JP3286207B2 - 植物育成床 - Google Patents
植物育成床Info
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- JP3286207B2 JP3286207B2 JP14306897A JP14306897A JP3286207B2 JP 3286207 B2 JP3286207 B2 JP 3286207B2 JP 14306897 A JP14306897 A JP 14306897A JP 14306897 A JP14306897 A JP 14306897A JP 3286207 B2 JP3286207 B2 JP 3286207B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカーネーション、ト
ルコキキョウ、ストック、カスミソウ、金魚草等の切花
類、トマト、キュウリ、メロン、いんげん豆、ピーマ
ン、さやえんどう、みつ葉、ちんげん菜、セロリ等の農
作物の育成に有用な植物育成床に関し、詳しくは根腐れ
現象を解消し、底部に水が溜っても内部が蒸れることが
ない植物育成床に関する。
ルコキキョウ、ストック、カスミソウ、金魚草等の切花
類、トマト、キュウリ、メロン、いんげん豆、ピーマ
ン、さやえんどう、みつ葉、ちんげん菜、セロリ等の農
作物の育成に有用な植物育成床に関し、詳しくは根腐れ
現象を解消し、底部に水が溜っても内部が蒸れることが
ない植物育成床に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物を育成栽培するために、袋や
筒内に培養土を充填した植物育成床は知られている。
筒内に培養土を充填した植物育成床は知られている。
【0003】袋や筒内に培養土を充填した植物育成床の
利点としては、作物の病気を防ぐための蒸気による消毒
や土壌の燻蒸等の処理が、従来の露地栽培やハウス栽培
等に比べ、非常に容易であり、また燻蒸に使用する薬剤
の量を少なくすることができるということである。
利点としては、作物の病気を防ぐための蒸気による消毒
や土壌の燻蒸等の処理が、従来の露地栽培やハウス栽培
等に比べ、非常に容易であり、また燻蒸に使用する薬剤
の量を少なくすることができるということである。
【0004】また、植物育成床を使用する他の利点とし
ては、今日の農業に望まれている自動化・省力化による
施設の高度利用化を容易にすることが挙げられる。高度
利用化のためには、育成する作物の種類を時期に応じて
変え、それによって土壌のpH、肥料、水分含量等を育
成する作物に応じて調整することが要求される。通常の
露地栽培等では、作物の種類によっては、直前の土壌の
条件を大きく変える必要があり、そのために休作期間を
設けたり、畝を耕し直したりする必要が生じる。しか
し、袋や筒内に培養土を充填した植物育成床は、育成す
る作物の切り替えに応じて培養土の切り替えが簡単にで
き、自動化・省力化による高度利用化に適しているので
ある。
ては、今日の農業に望まれている自動化・省力化による
施設の高度利用化を容易にすることが挙げられる。高度
利用化のためには、育成する作物の種類を時期に応じて
変え、それによって土壌のpH、肥料、水分含量等を育
成する作物に応じて調整することが要求される。通常の
露地栽培等では、作物の種類によっては、直前の土壌の
条件を大きく変える必要があり、そのために休作期間を
設けたり、畝を耕し直したりする必要が生じる。しか
し、袋や筒内に培養土を充填した植物育成床は、育成す
る作物の切り替えに応じて培養土の切り替えが簡単にで
き、自動化・省力化による高度利用化に適しているので
ある。
【0005】上述した利点を有する植物育成床として、
例えば特開平2−215322号には、樹脂フィルムを
用いて植物育成床を形成した例が開示されている。しか
し、上述の育成床では、通気性が悪く、植物育成床内の
湿度や温度が上昇し、培養土中の酸素が欠乏して、植物
の成育に悪影響を及ぼす欠点がある。
例えば特開平2−215322号には、樹脂フィルムを
用いて植物育成床を形成した例が開示されている。しか
し、上述の育成床では、通気性が悪く、植物育成床内の
湿度や温度が上昇し、培養土中の酸素が欠乏して、植物
の成育に悪影響を及ぼす欠点がある。
【0006】本発明者はかかる欠点を解消する技術とし
て、先にフラッシュ紡糸法により製造された不織布を用
いた植物育成床を提案した。この植物育成床に用いた不
織布は通気性に優れるため、植物育成床内の湿度や温度
を過度に上昇させることなく、また培養土の酸素を欠乏
させることなく根部全体の健全な成長を促進できる利点
がある。
て、先にフラッシュ紡糸法により製造された不織布を用
いた植物育成床を提案した。この植物育成床に用いた不
織布は通気性に優れるため、植物育成床内の湿度や温度
を過度に上昇させることなく、また培養土の酸素を欠乏
させることなく根部全体の健全な成長を促進できる利点
がある。
【0007】しかし、フラッシュ紡糸法により製造され
た不織布はコストが高いという問題がある。また細塵
(例えば細かな砂ほこりなど)がつきやすく、汚れがつ
くと反射性が低下し、また水分の滲み出し現象が生じる
欠点がある。
た不織布はコストが高いという問題がある。また細塵
(例えば細かな砂ほこりなど)がつきやすく、汚れがつ
くと反射性が低下し、また水分の滲み出し現象が生じる
欠点がある。
【0008】そこで、本発明者は、植物育成床の素材と
して樹脂フィルムを用い、通気性を改良し、しかも育成
床の過湿と過昇温を防止するために、植物育成床の上面
(日射面)に小孔若しくはスリットを形成することを検
討したが、以下のような問題があることがわかった。
