JP2021181218A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Mizuki Kuroha
佑樹 横濱
Yuki Yokohama
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聡 高橋
Satoshi Takahashi
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Koichiro Oyama
健人 杉田
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Abstract

【課題】記録媒体の波うちを抑え、画像濃度と画像乾燥性を両立できる画像形成装置を提供することを目的とする。【解決手段】水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含むブラックインクと、前記ブラックインクを記録媒体に付与するブラックインク付与手段と、前記ブラックインクが付与された前記記録媒体に、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射手段と、を有し、前記樹脂Aのガラス転移点をTgAとし、前記樹脂Bのガラス転移点をTgBとし、前記照射手段が前記記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をTiとしたとき、TgA<Ti<TgBを満たすことを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。
近年、産業用途において、インクジェット記録方式を利用した画像形成方法が広まっている。特に、インクジェット技術の向上により、高速印刷が可能となってきている。そこで、高速印刷を行うインクジェット記録に対応するため、高発色・高光沢であり、乾燥性及び定着性に優れたインクを用いた画像形成方法が望まれている。
主成分として水を用いた水性インクは、安全性が高く、コストも安いことから広く使用されている。高速印刷において、インク中の水や溶剤を素早く乾燥させるためには、加熱乾燥が一般的であるが、画像を乾燥する際に印字媒体(記録媒体)の水分が失われることで、印字媒体が波打つ(用紙波打ちとも称する)という問題が生じる。特に、カットシートでは、ロール紙と異なり、印字乾燥中に印字媒体にかかる張力が小さいため、用紙波打ちが問題になりやすい。
また、カーボンブラック顔料を含むブラックインクを印字し加熱乾燥すると、画像表面にカーボンブラックが露出することで、画像濃度や光沢感が低下する問題が生じる。そのため、特許文献1には、普通紙のときには主として該黒色インクを用いて黒色を印字し、光沢紙及びマット紙のときには主として該黒色以外のインクを用いてコンポジットブラックの黒色を印字する技術が開示されている。
また、特許文献2〜4には、光沢紙、半光沢紙、マット紙などの専用紙にはブラックインクを使用せずにシアン、マゼンタ、イエローの3色コンポジットブラックを使用する技術が開示されている。さらに、例えば特許文献5には、画像上にクリアインクを塗布することで、光沢度を向上させる技術が開示されている。
上記特許文献1における紙種ごとに種類の異なるインクを用意する方法や、特許文献5における画像上にクリアインクを塗布する方法では、インクタンクやヘッドの数を多くする必要があり、またヘッドの維持回復を行うサブシステムも大きくなる。このため、コストが高くなるという問題があり、印字媒体の波打ちを抑え、乾燥性と画像濃度の両立することにはいまだ不十分である。
また、特許文献2〜4のように、ブラックインクを使用せずにシアン、マゼンタ、イエローの3色コンポジットブラックで表現するようにした場合には、ブラックインクを使用せずに黒を表現するため、無彩色域に色が着きやすくなってしまう。また、3色混ぜてブラックの階調を表現するため、コストが高くなるという問題がある。
そこで本発明は、記録媒体の波うちを抑え、画像濃度と画像乾燥性を両立できる画像形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含むブラックインクと、前記ブラックインクを記録媒体に付与するブラックインク付与手段と、前記ブラックインクが付与された前記記録媒体に、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射手段と、を有し、前記樹脂Aのガラス転移点をTgとし、前記樹脂Bのガラス転移点をTgとし、前記照射手段が前記記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をTとしたとき、
Tg<T<Tg
を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体の波うちを抑え、画像濃度と画像乾燥性を両立できる画像形成装置を提供することができる。
第一の実施形態に係る画像形成装置の斜視説明図である。 メインタンクの斜視説明図である。 第二の実施形態に係る画像形成装置の側面説明図である。 第二の実施形態に係る画像形成装置の要部平面説明図である。 第二の実施形態に係るヘッドの平面説明図である。 第三の実施形態に係る画像形成装置の全体説明図である。
以下、本発明に係る画像形成装置及び画像形成方法について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
一般に、画像を最低造膜温度以上の温度で加熱乾燥すると、インク中に含有する樹脂が造膜し、定着性が良好な画像を得ることができる。カーボンブラック以外の顔料を含有するカラーインクでは、加熱乾燥により樹脂の造膜が行われると、画像表面が平滑となり、画像濃度も向上する。
