JP3678654B2 - 植物栽培用容器および植物栽培方法 - Google Patents

植物栽培用容器および植物栽培方法 Download PDF

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    • A01G9/00Cultivation in receptacles, forcing-frames or greenhouses; Edging for beds, lawn or the like
    • A01G9/02Receptacles, e.g. flower-pots or boxes; Glasses for cultivating flowers

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、植物栽培用容器および植物栽培方法に関し、より詳しくは、少なくとも一部に水不透性の透湿部を有する植物栽培用容器、および該容器を用いた植物の栽培方法に関する。
【0002】
本発明の植物栽培用容器を用いた場合には、植物体あるいは植物体の支持体(土壌等)に行う灌水を大幅に削減しつつ、支持体(土壌、栽培用土、栽培用担体、等)内を好適な水分環境に保持して植物を栽培することが可能となる。更に、本発明の植物栽培用容器を用いた場合には、植物体の根圏の環境(例えば、根圏湿度、温度および酸素濃度)を精密に制御することが極めて容易となる。
【背景技術】
【0003】
近年、国際間および異業種(例えば、バイオ産業)との間の競争激化に伴い、農業分野においても、いわゆるコスト意識が高まりつつある。他の産業と同様に、良質の生産物を出来る限り効率的(すなわち低コストで)供給することは、農業分野においても極めて重要であるが、農業における生産物(農作物)および生産プロセスの特殊性(特に、生産物が「生き物」であること)に基づき、農業分野では他の産業とは異なる特殊な工夫が必要となる。
【0004】
古来より、良質の植物(ないし苗)を栽培することは、当然ながら、農業の必須技術であった。ところが近年、農業就業者の高齢化、農村における人手不足、苗生産技術の高度化等の理由により、苗生産は専門業者が行い、一般農家は該「商品」たる苗を購入するという、いわゆる分業化が進む傾向にある。
【0005】
苗生産の専門化は、必然的に大規模な植物苗の生産施設を生み出すこととなった。このような生産施設では、当然ながら、より良質の苗をより安いコストで大量生産する技術の開発が盛んに行われている。
【0006】
一般に、苗の生長は質的にも量的にも環境に大きく影響されるため、苗生産における環境制御は、極めて重要な技術である。苗生産、即ち植物体の栽培時に制御が必要な環境条件としては、光線、温度、湿度、土壌水分量および土壌ガス濃度等があげられる。
【0007】
これらの環境条件のうち、従来の苗生産施設に於いては、光源として太陽光と人工光のいずれも使用されている。温度の調節は、温室内を暖房または冷房することによって行われている。また土壌水分の調節は灌水によって行われ、土壌ガス環境の調節は、土壌の通気性を制御することによって行われている。
【0008】
上記した種々の環境制御技術において、特に重要なものの一つに土壌水分量の調節がある。該水分量の調節を目的とした灌水方式としては、単純な散水方式(すなわち、じょうろ、スプリンクラー等の散水器を用いて、植物体の頭上部から散水する方式)が最も一般的に行われているが、その他に点滴法、底面給水法(干満法)等も行われている。いずれの方式を用いた場合にも、高コストの灌水設備と正確なコントロールが必要とされている。加えて、最も一般的な頭上散水方式を用いた場合は、植物体全体が濡れてしまい、更には地際部分や地表近傍までも加湿状態になることが避け難いため、病害発生の危険が増大する傾向がある。多くの植物は、通常、土壌水分張力を表す数値であるpF値(この「pF値」の詳細については、例えば、文献:土壌通論、高井康夫、三好洋共著、朝倉書店1977年、P88〜89を参照することができる)1.5〜2.5の範囲の土壌水分条件で栽培されている。
【0009】
灌水が不充分な場合には植物の生長が抑制される。他方、灌水が過剰な場合には、植物が軟弱になり、乾湿の急激な変化が植物体に対する水分ストレスとなり、病害抵抗性が低下する。このように、灌水の適切なコントロールは、一般に考えられている程容易ではない。また、過剰な灌水に基づく過剰水分は、土壌中のガス環境を悪化させて植物の生育不良をもたらすため、灌水時期、灌水量は、厳密に制限ないし制御される必要がある。
【0010】
更に、上記した土壌中のガス環境に関しては、該ガス環境は大気に比べて酸素濃度がより低く炭酸ガス濃度がより高いという特徴を有する。これは、土壌中の根や微生物により酸素が吸収され炭酸ガスが発生するためである。一般に、土壌中の酸素濃度が低下して相対的に炭酸ガス濃度が上昇すると、植物の生長は抑制される。特に、土壌中の炭酸ガス濃度は地表面から深くなると高くなり、逆に酸素濃度は地表面から深くなるほど低下する傾向がある。
【0011】
土壌中のガスの拡散係数は、土壌中の空隙分布特性に影響されるために、土壌水分量が増加すると、土壌中の空隙が過剰な水によって満たされて(土壌中の空隙が減少し)酸素濃度が低下すると同時に、土壌中の炭酸ガス濃度が急激に上昇して、植物の生育阻害を引き起こす。特に灌水時に一時的に土壌中の空隙が塞がれその水分が停滞することで、土中酸素は減少し根に傷害を与える。高い濃度の炭酸ガスは、土壌水中に溶解しpHを低下させることによっても、植物の生育阻害もたらすと考えられている。このように土壌ガス環境条件は、土壌水分条件と密接に関連している。
【0012】
