JP2003199425A - 吸水ポリマー製人工培土による植物栽培方法、植物用保水体及びその製造方法並びに使用方法、根腐れ防止剤及び根腐れ防止方法、並びに保水剤及び保水方法 - Google Patents

吸水ポリマー製人工培土による植物栽培方法、植物用保水体及びその製造方法並びに使用方法、根腐れ防止剤及び根腐れ防止方法、並びに保水剤及び保水方法

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JP2003199425A
JP2003199425A JP2002045418A JP2002045418A JP2003199425A JP 2003199425 A JP2003199425 A JP 2003199425A JP 2002045418 A JP2002045418 A JP 2002045418A JP 2002045418 A JP2002045418 A JP 2002045418A JP 2003199425 A JP2003199425 A JP 2003199425A
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plants
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Noriko Takeda
ノリ子 武田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌培地で栽培してなる植物の、吸水ポリマ
ーを使用した人工培地での植栽を可能にする。 【解決手段】 土壌培地1で栽培してなる観葉植物2や
草花、花木植物を、当該培地から分離して根21を洗浄
し、特に観葉植物は洗浄後短くカットし、そのまま根を
イオン交換樹脂又は更に吸水ポリマーを少量加えた馴化
培地4で数日間栽培し、新根が認められたら吸水ポリマ
ーを少量加えながら栽培を行い、新根の充分な成長を確
認した後、吸水ポリマー製人工培土6で栽培してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌栽培植物を吸
水ポリマー製人工培土に植え替えして栽培する植物の栽
培方法、植物培地,切り花等の栽培用や装飾用のベース
体,育苗床,包装用等として使用される植物用保水体及
びその製造方法並びにその使用方法、根腐れを防止する
根腐れ防止方法、並びに保水剤に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】吸水ポリ
マー製の人工培土による植物栽培は、透明容器に着色ポ
リマー培土を使用することで、カラフルなものとなり、
室内観賞用栽培として行われていることが知られている
(実開昭60−133776号公報、実開平6−524
24号公報)。また人工培土となる吸水ポリマーも種々
提案されている(特開平8−256592号公報)。
【0003】ところでこれらの吸水製ポリマーの人工培
地での植物の栽培は、水耕栽培植物に限られていた。即
ち土壌栽培した植物をそのまま水耕栽培や吸水ポリマー
製培土に植え替えると、根腐れを起こし、植物が枯れて
しまう。
【0004】そこで本発明者は、植物に馴化過程を施す
ことで、土壌栽培植物の吸水ポリマー培土への植え替え
栽培が可能となることを知見し、本件発明を提案したも
のである。
【0005】また、室内観賞用鉢植えの培地として吸水
性樹脂(吸水ポリマー)が採用されていることは公知で
ある(実開平6−52424号、登録実用新案3057
622号)。吸水樹脂(熱可塑性ノニオン型樹脂)は、
保持している水分を直接植物の根に供給できるので培地
として適している。
【0006】しかし現在その使用形態は、ブロック状に
しての鉢植えとしてしか使用されていない。そこで本発
明は、吸水ポリマーをより有効に使用できる新規な構造
の保水体を提案したものである。
【0007】また切り花や榊などの枝切り植物を、室内
等に飾るための植物保持体として「オアシス(商標)」
と称される発泡体やスポンジ体が知られている。この発
泡体やスポンジ体は、植物を刺突できる硬度のもので、
水中に配置することで部材内に水が浸透し、刺突された
植物への給水を実現するものである。
【0008】ところで前記発泡体等は、必ずしも外見上
綺麗なものであるとは言えないので、切り花などの室内
装飾に際しては、適宜な花瓶内に発泡体を収納したり、
発泡体部分を防水紙でラッピングして隠し、安定性付与
のために籐篭等に収納して飾る様にしている。
【0009】しかし透明容器を採用した場合に、前記発
泡体を隠すために吸水ポリマーを発泡体周囲に配置する
と、蒸発等によって吸水ポリマーの水分が減少した分、
発泡体に保持されている水分を吸水してしまうので、植
物への給水能力が減じてしまい、花が長持ちしない。そ
こで本発明は、吸水ポリマーとの併用も容易に実現でき
る保水体及びその使用を提案したものである。
【0010】また、近年、二酸化炭素の増加による地球
温暖化の防止を目的として植樹の重要性が叫ばれている
が、かつて吸水性樹脂を用いた植物の栽培は困難であっ
た。それは、アクリル系樹脂を用いていたためである。
即ち、アクリル系樹脂は、吸水性は高いが、アクリル系
樹脂から離水される水を腐敗させることなく、植物を栽
培しなければならないからである。
【0011】また、水を腐敗させることなく肥料濃度を
高めることにより、その肥料のイオンを植物が吸収し、
生育するが、植物から排出される樹液を吸着しないと、
汚れた有機酸が貯まる。このため、植物を植えてから3
乃至5日は元気であるが、約1週間で元気がなくなり、
少しずつ枯れたり衰えたりする。これは、植物が根腐れ
を起こしていることを示しており、アクリル系樹脂を植
物の培地として使用したとき、植物の成育は困難である
ことを示している。
【0012】これらの問題を解決する根腐れ防止剤はあ
るが、この根腐れ防止剤を併用しても、アクリル系樹脂
から溶け出る肥料イオンを吸収し、成育する植物の根は
水耕栽培の根である。室内園芸では栽培は可能である
が、土壌体においては水耕栽培の根は腐り、アクリル系
樹脂が多いと水耕栽培の根となり、土壌体の根が腐る。
そこで本発明は、イオンを含有していないノニオン樹脂
の吸着作用と除菌作用を利用して、根腐れ防止効果を有
する新たな培地を提案したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吸水ポリマ
ー製人工培土による植物栽培方法は、土壌培地で栽培し
てなる観葉植物や草花,花木植物を、土壌培地から分離
して根を洗浄し、洗浄後に根をそのまま或いはカット
し、根をイオン交換樹脂又は更に液肥や吸水ポリマーを
少量加えた水中に漬けて数日間栽培し、新根が認められ
たら必要に応じて吸水ポリマーを少量加えながら栽培を
行い、新根の充分な成長を確認した後、吸水ポリマー製
人工培土で栽培してなることを特徴とするものである。
従って土壌栽培の植物は、水耕栽培状態に一旦移し替え
られるが、イオン交換樹脂の活性化機能によって、新根
の発生が促進され、水耕栽培に対応した新根の成長やカ
ットされた根の再成長で、水耕栽培対応が可能となり、
吸水ポリマー製培土での植栽が可能となるものである。
また、本発明に係る植物用保水体は、古紙その他を解砕
した粉砕セルロースのブロック体又はシート体内に、粒
状又は微粒状の吸水樹脂を散在させてなることを特徴と
するものである。またブロック体又はシート体内に、必
要に応じて抗菌剤や防腐剤を散在させたり、液肥を含浸
させたり、表面を透水性又は非透水性膜体で被覆してな
ることを特徴とするものである。従ってセルロースマト
リックスに吸水樹脂が内在しているので、吸水させて保
水状態とすると、植物培地,切り花等の栽培用や装飾用
のベース体,育苗床として使用でき、更にシート状にし
て切り花の包装用として使用できるもので、水分補給が
なされなくとも、保水体内の吸水樹脂が担持している水
分によって植物への給水が可能である。また特に液肥を
含浸させたり、抗菌剤等を混在させることで、植え替え
の失敗を少なくし、更に切り花等を長持ちさせることも
できる。請求項23に記載の根腐れ防止剤は、ノニオン
樹脂を植物用培地として使用することを特徴とする。請
求項24に記載の根腐れ防止剤は、ノニオン樹脂にイオ
ン交換樹脂を加えたものを植物用培地として使用するこ
とを特徴とする。請求項25に記載の根腐れ防止剤は、
ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所定の割合で混合し
たものを植物用培地として使用することを特徴とする。
請求項26に記載の根腐れ防止剤は、ノニオン樹脂とア
クリル系樹脂とを所定の割合で混合したものに肥料を加
えたものを植物用培地として使用することを特徴とす
る。また、ノニオン樹脂の形状は、帯状の薄板状に整形
されたノニオン樹脂を渦巻き状に巻いた形状とすること
ができる。請求項28に記載の根腐れ防止方法は、ノニ
オン樹脂を植物用培地として使用することを特徴とす
る。請求項29に記載の根腐れ防止方法は、ノニオン樹
脂にイオン交換樹脂を加えたものを植物用培地として使
用することを特徴とする。請求項30に記載の根腐れ防
止方法は、ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所定の割
合で混合したものを植物用培地として使用することを特
徴とする。請求項31に記載の根腐れ防止方法は、ノニ
オン樹脂とアクリル系樹脂とを所定の割合で混合したも
のに肥料を加えたものを植物用培地として使用すること
を特徴とする。請求項32に記載の根腐れ防止剤は、ノ
ニオン樹脂に炭酸飲料水と糖類を吸着させてなることを
特徴とする。請求項33に記載の根腐れ防止剤は、炭酸
飲料水と糖類と肥料とを混合してなることを特徴とす
る。請求項34に記載の根腐れ防止方法は、ノニオン樹
脂に炭酸飲料水を吸着させたものを植物用培地として使
用することを特徴とする。請求項35に記載の根腐れ防
止方法は、炭酸飲料水と糖類と肥料とを混合したものを
植物用培地に散布して使用することを特徴とする。請求
項36に記載の保水剤は、ノニオン樹脂からなることを
特徴とする。請求項37に記載の保水方法は、ノニオン
樹脂を土壌中の根の近傍に配置することを特徴とする。
請求項38に記載の保水剤は、ノニオン樹脂とイオン水
とからなることを特徴とする。請求項39に記載の保水
方法は、ノニオン樹脂とイオン水とを土壌中の根の近傍
に配置することを特徴とする。請求項40に記載の植物
栽培方法は、ワインを添加することを特徴とする。請求
項41に記載の保水体は、ワインを添加することを特徴
とする。請求項42に記載の植物用保水体の製造方法
は、ワインを添加することを特徴とする。請求項43に
記載の植物用保水体の使用方法は、ワインを添加するこ
とを特徴とする。請求項44に記載の根腐れ防止剤は、
ワインを添加することを特徴とする。請求項45に記載
の根腐れ防止方法は、ワインを添加することを特徴とす
る。請求項46に記載の保水剤は、ワインを添加するこ
とを特徴とする。請求項47に記載の保水方法は、ワイ
ンを添加することを特徴とする。請求項48に記載の植
物栽培方法は、ナツメグを添加することを特徴とする。
請求項49に記載の保水体は、ナツメグを添加すること
を特徴とする請求項5乃至14のいずれか。請求項50
に記載の植物用保水体の製造方法は、ナツメグを添加す
ることを特徴とする。請求項51に記載の植物用保水体
の使用方法は、ナツメグを添加することを特徴とする。
請求項52に記載の根腐れ防止剤は、ナツメグを添加す
ることを特徴とする。請求項53に記載の根腐れ防止方
法は、ナツメグを添加することを特徴とする。請求項5
4に記載の保水剤は、ナツメグを添加することを特徴と
する。請求項55に記載の保水方法は、ナツメグを添加
することを特徴とする。請求項56に記載の植物栽培方
法は、カテキンを添加することを特徴とする。請求項5
7に記載の保水体は、カテキンを添加することを特徴と
する。請求項58に記載の植物用保水体の製造方法は、
カテキンを添加することを特徴とする。請求項59に記
載の植物用保水体の使用方法は、カテキンを添加するこ
とを特徴とする。請求項60に記載の根腐れ防止剤は、
カテキンを添加することを特徴とする。請求項61に記
載の根腐れ防止方法は、カテキンを添加することを特徴
とする。請求項62に記載の保水剤は、カテキンを添加
することを特徴とする。請求項63に記載の保水方法
は、カテキンを添加することを特徴とする。請求項64
に記載の植物栽培方法は、キトサンを添加することを特
徴とする。請求項65に記載の保水体は、キトサンを添
加することを特徴とする。請求項66に記載の植物用保
水体の製造方法は、キトサンを添加することを特徴とす
る。請求項67に記載の植物用保水体の使用方法は、キ
トサンを添加することを特徴とする。請求項68に記載
の根腐れ防止剤は、キトサンを添加することを特徴とす
る。請求項69に記載の根腐れ防止方法は、キトサンを
添加することを特徴とする。請求項70に記載の保水剤
は、キトサンを添加することを特徴とする。請求項71
に記載の保水方法は、キトサンを添加することを特徴と
する。請求項72に記載の植物栽培方法は、除菌剤を添
加することを特徴とする。請求項73に記載の保水体
は、除菌剤を添加することを特徴とする。請求項74に
記載の植物用保水体の製造方法は、除菌剤を添加するこ
とを特徴とする。請求項75に記載の植物用保水体の使
用方法は、除菌剤を添加することを特徴とする。請求項
76に記載の根腐れ防止剤は、除菌剤を添加することを
特徴とする。請求項77に記載の根腐れ防止方法は、除
菌剤を添加することを特徴とする。請求項78に記載の
保水剤は、除菌剤を添加することを特徴とする。請求項
79に記載の保水方法は、除菌剤を添加することを特徴
とする。請求項80に記載の植物栽培方法は、抗菌剤を
添加することを特徴とする。請求項81に記載の保水体
は、抗菌剤を添加することを特徴とする。請求項82に
記載の植物用保水体の製造方法は、抗菌剤を添加するこ
とを特徴とする。請求項83に記載の植物用保水体の使
用方法は、抗菌剤を添加することを特徴とする。請求項
84に記載の根腐れ防止剤は、抗菌剤を添加することを
特徴とする。請求項85に記載の根腐れ防止方法は、抗
菌剤を添加することを特徴とする。請求項86に記載の
保水剤は、抗菌剤を添加することを特徴とする。請求項
87に記載の保水方法は、抗菌剤を添加することを特徴
とする。請求項88に記載の植物栽培方法は、防腐剤を
添加することを特徴とする。請求項89に記載の保水体
は、防腐剤を添加することを特徴とする。請求項90に
記載の植物用保水体の製造方法は、防腐剤を添加するこ
とを特徴とする。請求項91に記載の植物用保水体の使
用方法は、防腐剤を添加することを特徴とする。請求項
92に記載の根腐れ防止剤は、防腐剤を添加することを
特徴とする。請求項93に記載の根腐れ防止方法は、防
腐剤を添加することを特徴とする。請求項94に記載の
保水剤は、防腐剤を添加することを特徴とする。請求項
95に記載の保水方法は、防腐剤を添加することを特徴
とする。請求項96に記載の植物栽培方法は、ノニオン
樹脂を使用したことを特徴とする。請求項97に記載の
植物栽培方法は、ノニオン樹脂とアクリル系樹脂を使用
したことを特徴とする。請求項98に記載の植物栽培方
法は、ノニオン樹脂とイオン交換樹脂を使用したことを
特徴とする。請求項99に記載の植物栽培方法は、ノニ
オン樹脂とアクリル系樹脂とイオン交換樹脂を使用した
ことを特徴とする。請求項100に記載の植物栽培方法
は、ノニオン樹脂と肥料を使用したを特徴とする。請求
項101に記載の植物栽培方法は、ノニオン樹脂とアク
リル系樹脂と肥料を使用したを特徴とする。請求項10
2に記載の植物栽培方法は、ノニオン樹脂と肥料とイオ
ン交換樹脂を使用したを特徴とする。請求項103に記
載の植物栽培方法は、アクリル系樹脂とイオン交換樹脂
を使用したを特徴とする。請求項104に記載の土壌剤
は、ノニオン樹脂の肥料入りであることを特徴とす
る。。請求項105に記載のろ過剤は、ノニオン樹脂で
あることを特徴とする。請求項106に記載の栽培方法
は、ノニオン樹脂を稲作に使用することを特徴とする。
請求項107に記載の栽培方法は、ノニオン樹脂とイオ
ン交換樹脂を使用することを特徴とする。請求項108
に記載の栽培方法は、ノニオン樹脂抗菌剤を使用したこ
とを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の吸水ポリマー製人
工培土による植物栽培方法に係る実施の形態について説
明する。図1は本発明の第一実施形態で観葉植物に適用
するものである。
【0015】第一に土壌培地1で栽培している観葉植物
2を、土壌培地1から掘り出し分離し、根21を洗浄す
る。洗浄後約根21の1/3(シダ類は2/3)を残し
てカットし、そのまま根21をイオン交換樹脂(イオン
交換樹脂栄養剤)3並びに必要によって適宜量の液肥を
少量加えた馴化培地(容器5を使用)4に付けて数日間
(3〜10日)栽培する。
【0016】イオン交換樹脂3は、栄養剤が混入された
市販のもので、栄養剤成分は、蒸留水1リットルにイオ
ン交換樹脂栄養剤を0.5グラム(g)添加後20℃で
1週間放置した水溶液の測定で、全窒素1.6ミリグラ
ム(mg)/リットル、リン酸0.05mg/リット
ル、カリウム1.5mg/リットルが認められたものを
使用した。
【0017】前記の水耕栽培で、新根が認められると、
吸水ポリマー製人工培土6を少量加えながら栽培を行
う。吸水ポリマー製人工培土6は、熱可塑性ノニオン型
吸水樹脂で形成され、吸水膨潤時に、一辺が0.5〜2
cm程度の立方体となるように切断してなるもので、吸
水状態で水1に対して約1/3となる程度の少量を加え
る。
【0018】尚イオン交換樹脂栄養剤3並びに吸水ポリ
マー製人工培土6は、新根の成長に合わせて、適宜量増
加させる。
【0019】新根が0.5〜1cm程度の成長を確認し
たら、吸水ポリマー製人工培土6を収納した容器5に植
え替え、吸水ポリマー製人工培土6による栽培を行うも
のである。勿論再度の植え替えを行わずに、吸水ポリマ
ー製人工培土6の添加によるポリマー培土への変更とし
ても良い。
【0020】図2は本発明の第二実施形態で、草花,花
木植物に適用するものである。基本的には前記した観葉
植物の第一実施形態と同様であるが、土壌培地1で栽培
している草花植物2aを、土壌培地1から掘り出し分離
し、根21aを洗浄する。然し根21aは切断しない。
【0021】馴化過程は、水に吸水ポリマー製人工培土
6を少量(水1に対してポリマー1/3)とイオン交換
樹脂栄養剤3を少量(水200〜300ccに対して
0.5g)加えた馴化培地4aを使用するもので、適宜
な容器5に前記馴化培地4aを収納し、これに前記草花
植物2aの根21aを漬けて栽培する。
【0022】3〜4日又は植物の種類によっては約10
日で新根や新芽が出てくるので、そこで吸水ポリマーを
添加し、馴化培地4aの水分をポリマーに吸水させて、
馴化培地4aを吸水ポリマー製人工培土6に変更して、
栽培を継続する。特にミニバラやガーベラ等の長い根や
太い根は1/3〜1/2を除去して植え替える。
【0023】また特にカトレア,デンドロビウムのよう
なラン科の植物は、前記の馴化過程(水1に対しては吸
水ポリマー培土1/2)において、古い根の根腐れを起
こさせながら新根の成長を待ち、一旦花を開花させたの
ち又は開花前に旧根をカットし、給水ポリマー培土に植
え替える。
【0024】本発明の第三実施形態(図示せず)は、草
花,花木植物に適用するもので、基本的には前記した観
葉植物の第一実施形態と同様に、根をカットするもので
ある。即ち土壌培地で栽培している草花,花木植物を、
土壌培地から掘り出し分離し、根を洗浄し、洗浄後約根
の1/3〜1/2をカットし、そのまま根を馴化培地で
栽培する。馴化培地は、イオン交換樹脂と液肥を添加し
たもので、カットした根の成長や新根の成長を観察しな
がら、イオン交換樹脂栄養剤並びに液肥を追加する。
【0025】前記の水耕栽培は3〜10日程度行い、根
の成長が認められると、吸水ポリマーを少量加えながら
栽培を行う。新根の充分な成長を確認した後、吸水ポリ
マー製人工培土で栽培する。
【0026】前記の吸水ポリマー製人工培土6による栽
培に際しては、必要に応じて適宜な液肥を加え、培地が
汚れた場合には、一旦吸水ポリマーを水洗し、拭浄の
後、薄めた液肥やイオン交換樹脂栄養剤を添加して栽培
を継続する。
【0027】次に、図3に示すとおり、本発明に係る保
水体の各実施形態を、その製造過程にそって説明する。
最初に保水体の本体を構成するセルロースマトリックス
は、古紙31(古紙以外の紙でも良い)や、必要に応じ
て木綿32(木綿は特に付け加えなくとも良い)を湿潤
させてミキサー33で粉砕し、一旦乾燥して粉砕セルロ
ース34を得る。次に前記粉砕セルロース34と、市販
の熱可塑性ノニオン型吸水樹脂35(ノニオン型に限定
されないし、使用植物に対応して粉末や粒体を選択採用
する)と、水36とを混合攪拌して、所定の型(ブロッ
ク形状でも、シート形状でも良いし、またその大きさも
任意である)37に収納し、乾燥させる。
【0028】尚粉砕セルロース34と、市販の熱可塑性
ノニオン型吸水樹脂35と水36の混合比率の例を挙げ
るとするならば、古紙90g水10gと樹脂50〜10
0g程度の重量割合とする。
【0029】また前記の混合攪拌に際して、必要に応じ
て抗菌剤(銀、銅、カテキン、ナツメグ他)38や、防
腐剤(硫酸銅、塩化亜鉛、ソルビン酸、安息香酸、ホウ
酸等)や香料等を添加して、セルロースマトリックス内
に散在させてなる。
【0030】前記の成形型から取り出したブロック体A
やシート体Bは、そのまま本件発明の保水体として使用
できる。またブロック体A又はシート体Bを裁断してサ
イコロ状の保水体Cとして使用できる。
【0031】前記の保水体A,Bの形成に際して、紙製
箱体や筒体、更には紙シート、紙シートの裏面に透水性
若しくは非透水性の被膜を被着した部材で、保水体の一
部を構成するものを前記成形型に替えて採用しても良
い。
【0032】次に保水体Aの保形性を高めるために、水
溶性で且つ乾燥によって架橋構造となる保形剤(タンニ
ン酸メチルセルロース又はポリビニールアルコール)3
9の水溶液中に保水体Aを浸漬し、乾燥させ架橋構造を
得る。水溶液の濃度並びに浸漬時間によって、前記保形
剤39は、透水性被膜としても作用させることもでき、
その透水能力も水溶液のモル濃度調整で任意にできる。
【0033】更に保形性を高めた保水体Dは、そのまま
使用できるし、裁断してサイコロ状の保水体Eとするこ
ともできる。また保水体A,Dを液肥40に漬け込んで
液肥40を含有させ、液肥を含有した保水体A1,D1
を製出する。
【0034】また保水体A,D,A1,D1の側面や底
面を適宜な非透水性フィルム又は透水性フィルムなどの
周面被膜41で被覆して、保水性能を高めた保水体Fを
製出する。
【0035】尚周面被膜41は、保水体A,D,A1,
D1に直接被着させずに、別に筒状の被覆体41aを形
成し、この被覆体41aに保水体A,D,A1,D1を
装着するようにしても良い(図13参照)。前記構成を
採用すると、被覆体41aと保水体A,D,A1,D1
とが着脱できる利点がある。
【0036】図4に例示するとおり、シート状に形成し
た保水体Bにおいても更に加工を施すことで、より使い
易い保水体を提供できるもので、具体的には、シート状
保水体Bをそのまま、或いは液肥40や固形肥料40a
又はセルロースマトリックス形成時に添加混合しなかっ
た抗菌剤等を上面に散布し、散布した固形分の飛散を防
止するように上面を透水性被膜(例えば不織布)42で
被覆することで、保水体Gを製出する。
【0037】更に保水体Bの下面(包装使用時の外面)
に、非透水性被膜(防水被膜)43を被着して、保水体
Hを製出する。更に上面は透水性被膜42で被覆し、下
面を非透水性被膜43その他で被覆する保水体Iであっ
ても良い。尚非透水性被膜として、透水性且つ逆流機能
を備えたフィルムを採用しても良い。
【0038】また特に前記保水体Iにおいて、保水体B
の下方に適宜な積層体例えば、保水体Bの下方に珪酸塩
白土(又はシリカ)44、木綿32を重ね、最下面を防
水シート(非透水性被膜)43で被覆し、保水体上面を
不織布42で被覆した保水体I1に形成しても良い。
【0039】次に前記保水体の使用方法について説明す
る。最も一般的な使用手段としては、植物育成用培地と
して使用するものである。培地としての使用は、サイコ
ロ状の保水体C,Eが適しており、且つその使用目的に
応じて、所定の液肥や抗菌剤,更には香料,色料,イオ
ン交換樹脂粒など必要に応じて保水体C,Eに担持させ
ることができる。
【0040】<第一使用例>具体的には図5に示したよ
うに、他の吸水ポリマー培地aとの混合使用も可能であ
り、特に植え替え等において吸水ポリマー培地aにおけ
る植物育成有効成分の不足成分を予めセルロースマトリ
ックス(保水体C,E)に担持させおくと、当該植物b
の栽培に最適な培地環境を与えることができる。
【0041】<第二使用例>更に図6に例示するとおり
水耕栽培において、水培地c中に保水体C,Eを浮遊混
合しておくと、当該保水体C,Eに適宜な成分を担持さ
せておくと、当該有効成分をゆっくり溶出させること
で、水替え間隔にゆとりを持たせることができる。
【0042】<第三使用例>保水体は、ブロック状に形
成した場合には、切り花bなどの装飾ベース体として使
用することができる。例えば図7に例示するとおり、保
水体(A,A1,D,D1,F)に切り花bの根本部分
を刺突しておくと、保水体(A,A1,D,D1,F)
に維持されている水分が植物の生育用の水として使用さ
れるので、仮に鉢dの水cが枯れても、保水体(A,A
1,D,D1,F)の保水成分で充分に数日間給水を実
施することになる。勿論植物有効成分も働くことは当然
である。
【0043】<第四使用例>また図8に例示するとお
り、切り花等の室内装飾(フラワーアレンジメント)と
して、透明容器体d1と無色透明や着色透明のポリマー
培土を使用した場合に、保水体(A,A1,D,D1,
F)を切り花のベース体として使用し、保水体(A,A
1,D,D1,F)の周囲に前記ポリマー培地aを採用
すれば良い。特に保水体Fの周面被膜41の透水能力に
よって、ポリマー培土aの影響を受けずに切り花への給
水が可能となる。
【0044】勿論被膜40の無い保水体(A、A1,
D,D1)と、周囲培土に吸水ポリマー培地aを採用し
た組み合わせであっても、従前の発泡体(オアシス)の
ように担持水分を他の吸水ポリマー培地aに取り込まれ
ずに、保水体(A、A1,D,D1,F)内の吸水樹脂
35で植物給水用水分を担持していることができ、植物
を充分長持ちさせることができる。
【0045】<第五使用例>またシート状の保水体
(B,G,H,I)は、鉢植え栽培における肥料等の担
持体として使用することもできる。例えば図9に示すよ
うに、保水体(B,G,H,I)に所定の有効成分を含
有させ(予めセルロースマトリックスに散在させておい
たり、或いは液肥のような液状成分を含浸させてお
く)、鉢dの底に敷いて、その上に土eを充填して、植
物dの鉢植え栽培を行うと、給水を忘れたり追肥を行わ
なくとも植物bの育成が可能となる。
【0046】特に図10に例示するように、適宜な積層
体とした保水体I1は、珪酸塩白土又はシリカ44が、
根腐れ防止として作用するので、鉢植え栽培に最適であ
り、また特に不織布42の下方に固形の粒状肥料40a
を散布しておくことで、固形肥料40aがゆっくりと溶
け出すことで、肥料効果を長持ちさせることができる。
【0047】<第六使用例>更に図11に例示するよう
に、包装用としては、シート状保水体(B,G,H,
I)が使用できる。特に下面(包装時に外面となる)に
非透水性被膜41を形成した保水体Hは、水分を担持さ
せても水漏れを防ぐことができ、運搬時に切り花等への
給水を実現できるものであり、更に有効成分を担持させ
ることで、植物を長く持たせることも可能である。勿論
直接の箱詰めが可能となる利点もある。
【0048】<第七使用例> 図12に例示するように
育苗用としても使用できる。育苗用として、少なくとも
根が成長できるようにしたので、例えば保水体Fにおい
て、周面のみを非透水性被膜41で被覆して、底面に被
膜が存在しない構成を採用し、植物bの根の生育に阻害
にならないようにしてなる。
【0049】特に図13に例示するように保水体Fに代
えて、被覆体41aと保水体A(D,A1,D1)の組
み合わせを採用すると、図12で示したように、育苗床
として使用した後に、被覆体41aを外して、そのまま
土に植えることができ、保水体A(D,A1,D1)
は、自然に土壌に帰ることになる。
【0050】次に、本発明の根腐れ防止剤及び根腐れ防
止方法に係る実施の形態について説明する。本発明は、
ノニオン樹脂(熱可塑性ノニオン型吸水樹脂)を植物の
培地として使用したときに、根腐れ防止効果を有するこ
とを利用したものである。根腐れ防止剤としてノニオン
樹脂を用いた培地に水を加え、植物を植える。これによ
り、植物の根腐れを防止することができる。また、土栽
培の植物を簡単に植え替えることが可能となる。以下で
は、ノニオン樹脂を用いた培地について詳細に説明す
る。
【0051】水耕栽培の植物や、植物の植え替えにおい
て、水を腐らせないようにすることは大切である。ま
た、土栽培の植物を水耕栽培の培地に植え替えるために
は、一旦、植物に水耕栽培の根を発根させ、栽培するこ
とが必要である。ノニオン樹脂を用いた培地(以下では
適宜、ノニオン樹脂培地と記載する)の場合、土栽培の
植物の根を傷めないように水洗いし、その土栽培の植物
を植えることにより、簡単に植え替えが可能となる。
【0052】これは、ノニオン樹脂培地では、水の腐敗
を防ぐ除菌作用が働き、植物の根から出る樹液等の有機
酸を吸着し、除菌することにより、植物の根腐れを防止
するからである。通常、水は2乃至3日で腐敗するた
め、植物の栽培や切り花での使用等において、植物を長
持ちさせることは特に夏季においては困難であった。ノ
ニオン樹脂培地を用いることにより、水の腐敗を防ぐこ
とができる。
【0053】また、ノニオン樹脂は、イオンを含有して
いないので、プラスイオンのイオン水を吸着させて使用
することにより、植物の成育を促進したり、切り花を長
持ちさせたりすることができる。
【0054】下記表1は、ミニバラ栽培の培地として、
ノニオン樹脂200gに水300gを加えたものを用い
た場合と、アクリル系樹脂200gに水300gを加え
たものを用いた場合における、25日後の水の汚れ度を
検査したものである。なお、それぞれ、イオン交換樹脂
を0.6gずつ添加している。
【0055】
【表1】
【0056】表1に示すように、アクリル系樹脂を用い
た培地では、水に含まれる有機物等の量が2700mg
/リットルであるのに対して、ノニオン樹脂を用いた培
地では、270mg/リットルとなっており、ノニオン
樹脂を用いた培地での有機物等の発生量は、アクリル系
樹脂を用いた培地での有機物等の発生量の1/10の数
値を示した。このように、アクリル系樹脂培地では、有
機物が増加しており、イオン交換樹脂の吸着作用があま
り働いていないことが分かる。これは、イオン交換樹脂
が微粒子であり、多量に使用しないとその効果が現れな
いことを示している。
【0057】ノニオン樹脂においては、ノニオン樹脂の
吸着作用及び除菌作用が働き、プラスイオンのイオン交
換樹脂が少量でも効果的に働いていることが分かる。従
って、ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を混合した培地を
使用することにより、アクリル系樹脂培地では吸着作用
があまり働かないという問題を解決することができる。
【0058】次に、ノニオン樹脂とアクリル系樹脂の混
合使用による根の成育について説明する。植物の培地に
おいて、成育する根を比較してみると、水耕栽培の植物
の根は、常に水分や養分(肥料)がある水の中で成育
し、根が容易にこの水分や養分を吸収できるようになっ
ている。あまり根が伸びないのが特徴である。また、ア
クリル系樹脂培地では、根がアクリル系樹脂を抱きかか
えるように包囲し、密着して水分を吸収しているのが特
徴である。
【0059】ノニオン樹脂培地においても同様に、根が
ノニオン樹脂に密着し、水分を吸収するが、根がノニオ
ン樹脂の中を貫通して成育するのが特徴である。また、
土栽培の植物は、鉢の中又は土の中で水分や養分を探し
求めなければならず、その成育は四方八方に広がり、長
い根で成育するのが特徴である。
【0060】ノニオン樹脂培地においても、茎の下から
白い多数の根が真っ直ぐ下方に伸び、四方八方に広が
り、土壌体の根の成育に似ていると言うことができる。
これらは、アクリル系樹脂の根の成育は水耕栽培の場合
と同様であり、ノニオン樹脂の根の成育は土栽培の場合
と同様であると言うことができる。
【0061】アクリル系樹脂とノニオン樹脂とを混合し
た培地を用いることにより、根の成育が変化していくこ
とが実験により確認された。図15は、この実験の結果
を表している。実験結果の詳細については後述する。こ
の実験では、アクリル系樹脂50乃至200gと、ノニ
オン樹脂20乃至200gをそれぞれ混合割合を変化さ
せて混合した培地を作成し、この培地の中に土栽培の植
物を植えた。これにより、根が一旦、水耕栽培の根に変
化する。これは、土栽培の根の表皮が腐り、根の内部の
白く細い芯が水耕栽培の根に変化することを表してい
る。
【0062】アクリル系樹脂に対してノニオン樹脂を増
量することにより、この白く細いシルクの糸のような根
が太くなっていく。そして、アクリル系樹脂とノニオン
樹脂の同量の混合により、土栽培の根の表皮が腐って変
わることなく、太く逞しい安定した根が成育することが
分かった。アクリル系樹脂のみでは土栽培の植物を植え
替えて成長させることは困難であるが、ノニオン樹脂を
少量混合することにより、土栽培の根の先端から腐った
り、また、全体的に表皮が変わったりするが、日々草が
元気に花を咲かせたり、アイビーが長く成長したりす
る。例えば、アクリル系樹脂200gにノニオン樹脂6
0gを添加した培地では、アイビーの丈が約10乃至3
0センチメートル(cm)も成長する。
【0063】ノニオン樹脂を根腐れ防止剤として使用し
た場合、次のような効果がある。第1の効果は、植物の
汚れをとることである(吸着作用)。第2の効果は根が
腐らないことである(除菌作用又は抗菌作用)。第3の
効果は樹脂で汚れた樹液を吸着し、水分養分を吸収する
ことである(濾過作用)。第4の効果は水を保持するこ
とである(保水作用)。第5の効果は、植物を支え固め
ることである(凝固作用)。ノニオン樹脂の場合、常に
水の中に入れておかないと固まりやすく、容器の余分な
水分を切ることで約3乃至4日で固まる。
【0064】根の成育に関しては、アクリル系樹脂で
は、離水することにより、水耕栽培の根に変化して成育
するが、ノニオン樹脂では、肥料がなくても植え替え栽
培が可能であり、土壌体で成育した根で成育するのが特
徴である。
【0065】また、ノニオン樹脂には凝固作用があるた
め、植物の育苗床としての使用が可能である。例えば、
直径20cm、深さ22cmの容器にノニオン樹脂の固
まり500gを5個(2.5キログラム(kg))入
れ、イオン水を加えると、3乃至4ヶ月で固まる。個々
のノニオン樹脂が密着して容器の型の形状に固まってい
く。その後、植物を移動しても、倒れることがなく、固
定することができる。また、切り花を凝固したノニオン
樹脂に刺しても倒れることなく安定する。
【0066】次に、ノニオン樹脂が細菌繁殖抑制効果を
有することを示す試験について説明する。図14は、こ
の試験を行うための試験装置を示す図である。まず、ノ
ニオン樹脂を1.5gだけ入れたビーカー、ノニオン樹
脂を5gだけ入れたビーカー、ノニオン樹脂を15gだ
け入れたビーカー、何も入れないビーカー(ブランク)
を用意する。次に、各ビーカーに残留塩素を除去した水
道水300ミリリットルを入れる。次に、各ビーカーに
細菌(この場合、大腸菌)を約10/ミリリットルだ
け加える。
【0067】次に、各ビーカーを摂氏25度に設定した
恒温室に入れる。その後、各ビーカーから経時的にサン
プリングを行い、細菌数の測定を行う。その結果、表2
に示すような結果が得られた。
【0068】
【表2】
【0069】表2に示すように、ノニオン樹脂を1.5
gだけ入れたものは、実験開始直後、細菌数が8.3×
10、3日後には7.3×10(全ての細菌数は
4.7×10)、5日後には1.5×10(全ての
細菌数)となっている。また、ノニオン樹脂を5gだけ
入れたものは、実験開始直後、細菌数が8.6×1
、3日後には1.6×10(全ての細菌数は2.
