JP2018190923A - チップ抵抗器の製造方法 - Google Patents

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健太郎 松本
夏希 井口
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Abstract

【課題】マイクロクラックに起因する特性への悪影響を軽減することができると共に、微調整用の第2トリミング溝による安定して高精度な抵抗値調整を行うことができるチップ抵抗器の製造方法を提供する。【解決手段】抵抗体4に粗調整用の第1トリミング溝5と微調整用の第2トリミング溝6が形成されているチップ抵抗器1において、第1トリミング溝5の形成時に取得した第1横方向カット部5bの先端座標に基づいて、トリミング開始点の座標を第1横方向カット部5bの先端から一方の表電極3方向へ一定距離L1だけ離れた位置となるように設定し、当該座標から電極間方向と直交する方向へレーザ光を照射することにより、第1トリミング溝5と逆向きに対向する第2トリミング溝6を形成するようにした。【選択図】図3

Description

本発明は、絶縁基板上に設けられた抵抗体にトリミング溝を形成することで抵抗値が調整されるチップ抵抗器の製造方法に関するものである。
一般的にチップ抵抗器は、直方体形状の絶縁基板と、絶縁基板の表面に所定間隔を存して対向配置された一対の表電極と、絶縁基板の裏面に所定間隔を存して対向配置された一対の裏電極と、表電極と裏電極を橋絡する端面電極と、対をなす表電極どうしを橋絡する抵抗体と、抵抗体を覆う保護膜等によって主に構成されている。
この種のチップ抵抗器を製造する場合、大判基板に対して多数個分の電極や抵抗体や保護膜等を一括して形成した後、この大判基板を格子状の分割ライン(例えば分割溝)に沿って分割してチップ抵抗器を多数個取りするようにしている。かかるチップ抵抗器の製造過程で、大判基板の片面には抵抗ペーストを印刷・焼成することにより多数の抵抗体が形成されるが、印刷時の膜厚のばらつきや滲み、あるいは焼成炉内の温度むら等の影響により、各抵抗体の抵抗値にばらつきを生じることは避け難いため、大判基板の状態で各抵抗体にトリミング溝を形成して所望の抵抗値に設定するという抵抗値調整作業が行われる。
このような抵抗器の抵抗値調整方法においては、予め抵抗体の抵抗値を目標抵抗値よりも幾分低い抵抗値にて形成しておき、両電極に測定用のプローブを接触させて抵抗体の抵抗値を測定しながら、抵抗体にレーザ光を照射してトリミング溝を形成することにより、抵抗値を切り上げて目標の抵抗値にするのが一般的である。トリミング溝の形状としてはIカットやLカット等が知られており、高精度の抵抗値調整を行う場合は、粗調整用と微調整用のトリミング溝を2本組み合わせたIIカットやILカットあるいはダブルLカット等が採用されている(特許文献1、特許文献2)。
図6は特許文献1に記載されたチップ抵抗器の平面図であり、同図に示すように、抵抗体100にはLカット形状の第1トリミング溝101とIカット形状の第2トリミング溝102が形成されており、これら粗調整用の第1トリミング溝101と微調整用の第2トリミング溝102とによって抵抗体の100の抵抗値が目標抵抗値に調整されている。
かかる抵抗体のトリミング方法について説明すると、まず、一対の電極103にプローブを接触させて抵抗体100の初期抵抗値を測定し、この初期設定値に基づいて目標抵抗値より低い第1目標抵抗値を設定・記憶する。次に、両電極103にプローブを接触させて抵抗体100の抵抗値を測定しながら、抵抗体100の下辺から上方へ向けてレーザ光を照射し、第1トリミング溝101の縦方向カットを開始する。そして、プローブによる測定抵抗値が第1目標抵抗値に達したなら、レーザ光の照射方向を左方へLターンして第1トリミング溝101の横方向カットを実行する。