上述したように、従来の有用植物および収穫物生産施設における植物ないし苗の良好な生育のための環境条件を制御するためには、高コストの施設、装置および運転費用がかかるのみならず、従来の技術を用いた場合には、最適な土壌ガス環境と土壌水分環境を同時に満足させることは困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を解消した植物栽培用容器および植物栽培方法を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、土壌ガス環境と土壌水分環境の制御に特に重要な「水分コントロール」を容易にする植物栽培用容器および植物栽培方法を提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、従来の植物(苗)栽培で同時に解決し得なかった土壌ガス環境と土壌水分環境の制御を同時に行い植物(苗)栽培に必要な施設、装置を低コスト化することを可能とした植物栽培用容器および植物栽培方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は鋭意研究の結果、従来におけるような水分、湿度とも全く透過しない(あるいは、水分、湿度ともに透過する)植物栽培用容器を用いるのではなく、水自体は透過させないが湿気は透過させる「選択的透湿性」を該容器に付与することが、上記目的の達成のために極めて効果的なことを見出した。
【0017】
本発明の植物栽培用容器は上記知見に基づくものであり、より詳しくは、物体を受容するための受容部を有する容器であって;その少なくとも一部に、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿部を有することを特徴とするものである。
【0018】
本発明によれば、更に、植物体を受容するための受容部を有する容器であって;且つ、その少なくとも一部に、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿部を有する植物栽培用容器を用い;該容器中に植物保持用支持体および植物体を配置し;少なくとも前記透湿部を水に接触させつつ、該植物体を栽培することを特徴とする植物栽培方法が提供される。
【0019】
上記構成を有する本発明の植物栽培用容器の少なくとも一部には、水自体は透過させないが水蒸気は透過させる「選択的透湿性」が付与されている。したがって、該容器を水と接触させた場合には、該選択的透湿性を有する透湿部を通して、水そのものは容器内に移行しないが、水蒸気が選択的に容器内に移行するため、容器内の有益な土壌ガス濃度を減少させることなく相対湿度を、該容器内の植物の生長に充分に寄与可能な程度に上昇させることができる。
【0020】
本発明においては、上記した水蒸気の選択的な容器内移行に基づき、灌水等の手段による「水」自体の植物への付与の頻度および/又は量を、少なくとも大幅に低減させることが可能となる。
【0021】
加えて、本発明において栽培に必要な水分は前記した選択的透湿部を介して「水蒸気」の形態で供給されるため、該水蒸気源たる水を、その「水質」には無関係に選択することが可能となる。換言すれば、従来の栽培方法では使用困難であった水、例えば、塩水(海水等)、硬水、軟水、汚水等も本発明では使用可能となる。
【発明の効果】
【0022】
上述したように、本発明によれば、植物体を受容するための受容部を有する容器であって;その少なくとも一部に、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿部を有することを特徴とする植物栽培用容器が提供される。
【0023】
更に、本発明によれば、植物体を受容するための受容部を有する容器であって;且つ、その少なくとも一部に、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿部を有する植物栽培用容器を用い;該容器中に植物保持用支持体および植物体を配置し;少なくとも前記透湿部を水に接触させつつ、該植物体を栽培することを特徴とする植物栽培方法が提供される。
【0024】
上記構成を有する本発明の植物栽培用容器の少なくとも一部には、水自体は透過させないが湿気は透過させる「選択的透湿性」が付与されている。したがって、該容器を水と接触させた場合には、該選択的透湿性を有する透湿部を通して、水そのものは容器内に移行しないが、水蒸気が選択的に容器内に移行するため、容器内の土壌ガスの相対湿度を、該容器内の植物の生長に充分に寄与可能な程度に上昇させることができる。
【0025】
本発明においては、上記した水蒸気の選択的な容器内移行に基づき、潅水等の手段による「水」自体の植物への付与の頻度および/又は量を、少なくとも大幅に低減させることが可能となる。
【0026】
加えて、本発明において栽培に必要な水分は前記した選択的透湿部を介して「水蒸気」の形態で供給されるため、該水蒸気源たる水を、その「水質」には無関係に選択することが可能となる。換言すれば、従来の栽培方法では使用困難であった水、例えば、塩水(海水等)、硬水、軟水、汚水等も本発明では使用可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ本発明を更に具体的に説明する。以下の記載において量比を表す「部」および「%」は、特に断らない限り質量(ないし重量)基準とする。
【0028】
(植物栽培用容器)
本発明の植物栽培用容器は植物体を受容するための受容部を有し、且つ、その少なくとも一部に、水不透性で且つ水蒸気は透過させる(好ましくは、透湿度が1×103g/(m2・24時間)以上の)「選択的透湿性」の透湿部を有する容器である。
【0029】
該容器の基本的な一態様を示す図1を参照して、この態様の容器は1、植物体を受容するための受容部2を与える(画する)ための壁材3と、該壁材3の一部に配置された透湿部4とからなる。該透湿部4は、水自体は通さないが、水蒸気は通すという「選択的透湿性」を有する。
【0030】
図1においては、壁材3を構成する底部3aおよび側面部3bに透湿部4を配置しているが、本発明においては、壁材3にいずれかの部分に、少なくとも1つの透湿部4が配置されていれば足りる。また、必要に応じて、壁材3全体を該「透湿部」としてもよい。即ち、従来より使用されてきたような公知の栽培用容器(例えば、ポット状、トレイ状、プランター状)の全てを、透湿部4に変えることも可能である。