して樹脂フィルムを用い、通気性を改良し、しかも育成
床の過湿と過昇温を防止するために、植物育成床の上面
(日射面)に小孔若しくはスリットを形成することを検
討したが、以下のような問題があることがわかった。
【0009】植物の株基の地際から内部に水を供給する
と、育成床直下の底部に水がたまり、植物の根は水に向
かって延びるが、根が延びて水の中に常時浸漬している
と、根腐れを起こす問題があり、又水が溜ったままであ
ると、内部の湿度上昇を招き、蒸れ現象を引き起こす。
また上記のような小孔等が存在しても、そこまで水が来
なければ、蒸散効果は期待できない。
と、育成床直下の底部に水がたまり、植物の根は水に向
かって延びるが、根が延びて水の中に常時浸漬している
と、根腐れを起こす問題があり、又水が溜ったままであ
ると、内部の湿度上昇を招き、蒸れ現象を引き起こす。
また上記のような小孔等が存在しても、そこまで水が来
なければ、蒸散効果は期待できない。
【0010】又、本発明者は、樹脂フィルム素材の植物
育成床内部に吸水シートを設け、上記の小孔等まで水
(水分)を誘導することも検討した。
育成床内部に吸水シートを設け、上記の小孔等まで水
(水分)を誘導することも検討した。
【0011】確かに吸水シートによって水(水分)を誘
導できるが、植物の根が吸水シートを通過し吸水シート
と樹脂フィルム素材の間に根が侵入して行き、とぐろを
巻く現象が生じる。植物育成床の底部でとぐろ巻いてい
る根は水に浸漬した状態のままになるのでやはり前述の
根腐れ現象を引き起こす欠点がある。
導できるが、植物の根が吸水シートを通過し吸水シート
と樹脂フィルム素材の間に根が侵入して行き、とぐろを
巻く現象が生じる。植物育成床の底部でとぐろ巻いてい
る根は水に浸漬した状態のままになるのでやはり前述の
根腐れ現象を引き起こす欠点がある。
【0012】更に、本発明者は、植物育成床に水抜き孔
を設け、植物育成床内に一定量の水を保持する手段につ
いても検討したが、この場合に水抜き孔から根が外部に
進出して行って外部からの病害虫や病原菌が侵入し易く
なる欠点があることがわかった。
を設け、植物育成床内に一定量の水を保持する手段につ
いても検討したが、この場合に水抜き孔から根が外部に
進出して行って外部からの病害虫や病原菌が侵入し易く
なる欠点があることがわかった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の第1
の課題は、低コストで、汚れがつきにくく、水分の滲み
出し現象が生じない植物育成床を提供することにある。
の課題は、低コストで、汚れがつきにくく、水分の滲み
出し現象が生じない植物育成床を提供することにある。
【0014】本発明の第2の課題は、根腐れを起こすこ
となく、内部の水分を蒸散して蒸発潜熱を奪い温度及び
湿度調節が適切に行える植物育成床を提供することにあ
る。本発明の第3の課題は、一定量の水を保持する水抜
き孔を設けても、水抜き孔から植物根が伸び出したり、
病害虫や病原菌が侵入しない植物育成床を提供すること
にある。
となく、内部の水分を蒸散して蒸発潜熱を奪い温度及び
湿度調節が適切に行える植物育成床を提供することにあ
る。本発明の第3の課題は、一定量の水を保持する水抜
き孔を設けても、水抜き孔から植物根が伸び出したり、
病害虫や病原菌が侵入しない植物育成床を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明に係る植物育成床は、内部に植物育成用の培養土を充
填してなり、太陽光の日射面に径が0.1〜50mmの水分蒸
散用小孔を複数有する熱可塑性樹脂製の樹脂フィルムか
らなる植物育成床において、水は通過するが植物の根は
通過しない吸水性防根シートを前記樹脂フィルムの内面
全面に設け、該吸水性防根シートで前記水分蒸散用小孔
の内面側を覆ってなることを特徴する。
明に係る植物育成床は、内部に植物育成用の培養土を充
填してなり、太陽光の日射面に径が0.1〜50mmの水分蒸
散用小孔を複数有する熱可塑性樹脂製の樹脂フィルムか
らなる植物育成床において、水は通過するが植物の根は
通過しない吸水性防根シートを前記樹脂フィルムの内面
全面に設け、該吸水性防根シートで前記水分蒸散用小孔
の内面側を覆ってなることを特徴する。
【0016】また、上記課題を解決する本発明に係る植
物育成床は、内部に植物育成用の培養土を充填してな
り、太陽光の日射面に長さが5〜50mmの水分蒸散用スリ
ットを複数有する熱可塑性樹脂製の樹脂フィルムからな
る植物育成床において、水は通過するが植物の根は通過
しない吸水性防根シートを前記樹脂フィルムの内面全面
に設け、該吸水性防根シートで前記水分蒸散用スリット
の内面側を覆ってなることを特徴する。
物育成床は、内部に植物育成用の培養土を充填してな
り、太陽光の日射面に長さが5〜50mmの水分蒸散用スリ
ットを複数有する熱可塑性樹脂製の樹脂フィルムからな
る植物育成床において、水は通過するが植物の根は通過
しない吸水性防根シートを前記樹脂フィルムの内面全面
に設け、該吸水性防根シートで前記水分蒸散用スリット
の内面側を覆ってなることを特徴する。
【0017】本発明の好ましい態様としては、樹脂フィ
ルムの外面側が白色又は銀色であり、内面側が遮光性の
良い色で着色されていること、あるいは樹脂フィルムの
外面側が白色又は銀色であり、且つ吸水性防根シートが
黒色に着色されていることであり、また側面に水抜き孔
を有することは好ましいことである。
ルムの外面側が白色又は銀色であり、内面側が遮光性の
良い色で着色されていること、あるいは樹脂フィルムの
外面側が白色又は銀色であり、且つ吸水性防根シートが
