JP2018192779A - 印刷方法、インクセット、印刷装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、環境負荷が少なく、非浸透性記録媒体に直接記録できる水性インクを含むインクセットが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特許文献4では沸点280度以上のアルキルポリオールを含まないインクセットとすることで白色インクとカラーインク双方の溶剤の乾燥を早くしている。それでも乾燥率を40%〜80%とするために、長い乾燥時間を設ける必要がある。
本発明は、記録媒体などの各種被印刷物に高速で印刷が可能であると共に、色滲みの無い高画質の印刷物が得られる印刷方法を提供することを目的とする。
前記第1のインクは、沸点が100〜180℃である水溶性の有機溶剤または下記一般式(I)で表されるβ−アルコキシプロピオンアミドと、ウレタン樹脂粒子とを含み、
前記第1のインクおよび第2のインクは共に、1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有せず、
前記第1のインクを用いて記録媒体に第1のインク印刷層を設ける第1の印刷工程と、
前記第1のインク印刷層の乾燥率を30%以下とする乾燥工程と、
前記第2のインクを用いて前記乾燥率が30%以下の前記第1のインク印刷層の上に第2のインク印刷層を設ける第2の印刷工程と、
を有する印刷方法。
(1)第1のインクと、該第1のインクとは色彩が異なる第2のインクと、を少なくとも有するインクセットを用いて記録媒体に印刷する方法であって、
前記第1のインクは、沸点が100〜180℃である水溶性の有機溶剤または下記一般式(I)で表されるβ−アルコキシプロピオンアミドと、ウレタン樹脂粒子とを含み、
前記第1のインクおよび第2のインクは共に、1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有せず、
前記第1のインクを用いて記録媒体に第1のインク印刷層を設ける第1の印刷工程と、
前記第1のインク印刷層の乾燥率を30%以下とする乾燥工程と、
前記第2のインクを用いて前記乾燥率が30%以下の前記第1のインク印刷層の上に第2のインク印刷層を設ける第2の印刷工程と、
を有する印刷方法。
(2)前記第1のインクが白色の色材を含むインクまたは色材を含まないクリアインクであり、前記第2のインクが非白色の色材を含むインクである、上記(1)に記載の印刷方法。
(3)前記第1のインクが非白色の色材を含むインクであり、前記第2のインクが白色の色材を含むインクまたは色材を含まないクリアインクである、上記(1)に記載の印刷方法。
(4)前記沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノールよりなる群から選ばれる少なくともいずれか一つを含む上記(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷方法。
(5)前記ウレタン樹脂粒子が水分散性微粒子である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の印刷方法。
(6)前記ウレタン樹脂粒子がポリエーテル系ウレタン樹脂粒子、もしくはポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷方法。
(7)前記ウレタン樹脂粒子のガラス転移点はインク着弾時の記録媒体の温度以下である上記(6)に記載の印刷方法。
(8)前記ウレタン樹脂粒子のガラス転移点は60℃以下である上記(7)に記載の印刷方法。
(9)前記ウレタン樹脂粒子が水分散性ウレタン樹脂粒子であり、そのガラス転移点が0℃以下である上記(7)に記載の印刷方法。
(10)前記記録媒体が非浸透性基材である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の印刷方法。
(11)上記(1)〜(10)のいずれかに記載の印刷方法において用いる、第1のインクと該第1のインクとは色彩が異なる第2のインクとを有するインクセットであって、
前記第1のインクは、沸点が100〜180℃である水溶性の有機溶剤または前記一般式(I)で表されるβ−アルコキシプロピオンアミドと、ウレタン樹脂粒子とを含み、
前記第1のインクおよび第2のインクは共に、1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有しないものである、
インクセット。
(12)上記(11)に記載のインクセットと、インクを吐出させるための記録ヘッドとを有するインクジェット印刷装置。
前記第1のインクとしては、白色の色材を含むインクまたは色材を含まないクリアインクを用い、前記第2のインクとしては、非白色の色材を含むインクを用いることができる。
また、前記第1のインクとしては、非白色の色材を含むインクを用い、前記第2のインクとしては、白色の色材を含むインクまたは色材を含まないクリアインクを用いることができる。
