JP6733384B2 - インクと記録用メディアのセット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 - Google Patents
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Description
また、前記顔料インクにより得られた画像は、顔料が記録用メディアに定着し難いことがあるため、画像を指や紙で擦った際の耐擦過性が劣り、記録用メディアが汚れてしまう。特に、コート紙のように普通紙に比べてインクを吸収しにくい記録用メディアの場合は、表面にインク中の顔料が留まりやすく耐擦過性の悪化が顕著である。
前記有機溶剤が、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含み、
前記記録用メディア上に形成した前記インクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像における、マイクロスクラッチ法による臨界画像剥離点でのセンサー出力値が、600以上である。
本発明のインクと記録用メディアのセットは、有機溶剤、ポリウレタン樹脂粒子、着色剤、及び水を含有するインクと記録用メディアのセットであって、
前記有機溶剤が、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含み、
前記記録用メディア上に形成した前記インクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像における、マイクロスクラッチ法による臨界画像剥離点でのセンサー出力値が、600以上である。
本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷などはいずれも同義語である。
また、本発明のインクと記録用メディアのセットは、前記特許文献2に記載のガラス転移温度(Tg)が低く、かつ異なるTgを有する2種類の樹脂を添加したインクでは、最低造膜温度が非常に低いため、画像乾燥過程での造膜速度が速く、均一な膜を形成し難いので、十分な耐擦過性や画像光沢を得ることが困難である。前記最低造膜温度が低いと、ヘッドのノズルにキャップをしないままで長時間放置するとノズルのメニスカス部において造膜してしまい、メンテナンス性も悪化してしまう。更に、前記樹脂のガラス転移温度が低すぎると、樹脂にタック性が発現するため、記録後に画像が排出され、ロールで巻き取られた時や、スタックした時に、ブロッキングが発生しやすくなるという知見に基づくものである。
前記センサー出力値が600以上であると、記録後のインク塗膜において、ポリウレタン樹脂粒子の造膜が効率的に進行し、インク塗膜の付着強度が強くなって摩擦により削れにくくなる。
前記マイクロスクラッチ試験法における臨界画像剥離点でのセンサー出力値は、以下のようにして測定することができる(JIS R3255−1997「ガラスを基板とした薄膜の付着性試験方法」に準拠)。
前記インクをインクジェットプリンタ(例えば、IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填し、記録用メディアとしてのコート紙(例えば、Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)に、解像度1,200dpiで、インク付着量が0.96mg/cm2(600mg/A4サイズ)のベタ画像を形成する。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を30秒間乾燥した。乾燥した前記ベタ画像をマイクロスクラッチ試験機(CSR−2000、株式会社レスカ製)により下記条件で測定し、臨界画像剥離点(ベタ画像が剥離する際)でのセンサー出力値を読み取る。なお、測定回数は1回、測定位置はベタ画像の中心部である。
(2)測定条件
・スクラッチ速度:20μm/s
・測定時間:30秒間
・測定終了時の荷重:10mN
・振幅レベル:100μm
・励振周波数:45Hz
・データサンプリング:3735Hz
・バネ定数:100g/mm
・スタイラス(ダイヤモンド針)径:5μm
記録用メディア上に形成したインクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像の算術平均粗さRaは、0.2μm以上0.9μm以下が好ましく、0.3μm以上0.8μm以下がより好ましい。
前記算術平均粗さRaが0.2μm以上0.9μm以下であると、ポリウレタン樹脂粒子による造膜が効率的に進行し、着色剤とポリウレタン樹脂膜の接着力が向上し、ベタ画像表面を擦った際に着色剤が画像から剥がれ難くなり、耐擦過性が向上する。更に、画像表面が均一であるため、光沢性及び画像濃度が向上する。
前記インクをインクジェットプリンタ(例えば、IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填し、記録用メディアとしてのコート紙(例えば、Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)に、解像度1,200dpiでインク付着量が0.96mg/cm2(600mg/A4サイズ)のベタ画像を形成する。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にてベタ画像を30秒間乾燥した。
次に、乾燥したベタ画像をレーザー顕微鏡(例えば、VK−850、株式会社キーエンス製)を用いて、測定ピッチ0.1μmの条件で、ベタ画像の算術粗さを求める。ベタ画像の垂直方向に0.4mmの領域を10回スキャンして、その平均値を算術平均粗さRaとする。
本発明のインクと記録用メディアのセットにおける記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、印刷用塗工紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシートなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、印刷用塗工紙が好ましい。
前記印刷用塗工紙は、一般的に普通紙よりもインク吸収性に劣るので、インクジェットに適用するためには記録後の乾燥手段と組み合わせて用いることが多いが、従来画像の乾燥性に課題があった。インクと記録用メディアのセットにおけるインクは前記印刷用塗工紙に記録しても画像の乾燥性を満足することができる。
これらの中でも、Lumi Art Gloss紙が好ましい。前記Lumi Art Gloss紙はインク吸収性が低いため、一般的なインクジェットインクを使用すると満足な画像の乾燥性が得られないことがあるが、本発明の前記インクを用いると良好な乾燥性を得ることができる。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
本発明のインクと記録用メディアのセットにおけるインクは、有機溶剤、ポリウレタン樹脂粒子、着色剤、及び水を含有してなり、更に必要に応じて、その他の成分を含有してなる。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、極性が高く、凝集力が強いため、他の樹脂粒子に比べて均一で強いインク塗膜を形成でき、画像の耐擦過性を向上させることができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の少なくとも1種を出発原料として、アルキレンオキサイドを付荷重合させたものなどが挙げられる。