次いで、第1トリミング溝101の縦方向カット部から右方へ所定距離だけ離れた所定位置において、抵抗体100の下辺から上方へ向けてレーザ光を照射し、第2トリミング溝102のIカット(ストレートカット)を開始する。そして、プローブによる測定抵抗値が目標抵抗値に達したら、抵抗体100に対するレーザ光の照射を停止して第2トリミング溝102のIカットを終了することにより、抵抗体100の抵抗値調整(トリミング工程)が終了する。このように、抵抗体100の初期抵抗値を測定し、この初期設定値に基づいて第1トリミング溝101の縦方向カット長さを設定することで、第2トリミング溝102の長さは、第1トリミング溝101のLターン位置(縦方向カット部の先端)を越えないようになっている。
特許文献1に記載された抵抗体のトリミング方法では、抵抗体100の初期抵抗値に基づいて第1トリミング溝101の横方向カット部分の長さを決定しているため、第2トリミング溝102のIカット部分の長さが極端に長くなったり短くなったりすることはなく、初期抵抗値のばらつきに関係なく安定した高精度のトリミングを行うことができる。しかしながら、第1トリミング溝101と第2トリミング溝102の先端部にはマイクロクラックが発生し、第1トリミング溝101の先端部のマイクロクラックは電極間方向(横方向)へ延長するため抵抗値にほとんど影響しないが、第2トリミング溝102の先端部のマイクロクラックは電極間方向と直交する方向(縦方向)へ延長するため、第2トリミング溝102の先端部に発生するマイクロクラックは抵抗値に大きく影響し、さらに、このマイクロクラックが抵抗体100の電気的特性や耐久性に支障をきたすという問題がある。
このようなマイクロクラックの影響を軽減するために、特許文献2に記載された抵抗体のトリミング方法では、図7に示すように、抵抗体100にLカット形状の第1トリミング溝101とLカット形状の第2トリミング溝104とを向かい合わせに形成している。この場合の抵抗体のトリミング方法について説明すると、まず、両電極103にプローブを接触させて抵抗体100の抵抗値を測定しながら、抵抗体100の下辺の所定箇所から上方へ向けてレーザ光を照射して第1トリミング溝101の縦方向カットを開始する。そして、測定抵抗値が目標抵抗値の数十パーセントに達した時点で、レーザ光の照射方向を左方へLターンして第1トリミング溝101の横方向カットを開始し、測定抵抗値が目標抵抗値から数パーセントを差し引いた抵抗値に達した時点で、レーザ光の照射を停止してLカット形状の第1トリミング溝101を形成する。こうして粗調整用の第1トリミング溝101が形成されると、実測抵抗値としての目標抵抗値にある程度まで近づけられた値が得られ、抵抗値の粗調整が完了する。
次に、第1トリミング溝101の縦方向カット部から左方へ所定距離Lだけ離れた位置において、抵抗体100の下辺から上方へ向けてレーザ光を照射し、第2トリミング溝104の縦方向カットを開始する。そして、プローブによる測定抵抗値が目標抵抗値から1パーセントを差し引いた抵抗値に達した時点で、レーザ光の照射方向を右方へLターンして第2トリミング溝104の横方向カットを開始し、引き続き測定抵抗値が目標抵抗値に達した時点で、レーザ光の照射を停止してLカット形状の第2トリミング溝104を形成する。こうして抵抗体100に粗調整用の第1トリミング溝101と微調整用の第2トリミング溝104が形成されると、実測抵抗値が所期の目標抵抗値にほとんど達した時点でトリミングが終了した状態となり、そうして抵抗値全体の調整が完了する。
特許文献2に記載された抵抗体のトリミング方法では、抵抗体100にLカット形状の第1トリミング溝101を形成して抵抗値を粗調整した後、この第1トリミング溝101と向かい合わせにLカット形状の第2トリミング溝104を形成して抵抗値を微調整しているため、第1トリミング溝101と第2トリミング溝104の先端部に発生するマイクロクラックが両方共に電極間方向へ延長した状態となって抵抗値に影響が少なくなり、さらに第1トリミング溝101の先端部に発生するマイクロクラックの影響が第2トリミング溝104によって遮られるため、これらマイクロクラックに起因する電気的特性や耐久性への悪影響を軽減することができる。
特開平4−196502号公報 特開2000−340401号公報