また、前記第1のインクとしては、白色の色材を含むインクを用い、前記第2のインクとしては、色材を含まないクリアインクを用いることができる。
以下では、前記第1のインクとして白色インクを、前記第2のインクとして非白色の色材を含むインクとを組み合わせたインクセットを用いる場合を例に挙げて本発明を説明する。
白色の色材と、沸点が100〜180℃である水溶性の有機溶剤または下記一般式(I)で表されるβ−アルコキシプロピオンアミドと、ウレタン樹脂粒子とを含み、1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有しない白色インク。
(非白色インク)
非白色の色材と、有機溶剤とを含み、前記有機溶剤が、1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有しない非白色インク。
なお、後述するが、本発明における「乾燥率」とは、全く乾燥していない状態を乾燥率0%とし、乾燥質量がそれ以上乾燥しても減らない状態を乾燥率100%とした場合の乾燥状態を示すものである。
本発明によれば、従来よりも低乾燥率であっても滲みのない画像を提供することができるため、乾燥率の下限は特に限定されないが、1%以上が好ましく、5%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましく、15%以上が特に好ましい。これらは白色層の膜厚や印刷速度、要求画像に応じて適宜決定すればよい。
まず、白色インクに含まれるウレタン樹脂粒子について説明する。
本発明における白色インクは、比較的低い沸点の溶剤を含有すると共に、更なる特徴としてウレタン樹脂粒子を含んでいる。この白色インクの乾燥時に該ウレタン樹脂粒子は液−気界面で極短時間に造膜し、薄い固体の層を形成すると考えられる。このため乾燥率としてみると液滴の内側に溶剤がまだ多量に残っているような状態(具体的には乾燥率30%以下)であっても、表面の固体の皮膜が混合を阻むため、後から着弾したインクが色滲みを起こさないと考えられる。特に乾燥率が低くてもウレタン樹脂粒子は造膜しやすい。
ウレタン樹脂としては得られる画像の光沢性・堅牢性が高くなるポリカーボネート系ウレタン樹脂、あるいはポリエーテル系ウレタン樹脂が望ましい。
水溶性樹脂を用いた場合は、溶剤がある程度まで蒸発しないと造膜が始まらない。そのため、滲みを防止するためには、乾燥率が高い状態まで乾燥させた後、第2印刷工程を行う必要があった。滲みが発生しない良質な画像を得るため、乾燥時間を長くして乾燥率を高める結果、印刷速度が遅くなるという問題があった。
ウレタン樹脂粒子は乾燥率が低くても造膜しやすいことから、乾燥時間を短くすることができ、高速印刷を達成することができる。
一般式(I)で表されるβアルコキシプロピオンアミドの中でも、R1,R2,R3がメチル基である3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドはインクが滲みにくくなる。
本発明者らは3−メトキシ−N,N−ジメチルプロパンアミドはSP値が10.3〜12.8の溶剤であるため、SP値が11〜12とされるウレタン樹脂に対してSP値が近く、造膜しやすかったと考えている。
<ポリシロキサン界面活性剤>
本発明のインクセットはポリシロキサン界面活性剤を含むことができる。前記ポリシロキサン界面活性剤としては、例えば、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の側鎖に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン構造を有する化合物(シリコーン系化合物)の末端に親水性の基や親水性ポリマー鎖を有する化合物などが挙げられる。なお、前記ポリシロキサン界面活性剤とは、その構造中にポリシロキサン構造を有していればよく、ポリシロキサン界面活性剤も含む意味である。
また、末端に重合性ビニル基を有するポリジメチルシロキサン等と、共重合可能なその他のモノマー(前記モノマーの少なくとも一部には(メタ)アクリル酸、又はその塩などの親水性モノマーを用いることが好ましい)と、の共重合で得られる側鎖にポリジメチルシロキサンなどのシリコーン系化合物鎖を有するビニル系共重合体なども好適に挙げられる。
これらの中でも、ポリシロキサン構造を有する化合物であり、かつ親水性ポリマー鎖を有する化合物が好ましく、前記親水性ポリマー鎖としてポリエーテル基を含有することがより好ましく、ポリシロキサン界面活性剤が疎水基としてメチルポリシロキサンを有し、親水基としてポリオキシエチレンの構造を有する非イオン界面活性剤であることが特に好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、高い画像光沢度、及び耐擦過性を付与することができることができる。