黒色に着色されていることであり、また側面に水抜き孔
を有することは好ましいことである。
【0018】更に本発明の他の好ましい態様としては、
吸水性防根シートがスパンボンド法により形成された不
織布によって製造されることである。
吸水性防根シートがスパンボンド法により形成された不
織布によって製造されることである。
【0019】更に又、本発明の他の好ましい態様として
は、シラス、赤土、鹿沼土等の火山性多孔鉱物、ゼオラ
イト、石炭殻、木炭末あるいは礫を植物育成床の底部に
敷設することである。
は、シラス、赤土、鹿沼土等の火山性多孔鉱物、ゼオラ
イト、石炭殻、木炭末あるいは礫を植物育成床の底部に
敷設することである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基いて説明する。
に基いて説明する。
【0021】図1は本発明の一実施例を示す斜視図、図
2は図1のII−II線断面図である。図1及び図2におい
て、1は筒状の植物育成床であり、該植物育成床1は少
なくとも2層構成になっており、外側の層は樹脂フィル
ム101 によって構成され、内側の層は水は通過するが植
物の根は通過しない吸水性防根シート102 によって構成
される。
2は図1のII−II線断面図である。図1及び図2におい
て、1は筒状の植物育成床であり、該植物育成床1は少
なくとも2層構成になっており、外側の層は樹脂フィル
ム101 によって構成され、内側の層は水は通過するが植
物の根は通過しない吸水性防根シート102 によって構成
される。
【0022】2は太陽光の日射面(上面)に形成された
水分蒸散用小孔である。該小孔2の径は 0.1〜50mmの範
囲であればよく、太陽光の反射性や育成床の強度及び孔
明け加工性を考慮すると 1.0〜10mmの範囲が好ましい。
また小孔2は複数の列状に形成することができる。各列
における隣接する小孔2の間隔は10〜100mm の範囲が好
ましい。
水分蒸散用小孔である。該小孔2の径は 0.1〜50mmの範
囲であればよく、太陽光の反射性や育成床の強度及び孔
明け加工性を考慮すると 1.0〜10mmの範囲が好ましい。
また小孔2は複数の列状に形成することができる。各列
における隣接する小孔2の間隔は10〜100mm の範囲が好
ましい。
【0023】また図示しないが、水分蒸散用小孔2は水
分蒸散用スリットに代えてもよく、スリットの長さは5
〜50mmの範囲であればよい。またスリットは列状に複数
形成することができ、その列間の幅は10〜100mm の範囲
が好ましい。
分蒸散用スリットに代えてもよく、スリットの長さは5
〜50mmの範囲であればよい。またスリットは列状に複数
形成することができ、その列間の幅は10〜100mm の範囲
が好ましい。
【0024】3は植物育成床1の内部に収納・充填され
ている植物育成用の培養土3である。4は植生用の間隙
であり、間隙4に植物5が植生されている。
ている植物育成用の培養土3である。4は植生用の間隙
であり、間隙4に植物5が植生されている。
【0025】樹脂フィルム101 は熱可塑性樹脂製のフィ
ルムであり、反射性が付与されたフィルムが好ましい。
反射性を付与するには、外面側を白色又は銀色に着色
(顔料の練り込みや印刷など)したり、アルミ蒸着した
り、アルミ箔を接着したりする等の方法がある。
ルムであり、反射性が付与されたフィルムが好ましい。
反射性を付与するには、外面側を白色又は銀色に着色
(顔料の練り込みや印刷など)したり、アルミ蒸着した
り、アルミ箔を接着したりする等の方法がある。
【0026】また樹脂フィルム101 に遮光性を付与する
ことも好ましく、遮光性を付与するには、内面側を遮光
性の良い色(例えば黒色等)で着色する方法がある。
ことも好ましく、遮光性を付与するには、内面側を遮光
性の良い色(例えば黒色等)で着色する方法がある。
【0027】樹脂フィルム101 の具体例としては、反射
フィルム、白黒フィルム、銀黒フィルム等が挙げられ
る。
フィルム、白黒フィルム、銀黒フィルム等が挙げられ
る。
【0028】フィルムの外面側を白色又は銀色面などの
反射面とすることで、太陽光線(エネルギー)を反射
し、植物育成床内の日中(特に夏期)の温度を低く保つ
効果、即ち作物の根部成長を阻害する程の高温になるこ
とが防止され、又特に銀色、アルミ蒸着等では紫外線の
反射率も高く、有翅アブラムシ、ミナミキイロアザミウ
マ等の飛来が少なく、ウイルス性病害発生等を最小限に
抑止する。
反射面とすることで、太陽光線(エネルギー)を反射
し、植物育成床内の日中(特に夏期)の温度を低く保つ
効果、即ち作物の根部成長を阻害する程の高温になるこ
とが防止され、又特に銀色、アルミ蒸着等では紫外線の
反射率も高く、有翅アブラムシ、ミナミキイロアザミウ
マ等の飛来が少なく、ウイルス性病害発生等を最小限に
抑止する。
【0029】一方、フィルムの内面側に遮光性を付与す
ると、培養土に届く光線を遮断し、育成床の内面に苔や
藻類等が発生しないようにすると共に、培養土内での温
度上昇を効果的に抑えることができる。
ると、培養土に届く光線を遮断し、育成床の内面に苔や
藻類等が発生しないようにすると共に、培養土内での温
度上昇を効果的に抑えることができる。
【0030】なお、フィルムの内面には遮光性を付与せ
ず、吸水性防根シート102 に遮光性を付与してもよい。
ず、吸水性防根シート102 に遮光性を付与してもよい。
【0031】樹脂フィルム101 のベース樹脂としては、
例えば塩化ビニル系樹脂やポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹脂等の各
種熱可塑性合成樹脂が挙げられ、中でも本発明において
