土壌体用ユニットが柔軟
性に富み、繊維同士の接点を融着する度合いが高いと目
的の人工土壌体用ユニットが固くなる。以上の熱融着
は、原料繊維を種々の形状に保形した後に、あるいは保
形するのと同時に、公知の各種圧縮手段、加熱手段等を
適宜選択して行うことができる。
【0019】熱融着を行うにあたっての圧縮の度合い、
加熱温度、加熱時間等の諸条件は、目的の人工土壌体用
ユニットの所望の密度、柔軟性等の物性、原料の熱融着
性合成繊維の溶融温度等に応じて適宜選択、設定するこ
とができる。例えば、原料の熱融着性合成繊維がPP/
PE複合繊維である場合、一般に、加熱温度は130〜
230℃が適当であり、好ましくは135〜155℃で
ある。
加熱温度、加熱時間等の諸条件は、目的の人工土壌体用
ユニットの所望の密度、柔軟性等の物性、原料の熱融着
性合成繊維の溶融温度等に応じて適宜選択、設定するこ
とができる。例えば、原料の熱融着性合成繊維がPP/
PE複合繊維である場合、一般に、加熱温度は130〜
230℃が適当であり、好ましくは135〜155℃で
ある。
【0020】さらに、人工土壌体用ユニットの表皮部分
の引裂強度は、10〜400gf、好ましくは10〜2
00gfになるように熱融着することが好ましい。ここ
でいう引裂強度は、人工土壌体用ユニットの表面から
0.5mm厚さの部分を試験片として測定される値をい
う。引裂強度が上記の範囲内であれば、人工土壌体用ユ
ニットを集合させたときに、植物が、人工土壌体用ユニ
ットと他の人工土壌体用ユニットとの間に形成される隙
間において優先的に生育する。そのため植物の根が人工
土壌体用ユニット自体に入り込んで熱融着性合成繊維等
の原料繊維に絡みつき根切りが悪くなるようなことが起
こらず、植物を収穫・移植する際に容易に引き抜くこと
ができる。また、植物の生育がさらに進んで隙間が窮屈
になった場合には、植物が人工土壌体用ユニットの表面
を破ってその内部まで伸長することも可能であるため植
物の生育を阻害することがない。すなわち、引裂強度が
400gf以上であると、人工土壌体用ユニットと他の
人工土壌体用ユニットとの隙間だけでは植物が生育する
のに窮屈になったとき、人工土壌体用ユニットの表面を
破ってそれ以上生育することができないため植物の生育
が阻害される可能性がある。また、10gf以下である
と、人工土壌体用ユニットと他の人工土壌体用ユニット
との隙間での生育が優先されず、人工土壌体用ユニット
自体の内部に根が入りこみやすくなり、根切りが悪くな
って本発明の目的を達成することができない場合があ
る。しかし、人工土壌体の用途や育成させる植物の種類
によっては上記の範囲に限定されることなく熱融着する
ことができる。
の引裂強度は、10〜400gf、好ましくは10〜2
00gfになるように熱融着することが好ましい。ここ
でいう引裂強度は、人工土壌体用ユニットの表面から
0.5mm厚さの部分を試験片として測定される値をい
う。引裂強度が上記の範囲内であれば、人工土壌体用ユ
ニットを集合させたときに、植物が、人工土壌体用ユニ
ットと他の人工土壌体用ユニットとの間に形成される隙
間において優先的に生育する。そのため植物の根が人工
土壌体用ユニット自体に入り込んで熱融着性合成繊維等
の原料繊維に絡みつき根切りが悪くなるようなことが起
こらず、植物を収穫・移植する際に容易に引き抜くこと
ができる。また、植物の生育がさらに進んで隙間が窮屈
になった場合には、植物が人工土壌体用ユニットの表面
を破ってその内部まで伸長することも可能であるため植
物の生育を阻害することがない。すなわち、引裂強度が
400gf以上であると、人工土壌体用ユニットと他の
人工土壌体用ユニットとの隙間だけでは植物が生育する
のに窮屈になったとき、人工土壌体用ユニットの表面を
破ってそれ以上生育することができないため植物の生育
が阻害される可能性がある。また、10gf以下である
と、人工土壌体用ユニットと他の人工土壌体用ユニット
との隙間での生育が優先されず、人工土壌体用ユニット
自体の内部に根が入りこみやすくなり、根切りが悪くな
って本発明の目的を達成することができない場合があ
る。しかし、人工土壌体の用途や育成させる植物の種類
によっては上記の範囲に限定されることなく熱融着する
ことができる。
【0021】本発明の人工土壌体用ユニットは種々の形
状に保形されるが、その具体例としては、スティック
状、粒状、ボール状、ペレット状、もしくは紐状等の形
状が挙げられる。ここで、スティック状とは長短軸が存
在するものをいい、粒状、ボール状、もしくはペレット
状とは、長短軸の長さが近似しているか等しいため区別
できないものをいい、紐状とは、スティック状よりも長
軸が長く、屈曲自在なものをいう。これら種々の形状へ
の保形は、手段自体は公知の各種手段を適宜選択、採用
して行うことができる。
状に保形されるが、その具体例としては、スティック
状、粒状、ボール状、ペレット状、もしくは紐状等の形
状が挙げられる。ここで、スティック状とは長短軸が存
在するものをいい、粒状、ボール状、もしくはペレット
状とは、長短軸の長さが近似しているか等しいため区別
できないものをいい、紐状とは、スティック状よりも長
軸が長く、屈曲自在なものをいう。これら種々の形状へ
の保形は、手段自体は公知の各種手段を適宜選択、採用
して行うことができる。
【0022】また、本発明の人工土壌体用ユニットの断
面の形状は、例えば円形、四角形、楕円形、三角形等、
任意の形状とすることができる。その例をスティック状
の人工土壌体用ユニットについて図示すれば、図1〜3
の通りであり、図1は断面形状が円形のスティック状人
工土壌体用ユニット、図2は断面形状が四角形のスティ
ック状人工土壌体用ユニット、図3は断面形状が楕円形
のスティック状人工土壌体用ユニットである。
面の形状は、例えば円形、四角形、楕円形、三角形等、
任意の形状とすることができる。その例をスティック状
の人工土壌体用ユニットについて図示すれば、図1〜3
の通りであり、図1は断面形状が円形のスティック状人
工土壌体用ユニット、図2は断面形状が四角形のスティ
ック状人工土壌体用ユニット、図3は断面形状が楕円形
のスティック状人工土壌体用ユニットである。
【0023】上記のスティック状に保形された人工土壌
体用ユニットの直径は、人工土壌体用ユニットを集合さ
せた場合に形成される隙間が植物の生育にとって適当な
大きさになるような値に設定するものとし、具体的には
5〜40mm、好ましくは5〜20mmとすることが好
ましい。40mm以上であると、隙間が大きすぎるため
植物を植えても真っ直ぐに立たず、不安定になりやす
い。また、人工土壌体用ユニットと植物が密着しにくい
のでユニット中の水分が植物に供給されにくく生育に悪
影響を与える。一方、5mm以下であると、人工土壌体
用ユニットが原料繊維自体のように細くなるため、植物
の根が絡みついた際に結局根切れが悪くなり本発明の目
的を果たせないため不適当である。また、極端に細い人
工土壌体用ユニットは、折れ曲がりやすく扱いにくいた
め施工性も悪くなる。もちろん育成する植物の種類によ
っては(例えば根の細いカイワレ大根等)、上記の範囲
以外の直径とすることもできる。
体用ユニットの直径は、人工土壌体用ユニットを集合さ
せた場合に形成される隙間が植物の生育にとって適当な
大きさになるような値に設定するものとし、具体的には
5〜40mm、好ましくは5〜20mmとすることが好
ましい。40mm以上であると、隙間が大きすぎるため
植物を植えても真っ直ぐに立たず、不安定になりやす
い。また、人工土壌体用ユニットと植物が密着しにくい