また、前記ポリウレタン樹脂粒子の製造に使用できるポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるもの、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるもの、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステル、これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、これらの無水物又はエステル形成性誘導体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、本発明で用いられるインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途としても用いられるため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、前記長期耐候性の点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートが好ましい。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートの含有量としては、イソシアネート化合物全量に対して、60質量%以上が好ましい。
前記ポリウレタン樹脂粒子は、特に制限はなく、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下で、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
前記鎖延長剤としては、例えば、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。
測定対象であるポリウレタン樹脂粒子は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬工業株式会社製)にて0.15質量%溶液にし、平均孔径0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液は測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/minで測定する。試料の分子量は、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。前記ポリスチレン標準試料としては、Showdex STANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580(以上、昭和電工株式会社製)、及び希釈溶媒としてトルエンを用いる。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記ガラス転移温度が−30℃以上10℃以下であると、前記ポリウレタン樹脂粒子の造膜性に優れ、均一なインク塗膜を形成できるため、画像の耐擦過性を向上させることができる。
前記ガラス転移温度が−30℃以上であると、前記ポリウレタン樹脂粒子にタック性が発現しにくいため、前記ポリウレタン樹脂粒子の含有によるブロッキングの悪化を抑制することができる。更に、デキャップ状態でのヘッドノズル面における造膜が起こり難いため、ノズルのメンテナンス性も良好となる。また、前記ガラス転移温度が10℃以下であると、造膜性が向上し、画像の耐擦過性向上に効果的であるとともに、光沢性が向上し、高画像濃度が実現できる。
・加熱1回目:30℃から220℃へ5℃/分条件にて加熱、220℃到達後1分間保持
・冷却:温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分間保持
・加熱2回目:−60℃から180℃へ5℃/分条件にて加熱
加熱2回目のサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り(ASTM D3418/82、ASTMインターナショナル)、これをガラス転移温度とする。
前記体積平均粒径が8nm以上19nm以下であると、画像表面でインク塗膜が均一になり、画像の耐擦過性を向上させることができる。また、分散が安定となり、インクの保存安定性が向上する。
前記体積平均粒径が8nm以上であると、インク塗膜が均一となり、画像表面の摩擦係数が適正であるため、耐擦過性向上に有利である。また、前記体積平均粒径が19nm以下であると、顔料の隙間に効率的にポリウレタン樹脂粒子が入り込み、インク塗膜の均一性が向上するため、画像の耐擦過性の向上に効果的であると共に、光沢性の向上及び画像濃度の向上につながる。
前記質量比(A/B)が1以上5以下であると、均一なインク塗膜が得られ、画像の耐擦過性を向上させることができる。
前記質量比(A/B)が1以上であると、着色剤が前記ポリウレタン樹脂膜中に均一に分散しやすくなり、インク塗膜表面が平滑になるため、耐擦過性向上に効果的であるとともに、画像濃度及び光沢度の向上が図れる。また、前記質量比(A/B)が5以下であると、ポリウレタン樹脂粒子の有機溶剤の抱え込みによるブロッキングの悪化や、デキャップ状態のヘッドノズル面での造膜によるノズルのメンテナンス性の悪化を抑制することができる。
前記有機溶剤としては、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含有する。
前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上であると、乾燥効率が顕著に向上するため、画像乾燥性の向上に効果的である。また、前記100℃における飽和蒸気圧が400mmHg以下であると、有機溶剤の保湿効果が適正であり、ノズルのメンテナンス性(吸引復帰性)が良好となる。
そこで、インク中に100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を有させることによって、ポリウレタン樹脂粒子を含有するインクであっても効果的に記録後画像の乾燥を向上させることができ、ブロッキングの抑制が可能となる。
前記含有量が10%質量以上であると、画像乾燥効率が顕著に向上し、ブロッキングを抑制することに効果的である。また、前記含有量が25質量%以下であると、有機溶剤の保湿効果が適正であるため、ノズルのメンテナンス性(吸引復帰性)が良好となる。
前記質量比(C/A)が0.85以上であると、インクの乾燥性が向上するため、ブロッキングを抑制することができる。また、前記質量比(C/A)が3.0以下であると、ポリウレタン樹脂粒子が有機溶剤によって膨潤しにくくなるため、インクの経時での粘度上昇を抑制することができ、インクの保存安定性が良好となる。
前記含有量が15質量%以上であると、光沢性に優れ、かつ高画像濃度の画像が得られ、60質量%以下であると、画像品質が良好であり、インク粘度が適正となり吐出安定性が良好である。
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料、染料などが挙げられる。これらの中でも、顔料が好ましい。前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料の中でも、有機溶剤との親和性が高いものが好ましく用いられる。
また、カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリマーとしては、例えば、特開2000−53897号公報、及び特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを用いることができる。
前記ポリマーエマルジョンを使用する場合、一般的な有機顔料、若しくは無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した複合顔料を好適に用いることができる。
前記有機顔料又は前記カーボンブラックの割合が少ないと、発色性や着色力が低下することがあり、前記有機顔料又は前記カーボンブラックの割合が多くなると、透明性や色調が悪くなることがある。
例えば、20nmの一次平均粒径を有する無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、前記複合顔料の一次平均粒径は、25nm程度になる。これを適当な分散剤を用いて一次粒子まで分散できれば、一次平均粒径が25nm程度の非常に微細な顔料分散インクを作製することができる。
前記顔料としては、インクの保存安定性の観点から、イオン基及びイオン化可能な基を表面に導入するために、酸化剤を使用して酸化した顔料が好ましい。