好ましいのは、ポリオレフィン系樹脂であり、ポリオレ
フィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、
α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体
であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1共重合
体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エ
チレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合
体、エチレン−デセン共重合体等のエチレン−α−オレ
フィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタク
リレート共重合体、アイオノマー共重合体などが挙げら
れる。これらの樹脂は単独又はブレンド使用することが
できる。
例えば塩化ビニル系樹脂やポリエチレン、エチレン−酢
酸ビニル共重合体のようなポリオレフィン系樹脂等の各
種熱可塑性合成樹脂が挙げられ、中でも本発明において
好ましいのは、ポリオレフィン系樹脂であり、ポリオレ
フィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、
α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体
であり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン1共重合
体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エ
チレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合
体、エチレン−デセン共重合体等のエチレン−α−オレ
フィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリ
レート共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メチルメタク
リレート共重合体、アイオノマー共重合体などが挙げら
れる。これらの樹脂は単独又はブレンド使用することが
できる。
【0032】樹脂フィルム101 の厚みは10〜150μ
mが好ましく、コスト、強度、柔軟性、作業性等を考慮
すると30〜100μmがより好ましい。
mが好ましく、コスト、強度、柔軟性、作業性等を考慮
すると30〜100μmがより好ましい。
【0033】ベース樹脂に添加できる他の成分として
は、耐候安定剤、無滴剤、保温剤、農薬、肥料等が挙げ
られる。耐候安定剤としては、光安定剤(ヒンダードア
ミン系等)や紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系等)
等が挙げられ、無滴剤としては各種脂肪酸エステル類等
が挙げられ、保温剤としては、各種金属酸化物(フィラ
ー)等が挙げられる。
は、耐候安定剤、無滴剤、保温剤、農薬、肥料等が挙げ
られる。耐候安定剤としては、光安定剤(ヒンダードア
ミン系等)や紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系等)
等が挙げられ、無滴剤としては各種脂肪酸エステル類等
が挙げられ、保温剤としては、各種金属酸化物(フィラ
ー)等が挙げられる。
【0034】本発明に用いられる吸水性防根シート102
水は通過するが植物の根は通過しないものであり、吸水
性防根シート102 としては、主に透水性の熱可塑性樹脂
繊維製の織布、不織布又はフェルトを用いることができ
る。
水は通過するが植物の根は通過しないものであり、吸水
性防根シート102 としては、主に透水性の熱可塑性樹脂
繊維製の織布、不織布又はフェルトを用いることができ
る。
【0035】不織布を用いる場合には、コストが安いス
パンボンド法による不織布が好ましい。熱可塑性樹脂と
しては、ポリエチレン(特に高密度ポリエチレン)、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等およびこれ
らの共重合体を挙げることができる。これらの樹脂は単
独で、または混合して使用することができる。強度、耐
久性の点ではポリエステルが望ましい。更に吸水性防根
シート102 は親水処理されているのも好ましい。
パンボンド法による不織布が好ましい。熱可塑性樹脂と
しては、ポリエチレン(特に高密度ポリエチレン)、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等およびこれ
らの共重合体を挙げることができる。これらの樹脂は単
独で、または混合して使用することができる。強度、耐
久性の点ではポリエステルが望ましい。更に吸水性防根
シート102 は親水処理されているのも好ましい。
【0036】なお吸水性防根シート102 としては、天然
繊維を用いることもできる。
繊維を用いることもできる。
【0037】吸水性防根シート102 は、表層側の樹脂フ
ィルム101 の内面側に遮光性が付与されていない場合、
即ち例えば黒色等に着色されていない場合には、コケ等
の防止を良好にするために、黒色に着色されていること
が好ましい。
ィルム101 の内面側に遮光性が付与されていない場合、
即ち例えば黒色等に着色されていない場合には、コケ等
の防止を良好にするために、黒色に着色されていること
が好ましい。
【0038】上記吸水性防根シート102 において、シー
