JP2000093025A - 養液を用いた植物の栽培方法 - Google Patents

養液を用いた植物の栽培方法

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JP2000093025A
JP2000093025A JP10266317A JP26631798A JP2000093025A JP 2000093025 A JP2000093025 A JP 2000093025A JP 10266317 A JP10266317 A JP 10266317A JP 26631798 A JP26631798 A JP 26631798A JP 2000093025 A JP2000093025 A JP 2000093025A
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roots
plant
cultivation
root
nutrient solution
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JP10266317A
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Hiromi Ono
弘巳 小野
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Original Assignee
Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 貯液槽中の養液を繊維性部材を介して植
物体の根部に供給し、植物を栽培する方法において、当
該植物体の根部を通気性資材で覆うことを特徴とする植
物の栽培方法。 【効果】 根の健全な生長に必要な酸素を充分に供給で
き、かつ過剰な養水分の吸収を抑えつつ、外部の温度や
湿度の変化が根部に与える影響を少なくして植物を栽培
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養液を用いて植物
を栽培する方法に関し、より詳しくは外部の温度及び湿
度変化が根部に与える影響を少なくして植物を栽培する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】養液を用いた栽培方法には、NFT(Nutrie
nt Film Technique)、湛液法、ロックウール法、毛管水
耕法などの種々の方法がある。毛管水耕法は、養液槽中
の養液と植物体の根部との間に、布など繊維性部材を介
在させ、毛細管現象を利用して根部に養液を供給し、栽
培する方法である。この栽培方法は、トマト、ナス、イ
チゴなど根の酸素吸収量の多い果菜類の栽培に適してい
る。それは、NFT法や湛液法などと異なり、毛管水耕法
では植物の根が養液に直接浸っていないので、根の健全
な生育に必要な酸素を十分に根に供給でき、また植物の
過剰な養水分の吸収を抑えられるので、良く充実した果
実、つまり食味や日持ち性などの品質が良い果実を得る
ことができるからである。
【0003】毛管水耕法を応用した従来の栽培法として
は、実公平7-50921の実施例2及び第2図に示された装
置を用いたものなどがある。第2図では養液9に浮かし
た浮板10の上に吸液部材13を設置し、さらにその上に通
液シート14を設置し、その上に植物を定植し、栽培す
る。通液シート14は透水性を有し、植物の根の貫通を阻
止できる程度の微細な孔隙を有する布などであり、植物
の根部40は通液シート14の上に生長し、通液シート14を
通ってきた養水分を吸収する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、食味の良い果
菜、つまりおいしい果菜に対する消費者のニーズが高ま
り、食味の良い果菜類の品種の開発や栽培が盛んになっ
てきている。しかしながら、このような品種は収量が低
く、季節による収量の変動が大きい等の問題があるもの
が多く、これまでの品種に比べて栽培し難く、高度な栽
培技術が要求されるものが多い。
【0005】このような食味の良い果菜類を毛管水耕法
で栽培すれば、より消費者に好まれる果菜を生産でき
る。しかし、このような品種を毛管水耕で栽培した場
合、根が気相部に露出しているため、根の酸素吸収を妨
げないが、根圏の湿度や温度変化の影響を受けやすく、
栽培初期の根の伸長が遅れ、それにより地上部の生育も
安定せず、そのため収量が低かったり、季節による収量
の変動が大きいなど、従来の収量や栽培の容易性・安定
性を重視した品種ではほとんど問題にならなかったこと
がしばしば問題となってきた。
