JP2004317659A - ドライフィルムフォトレジスト - Google Patents

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Yuichi Wakata
裕一 若田
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秀知 高橋
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Abstract

【課題】高解像度で、かつ破れにくいテント膜を形成することができるドライフィルムフォトレジストを提供する。
【解決手段】可撓性透明フィルム支持体と、該支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなるドライフィルムフォトレジストにおいて、該感光性樹脂組成物層が、(A)カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなるバインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物からなるモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む組成物からなることを特徴とするドライフィルムフォトレジスト。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、可撓性透明フィルム支持体と、その支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなるドライフィルムフォトレジストに関する。本発明はまた、両面プリント配線板や多層プリント配線板などの金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライフィルムフォトレジストは、プリント配線板の配線パターン形成用のエッチングレジスト材料やめっきレジスト材料として従来より利用されている。ドライフィルムフォトレジストは、一般に、可撓性透明支持体フィルムと、その支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなる。通常は、感光性樹脂組成物層の上(支持体に面していない側)には、保護フィルム層が設けられており、この保護フィルム層は、使用の際に剥がされる。
【0003】
ドライフィルムフォトレジストはまた、両面プリント配線板や多層プリント配線板などの金属めっき(通常は、銅めっき)スルーホールを有するプリント配線板の製造の際に、スルーホールの金属めっき領域をエッチング液から保護するための保護膜の形成材料としても用いられるようになっている。すなわち、プリント配線板形成用基板(通常は、銅張積層板)に形成したスルーホールに金属めっきを施し、次いでその表面にドライフィルムフォトレジストを配置し、配線領域とスルーホール領域に光を照射して、硬化させ、配線領域上の硬化膜及びスルーホール領域上の硬化膜(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化領域をエッチング処理し、その後硬化膜を除去することにより、基板表面に配線パターンを形成することにより製造することが行われている。このテント膜を用いて、スルーホールの金属めっきを保護する方法は、一般にテンティング法と呼ばれている。
【0004】
金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造に用いるドライフィルムフォトレジストの特性として、高解像度であること、そして破れにくいテント膜を形成できることが要求される。これまでにも高解像度で破れにくいテント膜を形成できるドライフィルムフォトレジストの研究開発が盛んに行われており、その成果が次のように開示されている。
【0005】
特許文献1には、バインダー成分(好ましくは、スチレンーアクリル系重合体を含有するもの)、特定のウレタン結合を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマー成分、および光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが35μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
【0006】
特許文献2には、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のビニルウレタン化合物と特定のアクリレート化合物とを含むモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが40μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
【0007】
特許文献3には、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のウレタン結合とエチレン性不飽和基とを有するイソシアヌル酸エステルを含むモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが50μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
【0008】
特許文献4には、3〜15個の炭素原子を有するα,β−不飽和カルボキシル基含有単量体の少なくとも一種を15〜35質量%、ブチルアクリレート5〜30質量%と、炭素原子数1〜8のアルキル基を有するメタクリル酸エステル35〜80質量%とから構成された質量平均分子量が20000〜200000の範囲であるバインダー成分、1分子中に2個以上の単量体のエチレン性不飽和基を有するモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層(架橋硬化型樹脂層物層)の厚さが50μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−290266号公報
【特許文献2】
特開平10−142789号公報
【特許文献3】
特開平10−10723号公報
【特許文献4】
特開平7−271032公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような研究開発の結果、ドライフィルムフォトレジストは、多層プリント配線板などの金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造に多用されるようになってきたが、最近の電子機器の小型化、軽量化に伴うプリント配線板の高密度化や配線パターンの細線化の要求に対して、充分な対応が難しくなっている。すなわち、プリント配線板の高密化と配線パターンの細線化のためには、ドライフィルムフォトレジストのさらなる高解度化が必要となる。この要求に応じるためには、ドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層の厚さを薄くすることが有効である。しかしながら、感光性樹脂組成物層の厚さを薄くすると、テント膜の厚さも薄くなるため、配線パターンの製造工程においてテント膜が破れやすくなるという問題がある。
従って、本発明の課題は、高解像度であって、かつ厚さを従来のものよりも薄くしても破れにくいテント膜を形成することができるドライフィルムフォトレジスト用として特に好適な感光性樹脂組成物を開発して、高密度の金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造に有利に利用することができる技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、研究を重ねた結果、前記の各成分からなるドライフィルムフォトレジストのバインダー成分として、カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体を用いた感光性樹脂組成物は、高解像度で、かつその厚さを薄くしても比較的破れにくいテント膜を形成することができることを見い出し、本発明に至った。
【0012】
従って、本発明は、可撓性透明フィルム支持体と、該支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなるドライフィルムフォトレジストにおいて、該感光性樹脂組成物層が、(A)カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなるバインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物からなるモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む組成物からなることを特徴とするドライフィルムフォトレジストにある。
【0013】
本発明はまた、スルーホールを有し、表面が金属めっきされたプリント配線板形成用基板を用意する工程、プリント配線板形成用基板の表面に、上記の本発明のドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を圧着して、プリント配線板形成用基板、感光性樹脂組成物層、そして可撓性透明フィルム支持体がこの順で積層された積層体を得る積層工程、積層体の可撓性透明フィルム支持体側の面から光をパターン状に照射して、感光性樹脂組成物層を硬化させて、配線パターン形成用の硬化樹脂組成物領域と、スルーホールの金属めっき保護用の硬化樹脂組成物領域とからなる硬化物パターンを形成する露光工程、積層体から可撓性透明フィルム支持体を剥がす支持体剥離工程、プリント配線板形成用基板上の樹脂組成物層の未硬化領域を溶解除去して基板表面の金属を露出させる現像工程、露出した金属をエッチング液で溶解するエッチング工程、そして硬化物パターンをプリント配線板形成用基板から除去する硬化物除去工程を含む金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造方法にもある。
【0014】
