JP2005134808A - ドライフィルムフォトレジスト - Google Patents

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Abstract

【課題】 高解像でかつ破れにくい硬化膜(テント膜)を形成でき、かつプリント配線板製造用基板からの剥離性に優れたドライフィルムフォトレジストを提供すること。
【解決手段】 支持体と、少なくとも(A)バインダー成分、(B)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層とを有するドライフィルムフォトレジスト。
【選択図】 図1

Description

本発明は、支持体と、その支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなるドライフィルムフォトレジストに関する。本発明はまた、該ドライフィルムフォトレジストを用いた両面プリント配線板や多層プリント配線板などのスルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造方法に関する。
プリント配線板の製造分野においては、配線パターンを、支持体(特に、可撓性透明フィルム支持体)と、その支持体の上に形成された感光性樹脂組成物層とからなるドライフィルムフォトレジストを用いたフォトリソ技術によって形成することが行われている。例えば、スルーホールを有するプリント配線板の場合、銅張積層板にスルーホールを形成し、スルーホール内側壁部に金属層を形成した後、基板表面にドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を重ね合わせて密着し、配線パターン形成領域とスルーホール開口部を含む領域に光を所定のパターン状に照射して感光性樹脂組成物層を硬化させる。次いで、ドライフィルムフォトレジストの支持体を剥がし取り、未硬化感光性樹脂組成物領域を除去する。この積層板を、銅を溶解するエッチング液中に浸漬すると、露出した金属層部分がエッチングされ、光を照射したパターンと同一の銅張りパターンを得ることができる。その後硬化樹脂組成物を除去して、基板表面に銅の配線パターンを形成することが行われている。
近年、プリント配線板の高密化の要求が高くなってきており、より細線の再現が可能な高解像度ドライフィルムフォトレジストが要求されている。ドライフィルムフォトレジストの解像度を上げるには、感光性樹脂組成物層の厚さを薄くすることが効果的である。しかし一方、上記で述べたように、ドライフィルムフォトレジストは、プリント配線板に形成されたスルーホールの内壁面の金属層を保護する保護する役割もあり、未硬化感光性樹脂組成物領域を溶解除去する工程で、スルーホール上の硬化樹脂組成物が破れる欠点がある。
スルーホール上の硬化樹脂組成物をテント膜と称するが、テント膜の強度を上げる手段として、次のような成果が開示されている。
特許文献1には、カルボキシル基を有するバインダー成分、エチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有し、化合物脂肪族多環とカルボキシル基とを有する光重合性化合物からなるモノマー成分、および光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが50μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
特許文献2には、バインダー成分(好ましくは、スチレン−アクリル系重合体を含有するもの)、特定のウレタン結合を有するエチレン性不飽和化合物を含むモノマー成分、および光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが35μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
特許文献3には、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のビニルウレタン化合物と特定のアクリレート化合物とを含むモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが40μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
特許文献4には、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のウレタン結合とエチレン性不飽和基とを有するイソシアヌル酸エステルを含むモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物層を有するドライフィルムフォトレジストが開示されている。この特許文献の実施例では、感光性樹脂組成物層の厚さが50μmのドライフィルムフォトレジストが製造されている。
特開平6−161104号公報 特開2001−290266号公報 特開平10−142789号公報 特開平10−10723号公報
上記のような研究開発の結果、ドライフィルムフォトレジストは、多層プリント配線板などのスルーホールやビアホールなどのホールを有するプリント配線板の製造に多用されるようになってきたが、最近の電子機器の小型化、軽量化に伴うプリント配線板の高密度化や配線パターンの細線化の要求に対して、充分な対応が難しくなっている。すなわち、プリント配線板の高密化と配線パターンの細線化のためには、ドライフィルムフォトレジストのさらなる高解度化が必要となる。この要求に応じるためには、ドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層の厚さを薄くすることが有効である。しかしながら、感光性樹脂組成物層の厚さを薄くすると、テント膜の厚さも薄くなるため、配線パターンの製造工程においてテント膜が破れやすくなるという問題がある。また、ドライフィルムフォトレジストを用いたプリント配線板の製造では、エッチング後のプリント配線板製造用基板からドライフィルムフォトレジストの硬化膜を、強アルカリ水溶液を用いて剥がし取って除去するのが一般的である。しかしながら、破れにくい強靱な硬化膜にすると、強アルカリ水溶液による硬化膜の剥離が困難となったり、剥離した際の剥離片が大きくなる場合がある。そのため、強アルカリ水溶液による硬化膜の剥離が容易である、すなわち剥離性に優れたドライフィルムフォトレジストの開発が望まれている。
従って、本発明の目的は、高解像でかつ破れにくい硬化膜(テント膜)を形成でき、かつプリント配線板製造用基板からの剥離性に優れたドライフィルムフォトレジストを提供することにある。
本発明者は、モノマー成分に、スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物、あるいはエチレン性不飽和結合を有するpKaが8〜14の範囲にある重合性を用いた感光性樹脂組成物の硬化膜は、その厚さを薄くしても破れにくいことから、感光性樹脂組成物層の薄層化によるドライフィルムフォトレジストの高解像度が可能であり、またこの感光性樹脂組成物の硬化膜がプリント配線板からの剥離性に優れていることを見出して、本発明に至った。
従って、本発明は、支持体と、少なくとも(A)バインダー成分、(B)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物を含むモノマー成分、(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層とを有するドライフィルムフォトレジストにある。
本発明はまた、スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の下記の工程からなる製造方法にもある。
(1)スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する工程;
(2)プリント配線板形成用基板の表面に請求項1乃至6のうちのいずれか項に記載のドライフィルムフォトレジストをその感光層樹脂組成物層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、感光層樹脂組成物層、そして支持体がこの順で積層された積層体を得る積層工程;
(3)積層体の支持体側の面から光をパターン状に照射して、感光性樹脂組成物層を硬化させて、配線パターン形成用の硬化樹脂組成物領域とスルーホール又はビアホールの金属層保護用の硬化樹脂組成物領域とからなる硬化樹脂組成物パターンを形成する露光工程;
(4)積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程;
(5)プリント配線板形成用基板上の樹脂組成物層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程;
(6)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程;そして、
(7)硬化樹脂組成物をプリント配線板形成用基板から除去する硬化樹脂組成物除去工程。
本発明はさらに、スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板上に、少なくとも(A)バインダー成分、(B)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層が積層されている積層体にもある。
本発明はさらに、支持体と、少なくとも(A)バインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を有し、pKaが8〜14の範囲にある重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層とを有するドライフィルムフォトレジストにもある。重合性化合物は、−SO2NH2、−SO2NH−、−CONHSO2−、−SO2NH2SO−、−SO2NHNH−、−CONHCO−からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有することが好ましい。
本発明のドライフィルムフォトレジストは、強アルカリ水溶液による剥離性に優れ、薄層化による高解像度化が可能であり、かつ薄膜でもスルーホール上のテント膜の強度が優れるものである。従って、本発明のドライフィルムフォトレジストは、高密度プリント配線板の製造、特に、両面プリント配線板や多層プリント配線板などのスルーホールやビアホールを有するプリント配線板の製造に有利に利用することができる。
図1に、本発明に従うドライフィルムフォトレジストの一例の断面図を示す。
ドライフィルムフォトレジスト11は、支持体(可撓性透明フィルム支持体)12、感光性樹脂組成物層13、及び保護フィルム14がこの順で積層されてなる。感光性樹脂組成物層13は、(A)バインダー成分、(B)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを含有する重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む組成物からなる。感光性樹脂組成物層13の厚さは、特に限定されないが、一般的に1〜200μmであり、5μm以上、35μm未満であることが好ましく、より好ましくは10〜30μmの範囲であり、さらに好ましくは15〜30μmの範囲である。
