JP2603489Y2 - 観賞用植木鉢 - Google Patents

観賞用植木鉢

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JP2603489Y2
JP2603489Y2 JP1993059891U JP5989193U JP2603489Y2 JP 2603489 Y2 JP2603489 Y2 JP 2603489Y2 JP 1993059891 U JP1993059891 U JP 1993059891U JP 5989193 U JP5989193 U JP 5989193U JP 2603489 Y2 JP2603489 Y2 JP 2603489Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、植物を室内等で観賞
する際に用いる観賞用植木鉢に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、園芸植物などを観賞する植木鉢に
は、天然用土にバーミキュライトやパーライトなどの人
工用土を混合し、通気性および保温性を高めたものを充
填することが知られている。
【0003】また、室内に観賞用として配置される植木
鉢に上記したような通気性を改良した人工用土を用い、
これに多量の水を施すと鉢底の穴から水が漏れ易いの
で、植木鉢を受け皿などに載置して漏れた水を受けるよ
うにしていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の観賞用植木鉢では、天然の有機物が混在した用土を充
填しているので、このような用土内に当初から混在する
昆虫類等の卵から孵化が起こったり、外部から昆虫類な
どが用土内に侵入して繁殖して根を食害したり、さらに
はこれらの脱け殻や死骸などが散乱して美観的にも衛生
的にも好ましくないという問題点がある。
【0005】また、透水性の良い人工用土を用いた植木
鉢に施水し、受け皿に水が溜まった状態では、鉢底の排
水穴が水中に没して植木鉢の底部に通気性がなくなるの
で、植物の根が腐り易いという問題点もある。
【0006】そこで、この考案は上記した問題点を解決
し、観賞用植木鉢を、昆虫類などの小型生物が用土内で
成育または繁殖せず、衛生的に植物を観賞でき、また、
排水性の良い人工用土を用いた植木鉢の底部分の通気性
を改善できるものとすることを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この考案においては、鉢底に排水穴を有する植木鉢
内部に合成繊維製保水材と非吸水性合成樹脂粒の混合物
を充填し、前記植木鉢の上面開口は植栽穴を有する蓋で
覆い、この植栽穴の内周縁には被栽培植物の茎部を保持
する弾性材を取付け、前記蓋の底面には散水孔を形成す
ると共に蓋の上面には前記散水孔に通じる注水口を形成
した構成を採用したのである。
【0008】また、上記した植木鉢において、その外周
を覆う筒状のカバーを付設し、このカバーの内側に植木
鉢支持用のフランジを形成し、このフランジより下方の
植木鉢カバーの内部には受水皿を内装し、前記カバー周
壁の前記フランジより下方に壁面を貫通させて排水口を
形成した構成を採用したのである。
【0009】
【作用】この考案に係る観賞用植木鉢は、合成繊維製保
水材と非吸水性合成樹脂粒の混合物を充填して適度な保
水性と良好な排水性を確保できると共に、これらの充填
物には昆虫類等またはその卵が混在していないので、観
賞するときに不快害虫などが発生しない。
【0010】また、植木鉢の上面は、弾性材を介して茎
部を保持する植栽穴付きの蓋で覆われており、前記保水
剤などが露出することがなく、しかも注水口に給水して
蓋を開けることなく散水孔から施水できるために、不快
害虫が外部から植木鉢内に後発的に侵入することも防止
できる。また、蓋の上面に開口し植木鉢内部に通じる空
気導入管を設け、この空気導入管の周壁には多数の小孔
を形成しているので、蓋により閉塞された植木鉢内部で
過剰になった水分を空気導入管を通って適当な速度で蒸
発させ、植物の根腐れを防止し、また根に必要な酸素を
供給することができる。
【0011】また、上記植木鉢を植木鉢カバーに収容す
ると、鉢底の排水穴から排水された水が受水皿に溜ま
り、さらに受水皿から溢れた水はカバー周壁を貫通する
排水口から排水されるので、水位は常に前記フランジよ
り下方にあり、植木鉢の底面が水に接せず、植木鉢内の
通気性を確保できる。
【0012】
【実施例】この考案の実施例を、以下、添付図面に基づ
いて説明する。図1に示すように、実施例の観賞用植木
鉢Aは、鉢底に排水穴1を有する植木鉢2の内部に合成
繊維製保水材3と非吸水性合成樹脂粒4の混合物を充填
し、植木鉢2の上面開口は植栽穴5aを有する蓋5の内
周縁に弾性材6を介して被栽培植物Cの茎部を挿通さ
せ、蓋5の底面には多数の散水孔7を形成し、蓋5の上
面には散水孔7に通じる注水口8を形成している。
【0013】そして、植木鉢カバーBは、透光性のある
ポリカーボネートなどからなるプラスチック製であり、
筒状の植木鉢カバーBの内周にフランジ9を形成して植
木鉢底面を支持し、フランジ9の下方の植木鉢カバーB
の内部には受水皿10を内装し、植木鉢カバーB周壁の
フランジ9より下方を貫通する排水口11を形成してい
る。
【0014】また、蓋5に保持させて植木鉢2の略底面
近くに至る長さの空気導入管20を設け、この周壁には
多数の小孔21を形成して植木鉢2の内部にまで根に必
要な酸素を空気中から取り入れるようにしている。ま
た、空気導入管20の上面開口は、蓋5のカバー16に
取り付けた防虫網22で覆っている。
【0015】ここで、実施例に用いた合成繊維製保水材
3は、合成繊維を絡み合わせた不織布または綿状のもの
であってもよく、その材質を特に限定するものではな
い。たとえばポリウレタン繊維60%、ポリエステル繊
維40%の混成繊維を使用して良好な結果を得ている。