本発明はさらに、スルーホールを有し、表面が金属めっきされたプリント配線板形成用基板、(A)カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなるバインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物からなるモノマー成分、および(C)光重合開始剤を含む組成物からなる感光性樹脂組成物層、そして可撓性透明フィルム支持体がこの順で積層されてなることを特徴とする積層体にもある。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に従うドライフィルムフォトレジストの一例の断面図を示す。ドライフィルムフォトレジスト11は、可撓性透明フィルム支持体12、感光性樹脂組成物層13、及び保護フィルム14がこの順で積層されてなる。感光性樹脂組成物層13は、カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなるバインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物からなるモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む組成物からなる。本発明のドライフィルムフォトレジストから形成されたテント膜が、従来のドライフィルムフォトレジストから形成されたテント膜よりも破れにくくなることの理由は必ずしも明確ではないが、バインダー成分(ビニル共重合体)中のウレタン基による強い凝集力によるものと考えられる。感光性樹脂組成物層13の厚さは、5μm以上35μm未満であることが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲であり、さらに好ましくは15〜30μmの範囲である。
【0016】
[バインダー成分(A)]
本発明のドライフィルムフォトレジストで用いるバインダー成分は、カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなる。このビニル共重合体は、アルカリ性水溶液に可溶性であるか、あるいはアルカリ性水溶液との接触により少なくとも膨潤する性質を持つことが好ましい。
上記ビニル共重合体中の側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(I)で表される単位が好ましい。
【0017】
【化2】
Figure 2004317659
【0018】
一般式(I)において、Rは水素原子又はメチル基を表す。
【0019】
は、単結合あるいは炭素原子数1〜18(好ましくは1〜10)の2価の炭化水素基を表す。炭化水素基は、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、あるいはアミド基で置換されていてもよく、分岐、あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合又はエステル結合を有してもよい。
の具体的な例としては、単結合、(CHなどの直鎖アルキレン基(kは、1〜18の整数、好ましくは1〜10の整数)、イソプロピリデン基などの分岐アルキレン基(炭素数1〜18の整数、好ましくは1〜10の整数)、シクロへキシレン基などの環状アルキレン基、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基などの芳香族環を有する基、(CO)p1(ただし、p1は、1〜5の整数)、(CO)p2(ただし、p2は、1〜5の整数、好ましくは1〜3の整数)などのエーテル結合を介するもの、(CHq1―OCO―(CHq2もしくは(CHq1―COO―(CHq2などのエステル結合を介するもの(ただし、q1+q2は、1〜9の整数)、途中に炭素炭素二重結合、又は炭素炭素三重結合を介するもの、―CHCH(OH)CH―、―CHCH(OCH)CH―など途中に置換基を有するもの、並びにこれらの組み合わせなどが挙げられる。これらの中でも、単結合、直鎖アルキレン基、フェニレンなどの芳香族環を有する基、エーテル結合を介するものが好ましい。
【0020】
は、炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基を表す。炭化水素基は、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(−COR)、アシルオキシ基(−OCOR)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)、あるいはアミド基で置換されていてもよく、分岐、あるいは環構造を形成してもよい。アシル基(−COR)及びアシルオキシ基(−OCOR)のRは、アルキル基またはアリール基であることが好ましい。アシル基の例としては、アセチル基及びプロピオニル基が挙げられる。アシルオキシ基の例としては、アセトキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。
の好ましい例としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i―プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基)、環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基)、さらに置換基を含む基(例えば、トリフロロエチル基、ヘキサフロロイソプロピル基、メトキシフェニル基、メトキシプロピル基)などが挙げられる。
【0021】
は、酸素原子、イミノ基(−NH−)、又は1価の炭化水素基で置換されたイミノ基を表す。1価の炭化水素基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。
【0022】
及びXは、一方が酸素原子、他方がイミノ基、又は炭化水素基で置換されたイミノ基を表す。炭化水素基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である。
m及びnは、1又は0を表す。
【0023】
カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体は、例えば、カルボキシル基を有する重合性モノマー(カルボキシル基含有モノマー)とウレタン基を有する重合性モノマー(ウレタン基含有モノマー)とを共重合させる方法(さらに必要に応じてこれらと共重合可能なビニルモノマーを共重合させてもよい)を利用することによって合成することができる。また、カルボキシル基とイソシアナート基とを有するビニル共重合体のイソシアナート基にモノアルコールを付加させる、あるいはカルボキシル基と水酸基とを有するビニル共重合体の水酸基にモノイソシアネートを付加させることによって合成することができる。但し、後者の付加反応を利用する方法は、高分子反応の為に一般に反応性が低く、反応が十分に進行しにくいこと、カルボキシル基とイソシアナート基を有するビニル共重合体を用いる方法では重合体の安定性、溶解性が低くなりやすいこと、カルボキシル基と水酸基を有するビニル共合体を用いる方法では未反応のモノイソシアネートに起因する経時安定性の不良や有害性の懸念があることなどから、前者の共重合をさせる方法が好ましい。
【0024】
カルボキシル基含有モノマーの例としては(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマーなどが挙げられる。また2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの水酸基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸のような環状無水物との付加反応物も利用できる。また、カルボキシル基含有モノマーの前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なおこれらの内では共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
【0025】
ウレタン基含有モノマーとしては、ビニル基(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基などの芳香族ビニル基、あるいはビニルエステル基、N−ビニルアミド基、及びアリル基)とウレタン基とを有する化合物であれば特に限定はされないが、特に下記一般式(II)で示される化合物が好ましい。
【0026】
【化3】
Figure 2004317659
【0027】
式(II)において、R、R、R、X、X、X、m及びnは、それぞれ前記の一般式(I)と同じである。
【0028】
上記のウレタン基含有モノマーは、イソシアナート基と水酸基の付加反応を利用して、適宜合成することが可能である。具体的には、エチレン性二重結合を有するイソシアナートと水酸基を一個含有する化合物との付加反応、あるいはエチレン性二重結合を有する水酸基を含有する化合物とモノイソシアネートとの付加反応により適宜合成することができる。この付加反応は、例えば、非プロトン性の溶媒(例えばアセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルムなど)中、室温あるいは加熱条件下で、あるいは触媒(錫系化合物、3級アミン類など)の共存下で室温あるいは必要に応じて加熱すること等で進行する。
【0029】
エチレン性二重結合を有するイソシアナートの具体例としては、例えば、下記の一般式(U−1)〜(U−3)に示すような化合物が挙げられる。
【0030】
【化4】
Figure 2004317659
【0031】
式(U−1)〜(U−3)において、R11は、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。
【0032】
モノイソシアネートの具体例としては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トリルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
【0033】
水酸基含有モノマーの具体例としては、例えば、下記の一般式(H−1)〜(H−5)に示すような化合物が挙げられる。
【0034】
【化5】
Figure 2004317659
【0035】
式(H−1)〜(H−5)において、R21は、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。式(H−1)〜(H−2)において、nは、それぞれ1以上の整数を表す。
【0036】
水酸基を一個含有する化合物としては、アルコール類(メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(フェノール、クレゾール、ナフチルアルコール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等も挙げられる。
【0037】
以下に、モノマーの具体例(例示化合物M−1〜M−12)を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上記化合物のイソシアナート基と水酸基の組合せを変えたものなども含まれる。