[バインダー成分(A)]
本発明のドライフィルムフォトレジストで用いるバインダー成分は、アルカリ性水溶液に可溶性であるか、あるいはアルカリ性水溶液との接触により少なくとも膨潤する性質を持つ共重合体からなることが好ましい。アルカリ水溶液に対して可溶性又は膨潤性を持つ共重合体の例としては、カルボキシル基含有ビニルモノマー、及びその他の共重合可能なビニルモノマーとの共重合によって得られるカルボキシル基含有ビニル共重合体などが好適に挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマーの例としては(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びリン酸モノ(メタ)アクリロイルエチルエステルなどが挙げられる。また、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基を有する単量体と無水マレイン酸や無水フタル酸のような環状無水物との付加反応物も利用できる。あるいは、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸などの無水物含有モノマーを用いてもよい。なお、これらの内では共重合性やコストや溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
その他の共重合可能なモノマーの例としては、酸性基(特に、カルボキシル基)を含まないエチレン不飽和モノマーを挙げることができる。特に、酸性基との化学反応性を有さないものであることが好ましい。例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、スチレン類、及びビニルエーテル類が好ましい。これらのモノマーとしては、例えば以下の様な化合物が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類の例としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−nブチルアクリル(メタ)アミド、N−tertブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルフォリンなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。ビニルエーテル類としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
この他ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、及び(メタ)アクリロニトリル等も使用できる。
これらの化合物は一種のみでも、また二種以上を併用しても良い。特に好ましい共重合可能なモノマーの例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、α―メチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、及びヒドロキシスチレンなどである。
カルボキシル基を含有するビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法で常法に従って共重合させることによって得ることができる。例えば、これらのモノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用して得ることができる。また、水性媒体中にこれらのモノマーを分散させた状態で、いわゆる乳化重合により重合させてもよい。
溶液重合法で用いられる適当な溶媒の例としては、用いるモノマー、及び生成する共重合体の溶解性に応じて任意に選択できる。溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム及びトルエンが挙げられる。これらの溶媒は、二種以上を混合して使用してもよい。
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、又は2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物、及び過硫酸塩などが利用できる。
カルボキシル基を含有するビニル共重合体中のカルボキシル基を有する繰り返し単位の含有率は、共重合体の全繰り返し単位中の10〜40モル%が好ましく、更に好ましくは15〜40モル%であり、20〜35モル%が特に好ましい。カルボキシル基含有繰り返し単位の含有率が10モル%未満であるとアルカリ性水溶液への現像性が不足する場合があり、40モル%を越えると硬化領域(画像部)の現像液耐性が不足する場合がある。
上記のカルボキシル基を含有するビニル共重合体の分子量には、特に制限はないが、質量平均分子量として3000〜300000の範囲にあることが好ましく、10000〜150000の範囲にあることが特に好ましい。質量平均分子量が3000未満であると膜の強度が不足する傾向にあり、また安定な製造が困難になる。また分子量が300000を超えると現像性が低下する傾向にある。
バインダー成分として、上記のカルボキシル基を含有するビニル共重合体の他に、必要に応じて他のビニル共重合体を併用しても構わない。バインダー成分中のカルボキシル基を含有するビニル共重合体の含有量は、30質量%以上、好ましくは50質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
感光性樹脂組成物層のバインダー成分含有量は、一般に30〜90質量%の範囲であり、好ましくは40〜80質量%の範囲であり、特に好ましくは45〜65質量%の範囲である。バインダー成分の含有量が少なくなり過ぎると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下する傾向にあり、多くなり過ぎると、現像時間に対する安定性や硬化膜(テント膜)の強度が低下する傾向にある。
[モノマー成分(B)]
本発明のドライフィルムフォトレジストでは、モノマー成分として、スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを含有する重合性化合物を用いる。この重合性化合物は、pKaが8〜14の範囲にあることが好ましく、9〜13の範囲にあることが特に好ましい。
また、モノマー成分として、エチレン性不飽和結合を有し、pKaが8〜14の範囲、好ましくは9〜13にある重合性化合物を用いてもよい。pKaが8〜14の範囲にある重合性化合物は、−SO2NH2、−SO2NH−、−CONHSO2−、−SO2NHSO2−、−SO2NHNH−、−CONHCO−からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する化合物であることが好ましい。
スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを含有する重合性化合物中のスルホンアミド基及びエチレン性不飽和結合の個数には特に限定はなく、1個以上であれば複数個あっても構わない。重合性化合物中のスルホンアミド基及びエチレン性不飽和結合の個数は、それぞれ1〜10個の範囲にあることが好ましい。また、エチレン性不飽和結合は、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル基などのビニル基、及びアリルエーテルやアリルエステルなどのアリル基に含まれていることが好ましく、(メタ)アクリロイル基、及びスチリル基に含まれていることがさらに好ましい。
スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを含有する重合性化合物は、下記の一般式(I)又は(II)もしくは(III)のうちのいずれかであることが好ましい。
Figure 2005134808
式(I)中、R11は、水素原子又はメチル基を表す。
11は、スルホンアミド基を有する1価の基を表す。Z11は、スルホンアミド基を1個有することが好ましい。
11は、−L11−NHSO2−R12、又は−L11−SO2NH−R13であることが好ましい。
11は、2価の連結基を表す。L11は、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、及びスルホニル基(−SO2−)、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよく、あるいは環状であってもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、2−エチルへキシル基、及びシクロへキシレン基などが挙げられる。アリーレン基は、炭化水素基で置換されていてもよい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜18の整数であることが好ましく、6〜10の整数であることがより好ましい。アリーレン基の例としては、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、及びナフチレン基などが挙げられる。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜18の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。アルケニレン基の例としては、ビニレン基などが挙げられる。アルキニレン基の炭素原子数は、2〜18の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。アルキニレン基の例としては、エチニレン基などが挙げられる。置換イミノ基の1価の炭化水素基は、炭素原子数が1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。1価の炭化水素基は、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を介していてもよい。
アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及び置換イミノ基の1価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
12は、アルキル基及びアリール基を表す。R13は、水素原子、アルキル基及びアリール基を表す。
アルキル基の炭素原子数は、1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。アルキル基は、分岐又は環状構造を有していてもよい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基は炭素原子数が1〜10の範囲にあることが好ましい。