【0031】
透湿部4と水との接触面積を増大させる点からは、該透湿部4は(底部3aよりは)側面部3bに配置することが好ましい。
【0032】
(容器・受容部・壁材)
容器1の形状、大きさ等も特に制限されず、例えば、従来より使用されてきたような公知の栽培用容器(例えば、ポット状、トレイ状、プランター状)の形状、大きさ等を、そのまま用いることができる。
【0033】
また、該容器1の受容部2の形状、大きさ、ないしは該受容部を与えるための壁材3の材質、厚さ等も、特に制限されず、育成すべき植物の水分消費量、容器の内容積、植物支持体(土壌等)の通気性、水の温度等の種々の条件を考慮して、適宜選択することが可能である。
【0034】
例えば、壁材3の材質としては、軽量化、易成型性および低コスト化の点からはポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン等の汎用プラスチックが好適に使用可能である。
【0035】
(透湿部)
上記した透湿部4は、水は透過させないが水蒸気は透過させるという「選択的透湿性」を有する材料から構成される。本発明において、透湿部4を構成する材料が「水不透性」であること、および「水蒸気は透過させる」ことは、例えば、以下のような方法で確認することが可能である。
【0036】
<水不透性の確認方法>
本発明において、該透湿部が水不透性であるとは、「耐水圧」が約30cm以上であることを言う。この「耐水圧」は、JIS L1092(B法)に準拠して、測定することが可能である。本発明においては、耐水圧は50cm以上、更には1m以上(特に2m以上)であることが好ましい。
【0037】
<透湿度の測定方法>
上記透湿部の「透湿度」はJIS Z0208(防湿包装材料の透湿度試験方法;カップ法)に準拠して測定される。
【0038】
このカップ法による透湿度測定においては、吸湿剤(塩化カルシウム)を入れたJIS所定の透湿カップに、該カップの内径より約10mm以上大きい円形を有する試験片(透湿部を構成する材料、通常は選択的透湿部状)を取り付け、所定の封ろう剤で該試験片の縁を封かんする。温度25℃(または40℃)において上記試験片を境界面とし、一方の側を相対湿度90%又はそれ以上、他方の側を上記吸湿剤によって乾燥状態とし、適当な時間間隔(24時間、48時間または96時間)をおいて上記カップの重量増加を測定し、該増加が5%以内で一定になるまで試験を続ける。このような試験結果に基づき、下記の式で透湿度を求める。測定は、少なくとも10回行い、その算術平均を求める。
【0039】
透湿度(g/m2・24時間)=(240×m)/(t・s)
s:透湿面積(cm2
t:試験を行った最後の秤量間隔時間の合計(h、時間)
m:試験を行った最後の秤量間隔・増加質量の合計(mg)
【0040】
上記透湿度は、育成すべき植物体の水分消費量、栽培用容器の内容積、土壌の通気性、選択的透湿部の面積、水の温度等によっても若干異なる場合があるが、通常、1×103g/(m2・24時間)以上、更には2×103g/(m2・24時間)以上、特に5×103g/(m2・24時間)以上、更に10×103g/(m2・24時間)以上であることが好ましい。
【0041】
(透湿性材料)
上述した「水不透性」且つ「水蒸気は透過させる」選択的透湿性の条件を満足する限り、本発明の容器に使用可能な透湿性材料は、特に制限されず、公知の材料から適宜選択して使用することが可能である。このような材料は、通常、フィルムないし膜の形態で用いることができる。
【0042】
従来、開発されてきた液体の水は不透過で水蒸気のみを透過する材料は、多孔性材料、および無孔性材料の2種類に分類することができる。本発明においては、これらのいずれの種類の材料も使用できる。
【0043】
その第1の種類(多孔性材料)は、例えば、疎水性の高いポリマーを微多孔化したフィルムないし膜である。このような材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリテトラフロロエチレン、ポリエステル等の疎水性の高いポリマーが使用可能である。微多孔化する方法としては、無機充填剤を溶融混練しシートを形成させた後、該無機充填剤を溶出させる方法あるいは一軸または二軸延伸する方法が一般的に使用できる。
【0044】
また、多孔性のフィルムないし膜は、充填剤を添加することなく、上記ポリマーのシートを急速、冷延伸しフィブリル化することにより微多孔化することによっても形成可能である。このような微多孔化性フィルムないし膜においては、微孔があるもののポリマー材質の撥水性のために液体の水が該微孔を通過することができず、水蒸気のみが透過可能である。
【0045】
第2の種類(無孔性)の透湿性材料としては、例えば、ポリビニルアルコール、セロファン、酢酸セルロース、硝酸セルロース、エチルセルロース、シリコーンゴム、ポリエステル、ネオプレン、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレン等および上記ポリマーを構成するモノマーの共重合体等が、本発明の透湿性材料として使用できる。上記のポリビニルアルコール、各種のセルロース等の親水性高分子のフィルムまたは膜の透湿性は、水の浸透気化現象によって発現可能となる。
【0046】
本発明の透湿部の厚さは、該透湿部を構成する強度、耐水圧および要求される透湿性によって異なるものの1μm〜500μm程度、更には10μm〜200μm(0.01mm〜0.2mm)程度であることが好ましい。
【0047】
