JP2002000068A - 人工培地ユニット - Google Patents

人工培地ユニット

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JP2002000068A
JP2002000068A JP2000195089A JP2000195089A JP2002000068A JP 2002000068 A JP2002000068 A JP 2002000068A JP 2000195089 A JP2000195089 A JP 2000195089A JP 2000195089 A JP2000195089 A JP 2000195089A JP 2002000068 A JP2002000068 A JP 2002000068A
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medium unit
artificial
artificial medium
plant
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JP2000195089A
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Masayuki Sato
昌之 佐藤
Junkichi Tanaka
淳吉 田中
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MG Co Ltd
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MG Co Ltd
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  • Hydroponics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 培地全体における肥料の量を、状況に応じて
任意に調節することができ、また施肥された量も容易に
特定することができ、さらに植物の根が培地自体に絡み
入らず、そのため肥料に直接接触して肥料焼けを起こす
ことがなく、また肥料の濃度を高く設定できるために追
肥を施す必要が少なくて手軽に植物を育成できる、肥料
成分の供給機能を有する人工培地を提供すること。 【解決手段】 複数のユニットを集合させ、前記ユニッ
ト間に形成する隙間11において植物3を支持しつつ前
記植物3に対して肥料成分を与えるための人工培地ユニ
ット1であって、繊維が集合して所定形状に保形され、
内部に肥料4が混入されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物育成用の人工
培地に関する。さらに詳しくは、例えば、室内に配置す
る観葉植物の栽培、養液栽培、あるいはビル屋上の緑化
等に用いられ、肥料成分を植物に対して供給する機能が
付与された植物育成用の人工培地に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、室内のインテリアとして観葉植物
等の観賞用の植物が多用されている。観葉植物等を飾る
ことにより、室内の空気がリフレッシュされ、ホルムア
ルデヒドやベンゼンといった有害物質も中和されるた
め、生活環境を快適にすることができる。このような観
葉植物等は通常、土や、あるいはそれに代わる人工培地
を用いて栽培されている。そして、上記人工培地の一つ
に、植物の生育を促進させること等を目的として肥料成
分の供給機能が付与された植物育成用の人工培地が知ら
れている。
【0003】上述の、肥料成分の供給機能を有する人工
培地の従来例として、特開平8−331983号公報に
は、天然繊維単独、又は天然繊維と化学繊維との混合繊
維からなるシート状の保水材中に、被覆肥料を担持させ
た育苗マットが開示されている。また、特公昭61−5
8439号公報には、緩効性肥料と、育苗に必要な水分
を保持し苗を支持する固体の保水材よりなる水稲育苗培
土が開示されており、その保水材の例として、スポンジ
様の合成有機ポリマー等が挙げられている。
【0004】上記従来の人工培地は、いずれも、その製
造時に所定量の肥料を混ぜ込んだ単一の人工培地(マッ
ト、培土)から構成されているので、使用中に、肥料の
濃度もしくは肥料成分の供給量を任意に調節(増減)す
ることができないという問題点があった。すなわち、育
成する植物の種類によっては、ある特定の期間における
肥料成分の供給を抑制したり、もしくは中止した方が生
育状態がむしろ良くなる場合があるが、従来の人工培地
では、このような場合に十分対応することができなかっ
た。また従来の人工培地では、初期の溶出量が小さく、
その後S字カーブを描いて溶出量が増加するシグモイド
型の被覆肥料(コーティング肥料)を用いた例がある
が、この被覆肥料を用いたことのみでは、肥料成分の供
給量を時間の経過とともに徐々に増加させるという効果
にとどまり、肥料成分の供給量を任意に調節していると
は言えなかった。
