JPH08294335A - 湛水式養液栽培装置 - Google Patents
湛水式養液栽培装置Info
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- JPH08294335A JPH08294335A JP7140051A JP14005195A JPH08294335A JP H08294335 A JPH08294335 A JP H08294335A JP 7140051 A JP7140051 A JP 7140051A JP 14005195 A JP14005195 A JP 14005195A JP H08294335 A JPH08294335 A JP H08294335A
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- water
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 動力源を用いた大掛かりな設備やルートチャ
ンバを用いずに、ホウレン草等の軟弱野菜を高温地域で
も安価に周年栽培可能で、かつ栽培・収穫作業の容易な
湛水式養液栽培装置を提供することにある。 【構成】 支持具1と、支持具によって地面Gから所定
の高さに支持されて、外周面が外気に晒された状態にあ
る水槽2と、水槽の開口部21に密閉可能に設置された
蓋3と、蓋の長手方向に1列以上設けられた、蓋の表裏
を貫通する切り込み溝30に、蓋の表面から水槽の底部
にかけて延伸して設けられた毛細管現象を有する給水シ
ート32とからなり、水槽のうち少なくとも切り込み溝
の部分の素材は、柔軟性と滞水圧性と透湿性とを有する
ことを特徴とする。
ンバを用いずに、ホウレン草等の軟弱野菜を高温地域で
も安価に周年栽培可能で、かつ栽培・収穫作業の容易な
湛水式養液栽培装置を提供することにある。 【構成】 支持具1と、支持具によって地面Gから所定
の高さに支持されて、外周面が外気に晒された状態にあ
る水槽2と、水槽の開口部21に密閉可能に設置された
蓋3と、蓋の長手方向に1列以上設けられた、蓋の表裏
を貫通する切り込み溝30に、蓋の表面から水槽の底部
にかけて延伸して設けられた毛細管現象を有する給水シ
ート32とからなり、水槽のうち少なくとも切り込み溝
の部分の素材は、柔軟性と滞水圧性と透湿性とを有する
ことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばホウレン草やサ
ラダ菜等のいわゆる軟弱野菜を栽培するための湛水式養
液栽培に使用される栽培装置に関する。
ラダ菜等のいわゆる軟弱野菜を栽培するための湛水式養
液栽培に使用される栽培装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、作物の生育に必要な根圏の水
温や酸素を確保するために、半地下式の湛水式養液栽培
装置(例えば、特公平4−52730号)がある。すな
わち、従来技術は、必要な水温を確保するために、水槽
を地下式にして外気温による根圏温度及び水温への影響
を小さくし、循環式水耕栽培装置のような動力源を用い
た大掛かりな冷却装置を不要とした。一方、従来技術
は、必要な酸素を根から確保するために、水槽に水(養
液)を一旦溜めて循環させずに、水面に接する根(水中
根)から養液中の溶存酸素を吸収させる。また、水中根
が下方に成長すると共に水面は低下し、水面上に生じる
空間に、気中に接する根(湿気中根)が増殖する。この
湿気中根に、大気中から必要な酸素を吸収させて、収穫
に至まで成長させる。このように従来技術は湿気中根に
着目して、循環式水耕栽培装置のような溶存酸素を循環
させる大掛かりな装置を不要とした。したがって、従来
技術によれば、循環式水耕栽培装置設備に比べて設備が
簡易で経済的であり、また、病気が発生しても循環しな
いので病気の影響が局地的であり、処置が容易である。
さらに、半地下式のため、添え木を介して上方に茎が大
きく伸びるメロンやトマト等の果菜類作物の栽培及び収
穫の作業を容易に行える。
温や酸素を確保するために、半地下式の湛水式養液栽培
装置(例えば、特公平4−52730号)がある。すな
わち、従来技術は、必要な水温を確保するために、水槽
を地下式にして外気温による根圏温度及び水温への影響
を小さくし、循環式水耕栽培装置のような動力源を用い
た大掛かりな冷却装置を不要とした。一方、従来技術
は、必要な酸素を根から確保するために、水槽に水(養
液)を一旦溜めて循環させずに、水面に接する根(水中
根)から養液中の溶存酸素を吸収させる。また、水中根
が下方に成長すると共に水面は低下し、水面上に生じる
空間に、気中に接する根(湿気中根)が増殖する。この
湿気中根に、大気中から必要な酸素を吸収させて、収穫
に至まで成長させる。このように従来技術は湿気中根に
着目して、循環式水耕栽培装置のような溶存酸素を循環
させる大掛かりな装置を不要とした。したがって、従来
技術によれば、循環式水耕栽培装置設備に比べて設備が
簡易で経済的であり、また、病気が発生しても循環しな
いので病気の影響が局地的であり、処置が容易である。
さらに、半地下式のため、添え木を介して上方に茎が大
きく伸びるメロンやトマト等の果菜類作物の栽培及び収
穫の作業を容易に行える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来技術は
メロン等の果菜類作物の栽培を前提とした技術であるた
め、ホウレン草やサラダ菜等の軟弱野菜の栽培には適さ
ないという問題があった。すなわち、従来技術は果菜類
作物の栽培に適した二重構造の側面多穴容器からなるル