このような表面処理した顔料としては、例えば、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものが好適である。
前記表面処理した顔料は、分散剤の非存在下でも水分散性を示すことが好ましく、一般的には、「自己分散性顔料」と称する。
前記顔料のBET比表面積は、10m2/g以上1,500m2/g以下が好ましく、20m2/g以上600m2/g以下がより好ましく、50m2/g以上300m2/g以下が更に好ましい。
前記BET比表面積が、所望の適用をすることが容易ではない場合、顔料を比較的小さい粒径にするために、顔料を一般的なサイズ減少又は粉砕処理(例えば、ボールミル粉砕、又はジェットミル粉砕、又は超音波処理)をすることが好ましい。
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水などの純水、又は超純水を用いることができる。
前記水の前記インクにおける含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、消泡剤などが挙げられる。
前記界面活性剤としては、前記着色剤の種類や前記有機溶剤の組み合わせによって分散安定性を損なわず、表面張力が低く、浸透性、及びレベリング性の高いものが好ましい。
前記界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好ましく、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
前記浸透剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数8〜11のポリオール化合物、その他のポリオール化合物などが挙げられる。これらの中でも、25℃の水中において0.2質量%〜5.0質量%の間の溶解度を有するものが好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2質量%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0質量%(25℃)]がより好ましい。
前記粘度は、粘度計(例えば、RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記インクは、例えば、前記有機溶剤、及び前記着色剤、更に必要に応じて前記界面活性剤、前記浸透剤、及びその他の成分を水中に分散又は溶解し、更に前記ポリウレタン樹脂粒子を添加して攪拌混合して製造することができる。
前記分散又は溶解は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機などにより行うことができ、前記攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速分散機などを用いて行うことができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
本発明で用いられるインク収容容器は、本発明のインクと記録用メディアのセットにおけるインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を付設してもよい。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを有するものなどが好適に挙げられる。
前記インク供給口部30は、前記インク収容部11に固定した口部材31と、前記口部材31の開口部31a内に配置され、前記インク供給口20が設けられた回転規制部材32と、前記インク収容部11の口部材31の開口部31a内に回転規制部材32を固定する固定部材33とを有し、固定部材33に前記キャップ部材40を装着している。
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含んでなる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、本発明のインクと記録用メディアのセットにおけるインクに、刺激を印加し、前記インクを飛翔させて本発明のインクと記録用メディアのセットにおける記録用メディア上に画像を形成する工程であり、インク飛翔手段により実施することができる。
前記インク飛翔手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクジェットヘッド、などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、加熱工程、刺激発生工程、制御工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、加熱手段、刺激発生手段、制御手段などが挙げられる。
前記加熱手段としては、多くの既知の装置を使用することができ、例えば、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記加熱温度としては、インク中に含まれる水溶性有機溶媒の種類や量、及び添加する樹脂エマルジョンの最低造膜温度に応じて変更することができ、更に印刷する記録用メディアの種類に応じても変更することができる。
前記加熱温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上120℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が更に好ましい。前記加熱温度が、40℃以上120℃以下であると、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図5は、本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略図である。この図5のインクジェット記録装置300は、記録用メディア搬送部301と、記録用メディア203に前処理液を塗布する前処理工程部302と、画像形成工程部304と、画像形成工程後の記録用メディアに後処理液を塗布する後処理工程部305とで構成されている。なお、本発明において、前処理工程部302、及び後処理工程部305は設けなくてもよい。
図6に示すように搬送ローラ201によって連続紙等の記録用メディア203は前処理液塗布装置204内に搬送される。前処理液塗布装置204には、前処理液205が貯留されており、前処理液205は攪拌・供給ローラ206、移送・薄膜化ローラ207によって塗布ローラ208のローラ面に薄膜状に転写される。
そして、塗布ローラ208は回転するプラテンローラ202押し付けられながら回転し、その間を記録用メディア203が通過することで、表面に前処理液205を塗布する。
塗布量については塗布ローラ208、プラテンローラ202の回転速度を変えることで調節することも可能である。塗布ローラ208、プラテンローラ202は駆動モーターなどの動力源によって駆動され、その動力源のエネルギーを変えることで回転速度を変化させ、塗布量を調節できる。
この画像形成工程部304は、フルライン型のヘッドであり記録用メディア搬送方向上流側よりブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応可能な4つの記録ヘッド304K、304C、304M、304Yを配設して構成されている。例えば、ブラック(K)の記録ヘッド304Kは、図7に示すように搬送方向と直行する方向に短い4つのヘッドユニット304K−1、304K−2、304K−3、304K−4を千鳥状に配列させることで印刷領域幅を確保している。
図8は、ヘッドユニット304K−1の拡大図である。図8に示すように304K−1のノズル面309には多数の印字ノズル310がヘッドユニット304K−1の長手方向に沿って配列されてノズル列を構成している。本実施形態ではノズル列は1列であるが複数列設けることもできる。なお、他の記録ヘッド304C、304M、304Yも同様の構成であり、4つの記録ヘッド304K、304C、304M、304Yは同じピッチを保持して搬送方向に配列されている。これにより、1回の記録動作で印刷領域幅全体への画像形成が可能となる。