【0005】また、従来の人工培地は、植物の生育に伴
い、植物の根が保水材を構成する繊維等の間に絡み入
り、そのため植え替えや収穫等の際に根の絡みをほどい
て植物を引き抜くのが容易ではなく、しばしば根の一部
が切れて保水材の中に残ってしまう、いわゆる根切りが
悪いという欠点があり、植物の植え替えを困難にしてい
た。
【0006】さらに、植物の根が保水材自体に絡み入る
ことにより、根が肥料に直接接触して肥料焼けを起こ
し、植物の生育が阻害されるという問題があった。ま
た、そのような植物の根と肥料との接触を少なくしよう
とすると、人工培地中の肥料濃度をあまり高くすること
ができず、そのため育成過程において追肥を施すことが
必要となり、手間がかかるという問題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の状況に鑑
み、本発明は、培地全体における肥料の量を、状況に応
じて任意に調節することができ、また施肥された量も容
易に特定することができる、肥料成分の供給機能を有す
る人工培地を提供するものである。
【0008】また本発明は、植物の根が培地自体に絡み
入らず、そのため肥料に直接接触して肥料焼けを起こす
ことがなく、さらに肥料の濃度を高く設定できるため
に、追肥を施す必要が少なくて手軽に植物を育成でき
る、肥料成分の供給機能を有する人工培地を提供するも
のである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、請求項1として、複数のユニットを集合
させ、前記ユニット間に形成する隙間において植物を支
持しつつ前記植物に対して肥料成分を与えるための人工
培地ユニットであって、繊維が集合して所定形状に保形
され、内部に肥料が混入されてなる人工培地ユニットと
したことを特徴とする。
【0010】上記手段によれば、植物を支持し育成する
ための培地が、複数のユニットを集合させて構成される
とともに、それぞれのユニットから植物に対して肥料成
分が供給される。また、培地を構成するユニットは、そ
れを単位として増減、交換が可能であるため、培地全体
の肥料の量が任意に調節され、肥料の量の特定も容易と
される。
【0011】また、請求項2は、請求項1記載の人工培
地ユニットにおいて、肥料の混入割合を、人工培地ユニ
ット全体の容積に対して0.001〜1%とすることを
特徴とする。
【0012】上記手段によれば、ユニットに混入される
肥料の割合が最適化される。
【0013】また、請求項3は、複数のユニットを集合
させ、前記ユニット間に形成する隙間において植物を支
持しつつ前記植物に対して肥料成分を与えるための人工
培地ユニットであって、繊維を集合させた外層部と、肥
料からなる内層部とを有し、全体として所定形状に保形
されてなる人工培地ユニットとしたことを特徴とする。
【0014】上記手段によれば、植物を支持し育成する
ための培地が、複数のユニットを集合させて構成される
とともに、それぞれのユニットの内層部から溶け出した
肥料成分が植物に対し供給される。また、培地を構成す
るユニットは、それを単位として増減、交換が可能であ
るため、培地全体の肥料の量が任意に調節され、肥料の
量の特定も容易とされる。
【0015】また、請求項4は、請求項1〜3のいずれ
か記載の人工培地ユニットにおいて、肥料がコーティン
グ肥料であることを特徴とする。
【0016】上記手段によれば、ユニットに混入する肥
料として、肥料成分の溶出を緩やかにしたコーティング
肥料(被覆肥料)が選択される。
【0017】また、請求項5は、請求項1〜4のいずれ
か記載の人工培地ユニットにおいて、肥料とともに根腐
れ・水腐れ防止剤を混入したことを特徴とする。
【0018】上記手段によれば、肥料成分の供給機能に
加えて、根腐れ・水腐れを防止する機能が付与された人
工培地ユニットが提供される。
【0019】また、請求項6は、請求項1〜5のいずれ
か記載の人工培地ユニットが、表皮部分に熱融着性合成
繊維を含み、前記表皮部分の引裂強度が0.098〜
3.9Nになるように熱融着により保形されたことを特
徴とする。
【0020】上記手段によれば、植物の根がユニット自
体に絡み入らず、ユニットとユニットの間において植物
が育成される。それゆえ、植物の根が肥料に対して直接
接触せず、培地からの植物の引き抜きも容易とされる。
【0021】さらに請求項7は、請求項1〜6のいずれ
か記載の人工培地ユニットが、スティック状に保形され
たことを特徴とする。
【0022】上記手段によれば、人工培地ユニットの形
状として特にスティック形状が選択される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態に基づき本発明
を詳細に説明する。まず、実施の形態(1)を図1〜3
に基づいて説明する。図1は、複数の人工培地ユニット
1を集合させて容器2内に設置し、その人工培地ユニッ
ト1間に形成する隙間11において植物3を植え込み、
支持した状態を示したものである。なお、容器2として
は、穴のあいている通常の植木鉢でも、底に穴のあいて