【0006】本発明は、従来から使われている毛管水耕
装置をそのまま使用し、根の健全な生長に必要な酸素を
十分に供給し、かつ過剰な養水分の吸収を抑えながら植
物を栽培する毛管水耕法の長所を生かしながら、根圏の
温度や湿度変化などの環境の影響を少なくし、栽培初期
から根部をより良好に生育させることにより、地上部の
健全な生育、さらには収量の向上と安定化を達成する栽
培法を提供することをその目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、鋭意検討を重ねた結果、毛管水耕法に従
って栽培する際に、植物体の根部を通気性資材で覆うこ
とにより、根圏の温度や湿度変化などの環境の影響を少
なくできることを見出し、本発明を完成した。即ち、本
発明は、貯液槽中の養液を繊維性部材を介して植物体の
根部に供給し、植物を栽培する方法において、当該植物
体の根部を通気性資材で覆うことを特徴とする植物の栽
培方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の植物の栽培方法は、貯液槽中の養液を繊維性部
材を介して植物体の根部に供給し、植物を栽培する方法
において、当該植物体の根部を通気性資材で覆うことを
特徴とするものである。繊維性部材は、毛細管現象によ
り貯液槽中の養液を植物体の根部に移動させることがで
きるものであればどのようなものでもよく、例えば、不
織布などを使用することができる。
【0009】通気性資材は、根の酸素吸収を妨げない程
度の通気性をもつものであればどのようなものでもよい
が、粒状構造物からなる資材が好ましく、多孔質の粒状
構造物からなる資材が更に好ましい。粒状構造物からな
る資材としては、例えば、天然物では、火山性の礫、パ
ーライト、バーミキュライトなど、人工物では、ポリエ
チレン製の粒状物などを挙げることができる。資材を構
成する各々の粒状物の大きさや形状は特に限定されない
が、径は2〜30mm程度の(礫状のもの)が好ましい。な
お、使用する資材は、天然物、人工物のいずれでもよい
が、使用後の環境への負荷を考慮すれば天然物の方が好
ましい。
【0010】使用する養液は、特別なものを使用する必
要はなく、一般的に使用されているものでよい。本発明
の栽培方法の対象とする植物としては、トマト、ナス、
イチゴなど根の酸素吸収量の多い果菜類が好ましいが、
これらに限定されるわけではない。本発明の栽培方法
は、市販の栽培装置、例えば、実公平7-50921の第2図
に示される栽培装置を使用することができる。以下に、
図1及び図2によりこの栽培装置について説明する。
【0011】この栽培装置では、貯液槽1と浮き板2と
から構成される。貯液槽1の上面は、水耕シート3で覆
われており、その内部に養液4が貯蔵されている。浮き
板2の上には、不織布(繊維性部材)5が載置されてお
り、この不織布5の一端は養液4と接している。不織布
5の上には、防根シート6を載置されており、防根シー
ト6より下に根が伸長するのを防止している。
【0012】この栽培装置では、防根シート6上に植物
を植える。植物体の根部7は、毛細管現象により不織布
5に吸い上げられた養液4を吸収し、防根シート6に沿
って伸長していく。通気性資材として使用するボラ土8
は、根部7の一部を覆うように積層してもよいが、好ま
しくは全面を覆うように積層する。積層するボラ土8の
厚さは、2〜100 mm程度、好ましくは3〜70mm程度であ
る。ボラ土8を積層する時期は、定植後でも良いが、定
植前の方が作業が容易である。
【0013】
【実施例】〔実施例1〕 1.材料及び方法 1997年10月14日に中玉トマト(ヘルシーミディー)の接
木プラグ苗(台木の品種:デュエットO)を市販の有機
物性の園芸用鉢(ジフィーポット;発売元日本ジフィー
ポットプロダクツ)に市販の育苗培土を詰めて植え、育
苗ベッドで育苗を開始した。接木プラグ苗は日本たばこ
産業株式会社育苗センター高知から入手した。本葉5〜
6枚に生長した苗を11月1日にそれぞれ5本づつ2台の
毛管水耕栽培装置に定植した。
【0014】栽培には実公平7-50921 号公報の第2図に
示される浮根式養液栽培装置(市販の水耕栽培装置「楽
農太郎」、発売元;日本たばこ産業株式会社)を使用し
た。栽培ベッドは幅約0.5m、長さ約2.5m、深さ0.1mで、
1台には粒径約2〜3mmのボラ土(鹿児島産)を厚さ約
3〜4mmに通液シートの全面に敷き詰め(本発明区)、
もう1台にはボラ土は用いなかった(対照区)。両区と
も、2本仕立ての斜め誘引法で栽培を行った。栽培期間
中は、水1,000L当たりJT養液栽培用肥料ONA-2 号を60
0g、B-2 号を350g、微量要素入りC-1 号を25g (発売元
