JP3346271B2 - 栽培ベッド形成シート及び高設栽培装置 - Google Patents
栽培ベッド形成シート及び高設栽培装置Info
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Description
の果物、花その他植物の栽培ベッドを地上から適宜高さ
に配設する植物の高設栽培において、栽培ベッドの培養
土充填凹部を構成する栽培ベッド形成シート、及びこの
シートを使用してなる高設栽培装置に関する。
などの軟弱野菜の栽培では日常の手入れや収穫時等にし
ゃがみこんで作業するため腰や首、肩への負担が大き
く、ここ数年、栽培農家での腰痛、肩凝り等の慢性病が
問題視されてきた。そこでその解決策の一つとして提案
されたのがいわゆる高設栽培法である。この栽培法は、
地上から適宜高さに栽培ベッドを配設し、培養土を使っ
ていちごなどの軟弱野菜を栽培する方法であり、日常の
手入れや収穫時の作業などを立ったままで行うことがで
き、作業者の負担を大幅に軽減することができる。ただ
し、地面に直接定植する場合と異なり空中に栽培ベッド
を配設するため、栄養分の補給、栽培ベッドの保温性・
保水性・過剰水の排水性、通気性には特に考慮する必要
がある。
来、発泡スチロールでU字溝を形成し、この溝底面中央
部に長さ方向に沿って排水溝を設けて培養土充填凹部を
形成してなる栽培装置が提案され使用されていた。この
栽培装置は、栽培ベッドの保温性は優れているものの、
培養土への空気の送り込みすなわち通気性が劣るため健
全な根の育成が阻害されるおそれがあるばかりか、保水
性が悪いために頻繁に灌水する必要があった。更に建設
コストが高いという問題もあった。
5128号に開示されているように、上記発泡スチロー
ルの代わりにプラスチックフィルムをハンモック状に吊
るしてU字溝を形成し、この溝底部に直径数mmの排水
穴を長さ方向に40cm〜50cmの間隔をおいて設け
て培養土充填凹部を形成してなる栽培装置が提案され使
用されていた。この栽培装置は、上記の装置に比べれば
建設コストが軽減されるものの、通気性及び保水性の点
では満足のいくものではなかった。特に保水性が充分で
ないために頻繁に灌水する必要があり、当初投与した元
肥の効力が過剰な灌水によって溶出され、早期に効果を
消滅してしまう問題があったばかりか、植物体の栄養分
保持のためには液肥を水と一緒に絶えず与え続けなけれ
ばならず、管理の手間が大変であり、液肥が過剰投与に
なりがちで培養土中に塩類が蓄積され塩類障害のおそれ
もあった。更に、保水性が悪いために灌水前と直後とで
培養土中の水分含有量が大きく異なり、植物体にとって
好ましい土壌環境を恒常的に維持することが極めて困難
であった。この点、地面に対する直接栽培(露地栽培)
においては、土壌が適当な通気性を有しており、しかも
水分等を保持する能力も高いため、収穫量やおいしさ等
の点では露地栽培に劣る場合も多かった。
め、過剰な水の排水性に優れ、それでいて保水性にも優
れた栽培ベッド形成シートを提供し、更には、栄養分の
補給、栽培ベッドの保温性・保水性・過剰水の排水性、
及び通気性に優れ、露地栽培をも上回る収穫量やおいし
さを得ることができる高設栽培装置を提供せんとする。
明者が鋭意研究した結果、栽培ベッドを構成するプラス
チックフィルム乃至シートの少なくともベッド底部に当
たる部分に、1mm径以下好ましくは0.5mm径以下
の小孔を0.001〜0.3%(小孔総面積/フィルム
乃至シート面積)の密度で設けることにより、過剰な水
の排水性と保水性の両方を高めることができることを見
い出すことに成功した。ところが、通常使用されている
ポリチレンフィルム等のプラスチックフィルムに上記大
きさの小孔を上記密度で穿設した場合、培養土を充填す
ると当該フィルムがその荷重に耐えきれず小孔から亀裂
が生じることが判明した。そこで、本発明者は、基材と
なるフィルム乃至シートとして、フィルム乃至シート面
に沿って縦横網目状に補強筋を設けてなるプラスチック
フィルム乃至シートを用いることを想い立ち本発明に至
ったものである。
は、フィルム乃至シート面に沿って縦横網目状に補強筋
を設けてなるプラスチックフィルム乃至シートの一部又
は全面に、0.01mm〜1mm径の小孔を0.001
〜0.3%(小孔総面積/フィルム乃至シート面積)の
密度で設けてなる構成を有するものである。