いない水耕栽培用の容器でも良い。また、養液栽培の場
合は市販の角型プランター等を使用することも可能であ
る。
【0024】人工培地ユニット1の内部には肥料4が混
入される。なお、図1では便宜上、肥料4が外部から見
えるように描かれているが、実際は、人工培地ユニット
1の内部に肥料4が埋め込まれている。肥料4の種類
は、育成する植物等によって適宜決定され特に限定され
るものではないが、具体例として、油かすや魚かす等の
有機質肥料、又は、窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料、
石灰質肥料もしくはこれらを配合した化学合成肥料、又
はコーティング(被覆)肥料等が挙げられる。その中で
も、コーティング肥料は、樹脂等により肥料を被覆して
肥料成分の溶出を緩やかにしたものであり、長期間にわ
たって効果を持続するため好ましく用いられる。なお、
上記コーティング肥料には、溶出速度の違いによって、
リニア(放物線)型と、初期の溶出を抑制したシグモイ
ド型とがあり、適性を考慮して適宜選択される。
【0025】肥料4の粒径は、小さすぎると、人工培地
ユニット1を構成する繊維の隙間から肥料4が外部にこ
ぼれ落ちてしまうため、具体的には、1〜5mm程度、
就中2〜3mmの粒状とすることが好ましい。
【0026】肥料4を混入する割合は、少なすぎると肥
料成分を十分に供給できず、逆に多すぎると、人工培地
ユニット1の柔軟性、保水性を損なう恐れがあるので、
これらを考慮して適宜設定される。具体的には、人工培
地ユニット全体の容積に対して0.001〜1%が適当
であり、好ましくは0.001〜0.02%である。
【0027】そして、人工培地ユニット1は、上記のご
とく内部に上記肥料4を混入した上で、合成繊維、天然
繊維等の各種繊維を集合させ全体として所定形状に保形
されてなる。上記合成繊維の具体例としては、ポリオレ
フィン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル繊維、レ
ーヨン、アセテート等が挙げられ、上記天然繊維の具体
例としては、麻、綿、羊毛、絹等が挙げられる。以上の
各種繊維は、いずれか一種を単独で用いることもできる
し、複数を併用することもできる。また繊度は、目的の
人工培地ユニットの保形性、保水性等を考慮して適宜設
定することができる。例えば、合成繊維を用いた場合の
繊度は、一般に1〜8デニールとすることが適当であ
り、好ましくは2〜6デニールである。
【0028】上記各種繊維の中でも、人工培地ユニット
1を熱融着により保形する場合には、熱融着性合成繊維
が用いられる。その具体例として、ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン系合成繊維、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系合成繊維、ナイロ
ン等のポリアミド系合成繊維、あるいはポリプロピレン
を芯成分としポリエチレンを鞘成分とするような複合繊
維(以下「PP/PE複合繊維」と略称する)等を挙げ
ることができる。また、捲縮のある熱融着性合成繊維は
好ましく用いられる。
【0029】上記熱融着性合成繊維の中でも、上記ポリ
オレフィン系合成繊維(PP/PE複合繊維を含む)
は、耐薬品性に優れ、虫、カビ等にも浸食・分解されに
くい等の抵抗性があり、リサイクルが容易であり、燃焼
させてもダイオキシン等の有毒物質を発生しないため特
に好ましく用いられる。さらに、PP/PE複合繊維
は、繊維の表面のみを互いに融着させて保形性に優れた
3次元網目構造を形成できる点において一層好ましく用
いられる。
【0030】上記の熱融着性合成繊維は、熱融着により
保形するためには、人工培地ユニット1の少なくとも表
皮部分1aに含むものとする。ここで表皮部分1aは、
人工培地ユニット1の表面から0.5mm厚さの部分を
いう。すなわち、表皮部分1aのみに熱融着性合成繊維
を含んで内部1bは他の繊維で構成する場合や、表皮部
分1a・内部1bともに熱融着性合成繊維を含む場合、
あるいは、表皮部分1aから内部1bにかけて熱融着性
合成繊維の含有量を徐々に減少させる場合等を採用する
ことができる。
【0031】熱融着させる部位は、表皮部分1aのみと
することもできるし、表皮部分1aに加えて内部1bま
でとすることもできる。表皮部分1aのみを熱融着した
場合は、人工培地ユニット1が柔軟であり保水性に富む
ので、それに密着する植物3が水分や肥料成分を吸収し
易くなり好ましい。一方、内部1bまで熱融着した場合
には、人工培地ユニット1の保水性は若干低下するもの
の、人工培地ユニット1が硬くなって扱い易くなるた
め、植え込み、植え替え時や、あるいは培地を構成する
人工培地ユニット1の数を増減させて全体の肥料量を調
節する場合等における施工性が向上する。なお、内部1
bまで熱融着する場合は、内部1bに熱融着性合成繊維
を含むことは無論である。
【0032】熱融着により保形する場合、人工培地ユニ
ット1の表皮部分1aの引裂強度は、0.098〜3.