7×10)、5日後には4.9×10(全ての細菌
数)となっている。また、ノニオン樹脂を15gだけ入
れたものは、実験開始直後、細菌数が9.5×10
3日後には3.2×10、5日後には1.0×10
(全ての細菌数)となっている。また、ノニオン樹脂を
入れないブランクの場合、実験開始直後、細菌数が8.
9×10、3日後には8.4×10(全ての細菌数
は8.3×10)、5日後には1.6×10(全て
の細菌数)となっている。この結果から、ノニオン樹脂
を用いた培地には、細菌繁殖抑制効果があるということ
ができる。
【0070】次に、イオン交換樹脂の肥料成分とその効
果について説明する。栄養剤成分は、蒸留水1リットル
にイオン交換樹脂栄養剤を0.5gだけ添加した後、摂
氏20度に調整し、1週間放置する。その後、水溶液に
含まれる全窒素、リン酸、及びカリウムの濃度を計測し
た。その結果、全窒素1.6mg/リットル、リン酸
0.05mg/リットル、カリウム1.5mg/リット
ルが検出された。
【0071】次に、ノニオン樹脂の吸水能について説明
する。ノニオン樹脂の純水に対する吸水能は20乃至4
0倍、生理食塩水に対する吸収能は20乃至40倍、人
工海水に対する吸収能は20乃至35倍である。
【0072】次に、図15を参照して、ノニオン樹脂を
用いた培地に各種植物を植え替えた場合の各種植物の変
化を調べた実験結果について説明する。No.1の培地
は、アクリル系樹脂(肥料含有)50gと、ノニオン樹
脂(肥料無し)200gと、液体肥料を500倍乃至1
000倍に薄めたものとを混合したものである。No.
2の培地は、アクリル系樹脂(肥料含有)150gと、
ノニオン樹脂(肥料無し)150gと、液体肥料を50
0倍乃至1000倍に薄めたものとを混合したものであ
る。No.3の培地は、アクリル系樹脂(肥料含有)2
00gと、ノニオン樹脂(肥料無し)100gと、液体
肥料を500倍乃至1000倍に薄めたものとを混合し
たものである。No.4の培地は、アクリル系樹脂(肥
料含有)200gと、ノニオン樹脂(肥料無し)60g
と、液体肥料を500倍乃至1000倍に薄めたものと
を混合したものである。No.5の培地は、アクリル系
樹脂(肥料含有)200gと、ノニオン樹脂(肥料無
し)20乃至40gと、液体肥料を500倍乃至100
0倍に薄めたものとを混合したものである。No.6の
培地は、アクリル系樹脂(肥料含有)200gからな
る。No.7の培地は、ノニオン樹脂(肥料無し)20
0gからなる。No.8の培地は、ノニオン樹脂(肥料
無し)200gと、イオン交換樹脂0.1乃至0.5g
とを混合したものである。No.9の培地は、ノニオン
樹脂に肥料を含有させたもの200gと、イオン交換樹
脂0.1乃至0.5gを混合したものからなる。
【0073】No.1乃至No.5はアクリル系樹脂培
地にノニオン樹脂を使用した培地である。No.1乃至
No.5は、草花、及び観葉植物は植え替えが可能であ
る。観葉植物はあまり肥料を必要としないが、7乃至1
0日までに液体肥料を500倍乃至1000倍に薄めた
ものや、イオン交換樹脂0.1乃至0.5gを添加しな
いと、草花の状態はA(良好)からB(悪い)に変化す
る。図中、○印は成育状態が良好であることを示し、×
印は成育状態が悪いことを示している。
【0074】No.2においても草花に肥料が不足する
と育たない。No.6においては、約1週間で状態Aに
なる。また、アイビー、ポトス、コーヒーに関しては、
2週間乃至1ヶ月で状態Cから状態Dに変化する。N
o.6の状態C,Dではほとんど成長はしない。No.
5においては、根腐れ防止効果により、観葉植物は元気
を取り戻すが、あまり大きな成育はない。約1週間目よ
り根腐れ防止効果が始まり、根の成育は止まり、腐り始
める。
【0075】No.7は、ノニオン樹脂が肥料を含有し
ていなくても植え替えが可能であることを示している。
また、観葉植物は肥料がなくても成育することを示して
いる。No.7、No.8、No.9は、土栽培の植物
はノニオン樹脂培地でも同じ根で成育されることを示し
ている。No.7は、草花では肥料の濃度が重要であ
り、実験開始後、7乃至14日までに状態Aから状態B
に変化しないように肥料を500乃至1000倍に薄め
たものや、イオン交換樹脂0.1乃至0.5gを与える
必要があることを示している。この実験により、ノニオ
ン樹脂には根腐れ防止効果があることが分かる。
【0076】次に、ノニオン樹脂の根腐れ防止効果を利
用した鉢底、及びガーデンマットについて説明する。ノ
ニオン樹脂培地においては、根腐れを防止する効果があ
り、肥料がなくても観葉植物の植え替えや成育が可能で
ある。ノニオン樹脂は、イオンを含有していない。この
培地において、プラスイオンのイオン交換樹脂はカチオ
ンのプラスイオンである主成分、窒素、リン酸、カリウ
ムである。これらを少量使用することによりイオンの中
和作用が起こる。ノニオン樹脂200乃至300gの培
地に対して0.1乃至0.2gの使用量で、植物の成育
を促進させることが可能である。
【0077】ノニオン樹脂とプラスイオンのイオン交換
樹脂の組み合わせにより、水耕栽培の鉢底として、又は
土栽培の鉢底におけるガーデンマットとして使用するこ
とができ、植物の根腐れ防止効果と保水効果、及び肥料
としての効果を同時に可能にする。
【0078】鉢内のハイドロコーン又は土の量の20乃
至40重量パーセントのノニオン樹脂をガーデンマット
として鉢底に使用することにより、約1ヶ月間、水やり
がなくても植物を成育させることができる。
【0079】この場合、ノニオン樹脂にイオン交換樹脂
0.1乃至0.2gを添加することができる。これによ
り、約3乃至4日頃から植物の頭頂部の葉が、オイルを
塗った様につやつやしてくる。自然に上から下へ全体に
このようにつやつやしてくる。これは、植物が酸素を放
出していることを表している。これは、水耕栽培の葉の
現象である。土栽培の植物ではこのようにはならない
が、植物自体の花や葉においても生き生きしている。ま
た、ノニオン樹脂を土栽培の鉢底に使用する場合、植物
の根は何の抵抗もなく、その土栽培の根で成育するのが
特徴である。
【0080】次に、水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使
用する場合について説明する。ハイドロコーンの全体量
の20乃至40パーセントのノニオン樹脂を鉢底に使用
すると、約1ヶ月間、水やりが不要になる。また、根は
2週間で2乃至6cm伸びる。また、1ヶ月間で4乃至
10cm伸びる。例えば、ポリシヤスは1週間で約1.
5cm伸び、2週間で約3.0cm伸びる(図16)。
サイデリアーナは1週間で約1.5cm伸び、2週間で
約2.8乃至3.0cm伸びる(図17)。ポトスは1
週間で約1.5乃至3.0cm伸び、2週間で約3.0
乃至6.0cm伸びる(図18)。
【0081】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を用いるこ
とにより、3乃至4日目より、植物の頭頂部の葉からオ
イルを塗ったように葉がつやつやしてくる。そして、1
週間ぐらいで、全体につやつやしてくる。この現象は土
栽培の植物では見られないものである。
【0082】次に、水耕栽培や土栽培の鉢底にノニオン
樹脂を使用した場合の効果について説明する。水耕栽培
の観葉植物で使用されるハイドロコーンのイオン交換樹
脂の使用量は、2号鉢で2gとなっている。これは3ヶ
月間有効である。インナーポットが入る2号鉢の鉢底に
2gのイオン水と深さ約1cmの水を入れて使用する。
観葉植物ではハイドロコーンの培地の鉢底にノニオン樹
脂を使用し、約0.1gのイオン交換樹脂を使用するこ
とにより、約3ヶ月間有効保持することができる。
【0083】ノニオン樹脂を水耕栽培の鉢底や土栽培の
鉢底に使用することにより、水やりが不要となり、植物
が痛まず、小売店等においてはコストを削減することが
できる。また、小売店においても、これらのノニオン樹
脂を植物の寄せ植えに使用することができる。また、生
産メーカは、水耕栽培や土栽培の培地の下に、ガーデン
マットとして肥料を含有するノニオン樹脂を20乃至4
0パーセント加えることにより、1乃至2ヶ月間、保水
効果を持続させることができる。
【0084】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用する場
合、ノニオン樹脂に液体肥料を吸着させるか、イオン交
換樹脂をノニオン樹脂に少量のせて使用する。土栽培で
生育した植物の根は、ノニオン樹脂の培地に何の抵抗も
なく適応し、自然に伸びて生育するのが特徴である。土
栽培の鉢より植物を取り出して、ノニオン樹脂培地に植
え替えても何の変化もなく生育する。その特徴は土壌体
のものとほぼ等しいと言える。例えば、土栽培した植物
をノニオン樹脂のガーデンマットを鉢底に使用した鉢に
植え替えると、カランコエの場合、根は約2週間で4乃
至5cm伸びる(図19)。ゼラニウムの場合、根は約
2週間で8乃至10cm伸びる(図20)。また、セロ
ームの場合、根は約2週間で5乃至10cm伸びる(図
21)。この要因は、ノニオン樹脂が離水しないで植物
の汚れや有機酸を吸着、濾過し、植物にきれいな水分を
与え、土壌体と同様の作用をしているからである。図2
0、図21に示すように、ノニオン樹脂を鉢の底だけで
なく、鉢の側面にも配置し、根を取り囲むようにするこ
とができる。このノニオン樹脂のガーデンマットは、鉢
底に使用する他に、花壇、プランター、屋上ガーデン等
にも使用することができる(図22)。また、ノニオン
樹脂の吸着作用等を利用して、汚染された土壌を改良す
る土壌改良剤として使用することも可能である(図2
3)。
【0085】また、ノニオン樹脂による根腐れ防止効果
を利用して、あらゆるpH(ピーエイチ)のコントロー
ルを容易にし、土壌改良剤として用いることにより、植
物の育たない培地で植物の栽培を可能にすることができ
る。また、最も身近な樹木が地面にどのような生育を
し、根から水分を吸収するのか、地下茎を見ることがで
きる。また、鉢底使用の他に、プランター、花壇、畑、
その他の培地において、ノニオン樹脂を土壌改良剤や活
性剤として使用することができる。
【0086】次に、ノニオン樹脂を用いた培地における
イオン交換樹脂の使用効果について説明する。イオン交
換樹脂をノニオン樹脂培地に使用することにより、プラ
スイオンの中和作用が起こる。例えば、ノニオン樹脂2
00乃至300gに対して、イオン交換樹脂0.1乃至
0.2gをノニオン樹脂の上にふりかけ、使用する。
【0087】このように、イオン交換樹脂を少量だけノ
ニオン樹脂と使用することにより、植物の成育発育促進
効果が得られる。ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を混合
したものを、鉢底やガーデン底、或いは土壌改良剤とし
て使用することにより、保水作用、除菌作用、吸着作用
等による根腐れ防止効果が生まれ、管理に要する手間を
軽減することができる。
【0088】また、ノニオン樹脂にイオン水(蒸留水)
を吸着させることにより、植物の栽培や、キクやバラ、
榊等の切り花での使用を可能にすることができる。草花
の栽培においては、マリーゴールド、セントポーリア、
百日草、ベコニア等の成育に効果があった。
【0089】アクリル系樹脂を用いた培地では、主に水
耕栽培された植物の植え替えにおいては何の支障もなく
可能であったが、土栽培された植物を植え替える場合、
水耕栽培に慣れない根を急にアクリル系樹脂からなる培
地に定着させることは困難であった。
【0090】これまで、ノニオン樹脂培地にもアクリル
系樹脂培地の場合と同様、水耕栽培の支持体と考えられ
てきた。ノニオン樹脂と、一般に市販されているアクリ
ル系樹脂の混合培地では、アクリル系樹脂の離水作用に
より、植物は水耕栽培の根により成育する。一方、ノニ
オン樹脂とアクリル系樹脂を同量ずつ混合した培地(混
合培地)では、植物は土壌体の根により成育する。
【0091】上記混合培地が土壌体の培地と同様の作用
をすることが分かった。ノニオン樹脂の根腐れ防止効果
により、水耕栽培された植物と土壌体で栽培された植物
の両方が成育可能な混合培地を作成することができ、容
易に土壌体から混合培地への植え替えが可能となる。
【0092】ノニオン樹脂の形状としては、立方体、多
面体で一定の形状でないもの、直方体、球、四面体、多
面体、棒状、マカロニのように管状に穴のあいた形状の
もの、帯状の薄板状のものを渦巻き状に巻いたもの(以
下、バームクーヘン型と記載する)、粉末状のもの、対
向する2つの面が三角形の五面体等が考えられる。
【0093】以下、バームクーヘン型のノニオン樹脂を
用いた培地について説明する。従来、角形(1辺が約1
cm)のノニオン樹脂は、帯状の薄板状のものを製造し
てからそれらを所定の大きさに切断し、重ね合わせるこ
とにより製造していた。この帯状の薄板状のものを渦巻
き状に巻いていくことにより、バームクーヘン型のノニ
オン樹脂を製造することができる。また、着色料を混合
することにより、様々な色のノニオン樹脂を製造するこ
とができる。また、様々な色の着色料を混合して製造さ
れた複数の帯状の薄板状のノニオン樹脂を重ね合わせて
渦巻き状に巻くことにより、金太郎飴のように、切り口
が所定の模様となるようにすることもできる。
【0094】このバームクーヘン型のノニオン樹脂を、
切り口が円形になるように切断する。そして、切り口が
円形のノニオン樹脂を培地として用いる。この培地は、
薄板状のものが渦巻き状に巻かれているので、通気性や
水はけに優れ、植え替えも簡単に行うことができる。皿
やガラスの鉢等に入れ、培地として用いることにより、
見栄えを良くすることができる。
【0095】次に、ノニオン樹脂を保水剤として用いる
場合について説明する。根腐れ防止剤の実験により、ア
クリル系樹脂の混合使用や鉢底使用については上述した
通りであるが、水耕栽培のハイドロコーンに植えた植物
では、ノニオン樹脂培地に植えるだけで発根する。ノニ
オン樹脂の最も適した利用方法は、水耕栽培のハイドロ
コーンの代替として、及び土壌栽培の代替として用いる
ことである。これらはいずれも室内園芸として用いられ
る。
【0096】地球の温暖化により、屋外のガーデニン
グ、プランター、花壇、屋上ガーデン、芝生、畑等が重
要性を増しているが、それらの保水剤としてノニオン樹
脂を用いることができる。従来のアクリル系樹脂では困
難であった。
【0097】ノニオン樹脂の使用量であるが、植物の根
は直接、ノニオン樹脂から水分を吸収するが、土壌の1
/3乃至1/2の使用量が良い。夏季では十分に水分を
吸水したノニオン樹脂を使用し、梅雨期では、水分を吸
水できる余力を持たせ、半分程度膨潤させたものを用い
るのが良い。プランター等では、土の量の1/3乃至1
/2程度のノニオン樹脂を混合して使用する。水やりは
月に1,2回程度で良い。
【0098】室内において身体の不自由な人々、お年寄
りや子供たちが手軽に植物の栽培を楽しみ、人とコミュ
ニケーションを持ち、夢と生き甲斐のある生活を送るこ
とが可能である。また、人々が長年に渡り、作物や植物
を栽培し、人工的に土壌体を作ってきたが、若年層の減
少により、人手が不足することが考えられる。これから
将来に渡り、この土壌体作りはノニオン樹脂に肥料を含
有させて、ノニオン樹脂のpHコントロールにより自動
的にアルカリ性培地に変換し、畑、公園、花壇、また植
物の鉢底にガーデンマットとして肥料入りノニオン樹脂
を使用することにより、植物、作物の生産効率を高め、
人手を軽減する事が可能である。
【0099】従来、植物の栽培において、水や肥料を含
み、保水剤として使用される樹脂はあったが、これらは
いずれもアクリル系樹脂であり、保水効果を得ることを
目的としていた。上記実験により、土壌体での植物や作
物の栽培においても、水と肥料が重要であり、水を新鮮
に保つことが最も大切である。水、肥料、根腐れ防止剤
は、植物の栽培において重要な三要素とも言える。これ
らのことから、砂漠での植樹、植物や作物の栽培におい
て、ノニオン樹脂はなくてはならないものである。ノニ
オン樹脂は、保水効果と根腐れ防止効果を兼ね備えた、
水耕栽培の培地と土栽培の培地の両用が可能な人工植物
培地ということができる。
【0100】次に、ノニオン樹脂の保水剤としての使用
方法について説明する。これまで、室内園芸の植物の培
地での使用であったが、近年ブームとなっている屋外・
屋上ガーデンや、花壇、畑、砂漠等の植物培地において
は、保水、保持力のあるノニオン樹脂を使用することが
大切である。従来、土に混ぜた保水剤使用にアクリル系
樹脂が使用されてきた。このアクリル系樹脂は、膨潤倍
率は大きいが、離水により、短期間で縮小し、また、縮
小すると、植物の水分を吸収してしまう欠点を有する。
ノニオン樹脂においても膨潤倍率が20乃至100培の
ものを使用することにより、肥料、保水、根腐れ防止の
効果が同時に作用し、また、長期的に安定した培地とす
ることが可能となる。
【0101】花壇、畑、屋外・屋上ガーデンや、砂漠等
では、自然環境や土壌体や天候等の条件により異なる
が、水を含んだノニオン樹脂100kgと、水を含んだ
アクリル系樹脂100kgを混合使用した場合、アクリ
ル系樹脂が定期的に離水することにより、離水しないノ
ニオン樹脂がアクリル系樹脂からの水分を吸収するが、
飽和状態となり、離水されても吸収されず、水分が溜ま
ってくる。その結果、地上部の土が湿り、蒸発する。水
が溜まることにより、植物の根は水耕栽培の根に変わ
る。これにより、これまで土壌体の根で生育していた植
物が過剰水分により一旦根腐れ状態を起こし、水耕栽培
の根に変わってしまう。これらのことから、水耕栽培の
植物には良いが、土壌体の根の生育に適した植物では生
育しにくいことが分かる。
【0102】これを防ぐためには、ノニオン樹脂のみを
使用して、離水しないで水を蓄えておくタンクの作用を
し、水分を保持するようにすると良い。地上部を湿らす
ためには、アクリル系樹脂を少量使用するのが良いが、
アクリル系樹脂は短期間で離水してしまう。離水してノ
ニオン樹脂の水分を吸収し、また離水する。しかし、雨
がほとんど降らない所では、貯蔵タンクは空になり、ア
クリル系樹脂の使用は水分の無駄使いとなる。
【0103】砂漠等の雨の少ない地域では、ノニオン樹
脂のみの使用が良い。雨が多い所では、ノニオン樹脂も
アクリル樹脂も飽和状態となり、ノニオン樹脂の根腐れ
防止効果により、今まで土壌体で生育していた植物の根
が水耕栽培の根に変化して生育を始める。
【0104】アクリル系樹脂は、水が溜まっていても離
水するので、さらに水分を溜めてしまうため、アクリル
系樹脂の使用は適さない。ノニオン樹脂の保水性のみで
は、植物が水分を吸収して生育する課程で、根の汚れを
取る吸着作用や除菌作用がなければ、アクリル系樹脂の
水たまりと同じであり、根腐れを起こすことになり、ノ
ニオン樹脂の除菌や汚れの吸着作用により、保水性が保
持されるのである。ノニオン樹脂の5つの作用により、
貯蔵タンクとして作用して植物はそこから水分や養分を
吸収し、汚れを排出し、自給自足で生育する。即ち、植
物は、汚れた樹液を排出し、貯蔵タンクから水分や養分
を吸収し、自給自足で生育している。
【0105】ノニオン樹脂が大地の役割をしていること
から、ノニオン樹脂は水耕栽培と土壌栽培の両用の植物
支持体と言うことができる。このノニオン樹脂には、除
菌作用又は抗菌作用、吸着作用、濾過作用を有してい
る。
【0106】水耕栽培の植物は、さっと根を洗い、簡単
にノニオン樹脂培地に植えることができる。水耕栽培で
生育した植物の根は、樹脂と樹脂の間の余分な水分を吸
収して生育するが、新たに発根することにより、新しい
根で成長していく。これらの根の生育は、水耕栽培も土
壌栽培もこれまでの根と同じ根で水分を吸収するもので
ある。最初、ノニオン樹脂培地では、水分を多目にして
おくことが重要である。草花等の根は柔らかな長い根が
多いため、最初から樹脂の水分を吸収することができな
いので、ノニオン樹脂培地の水分を多目にし、樹脂と樹
脂の間の余分な水分を吸収できるようにする。その土壌
体の根の先で水分を吸収し、やがて枝分かれしたような
細かな根が発根されていく。水耕栽培の根は水耕栽培で
生育したその根で水分を吸収し、発根が始まると新しい
根で成育してゆく。
【0107】水耕栽培の植物をノニオン樹脂培地に植え
替えた場合、ノニオン樹脂が離水すれば、このまま根が
生育する(図24)。又は、沢山の水分があれば、根は
変わらない。最初から水分を多目にしておくことが重要
である。これにより、植物は溜まっている水を吸収し、
水分が沢山あればそのまま水分がなくなると水分を探さ
ないで新しく発根する。土壌体の植物をノニオン樹脂培
地に植え替えた場合も同様に、そのままの根で水分を探
し、吸収する。
【0108】ノニオン樹脂培地に観葉植物や花木等を植
え替えた後、葉が枯れてしまうこともある。植え替え時
に根が切れたり、寒さや培地が変わったことによる負担
で枯れてしまうことがあるが、約2週間乃至1ヶ月、或
いは1乃至2ヶ月ぐらいして、新根や新葉を作る。これ
は根腐れ防止効果により発根し、発芽し、再生してくる
からである。これらのことは1年草では難しいが、ポト
ス、デンドロビウム、ミニバラ、ハイビスカス、サルス
ベリ、ムスク等では可能である。
【0109】次に、ノニオン樹脂の凝固作用と保水体や
保水剤としての使用方法について説明する。ノニオン樹
脂をガーデンマットとして地面の下に使用した場合、凝
固作用は働かないが、地上部又はプランターやガラス容
器に入れて使用すると、空気に触れて気化し、固まる。
ノニオン樹脂の形状が角状(直方体や立方体)のもの
は、面と面が大きく、通気性があり、気化しやすいが、
形状の異なる多面体や球状等で細かな粒子状等の重なり
においては保水性は高く、水持ちが大変良い。
【0110】また、これらの混合培地とすることによ
り、生育が難しい観葉植物のシダ類、アジアンタス、草
花の細かい柔らかな根が、水分を吸収しやすくなり、生
育が可能となる。角状の大きめのノニオン樹脂を用いた
植物培地では、度々水を与えることをしなくても栽培が
可能となる。
【0111】ノニオン樹脂からなる植物培地では、根が
ひとりでに水分を吸収するが、切り花や榊の保水体とし
てノニオン樹脂を使用した場合、切り花や榊は、ノニオ
ン樹脂に含まれる水分を吸収するのではなく、溜まり水
を吸収する。従って、水を注ぐか、綿や紙をノニオン樹
脂の中に敷くことにより、離水させる。これにより、切
り花や榊は水分を吸収することが可能となる。
【0112】また、バームクーヘン型樹脂に切り花を刺
して使用するとき、この樹脂に綿を巻き付けることによ
り、離水する保水体として使用することができる。
【0113】アクリル系樹脂の場合、アクリル系樹脂の
離水した水をノニオン樹脂が吸収してしまう。ノニオン
樹脂を月に約2乃至3割程度の離水性を有する保水剤と
して使用することにより、この保水剤をアレンジメント
で使用する場合、500gのノニオン樹脂で100乃至
150gの離水量とする。
【0114】植物培地においては、月に2乃至3回の水
やり(少量)を必要としているが、水やりが全く不要で
あると、植物栽培がただのインテリアや観賞用になって
しまう。また、人が栽培に参加しないで手入れをしない
ことにより、植物栽培への意欲が失われてしまうことに
なる。このため、せめて月に2乃至3回の水やりを考慮
したものである。
【0115】この2乃至3回の水やりをしなくても良い
ようにするために、1回の水やりを約1割とし、約3回
の水やりで約3割としている。また、雨が全く降らない
地域は別として、植物培地では月に約1/3の離水によ
り、地上部が湿り、雨により吸水される。また、月に1
回の水やりでよくなる。
【0116】次に、プランター、鉢、花壇等における保
水剤の使用方法について説明する。アクリル系樹脂等の
離水する樹脂を土に混ぜないで底に敷いて使用すると、
離水により水が溜まり、植物が根腐れを起こして枯れ
る。これは、アクリル系樹脂は離水により縮小してしま
い、水分がなくなると植物の水分を吸収するからであ
る。また、膨潤倍率が大きく、水分含有量による膨潤倍
率の較差が大きく、培地が安定しないためである。
【0117】アクリル系樹脂を土に混ぜて使用する場
合、離水量に応じてアクリル系樹脂の混合量を減らし、
離水により植物が水分を吸収しやすくなるようにするこ
とにより、良い生育となる。離水による水分が溜まらな
い程度にする。アクリル系樹脂が離水により縮小して
も、土がアクリル系樹脂を包んでいるので、植物の水分
を遮断することができ、植物の水分を吸収しにくくす
る。混合量が少なければ少ない程、培地には安定感があ
る。
【0118】離水しないアクリル系樹脂を土の下に敷い
た場合、土壌体の植物は生育できず、水さえあればポト
ス、アイビー等の水生植物は生育可能となる。この状態
は田んぼでイネが生育する状態と同様である。イネは水
生植物であり、十分な雨があれば畑(陸稲)でも生育す
る。従って、アクリル系樹脂は根腐れ防止効果がないの
で、水分はあっても土壌体の植物は根腐れしてしまい、
枯れてしまう。
【0119】離水しないアクリル系樹脂を土に混ぜて使
用する場合、アクリル系樹脂を土が包むことにより、植
物が水分を吸収し難くなる。植物は根がアクリル系樹脂
に密着し、接触しないと水分を吸収することができな
い。ゴルフ場等の芝生での使用において失敗した原因
は、アクリル系樹脂を土に混合し、その上に芝生を並べ
たからである。この状態では、芝は水分を吸収すること
ができない。この場合、ノニオン樹脂を地上に並べ、そ
こに芝生を敷く状態にしないと、芝は水分を吸収するこ
とができない。これらのことは、アクリル系樹脂とノニ
オン樹脂の比較において、ノニオン樹脂を土に混合して
使用することは、あまり適さないことを示している。ノ
ニオン樹脂を土に混ぜないで、植物の根の下に敷いて使
用することにより、保水効果が得られる。
【0120】ノニオン樹脂の根腐れ防止効果により、室
内における観葉植物の栽培の他、花木、庭木等のあらゆ
る植物の栽培が可能となる。観葉植物の中でも、シダ類
やアジアンタムの栽培が、ノニオン樹脂培地で可能とな
り、草花ではカトレア、デンドロビウム等のラン科の植
物、ラベンダー、ベコニア、ペチュニア、ナデシコ、マ
リーゴールド、セントポリーリア、パンジー、リンドウ
等の花木において、さらに、バラ、ハイビスカス、ムク
ゲ、ルリヤナギ、サルスベリ、エンジェルイヤリング、
アザレア、シャクナゲ、アベリア、榊、月桂樹、ヒイラ
ギ、キンモクセイ、ブルーベリー等のあらゆる植物の栽
培が可能である。
【0121】次に、保水剤を花壇や畑に使用する場合に
ついて説明する。雨が降る地域では、土の中のノニオン
樹脂の水の帯として、雨が降る地域では水はけを考慮し
て配置する。例えば、土の畦に平行した2本の水の帯と
なるようにノニオン樹脂を配置する。或いは、植物を囲
むようにドーナツ状にノニオン樹脂を配置する(図2
2)。これにより、雨が降ってもノニオン樹脂が雨を吸
収し、ノニオン樹脂の間を通って雨が土の中に浸透し、
水はけの妨げとならないようにすることができる。
【0122】一方、雨が全く降らない地域では、根を包
み込むようにノニオン樹脂を配置する(図23)。これ
により、余分な水分が土の中に逃げることを抑制し、少
ない水分をノニオン樹脂が吸収して逃がさないようにす
ることができる。屋外においては、花壇や丹精込めて作
られたガーデニングが、地球温暖化による異常気象によ
り、雨が降らないときの水不足を考え、地域的に地下に
水を貯蔵しておく対策をとらなければならない。ノニオ
ン樹脂を用いることにより、水不足にも対応することが
できる。
【0123】次に、ノニオン樹脂、イオン水、イオン交
換樹脂、及び日本酒を加えた植物培地について説明す
る。花木アベリオの植物培地に日本酒を注いだところ、
すこぶる元気になった。根を洗い、ノニオン樹脂培地に
植え替える。まず、植物培地に、ノニオン樹脂を300
g、イオン水を30cc、イオン交換樹脂を0.5gだ
け加えた。3日後、植物培地に日本酒を50ccだけ注
いだ。このとき、花が枯れたり、葉や枝が少し元気を失
っていた。翌日、弱っていた花木がシャキッとした。こ
のように、花木アベリオの植物培地に日本酒を注いだと
ころ、一時的に元気にシャキッとなったが、日本酒、ワ
イン、ビール等のアルコール飲料は、植物の生育に最適
とは言えない。例えば、ビールの場合、約1週間はつや
つやし、糖分による蒸散作用により良い生育であるが、
約1週間で元気を失っていく。ミニバラ、ポトス、アイ
ビー、コーヒーの木等のビール培地の実験により、炭酸
飲料水では約2週間の栽培が可能である。また、切り花
においても同様である。
【0124】炭酸飲料水には、保存料(安息香酸N
a)、果糖、ぶどう糖、酸味料、香料等の成分が含まれ
ている。ノニオン樹脂を使用した植物培地に、砂糖、ぶ
どう糖等の糖類を含有している炭酸飲料水を与えたとこ
ろ、同様に良い生育となった。ラベンダー、ゼラニウ
ム、ミニバラ、ナデシコ等では、つぼみを付け、花を咲
かせるなど、良い生育となった。ところが、糖類を含有
していない炭酸水や清涼飲料水では生育が悪い。このこ
とから、糖類を吸収することにより、土壌栽培からの植
え替えにもかかわらず、すこぶる元気で花を咲かせ、つ
ぼみを付け、蒸散作用や光合成を活発にしていると言え
る。また、これらの飲料水に肥料を含ませたものを、特
に夏季において、弱った植物に与えると効果的である。
【0125】以上の実験の結果、植え替えにより、エネ
ルギーを消耗して弱っていたところに、糖分を与えたの
で元気を取り戻したと言える。イオン交換樹脂の肥料も
液肥ではなく、即効性に欠けるため、イオン水に糖分を
吸着させることにより、切り花使用の兼用で効果を上げ
ることができる。即ち、ノニオン樹脂に、イオン水+砂
糖、ぶどう糖等を加えると、新陳代謝を活発にし、植物
の成育に効果的である。
【0126】植物培地に花木リオン、草花、クロサンド
ラを植え、ノニオン樹脂を1200gと、日本酒(アル
コール13乃至14度、少々の有機酸と水を含む)を4
00ccだけ加えた場合、水分不足であった植物の枝が
元気になった。植物培地に花木リオン、草花、クロサン
ドラを植え、ノニオン樹脂を1200gと、ビール(ア
ルコール3.5パーセント、少々の二酸化炭素を含む)
を400ccだけ加えた場合、花木の葉が少々枯れ始め
る。また、草花は、植物の蒸散作用により、頭頂部より
オイルを塗ったようにつやつやしてくる。この効果は、
ハイドロコーンの鉢底使用でイオン交換樹脂を使用した
場合にも表れる。
【0127】日本酒を用いた場合、アルコール、水、少
々の有機酸を含むが、ノニオン樹脂がこの有機酸を吸着
し、蒸発した水分を樹脂が吸着し、根が樹脂から水分を
吸収している。アルコール度数を低めにした状態で使用
すると、植え替えによりエネルギーを消費した植物に糖
類を与え、良い結果となる。一方、ビールを用いた場
合、アルコールは少量であり、水と二酸化炭素ではあま
りノニオン樹脂に吸着されず、水分が残っているため、
花木の根が水耕栽培の根に変わり、やや太めの根が4c
mくらい、紙の様につぶれている。これは、根が正常に
水分を吸収していないことを示している。
【0128】このように、ノニオン樹脂にイオン水と糖
分を加えることにより、植え替え時の植物の疲労を助
け、エネルギーを消費した植物に糖類を与え、蒸散作用
を活発にする。光合成は葉緑素を含む部分に限られる
が、草花では若い茎でも行われる。
【0129】観葉植物、アイビー、コーヒーの木、ポト
スの培地にビールを300ccだけ注いだ場合、及び、
観葉植物、アイビー、コーヒーの木、ポトスの培地に炭
酸飲料水を300ccだけ注いだ場合、すこぶる元気で
つやつやしてくる。特に、コーヒーの木の培地にビール
を注いだ場合のコーヒーの木の状態が良い。
【0130】花木ミニバラの培地に、ビール(アルコー
ル5.5パーセント、水、二酸化炭素を含む)を300
ccだけ加えた場合、しばらくはコーヒーの木等と同様