前記ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)としては、60℃以下が好ましく、0℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が0℃以下であると、記録媒体などの被印刷物への定着がより強固になり密着性や定着性が改善される。また、ヘッドからインクが吐出される際のノズル詰まりを抑え、吐出不良の発生率を低減することができる。また、低い乾燥率のうちから液−気界面にインクを造膜させることができるため、後から重ねて吐出したインクと混ざりにくく、滲み難くなる。
前記ポリウレタン樹脂粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂粒子などが挙げられる。
前記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の少なくとも1種を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものなどが挙げられる。
また、前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明のインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂環式ジイソシアネートが好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
ポリウレタン樹脂粒子は、前記ポリシロキサン界面活性剤と併用すると、滲み抑制効果が得られるだけでなく、高い分散性が得られることから、記録後に形成される塗膜の耐擦過性が向上し、更に、耐溶剤性も向上し、好適に用いられる。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。
前記第1のインクおよび第2のインクは水を含有することが好ましい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、色材、ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤、ヒンダードフェノールやヒンダードフェノールアミンのようなゴム及びプラスチックス用無色老化防止剤などが挙げられる。
本発明では、白色の色材を含有するインクを「白色インク」といい、白色以外の有色の色材を含有するインクを「非白色インク」といい、色材を含まないインクを「クリアインク」という。
白色インクの白色度の基準としては、ISO−2469(JIS−8148)があり、一般的にはその値が70以上の場合、白色の色材として用いられる。
白色インクに用いる金属酸化物としては、例えば金属酸化物の例は、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、チタン酸鉄(鉄とチタンの複合酸化物)等がある。
前記カラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、オレンジインク、バイオレットインクなどが挙げられる。
本発明のインクセットには、白色インクとカラーインク、黒色インク、灰色インク、メタリックインクなどの非白色インクを含めることができる。
非白色インクに用いられる色材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、顔料、染料などが挙げられる。これらの中でも、顔料が好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
その他、中空樹脂粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。
合わせて得られる合金であって良く、又はこれらの一群の金属単体若しくは合金の酸化物、窒化物、硫化物、又は炭化物の何れか1種類若しくは複数、を微粉砕して得られるものである。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
色材に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
前記数平均粒径は、例えば、粒度分析装置(マイクロトラック MODEL UPA9340、日機装株式会社製)を用いて測定することができる。
本発明における白色インクは、有機溶剤として沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤である溶剤を必須成分として含む。該沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤である溶剤の添加量としては5〜25質量%であることが好ましい。より好ましくは8〜20質量%であり、更に好ましくは10〜15質量%である。
また、本発明の印刷方法において用いるインクセットのインクは1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有しない。但し、本発明では蒸発速度に明らかに影響を生じる0.3%以上の含有を含有しているものとする。