9N、就中0.098〜2.0Nになるように保形する
ことが好ましい。ここでの引裂強度は、人工培地ユニッ
ト1の表面から0.5mm厚さの部分を試験片として測
定される値をいう。引裂強度が上記の範囲内であれば、
図2に示すように、人工培地ユニット1を集合させたと
き、植物3が人工培地ユニット1と他の人工培地ユニッ
ト1との間に形成された隙間11において優先的に生育
するため、植物の根3aが人工培地ユニット1自体に入
り込んで繊維に絡みつくことがない。したがって植物の
根3aが肥料4に直接接触せず、肥料焼けを起こすこと
がない。また、植物の根3aと肥料4とが直接接触しな
いので、肥料4の混入割合を高く設定することができ、
そのため追肥を施す必要性が少なくなり、より手軽に植
物を育成することができる。さらに、植物3を植え替え
る際には根切りが悪くなるようなことが起こらず、容易
に引き抜くことができ、植え替え作業に手間がかからな
い。そして、植物3の生育がさらに進み隙間11が窮屈
になった場合には、植物3が人工培地ユニット1の表面
を破ってその内部まで伸長することも可能であるため植
物3の生育を阻害することはない。すなわち、引裂強度
が3.9N以上であると、隙間11が植物3を育成する
のに窮屈になったとき、人工培地ユニット1の表面を破
ってそれ以上生育することができないため、植物3の生
育が阻害される可能性がある。また、0.098N以下
であると、隙間11での生育が優先されず、人工培地ユ
ニット1自体に植物の根3aが絡み入り易くなり、肥料
4に直接接触して肥料焼けを起こしたり、根切りが悪く
なる場合がある。しかし、本発明は上記範囲に限定され
るものではなく、育成する植物の種類等によって上記範
囲以外の引裂強度になるように保形することも可能であ
る。
【0033】また図2に示すように、人工培地ユニット
1の周面には、ランダムな方向にシワ1cを形成するこ
とができる。シワ1cにより、別の人工培地ユニット1
との間に空隙12が形成される。この空隙12は、植物
の根3aが伸長するための通路として作用する。また、
ハイドロカルチャー等に用いる場合は、水・養液を溜め
込む部位としても作用する。なお、シワ1cを形成しな
くても、植物の根3aが人工培地ユニット1の外側を回
り込んで伸長することは可能であるが、シワ1cを形成
することにより、さらに容易に植物の根3aが伸長する
ようになる。
【0034】上記のシワ1cは、人工培地ユニット1を
集合させて容器に詰め入れる際に、ランダムかつ自然に
形成させることができる。また、別の方法として、人工
培地ユニット1を製造する際の成形型等に溝を形成して
おくことによっても得ることができる。さらには、人工
培地ユニット1を製造した後に、シワ1cを形成させる
こともできる。具体的な方法として、人工培地ユニット
1の周面に、加熱した櫛状のものでスジを付ける方法が
挙げられる。
【0035】さらに、図2に示すように、植物の根3a
と人工培地ユニット1との密着面13では、水・肥料成
分が毛細管現象により重力に抗して引き上げられるの
で、植物の根3a表面の広い面積での肥料成分等の吸収
が可能となり、植物3の生育にとって好ましい。
【0036】人工培地ユニット1は、上述のように、主
に繊維と肥料4とから構成されるが、この他にも、必要
に応じて、他の物質を併用することができる。具体例と
して、炭、ゼオライト、イオン交換樹脂等の根腐れ・水
腐れ防止剤が挙げられる。これらの根腐れ・水腐れ防止
剤の混入割合は、人工培地ユニット1全体の容積に対し
て0〜5%が適当であり、好ましくは0〜3%である。
【0037】さらに、人工培地ユニット1を構成する繊
維は、予め界面活性剤で処理することにより、繊維を親
水化し濡れ性を向上させることができる。その結果、人
工培地ユニット1の保水性を高めることができる。この
ような界面活性剤の種類としては、植物3に無害なもの
であれば用いることができ、特にポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテルやポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル等の非イオン系界面活性剤が好適に用いられる。