のでユニット中の水分が植物に供給されにくく生育に悪
影響を与える。一方、5mm以下であると、人工土壌体
用ユニットが原料繊維自体のように細くなるため、植物
の根が絡みついた際に結局根切れが悪くなり本発明の目
的を果たせないため不適当である。また、極端に細い人
工土壌体用ユニットは、折れ曲がりやすく扱いにくいた
め施工性も悪くなる。もちろん育成する植物の種類によ
っては(例えば根の細いカイワレ大根等)、上記の範囲
以外の直径とすることもできる。
【0024】また、本発明の人工土壌体用ユニットにお
いては、その密度も必要に応じて適宜選択、設定するこ
とができるが、一般に、0.01〜0.1g/cm3 の
範囲が適当であり、好ましくは0.02〜0.06g/
cm3 である。種々の形状に保形する過程において、圧
縮条件、加熱条件等を適宜選択することにより、目的の
人工土壌体用ユニットの密度を所望の密度に調節するこ
とができる。
いては、その密度も必要に応じて適宜選択、設定するこ
とができるが、一般に、0.01〜0.1g/cm3 の
範囲が適当であり、好ましくは0.02〜0.06g/
cm3 である。種々の形状に保形する過程において、圧
縮条件、加熱条件等を適宜選択することにより、目的の
人工土壌体用ユニットの密度を所望の密度に調節するこ
とができる。
【0025】また、密度の均一な人工土壌体用ユニット
とすることもできるし、密度に疎密の分布のある人工土
壌体用ユニットとすることもできる。密度に疎密の分布
のある人工土壌体用ユニットの例を図示すれば、図4〜
9の通りである。図4は、密度に疎密の分布のあるステ
ィック状の人工土壌体用ユニットの作製に用いた、断面
形状が円形で密度の均一なスティック状人工土壌体用ユ
ニットである。図5は、断面形状が円形で密度の均一な
スティック状人工土壌体用ユニットを、受け台2の上で
超音波のホーン1により溶着、切断し、断面がドロップ
状で密度に疎密の分布のあるスティック状の人工土壌体
用ユニットにする過程である。図6は、上記図5の過程
を経て得られた2本の断面がドロップ状で密度に疎密の
分布のあるスティック状の人工土壌体用ユニットであ
り、密度が疎の部分3と密度が密の部分4とを有してい
る。図7は、断面形状が円形で密度の均一なスティック
状の人工土壌体用ユニットの一部に、超音波溶着により
密度が密の部分4を設け、それ以外の部分を密度が疎の
部分3としたスティック状の人工土壌体用ユニットであ
る。図8は、断面形状が円形で密度の均一なスティック
状の人工土壌体用ユニットの一部に、加熱圧縮手段によ
り括れ部を設け、この括れ部を密度が密の部分4とし、
それ以外の部分を密度が疎の部分3としたスティック状
の人工土壌体用ユニットである。図9は、上記図8の場
合より一層極端な括れ部を設け、あたかもボールが繋が
ったような形状にした例であり、密度が疎の部分3と、
密度が密の部分4とを有している。なお、図4〜9はス
ティック状の人工土壌体用ユニットの場合であるが、上
述のボール状や紐状等の形状についても同様に適用でき
る。また、密度に疎密の分布を設ける手段は、手段自体
は公知の各種圧縮手段、加熱手段等を適宜選択、採用す
ることができる。上記のように密度に疎密の分布のある
人工土壌体用ユニットを用いれば、一層植物の生育が良
好となることがあり、これは、密度の変化に応じて保水
率が変化し、この変化が植物に良い刺激を与えるためで
はないかと推測される。一般に、本発明の人工土壌体用
ユニットの湿潤時の保水率は、約60〜80%と良好で
ある。
とすることもできるし、密度に疎密の分布のある人工土
壌体用ユニットとすることもできる。密度に疎密の分布
のある人工土壌体用ユニットの例を図示すれば、図4〜
9の通りである。図4は、密度に疎密の分布のあるステ
ィック状の人工土壌体用ユニットの作製に用いた、断面
形状が円形で密度の均一なスティック状人工土壌体用ユ
ニットである。図5は、断面形状が円形で密度の均一な
スティック状人工土壌体用ユニットを、受け台2の上で
超音波のホーン1により溶着、切断し、断面がドロップ
状で密度に疎密の分布のあるスティック状の人工土壌体
用ユニットにする過程である。図6は、上記図5の過程
を経て得られた2本の断面がドロップ状で密度に疎密の
分布のあるスティック状の人工土壌体用ユニットであ
り、密度が疎の部分3と密度が密の部分4とを有してい
る。図7は、断面形状が円形で密度の均一なスティック
状の人工土壌体用ユニットの一部に、超音波溶着により
密度が密の部分4を設け、それ以外の部分を密度が疎の
部分3としたスティック状の人工土壌体用ユニットであ
る。図8は、断面形状が円形で密度の均一なスティック
状の人工土壌体用ユニットの一部に、加熱圧縮手段によ
り括れ部を設け、この括れ部を密度が密の部分4とし、
それ以外の部分を密度が疎の部分3としたスティック状
の人工土壌体用ユニットである。図9は、上記図8の場
合より一層極端な括れ部を設け、あたかもボールが繋が
ったような形状にした例であり、密度が疎の部分3と、
密度が密の部分4とを有している。なお、図4〜9はス
ティック状の人工土壌体用ユニットの場合であるが、上
述のボール状や紐状等の形状についても同様に適用でき
る。また、密度に疎密の分布を設ける手段は、手段自体
は公知の各種圧縮手段、加熱手段等を適宜選択、採用す
ることができる。上記のように密度に疎密の分布のある
人工土壌体用ユニットを用いれば、一層植物の生育が良
好となることがあり、これは、密度の変化に応じて保水
率が変化し、この変化が植物に良い刺激を与えるためで
はないかと推測される。一般に、本発明の人工土壌体用
ユニットの湿潤時の保水率は、約60〜80%と良好で
ある。
【0026】本発明の植物育成用の人工土壌体用ユニッ
トは、一般に、上記熱融着性合成繊維を含む原料繊維か
ら連続したウエブ状繊維集合体を形成する工程、連続し
たウエブ状繊維集合体を連続的に所定の幅に切断する工
程、所定の幅に切断された連続したウエブ状繊維集合体
を所定の断面形状になるように連続的に圧縮加熱する工
程、所定の断面形状に保形された連続体を所定の長さに
切断する工程を有する製造方法により製造することがで
きる。図10は、かかる製造方法の実施態様の一例をス
ティック状の人工土壌体用ユニットを製造する場合につ
いて示す図である。図10の実施態様においては、ウエ
ブ状繊維集合体形成工程にて、まず原料繊維のステープ
ル・ファイバーがカード機5に供給される(図示省
略)。この原料繊維のステープル・ファイバーの調製は
公知手段によれば良い。供給された原料繊維のステープ
ル・ファイバーからカード機5によりウエブ状繊維集合
体6(非常に柔らかく、伸び縮みし易い)が形成され、
ウエブ状繊維集合体6は、コンベアー等の搬送機7を備
えた前処理予備加熱装置8に通され、ウエブ状繊維集合
体9a(保形性が向上して伸び縮みに強い)が形成され
る。前処理予備加熱装置8においては、通常、加熱によ
り原料繊維同士の接点の一部が融着され、その保形性が
増強される。例えば原料の熱融着性合成繊維がPP/P
E複合繊維である場合、前処理予備加熱装置8において
は、ウエブ状繊維集合体6の厚さにもよるが、一般に1
30〜230℃で数秒〜数分間、好ましくは180〜2
00℃で熱風により30〜40秒間加熱される。上記の
ウエブ状繊維集合体9aは、コンベアー等の搬送機10
により搬送され、ウエブ状繊維集合体を所定幅に切断す
る工程にて、切断機11により所定幅に切断され、複数
の所定幅に切断されたウエブ状繊維集合体9bとされ
る。この複数の所定幅に切断されたウエブ状繊維集合体