トの吸水性とは、育成床底部の水を吸い上げ、しかもシ
ートに接する培養土より給液を吸水、保水することによ
り、シート底部から上部(水分蒸散用小孔またはスリッ
トが存在する通気部近辺)まで連続的に潤れた状態にで
きる性質であり、従って本発明に用いられる吸水性防根
シートは、例えば育成床の高さが3〜20cmの範囲である
場合、育成床底部から3〜20cm上の上部までシートが潤
れている性質を有していることが必要である。
トの吸水性とは、育成床底部の水を吸い上げ、しかもシ
ートに接する培養土より給液を吸水、保水することによ
り、シート底部から上部(水分蒸散用小孔またはスリッ
トが存在する通気部近辺)まで連続的に潤れた状態にで
きる性質であり、従って本発明に用いられる吸水性防根
シートは、例えば育成床の高さが3〜20cmの範囲である
場合、育成床底部から3〜20cm上の上部までシートが潤
れている性質を有していることが必要である。
【0039】また本発明におけるシートの吸水性に関す
る物性の特定は、以下に言及する透水性によって規定す
ることができる。即ち透水性は一定の面積と厚さをもつ
シートの中を水が透過する速度であり、図3及び図4に
示す装置によって測定した値によって規定される。
る物性の特定は、以下に言及する透水性によって規定す
ることができる。即ち透水性は一定の面積と厚さをもつ
シートの中を水が透過する速度であり、図3及び図4に
示す装置によって測定した値によって規定される。
【0040】即ち、図3及び図4に示すように、内径20
mmのガラス管50の下端に、試料シート60を接着剤51を用
いて張付け固定する。垂直に立設したガラス管50に水柱
高52が100 cm以上になるように水を入れ、下端の試料シ
ート60を透過させて、受槽53に排出する。しかして、水
柱高52が100 cmの標線を通過したときに測定を開始して
透水速度を測定する。
mmのガラス管50の下端に、試料シート60を接着剤51を用
いて張付け固定する。垂直に立設したガラス管50に水柱
高52が100 cm以上になるように水を入れ、下端の試料シ
ート60を透過させて、受槽53に排出する。しかして、水
柱高52が100 cmの標線を通過したときに測定を開始して
透水速度を測定する。
【0041】上記のシートとしては、この手法による測
定によって、水柱高52が90cmに達するまでの時間が60分
以内、好ましくは30分以内、更に好ましくは10分以内の
透水性を有するシートが用いられる。
定によって、水柱高52が90cmに達するまでの時間が60分
以内、好ましくは30分以内、更に好ましくは10分以内の
透水性を有するシートが用いられる。
【0042】また、上述した吸水性防根シート102 は、
防根性を有しているが、好ましくは、根の通過を止める
ために、繊維間に大きな間隙を有していないものが用い
られることであり、不織布では繊維間の間隙が微小で繊
維の重なりの多いものが用いられる。
防根性を有しているが、好ましくは、根の通過を止める
ために、繊維間に大きな間隙を有していないものが用い
られることであり、不織布では繊維間の間隙が微小で繊
維の重なりの多いものが用いられる。
【0043】防根性は透水性とは直接の関係は有しない
が、一般に、上述の測定法において水柱高が10cmになる
までの時間が1.5 秒以上、好ましくは3秒以上の透水速
度のものが使用される。
が、一般に、上述の測定法において水柱高が10cmになる
までの時間が1.5 秒以上、好ましくは3秒以上の透水速
度のものが使用される。
【0044】以上のようにして得られたシートの坪量
は、防根性を効果的に発揮し、強度性を付与するため等
から50〜 200g/m2が好ましい。
は、防根性を効果的に発揮し、強度性を付与するため等
から50〜 200g/m2が好ましい。
【0045】本発明に用いられる植物育成用の培養土と
しては、ピートモス、ゼオライト、稲ワラ、もみがらく
ん炭、腐葉土、ヒノキ、スギ等の樹皮、おがくず、木炭
末、水苔等の植物性培養土原料の1種又は数種を混合
し、更に必要により礫、砂、バーミキュライト、赤土、
鹿沼土等の鉱物性培養土原料を少なくとも1種を混合し
て、醸成したものが好ましい。
しては、ピートモス、ゼオライト、稲ワラ、もみがらく
ん炭、腐葉土、ヒノキ、スギ等の樹皮、おがくず、木炭
末、水苔等の植物性培養土原料の1種又は数種を混合
し、更に必要により礫、砂、バーミキュライト、赤土、
鹿沼土等の鉱物性培養土原料を少なくとも1種を混合し
て、醸成したものが好ましい。
【0046】また、培養土の過度な温度上昇を防ぐため
には、適度な水分を含んだ培養土を用いたり、また、空
隙を有する培養土を用いることが好ましい。培養土に空
隙を設ける際に、粘土鉱物、軽石、火山灰土を培養土に
混合することができる。
には、適度な水分を含んだ培養土を用いたり、また、空
隙を有する培養土を用いることが好ましい。培養土に空
隙を設ける際に、粘土鉱物、軽石、火山灰土を培養土に
混合することができる。
【0047】本発明では、シラス、赤土、鹿沼土等の火
山性多孔鉱物、ゼオライト、石炭殻、木炭末あるいは礫
を育成床1の底部に敷設することは特に好ましいことで
ある。火山性多孔鉱物の存在によって水分の保持や水の
横方向の分散を促進し、植物の根に水分や空気を補給
し、根の発育に好ましいからである。
山性多孔鉱物、ゼオライト、石炭殻、木炭末あるいは礫
を育成床1の底部に敷設することは特に好ましいことで
ある。火山性多孔鉱物の存在によって水分の保持や水の
横方向の分散を促進し、植物の根に水分や空気を補給
し、根の発育に好ましいからである。
【0048】更に培養土原料には地理的特徴を生かして
カキ殻、甲殻類カラ、骨料、魚粕等を加えることもでき