に、1週間乃至10日ぐらいは良いが、その後、元気を
失い、枯れる。これは、二酸化炭素はすぐに蒸発する
が、アルコールが残っているため、枯れるのである。
【0131】切り花、バラ、ガーベラ、カーネーショ
ン、リンドウ、小菊、孔雀アスターの培地に、日本酒
(アルコール14度、酸性)を加えると、花の状態が良
い。炭酸飲料水を加えた場合も同様である。ビール(ア
ルコール5.5パーセント)、ワイン(アルコール9パ
ーセント)を加えた場合も同様であるが、切り花では、
砂糖水(中性)、切り花活力剤(中性)、イオン水(蒸
留水)(中性)等の中性のものを加えた場合、花は長持
ちする。
【0132】イオン水150ccと、ノニオン樹脂10
0gと、日本酒150ccを混合したものは、やや酸性
となり、切り花、バラ、ガーベラ、カーネーション、リ
ンドウ、小菊、孔雀アスターは良い状態となる。また、
イオン水150ccと、ノニオン樹脂100gと、清涼
飲料水150ccを混合したものは、酸性となり、良い
状態となる。イオン水等の中性のものが切り花や榊を長
持ちさせることから、ノニオン樹脂にイオン水と糖類を
加えることにより、植物の活力剤とすることができる。
例えば、イオン水300ccと、砂糖、ぶどう糖等の糖
類1乃至30gと、ノニオン樹脂100乃至150gを
混合したものを、切り花等に使用することができる。或
いは、ノニオン樹脂に、300ccのイオン水に砂糖、
ぶどう糖等の糖類を1乃至30g混合したものを吸着さ
せたものを用いることもできる。
【0133】ノニオン樹脂に砂糖水とイオン水を混合し
たもの、又は、ノニオン樹脂に炭酸飲料(糖分を含
む)、又は炭酸の入っていない清涼飲料水を吸着させた
ものを培地として植物を栽培すると、植物が砂糖水を吸
収し、気孔から取り入れた空気中の二酸化炭素と、光の
エネルギーとで糖類やでんぷん等の複雑な同化養分を作
り出し、酸素を気孔より送り出す。根から吸収する水で
も良いが、ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を少々使用し
た場合も、このような光合成は行われるが、炭酸飲料等
の甘い水分の中に、コーヒーの木、ポトス、アイビー等
を漬けておいた状態により、葉がべたべたし、糖分が吹
き出ているのが分かる。
【0134】植物は、根から砂糖水を吸収することで、
蒸散作用が活発になり、草花の頭頂部がしっとりし、葉
全体や茎がしっとりし、つやつやする。これは、炭酸飲
料水の培地に、花木ミニバラ、クロサンドラ、草花ハー
ブ、日々草、マリーゴールド、ベコニア、ゼラニウム等
を植えた結果である。特に、日々草の葉がしっとりと
し、つやつやする。これらの飲料水を与えることによ
り、蒸散作用、光合成が活発となり、酸素を出す作用も
活発となる。
【0135】日本酒、ビールで花木リオンを栽培した
が、アルコール分が多くて失敗したと思われる。花木ア
ベリア、花木リオン、草花クロサンドラは、ノニオン樹
脂培地に日本酒、ビールを沢山与えた培地に植え替える
と、最初はとても元気にシャンとしたが、次第に枯れて
しまった。特に、葉から枯れてしまった。草花のクロサ
ンドラも活発に蒸散作用をし、つやつやしていたが、ア
ルコールで正常に水分の吸収ができなくなったためと考
えられる。観葉植物のコーヒーの木、ポトス、アイビー
では、ビールを加えた培地でコーヒーの木が一番つやつ
やし、元気で生育が良かったが、ビール培地では水分の
吸収が悪く、約1週間後ぐらいで元気がなくなった。炭
酸飲料水を加えた培地では、安定して植物が生育した。
炭酸飲料水に含まれる保存料安息香酸により、安定した
生育が保たれている。ポトスやアイビー、コーヒーの木
の葉がつやつやし、べたべたする。これは、植物が活発
に蒸散活動や光合成を行っていることを示している。ま
た、炭酸飲料水は少量で良い。
【0136】ノニオン樹脂500乃至600gを使用し
た培地にサザンクロス、デンドロビウムを植え、この培
地にワイン50ccを与えたところ、サザンクロス、デ
ンドロビウムは以前より葉がつやつやとし、しっとりと
した。実験では、花木リオンや草花クロサンドラにたっ
ぷり日本酒やビール(約400cc)を与えたため、最
初は元気であったが、すぐに枯れてしまった。ワインを
デンドロビウムやサザンクロスに少量だけ与えたとこ
ろ、とてもつやつやし、しっとりした。これらの培地
は、ノニオン樹脂500乃至600gにワイン約50c
cという、ノニオン樹脂に対して約1割程度の少量のワ
インの使用であった。従って、アルコールを含む飲料で
も少量であれば良く、これらの飲料に含まれる少量の糖
分が植物の成育に効果があると言える。
【0137】炭酸飲料水等に肥料を含ませ、土壌体の植
物に肥料として与えることにより、植物用の栄養水とし
て使用することができる。
【0138】なお、上記実施の形態において用いた具体
的な数値は例であって、これに限定されるものではな
い。
【0139】最後に、発明者が行った付随的な実験結果
を示す。発酵酒の中に有機酸が含有されており、これを
吸着させることで植物の成育を良くする事がある。切花
や植物培地に炭酸飲料に含まれている最も甘い果糖や人
間にとっても大切なぶどう糖が一番良いと考えられ、少
量これらを添加し、良い成育となっている。
【0140】植物を日本酒、ワインの培地に栽培した
時、アルコールの浸透圧で植物の水分を吸収させたり、
ノニオン樹脂培地に使用した時、ビールでは2〜3日で
葉が枯れてしまい、アルコールでは難しいことがわかっ
た。
【0141】デンドロビウムを植えて7ヶ月も経過した
汚れたノニオン樹脂培地にてワイン約50ccを与えた
後、枯れると思いこんでいたが、2週間経過後も大変葉
の色がつやつやとして明るい、黄緑色をし、新葉を付け
ている。
【0142】また、草花、マリーゴールド、日々草、カ
ランコ、ポリシャス、百日草のノニオン樹脂培地にそれ
ぞれワイン少量300gに炭酸飲料の約30cc、イオン
水15cc与えて栽培した培地に、ワイン20ccを与えた
が、良好である。また、ミニバラが伸びて3ヶ月たって
いる培地約300gにワイン50cc、ノボタンを植えた
培地1,000gでワイン100ccを与えた所、翌日1
日で新葉や新芽を付けている。ノボタンが新芽を沢山つ
けていた。
【0143】草花や花木では日本酒やビールを与えるこ
とで蒸散作用があったが、アルコールにより枯れてしま
ったが、ワインでは良い成育となっている。当初考えた
発酵酒の中の有機酸が働き汚れたノニオン樹脂を浄化
し、活性化していると考えられる。また、アルコール臭
がなく、培地の汚れた臭いがなくなっていた。
【0144】日本酒、ビール、ワインの発酵酒にはそれ
ぞれ有機酸が含まれているが、特にワインに含有量が多
く、ぶどう糖が良い効果を上げていると考えられる。さ
らに、ポリフェノールも含まれているので良い効果を奏
していると思われる。
【0145】寄って、ノニオン樹脂にイオン水+果糖ぶ
どう糖+有機酸を添加することで、より植物培地を活性
化することが可能であると言える。
【0146】切花においては水を腐らせないことが大切
であり、イオン水の使用が最も良く、榊では水道水で4
〜5日で枯れるが、イオン水を使用することで10日以
上保持することができる。また、イオン交換樹脂を少量
使用することで100cc〜600ccの水のみでさらに2
〜3日長く保持することできる。なお、水道水にイオン
交換樹脂を使用すると、約1週間の保持である。イオン
水にイオン交換樹脂の使用が最も簡単で安く、切花、榊
等を長く保持することができるが、さらに果糖ぶどう糖
や炭酸飲料水を少量また、砂糖等を与えると良い。
【0147】 清涼飲料水は保存料が含有されておら
ず、ノニオン樹脂の植物培地では、4〜5日頃より植物
を植えたことで水分が腐敗していると考えられる。糖分
を沢山添加する事で、ラベンダー、ナデシコの生育が悪
化し、最初は次から次と花を咲かせていたのに、急に茎
の下部より水分を吸収できず、茎が折れ、おじぎをした
様に前に垂れてしまった。
【0148】 炭酸飲料は保存料が含有されて切花で
も約7〜10日保持することができる。植物培地でも同
様の保持ができる。糖分によりすこぶる元気で蒸散作用
やゼラニウムの葉においても葉の周囲が全体に水滴にぬ
れてしっとりし、つやつやしていた。これらの培地で7
〜10日後植物の元気が落ちてくる。においてもイオ
ン交換樹脂を約1g使用しているかと思う。培地600
g〜1000gあり、それに応じ増やしているが、これ
らの培地でのイオンの吸着作用や除菌作用は働かなくな
っていると考えられる。これらの培地では糖分の与えす
ぎにより、過剰摂取をして水分を吸収できなくなってい
ると考えられる。これらを解決するために下記の培地を
作った。
【0149】 草花 Aマリーゴールド、日々草、ベ
ゴニア、百日草、カランコエ、ポリシャス、Bポインセ
チア、セイントポリアにノニオン樹脂300g、スプラ
イト30cc、イオン水15cc、イオン交換樹脂0.
5gを与えた。Bのポインセチア、セイントポリアには
イオン水15ccを添加しなかった。約2日でこのAは
元気を失い、ポインセチアの葉やセイントポリアの花が
首を垂れた。そこで、イオン水を各15cc与えると元
気を取り戻す。その2日後、ワイン約20ccを各AB
の培地に与える。ABは1日後も全体につやつやし、ポ
リシャスの葉には水滴が付いている。Bのポインセチア
の葉も上向きでしっかりしている。また、これらの培地
には、余分な水分がなく、吸収されている。
【0150】市販の清涼飲料、水分補給飲料、炭酸水に
ポトスを栽培していた。炭酸水(砂糖なし)にワイン少
量を与えた。各市販の清涼飲料、水分補給飲料のポトス
はぐったり葉が垂れてもう限界であったが、ワインを与
えたポトスは生き返っていた。根がしっかりし、葉も生
き生きしていた。1枚の葉が腐っていたが、これはワイ
ンを与える前の状態であり、ワインを与えたことで殺菌
作用が働いていることを語っている。ノニオン樹脂が入
っているのかと錯覚をした。
【0151】また、のABの培地、他にも、ワインを
与えているのにアルコールの臭いがなく、また、培地の
根腐れの臭いがしない。また、これらの培地で植物を持
ち上げると、根にノニオン樹脂が吸い付いている。今ま
で甘い砂糖付けの培地においては、植物は樹脂に付かな
く、植物だけがするっと離れていた。これは糖分を沢山
与えたことで樹脂の除菌や吸着作用が働かなかったと考
えられる。ワインを添加したことで樹脂が有機酸を吸着
し、除菌効果が高められた。デンドロビウムに50cc
ワインを与えたのが良好だったので、さらにワイン50
〜60cc与えた。1日で根が3cmの新根が沢山伸び
ていた。
【0152】これらのことから、アルコールは14−1
5℃ので、殺菌効果はあるとは考えられない。ノニオン
樹脂培地においてワインを添加することで、活性化が高
められ、除菌作用を強めたと考えられる。
【0153】ノニオン樹脂培地では、吸着作用や除菌作
用が効果的に働いたと考えられる。 ワインの成分…タンニン、有機酸、アルコール、果糖ぶ
どう糖、ポリフェノール タンニンの除菌作用があるので、ワインの使用が殺菌作
用を高めたと言える。
【0154】 日本酒…有機酸 少量 糖分 アルコール 水分 ビール… 〃 〃 〃 〃 乳酸、酢酸、二酸化炭素 日本酒やビールは少量使用することで糖分が蒸散作用を
活発にするが殺菌効果はあまり期待できない。よってノ
ニオン樹脂にワインを添加することで除菌効果を高める
ことができた。また、ワインを薄めて植物の根に与える
ことで、殺菌効果と葉や根の蒸散作用や光合成を活発に
することができる。
【0155】根腐れ防止剤による植物栽培方法 ノニオン樹脂ポリビニルアルコール(商品としてポリビ
ニルアルコールがある)は、膨潤倍率100〜250倍
粒状であり、水道水を吸着することで離水作用となり、
ポリオキシエチレン(商品としてアクアコーク(登録商
標)がある)との混合使用により、より保水性のある根
腐れ防止剤となった。このポリビニルアルコールは、イ
オン水を吸水すると強い吸着作用となり、除菌、ろ過、
凝固作用を持ち合わせている。水道水を吸水して離水作
用が働いても、その樹脂培地とした植物は根腐れを起こ
さず、水耕栽培の根に変換しなかった。その植物も水耕
栽培に適した植物ではなく、ごく普通の土壌栽培の草花
や観葉植物であり、離水された水が除菌作用によること
がわかる。ノニオン樹脂培地は土壌体と同様な植物の生
育である。ポリオキシエチレンの角状は面と面の重なり
の間の水分が保たれず通気性が良く、観葉植物のような
耐久性の強い根は、この水分を吸収後、樹脂を貫通し水
分を吸収する。しかし、草花、ミニバラ、シダ類等の根
の柔らかな植物は、この樹脂と樹脂の間の水分を吸収
後、樹脂を貫通して水分を吸収できないため、当初1週
間〜10日に1度水分の与えてやらなければならなかっ
た。又、ノニオン樹脂(ポリビニルアルコール)は細か
な粒状により、粒と粒の間隔が小さく、保水性に富み、
草花等の根の柔らかな植物はこの水分を吸収し、この培
地での育成に適していた。又、膨潤倍率が大きいために
保水性が保たれ、イオン水を吸着した培地では、草花、
ミニバラ、シダ類は200gで2週間に1度の水やりと
なる。またこの培地では、肥料水を吸着せずとも栽培が
可能である。この2つのノニオン樹脂を混合した培地で
の植物栽培では、約2週間に1度の水やりとなり、さら
に水道水、肥料水を吸着することで月に1度の水やりと
なる。この混合比は、ポリビニルアルコール1に対し
て、ポリオキシエチレン0.5〜1となる。ポリオキシ
エチレン粉末状においても、ほぼ同様である。
【0156】根腐れ防止剤に植物栽培方法 植物栽培において、水耕栽培と土壌栽培の2つに分類さ
れているが、それぞれの栽培方法は異なっている。いず
れも光や温度の他、水と肥料の関係であり、水を腐敗さ
せないで植物を生育する目的である。水耕栽培では水や
りの手間を短縮するために、植物の鉢底にあらかじめ水
をためてその水が腐敗しないように水を循環し、水腐れ
を防止するためにイオン交換樹脂や鉱物系のケイ酸白土
等が使用されていた。土壌体においても、水やりは忙し
く頻繁に与えられて、この水やりを怠れば植物が1週間
〜10日で枯れていた。この水やりをまとめて与えれ
ば、水たまり状態が根腐れを起こす原因となって枯れた
り、生育を悪化させるものである。この作用を助ける培
養土が開発、使用され、はるかに保水性が保たれてき
た。従来の根腐れ防止剤は吸着作用がなく、鉱物系であ
ったり、イオン交換樹脂においても植物のインナーポッ
トの鉢底使用は可能であっても、同時に多量の水分を吸
着したり、樹液等の排出物を多量に吸着することは困難
であった。又、培養土の中には、元肥、有機肥料、もみ
がら等が使用され、有機肥料の使用によりこれらの中の
微生物が植物の樹液や有機酸を吸着し、水腐れを防いだ
り保水や水はけを調整しているものである。ノニオン樹
脂の根腐れ防止剤はこれらの作用、肥料、保水Phコン
トロール、水はけ、根腐れ防止作用を同時に行うもので
ある。保水性は吸水性樹脂の本体の部分であるが、今ま
で植物培地で観葉植物の強い根では土壌体の植物の根を
洗って植えるだけで生育し、樹脂と樹脂の間の水分を吸
収し、その後の樹脂を貫通し水分を吸収して、定着する
のは容易であった。草花、シダ類等の根の柔らかな植物
を同様な培地に植えると、どうしても約1週間位で水分
がなくなり、元気を失い枯れてしまった。これを解決す
るために、粒状の保水性の高いノニオン樹脂(ポリビニ
ルアルコール)を混合することで、水分を2週間も長く
保持することができた。又、あらゆる草花の水分の悩み
を解決することができた。このポリビニルアルコールは
保水性があり、水道水で離水作用となる。ポリオキシエ
チレンの吸着作用により切花をこの培地に挿すアレンジ
メントは、1日しか保持できなかったが、ポリビニルア
ルコールを使用することで、花によっては1週間〜2週
間と長く保持することが可能となった。その他、今まで
どうしても難しかったワラビ科、プテリス、ファレイ、
クレティカ、アジアンタム、リュウビンタイ、プミラ、
タマシダ等、草花ではサイネリア、プリムラ、ハーブ、
ミニバラの他、シンビジューム、カトレア、デンドロビ
ウム等のラン科等、あらゆる植物の生育を可能とし、解
決することができた。このノニオン樹脂角状、ポリオキ
シエチレンは、吸着、除菌、ろ過、凝固作用の他、浮上
作用(水面に浮かぶのではなく、水の底面から表面近く
に均一に浮上するものである)がある。このポリオキシ
エチレンの培地に切花を挿し、アレンジメントで使用す
ると花がチリチリして枯れたりして難しかった。ポリオ
キシエチレンとポリビニルアルコールを混合使用する
と、ポリビニルアルコールの離水作用とポリオキシエチ
レンの切花使用が簡単に可能になった。図25の水質検
査結果により、膨潤したポリオキシエチレン500g
ポリビニルアルコール500gポリオキシエチレン
250gとポリビニルアルコール250gをそれぞれビ
ーカーに入れ水道水(吉田町上水 残留塩素 5mg/
l)1.2lを加え、1日室温で放置し樹脂の入って
いないものをブランクとして同様に1日間室温で放置し
たものである。この結果により、ポリオキシエチレンが
ポリビニルアルコールの塩素イオンを吸着し、ポリビニ
ルアルコールがポリオキシエチレンの蒸発残留物を吸着
し、ろ過している。 注意・・・・この浮上作用は一番大切な切花を花瓶に使
用すると、カラーコーディネートしたポリオキシエチレ
ンが新しいインテリア性を高めている。水1に対してポ
リオキシエチレン0.5使用(0.3では水の半分の位
置までしか浮かばない)。この浮上するのはアクリル系
樹脂では不可能で底に固まるか、水面に固まる。
【0157】根腐れ防止剤による土壌剤 保水と水はけの実験により、植物栽培において特に草花
栽培では土が重要な要素を持っている。土は植物の支持
体だけでなく、草花が根から吸い上げる水分を保つため
に重要であるが、植物に必要な肥料は土中の水に溶けて
染み込み、草花に吸収される。このように草花の生育に
は土と肥料とが大きな役割を果たしている。この土には
いろいろな種類があるが、植物栽培に最も適している壌
土は、砂と粘土が半分ずつ混じった畑の土である。一年
草には砂がいくらか多い砂質壌土又、宿根草(多年草)
では粘質壌土が良いとされている。砂質壌土には水はけ
があり、粘質壌土は保水性に富む土であることがわか
る。植物の実験により、ノニオン樹脂の植物栽培は土と
水の関係であり、ノニオン樹脂が土壌体と同様な生育を
することはすでに言っているが、吸着作用が水はけ作用
で離水作用が保水作用であるが、ポリビニルアルコール
は離水作用がなくても草花等の根の柔らかな植物が水分
を吸収しやすい状態であり、離水と同様な作用である。
ノニオン樹脂ポリオキシエチレンが水はけ、砂土の作用
があり、ポリビニルアルコール(みずもち)が保水の粘
土作用の関係に当たり、この混合比率はポリオキシエチ
レンとみずもち砂質壌土1:1、粘質壌土ポリオキシエ
チレンとみずもちでは1:2で植物栽培に最も適した壌
土であるといえる。一年草ではいくらか砂が多い砂質壌
土、宿根草(多年草)では粘質壌土が良く、ポリオキシ
エチレンとポリビニルアルコールは1:2で水やりが省
け、良い生育となる。又、宿根草は地下の部分が冬の間
も生存していて、春に芽を出す植物であるが、ポリオキ
シエチレンの培地において、イモ科や観葉植物ポトスな
どでも同様な作用をすることが確認されている。冬の水
やりをすると寒さで枯れてしまったりした。この作用は
根腐れ防止効果とも思われるが、ポリオキシエチレンに
水分を少し多めに注ぐと粘質壌土になり水分が少ないと
砂質壌土になる。以上はポリオキシエチレンとポリビニ
ルアルコールに水道水に液肥を吸着した栽培である。
又、ポリオキシエチレンは水道水又、降雨を吸水しても
変化はないが、ポリビニルアルコールは降雨では塩素が
含まれていないため、イオン水を使用すると吸着作用に
変化するものである。これらの2つを壌土体に使用して
も離水作用が働かなく、保水剤の効果がないことがわか
る。これらの使用は水はけはあるが離水がなく、保水剤
ではなく土壌体として使用されるものである。樹脂を離
水させるには、パルプで包んだ固形肥料を混入させた
り、アクリル系樹脂を混合使用したりすることで離水作
用が可能となる。ポリビニルアルコールは保水性が高い
ので離水作用は起こさなくても良く、草花、ミニバラ、
シダ類等の植物を植えると、すぐポリビニルアルコール
の水分を吸収し生育することが可能である。それに反し
てポリオキシエチレンのみでは、吸着作用が働くため樹
脂と樹脂の間の水分がなくなると、人手により水やりを
するか、パルプに包んだ固形肥料や殺菌したもみらなど
の使用で離水させることは可能であるが、離水される水
は肥料水であり、保水性を高めることも可能である。こ
のようにポリオキシエチレンとポリビニルアルコールの
混合使用により、植物栽培に適した壌土の根腐れ防止剤
とすることが可能である。
【0158】水質検査 1 試験目的 本試験は、水道水にノニオン樹脂(フェ・デ・フルー
ル、水もち一番(登録商標))を加えることにより、水
質に変化が生じるか確認することを目的とした。 2 水質検査 2−1試験方法 1.固形状のフェ・デ・フルール40gおよび水もち一
番10gをビーカーにいれ、そこに水道水(吉田町上
水)2lを加え、樹脂を1日間常温で膨潤させる。 2.潤したフェ・デ・フルール500g、水もち一
番(登録商標)500g、フェ・デ・フルール250
g+水もち一番(登録商標)250gをそれぞれビーカ
ーに入れ、そこに水道水(吉田上水、残留塩素0.5m
g/l)1.2lを加え、1日間常温で放置する。樹脂
の入っていないものをブランクとし、同様に1日間放
置する。 3.放置後、〜の水について、No.5Aのろ紙を
用いて、樹脂が入らないように採水を行う。 4.〜の水について、水道水法に基づく水質基準に
関する省令(平成4年12月21日厚生省令第69号)
に従い、水質検査を行う。 試料溶液 フェ・デ・フルール 水もち一番 フェ・デ・フルール+ポリビニルアルコール ブランク(吉田町上水)
【0159】ポリオキシエチレンとノニオン樹脂のろ過
作用を食塩培地とダイオキシン培地に植物を栽培し実験
した 吸着作用・ろ過作用 実験(1) ノニオン樹脂に食塩を添加した植物培地のろ過作用。
(食塩培地) 海水の塩分は100ccの海水で3gの塩分を含んでい
る。 1kgのノニオン樹脂に30g添加 1kgのノニオン樹脂に60g添加 この培地にパキラ・セローム・ベンジャミン・ポトス・
アイビーの観葉植物・ミニバラ・マリーゴールドの草花
を植える。 食塩の成分 炭酸マグネシウム、天日塩(海水)、塩 実験期間 1ヶ月半経過
【0160】パキラは3〜4日頃より葉がつやつやし、
蒸散作用が活発となっていると見られる。土壌体での生
育より良好である。ベンジャミン・セロームはあまり変
化がない。ミニバラ・マリーゴールドは3〜4日頃から
しおれる。ポトス・アイビーもあまり変化がなく、生育
が可能と見られる。 食塩30gは海水と同じ濃度である。60g培地で
も約1ヶ月ぐらいは変化はなく、ノニオン樹脂の吸着・
ろ過作用により塩分が吸着され、植物がその塩分の水分
を吸収している。約1ヶ月はパキラ、セロームの生育は
良かった。樹脂が縮小したため水分の吸収ができなくな
ったためと考えられる。耐久性のある観葉植物の栽培が
可能であるが、ノニオン樹脂のポリビニールアルコール
では約10gの食塩を添加すると5〜20分で水に分解
してしまう。この実験において砂漠地帯の植樹におい
て、ナトリウムイオンを含有するアクリル系樹脂の植物
栽培において、離水によりナトリウムイオンが流出し、
水分の蒸発により地表にナトリウムイオンが溶け出し、
これを防ぐために地面に水をかけ、ナトリウムイオンを
地下に流し込む作用をしていると聞いた。砂漠地帯での
川の水も海水と同様であり、塩分を含有し、植物栽培が
難しいとされたが、ノニオン樹脂では海水でも植物栽培
が可能であった。又、この吸着、ろ過作用は浄化槽に使
用することで大腸菌の流出を防ぐことも可能である。
【0161】吸着・ろ過作用実験(2) 塩化ビニールの燃えがら(ダイオキシン)を植物培地で
の吸着・ろ過作用による根腐れ防止剤 (ダイオキシン
培地) 実験 ノニオン樹脂1kgに塩ビの灰5g 植物 パキラ、ガジュマル、ミニバラ、コスモス、ポト
ス、アイビー 期間 1ヵ月半(12月1日〜1月15日) ノニオン樹脂にダイオキシン成分、塩化ビニールを燃や
した灰を樹脂1kgに5gを添加し、上記の植物を1ヶ
月半栽培した。水分をたくさん必要とするアイビー、ポ
トスの生育が悪かったが、寒さに弱い植物であり又、水
分を補給していないことによる。しかし、パキラ、ガジ
ュマル、ミニバラ、コスモスは何の異常もなく生育し、
ビニールを巻いて屋外に配置したにもかかわらず元気で
ある。灰による保温効果が考えられ、水分の補充もしな
いにもかかわらず、鋭敏なミニバラ、コスモスが生育し
ているのに驚いた。これらは実験用で、少量の灰を使用
しているが、ダイオキシンに汚染された培地においても
植物栽培は可能であり、ノニオン樹脂の吸着・ろ過作用
によるものである。多量の灰をノニオン樹脂培地に使用
し、灰の中のダイオキシン等の有害物質を吸着・除去
し、最小限度にすることができる。
【0162】ノニオン樹脂の吸着・ろ過作用による根腐
れ防止剤 土壌においても降雨により二酸化炭素を吸着することが
可能である。又、吸着・ろ過作用は前記炭水飲料やビー
ルをポリオキシエチレンに吸着させた実験により植物栽
培にはビールのアルコール分は良い結果はないが、ノニ
オン樹脂の吸着作用により空気中の二酸化炭素を吸着
し、ろ過することがわかる。別紙の図26から20℃で
は0.1688g/100g(=0.878ml/ml)、水100gに0.1
688g溶けることが可能である。ビールにおける炭酸
ガス濃度(1.5〜2気圧)、キリンビールは0.5%
程度炭酸ガスが溶けている。炭酸飲料における炭酸ガス
濃度(1.2〜3.5気圧)、ほぼビールに近い数値で
ある。降雨の際の二酸化炭素の数値をはるかに吸着して
いるのであり、地面の土壌体に吸収される二酸化炭素や
屋上緑化でのノニオン樹脂の使用により、吸着、ろ過作
用により二酸化炭素問題を解決するものである。
【0163】中和、ろ過剤によるノニオン樹脂の根腐れ
防止剤 実験 図29により 土の間に根腐れ防止剤を使用する土壌栽培での植物培地
は、水はけのポリオキシエチレンと保水によるポリビニ
ルアルコールによる吸着、除菌、ろ過作用からなる植物
栽培である。ポリオキシエチレンにイオン水を吸水さ
せ、ポリビニルアルコールに水道水のみを吸水させ1つ
の容器に使用すると、ろ過作用によりポリオキシエチレ
ンがポリビニルアルコールの水道水の塩素を吸着し、ポ
リビニルアルコールがポリオキシエチレンのイオン水を
吸収していることがわかる。それはポリビニルアルコー
ルに水道水のみを吸水させると、離水作用により水分が
増してくることでわかる。又、この2つのノニオン樹脂
を水道水の中に入れ、切花を使用すると、ポリオキシエ
チレンのみでは切花が難しく、約1〜2日しか保持する
ことができない。しかし、ポリビニルアルコールを混合
使用することで、ポリオキシエチレンの残留物の数値が
変化し中和されていることからわかる。又、塩素イオン
も中和されている。これらのろ過作用により、ガーデン
マットとして土壌中に使用された時、同様な結果が考え
られる。この2つのノニオン樹脂に抗菌剤を吸着させ使
用しても実験2のポリビニルアルコールとアクリル系樹
脂(WaterLock)の実験と同様なことが考えられる。土
中において、降雨は殺菌された水ではなく、ごみやほこ
りが混入されているため、図30の抗菌剤を含んだポリ
ビニルアルコールがこの降雨を吸収することで、腐敗す
ることが考えられる。これにより土壌にガーデンマット
として使用するには、肥料が大きな決め手となる。ノニ
オン樹脂は土と混合使用(混ぜて使用する)では離水せ
ず、保水作用が働かず特にポリオキシエチレンの吸着作
用のみでは室内園芸の樹脂培地と同様、保水性が不足
し、1週間に1度の水やりと同様、保水性の効果は期待
できない。よってポリオキシエチレンとポリビニルアル
コールの混合使用はお互いの欠点や不要物を中和し、ろ
過することでより良い壌土になる根腐れ防止効果とな
る。
【0164】根腐れ防止剤を使った植物栽培方法。 植物栽培の水と肥料の関係は培地と肥料の関係でもあ
る。ノニオン樹脂の混合培地とその配合例により、植物
に合った培地を作ることで水はけや保水のコントロール
をすることが可能となる。 ポリオキシエチレンとポリビニルアルコールの配合例 1:1 約1週間で水切れとなる(6日〜7日) 1:2 約2週間で水切れとなる 1:3 約3週間で水切れとなる 1:4 約4週間で水切れとなる 1:5 約5週間で水切れとなる(30日) ポリビニルアルコールのみ0:1 水切れなし ポリビニルアルコールでは200g培地で約2週間縮小
するので400gで約1ヶ月の保持となる。600g培
地で1ヶ月後200gになる。ポリオキシエチレンでは
200g培地で約1〜2ヶ月の保持であり、400gで
は2〜4ヶ月の保持となる。600gでは4〜6ヶ月で
ある。この2つの混合培地で保水性を保つことができ
る。液体肥料を使用した植物培地においても、周期的に
1〜2週間で水切れになり、水切れをした植物に水分を
たくさん与えても肥料が残っていれば生育するが、肥料
分が切れると元気は出ない。液体肥料は速効性はあって
も長期的には植物を維持することは難しく、栄養切れが
起きてくる。HB−101を吸着した植物は、肥料では
なく抗菌剤を含んだ栄養剤であるため、これのみでは1
週間ごとに活力剤を与えなければならない。チッソ、リ
ン、カリからなる液体肥料の肥料表示では、土壌体とノ
ニオン樹脂培地の水切れと同様な周期となっている。 不思議と草花(プリムラ、スノーポール、パンジー、シ
クラメン)観葉植物などポリオキシエチレンとポリビニ
ルアルコール1:1の培地では約一週間での水切れとな
る。又、シダ類、バラ、洋ランはポリオキシエチレンと
ポリビニルアルコール1:2の培地2週間での水切れと
なる。これはポリオキシエチレンやポリビニルアルコー
ルの配合が、植物栽培に適する壌土と同様な作用であ
り、この液体肥料の水やりと合致することを示してい
る。
【0165】根腐れ防止剤の植物培地の実験 実験1の
結果 E実験との吸水量、排水量の平均値によると ポリオキシエチレン 1.5kg WaterLock 1.5kg の混合とする
と、吸水量5.85l、排水量4.15l 又、 ポリオキシエチレン 1.5kg ポリビニルアルコール 1.5kg の
混合とすると、吸水量5.7l、排水量4.3l 上記は実験の平均値によるものであるが、Cとほぼ近い
数値である。AのポリビニルアルコールとWarterLockの
吸水量5.8l 排水量4.2lとEのポリオキシエチ
レンとWaterLockの吸水量5.8l 排水量4.2lと
同様な数値により、の平均値と吸水量5.7l、排
水量4.3lとほぼ同様な吸水、排水量を示しているこ
とが言える。2種類の混合使用は最多量の水分を吸収
し、最小の排水量とすることが可能である。アクリル系
樹脂はナトリウムイオンを含有し、膨潤時間や膨潤量は
大きいが、縮小したときの格差が大きく又、縮小すると
植物の水分を吸収してしまう欠点を持っている。又、高
温により溶けてしまうため常温の使用である。植物栽培
用土として使用しにくいところを持ち合わせている。ノ
ニオン樹脂の離水するこれらの膨潤時間を有する樹脂が
あれば一番良好な組み合わせであり、より良い栽培が可
能となる。しかし、離水作用は吸着作用が伴わなければ
アクリル系樹脂による水耕栽培の生育となり、根腐れを
起こすので注意が必要である。Eとの平均値による
吸水量5.85l 排水量4.15l 単品の吸水量、
排水量がCより大きいことがわかる。3種類の混合使用
の排水量は大きい。降雨の少ない地域では、ノニオン樹
脂を使用して海水を生活用水としたり又、屋上での降雨
をろ過し、生活用水に使用することも可能である。(ろ
紙に包むことで水分を排出させられる)
【0166】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1− ポリビニルアルコール(みずもち)の培地 図27を参照すると、ポリビニルアルコールは水道水