9bは、所定断面形状に保形する工程にて、まずコンベ
アー等の搬送機12を備えた成形予備加熱装置13に通
されて予備加熱され、次いで加熱成形機14で円形等の
断面形状に保形され、コンベアー等の搬送機15を備え
た冷却装置16で冷却され、連続した人工土壌体用ユニ
ット17とされる。この連続した人工土壌体用ユニット
17は、切断工程にて、切断機18により所定の長さに
切断され、かくして目的のスティック状の人工土壌体用
ユニット19が得られる。なお、図10はスティック状
の人工土壌体用ユニットを作製する場合であるが、所定
の長さに切断する最終工程において、その長さを適宜選
択することによりボール状、紐状等とできることは無論
である。
トは、一般に、上記熱融着性合成繊維を含む原料繊維か
ら連続したウエブ状繊維集合体を形成する工程、連続し
たウエブ状繊維集合体を連続的に所定の幅に切断する工
程、所定の幅に切断された連続したウエブ状繊維集合体
を所定の断面形状になるように連続的に圧縮加熱する工
程、所定の断面形状に保形された連続体を所定の長さに
切断する工程を有する製造方法により製造することがで
きる。図10は、かかる製造方法の実施態様の一例をス
ティック状の人工土壌体用ユニットを製造する場合につ
いて示す図である。図10の実施態様においては、ウエ
ブ状繊維集合体形成工程にて、まず原料繊維のステープ
ル・ファイバーがカード機5に供給される(図示省
略)。この原料繊維のステープル・ファイバーの調製は
公知手段によれば良い。供給された原料繊維のステープ
ル・ファイバーからカード機5によりウエブ状繊維集合
体6(非常に柔らかく、伸び縮みし易い)が形成され、
ウエブ状繊維集合体6は、コンベアー等の搬送機7を備
えた前処理予備加熱装置8に通され、ウエブ状繊維集合
体9a(保形性が向上して伸び縮みに強い)が形成され
る。前処理予備加熱装置8においては、通常、加熱によ
り原料繊維同士の接点の一部が融着され、その保形性が
増強される。例えば原料の熱融着性合成繊維がPP/P
E複合繊維である場合、前処理予備加熱装置8において
は、ウエブ状繊維集合体6の厚さにもよるが、一般に1
30〜230℃で数秒〜数分間、好ましくは180〜2
00℃で熱風により30〜40秒間加熱される。上記の
ウエブ状繊維集合体9aは、コンベアー等の搬送機10
により搬送され、ウエブ状繊維集合体を所定幅に切断す
る工程にて、切断機11により所定幅に切断され、複数
の所定幅に切断されたウエブ状繊維集合体9bとされ
る。この複数の所定幅に切断されたウエブ状繊維集合体
9bは、所定断面形状に保形する工程にて、まずコンベ
アー等の搬送機12を備えた成形予備加熱装置13に通
されて予備加熱され、次いで加熱成形機14で円形等の
断面形状に保形され、コンベアー等の搬送機15を備え
た冷却装置16で冷却され、連続した人工土壌体用ユニ
ット17とされる。この連続した人工土壌体用ユニット
17は、切断工程にて、切断機18により所定の長さに
切断され、かくして目的のスティック状の人工土壌体用
ユニット19が得られる。なお、図10はスティック状
の人工土壌体用ユニットを作製する場合であるが、所定
の長さに切断する最終工程において、その長さを適宜選
択することによりボール状、紐状等とできることは無論
である。
【0027】上記の成形予備加熱装置13及び加熱成形
機14における加熱温度、加熱時間等の諸条件は、人工
土壌体用ユニットの所望の密度、原料繊維の種類、繊度
等によって適宜設定でき特に限定されるものではない。
成形予備加熱装置13及び加熱成形機14を通じての加
熱により原料繊維同士の接点での融着が一層進み、保形
する際の圧力に応じて密度が増加する。例えば原料の熱
融着性合成繊維がPP/PE複合繊維である場合、成形
予備加熱装置13においては130〜230℃で数秒〜
数分間、好ましくは145〜155℃で30〜40秒間
加熱され、加熱成形機14においては、130〜230
℃、好ましくは150〜155℃で加熱される。加熱成
形機14における圧力は、目的の人工土壌体用ユニット
の所望の密度等に応じて適宜設定すれば良い。
機14における加熱温度、加熱時間等の諸条件は、人工
土壌体用ユニットの所望の密度、原料繊維の種類、繊度
等によって適宜設定でき特に限定されるものではない。
成形予備加熱装置13及び加熱成形機14を通じての加
熱により原料繊維同士の接点での融着が一層進み、保形
する際の圧力に応じて密度が増加する。例えば原料の熱
融着性合成繊維がPP/PE複合繊維である場合、成形
予備加熱装置13においては130〜230℃で数秒〜
数分間、好ましくは145〜155℃で30〜40秒間
加熱され、加熱成形機14においては、130〜230
℃、好ましくは150〜155℃で加熱される。加熱成
形機14における圧力は、目的の人工土壌体用ユニット
の所望の密度等に応じて適宜設定すれば良い。
【0028】図10の実施態様においては、得られたス
ティック状の人工土壌体用ユニット19は、必要に応じ
て、密度可変用成形機20に供給され、上記図8あるい
は図9に示すような括れ部のある形状の、密度に疎密の
分布がある人工土壌体用ユニットとされる。また、超音
波により溶着・切断し、図6あるいは図7のような密度
の疎密分布を形成する場合、その工程は、必ずしも上記
の切断機18による工程の後に行う必要はなく、前であ
っても良い。すなわち、密度に疎密分布がある連続した
人工土壌体用ユニットとした後に、所定の長さに切断す
ることもできる。密度可変用成形機20の例としては、
上記の超音波により溶着・切断する形式のものの他、部
分的に熱をかけた型あるいはワイヤーをスティック状の
人工土壌体用ユニット19に押し当てる形式のものが挙
げられる。以上はスティック状以外の形状についても同
様である。
ティック状の人工土壌体用ユニット19は、必要に応じ
て、密度可変用成形機20に供給され、上記図8あるい
は図9に示すような括れ部のある形状の、密度に疎密の
分布がある人工土壌体用ユニットとされる。また、超音
波により溶着・切断し、図6あるいは図7のような密度
の疎密分布を形成する場合、その工程は、必ずしも上記
の切断機18による工程の後に行う必要はなく、前であ
っても良い。すなわち、密度に疎密分布がある連続した
人工土壌体用ユニットとした後に、所定の長さに切断す
ることもできる。密度可変用成形機20の例としては、
上記の超音波により溶着・切断する形式のものの他、部
分的に熱をかけた型あるいはワイヤーをスティック状の
人工土壌体用ユニット19に押し当てる形式のものが挙
げられる。以上はスティック状以外の形状についても同
様である。
【0029】本発明の植物育成用の人工土壌体用ユニッ
トは、一般に、次のような方法により製造することもで
きる。すなわち、上記熱融着性合成繊維を含む原料繊維
から連続したウエブ状繊維集合体を形成する工程、連続
したウエブ状繊維集合体を紐状連続体にする工程、紐状
連続体を所定の断面形状になるように連続的に圧縮加熱
する工程、所定の断面形状に保形された連続した人工土
壌体用ユニットを所定の長さに切断する工程を有する製
造方法により製造することもできる。この製造方法は、
図10の製造方法と比べて、ウエブ状繊維集合体を所定
の幅に切断することなく紐状連続体とする点が相違する
のみで、その他の点は図10の製造方法に準ずることが
できる。
トは、一般に、次のような方法により製造することもで
きる。すなわち、上記熱融着性合成繊維を含む原料繊維
から連続したウエブ状繊維集合体を形成する工程、連続
したウエブ状繊維集合体を紐状連続体にする工程、紐状