【0038】また、図1に示すように、実施の形態
(1)における人工培地ユニット1は、断面がほぼ円形
のスティック状に保形されている。ここでスティック状
とは、長短軸を有する棒状体の意味である。スティック
の長さhは、容器2の深さ等を考慮して適宜設定される
が、一般的には30〜150mm程度とされる。また、
スティックの底面の直径aは、人工培地ユニット1を集
合させたときに形成する隙間11が植物3の生育にとっ
て適当な大きさになるような値であれば適宜設定するこ
とができる。一般的には、5〜40mm、好ましくは5
〜20mmである。40mm以上であると、隙間11が
大きすぎるため植物3を植えても十分に支持できず、不
安定になる場合がある。ただし、容器2の中に多数の人
工培地ユニット1を詰め入れ、人工培地ユニット1の集
合をより密にすれば、直径aが大きい場合であっても人
工培地ユニット1が変形して植物3を支持することがで
き、人工培地ユニット1と植物3とを十分に密着させる
ことができる。一方、直径aが5mm以下であると、人
工培地ユニット1が極端に細くなるため、植物の根3a
が絡み付いた際に結局根切れが悪くなり、植え替えに手
間がかかる傾向がある。また、人工培地ユニット1の表
面から肥料4がはみ出して植物の根3aと直接接触する
恐れもある。もちろん育成する植物3の種類や肥料4の
粒径等の種々の条件により、上記の範囲以外の直径aと
することもできる。また、直径aは、培地を構成する複
数の人工培地ユニット1について同一とすることもでき
るし、あるいは相異なるように構成することもできる。
【0039】以上の人工培地ユニット1は、図1に示す
ように、複数の人工培地ユニット1を集合させて培地を
構成し、ユニット間の隙間11において植物3を支持す
るようにして使用される。ここで培地を構成する人工培
地ユニット1の数は、例えばスティック状の人工培地ユ
ニット1を抜き挿しする等して自由に増減させることが
でき、またそれぞれの人工培地ユニット1を別の人工培
地ユニット1と交換することもできるので、培地全体に
おける肥料4の全量を状況に応じて任意に調節すること
ができる。また、培地全体における肥料4の量は、人工
培地ユニット当たりの肥料量と、培地を構成するユニッ
ト数とから容易に特定することができる。
【0040】さらに、人工培地ユニット1を用いて培地
を構成するに際しては、図1に示すように、肥料4の混
入割合が同程度であるような複数の人工培地ユニット1
を集合させても良いし、あるいは図3に示すように、肥
料4を混入した人工培地ユニット1と、その人工培地ユ
ニット1よりも混入割合が少ないかもしくは肥料が混入
されていない人工培地ユニット1’とを混在させても良
い。
【0041】次に、実施の形態(1)におけるスティッ
ク状の人工培地ユニット1の作製工程について、熱融着
により保形する場合を例として以下に説明する。すなわ
ち、作製工程は、熱融着性合成繊維を含む原料繊維から
連続したウエブ状繊維集合体を形成する工程と、そのウ
エブ状繊維集合体を連続的に所定の幅に切断する工程
と、その所定幅のウエブ状繊維集合体を加熱し予備融着
させる工程と、その予備融着させたウエブ状繊維集合体
に所定量の肥料を投入する工程と、その肥料を投入した
ウエブを所定の断面形状になるよう一定温度に保たれた
ダイスに通過させ保形して連続体とする工程と、その保
形した連続体を所定の長さに切断する工程とから構成さ
れる。なお、上記予備融着とは、熱融着性繊維同士の接
点の一部を熱融着させた状態をいう。さらに具体的に述
べると、図6に示すように、まず原料繊維のステープル
・ファイバー(図示省略)がカード機20に供給され
る。このステープル・ファイバーの調製は公知手段によ
れば良い。次に、ステープル・ファイバーからカード機
20によりウエブ状繊維集合体21A(非常に柔らか
く、伸び縮みし易い)が形成され、続いて切断機22に
より所定の幅に切断され複数のウエブ状繊維集合体21
Bとなる。ウエブ状繊維集合体21Bは、コンベアー等
の搬送機を備えた加熱装置23に通され、保形性が向上
して伸び縮みに強いウエブ状繊維集合体21Cとなる。