【0038】
【化6】
Figure 2004317659
【0039】
【化7】
Figure 2004317659
【0040】
【化8】
Figure 2004317659
【0041】
【化9】
Figure 2004317659
【0042】
【化10】
Figure 2004317659
【0043】
【化11】
Figure 2004317659
【0044】
【化12】
Figure 2004317659
【0045】
【化13】
Figure 2004317659
【0046】
【化14】
Figure 2004317659
【0047】
【化15】
Figure 2004317659
【0048】
【化16】
Figure 2004317659
【0049】
【化17】
Figure 2004317659
【0050】
上記の共重合体の合成に用いることができるその他の共重合可能なモノマーの例としては、カルボキシル基及びウレタン基を含まないエチレン不飽和モノマーを挙げることができる。特に、カルボキシル基との化学反応性を有さないものであることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエーテル類が好ましい。この様な例としては以下の様な化合物が挙げられる。
【0051】
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0052】
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
【0053】
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
【0054】
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−nブチルアクリル(メタ)アミド、N−tertブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
【0055】
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0056】
この他に、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、及び(メタ)アクリロニトリルなども使用できる。これらの化合物は1種のみでも、また2種以上を併用しても良い。特に好ましいその他のモノマーの例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、α―メチルスチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどである。
【0057】
カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法で常法に従って共重合させることで得られる。例えば、上記のモノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得られる。また水性媒体中に上記のモノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合で重合を行っても良い。
【0058】
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いるモノマー、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。また、ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)の様なアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドの様な過酸化物、及び過硫酸塩などが利用できる。
【0059】
ビニル共重合体中のカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有率は、共重合体の全繰り返し単位中の10〜40モル%の範囲にあることが好ましく、15〜40モル%の範囲にあることが更に好ましく、20〜35モル%の範囲が特に好ましい。カルボキシル基含有繰り返し単位の含有率が10モル%未満であるとアルカリ性水溶液への現像性が不足する場合があり、40モル%を越えると硬化部(画像部)の現像液耐性が不足する場合がある。また、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位或いは一般式(I)で示される繰り返し単位の含有率は5〜60モル%の範囲にあることが好ましく、5〜50モル%の範囲にあることがより好ましく、10〜50モル%の範囲にあることが更に好ましく、15〜40モル%の範囲にあることが特に好ましい。ウレタン基を有する繰り返し単位の含有率が5モル%未満であるとテント膜強度が不足する場合があり、60モル%を越えると現像性が低下したり、プリント配線基板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が不足する場合がある。
【0060】
上記ビニル共重合体の分子量は、任意に調整が可能であるが、質量平均分子量として1000〜300000の範囲にあることが好ましく、4000〜150000の範囲にあることが特に好ましい。質量平均分子量が1000未満であると膜の強度が不足すること、また安定な製造が困難になる傾向にある。また分子量が300000を超えると現像性が低下する傾向にある。
【0061】
本発明のドライフイルムフォトレジストでは、その性能を悪化させない範囲で、バインダー成分として、上記のビニル共重合体の他に、感光性樹脂層組成物に用いられる公知の高分子結合剤を併用しても構わない。この様な高分子結合剤の例としては、特公昭46−32714号公報、特公昭55−38961号公報、特公昭56−33413号公報、特開昭58−1142号公報、特公平7−7208号公報、特公平8−20733号公報、特登2706858号公報、特登2756623号公報、及び特開平10−161309号公報の各明細書に記載のアルカリ可溶性樹脂を挙げることができる。
【0062】
感光性樹脂組成物層のバインダー成分含有量は、一般に30〜90質量%の範囲にあり、好ましくは40〜80質量%の範囲であり、特に好ましくは45〜65質量%の範囲である。バインダー成分の含有量が少なくなり過ぎると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下し、多くなり過ぎると、現像時間に対する安定性や硬化膜(テント膜)の強度が低下する傾向にある。バインダー成分中のカルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体の含有量は、一般に30質量%以上であり、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上である。
【0063】
[モノマー成分(B)]
本発明のドライフイルムフォトレジストでは、モノマー成分として、エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物(多官能モノマー)を用いる。この重合性化合物は、重合していない状態ではバインダーのアルカリ水溶液に対する溶解性を失わず、活性エネルギー線を受けて重合することでバインダーを含んだ感光性樹脂材料層のアルカリ水溶液に対する溶解性を減少するものであることが好ましい。この様な化合物は、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学構造をもつものである。
【0064】
エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物(多官能モノマー)の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
【0065】
アクリル酸及びメタクリル酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル[(メタ)アクリル酸エステル]の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エ一テル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ビス〔p−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、及びビス〔p−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
【0066】
イタコン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネート等がある。
【0067】
クロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネート等がある。
【0068】
イソクロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、及びソルビトールテトラマレート等がある。
【0069】
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドの例としては、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、及びキシリレンビス(メタ)アクリルアミド等がある。
【0070】
また、モノマー成分として、ウレタン基を含有する(メタ)アクリレート類も利用できる。この様な化合物の例としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、及び特公平7−7208号公報中などに記載されており、一分子に二個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート又はこれらの3量体、及びこれらとトリメチロールプロパンなどの多官能アルコールとの付加体など)に、分子中に水酸基を含有するビニルモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど)を付加させることにより得られる一分子中に二個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
【0071】