基材となるプラスチックフィルム乃至シートとしては、
ポリエチレン、ポリプリピレンなどのポリオレフィンや
ポリアミド等を原料とするプラスチックフィルム、ポリ
エチレン、ポリプリピレンなどのポリオレフィン、ポリ
エステル或いはポリアミド等を原料とする不織布、また
はポリエチレン、ポリプリピレン等のポリオレフィンを
原料とする合成紙等を挙げることができるが、培養土へ
の酸素供給の点から通気性を有するものが好ましい。フ
ィルム乃至シートの色は、特に多段式に栽培ベッドを形
成する点を考慮すれば透明が好ましく、また熱放射が少
ない点を考慮すれば白が好ましいが、他の色でもかまわ
ない。
に補強筋を設ける手段としては、例えばフィルム乃至シ
ート面に沿って繊維状素材を固着するようにすればよ
い。固着する繊維状素材としては、綿、麻、絹等の天然
繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート、ナイロン、ア
クリル、ビニロン、ポリエチレン等の化学繊維、石綿、
炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などの高強度繊維
を挙げることができるが、延伸強化されたポリオレフィ
ン系繊維を縦横連続的に積層し熱融着した多層構造のも
のなどは、通気性、排水性、透明性に優れ、軽量で高強
度であり、しかも基材となるプラスチックフィルム乃至
シートに固着しやすい点などから特に好ましい。上記フ
ィルム乃至シートと繊維状素材との固着手段は、接着剤
による接着、熱融着のほか、現在公知の他の固着手段を
採用可能である。繊維状素材をフィルム乃至シートの両
面に固着すればより一層強度を高めることができる。な
お、上記のように繊維状素材を固着する手段のほかに
は、一体成形するようにしてもよいし、溶融プラスチッ
クをフィルム乃至シート面に沿って押し出して設けるよ
うにすることもできる。
01mm〜1mm径好ましくは0.5mm径以下の小孔
を0.001〜0.3%(小孔面積/フィルム乃至シー
ト面積)の密度、或いは0.01mm〜1mm径好まし
くは0.5mm径以下の小孔を0.3〜30個/cm2
(小孔個数/フィルム乃至シート面積)好ましくは3〜
30個/cm2 (小孔個数/フィルム乃至シート面積)
の密度で設ける。小孔を設ける位置は、少なくとも本発
明のシートで凹溝を形成した場合に底部となる部分、通
常は短手方向中央部の50mm〜500mmの幅で長手
方向に沿った部分に連続して設ける。ただし、基材とな
るフィルム乃至シートの通気性が低い場合には、培養土
充填凹部を構成する全面に設けて通気性、余剰水の排水
性及び保水性を同時に確保するのが好ましい。また、短
手方向中央部の穿設密度をより高くし、その両側部分の
穿設密度をより低くすることもできる。このように設け
れば、通気性と保水性を微妙にコントロールして最適な
条件に設定するようにすることができる。例えば中央部
50mm幅は密に、その両側100mm幅は粗に設ける
ことができる。小孔をあける手段としては、ピン式開孔
ロール或いは加熱ピン式開孔ロールによる機械的手段、
或いはレーザービームを使用する手段などによればよい
が、生産コストの観点からするとピン式開孔ロール或い
は加熱ピン式開孔ロールによる機械的手段が好ましい。
のような高設栽培装置を構成することができる。すなわ
ち、本発明の高設栽培装置は、小孔を設けた部分が少な
くとも底部に沿って配置されるように上記栽培ベッド形
成シートで凹溝を形成し、この凹溝内に培養土を入れる
ようにしてなる構成を有するものである。このように小
孔を設けた部分を凹溝底部に配置することにより、栄養
分の補給、栽培ベッドの保温性・保水性・過剰水の排水
性、及び通気性の点で、露地栽培にも劣らない栽培装置
とすることができる。
段としては、例えば2本の保持パイプを適宜脚部材を用
いて地面から適宜の高さに適宜間隔をおいて並行に配設
し、この保持パイプ間に栽培ベッド形成シートを中央部
が沈むように、言い換えればハンモック状に掛け渡して
U字乃至V字状の凹溝を形成するようにすればよい。た
だし、このような手段に限定されるものではない。
土(例えばロックウール)などを使用することができる
が、例えばピートモス35wt%、ボラエ20wt%、
粒状綿25wt%、くん炭10wt%、バーミキュウラ
イト10wt%の混合物からなる培養土は、栄養保持