る。また培養土には肥料、殺虫剤、保温剤等を配合して
もよい。特に緩効性肥料及び固形有機複合肥料を入れて
おくことが好ましい。
カキ殻、甲殻類カラ、骨料、魚粕等を加えることもでき
る。また培養土には肥料、殺虫剤、保温剤等を配合して
もよい。特に緩効性肥料及び固形有機複合肥料を入れて
おくことが好ましい。
【0049】上記の培養土に用いる土壌は充填前に作物
の病気を防ぐために消毒、燻蒸処理を行なうことが好ま
しい。本発明では従来の露地栽培やハウス栽培等のよう
に圃場全体の土壌を処理する必要がなく、培養土に必要
な土壌のみを消毒、燻蒸処理するので、手数や費用が少
なく消毒、燻蒸処理が容易である。また殺虫剤の使用量
も少なくて済む。また培養土をあらかじめ加熱殺菌する
ことも好ましいことである。加熱殺菌には、太陽熱を利
用すると、化石エネルギー(例えば石炭、石油、天然ガ
ス等)を使用せずに殺菌できるので好ましい。
の病気を防ぐために消毒、燻蒸処理を行なうことが好ま
しい。本発明では従来の露地栽培やハウス栽培等のよう
に圃場全体の土壌を処理する必要がなく、培養土に必要
な土壌のみを消毒、燻蒸処理するので、手数や費用が少
なく消毒、燻蒸処理が容易である。また殺虫剤の使用量
も少なくて済む。また培養土をあらかじめ加熱殺菌する
ことも好ましいことである。加熱殺菌には、太陽熱を利
用すると、化石エネルギー(例えば石炭、石油、天然ガ
ス等)を使用せずに殺菌できるので好ましい。
【0050】上述したように配合された培養土は、保水
性、吸水性、透水性、保肥性、通気性及び又は病害に対
する安全性に優れた配合土壌であり、植物の育成に有効
な培養土であり、植物育成床の内部に上述の培養土を設
けるだけで植物の栽培が可能となる。
性、吸水性、透水性、保肥性、通気性及び又は病害に対
する安全性に優れた配合土壌であり、植物の育成に有効
な培養土であり、植物育成床の内部に上述の培養土を設
けるだけで植物の栽培が可能となる。
【0051】以上説明した植物育成床1内に間隙4を介
して水を供給すると、育成床4の底に溜った水は培養土
中を毛管現象によって上昇するだけでなく、吸水性防根
シート102 も水を吸い上げて、その水を育成床1の上面
まで移動させる。植物育成床1の上面には水分蒸散用小
孔2が形成されているので、その水分蒸散用小孔2から
水分が蒸発する。その蒸発に際して培養土3から蒸発潜
熱を奪うので育成床1内の培養土3は冷却され、昇温す
ることはなく、また湿度も過度になることはない。
して水を供給すると、育成床4の底に溜った水は培養土
中を毛管現象によって上昇するだけでなく、吸水性防根
シート102 も水を吸い上げて、その水を育成床1の上面
まで移動させる。植物育成床1の上面には水分蒸散用小
孔2が形成されているので、その水分蒸散用小孔2から
水分が蒸発する。その蒸発に際して培養土3から蒸発潜
熱を奪うので育成床1内の培養土3は冷却され、昇温す
ることはなく、また湿度も過度になることはない。
【0052】更に吸水性防根シート102 が水を吸い上げ
る過程で水分は近接する培養土3に水分を補給するの
で、培養土3を湿潤状態に保つことができる。
る過程で水分は近接する培養土3に水分を補給するの
で、培養土3を湿潤状態に保つことができる。
【0053】更に又吸水性防根シート102 の存在によっ
て、根が吸水性防根シート102 の外に進出することが防
止されるので、根がフィルム101 とシート102 の間でと
ぐろを巻く現象が解消され、従って根腐れ現象も解消さ
れる。
て、根が吸水性防根シート102 の外に進出することが防
止されるので、根がフィルム101 とシート102 の間でと
ぐろを巻く現象が解消され、従って根腐れ現象も解消さ
れる。
【0054】更に育成床1の底に一旦溜った水は、上方
に吸い上げられて蒸発したり、あるいは培養土3中に拡
散したりして、有効に使われるので、滞留時間が少な
く、根腐れを起こすこともない。また滞留時間が少なく
ても培養土3中に拡散した水分が、毛管作用を活発化さ
せ、根の発育を助長する効果がある。
に吸い上げられて蒸発したり、あるいは培養土3中に拡
散したりして、有効に使われるので、滞留時間が少な
く、根腐れを起こすこともない。また滞留時間が少なく
ても培養土3中に拡散した水分が、毛管作用を活発化さ
せ、根の発育を助長する効果がある。
【0055】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
更に他の実施の形態も挙げられる。例えば樹脂フィルム
101 の側面に、図5に示すような水抜き孔6を設けるこ
とができる。かかる水抜き孔6の存在によって、培養土
3に供給した水の余剰水を排出して、一定の水量に保持
することができる。かかる水抜き孔6を設けても植物の
根は吸水性防根シート102 の存在によって、外部への進
出が阻止されるので、その水抜き孔6から根が外部に進
出できず、従って病害虫や病害菌が育成床内部に侵入す
るの阻止できる。
更に他の実施の形態も挙げられる。例えば樹脂フィルム
101 の側面に、図5に示すような水抜き孔6を設けるこ
とができる。かかる水抜き孔6の存在によって、培養土
3に供給した水の余剰水を排出して、一定の水量に保持
することができる。かかる水抜き孔6を設けても植物の
根は吸水性防根シート102 の存在によって、外部への進
出が阻止されるので、その水抜き孔6から根が外部に進
出できず、従って病害虫や病害菌が育成床内部に侵入す
るの阻止できる。
【0056】水抜き孔6の形状は丸、角、線状等のいず
れでもよい。水抜き孔6の大きさは、丸孔の場合、直径
0.5〜10mmが好ましい。水抜き孔6は植物育成床1
の側面に沿って植物育成床1の底面から一定の高さの位