では離水作用になるが、肥料を吸着させることで吸着作
用となり土の中では根腐れをしない吸着作用となる。実
験1−ではポリビニルアルコールのみの植物栽培は保
水性に富み、土壌体内では気化せず、長期的な使用が可
能であるが、実験のミニバラ培地でポリビニルアルコ
ールとWaterLock培地ではどちらもイオン水入HB−1
01を吸着していたが少量の使用であり、約1週間から
10日でWaterLockの離水により根腐れを起こしてい
た。水はけの悪い状態であったが、これはポリビニルア
ルコールとWaterLockの同様な膨潤倍率であり、ポリビ
ニルアルコールが過剰な吸水ができなくなったことによ
るもので、このようにのポリオキシエチレンやポリ
ビニルアルコールをアクリル系樹脂の混合比率は1:1
より1:0.5〜0.8としなければならない。又、
1:1の時はイオン交換樹脂を使用すると良い。ポリオ
キシエチレンをポリビニルアルコールの調整剤として使
用することで、根腐れ防止を強化できる。サザンカの生
育が良かった。
【0167】実験1− 実験1−WaterLockは離水する保水作用があり、保水
性はあるが図C−Aにより、根腐れするのでポリオキシ
エチレンとの混合使用が適している。ポリオキシエチレ
ン:WaterLock(アクリル系樹脂)は1:1の混合使用
で植物が土壌内の根で良好な生育となるが、WaterLock
がポリオキシエチレンより多い培地は水耕栽培の根の生
育になり、実験15により根腐れをしやすいので注意が
必要である。ポリオキシエチレンより少なく1:0.8
位とする。の実験は砂漠の植樹の場合と同様なパター
ンということができる。アクリル系樹脂の離水により、
ナトリウムイオンが地上に気化し、地下に水をかけて地
面にナトリウムイオンの水分を沈めているようなことに
なる。又、離水により水たまりができたり樹脂が縮小し
て植物の水分を取ることなども考えられる。 実験1−アクリル系樹脂のWaterLockの培地では、サ
ザンカのつぼみの開花が早かった。これらは10lの水
を注いだことで開花したものであるが、水を注ぐことで
植物の根の水分吸収を活発にしたものである。しかしバ
ラの色つやが悪く、生育の変化がない。縮小すると植物
の水分を吸収してしまい植物が枯れてしまう心配があ
る。
【0168】土壌体の根腐れ防止剤による植物栽培方法 人工培地で実用新案出願後、保水剤使用を取扱説明書に
記載し販売したが、このポリオキシエチレンでの土壌と
の混合使用は保水効果が薄かった。又、イオン交換樹脂
も同様に使用してきた。実験1−A〜Dの実験培地に植
物 バラ、雪つばき、ブルーポイント、ゴールドクレス
ト、サザンカ、パンジーのインナーポケットをはずし、
植えた。実験期間は約3週間である。AとCのポリビニ
ルアルコール(肥料吸着1kg、HB−101吸着50
0g)を使用した。このAとC肥料を吸着させた培地で
は、サザンカのつぼみがすぐ咲き、バラの開花も非常に
早かった。しかし肥料を含んでいない培地では、あまり
生育の変化が見られない。ポリビニルアルコールはアク
リル系樹脂と違って離水作用がなく、土壌と混合すると
図C−Bと同様な状態で土が湿らず、植物の根が土で隔
離された樹脂の水分を吸収することは難しく、保水効果
を発揮することができなかった。このポリオキシエチレ
ンと土壌との混合使用では土壌の約半分を使用しても、
夏期においては1週間に2〜3回の水やりは必要とな
る。
【0169】実験1− 実験1−ではと比較してポリオキシエチレンの吸
水量が一番大きく、また排水量も一番少なかった。ポリ
オキシエチレンは膨潤倍率が一番小さく、100%吸水
しているにもかかわらずでは多量の吸水をし、少しの
排水量であり、保水作用を保っている。これは樹脂と樹
脂の重なりにより、樹脂が水分を抱きかかえ保っている
ことがわかる。離水しない分の水分を抱きかかえる保水
作用があるが徐々に吸収してしまうのである。この状態
は粉末のポリオキシエチレンでは難しい作用である。 ポリオキシエチレンを土壌の中にガーデンマットとし
て敷いた使い方であり、肥料を吸着しているが、植物の
根は樹脂の表面の水分がなくなると約1〜2週間で庭木
や樹木の強い根は樹脂を貫通して水分を級数する事がで
きるが、しかしの培地では、バラ、サザンカはすぐ開
花せず、ゆっくりつぼみを膨らます生育である。ポリオ
キシエチレンの土壌培地では草花や花木では樹脂より水
分を吸収することは難しいのでポリビニルアルコールの
混合使用すると良い。粉末状のポリオキシエチレンで保
水作用を促すか、パルプに顆粒肥料を包み、人工的に手
を加えなければならない保水方法である。は土壌の表
面が一番乾いているので、パンジーにつぼみが付き生育
が良いのは吸着作用や水はけ作用の効果である。一年
草、庭木、樹木の栽培に適している土壌培地である。
【0170】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1−C ポリオキシエチレンとポリビニルアルコールの混合使用
による栽培方法である。図29を参照すると、ポリオキ
シエチレンとポリビニルアルコールの混合使用で、保水
と水はけがうまく使用される組み合わせである。混合比
率は1:1。栽培される植物は草花等に適している壌土
の培地である。Cの培地でバラ、サザンカ、ブルーポイ
ント、パンジーを植えた栽培では、ブルーポイントはポ
リオキシエチレン培地が適していて、バラ、サザンカの
花木は保水性が必要で、土壌の中での使用においても保
水性を高め、ポリオキシエチレンとポリビニルアルコー
ルの混合比を1:1〜1:5使用量とすることで、水や
りを短縮することが可能となる。この両方の吸着作用で
はあるが、ポリオキシエチレンが吸着作用であり、ポリ
ビニルアルコールは離水しない保水作用である。又、こ
の水やりの回数は肥料濃度の関係であり、土壌の中では
3〜6ヶ月の吸水量とする。ポリオキシエチレン4〜6
ヶ月で約5〜10倍の濃度でイオン交換樹脂の併用で水
やりや降雨によりコントロールをされる。草花、花木の
栽培にも適している。Cではポリビニルアルコールに肥
料を1.5kg中1kgの肥料と500gのHB−10
1が混入されており、植物に10lの水を与えたもので
あるが、サザンカ、バラ、ブルーポイントの生育が良い
ことを表す。また、この培地は吸気に触れなければ、気
化しない特徴がある。Cポリオキシエチレンとポリビニ
ルアルコールを混合使用することで、液体肥料を吸着し
保水作用を高めることができる。又、パルプ入り顆粒と
固形肥料やポリオキシエチレンの粉末でポリビニルアル
コールの離水作用を促すことが可能である。又、植物を
植え替えた後、1ヶ月くらいは水道水の水やりを1〜2
回することで根が定着し、ひとりでに樹脂を貫通し水分
の吸水が可能である。A、Cはどちらも土壌体の植物と
同様な生育となるが、降雨の少ないところでの使用が良
い。降雨が多いとポリビニルアルコールの吸水量を上回
り、根腐れを起こすことが考えられるならばAは不要と
なり、雨のない所では、、Cを土壌体の中に使用す
ることで気化せず、3年も保水効果があるとされている
が、肥料を使用することで長期的な根腐れ防止剤とする
ことが可能である。これらの実験によりCの植物栽培に
おいて、屋上ガーデン、花壇、プランター、砂漠での使
用は水やりや降雨の少ない土壌培地での植物栽培に適し
ている土壌に値する土壌剤により植物栽培であるという
ことができる。
【0171】根腐れ防止効果による植物栽培方法 1−C これらを解決するにはポリオキシエチレンとポリビニル
アルコールの水はけ、保水、根腐れ防止効果による高い
肥料濃度で水やりを短縮する樹脂の特徴を生かした植物
栽培方法である。ポリオキシエチレンとポリビニルアル
コールを1:1を1:4〜1:5の分量とする培地に代
え、液肥の濃度を高め、水やりの回数を減らし月1回と
する方法の栽培である。又、ポリオキシエチレンを少し
増加することで、水分をたくさん与え、月1回の水やり
とする方法がある。又、膨潤し配合された培地1:2〜
1:5の培地は多湿培地には一年草のパンジー、ノース
ピースを栽培するには適当ではないので、この時イオン
交換樹脂を0.5g添加することで水はけの良い培地と
することが可能である。つまり、ひとつの培地で多様な
培地を可能にする栽培方法である。これらは室内用はほ
ぼ気化し、乾燥が早いが、地下は気化せず長く使用が可
能である。肥料と水やりの同一作用であり、根腐れ防止
効果とろ過作用によるものである。室内培度では1週間
に1回の水やりを月2回〜月1回の水やりをするには植
物に合った肥料濃度を表示の約2倍〜約5倍にし、イオ
ン交換樹脂の併用することで可能とすることができる。
【0172】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1−B、D ポリオキシエチレンとポリビニルアル
コールとWaterLockの混合培地 図27〜図29を参照すると、実験1−Bにおいても同
様にポリビニルアルコールに抗菌剤HB−101を使用
しているが、液体肥料を吸着していないために植物の開
花が遅れていることと、保水性が不足していることが言
える。BとDではよく似た水はけの生育である。図29
のDではノニオン樹脂とアクリル系樹脂の混合培地の実
験であるが、両方の吸着、離水作用を取り入れ保水、水
はけを考慮した培地であり、実験1−BとDに該当す
る。3種類の機能性を生かした時、大きな効果をもたら
すと思われるが、吸水量、排水量が一番低く、保水量も
離水によるものと保水によるもので大きいが、水はけ作
用があり、草花の生育がゆっくりであるが、確実な生育
となる。バラ、パンジーに適している。寒冷地での地下
の水はけを良くしないと、寒さで水が凍ってしまうの
で、水はけを大切にした栽培方法である。この実験によ
り、2種類の混合により3種類の混合が水はけを良くし
ていることがわかる。又、ポリオキシエチレン、ポリビ
ニルアルコールWaterLock(米国製)の混合比は1:
1:1の同量としている。吸水量は少ないが、一番安全
で確実である。以上のことから、保水と水はけ、根腐れ
防止と考えると降雨の多い地域での植物栽培は排出量の
多いDが良い。ノニオン樹脂の除菌効果は、アクリル系
樹脂の離水量に対して、樹脂の使用量を上回らなければ
効果が上がらないので、DもしくはBとなる。一番安全
な培地である。
【0173】実験1−E ポリオキシエチレンとアクリ
ル系樹脂WaterLockの混合培地 Eはアクリル系樹脂の混合使用による離水する培地、水
耕栽培に適している培地である。このWaterLockやアク
リル系樹脂の混合使用では、ポリオキシエチレンの除菌
作用やろ過作用により、離水による水腐れを防ぐことが
できる。混合比率は室内用培地では1:1,地下では
1:0.8〜0.5位とし、ポリオキシエチレンの使用
量より2割程度の少ない量とすると、降雨による根腐れ
を防止する。ポリオキシエチレン約150〜200gイ
オン交換樹脂の約0.5gと同様な水はけ作用をするこ
とにより使用する方法である。又、地下において降雨の
たまり水を知ることができないので、イオン交換樹脂の
使用量は少量の使用とし、離水作用を妨げない様にす
る。又、水やりを省くために植物が耐久性のある植物で
あれば、多量の給水でも良い培地である。
【0174】根腐れ防止剤による肥料・土壌剤 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂の実験により、ポリオキ
シエチレンでは1週間から2週間位で肥料を使用しない
と植物の生育が難しくなることを言った。ポリビニルア
ルコールでの実験では肥料を全く使用せず、水道水で膨
らましたところ、離水により約2週間位で肥料を使用し
ないと生育が難しくなったが、イオン水を吸着すること
で除菌効果がさらに働き、2週間から3週間でも生育効
果が上がることになった。又、実験1−A、Cでポリビ
ニルアルコールに肥料を吸着させているが、他の〜
、B、D、Eでは抗菌剤HB−101の使用であり、
チッソ、リン、カリからなる肥料ではない。又、ポリオ
キシエチレンとポリビニルアルコールの混合培地では、
月に1〜2回の水やりとなり一番良好な生育となる。室
内培地では非常な良い生育であり、水道水に液肥の使用
が良い。このように樹脂の混合による組み合わせによ
り、肥料を吸着させることでさらに保水性を加えたり、
水はけを良くしたりすることから肥料の使用が効果的で
あり重要である。又、1ヶ月後では樹脂が縮小、あらか
じめ水分をたくさん与えることができるが、これらの方
法は水耕栽培の方法とも言えるが、水分を多量に与えて
も植物の樹液等の汚れを除菌、ろ過作用によるものであ
る。又、水耕栽培の根に変換しないものである。宿根草
の草花、観葉植物、花木、庭木、シダ類、ラン等は可能
である。一年草などの草花でも水分を多く含んだ培地で
も、ポリオキシエチレンを増やしたりイオン交換樹脂を
合わせ使用したりすることで水はけを良くし、調節する
ことが可能となる。これまでにもイオン交換樹脂を使用
することで、水の浄化作用を促し、肥料濃度を一定にし
栽培したものである。このイオン交換樹脂の作用をノニ
オン樹脂が兼ねて備えているものである。これらの作用
を土壌体の中ですることや、肥料濃度を高くすることで
水やりの回数が縮小し、気化せず長期間使用が可能とな
る。又、室内においてもノニオン樹脂の縮小する日数や
期間に応じて約1〜3ヶ月の水やりや肥料やりを省くこ
とができる。日本の国土が酸性度により、植物作物に携
わる農家では、酸性土壌をアルカリ性に変換し植物作物
を栽培してきたものである。又、この土壌を保水させる
ために、籾殻や腐葉土などが使用され、有機農法により
微生物が植物作物より出る有機酸を食し、栽培され又、
殺菌消毒して再度土壌を使用してきた。この作用はノニ
オン樹脂で、肥料と保水と根腐れ防止又、植物栽培の適
合する壌土のコントロールを同時に行うことが可能であ
る土壌体の代用であり、降雨のない地域での植物作物の
土壌材として又、肥料を吸着した根腐れ防止剤の肥料と
して使用が可能である。
【0175】稲作栽培の方法 稲の栽培は主に水耕栽培であるが、十分な水があれば畑
にも作ることができる。稲の栽培は前年中に田を耕し、
水を引いて稲代に3〜5月籾まきをする。30〜50日
後に田植えをし、除草、中耕、農薬散布、灌漑等の管理
を経て、穂が出て40〜50日に刈り取りを行う(8〜
11月)。稲の発芽の最適温度は30〜34℃である。
生長に日照の他、水と肥料が必要である。又、穂がつい
たまま発芽する。稲は水中でも発芽するが、水が多すぎ
ると酸素不足になり、根が伸びない。湿った所では酸素
が十分あれば発根し、地上部も生育する。田の水を落と
すのはこの理由である。植物の生長には適当な温度があ
り、稲の場合も生育する環境の温度と、特に水温が生育
に大きな影響を与える。田の水の取り入れ口から水温の
低い灌漑水が入ってくるため、その付近の稲の生育は遅
れている。この場合、肥料分が薄められて1反のたの約
3分の1は収穫が少ない。このように稲の栽培には時間
と手間をかけた管理がなされ、多大な労力をかけ営まれ
てきた。近年機械化の発達で変化はあるが、稲作栽培は
重労働である。これらの労力の軽減は、これからの農業
を変換しなくては後継者や労働力を失うもとである。ま
ず田を耕しておく。ノニオン樹脂に肥料を吸着させ膨潤
させ、田んぼ以外の所での発芽をさせて稲になってから
機械で植えるか、直に機械で樹脂を敷きながら種をまい
ていく等方法は色々ある。種も簡単に発芽する。又、水
温の管理は簡単である。室内であれば、3〜4日で発芽
し発根が可能である。春の冷たい田んぼの水の中にまく
より、樹脂培地は保温される。又、ノニオン樹脂は凝固
作用もあり稲作には最適である。観葉植物と同様に水さ
えあれば生育が可能な植物であり、観葉植物より簡単に
生育が可能である。特にノニオン樹脂にイオン交換樹脂
を使用することで水腐れを防ぎ、イオン交換により少量
の肥料で最大の効果を上げることが可能である。
【0176】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1−A ポリビニルアルコールとWaterLockの培地 図29によりアクリル系樹脂の離水作用により、土壌が
水分を保ち、水やりをせずとも植物栽培が可能となる。
実験1−Aは実験2のミニバラ培地と同様な作用とな
り、WaterLockの離水作用と、ポリビニルアルコールの
保水性により非常にスピードのある生育になるが、水や
りや降雨により根腐れを起こすことが考えられる。この
培地ではミニバラを約20本植える。ポリビニルアルコ
ールとWaterLockを同量にイオン水とHB−101を吸
着させた培地である。ミニバラ20本に対して抗菌剤の
使用量が少な過ぎた。約1週間は非常によい生育であっ
たが、10日よりWaterLockの離水により、水分が過剰
になり少し根腐れ状態を起こしている。このようにポリ
ビニルアルコールが吸着作用であっても、アクリル系樹
脂の離水により水はけが悪い状態になり、ポリビニルア
ルコールの吸着作用が伴わなくなる。この実験は土の中
の使用でも水たまり状態になり根腐れを起こすことが考
えられるので肥料濃度を高め、アクリル系樹脂の使用量
を少なくすることで、根腐れを防ぎ又、使用量はポリビ
ニルアルコールとWaterLock1:0.8とする。又、イ
オン交換樹脂は降雨の少ないときの離水作用を吸着作用
に変換してしまうので、注意が必要である。実験1−A
とCのポリビニルアルコールに液体肥料を吸着させて使
用した培地でのバラ、サザンカのつぼみが10lの水を
与えたことで保水効果が発揮され、非常に早く開花し
又、良い生育となった。室内用培地では約300〜50
0gの培地ではポリビニルアルコールとWaterLockの混
合使用が適しており、1:0.8位の使用量が良い。培
地でシダ、ミニバラ、プリムラの生育が良い又イオン水
に抗菌剤HB−101の使用であるが、殺菌効果は肥料
を使用することでよい組み合わせである。
【0177】根腐れ防止剤による屋上の植物栽培方法 屋上ガーデンは、ノニオン樹脂のガーデンマットを敷く
ことで、二酸化炭素を吸着、ろ過し、又、夏場のビルの
ヒートアイランド現象を和らげることが可能である。植
物栽培は、保水、水はけ、根腐れ防止 台風や強風の風よけ、防止 直射日光の防止 が必要とされる。 の風よけは、特に植物だけでなく、風や地震で物が飛
んだり落下することで、他人の命にかかわることであ
り、低い建物では木製の風よけ、また高い建物ではスチ
ール製の風よけやネットを張り、風で軽くなったプラン
ターや植物が飛ばないよう危険防止をすることが大切で
ある。は直射日光が当たることで、水分の蒸発や高温
により植物が元気を失うことが考えられるため、塀のよ
うな風よけ等で防止することが大切である。の根腐れ
防止剤角状ポリオキシエチレンを不織布の袋に入れて敷
くことで、降雨に混入する二酸化炭素を雨と同時に吸着
させるものである。この樹脂は膨潤倍率が低く弾力性に
富み、水はけも良く、膨潤時と縮小した時の差が少な
く、時間をかけてゆっくり膨らんだり縮むのが特徴であ
る。不織布に包み、ネットに入れ、縦横30〜50cm
の袋入りとして使用するとよい。これを屋上に敷くこと
で、かなりビルの熱が下がると考えられる。樹脂の他、
木炭や軽石等を使用し凹凸をつくり、その隙間にこのポ
リオキシエチレン(小袋入り縦横5〜15cm)を使用
し、平らにして植物を植えたプランターを配置すること
ができる。とうもろこしのもみがらとノニオン樹脂の発
泡体を植物培地として直接花を植えることも可能とな
る。発泡体は軽いのであまり大きく重いプランターの下
には使用できないが直接花や植物を使用する培土とする
ことも可能である。さらに、水はけを考慮する場合は、
ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ウォータ
ーロック(米国産)またはアクリル系樹脂のミックスの
使用が良い。このプランターは土や樹脂の粒が小さい
と、降雨により流れ出てしまうので、不織布を敷くと良
い。又、プランターのポリビニルアルコールとポリオキ
シエチレンの使用で、1、2ヶ月に1回の水やりで植物
の栽培が可能となる。又、大きな植物では安定感を持た
せるために、プランター内にポリビニルアルコールと木
炭を入れ、木を支え水の殺菌・浄化作用をする。約1ヶ
月で樹脂の凝固作用で固まる。アクリル系樹脂やポリビ
ニルアルコールは膨潤倍率が大きく、膨らみと縮みの差
が大きいので、雨が降らないと縮小してしまう。ポリオ
キシエチレンは屋上ガーデンで吸着、ろ過、除菌、凝固
作用が働くことにより、大きな効果を得ることが可能で
ある。降雨にはほこり等が含まれている。土の代わりに
木炭を使用し浄化作用や殺菌効果を高めると共に、軽石
や抗菌剤、除菌剤を含む松、杉、檜の木の皮や、抗菌剤
を含む食材のワイン、アガリクス、キトサン、カテキン
等の成分が流れ出ることで殺菌効果を高め、腐敗しない
ように殺菌加工し、土の代わりとしてノニオン樹脂を覆
うことで殺菌効果を高めることができ、又、樹脂の乾燥
を防ぐと共に、癒しの屋上ガーデンが可能となる。
【0178】適性植物 地域の気候にあった植物。特にビルの夏の暑さや温度に
適合する植物が良い。庭木や街路地に栽培される花木
は、気温の格差にも順応する。観葉植物やサボテンは寒
さに弱いので、ハウスや温室を必要とする。草花では一
年中咲いているものが良い。多年草は一度植えると翌年
も発芽し、手がかからない芝桜やマツバギク等背が低い
もの。 草花 多年草(宿根草)は手がかからなくて良いが、
春咲きが多く夏咲きは少ない。一年草で一年中咲いてい
る花(下記) パンジー、ベゴニア、ゼラニウム、コスモス、日々草、
ジニア(開花時期 初夏〜秋)スピードリオン(開花時
期7〜10月)、ガーデンカーネーション(開花時期4
〜11月、多年草)、ラベンダー(開花時期6〜8月、
常緑低木) 花木・庭木 寒さや暑さにも強く庭木として使用され
ているが、水やりがほとんどいらない。 ビャクシン、ブルーポイント、ゴールドクレスト、サル
スベリ、ルリヤナギ、キンモクセイ、サザンカ、ツバ
キ、バラ、レッドビン、ヒサカキ、金芽つげ、ムクゲ
(開花時期7〜9月頃)、ハイビスカス
【0179】図31と図32は、屋上ガーデンの植物栽
培方法の例であり、 このノニオン樹枝の保水性、水は
け、根腐れ防止の作用を花壇、プランターに使用するこ
とで、水やりを省いた根腐れ防止の植物栽培が可能にな
る。降雨のみならず、寒冷地では保水性は低く、水はけ
を高くしなければならないが、都市部での屋上ガーデン
では夏の高温に対処し、保水性をさらに高め、水はけを
低くおさえる栽培となる。アクリル系樹脂は縮小すると
植物の水分を吸収することを考慮し、Cのポリオキシエ
チレンとポリビニルアルコールの混合使用と、木炭の混
合の栽培となる。Cの培地によりさらにノニオン樹脂3
kg〜5kgとする(3割〜5割)。ノニオン樹脂に木
炭を1割程度(300g〜500g)を使用する。水や
りは1〜2ヶ月に1回程度でよい。ノニオン樹脂に肥料
またはHB−101を吸着し使用する。植物は土壌体の
ポットや鉢から取り出し、土の上に乗せる。肥料水を約
1500cc〜2000ccをプランターの植物の周囲
に注ぐ。その上に抗菌剤、木炭、木の皮等の抗菌効果あ
る素材や又、軽石を乗せて熱を遮断するのが適度な通気
性を持たせる。屋上緑化は夏場に気温が上昇するヒート
アイランド現象対策として注目され、屋上に大量の土を
盛るため、一部が流出して下水管を詰まらせる恐れがあ
るほか、給水作用に手間がかかるなどの問題がある。こ
れらの解決に根腐れ防止剤のガーデンマットを使用する
ことで二酸化炭素問題を解決することができた。
【発明の効果】以上のように本発明は、土壌栽培植物を
吸水ポリマー製人工培土に植え替えて栽培する際に、一
旦イオン交換樹脂を添加してなる馴化培地での栽培を行
い、新根の成長を待って吸水ポリマー製人工培土による
植栽に移行するようにしたもので、土壌栽培植物の吸水
ポリマー製人工培土での植栽を可能としたものである。
また、本発明は、紙の粉砕セルロースのブロック体又は
シート体内に、粒状又は微粒状の吸水樹脂を散在させた
り、更に液肥又は抗菌剤等を散在保持させてなる植物用
保水体で、所望の有効成分並びに所定の保水機能を具備
させることができたもので、他の給水ポリマー樹脂と併
用しても保水機能が阻害されことがなく、その利用範囲
は広く、植物の室内装飾その他に便利な器具を提供でき
たものである。また、本発明は、ノニオン樹脂を植物用
培地として使用するようにしたので、土壌体の植物を容
易に植え替えることができる。また、ノニオン樹脂には
根腐れ防止効果及び保水効果があり、手間をかけなくて
も植物を長持ちさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の説明図。
【図2】同第二実施形態の説明図。
【図3】本発明の製造方法の実施形態の説明図(ブロッ
ク体形状)。
【図4】同図(シート体形状)。
【図5】同第一使用例の説明図。
【図6】同第二使用例の説明図。
【図7】同第三使用例の説明図。
【図8】同第四使用例の説明図。
【図9】同第五使用例の説明図。
【図10】同第五使用例の別例の説明図。
【図11】同第六使用例の説明図。
【図12】同第七使用例の説明図。
【図13】同第七使用例の別の保水体の構造説明図。
【図14】ノニオン樹脂による細菌繁殖抑制効果確認試
験の試験装置を示す図である。
【図15】土壌体の植物をノニオン樹脂培地に植え替え
た後の植物の変化を示す図である。
【図16】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例
を示す図である。
【図17】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例
を示す図である。
【図18】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例
を示す図である。
【図19】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例を
示す図である。
【図20】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例を
示す図である。
【図21】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例を
示す図である。
【図22】花壇やプランターでノニオン樹脂のガーデン
マットを使用した例を示す図である。
【図23】砂漠や街路地でノニオン樹脂のガーデンマッ
トを使用した例を示す図である。
【図24】ノニオン樹脂を水耕栽培に使用した例を示す
図である。
【図25】水質検査結果表である。
【図26】気体の水に対する溶解度を示す表である。
【図27】土壌体の植物培地の実験を示す図である。
【図28】土壌体の植物培地の実験を示す図である。
【図29】植物栽培の例である。
【図30】抗菌剤の成分を示す図である。
【図31】屋上ガーデンの植物栽培方法の例を示す図で
ある。
【図32】屋上ガーデンの植物栽培方法の例を示す他の
例である。
【符号の説明】
1 土壌培地 2 観葉植物 2a 草花植物 21,21a 根 3 イオン交換樹脂 4,4a 馴化培地 5 容器 6 吸水ポリマー製人工培土 31 古紙 32 木綿 33 ミキサー 34 粉砕セルロース 35 吸水樹脂 36 水 37 型 38 抗菌剤 39 保形剤 40 液肥 40a 固形肥料 41 周面被膜 41a 被覆体 42 透水性被膜 43 非透水性被膜 44 珪酸塩白土又はシリカ A,B,C,D,E,F,G,H,I,A1,D1,I
1 保水体 a 他のポリマー培地 b 植物 c 水 d 鉢 e 土
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月24日(2002.5.2
4)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 吸水ポリマー製人工培土による植物栽
培方法、植物用保水体及びその製造方法並びに使用方
法、根腐れ防止剤及び根腐れ防止方法、並びに保水剤及
び保水方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌栽培植物を吸
水ポリマー製人工培土に植え替えして栽培する植物の栽
培方法、植物培地,切り花等の栽培用や装飾用のベース
体,育苗床,包装用等として使用される植物用保水体及
びその製造方法並びにその使用方法、根腐れを防止する
根腐れ防止方法、並びに保水剤に関するものである。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】吸水ポリ
マー製の人工培土による植物栽培は、透明容器に着色ポ
リマー培土を使用することで、カラフルなものとなり、
室内観賞用栽培として行われていることが知られている
(実開昭60−133776号公報、実開平6−524
24号公報)。また人工培土となる吸水ポリマーも種々
提案されている(特開平8−256592号公報)。
【0003】ところでこれらの吸水製ポリマーの人工培
地での植物の栽培は、水耕栽培植物に限られていた。即
ち土壌栽培した植物をそのまま水耕栽培や吸水ポリマー
製培土に植え替えると、根腐れを起こし、植物が枯れて
しまう。
【0004】そこで本発明者は、植物に馴化過程を施す
ことで、土壌栽培植物の吸水ポリマー培土への植え替え
栽培が可能となることを知見し、本件発明を提案したも
のである。
【0005】また、室内観賞用鉢植えの培地として吸水
性樹脂(吸水ポリマー)が採用されていることは公知で
ある(実開平6−52424号、登録実用新案3057
622号)。吸水樹脂(熱可塑性ノニオン型樹脂)は、
保持している水分を直接植物の根に供給できるので培地
として適している。
【0006】しかし現在その使用形態は、ブロック状に
しての鉢植えとしてしか使用されていない。そこで本発
明は、吸水ポリマーをより有効に使用できる新規な構造
の保水体を提案したものである。
【0007】また切り花や榊などの枝切り植物を、室内
等に飾るための植物保持体として「オアシス(商標)」
と称される発泡体やスポンジ体が知られている。この発
泡体やスポンジ体は、植物を刺突できる硬度のもので、
水中に配置することで部材内に水が浸透し、刺突された
植物への給水を実現するものである。
【0008】ところで前記発泡体等は、必ずしも外見上
綺麗なものであるとは言えないので、切り花などの室内
装飾に際しては、適宜な花瓶内に発泡体を収納したり、
発泡体部分を防水紙でラッピングして隠し、安定性付与
のために籐篭等に収納して飾る様にしている。
【0009】しかし透明容器を採用した場合に、前記発
泡体を隠すために吸水ポリマーを発泡体周囲に配置する
と、蒸発等によって吸水ポリマーの水分が減少した分、
発泡体に保持されている水分を吸水してしまうので、植
物への給水能力が減じてしまい、花が長持ちしない。そ
こで本発明は、吸水ポリマーとの併用も容易に実現でき
る保水体及びその使用を提案したものである。
【0010】また、近年、二酸化炭素の増加による地球
温暖化の防止を目的として植樹の重要性が叫ばれている
が、かつて吸水性樹脂を用いた植物の栽培は困難であっ
た。それは、アクリル系樹脂を用いていたためである。
即ち、アクリル系樹脂は、吸水性は高いが、アクリル系
樹脂から離水される水を腐敗させることなく、植物を栽
培しなければならないからである。
【0011】また、水を腐敗させることなく肥料濃度を
高めることにより、その肥料のイオンを植物が吸収し、
生育するが、植物から排出される樹液を吸着しないと、
汚れた有機酸が貯まる。このため、植物を植えてから3
乃至5日は元気であるが、約1週間で元気がなくなり、
少しずつ枯れたり衰えたりする。これは、植物が根腐れ
を起こしていることを示しており、アクリル系樹脂を植
物の培地として使用したとき、植物の成育は困難である
ことを示している。
【0012】これらの問題を解決する根腐れ防止剤はあ