さらに、モノマー成分として、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることが出来る。また、フタル酸やトリメリット酸などと上記の分子中に水酸基を含有するビニルモノマーとから得られるエステル化物なども挙げられる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。これらの多官能モノマーは単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
更に必要に応じて、モノマー成分として分子内にエチレン性不飽和結合を一個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用することもできる。単官能モノマーの例としては、前述のバインダー成分に用いるビニル共重合体合成用モノマーとして例示したものなどが挙げられる。
【0073】
感光性樹脂組成物層のモノマー成分含有量は、一般に5〜60質量%の範囲にあり、好ましくは10〜50質量%の範囲であり、特に好ましくは20〜45質量%の範囲である。モノマー成分の含有量が上記の範囲より少ないとテント膜の強度が低下し、多いと保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化する傾向にある。モノマー成分中のエチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物の含有量は、一般に50質量%以上であり、好ましくは70質量%、さらに好ましくは80質量%である。
【0074】
[光重合開始剤(C)]
本発明のドライフィルムフォトレジストで用いる光重合開始剤としては、前述の重合性化合物(モノマー成分)の重合を開始する能力を有する化合物は全て使用可能であり、特に紫外線領域から紫色の光線に対して感光性を有するものであれば好適に使用できる。光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも一種含有していることが好ましい。光重合開始剤はまた、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
【0075】
本発明のドライフィルムフォトレジストにて好ましく使用される光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(好ましくは、トリアジン骨格を有するもの)、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトオキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトオキシムエステル、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル等を挙げることができる。この内、特にトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、ケトオキシム誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトオキシムエステル、ケトン化合物を用いることが、感光性樹脂組成物層の感度、保存性、及び感光性樹脂組成物層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から好ましい。
【0076】
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、次のような化合物が挙げられる。
若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2’,4’−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン;
【0077】
英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジン;
特開昭53−133428号公報記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン;
【0078】
独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−メトキシスチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
【0079】
F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジン;
特開昭62−58241号公報記載の化合物、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−トリルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−メトキシフェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−イソプロピルフェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−エチルフェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
【0080】
特開平5−281728号記載の化合物、例えば2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
特開平5−34920号記載の2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン;及び
特開2001−305734号に記載されている電子移動型開始系のトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物。
これらは全て好適に利用することができる。
【0081】
本発明で好適に用いられるケトオキシム誘導体としては、下記一般式(III)で示される化合物を挙げることができる。
【0082】
【化18】
Figure 2004317659
【0083】
式(III)において、R34及びR35は同一または異なり、置換基を有していても良く不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、或いは、ヘテロ環基を表す。R36及びR37は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良く不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、及び置換チオ基を表す。また、R36及びR37は、互いに結合して環を形成し、−O−、−NR40−(R40は、水素あるいは置換基を有してもよい炭化水素基である)、−O−CO−、−NH−CO−、−S−、及び/又は、−SO−を環の連結主鎖に含んでいても良い炭素原子数2〜8のアルキレン基を表す。
38及びR39は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良く不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、或いは置換カルボニル基を表す。
【0084】
ケトオキシム誘導体の具体的な例としては、p−メトキシフェニル2−N,N−ジメチルアミノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−ベンジルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−n−ブチルエーテル、p−モルフォリノフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メトキシフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−n−ドデシルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシエトキシエチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−p−メトキシカルボニルベンジルエーテル、 p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシカルボニルメチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−エトキシカルボニルメチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−4−ブトキシカルボニルブチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−2−エトキシカルボニルエチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシカルボニル−3−プロペニルエーテル、及びp−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−ベンジルオキシカルボニルメチルエーテルを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
【0085】
本発明に使用されるヘキサアリールビイミダゾールとしては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、及び2,2’−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。これらのビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、およびJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
【0086】
ケトオキシムエステルとしては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0087】
ケトン化合物としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、及びアクリドン等が挙げられる。
【0088】