置に直線状に並設されことが好ましい。
れでもよい。水抜き孔6の大きさは、丸孔の場合、直径
0.5〜10mmが好ましい。水抜き孔6は植物育成床1
の側面に沿って植物育成床1の底面から一定の高さの位
置に直線状に並設されことが好ましい。
【0057】水抜き孔6の長手方向の間隔は適当に設定
できるが、狭過ぎると透水が早過ぎて植物育成床1内に
均一に給水されず、また広過ぎると植物育成床1内が過
湿になりやすいので、通常50〜100cm程度の間隔が適
当である。
できるが、狭過ぎると透水が早過ぎて植物育成床1内に
均一に給水されず、また広過ぎると植物育成床1内が過
湿になりやすいので、通常50〜100cm程度の間隔が適
当である。
【0058】以上の説明では外部から散水する例を説明
したが、育成床1内に水を補給するために、灌水チュー
ブを設けてもよい。
したが、育成床1内に水を補給するために、灌水チュー
ブを設けてもよい。
【0059】上述した植物育成床を形成する手段は特に
限定されず、例えば図6に示すように吸水性防根シート
102 上に樹脂フィルム101 を積ね、広げて敷設し、中央
に培養土3を載置し、その培養土3を両側から包み、培
養土3の上部中央で吸水性防根シート102 と樹脂フィル
ム101 の両側縁又はその近傍を接合(連結)する。同時
にあるいは前後して長手方向も折り込む。
限定されず、例えば図6に示すように吸水性防根シート
102 上に樹脂フィルム101 を積ね、広げて敷設し、中央
に培養土3を載置し、その培養土3を両側から包み、培
養土3の上部中央で吸水性防根シート102 と樹脂フィル
ム101 の両側縁又はその近傍を接合(連結)する。同時
にあるいは前後して長手方向も折り込む。
【0060】両側縁の接合方法としては、接着、溶着、
縫合、ステープル止め、針金による引掛等のいずれの方
法でもよい。このようにして図1に示す植物育成床1を
形成できる。
縫合、ステープル止め、針金による引掛等のいずれの方
法でもよい。このようにして図1に示す植物育成床1を
形成できる。
【0061】以上の実施の形態は、植物育成床を筒状に
形成した例であるが、本発明では植物育成床は図7に示
すような袋状であってもよい。同図において、図1と同
一の符号の部位は同一の構成であるのでその説明を省略
する。
形成した例であるが、本発明では植物育成床は図7に示
すような袋状であってもよい。同図において、図1と同
一の符号の部位は同一の構成であるのでその説明を省略
する。
【0062】本発明は、一般の露地に於ける植物の栽培
床として利用でき、露地栽培の自動化・省力化を可能に
する。またガラス室、プラスチックハウス等の施設とし
て使用できることは当然であるが、通常、農耕が不可能
とされる塩類集積地や砂利、コンクリート、アスファル
ト等で舗装された一定地積を農作物栽培生産に利用する
こともできる。
床として利用でき、露地栽培の自動化・省力化を可能に
する。またガラス室、プラスチックハウス等の施設とし
て使用できることは当然であるが、通常、農耕が不可能
とされる塩類集積地や砂利、コンクリート、アスファル
ト等で舗装された一定地積を農作物栽培生産に利用する
こともできる。
【0063】また、土壌面からの蒸発が多い通常の栽培
床に比べて水の有効利用が可能であり、乾燥地、砂漠地
での植物育成にも利用できる。更に、傾斜面の多い山間
地等でも有効利用できる。
床に比べて水の有効利用が可能であり、乾燥地、砂漠地
での植物育成にも利用できる。更に、傾斜面の多い山間
地等でも有効利用できる。
【0064】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、フラッシ
ュ紡糸法による不織布を使用していないので、低コスト
で、汚れがつきにくく、水分の滲み出し現象が生じな
い。
ュ紡糸法による不織布を使用していないので、低コスト
で、汚れがつきにくく、水分の滲み出し現象が生じな
い。
【0065】また本発明によれば、吸水性防根シートの
存在によって、吸い上げられた水分は水分蒸散用小孔か
らより効果的に蒸発し、その際に培養土から蒸発潜熱を
奪うので育成床内の培養土は冷却され、昇温することは
なく、また湿度も過度になることはない。更に吸水性防
根シートが水を吸い上げる過程で水分は近接する培養土
に水分を補給するので、培養土を湿潤状態に保つことが
できる。更に又吸水性防根シートの存在によって、根が
吸水性防根シートの外に進出することが防止されるの
で、根がフィルムとシートの間でとぐろを巻く現象が解
消され、従って根腐れ現象も解消される。更に育成床の
底に一旦溜った水は、上方に吸い上げられて蒸発した
り、あるいは培養土中に拡散したりして、有効に使われ
るので、滞留時間が少なく、根腐れを起こすこともな
い。また滞留時間が少なくても培養土中に拡散した水分
が、毛管作用を活発化させ、根の発育を助長する効果が
ある。
存在によって、吸い上げられた水分は水分蒸散用小孔か
らより効果的に蒸発し、その際に培養土から蒸発潜熱を
奪うので育成床内の培養土は冷却され、昇温することは
なく、また湿度も過度になることはない。更に吸水性防
根シートが水を吸い上げる過程で水分は近接する培養土
に水分を補給するので、培養土を湿潤状態に保つことが
できる。更に又吸水性防根シートの存在によって、根が
吸水性防根シートの外に進出することが防止されるの
で、根がフィルムとシートの間でとぐろを巻く現象が解
消され、従って根腐れ現象も解消される。更に育成床の
底に一旦溜った水は、上方に吸い上げられて蒸発した
り、あるいは培養土中に拡散したりして、有効に使われ
るので、滞留時間が少なく、根腐れを起こすこともな
い。また滞留時間が少なくても培養土中に拡散した水分