るが、この根腐れ防止剤を併用しても、アクリル系樹脂
から溶け出る肥料イオンを吸収し、成育する植物の根は
水耕栽培の根である。室内園芸では栽培は可能である
が、土壌体においては水耕栽培の根は腐り、アクリル系
樹脂が多いと水耕栽培の根となり、土壌体の根が腐る。
そこで本発明は、イオンを含有していないノニオン樹脂
の吸着作用と除菌作用を利用して、根腐れ防止効果を有
する新たな培地を提案したものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吸水ポリマ
ー製人工培土による植物栽培方法は、土壌培地で栽培し
てなる観葉植物や草花,花木植物を、土壌培地から分離
して根を洗浄し、洗浄後に根をそのまま或いはカット
し、根をイオン交換樹脂又は更に液肥や吸水ポリマーを
少量加えた水中に漬けて数日間栽培し、新根が認められ
たら必要に応じて吸水ポリマーを少量加えながら栽培を
行い、新根の充分な成長を確認した後、吸水ポリマー製
人工培土で栽培してなることを特徴とするものである。
従って土壌栽培の植物は、水耕栽培状態に一旦移し替え
られるが、イオン交換樹脂の活性化機能によって、新根
の発生が促進され、水耕栽培に対応した新根の成長やカ
ットされた根の再成長で、水耕栽培対応が可能となり、
吸水ポリマー製培土での植栽が可能となるものである。
また、本発明に係る植物用保水体は、古紙その他を解砕
した粉砕セルロースのブロック体又はシート体内に、粒
状又は微粒状の吸水樹脂を散在させてなることを特徴と
するものである。またブロック体又はシート体内に、必
要に応じて抗菌剤や防腐剤を散在させたり、液肥を含浸
させたり、表面を透水性又は非透水性膜体で被覆してな
ることを特徴とするものである。従ってセルロースマト
リックスに吸水樹脂が内在しているので、吸水させて保
水状態とすると、植物培地,切り花等の栽培用や装飾用
のベース体,育苗床として使用でき、更にシート状にし
て切り花の包装用として使用できるもので、水分補給が
なされなくとも、保水体内の吸水樹脂が担持している水
分によって植物への給水が可能である。また特に液肥を
含浸させたり、抗菌剤等を混在させることで、植え替え
の失敗を少なくし、更に切り花等を長持ちさせることも
できる。請求項23に記載の根腐れ防止剤は、ノニオン
樹脂を植物用培地として使用することを特徴とする。請
求項24に記載の根腐れ防止剤は、ノニオン樹脂にイオ
ン交換樹脂を加えたものを植物用培地として使用するこ
とを特徴とする。請求項25に記載の根腐れ防止剤は、
ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所定の割合で混合し
たものを植物用培地として使用することを特徴とする。
請求項26に記載の根腐れ防止剤は、ノニオン樹脂とア
クリル系樹脂とを所定の割合で混合したものに肥料を加
えたものを植物用培地として使用することを特徴とす
る。また、ノニオン樹脂の形状は、帯状の薄板状に整形
されたノニオン樹脂を渦巻き状に巻いた形状とすること
ができる。請求項28に記載の根腐れ防止方法は、ノニ
オン樹脂を植物用培地として使用することを特徴とす
る。請求項29に記載の根腐れ防止方法は、ノニオン樹
脂にイオン交換樹脂を加えたものを植物用培地として使
用することを特徴とする。請求項30に記載の根腐れ防
止方法は、ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所定の割
合で混合したものを植物用培地として使用することを特
徴とする。請求項31に記載の根腐れ防止方法は、ノニ
オン樹脂とアクリル系樹脂とを所定の割合で混合したも
のに肥料を加えたものを植物用培地として使用すること
を特徴とする。請求項32に記載の保水剤は、ノニオン
樹脂からなることを特徴とする。請求項33に記載の保
水方法は、ノニオン樹脂を土壌中の根の近傍に配置する
ことを特徴とする。請求項34に記載の保水剤は、ノニ
オン樹脂とイオン水とからなることを特徴とする。請求
項35に記載の保水方法は、ノニオン樹脂とイオン水と
を土壌中の根の近傍に配置することを特徴とする。請求
項36に記載の植物栽培方法は、ワインを添加すること
を特徴とする。請求項37に記載の保水体は、ワインを
添加することを特徴とする。請求項38に記載の植物用
保水体の製造方法は、ワインを添加することを特徴とす
る。請求項39に記載の植物用保水体の使用方法は、ワ
インを添加することを特徴とする。請求項40に記載の
根腐れ防止剤は、ワインを添加することを特徴とする。
請求項41に記載の根腐れ防止方法は、ワインを添加す
ることを特徴とする。請求項42に記載の保水剤は、ワ
インを添加することを特徴とする。請求項43に記載の
保水方法は、ワインを添加することを特徴とする。請求
項44に記載の植物栽培方法は、ナツメグを添加するこ
とを特徴とする。請求項45に記載の保水体は、ナツメ
グを添加することを特徴とする請求項5乃至14のいず
れか。請求項46に記載の植物用保水体の製造方法は、
ナツメグを添加することを特徴とする。請求項47に記
載の植物用保水体の使用方法は、ナツメグを添加するこ
とを特徴とする。請求項48に記載の根腐れ防止剤は、
ナツメグを添加することを特徴とする。請求項49に記
載の根腐れ防止方法は、ナツメグを添加することを特徴
とする。請求項50に記載の保水剤は、ナツメグを添加
することを特徴とする。請求項51に記載の保水方法
は、ナツメグを添加することを特徴とする。請求項52
に記載の植物栽培方法は、カテキンを添加することを特
徴とする。請求項53に記載の保水体は、カテキンを添
加することを特徴とする。請求項54に記載の植物用保
水体の製造方法は、カテキンを添加することを特徴とす
る。請求項55に記載の植物用保水体の使用方法は、カ
テキンを添加することを特徴とする。請求項56に記載
の根腐れ防止剤は、カテキンを添加することを特徴とす
る。請求項57に記載の根腐れ防止方法は、カテキンを
添加することを特徴とする。請求項58に記載の保水剤
は、カテキンを添加することを特徴とする。請求項59
に記載の保水方法は、カテキンを添加することを特徴と
する。請求項60に記載の植物栽培方法は、キトサンを
添加することを特徴とする。請求項61に記載の保水体
は、キトサンを添加することを特徴とする。請求項62
に記載の植物用保水体の製造方法は、キトサンを添加す
ることを特徴とする。請求項63に記載の植物用保水体
の使用方法は、キトサンを添加することを特徴とする。
請求項64に記載の根腐れ防止剤は、キトサンを添加す
ることを特徴とする。請求項65に記載の根腐れ防止方
法は、キトサンを添加することを特徴とする。請求項6
6に記載の保水剤は、キトサンを添加することを特徴と
する。請求項67に記載の保水方法は、キトサンを添加
することを特徴とする。請求項68に記載の植物栽培方
法は、除菌剤を添加することを特徴とする。請求項69
に記載の保水体は、除菌剤を添加することを特徴とす
る。請求項70に記載の植物用保水体の製造方法は、除
菌剤を添加することを特徴とする。請求項71に記載の
植物用保水体の使用方法は、除菌剤を添加することを特
徴とする。請求項72に記載の根腐れ防止剤は、除菌剤
を添加することを特徴とする。請求項73に記載の根腐
れ防止方法は、除菌剤を添加することを特徴とする。請
求項74に記載の保水剤は、除菌剤を添加することを特
徴とする。請求項75に記載の保水方法は、除菌剤を添
加することを特徴とする。請求項76に記載の植物栽培
方法は、抗菌剤を添加することを特徴とする。請求項7
7に記載の保水体は、抗菌剤を添加することを特徴とす
る。請求項78に記載の植物用保水体の製造方法は、抗
菌剤を添加することを特徴とする。請求項79に記載の
植物用保水体の使用方法は、抗菌剤を添加することを特
徴とする。請求項80に記載の根腐れ防止剤は、抗菌剤
を添加することを特徴とする。請求項81に記載の根腐
れ防止方法は、抗菌剤を添加することを特徴とする。請
求項82に記載の保水剤は、抗菌剤を添加することを特
徴とする。請求項83に記載の保水方法は、抗菌剤を添
加することを特徴とする。請求項84に記載の植物栽培
方法は、防腐剤を添加することを特徴とする。請求項8
5に記載の保水体は、防腐剤を添加することを特徴とす
る。請求項86に記載の植物用保水体の製造方法は、防
腐剤を添加することを特徴とする。請求項87に記載の
植物用保水体の使用方法は、防腐剤を添加することを特
徴とする。請求項88に記載の根腐れ防止剤は、防腐剤
を添加することを特徴とする。請求項89に記載の根腐
れ防止方法は、防腐剤を添加することを特徴とする。請
求項90に記載の保水剤は、防腐剤を添加することを特
徴とする。請求項91に記載の保水方法は、防腐剤を添
加することを特徴とする。請求項92に記載の植物栽培
方法は、ノニオン樹脂を使用したことを特徴とする。請
求項93に記載の植物栽培方法は、ノニオン樹脂とアク
リル系樹脂を使用したことを特徴とする。請求項94に
記載の植物栽培方法は、ノニオン樹脂とイオン交換樹脂
を使用したことを特徴とする。請求項95に記載の植物
栽培方法は、ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とイオン交
換樹脂を使用したことを特徴とする。請求項96に記載
の植物栽培方法は、ノニオン樹脂と肥料を使用したこと
を特徴とする。請求項97に記載の植物栽培方法は、
クリル系樹脂や他の植物栽培用樹脂とイオン交換樹脂を
使用したことを特徴とする。請求項98に記載の植物栽
培方法は、ノニオン樹脂と肥料とイオン交換樹脂を使用
したことを特徴とする。請求項99に記載の植物栽培方
法は、アクリル系樹脂とイオン交換樹脂を使用したこと
を特徴とする。請求項100に記載の土壌剤は、ノニオ
ン樹脂の肥料入りであることを特徴とする。。請求項1
01に記載のろ過剤は、ノニオン樹脂であることを特徴
とする。請求項102に記載の栽培方法は、ノニオン樹
脂を稲作に使用することを特徴とする。請求項103に
記載の栽培方法は、ノニオン樹脂とイオン交換樹脂を使
用することを特徴とする。請求項104に記載の栽培方
法は、ノニオン樹脂抗菌剤を使用したことを特徴とす
る。請求項105に記載の植物の生育方法は、鉢内のハ
イドロコーン又は土の量の20乃至40重量パーセント
のノニオン樹脂をガーデンマットとして鉢底に使用する
ことを特徴とする。請求項106に記載の植物の生育方
法は、前記ノニオン樹脂にイオン交換樹脂0.1乃至
0.2gを添加することを特徴とする。請求項107に
記載の植物の生育方法は、前記ノニオン樹脂をアクリル
系樹脂に添加することを特徴とする。請求項108に記
載の水耕栽培の植物培地と栽培方法は、ノニオン樹脂を
用いたことを特徴とする。請求項109に記載の栽培方
法は、土の代わりにノニオン樹脂を用いたことを特徴と
する。請求項110に記載の土壌改良方法は、ノニオン
樹脂を土壌に混ぜることを特徴とする。請求項111に
記載の植物培地と保水剤は、ポリビニルアルコールとポ
リオキシエチレンと肥料を吸着したことを特徴とする。
請求項112に記載の植物培地と保水剤は、ポリビニル
アルコールとポリオキシエチレンとイオン交換樹脂を使
用したことを特徴とする。請求項113に記載の植物培
地は、ポリビニルアルコールの水耕栽培であることを特
徴とする。請求項114に記載の植物栽培方法は、ポリ
ビニルアルコールの水耕栽培の鉢底使用をすることを特
徴とする。請求項115に記載の水耕栽培方法は、ポリ
ビニルアルコールとポリオキシエチレンの鉢底使用する
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の吸水ポリマー製人
工培土による植物栽培方法に係る実施の形態について説
明する。図1は本発明の第一実施形態で観葉植物に適用
するものである。
【0015】第一に土壌培地1で栽培している観葉植物
2を、土壌培地1から掘り出し分離し、根21を洗浄す
る。洗浄後約根21の1/3(シダ類は2/3)を残し
てカットし、そのまま根21をイオン交換樹脂(イオン
交換樹脂栄養剤)3並びに必要によって適宜量の液肥を
少量加えた馴化培地(容器5を使用)4に付けて数日間
(3〜10日)栽培する。
【0016】イオン交換樹脂3は、栄養剤が混入された
市販のもので、栄養剤成分は、蒸留水1リットルにイオ
ン交換樹脂栄養剤を0.5グラム(g)添加後20℃で
1週間放置した水溶液の測定で、全窒素1.6ミリグラ
ム(mg)/リットル、リン酸0.05mg/リット
ル、カリウム1.5mg/リットルが認められたものを
使用した。
【0017】前記の水耕栽培で、新根が認められると、
吸水ポリマー製人工培土6を少量加えながら栽培を行
う。吸水ポリマー製人工培土6は、熱可塑性ノニオン型
吸水樹脂で形成され、吸水膨潤時に、一辺が0.5〜2
cm程度の立方体となるように切断してなるもので、吸
水状態で水1に対して約1/3となる程度の少量を加え
る。
【0018】尚イオン交換樹脂栄養剤3並びに吸水ポリ
マー製人工培土6は、新根の成長に合わせて、適宜量増
加させる。
【0019】新根が0.5〜1cm程度の成長を確認し
たら、吸水ポリマー製人工培土6を収納した容器5に植
え替え、吸水ポリマー製人工培土6による栽培を行うも
のである。勿論再度の植え替えを行わずに、吸水ポリマ
ー製人工培土6の添加によるポリマー培土への変更とし
ても良い。
【0020】図2は本発明の第二実施形態で、草花,花
木植物に適用するものである。基本的には前記した観葉
植物の第一実施形態と同様であるが、土壌培地1で栽培
している草花植物2aを、土壌培地1から掘り出し分離
し、根21aを洗浄する。然し根21aは切断しない。
【0021】馴化過程は、水に吸水ポリマー製人工培土
6を少量(水1に対してポリマー1/3)とイオン交換
樹脂栄養剤3を少量(水200〜300ccに対して
0.5g)加えた馴化培地4aを使用するもので、適宜
な容器5に前記馴化培地4aを収納し、これに前記草花
植物2aの根21aを漬けて栽培する。
【0022】3〜4日又は植物の種類によっては約10
日で新根や新芽が出てくるので、そこで吸水ポリマーを
添加し、馴化培地4aの水分をポリマーに吸水させて、
馴化培地4aを吸水ポリマー製人工培土6に変更して、
栽培を継続する。特にミニバラやガーベラ等の長い根や
太い根は1/3〜1/2を除去して植え替える。
【0023】また特にカトレア,デンドロビウムのよう
なラン科の植物は、前記の馴化過程(水1に対しては吸
水ポリマー培土1/2)において、古い根の根腐れを起
こさせながら新根の成長を待ち、一旦花を開花させたの
ち又は開花前に旧根をカットし、吸水ポリマー培土に植
え替える。
【0024】本発明の第三実施形態(図示せず)は、草
花,花木植物に適用するもので、基本的には前記した観
葉植物の第一実施形態と同様に、根をカットするもので
ある。即ち土壌培地で栽培している草花,花木植物を、
土壌培地から掘り出し分離し、根を洗浄し、洗浄後約根
の1/3〜1/2をカットし、そのまま根を馴化培地で
栽培する。馴化培地は、イオン交換樹脂と液肥を添加し
たもので、カットした根の成長や新根の成長を観察しな
がら、イオン交換樹脂栄養剤並びに液肥を追加する。
【0025】前記の水耕栽培は3〜10日程度行い、根
の成長が認められると、吸水ポリマーを少量加えながら
栽培を行う。新根の充分な成長を確認した後、吸水ポリ
マー製人工培土で栽培する。
【0026】前記の吸水ポリマー製人工培土6による栽
培に際しては、必要に応じて適宜な液肥を加え、培地が
汚れた場合には、一旦吸水ポリマーを水洗し、拭浄の
後、薄めた液肥やイオン交換樹脂栄養剤を添加して栽培
を継続する。
【0027】次に、図3に示すとおり、本発明に係る保
水体の各実施形態を、その製造過程にそって説明する。
最初に保水体の本体を構成するセルロースマトリックス
は、古紙31(古紙以外の紙でも良い)や、必要に応じ
て木綿32(木綿は特に付け加えなくとも良い)を湿潤
させてミキサー33で粉砕し、一旦乾燥して粉砕セルロ
ース34を得る。次に前記粉砕セルロース34と、市販
の熱可塑性ノニオン型吸水樹脂35(ノニオン型に限定
されないし、使用植物に対応して粉末や粒体を選択採用
する)と、水36とを混合攪拌して、所定の型(ブロッ
ク形状でも、シート形状でも良いし、またその大きさも
任意である)37に収納し、乾燥させる。
【0028】尚粉砕セルロース34と、市販の熱可塑性
ノニオン型吸水樹脂35と水36の混合比率の例を挙げ
るとするならば、古紙90g水10gと樹脂50〜10
0g程度の重量割合とする。
【0029】また前記の混合攪拌に際して、必要に応じ
て抗菌剤(銀、銅、カテキン、ナツメグ他)38や、防
腐剤(硫酸銅、塩化亜鉛、ソルビン酸、安息香酸、ホウ
酸等)や香料等を添加して、セルロースマトリックス内
に散在させてなる。
【0030】前記の成形型から取り出したブロック体A
やシート体Bは、そのまま本件発明の保水体として使用
できる。またブロック体A又はシート体Bを裁断してサ
イコロ状の保水体Cとして使用できる。
【0031】前記の保水体A,Bの形成に際して、紙製
箱体や筒体、更には紙シート、紙シートの裏面に透水性
若しくは非透水性の被膜を被着した部材で、保水体の一
部を構成するものを前記成形型に替えて採用しても良
い。
【0032】次に保水体Aの保形性を高めるために、水
溶性で且つ乾燥によって架橋構造となる保形剤(タンニ
ン酸メチルセルロース又はポリビニールアルコール)3
9の水溶液中に保水体Aを浸漬し、乾燥させ架橋構造を
得る。水溶液の濃度並びに浸漬時間によって、前記保形
剤39は、透水性被膜としても作用させることもでき、
その透水能力も水溶液のモル濃度調整で任意にできる。
【0033】更に保形性を高めた保水体Dは、そのまま
使用できるし、裁断してサイコロ状の保水体Eとするこ
ともできる。また保水体A,Dを液肥40に漬け込んで
液肥40を含有させ、液肥を含有した保水体A1,D1
を製出する。
【0034】また保水体A,D,A1,D1の側面や底
面を適宜な非透水性フィルム又は透水性フィルムなどの
周面被膜41で被覆して、保水性能を高めた保水体Fを
製出する。
【0035】尚周面被膜41は、保水体A,D,A1,
D1に直接被着させずに、別に筒状の被覆体41aを形
成し、この被覆体41aに保水体A,D,A1,D1を
装着するようにしても良い(図13参照)。前記構成を
採用すると、被覆体41aと保水体A,D,A1,D1
とが着脱できる利点がある。
【0036】図4に例示するとおり、シート状に形成し
た保水体Bにおいても更に加工を施すことで、より使い
易い保水体を提供できるもので、具体的には、シート状
保水体Bをそのまま、或いは液肥40や固形肥料40a
又はセルロースマトリックス形成時に添加混合しなかっ
た抗菌剤等を上面に散布し、散布した固形分の飛散を防
止するように上面を透水性被膜(例えば不織布)42で
被覆することで、保水体Gを製出する。
【0037】更に保水体Bの下面(包装使用時の外面)
に、非透水性被膜(防水被膜)43を被着して、保水体
Hを製出する。更に上面は透水性被膜42で被覆し、下
面を非透水性被膜43その他で被覆する保水体Iであっ
ても良い。尚非透水性被膜として、透水性且つ逆流機能
を備えたフィルムを採用しても良い。
【0038】また特に前記保水体Iにおいて、保水体B
の下方に適宜な積層体例えば、保水体Bの下方に珪酸塩
白土(又はシリカ)44、木綿32を重ね、最下面を防
水シート(非透水性被膜)43で被覆し、保水体上面を
不織布42で被覆した保水体I1に形成しても良い。
【0039】次に前記保水体の使用方法について説明す
る。最も一般的な使用手段としては、植物育成用培地と
して使用するものである。培地としての使用は、サイコ
ロ状の保水体C,Eが適しており、且つその使用目的に
応じて、所定の液肥や抗菌剤,更には香料,色料,イオ
ン交換樹脂粒など必要に応じて保水体C,Eに担持させ
ることができる。
【0040】<第一使用例>具体的には図5に示したよ
うに、他の吸水ポリマー培地aとの混合使用も可能であ
り、特に植え替え等において吸水ポリマー培地aにおけ
る植物育成有効成分の不足成分を予めセルロースマトリ
ックス(保水体C,E)に担持させおくと、当該植物b
の栽培に最適な培地環境を与えることができる。
【0041】<第二使用例>更に図6に例示するとおり
水耕栽培において、水培地c中に保水体C,Eを浮遊混
合しておくと、当該保水体C,Eに適宜な成分を担持さ
せておくと、当該有効成分をゆっくり溶出させること
で、水替え間隔にゆとりを持たせることができる。
【0042】<第三使用例>保水体は、ブロック状に形
成した場合には、切り花bなどの装飾ベース体として使
用することができる。例えば図7に例示するとおり、保
水体(A,A1,D,D1,F)に切り花bの根本部分
を刺突しておくと、保水体(A,A1,D,D1,F)
に維持されている水分が植物の生育用の水として使用さ
れるので、仮に鉢dの水cが枯れても、保水体(A,A
1,D,D1,F)の保水成分で充分に数日間給水を実
施することになる。勿論植物有効成分も働くことは当然
である。
【0043】<第四使用例>また図8に例示するとお
り、切り花等の室内装飾(フラワーアレンジメント)と
して、透明容器体d1と無色透明や着色透明のポリマー
培土を使用した場合に、保水体(A,A1,D,D1,
F)を切り花のベース体として使用し、保水体(A,A
1,D,D1,F)の周囲に前記ポリマー培地aを採用
すれば良い。特に保水体Fの周面被膜41の透水能力に
よって、ポリマー培土aの影響を受けずに切り花への給
水が可能となる。
【0044】勿論被膜40の無い保水体(A、A1,
D,D1)と、周囲培土に吸水ポリマー培地aを採用し
た組み合わせであっても、従前の発泡体(オアシス)の
ように担持水分を他の吸水ポリマー培地aに取り込まれ
ずに、保水体(A、A1,D,D1,F)内の吸水樹脂
35で植物給水用水分を担持していることができ、植物
を充分長持ちさせることができる。
【0045】<第五使用例>またシート状の保水体
(B,G,H,I)は、鉢植え栽培における肥料等の担
持体として使用することもできる。例えば図9に示すよ
うに、保水体(B,G,H,I)に所定の有効成分を含
有させ(予めセルロースマトリックスに散在させておい
たり、或いは液肥のような液状成分を含浸させてお
く)、鉢dの底に敷いて、その上に土eを充填して、植
物dの鉢植え栽培を行うと、給水を忘れたり追肥を行わ
なくとも植物bの育成が可能となる。
【0046】特に図10に例示するように、適宜な積層
体とした保水体I1は、珪酸塩白土又はシリカ44が、
根腐れ防止として作用するので、鉢植え栽培に最適であ
り、また特に不織布42の下方に固形の粒状肥料40a
を散布しておくことで、固形肥料40aがゆっくりと溶
け出すことで、肥料効果を長持ちさせることができる。
【0047】<第六使用例>更に図11に例示するよう
に、包装用としては、シート状保水体(B,G,H,
I)が使用できる。特に下面(包装時に外面となる)に
非透水性被膜41を形成した保水体Hは、水分を担持さ
せても水漏れを防ぐことができ、運搬時に切り花等への
給水を実現できるものであり、更に有効成分を担持させ
ることで、植物を長く持たせることも可能である。勿論
直接の箱詰めが可能となる利点もある。
【0048】<第七使用例> 図12に例示するように
育苗用としても使用できる。育苗用として、少なくとも
根が成長できるようにしたので、例えば保水体Fにおい
て、周面のみを非透水性被膜41で被覆して、底面に被
膜が存在しない構成を採用し、植物bの根の生育に阻害
にならないようにしてなる。
【0049】特に図13に例示するように保水体Fに代
えて、被覆体41aと保水体A(D,A1,D1)の組
み合わせを採用すると、図12で示したように、育苗床
として使用した後に、被覆体41aを外して、そのまま
土に植えることができ、保水体A(D,A1,D1)
は、自然に土壌に帰ることになる。
【0050】次に、本発明の根腐れ防止剤及び根腐れ防
止方法に係る実施の形態について説明する。本発明は、
ノニオン樹脂(熱可塑性ノニオン型吸水樹脂)を植物の
培地として使用したときに、根腐れ防止効果を有するこ
とを利用したものである。根腐れ防止剤としてノニオン
樹脂を用いた培地に水を加え、植物を植える。これによ
り、植物の根腐れを防止することができる。また、土壌
栽培の植物を簡単に植え替えることが可能となる。以下
では、ノニオン樹脂を用いた培地について詳細に説明す
る。
【0051】水耕栽培の植物や、植物の植え替えにおい
て、水を腐らせないようにすることは大切である。ま
た、土壌栽培の植物を水耕栽培の培地に植え替えるため
には、一旦、植物に水耕栽培の根を発根させ、栽培する
ことが必要である。ノニオン樹脂を用いた培地(以下で
は適宜、ノニオン樹脂培地と記載する)の場合、土栽培
の植物の根を傷めないように水洗いし、その土壌栽培の
植物を植えることにより、簡単に植え替えが可能とな
る。
【0052】これは、ノニオン樹脂培地では、水の腐敗
を防ぐ除菌作用が働き、植物の根から出る樹液等の有機
酸を吸着し、除菌することにより、植物の根腐れを防止
するからである。通常、水は2乃至3日で腐敗するた
め、植物の栽培や切り花での使用等において、植物を長
持ちさせることは特に夏季においては困難であった。ノ
ニオン樹脂培地を用いることにより、水の腐敗を防ぐこ
とができる。
【0053】また、ノニオン樹脂は、イオンを含有して
いないので、プラスイオンのイオン水を吸着させて使用
することにより、植物の成育を促進したり、切り花を長
持ちさせたりすることができる。
【0054】下記表1は、ミニバラ栽培の培地として、
ノニオン樹脂200gに水300gを加えたものを用い
た場合と、アクリル系樹脂200gに水300gを加え
たものを用いた場合における、25日後の水の汚れ度を
検査したものである。なお、それぞれ、イオン交換樹脂
を0.6gずつ添加している。
【0055】
【表1】
【0056】表1に示すように、アクリル系樹脂を用い
た培地では、水に含まれる有機物等の量が2700mg
/リットルであるのに対して、ノニオン樹脂を用いた培
地では、270mg/リットルとなっており、ノニオン
樹脂を用いた培地での有機物等の発生量は、アクリル系
樹脂を用いた培地での有機物等の発生量の1/10の数
値を示した。このように、アクリル系樹脂培地では、有
機物が増加しており、イオン交換樹脂の吸着作用があま
り働いていないことが分かる。これは、イオン交換樹脂
が微粒子であり、多量に使用しないとその効果が現れな
いことを示している。
【0057】ノニオン樹脂においては、ノニオン樹脂の
吸着作用及び除菌作用が働き、プラスイオンのイオン交
換樹脂が少量でも効果的に働いていることが分かる。従
って、ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を混合した培地を
使用することにより、アクリル系樹脂培地では吸着作用
があまり働かないという問題を解決することができる。
【0058】次に、ノニオン樹脂とアクリル系樹脂の混
合使用による根の成育について説明する。植物の培地に
おいて、成育する根を比較してみると、水耕栽培の植物
の根は、常に水分や養分(肥料)がある水の中で成育
し、根が容易にこの水分や養分を吸収できるようになっ
ている。あまり根が伸びないのが特徴である。また、ア
クリル系樹脂培地では、根がアクリル系樹脂を抱きかか
えるように包囲し、密着して水分を吸収しているのが特
徴である。
【0059】ノニオン樹脂培地においても同様に、根が
ノニオン樹脂に密着し、水分を吸収するが、根がノニオ
ン樹脂の中を貫通して成育するのが特徴である。また、
土壌栽培の植物は、鉢の中又は土の中で水分や養分を探
し求めなければならず、その成育は四方八方に広がり、
長い根で成育するのが特徴である。
【0060】ノニオン樹脂培地においても、茎の下から
白い多数の根が真っ直ぐ下方に伸び、四方八方に広が
り、土壌体の根の成育に似ていると言うことができる。
これらは、アクリル系樹脂の根の成育は水耕栽培の場合
と同様であり、ノニオン樹脂の根の成育は土壌栽培の場
合と同様であると言うことができる。
【0061】アクリル系樹脂とノニオン樹脂とを混合し
た培地を用いることにより、根の成育が変化していくこ
とが実験により確認された。図15は、この実験の結果
を表している。実験結果の詳細については後述する。こ
の実験では、アクリル系樹脂50乃至200gと、ノニ
オン樹脂20乃至200gをそれぞれ混合割合を変化さ
せて混合した培地を作成し、この培地の中に土壌栽培の
植物を植えた。これにより、根が一旦、水耕栽培の根に
変化する。これは、土壌栽培の根の表皮が腐り、根の内
部の白く細い芯が水耕栽培の根に変化することを表して
いる。
【0062】アクリル系樹脂に対してノニオン樹脂を増
量することにより、この白く細いシルクの糸のような根
が太くなっていく。そして、アクリル系樹脂とノニオン
樹脂の同量の混合により、土壌栽培の根の表皮が腐って
変わることなく、太く逞しい安定した根が成育すること
が分かった。アクリル系樹脂のみでは土栽培の植物を植
え替えて成長させることは困難であるが、ノニオン樹脂
を少量混合することにより、土栽培の根の先端から腐っ
たり、また、全体的に表皮が変わったりするが、日々草
が元気に花を咲かせたり、アイビーが長く成長したりす
る。例えば、アクリル系樹脂200gにノニオン樹脂6
0gを添加した培地では、アイビーの丈が約10乃至3
0センチメートル(cm)も成長する。
【0063】ノニオン樹脂を根腐れ防止剤として使用し
た場合、次のような効果がある。第1の効果は、植物の
汚れをとることである(吸着作用)。第2の効果は根が
腐らないことである(除菌作用又は抗菌作用)。第3の
効果は樹脂汚れた樹液を吸着し、植物にきれいな水分
養分を与えていることである(濾過作用)。第4の効果
は水を保持することである(保水作用)。第5の効果
は、植物を支え固めることである(凝固作用)。ノニオ
ン樹脂の場合、常に水の中に入れておかないと固まりや
すく、容器の余分な水分を切ることで約3乃至4日で固
まる。
【0064】根の生育に関しては、アクリル系樹脂で
は、離水することにより、水耕栽培の根に変化して生育
するが、ノニオン樹脂では、肥料がなくても植え替え栽
培が可能であり、土壌体の根のままで生育するのが特徴
である。
【0065】また、ノニオン樹脂には凝固作用があるた
め、植物の育苗床としての使用が可能である。例えば、
直径20cm、深さ22cmの容器にノニオン樹脂の固
まり500gを5個(2.5キログラム(kg))入
れ、イオン水を加えると、3乃至4ヶ月で固まる。個々
のノニオン樹脂が密着して容器の型の形状に固まってい
く。その後、植物を移動しても、倒れることがなく、固
定することができる。また、切り花を凝固したノニオン
樹脂に刺しても倒れることなく安定する。
【0066】次に、ノニオン樹脂が細菌繁殖抑制効果を
有することを示す試験について説明する。図14は、こ
の試験を行うための試験装置を示す図である。まず、ノ
ニオン樹脂を1.5gだけ入れたビーカー、ノニオン樹
脂を5gだけ入れたビーカー、ノニオン樹脂を15gだ
け入れたビーカー、何も入れないビーカー(ブランク)
を用意する。次に、各ビーカーに残留塩素を除去した水
道水300ミリリットルを入れる。次に、各ビーカーに
細菌(この場合、大腸菌)を約10/ミリリットルだ
け加える。
【0067】次に、各ビーカーを摂氏25度に設定した
恒温室に入れる。その後、各ビーカーから経時的にサン
プリングを行い、細菌数の測定を行う。その結果、表2
に示すような結果が得られた。
【0068】
【表2】
【0069】表2に示すように、ノニオン樹脂を1.5
gだけ入れたものは、実験開始直後、細菌数が8.3×
10、3日後には7.3×10(全ての細菌数は
4.7×10)、5日後には1.5×10(全ての
細菌数)となっている。また、ノニオン樹脂を5gだけ
入れたものは、実験開始直後、細菌数が8.6×1
、3日後には1.6×10(全ての細菌数は2.