また、この他に、ベンゾインもしくはベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(o−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等)、アミン類(例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、p−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(p−ジメチルアミノベンゾエート)、m−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル及びペンタメチレンエステル、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(p−ジメチルアミノ)ベンゾイルアセテート、p−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−m−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、p−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、ロイコクリスタルバイオレット等)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に開示されている化合物なども挙げられる。
【0089】
これらの光重合開始剤は単独種で一つまたは二つ以上を併用して使用することができる。また、異種間で二個以上の化合物を併用することも可能である。光重合開始剤含有量の使用量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して、一般に0.1〜30質量%の範囲にあり、好ましくは0.5〜20質量%の範囲であり、特に好ましくは1〜15質量%の範囲である。
【0090】
[増感剤]
ドライフィルムフォトレジストの露光に、光線(活性エネルギー線)として可視光線や紫外光レーザーを用いる場合などにはいわゆる増感剤を添加することができる。増感剤としては、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、及び500nm以上の可視光領域には感光性を有しない、特開2000−305734に記載の一般式(XIV)〜(XVIII)で表される化合物が好適に使用できる。
【0091】
増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全成分に対し、一般に0.05〜30質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲であり、特に好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。増感剤の添加量が多いと感光性樹脂組成物層から保存時に析出し、あまりに少ないと活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性を低下することがある。
【0092】
[その他の成分]
本発明のドライフイルムフォトレジストでは、必要に応じて感光性樹脂組成物層に、熱重合禁止剤、可塑剤、変色剤、着色剤、更にプリント配線板製造用基板表面への密着促進剤、及びその他の助剤類を添加してもよい。これらを添加することによって目的とするドライフイルムフォトレジストの安定性、写真性、焼きだし性、及び膜物性等の性質を調節することができる。
【0093】
[熱重合禁止剤]
熱重合禁止剤は、感光性樹脂組成物層のモノマー成分の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加する。熱重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、p−トルイジン、メチレンブルー、有機銅、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン等が挙げられる。
【0094】
熱重合禁止剤の添加量は、感光性樹脂組成物層のモノマー成分含有量に対して0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.01〜2質量%の範囲であり、特に好ましくは0.05〜1質量%の範囲である。熱重合禁止剤の添加量が、この範囲を超えて多くなると活性エネルギー線に対する感度が低下する傾向にあり、この範囲を超えて少なくなると保存時の安定性が低下する傾向にある。
【0095】
[可塑剤]
可塑剤は、感光性樹脂組成物層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加する。可塑剤の例としては、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、及びジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、及びトリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;p−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、及びN−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルセバケート、ジオクチルアゼレート、及びジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、及び4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等が挙げられる。
【0096】
可塑剤の添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜40質量%の範囲、特に好ましくは1〜30質量%の範囲である。
【0097】
[変色剤]
変色剤は、露光後の感光性樹脂組成物層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加される。変色剤としては、例えば、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレツト)、トリス(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−ジメチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、トリス(p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−〔p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、及びトリス(p−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、及び3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(o−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、及び3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、及び3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、及び4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−p−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3042515号明細書及び同第3042517号明細書に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例えば、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)を挙げることができる。特に好ましい変色剤は、ロイコクリスタルパイレツトである。
【0098】
変色剤の添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.01〜20質量%の範囲が好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。
【0099】
[染料]
本発明において、感光性樹脂組成物層には、取り扱い性の向上のために組成物を着色させたり、保存安定性を付与する目的に染料を用いることができる。好適な染料の例としては、ブリリアントグリーン硫酸塩、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、及びロータミン6Gなどを挙げることができる。特に好ましい染料は、マラカイトグリーンシュウ酸塩である。
【0100】
染料の好ましい添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.001〜10質量%の範囲である。より好ましくは0.01〜5質量%の範囲、特に好ましくは0.1〜2質量%の範囲である。
【0101】
[密着促進剤]
本発明のドライフィルムフォトレジストでは、プリント配線板製造用基板への密着性を向上させるために、感光性樹脂組成物層に公知のいわゆる密着促進剤を添加することができる。密着促進剤としては、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報の各号明細書に記載の密着促進剤が好適に使用できる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサノール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオーチアジアゾールなどを挙げることができる。これらの中でも3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオンが特に好ましい。
【0102】
密着促進剤の好ましい添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%の範囲にある。より好ましくは0.01〜10質量%の範囲であり、特に好ましくは0.1質量%〜5質量%の範囲である。
【0103】
[ドライフィルムフォトレジストの製造]
本発明のドライフィルムフォトレジストは、例えば、前述の各種構成成分を溶媒中に溶解させて感光性樹脂組成物溶液を調製し、これを支持体(可撓性透明フィルム)の上に公知の方法により塗布し、乾燥することにより製造することができる。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等の各種の方法を採用することができる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
【0104】