ートチャンバを苗の数だけ水槽内に設置し、本葉が2枚
出るまで別の場所で育てた苗を定植した多穴定植容器
を、ルートチャンバに栽培可能に載置している。このた
め、メロンのように売買単価の高い作物以外の作物、例
えばホウレン草のような軟弱野菜の栽培には経済的でな
かった。
メロン等の果菜類作物の栽培を前提とした技術であるた
め、ホウレン草やサラダ菜等の軟弱野菜の栽培には適さ
ないという問題があった。すなわち、従来技術は果菜類
作物の栽培に適した二重構造の側面多穴容器からなるル
ートチャンバを苗の数だけ水槽内に設置し、本葉が2枚
出るまで別の場所で育てた苗を定植した多穴定植容器
を、ルートチャンバに栽培可能に載置している。このた
め、メロンのように売買単価の高い作物以外の作物、例
えばホウレン草のような軟弱野菜の栽培には経済的でな
かった。
【0004】また、従来技術は水槽を半地下式にしたの
で、動力源を有する冷却装置を用いずに、外気温による
根圏温度及び水温への影響を小さくすることができた
が、それでも尚、地面に接する水槽内の温度は、気温に
比例して上昇する地温の影響を受けやすく、特に九州、
沖縄等の高温地域では、ホウレン草のような根圏温度の
上限が低い(30℃以下)植物の夏期栽培が困難であっ
た。
で、動力源を有する冷却装置を用いずに、外気温による
根圏温度及び水温への影響を小さくすることができた
が、それでも尚、地面に接する水槽内の温度は、気温に
比例して上昇する地温の影響を受けやすく、特に九州、
沖縄等の高温地域では、ホウレン草のような根圏温度の
上限が低い(30℃以下)植物の夏期栽培が困難であっ
た。
【0005】さらに、従来技術は半地下式のため、背丈
の余り伸びない軟弱野菜の栽培や収穫作業は、中腰で行
わねばならず、肉体を酷使する原因となっていた。この
点で、従来技術の前提となった循環式水耕栽培装置は、
地上から一定の高さに設置可能であるから作業性はよい
が、前述したように設備が高価あることや病気が循環し
てしまうことなどから一般農家への普及は困難であっ
た。
の余り伸びない軟弱野菜の栽培や収穫作業は、中腰で行
わねばならず、肉体を酷使する原因となっていた。この
点で、従来技術の前提となった循環式水耕栽培装置は、
地上から一定の高さに設置可能であるから作業性はよい
が、前述したように設備が高価あることや病気が循環し
てしまうことなどから一般農家への普及は困難であっ
た。
【0006】そこで本発明の目的は、動力源を用いた大
掛かりな循環・冷却装置や苗ごとに必要なルートチャン
バを使用しないで、ホウレン草やサラダ菜等の軟弱野菜
を安価に生産できる湛水式養液栽培装置を提供すること
にある。
掛かりな循環・冷却装置や苗ごとに必要なルートチャン
バを使用しないで、ホウレン草やサラダ菜等の軟弱野菜
を安価に生産できる湛水式養液栽培装置を提供すること
にある。
【0007】また他の目的は、動力源を用いた大掛かり
な循環・冷却装置を使用しないで、根圏温度の上限が低
い植物を、高温地域でも周年栽培可能な湛水式養液栽培
装置を提供することにある。
な循環・冷却装置を使用しないで、根圏温度の上限が低
い植物を、高温地域でも周年栽培可能な湛水式養液栽培
装置を提供することにある。
【0008】さらに他の目的は、動力源を用いた大掛か
りな循環・冷却装置を使用しないで、水槽を地上から一
定の高さに設置可能にして、軟弱野菜の栽培・収穫作業
の容易な湛水式養液栽培装置を提供することにある。
りな循環・冷却装置を使用しないで、水槽を地上から一
定の高さに設置可能にして、軟弱野菜の栽培・収穫作業
の容易な湛水式養液栽培装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴は、
支持具と、支持具によって地面から所定の高さに支持さ
れて、外周面が外気に晒された状態にある水槽と、水槽
の開口部に密閉可能に設置された蓋と、蓋の長手方向に
1列以上設けられた、蓋の表裏を貫通する切り込み溝
に、蓋の表面から水槽の底部にかけて延伸して設けられ
た毛細管現象を有する給水シートとからなり、水槽の素
材は、柔軟性と滞水圧性と透湿性とを有するところにあ
る。
支持具と、支持具によって地面から所定の高さに支持さ
れて、外周面が外気に晒された状態にある水槽と、水槽
の開口部に密閉可能に設置された蓋と、蓋の長手方向に
1列以上設けられた、蓋の表裏を貫通する切り込み溝
に、蓋の表面から水槽の底部にかけて延伸して設けられ
た毛細管現象を有する給水シートとからなり、水槽の素
材は、柔軟性と滞水圧性と透湿性とを有するところにあ
る。
【0010】第2の特徴は、栽培装置の水槽の大きさ
は、1回の養液補給によって植物の収穫に至までに必要
な水分、養分、溶存酸素をまかなえる容積であるところ
にある。
は、1回の養液補給によって植物の収穫に至までに必要
な水分、養分、溶存酸素をまかなえる容積であるところ
にある。
【0011】第3の特徴は、水槽の素材の耐水圧性は、
500〜3000mmの範囲であり、さらに上記透湿性
の透湿度では、3000〜7000g/m2 /24時間
の範囲にあるところにある。
500〜3000mmの範囲であり、さらに上記透湿性
の透湿度では、3000〜7000g/m2 /24時間
の範囲にあるところにある。
【0012】第4の特徴は、水槽の素材は、光の反射率
が90%以上で、光吸収率が1%以下であるところにあ
る。
が90%以上で、光吸収率が1%以下であるところにあ
る。
【0013】第5の特徴は、水槽の素材は、透気度が2
0〜80S/100CCの範囲の通気性があるところに
ある。
0〜80S/100CCの範囲の通気性があるところに
ある。
【0014】第6の特徴は、蓋のうち少なくとも切り込