7×10)、5日後には4.9×10(全ての細菌
数)となっている。また、ノニオン樹脂を15gだけ入
れたものは、実験開始直後、細菌数が9.5×10
3日後には3.2×10、5日後には1.0×10
(全ての細菌数)となっている。また、ノニオン樹脂を
入れないブランクの場合、実験開始直後、細菌数が8.
9×10、3日後には8.4×10(全ての細菌数
は8.3×10)、5日後には1.6×10(全て
の細菌数)となっている。この結果から、ノニオン樹脂
を用いた培地には、細菌繁殖抑制効果があるということ
ができる。
【0070】次に、イオン交換樹脂の肥料成分とその効
果について説明する。栄養剤成分は、蒸留水1リットル
にイオン交換樹脂栄養剤を0.5gだけ添加した後、摂
氏20度に調整し、1週間放置する。その後、水溶液に
含まれる全窒素、リン酸、及びカリウムの濃度を計測し
た。その結果、全窒素1.6mg/リットル、リン酸
0.05mg/リットル、カリウム1.5mg/リット
ルが検出された。
【0071】次に、ノニオン樹脂の吸水能について説明
する。ノニオン樹脂の純水に対する吸水能は20乃至4
0倍、生理食塩水に対する吸収能は20乃至40倍、人
工海水に対する吸収能は20乃至35倍である。
【0072】次に、図15を参照して、ノニオン樹脂を
用いた培地に各種植物を植え替えた場合の各種植物の変
化を調べた実験結果について説明する。No.1の培地
は、アクリル系樹脂(肥料含有)50gと、ノニオン樹
脂(肥料無し)200gと、液体肥料を500倍乃至1
000倍に薄めたものとを混合したものである。No.
2の培地は、アクリル系樹脂(肥料含有)150gと、
ノニオン樹脂(肥料無し)150gと、液体肥料を50
0倍乃至1000倍に薄めたものとを混合したものであ
る。No.3の培地は、アクリル系樹脂(肥料含有)2
00gと、ノニオン樹脂(肥料無し)100gと、液体
肥料を500倍乃至1000倍に薄めたものとを混合し
たものである。No.4の培地は、アクリル系樹脂(肥
料含有)200gと、ノニオン樹脂(肥料無し)60g
と、液体肥料を500倍乃至1000倍に薄めたものと
を混合したものである。No.5の培地は、アクリル系
樹脂(肥料含有)200gと、ノニオン樹脂(肥料無
し)20乃至40gと、液体肥料を500倍乃至100
0倍に薄めたものとを混合したものである。No.6の
培地は、アクリル系樹脂(肥料含有)200gからな
る。No.7の培地は、ノニオン樹脂(肥料無し)20
0gからなる。No.8の培地は、ノニオン樹脂(肥料
無し)200gと、イオン交換樹脂0.1乃至0.5g
とを混合したものである。No.9の培地は、ノニオン
樹脂に肥料を含有させたもの200gと、イオン交換樹
脂0.1乃至0.5gを混合したものからなる。
【0073】No.1乃至No.5はアクリル系樹脂培
地にノニオン樹脂を使用した培地である。No.1乃至
No.5は、草花、及び観葉植物は植え替えが可能であ
る。観葉植物はあまり肥料を必要としないが、7乃至1
0日までに液体肥料を500倍乃至1000倍に薄めた
ものや、イオン交換樹脂0.1乃至0.5gを添加しな
いと、草花の状態はA(良好)からB(悪い)に変化す
る。図中、○印は成育状態が良好であることを示し、×
印は成育状態が悪いことを示している。
【0074】No.2においても草花に肥料が不足する
と育たない。No.6においては、約1週間で状態Aに
なる。また、アイビー、ポトス、コーヒーに関しては、
2週間乃至1ヶ月で状態Cから状態Dに変化する。N
o.6の状態C,Dではほとんど成長はしない。No.
5においては、根腐れ防止効果により、観葉植物は元気
を取り戻すが、あまり大きな成育はない。約1週間目よ
り根腐れ防止効果が始まり、根の成育は止まり、腐り始
める。
【0075】No.7は、ノニオン樹脂が肥料を含有し
ていなくても植え替えが可能であることを示している。
また、観葉植物は肥料がなくても成育することを示して
いる。No.7、No.8、No.9は、土壌栽培の植
物はノニオン樹脂培地でも同じ根で成育されることを示
している。No.7は、草花では肥料の濃度が重要であ
り、実験開始後、7乃至14日までに状態Aから状態B
に変化しないように肥料を500乃至1000倍に薄め
たものや、イオン交換樹脂0.1乃至0.5gを与える
必要があることを示している。この実験により、ノニオ
ン樹脂には根腐れ防止効果があることが分かる。
【0076】次に、ノニオン樹脂の根腐れ防止効果を利
用した鉢底、及びガーデンマットについて説明する。ノ
ニオン樹脂培地においては、根腐れを防止する効果があ
り、肥料がなくても観葉植物の植え替えや成育が可能で
ある。ノニオン樹脂は、イオンを含有していない。この
培地において、プラスイオンのイオン交換樹脂はカチオ
ンのプラスイオンである主成分、窒素、リン酸、カリウ
ムである。これらを少量使用することによりイオンの中
和作用が起こる。ノニオン樹脂200乃至300gの培
地に対して0.1乃至0.2gの使用量で、植物の成育
を促進させることが可能である。
【0077】ノニオン樹脂とプラスイオンのイオン交換
樹脂の組み合わせにより、水耕栽培の鉢底として、又は
土栽培の鉢底におけるガーデンマットとして使用するこ
とができ、植物の根腐れ防止効果と保水効果、及び肥料
としての効果を同時に可能にする。
【0078】鉢内のハイドロコーン又は土の量の20乃
至40重量パーセントのノニオン樹脂をガーデンマット
として鉢底に使用することにより、約1ヶ月間、水やり
がなくても植物を成育させることができる。
【0079】この場合、ノニオン樹脂にイオン交換樹脂
0.1乃至0.2gを添加することができる。これによ
り、約3乃至4日頃から植物の頭頂部の葉が、オイルを
塗った様につやつやしてくる。自然に上から下へ全体に
このようにつやつやしてくる。これは、植物が酸素を放
出していることを表している。これは、水耕栽培の葉の
現象である。土壌栽培の植物ではこのようにはならない
が、植物自体の花や葉においても生き生きしている。ま
た、ノニオン樹脂を土壌栽培の鉢底に使用する場合、植
物の根は何の抵抗もなく、その土壌栽培の根で成育する
のが特徴である。
【0080】次に、水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使
用する場合について説明する。ハイドロコーンの全体量
の20乃至40パーセントのノニオン樹脂を鉢底に使用
すると、約1ヶ月間、水やりが不要になる。また、根は
2週間で2乃至6cm伸びる。また、1ヶ月間で4乃至
10cm伸びる。例えば、ポリシヤスは1週間で約1.
5cm伸び、2週間で約3.0cm伸びる(図16)。
サイデリアーナは1週間で約1.5cm伸び、2週間で
約2.8乃至3.0cm伸びる(図17)。ポトスは1
週間で約1.5乃至3.0cm伸び、2週間で約3.0
乃至6.0cm伸びる(図18)。
【0081】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を用いるこ
とにより、3乃至4日目より、植物の頭頂部の葉からオ
イルを塗ったように葉がつやつやしてくる。そして、1
週間ぐらいで、全体につやつやしてくる。この現象は
栽培の植物では見られないものである。
【0082】次に、水耕栽培や土壌栽培の鉢底にノニオ
ン樹脂を使用した場合の効果について説明する。水耕栽
培の観葉植物で使用されるハイドロコーンのイオン交換
樹脂の使用量は、2号鉢で2gとなっている。これは3
ヶ月間有効である。インナーポットが入る2号鉢の鉢底
に2gのイオン水と深さ約1cmの水を入れて使用す
る。観葉植物ではハイドロコーンの培地の鉢底にノニオ
ン樹脂を使用し、約0.1gのイオン交換樹脂を使用す
ることにより、約3ヶ月間有効保持することができる。
【0083】ノニオン樹脂を水耕栽培の鉢底や土栽培の
鉢底に使用することにより、水やりが不要となり、植物
が痛まず、小売店等においてはコストを削減することが
できる。また、小売店においても、これらのノニオン樹
脂を植物の寄せ植えに使用することができる。また、生
産メーカは、水耕栽培や土栽培の培地の下に、ガーデン
マットとして肥料を含有するノニオン樹脂を20乃至4
0パーセント加えることにより、1乃至2ヶ月間、保水
効果を持続させることができる。
【0084】土壌栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用する
場合、ノニオン樹脂に液体肥料を吸着させるか、イオン
交換樹脂をノニオン樹脂に少量のせて使用する。土壌
培で生育した植物の根は、ノニオン樹脂の培地に何の抵
抗もなく適応し、自然に伸びて生育するのが特徴であ
る。土壌栽培の鉢より植物を取り出して、ノニオン樹脂
培地に植え替えても何の変化もなく生育する。その特徴
は土壌体のものとほぼ等しいと言える。例えば、土壌
培した植物をノニオン樹脂のガーデンマットを鉢底に使
用した鉢に植え替えると、カランコエの場合、根は約2
週間で4乃至5cm伸びる(図19)。ゼラニウムの場
合、根は約2週間で8乃至10cm伸びる(図20)。
また、セロームの場合、根は約2週間で5乃至10cm
伸びる(図21)。この要因は、ノニオン樹脂が離水し
ないで植物の汚れや有機酸を吸着、濾過し、植物にきれ
いな水分を与え、土壌体と同様の作用をしているからで
ある。図20、図21に示すように、ノニオン樹脂を鉢
の底だけでなく、鉢の側面にも配置し、根を取り囲むよ
うにすることができる。このノニオン樹脂のガーデンマ
ットは、鉢底に使用する他に、花壇、プランター、屋上
ガーデン等にも使用することができる(図22)。ま
た、ノニオン樹脂の吸着作用等を利用して、汚染された
土壌を改良する土壌改良剤として使用することも可能で
ある(図23)。
【0085】また、ノニオン樹脂による根腐れ防止効果
を利用して、あらゆるpHのコントロールを容易にし、
土壌改良剤として用いることにより、植物の育たない培
地で植物の栽培を可能にすることができる。また、最も
身近な樹木が地面にどのような生育をし、根から水分を
吸収するのか、地下茎を見ることができる。また、鉢底
使用の他に、プランター、花壇、畑、その他の培地にお
いて、ノニオン樹脂を土壌改良剤や活性剤として使用す
ることができる。
【0086】次に、ノニオン樹脂を用いた培地における
イオン交換樹脂の使用効果について説明する。イオン交
換樹脂をノニオン樹脂培地に使用することにより、プラ
スイオンの中和作用が起こる。例えば、ノニオン樹脂2
00乃至300gに対して、イオン交換樹脂0.1乃至
0.2gをノニオン樹脂の上にふりかけ、使用する。
【0087】このように、イオン交換樹脂を少量だけノ
ニオン樹脂と使用することにより、植物の成育発育促進
効果が得られる。ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を混合
したものを、鉢底やガーデン底、或いは土壌改良剤とし
て使用することにより、保水作用、除菌作用、吸着作用
等による根腐れ防止効果が生まれ、管理に要する手間を
軽減することができる。
【0088】また、ノニオン樹脂にイオン水(蒸留水)
を吸着させることにより、植物の栽培や、キクやバラ、
榊等の切り花での使用を可能にすることができる。草花
の栽培においては、マリーゴールド、セントポーリア、
百日草、ベコニア等の成育に効果があった。
【0089】アクリル系樹脂を用いた培地では、主に水
耕栽培された植物の植え替えにおいては何の支障もなく
可能であったが、土栽培された植物を植え替える場合、
水耕栽培に慣れない根を急にアクリル系樹脂からなる培
地に定着させることは困難であった。
【0090】これまで、ノニオン樹脂培地にもアクリル
系樹脂培地の場合と同様、水耕栽培の支持体と考えられ
てきた。ノニオン樹脂と、一般に市販されているアクリ
ル系樹脂の混合培地では、アクリル系樹脂の離水作用に
より、植物は水耕栽培の根により成育する。一方、ノニ
オン樹脂とアクリル系樹脂を同量ずつ混合した培地(混
合培地)では、植物は土壌体の根により成育する。
【0091】上記混合培地が土壌体の培地と同様の作用
をすることが分かった。ノニオン樹脂の根腐れ防止効果
により、水耕栽培された植物と土壌体で栽培された植物
の両方が成育可能な混合培地を作成することができ、容
易に土壌体から混合培地への植え替えが可能となる。
【0092】ノニオン樹脂の形状としては、立方体、多
面体で一定の形状でないもの、直方体、球、四面体、多
面体、棒状、マカロニのように管状に穴のあいた形状の
もの、帯状の薄板状のものを渦巻き状に巻いたもの(以
下、バームクーヘン型と記載する)、粉末状のもの、対
向する2つの面が三角形の五面体等が考えられる。
【0093】以下、バームクーヘン型のノニオン樹脂を
用いた培地について説明する。従来、角形(1辺が約1
cm)のノニオン樹脂は、帯状の薄板状のものを製造し
てからそれらを所定の大きさに切断し、重ね合わせるこ
とにより製造していた。この帯状の薄板状のものを渦巻
き状に巻いていくことにより、バームクーヘン型のノニ
オン樹脂を製造することができる。また、着色料を混合
することにより、様々な色のノニオン樹脂を製造するこ
とができる。また、様々な色の着色料を混合して製造さ
れた複数の帯状の薄板状のノニオン樹脂を重ね合わせて
渦巻き状に巻くことにより、金太郎飴のように、切り口
が所定の模様となるようにすることもできる。
【0094】このバームクーヘン型のノニオン樹脂を、
切り口が円形になるように切断する。そして、切り口が
円形のノニオン樹脂を培地として用いる。この培地は、
薄板状のものが渦巻き状に巻かれているので、通気性や
水はけに優れ、植え替えも簡単に行うことができる。皿
やガラスの鉢等に入れ、培地として用いることにより、
見栄えを良くすることができる。
【0095】次に、ノニオン樹脂を保水剤として用いる
場合について説明する。根腐れ防止剤の実験により、ア
クリル系樹脂の混合使用や鉢底使用については上述した
通りであるが、水耕栽培のハイドロコーンに植えた植物
では、ノニオン樹脂培地に植えるだけで発根する。ノニ
オン樹脂の最も適した利用方法は、水耕栽培のハイドロ
コーンの代用として、及び土壌栽培の代用として用いる
ことである。これらはいずれも室内園芸として用いられ
る。
【0096】地球の温暖化により、屋外のガーデニン
グ、プランター、花壇、屋上ガーデン、芝生、畑等が重
要性を増しているが、それらの保水剤としてノニオン樹
脂を用いることができる。従来のアクリル系樹脂では困
難であった。
【0097】ノニオン樹脂の使用量であるが、植物の根
は直接、ノニオン樹脂から水分を吸収するが、土壌の1
/3乃至1/2の使用量が良い。夏季では十分に水分を
吸水したノニオン樹脂を使用し、梅雨期では、水分を吸
水できる余力を持たせ、半分程度膨潤させたものを用い
るのが良い。プランター等では、土の量の1/3乃至1
/2程度のノニオン樹脂を混合して使用する。水やりは
月に1,2回程度で良い。
【0098】室内において身体の不自由な人々、お年寄
りや子供たちが手軽に植物の栽培を楽しみ、人とコミュ
ニケーションを持ち、夢と生き甲斐のある生活を送るこ
とが可能である。また、人々が長年に渡り、作物や植物
を栽培し、人工的に土壌体を作ってきたが、若年層の減
少により、人手が不足することが考えられる。これから
将来に渡り、この土壌体作りはノニオン樹脂に肥料を含
有させて、ノニオン樹脂のpHコントロールにより自動
的にアルカリ性培地に変換し、畑、公園、花壇、また植
物の鉢底にガーデンマットとして肥料入りノニオン樹脂
を使用することにより、植物、作物の生産効率を高め、
人手を軽減する事が可能である。
【0099】従来、植物の栽培において、水や肥料を含
み、保水剤として使用される樹脂はあったが、これらは
いずれもアクリル系樹脂であり、保水効果を得ることを
目的としていた。上記実験により、土壌体での植物や作
物の栽培においても、水と肥料が重要であり、水を新鮮
に保つことが最も大切である。水、肥料、根腐れ防止剤
は、植物の栽培において重要な三要素とも言える。これ
らのことから、砂漠での植樹、植物や作物の栽培におい
て、ノニオン樹脂はなくてはならないものである。ノニ
オン樹脂は、保水効果と根腐れ防止効果を兼ね備えた、
水耕栽培の培地と土栽培の培地の両用が可能な人工植物
培地ということができる。
【0100】次に、ノニオン樹脂の保水剤としての使用
方法について説明する。これまで、室内園芸の植物の培
地での使用であったが、近年ブームとなっている屋外・
屋上ガーデンや、花壇、畑、砂漠等の植物培地において
は、保水、保持力のあるノニオン樹脂を使用することが
大切である。従来、土に混ぜた保水剤使用にアクリル系
樹脂が使用されてきた。このアクリル系樹脂は、膨潤倍
率は大きいが、離水により、短期間で縮小し、また、縮
小すると、植物の水分を吸収してしまう欠点を有する。
ノニオン樹脂においても膨潤倍率が20乃至100培の
ものを使用することにより、肥料、保水、根腐れ防止の
効果が同時に作用し、また、長期的に安定した培地とす
ることが可能となる。
【0101】花壇、畑、屋外・屋上ガーデンや、砂漠等
では、自然環境や土壌体や天候等の条件により異なる
が、水を含んだノニオン樹脂100kgと、水を含んだ
アクリル系樹脂100kgを混合使用した場合、アクリ
ル系樹脂が定期的に離水することにより、離水しないノ
ニオン樹脂がアクリル系樹脂からの水分を吸収するが、
飽和状態となり、離水されても吸収されず、水分が溜ま
ってくる。その結果、地上部の土が湿り、蒸発する。水
が溜まることにより、植物の根は水耕栽培の根に変わ
る。これにより、これまで土壌体の根で生育していた植
物が過剰水分により一旦根腐れ状態を起こし、水耕栽培
の根に変わってしまう。これらのことから、水耕栽培の
植物には良いが、土壌体の根の生育に適した植物では生
育しにくいことが分かる。
【0102】これを防ぐためには、ノニオン樹脂のみを
使用して、離水しないで水を蓄えておくタンクの作用を
し、水分を保持するようにすると良い。地上部を湿らす
ためには、アクリル系樹脂を少量使用するのが良いが、
アクリル系樹脂は短期間で離水してしまう。離水してノ
ニオン樹脂の水分を吸収し、また離水する。しかし、雨
がほとんど降らない所では、貯蔵タンクは空になり、ア
クリル系樹脂の使用は水分の無駄使いとなる。
【0103】砂漠等の雨の少ない地域では、ノニオン樹
脂のみの使用が良い。雨が多い所では、ノニオン樹脂も
アクリル樹脂も飽和状態となり、ノニオン樹脂の根腐れ
防止効果により、今まで土壌体で生育していた植物の根
が水耕栽培の根に変化して生育を始める。
【0104】アクリル系樹脂は、水が溜まっていても離
水するので、さらに水分を溜めてしまうため、アクリル
系樹脂の使用は適さない。ノニオン樹脂の保水性のみで
は、植物が水分を吸収して生育する課程で、根の汚れを
取る吸着作用や除菌作用がなければ、アクリル系樹脂の
水たまりと同じであり、根腐れを起こすことになり、ノ
ニオン樹脂の除菌や汚れの吸着作用により、保水性が保
持されるのである。ノニオン樹脂の5つの作用により、
貯蔵タンクとして作用して植物はそこから水分や養分を
吸収し、汚れを排出し、自給自足で生育する。即ち、植
物は、汚れた樹液を排出し、貯蔵タンクから水分や養分
を吸収し、自給自足で生育している。
【0105】ノニオン樹脂が大地の役割をしていること
から、ノニオン樹脂は水耕栽培と土壌栽培の両用の植物
支持体と言うことができる。このノニオン樹脂には、除
菌作用又は抗菌作用、吸着作用、濾過作用を有してい
る。
【0106】水耕栽培の植物は、さっと根を洗い、簡単
にノニオン樹脂培地に植えることができる。水耕栽培で
生育した植物の根は、樹脂と樹脂の間の余分な水分を吸
収して生育するが、新たに発根することにより、新しい
根で成長していく。これらの根の生育は、水耕栽培も土
壌栽培もこれまでの根と同じ根で水分を吸収するもので
ある。最初、ノニオン樹脂培地では、水分を多目にして
おくことが重要である。草花等の根は柔らかな長い根が
多いため、最初から樹脂の水分を吸収することができな
いので、ノニオン樹脂培地の水分を多目にし、樹脂と樹
脂の間の余分な水分を吸収できるようにする。その土壌
体の根の先で水分を吸収し、やがて枝分かれしたような
細かな根が発根されていく。水耕栽培の根は水耕栽培で
生育したその根で水分を吸収し、発根が始まると新しい
根で成育してゆく。
【0107】水耕栽培の植物をノニオン樹脂培地に植え
替えた場合、ノニオン樹脂が離水すれば、このまま根が
生育する(図24)。又は、沢山の水分があれば、根は
変わらない。最初から水分を多目にしておくことが重要
である。これにより、植物は溜まっている水を吸収し、
水分が沢山あればそのまま水分がなくなると水分を探さ
ないで新しく発根する。土壌体の植物をノニオン樹脂培
地に植え替えた場合も同様に、そのままの根で水分を探
し、吸収する。
【0108】ノニオン樹脂培地に観葉植物や花木等を植
え替えた後、葉が枯れてしまうこともある。植え替え時
に根が切れたり、寒さや培地が変わったことによる負担
で枯れてしまうことがあるが、約2週間乃至1ヶ月、或
いは1乃至2ヶ月ぐらいして、新根や新葉を作る。これ
は根腐れ防止効果により発根し、発芽し、再生してくる
からである。これらのことは1年草では難しいが、ポト
ス、デンドロビウム、ミニバラ、ハイビスカス、サルス
ベリ、ムスク等では可能である。
【0109】次に、ノニオン樹脂の凝固作用と保水体や
保水剤としての使用方法について説明する。ノニオン樹
脂をガーデンマットとして地面の下に使用した場合、凝
固作用は働かないが、地上部又はプランターやガラス容
器に入れて使用すると、空気に触れて気化し、固まる。
ノニオン樹脂の形状が角状(直方体や立方体)のもの
は、面と面が大きく、通気性があり、気化しやすいが、
形状の異なる多面体や球状等で細かな粒子状等の重なり
においては保水性は高く、水持ちが大変良い。
【0110】また、これらの混合培地とすることによ
り、生育が難しい観葉植物のシダ類、アジアンタス、草
花の細かい柔らかな根が、水分を吸収しやすくなり、生
育が可能となる。角状の大きめのノニオン樹脂を用いた
植物培地では、度々水を与えることをしなくても栽培が
可能となる。
【0111】ノニオン樹脂からなる植物培地では、根が
ひとりでに水分を吸収するが、切り花や榊の保水体とし
てノニオン樹脂を使用した場合、切り花や榊は、ノニオ
ン樹脂に含まれる水分を吸収するのではなく、溜まり水
を吸収する。従って、水を注ぐか、綿や紙をノニオン樹
脂の中に敷くことにより、離水させる。これにより、切
り花や榊は水分を吸収することが可能となる。
【0112】また、バームクーヘン型樹脂に切り花を刺
して使用するとき、この樹脂に綿を巻き付けることによ
り、離水する保水体として使用することができる。
【0113】アクリル系樹脂の場合、アクリル系樹脂の
離水した水をノニオン樹脂が吸収してしまう。ノニオン
樹脂を月に約2乃至3割程度の離水性を有する保水剤と
して使用することにより、この保水剤をアレンジメント
で使用する場合、500gのノニオン樹脂で100乃至
150gの離水量とする。
【0114】植物培地においては、月に2乃至3回の水
やり(少量)を必要としているが、水やりが全く不要で
あると、植物栽培がただのインテリアや観賞用になって
しまう。また、人が栽培に参加しないで手入れをしない
ことにより、植物栽培への意欲が失われてしまうことに
なる。このため、せめて月に2乃至3回の水やりを考慮
したものである。
【0115】この2乃至3回の水やりをしなくても良い
ようにするために、1回の水やりを約1割とし、約3回
の水やりで約3割としている。また、雨が全く降らない
地域は別として、植物培地では月に約1/3の離水によ
り、地上部が湿り、雨により吸水される。また、月に1
回の水やりでよくなる。
【0116】次に、プランター、鉢、花壇等における保
水剤の使用方法について説明する。アクリル系樹脂等の
離水する樹脂を土に混ぜないで底に敷いて使用すると、
離水により水が溜まり、植物が根腐れを起こして枯れ
る。これは、アクリル系樹脂は離水により縮小してしま
い、水分がなくなると植物の水分を吸収するからであ
る。また、膨潤倍率が大きく、水分含有量による膨潤倍
率の較差が大きく、培地が安定しないためである。
【0117】アクリル系樹脂を土に混ぜて使用する場
合、離水量に応じてアクリル系樹脂の混合量を減らし、
離水により植物が水分を吸収しやすくなるようにするこ
とにより、良い生育となる。離水による水分が溜まらな
い程度にする。アクリル系樹脂が離水により縮小して
も、土がアクリル系樹脂を包んでいるので、植物の水分
を遮断することができ、植物の水分を吸収しにくくす
る。混合量が少なければ少ない程、培地には安定感があ
る。
【0118】離水しないアクリル系樹脂を土の下に敷い
た場合、土壌体の植物は生育できず、水さえあればポト
ス、アイビー等の水生植物は生育可能となる。この状態
は田んぼでイネが生育する状態と同様である。イネは水
生植物であり、十分な雨があれば畑(陸稲)でも生育す
る。従って、アクリル系樹脂は根腐れ防止効果がないの
で、水分はあっても土壌体の植物は根腐れしてしまい、
枯れてしまう。
【0119】離水しないアクリル系樹脂を土に混ぜて使
用する場合、アクリル系樹脂を土が包むことにより、植
物が水分を吸収し難くなる。植物は根がアクリル系樹脂
に密着し、接触しないと水分を吸収することができな
い。ゴルフ場等の芝生での使用において失敗した原因
は、アクリル系樹脂を土に混合し、その上に芝生を並べ
たからである。この状態では、芝は水分を吸収すること
ができない。この場合、ノニオン樹脂を地上に並べ、そ
こに芝生を敷く状態にしないと、芝は水分を吸収するこ
とができない。これらのことは、アクリル系樹脂とノニ
オン樹脂の比較において、ノニオン樹脂を土に混合して
使用することは、あまり適さないことを示している。ノ
ニオン樹脂を土に混ぜないで、植物の根の下に敷いて使
用することにより、保水効果が得られる。
【0120】ノニオン樹脂の根腐れ防止効果により、観
葉植物の栽培の他、花木、庭木等のあらゆる植物の栽培
が可能となる。観葉植物の中でも、シダ類やアジアンタ
ムの栽培が、ノニオン樹脂培地で可能となり、草花では
カトレア、デンドロビウム等のラン科の植物、ラベンダ
ー、ベコニア、ペチュニア、ナデシコ、マリーゴール
ド、セントポリーリア、パンジー、リンドウ等の花木に
おいて、さらに、バラ、ハイビスカス、ムクゲ、ルリヤ
ナギ、サルスベリ、エンジェルイヤリング、アザレア、
シャクナゲ、アベリア、榊、月桂樹、ヒイラギ、キンモ
クセイ、ブルーベリー等のあらゆる植物の栽培が可能で
ある。
【0121】次に、保水剤を花壇や畑に使用する場合に
ついて説明する。雨が降る地域では、土の中のノニオン
樹脂の水の帯として、雨が降る地域では水はけを考慮し
て配置する。例えば、土の畦に平行した2本の水の帯と
なるようにノニオン樹脂を配置する。或いは、植物を囲
むようにドーナツ状にノニオン樹脂を配置する(図2
2)。これにより、雨が降ってもノニオン樹脂が雨を吸
収し、ノニオン樹脂の間を通って雨が土の中に浸透し、
水はけの妨げとならないようにすることができる。
【0122】一方、雨が全く降らない地域では、根を包
み込むようにノニオン樹脂を配置する(図23)。これ
により、余分な水分が土の中に逃げることを抑制し、少
ない水分をノニオン樹脂が吸収して逃がさないようにす
ることができる。屋外においては、花壇や丹精込めて作
られたガーデニングが、地球温暖化による異常気象によ
り、雨が降らないときの水不足を考え、地域的に地下に
水を貯蔵しておく対策をとらなければならない。ノニオ
ン樹脂を用いることにより、水不足にも対応することが
できる。
【0123】ノニオン樹脂に砂糖水とイオン水を混合し
たもの、又は、ノニオン樹脂に炭酸飲料(糖分を含
む)、又は炭酸の入っていない清涼飲料水を吸着させた
ものを培地として植物を栽培すると、植物が砂糖水を吸
収し、気孔から取り入れた空気中の二酸化炭素と、光の
エネルギーとで糖類やでんぷん等の複雑な同化養分を作
り出し、酸素を気孔より送り出す。根から吸収する水で
も良いが、ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を少々使用し
た場合も、このような光合成は行われるが、炭酸飲料等
の甘い水分の中に、コーヒーの木、ポトス、アイビー等
を漬けておいた状態により、葉がべたべたし、糖分が吹
き出ているのが分かる。
【0124】最後に、発明者が行った付随的な実験結果
を示す。発酵酒の中に有機酸が含有されており、これを
吸着させることで植物の成育を良くする事がある。切花
や植物培地に炭酸飲料に含まれている最も甘い果糖や人
間にとっても大切なぶどう糖が一番良いと考えられ、少
量これらを添加し、良い成育となっている。
【0125】植物を日本酒、ワインの培地に栽培した
時、アルコールの浸透圧で植物の水分を吸収させたり、
ノニオン樹脂培地に使用した時、ビールでは2〜3日で
葉が枯れてしまい、アルコールでは難しいことがわかっ