アリール基の炭素原子数は、6〜18の整数であることが好ましい。アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基は炭素原子数が1〜10の範囲にあることが好ましい。
Figure 2005134808
式(II)中、R21及びR22は、それぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。
21は、スルホンアミド基を有する2価の連結基を表す。スルホンアミド基は、2価の連結基の主鎖に含まれていてもよいし、側鎖に連結していてもよい。Z21の具体的な例を、下記の一般式(II−1)〜(II−7)に示す。
Figure 2005134808
式(II−1)〜(II−7)中、L21、L22、L23、L24、L25、L26、L27、L28、L29、L30、L31、L32、L33、L34、L35、L36、L37、L38、L39及びL40は、それぞれ独立して、2価の連結基を表す。2価の連結基は、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、及びスルホニル基(−SO2−)、又はこれらを組み合わせた基であることが好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよく、あるいは環状であってもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。アルキレン基の例としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、イソプロピリデン基、2−エチルへキシル基、及びシクロへキシレン基などが挙げられる。アリーレン基は、炭化水素基で置換されていてもよい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜18の整数であることが好ましく、6〜10の整数であることがより好ましい。アリーレン基の例としては、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、及びナフチレン基などが挙げられる。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜18の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。アルケニレン基の例としては、ビニレン基などが挙げられる。アルキニレン基の炭素原子数は、2〜18の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましい。アルキニレン基の例としては、エチニレン基などが挙げられる。置換イミノ基の1価の炭化水素基は、炭素原子数が1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。1価の炭化水素基は、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を介していてもよい。
アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、及び置換イミノ基の1価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
式(II−5)中のX21及び(II−6)中のX22は、3価の連結基を表す。3価の連結基は、脂肪族基又は芳香族基であることが好ましい。
脂肪族基は、分岐構造または環状構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
芳香族基は、ベンゼン環残基であることが好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
式(II−5)中のR23は、水素原子、アルキル基及びアリール基を表す。
式(II−6)中のR24及び式(II−7)中のR25は、それぞれアルキル基及びアリール基を表す。
アルキル基の炭素原子数は、1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。アルキル基は、分岐又は環状構造を有していてもよい。アルキル基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基が挙げられる。アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基は炭素原子数が1〜10の範囲にあることが好ましい。
アリール基の炭素原子数は、6〜18の整数であることが好ましい。アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。アリール基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基の炭素原子数は、それぞれ1〜10の範囲にあることが好ましい。
Figure 2005134808
式(III)中、R31、R32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。
31は、スルホンアミド基を有する三価の連結基を表す。スルホンアミド基は、三価の連結基の主鎖に含まれていてもよいし、側鎖に連結していてもよい。
3価の連結基は3価の脂肪族基、3価の芳香族基、又はそれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、スルホニル基、イミノ基又は水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基とを組み合わせた基であることが好ましい。
アルキレン基は、分岐を有していてもよく、あるいは環状であってもよい。アルキレン基の炭素原子数は1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。アリーレン基は、炭化水素基で置換されていてもよい。アリーレン基の炭素原子数は6〜18の整数であることが好ましく、6〜10の整数であることがより好ましい。置換イミノ基の1価の炭化水素基は、炭素原子数が1〜18の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。1価の炭化水素基は、分岐あるいは環構造を形成してもよく、また途中にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を介していてもよい。
アルキレン基、アリーレン基、及び置換イミノ基の1価の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
3価の脂肪族基は、分岐構造または環状構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は1〜20の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることがより好ましい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
3価の芳香族基は、ベンゼン環残基であることが好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)が挙げられる。
以下に、好ましいスルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを含有する重合性化合物の具体例を示す。
Figure 2005134808
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本発明においては、モノマー成分として、スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを含有する重合性化合物の他に、スルホンアミド基を有しない重合性化合物を併用しても構わない。スルホンアミド基を有しない重合性化合物は、pKaに特には制限はなく、pKaが14を超えるものでもよい。スルホンアミド基を有しない重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を二個以上含有する多官能重合性化合物(多官能モノマー)であることが好ましい。
併用が可能な多官能重合性化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド等が挙げられる。
アクリル酸及びメタクリル酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル[(メタ)アクリル酸エステル]の具体例としては、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ビス〔p−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、及びビス〔p−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、及びソルビトールテトラジクロトネート等がある。
イソクロトン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、及びソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)の例としては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、及びソルビトールテトラマレート等がある。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドの具体例としては、メチレンビス−(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、及びキシリレンビス(メタ)アクリルアミド等がある。
また、モノマー成分として、ウレタン基を含有する(メタ)アクリレート類も利用できる。この様な化合物の例としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、及び特公平7−7208号公報中などに記載されており、例えば、一分子に二個以上のイソシアナート基を有するポリイソシアナート化合物(例えば、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、ノルボルネンジイソシアナートやこれらの3量体、及びこれらとトリメチロールプロパンなどの多官能アルコールとの付加体など)と分子中にヒドロキシル基を含有するビニルモノマー(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなど)とを付加せしめることで得られる1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