感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、及びn−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロゲキサノン、及びジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、及びモノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、及び1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドなどを挙げることができる。
【0105】
[支持体及び保護フィルム]
支持体(可撓性透明フィルム)は、感光性樹脂組成物層を剥離可能、かつ光の透過性が良好であることが必要である。また、表面の平滑性が良好であることが望ましい。支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、及びポリトリフロロエチレン等の各種のプラスチックのフィルムを挙げることができる。更にこれらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚さは、5〜150μmが一般的であり、10〜100μmが好ましい。
【0106】
本発明のドライフィルムレジストでは、支持体上の感光性樹脂組成物層の上に、更に保護フィルム層を設けることができる。保護フィルムの例としては、前記支持体に使用されるプラスチックフィルム、及び紙、または紙にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのプラスチックフィルムをラミネートしたものなどを挙げることができる。特に、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、5〜100μmの範囲が一般的であり、10〜50μmの範囲が好ましい。その際、感光性樹脂組成物層と支持体の接着力Aと感光性樹脂組成物層と保護フィルムの接着力BとがA>Bの関係になるようにすることが好ましい。支持体/保護フィルムの組み合わせの例としては、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロファン、ポリイミド/ポリプロビレンなどを挙げることができる。上記のように支持体と保護フィルムを相互に異種のものから選ぶ方法のほかに、支持体及び保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は、感光性樹脂組成物層との接着力を高めるために施されるのが一般的であり、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。また、例えば、長尺のドライフィルムフォトレジストを製造し、これをロール状にして保存、輸送する場合には、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。この静摩擦係数は、0.3〜1.4の範囲にあることが好ましく、特に0.5〜1.2の範囲が好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生することがある。また1.4超えた場合、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
【0107】
また、保護フィルムを表面処理しても良い。表面処理は、保護フィルムと感光性樹脂組成物層との接着性を低下させるために行なわれる。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行なわれる。
【0108】
[プリント配線板の製造方法]
本発明のドライフィルムフォトレジストを用いたプリント配線板の製造方法の例を、金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造を例にとり、添付図面の図2を参照しながら説明する。
【0109】
図2(A)に示すようなスルーホール22を有し、表面が金属めっき23されたプリント配線板形成用基板21を用意する。プリント配線板形成用基板21には、銅張積層板やガラスエポキシなどの公知の材料が用いられる。
【0110】
次に、図2(B)に示すように、プリント配線板形成用基板21の表面に本発明のドライフィルムフォトレジスト11の感光性樹脂組成物層13を、圧着ローラ31を用いて圧着して、プリント配線板形成用基板21、感光性樹脂組成物層13、そして可撓性透明フィルム支持体11がこの順で積層された積層体を得る(積層工程)。圧着ローラ31には、メタルローラ及びゴムローラなどの公知のものを使用することができる。圧着の際には、プリント配線板形成用基板21及び圧着ローラ31をそれぞれ加熱することが好ましい。プリント配線板形成用基板21の加熱温度は、50〜100℃の温度とすることが好ましい。圧着ローラ31の加熱温度は、60〜120℃の温度とすることが好ましい。圧着ロールのロール圧は2〜5kg/cmの範囲にあることが好ましい。圧着速度は、1〜3m/分の速度とすることが好ましい。
【0111】
次に、図2(C)に示すように、積層体の可撓性透明フィルム支持体12側の面から光(活性エネルギー)をパターン状に照射して、感光性樹脂組成物層13を硬化させて、配線パターン形成用の硬化樹脂組成物領域15と、スルーホールの金属めっき保護用の硬化樹脂組成物領域16とからなる硬化物パターン17を形成する(露光工程)。光をパターン状に照射する方法としては、フォトマスクを介して紫外線光を全面に照射する方法、もしくは紫外〜可視光領域の波長のレーザ走査露光装置でパターン信号に従って照射する方法を利用して行なうことが好ましい。特に、後者のレーザ走査露光装置を用いる方法は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製造などに適している。
【0112】
次に、図2(D)に示すように、積層体から可撓性透明フィルム支持体12を剥がす(支持体剥離工程)。
【0113】
次に、図2(E)に示すように、樹脂組成物層13に弱アルカリ水溶液(pH:9〜11)を接触させて、プリント配線板形成用基板上の樹脂組成物層の未硬化領域を溶解除去して基板表面の金属めっき23を露出させる(現像工程)。弱アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液を用いることができる。
【0114】
次に、図2(F)に示すように、露出した金属めっき23をエッチング液で溶解する(エッチング工程)。スルーホール22の開口部は硬化樹脂組成物(テント膜)16で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属めっきを腐食することなく、スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。このエッチングにより、プリント配線板の配線パターン24が形成される。
【0115】
そして最後に、図2(G)に示すように、硬化樹脂パターンに強アルカリ水溶液(pH:13〜14)を接触させて、硬化物パターンを細かく砕いて剥離片18とし、プリント配線板形成用基板21から除去する(硬化物除去工程)。強アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
【0116】
また本発明のドライフイルムレジストは上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用しても構わない。
【0117】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明する。まず初めに、本実施例にて用いたウレタン基含有モノマー、及びウレタン基とカルボキシル基を含有する共重合化合物の合成例を記載する。
【0118】
[合成例1]ウレタン基含有モノマー(M−1a)の合成
ノルマルブチルイソシアネート9.91質量部、酢酸エチル40.0質量部の混合溶液を攪拌しながら、室温で2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.0質量部を滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌し、ヘキサン1000質量部中に投入した。析出した固体をろ過後、風乾して、ウレタン基含有モノマー(M−1a)21.3質量部を得た。
【0119】
[合成例2]ウレタン基含有モノマー(M−7a)の合成
2−イソシアナトエチルメタクリレート16.9質量部、酢酸エチル40.0質量部、ジブチルスズジアセテート0.96質量部の混合溶液を攪拌しながら、50℃で、n−ブタノ―ル7.41質量部を滴下した。滴下終了後、更に5時間攪拌し、反応液を濃縮して、ウレタン基含有モノマー(M−7a)23.6質量部を得た。
【0120】
[合成例3]ウレタン基とカルボキシル基を含有するビニル共重合体(V−1)の合成
メタクリル酸2.5質量部、メタクリル酸メチル4.5質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル2.2質量部、メタクリル酸ベンジル0.8質量部、及び合成例1にて合成したウレタン基含有モノマー(M−1a)2.3質量部をメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=1/1(質量比)の混合液22質量部に溶解した。この溶液を窒素気流下、80℃に加熱攪拌した。ここに重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.04質量部を加え、加熱攪拌する。この溶液に、メタクリル酸22.3質量部、メタクリル酸メチル40.6質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル19.4質量部、メタクリル酸ベンジル7.1質量部、ウレタン基含有モノマー(M−1a)20.6質量部、及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.38質量部をメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=1/1(質量比)の混合液93.3質量部に溶解した溶液を2.5時間掛けて滴下した。滴下終了後、更に2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.50質量部をメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=1/1(質量比)の混合液7.0質量部に溶解した溶液を加え、液温を90℃として、更に4時間加熱攪拌を行った。反応終了後に、メチルエチルケトン90.3質量部、1−メトキシ−2−プロパノール14.5質量部を加えて、メタクリル酸/メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸ベンジル/ウレタン基含有モノマー(M−1a)(共重合比率は29/45/12/4/10モル比、質量平均分子量は115500)の35%溶液(溶媒はメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=2/1(質量比))を得た。
