JP2018197327A - フレキシブルデバイス用レジスト樹脂 - Google Patents
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Abstract
Description
(モノマー(A))
本発明で用いるモノマー(A)は、下記一般式(1)で示される。
R2は、水素原子、メチル基またはエチル基を示すが、アミンまたはアルコールとの反応性の観点からは、水素原子が特に好ましい。
R3は、炭素数1〜18のアルキル基である。炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基などが挙げられ、合成のしやすさと密着性の観点から、R3の炭素数は2〜12が好ましく、3〜6がより好ましい。
カルボキシル基を有するモノマー(B)としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられ、共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性及び入手の容易性からアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。モノマー(B)が有するカルボキシル基数は、二個以下が好ましく、一個であることが更に好ましい。モノマー(B)は、一種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明のレジスト樹脂では、モノマー(A)およびモノマー(B)以外に、レジスト特性の調整のためにその他のモノマー(C)を使用することもできる。その他のモノマー(C)としては、モノマー(A)またはモノマー(B)と共重合が可能であるモノマーであれば特に限定されるものではない。モノマー(C)は、1種または2種以上含んでも良い。具体的には、(メタ)アクリル酸エステル単量体、芳香族ビニル化合物が好ましく、可撓性の観点から(メタ)アクリル酸エステル単量体が特に好ましい。
モノマー(A)とカルボキシル基を有するモノマー(B)とのモル比は、モノマー(A):モノマー(B)で1:99〜90:10とする。これによって、樹脂の密着性および可撓性と、アルカリ現像性等のレジスト特性を満足することが出来る。こうした観点からは、モノマー(A)とカルボキシル基を有するモノマー(B)とのモル比(モノマー(A):モノマー(B))は、好ましくは3:97〜80:20であり、より好ましくは5:95〜70:30である。
フレキシブルデバイスとは、フィルム基板上に形成され、薄く、軽量であり、屈曲性に優れ、形状自由度が高いという特徴を有するデバイスである。フレキシブルデバイスとしては、フレキシブルディスプレイ、フレキシブルRFID、フレキシブルガスセンサーなどが知られている。
本発明のモノマー(A)は、ウレア結合もしくはウレタン結合を有するモノマーである。
上記モノマー(A)は、例えば、イソシアネート基含有モノマーとアミン化合物もしくはアルコール化合物の反応や、ヒドロキシ基含有モノマーとアルキルイソシアネートの反応によって得ることができる。
前記イソシアネート基含有モノマーとアミン化合物もしくはアルコール化合物との反応および、ヒドロキシ基含有モノマーとアルキルイソシアネートの反応は、両者を混合し、所望により温度を上げ、公知の方法で実施することができる。また必要に応じて、触媒を添加してもよく、例えば、スタナスオクトエート、ジブチルスズジラウリレートなどのスズ系触媒、トリエチレンジアミンなどのアミン系触媒など公知の触媒を用いることができる。この反応は5〜100℃、好ましくは20〜80℃の温度で行うことが望ましい。また、上記反応は溶剤を使用してもよく、例えば、アセトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン等の存在下で行うことができる。
次に、本発明のレジスト樹脂を製造する方法について説明する。
本発明におけるレジスト樹脂は、モノマー混合物をラジカル重合させることにより得ることができる。重合は公知の方法で行うことができる。例えば、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などが挙げられるが、重量平均分子量を上記範囲内に調整しやすいという面で、溶液重合が好ましい。
なお、重合開始剤を投入するに際しては、例えば、全量を一括仕込みしてもよいし、一部を一括仕込みして残りを滴下してもよく、あるいは全量を滴下してもよい。また、前記モノマーとともに重合開始剤を滴下すると、反応の制御が容易となるので好ましく、さらにモノマー滴下後も重合開始剤を添加すると、残存モノマーを低減できるので好ましい。
以上の重合反応を行なうことにより、本発明のレジスト樹脂が得られる。得られたレジスト樹脂は、そのまま用いてもよいし、重合反応後の反応液に、ろ取や精製を施して単離してもよい。
下記の表1に、モノマー(A)の構造と略号を示す。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA1を得た(収率92%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)51.2g、メトキノン0.012g、ジブチルスズジラウレート0.034gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を60℃に保持しながら、n−ブタノールを1時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温し、6時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA2を得た(収率95%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(日油株式会社製「ブレンマーE」)、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を60℃に保持しながら、n−ブチルイソシアネートを1時間かけて滴下した。その後、80℃に昇温し、6時間熟成させたのち、40℃まで冷却後、イオン交換水100mLを加え、撹拌、静置した。