さらに、モノマー成分として、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、及び特公昭52−30490号公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートも使用できる。また、フタル酸やトリメリット酸などと上記の分子中にヒドロキシル基を含有するビニルモノマーとから得られるエステル化物なども挙げられる。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308頁(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの多官能重合性化合物は、単独でまたは二種類以上を組み合わせて用いることができる。
モノマー成分として、必要に応じて分子内にエチレン性不飽和結合を一個含有する単官能重合性化合物(単官能モノマー)を併用することもできる。単官能重合性化合物の具体例としては、前述のバインダー成分として用いるビニル共重合体の原料として例示した化合物などが挙げられる。
スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物の使用量は、モノマー成分全量に対して1〜100質量%の範囲、好ましくは3〜100質量%の範囲であり、特に好ましくは5〜100質量%の範囲である。また、エチレン性不飽和結合を二個以上含有する多官能重合性化合物の使用量は、モノマー成分全量に対して40質量%以上であるのが好ましく、60質量%以上であるのが特に好ましい。
感光性樹脂組成物層のモノマー成分含有量は、一般に5〜60質量%の範囲、好ましくは10〜50質量%の範囲であり、特に好ましくは20〜45質量%の範囲である。モノマー成分の含有量が上記の範囲よりも少ないと硬化膜(テント膜)の強度が低下する傾向にあり、多いと保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が起こりやすくなる傾向にある。
[光重合開始剤(C)]
本発明のドライフィルムフォトレジストで用いる光重合開始剤は、前述の重合性化合物(モノマー成分)の重合を開始する能力を有する化合物は全て使用可能であり、特に紫外線領域から紫色の光線に対して感光性を有するものであれば好適に使用できる。光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも一種含有していることが好ましい。光重合開始剤は、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよい。
本発明のドライフィルムフォトレジストにて好ましく使用される光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(好ましくは、トリアジン骨格を有するもの)、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトオキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトオキシムエステル、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル等を挙げることができる。この内、特にトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、ケトオキシム誘導体、ヘキサアリールビイミダゾール、ケトオキシムエステル、ケトン化合物を用いることが、感光性樹脂組成物層の感度、保存性、及び感光性樹脂組成物層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から好ましい。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、次のような化合物が挙げられる。
若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、例えば、2−フェニル4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2’,4’−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン;
英国特許1388492号明細書記載の化合物、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(p−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジン;
特開昭53−133428号公報記載の化合物、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン;
独国特許3337024号明細書記載の化合物、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−メトキシスチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジン;
特開昭62−58241号公報記載の化合物、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−トリルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−メトキシフェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−イソプロピルフェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−p−エチルフェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
特開平5−281728号記載の化合物、例えば2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン;
特開平5−34920号記載の2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン;及び
特開2001−305734号に記載されている電子移動型開始系のトリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物。
これらは全て好適に利用することができる。
本発明で好適に用いられるケトオキシム誘導体としては、下記一般式(IV)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2005134808
式(IV)において、R41及びR42は、同一または異なり、置換基を有していても良く不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、或いは、ヘテロ環基を表す。
43及びR44は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していても良く不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、及び置換チオ基を表わす。また、R43及びR44は、互いに結合して環を形成し、−O−、−NR47−(R47は、水素あるいは置換基を有してもよい炭化水素基である)、−O−CO−、−NH−CO−、−S−、及び/又は、−SO2−を環の連結主鎖に含んでいても良い炭素原子数2〜8のアルキレン基を表す。
45及びR46は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していても良く不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、或いは置換カルボニル基を表す。
ケトオキシム誘導体の具体的な例としては、p−メトキシフェニル2−N,N−ジメチルアミノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−ベンジルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−n−ブチルエーテル、p−モルフォリノフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−アリルエーテル、p−メトキシフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−n−ドデシルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシエトキシエチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−p−メトキシカルボニルベンジルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシカルボニルメチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−エトキシカルボニルメチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−4−ブトキシカルボニルブチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−2−エトキシカルボニルエチルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−メトキシカルボニル−3−プロペニルエーテル、p−メチルチオフェニル2−モルフォリノプロピルケトンオキシム−O−ベンジルオキシカルボニルメチルエーテルを挙げることができるがこれに限定されるものではない。
本発明に使用されるヘキサアリールビイミダゾールとしては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。これらのビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、およびJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
ケトオキシムエステルとしては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
ケトン化合物としては、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、及びアクリドン等が挙げられる。
また、この他に、ベンゾインもしくはベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等)、ポリハロゲン化合物、(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(o−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(p−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等)、アミン類(例えば、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、p−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(p−ジメチルアミノベンゾエート)、m−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル及びペンタメチレンエステル、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロロ−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(p−ジメチルアミノ)ベンゾイルアセテート、p−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−m−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、ロイコクリスタルバイオレット等)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に開示されている化合物なども挙げられる。