本発明の容器全体を前記した選択的透湿性を有する材料で構成することも可能であるが、該材料の強度、成形性、コスト等を考慮して、該容器の一部を選択的透湿性材料で構成してもよい。後者の場合、選択的透湿部の表面積は、植物の水分消費量、容器の内容積、土壌の通気性および水の温度等によって適宜調節することが可能であるが、通常は、該透湿部の表面積は、容器の外側表面(水に接触すべき側)の全表面積に対する割合で、20%以上であることが好ましく、更には40%以上、特に80%以上であることが好ましい。
【0048】
更に本発明の選択的透湿部4の強度補強、取り扱い易さおよび形状保持性の向上の目的で、必要に応じて、「他の材料」と複合化してもよい。このような「他の材料」としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等から成る不織布が挙げられる。該複合化の手法としては、例えば、張り合わせ、二重容器等が挙げられる。
【0049】
更には後述するように、選択的透湿部4の機械的強度を考慮して、該透湿部4の外側を、水透過性を有する他の材料でカバーしてもよい。該「他の材料」と透湿部4とは接触(一部接触を含む)していてもよく、また必要に応じて、互いに間隙をおいて配置してもよい。このような材料としては、例えば、金属、プラスチック、セラミック、木材等の比較的堅い材料が挙げられる。
【0050】
(容器の形成方法)
本発明の植物栽培用容器の製造方法は、特に制限されない。より具体的には例えば、該容器は、従来より使用されてきた栽培用容器の一部を、上記した選択的透湿部4によって置換することによって、作製することができる。
【0051】
またプラスチックあるいは金属製のメッシュで作製されたカゴ状の容器の内側に、上記した選択的透湿部を設置することによっても作製が可能である。このような態様においては、選択的透湿部4の機械的強度をカバーすることが容易となる。
【0052】
(栽培方法)
上記構成を有する植物栽培用容器の使用方法は特に制限されないが、例えば、該容器中に植物保持用支持体および植物体を配置し、少なくとも前記透湿部を水に接触させつつ、該植物体を栽培すればよい。
【0053】
(植物保持用支持体)
本発明においては、上記の植物保持用支持体としては、従来より公知の支持体を特に制限なく使用することが可能である。このような支持体としては、例えば、土壌(礫、砂、壌土等)、炭化物、天然鉱物質(バーミキュライト、パーライト、ゼオライト等)、天然植物質(ビートモス、バーク、水苔、ヤシガラ等)、植物育成用保水剤およびこれらを配合した苗育苗用混合植込材料等が挙げられる。
【0054】
(水分の容器内への移行)
本発明の容器を水と接触させた場合には、上記透湿部を通して、実質的に水蒸気のみが容器内に移行し、水自身は容器内に移行しない。したがって容器内の土壌ガスの相対湿度が上昇することとなる。一般に、土壌ガスの相対湿度(P/PO)と土壌中の単位質量当たりの水ポテンシャル(ψ)との間には次式の関係がある。
【0055】
ψ=RT/M・ln(P/PO
ここで、Rは気体定数、Tは絶対温度、Mは水のモル質量である。
土壌中の相対湿度を上昇させることは、土壌中の水ポテンシャル(ψ)を上昇させることになる。水ポテンシャル(ψ)と土壌水のpF値の間には次の関係がある。
pF=log10(−ψ/[cmH2O])
【0056】
水ポテンシャルが増大するとpF値が低下する。一般に、植物が利用可能な水のpF値は1.5〜2.5の範囲とされており、pF値が3を越える場合は、通常は生長阻害水分量とされている。pF値が3以下に対応する、即ち植物が生長できる土壌ガスの相対湿度は、通常は、99%以上となる。
【0057】
上記した理由により、植物が生長できる水ポテンシャルを維持するために土壌ガスの相対湿度を高くすることにより、従来の植物栽培方法で行われてきたような液体の水を直接、土壌中に供給する必要を全く無くするか、あるいは非常に少ない回数で、且つ少量の灌水量で栽培が可能であることを支持している。本発明の植物栽培方法によれば、水と接触させた植物体の栽培用容器の壁を通して液体の水を通過させることなく、水蒸気のみを透過させることにより、土壌ガスの相対湿度を高めることが可能となる。したがって、本発明によれば、灌水等により液体の水を直接、土壌中に供給する灌水量および/又は水供給の回数を、少なくとも著しく低減させることが可能となる。
【0058】
(水の温度制御)
本発明においては、必要に応じて、植物栽培用容器が接触する水の温度を制御することにより、該容器内部の植物支持体(例えば、土壌)の温度、即ち植物の根圏温度を調節することができる。このような態様によれば、温室全体を暖房/冷房していた従来の方式と比較して、植物の根圏温度を精密に、しかも省エネルギー的にコントロールすることが可能となる。
【0059】
(従来の温度制御)
本発明の温度制御方法と比較するため、従来の温度制御について述べる。
上記した温度調節を行うための従来の暖房方式(温室内)としては、主として、温風暖房方式、温水暖房方式と蒸気暖房方式があるが、これらのいずれの方式も、部屋全体を暖房するので最も順調な生育を促すために必要な根圏部分の部分暖房より効率が悪く、生産コストが高い。
【0060】
他方、従来の冷房方式(温室内)としては、空冷式冷暖房方式、水の気化冷却(蒸発冷却)方式とヒートポンプ方式が使用されているが、これらのいずれの方式も、設備、装置費用が必要であるのみならず、特に、夏期の運転費用が冬期の暖房費用に比較しても非常に高コストとなるという問題点を有していた。
【0061】
(根圏温度)
一般的に、殆どの有用植物は根圏温度が15℃未満、あるいは25℃を越えると生育不良となる傾向を有するため、根圏温度は15〜25℃の範囲に調節することが極めて好ましい。根圏温度は気温に左右されるものの、気温と比べて日内変動幅が小さく、最低、最高根圏温度は、通常、気温の最低、最高温度よりも数時間遅くなるとされている。冬期等の気温が低くかつ根圏温度が低くなる場合に、根圏温度のみを好適温度に上昇させるとトマトの果実収量が著しく増加することが報告されている(生物環境調節ハンドブック、日本生物環境調節学会編、(株)養賢堂発行、P441,1995)。一方、夏期の気温が高い時に、根圏温度のみを冷却するとトマトの果実収量が著しく増加することが報告されている(同上の生物環境調節ハンドブック、同頁)。