インクセットにおけるインクが1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有しないことで白色インクと非白色インクの双方の乾燥を早くすることができる。
また、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等を含んでも良い。
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネイト、炭酸エチレン等を含んでも良い。
これらの中で、アルコールとしては樹脂の造膜を促進しつつ、かつ粒子の凝集を防ぐ観点から、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオールが特に好ましく、高い光沢が得られやすい。
前記一般式(I)で表されるアミド化合物は、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記一般式(I)で表されるアミド化合物(β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド)は、以下のようにして合成することができる。
攪拌装置、熱電対、及び窒素ガス導入管を備えた500ミリリットル三つ口フラスコに、N,N−ジメチルアクリルアミド198.0g(2モル)、メタノール96g(3モル)を入れた。
これに、窒素ガスを導入し、攪拌しながら、室温でナトリウムメトキシド1.08g(0.02モル)を含むメタノール溶液20ミリリットルを加えた。徐々に溶液の温度が上昇し、反応開始後30分で反応温度が38℃に達した。水浴を使って反応温度を30℃〜40℃に調節した。5時間の後に反応液の発熱はなくなり、酢酸で中和した。未反応物を留去した後、133Pa、58℃で留出した生成物を得た。この生成物は、核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR及び13C−NMR)による解析結果から、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドであり、収量は199g(収率76%)であった。上記合成方法により、前記構造式(I)で表されるアミド化合物を合成することができる。
前記市販品としては例えば、エクアミドM−100(出光石油株式会社製),エクアミドB−100(出光石油株式会社製)等がある。
本発明のインクは、記録媒体への濡れ性を確保する点から、ポリシロキサン界面活性剤以外の界面活性剤を併用してもよい。
また、組成によってはフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤を併用又は単独で使用することもできる。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの製造方法としては、例えば、水、有機溶剤、色材、必要に応じて、ウレタン樹脂粒子、ポリシロキサン界面活性剤を混合し、撹拌、分散して製造することができる。前記撹拌、分散には、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
ウレタン樹脂粒子としては、水中に、ポリウレタン樹脂粒子を分散した水分散性ウレタン樹脂粒子を用いることができる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、30mN/m以下が好ましく、27mN/m以下がより好ましい。ただし、表面張力が18mN/m以下ではインクの消泡性の確保が難しく、このため吐出安定性が悪くなってしまう。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
前記着色記録媒体としては、着色された紙や前記フィルム、生地、衣服、セラミックスなどが代表例である。
本発明における非浸透性基材には、非吸水性基材、難吸水性基材と称される、吸水しない、吸水しにくい、吸水が遅い基材も含まれる。
インク収容容器の一例を図2に示す。
前記インク収容容器は、本発明の前記インクを容器に収容してなる。
前記インク収容容器としては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、印刷方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、印刷方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、印刷方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
前記加熱工程は、画像を記録した記録媒体を加熱する工程であり、加熱手段により実施することができる。