これらの光重合開始剤は単独種で一つまたは二つ以上を併用して使用することができる。また、異種間で二個以上の化合物を併用することも可能である。光重合開始剤の使用量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.1〜30質量%の範囲にあり、好ましくは0.5〜20質量%の範囲であり、特に好ましくは1〜15質量%の範囲である。
[増感剤]
光線(活性エネルギー線)として可視光線や紫外光レーザーを用いる場合などには、いわゆる増感剤を添加することができる。増感剤としては、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン、アルキルアクリジン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、N−メチルアクリドン、N−ブチル−2−クロロアクリドン)、及びクマリン類(例えば、クマリン−1、クマリン−102、クマリン−152)が好適に使用できる。
増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対し、0.05〜30質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜20質量%の範囲、特に好ましくは0.2〜10質量%の範囲である。増感剤の添加量が多くなり過ぎると感光性樹脂組成物層から保存時に析出することがあり、あまりに少ないと活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、プリント配線板の生産性が低下することがある。
[その他の成分]
本発明のドライフイルムフォトレジストでは、必要に応じて感光性樹脂組成物層に、熱重合禁止剤、可塑剤、変色剤、染料(着色剤)、更にプリント配線板製造用基板表面への密着促進剤、及びその他の助剤類を添加してもよい。これらを添加することによって目的とするドライフイルムフォトレジストの安定性、写真性、焼きだし性、及び膜物性等の性質を調節することができる。
[熱重合禁止剤]
熱重合禁止剤は、感光性樹脂組成物層のモノマー成分の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加する。熱重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、p−トルイジン、メチレンブルー、有機銅、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン等を用いることができる。
熱重合禁止剤の添加量は、感光性樹脂組成物層のモノマー成分含有量に対して0.001〜5質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.01〜2質量%の範囲であり、特に好ましくは0.05〜1質量%の範囲である。熱重合禁止剤の添加量が、この範囲を超えて多くなると活性エネルギー線に対する感度が低下する傾向にあり、この範囲を超えて少なくなると保存時の安定性が劣化する傾向にある。
[可塑剤]
可塑剤は、感光性樹脂組成物層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加する。可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、及びジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、及びトリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、及びトリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;p−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、及びN−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、及びジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、及び4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等を用いることができる。
可塑剤の添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.1〜50質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.5〜40質量%の範囲、特に好ましくは1〜30質量%の範囲である。
[変色剤]
変色剤は、露光後の感光性樹脂組成物層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加される。変色剤としては、例えば、トリス(p−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(p−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(p−ジメチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、トリス(p−ジエチルアミノ−o−メチルフェニル)メタン、ビス(p−ジブチルアミノフェニル)−〔p−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、及びトリス(p−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、及び3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(o−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(o−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、及び3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、及び3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(p−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、及び4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−p−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−o−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもっていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3042515号明細書及び同第3042517号明細書に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例えば、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)を用いることができる。特に好ましいものは、ロイコクリスタルバイオレットである。
変色剤の添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.01〜20質量%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは、0.05〜10質量%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。
[染料(着色剤)]
本発明において、感光性樹脂組成物層には、取り扱い性の向上のために組成物を着色したり、保存安定性を付与する目的に染料を添加することができる。好適な染料の例としては、ブリリアントグリーン硫酸塩、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーンシュウ酸塩、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製)、ローダミンB、及びローダミン6Gなどを挙げることができる。特に好ましい染料は、マラカイトグリーンシュウ酸塩である。
染料の添加量は、感光性樹脂組成物層の全成分に対して0.001〜10質量%の範囲である。より好ましくは0.01〜5質量%の範囲、特に好ましくは0.1質量%〜2質量%の範囲である。
[密着促進剤]
本発明のドライフィルムフォトレジストでは、プリント配線板製造用基板への密着性を向上させるために、感光性樹脂組成物層に公知のいわゆる密着促進剤を添加することができる。密着促進剤としては、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報の各明細書に記載のものが好適に使用できる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサノール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオーチアジアゾールなどを挙げることができる。これらの中でも3−モルホリノメチル−1−フェニルトリアゾール−2−チオンが特に好ましい。
密着促進剤の好ましい添加量は、感光性樹脂組成物層に対して0.001〜20質量%の範囲である。より好ましくは0.01〜10質量%の範囲、特に好ましくは0.1質量%〜5質量%の範囲である。
[ドライフィルムフォトレジストの製造]