なお、インクの種類もK、C、M、Yに限らずライトシアン等のフォトインクなどを適用することもできる。
本実施形態における後処理工程では、記録用メディアの画像表面の全体にわたって塗布しても、画像表面の特定の部分のみに塗布してもよい。より好ましくは印刷条件(記録用メディアの種類や用紙に吐出されるインク量等)に応じて塗布量、塗布方法を変えることが望ましい。
後処理後乾燥部は、例えば、図5のようなヒートローラ313、314からなる。この装置によれば、後処理液を塗布された連続紙は搬送ローラにより、ヒートローラに搬送される。ヒートローラは高温に熱せられており、後処理液を塗布された連続紙は、ヒートローラからの接触伝熱により、水分が蒸発し、乾燥される。乾燥手段としてはこれに限らず、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、温風装置などを適用することもでき、単体の装置を用いるのではなく、例えば、ヒートローラと温風装置を組み合わせるなどをしてもよい。
乾燥後の用紙は巻き取り装置308によって巻き取られるが、この巻き取り時の押圧が大きい場合には、裏面へ画像が転写する可能性がある。その際は必要に応じて、図5のような巻き取り前乾燥部315を設けることも可能である。なお、前記乾燥手段も上記に記載した構成(例えば、ヒートローラと温風装置の組み合わせ等)を適用することができる。
本発明のインクは、インクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔工程を含むインクジェット記録方法に用いるインクであって、
前記インクが、有機溶剤、ポリウレタン樹脂粒子、着色剤、及び水を含有するインクであり、
前記有機溶剤が、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含み、
前記記録用メディア上に形成した前記インクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像における、マイクロスクラッチ法による臨界画像剥離点でのセンサー出力値が、600以上である。
本発明の記録物は、記録用メディアと記録層とを有する記録物であって、
前記記録層が、有機溶剤、ポリウレタン樹脂粒子、及び着色剤を含有し、
前記有機溶剤が、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含み、
前記記録用メディア上に形成した、付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像における、マイクロスクラッチ法による臨界画像剥離点でのセンサー出力値が、600以上である記録層である。
前記記録物は、高画質で滲みがなく、光沢性に優れており、各種の印字乃至画像が記録された資料などとして各種用途に好適に使用することができる。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン1−1の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリカーボネートポリオール(デュラノール T5650E、旭化成ケミカルズ株式会社製)50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸6.46質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン88質量部、トリエチルアミン3.41質量部、及びヘキサメチレンジイソシアネート27.9質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水163質量部、及びメタキシレンジアミン2.09質量部を入れ、1時間攪拌して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)を以下のようにして測定したところ−10℃であった。
得られたポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)(Q2000、TAインスツルメントジャパン株式会社製)の吸熱チャートから求めた。即ち、前記樹脂粒子の水分・溶剤を蒸発させ、乾固させた前記樹脂粒子を5mg〜10mg計量し、アルミニウム製の簡易密閉パンに充填したものを以下の測定フローに供した。
・加熱1回目:30℃〜220℃、5℃/分、220℃到達後1分間保持
・冷却 :温度制御なしで−60℃までクエンチ、−60℃到達後1分間保持
・加熱2回目:−60℃〜180℃、5℃/分
加熱2回目のサーモグラムにおいてミッドポイント法を採用して値を読み取り(ASTM D3418/82、ASTMインターナショナル)、ガラス転移温度とした。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン1−1の体積平均粒径は、以下のようにして測定したところ、10nmであった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン1−1の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定した。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン1−2の合成>
前記樹脂粒子の製造例1−1において、30℃、400Wで、30分間撹拌する分散処理に変更した以外は、前記樹脂粒子の製造例1−1と同様にして、ポリウレタン樹脂エマルジョン1−2を得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン1−2の体積平均粒径を、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、15nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン1−3の合成>
前記樹脂粒子の製造例1−1において、30℃、400Wで、18分間撹拌する分散処理に変更した以外は、前記樹脂粒子の製造例1−1と同様にして、ポリウレタン樹脂エマルジョン1−3を得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン1−3の体積平均粒径を、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、19nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン2の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリカーボネートポリオール(デュラノール T5651、旭化成ケミカルズ株式会社製))50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸4.35質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン54質量部、トリエチルアミン3.51質量部、及びトリレンジイソシアネート15.1質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水135質量部、及びメタキシレンジアミンを0.42質量部入れ、1時間攪拌してポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)について、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、−30℃であった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン2の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、15nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン3−1の