はONA-2 号、B-2 号、C-1 号ともに日本たばこ産業株式
会社)の割合で溶かし、養液(EC 2.0ms/cm 、pH 5.5-
6.5)を施用した。養液は2台の栽培装置に異なるタン
クから供給した。
【0015】栽培は硬質フィルム張りの鉄骨ハウスで栽
培を行った。本葉7枚目までの花房は除去し、それより
上の花房を残して8番目の果房までの果実を収穫した。
樹勢に応じて摘果し、1果房当たりの果実数を6〜10個
とした。収穫は2月26日から5月8日まで行った。収
穫した果実は正常果と裂果や乱形果などの異常果に分け
て、さらに正常果はM(20g以上)とS(20g未満に分け
て、それぞれの果数と重量を測定した。また、それぞれ
の区のMの果実の糖度を糖度計(アタゴPF-1)により調
査した。2.結果結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】〔生育〕特に、栽培前半において、地上
部、地下部の生育とも対照区に比較して本試験区では明
らかに優り、根量は多く、地上部の草勢も強くなった
が、後半になると、その差は縮小した。 〔収量〕本発明区は、対照区に比較して安定してMの収
量が多く、Mの総重量、比率及び平均果重とも高かっ
た。 〔糖度及び食味〕本発明区は対照区に比較し、糖度は1
度低かったが、糖度8度近くあり品種本来の食味が十分
出ており、甘くおいしかった。
【0018】〔実施例2〕 1.材料及び方法 1996年12月12日にイチゴの品種とちおとめの苗を、市販
の有機物性園芸ポット(ジフィーポット;発売元日本ジ
フィーポットプロダクツ)に市販の園芸培地を詰めて植
え、育苗ベッドで育苗を開始した。苗は近隣の農家から
入手した。約15cmに生長した苗を、1月8日にそれぞれ
10株づつ2台の毛管水耕栽培装置に定植した。
【0019】栽培ベッドは、幅約0.3m、長さ約1.2m、1
台には粒径約2〜3mmのボラ土(鹿児島産)を厚さ約70
mmに通液シートの全面に敷き詰め(本発明区)、もう1
台には厚さ2mmの不織布(商品名:ジャームガード;販
売元 東洋紡)を通液シートの上に敷いた(対照区)。
20cm間隔の千鳥植えとした。育苗期間中は、水1,000L当
たりJT養液栽培用肥料ONA-1 号を300g、B-2 号を250
g、微量要素入りC-1 号を25g (発売元はONA-1 号、B-2
号、C-1 号ともに日本たばこ産業株式会社)を溶か
し、養液(EC 2.0ms/cm、pH 5.5-6.5)を施用した。
【0020】栽培は、JTの水耕開発センター内の硬質
フィルム張りの鉄骨ハウスで栽培を行った。収穫期間
は、2月25日から6月6日まで行った。なお、開花段階
で果実が十分肥大しないと思われる小さい花は除去し
た。収穫した果実は、各区別に果数と重量を測定した。 2.結果 結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】〔生育〕本発明区は、対照区に比較して、
生育初期から新葉の生育が良く、生育期間を通じて揃い
も良く、十分な葉面積が確保できた。 〔収量〕本発明区は、対照区に比較して2番果の肥大も
良く、安定的に収穫できたため、約10%程度収量が良か
った。
【0023】
【発明の効果】本発明の栽培方法では、植物体の根部は
通気性資材の間または中に伸長するので、気相部に直接
的に露出することは少なくなり、気相部の温度や湿度の
変化の影響を受けにくくなる。また、通気性資材を使用
することにより、根圏に固相、気相、水相の適度な三相
が形成され、根の健全な生長に必要な酸素を充分に供給
でき、かつ過剰な養水分の吸収を抑えながら植物を栽培
する毛管水耕法の長所を生かすことができる。これらに
より、根の生育が安定し、そのため地上部の生育も安定
し、収量が向上しかつ収量の季節変動が少なくる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の培養方法の一実施例を示す図である。
【図2】図1における植物体の根部を拡大した図であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯液槽中の養液を繊維性部材を介して植
    物体の根部に供給し、植物を栽培する方法において、当
    該植物体の根部を通気性資材で覆うことを特徴とする植
    物の栽培方法。
JP10266317A 1998-09-21 1998-09-21 養液を用いた植物の栽培方法 Pending JP2000093025A (ja)

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