み溝の部分の素材は、栽培する作物の根の先端が上記切
り込み溝を押し分けて伸長するのを阻害しない程度の弾
力性を有するところにある。
み溝の部分の素材は、栽培する作物の根の先端が上記切
り込み溝を押し分けて伸長するのを阻害しない程度の弾
力性を有するところにある。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を説
明する。
明する。
【0016】図1に示すように、地面G上に垂直に植設
してある支持具1により、水槽2がその下面や側面を空
気に晒した状態で支持されている。
してある支持具1により、水槽2がその下面や側面を空
気に晒した状態で支持されている。
【0017】先ず支持具1の構造について説明すると、
この支持具は複数の支持柱10…を格子状に一定の間隔
をおいて垂直に立設し、この支持柱相互間を水平の複数
の支持梁11…によって連結し組み立てたものである。
支持柱10及び支持梁11は、養液を満たした水槽2を
支持可能な強度のもので、材質は木,合成樹脂,金属な
どから適宜選択される。
この支持具は複数の支持柱10…を格子状に一定の間隔
をおいて垂直に立設し、この支持柱相互間を水平の複数
の支持梁11…によって連結し組み立てたものである。
支持柱10及び支持梁11は、養液を満たした水槽2を
支持可能な強度のもので、材質は木,合成樹脂,金属な
どから適宜選択される。
【0018】水槽2は、支持具1によって地上から所定
の高さに支持され、軟弱野菜の栽培や収穫の作業を容易
に行える高さであることが必要である。具体的には、背
丈が余り伸びないホウレン草の場合、水槽2の開口部2
1の高さが作業者の腰の高さ前後であればよい。
の高さに支持され、軟弱野菜の栽培や収穫の作業を容易
に行える高さであることが必要である。具体的には、背
丈が余り伸びないホウレン草の場合、水槽2の開口部2
1の高さが作業者の腰の高さ前後であればよい。
【0019】水槽2の形状は、上端に開口部21を有す
る長方形のボックス状のもので、この水槽の大きさは、
本発明を利用して栽培する植物の収穫に至までに必要な
水分、養分、溶存酸素を供給可能な量の養液を1回の湛
水でまかなえる容積である。水槽2を構成するシート2
0の素材は、栽培期間中の滞水に耐えられる強度や耐水
圧性及び蒸散効果を得られる透湿性があるもので、例え
ば合成樹脂製または紙パルプ製のフィルムや不織布が適
宜選択される。特に、フラッシュ紡糸法により合成樹脂
の長繊維フィラメントが高密度に接合された不織布(例
えば、デュポン社製のタイベック−商品名)を用いた場
合には、好結果が得られた。
る長方形のボックス状のもので、この水槽の大きさは、
本発明を利用して栽培する植物の収穫に至までに必要な
水分、養分、溶存酸素を供給可能な量の養液を1回の湛
水でまかなえる容積である。水槽2を構成するシート2
0の素材は、栽培期間中の滞水に耐えられる強度や耐水
圧性及び蒸散効果を得られる透湿性があるもので、例え
ば合成樹脂製または紙パルプ製のフィルムや不織布が適
宜選択される。特に、フラッシュ紡糸法により合成樹脂
の長繊維フィラメントが高密度に接合された不織布(例
えば、デュポン社製のタイベック−商品名)を用いた場
合には、好結果が得られた。
【0020】そこで、タイベックを使用した実施例につ
いて説明する。タイベックは、他の不織布の製法、例え
ばメルトブロー法やスパンボンド法等によって形成され
る不織布と比較して高密度であり、そのため、本発明の
シート20に要求される耐水圧性、透湿性等に優れてい
る。タイベックは、1平方メートルあたり40ないし1
50gの範囲の重量を有するもので、耐水圧性を示す耐
水圧が500〜3000mmの範囲(JIS−L109
2A法−低水圧法による)、透湿性を示す透湿度が30
00〜7000g/m2 /24時間(JIS−Z−02
80修正法による)である。さらに、タイベックは、そ
の透気性(通気性)を示す透気度が20〜80S/10
0CC(JIS−P8117B型による)である。不織
布を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン特に高
密度ポリオレフィンが好ましいが、ポリプロピレンもし
くはポリオレフィンとの共重合体を使用することもでき
る。必要により、紫外線吸収材等の転化剤を添加して、
耐久性を向上させることは好ましいことである。
いて説明する。タイベックは、他の不織布の製法、例え
ばメルトブロー法やスパンボンド法等によって形成され
る不織布と比較して高密度であり、そのため、本発明の
シート20に要求される耐水圧性、透湿性等に優れてい
る。タイベックは、1平方メートルあたり40ないし1
50gの範囲の重量を有するもので、耐水圧性を示す耐
水圧が500〜3000mmの範囲(JIS−L109
2A法−低水圧法による)、透湿性を示す透湿度が30
00〜7000g/m2 /24時間(JIS−Z−02
80修正法による)である。さらに、タイベックは、そ
の透気性(通気性)を示す透気度が20〜80S/10
0CC(JIS−P8117B型による)である。不織
布を構成する合成樹脂としては、ポリオレフィン特に高
密度ポリオレフィンが好ましいが、ポリプロピレンもし
くはポリオレフィンとの共重合体を使用することもでき
る。必要により、紫外線吸収材等の転化剤を添加して、
耐久性を向上させることは好ましいことである。
【0021】また、以下の表1に示すように、タイベッ
クは、光の反射率は90%以上、透光率はほぼ8%、光
エネルギの吸収率は1%以下等、その特性において優れ
た特性値を示しており、これは従来の断熱性に優れた遮
光フィルム、例えばアルミ蒸着フィルムであるネオポリ