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリエステルポリオール(テスラック2477、日立化成ポリマー株式会社製)50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸1.77質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン62質量部、トリエチルアミン0.94質量部、及びノルボルネンメタンジイソシアネート9.1質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水115質量部、及びイソホロンジアミンを1.69質量部入れ、1時間攪拌して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)について、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、10℃であった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン3−1の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、8nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン3−2の合成>
前記樹脂粒子の製造例3−1において、30℃、400Wで、30分間撹拌する分散処理に変更した以外は、前記樹脂粒子の製造例1−1と同様にして、ポリウレタン樹脂エマルジョン3−2を得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン3−2の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、15nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン4の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリカーボネートポリオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸4.58質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン63質量部、トリエチルアミン3.70質量部、及びヘキサメチレンジイソシアネート26.6質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水158質量部、及びジプロピレントリアミンを0.48質量部入れ、1時間攪拌して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)について、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、12℃であった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン4の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、10nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン5の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリエステルポリオール(クラポールP−2010、株式会社クラレ製)50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸1.55質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン46質量部、トリエチルアミン0.99質量部、及びイソホロンジイソシアネート9.3質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水115質量部、及びイソホロンジアミン0.62質量部入れ、1時間攪拌して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)について、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、−32℃であった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン5の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、10nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン6−1の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリカーボネートポリオール(デュラノール T5651、旭化成ケミカルズ社製)50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸3.07質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン50質量部、トリエチルアミン1.62質量部、及びトリレンジイソシアネート13.1質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水126質量部、及びジプロピレントリアミンを0.29質量部入れ、1時間攪拌して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)について、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、−20℃であった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン6−1の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、8nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン6−2の合成>
前記樹脂粒子の製造例6−1において、30℃、400Wで、10分間撹拌する分散処理に変更した以外は、前記樹脂粒子の製造例1−1と同様にして、ポリウレタン樹脂エマルジョン6−2を得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン6−2の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、22nmであった。
<ポリウレタン樹脂エマルジョン7の合成>
窒素導入管、冷却管、攪拌器、及び熱伝対を装備した四つ口フラスコ内に、ポリエステルポリオール(テスラック2477、日立化成ポリマー株式会社製)50質量部、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸1.26質量部を入れて混合し、40℃に加温してフラスコ内を減圧し、乾燥した。続いて、フラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、脱水したアセトン45質量部、トリエチルアミン0.80質量部、及びノルボルネンメタンジイソシアネート8.3質量部を入れて攪拌後、80℃まで昇温し、5時間かけて反応を行った。その後、40℃まで降温し、イオン交換水112質量部、及びジエチレントリアミンを0.21質量部入れ、1時間攪拌して、ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョンにおけるポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)について、前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、0℃であった。
得られたポリウレタン樹脂エマルジョン7の体積平均粒径を前記樹脂粒子の製造例1と同様にして測定したところ、6nmであった。