連続体を所定の断面形状になるように連続的に圧縮加熱
する工程、所定の断面形状に保形された連続した人工土
壌体用ユニットを所定の長さに切断する工程を有する製
造方法により製造することもできる。この製造方法は、
図10の製造方法と比べて、ウエブ状繊維集合体を所定
の幅に切断することなく紐状連続体とする点が相違する
のみで、その他の点は図10の製造方法に準ずることが
できる。
【0030】また本発明の人工土壌体用ユニットにおい
ては、形状を問わず、界面活性剤をウエブ生成時等に付
着させて親水化処理を施し濡れ性を向上させることがで
きる。界面活性剤で処理することにより、人工土壌体用
ユニットの保水性が増大し植物の生育に好影響を与える
ことができる。界面活性剤の種類としては、植物に無害
なものであれば特に制限する要なく適宜用いることがで
き、特にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルや
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン系界面
活性剤は好適に用いられる。
ては、形状を問わず、界面活性剤をウエブ生成時等に付
着させて親水化処理を施し濡れ性を向上させることがで
きる。界面活性剤で処理することにより、人工土壌体用
ユニットの保水性が増大し植物の生育に好影響を与える
ことができる。界面活性剤の種類としては、植物に無害
なものであれば特に制限する要なく適宜用いることがで
き、特にポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルや
ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン系界面
活性剤は好適に用いられる。
【0031】本発明の植物育成用の人工土壌体は、以上
述べたような人工土壌体用ユニットの複数を、植物が生
育可能な隙間を形成しつつ集合させて構成する。以下に
人工土壌体の実施態様について説明する。図11は、本
発明の人工土壌体用ユニットであるスティック状の人工
土壌体用ユニット19の複数本を、植木鉢21の中に縦
に挿入して集合させることにより人工土壌体31を構成
し、植物22を人工土壌体用ユニットと他の人工土壌体
用ユニットとの間に形成される隙間にて育成させる例で
ある。ここで植物の根は、人工土壌体用ユニットの周り
に絡み付き、あるいは回り込むように伸長し、原料繊維
自体と複雑に絡み合うことがないため、植物を収穫・移
植する際に容易に引き抜くことができる。また、植物の
生育が進んで根が太くなっても、人工土壌体用ユニット
がそれに合わせて弾性変形し、根の伸長する空間を確保
するため、植物の生育が阻害されることがない。さら
に、人工土壌体用ユニットの弾性力により植物の根・茎
がしっかりと保持され、植物を安定姿勢に保つことがで
きる。なお、植木鉢21は底に穴のあいている通常のも
のでも、底に穴のあいていないハイドロカルチャー用の
器でも良い。また、養液栽培の場合は市販の角型プラン
ター等を使用することも可能である。
述べたような人工土壌体用ユニットの複数を、植物が生
育可能な隙間を形成しつつ集合させて構成する。以下に
人工土壌体の実施態様について説明する。図11は、本
発明の人工土壌体用ユニットであるスティック状の人工
土壌体用ユニット19の複数本を、植木鉢21の中に縦
に挿入して集合させることにより人工土壌体31を構成
し、植物22を人工土壌体用ユニットと他の人工土壌体
用ユニットとの間に形成される隙間にて育成させる例で
ある。ここで植物の根は、人工土壌体用ユニットの周り
に絡み付き、あるいは回り込むように伸長し、原料繊維
自体と複雑に絡み合うことがないため、植物を収穫・移
植する際に容易に引き抜くことができる。また、植物の
生育が進んで根が太くなっても、人工土壌体用ユニット
がそれに合わせて弾性変形し、根の伸長する空間を確保
するため、植物の生育が阻害されることがない。さら
に、人工土壌体用ユニットの弾性力により植物の根・茎
がしっかりと保持され、植物を安定姿勢に保つことがで
きる。なお、植木鉢21は底に穴のあいている通常のも
のでも、底に穴のあいていないハイドロカルチャー用の
器でも良い。また、養液栽培の場合は市販の角型プラン
ター等を使用することも可能である。
【0032】上記の人工土壌体は、同一の径を有するス
ティック状の人工土壌体用ユニットから構成しても良い
し、あるいは相異なる径を有するスティック状の人工土
壌体用ユニットから構成しても良い。
ティック状の人工土壌体用ユニットから構成しても良い
し、あるいは相異なる径を有するスティック状の人工土
壌体用ユニットから構成しても良い。
【0033】また、図12に示すように、スティック状
の人工土壌体用ユニット19の周面には、ランダムな方
向にシワ37を形成することができる。シワ37によ
り、相隣るスティック状の人工土壌体用ユニット19の
間に空隙38が形成される。この空隙38は、図13に
示すように、植物22の根22aが伸長するための通路
として作用する。また、ハイドロカルチャー等に用いる
場合は、水・養液を溜め込む部位としても作用する。な
お上述したように、シワ37を形成しなくても、植物の
根が人工土壌体用ユニットの外側を回り込んで伸長する
ことは可能であるが、シワ37を形成することにより、
さらに容易に根を伸長させることができる。以上の、ス
ティック状人工土壌体用ユニットから構成された人工土
壌体における、植物が生育する過程について図14及び
図15に基づいて説明する。図14及び図15は、相異
なる径を有するスティック状の人工土壌体用ユニットか
ら構成される人工土壌体を上から見た図である。まず、
図14に示すように、複数のスティック状の人工土壌体
用ユニット19の間に種39を播く。すると、発芽した
根はスティック状の人工土壌体用ユニット19の間に入
り込み、図の矢印方向に伸長する。このとき、シワ37
により空隙38が形成されていれば、それを通過するこ
とにより根の伸長がさらに容易になる。さらに、植物の
生育が進んで、図15に示すように、根22aが太くな
ると、スティック状の人工土壌体用ユニット19が根2
2aに合わせて弾性変形し、根22aのさらなる伸長を
可能にするものである。
の人工土壌体用ユニット19の周面には、ランダムな方
向にシワ37を形成することができる。シワ37によ
り、相隣るスティック状の人工土壌体用ユニット19の
間に空隙38が形成される。この空隙38は、図13に
示すように、植物22の根22aが伸長するための通路
として作用する。また、ハイドロカルチャー等に用いる
場合は、水・養液を溜め込む部位としても作用する。な
お上述したように、シワ37を形成しなくても、植物の
根が人工土壌体用ユニットの外側を回り込んで伸長する
ことは可能であるが、シワ37を形成することにより、
さらに容易に根を伸長させることができる。以上の、ス
ティック状人工土壌体用ユニットから構成された人工土
壌体における、植物が生育する過程について図14及び
図15に基づいて説明する。図14及び図15は、相異
なる径を有するスティック状の人工土壌体用ユニットか
ら構成される人工土壌体を上から見た図である。まず、
図14に示すように、複数のスティック状の人工土壌体
用ユニット19の間に種39を播く。すると、発芽した
根はスティック状の人工土壌体用ユニット19の間に入
り込み、図の矢印方向に伸長する。このとき、シワ37
により空隙38が形成されていれば、それを通過するこ
とにより根の伸長がさらに容易になる。さらに、植物の