【0062】
本発明者らの知見によれば、植物の生長にとっては、根圏温度の影響は気温の影響よりも大きいことが見出されている。上述したように、従来の植物(苗)生産施設では、温室全体の気温を冷暖房装置によって制御する方式が行われ高コストの冷暖房装置の設備費、温室の建造費、運転費等が大きな問題であった。
【0063】
これに対して、透湿部に接触する「水」のみの温度制御を行う本発明の態様においては、気温を制御する代わりに、植物栽培用容器が接触している水の温度を直接調節することにより、根圏温度を適正範囲に維持している。この根圏温度の適正コントロールは根の生育を促す。したがって、栄養の吸収が促進され植物体全体の生長促進になり生産性は向上する。生産性の向上と製造コストが安価で且つ運転費の安い水槽の温度維持装置での気温制御により、実質的に格段の低コスト植物栽培が可能になる。
【0064】
加えて、熱の伝達媒体としては、水は空気よりはるかに優れているため、温室全体の気温を制御することによる根圏温度の調節よりも、容器に直接接触する水の温度による局所温度調節の方が、より精密な温度調節が可能で、しかも損失熱量が著しく少ない。
【0065】
更に、本発明によれば、それぞれ適正根圏温度の異なる植物種に対して、(同一室内であっても)それぞれに対応した複数の水槽を設置することができるメリットがある。これに対して、従来の気温調節による温室では、根圏温度の精密制御が困難であり、しかも上記のように種類(適正根圏温度)の異なる植物の同時栽培は実質的に困難であった。
【0066】
従来の植物栽培用容器である汎用プラスチック製のセルシートあるいはセルトレイを用いた場合でも、これらを直接に、水槽に浸漬して水温を制御して根圏温度を調節することは可能であるが、上述したように、従来の容器には灌水による過剰の水(pF値が約1.5以下の重力水)の滞留を防ぎ、細菌繁殖による根腐れと土壌ガス環境の悪化を防止するために各セルの底面に穴があるため、長時間、水槽中に浸漬し根圏温度を調節することは実質的に困難であった。
【0067】
これに対して、本発明の栽培方法によれば、植物体への水分供給が水と接触した選択的透湿部を介して(水蒸気の形態で)行われるため、細菌繁殖による根腐れと土壌ガス環境の悪化を防止しつつ、長時間、植物栽培用容器を水槽中に浸漬して根圏温度を調節することが可能となる。本発明においては、主として土壌水分環境は、水と直接に接している選択的透湿性部(フィルム、膜等)を介して透過する水蒸気により制御され、土壌ガス環境に悪影響を与える可能性のある滞留液体水を実質的に使用していないため、理想に近い根圏環境を形成することが可能となるものと推定される。
【0068】
(水分供給)
このように、本発明の栽培方法においては、植物体への水分供給の大部分が水と接触した選択的透湿部を介しての水蒸気によって行われ、従来の栽培方法による液体の水を主目的とするものとは全く異なるシステムとなっている。したがって本発明によれば、従来の高価な灌水装置、設備が著しく軽減される事のみならず、散水法等の問題点である病害発生の頻度を著しく低減することが可能となる。更には、従来の灌水法が人工的にかつ間欠的に行われるために土壌水分量の欠乏と過剰状態が交互に表れることとなり、この水分ストレスの弊害は植物の順調な生育や病気抵抗力を弱める傾向があった。乾湿状態が交互に存在することを前提にした植物栽培土壌は、乾燥時には土壌中の酸素量が増大し根のエネルギー源として植物栄養を活発に吸収する状態になるが、乾燥による土壌湿度不足のためイオンとして存在する植物栄養は吸収されにくい。反対に、土壌水分が飽和状態にあると植物栄養は吸収され易い状態にあるが土壌中の飽和水分は酸素欠乏状態を誘発し、根の吸収活動に必要なエネルギーが低下ないし不足する。植込材料中に存在する植物栄養を順調に吸収させるには、適正な有効土壌ガスと適正な土壌水分の両方が存在することが重要である。
【0069】
本発明の選択的透湿部を介しての水蒸気供給は、土壌ガスの相対湿度の低下即ち土壌水分量の欠乏状態に対して自動的かつ連続的に行うことが可能であり、水分ストレスを与える灌水の量および/又は頻度を著しく低減することにより、植物生長を阻害する水分量の欠乏および過剰状態を劇的に減少させることができる。従来の灌水方法による水分過剰状態は、上述したように、土壌中の空隙を閉塞し土壌ガス環境の悪化および土壌微生物の異常繁殖を誘発するが、本発明の容器および方法を用いれば、これらの悪影響も劇的に低減させることができる。
【0070】
また余剰の土壌水分は、例えば果実の糖度を低下させる等収穫物の品質の低下をもたらす場合もあり、本発明の容器および方法は、このような余剰の水分を著しく低減する点でも有用であり、野菜類の栄養(糖類、各種ミネラル、ビタミン等)や薬草などの有効成分の高含有化が期待できる。
【0071】
(他の水分供給法)
ここで本発明の植物栽培方法においては、上述したような選択的透湿部を介しての水蒸気供給により、植物体への水分供給を行うが、該水分供給の量的・成分的な面(例えば、植物栄養、ミネラル等)を補う点から、従来用いられてきた灌水法、例えば地表散水法、点滴法等を適宜併用してもよい。この場合においても、併用すべき「従来の水供給」法の使用は、必要最小限(例えば、1ヶ月に1回程度)とすることが可能である。
【0072】
(栽培方法の他の態様)
本発明の植物体栽培方法においては、上記した植物栽培容器の選択的透湿部の部分を直接、例えば水槽等の水に接触させて植物を栽培することができる。
【0073】
本発明の栽培方法においては、上述したように、必要に応じて、透湿部に接触させるべき水を温度制御してもよい。このような態様によれば、従来においては植物体を囲む環境全体(例えば、温室内の空間の全体)を温度制御することなく、該植物体を順調に生育させることが可能となるというメリットがある。
【0074】