力、保水性、過剰水排水性、通気性などの観点から好ま
しい。
ッド形成シート上に吸水シートを積層し、栽培ベッド形
成シートの小孔を設けた部分と培養土との間に当該吸水
シートを介在させるようにすれば、保水性を一層高める
ことができる。この吸水シートは、吸水量が0.3リッ
トル/m2 以上のものが好ましく、特に不織布からなる
ものが培養土への酸素供給等を考慮して通気性の点から
好ましい。不織布内に吸水性ポリマーを封入したもので
あれば更に保水性を得ることができ、外部への水分の蒸
散をも防止できる。この吸水シートは栽培ベッド形成シ
ートと固着して一体化して積層させたものが好ましい
が、高設栽培装置を組み立てる際に栽培ベッド形成シー
ト上に単に載せる(非固着)ようにしてもよい。
養土中に加温用パイプを埋設すれば土温を好適な栽培温
度に保持することができ、培養土の比較的上層部に灌水
用パイプを埋設すれば灌水を自動化できしかも灌水量を
抑えることができる。また、作物が植えられる部分を残
して地面をマルチフィルムで被覆すれば、保温性を高め
ると同時に防草効果を得ることができる。
培装置高設栽培装置を用いることにより、灌水の観点か
ら言えば、従来の高設栽培装置による栽培に比べ、灌水
間隔をかなり長くしても培養土に充分な水を供給するこ
とができるから、灌水の頻度を大幅に少なくすることが
でき手間が大幅に省けるばかりか、培養土中の栄養分の
確保も充分となる。また、保水性が高いために灌水前と
直後との培養土中の水分含有量に大きな差はなくなり、
植物体にとって好ましい土壌環境を恒常的に安定して維
持することができる。また、施肥の観点から言えば、従
来のように液肥を水と一緒に絶えず与え続けなければな
らない煩わしさがなくなるばかりか、肥料の節約、塩類
蓄積による塩類障害の回避にも結びつくと言った有利な
効果を得ることができる。これらの結果、いちごの栽培
で言えば、収穫量、粒の大きさ及びおいしさ(糖度)の
点で他の高設栽培は勿論、露地栽培をも上回る収穫結果
を得ることができるようになった。
明する。
ポリエチレンからなる白色のシート状不織布1aの一面
に、延伸強化されたポリオレフィン系繊維を縦横連続的
に積層し熱融着した多層構造状の繊維素材シート1b
(商品名:日石ワリフ、日石プラスト社製)を熱融着さ
せて基材シート1(商品名:ニューレインパスシート、
アグリス社製)を形成した。この基材シート1の物性
は、厚さ0.18mm、縦方向引張強度7.84kg、
横方向引張強度6.73kg、通気度170(sec/
100cc)、透湿度(g/m2 /24hr)であっ
た。
手方向中央部(凹溝形成時底部となる)の幅30cmの
長さ方向(図では上下方向)に連続した部分に平均0.
03mm径(範囲0.01mm〜0.05mm)の小孔
2aを2500個/100cm2 の密度で設けて栽培ベ
ッド形成シート2を形成した。
用して次に説明する高設栽培装置3を組み立てた。すな
わち、図4に示すように、脚部材5によって地上約70
cmの高さに水平かつ並行に支持パイプ6、6を配設
し、この支持パイプ6、6間に上記栽培ベッド形成シー
ト2をハンモック状に掛け渡し、小孔2aを設けた部分
が底部中央に位置するように調整しパッカー等によって
固定し、深さ35cm、幅35cmのU字溝状の培養土
充填部を形成した。そして更に、栽培ベッド形成シート
2の上に吸水量1.5リットル/m2 の吸水性ポリマー
含有不織布(商品名:ベルオアシス、鐘紡社製)からな
る幅30cmの保水マット7を重ねて積層すると共に、
培養土充填部内には、比較的上層部に充填部長さ方向に
沿って灌水用パイプ8を配設し、比較的低層部には充填
部長さ方向に沿って加温用パイプ9を配設し、培養土
(ピートモス35wt%、ボラエ20wt%、粒状綿2
5wt%、くん炭10wt%、バーミキュウライト10
wt%の混合物)を充填し、栽培ベッド10を形成し
た。また、栽培ベッド10の短手方向両側には傾斜面を
有する果実棚11、11を設け、この上に反射フィルム
12を施設した。
3において、保水マット8を積層せず、その他は実施例
1と同様の構成で高設栽培装置を組み立てた。
(凹溝を形成した時に底部に当たる部分)に長さ方向に
沿って一列に8mm径の穴を1m間隔で設けて栽培ベッ
ド形成シートを形成し、これを実施例1と同様に配設し
て高設栽培装置を組み立てた。