前記インクジェット印刷方法としては、前記記録媒体としての非浸透性記録媒体に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び記録媒体への密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記非浸透性記録媒体を加熱することが好ましい。記録後に加熱工程を含むと、インク中に含有される樹脂粒子の造膜が促進されるため、印刷物の画像硬度を向上させることができる。
なお、搬送ベルト151の記録媒体142と反対側には、ヒーター群203が設けられており、画像形成された記録媒体142を加熱可能である。ヒーター群203を、プラテンとし、加熱することも可能である。
実施態様の一例として、前記白色インクを記録媒体の全面に塗布する場合は、インクジェット印刷方法以外の塗工方法で塗工し、ホワイト以外の色のインクで記録する場合は、インクジェット印刷方法で記録する態様が可能である。
別の実施態様として、白色インクを用いた記録も、ホワイト以外の色のインクを用いた記録も、インクジェット印刷方法で記録する態様が可能である。
白色インクの代わりにクリアインクを用いた場合も同様である。
本発明の印刷物は、被印刷物である例えば記録媒体上に、本発明のインクセットを用いて形成された印刷層を有してなる。
例えば、インクジェット記録装置及びインクジェット印刷方法により記録して印刷物とすることができる。
<ブラック顔料分散体の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(株式会社シンマルエンタープライゼス製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してブラック顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
・カーボンブラック顔料(商品名:Monarch800、キャボット社製)
・・・15質量部
・アニオン性界面活性剤(商品名:パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)
・・・ 2質量部
・イオン交換水 ・・・83質量部
<シアン顔料分散体の調製>
顔料分散体の調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントブルー15:3(商品名:LIONOL BLUE FG−7351、東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、シアン顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
<マゼンタ顔料分散体の調製>
顔料分散体の調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散体(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
<イエロー顔料分散体1の調製>
顔料分散体の調製例1において、カーボンブラック顔料を、ピグメントイエロー155(商品名:TONER YELLOW 3GP、クラリアントジャパン社製)に変更した以外は、顔料分散体の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散体1(顔料固形分濃度:15質量%)を得た。
<ホワイト顔料分散体1の調製>
酸化チタン(商品名:STR−100W、堺化学工業株式会社製)25質量部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5質量部、水70質量部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、0.3mmΦのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、ホワイト顔料分散体1(顔料固形分濃度:25質量%)を得た。
<ホワイト顔料分散体2 無機中空粒子分散体の調製>
ビーカー中でDISPERBYK−2008(BYK製アクリルコポリマー、有効成分60%)10.0gを高純水294.0gに溶解させ、日本精機製作所製エクセルオートホモジナイザーで5000rpm、30分間攪拌を行いながら、無機中空粒子(シリナックス(登録商標):日鉄鉱業製中空シリカ(一次粒子径80〜130nm、シリカ膜厚5〜15nm))50.0gを10分割して添加し混合させ、塊のない状態まで分散し、徐々に回転数を上げていき10000rpmで30分間攪拌を行った。
得られた顔料分散液を水冷しながら日本精機製作所製超音波ホモジナイザーUS−300T(チップφ26)にて200μAで1時間処理し、5μmのメンブランフィルター(セルロースアセテート膜)にて濾過を行って、無機中空粒子が14.1質量%の無機中空粒子分散体を得た。
[実施例I−1〜I−20、比較例I−2〜I−6、参考例I−1〜I−6]
下記表I−1に記載した処方に基づいて白色インクおよびクリアインクWI−1〜WI−15を作製した。