シャイン(商品名)よりも優れたものである。 (表1)被覆シートの種類 反射率% 吸収率% 透過率% タイベック1422A 91.30 0.83 7.87 ネオポリシャイン 85.12 14.54 0.34 *数値は光の全波長における反射率等の平均値を示す。
クは、光の反射率は90%以上、透光率はほぼ8%、光
エネルギの吸収率は1%以下等、その特性において優れ
た特性値を示しており、これは従来の断熱性に優れた遮
光フィルム、例えばアルミ蒸着フィルムであるネオポリ
シャイン(商品名)よりも優れたものである。 (表1)被覆シートの種類 反射率% 吸収率% 透過率% タイベック1422A 91.30 0.83 7.87 ネオポリシャイン 85.12 14.54 0.34 *数値は光の全波長における反射率等の平均値を示す。
【0022】*農林水産省野菜・茶業試験場開花制御研
究室の実験による。
究室の実験による。
【0023】さらに、水槽2の開口部21は、弾性部材
の1つであるゴム又は発泡スチロール製の蓋3でカバー
し、この水槽を密閉してあり、この蓋には、長手方向に
1列の切り込み溝30が、蓋の表裏を貫通して設けてあ
る。蓋3の長手方向の切り込み溝30は、必要に応じて
復数列にすることが可能である。溝30には、蓋の表面
31から水槽2の底部にかけて延伸する給水シート32
が設けてある。溝30に設けてある給水シート32は、
毛細管現象を利用して水分・養分・溶存酸素を植物に供
給可能なものであればよく、例えば合成樹脂製のものや
紙パルプ製のものでよく、また、フィルムでも不織布で
もよい。さらに、使用する場合は、1枚でも2枚でもよ
いが、1枚の場合は、図1に示すように給水シートの片
面に沿って根が伸長するように種をまく。2枚使用する
場合は、図2に示すように対向するシートの間に根が伸
びるように種をまく。発芽した苗の根の先端は、切り込
み溝30を押し分けて給水シート32に沿って養液まで
伸長する。このため、蓋3の素材は、根が伸びる際には
根の伸長を阻害しない程度の弾力性が必要である。
の1つであるゴム又は発泡スチロール製の蓋3でカバー
し、この水槽を密閉してあり、この蓋には、長手方向に
1列の切り込み溝30が、蓋の表裏を貫通して設けてあ
る。蓋3の長手方向の切り込み溝30は、必要に応じて
復数列にすることが可能である。溝30には、蓋の表面
31から水槽2の底部にかけて延伸する給水シート32
が設けてある。溝30に設けてある給水シート32は、
毛細管現象を利用して水分・養分・溶存酸素を植物に供
給可能なものであればよく、例えば合成樹脂製のものや
紙パルプ製のものでよく、また、フィルムでも不織布で
もよい。さらに、使用する場合は、1枚でも2枚でもよ
いが、1枚の場合は、図1に示すように給水シートの片
面に沿って根が伸長するように種をまく。2枚使用する
場合は、図2に示すように対向するシートの間に根が伸
びるように種をまく。発芽した苗の根の先端は、切り込
み溝30を押し分けて給水シート32に沿って養液まで
伸長する。このため、蓋3の素材は、根が伸びる際には
根の伸長を阻害しない程度の弾力性が必要である。
【0024】次に、本発明を用いた栽培方法について述
べる。水槽2に、作物の収穫に至までに必要な水分、養
分、溶存酸素を供給可能な量を調節した養液Wを満たし
ておく。水槽2の開口部21を蓋3で密閉することによ
って、水槽内の養液が蒸発して外部に霧消するのを最小
限に押さえるとともに、水槽内の湿度を根の生育に必要
な湿度に保つ。
べる。水槽2に、作物の収穫に至までに必要な水分、養
分、溶存酸素を供給可能な量を調節した養液Wを満たし
ておく。水槽2の開口部21を蓋3で密閉することによ
って、水槽内の養液が蒸発して外部に霧消するのを最小
限に押さえるとともに、水槽内の湿度を根の生育に必要
な湿度に保つ。
【0025】蓋3の切り込み溝30により種を安定して
載置でき、栽培品種により異なる種同士の播種間隔を、
自由に調節できる。蓋3の表面の切り込み溝30に突出
した給水シート32には、毛細管現象により種の成長に
必要な水分が確保されているので、給水シートの片面に
沿って根が伸長するように直接種をまく(図1参照)。
ホウレン草の種の場合は、播種後7日ほどすると、発芽
した苗の根の先端が、切り込み溝30を押し分けて給水
シート32に沿って養液まで伸長する。水中根は養液中
の水分と溶存酸素を吸収するので、水中根が下方に成長
すると共に徐々に水面Wは低下し、これによって生じる
水槽2内の空間から必要な酸素を吸収して湿気中根が増
殖する。
載置でき、栽培品種により異なる種同士の播種間隔を、
自由に調節できる。蓋3の表面の切り込み溝30に突出
した給水シート32には、毛細管現象により種の成長に
必要な水分が確保されているので、給水シートの片面に
沿って根が伸長するように直接種をまく(図1参照)。
ホウレン草の種の場合は、播種後7日ほどすると、発芽
した苗の根の先端が、切り込み溝30を押し分けて給水
シート32に沿って養液まで伸長する。水中根は養液中
の水分と溶存酸素を吸収するので、水中根が下方に成長
すると共に徐々に水面Wは低下し、これによって生じる
水槽2内の空間から必要な酸素を吸収して湿気中根が増
殖する。
【0026】そして、気温が一定以上になると、水槽の
外壁に均一にわずかに染み出た養液が蒸発し、このとき
気化熱が奪われる蒸散効果によって水槽内の水温の上昇
は一定範囲の温度に抑制される。このことを示したのが
表2である。すなわち、出願人は、熊本県農業研究セン
ター内で水槽にタイベックを用いて、1994年8月2
6日から同年9月11日まで実験したところ、次のよう
な気温(表中左)と水温(表中右)のデータを得ること