本発明のドライフィルムフォトレジストは、例えば、前述の各種構成成分を溶媒中に溶解させて感光性樹脂組成物溶液を調製し、これを支持体(可撓性透明フィルム)の上に公知の方法により塗布し、乾燥することにより製造することができる。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法には、特に限定はなく、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等の各種の方法を採用することができる。感光性樹脂組成物溶液の乾燥の条件は、各構成成分や溶媒の種類、及びその配合割合等によっても異なるが、通常は、60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、及びn−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロゲキサノン、及びジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、及びエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、及びモノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、及び1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホオキサイドなどを挙げることができる。
[支持体及び保護フィルム]
支持体には、可撓性で、光の透過性が良好な可撓性透明フィルムを用いることが好ましい。支持体はまた、感光性樹脂組成物層を剥離可能であることが必要である。また、表面の平滑性が良好であることが望ましい。支持体の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、及びポリトリフロロエチレン等の各種のプラスチックのフィルムを挙げることができる。更にこれらの二種以上からなる複合材料も使用することができる。上記の中でポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。支持体の厚さは、5〜150μmが一般的であり、10〜100μmが好ましい。
本発明のドライフィルムレジストは、支持体上の感光性樹脂組成物層の上に、更に保護フィルムを設けることができる。保護フィルムの例としては、前記支持体に使用されるもの及び、紙、または紙にポリエチレンフィルム又はポリプロピレンフィルムなどのプラスチックフィルムをラミネートしたものなどを挙げることができる。特にポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。保護フィルムの厚さは、5〜100μmの範囲にあることが一般的であり、10〜50μmの範囲にあることが好ましい。
支持体と保護フィルムとは、感光性樹脂組成物層と支持体の接着力Aが感光性樹脂組成物層と保護フィルムの接着力Bよりも強くなる関係(A>B)にあることが好ましい。支持体/保護フィルムの組み合わせの例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム/ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム/セロファンフィルム、及びポリイミドフィルム/ポリプロビレンフィルムなどを挙げることができる。このように支持体と保護フィルムとを相互に異種のものから選ぶ方法のほかに、支持体又は保護フィルムの少なくとも一方を表面処理することにより、前記のような接着力の関係を満たすことができる。支持体の表面処理は感光性樹脂組成物層との接着力を高めるために施されるのが一般的であり、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、及びレーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、例えば、長尺のドライフィルムフォトレジストを製造し、これをロール状にして保存、輸送する場合には、支持体と保護フィルムとの静摩擦係数も重要である。この静摩擦係数は、0.3〜1.4の範囲にあることが好ましく、特に0.5〜1.2の範囲が好ましい。0.3未満では滑り過ぎるため、ロール状にした時巻ズレが発生することがある。また、1.4超えるとロール状に巻くことが困難となることがある。
さらに、保護フィルムを表面処理しても良い。表面処理は、保護フィルムと感光性樹脂組成物層との接着性を低下させるために行なわれる。例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布後、30〜150℃(特に、50〜120℃)の温度で1〜30分間乾燥することにより一般に行なわれる。
さらに、下塗り層、接着層、剥離層、保護層などの各種機能を有する層を設けたり、膜物性や感度の異なる二種以上の感光性樹脂組成物層を設けてもよい。
[プリント配線板の製造方法]
本発明のドライフィルムフォトレジストは、スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。
本発明のドライフィルムフォトレジストを用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図2を参照しながら説明する。
図2(A)に示すようなスルーホール22を有し、表面が金属層23で覆われたプリント配線板形成用基板21を用意する。プリント配線板形成用基板21には、銅張積層板やガラスエポキシなどの公知の材料が用いられる。
次に、図2(B)に示すように、プリント配線板形成用基板21の表面に本発明のドライフィルムフォトレジスト11の感光性樹脂組成物層13を、圧着ローラ31を用いて圧着して、プリント配線板形成用基板21、感光性樹脂組成物層13、そして支持体12がこの順で積層された積層体を得る(積層工程)。圧着ローラ31には、メタルローラ及びゴムローラなどの公知のものを使用することができる。圧着の際には、プリント配線板形成用基板21及び圧着ローラ31をそれぞれ加熱することが好ましい。プリント配線板形成用基板21の加熱温度は、50〜100℃の温度とすることが好ましい。圧着ローラ31の加熱温度は、60〜120℃の温度とすることが好ましい。圧着ローラのローラ圧は2〜5kg/cm2の範囲にあることが好ましい。圧着速度は、1〜3m/分の速度とすることが好ましい。
次に、図2(C)に示すように、積層体の支持体12側の面から光(活性エネルギー)をパターン状に照射して、感光性樹脂組成物層13を硬化させて、配線パターン形成用の硬化樹脂組成物領域15と、スルーホールの金属めっき保護用の硬化樹脂組成物領域16とからなる硬化物パターン17を形成する(露光工程)。光をパターン状に照射する方法としては、フォトマスクを介して紫外線光を全面に照射する方法、もしくは紫外〜可視光領域の波長のレーザ走査露光装置でパターン信号に従って照射する方法を利用して行なうことが好ましい。特に、後者のレーザ走査露光装置を用いる方法は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製造などに適している。
次に、図2(D)に示すように、積層体から支持体12を剥がす(支持体剥離工程)。
次に、図2(E)に示すように、樹脂組成物層13に弱アルカリ水溶液(pH:9〜11)を接触させて、プリント配線板形成用基板上の樹脂組成物層の未硬化領域を溶解除去して基板表面の金属めっき23を露出させる(現像工程)。弱アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液を用いることができる。
次に、図2(F)に示すように、露出した金属めっき23をエッチング液で溶解する(エッチング工程)。スルーホール22の開口部は硬化樹脂組成物(テント膜)16で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属めっきを腐食することなく、スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。このエッチングにより、プリント配線板の配線パターン24が形成される。
そして最後に、図2(G)に示すように、硬化樹脂パターンに強アルカリ水溶液(pH:13〜14)を接触させて、硬化物パターンを細かく砕いて剥離片18とし、プリント配線板形成用基板21から除去する(硬化樹脂組成物除去工程)。強アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
本発明のドライフイルムフォトレジストは上記のエッチングプロセスのみでなく、めっきプロセスに使用しても構わない。めっき法としては、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイスローはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルめっきなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきがある。
(1)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物の合成
[合成例1]重合性化合物(M−2a)の合成
2−アミノエタノール24.4質量部を氷冷下撹拌しながら、p−トルエンスルホンホニルクロライド19.1質量部とアセトニトリル60質量部の混合溶液を5時間かけて滴下した。室温で、1晩放置した後、反応液を水100質量部中に投入し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、希塩酸、水の順で洗浄した後、濃縮乾燥して、オイル状の化合物17.4質量部を得た。このオイル状化合物17.0質量部とトリエチルアミン8.4質量部をアセトニトリル20質量部に溶解させ、氷冷下撹拌しながら、メタクリル酸クロライド8.7質量部を2時間かけて滴下した。室温で、1晩放置した後、反応液を水100質量部中に投入し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水、希塩酸、水の順で洗浄した後、濃縮乾燥して、得られたオイル状の化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、重合性化合物(M−2a)を6.8質量部得た。
[合成例2]重合性化合物(M−16b)の合成
アクリル酸23.1質量部、クロロギ酸エチル34.7質量部、ハイドロキノン0.03質量部をアセトニトリル60質量部に溶解させ、氷冷下撹拌しながら、トリエチルアミン32.4質量部を3時間かけて滴下した。50℃に昇温した後、p−アミノベンゼンスルホンアミド34.4質量部を少しずつ滴下し、さらに70℃で2時間加熱撹拌した。反応液を放冷し、反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した後、水100質量部中に投入し、析出した固体をろ過した。さらに、大量のアセトニトリル、水、炭酸水素ナトリウムで洗浄して、重合性化合物(M−16b)を14.5質量部得た。
[合成例3]重合性化合物(M−7b)の合成
アクリル酸5.8質量部、ハイドロキノン0.04質量部をアセトン15質量部に溶解させ、トリエチルアミン8.1質量部を添加した後、氷冷下撹拌しながら、p−メチルフェニルスルホニルイソシアネート17.0質量部とアセトン40質量部の混合溶液を2時間かけて滴下し、その後1時間加熱還流した。反応液を水150質量部中に投入し、塩酸を添加して、系を酸性にした。析出した固体をろ過し、さらに大量の水中で撹拌しながら、炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、再び析出した固体をろ過した。析出した固体をトルエンから再結晶することで重合性化合物(M−7b)の結晶を13.7質量部得た。