生育が進んで、図15に示すように、根22aが太くな
ると、スティック状の人工土壌体用ユニット19が根2
2aに合わせて弾性変形し、根22aのさらなる伸長を
可能にするものである。
【0034】また、図16に示すように、スティック状
の人工土壌体用ユニット19には、その長軸に沿ってシ
ワ32を形成させることができる。長軸に沿ったシワを
設けることにより、スティック状の人工土壌体用ユニッ
トを集合させて人工土壌体とした際に、図17の断面拡
大図に示すように、植物22とスティック状の人工土壌
体用ユニット19との接触面においてシワ32の部分に
空隙33が形成され、この空隙33が通気孔として作用
するため、人工土壌体の通気性が確保され植物の生育に
良い影響を与えることができる。また、空隙33は植物
22が伸長するための空間をも保証している。
の人工土壌体用ユニット19には、その長軸に沿ってシ
ワ32を形成させることができる。長軸に沿ったシワを
設けることにより、スティック状の人工土壌体用ユニッ
トを集合させて人工土壌体とした際に、図17の断面拡
大図に示すように、植物22とスティック状の人工土壌
体用ユニット19との接触面においてシワ32の部分に
空隙33が形成され、この空隙33が通気孔として作用
するため、人工土壌体の通気性が確保され植物の生育に
良い影響を与えることができる。また、空隙33は植物
22が伸長するための空間をも保証している。
【0035】上記のような、周面に形成するランダムな
シワ、あるいは長軸に沿ったシワは、スティック状の人
工土壌体用ユニットの複数本を容器等に押し込んで人工
土壌体とする際に、ランダムかつ自然に形成ささせるこ
とができる。また、別の方法として、人工土壌体用ユニ
ットを製造する際の成形型等に溝を形成しておくことに
よっても得ることができる。さらには、スティック状の
人工土壌体用ユニットを製造した後に、シワを形成させ
ることもできる。具体的な方法として、スティック状の
人工土壌体ユニットの周面を、加熱した櫛状のものでス
ジを付ける方法が挙げられる。
シワ、あるいは長軸に沿ったシワは、スティック状の人
工土壌体用ユニットの複数本を容器等に押し込んで人工
土壌体とする際に、ランダムかつ自然に形成ささせるこ
とができる。また、別の方法として、人工土壌体用ユニ
ットを製造する際の成形型等に溝を形成しておくことに
よっても得ることができる。さらには、スティック状の
人工土壌体用ユニットを製造した後に、シワを形成させ
ることもできる。具体的な方法として、スティック状の
人工土壌体ユニットの周面を、加熱した櫛状のものでス
ジを付ける方法が挙げられる。
【0036】以上、周面にシワを形成させることについ
て、スティック状の人工土壌体用ユニットを例に説明し
たが、その他の粒状、ボール状、ペレット状、又は紐状
等の人工土壌体用ユニットについても同様である。
て、スティック状の人工土壌体用ユニットを例に説明し
たが、その他の粒状、ボール状、ペレット状、又は紐状
等の人工土壌体用ユニットについても同様である。
【0037】さらに、図17に示すように、植物22と
スティック状の人工土壌体用ユニット19との密着面3
4では、水・養液が毛細管現象により重力に抗して引き
上げられるので、人工土壌体の下方に水・養液が単に溜
まっている場合等と比較すると、植物表面の広い面積で
の水・養液の吸収が可能となり、植物の生育にとって好
ましい。
スティック状の人工土壌体用ユニット19との密着面3
4では、水・養液が毛細管現象により重力に抗して引き
上げられるので、人工土壌体の下方に水・養液が単に溜
まっている場合等と比較すると、植物表面の広い面積で
の水・養液の吸収が可能となり、植物の生育にとって好
ましい。
【0038】図18は、支持板23に設けられた複数の
穴23aの中に、本発明の人工土壌体用ユニットである
スティック状の人工土壌体用ユニット19複数本を縦に
挿入して集合させ人工土壌体31とし、植物22の培地
とした例であり、屋上施工用の培地に適した例である。
穴23aの中に、本発明の人工土壌体用ユニットである
スティック状の人工土壌体用ユニット19複数本を縦に
挿入して集合させ人工土壌体31とし、植物22の培地
とした例であり、屋上施工用の培地に適した例である。
【0039】この図11あるいは図18の例のように、
スティック状の人工土壌体用ユニット19複数本を縦に
並べ集合させて人工土壌体31とした場合、縦に並べた
スティックとスティックの間隙の空気層が断熱層とな
り、冬季植物の根を寒さから保護できる。
スティック状の人工土壌体用ユニット19複数本を縦に
並べ集合させて人工土壌体31とした場合、縦に並べた
スティックとスティックの間隙の空気層が断熱層とな
り、冬季植物の根を寒さから保護できる。
【0040】また、縦に並べるスティック状の人工土壌
体用ユニット19の本数を増減することにより、人工土
壌体31の密度を任意に調整(増減)することができ
る。すなわち、育成する植物の種類の違いや生育段階に
よって密度を増減する必要が生じた時に、新たにスティ
ック状の人工土壌体用ユニットを挿入して追加するか、
又は何本か引き抜くことによって非常に簡単に密度を調
整することができる。密度の変化量はスティック状の人
工土壌体用ユニットを増減する本数に対応している。
体用ユニット19の本数を増減することにより、人工土
壌体31の密度を任意に調整(増減)することができ
る。すなわち、育成する植物の種類の違いや生育段階に
よって密度を増減する必要が生じた時に、新たにスティ
ック状の人工土壌体用ユニットを挿入して追加するか、
又は何本か引き抜くことによって非常に簡単に密度を調
整することができる。密度の変化量はスティック状の人
工土壌体用ユニットを増減する本数に対応している。
【0041】さらに、図11あるいは図18に示す人工
土壌体を一つの単位として複数枚並べることにより、屋
上緑化等に対応でき、施工性も良好である。例として、
図18の人工土壌体を複数枚並べた場合について図19
に示す。
土壌体を一つの単位として複数枚並べることにより、屋
上緑化等に対応でき、施工性も良好である。例として、
図18の人工土壌体を複数枚並べた場合について図19
に示す。
【0042】また本発明の人工土壌体は、上記のごとく
複数の人工土壌体用ユニットを植物の生育可能な隙間を
形成しつつ集合させて用いるのに加えて、さらに一体化
して用いることもできる。一体化する方法の具体例とし
ては、接着剤による接着や、人工土壌体用ユニット同士
を加熱圧縮等により熱融着する方法が挙げられる。これ
らの例として、複数本のスティック状人工土壌体用ユニ
ットを一体化させた場合を図20及び図21に示す。図
20は市販の植木鉢に適合するように集合させ一体にし
た場合であり、一本一本施工する場合に比較すると運搬
や施工が極めて簡便である。なお、図20のような場
合、一体化処理を施す部分は全体であっても良いし、一
部であっても良い。すなわち、図20の外周部分のみを
一体化させ、内周部分は束ねられ外周部分により保持さ
れるような構造にすることもできる。また図21はステ
ィック状の人工土壌体用ユニット19の4本を集合さ
せ、加熱により互いに一体化させた場合である。この場
合、中央部に隙間29を形成するように一体化させ、そ
の隙間に種を播くようにすると発芽した植物も保持され
易いため育苗用等に好適である。
複数の人工土壌体用ユニットを植物の生育可能な隙間を
形成しつつ集合させて用いるのに加えて、さらに一体化
して用いることもできる。一体化する方法の具体例とし