特許文献2に記載された抵抗体100では、抵抗体100の最終的な目標抵抗値に対する割合に基づいて、第1および第2トリミング溝101,104の縦方向カット部と横方向カット部の長さがそれぞれ決定されており、例えば、粗調整用の第1トリミング溝101の長さについては、目標抵抗値の数十パーセントに達した時点で縦方向カットをLターンした後、目標抵抗値から数パーセントを差し引いた抵抗値に達した時点で横方向カットを停止するようにしている。しかし、第1トリミング溝101の横方向カット部の全長は、最終的な目標抵抗値から数パーセントを差し引いた抵抗値に達するまでの長さであり、抵抗体100の膜厚や材料等によって様々な長さになるため、第1トリミング溝101の横方向カット部の長さによっては、第2トリミング溝104による高精度な抵抗値調整をできなくなる事態が発生してしまう。
例えば、図8(a)に示すように、第1トリミング溝101の横方向カット部の全長が短くなった場合、第2トリミング溝104のトリミング開始点が第1トリミング溝101の終端から大きく離れてしまうことがあり、その場合、第2トリミング溝104の縦方向カットの先端が導通ラインEL1に到達するまでの距離が極端に短くなってしまう。ここで、導通ラインEL1は、抵抗体100の下辺側に接する図中左側の電極103の接点P1と、第1トリミング溝101の終端位置(横方向カットの先端)とを最短距離で結んだ仮想線であり、この導通ラインEL1と第1トリミング溝101とで囲まれた領域Q1内に第2トリミング溝102が形成されるようになっている。この領域Q1は、第2トリミング溝102の切込み量増分に対する抵抗値増分の割合が小さい部位であるが、上記したように、第2トリミング溝104の縦方向カットの先端が導通ラインEL1に到達するまでの距離が短くなっていると、抵抗値を調整できる距離が短いため、結果的に抵抗値の微調整にならなくなる。
また、図8(b)に示すように、第1トリミング溝101の横方向カット部の全長が長くなった場合、第1トリミング溝101の終端が第2トリミング溝104のトリミング開始点を越えてしまうことがあり、その場合、第2トリミング溝104の縦方向カットにおける単位長さ当たりの抵抗値変化が極端に小さくなるため、目標抵抗値から1パーセントを差し引いた抵抗値に達するまで第2トリミング溝104の縦方向カットを延ばしていくと、第2トリミング溝104の縦方向カットの先端が領域Q1を越えて第1トリミング溝101の横方向カットを突き抜けてしまう。その結果、抵抗体100の抵抗値が急激に上昇して微調整にならず、しかも、第2トリミング溝104の縦方向カットの先端部に発生するマイクロクラックの影響が大きくなってしまう。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、マイクロクラックに起因する特性への悪影響を軽減することができると共に、微調整用の第2トリミング溝による安定して高精度な抵抗値調整を行うことができるチップ抵抗器の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明によるチップ抵抗器の製造方法は、絶縁基板の表面に所定間隔を存して一対の表電極を形成する電極形成工程と、一対の表電極に接続するように長方形状の抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、前記抵抗体の抵抗値を測定しながら、測定抵抗値が初期抵抗値より高く目標抵抗値より低い第1目標抵抗値に達するまで、前記抵抗体の一側面から電極間方向と直交する方向へ延びる第1の切込みを入れた後、測定抵抗値が前記第1目標抵抗値より高く目標抵抗値より低い第2目標抵抗値に達するまで、前記第1の切込みの終端から電極間方向へ延びる第2の切込みを入れてL字状の第1トリミング溝を形成する第1トリミング形成工程と、前記抵抗体の抵抗値を測定しながら、前記第1トリミング溝の先端側の前記抵抗体の一側面から第2トリミング溝を形成する第2トリミング形成工程と、を含み、前記第2トリミング溝は、前記第1トリミング溝の前記第2の切込みの終端から一方の電極方向に一定距離だけ隔てた位置をトリミング開始点として、前記抵抗体の一側面から電極間方向と直交する方向へ延びる切込みを入れることを特徴としている。