ができた。 (表2)実 験 日 最高気温/最低気温 最高水温/最低水温(℃) 8月26日 29.3 24.7 27.5 25.3 8月27日 30.6 24.0 26.8 24.8 8月28日 36.0 22.6 27.0 23.2 8月29日 35.0 23.6 28.6 24.8 8月30日 40.0 24.8 29.5 25.3 8月31日 34.6 22.5 29.1 24.6 9月 1日 35.7 24.8 29.4 25.5 9月 2日 35.0 22.8 28.4 24.3 9月 3日 33.7 20.8 26.8 23.6 9月 4日 33.7 22.4 27.7 23.9 9月 5日 33.0 22.4 27.4 24.4 9月 6日 30.4 23.6 26.8 24.6 9月 7日 32.3 23.3 26.3 24.3 9月 8日 34.2 22.0 26.8 23.5 9月 9日 34.3 19.5 26.7 22.1 9月10日 32.2 23.0 26.6 24.6 9月11日 30.3 22.3 25.8 23.6 表2に示すように、最高気温が40℃(8月30日)の
ときでも、タイベックを使用すると、ホウレン草の根の
成長に適した水温の範囲である30℃以内に押さえるこ
とができ、水槽から露出した葉の部分が30℃以上にな
っても植物の生育が促進される。また、最低気温が1
9.5℃(9月9日)のときでも、水温は22℃以上で
あった。このため、本発明に係る湛水式養液栽培装置に
タイベックを用いると、気温が上下しても、ホウレン草
の成長に必要な温度範囲内で水温が変化するので、これ
までホウレン草のような夏期栽培の困難であった九州、
沖縄等の高温地域でも、動力源を用いた高価な冷却設備
を用いずに1年中栽培可能となった。また、タイベック
を利用すると、水槽2に照射された光はほとんど反射さ
れ、蓄熱し難いため、前述の蒸散効果と相俟って、より
一層、根の成長に適した温度範囲内に押さえることがで
きる。また同時に、光による養液の劣化を防ぐことがで
きる。
外壁に均一にわずかに染み出た養液が蒸発し、このとき
気化熱が奪われる蒸散効果によって水槽内の水温の上昇
は一定範囲の温度に抑制される。このことを示したのが
表2である。すなわち、出願人は、熊本県農業研究セン
ター内で水槽にタイベックを用いて、1994年8月2
6日から同年9月11日まで実験したところ、次のよう
な気温(表中左)と水温(表中右)のデータを得ること
ができた。 (表2)実 験 日 最高気温/最低気温 最高水温/最低水温(℃) 8月26日 29.3 24.7 27.5 25.3 8月27日 30.6 24.0 26.8 24.8 8月28日 36.0 22.6 27.0 23.2 8月29日 35.0 23.6 28.6 24.8 8月30日 40.0 24.8 29.5 25.3 8月31日 34.6 22.5 29.1 24.6 9月 1日 35.7 24.8 29.4 25.5 9月 2日 35.0 22.8 28.4 24.3 9月 3日 33.7 20.8 26.8 23.6 9月 4日 33.7 22.4 27.7 23.9 9月 5日 33.0 22.4 27.4 24.4 9月 6日 30.4 23.6 26.8 24.6 9月 7日 32.3 23.3 26.3 24.3 9月 8日 34.2 22.0 26.8 23.5 9月 9日 34.3 19.5 26.7 22.1 9月10日 32.2 23.0 26.6 24.6 9月11日 30.3 22.3 25.8 23.6 表2に示すように、最高気温が40℃(8月30日)の
ときでも、タイベックを使用すると、ホウレン草の根の
成長に適した水温の範囲である30℃以内に押さえるこ
とができ、水槽から露出した葉の部分が30℃以上にな
っても植物の生育が促進される。また、最低気温が1
9.5℃(9月9日)のときでも、水温は22℃以上で
あった。このため、本発明に係る湛水式養液栽培装置に
タイベックを用いると、気温が上下しても、ホウレン草
の成長に必要な温度範囲内で水温が変化するので、これ
までホウレン草のような夏期栽培の困難であった九州、
沖縄等の高温地域でも、動力源を用いた高価な冷却設備
を用いずに1年中栽培可能となった。また、タイベック
を利用すると、水槽2に照射された光はほとんど反射さ
れ、蓄熱し難いため、前述の蒸散効果と相俟って、より
一層、根の成長に適した温度範囲内に押さえることがで
きる。また同時に、光による養液の劣化を防ぐことがで
きる。
【0027】また、この養液中に、杉やひの木の樹皮の
小片(例えばモスライト−商品名)Mを入れておくと、
緑藻の発生を抑制できるので、養液の劣化を防止でき
る。また、僅かに緑藻が発生して水槽2の内壁に緑藻が
付着しても、モスライト及びタイベックは、この緑藻を
水道圧によって容易に洗い流せるので、繰り返し使用で
き、ランニングコストを安くできる。
小片(例えばモスライト−商品名)Mを入れておくと、
緑藻の発生を抑制できるので、養液の劣化を防止でき
る。また、僅かに緑藻が発生して水槽2の内壁に緑藻が
付着しても、モスライト及びタイベックは、この緑藻を
水道圧によって容易に洗い流せるので、繰り返し使用で
き、ランニングコストを安くできる。
【0028】本発明では、シート20からの蒸散を損な
わないように、水槽2の外側を二重または三重に、遮光
シートまたは寒冷沙等のカーテンで覆うことは、真夏の
日中のように気温が極めて高い場合など、この温度上昇
が植物に悪影響を及ぼすことがあるので、このような温
度上昇を防止するため極めて有効である。勿論、水槽2
をハウス内に設置しても外気による悪影響を押さえるこ
とができる。