<表面改質ブラック顔料分散体の調製>
SENSIJET Black SDP2000分散液(センシエントテクノロジーズ社製、カーボンブラック、顔料固形分濃度14.5質量%)1kgを0.1NのHClの水溶液で酸析した。次いで、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に表面改質ブラック顔料エマルジョンが得られた。
得られた表面改質ブラック顔料分散体は、少なくとも1つのカルボン酸基、スルホン酸基、カルボン酸テトラブチルアンモニウム塩、又はスルホン酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んでいる。
前記表面改質ブラック顔料分散体とイオン交換高純水とを透析膜を用いた限外濾過に供し、更に超音波分散に供し、顔料固形分濃度を25質量%に濃縮した。
得られた表面改質ブラック顔料分散体の体積平均粒径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ、120nmであった。
<表面改質マゼンタ顔料分散体の調製>
SMART Magenta 3122BA分散液(センシエントテクノロジーズ社製、Pigment Red 122表面処理エマルジョン、顔料固形分濃度14.5質量%)1kgを0.1NのHClの水溶液で酸析した。次いで、10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でpHを9に調整することにより、30分間後に前記表面改質マゼンタ顔料分散体が得られた。
得られた表面改質マゼンタ顔料分散体は、少なくとも1つのアミノ安息香酸基、又はアミノ安息香酸テトラエチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んでいる。
前記表面改質マゼンタ顔料分散体とイオン交換高純水とを透析膜を用いた限外濾過に供し、更に超音波分散に供し、顔料固形分濃度を25質量%に濃縮した。
得られた表面改質マゼンタ顔料分散体の体積平均粒径(D50)を前記顔料分散体の調製例1と同様にして測定したところ、104nmであった。
<表面改質シアン顔料分散体の調製>
SMART Cyan 3154BA分散液(センシエントテクノロジーズ社製、Pigment Blue 15:4表面処理エマルジョン、顔料固形分濃度14.5質量%)1kgを0.1NのHClの水溶液で酸析した。次いで、40質量%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に表面改質シアン顔料エマルジョンが得られた。
得られた表面改質シアン顔料エマルジョンは、少なくとも1つのアミノ安息香酸基、又はアミノ安息香酸ベンジルトリメチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んでいる。該表面改質シアン顔料エマルジョンとイオン交換高純水とを透析膜を用いた限外濾過に供し、更に超音波分散に供し、顔料固形分濃度を25質量%に濃縮した。
得られた表面改質シアン顔料エマルジョンの体積平均粒径(D50)を前記顔料分散体の調製例1と同様にして測定したところ、116nmであった。
<表面改質イエロー顔料分散体の調製>
SMART Yellow 3074BA分散液(センシエントテクノロジーズ社製、Pigment Yellow 74表面処理エマルジョン、顔料固形分濃度14.5質量%)1kgを0.1NのHCl水溶液で酸析した。次いで、10質量%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド溶液(メタノール溶液)でpHを9に調整することにより、30分間後に表面改質イエロー顔料分散体が得られた。
得られた表面改質イエロー顔料分散体は、少なくとも1つのアミノ安息香酸基、又はアミノ安息香酸テトラブチルアンモニウム塩と結合した顔料を含んでいる。
得られた表面改質イエロー顔料分散体とイオン交換高純水とを透析膜を用いた限外濾過に供し、更に超音波分散に供し、顔料固形分濃度を25質量%に濃縮した。
得られた表面改質シアン顔料分散体の体積平均粒径(D50)を前記顔料分散体の調製例1と同様にして測定したところ、145nmであった。
下記表2から表5に示す組成及び含有量に基づき、有機溶剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、消泡剤、pH調整剤、及び水を混合し、1時間撹拌を行い均一に混合した。この混合液に対して、顔料分散体を添加して1時間撹拌した。次に、樹脂エマルジョンを添加し、更に1時間攪拌して得られたインクを平均孔径0.8μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過することにより粗大粒子やごみを除去した。以上により、実施例1〜18及び比較例1〜7のインクと記録用メディアのセットにおけるインクを作製した。
・アクアブリッド UX−100:アクリル系エマルジョン(ダイセルファインケム株式会社製、ガラス転移温度(Tg)−10℃、固形分濃度50質量%)、前記アクリル系エマルジョンを超音波ホモジナイザーにより分散処理し、体積平均粒径を10nmに調整したものを用いた。
・エマルジョンエリーテル KZT−8904:ポリエステル系エマルジョン(ユニチカ株式会社製、ガラス転移温度(Tg)8℃、固形分濃度30質量%)、前記ポリエステル系エマルジョンを超音波ホモジナイザーにより分散処理し、体積平均粒径を10nmに調整したものを用いた。
・ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(デュポン株式会社製、成分濃度40質量%)
・ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒株式会社製、成分濃度100質量%)
・ユニダインDSN−403N:パーフルオロアルキルポリエチレンオキシド付加反物(ダイキン工業株式会社製、成分濃度100質量%)
・Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分濃度20質量%、ジプロピレングリコール含有)
・KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分濃度100質量%)
・PNP:プロピレングリコールモノプロピルエーテル(100℃における飽和蒸気圧:105mmHg)
・PNM:プロピレングリコールモノメチルエーテル(100℃における飽和蒸気圧:380mmHg)
・3−MB:3−メトキシブタノール(100℃における飽和蒸気圧:92mmHg)
・ENB:エチレングリコールモノブチルエーテル(100℃における飽和蒸気圧:68mmHg)
・MMB:3−メチル−3−メトキシブタノール(100℃における飽和蒸気圧:61mmHg)
・MBD:3−メチル−1,3−ブタンジオール(100℃における飽和蒸気圧:15.1mmHg)
・EHO:3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(100℃における飽和蒸気圧:13.5mmHg)
・1,3−BD:1,3−ブタンジオール(100℃における飽和蒸気圧:11.8mmHg)
・1−ブタノール(100℃における飽和蒸気圧:413mmHg)
作製した各色インクをインクジェットプリンタ(IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填した。次に、記録用メディアとしてのコート紙(Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)に、解像度1,200dpi、インク付着量が0.96mg/cm2となる条件にてベタ画像を形成し、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を30秒間乾燥した。
マイクロスクラッチ試験機(CSR−2000、株式会社レスカ製)を用いて、前記ベタ画像を下記条件にてマイクロスクラッチ法により、臨界画像剥離点でのセンサー出力値を求めた(JIS R3255−1997「ガラスを基板とした薄膜の付着性試験方法」に準拠)。なお、測定回数は1回、測定位置はベタ画像の中心部である。