このようなチップ抵抗器の製造方法では、粗調整用の第1トリミング溝を形成する際に、第1トリミング溝のLターン後の第2の切込みが、抵抗体の膜厚や材料等により様々な長さになったとしても、微調整用の第2トリミング溝のトリミング開始点が、第2の切込みの終端から常に一定距離だけ隔てた位置に決定されるため、第2トリミング溝のトリミング開始点に対して第1トリミング溝の終端位置が離れ過ぎたり近づき過ぎることがなくなり、安定して高精度な抵抗値調整を行うことができる。
本発明に係るチップ抵抗器の製造方法によれば、マイクロクラックに起因する特性への悪影響を軽減することができると共に、微調整用の第2トリミング溝による安定して高精度な抵抗値調整を行うことができる。
本発明の実施形態例に係るチップ抵抗器の平面図である。 該チップ抵抗器の製造工程を示す説明図である。 該チップ抵抗器のトリミング方法を示す説明図である。 該チップ抵抗器のトリミング方法を示すフローチャートである。 該チップ抵抗器のトリミング方法を示すフローチャートである。 従来例に係るチップ抵抗器の平面図である。 他の従来例に係るチップ抵抗器の平面図である。 図7のチップ抵抗器が有する問題点を示す説明図である。
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すように、本発明の実施形態例に係るチップ抵抗器1は、直方体形状の絶縁基板2と、この絶縁基板2の表面の長手方向両端部に設けられた一対の表電極3と、これら一対の表電極3に接続するように絶縁基板2の表面に設けられた長方形状の抵抗体4と、この抵抗体4を覆うように設けられた保護膜(図示せず)等によって主に構成されており、抵抗体4には抵抗値の粗調整用の第1トリミング溝5と微調整用の第2トリミング溝6とが形成されている。なお、図示省略されているが、絶縁基板2の裏面には表電極3に対応するように一対の裏電極が設けられており、絶縁基板2の長手方向の両端面には対応する表電極と裏電極を橋絡する端面電極が設けられている。
絶縁基板2はセラミック等からなり、この絶縁基板2は後述する大判基板を縦横の分割溝に沿って分割して多数個取りされたものである。表電極3はAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、図示せぬ裏電極も同じくAg系ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものである。
抵抗体4はCu−Niや酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成させたものであり、詳細については後述するが、この抵抗体4にL字形状の第1トリミング溝5と第2トリミング溝6を向かい合わせに形成することによってチップ抵抗器1の抵抗値が調整されるようになっている。
なお、図示せぬ保護膜はエポキシ系の樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化させたものであり、この保護膜は抵抗体4を外部環境から保護する機能を有している。また、端面電極は、絶縁基板2の端面にAgペーストを塗布して乾燥・焼成させたものや、Agペーストの代わりにNi/Cr等をスパッタしたものであり、この端面電極の表面にはNiやAuあるいはSn等のメッキ層が施されている。
次に、このように構成されたチップ抵抗器1の製造工程について、図2を参照しながら説明する。
まず、絶縁基板2が多数個取りされる大判基板を準備する。この大判基板には予め1次分割溝と2次分割溝が格子状に設けられており、両分割溝によって区切られたマス目の1つ1つが1個分のチップ領域となる。図2には1個分のチップ領域に相当する大判基板2Aが代表して示されているが、実際は多数個分のチップ領域に相当する大判基板に対して以下に説明する各工程が一括して行われる。
すなわち、図2(a)に示すように、この大判基板2Aの表面にAg系ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して一対の表電極3を形成する(表電極形成工程)。なお、この電極形成工程と同時あるいは前後して、大判基板2Aの裏面にAg系ペーストをスクリーン印刷した後、これを乾燥・焼成して図示せぬ裏電極を形成する(裏電極形成工程)。