ては、接着剤による接着や、人工土壌体用ユニット同士
を加熱圧縮等により熱融着する方法が挙げられる。これ
らの例として、複数本のスティック状人工土壌体用ユニ
ットを一体化させた場合を図20及び図21に示す。図
20は市販の植木鉢に適合するように集合させ一体にし
た場合であり、一本一本施工する場合に比較すると運搬
や施工が極めて簡便である。なお、図20のような場
合、一体化処理を施す部分は全体であっても良いし、一
部であっても良い。すなわち、図20の外周部分のみを
一体化させ、内周部分は束ねられ外周部分により保持さ
れるような構造にすることもできる。また図21はステ
ィック状の人工土壌体用ユニット19の4本を集合さ
せ、加熱により互いに一体化させた場合である。この場
合、中央部に隙間29を形成するように一体化させ、そ
の隙間に種を播くようにすると発芽した植物も保持され
易いため育苗用等に好適である。
【0043】さらに、人工土壌体用ユニットを集合させ
一体化させた別の実施形態を図22に示す。図22の人
工土壌体35は、スティック状の人工土壌体用ユニット
36の集合体であり、それらの下部は互いに一体化され
ている。植物は人工土壌体用ユニット36間の隙間で育
成される。この人工土壌体は、一体化されているため、
運搬や施工を極めて簡便に行うことができる。上記の人
工土壌体は次のような方法で作製できる。すなわち、原
料繊維からブロック状の繊維集合体を作製し、その繊維
集合体を加熱されたカッター等で格子状に途中まで切断
することにより得ることができる。ここで、人工土壌体
用ユニット36の側面36aは加熱されたカッター等に
よって表皮部分が熱融着されている。
一体化させた別の実施形態を図22に示す。図22の人
工土壌体35は、スティック状の人工土壌体用ユニット
36の集合体であり、それらの下部は互いに一体化され
ている。植物は人工土壌体用ユニット36間の隙間で育
成される。この人工土壌体は、一体化されているため、
運搬や施工を極めて簡便に行うことができる。上記の人
工土壌体は次のような方法で作製できる。すなわち、原
料繊維からブロック状の繊維集合体を作製し、その繊維
集合体を加熱されたカッター等で格子状に途中まで切断
することにより得ることができる。ここで、人工土壌体
用ユニット36の側面36aは加熱されたカッター等に
よって表皮部分が熱融着されている。
【0044】図23は、瓶25の中に、本発明の人工土
壌体用ユニットであるペレット状の人工土壌体用ユニッ
ト26を多数個入れて人工土壌体31とし、植物22の
培地とした例である。瓶25に入れるペレット状の人工
土壌体用ユニット26の数を増減することにより、人工
土壌体31の密度を調整(増減)することができる。ま
た、ペレット状の人工土壌体用ユニット26は、瓶25
に限らず、任意の形状の容器に容易に入れることがで
き、取り扱い易い。同様に、ペレット状の人工土壌体用
ユニットの代わりにボール状の人工土壌体用ユニット2
7を用いた場合を図24に示す。この場合も人工土壌体
31の密度は任意に変化させることができる。
壌体用ユニットであるペレット状の人工土壌体用ユニッ
ト26を多数個入れて人工土壌体31とし、植物22の
培地とした例である。瓶25に入れるペレット状の人工
土壌体用ユニット26の数を増減することにより、人工
土壌体31の密度を調整(増減)することができる。ま
た、ペレット状の人工土壌体用ユニット26は、瓶25
に限らず、任意の形状の容器に容易に入れることがで
き、取り扱い易い。同様に、ペレット状の人工土壌体用
ユニットの代わりにボール状の人工土壌体用ユニット2
7を用いた場合を図24に示す。この場合も人工土壌体
31の密度は任意に変化させることができる。
【0045】さらに、本発明の一態様である紐状の人工
土壌体用ユニットの利用例としては、図25もしくは図
26に示すごとく、紐状の人工土壌体用ユニット28を
任意に曲げて面状の人工土壌体31を形成し、折り曲げ
た人工土壌体用ユニットの間にできる隙間30に種を直
播き等して植物を育成する。
土壌体用ユニットの利用例としては、図25もしくは図
26に示すごとく、紐状の人工土壌体用ユニット28を
任意に曲げて面状の人工土壌体31を形成し、折り曲げ
た人工土壌体用ユニットの間にできる隙間30に種を直
播き等して植物を育成する。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0047】(実施例1)熱融着性合成繊維として繊度
2デニールの捲縮のあるPP/PE複合繊維を用い、該
複合繊維を切断、攪拌してステープル・ファイバーを調
製し、該ステープル・ファイバーを用いてカード機にて
ウエブを作製し、該ウエブを搬送ローラにてスライバ状
にまとめて、加熱炉にて140℃で120秒間加熱して
紐状の連続体を得た。この得られた紐状の連続体を15
0℃に加熱した円筒形の型に通すことにより、断面形状
が円形で、表皮部分が熱融着された、外径16mm、密
度0.02g/cm3 の連続成形体を得た。この得られ
た連続成形体を80mmの長さに切断して、スティック
状(円形断面、外径16mm、長さ80mm)の人工土
壌体用ユニットを得た。この人工土壌体用ユニットの表
皮部分の引裂強度を測定したところ、150〜200g
fであった。
2デニールの捲縮のあるPP/PE複合繊維を用い、該
複合繊維を切断、攪拌してステープル・ファイバーを調
製し、該ステープル・ファイバーを用いてカード機にて
ウエブを作製し、該ウエブを搬送ローラにてスライバ状
にまとめて、加熱炉にて140℃で120秒間加熱して
紐状の連続体を得た。この得られた紐状の連続体を15
0℃に加熱した円筒形の型に通すことにより、断面形状
が円形で、表皮部分が熱融着された、外径16mm、密
度0.02g/cm3 の連続成形体を得た。この得られ
た連続成形体を80mmの長さに切断して、スティック
状(円形断面、外径16mm、長さ80mm)の人工土
壌体用ユニットを得た。この人工土壌体用ユニットの表
皮部分の引裂強度を測定したところ、150〜200g
fであった。
【0048】得られたスティック状の人工土壌体用ユニ
ット55本を、上記図11の利用例の場合のように、相
隣るスティック状人工土壌体用ユニットの外周が相互に
ほぼ密着するように縦に並べて、底面積が64cm
2 (8cm四方)のプラスチック製容器に収納して人工
土壌体とし、この人工土壌体の隙間に観葉植物(ドラセ
ナサンデリアーナ)を植えた。根腐れ防止剤及び肥料を
追加し、3ヶ月間観葉植物の成長を観察したところ、新
葉も増え、発根性も良好であり、観葉植物の良好なる成
長が確認された。これは、水分、養分、空気が根にバラ
ンス良く行きわたった結果と考えられる。また、成長し
た観葉植物を引き抜いたところ、抵抗なく容易に引き抜
くことができ、根切れも少なく抑えられた。
ット55本を、上記図11の利用例の場合のように、相
隣るスティック状人工土壌体用ユニットの外周が相互に
ほぼ密着するように縦に並べて、底面積が64cm
2 (8cm四方)のプラスチック製容器に収納して人工
土壌体とし、この人工土壌体の隙間に観葉植物(ドラセ
ナサンデリアーナ)を植えた。根腐れ防止剤及び肥料を
追加し、3ヶ月間観葉植物の成長を観察したところ、新
葉も増え、発根性も良好であり、観葉植物の良好なる成
長が確認された。これは、水分、養分、空気が根にバラ
ンス良く行きわたった結果と考えられる。また、成長し
た観葉植物を引き抜いたところ、抵抗なく容易に引き抜
くことができ、根切れも少なく抑えられた。
【0049】(実施例2)実施例1で得られたのと同様