【0121】
[合成例4〜7]
各モノマーの配合比、及びウレタン基含有モノマーの種類を、下記の表1に記載に変えた以外は合成例3と同様にして共重合体(V−2)〜(V−5)を得た。合成例3〜7にて合成した共重合体(V−1)〜(V−5)の質量平均分子量を表1に示す。
【0122】
【表1】
Figure 2004317659
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
BzMA:メタクリル酸ベンジル
【0123】
【実施例1】
・表1に示した共重合体(V−1)の35質量%溶液(溶媒はメチルエチルケト
ン/1−メトキシ−2−プロパノール=2/1(質量比)) 51.9質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 8.7質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 2.2質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.06質量部
・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニ
ルビイミダゾール 1.4質量部
・フェニルトリブロモメチルスルホン 0.02質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.02質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・p−トルエンスルホンアミド 0.63質量部
・メチルエチルケトン 9.3質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.9質量部
【0124】
上記の組成からなる感光性樹脂組成物溶液を調製し、25μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム(可撓性透明フィルム支持体)に乾燥膜厚が27μmになるように塗布し、乾燥して感光性樹脂組成物層を形成した。次いで、感光性樹脂組成物層の上に12μm厚のポリプロピレンフィルム(保護フィルム)をラミネートした。この様にして得られたドライフィルムフォトレジストの(1)最短現像時間、(2)解像度、(3)密着、(4)テント膜破れ数、及び(5)剥離時間を評価した結果を表2に示す。なお、最短現像時間、解像度、密着、テント膜破れ数、及び剥離時間は、下記の方法により測定した。
【0125】
(1)最短現像時間の測定方法
表面を整面し、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、ドライフィルムフォトレジストのポリプロピレンフィルムを剥がしながら、感光性樹脂組成物層を、ラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成する。圧着条件は、積層板温度70℃、圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cm、そして圧着速度1.2m/分とする。積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、銅張積層板上の感光性樹脂組成物層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.1MPaの圧力にてスプレーする。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光性樹脂組成物層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とする。
【0126】
(2)解像度の測定方法
上記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にフォトマスク(ライン/スペース=1/1、ライン幅10μm〜100μm)を介して、超高圧水銀灯(3kW超高圧水銀灯両面同時露光装置HMW−6−N型、オーク(株)製)を用いて40mJ/cmの光を照射して、感光性樹脂組成物層を露光する。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.1MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の1.5倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、硬化樹脂パターンを現像する。その後、20℃の水をスプレー圧0.05MPaにて80秒間スプレーして、硬化樹脂パターンを水洗して、乾燥する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とする。
【0127】
(3)密着の測定方法
フォトマスクにライン/スペース=1/3、ライン幅10μm〜100μmのものを用いる以外は、上記(2)の解像度の評価方法と同じ操作を行ない、硬化樹脂パターンのラインに剥がれ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを密着とする。
【0128】
(4)テント膜破れ数の測定方法
スルーホールを有しない銅張積層板の変わりに、直径3mmの銅めっきスルーホールを200個有する銅張積層板を用いる以外は、前記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に超高圧水銀灯を用いて50mJ/cmの光を照射して、感光性樹脂組成物層の全面を露光する。室温にて10分間放置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー圧を0.2MPaとすること以外は、前記(2)の解像度の評価方法と同じ条件で、銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に炭酸ナトリウム水溶液をスプレーして、硬化樹脂パターンを現像し、水洗して乾燥する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面に45℃の塩化第二銅水溶液(エッチング液)を、スプレー圧0.1MPaにて60秒間スプレーして、銅張積層板をエッチングする。ここまでの処理でテント膜の破れたホール数の数をカウントし、これをテント破れ数とする(数字が小さいものが良好である)。
【0129】
(5)剥離時間の測定方法
前記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に超高圧水銀灯を用いて40mJ/cmの光を照射して、感光性樹脂組成物層の全面を露光する。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。前記(2)の解像度の評価方法と同じ条件で、銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に炭酸ナトリウム水溶液をスプレーして、硬化樹脂パターンを現像し、水洗して乾燥する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板を3質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に立てかける様に浸漬する。銅張積層板の浸漬開始から銅張積層板上の硬化樹脂パターンが完全に除去されるまでに要した時間を測定し、これを剥離時間とする。
【0130】
[実施例2]
実施例1における共重合体(V−1)の35質量%溶液の代わりに表1に示した共重合体(V−2)の35質量%溶液を用いる以外は実施例1と同様にしてドライフィルムフォトレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜破れ数、及び剥離時間を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0131】
[実施例3]
実施例1における共重合体(V−1)の35質量%溶液の変わりに表1に示した共重合体(V−3)の35質量%溶液を用いる以外は実施例1と同様にしてドライフィルムフォトレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜破れ数、及び剥離時間を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0132】
[実施例4]
実施例1における共重合体(V−1)の35質量%溶液の代わりに表1に示した共重合体(V−4)の35質量%溶液を用いる以外は実施例1と同様にしてドライフィルムフォトレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜破れ数、及び剥離時間を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0133】
[比較例1]
実施例1における共重合体(V−1)の35質量%溶液の代わりに表1に示した共重合体(V−5)の35質量%溶液を用いる以外は実施例1と同様にしてドライフィルムフォトレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜破れ数、及び剥離時間を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0134】
[比較例2]
実施例1における共重合体1の35質量%溶液51.9質量部の代わりに、表1に示した共重合体(V−5)の35質量%溶液を20.8質量部、スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成:73モル%/37モル%、質量平均分子量:10,000)の35質量%溶液(溶媒はメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=2/1(質量比))を31.1質量部を用いる他は実施例1と同様にしてドライフイルムレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜破れ数、及び剥離時間を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