次に、図2(b)に示すように、大判基板2Aの表面にCu−Niや酸化ルテニウム等の抵抗体ペーストをスクリーン印刷して乾燥・焼成することにより、長手方向の両端部が表電極3に重なる長方形状の抵抗体4を形成する(抵抗体形成工程)。
次に、図2(c)に示すように、抵抗体4の下辺の所定箇所から上方へ向けてレーザ光を照射した後、そのレーザ光の照射方向を左方へLターンすることにより、抵抗体4にLカット形状の第1トリミング溝5を形成する(第1トリミング形成工程)。この第1トリミング溝5により、抵抗体4の抵抗値は目標抵抗値よりも若干低い値に粗調整される。
次に、図2(d)に示すように、第1トリミング溝5の終端から左方へ一定距離だけ離れた位置をトリミング開始点として、抵抗体4の下辺から上方へ向けてレーザ光を照射した後、そのレーザ光の照射方向を右方へLターンすることにより、抵抗体4に第1トリミング溝5とは逆向きのLカット形状の第2トリミング溝6を形成する(第2トリミング形成工程)。このように第1トリミング溝5と第2トリミング溝6を形成した時点で抵抗体4の抵抗値調整は完了し、抵抗体4の抵抗値は目標抵抗値にほぼ近い値となる。
次に、第1および第2トリミング溝5,6の上からエポキシ樹脂ペーストをスクリーン印刷して加熱硬化することにより、抵抗体4の全体を覆う図示せぬ保護膜を形成する(保護膜形成工程)。
ここまでの各工程は多数個取り用の大判基板2Aに対する一括処理であるが、次なる工程では、大判基板2Aを1次分割溝に沿って短冊状に分割するという1次ブレーク加工を行うことより、複数個分のチップ領域が設けられた図示せぬ短冊状基板を得る(1次分割工程)。次いで、短冊状基板の分割面にAgペーストを塗布して乾燥・焼成したり、Agペーストの代わりにNi/Crをスパッタすることにより、表電極3と裏電極を橋絡する図示せぬ端面電極を形成する(端面電極形成工程)。
しかる後、短冊状基板を2次分割溝に沿って分割するという2次ブレーク加工を行うことにより、チップ抵抗器1と同等の大きさのチップ単体を得る(2次分割工程)。最後に、個片化された各チップ単体の絶縁基板2の長手方向両端部にNiとAuやSn等の電解メッキを施し、保護膜から露出する表電極3を覆う図示せぬ外部電極を形成することにより、図1に示すようなチップ抵抗器1が得られる。
次に、上記した第1トリミング形成工程と第2トリミング形成工程について、図3〜図5を参照しつつ詳細に説明する。
図4のフローチャートに示すように、まず、一対の表電極3に図示せぬプローブを接触させて抵抗体4の初期抵抗値R0を測定した後(S−1)、そのまま表電極3にプローブを接触させて抵抗体4の抵抗値Rを測定しながら(S−2)、レーザ光を図3に示す始点座標(x0,y0)からY1方向に沿って走査する(S−3)。これにより、図3(a)に示すように、抵抗体4の下辺から上方へ延びる第1縦方向カット部5aが形成され、この第1縦方向カット部5aの切込み量に伴って抵抗体4の測定抵抗値Rが次第に上昇していく。
そして、抵抗体4の測定抵抗値Rが初期抵抗値R0より高く目標抵抗値Rtより低い第1目標抵抗値R1(例えばRthのマイナス3%)に達したら(S−4)、レーザ光を左側に90°方向変換してX2方向に沿って走査する(S−5)。これにより、図3(b)に示すように、第1縦方向カット部5aの先端から左方向へ延びる第1横方向カット部5bが形成され、この第1横方向カット部5bの切込み量に伴って抵抗体4の抵抗値がさらに次第に上昇していく。
そして、抵抗体4の測定抵抗値Rが第1目標抵抗値R1より高く目標抵抗値Rtより低い第2目標抵抗値R2(例えばRthのマイナス0.8%)に達したら(S−6)、当該位置でレーザの照射と抵抗体4の抵抗値測定を終了してL字状の第1トリミング溝5を形成すると共に、当該位置を第1横方向カット部5bの先端座標(x1,y1)として取得する(S−7)。こうして粗調整用の第1トリミング溝5が形成されると、この時点で、抵抗体4の抵抗値は目標抵抗値Rtよりも若干低い値に粗調整される。なお、抵抗体4の表面をガラスペースト等からなるプリコート層で覆い、このプリコート層の上からレーザ光を照射することにより、抵抗体4に第1トリミング溝5を形成するようにしても良い。