のスティック状の人工土壌体用ユニット(密度0.02
g/cm3 、円形断面、外径16mm、長さ80mm)
を、加熱した型にて圧縮し、上記図8に示すような弧状
の括れ部を等間隔で3個設けて、密度に疎密の分布のあ
る人工土壌体用ユニットを得た。弧状の括れ部は、幅1
0mm、最深部の深さ4mmであり、最深部の密度0.
08g/cm3 であった。
のスティック状の人工土壌体用ユニット(密度0.02
g/cm3 、円形断面、外径16mm、長さ80mm)
を、加熱した型にて圧縮し、上記図8に示すような弧状
の括れ部を等間隔で3個設けて、密度に疎密の分布のあ
る人工土壌体用ユニットを得た。弧状の括れ部は、幅1
0mm、最深部の深さ4mmであり、最深部の密度0.
08g/cm3 であった。
【0050】上記により得られた、密度に疎密の分布の
ある人工土壌体用ユニットを用いて、実施例1と同様
に、人工土壌体を構成し、隙間に観葉植物を植え、観葉
植物の成長を観察した。その結果、実施例1の場合より
若干優れていると見受けられる観葉植物の良好なる成長
が確認された。これは、用いた人工土壌体用ユニットの
疎密な密度分布(保水率の高低の分布)が観葉植物の成
長に良い刺激を与えたためではないかと推測される。
ある人工土壌体用ユニットを用いて、実施例1と同様
に、人工土壌体を構成し、隙間に観葉植物を植え、観葉
植物の成長を観察した。その結果、実施例1の場合より
若干優れていると見受けられる観葉植物の良好なる成長
が確認された。これは、用いた人工土壌体用ユニットの
疎密な密度分布(保水率の高低の分布)が観葉植物の成
長に良い刺激を与えたためではないかと推測される。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の植物育成用
の人工土壌体用ユニットは、表皮部分が特定の引裂強度
になるように熱融着され種々の形状に保形されてなるの
で、それらの人工土壌体用ユニットを集合させ、植物を
人工土壌体用ユニット間に形成する隙間で育成させるよ
うにすれば、植物を収穫・移植する際に、根などが原料
繊維に絡み入って根切りが悪くなるようなことが起こら
ず、容易に引き抜くことができる。また、植物の生育が
進んでユニット間の隙間が窮屈になった場合には、植物
が人工土壌体用ユニットの表面を破ってその内部まで伸
長することができるため植物の生育が阻害されない。ま
た、集合させた人工土壌体用ユニットを増減させること
により、施工した後であっても任意にかつ簡便に人工土
壌体の密度を調節することができる。さらに、人工土壌
体用ユニットの周面にシワを形成させることにより、そ
のシワが、植物の根が伸長するための通路として、また
水・養液を溜め込む部位として作用する。
の人工土壌体用ユニットは、表皮部分が特定の引裂強度
になるように熱融着され種々の形状に保形されてなるの
で、それらの人工土壌体用ユニットを集合させ、植物を
人工土壌体用ユニット間に形成する隙間で育成させるよ
うにすれば、植物を収穫・移植する際に、根などが原料
繊維に絡み入って根切りが悪くなるようなことが起こら
ず、容易に引き抜くことができる。また、植物の生育が
進んでユニット間の隙間が窮屈になった場合には、植物
が人工土壌体用ユニットの表面を破ってその内部まで伸
長することができるため植物の生育が阻害されない。ま
た、集合させた人工土壌体用ユニットを増減させること
により、施工した後であっても任意にかつ簡便に人工土
壌体の密度を調節することができる。さらに、人工土壌
体用ユニットの周面にシワを形成させることにより、そ
のシワが、植物の根が伸長するための通路として、また
水・養液を溜め込む部位として作用する。
【0052】また、本発明によれば、軽量で、施工性に
優れ、臭いや虫の発生等の恐れなくクリーンであり、給
排水、入れ替え作業等の維持管理が容易であり、通気
性、保水性に優れており、発根性に優れて植物の生育が
良好であり、かつ使用後の廃棄処理が容易で環境に優し
い植物育成用人工土壌体が提供される。
優れ、臭いや虫の発生等の恐れなくクリーンであり、給
排水、入れ替え作業等の維持管理が容易であり、通気
性、保水性に優れており、発根性に優れて植物の生育が
良好であり、かつ使用後の廃棄処理が容易で環境に優し
い植物育成用人工土壌体が提供される。
【0053】本発明の人工土壌体を構成する人工土壌体
用ユニットは、一般に密度0.01〜0.1g/cm3
と軽量であるため、運搬や荷揚げが容易であり作業性に
優れる。また、密度に疎密の分布を形成すれば、植物を
刺激してより良好な生育が得られる。
用ユニットは、一般に密度0.01〜0.1g/cm3
と軽量であるため、運搬や荷揚げが容易であり作業性に
優れる。また、密度に疎密の分布を形成すれば、植物を
刺激してより良好な生育が得られる。
【図1】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニッ
トの一態様を示す図である。
トの一態様を示す図である。
【図2】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニッ
トの一態様を示す図である。
トの一態様を示す図である。
【図3】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニッ
トの一態様を示す図である。
トの一態様を示す図である。
【図4】 本発明の密度に疎密の分布のある人工土壌体
用ユニットの作製過程を示す図である。
用ユニットの作製過程を示す図である。
【図5】 本発明の密度に疎密の分布のある人工土壌体
用ユニットの作製過程を示す図である。
用ユニットの作製過程を示す図である。
【図6】 本発明の密度に疎密の分布のある人工土壌体
用ユニットの作製過程を示す図である。
用ユニットの作製過程を示す図である。
【図7】 本発明の密度に疎密の分布のある人工土壌体
用ユニットの一態様を示す図である。
用ユニットの一態様を示す図である。
【図8】 本発明の密度に疎密の分布のある人工土壌体
用ユニットの一態様を示す図である。
用ユニットの一態様を示す図である。
【図9】 本発明の密度に疎密の分布のある人工土壌体
用ユニットの一態様を示す図である。
用ユニットの一態様を示す図である。
【図10】 本発明の人工土壌体用ユニットの製造方法
の例を示す図である。
の例を示す図である。
【図11】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図12】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットの一態様を示す図である。
ットの一態様を示す図である。
【図13】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図14】 本発明の人工土壌体における植物の育成過
程を示す説明図である。
程を示す説明図である。
【図15】 本発明の人工土壌体における植物の育成過
程を示す説明図である。
程を示す説明図である。
【図16】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットの一態様を示す図である。
ットの一態様を示す図である。
【図17】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットを利用した人工土壌体の拡大断面図である。
ットを利用した人工土壌体の拡大断面図である。