わないように、水槽2の外側を二重または三重に、遮光
シートまたは寒冷沙等のカーテンで覆うことは、真夏の
日中のように気温が極めて高い場合など、この温度上昇
が植物に悪影響を及ぼすことがあるので、このような温
度上昇を防止するため極めて有効である。勿論、水槽2
をハウス内に設置しても外気による悪影響を押さえるこ
とができる。
【0029】本発明では水槽2は、複数のものをユニッ
ト化して、それぞれの水槽をパイプで連通させ、各水槽
に均一に養液の給排水が可能な構成にする。これによ
り、給排水作業が容易になるとともに、複数ユニット間
の重量のバランスも容易に図れる。この場合は、パイプ
に開閉バルブを設置し、万一病原菌が発生した場合に
は、各水槽間に病原菌が循環しないようにすることは重
要なことである。
ト化して、それぞれの水槽をパイプで連通させ、各水槽
に均一に養液の給排水が可能な構成にする。これによ
り、給排水作業が容易になるとともに、複数ユニット間
の重量のバランスも容易に図れる。この場合は、パイプ
に開閉バルブを設置し、万一病原菌が発生した場合に
は、各水槽間に病原菌が循環しないようにすることは重
要なことである。
【0030】さらに、複数の水槽2の設置状態は、階段
状または平面的のいずれに配設してもよいが、階段状に
すると栽培面積を拡大でき、平面的にすると空気の流れ
をよくすることができるので、蒸散効果を高めることが
できる。
状または平面的のいずれに配設してもよいが、階段状に
すると栽培面積を拡大でき、平面的にすると空気の流れ
をよくすることができるので、蒸散効果を高めることが
できる。
【0031】尚、蓋部3の表面にもタイベックを被覆す
れば、前述の水槽に照射する光ばかりでなく、蓋に照射
する光からも水温の上昇を抑制することが可能になる。
れば、前述の水槽に照射する光ばかりでなく、蓋に照射
する光からも水温の上昇を抑制することが可能になる。
【0032】また、前述したように1回のみの給液で済
む場合もあるが、栽培品種によっては、逐次養液を補充
または排出する使用方法もある。この場合は、水槽2に
水位調節装置を設けると、容易に補充・排出量を制御で
きる。
む場合もあるが、栽培品種によっては、逐次養液を補充
または排出する使用方法もある。この場合は、水槽2に
水位調節装置を設けると、容易に補充・排出量を制御で
きる。
【0033】
【発明の効果】本発明の水槽は、透湿性のある素材によ
り、その外周面を外気に晒された状態にしたため、本発
明をいかなる地域に設置しても、気温が一定以上になる
と、水槽の外壁に均一にわずかに染み出た養液が蒸発
し、このとき気化熱が奪われる蒸散効果が発揮されるの
で、水槽内の水温の上昇は根の成長に適した30℃以下
の温度範囲内に抑制される。このため、例えば九州、沖
縄等の高温地域でも、ホウレン草等の根圏温度の上限が
低い(30℃以下)植物を、動力源を用いた大掛かりな
循環装置や冷却装置を使用しないで容易に周年栽培でき
る。また本発明では水槽の素材を、柔軟性と耐水圧性の
あるものにしたので、容易に水槽の形状に加工すること
ができ、植物の栽培期間中、水圧及び自重によって水槽
は破れることがない。
り、その外周面を外気に晒された状態にしたため、本発
明をいかなる地域に設置しても、気温が一定以上になる
と、水槽の外壁に均一にわずかに染み出た養液が蒸発
し、このとき気化熱が奪われる蒸散効果が発揮されるの
で、水槽内の水温の上昇は根の成長に適した30℃以下
の温度範囲内に抑制される。このため、例えば九州、沖
縄等の高温地域でも、ホウレン草等の根圏温度の上限が
低い(30℃以下)植物を、動力源を用いた大掛かりな
循環装置や冷却装置を使用しないで容易に周年栽培でき
る。また本発明では水槽の素材を、柔軟性と耐水圧性の
あるものにしたので、容易に水槽の形状に加工すること
ができ、植物の栽培期間中、水圧及び自重によって水槽
は破れることがない。
【0034】また、本発明は蓋の切り込み溝に設けた給
水シートに直接種をまけるようにしたので、種まきから
収穫に至るまで同一装置を利用でき、従来技術のように
本葉が2枚出るまで別の場所で育てた苗を多穴定植容器
に移植したり、その容器をさらにルートチャンバに載置
する手間が省ける。また、切り込み溝に沿って種をまく
給水シートが設けてあるので、種を安定して載置でき、
かつ栽培品種により異なる種同士の播種間隔を自由に調
節できる。また、給水シートを切り込み溝から水槽に垂
らしただけで、ルートチャンバと同様の働きをするの
で、設備を簡便にすることができ、設備費用の低減を一
層図れる。
水シートに直接種をまけるようにしたので、種まきから
収穫に至るまで同一装置を利用でき、従来技術のように
本葉が2枚出るまで別の場所で育てた苗を多穴定植容器
に移植したり、その容器をさらにルートチャンバに載置
する手間が省ける。また、切り込み溝に沿って種をまく
給水シートが設けてあるので、種を安定して載置でき、
かつ栽培品種により異なる種同士の播種間隔を自由に調
節できる。また、給水シートを切り込み溝から水槽に垂
らしただけで、ルートチャンバと同様の働きをするの
で、設備を簡便にすることができ、設備費用の低減を一
層図れる。
【0035】さらに、動力源を用いた大掛かりな循環・
冷却装置を使用することなく、水槽を地面から所定の高
さに設けたので、設備費用を余りかけずに、軟弱野菜の
栽培・収穫作業を容易に行える。また、このように高架
式にしたので、収穫面積を殖やすことができる。また、
高架式にしたので、地面からの湿度の影響を受け難くす
ることができ、湿度の影響を受けて葉の部分に発生し易
い病原菌の成長を抑制できる。
冷却装置を使用することなく、水槽を地面から所定の高