−測定条件−
・スクラッチ速度:20μm/s
・測定時間:30秒間
・測定終了時の荷重:10mN
・振幅レベル:100μm
・励振周波数:45Hz
・データサンプリング:3735Hz
・バネ定数:100g/mm
・スタイラス(ダイヤモンド針)径:5μm
作製した各インクをインクジェットプリンタ(IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填した。次に、記録用メディアとしてのコート紙(Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)に、解像度1,200dpiでインク付着量が0.96mg/cm2となる条件で、ベタ画像を形成した。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を30秒間乾燥した。次いで、レーザー顕微鏡(VK−850、株式会社キーエンス製)を用いて、測定ピッチ0.1μmの条件で、前記ベタ画像の算術粗さを求めた。垂直方向に0.4mmの領域を10回スキャンして、これらの平均値を算術平均粗さRaとした。
作製した各インクをインクジェットプリンタ(IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填した。次に、記録用メディアとしてのコート紙(Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)をセットした。次に、1,200dpiの解像度でベタ画像を形成した。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を30秒間乾燥した。乾燥後、1.2cm四方に切った前記コート紙の白紙部で前記ベタ画像を20回擦り、前記コート種の白紙部へのインク付着汚れを、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて測定した。擦ったコート紙の地肌色を差し引いた転写濃度を求め、下記基準に基づき、耐擦過性を評価した。なお、△までが許容範囲である。
[評価基準]
◎:転写濃度が0.13未満
○:転写濃度が0.13以上0.17未満
△:転写濃度が0.17以上0.20未満
×:転写濃度が0.20以上
作製した各インクをインクジェットプリンタ(IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填した。次に、記録用メディアとしてのコート紙(Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)をセットし、マイクロソフトワード2000(マイクロソフト社製)で作成した64point文字「四角」(四角を塗り潰した文字)を記載したチャートを、解像度1,200dpiにて印字した後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて印字部を30秒間乾燥した。乾燥後の印刷物について、反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定し、下記基準に基づき評価した。なお、△までが許容範囲である。
[評価基準]
◎:Black : 1.6以上
Yellow : 1.1以上
Magenta: 1.4以上
Cyan : 1.6以上
○:Black : 1.3以上、1.6未満
Yellow : 1.0以上、1.1未満
Magenta: 1.1以上、1.4未満
Cyan : 1.3以上、1.6未満
△:Black : 1.1以上、1.3未満
Yellow : 0.8以上、1.0未満
Magenta: 0.9以上、1.1未満
Cyan : 1.1以上、1.3未満
×:Black : 1.1未満
Yellow : 0.8未満
Magenta: 0.9未満
Cyan : 1.1未満
作製した各インクをインクジェットプリンタ(株式会社リコー製、IPSIO GX5500)に充填した。次に、記録用メディアとしての光沢記録用メディア(リコービジネスコートグロス100、地肌60°光沢:21、株式会社リコー製)に解像度1,200dpiのベタ画像を形成した。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を30秒間乾燥した。
次に、光沢度計(アトラス社製、Micro−Gross60°)を用いて、前記ベタ画像の60°光沢度を測定し、下記基準に基づき。光沢性を評価した。なお、△までが許容範囲である。
[評価基準]
◎:60°光沢度が30%以上
○:60°光沢度が25%以上30%未満
△:60°光沢度が20%以上25%未満
×:60°光沢度が20%未満
作製した各インクをインクジェットプリンタ(株式会社リコー製、IPSIO GX5500)に充填した。次に、記録用メディアとしてのコート紙(Lumi Art Gloss 130gsm紙、Stora Enso社製)をセットし、1,200dpiの解像度でベタ画像を形成した。その後、内部の温度が100℃となるように設定した恒温槽にて前記ベタ画像を30秒間乾燥した。乾燥直後に前記ベタ画像を切り出し、前記コート紙の白紙部と貼り合せて5kgf/cm2となるように上から重りを載せ、23℃で50%RHの環境下で24時間放置した。24時間後、前記コート紙の白紙部へのベタ画像(顔料)の転写具合を目視観察し、下記基準に基づき、ブロッキング性を評価した。なお、△までが許容範囲である。
[評価基準]
◎:白紙部への転写がない
○:白紙部へ画像の一部が転写しており、30cm離れた距離から確認できる
△:白紙部へ画像の一部が転写しており、60cm離れた距離から確認できる
×:白紙部へ画像の大部分が転写している
作製した各インクをインクジェットプリンタ(IPSIO GX5500、株式会社リコー製)に充填した。次に、前記プリンタを40℃の恒温槽にデキャップ状態で24時間静置した後に取り出して、プリンタドライバからヘッドリフレッシングを実施し、全ノズルが吐出するのに要する前記ヘッドリフレッシングの回数を求め、下記基準に基づき、メンテナンス性を評価した。なお、△までが許容範囲である。
[評価基準]
◎:ヘッドリフレッシングが4回未満で全ノズルが吐出する
○:ヘッドリフレッシングが4回以上7回未満で全ノズルが吐出する
△:ヘッドリフレッシングが7回以上10回未満で全ノズルが吐出する
×:ヘッドリフレッシングが10回以上で全ノズルが吐出する
作製した各インク40gを容量50mLのポリ容器に入れて、70℃の恒温槽で14日間保存し、保存前の粘度に対する保存後の粘度の変化率を下記数式から求め、下記の基準により評価した。
前記インク粘度は、粘度計(RE80L、東機産業株式会社製)を用いて25℃で測定した。なお、△までが許容範囲である。
[評価基準]
◎:粘度変化率が5%未満
○:粘度変化率が5%以上7%未満
△:粘度変化率が7%以上10%未満
×:粘度変化率が10%以上
<1> 有機溶剤、ポリウレタン樹脂粒子、着色剤、及び水を含有するインクであって、
前記有機溶剤が、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含み、
記録用メディア上に形成した前記インクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像について、マイクロスクラッチ法による臨界画像剥離点でのセンサー出力値が、600以上であることを特徴とするインクである。