一方、カーボンブラックを含むブラックインクでは、加熱乾燥により樹脂の造膜が行われると、表面にカーボンブラックが露出するために表面粗さが大きくなり、画像濃度が低下する。そのため、インクに含まれる樹脂のガラス転移温度(Tg)が低いと、最低造膜温度も低くなり、樹脂の造膜に必要な熱エネルギーが小さくなるが、乾燥後のブラックの画像濃度が低下する。反対に、インク中の樹脂のTgが高いと、ブラックの画像濃度は高いが、樹脂の造膜に必要な熱エネルギーが大きくなる。
このとき、画像を高温で乾燥させると、樹脂が急激に造膜するために表面粗さが大きくなり、画像濃度が低下しやすいが、低温で乾燥することで画像濃度の低下を抑えることができる。そのため、Tgの低い樹脂とTgの高い樹脂の両方を含むブラックインクについて、低温で長時間乾燥する等の制御を行うことで、乾燥エネルギーが小さく、画像濃度の高い画像を得ることができると考えられる。
このときの乾燥方式として、エネルギー線を照射して加熱乾燥する方式を用いると、画像温度が上がり過ぎてブラックインクの画像濃度が低下するのを防ぐことを見出した。
また、加熱乾燥方式として、紫外線や可視光線を画像に照射すると、インクに含まれる色材がこれら光線を吸収し発熱することで、印字部のみ加熱されてインク中の水分や溶剤が蒸発する。そして、非印字部は加熱されないために、記録媒体が不要に加熱されず水分蒸発が抑えられるために、用紙波打ち(記録媒体の波打ちとも称する)を防ぐ効果があることを見出した。特に、インク中に水分を50%以上含む水系インクでは、乾燥性が高いが用紙波打ちが生じやすいために、紫外線や可視光線を用いることの効果が大きい。
本発明者らは、これらの知見により、本発明の画像形成装置を完成するに至った。
本発明の画像形成装置は、水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含むブラックインクと、前記ブラックインクを記録媒体に付与するブラックインク付与手段と、前記ブラックインクが付与された前記記録媒体に、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射手段と、を有し、前記樹脂Aのガラス転移点をTgとし、前記樹脂Bのガラス転移点をTgとし、前記照射手段が前記記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をTとしたとき、
Tg<T<Tg
を満たすことを特徴とする。これにより、記録媒体の波うちを抑え、画像濃度と画像乾燥性を両立できる。
本発明の画像形成方法は、水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含むブラックインクを記録媒体に付与するブラックインク付与工程と、前記ブラックインクが付与された前記記録媒体に、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射工程と、を含み、前記樹脂Aのガラス転移点をTgとし、前記樹脂Bのガラス転移点をTgとし、前記照射工程により前記記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をTとしたとき、
Tg<T<Tg
を満たすことを特徴とする。
また、本発明の画像形成装置は、水、有機溶剤、色材及び樹脂Cを含有するカラーインクと、前記カラーインクを前記記録媒体に付与するカラーインク付与手段と、を有していてもよい。この場合、樹脂Cのガラス転移点をTgとしたとき、
Tg<T
を満たすことが好ましい。これにより、カラーインクの乾燥性を向上させることができる。同様に、本発明の画像形成方法はカラーインク付与工程を有していてもよい。
<インク>
本発明に使用されるインクについて説明する。
本発明に使用されるブラックインクは、水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含有する。また、本発明に使用されるカラーインクは、水、有機溶剤、色材及び樹脂Cを含有する。
本発明に使用される上記インクは、カーボンブラックや色材が顔料分散体の形態であることが好ましく、さらに、その他の成分を含有することができる。なお、下記において特記しない限り、「インク」と記載する場合は、ブラックインク及びカラーインクの両方についての説明とする。
−カーボンブラック−
ブラックインクに含まれるカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
ブラックインク中のカーボンブラックの含有量は、2質量%以上10質量%以下が好ましく、4質量%以上7質量%以下がさらに好ましい。
−色材−
カラーインクに含まれる色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー等を使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、2.0質量%以上8.0質量%以下が好ましく、3.5質量%以上7.0質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
−有機溶剤−
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
樹脂を用いる場合には、アミド溶剤、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、プロピレングリコールモノメチルエーテルを含むことが好ましい。
アミド溶剤としては、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、樹脂による造膜性を促進し、耐擦性を向上させる点から、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどのアミド溶剤がより好ましい。