加熱装置23では、通常、加熱により熱融着性合成繊維
同士の接点の一部が熱融着され、その保形性が増強され
る。例えば熱融着性合成繊維がPP/PE複合繊維であ
る場合、加熱装置23では、ウエブ状繊維集合体の厚さ
にもよるが、一般に130〜230℃で数秒〜数分間、
好ましくは140〜150℃で熱風により30〜40秒
間加熱される。繊維同士の一部が熱融着されたウエブ状
繊維集合体21Cに所定量の肥料4を投入する。その
後、所定の断面形状となるよう、一定温度(80〜90
℃)に保たれたダイス24に通過させることで、連続し
て保形を行う。最後に、ダイス24を通過した連続体2
5が切断機26により所定の長さに切断され、目的のス
ティック状の人工培地ユニット1が得られる。
【0042】熱融着により保形する際の、圧縮強度、加
熱温度、加熱時間等の諸条件は、目的の人工培地ユニッ
ト1の密度、保水性、繊維の溶融温度等を考慮して適宜
設定される。例えば、PP/PE複合繊維を用いた場合
には、加熱温度は130〜230℃が適当であり、好ま
しくは135〜155℃である。また、上記諸条件を選
択することにより、熱融着性合成繊維同士の接点の一部
を熱融着することができる。あるいは接点の全部を熱融
着することもできる。一般に、熱融着された接点が少な
いと目的の人工培地ユニット1が柔軟になり、熱融着さ
れた接点が多いと目的の人工培地ユニット1は硬くな
る。
【0043】また、人工培地ユニット1の密度は、保形
する過程での圧縮条件、加熱条件等の諸条件を設定する
ことによって任意に調節できる。そして、密度を高くす
ると保水力が向上し、肥料周辺の水分が蒸発しにくくな
り、肥料の溶解が早くなる。逆に密度を低くすると保水
力が低下し、肥料周辺の水分が流れ落ちやすく、肥料は
乾燥状態となり肥料の溶出は遅くなる。このように、密
度を調節することにより肥料成分の溶出速度を制御する
ことができる。具体的な値としては、0.01〜0.1
g/cm3 が適当であり、好ましくは0.02〜0.0
6g/cm3 である。
【0044】次に、実施の形態(2)を図4に示す。図
4の人工培地ユニット1Aは、密度に疎密の分布を形成
した例である。すなわち、上述の実施の形態(1)のよ
うな、内部に肥料が混入され断面形状が円形で密度の均
一なスティック状の人工培地ユニットの一部に、加熱圧
縮手段により括れ部を設け、この括れ部を密度が密の部
分1dとし、それ以外の部分を密度が疎の部分1eとし
たスティック状の人工培地ユニット1Aである。図4の
ような密度に疎密の分布のある人工培地ユニット1Aを
用いれば、一層植物の生育が良好となることがあり、こ
れは、密度の変化に応じて保水率が変化し、この変化が
植物に良い刺激を与えるためではないかと推測される。
また、密度に疎密の分布を設ける手段は、公知の各種圧
縮手段、加熱手段等を適宜採用することができる。具体
的には超音波により溶着・切断する手段や、部分的に熱
をかけた型あるいはワイヤーを人工培地ユニットに押し
当てる手段等を用いることができる。
【0045】さらに、実施の形態(3)を図5に示す。
図5の人工培地ユニット1Bは、上述の実施の形態
(1)及び(2)と同様に、複数の人工培地ユニット1
Bを集合させ、ユニット間の隙間11において植物3を
支持するために使用されるものであり、全体としてステ
ィック状に保形されている。そして人工培地ユニット1
Bは、繊維を集合させた外層部1fと、肥料からなる内
層部1gとを有しており、内層部1gから溶出する肥料
成分が、外層部1fを通過して植物3に供給されるよう
に構成されている。
【0046】上記外層部1fを構成する繊維の種類、熱
融着により保形する場合の引裂強度等の諸条件は、上記
実施の形態(1)と同様である。
【0047】また、外層部1fの厚さdを適宜設定する
ことにより、肥料成分の溶出速度を制御することができ
る。すなわち、厚さdが厚過ぎると肥料成分が溶出し難
くなり、逆に薄すぎると溶出し易くなるので、これらを
考慮して適宜設定される。具体的には、0.1〜5mm
が適当であり、好ましくは0.5〜2mmである。
【0048】上述の実施の形態(1)〜(3)では、ス