<2> 記録用メディア上に形成したインクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像の算術平均粗さRaが、0.3μm以上0.8μm以下である前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度が、−30℃以上10℃以下である前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記ポリウレタン樹脂粒子の体積平均粒径が、8nm以上19nm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<5> 前記ポリウレタン樹脂粒子の含有量A(質量%)と前記着色剤の含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、1以上5以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記ポリウレタン樹脂粒子の含有量A(質量%)と前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下である化合物の含有量C(質量%)との質量比(C/A)が、0.85以上3.0以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下である化合物が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び3−メトキシブタノールから選択される少なくとも1種である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下である化合物の含有量が、10質量%以上25質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記センサー出力値が、600以上1,000以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 溶解性パラメーター(SP値)が11.0〜14.0である有機溶剤を含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 前記有機溶剤の含有量が、15質量%以上60質量%以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 前記ポリウレタン樹脂粒子の重量平均分子量が、5,000〜500,000である前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記記録用メディアが、印刷用塗工紙である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<15> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<16> 前記記録用メディアが、印刷用塗工紙である前記<15>に記載のインクジェット記録方法である。
<17> 前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<18> 前記記録用メディアが、印刷用塗工紙である前記<17>に記載のインクジェット記録装置である。
<19> 記録用メディア上に、前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とする記録物である。
<20> 前記記録用メディアが、印刷用塗工紙である前記<19>に記載の記録物である。
2 始点
3 終点
4 臨界画像剥離点
5 スクラッチ方向
6 ベタ画像
7 記録用メディア
10 インク収容容器
11 インク収容部
20 インク供給口
134 記録ヘッド
200 インク収容容器
Claims (13)
- 有機溶剤、ポリウレタン樹脂粒子、着色剤、及び水を含有するインクと記録用メディアのセットであって、
前記有機溶剤が、100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下の化合物を含み、
前記記録用メディアがロール状の印刷塗工紙であり、
前記記録用メディア上に形成した前記インクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像における、マイクロスクラッチ法による臨界画像剥離点でのセンサー出力値が、600以上であることを特徴とするインクと記録用メディアのセット。 - 前記記録用メディア上に形成したインクの付着量が0.96mg/cm2であるベタ画像の算術平均粗さRaが、0.3μm以上0.8μm以下である請求項1に記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記ポリウレタン樹脂粒子のガラス転移温度が、−30℃以上10℃以下である請求項1から2のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記ポリウレタン樹脂粒子の体積平均粒径が、8nm以上19nm以下である請求項1から3のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記ポリウレタン樹脂粒子の含有量A(質量%)と前記着色剤の含有量B(質量%)との質量比(A/B)が、1以上5以下である請求項1から4のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記ポリウレタン樹脂粒子の含有量A(質量%)と前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下である化合物の含有量C(質量%)との質量比(C/A)が、0.85以上3.0以下である請求項1から5のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下である化合物が、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、及び3−メトキシブタノールから選択される少なくとも1種である請求項1から6のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記100℃における飽和蒸気圧が65mmHg以上400mmHg以下である化合物の含有量が、10質量%以上25質量%以下である請求項1から7のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 請求項1から8のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセットにおけるインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて、請求項1から8のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセットにおける記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1から8のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセットにおける記録用メディアからなる連続紙を収容する記録用メディア搬送部と、
請求項1から8のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセットにおけるインクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて、前記記録用メディア上に画像を記録するインク飛翔手段と、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記有機溶剤が、溶解性パラメーター(SP値)が11.0〜14.0である化合物を更に含む請求項1から8のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- 前記溶解性パラメーター(SP値)が11.0〜14.0である化合物が、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールから選択される少なくとも1種である請求項1から8及び11のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
- インクを容器中に収容してなるインク収容容器を有する請求項1から8及び11から12のいずれかに記載のインクと記録用メディアのセット。
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