有機溶剤の沸点としては、180℃以上300℃以下が好ましい。有機溶剤の沸点が180℃以上であると、乾燥時の蒸発速度を適切に調節することができる。また、十分なレベリング性により画像の表面の凹凸を小さくするため、光沢性を向上できる。有機溶剤の沸点が300℃以下であると、インクの乾燥性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
アミド溶剤の含有量としては、インク全量に対して、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
連続して画像形成する際の吐出安定性の向上、及び高温時でも蒸気圧が高く良好な乾燥性を得られる点から、ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコールを含むことが好ましい。
ジエチレングリコール、及びトリエチレングリコールの含有量としては、インク全量に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、3質量%以上6質量%以下がより好ましい。前記含有量が1質量%以下であると、吐出安定性を向上させることができる。前記含有量が10質量%以下であると、記録媒体上の画像部に残存する有機溶剤の量が少ないため、樹脂の可塑化を抑制し、定着性を維持できるため、加温されたローラーへの画像転写を抑制することができる。
−樹脂−
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの中でも、スチレンアクリル樹脂を用いることが好ましく、樹脂A及び樹脂Bがともにスチレンアクリル樹脂であることが好ましい。また、カラーインクに含まれる樹脂Cがスチレンアクリル樹脂であることが好ましい。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記樹脂粒子の中でも、アクリル系樹脂粒子は、吐出安定性に優れ、またコスト面でも低価格であるため、広く使用されている。
アクリル系樹脂粒子としては、例えば、アクリルシリコーン樹脂粒子、スチレンアクリル樹脂粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、インク中の溶媒を取り込みにくいため、耐擦性、乾燥性の点から、スチレンアクリル樹脂粒子が好ましい。
スチレンアクリル樹脂粒子は、例えば、乳化重合、分散重合、懸濁重合、粉砕又は溶液/バルク重合、その後の後乳化などにより製造することができる。
スチレンアクリル樹脂粒子は、適宜市販品を使用してもよい。
スチレンアクリル樹脂粒子の市販品としては、例えば、商品名:J−352、J−390、J−450、J−511、J−734、J−741、J−775、J−840、J−7100、J−7600、HPD−71、HRC−1645、JDX−5050、PDX−6102B(以上、BASF社製)、商品名:UC−3900(東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インク中の樹脂の含有量としては、2.0質量%以上質量12%以下が好ましい。2.0質量以上であることにより、定着性が向上し、12質量%以下であることにより、吐出安定性やインクの保存安定性が損なわれない。より好ましくは3.0質量%以上8.0%質量以下である。
本実施形態におけるブラックインクは、樹脂A、樹脂B以外の樹脂が含まれていてもよいが、樹脂として樹脂A及び樹脂Bのみを含むことが好ましい。樹脂A、樹脂B以外のその他の樹脂が含まれている場合、その他の樹脂の含有量としては、インク中、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態におけるカラーインクは、樹脂C以外の樹脂が含まれていてもよいが、樹脂として樹脂Cのみを含むことが好ましい。樹脂C以外のその他の樹脂が含まれている場合、その他の樹脂の含有量としては、インク中、2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることがより好ましい。
ブラックインクに含まれる樹脂A、樹脂Bとしては、Tg<T<Tgを満たすような樹脂を選択することが好ましい。T<Tg,Tgの場合、良好な乾燥性が得られない。Tg,Tg<Tの場合、良好な乾燥性が得られないことに加え、良好な画像濃度が得られない。
樹脂のガラス転移点Tgとしては、20℃以上150℃以下が好ましい。2種の樹脂のうち、樹脂Aのガラス転移点Tgとしては、20℃以上50℃以下が好ましい。20℃以上であると、インクの保存安定性が良好になる。また、20℃以上50℃以下であると、乾燥による画像の造膜が好適に行えることから乾燥性が向上する。
また、樹脂Bのガラス転移点Tgとしては、80℃以上150℃以下が好ましい。80℃以上であるとブラックインクの画像濃度が向上し、150℃以下であると乾燥性が向上する。
前記Tgが20℃以上50℃以下であり、前記Tgが80℃以上150℃以下であり、前記Tが50℃より大きく80℃未満であることがより好ましい。この場合、画像濃度及び乾燥性をより向上させることができる。
カーボンブラック以外の顔料を含むカラーインクにおいては、樹脂のTgは20℃以上80℃以下であることが好ましい。この場合、乾燥により画像の造膜が好適に行えることから、画像濃度が向上し、乾燥性も良好となる。Tg<Tの関係を満たす樹脂CのTgは、画像濃度と乾燥性の観点から、20℃以上80℃以下であることが好ましい。