下層のモノマーA3層を抜き取り、80℃で減圧し、脱水し、モノマーA3を得た(収率70%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズAOI」)46.6g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ブチルアミン24.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA4を得た(収率90%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び空気導入管を取り付けた300mLフラスコに、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工株式会社製「カレンズMOI」)46.6g、テトラヒドロフラン40g、メトキノン0.012gを仕込んだ。フラスコ内に空気を導入し、内温を40℃に保持しながら、n−ドデシルアミン61.1gを1時間かけて滴下した。その後、40℃で2時間熟成させたのち、テトラヒドロフランを60℃で減圧留去し、モノマーA5を得た(収率90%)。
撹拌機、温度計、冷却器、滴下ロート及び窒素導入管を取り付けた1Lセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル350gを仕込み、フラスコ内を窒素置換して、窒素雰囲気下にした。モノマーA1 39.5g、アクリル酸 59.3g(日本触媒株式会社製「アクリル酸」)、メタクリル酸エチル 296.3g(三菱レイヨン株式会社「アクリエステルE」)を混合したモノマー溶液、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル50gと2,2‘−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(製品名:V−65(和光純薬工業(株)製))10.4gを混合した重合開始剤溶液をそれぞれ調製した。
モノマー溶液をモノマーA2 38.2g、メタクリル酸 57.2g(株式会社クラレ製「MAA」)、メタクリル酸エチル 286.2gに、重合開始剤溶液の開始剤量を23.3gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でレジスト樹脂2を得た。
モノマー溶液をモノマーA1 38.8g、モノマーA2 77.7g、メタクリル酸エチル 116.5g、メタクリル酸ブチル(三菱レイヨン株式会社「アクリエステルB」) 116.5gに、重合開始剤溶液の開始剤量を23.3gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でレジスト樹脂3を得た。
モノマー溶液をモノマーA3 3.9g、アクリル酸 27.0g、メタクリル酸エチル 354.5gに、重合開始剤溶液の開始剤量を11.1gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でレジスト樹脂4を得た。
モノマー溶液をモノマーA4 312.4g、アクリル酸 78.1g、重合開始剤溶液の開始剤量を1.9gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でレジスト樹脂5を得た。
モノマー溶液をモノマーA5 4.0g、メタクリル酸 79.2g、メタクリル酸ブチル 154.3g、スチレン(NSスチレンモノマー株式会社製「NSスチレン」) 158.3gに、重合開始剤溶液の開始剤量を4.2gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法でレジスト樹脂6を得た。
モノマー溶液をアクリル酸 22.8g、メタクリル酸メチル 158.1g、メタクリル酸シクロヘキシル 212.5gに、重合開始剤溶液の開始剤量を13.3gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で重合体7を得た。
モノマー溶液をメタリル酸 49.3g、メタクリル酸メチル 95.6g、スチレン 238.6gに、重合開始剤溶液の開始剤量を33.2gに変更したこと以外は重合例1と同様の手法で重合体8を得た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により、重量平均分子量(Mw)を求めた。
装置:東ソー(株)社製、HLC−8220
カラム:shodex社製、LF−804
標準物質:ポリスチレン
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流量:1.0ml/min
カラム温度:40℃
検出器:RI(示差屈折率検出器)
重合体溶液10gにプロピレングリコールモノメチルエーテル10gを混合した希釈溶液をシリコンウエハにスピンコートし、120℃で乾燥させ、膜厚5μmの樹脂膜を得た。このシリコンウエハを2.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に2分間浸漬した。浸漬後のシリコンウエハを目視にて観察し、重合体の残存の有無を評価した。重合体が残存していない場合を「○」、残存している場合を「×」とした。
重合体溶液10gにプロピレングリコールモノメチルエーテル10gを混合した希釈溶液をPETフィルム(東洋紡株式会社製 A4100 膜厚50μm)に塗布し、120℃で5分乾燥させ、膜厚5μmの樹脂膜を得た。この樹脂膜を140℃の乾燥機に4時間静置した後、室温でこの膜に100マスの切り込みを入れ、セロテープ(登録商標:ニチバン製)を貼り付け、セロテープ(登録商標:ニチバン製)を剥離し、残存したマス数で密着性を評価した。剥離なし(全マス残存)を「◎」、95マス以上残存を「○」、95マス未満を「×」とした。
重合体溶液10gにプロピレングリコールモノメチルエーテル10gを混合した希釈溶液をPETフィルム(東洋紡株式会社製 A4100 膜厚50μm)に塗布し、120℃で5分乾燥させ、膜厚5μmの樹脂膜を得た。この膜を-5℃の環境下に1時間静置した後、直径10mmのSUS製を支持体として90°の角度で折り曲げた。-5℃の環境下で折り曲げを所定回数繰り返した後の膜の外観を目視にて観察し、50回で変化なしを「◎」、30回で変化なしを「○」、30回で変化ありを「×」とした。
各例の評価結果を表2、表3に示す。
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