が、毛管作用を活発化させ、根の発育を助長する効果が
ある。
【0066】更に本発明によれば、一定量の水を保持す
る水抜き孔を設けても、吸水性防根シートの存在によっ
て、水抜き孔から病害虫や病原菌が侵入しない。
る水抜き孔を設けても、吸水性防根シートの存在によっ
て、水抜き孔から病害虫や病原菌が侵入しない。
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図
【図2】図1のII−II線断面図
【図3】透水性を規定する装置を示す斜視図
【図4】図3の要部拡大断面図
【図5】本発明の他の実施例を示す斜視図
【図6】植物育成床の製造例を示す斜視図
【図7】本発明の他の実施例を示す斜視図
1:植物育成床 101:樹脂フィルム 102:吸水性防根シート 3:培養土 4:間隙 5:植物 6:水抜き孔 50:ガラス管 51:接着剤 52:水柱高 53:受槽 60:試料シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/00 303 A01G 7/00 602 A01G 9/00 - 9/02
Claims (5)
- 【請求項1】内部に植物育成用の培養土を充填してな
り、太陽光の日射面に径が0.1〜50mmの水分蒸散用小孔
を複数有する熱可塑性樹脂製の樹脂フィルムからなる植
物育成床において、水は通過するが植物の根は通過しな
い吸水性防根シートを前記樹脂フィルムの内面全面に設
け、該吸水性防根シートで前記水分蒸散用小孔の内面側
を覆ってなることを特徴する植物育成床。 - 【請求項2】内部に植物育成用の培養土を充填してな
り、太陽光の日射面に長さが5〜50mmの水分蒸散用スリ
ットを複数有する熱可塑性樹脂製の樹脂フィルムからな
る植物育成床において、水は通過するが植物の根は通過
しない吸水性防根シートを前記樹脂フィルムの内面全面
に設け、該吸水性防根シートで前記水分蒸散用スリット
の内面側を覆ってなることを特徴する植物育成床。 - 【請求項3】樹脂フィルムの外面側が白色又は銀色であ
り、内面側が遮光性の良い色で着色されていることを特
徴とする請求項1又は2記載の植物育成床。 - 【請求項4】樹脂フィルムの外面側が白色又は銀色であ
り、且つ吸水性防根シートが黒色に着色されていること
を特徴とする請求項1又は2記載の植物育成床。 - 【請求項5】側面に水抜き孔を有することを特徴とする
請求項1、2、3又は4記載の植物育成床。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14306897A JP3286207B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 植物育成床 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14306897A JP3286207B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 植物育成床 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10313678A JPH10313678A (ja) | 1998-12-02 |
JP3286207B2 true JP3286207B2 (ja) | 2002-05-27 |
Family
ID=15330181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14306897A Expired - Fee Related JP3286207B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 植物育成床 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3286207B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6453610B2 (en) * | 1999-08-06 | 2002-09-24 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Method for modifying root growth |
JP4725558B2 (ja) * | 2001-05-14 | 2011-07-13 | 株式会社大林組 | 屋上緑化システム |
JP5177349B2 (ja) * | 2007-03-12 | 2013-04-03 | 国立大学法人 宮崎大学 | スノキ属植物の育苗方法 |
CN105706649A (zh) * | 2014-12-01 | 2016-06-29 | 吕汰 | 一种山旱地马铃薯与玉米套种栽培方法 |
CN105706650A (zh) * | 2014-12-01 | 2016-06-29 | 吕汰 | 一种马铃薯的抗旱栽培方法 |
CN106538202A (zh) * | 2016-10-27 | 2017-03-29 | 岳西县诚信时令蔬菜专业合作社 | 一种覆盖地膜种植高山西红柿的方法 |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP14306897A patent/JP3286207B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10313678A (ja) | 1998-12-02 |
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