ティック状の人工培地ユニットの断面はほぼ円形に形成
されているが、その他にも、四角形、楕円形、三角形
等、任意の形状とすることができる。
【0049】また、上記実施の形態(1)〜(3)では
スティック状に保形した人工培地ユニットついて述べた
が、この他にも、複数のユニットを集合させることによ
りユニット間に植物を支持するための隙間が形成可能で
あって、かつ内部には肥料が混入されることを条件とし
て、任意の形状に保形することができる。具体例として
は、スティック状の他、不定形状、ボール状、ペレット
状、もしくは紐状等の形状が挙げられる。ここで、ボー
ル状、もしくはペレット状とは、長短軸の長さが近似し
ているか等しいため区別できないものをいい、紐状と
は、スティック状よりも長軸が長く、屈曲自在なものを
いう。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、これらに限定されるものではない。
【0051】(実施例1)熱融着性合成繊維として繊度
2デニールの捲縮のあるPP/PE複合繊維を用い、そ
のPP/PE複合繊維を切断、撹拌してステープル・フ
ァイバーを調製し、そのステープル・ファイバーを用い
てカード機にてウエブを作製し、そのウエブを搬送ロー
ラにて加熱装置に供給し、加熱装置にて150℃で40
秒間加熱し予備融着した。この予備融着したウエブに所
定量の肥料を投入し90℃に保った円筒形のダイスに通
すことにより、断面形状が円形で、表皮部分が熱融着に
より保形された、外径16mm、密度0.03g/cm
3 の連続体を得た。この得られた連続体を80mmの長
さに切断して、スティック状(円形断面、外径16m
m、長さ80mm)の人工培地ユニットを得た。この人
工培地ユニットの表皮部分の引裂強度を測定したとこ
ろ、1.47〜1.96Nであった。
【0052】得られたスティック状の人工培地ユニット
38本を、底面積が45cm2 (3号鉢程度)のプラス
チック容器に詰め入れ、ユニット間の隙間に、観葉植物
(ドラセナサンデリアーナ・ピレア・ポトス・フィロデ
ンドロン)を差し入れるように植え込んだ。そして、3
ヶ月間観葉植物の成長を観察したところ、追肥を施さな
くても生育は良好であった。また、植え替えのために、
観葉植物を引き抜いたところ、容易に人工培地ユニット
から分離することができ、根切れも少なく抑えられた。
【0053】(実施例2)予備融着したウエブに対し、
肥料と共にゼオライト等の根腐れ・水腐れ防止剤を投入
した以外は、実施例1と同様にしてスティック状の人工
培地ユニットを得た。得られた人工培地ユニットを用
い、実施例1と同様に観葉植物の育成を行ったところ、
育成過程で根腐れ・水腐れ防止剤を別途与える必要がな
く、植物の良好な生育が確認された。
【0054】
【発明の効果】以上、本発明によれば、複数の人工培地
ユニットを集合させて培地を構成するので、培地全体に
おける肥料の量を、人工培地ユニットを増減する等して
任意に調節することができる。また、培地全体に施肥さ
れた量も容易に特定することができる。
【0055】また、本発明の人工培地ユニットは、植物
の根がユニット自体に絡み入らないため、植物の根と肥
料とが直接接触して肥料焼けを起こすことがない。さら
に直接接触しないことを利用して肥料の混入割合を高く
設定できるために、追肥を施す必要性が少なく、手軽に
植物を育成することができる。また、仮に追肥が必要に
なった場合、あるいは肥料を取り除く場合には、人工培
地ユニットを抜き差しする等して容易に肥料の供給量を
変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態(1)に係る人工培地ユ
ニットの使用状態を示す図である。
【図2】 図1の一部拡大図である。
【図3】 本発明の実施の形態(1)に係る人工培地ユ
ニットの別の使用状態を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態(2)を示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態(3)に係る人工培地ユ