また、下記表I−2に記載した処方に基づいて非白色インクI−K1、I−C1、I−M1、I−Y1、クリアインクOC1を作製した。
実施例I−1〜実施例I−20及び比較例I−2〜比較例I−6、参考例I−1〜参考例I−6のインクを用いて、下記の条件で画像を形成した。
インクジェットプリンター(装置名:RICOH Pro L4160 株式会社リコー製)に上記白色インクまたはクリアインク、及び非白色インクを充填したインクカートリッジを装填し、非多孔質基材の透明PETシートLLPET1223(桜井株式会社製)に、白色インクまたはクリアインクを先打ちし、その上に非白色の画像を形成する、白色インクまたはクリアインク先打ちのベタ画像を形成して、印刷物を作製した。
表1に示した白色インクまたはクリアインクをPETフィルムに対して吐出する第1記録工程の後、白色インクまたはクリアインクの乾燥率が所定の乾燥率と成るまで乾燥する乾燥工程を行い、白色インクまたはクリアインクに重ねて、帯状に非白色インクを吐出する第2記録工程を行い、ベタ画像を形成する評価チャートを印刷して印刷物とした。
表I−3〜I−8の加熱温度とは、インクが着弾する記録媒体の温度を指している。
インクの乾燥率は以下のようにして求める。
1)記録媒体の加熱
長さ15cm×幅8cmの短冊状に裁断した非多孔質基材の透明PETシートLLPET1223(桜井株式会社製)をホットプレート(NINOS ND−2、アズワン株式会社製)上に貼り付け、記録媒体上の温度が、加熱温度T(表I−3〜I−8記載)になるまであらかじめ暖める。記録媒体表面の温度ムラはT±2℃内とする。記録媒体の表面温度は放射温度計(キーエンス社製 FT−H20)を用いて記録媒体の中央を計測した。
2)バーコーターを用いた印刷物の作成
インクジェット印刷した印刷物と、バーコーターで塗布した印刷物の、乾燥後の単位面積当たりのインク塗布量の差異が3質量%以内となるように、前記記録媒体上に、バーコーターでインクを塗布した印刷物を作成した。
3)加熱温度、乾燥時間、乾燥率の関係を把握する
前述のようにして得たバーコーターによる塗布で形成した印刷物についてPETフィルムの加熱温度Tを、表I−3〜I−8記載の温度に設定し、乾燥時間を変えながら、印刷物の質量変化を計測する。この際、ホットプレート(NINOS ND−2、アズワン株式会社製)から記録媒体を離し始めるまでを該印刷物の乾燥時間とし、離し始めてから、電子天秤に載せるまでを10秒とし、質量計測を電子天秤に載せてから8秒の時点とする。加熱温度Tは、記録媒体上に温度センサーを当接させて測定した。
このような実験を行うことで、加熱温度Tにおける、乾燥時間と質量変化を示すグラフを作成することができる。質量変化から、乾燥率を算出することができる。つまり、全く乾燥していない状態を乾燥率0%(質量変化なし)とし、それ以上乾燥しても質量が減らない状態を乾燥率100%として、乾燥率を算出する。その結果、乾燥時間と乾燥率の関係を示すグラフを得ることができる。
ここで、表I−3〜I−8記載の加熱温度Tにおいて、表I−3〜I−8記載の乾燥率Xとするために必要な乾燥時間を、乾燥時間t1とする。
4)インクジェットプリンターを用いた印刷
インクジェットプリンター(株式会社リコー製RICOH Pro L4160)を用い、記録媒体の加熱温度Tが、表I−3〜I−8記載の温度となるように、ヒーター温度(プラテン温度)を設定した。更に、第1の印刷工程として、記録ヘッドが白色インクまたはクリアインクを印刷し、第2の印刷工程として、記録ヘッドが非白色インクを白色インクまたはクリアインクに重ねて印刷するまでの間隔が、乾燥時間がt1となるように設定した。即ち、第1の印刷工程に用いる記録ヘッドが白色インクまたはクリアインクを印刷した後の待機時間を設定し、乾燥工程にかける時間がt1になるようにした。
このようにして第1の印刷工程で白色インクまたはクリアインクを印刷し、第2の印刷工程まで、乾燥時間t1の乾燥工程をおこない、次に第2の印刷工程として非白色インクを白色インクまたはクリアインクに重ね、印刷物を作成した。このようにして印刷された印刷物を記録媒体温度Tにおいて乾燥率X%で白色インクまたはクリアインクと非白色インクを重ねた本発明の印刷方法を用いた印刷物を得た。
前記1)〜4)の工程は、環境温度25℃ 湿度50%RHの環境下で行った。
評価結果を表I−3〜表I−8に示す。
評価チャートに印刷されたベタ画像を観察し滲みの発生度合いを評価した。
評価は6段階の段階評価により行った。このうち評価B以上を実用上問題ない評価値とした。
(評価基準)
AA:全ての帯状パターンについて、滲みが発生しない。
A:目視では、全ての帯状パターンについて、滲みは確認されないが、拡大鏡を
用いて観察すると、僅かに滲みが確認される。
B:目視で、僅かに滲みが確認される。
C:帯状パターンの境界部に、僅かに滲みが確認される。
D:帯状パターンの境界部に、滲みが確認される。
[実施例II−1〜II−4、II−6〜II−19、比較例II−2〜II−8、参考例II−1〜II−6]