さに設けたので、設備費用を余りかけずに、軟弱野菜の
栽培・収穫作業を容易に行える。また、このように高架
式にしたので、収穫面積を殖やすことができる。また、
高架式にしたので、地面からの湿度の影響を受け難くす
ることができ、湿度の影響を受けて葉の部分に発生し易
い病原菌の成長を抑制できる。
【0036】水槽の大きさは、1回の養液補給によって
植物の収穫に至までに必要な水分、養分、溶存酸素をま
かなえる容積であるので、液面低下とともに伸びる水中
根は、生育に必要な養分及び溶存酸素を養液から吸収す
ることができ、同時に、湿気中根は養液の液面低下によ
り生じた空間に伸びて、この空間から容易に酸素を吸収
することができる。したがって、養液を循環させずに必
要な酸素を根から吸収できるので、循環装置が不要であ
り、設備費用やランニングコストを安くすることができ
る。
植物の収穫に至までに必要な水分、養分、溶存酸素をま
かなえる容積であるので、液面低下とともに伸びる水中
根は、生育に必要な養分及び溶存酸素を養液から吸収す
ることができ、同時に、湿気中根は養液の液面低下によ
り生じた空間に伸びて、この空間から容易に酸素を吸収
することができる。したがって、養液を循環させずに必
要な酸素を根から吸収できるので、循環装置が不要であ
り、設備費用やランニングコストを安くすることができ
る。
【0037】また、光の反射率が90%以上で、光吸収
率が1%以下である素材で水槽を構成したので、水槽に
照射した光はほとんど反射し、吸収した光による蓄熱も
ほとんどないので、水槽内の水温の上昇は抑制される。
このため、前記の水槽自体による蒸散効果と相俟って、
水槽内の根圏温度及び水温を根の成長に適した30℃以
下の温度に一層押さえることができる。
率が1%以下である素材で水槽を構成したので、水槽に
照射した光はほとんど反射し、吸収した光による蓄熱も
ほとんどないので、水槽内の水温の上昇は抑制される。
このため、前記の水槽自体による蒸散効果と相俟って、
水槽内の根圏温度及び水温を根の成長に適した30℃以
下の温度に一層押さえることができる。
【0038】また、本発明の水槽の素材は、透気度が2
0〜80S/100CCの範囲の通気性があるので、密
閉された水槽内に湿気中根の成長に必要な外気を確保す
ることができる。
0〜80S/100CCの範囲の通気性があるので、密
閉された水槽内に湿気中根の成長に必要な外気を確保す
ることができる。
【0039】また、本発明の蓋のうち少なくとも切り込
み溝の部分の素材は、弾力性を有するので、栽培する作
物の根の先端は、切り込み溝を押し分けて伸長するのを
阻害されない。
み溝の部分の素材は、弾力性を有するので、栽培する作
物の根の先端は、切り込み溝を押し分けて伸長するのを
阻害されない。
【図1】1枚の吸水シートを使用している状態を示す断
面図である。
面図である。
【図2】2枚の吸水シートを使用している状態を示す概
略断面図である。
略断面図である。
1 支持具 2 水槽 21 開口部 3 蓋 30 切り込み溝 32 給水シート G 地面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 和年 熊本県菊池郡合志町栄3801 熊本県農業研 究センター内 (72)発明者 竹下 佐和子 熊本県菊池郡合志町栄3801 熊本県農業研 究センター内 (72)発明者 直木 武之介 東京都中央区日本橋茅場町三丁目8番8号 東都興業株式会社内 (72)発明者 大木 広之 東京都中央区日本橋茅場町三丁目8番8号 東都興業株式会社内 (72)発明者 河村 充雅 東京都千代田区神田須田町二丁目5番2号 須田町佐志田ビル 丸和バイオケミカル 株式会社内 (72)発明者 三尾 彰 東京都千代田区神田須田町二丁目5番2号 須田町佐志田ビル 丸和バイオケミカル 株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】 支持具(1)と、 上記支持具によって地面から所定の高さに支持されて、
外周面が外気に晒された状態にある水槽(2) と、 上記水槽の開口部に密閉可能に設置された蓋(3) と、 上記蓋の長手方向に1列以上設けられた、蓋の表裏を貫
通する切り込み溝(30)に、上記蓋の表面から上記水槽の
底部にかけて延伸して設けられた毛細管現象を有する給
水シート(32)とからなり、 上記水槽の素材は、柔軟性と耐水圧性と透湿性とを有す
ることを特徴とする湛水式養液栽培装置。 - 【請求項2】請求項1における上記水槽(2) の大きさ
は、1回の養液補給によって作物の収穫に至るまでに必
要な水分、養分、溶存酸素をまかなえるに十分な容積で
あることを特徴とする湛水式養液栽培装置。 - 【請求項3】 請求項1または2における上記水槽(2)
の素材の耐水圧性は、500〜3000mmの範囲であ
り、上記透湿性の透湿度は、3000〜7000g/m
2 /24時間の範囲であることを特徴とする湛水式養液
栽培装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1つにおい
て、上記水槽(2) の素材は、光の反射率が90%以上
で、光吸収率が1%以下であることを特徴とする湛水式
養液栽培装置。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つにおい
て、上記水槽(2) の素材は、透気度が20〜80S/1
00CCの範囲の通気性があることを特徴とする湛水式
養液栽培装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1つにおい
て、上記蓋(3) のうち少なくとも切り込み溝(30)の部分