本発明の栽培方法においては、必要に応じて、水槽からの水の蒸散を防止するために水槽を密閉構造にするかあるいは水面を不揮発性物質等で被覆する方法等を採用してもよい。また、水槽壁からの熱の移動を防止するために、保温被覆材等で水槽壁を被覆する方法等を採用してもよい。
【0075】
更には、槽中の水の腐敗を防止するために、水槽内の水に種々の抗菌剤を添加してもよい。この場合においても、水に添加された抗菌剤は本発明の水不透過性で且つ透湿性のある選択的透湿部を通過しないため、該抗菌剤が栽培容器内に移行して植物体の生長に悪影響を与えることはない。
【0076】
加えて、本発明の栽培に必要な水分は、選択的透湿部を介しての水蒸気として供給されるため、該水蒸気の供給源たる水自体の水質は、特に制限されない。すなわち、例えば海水、硬水、軟水、汚水等といった水質には関係なく、いずれの水も本発明の栽培方法に使用可能である。
【0077】
(実際の栽培方法の例)
図2の模式断面図に、本発明の栽培方法の一例を示す。この図2においては、「単一」の植物受容部を有するポットを使用している。
【0078】
図2を参照して、本発明の植物栽培用容器1内には、植物体5を支持するための支持体6が配置されている。該容器1全体は、水7に浸漬されている。容器1を構成する選択的透湿部4は水自体を透過させないが、水蒸気を透過させるため、容器1内への水分供給は、この透湿部4を介する水蒸気透過により行われる。
【0079】
透湿部4の水7への接触面積を出来る限り大きくとる点からは、容器1は水7に充分に浸漬していることが好ましい。このような観点から、必要に応じて、「重り」となる物体ないし材料(例えば、石)を容器1内に配置すること等により、容器1内に配置すべき内容物の重量を増大させておくことが好ましい。
【0080】
図2に示す容器1を用いた場合、例えば、図3の模式断面図に示すように、適当な水槽を備えた台(いわゆる「プールベンチ」「ウオータープール」等)8に水7を張り、これに該容器1を配置すればよい。
【0081】
図4および図5の模式断面図は、上記した図2および3で用いた単一のポット1に代えて、複数の受容部を有する「セルトレイ」10を用いた以外は、それぞれ図2および3と同様の構成を有している。
【0082】
(植物栽培用容器の他の態様)
上述したように、本発明の植物栽培用容器1は、その少なくとも一部に、水不透性で且つ透湿性を有する選択的透湿部4を有していれば足りる。したがって、必要に応じて、該容器1全体を、上記した水不透性の選択的透湿部4で形成してもよい。
【0083】
本発明の容器においては、選択的透湿部4は1ケ所でもよく、また必要に応じて、該透湿部4を2ケ所以上配置してもよい。例えば、図6の模式平面図に示すように、容器1の底面部3aに透湿部4を2ケ所以上配置してもよく、また、図7の模式側面図に示すように、容器1の側面部3bに透湿部4を2ケ所以上配置してもよい。これら複数の透湿部4の配置方法は、特に制限されず、例えば、碁盤状、市松ないしチェッカー状、階段状等の任意の配置とすることができる。このように複数の透湿部4を配置した場合、各種植物に合った栽培方式を採用できるというメリットがある。
【0084】
上記した図1の態様においては、容器1の底面3a/側面部3bの一部を、透湿部4で置換していたが、図8の模模式断面図に示すように、該透湿部4は、(穴を開けた)底面3c(および/又は側面3b)とは別個に設けてもよい。このように容器1の底面(および/又は側面)とは別個に透湿部4を設けた場合、該底面3a(および/又は側面3bが外力等のストレスを受けた場合でも、選択的透湿部4の傷害を効果的に防止することが容易となる。したがって、このような態様によれば、該透湿部4が破壊されて(例えば、その一部に穴が開いて)容器1の内部に「水自体」が流入することのリスクを著しく低減することが可能となる。
【実施例】
【0085】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
【0086】
実施例1
水を通さない選択的透湿フィルムとして、透湿度が約8,500g/(m2・24時間)の微孔性ポリプロピレンフィルム((株)トクヤマ製;厚さ75μm)を用いた。該フィルムを、ステンレススチールメッシュで作製された円筒形状の容器(厚さ0.1mm、メッシュ網目の大きさは、約7mm、容器の内容積が約31ml)の内側全面的に接触させ、該透湿フィルムの内側に土壌(山梨県塩山市産出)約25mlを注入した後、高さ約4cmのバジルの苗3本を移植した。
【0087】
該栽培容器を、約25℃に調節した水道水を満たした水槽(水深3.5cm)に浸漬し栽培を行った。この栽培の結果、上記バジルの苗は土壌へ直接灌水することなく、3本とも4ヶ月以上も順調に生長し続けた。すなわち、本実施例により、透湿性フィルムを透過する水蒸気のみによって、植物体を栽培、生長させることが可能であることが実証された。
【0088】
参考例1
実施例1で用いた選択的透湿フィルムに代えて、軟質ポリ塩化ビニールフィルム(透湿度が約400g/(m2・24時間);厚さ50μm)を用いた以外は、実施例1と同様にバジル苗を栽培した。
【0089】
すなわち、上記軟質ポリ塩化ビニールフィルムを、実施例1で用いたステンレススチールメッシュ容器の内側に挿入し、同様に高さ約4cmのバジルの苗を3本移植し水道水を満たした水槽中に浸漬し栽培実験を行った。
【0090】
この栽培実験の結果、土壌への直接灌水を3日に1回の割合で行った場合には、バジル苗は一応の生長を示した。他方、土壌への直接灌水を行わなかった場合には、バジル苗は3本とも約1週間で枯死した。
【0091】
実施例2
水を通さない選択的透湿フィルムとして、透湿度が約8,500g/(m2・24時間)の微孔性ポリプロピレンフィルム((株)トクヤマ製、厚さ75μm、直径5cm×5cm、深さ5cm)で、アブラナ科一年草のスイート・アリッサムが植えられた土壌(サカタ小苗用栽培土、スーパーミックス)約100mlを包み(該包みは、花茎誘引用バインド線で固定した)、地下水を約20℃に調節した水槽に、水深3cmまで浸漬して栽培を行った。