cm,深さ20cm)の底部に8mm径の穴を長さ方向
に沿って50cm間隔で設け、これを実施例1と同様に
配設して高設栽培装置を組み立てた。
1、比較例2の高設栽培装置の保水性を比較した。上記
実施例1、比較例1及び比較例2の高設栽培装置を使用
し、それぞれの栽培ベッドに長さ方向に25cmの間隔
おいて実施例1及び比較例1については横2列に、比較
例2については横1列にいちごの苗(品種「とよの
か」)を定植し、栽培ベッド底部から過剰水が流れ落ち
る程度に注水し、その後のpF値の経時変化を測定し
た。結果は表1に示した。pF値は、水と土壌粒子の吸
着力を指数関数で表したもので、数値が低いほど吸着が
弱く植物根にとって吸収し易いことを示す。pF値の測
定は、ポテンシオメーターにて、いちごの苗と苗の間の
中間点の培養土において測定した。
pF=1.5、収穫期ではpF=1.8が好ましいと言
われている。このような観点で上記の結果をみると、比
較例1及び比較例2では、生育期では約24時間(1
日)の間隔、収穫期では約48時間(2日)の間隔をお
いて灌水することが必要であることがわかる。これに対
し、実施例1では、生育期では約72時間(3日)の間
隔、収穫期では約120時間(5日)の間隔をおいて灌
水をすれば良いことがわかり、本発明によれば灌水の面
で大幅な省力化が可能であることが判明した。
び比較例1の高設栽培装置の保水性を測定し比較した。
設栽培装置を使用し、それぞれの栽培ベッドに長さ方向
に25cmの間隔おいて横2列にいちごの苗(品種「と
よのか」)を定植し、培養土10kgに対して10kg
の割合で注水し、その後の保水量の経時変化を測定し
た。結果を表2に示した。
大きかったか、それにもまして実施例1の保水効果は大
きかった。これより保水マットの効果を確認できた。
び比較例2の装置を使用しての高設栽培、並びに地面直
接栽培方式に関して、定植後一定期間経過時点での根の
生育状態を比較すると共に、収穫した果実の大きさ及び
収穫量について比較した。
を使用して、栽培ベッドに長さ方向に25cmの間隔お
いて横2列にいちごの苗(品種「とよのか」)を定植し
(9月5日)、最初栽培ベッド底部から過剰水が流れ落
ちる程度に注水し、その後pF値が1.5を越した時点
で灌水して栽培を行った(結果的には実施例1は平均3
日に1回の割合、比較例2は毎日灌水することになっ
た。)。また、地面に直接苗を定植した場合とも比較し
てみた。具体的には、畝幅70cmに25cm間隔でい
ちごの苗(品種「とよのか」)を定植し(9月5日)、
元肥としてロング(:商品名、チッソ社製)を施し、土
壌及び植物体の様子を観察しながら随時灌水して栽培を
行った。
過した時点でいちごの株間の培養土又は土壌を10箇所
採取し、その中の根の乾燥重量を測定し、結果を下記表
3に示した。また、9月5日に定植した一番果の収穫時
期である11月26日〜1月16日に収穫した果実の大
きさ及び収穫量を測定し、結果を下記表4に示した。な
お、粒の大きさを比較するため、いずれの場合も1株に
なる個数を13個に統一した。
が非常に良好なことが明白である。これは上記保水性試
験の結果で示されたようにpF値が低く長時間安定した
土壌環境が保たれるため、根の発育が非常に良好である
ことを示していると考えられる。また、果実の大きさ及
び収穫量の点では、実施例1の場合に肥大果の比率が大
きく、収穫重量においても、地面直接栽培や比較例2の
場合に比べて大幅に優れていた。
との比較試験〕実施例1の栽培装置を使用した高設栽培
と、実際の農家で栽培している地面直接栽培(普通栽
培)とを、収穫した果実のサイズで比較した。
は、栽培ベッドに長さ方向に25cmの間隔おいて横2
列にいちごの苗(品種「とよのか」)を定植し(9月5
日)、最初栽培ベッド底部から過剰水が流れ落ちる程度
に注水し、その後pF値が1.5を越した時点で灌水し
て栽培を行った(結果的には平均して3日に1回の割合
となった)。一方、地面直接栽培(普通栽培)は、実際
の農家に依頼して、畝幅70cmに25cm間隔でいち
ごの苗(品種「とよのか」)を定植し(9月5日)、元
肥としてロング(:商品名、チッソ社製)を施し、土壌
及び植物体の様子を観察しながら発育期には毎日灌水
し、収穫期には平均してほぼ隔日で灌水するようにして
栽培した。いずれの場合も、11月26日〜1月16日
の間に1番果を収穫し、大きさを等級別に分別し、結果