[合成例4]重合性化合物(M−20a)の合成
N−p−トシルグリシン22.9質量部に塩化チオニル200質量部を加え、60℃で1時間反応させた。反応後、塩化チオニルを減圧除去し、油状化合物39.5質量部を得た。グリセロールジメタクリレート20.0質量部とトリエチルアミン12.2質量部とジメチルアセトアミド100質量部の混合溶液を氷冷下撹拌しながら、得られた油状化合物39.5質量部を2時間かけて滴下し、室温で5時間反応させた。反応液を水200質量部中に投入し、塩酸を添加して、系を酸性にした。析出した固体をろ過し、さらに大量の水中で撹拌しながら、炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、再び析出した固体をろ過した。析出した固体をトルエンから再結晶することで重合性化合物(M−20a)の結晶を22.1質量部得た。
上記合成例1〜4にて合成した重合性化合物のpKaを下記の表1に示す。なお、pKaは、下記の方法により測定した。
[pKaの測定]
重合性化合物をTHF(テトラヒドロフラン)/蒸留水(容積比=1/1)の混合溶液に溶解させ、混合溶液に小過剰の塩酸を加えた後、水酸化ナトリウム水溶液で滴定を行なう。第一中和点(塩酸が中和される点)のpHと、第二中和点(重合性化合物の活性水素が完全に解離する点)の平均値をpKaとする。
[表1]
表1
───────────────────────────
合成例 重合性化合物 pKa
───────────────────────────
1 M−2a 12.2
2 M−16b 12.4
3 M−7b 8.1
4 M−20a 11.9
───────────────────────────
[実施例1]
・メタクリル酸/メチルメタクリレート/2−エチルヘキシルメタクリレート/ベンジルメタクリレート共重合体(共重合組成:29/55/12/4モル%、重量平均分子量:20万)の35質量%溶液(溶媒はメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=2/1(質量比)) 20.8質量部
・スチレン/アクリル酸共重合体(共重合組成:73/37モル%、重量平均分子量:10,000)の35質量%溶液(溶媒はメチルエチルケトン/1−メトキシ−2−プロパノール=2/1(質量比)) 31.1質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 7.0質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.8質量部
・合成例1にて合成した重合性化合物(M−2a) 2.1質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.06質量部
・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 1.4質量部
・フェニルトリブロモメチルスルホン 0.02質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.02質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・p−トルエンスルホンアミド 0.63質量部
・メチルエチルケトン 9.3質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 5.9質量部
上記の組成からなる感光性樹脂組成物溶液を調製し、25μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾燥膜厚が約27μmになるように塗布し、12μm厚のポリプロピレンフィルムをラミネートした。この様にして得られたドライフィルムフォトレジストの(1)最短現像時間、(2)解像度、(3)密着、(4)テント膜強度(テント膜破れ数)、及び(5)剥離性(剥離時間、剥離片のサイズ)を評価した結果を表1に示す。なお、最短現像時間、解像度、密着、テント膜強度、及び剥離性は、下記の方法により測定した。
(1)最短現像時間の測定方法
表面を整面し、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、ドライフィルムフォトレジストのポリプロピレンフィルムを剥がしながら、感光性樹脂組成物層を、ラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成する。圧着条件は、積層板温度70℃、圧着ローラ温度105℃、圧着ローラ圧力3kg/cm2、そして圧着速度1.2m/分とする。積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、銅張積層板上の感光性樹脂組成物層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.1MPaの圧力にてスプレーする。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から銅張積層板上の感光性樹脂組成物層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを最短現像時間とする。
(2)解像度の測定方法
上記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にフォトマスク(ライン/スペース=1/1、ライン幅10μm〜100μm)を介して、超高圧水銀灯(3kW超高圧水銀灯両面同時露光装置HMW−6−N型、オーク(株)製)を用いて40mJ/cm2の光を照射して、感光性樹脂組成物層を露光する。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.1MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の1.5倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、硬化樹脂パターンを現像する。その後、20℃の水をスプレー圧0.05MPaにて80秒間スプレーして、硬化樹脂パターンを水洗して、乾燥する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とする。解像度の値が小さいものが優れ、高解像度(解像度が高い)であることを示す。
(3)密着の測定方法
フォトマスクにライン/スペース=1/3、ライン幅10μm〜100μmのものを用いる以外は、上記(2)の解像度の評価方法と同じ操作を行ない、硬化樹脂パターンのラインに剥がれ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを密着とする。密着の値は、小さいものが優れていることを示す。
(4)テント膜強度(テント膜破れ数)の測定方法
スルーホールを有しない銅張積層板の代わりに、直径3mmの銅めっきスルーホールを200個有する銅張積層板を用いる以外は、前記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に超高圧水銀灯を用いて50mj/cm2の光を照射して、感光性樹脂組成物層の全面を露光する。室温にて10分間放置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー圧を0.2MPaとすること以外は、前記(2)の解像度の評価方法と同じ条件で、銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に炭酸ナトリウム水溶液をスプレーして、硬化樹脂パターンを現像し、水洗して乾燥する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面に45℃の塩化第二銅水溶液(エッチング液)を、スプレー圧0.1MPaにて60秒間スプレーして、銅張積層板をエッチングする。ここまでの処理でテント膜の破れたホール数の合計数を数える。数字が小さいものが良好であり、テント膜強度に優れていることを示す。
(5)剥離性(剥離時間、剥離片枚数)の測定方法
前記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ条件で、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成し、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置する。積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に超高圧水銀灯を用いて40mJ/cm2の光を照射して、感光性樹脂組成物層の全面を露光する。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取る。前記(2)の解像度の評価方法と同じ条件で、銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に炭酸ナトリウム水溶液をスプレーして、硬化樹脂パターンを現像し、水洗して乾燥する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板を3質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に立てかける様に浸漬する。銅張積層板の浸漬開始から銅張積層板上の硬化樹脂パターンが完全に除去されるまでに要した時間を測定し、これを剥離時間とする。また、この際に、生じた剥離片を回収し、剥離片の枚数を数える(枚数が多い方が、剥離片サイズが小さい)。剥離時間が短く、かつ剥離片の枚数が多い(剥離片サイズが小さい)ものが、剥離性が良好であることを示す。なお、剥離片枚数は、20枚以上を合格とした。
[実施例2〜4]
実施例1における重合性化合物(M−2a)の変わりに、合成例2〜4にて合成した重合性化合物(M−16b)、(M−7b)、(M−20a)を同量用いる他は実施例1と同様にしてドライフイルムレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜強度、及び剥離性を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1におけるドデカプロピレングリコールジアクリレート7.0質量部を8.7質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.8質量部を2.2質量部にし、合成例1にて合成した重合性化合物(M−2a)を用いなかった他は実施例1と同様にしてドライフイルムレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜強度、及び剥離性を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例2]