なお、本明細書で言うガラス転移点は、JIS K7121に記載の方法に準じ、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(装置名:リガク製Thermo plus EVO2/DSC)を用い、測定温度30℃〜300℃、1分間に2.5℃の昇温速度により測定できる。
インクから分析する場合には、インク5gを50℃で10時間乾燥したものを用い、JIS K7121に記載の方法に準じ、例えば、示差走査熱量測定(DSC)装置(装置名:リガク製Thermo plus EVO2/DSC)を用い、測定温度30℃〜300℃、1分間に2.5℃の昇温速度により測定した際のピークをそれぞれ樹脂のTgとみなす。
−滑剤−
インクは、滑剤を含有することが好ましい。インクが滑剤を含有することにより、耐擦性を向上させることができる。また、滑剤と樹脂とを併用することにより、光沢性を向上させることができる。
滑剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワックスなどが挙げられる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックスなどが挙げられる。
ポリエチレンワックスとしては、適宜市販品を使用してもよい。
ポリエチレンワックスの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンワックス(商品名:アクアペトロDP2502C、東洋アドレ株式会社製)、ポリエチレンワックス(商品名:アクアペトロDP2401、東洋アドレ株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
滑剤の含有量としては、インク全量に対して、0.05質量%以上2質量%以下が好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上0.45質量%以下がさらに好ましく、0.15質量%以上0.45質量%以下が特に好ましい。前記含有量が0.05質量%以上2質量%以下であると、耐擦性、及び光沢性を向上させることができる。前記含有量が0.05質量%以上0.45質量%以下であると、インクの保存安定性、及び吐出安定性を向上させることができる。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
−水−
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましい。
水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製水、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−添加剤−
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
−−界面活性剤−−
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 2021181218
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 2021181218
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F−2)]
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はC2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−C2m+1でmは4〜6の整数、又はC2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
−−消泡剤−−
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
−−防腐防黴剤−−
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
−−防錆剤−−
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
−−pH調整剤−−
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
−総固形分量−
インクに含有される樹脂、滑剤、顔料等の固形分の総計は、7.0質量%以上14.0質量%以下が好ましい。7.0質量%以上であると耐擦過性が向上し、14.0質量%以下であると吐出安定性やインクの保存安定性が良好となる。
−インクの物性−
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
<画像形成装置の用途、画像形成装置が備える手段、画像形成方法が含む工程>
本発明において、画像形成装置、画像形成方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この画像形成装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
画像形成装置、画像形成方法は、加熱工程(乾燥工程)に用いる加熱手段(乾燥手段)を有している。加熱手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱する手段が含まれる。
また、画像形成装置、画像形成方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
更に、この画像形成装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の画像形成装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
記録媒体、メディア、被印刷物は、いずれも同義語とする。