【0092】
栽培環境は、アクリル被覆温室、栽培温度夜間15℃、昼間25℃、照度4×104Lux(晴天時午前11時半から午後2時)とし、水を一切与えず栽培した。
【0093】
この栽培では、スイート・アリッサムは、3ヶ月以上も順調に生長し続けた。1ヶ月栽培後1週間を経て透湿フィルムを外してみたところ、浸漬されていた部分に対応する土壌が湿っており、スイート・アリッサムは良好な根の張りを示していた。
【0094】
比較例2
実施例2で用いた選択的透湿フィルムに代えて、同様の土壌を、水蒸気不透過性の農業用植物栽培ポリエチレン製栽培鉢(直径6cm×6cm、深さ5cm、壁の厚さ0.75mm)内に植えた以外は、実施例2と同様に1ヶ月栽培後水を一切与えずにスイート・アリッサムを栽培した。この栽培の結果、スイート・アリッサムは約1週間で枯死した。
【0095】
実施例3
園芸用に栽培された花木であるアセビ属白花あせび12cm鉢(兼弥産業社製)の鉢を取り除き、選択的透湿フィルムとして、透湿度が約8,500g/(m2・24時間)のポリプロピレンフィルム((株)トクヤマ製、厚さ75μm、直径12cm×12cm、深さ8cm)で用土部分を被覆し(被覆部分は、花茎誘引用バインド線で固定した)、地下水を約20℃に調節した水槽に、水深8cmで浸漬し栽培を行った。栽培環境はアクリル被覆温室、栽培温度夜間15℃、昼間25℃、照度40,000Lux(晴天時午前11時から午後2時)、用土はサカタ小苗用栽培土、スーパーミックスに市販の日向土小粒10%混入土を用い、水を一切与えずに栽培した。実験開始時には、該「白花あせび」は、草丈25cmで、鉢内の根分布状態は均一の物であった。
【0096】
この栽培では、「白花あせび」は、約3ヶ月以上も生長し続け、しかも開花した。約1ヶ月栽培後の透湿性フィルムを外してみたところ、地下水に浸漬されていた部分に対応する土壌が湿って、「あせび」も、良好な根の張りをしていた。
【0097】
比較例3
実施例3で用いた選択的透湿フィルムに代えて、水蒸気不透過性の農業用有用植物栽培ポリエチレン製栽培鉢(直径12cm×12cm、深さ9.8cm)を用いて、同様の実験を行った。すなわち、同様の土壌を用いて、該ポリエチレン製栽培鉢に「花あせび」(草丈25cmで、鉢内の根分布状態は均一)を植え、実験開始時は双方共草丈25cmで鉢内の根分布状態は均一の物を選んだ。実験開始後、「花あせび」へは水を一切与えずに栽培した。
【0098】
この栽培実験の結果、実験株は2週間で枯死した。
【0099】
実施例4
水を通さない選択的透湿フィルム(浸透気化型の透湿性フィルム)として透湿度が約2,000g/(m2・24時間)のポリビニルアルコール(PVA)フィルム(膜厚、約40μ、アイセロ化学(株)製)を用いた。該フィルムを460Wのヒートシーラーを用いて1.2秒間熱接着することにより、縦、横各々約8cm、深さ約5.5cmの直方体のフィルム容器を作製した。このフィルム製容器内に水を注入することによって該フィルム容器に水漏れがないことを確認した。
【0100】
上記フィルム容器中に培養土(スーパーミックスA、(株)サカタのタネ製)約190gを入れた。培養土入りのフィルム容器を井戸水を充填したステンレス製バット中に設置し、フィルム容器が約5.5cmの深さまで水浸するようにバットの中の水量を調整した。フィルム容器がバットの中の水から浮き上がらないように該フィルム容器を錘を用いて固定した。
【0101】
上記フィルム容器にトマトの小苗(48穴プラグトレーにソイルミックスB((株)サカタのタネ)を培養土として用い、トマト“世界一”種子を播種後、7〜10日目に発芽したもの)を移植し、栽培温度が16〜28℃の温室中で栽培を行った。
【0102】
他方、コントロールとして、上記フィルム容器とほぼ同等の容量を有する3.5号ポット(カネヤ商店(株)製、硬質プラスチック鉢;不透水・不透湿性)中に約190gの上記培養土を入れ、上記のトマトの小苗を移植し栽培温度が16〜28℃の温室中で栽培した。
【0103】
上記したトマトの小苗を移植した選択的透湿性のフィルム容器をステンレス製バットの中の水に浸漬することになしにトマトの小苗を栽培したところ約1週間で苗は枯死した。しかしながら、該フィルム容器を上記したようにステンレス製バット中の水に浸漬した場合にはトマトの小苗は順調に生育した。
【0104】
一方、上記の不透水・不透湿性の3.5号ポット(コントロール)中に移植したトマトの小苗に灌水することなく栽培した場合には、約2週間でトマトの小苗は枯死した。又、この3.5号ポットに移植した小苗に約57ml(選択的透湿性フィルム容器中への1日分の透湿量に相当する)の水を毎日、灌水した場合には、トマトの小苗は順調に生育した。
【0105】
1.5ケ月間、上記したようにステンレス製バット中の水に浸漬した選択的透湿性フィルム容器と、上記したように毎日灌水した不透水・不透湿性のポット中でそれぞれ栽培したトマトの苗を観察した結果、このポット中で栽培した苗においては、地上部は節間が間延びして且つ肥料切れによるものと思われる下葉の枯れが認められた。これに対して、バット中で水中浸漬した選択的透湿性フィルム容器中で栽培した苗は下葉の枯れもなく、節間も短く且つ葉が良く茂っていた。加えて、地下部(根)の状態に関しては、選択的透湿性フィルム容器で栽培したものの根密度は、不透水・不透湿性のポット栽培のものと比較して著しく高かった。
【0106】
実施例5
実施例4で行われた水中浸漬した選択的透湿性フィルム容器、及び不透水・不透湿性のポット(毎日、約57mlの灌水を行った)をそれぞれ用いたトマトの小苗の栽培実験に於いて、土中酸素計(カタログ名:DIK−5050、大起理化工業(株)製)のセンサー部分をそれぞれの容器の土壌中に埋没させることによって、12時間毎の土壌酸素濃度を測定した。得られた結果を図9に示す。
【0107】
更に、同様に栽培40日までの土壌酸素濃度の経日変化を測定した。得られた結果を図10に示す。