実施例1における重合性化合物(M−2a)の代わりに、メタクリル酸ベンジル(pKaが15以上で測定できず)を同量用いる他は実施例1と同様にしてドライフイルムレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜強度、及び剥離性を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1における重合性化合物(M−2a)の代わりに、メタクリル酸(pKa:7.1)を同量用いる他は実施例1と同様にしてドライフイルムレジストを得た。このドライフィルムフォトレジストの最短現像時間、解像度、密着、テント膜強度、及び剥離性を、実施例1と同様に評価した。その結果を表2に示す。
[表2]
表2
────────────────────────────────────────
重合性 最短現 解像度 密着 テント膜強度 剥離性
化合物 像時間 (テント膜 ─────────
(*) 破れ数) 剥離 剥離片
時間 の枚数
────────────────────────────────────────
実施例1 M−2a 15秒 40μm 30μm 18個 17秒 合格
実施例2 M−16b 15秒 40μm 30μm 8個 19秒 合格
実施例3 M−7b 15秒 40μm 40μm 22個 24秒 合格
実施例4 M−20a 15秒 40μm 30μm 7個 20秒 合格
────────────────────────────────────────
比較例1 − 15秒 60μm 30μm 65個 82秒 不合格
比較例2 メタクリル酸 20秒 55μm 30μm 62個 105秒 不合格
ベンジル
比較例3 メタクリル酸 11秒 50μm 35μm 87個 15秒 合格
────────────────────────────────────────
(*)重合性化合物は、ドデカプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート以外に使用した重合性化合物。
表1の結果から、本発明のドライフィルムフォトレジスト(実施例1〜4)は、いずれもテント膜強度と剥離性とがともに優れていることがわかる。
[実施例5]
(レーザ露光による硬化樹脂パターンの形成)
表面を整面し、乾燥した銅張積層板の表面に、実施例1にて製造したドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を、その感光性樹脂組成物層の上のポリプロピレンフィルムを剥がしながら圧着して、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成した。この積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムに、波長400〜415nmのレーザ光源を有するレーザ露光装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅10μm〜100μmのパターンと、ライン/スペース=1/3でライン幅10μm〜100μmのパターンとで、105mJ/cm2のレーザ光を照射して、感光性樹脂組成物層を露光した。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.1MPaの圧力で17秒間スプレーして、未硬化の樹脂組成物を溶解除去し、硬化樹脂パターンを現像した。その後、20℃の水を、スプレー圧0.05MPaにて80秒間スプレーして、硬化樹脂パターンを水洗して乾燥した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察したところ、ライン/スペース=1/1で形成した硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅(解像度)は30μm、ライン/スペース=1/3で形成した硬化樹脂パターンのラインに剥がれ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅(密着)は10μmと、超高圧水銀灯の光で露光した場合よりも解像度と密着とがそれぞれ良くなった。
[実施例6]
(レーザ露光によるテント膜の形成)
表面を整面し、乾燥した直径3mmの銅めっきスルーホールを200個有する銅張積層板の表面に、実施例1にて製造したドライフィルムフォトレジストの感光性樹脂組成物層を、その感光性樹脂組成物層の上のポリプロピレンフィルムを剥がしながら圧着して、銅張積層板、感光性樹脂組成物層、そしてポリエチレンテレフタレートフィルムからなる積層体を作成した。この積層体のポリエチレンテレフタレートフィルムの全面に、波長400〜415nmのレーザ光源を有するレーザ露光装置を用いて、105mJ/cm2のレーザ光を照射して、感光性樹脂組成物層を露光した。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を2MPaの圧力で17秒間スプレーして、未硬化の樹脂組成物を溶解除去し、硬化樹脂パターンを現像し、水洗して乾燥した。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面に45℃の塩化第二銅水溶液(エッチング液)を、スプレー圧0.1MPaにて60秒間スプレーして、銅張積層板をエッチングした。ここまでの処理でテント膜の破れたホール数の合計数を数えたところ、テント膜破れ数は11個と、超高圧水銀灯の光で露光した場合よりも良くなった。
本発明に従うドライフィルムフォトレジストの一例の断面図である。 本発明に従う、スルーホールを有するプリント配線板の製造方法を概略的に示した図である。
符号の説明
11 ドライフィルムフォトレジスト
12 支持体
13 感光性樹脂組成物層
14 保護フィルム
15、16 硬化樹脂組成物
17 硬化物パターン
18 剥離片
21 プリント配線板形成用基板
22 スルーホール
23 金属層
24 配線パターン
31 圧着ローラ

Claims (14)

  1. 支持体と、少なくとも(A)バインダー成分、(B)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層とを有するドライフィルムフォトレジスト。
  2. 重合性化合物が、下記の一般式(I)又は(II)もしくは(III)で示される化合物のうちのいずれかである請求項1に記載のドライフィルムフォトレジスト:
    Figure 2005134808

    [式中、R11は、水素原子又はメチル基を表し;
    11は、スルホンアミド基を有する1価の基を表す。]
    Figure 2005134808

    [式中、R21及びR22は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し;
    21は、スルホンアミド基を有する2価の連結基を表す。]
    Figure 2005134808



    [式中、R31、R32及びR33は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し;
    31は、スルホンアミド基を有する3価の連結基を表す]。
  3. 感光性樹脂組成物層の厚さが5μm以上、35μm未満である請求項1もしくは2に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  4. 感光性樹脂組成物層の上に保護フィルム層が設けられている請求項1乃至3のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  5. バインダー成分(A)が、質量平均分子量が3000〜300000の範囲にあるビニル共重合体を含む請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  6. 感光性樹脂組成物層が、バインダー成分(A)を30〜90質量%、モノマー成分(B)を5〜60質量%、及び光重合開始剤(C)を0.1〜30質量%にて含む請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  7. 感光性樹脂組成物層の上に保護フィルム層が設けられている請求項1乃至6のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  8. プリント配線板製造用である請求項1乃至7のうちのいずれかの項に記載のドライフィルムフォトレジスト。
  9. スルーホール又はビアホールを有するプリント配線板の下記の工程からなる製造方法:
    (1)スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する工程;
    (2)プリント配線板形成用基板の表面に請求項1乃至6のうちのいずれか項に記載のドライフィルムフォトレジストをその感光層樹脂組成物層が金属層に接するようにして圧着し、プリント配線板形成用基板、感光層樹脂組成物層、そして支持体がこの順で積層された積層体を得る積層工程;
    (3)積層体の支持体側の面から光をパターン状に照射して、感光性樹脂組成物層を硬化させて、配線パターン形成用の硬化樹脂組成物領域とスルーホール又はビアホールの金属層保護用の硬化樹脂組成物領域とからなる硬化樹脂組成物パターンを形成する露光工程;
    (4)積層体から支持体を剥がす支持体剥離工程;
    (5)プリント配線板形成用基板上の樹脂組成物層の未硬化領域を溶解除去して、基板表面の該未硬化領域の金属層を露出させる現像工程;
    (6)露出した領域の金属層をエッチング液で溶解除去するエッチング工程;そして、
    (7)硬化樹脂組成物をプリント配線板形成用基板から除去する硬化樹脂組成物除去工程。
  10. (3)の工程で用いる光がレーザ光である請求項9に記載のプリント配線板製造方法。
  11. スルーホール又はビアホールを有し、表面が金属層で覆われたプリント配線板形成用基板上に、少なくとも(A)バインダー成分、(B)スルホンアミド基とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層が積層されている積層体。
  12. 感光性樹脂組成物層の上に、支持体が積層されている請求項11に記載の積層体。
  13. 支持体と、少なくとも(A)バインダー成分、(B)エチレン性不飽和結合を有し、pKaが8〜14の範囲にある重合性化合物を含むモノマー成分、及び(C)光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物層とを有するドライフィルムフォトレジスト。
  14. 重合性化合物が、−SO2NH2、−SO2NH−、−CONHSO2−、−SO2NH2SO−、−SO2NHNH−、−CONHCO−からなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する請求項13に記載のドライフィルムフォトレジスト。
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