なお、本発明の画像形成方法における各工程は、ここで説明する各手段を用いて行うことができる。
−インク付与手段−
インク付与手段としては、例えば、液体を吐出する複数のノズル列を有する液体吐出ヘッド(ヘッド、吐出ヘッドとも称する)を用いることができる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェットヘッドを用いることができる。インク付与手段としては、例えばブラックインク付与手段、カラーインク付与手段とすることができ、備えられる数や配置等は適宜変更することができる。
また、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
−加熱手段−
前記加熱手段は、乾燥手段とも称し、非接触加熱手段、接触加熱手段が挙げられる。
本実施形態において、前記非接触加熱手段は、記録媒体に波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射手段を有する。照射手段としては、紫外線照射装置や可視光線ランプ等を用いることができる。例えば、UV−LEDやLED等が挙げられる。前記波長はピーク波長を表す。
照射手段は、ブラックインク付与手段やカラーインク付与手段によって記録媒体にインクが付与された後に、記録媒体に可視光線又は紫外線を照射する。
上述したように、本実施形態において、照射手段が記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をT(Timageとも称する)としたとき、以下の関係を満たす。
Tg<T<Tg
これにより、カーボンブラックに対する不要な加熱や記録媒体の水分蒸発による波うちを防ぐことができる。
このような関係を満たすためには、例えば、樹脂Aや樹脂Bの種類を適宜選択することにより制御できる。この他にも、照射時間などの加熱時間を変更する方法、記録媒体の搬送速度を変更する方法、可視光線や紫外線の波長や照射強度を変更する方法、照射手段以外の加熱手段の加熱時間や加熱温度等を変更する方法等が挙げられる。
前記Tは50℃より大きく80℃未満であることが好ましい。Tが50℃より大きい場合、乾燥性が向上し、80℃未満である場合、画像濃度が向上する。
画像表面温度Tを測定する方法としては、例えば、非接触赤外線温度センサーを照射手段の下流近傍、すなわち照射手段よりも下流側であり照射が終了する位置の近傍(乾燥出口などと称してもよい)に配置して測定することができる。
接触加熱手段としては、特に制限されるものではなく、例えば加熱されたローラや加熱されたドラムなどが挙げられる。ローラやドラムなどを用いる場合、記録媒体を巻きつけることで加熱することができる。接触加熱手段による加熱は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
ローラやドラム等の表面温度は、前記画像表面温度T以下であることが好ましい。この場合、記録媒体の水分蒸発による波うちをより抑制することができる。
インクが付与された後の加熱時間としては、適宜変更することができるが、0.5秒以上が好ましく、0.5秒以上2秒以下がより好ましい。乾燥により樹脂が造膜することで表面粗さが変化し、画像光沢度を制御することができるため、0.5秒以上とすることで、画像の溶剤が十分に乾燥し、耐擦過性を向上させることができる。
<画像形成装置の第一の実施形態>
図1乃至図2を用いて、第一の実施形態に係る画像形成装置を説明する。
図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。
画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
また、本実施形態においては、表示入力手段120により設定の表示や入力等を行うようにしてもよい。
<画像形成装置の第二の実施形態>
図3乃至図5を用いて、第二の実施形態に係る画像形成装置を説明する。図3は画像形成装置の側面説明図、図4は画像形成装置の要部平面説明図、図5はヘッドの平面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、被印刷材としての記録媒体(以下、「媒体」という。)2に印刷する印刷部(画像形成部)101、媒体2を搬送する搬送部102、媒体2を収容するロール収納部103、媒体2を巻き取るロール巻き取り部104などを備えている。
この装置では、媒体2をロール状に巻き回したロール体1を使用する。ロール体1はロール収納部103に収納され、搬送ローラ対31でロール体1から媒体2を引きだして送り出す。
ブラックインク付与手段の一例及びカラーインク付与手段の一例を兼ねる印刷部101は、図4に示すように、液体吐出手段として、液体を吐出する複数のノズル列を有する液体吐出ヘッド(以下、「ヘッド」とも称する)11をキャリッジ12に搭載している。キャリッジ12は、主走査方向(図3では紙面垂直方向)に往復移動可能にガイド部材13に保持されている。
ここで、図5に示すように、ヘッド11は、液体を吐出する複数(m個)のノズルn1〜nmを配列した複数のノズル列Na〜Neを有し、ノズル配列方向を媒体搬送方向(副走査方向)にしてキャリッジ12に搭載されている。
ヘッド11のノズル列Na〜Ncは、例えば、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)などの色材インクの吐出に使用する色材インクノズル列を含む。ヘッド11のノズル列Ndは、例えば、透明インクの吐出に使用する透明インクノズル列を含む。ヘッド11のノズル列Neは、例えば、前処理液の吐出に使用する前処理液ノズル列を含む。なお、この例では1つのヘッドが5つのノズル列Na〜Neを有しているが、複数のヘッドで複数のノズル列を有する構成とすることもできる。