の素材は、栽培する作物の根の先端が上記切り込み溝を
押し分けて伸長するのを阻害しない程度の弾力性を有す
ることを特徴とする湛水式養液栽培装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7140051A JPH08294335A (ja) | 1995-02-28 | 1995-05-16 | 湛水式養液栽培装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-63595 | 1995-02-28 | ||
JP6359595 | 1995-02-28 | ||
JP7140051A JPH08294335A (ja) | 1995-02-28 | 1995-05-16 | 湛水式養液栽培装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08294335A true JPH08294335A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=26404721
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7140051A Pending JPH08294335A (ja) | 1995-02-28 | 1995-05-16 | 湛水式養液栽培装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08294335A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10248416A (ja) * | 1997-03-05 | 1998-09-22 | Toto Kogyo Kk | 渟水式養液栽培方法及び栽培装置 |
JP2000245275A (ja) * | 1999-02-25 | 2000-09-12 | Toto Kogyo Kk | 養液栽培方法及び定植部材 |
JP2000253764A (ja) * | 1999-03-11 | 2000-09-19 | Shinei Sangyo:Kk | 養液栽培パネル及びこのパネルを使用した養液栽培装置 |
JP2004242546A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Suiho Kensetsu:Kk | 道路類区画用ブロック |
JP2010081904A (ja) * | 2008-10-02 | 2010-04-15 | Technological Institute Of Organic Function | 断熱性水耕栽培ボックス |
JP2016202170A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 東都興業株式会社 | 播種装置及び水耕栽培装置 |
JP2018000065A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 東洋紡Stc株式会社 | 水耕栽培用育成ボード |
JP2018074956A (ja) * | 2016-11-10 | 2018-05-17 | 東都興業株式会社 | 水耕栽培装置 |
JP2019187357A (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 水耕栽培容器、水耕栽培方法及び植物 |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP7140051A patent/JPH08294335A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10248416A (ja) * | 1997-03-05 | 1998-09-22 | Toto Kogyo Kk | 渟水式養液栽培方法及び栽培装置 |
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JP2000253764A (ja) * | 1999-03-11 | 2000-09-19 | Shinei Sangyo:Kk | 養液栽培パネル及びこのパネルを使用した養液栽培装置 |
JP2004242546A (ja) * | 2003-02-13 | 2004-09-02 | Suiho Kensetsu:Kk | 道路類区画用ブロック |
JP2010081904A (ja) * | 2008-10-02 | 2010-04-15 | Technological Institute Of Organic Function | 断熱性水耕栽培ボックス |
JP2016202170A (ja) * | 2015-04-15 | 2016-12-08 | 東都興業株式会社 | 播種装置及び水耕栽培装置 |
JP2018000065A (ja) * | 2016-06-29 | 2018-01-11 | 東洋紡Stc株式会社 | 水耕栽培用育成ボード |
JP2018074956A (ja) * | 2016-11-10 | 2018-05-17 | 東都興業株式会社 | 水耕栽培装置 |
JP2019187357A (ja) * | 2018-04-27 | 2019-10-31 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 水耕栽培容器、水耕栽培方法及び植物 |
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