【0016】また、非吸水性合成樹脂粒4は、上記した
保水材に添加混合して、人工用土としての適度の通気性
と透水性を確保するものであって、粒状に成形可能な合
成樹脂であれば特に限定することなくその材料を選択で
きる。また、粒の大きさおよび形状は、特に限定するも
のではなく、例えばポリエステル発泡体の2〜3mm3
の不定形状の粉砕物を用いたものであってもよい。
【0017】このような非吸水性合成樹脂粒4と、合成
繊維製保水材3との配合割合は、育成する植物に適当な
成育環境となるように、実験的手法により適宜決定すれ
ばよい。
【0018】そして、植木鉢2の底面に形成された排水
穴1には、上記したような人工の保水材などが脱落せ
ず、また、成長した植物の根が張って排水を妨げないよ
うに、根の成長規制が可能でありかつ透水可能な多孔性
のシート材12で被覆している。
【0019】このようなシート材12としては、適当な
目合いの耐水性繊維からなる布13と、合成樹脂製網1
4とを重ね合わせた素材を用いることが好ましい。
【0020】図2および図3に示すように、植木鉢2の
上面開口を覆うリング状の蓋5は、環状溝体15とカバ
ー16とからなり、環状溝体15の底面には直立した2
つの中仕切り17を隔てて多数の散水孔7を形成し、カ
バー16の外周縁の一箇所には注水口8を形成して、こ
れから注水された水などを植木鉢2内に均等に供給する
ようにしている。
【0021】そして、このようなリング状の蓋5の内周
縁に係止される弾性材6は、植物Cの茎を取り巻いてこ
れを保護するのみならず、茎を伝って虫類が植木鉢内に
侵入するのを防止したり、水分の過剰な蒸発を規制す
る。弾性材6は、環の一箇所を軸方向に切断し、環径を
縮めて組み込み易いものとしている。弾性材6の材質
は、耐水性、耐薬品性および耐候性に優れたものであれ
ば合成ゴム以外の弾性素材を採用してもよい。
【0022】特に、好ましい材質としては、ポリビニル
アルコール架橋体、アクリル酸ナトリウム−ビニルアル
コール共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体、N
−置換アクリルアミド架橋体などの高吸水性ポリマーと
その他の熱可塑性樹脂との混合物からなる成形体が挙げ
られる。このものは、熱可塑性樹脂:高吸水性ポリマー
で95:5から80:20の範囲(重量比)で配合すれ
ば、吸水させた後の体積変化が120〜180%で、適
当な弾性を有して好ましい。
【0023】植木鉢カバーBは、プラスチック製のもの
ばかりでなく、クリスタルガラスや陶器で成形したもの
であってもよいのは勿論である。そして、植木鉢カバー
Bのフランジ9より下方の要所には、カバー下端面に達
する矩形の排水口11を形成し、内側には上縁が王冠状
の切り欠き18を形成した受水皿10を内装している。
【0024】したがって、受水皿10から溢れた水は、
排水口11から植木鉢カバーBの外部に速やかに排出さ
れ、鉢底の排水穴1が冠水することはない。
【0025】なお、上記した実施例では、観賞用植木鉢
Aと植木鉢カバーBとの間に、前記したものと同じ高吸
水性ポリマーに顔料を含ませた彩色材19を介在させ、
製品の付加価値をさらに高めたものとしている。
【0026】
【効果】この考案は、以上説明したように、植木鉢に所
定の材料を充填すると共に空気導入管を設けたので、植
木鉢内部に適度な保水性と良好な排水性があり、植物の
根腐れを防止し、根に必要な酸素を供給できる。前記所
定の材料には使用当初から昆虫類等またはその卵が混在
しないので、不快害虫などが発生しない。また、植木鉢
の上面開口は、蓋を開けることなく散水孔から施水でき
るので、不快害虫が外部から侵入せず、昆虫類などの小
型生物が用土内で成育または繁殖せず、衛生的に植物を
観賞できる利点がある。
【0027】また、鉢底の排水穴から排水された水が、
カバー周壁を貫通する排水口から排水されるので、鉢底
に水が接することがなくなり、排水性の良い人工用土を
もちいた植木鉢における底部分の通気性を向上させる植
木鉢カバーとなる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の断面図
【図2】実施例の蓋の環状溝体を示す平面図
【図3】実施例の蓋のカバーを示す平面図
【符号の説明】
1 排水穴 2 植木鉢 3 合成繊維製保水材 4 非吸水性合成樹脂粒 5 リング状の蓋 6 弾性材 7 散水孔 8 注水口 9 フランジ 10 受水皿 11 排水口 A 観賞用植木鉢 B 植木鉢カバー C 被栽培植物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 9/02 A01G 1/00 303 A01G 5/06

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉢底に排水穴を有する植木鉢内部に合成
    繊維製保水材と非吸水性合成樹脂粒の混合物を充填し、
    前記植木鉢の上面開口は植栽用穴を有する蓋で覆い、こ
    の植栽用穴の内周縁には被栽培植物の茎部を保持する弾
    性材を取付け、前記蓋の底面には散水孔を形成すると共
    に蓋の上面には前記散水孔に通じる注水口を形成し、前
    記蓋の上面に開口し植木鉢内部に通じる空気導入管を設
    け、この空気導入管の周壁には多数の小孔を形成してな
    る観賞用植木鉢。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の観賞用植木鉢において、
    その外周を覆う筒状のカバーを付設し、このカバーの内
    側に植木鉢支持用のフランジを形成し、このフランジよ
    り下方の植木鉢カバーの内部には受水皿を内装し、前記
    カバー周壁の前記フランジより下方に壁面を貫通させて
    排水口を形成してなるカバー付観賞用植木鉢。
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