搬送部102は、印刷部101の媒体搬送方向(矢印A方向:副走査方向)上流側に、搬送手段である搬送ローラ21及び対向ローラ22が配置され、媒体2を挟んで搬送する。また、印刷部101に対向して媒体2を案内するプラテン部材25が配置されている。
ロール巻取り部104は、媒体2を巻き取る巻取りロール41を備えている。
そして、媒体2の搬送方向に沿って加熱手段の一例であるプリヒータ51、プリントヒータ52、ポストヒータ53をそれぞれ配置している。
プリヒータ51は、印刷部101による印刷領域の手前で媒体2を加熱するヒータである。プリントヒータ52は、印刷部101による印刷領域で媒体2を加熱するヒータである。ポストヒータ53は、印刷部101による印刷がされた後の媒体2を加熱するヒータである。プリヒータ51とプリントヒータ52、ポストヒータ53には、セラミックやニクロム線を用いた電熱ヒータ等を使用できる。
また、ポストヒータ53の下流側に、媒体2に紫外線や可視光線等のエネルギー線を照射する照射装置54が設けられている。照射装置54により、印刷面にエネルギー線を照射することにより、インク中の顔料が発熱し乾燥させることができる。
<画像形成装置の第三の実施形態>
図6を用いて、第三の実施形態に係る画像形成装置を説明する。図6は画像形成装置の全体構成を説明する図である。
印刷装置1000(本実施形態の画像形成装置)は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、両面印刷用の反転部500、排紙部600からなる。
給紙部100の給紙トレイ110から給送装置140により1枚ずつ用紙Pが搬送され、レジストローラ対130で一時停止したのち所定のタイミングで画像形成部200に給紙される。
画像形成部200では、受け取り胴201を経由して用紙担持ドラム210に用紙Pが搬送され、この用紙担持ドラム210上でインクジェットヘッド220により用紙Pに画像が形成される。その際、オペレーターが選択した印刷モードに応じて、どの色のインクジェットヘッド220を画像形成に用いるかが切り替わる。オペレーターは印刷画像に応じて、例えばモノクロモード、フルカラーモード、フルカラー+ホワイトモードの3種類の印刷モードから1種類を選択可能である。
モノクロモードを選択した場合は、インクジェットヘッド220Kのみが画像形成に用いられ、インクジェットヘッド220C、220M、220Y、220Wは印刷動作中もキャップで保護されたままである。フルカラーモードを選択した場合は、インクジェットヘッド220K、220C、220M、220Yが画像形成に用いられ、インクジェットヘッド220Wは印刷動作中もキャップで保護されたままである。フルカラー+ホワイトモードを選択した場合は、インクジェットヘッド220K、220C、220M、220Y、220Wの全てが画像形成に用いられる。
その後、受け渡し胴202を経由して乾燥装置300に用紙は搬送される。
乾燥部300では乾燥搬送ベルト302上で用紙Pが搬送され、UV光照射装置301がUV光を用紙Pに照射することで、印刷画像が乾燥する。
片面印刷の場合、用紙Pは反転部500を通過し、排紙部600の排紙トレイ610に排紙される。両面印刷の場合、用紙Pは非図示の分岐爪により搬送コロ510を経由して反転コロ520まで搬送される。ここで用紙Pは一旦停止したのち、スイッチバックして逆方向に搬送される。スイッチバックした用紙Pは両面パスの搬送コロ530、540、550を経て、給紙部のレジストローラ対130に再合流し、裏面の画像形成を開始する。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1〜12、比較例1〜6)
<ブラック顔料分散体の作製>
カーボンブラック(デグサ社FW100)20g、下記構造式(1)の化合物20mmol、及びイオン交換水200mLを、室温(25℃)環境下、Silversonミキサー(6,000rpm)で混合し、スラリーを得た。得られたスラリーのpHが4より高い場合は、硝酸20mmolを添加した。30分間後に、少量のイオン交換高純水に溶解された亜硝酸ナトリウム(20mmol)を上記混合物にゆっくりと添加した。更に、撹拌しながら60℃に加温し、1時間反応させた。カーボンブラックに下記構造式(1)の化合物を付加した改質顔料を生成した。次いで、NaOH水溶液によりpHを10に調整することにより、30分間後に改質顔料分散体を得た。少なくとも1つのジェミナルビスホスホン酸基又はジェミナルビスホスホン酸ナトリウム塩と結合した顔料を含んだ分散体とイオン交換高純水を用いて透析膜を用いた限外濾過を行い、更に超音波分散を行い、[ブラック顔料分散体](顔料固形分:15質量%)を作製した。
Figure 2021181218
<スチレンアクリル樹脂エマルションの調製>
撹拌機、還流コンデンサー、滴下装置、及び温度計を備えた反応容器に、イオン交換水900g及びラウリル硫酸ナトリウム1gを仕込み、撹拌下に窒素置換しながら70℃まで昇温した。内温を70℃に保ち、重合開始剤として過硫酸カリウム4gを添加し、溶解した。予めイオン交換水450g、ラウリル硫酸ナトリウム3gに、表に記載した単量体に相当する化合物を、表1に記載した通りの割合で総量1000g、撹拌下に加えて作製した乳化物を、反応溶液内に連続的に4時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間の熟成を行った。得られた水性エマルジョンを常温まで冷却した後、イオン交換水と水酸化ナトリウム水溶液を添加して固形分30質量%、pH8に調整することにより、[スチレンアクリル樹脂エマルション1]を得た。