た。
【0126】デンドロビウムを植えて7ヶ月も経過した
汚れたノニオン樹脂培地にてワイン約50ccを与えた
後、枯れると思いこんでいたが、2週間経過後も大変葉
の色がつやつやとして明るい、黄緑色をし、新葉を付け
ている。
【0127】また、草花、マリーゴールド、日々草、カ
ランコ、ポリシャス、百日草のノニオン樹脂培地にそれ
ぞれワイン少量300gに炭酸飲料の約30cc、イオン
水15cc与えて栽培した培地に、ワイン20ccを与えた
が、良好である。また、ミニバラが伸びて3ヶ月たって
いる培地約300gにワイン50cc、ノボタンを植えた
培地1,000gでワイン100ccを与えた所、翌日1
日で新葉や新芽を付けている。ノボタンが新芽を沢山つ
けていた。
【0128】草花や花木では日本酒やビールを与えるこ
とで蒸散作用があったが、アルコールにより枯れてしま
ったが、ワインでは良い成育となっている。当初考えた
発酵酒の中の有機酸が働き汚れたノニオン樹脂を浄化
し、活性化していると考えられる。また、アルコール臭
がなく、培地の汚れた臭いがなくなっていた。
【0129】日本酒、ビール、ワインの発酵酒にはそれ
ぞれ有機酸が含まれているが、特にワインに含有量が多
く、ぶどう糖が良い効果を上げていると考えられる。
【0130】寄って、ノニオン樹脂にイオン水+果糖ぶ
どう糖+有機酸を添加することで、より植物培地を活性
化することが可能であると言える。
【0131】切花においては水を腐らせないことが大切
であり、イオン水の使用が最も良く、榊では水道水で4
〜5日で枯れるが、イオン水を使用することで10日以
上保持することができる。また、イオン交換樹脂を少量
使用することで100cc〜600ccの水のみでさらに2
〜3日長く保持することできる。なお、水道水にイオン
交換樹脂を使用すると、約1週間の保持である。イオン
水にイオン交換樹脂の使用が最も簡単で安く、切花、榊
等を長く保持することができるが、さらに果糖ぶどう糖
や炭酸飲料水を少量また、砂糖等を与えると良い。
【0132】市販の清涼飲料、水分補給飲料、炭酸水に
ポトスを栽培していた。炭酸水(砂糖なし)にワイン少
量を与えた。各市販の清涼飲料、水分補給飲料のポトス
はぐったり葉が垂れてもう限界であったが、ワインを与
えたポトスは生き返っていた。根がしっかりし、葉も生
き生きしていた。1枚の葉が腐っていたが、これはワイ
ンを与える前の状態であり、ワインを与えたことで殺菌
作用が働いていることを語っている。ノニオン樹脂が入
っているのかと錯覚をした。
【0133】また、のABの培地、他にも、ワインを
与えているのにアルコールの臭いがなく、また、培地の
根腐れの臭いがしない。また、これらの培地で植物を持
ち上げると、根にノニオン樹脂が吸い付いている。今ま
で甘い砂糖付けの培地においては、植物は樹脂に付かな
く、植物だけがするっと離れていた。これは糖分を沢山
与えたことで樹脂の除菌や吸着作用が働かなかったと考
えられる。ワインを添加したことで樹脂が有機酸を吸着
し、除菌効果が高められた。デンドロビウムに50cc
ワインを与えたのが良好だったので、さらにワイン50
〜60cc与えた。1日で根が3cmの新根が沢山伸び
ていた。
【0134】これらのことから、アルコールは14−1
5℃ので、殺菌効果はあるとは考えられない。ノニオン
樹脂培地においてワインを添加することで、活性化が高
められ、除菌作用を強めたと考えられる。
【0135】ノニオン樹脂培地では、吸着作用や除菌作
用が効果的に働いたと考えられる。 ワインの成分…タンニン、有機酸、アルコール、果糖ぶ
どう糖 タンニンの除菌作用があるので、ワインの使用が殺菌作
用を高めたと言える。
【0136】 日本酒…有機酸 少量 糖分 アルコール 水分 ビール… 〃 〃 〃 〃 乳酸、酢酸、二酸化炭素 日本酒やビールは少量使用することで糖分が蒸散作用を
活発にするが殺菌効果はあまり期待できない。よってノ
ニオン樹脂にワインを添加することで除菌効果を高める
ことができた。また、ワインを薄めて植物の根に与える
ことで、殺菌効果と葉や根の蒸散作用や光合成を活発に
することができる。
【0137】根腐れ防止剤による植物栽培方法 ノニオン樹脂ポリビニルアルコール(みずもち一番(登
録商標))は、水道水を吸着することで離水作用とな
り、ポリオキシエチレン(商品としてアクアコーク(登
録商標)がある)との混合使用により、より保水性のあ
る根腐れ防止剤となった。このポリビニルアルコール
は、イオン水を吸水すると強い吸着作用となり、除菌、
ろ過、凝固作用を持ち合わせている。水道水を吸水して
離水作用が働いても、その樹脂培地とした植物は根腐れ
を起こさず、水耕栽培の根に変換しなかった。その植物
も水耕栽培に適した植物ではなく、ごく普通の土壌栽培
の草花や観葉植物であり、離水された水が除菌作用によ
ることがわかる。ノニオン樹脂培地は土壌体と同様な植
物の生育である。ポリオキシエチレンの角状は面と面の
重なりの間の水分が保たれず通気性が良く、観葉植物の
ような耐久性の強い根は、この水分を吸収後、樹脂を貫
通し水分を吸収する。しかし、草花、ミニバラ、シダ類
等の根の柔らかな植物は、この樹脂と樹脂の間の水分を
吸収後、樹脂を貫通して水分を吸収できないため、当初
1週間〜10日に1度水分の与えてやらなければならな
かった。又、ノニオン樹脂(ポリビニルアルコール)は
細かな粒状により、粒と粒の間隔が小さく、保水性に富
み、草花等の根の柔らかな植物はこの水分を吸収し、こ
の培地での育成に適していた。又、膨潤倍率が大きいた
めに保水性が保たれ、イオン水を吸着した培地では、草
花、ミニバラ、シダ類は200gで2週間に1度の水や
りとなる。この2つのノニオン樹脂を混合した培地での
植物栽培では、約2週間に1度の水やりとなり、さらに
肥料水を吸着することで月に1度の水やりとなる。この
混合比は、ポリビニルアルコール1に対して、ポリオキ
シエチレン0.5〜1となる。ポリオキシエチレン粉末
状においても、ほぼ同様である。
【0138】根腐れ防止剤による植物栽培方法 植物栽培において、水耕栽培と土壌栽培の2つに分類さ
れているが、それぞれの栽培方法は異なっているが、
ずれも光や温度の他、水と肥料の関係であり、水を腐敗
させないで植物を栽培する目的である。水耕栽培では水
やりの手間を短縮するために、植物の鉢底にあらかじめ
水をためてその水が腐敗しないように水を循環し、水腐
れを防止されていた。土壌体においても、水やりは忙し
く頻繁に与えられて、この水やりを怠れば植物が1週間
〜10日で枯れていた。この水やりをまとめて与えれ
ば、水たまり状態が根腐れを起こす原因となって枯れた
り、生育を悪化させるものである。この作用を助ける培
養土が開発、使用され、はるかに保水性が保たれてき
た。従来の根腐れ防止剤は吸着作用がなく、鉱物系であ
ったり、イオン交換樹脂においても植物のインナーポッ
トの鉢底使用は可能であっても、同時に多量の水分を吸
着したり、樹液等の排出物を多量に吸着することは困難
であった。又、培養土の中には、元肥、有機肥料、もみ
がら等が使用され、有機肥料の使用によりこれらの中の
微生物が植物の樹液や有機酸を吸着し、水腐れを防いだ
り保水や水はけを調整しているものである。ノニオン樹
脂の根腐れ防止剤はこれらの作用、肥料、保水Phコン
トロール、水はけ、根腐れ防止作用を同時に行うもので
ある。保水性は吸水性樹脂の本体の部分であるが、今ま
で植物培地で観葉植物の強い根では土壌体の植物の根を
洗って植えるだけで生育し、樹脂と樹脂の間の水分を吸
収し、その後の樹脂を貫通し水分を吸収して、定着する
のは容易であった。草花、シダ類等の根の柔らかな植物
を同様な培地に植えると、どうしても約1週間位で水分
がなくなり、元気を失い枯れてしまった。これを解決す
るために、粒状の保水性の高いノニオン樹脂(ポリビニ
ルアルコール)を混合することで、水分を2週間も長く
保持することができた。又、あらゆる草花の水分の悩み
を解決することができた。このポリビニルアルコールは
保水性があり、水道水で離水作用となる。ポリオキシエ
チレンの吸着作用により切花をこの培地に挿すアレンジ
メントは、約1〜2日しか保持できなかったが、ポリビ
ニルアルコールを使用することで、花によっては1週間
〜2週間と長く保持することが可能となった。その他、
今までどうしても難しかったワラビ科、プテリス、ファ
レイ、クレティカ、アジアンタム、リュウビンタイ、プ
ミラ、タマシダ等、草花ではプリムラ、ハーブ、ミニバ
ラの他、シンビジューム、カトレア、デンドロビウム等
のラン科等、あらゆる植物の生育を可能とし、解決する
ことができた。このノニオン樹脂、ポリオキシエチレン
は、吸着、除菌、ろ過、凝固作用の他、浮上作用(水面
に浮かぶのではなく、水の底面から表面近くに均一に浮
上するものである)がある。このポリオキシエチレンの
培地に切花を挿し、アレンジメントで使用すると花がチ
リチリして枯れたりして難しかった。ポリオキシエチレ
ンとポリビニルアルコールを混合使用すると、ポリビニ
ルアルコールとポリオキシエチレンのろ過作用と中和作
用で切花使用が簡単に可能になった。図25の水質検査
結果により、膨潤したポリオキシエチレン500g
ポリビニルアルコール500gポリオキシエチレン2
50gとポリビニルアルコール250gをそれぞれビー
カーに入れ水道水(吉田町上水 残留塩素 5mg/
l)1.2lを加え、1日室温で放置し樹脂の入って
いないものをブランクとして同様に1日間室温で放置し
たものである。この結果により、ポリオキシエチレンが
ポリビニルアルコールの塩素イオンを吸着し、ポリビニ
ルアルコールがポリオキシエチレンの蒸発残留物を吸着
し、ろ過している。注意・・・・この浮上作用は一番大
切な切花を花瓶に使用すると、カラーコーディネートし
たポリオキシエチレンが新しいインテリア性を高めてい
る。水1に対してポリオキシエチレン0.5使用(0.
3では水の半分の位置までしか浮かばない)。この浮上
するのはアクリル系樹脂では不可能で底に固まるか、水
面に固まる。
【0139】根腐れ防止効果による土壌剤 保水と水はけの実験により、植物栽培において特に草花
栽培では土が重要な要素を持っている。土は植物の支持
体だけでなく、草花が根から吸い上げる水分を保つため
に重要であるが、植物に必要な肥料は土中の水に溶けて
染み込み、草花に吸収される。このように草花の生育に
は土と肥料とが大きな役割を果たしている。この土には
いろいろな種類があるが、植物栽培に最も適している壌
土は、砂と粘土が半分ずつ混じった畑の土である。一年
草には砂がいくらか多い砂質壌土又、宿根草(多年草)
では粘質壌土が良いとされている。砂質壌土には水はけ
があり、粘質壌土は保水性に富む土であることがわか
る。植物の実験により、ノニオン樹脂の植物栽培は土と
水の関係であり、ノニオン樹脂が土壌体と同様な生育を
することはすでに言っているが、吸着作用が水はけ作用
で離水作用が保水作用であるが、ポリビニルアルコール
吸着作用であるが草花等の根の柔らかな植物が水分を
吸収しやすい状態であり、離水と同様な作用である。ノ
ニオン樹脂ポリオキシエチレンが水はけ、砂土の作用が
あり、ポリビニルアルコール(みずもち)が保水の粘土
作用の関係に当たり、この混合比率はポリオキシエチレ
のアクアコーク砂質壌土1対1、粘質壌土のポリビニ
ールアルコールのみずもちでは1:1で植物栽培に最も
適した壌土と同様な作用をする植物培地であるといえ
る。一年草ではいくらか砂が多い砂質壌土、宿根草(多
年草)では粘質壌土が良く、ポリオキシエチレンとポリ
ビニルアルコールは1:2で水やりが省け、良い生育と
なる。又、宿根草は地下の部分が冬の間も生存してい
て、春に芽を出す植物であるが、ポリオキシエチレンの
培地において、イモ科や観葉植物ポトスなどでも同様な
作用をすることが確認されている。冬の水やりをすると
寒さで枯れてしまったりした。この作用は根腐れ防止効
果とも思われるが、ポリオキシエチレンに水分を少し多
めに注ぐと粘質壌土になり水分が少ないと砂質壌土にな
る。以上はポリオキシエチレンとポリビニルアルコール
に水道水に液肥を吸着した栽培である。又、ポリオキシ
エチレンは水道水又、降雨を吸水しても変化はないが、
ポリビニルアルコールは降雨では塩素が含まれていない
め、吸着作用に変化するものである。これらの2つを
壌土体に使用しても離水作用が働かなく、保水剤の効果
がないことがわかる。これらの使用は水はけはあるが離
水がなく、保水剤ではなく土壌体として使用されるもの
である。樹脂を離水させるには、パルプで包んだ固形肥
料を混入させたり、アクリル系樹脂を混合使用したりす
ることで離水作用が可能となる。ポリビニルアルコール
は保水性が高いので離水作用は起こさなくても良く、草
花、ミニバラ、シダ類等の植物を植えると、すぐポリビ
ニルアルコールの水分を吸収し生育することが可能であ
る。それに反してポリオキシエチレンのみでは、吸着作
用が働くため樹脂と樹脂の間の水分がなくなると、人手
により水やりをするか、パルプに包んだ固形肥料や殺菌
したもみがらなどの使用で離水させることは可能である
が、離水される水は肥料水であり、保水性を高めること
も可能である。このようにポリオキシエチレンとポリビ
ニルアルコールの混合使用により、植物栽培に適した壌
土の根腐れ防止剤とすることが可能である。
【0140】水質検査 1 試験目的 本試験は、水道水にノニオン樹脂(アクアコーク(登録
商標)、水もち一番(登録商標))を加えることによ
り、水質に変化が生じるか確認することを目的とした。 2 水質検査 2−1試験方法 1.固形状のアクアコーク、40gおよび水もち一番1
0gをビーカーにいれ、そこに水道水(吉田町上水)2
lを加え、樹脂を1日間常温で膨潤させる。 2.潤したアクアコーク、500g、水もち一番5
00g、アクアコーク、250g+水もち一番250
gをそれぞれビーカーに入れ、そこに水道水(吉田上
水、残留塩素0.5mg/l)1.2lを加え、1日間
常温で放置する。樹脂の入っていないものをブランク
とし、同様に1日間放置する。 3.放置後、〜の水について、No.5Aのろ紙を
用いて、樹脂が入らないように採水を行う。 4.〜の水について、水道水法に基づく水質基準に
関する省令(平成4年12月21日厚生省令第69号)
に従い、水質検査を行う。 試料溶液アクアコーク 水もち一番アクアコーク +ポリビニルアルコール ブランク(吉田町上水)
【0141】ポリオキシエチレンとノニオン樹脂のろ過
作用を食塩培地とダイオキシン培地に植物を栽培し実験
した。 吸着作用・ろ過作用 実験(1) ノニオン樹脂に食塩を添加した植物培地のろ過作用。
(食塩培地) 海水の塩分は100ccの海水で3g(3%)の塩分を
含んでいる。 1kgのノニオン樹脂に30g添加 1kgのノニオン樹脂に60g添加 この培地にパキラ・セローム・ベンジャミン・ポトス・
アイビーの観葉植物・ミニバラ・マリーゴールドの草花
を植える。 食塩の成分 炭酸マグネシウム、天日塩(海水)、塩 実験期間 1ヶ月半経過
【0142】パキラは3〜4日頃より葉がつやつやし、
蒸散作用が活発となっていると見られる。ミニバラ・マ
リーゴールドは3〜4日頃からしおれる。ポトス・アイ
ビー、ベンジャミン・セロームはあまり変化がなく、生
育が可能と見られる。 食塩30gは海水と同じ濃度である。60g培地で
も約1ヶ月ぐらいは変化はなく、ノニオン樹脂の吸着・
ろ過作用により塩分が吸着され、植物がその塩分の水分
を吸収している。約1ヶ月はパキラ、セロームの生育は
良かった。樹脂が縮小したため水分の吸収ができなくな
ったためと考えられる。耐久性のある観葉植物の栽培が
可能であるが、ノニオン樹脂のポリビニールアルコール
では約10g(1%弱)の食塩を添加すると5〜20分
で水に分解してしまう。この実験において砂漠地帯の植
樹において、ナトリウムイオンを含有するアクリル系樹
脂の植物栽培において、離水によりナトリウムイオンが
流出し、水分の蒸発により地表にナトリウムイオンが溶
け出し、これを防ぐために地面に水をかけ、ナトリウム
イオンを地下に流し込む作用をしていると聞いた。砂漠
地帯での川の水も海水と同様であり、塩分を含有し、植
物栽培が難しいとされたが、ノニオン樹脂では海水でも
植物栽培が可能であった。又、この吸着、ろ過作用は浄
化槽に使用することで大腸菌の流出を防ぐことも可能で
ある。
【0143】吸着・ろ過作用実験(2) 塩化ビニールの燃えがら(ダイオキシン)を植物培地で
の吸着・ろ過作用による根腐れ防止剤 (ダイオキシン
培地) 実験 ノニオン樹脂1kgに塩ビの灰5g 植物 パキラ、ガジュマル、ミニバラ、コスモス、ポト
ス、アイビー 期間 1ヵ月半 ノニオン樹脂にダイオキシン成分、塩化ビニールを燃や
した灰を樹脂1kgに5gを添加し、上記の植物を1ヶ
月半栽培した。水分をたくさん必要とするアイビー、ポ
トスの生育が悪かったが、寒さに弱い植物であり又、水
分を補給していないことによる。しかし、パキラ、ガジ
ュマル、ミニバラ、コスモスは何の異常もなく生育し、
ビニールを巻いて屋外に配置したにもかかわらず元気で
ある。灰による保温効果が考えられ、水分の補充もしな
いにもかかわらず、鋭敏なミニバラ、コスモスが生育し
ているのに驚いた。これらは実験用で、少量の灰を使用
しているが、ダイオキシンに汚染された培地においても
植物栽培は可能であり、ノニオン樹脂の吸着・ろ過作用
によるものである。多量の灰をノニオン樹脂培地に使用
し、灰の中のダイオキシン等の有害物質を吸着・除去
し、最小限度にすることができる。
【0144】ノニオン樹脂の吸着・ろ過作用による根腐
れ防止剤 吸着・ろ過作用は前記炭水飲料やビールをポリオキシエ
チレンに吸着させた実験により植物栽培にはビールのア
ルコール分は良い結果はないが、ノニオン樹脂の吸着作
用により二酸化炭素を吸着し、ろ過することがわかる。
別紙の図26から20℃では0.1688g/100g(=0.878ml/m
l)、水100gに0.1688g溶けることが可能で
ある。ビールにおける炭酸ガス濃度(1.5〜2気
圧)、キリンビールは0.5%程度炭酸ガスが溶けてい
る。炭酸飲料における炭酸ガス濃度(1.2〜3.5気
圧)、ほぼビールに近い数値である。降雨の際の二酸化
炭素の数値をはるかに吸着しているのであり、地表や屋
上緑化のノニオン樹脂の使用により、吸着されるもので
ある。
【0145】中和、ろ過剤によるノニオン樹脂の根腐れ
防止剤 実験 図29により土壌 の間に根腐れ防止剤を使用する土壌栽培での植物培
地は、水はけのポリオキシエチレンと保水によるポリビ
ニルアルコールによる吸着、除菌、ろ過作用からなる植
物栽培である。ポリオキシエチレンにイオン水を吸水さ
せ、ポリビニルアルコールに水道水のみを吸水させ1つ
の容器に使用すると、ろ過作用によりポリオキシエチレ
ンがポリビニルアルコールの水道水の塩素を吸着し、ポ
リビニルアルコールがポリオキシエチレンのイオン水を
吸収していることがわかる。それはポリビニルアルコー
ルに水道水のみを吸水させると、離水作用により水分が
増してくることでわかる。又、この2つのノニオン樹脂
を水道水の中に入れ、切花を使用すると、ポリオキシエ
チレンのみでは切花が難しく、約1〜2日しか保持する
ことができない。しかし、ポリビニルアルコールを混合
使用することで、ポリオキシエチレンの残留物の数値が
変化し中和されていることからわかる。又、塩素イオン
も中和されている。これらのろ過作用により、ガーデン
マットとして土壌中に使用された時、同様な結果が考え
られる。この2つのノニオン樹脂に抗菌剤を吸着させ使
用しても実験2のポリビニルアルコールとアクリル系樹
脂(WaterLock)の実験と同様なことが考えられる。土
中において、降雨は殺菌された水ではなく、ごみやほこ
りが混入されているため、図30の抗菌剤を含んだポリ
ビニルアルコールがこの降雨を吸収することで、腐敗す
ることが考えられる。これにより土壌にガーデンマット
として使用するには、肥料が大きな決め手となる。ノニ
オン樹脂は土と混合使用(混ぜて使用する)では離水せ
ず、保水作用が働かず特にポリオキシエチレンの吸着作
用のみでは室内園芸の樹脂培地と同様、保水性が不足
し、1週間に1度の水やりと同様、保水性の効果は期待
できない。よってポリオキシエチレンとポリビニルアル
コールの混合使用はお互いの欠点や不要物を中和し、ろ
過することでより良い壌土になる根腐れ防止効果とな
る。
【0146】土壌体の根腐れ防止剤による植物栽培方法 人工培地で実用新案出願後、保水剤使用を取扱説明書に
記載し販売したが、このポリオキシエチレンでの土壌と
の混合使用は保水効果が薄かった。実験1−A〜Dの実
験培地に植物 バラ、雪つばき、ブルーポイント、ゴー
ルドクレスト、サザンカ、パンジーのインナーポケット
をはずし、植えた。実験期間は約3週間である。AとC
のポリビニルアルコール(肥料吸着1kg、HB−10
1吸着500g)を使用した。このAとC肥料を吸着さ
せた培地では、サザンカのつぼみがすぐ咲き、バラの開
花も非常に早かった。しかし肥料を含んでいない培地で
は、あまり生育の変化が見られない。ポリオキシエチレ
ンはアクリル系樹脂と違って離水作用がなく、土壌と混
合すると図29−Bと同様な状態で土が湿らず、植物の
根が土で隔離された樹脂の水分を吸収することは難し
く、保水効果を発揮することができなかった。このポリ
オキシエチレンと土壌との混合使用では土壌の約半分を
使用しても、夏期においては1週間に2〜3回の水やり
は必要となる。
【0147】図27の実験1の土壌体の植物培地の実験
において 実験1−ではと比較してポリオキシエチレンの吸
水量が一番大きく、また排水量も一番少なかった。ポリ
オキシエチレンは膨潤倍率が一番小さく、100%吸水
しているにもかかわらずでは多量の吸水をし、少しの
排水量であり、保水作用を保っている。これは樹脂と樹
脂の重なりにより、樹脂が水分を抱きかかえ保っている
ことがわかる。離水しない分の水分を抱きかかえる保水
作用があるが徐々に吸収してしまうのである。この状態
は粉末のポリオキシエチレンでは難しい作用である。 ポリオキシエチレンを土壌の中にガーデンマットとし
て敷いた使い方であり、肥料を吸着しているが、植物の
根は樹脂の表面の水分がなくなると約1〜2週間で庭木
や樹木の強い根は樹脂を貫通して水分を吸水する事がで
きる。の培地では、バラ、サザンカはすぐ開花せず、
ゆっくりつぼみを膨らます生育である。ポリオキシエチ
レンの土壌培地では草花や花木では樹脂より水分を吸収
することは難しいのでポリビニルアルコールの混合使用
すると良い。粉末状のポリオキシエチレンで保水作用を
促すか、パルプに顆粒肥料を包み、人工的に手を加えな
ければならない保水方法である。は土壌の表面が一番
乾いているので、パンジーにつぼみが付き生育が良いの
は吸着作用や水はけ作用の効果である。一年草、庭木、
樹木の栽培に適している土壌培地である。
【0148】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1− ポリビニルアルコール(みずもち)の培地 図27を参照すると、ポリビニルアルコールは水道水
では離水作用になるが、肥料を吸着させることで吸着作
用となり土の中では根腐れをしない吸着作用となる。実
験1−ではポリビニルアルコールのみの植物栽培は保
水性に富み、土壌体内では気化せず、長期的な使用が可
能であるが、図28の実験2のミニバラ培地でポリビニ
ルアルコールとデンプンアクリロアミド培地ではどちら
もイオン水入HB−101を吸着していたが少量の使用
であり、約1週間から10日でWaterLockの離水により
根腐れを起こしていた。水はけの悪い状態であったが、
これはポリビニルアルコールとWaterLockの同様な膨潤
倍率であり、ポリビニルアルコールが過剰な吸水ができ
なくなったことによるもので、このようにのポリオ
キシエチレンやポリビニルアルコールとアクリル系樹脂
の混合比率は1:1より1:0.5〜0.8としなけれ
ばならない。又、1:1の時はイオン交換樹脂を使用す
ると良い。ポリオキシエチレンをポリビニルアルコール
の調整剤として使用することで、根腐れ防止を強化でき
る。保水性を好むサザンカの生育が良かった。
【0149】実験1− 実験1−WaterLockは離水する保水作用があり、保水
性はあるが図29のC−Aにより、根腐れするのでポリ
オキシエチレンとの混合使用が適している。ポリオキシ
エチレン:WaterLock(アクリル系樹脂デンプンアクリ
ルアミド)は1:1の混合使用で植物が土壌内の根で良
好な生育となるが、WaterLockがポリオキシエチレンよ
り多い培地は水耕栽培の根の生育になり、図15により
根腐れをしやすいので注意が必要である。ポリオキシエ
チレンより少なく1:0.8位とする。の実験は砂漠
の植樹の場合と同様なパターンということができる。ア
クリル系樹脂の離水により、ナトリウムイオンが地上に
気化し、地下に水をかけて地面にナトリウムイオンの水
分を沈めているようなことになる。又、離水により水た
まりができたり樹脂が縮小して植物の水分を取ることな
ども考えられる。実験1−アクリル系樹脂のWaterLoc
kの培地では、サザンカのつぼみの開花が早かった。こ
れらはHB−10lを吸収し、水を注いだことで開花し
たものであるが、水を注ぐことで植物の根の水分吸収を
活発にしたものである。しかしバラの色つやが悪く、生
育の変化がない。縮小すると植物の水分を吸収してしま
い植物が枯れてしまう心配がある。
【0150】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1−A ポリビニルアルコールとWaterLockの培地 図29によりアクリル系樹脂の離水作用により、土壌が
水分を保ち、水やりをせずとも植物栽培が可能となる。
実験1−Aは実験2のミニバラ培地と同様な作用とな
り、WaterLockの離水作用と、ポリビニルアルコールの
保水性により非常にスピードのある生育になるが、水や
りや降雨により根腐れを起こすことが考えられる。この
培地ではミニバラを約20本植える。ポリビニルアルコ
ールとWaterLockを同量にイオン水とHB−101を吸
着させた培地である。ミニバラ20本に対して抗菌剤の
使用量が少な過ぎた。約1週間は非常によい生育であっ
たが、10日よりWaterLockの離水により、水分が過剰
になり少し根腐れ状態を起こしている。このようにポリ
ビニルアルコールが吸着作用であっても、アクリル系樹
脂の離水により水はけが悪い状態になり、ポリビニルア
ルコールの吸着作用が伴わなくなる。この実験は土の中
の使用でも水たまり状態になり根腐れを起こすことが考
えられるので肥料濃度を高め、アクリル系樹脂の使用量
を少なくすることで、根腐れを防ぎ又、使用量はポリビ
ニルアルコールとWaterLock1:0.8とする。又、イ
オン交換樹脂は降雨の少ないときの離水作用を吸着作用
に変換してしまうので、注意が必要である。実験1−A
とCのポリビニルアルコールに液体肥料を吸着させて使
用した培地でのバラ、サザンカのつぼみが水を与えたこ
とで保水効果が発揮され、非常に早く開花し又、良い生
育となった。室内用培地では約300〜500gの培地
ではポリビニルアルコールとWaterLockの混合使用が適
しており、1:0.8位の使用量が良い。培地でシダ、
ミニバラ、プリムラの生育が良い又イオン水に抗菌剤H
B−101の使用であるが、殺菌効果は肥料を使用する
ことでよい組み合わせである。
【0151】実験1−E ポリオキシエチレン(アクア
コーク)とアクリル系樹脂WaterLockの混合培地 Eはアクリル系樹脂の混合使用による離水する培地、水
耕栽培に適している培地である。このWaterLockやアク
リル系樹脂の混合使用では、ポリオキシエチレンの除菌
作用やろ過作用により、離水による水腐れを防ぐことが
できる。混合比率は室内用培地では1:1,地下では
1:0.8〜0.5位とし、ポリオキシエチレンの使用
量より2割程度の少ない量とすると、降雨による根腐れ
を防止する。ポリオキシエチレン約150〜200gイ
オン交換樹脂の約0.5gと同様な水はけ作用をするこ
とにより使用する方法である。又、地下において降雨の
たまり水を知ることができないので、イオン交換樹脂の
使用量は少量の使用とし、離水作用を妨げない様にす
る。又、水やりを省くために植物が耐久性のある植物で
あれば、多量の給水でも良い培地である。
【0152】根腐れ防止剤の植物培地の実験 図27,28の実験1のEの結果は、との吸水量、
排水量の平均値によると ポリオキシエチレン(アクアコーク)1.5kg WaterLock 1.5kgの混合とすると、吸水量
5.85、排水量4.15又、 ポリビニルアルコー
ル(水もち)1.5kg WaterLock 1.5kg の混合とすると、吸水量5.7、排水量4.3上記は実
験の平均値によるものであるが、Eとほぼ近い数値であ
る。Aのポリビニルアルコール(水もち)とWarterLock
の吸水量5.8 排水量4.2とEのポリオキシエチレ
ン(アクアコーク)とWaterLockの吸水量5.8排水量
4.2と同様な数値により、の平均値と吸水量5.