【0135】
【表2】
Figure 2004317659
【0136】
[実施例5]
(レーザ露光による硬化樹脂パターンの形成)
表面を整面し、乾燥した銅張積層板の表面に、実施例1にて製造したドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を、その感光性樹脂組成物層の上のポリプロピレンフィルムを剥がしながら圧着して、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成した。この積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムに、波長400〜415nmのレーザ光源を有するレーザ露光装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10μm〜100μmのパターンと、ライン/スペース=1/3でライン幅10μm〜100μmのパターンとで、105mJ/cmのレーザ光を照射して、感光性樹脂組成物層を露光した。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.1MPaの圧力で17秒間スプレーして、未硬化の樹脂組成物を溶解除去し、硬化樹脂パターンを現像した。その後、20℃の水を、スプレー圧0.05MPaにて80秒間スプレーして、硬化樹脂パターンを水洗して乾燥した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察したところ、ライン/スペース=1/1で形成した硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅(解像度)は30μm、ライン/スペース=1/3で形成した硬化樹脂パターンのラインに剥がれ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅(密着)は15μmと、超高圧水銀灯の光で露光した場合よりも解像度と密着とがそれぞれ良くなった。
【0137】
[実施例6]
(レーザ露光によるテント膜の形成)
表面を整面し、乾燥した直径3mmの銅めっきスルーホールを200個有する銅張積層板の表面に、実施例1にて製造したドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を、その感光性樹脂組成物層の上のポリプロピレンフィルムを剥がしながら圧着して、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成した。この積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの全面に、波長400〜415nmのレーザ光源を有するレーザ露光装置を用いて、105mJ/cmのレーザ光を照射して、感光性樹脂組成物層を露光した。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を2MPaの圧力で17秒間スプレーして、未硬化の樹脂組成物を溶解除去し、硬化樹脂パターンを現像し、水洗して乾燥した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面に45℃の塩化第二銅水溶液(エッチング液)を、スプレー圧0.1MPaにて60秒間スプレーして、銅張積層板をエッチングした。ここまでの処理でテント膜の破れたホール数の合計数をカウントしたところ、テント膜破れ数は10個と、超高圧水銀灯の光で露光した場合とほぼ同等であった。
【0138】
【発明の効果】
本発明のドライフィルムフォトレジストは、感光性樹脂組成物層の厚さを薄くしても破れにくいテント膜を形成できることから、感光性樹脂組成物層の薄層化による高解像度化が可能である。従って、本発明のドライフィルムフォトレジストは、高密度のプリント配線板の製造に有利に利用することができ、特に両面プリント配線板や多層プリント配線板などの金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造に有利に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うドライフィルムフォトレジストの一例の断面図である。
【図2】本発明に従う金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造工程を概略的に示した図である。
【符号の説明】
11 ドライフィルムフォトレジスト
12 可撓性透明フィルム支持体
13 感光性樹脂組成物層
14 保護フィルム
15、16 硬化樹脂組成物
17 硬化物パターン
18 剥離片
21 プリント配線板形成用基板
22 スルーホール
23 金属めっき
24 配線パターン
31 圧着ローラ

Claims (10)

  1. 可撓性透明フィルム支持体と、該支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなるドライフィルムフォトレジストにおいて、該感光性樹脂組成物層が、(A)カルボキシル基を有する繰り返し単位と、側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなるバインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物からなるモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む組成物からなることを特徴とするドライフィルムフォトレジスト。
  2. 側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位が、下記一般式(I)で示されることを特徴とする請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト:
    Figure 2004317659
    [式(I)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し;
    は、単結合あるいは炭素原子数1〜18の2価の炭化水素基(ただし、炭化水素基は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及び/又はアミド基で置換されていてもよく、分岐、あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合を介してもよい)を表し;
    は、炭素原子数1〜18の1価の炭化水素基(ただし、炭化水素基は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及び/又はアミド基で置換されていてもよく、分岐、あるいは環構造を形成してもよい)を表し;
    は、酸素原子、イミノ基、又は1価の炭化水素基で置換されたイミノ基(ただし、炭化水素基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である)を表し;
    及びXは、一方が酸素原子、他方がイミノ基、又は1価の炭化水素基で置換されたイミノ基(ただし、炭化水素基は、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、又はアラルキル基である)を表し;
    そしてm及びnは、それぞれ独立に1又は0を表す。]
  3. ビニル共重合体中のカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有率が10〜40モル%の範囲にあり、そして側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位の含有率が5〜60モル%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  4. 感光性樹脂組成物層の厚さが5μm以上、35μm未満であることを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  5. (A)バインダー成分の含有量が30〜90質量%の範囲、(B)モノマー成分の含有量が5〜60質量%の範囲、及び(C)光重合開始剤の含有量が0.1〜30質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  6. 感光性樹脂組成物層の上に保護フィルム層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  7. プリント配線板製造用であることを特徴とする請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  8. スルーホールを有し、表面が金属めっきされたプリント配線板形成用基板を用意する工程、プリント配線板形成用基板の表面に請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を圧着して、プリント配線板形成用基板、感光性樹脂組成物層、そして可撓性透明フィルム支持体がこの順で積層された積層体を得る積層工程、積層体の可撓性透明フィルム支持体側の面から光をパターン状に照射して、感光性樹脂組成物層を硬化させて、配線パターン形成用の硬化樹脂組成物領域と、スルーホールの金属めっき保護用の硬化樹脂組成物領域とからなる硬化物パターンを形成する露光工程、積層体から可撓性透明フィルム支持体を剥がす支持体剥離工程、プリント配線板形成用基板上の樹脂組成物層の未硬化領域を溶解除去して基板表面の金属を露出させる現像工程、露出した金属をエッチング液で溶解するエッチング工程、そして硬化物パターンをプリント配線板形成用基板から除去する硬化物除去工程を含む金属めっきスルーホールを有するプリント配線板の製造方法。
  9. 光がレーザ光であることを特徴とする請求項8に記載のプリント配線板の製造方法。
  10. スルーホールを有し、表面が金属めっきされたプリント配線板形成用基板、(A)カルボキシル基を有する繰り返し単位と側鎖にウレタン基を有する繰り返し単位とを含むビニル共重合体からなるバインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を二個以上含有する重合性化合物からなるモノマー成分、および(C)光重合開始剤を含む組成物からなる感光性樹脂組成物層、そして可撓性透明フィルム支持体がこの順で積層されてなることを特徴とする積層体。
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