しかる後、図5のフローチャートに示すように、第1トリミング溝5の形成時に取得した第1横方向カット部5bの先端座標(x1,y1)に基づいて、第2トリミング溝6のトリミング開始点であるレーザ光の照射開始座標を設定する。その際、レーザ光の照射開始座標は、第1横方向カット部5bの先端座標(x1,y1)から左方向(X2方向)へ一定距離L1だけ離れた位置(x1+L1,y0)となるように設定しておく(S−8)。
次に、一対の表電極3にプローブを接触させて抵抗体4の抵抗値Rを測定しながら(S−9)、レーザ光をこの照射開始座標(x1+L1,y0)からY1方向に沿って走査する(S−10)。これにより、図3(c)に示すように、抵抗体4の下辺から上方へ延びる第2縦方向カット部6aが形成され、この第2縦方向カット部6aの切込み量に伴って抵抗体4の測定抵抗値Rが次第に上昇していく。
そして、抵抗体4の測定抵抗値Rが第2目標抵抗値R2より高く目標抵抗値Rtより低い第3目標抵抗値R3(例えばRthのマイナス0.2%)に達したら(S−11)、レーザ光を右側に90°方向変換してX1方向に沿って走査する(S−12)。これにより、図3(d)に示すように、第2縦方向カット部6aの先端から右方向へ延びる第2横方向カット部6bが形成され、この第2横方向カット部6bの切込み量に伴って抵抗体4の抵抗値がさらに次第に上昇していく。
そして、抵抗体4の測定抵抗値Rが目標抵抗値Rtに達したら(S−13)、当該位置でレーザの照射を終了することにより(S−14)、抵抗体4に対する全てのトリミング工程が完了する。
以上説明したように、本実施形態例に係るチップ抵抗器1の製造方法では、粗調整用の第1トリミング溝5を形成する際に、第1トリミング溝5のLターン後の第1横方向カット部5b(第2の切込み)が、抵抗体4の膜厚や材料等により様々な長さになったとしても、微調整用の第2トリミング溝6のトリミング開始点が、第1横方向カット部5bの終端から常に一定距離L1だけ隔てた位置に決定されているため、第2トリミング溝6のトリミング開始点に対して第1トリミング溝5の終端位置が離れ過ぎたり近づき過ぎることがなくなり、安定して高精度な抵抗値調整を行うことができる。
なお、上記実施形態例では、粗調整用の第2トリミング溝6が第2縦方向カット部6aと第2横方向カット部6bを有するLカット形状である場合について説明したが、第2トリミング溝6が第2縦方向カット部6aのみを有するものでも良く、その場合はILカット形状のトリミング溝となる。
1 チップ抵抗器
2 絶縁基板
3 表電極
4 抵抗体
5 第1トリミング溝
5a 第1縦方向カット部(第1の切込み)
5b 第1横方向カット部(第2の切込み)
6 第2トリミング溝
6a 第2縦方向カット部
6b 第2横方向カット部

Claims (1)

  1. 絶縁基板の表面に所定間隔を存して一対の表電極を形成する電極形成工程と、
    一対の表電極に接続するように長方形状の抵抗体を形成する抵抗体形成工程と、
    前記抵抗体の抵抗値を測定しながら、測定抵抗値が初期抵抗値より高く目標抵抗値より低い第1目標抵抗値に達するまで、前記抵抗体の一側面から電極間方向と直交する方向へ延びる第1の切込みを入れた後、測定抵抗値が前記第1目標抵抗値より高く目標抵抗値より低い第2目標抵抗値に達するまで、前記第1の切込みの終端から電極間方向へ延びる第2の切込みを入れてL字状の第1トリミング溝を形成する第1トリミング形成工程と、
    前記抵抗体の抵抗値を測定しながら、前記第1トリミング溝の先端側の前記抵抗体の一側面から第2トリミング溝を形成する第2トリミング形成工程と、
    を含み、
    前記第2トリミング溝は、前記第1トリミング溝の前記第2の切込みの終端から一方の電極方向に一定距離だけ隔てた位置をトリミング開始点として、前記抵抗体の一側面から電極間方向と直交する方向へ延びる切込みを入れることを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
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