7、排水量4.3とほぼ同様な吸水、排水量を示してい
ることが言える。2種類の混合使用は最多量の水分を吸
収し、最小の排水量とすることが可能である。アクリル
系樹脂はナトリウムイオンを含有し、膨潤時間や膨潤量
は大きいが、縮小したときの格差が大きく又、縮小する
と植物の水分を吸収してしまう欠点を持っている。又、
高温により溶けてしまうため常温の使用である。植物栽
培用土として使用しにくいところを持ち合わせている。
ノニオン樹脂の離水するこれらの膨潤時間を有する樹脂
があれば一番良好な組み合わせであり、より良い栽培が
可能となる。しかし、離水作用は吸着作用が伴わなけれ
ばアクリル系樹脂による水耕栽培の生育となり、根腐れ
を起こすので注意が必要である。Eとの平均値によ
る吸水量5.85、排水量4.15単品の吸水量、排水
量がCより大きいことがわかる。3種類の混合使用の排
水量は大きい。降雨の少ない地域では、ノニオン樹脂を
使用して海水を生活用水としたり又、屋上での降雨をろ
過し、生活用水に使用することも可能である。(ろ紙に
包むことで水分を排出させられる)
【0153】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1−B、D ポリオキシエチレンとポリビニルアル
コールとWaterLockの混合培地 図27〜図29を参照すると、実験1−Bにおいても同
様にポリビニルアルコールに抗菌剤HB−101を使用
しているが、液体肥料を吸着していないために植物の開
花が遅れていることと、保水性が不足していることが言
える。BとDではよく似た水はけの生育である。図29
のDではノニオン樹脂とアクリル系樹脂の混合培地の実
験であるが、両方の吸着、離水作用を取り入れ保水、水
はけを考慮した培地であり、実験1−BとDに該当す
る。3種類の機能性を生かした時、大きな効果をもたら
すと思われるが、吸水量、排水量が一番低く、保水量も
離水によるものと保水によるもので大きいが、水はけ作
用があり、草花の生育がゆっくりであるが、確実な生育
となる。バラ、パンジーに適している。寒冷地での地下
の水はけを良くしないと、寒さで水が凍ってしまうの
で、水はけを大切にした栽培方法である。この実験によ
り、2種類の混合により3種類の混合が水はけを良くし
ていることがわかる。又、ポリオキシエチレン、ポリビ
ニルアルコール、WaterLock(米国製)の混合比は1:
1:1の同量としている。吸水量は少ないが、一番安全
で確実である。以上のことから、保水と水はけ、根腐れ
防止と考えると降雨の多い地域での植物栽培は排出量の
多いDが良い。ノニオン樹脂の除菌効果は、アクリル系
樹脂の離水量に対して、ノニオン樹脂の吸水量が上回ら
なければ効果が上がらないので、DもしくはBとなる。
一番安全な培地である。
【0154】根腐れ防止剤による植物栽培方法 実験1−C ポリオキシエチレンとポリビニルアルコールの混合使用
による栽培方法である。図27を参照すると、ポリオキ
シエチレンとポリビニルアルコールの混合使用で、保水
と水はけがうまく使用される組み合わせである。混合比
率は1:1。栽培される植物は草花等に適している壌土
の培地である。Cの培地でバラ、サザンカ、ブルーポイ
ント、パンジーを植えた栽培では、ブルーポイント、バ
ラはポリオキシエチレン培地が適していて、サザンカの
花木は保水性が必要で、土壌の中での使用においても保
水性を高め、ポリオキシエチレンとポリビニルアルコー
ルの混合比を1:1〜1:5使用量とすることで、水や
りを短縮することが可能となる。この両方の吸着作用で
はあるが、ポリオキシエチレンが吸着作用であり、ポリ
ビニルアルコールは離水しない保水作用である。又、こ
の水やりの回数は肥料濃度の関係であり、ポリオキシエ
チレン4〜6ヶ月で約2〜10倍の濃度でイオン交換樹
脂の併用で水やりや降雨によりコントロールをされる。
草花、花木の栽培にも適している。Cではポリビニルア
ルコールに肥料を1.5kg中1kgの肥料と500g
のHB−101が混入されており、植物に水を与えたも
のであるが、サザンカ、バラ、ブルーポイントの生育が
良いことを表す。また、この培地は空気に触れなけれ
ば、気化しない特徴がある。又、植物を植え替えた後、
1ヶ月くらいは水道水の水やりを1〜2回することで根
が定着し、ひとりでに樹脂を貫通し水分の吸水が可能で
ある。A、Cはどちらも土壌体の植物と同様な生育とな
るが、肥料を使用することで長期的な根腐れ防止剤とす
ることが可能である。これらの実験によりCの植物栽培
において、屋上ガーデン、花壇、プランター、砂漠等で
の使用は水やりや降雨の少ない土壌培地での植物栽培に
適している土壌に値する根腐れ防止剤からなる土壌剤に
よる植物栽培であるということができる。
【0155】根腐れ防止剤による植物栽培方法 これらを解決するにはポリオキシエチレンとポリビニル
アルコールの水はけ、保水、根腐れ防止効果による高い
肥料濃度で水やりを短縮する樹脂の特徴を生かした植物
栽培方法である。ポリオキシエチレンとポリビニルアル
コールを1:1を1:4〜1:5の分量とする培地に代
え、液肥の濃度を高め、水やりの回数を減らし月1回と
する方法の栽培である。又、ポリオキシエチレンを少し
増加することで、水分をたくさん与え、月1回の水やり
とする方法がある。又、膨潤し配合された培地1:2〜
1:5の培地は多湿培地には一年草のパンジー、ノース
ピースを栽培するには適当ではないので、この時イオン
交換樹脂を添加することで水はけの良い培地とすること
が可能である。つまり、ひとつの培地で多様な培地を可
能にする栽培方法である。これらは室内用はほぼ気化
し、乾燥が早いが、地下は気化せず長く使用が可能であ
る。肥料と水やりの同一作用であり、根腐れ防止効果と
ろ過作用によるものである。室内培土では1週間に1回
の水やりを月1回の水やりをするには植物に合った肥料
濃度を表示の約2倍〜約10倍にし、イオン交換樹脂の
併用することで可能とすることができる。
【0156】根腐れ防止剤を使った植物栽培方法。 植物栽培の水と肥料の関係は培地と肥料の関係でもあ
る。ノニオン樹脂の混合培地とその配合例により、植物
に合った培地を作ることで水はけや保水のコントロール
をすることが可能となる。 ポリオキシエチレンとポリビニルアルコールの配合例 1:1 約1週間で水切れとなる(6日〜7日) 1:2 約2週間で水切れとなる 1:3 約3週間で水切れとなる 1:4 約4週間で水切れとなる 1:5 約5週間で水切れとなる(30日) ポリビニルアルコールでは200g培地で約2週間で縮
小するので400gで約1ヶ月の保持となる。600g
培地で1ヶ月後200gになる。ポリオキシエチレンで
は200g培地で約1〜2ヶ月の保持であり、400g
では2〜4ヶ月の保持となる。600gでは4〜6ヶ月
である。この2つの混合培地で保水性を保つことができ
る。液体肥料を使用した植物培地においても、周期的に
1〜2週間で水切れになり、水切れをした植物に水分を
たくさん与えても肥料が残っていれば生育するが、肥料
分が切れると元気は出ない。液体肥料は速効性はあって
も長期的には植物を維持することは難しく、栄養切れが
起きてくる。HB−101を吸着した植物は、肥料では
なく抗菌剤を含んだ栄養剤であるため、これのみでは1
週間ごとに活力剤を与えなければならない。チッソ、リ
ン、カリからなる液体肥料の肥料表示による肥料濃度で
は、土壌体とノニオン樹脂培地の水切れと同様な周期と
なっている。不思議と草花(プリムラ、スノーポール、
パンジー、シクラメン)観葉植物などポリオキシエチレ
ンとポリビニルアルコール1:1の培地では約一週間で
の水切れとなる。又、シダ類、バラ、洋ランはポリオキ
シエチレンとポリビニルアルコール1:2の培地2週間
での水切れとなる。これはポリオキシエチレンやポリビ
ニルアルコールの配合が、植物栽培に適する壌土と同様
な作用であり、この液体肥料の水やりと合致することを
示している。
【0157】稲作栽培の方法 稲の栽培は主に水耕栽培であるが、十分な水があれば畑
にも作ることができる。稲の栽培は前年中に田を耕し、
水を引いて稲代に3〜5月籾まきをする。30〜50日
後に田植えをし、除草、中耕、農薬散布、灌漑等の管理
を経て、穂が出て40〜50日に刈り取りを行う(8〜
11月)。稲の発芽の最適温度は30〜34℃である。
生長に日照の他、水と肥料が必要である。又、穂がつい
たまま発芽する。稲は水中でも発芽するが、水が多すぎ
ると酸素不足になり、根が伸びない。湿った所では酸素
が十分あれば発根し、地上部も生育する。田の水を落と
すのはこの理由である。植物の生長には適当な温度があ
り、稲の場合も生育する環境の温度と、特に水温が生育
に大きな影響を与える。田の水の取り入れ口から水温の
低い灌漑水が入ってくるため、その付近の稲の生育は遅
れている。この場合、肥料分が薄められて1反の田の約
3分の1〜4分の1の収穫が少ない。このように稲の栽
培には時間と手間をかけた管理がなされ、多大な労力を
かけ営まれてきた。近年機械化の発達で変化はあるが、
稲作栽培は重労働である。これらの労力の軽減は、これ
からの農業を変換しなくては後継者や労働力を失うもと
である。まず田を耕しておく。ノニオン樹脂に肥料を吸
着膨潤させ、田んぼ以外の所での発芽をさせて苗になっ
てから機械で植えるか、直に機械で樹脂を敷きながら種
をまいていく等方法は色々ある。種も簡単に発芽し、水
温の管理も簡単である。室内であれば、3〜4日で発芽
し発根が可能である。春の冷たい田んぼの水の中にまく
より、樹脂培地は保温される。又、ノニオン樹脂は凝固
作用もあり稲作には最適である。観葉植物と同様に水さ
えあれば生育が可能な植物であり、観葉植物より簡単に
生育が可能である。特にノニオン樹脂にイオン交換樹脂
を使用することで水腐れを防ぎ、イオン交換により少量
の肥料で最大の効果を上げることが可能である。又土壌
に混入しても良い。
【0158】根腐れ防止剤による肥料・土壌剤 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂の実験により、ポリオキ
シエチレンでは1週間から2週間位で肥料を使用しない
と植物の生育が難しくなることを言った。ポリビニルア
ルコールでの実験では肥料を全く使用せず、水道水で膨
らましたところ、離水により約2週間位で肥料を使用し
ないと生育が難しくなったが、イオン水を吸着すること
で除菌効果がさらに働き、2週間から3週間でも生育効
果が上がることになった。又、実験1−A、Cでポリビ
ニルアルコールに肥料を吸着させているが、他の〜
、B、D、Eでは抗菌剤HB−101の使用であり、
チッソ、リン、カリからなる肥料ではない。又、ポリオ
キシエチレンとポリビニルアルコールの混合培地では、
月に1〜2回の水やりとなり一番良好な生育となる。室
内培地では非常な良い生育であり、水道水に液肥の使用
が良い。このように樹脂の混合による組み合わせによ
り、肥料を吸着させることでさらに保水性を加えたり、
水はけを良くしたりすることから肥料の使用が効果的で
あり重要である。又、1ヶ月後では樹脂が縮小、あらか
じめ水分をたくさん与えることができるが、これらの方
法は水耕栽培の方法とも言えるが、水分を多量に与えて
も植物の樹液等の汚れを除菌、ろ過作用によるものであ
る。又、水耕栽培の根に変換しないものである。宿根草
の草花、観葉植物、花木、庭木、シダ類、ラン等は可能
である。一年草などの草花でも水分を多く含んだ培地で
も、ポリオキシエチレンを増やしたりイオン交換樹脂を
合わせ使用したりすることで水はけを良くし、調節する
ことが可能となる。これまでにもイオン交換樹脂を使用
することで、水の浄化作用を促し、肥料濃度を一定にし
栽培したものである。このイオン交換樹脂の作用をノニ
オン樹脂が兼ねて備えているものである。これらの作用
を土壌体の中ですることや、肥料濃度を高くすることで
水やりの回数が縮小し、気化せず長期間使用が可能とな
る。又、室内においてもノニオン樹脂の縮小する日数や
期間に応じて約1〜3ヶ月の水やりや肥料やりを省くこ
とができる。日本の国土が酸性度により、植物作物に携
わる農家では、酸性土壌をアルカリ性に変換し植物作物
を栽培してきたものである。又、この土壌を保水させる
ために、籾殻や腐葉土などが使用され、有機農法により
微生物が植物作物より出る有機酸を食し、栽培され又、
殺菌消毒して再度土壌を使用してきた。この作用はノニ
オン樹脂が、肥料と保水と根腐れ防止又、植物栽培の適
合する壌土のコントロールを同時に行う土壌改良剤土壌
体の代用であり、降雨のない地域での植物作物の土壌剤
として又、イオン交換樹脂の併用による根腐れ防止剤の
肥料として使用が可能である。
【0159】
【発明の効果】以上のように本発明は、土壌栽培植物を
吸水ポリマー製人工培土に植え替えて栽培する際に、一
旦イオン交換樹脂を添加してなる馴化培地での栽培を行
い、新根の成長を待って吸水ポリマー製人工培土による
植栽に移行するようにしたもので、土壌栽培植物の吸水
ポリマー製人工培土での植栽を可能としたものである。
また、本発明は、紙の粉砕セルロースのブロック体又は
シート体内に、粒状又は微粒状の吸水樹脂を散在させた
り、更に液肥又は抗菌剤等を散在保持させてなる植物用
保水体で、所望の有効成分並びに所定の保水機能を具備
させることができたもので、他の給水ポリマー樹脂と併
用しても保水機能が阻害されことがなく、その利用範囲
は広く、植物の室内装飾その他に便利な器具を提供でき
たものである。また、本発明は、ノニオン樹脂を植物用
培地として使用するようにしたので、土壌体の植物を容
易に植え替えることができる。また、ノニオン樹脂には
根腐れ防止効果及び保水効果があり、手間をかけなくて
も植物を長持ちさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態の説明図。
【図2】同第二実施形態の説明図。
【図3】本発明の製造方法の実施形態の説明図(ブロッ
ク体形状)。
【図4】同図(シート体形状)。
【図5】同第一使用例の説明図。
【図6】同第二使用例の説明図。
【図7】同第三使用例の説明図。
【図8】同第四使用例の説明図。
【図9】同第五使用例の説明図。
【図10】同第五使用例の別例の説明図。
【図11】同第六使用例の説明図。
【図12】同第七使用例の説明図。
【図13】同第七使用例の別の保水体の構造説明図。
【図14】ノニオン樹脂による細菌繁殖抑制効果確認試
験の試験装置を示す図である。
【図15】土壌体の植物をノニオン樹脂培地に植え替え
た後の植物の変化を示す図である。
【図16】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例
を示す図である。
【図17】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例
を示す図である。
【図18】水耕栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例
を示す図である。
【図19】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例を
示す図である。
【図20】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例を
示す図である。
【図21】土栽培の鉢底にノニオン樹脂を使用した例を
示す図である。
【図22】花壇やプランターでノニオン樹脂のガーデン
マットを使用した例を示す図である。
【図23】砂漠や街路地でノニオン樹脂のガーデンマッ
トを使用した例を示す図である。
【図24】ノニオン樹脂を水耕栽培に使用した例を示す
図である。
【図25】水質検査結果表である。
【図26】気体の水に対する溶解度を示す表である。
【図27】土壌体の植物培地の実験を示す図である。
【図28】土壌体の植物培地の実験を示す図である。
【図29】植物栽培の例である。
【図30】抗菌剤の成分を示す図である。
【符号の説明】 1 土壌培地 2 観葉植物 2a 草花植物 21,21a 根 3 イオン交換樹脂 4,4a 馴化培地 5 容器 6 吸水ポリマー製人工培土 31 古紙 32 木綿 33 ミキサー 34 粉砕セルロース 35 吸水樹脂 36 水 37 型 38 抗菌剤 39 保形剤 40 液肥 40a 固形肥料 41 周面被膜 41a 被覆体 42 透水性被膜 43 非透水性被膜 44 珪酸塩白土又はシリカ A,B,C,D,E,F,G,H,I,A1,D1,I
1 保水体 a 他のポリマー培地 b 植物 c 水 d 鉢 e 土
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図25
【補正方法】変更
【補正内容】
【図25】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図27
【補正方法】変更
【補正内容】
【図27】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図28
【補正方法】変更
【補正内容】
【図28】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図31
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図32
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A47G 7/03 C05G 3/04 C05G 3/04 A01G 27/00 502H

Claims (108)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌培地で栽培してなる観葉植物を、土
    壌培地から分離し、根を洗浄後短くカットし、そのまま
    根をイオン交換樹脂を少量加えた水中に漬けて数日間栽
    培し、新根が認められたら吸水ポリマーを少量加えなが
    ら栽培を行い、新根の充分な成長を確認した後、吸水ポ
    リマー製人工培土で栽培してなることを特徴とする吸水
    ポリマー製人工培土による植物栽培方法。
  2. 【請求項2】 土壌培地で栽培してなる草花,花木植物
    を、土壌培地から分離し、根を洗浄し、そのまま根をイ
    オン交換樹脂及び吸水ポリマーを少量加えた水中に漬け
    て数日間栽培し、新根が認められたら吸水ポリマーを少
    量加えながら栽培を行い、新根の充分な成長を確認した
    後、吸水ポリマー製人工培土で栽培してなることを特徴
    とする吸水ポリマー製人工培土による植物栽培方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の吸水ポリマー製人工培土
    による植物栽培方法において、新根の成長を確認した
    後、旧根を短くカットし、適宜な液肥を添加した吸水ポ
    リマー製人工培土で栽培してなることを特徴とする吸水
    ポリマー製人工培土による植物栽培方法。
  4. 【請求項4】 土壌培地で栽培してなる草花,花木植物
    を、土壌培地から分離し、根を洗浄し、根を洗浄後短く
    カットし、そのまま根をイオン交換樹脂並びに適宜な液
    肥を加えた水中に漬けて数日間栽培し、新根が認められ
    たら吸水ポリマーを少量加えながら栽培を行い、新根の
    充分な成長を確認した後、吸水ポリマー製人工培土で栽
    培してなることを特徴とする吸水ポリマー製人工培土に
    よる植物栽培方法。
  5. 【請求項5】 古紙その他を解砕した粉砕セルロースの
    ブロック体又はシート体内に、粒状又は微粒状の吸水樹
    脂を散在させてなることを特徴とする植物用保水体。
  6. 【請求項6】 古紙その他を解砕した粉砕セルロースの
    ブロック体又はシート体内に、粒状又は微粒状の吸水樹
    脂並びに抗菌剤又は防腐剤の一方或いは双方を散在させ
    てなることを特徴とする植物用保水体。
  7. 【請求項7】 粉砕セルロースの一部を木綿に代えてな
    る請求項5又は6記載の植物用保水体。
  8. 【請求項8】 ブロック体又はシート体に保形剤を含浸
    させてなる請求項5乃至7記載の何れかの植物用保水
    体。
  9. 【請求項9】 保形剤として、メチルセルロース架橋体
    又は、ポリビニールアルコール架橋体を採用してなる請
    求項5乃至8記載の何れかの植物用保水体。
  10. 【請求項10】 吸水性樹脂又はブロック体並びにシー
    ト体に液肥を含浸させてなる請求項5乃至9記載の何れ
    かの植物用保水体。
  11. 【請求項11】 ブロック体又はシート体の表面の一部
    を透水性又は非透水性膜体で被覆してなる請求項5乃至
    10記載の何れかの植物用保水体。
  12. 【請求項12】 シート体の上面に粒状肥料を散在させ
    ると共に、不織布で被覆してなる請求項11記載の植物
    用保水体。
  13. 【請求項13】 シート体に透水性で逆流機能を備えた
    フィルムを採用してなる請求項11又は12記載の植物
    用保水体。
  14. 【請求項14】 ブロック体の側面のみを非透水性膜体
    で被覆してなる請求項11記載の植物用保水体。
  15. 【請求項15】 湿潤状態の古紙を粉砕乾燥した後、所
    定比率で吸水樹脂と、必要に応じて抗菌剤又は防腐剤の
    一方又は双方と、水を加えて混合し、所定の型若しくは
    保水体の一部となる部材に、収納若しくは積層して乾燥
    させてなることを特徴とする植物用保水体の製造方法。
  16. 【請求項16】 湿潤古紙の一部を木綿に代えてなる請
    求項15記載の植物用保水体の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15又は16記載の方法で製出
    した保水体を、所定濃度のタンニン酸メチルセルロース
    液又はポリビニールアルコール液に、適宜時間浸漬した
    後乾燥させてなる植物用保水体の製造方法。
  18. 【請求項18】 適宜な小ブロック体とした請求項5乃
    至10記載の何れかの保水体を、植物用培地として使用
    することを特徴とする植物用保水体の使用方法。
  19. 【請求項19】 適宜な小ブロック体とした請求項5乃
    至10記載の何れかの保水体と、他の吸水ポリマー体と
    組み合わせて、植物用培地として使用することを特徴と
    する植物用保水体の使用方法
  20. 【請求項20】 請求項5乃至11又は14記載の何れ
    かのブロック状の保水体に、切り花等を刺突し、保水体
    部分を適宜な容器に収納して、植物等の栽培用又は装飾
    用ベース体として使用してなることを特徴とする植物用
    保水体の使用方法。
  21. 【請求項21】 側面及び底面を透水性膜体で被覆した
    請求項11記載のブロック状の保水体に、切り花等を刺
    突し、植物等の栽培用又は装飾用ベース体として使用し
    てなることを特徴とする植物用保水体の使用方法。
  22. 【請求項22】 請求項5乃至14の何れかの保水体
    に、適宜な水分を供給すると共に、水分保持状態を維持
    させて育苗用に使用してなることを特徴とする植物用保
    水体の使用方法。
  23. 【請求項23】 ノニオン樹脂からなることを特徴とす
    る根腐れ防止剤。
  24. 【請求項24】 ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を加え
    てなることを特徴とする根腐れ防止剤。
  25. 【請求項25】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所
    定の割合で混合してなることを特徴とする根腐れ防止
    剤。
  26. 【請求項26】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所
    定の割合で混合したものに肥料を加えてなることを特徴
    とする根腐れ防止剤。
  27. 【請求項27】 前記ノニオン樹脂の形状は、帯状の薄
    板状に整形されたノニオン樹脂を渦巻き状に巻いた形状
    であることを特徴とする請求項23乃至26のいずれか
    に記載の根腐れ防止剤。
  28. 【請求項28】 ノニオン樹脂を植物用培地として使用
    することを特徴とする根腐れ防止方法。
  29. 【請求項29】 ノニオン樹脂にイオン交換樹脂を加え
    たものを植物用培地として使用することを特徴とする根
    腐れ防止方法。
  30. 【請求項30】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所
    定の割合で混合したものを植物用培地として使用するこ
    とを特徴とする根腐れ防止方法。
  31. 【請求項31】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とを所
    定の割合で混合したものに肥料を加えたものを植物用培
    地として使用することを特徴とする根腐れ防止方法。
  32. 【請求項32】 ノニオン樹脂に炭酸飲料水と糖類を吸
    着させてなることを特徴とする根腐れ防止剤。
  33. 【請求項33】 炭酸飲料水と糖類と肥料とを混合して
    なることを特徴とする根腐れ防止剤。
  34. 【請求項34】 ノニオン樹脂に炭酸飲料水を吸着させ
    たものを植物用培地として使用することを特徴とする根
    腐れ防止方法。
  35. 【請求項35】 炭酸飲料水と糖類と肥料とを混合した
    ものを植物用培地に散布して使用することを特徴とする
    根腐れ防止方法。
  36. 【請求項36】 ノニオン樹脂からなることを特徴とす
    る保水剤。
  37. 【請求項37】 ノニオン樹脂を土壌中の根の近傍に配
    置することを特徴とする保水方法。
  38. 【請求項38】 ノニオン樹脂とイオン水とからなるこ
    とを特徴とする保水剤。
  39. 【請求項39】 ノニオン樹脂とイオン水とを土壌中の
    根の近傍に配置することを特徴とする保水方法。
  40. 【請求項40】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  41. 【請求項41】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  42. 【請求項42】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の製
    造方法。
  43. 【請求項43】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の使
    用方法。
  44. 【請求項44】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに記
    載の根腐れ防止剤。
  45. 【請求項45】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項28,31,34,35のいずれか一つに記載の根
    腐れ防止方法。
  46. 【請求項46】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  47. 【請求項47】 ワインを添加することを特徴とする請
    求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  48. 【請求項48】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  49. 【請求項49】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  50. 【請求項50】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の
    製造方法。
  51. 【請求項51】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の
    使用方法。
  52. 【請求項52】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに
    記載の根腐れ防止剤。
  53. 【請求項53】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項28,31、34、35のいずれか一つに記載の
    根腐れ防止方法。
  54. 【請求項54】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  55. 【請求項55】 ナツメグを添加することを特徴とする
    請求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  56. 【請求項56】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  57. 【請求項57】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  58. 【請求項58】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の
    製造方法。
  59. 【請求項59】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の
    使用方法。
  60. 【請求項60】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに
    記載の根腐れ防止剤。
  61. 【請求項61】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項28,31,34,35のいずれか一つに記載の
    根腐れ防止方法。
  62. 【請求項62】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  63. 【請求項63】 カテキンを添加することを特徴とする
    請求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  64. 【請求項64】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  65. 【請求項65】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  66. 【請求項66】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の
    製造方法。
  67. 【請求項67】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の
    使用方法。
  68. 【請求項68】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに
    記載の根腐れ防止剤。
  69. 【請求項69】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項28,31,34,35のいずれか一つに記載の
    根腐れ防止方法。
  70. 【請求項70】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  71. 【請求項71】 キトサンを添加することを特徴とする
    請求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  72. 【請求項72】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  73. 【請求項73】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  74. 【請求項74】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の製
    造方法。
  75. 【請求項75】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の使
    用方法。
  76. 【請求項76】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに記
    載の根腐れ防止剤。
  77. 【請求項77】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項28,31,34,35のいずれか一つに記載の根
    腐れ防止方法。
  78. 【請求項78】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  79. 【請求項79】 除菌剤を添加することを特徴とする請
    求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  80. 【請求項80】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  81. 【請求項81】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  82. 【請求項82】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の製
    造方法。
  83. 【請求項83】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の使
    用方法。
  84. 【請求項84】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに記
    載の根腐れ防止剤。
  85. 【請求項85】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項28,31,34,35のいずれか一つに記載の根
    腐れ防止方法。
  86. 【請求項86】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  87. 【請求項87】 抗菌剤を添加することを特徴とする請
    求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  88. 【請求項88】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の植物栽培方法。
  89. 【請求項89】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項5乃至14のいずれかに記載の保水体。
  90. 【請求項90】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項15乃至17のいずれかに記載の植物用保水体の製
    造方法。
  91. 【請求項91】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項18乃至22のいずれかに記載の植物用保水体の使
    用方法。
  92. 【請求項92】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項23乃至27,32,又は33のいずれか一つに記
    載の根腐れ防止剤。
  93. 【請求項93】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項28,31,34,35のいずれか一つに記載の根
    腐れ防止方法。
  94. 【請求項94】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項36乃至38のいずれかに記載の保水剤。
  95. 【請求項95】 防腐剤を添加することを特徴とする請
    求項37乃至39のいずれかに記載の保水方法。
  96. 【請求項96】 ノニオン樹脂を使用した植物栽培方
    法。
  97. 【請求項97】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂を使用
    した植物栽培方法。
  98. 【請求項98】 ノニオン樹脂とイオン交換樹脂を使用
    した植物栽培方法。
  99. 【請求項99】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂とイオ
    ン交換樹脂を使用した植物栽培方法。
  100. 【請求項100】 ノニオン樹脂と肥料を使用した植物
    栽培方法。
  101. 【請求項101】 ノニオン樹脂とアクリル系樹脂と肥
    料を使用した植物栽培方法。
  102. 【請求項102】 ノニオン樹脂と肥料とイオン交換樹
    脂を使用した植物栽培方法。
  103. 【請求項103】 アクリル系樹脂とイオン交換樹脂を
    使用した植物栽培方法。
  104. 【請求項104】 ノニオン樹脂の肥料入り土壌剤。
  105. 【請求項105】 ノニオン樹脂のろ過剤。
  106. 【請求項106】 ノニオン樹脂を稲作に使用する栽培
    方法。
  107. 【請求項107】 ノニオン樹脂とイオン交換樹脂を使
    用する栽培方法。
  108. 【請求項108】 ノニオン樹脂抗菌剤を使用した植物
    栽培方法。
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