下記表II−1に記載した処方に基づいて白色インクおよびクリアインクWII−1〜WII−14を作製した。
また、下記表II−2に記載した処方に基づいて非白色インクII−K1、K2、C1、C2、M1、M2、Y1、Y2、クリアインクUC1を作製した。
次いで、実施例I−1と同様にしてベタ画像の作成、白色インクまたはクリアインク先うちのベタ画像の作成を行って、実施例I−1と同様にして評価を行った。
評価結果を下記表II−3〜II−8に示す。
前記で調製した各インクを用いて、非白色インクを先打ちし、その上に白色インクまたはクリアインクの画像を形成する、非白色インク先打ちのベタ画像を形成して、印刷物を作製したことを除いては、実施例I−1と同様にしてベタ画像の作成、非白色インク先うちのベタ画像の作成を行って、実施例I−1と同様にして評価を行った。
評価結果を下記表III−1〜III−6に示す。
前記で調製した各インクを用いて、非白色インクを先打ちし、その上に白色インクまたはクリアインクの画像を形成する、非白色インク先打ちのベタ画像を形成して、印刷物を作製したことを除いては、実施例I−1と同様にしてベタ画像の作成を行って、実施例I−1と同様にして評価を行った。
評価結果を下記表IV−1〜IV−6に示す。
前記で調製した各インクを用いて、白色インクを先打ちしてベタ画像を形成し、その上に色材を含まないクリアインクで画像を形成して、印刷物を作製したことを除いては、実施例I−1と同様にしてベタ画像の作成を行って、実施例I−1と同様にして評価を行った。
評価結果を下記表V−1〜V−6に示す。
前記で調製した各インクを用いて、白色インクを先打ちしてベタ画像を形成し、その上に色材を含まないクリアインクまたは非白色の色材を含む非白色インクで画像を形成して、印刷物を作製したことを除いては、実施例I−1と同様にしてベタ画像の作成を行って、実施例I−1と同様にして評価を行った。
評価結果を下記表VI−1〜VI−6に示す。
142 記録媒体
153 ガイド部材
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
151 搬送ベルト
201 加熱ファン
202 温風
203 ヒーター群
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
Claims (12)
- 第1のインクと、該第1のインクとは色彩が異なる第2のインクと、を少なくとも有するインクセットを用いて記録媒体に印刷する方法であって、
前記第1のインクは、沸点が100〜180℃である水溶性の有機溶剤または下記一般式(I)で表されるβ−アルコキシプロピオンアミドと、ウレタン樹脂粒子とを含み、
前記第1のインクおよび第2のインクは共に、1気圧下での沸点が280℃以上の有機溶剤を含有せず、
前記第1のインクを用いて記録媒体に第1のインク印刷層を設ける第1の印刷工程と、
前記第1のインク印刷層の乾燥率を30%以下とする乾燥工程と、
前記第2のインクを用いて前記乾燥率が30%以下の前記第1のインク印刷層の上に第2のインク印刷層を設ける第2の印刷工程と、
を有する印刷方法。
- 前記第1のインクが白色の色材を含むインクまたは色材を含まないクリアインクであり、前記第2のインクが非白色の色材を含むインクである、請求項1に記載の印刷方法。
- 前記第1のインクが非白色の色材を含むインクであり、前記第2のインクが白色の色材を含むインクまたは色材を含まないクリアインクである、請求項1に記載の印刷方法。
- 前記沸点が100℃以上180℃以下である水溶性の有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メトキシブタノール及び3−メチル−3−メトキシブタノールよりなる群から選ばれる少なくともいずれか一つを含む請求項1〜3のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記ウレタン樹脂粒子が水分散性微粒子である請求項1〜4のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記ウレタン樹脂粒子がポリエーテル系ウレタン樹脂粒子、もしくはポリカーボネート系ウレタン樹脂粒子である請求項1〜5のいずれかに記載の印刷方法。
- 前記ウレタン樹脂粒子のガラス転移点はインク着弾時の記録媒体の温度以下である請求項6に記載の印刷方法。
- 前記ウレタン樹脂粒子のガラス転移点は60℃以下である請求項7に記載の印刷方法。
- 前記ウレタン樹脂粒子が水分散性ウレタン樹脂粒子であり、そのガラス転移点が0℃以下である請求項7に記載の印刷方法。
- 前記記録媒体が非浸透性基材である請求項1〜9のいずれかに記載の印刷方法。
- 請求項11に記載のインクセットと、インクを吐出させるための記録ヘッドとを有するインクジェット印刷装置。
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