表1に記載した処方(単量体重量比)で製造する点以外は、[スチレンアクリル樹脂エマルション1]と同様にして、[スチレンアクリル樹脂エマルション2〜7]を得た。
Figure 2021181218
<ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
攪拌機およびジャケットを備えたオートクレーブ反応装置に数平均分子量(Mn)500の非晶性ポリカーボネートジオール(デュラノールT5651、旭化成ケミカルズ製)500g、ジメチロールプロピオン酸45.8g、イソホロンジイソシアネート(IPDI)358g、トリエチルアミン29.4gおよびアセトン650gを、窒素を導入しながら仕込んだ。その後、80℃に加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。
系を40℃に戻した後、該温度に保った。系中に存在するNCO%を確認した後、水をゆっくり加え、30分間加熱攪拌した後、伸長剤(イソホロンジアミン(IPDA))を加え、3〜6時間加熱攪拌した。最後に有機溶剤を除去することで、固形分濃度31質量%の[ポリウレタン樹脂エマルション]を得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルションにおけるポリウレタン樹脂の体積平均粒径は106nmであり、ガラス転移温度は−22.02℃であった。
<インクの調製例>
表2、表3に記載の配合処方に従って、各成分を混合、撹拌した後、ポリプロピレンフィルター(商品名:プロファイルスター、日本ポール株式会社製、平均孔径:1.5μm)で濾過して、表2、表3に記載の各インクを調製した。なお、シリコーン界面活性剤は、商品名:TEGO WET270、エボニック社製、ポリエーテル変性シロキサンコポリマーである。
表中の成分において、商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・3−メトキシ−3−エチル−1−プロパノール:東京化成工業株式会社製
・3−メチル−1,3−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・1,3−ブタンジオール:東京化成工業株式会社製
・2−プロピル−1,3−ペンタンジオール:東京化成工業株式会社製
表中、「水分量」とあるのは、インク全量から、色材及び樹脂の固形分量を引き、更に界面活性剤の量を引き、更に有機溶剤の合計量を引いて求めた値である。
<評価及び測定>
<<画像の形成>>
図6の画像形成装置に、記録媒体としてカットシート紙(商品名:Lumi Art Gloss、Stora Enso社製、坪量:130g/m、紙幅:521mm)をセットし、1,200dpi×1,200dpiの記録解像度でブラックの画像を印字した。
次に、記録媒体に対し、照射手段(照射装置)としてのUV−LEDランプ(装置名:Semray UV 4003、Heraeus社製)の光を下記表の条件で照射した。比較例5ではIR(赤外線照射手段)を用い、比較例6では温風手段を用いた。
画像形成するにあたり、照射装置の照射強度と記録媒体の搬送速度を調整することで、温度と時間を制御した。
画像表面温度Tの測定については、非接触赤外線温度センサーを照射手段、赤外線照射手段、温風手段の下流近傍(乾燥出口)に設置し、乾燥直後の画像表面温度を測定することにより測定した。
なお、プリヒータ、プリントヒータ、ポストヒータの表面温度は、画像表面温度T以下となるようにした。
<<画像濃度>>
記録媒体にインク付着量0.9μL/cmで形成された画像部を、画像濃度計(X−Rite社製X−Rite eXact)を用いて画像濃度を測定した。画像濃度は以下の評価基準で評価した。◎、〇、△が合格である。
[評価基準]
◎:画像濃度が2.5以上である
○:画像濃度が2.3以上2.5未満である
△:画像濃度が2.0以上2.3未満である
×:画像濃度が2.0未満である
<<乾燥性>>
記録媒体に形成された画像部を、印字3分後にクロックメーターで擦過し、画像を目視で確認して削れが生じたかを判定した。一定の乾燥エネルギー以上では画像に削れが生じなくなる。この、削れなくなるために必要な乾燥エネルギーを測定した。乾燥エネルギーは、照射装置の照射光量と照射時間の積により算出した。乾燥性は以下の評価基準で評価した。◎、〇、△が合格である。
[評価基準]
◎:必要な乾燥エネルギーが1500mJ/cm未満である
○:必要エネルギー量が1500mJ/cm以上2000mJ/cm未満である
△:必要エネルギー量が2000mJ/cm以上2500mJ/cmである
×:必要エネルギー量が2500mJ/cm以上である
<<用紙波打ち>>
画像が形成された記録媒体(印刷物)を目視により観察して評価した。用紙波打ちは以下の評価基準で評価した。◎、〇、△が合格である。
[評価基準]
◎:印刷物のカールや波打ちが全くみられない
○:印刷物に若干波打ちがみられるが、カールはほとんどみられない
△:印刷物全体に波打たような皺が現れ、端部にカールがみられる
×:印刷物がカールして丸まってしまう。更に全体に波打たような皺が現れている
結果を併せて下記表に示す。なお、表中、乾燥方式とあるのは、主に照射手段、赤外線照射手段、温風手段について記載するものである。
Figure 2021181218
Figure 2021181218
上記の結果から、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射し、Tg<T<Tgを満たすことで、画像濃度が高く、乾燥性も良好であり、さらに用紙波打ちも良好な画像形成が行えたことが分かる。
(実施例13、実施例14)
次に、上記実施例のブラックインクと同様にして、下記表4に記載の配合処方に従って、各成分を混合、撹拌した後、ポリプロピレンフィルター(商品名:プロファイルスター、日本ポール株式会社製、平均孔径:1.5μm)で濾過して、表4に記載の各インクセットを調製した。