を表5に示した。
比べて非常に大きく、好結果が得られ、更に糖度も高か
った。また、果実が硬く、全体的に均一に着色してお
り、普通栽培の場合のようなマルチ抵触部が白くなるよ
うなことはなかった。
の観点から言えば、生育期では約3日おき、収穫期では
約5日おきに定期的に灌水すれば培養土に充分な水を供
給することができ、比較例1、2に比べ、灌水間隔を2
倍以上長くしても培養土に充分な水を供給することがで
きるから、灌水の頻度を大幅に少なくすることができ手
間が大幅に省けるばかりか、培養土中の栄養分の確保も
充分となる。また、保水性が高いために灌水前と直後と
の培養土中の水分含有量に大きな差はなくなり、植物体
にとって好ましい土壌環境を恒常的に安定して維持する
ことができる。また、施肥の観点から言えば、定植直前
に長期(140日以上)にわたって肥効のある元肥(例
えば商品名:ロング(チッソ社製)を施肥し、その元肥
が効力を失する1か月に同様の肥料を施すようにするこ
とにより、2回の施肥でいちごの収穫期間の施肥は充分
となる。したがって、従来のように液肥を水と一緒に絶
えず与え続けなければならない煩わしさがなくなるばか
りか、肥料の節約、塩類蓄積による塩類障害の回避にも
結びつくと言った有利な効果を得ることができる。
の基材シートの製造方法の一例を示した分解斜視図であ
る。
視図である。
図であり、(A)は平面図、(B)はそれを拡大して見
た状態の断面図である。
面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 フィルム乃至シート面に沿って縦横網目
状に補強筋を設けてなるプラスチックフィルム乃至シー
トの一部又は全面に、0.01mm〜1mm径の小孔を
0.001〜0.3%(小孔総面積/フィルム乃至シー
ト面積)の密度で設けて栽培ベッドの過剰水の排水性と
保水性とを確保してなる構成を有する培養土充填凹部の
最も外側を構成する栽培ベッド形成シート。 - 【請求項2】フィルム乃至シート面に沿って縦横網目状
に補強筋を設けてなるプラスチックフィルム乃至シート
の一部又は全面に、0.01mm〜1mm径の小孔を
0.3〜30個/cm 2 の密度で設けて栽培ベッドの過
剰水の排水性と保水性とを確保してなる構成を有する培
養土充填凹部の最も外側を構成する 栽培ベッド形成シー
ト。 - 【請求項3】上記プラスチックフィルム乃至シートのフ
ィルム乃至シート面に沿って繊維状素材を固着すること
により補強筋を設けた請求項1又は2に記載の栽培ベッ
ド形成シート。 - 【請求項4】上記プラスチックフィルム乃至シートが通
気性を有する請求項1〜3のいずれかに記載の栽培ベッ
ド形成シート。 - 【請求項5】小孔を設けた部分が少なくとも底部に沿っ
て配置されるように請求項1〜4いずれかに記載の栽培
ベッド形成シートで凹溝を形成し、この凹溝内に培養土
を入れるようにしてなる構成を有する高設栽培装置。 - 【請求項6】請求項1〜4いずれかに記載の栽培ベッド
形成シート上に吸水シートを積層し、栽培ベッド形成シ
ートの小孔を設けた部分と培養土との間に当該吸水シー
トを介在してなる請求項5に記載の高設栽培装置。
Priority Applications (2)
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JP08613198A JP3346271B2 (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | 栽培ベッド形成シート及び高設栽培装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JPH11279924A JPH11279924A (ja) | 1999-10-12 |
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Cited By (1)
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1998
- 1998-03-31 JP JP08613198A patent/JP3346271B2/ja not_active Expired - Lifetime
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