【0108】
上記図9からわかるように、不透水・不透湿性のポット中の土壌の酸素濃度は栽培4日目頃から日内変動が認められた。即ち灌水後は低い酸素濃度であり、栽培期間と共に土壌中の酸素濃度は漸次、低下した。これに対して、選択的透湿性フィルム容器中の土壌酸素濃度においては、実質的に日内変動が認められず常に空気中の酸素濃度とほぼ同等であった。
【0109】
更に、上記図10からわかるように、不透水・不透湿性のポットの土壌中の酸素濃度は栽培日数と共に著しく低下し、栽培40日後では空気中酸素濃度の約40%に低下した。これに対して、選択的透湿性フィルム容器の場合には、ほぼ空気中酸素濃度に維持された。上記した実験により、不透水・不透湿性のポット栽培の場合には灌水により土壌間隙が閉塞され根圏領域の酸素濃度が極端に低下し、苗の栽培が著しく阻害されるのに対して、選択的透湿性フィルム容器の場合には、水蒸気による水分の供給が行われる為、上記の問題点が解消されることが実証された。
【0110】
実施例6
実施例4で行われた水中浸漬した選択的透湿性フィルム容器、及び不透水・不透湿性のポット(毎日、約57mlの灌水を行った)をそれぞれ用いたトマトの小苗の栽培実験に於いて、培養土中の含水率、EC(電気伝導度)、pH及びイオン含量を初発(栽培当初)、及び1ヶ月半栽培後にそれぞれ測定した。得られた結果を、表1に示す。この表1においてフィルムを用いた場合(フィルム試験区)の“根付近”とは根の密度が高い場所、“根遠方”とは根の密度が低い場所をそれぞれ示す。
【0111】
【表1】
Figure 0003678654
【0112】
上記表1からわかるように、不透水・不透湿性のポットを用いた場合(ポット試験区)においては、選択的透湿性のフィルム試験区と比較して、培養土中の肥料に起因する無機イオンの含有量が、栽培後に著しく低下している。この低下は、灌水によって無機イオンがポット外に流亡していることを示唆している。一方、フィルム試験区の場合には、灌水によるイオンの流亡は考えられない為“根付近”のイオン含有量の低下は、植物体による吸収に起因するものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】図1は、本発明の植物栽培用容器の基本的な一態様を示す模式断面図である。
【図2】図2は、本発明の植物栽培用容器を水に浸漬した態様の一例を示す模式断面図である。
【図3】図3は、本発明の植物栽培用容器を水に浸漬した態様の他の例を示す模式断面図である。
【図4】図4は、本発明の植物栽培用容器を水に浸漬した態様の一例を示す模式断面図である。
【図5】図5は、本発明の植物栽培用容器を水に浸漬した態様の他の例を示す模式断面図である。
【図6】図6は、発明の植物栽培用容器を構成する底面の他の態様の一例を示す模式平面図である。
【図7】図7は、本発明の植物栽培用容器を構成する側面の他の態様の一例を示す模式平面図である。
【図8】図8は、本発明の植物栽培用容器の他の態様を示す模式断面図である。
【図9】図9は、実施例において得られた培養土中の12時間毎の酸素濃度を示すグラフである。
【図10】図10は、実施例において得られた試験栽培期間における培養土中の酸素濃度の経日変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0114】
上記した各図面において、各符号は以下の意味を有する。
1 植物栽培用容器
2 植物受容部
3 壁材
3a 底面
3b 側面壁
4 選択的透湿部
5 植物
6 支持体
7 水
8 プールベンチ

Claims (11)

  1. 植物体を受容するための受容部を有する容器であって;その少なくとも一部に、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿部を有し、
    該選択的透湿部において、実質的に親水性無孔性材料のみを介して、容器内部へ水蒸気が透過することを特徴とする植物栽培用容器。
  2. 前記透湿部が1×103g/(m2・24時間)以上の透湿度を有する請求項1記載の植物栽培用容器。
  3. 前記透湿部の面積の、容器の外側表面(水に接触すべき側)の全表面積に対する割合が、20%以上である請求項1記載の植物栽培用容器。
  4. 前記透湿部が、容器の表面全体に配置されている請求項1記載の植物栽培用容器。
  5. 前記透湿部が、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿性の材料と、透水性の材料との複合化材料からなる請求項1記載の植物栽培用容器。
  6. 前記透湿部が、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿性の材料と、該材料の外側に配置された透水性の材料とからなる請求項1記載の植物栽培用容器。
  7. 前記透水性の材料が、穴開きプレートである請求項6記載の植物栽培用容器。
  8. 植物体を受容するための受容部を有する容器であって;且つ、その少なくとも一部に、水は透過させず水蒸気は透過させる選択的透湿部を有し、該選択的透湿部において、実質的に親水性無孔性材料のみを介して、容器内部へ水蒸気が透過する植物栽培用容器を用い;
    該容器中に植物保持用支持体および植物体を配置し、
    少なくとも前記透湿部を水に接触させつつ、該植物体を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
  9. 前記透湿部に接触させるべき水が、温度制御された水である請求項8記載の植物栽培方法。
  10. 前記透湿部に接触させるべき水が、そのままでは植物の生長に適しない水である請求項8記載の植物栽培方法。
  11. 前記透湿部に接触させるべき水が、塩水、汚水または硬水である請求項10記載の植物栽培方法。
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