次いで、以下のようにして画像の形成を行い、画像濃度を評価した。また、乾燥性、用紙波打ちについては、上記実施例と同様にして評価を行った。
<画像の形成>
図6の画像形成装置に、記録媒体としてカットシート紙(商品名:Lumi Art Gloss、Stora Enso社製、坪量:130g/m、紙幅:521mm)をセットし、1,200dpi×1,200dpiの記録解像度で、ブラック・シアン・マゼンタ・イエロー4色の混色画像を印字した。
このとき、高光沢度印字モードあるいは低光沢度印字モードを選択し、高光沢度印字モード時にはブラック・シアン・マゼンタ・イエローの順で、低光沢印字モード時にはイエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの順でインクを吐出して印字した。
次に、記録媒体に対し、UV−LEDランプ(装置名:Semray UV 4003、Heraeus社製)の光を下記表の条件で照射した。
なお、巻き取り装置、照射装置の照射強度の調整、記録媒体の搬送速度の調整、画像表面温度Tの測定、プリヒータ等については、上記実施例と同様とした。
<画像濃度>
記録媒体にインク付着量0.9μL/cmで形成された画像部を、画像濃度計(X−Rite社製X−Rite eXact)を用いて画像濃度を測定した。画像濃度は以下の評価基準で評価した。◎、〇、△が合格である。
[ブラックの評価基準]
◎:画像濃度が2.5以上である
○:画像濃度が2.3以上2.5未満である
△:画像濃度が2.0以上2.3未満である
×:画像濃度が2.0未満である
[シアンの評価基準]
◎:画像濃度が2.5以上である
○:画像濃度が2.3以上2.5未満である
△:画像濃度が2.0以上2.3未満である
×:画像濃度が2.0未満である
[マゼンタの評価基準]
◎:画像濃度が2.3以上である
○:画像濃度が2.2以上2.3未満である
△:画像濃度が2.0以上2.2未満である
×:画像濃度が2.0未満である
[イエローの評価基準]
◎:画像濃度が1.4以上である
○:画像濃度が1.3以上1.4未満である
△:画像濃度が1.2以上1.3未満である
×:画像濃度が1.2未満である
結果を併せて下記表に示す。
Figure 2021181218
上記の結果から、カラーインクを用いた場合においても、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射し、Tg<Tを満たすことで、画像濃度が高く、乾燥性も良好であり、さらに用紙波打ちも良好な画像形成が行えたことが分かる。
2 記録媒体
11 液体吐出ヘッド
12 キャリッジ
13 ガイド部材
21 搬送ローラ
22 対向ローラ
25 プラテン部材
31 搬送ローラ対
41 ロール
51 プリヒータ
52 プリントヒータ
53 ポストヒータ
54 照射装置
101 印刷部
102 搬送部
103 ロール収納部
104 ロール巻き取り部
120 表示入力手段
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特開2002−327138号公報 特開2006−140655号公報 特開2004−82709号公報 特開2000−225719号公報 特開2016−196177号公報

Claims (5)

  1. 水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含むブラックインクと、
    前記ブラックインクを記録媒体に付与するブラックインク付与手段と、
    前記ブラックインクが付与された前記記録媒体に、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射手段と、を有し、
    前記樹脂Aのガラス転移点をTgとし、前記樹脂Bのガラス転移点をTgとし、前記照射手段が前記記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をTとしたとき、
    Tg<T<Tg
    を満たすことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記樹脂A及び前記樹脂Bは、スチレンアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記Tgが20℃以上50℃以下であり、
    前記Tgが80℃以上150℃以下であり、
    前記Tが50℃より大きく80℃未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 水、有機溶剤、色材及び樹脂Cを含有するカラーインクと、
    前記カラーインクを前記記録媒体に付与するカラーインク付与手段と、を有し、
    前記樹脂Cのガラス転移点をTgとしたとき、
    Tg<T
    を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 水、有機溶剤、カーボンブラック、並びに、樹脂A及び樹脂Bを含むブラックインクを記録媒体に付与するブラックインク付与工程と、
    前記ブラックインクが付与された前記記録媒体に、波長700nm以下の可視光線又は紫外線を照射する照射工程と、を含み、
    前記樹脂Aのガラス転移点をTgとし、前記樹脂Bのガラス転移点をTgとし、前記照射工程により前記記録媒体に照射を行った後の画像表面温度をTとしたとき、
    Tg<T<Tg
    を満たすことを特徴とする画像形成方法。
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