ニットの使用状態を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態(1)に係る人工培地ユ
ニットの作製工程を示す図である。
【符号の説明】
1 人工培地ユニット 1’ 人工培地ユニット 1A 人工培地ユニット 1B 人工培地ユニット 1a 表皮部分 1b 内部 1c シワ 1d 密度が密の部分 1e 密度が疎の部分 1f 外層部 1g 内層部 2 容器 3 植物 3a 植物の根 4 肥料 11 隙間 12 空隙 13 密着面 20 カード機 21A ウエブ状繊維集合体 21B ウエブ状繊維集合体 21C ウエブ状繊維集合体 22 切断機 23 加熱装置 24 ダイス 25 連続体 26 切断機 a 直径 h 長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B022 AB04 AB17 BA12 BA23 BB02 2B314 MA63 NC06 ND03 ND10 PC08 PC16 PC26

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のユニットを集合させ、前記ユニッ
    ト間に形成する隙間において植物を支持しつつ前記植物
    に対して肥料成分を与えるための人工培地ユニットであ
    って、繊維が集合して所定形状に保形され、内部に肥料
    が混入されてなる人工培地ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の人工培地ユニットにおい
    て、肥料の混入割合を、人工培地ユニット全体の容積に
    対して0.001〜1%とすることを特徴とする人工培
    地ユニット。
  3. 【請求項3】 複数のユニットを集合させ、前記ユニッ
    ト間に形成する隙間において植物を支持しつつ前記植物
    に対して肥料成分を与えるための人工培地ユニットであ
    って、繊維を集合させた外層部と、肥料成分を含む内層
    部とを有し、全体として所定形状に保形されてなる人工
    培地ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の人工培地
    ユニットにおいて、肥料がコーティング肥料であること
    を特徴とする人工培地ユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか記載の人工培地
    ユニットにおいて、肥料とともに根腐れ・水腐れ防止剤
    を混入したことを特徴とする人工培地ユニット。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか記載の人工培地
    ユニットが、表皮部分に熱融着性合成繊維を含み、前記
    表皮部分の引裂強度が0.098〜3.9Nになるよう
    に熱融着により保形されたことを特徴とする人工培地ユ
    ニット。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか記載の人工培地
    ユニットが、スティック状に保形されたことを特徴とす
    る人工培地ユニット。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008092955A (ja) * 2007-11-22 2008-04-24 Kao Corp 人工培養土
JP2015521031A (ja) * 2012-04-18 2015-07-27 オーエムエス・インヴェストメンツ・インコーポレイティッド 超大量の緩効性肥料を含有する植物生育系及びその使用法

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JP2015521031A (ja) * 2012-04-18 2015-07-27 オーエムエス・インヴェストメンツ・インコーポレイティッド 超大量の緩効性肥料を含有する植物生育系及びその使用法

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