【図18】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図19】 本発明のスティック状の人工土壌体用ユニ
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
ットを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図20】 本発明の人工土壌体用ユニットを一体化さ
せた人工土壌体の一態様を示す図である。
せた人工土壌体の一態様を示す図である。
【図21】 本発明の人工土壌体用ユニットを一体化さ
せた人工土壌体の一態様を示す図である。
せた人工土壌体の一態様を示す図である。
【図22】 本発明の人工土壌体用ユニットを一体化さ
せた人工土壌体の一態様を示す図である。
せた人工土壌体の一態様を示す図である。
【図23】 本発明のペレット状の人工土壌体用ユニッ
トを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
トを利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図24】 本発明のボール状の人工土壌体用ユニット
を利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
を利用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図25】 本発明の紐状の人工土壌体用ユニットを利
用した人工土壌体の一態様を示す図である。
用した人工土壌体の一態様を示す図である。
【図26】 本発明の紐状の人工土壌体用ユニットを利
用した人工土壌体の一態様を示す図である。
用した人工土壌体の一態様を示す図である。
1 超音波のホーン 2 受け台 3 密度が疎の部分 4 密度が密の部分 5 カード機 6 ウエブ状繊維集合体 7 搬送機 8 前処理予備加熱装置 9a ウエブ状繊維集合体 9b 所定幅に切断されたウエブ状繊維集合体 10 搬送機 11 切断機 12 搬送機 13 成形予備加熱装置 14 加熱成形機 15 搬送機 16 冷却装置 17 連続した人工土壌体用ユニット 18 切断機 19 スティック状の人工土壌体用ユニット 20 密度可変用成形機 21 植木鉢 22 植物 22a 根 23 支持板 23a 穴 25 瓶 26 ペレット状の人工土壌体用ユニット 27 ボール状の人工土壌体用ユニット 28 紐状の人工土壌体用ユニット 29 隙間 30 隙間 31 人工土壌体 32 シワ 33 空隙 34 密着面 35 人工土壌体 36 人工土壌体用ユニット 36a 側面 37 シワ 38 空隙 39 種
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/00 303
Claims (10)
- 【請求項1】 複数のユニットを集合させ、又は集合さ
せかつ一体化し、前記ユニット間に形成する隙間におい
て植物を育成するために使用される人工土壌体用ユニッ
トであって、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が、引裂
強度が10〜400gfになるように熱融着され保形さ
れてなる植物育成用の人工土壌体用ユニット。 - 【請求項2】 スティック状、粒状、ボール状、ペレッ
ト状、又は紐状に保形されてなる請求項1記載の植物育
成用の人工土壌体用ユニット。 - 【請求項3】 スティック状に保形され、直径が5〜4
0mmである請求項2記載の植物育成用の人工土壌体用
ユニット。 - 【請求項4】 スティック状に保形され、周面にシワを
形成させてなる請求項2又は3記載の植物育成用の人工
土壌体用ユニット。 - 【請求項5】 複数のユニットを集合させ、又は集合さ
せかつ一体化し、前記ユニット間に形成する隙間におい
て植物を育成するために使用される人工土壌体用ユニッ
トであって、熱融着性合成繊維を含む表皮部分が熱融着
され、スティック状、粒状、ボール状、ペレット状、又
は紐状に保形され、かつ周面にシワを形成させてなる植
物育成用の人工土壌体用ユニット。 - 【請求項6】 上記熱融着性合成繊維がポリオレフィン
系合成繊維である請求項1乃至5記載の人工土壌体用ユ
ニット。 - 【請求項7】 密度が0.01〜0.1g/cm3 であ
る請求項1〜6記載の植物育成用の人工土壌体用ユニッ
ト。 - 【請求項8】 密度に、0.01〜0.1g/cm3 の
範囲において、疎密の分布がある請求項7記載の植物育
成用の人工土壌体用ユニット。 - 【請求項9】 請求項1〜8に記載の植物育成用の人工
土壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を形
成しつつ集合させてなる植物育成用の人工土壌体。 - 【請求項10】 請求項1〜8に記載の植物育成用の人
工土壌体用ユニットの複数を、植物が生育可能な隙間を
形成しつつ集合させ、かつ一体にしてなる植物育成用の
人工土壌体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11207638A JP3073492B1 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | 植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人工土壌体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11207638A JP3073492B1 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | 植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人工土壌体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3073492B1 true JP3073492B1 (ja) | 2000-08-07 |
JP2001028944A JP2001028944A (ja) | 2001-02-06 |
Family
ID=16543110
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11207638A Expired - Lifetime JP3073492B1 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | 植物育成用の人工土壌体用ユニット及び人工土壌体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3073492B1 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4814463B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2011-11-16 | サントリーホールディングス株式会社 | 植物栽培方法および植物栽培具 |
-
1999
- 1999-07-22 JP JP11207638A patent/JP3073492B1/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001028944A (ja) | 2001-02-06 |
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